JP2010208094A - 流体噴射装置、及び流体噴射方法 - Google Patents

流体噴射装置、及び流体噴射方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置本体側からヘッド側への配線数を軽減させる。
【解決手段】複数のノズルのそれぞれに対応して設けられた複数の駆動素子と、前記複数の駆動素子の駆動を制御するヘッドコントローラーと、前記複数の駆動素子の駆動を制御するための信号を前記ヘッドコントローラーへ送信する本体側コントローラーと、前記本体側コントローラーと前記ヘッドコントローラーとの間で前記信号を伝送する配線と、を有し、各前記ノズルから流体を噴射するか否かを示すデータの信号を前記本体側コントローラーから前記ヘッドコントローラーに非同期通信にて送信する。
【選択図】図5

Description

本発明は、流体噴射装置、及び流体噴射方法に関する。
流体噴射装置の一例として、インクを噴射するインクジェットプリンターが知られている。プリンターには、複数のノズル及び各ノズルに対応した駆動素子(例えばピエゾ素子)を有するヘッドユニットが備えられており、駆動素子を駆動させることに基づいて、対応するノズルからインクが噴射される。
特開平10−81013号公報
このようなプリンターでは、複数の駆動素子の駆動をそれぞれ制御するために各種の信号(駆動信号、画素データなど)が装置本体側からヘッド側に伝送されている。このため、装置本体側からヘッド側までの配線数が多く必要になるという問題があった。
そこで本発明は、装置本体側からヘッド側への配線数を軽減させることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、複数のノズルのそれぞれに対応して設けられた複数の駆動素子と、前記複数の駆動素子の駆動を制御するヘッドコントローラーと、前記複数の駆動素子の駆動を制御するための信号を前記ヘッドコントローラーへ送信する本体側コントローラーと、前記本体側コントローラーと前記ヘッドコントローラーとの間で前記信号を伝送する配線と、を有し、各前記ノズルから流体を噴射するか否かを示すデータの信号を前記本体側コントローラーから前記ヘッドコントローラーに非同期通信にて送信する、ことを特徴とする流体噴射装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
プリンターの全体構成のブロック図である。 図2Aは、プリンターの斜視図である。図2Bは、プリンターの横断面図である。 ヘッドコントローラーHCの説明図である。 各信号のタイミングの説明図である。 第1実施形態の説明図である。 データ受信部の動作の説明図である。 第2実施形態のデータ受信部の動作の説明図である。 第3実施形態の各信号のタイミングの説明図である。 第3実施形態のデータ受信部の説明図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
複数のノズルのそれぞれに対応して設けられた複数の駆動素子と、前記複数の駆動素子の駆動を制御するヘッドコントローラーと、前記複数の駆動素子の駆動を制御するための信号を前記ヘッドコントローラーへ送信する本体側コントローラーと、前記本体側コントローラーと前記ヘッドコントローラーとの間で前記信号を伝送する配線と、を有し、各前記ノズルから流体を噴射するか否かを示すデータの信号を前記本体側コントローラーから前記ヘッドコントローラーに非同期通信にて送信することを特徴とする流体噴射装置が明らかとなる。
このような流体噴射装置によれば、装置本体側からヘッド側への配線数を軽減させることができる。
かかる流体噴射装置であって、各前記ノズルから流体を噴射するか否かを示すデータの信号を前記本体側コントローラーから前記ヘッドコントローラーに非同期通信にて送信する際に、所定数のノズル分の前記データを1フレームとし、複数のフレームの信号を前記非同期通信にて送信することが望ましい。
このような流体噴射装置によれば、伝送単位毎のビット数を減らすことができる。よって、受信エラーを軽減することができる。
かかる流体噴射装置であって、複数の画素に対する各前記ノズルから流体を噴射するか否かを示すデータの信号を、所定期間内にまとめて送信し、前記所定期間に、前記データに基づいて、或る画素に対して各前記ノズルから流体を噴射させ、次の画素に対して各前記ノズルから流体を噴射させることが望ましい。
このような流体噴射装置によれば、転送効率を向上させることができ、ノズル数が増えたときでも、確実に転送することができる。
また、複数の駆動素子の駆動を制御するための信号を生成すること、本体側コントローラーからヘッド側コントローラーへ配線を介して前記信号を送信すること、その際に、各ノズルから流体を噴射するか否かを示すデータの信号は非同期通信にて前記配線を介して送信すること、及び、前記データに基づいて各前記駆動素子が駆動されて、前記ノズルから流体が噴射されること、を有することを特徴とする流体噴射方法が明らかとなる。
以下の実施形態では、インクジェットプリンター(以下、プリンター1ともいう)を例に挙げて説明する。
===プリンターの構成===
図1は、本実施形態のプリンター1の全体構成のブロック図である。また、図2Aは、プリンター1の斜視図であり、図2Bは、プリンター1の横断面図である。以下、本実施形態のプリンター1の基本的な構成について説明する。
本実施形態のプリンター1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラー60(本体側コントローラーに相当する)、及び、フレキシブルケーブル71を有する。外部装置であるコンピューター110から印刷データを受信したプリンター1は、コントローラー60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラー60は、コンピューター110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラー21と、搬送モーター22(PFモーターとも言う)と、搬送ローラー23と、プラテン24と、排紙ローラー25とを有する。給紙ローラー21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンター内に給紙するためのローラーである。搬送ローラー23は、給紙ローラー21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラーであり、搬送モーター22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラー25は、紙Sをプリンターの外部に排出するローラーであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモーター32(CRモーターとも言う)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモーター32によって駆動される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
ヘッドユニット40は、紙にインクを噴射するためのものである。ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41と、ヘッドコントローラーHCと、クロック42を備える。このヘッド41はキャリッジ31に設けられているため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に噴射することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
なお、ヘッドユニット40の構成については後述する。
検出器群50には、リニア式エンコーダー51、ロータリー式エンコーダー52、紙検出センサー53、および光学センサー54等が含まれる。リニア式エンコーダー51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダー52は、搬送ローラー23の回転量を検出する。紙検出センサー53は、給紙中の紙の先端の位置を検出する。光学センサー54は、キャリッジ31に取付けられている発光部と受光部により、紙の有無を検出する。そして、光学センサー54は、キャリッジ31によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出することができる。また、光学センサー54は、状況に応じて、紙の先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。
コントローラー60は、プリンターの制御を行うための制御ユニットである。コントローラー60は、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64と、駆動信号生成部65とを有する。インターフェイス部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。駆動信号生成部65は、ピエゾ素子を駆動させるための共通駆動信号COMを生成する。CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
フレキシブルケーブル71は、可撓性を有する配線であり、コントローラー60とヘッドユニット40との間でピエゾ素子の駆動を制御するための信号を伝送する。
なお、本体側(コントローラー60)からフレキシブルケーブル71を介してヘッド側(ヘッドユニット40)に送られる信号は、共通駆動信号COM、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、画素データ(本実施形態の場合、非同期通信用画素データSD)などである。本実施形態では、後述するように、非同期通信用画素データSDに基づいて、ヘッド側で画素データSIが生成される。また、本実施形態では、ヘッドコントローラーHCで用いられるクロック信号CLKが、ヘッドユニット40内のクロック42から出力される。
なお、後述する比較例では、画素データSIが本体側からヘッドユニット40に送信される。また、比較例では、本体側でクロック信号CLKが生成され、ケーブル71を介してヘッドユニット40に送信される。
<印刷手順について>
コントローラー60は、コンピューター110から印刷命令及び印刷データを受信すると、印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の処理を行う。
まず、コントローラー60は、給紙ローラー21を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ローラー23の所まで送る。次に、コントローラー60は、搬送モーター22を駆動させることによって搬送ローラー23を回転させる。搬送ローラー23が所定の回転量にて回転すると、用紙Sは所定の搬送量にて搬送される。
用紙Sがヘッドユニット40の下部まで搬送されると、コントローラー60は、印刷命令に基づいてキャリッジモーター32を回転させる。このキャリッジモーター32の回転に応じて、キャリッジ31が移動方向に移動する。また、キャリッジ31が移動することによって、キャリッジ31に設けられたヘッドユニット40も同時に移動方向に移動する。そして、コントローラー60は、ヘッドユニット40が移動方向に移動している間にヘッド41から断続的にインク滴を噴射させる。このインク滴が、用紙Sにインク滴が着弾することによって、移動方向に複数のドットが並ぶドット列が形成される。なお、移動するヘッド41からインクを噴射することによるドット形成動作のことをパスという。
また、コントローラー60は、ヘッドユニット40が往復移動する合間に搬送モーター22を駆動させる。搬送モーター22は、コントローラー60からの指令された駆動量に応じて回転方向の駆動力を発生する。そして、搬送モーター22は、この駆動力を用いて搬送ローラー23を回転させる。搬送ローラー23が所定の回転量にて回転すると、用紙Sは所定の搬送量にて搬送される。つまり、用紙Sの搬送量は、搬送ローラー23の回転量に応じて定まることになる。このように、パスと搬送動作を交互に繰り返して行い、用紙Sの各画素にドットを形成していく。こうして用紙Sに画像が印刷される。
そして、最後に、コントローラー60は、搬送ローラー23と同期して回転する排紙ローラー25によって印刷が終了した用紙Sを排紙する。
===ヘッドユニットについて===
<比較例>
図3は、ヘッドコントローラーHCの説明図であり、図4は、各信号のタイミングの説明図である。
図3に示すヘッドコントローラーHCは、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、デコーダ83と、制御ロジック84と、スイッチ86を備えている。そして、制御ロジック84を除いた各部(すなわち、第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B、第1ラッチ回路82A、第2ラッチ回路82B、デコーダ83、スイッチ86)は、それぞれピエゾ素子417毎に設けられる。なお、ピエゾ素子417は、ノズルからインクを噴射するために駆動される素子(駆動素子)であり、ヘッド41においてノズル毎に設けられている。
比較例(図3)の場合、フレキシブルケーブル71中の伝送線には、共通駆動信号COM、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、画素データSI、クロック信号CLK、及び接地ラインGNDの各伝送線がある。そして、ヘッドコントローラーHCには、コントローラー60からフレキシブルケーブル71の各伝送線を介して、共通駆動信号COM、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、画素データSI、クロック信号CLKが送信される。以下、これらの信号について説明する。
共通駆動信号COMは、繰り返し周期Tにおける期間T11で生成される第1波形部SS11と、期間T12で生成される第2波形部SS12と、期間T13で生成される第3波形部SS13とを有する。ここで、第1波形部SS11は駆動パルスPS1を有している。また、第2波形部SS12は駆動パルスPS2を、第3波形部SS13は駆動パルスPS3をそれぞれ有している。そして、駆動パルスPS1、駆動パルスPS2及び駆動パルスPS3は、後で詳述する大ドットの形成時にピエゾ素子417へ印加されるものであり、互いに同じ波形をしている。また、駆動パルスPS1と駆動パルスPS2は、後で詳述する中ドットの形成時にも、ピエゾ素子417へ印加されるものである。また、駆動パルスPS1は、後で詳述する小ドットの形成時にも、ピエゾ素子417へ印加されるものである。なお、駆動パルスがピエゾ素子417に印加されない場合は、インクが噴射されない(ドットが形成されない)。
この共通駆動信号COMは、ピエゾ素子417毎に設けられたスイッチ86にそれぞれ入力されている。スイッチ86は、共通駆動信号COMをピエゾ素子417に印加するか否かのオン/オフ制御を行う。このオン/オフ制御により、共通駆動信号COMの一部分を、選択的にピエゾ素子417へ印加させることができ、これにより、ドットの大きさを変更することができる。このように、各波形部は、ピエゾ素子417へ印加される一単位である。なお、各波形部をピエゾ素子417へ印加させるための制御については、後で詳しく説明する。
ラッチ信号LATは、繰り返し周期T(1画素の区間をヘッド41が移動する期間)を示す信号である。ラッチ信号LATは、リニア式エンコーダー51の信号に基づいて、コントローラー60によって生成され、制御ロジック84とラッチ回路(第1ラッチ回路82A、第2ラッチ回路82B)に入力される。
チェンジ信号CHは、繰り返し周期Tを3等分した期間を示す信号である。チェンジ信号CHは、リニア式エンコーダー51の信号に基づいてコントローラー60によって生成され、制御ロジック84に入力される。
画素データSIは、画素毎の階調(ドット無し、小ドット、中ドット、大ドット)を示す信号である。この画素データは、1個のノズルに対して2ビットずつで構成されている。例えば、ノズル数が64個の場合、2ビット×64の画素データSIが繰り返し周期T毎にコントローラー60から送られてくることになる。なお、画素データSIは、第1シフトレジスタ81A及び第2シフトレジスタ81Bに入力される。
クロック信号CLKは、コントローラー60から送られる画素データSIやチェンジ信号CHを、制御ロジック84や各シフトレジスタ(第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B)にセットする際に用いられる信号である。
次に、ヘッドコントローラーHCで生成される信号について説明する。ヘッドコントローラーHCでは、選択信号q0〜q3、スイッチ制御信号SW、印加信号が生成される。
選択信号q0〜q3は、ラッチ信号LATとチェンジ信号CHに基づいて、制御ロジック64で生成される。そして生成された選択信号q0〜q3は、ピエゾ素子417毎に設けられたデコーダ83にそれぞれ入力される。
スイッチ制御信号SWは、各ラッチ回路(第1ラッチ回路82A、第2ラッチ回路82B)にラッチされた画素データ(2ビット)に基づいて、選択信号q0〜q3の何れかがデコーダ83によって選択されたものである。各デコーダ83で生成されたスイッチ制御信号SWは、対応するスイッチ86にそれぞれ入力される。
印加信号は、共通駆動信号COMとスイッチ制御信号に基づいてスイッチ86から出力される。この印加信号は、各スイッチ86と対応するピエゾ素子417にそれぞれ印加される。
(ヘッドコントローラーHCの動作)
ヘッドコントローラーHCは、コントローラー60からの画素データSIに基づき、インクを噴射させるための制御を行う。すなわち、ヘッドコントローラーHCは、印刷データに基づいてスイッチ86のオン/オフを制御し、共通駆動信号COMの必要な波形部を選択的にピエゾ素子417へ印加させている。言い換えると、ヘッドコントローラーHCは、各ピエゾ素子417の駆動を制御している。本実施形態では、画素データSIが2ビットで構成されている。そして、転送用クロックCLKに同期して、この画素データSIがヘッド41へ送られてくる。さらに、画素データSIの上位ビット群が各第1シフトレジスタ81Aにセットされ、下位ビット群が各第2シフトレジスタ81Bにセットされる。第1シフトレジスタ81Aには第1ラッチ回路82Aが電気的に接続され、第2シフトレジスタ81Bには第2ラッチ回路82Bが電気的に接続されている。そして、コントローラー60からのラッチ信号LATがHレベルになると、各第1ラッチ回路82Aは対応する画素データSIの上位ビットをラッチし、各第2ラッチ回路82Bは画素データSIの下位ビットをラッチする。第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bでラッチされた画素データSI(上位ビットと下位ビットの組)はそれぞれ、デコーダ83に入力される。デコーダ83は、第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bにラッチされた画素データSIに応じて、制御ロジック84から出力される選択信号q0〜q3のうちの一つの選択信号(例えば選択信号q1)を選択し、選択され選択信号をスイッチ制御信号SWとして出力する。各スイッチ86は、スイッチ制御信号に応じてオン/オフされて、共通駆動信号COMに含まれる波形部を選択的にピエゾ素子417へ印加する。
(画素データとドットの関係)
まず、ドットの非形成の場合(画素データSIがデータ[00]の場合)について説明する。画素データ[00]がラッチされている場合、スイッチ制御信号SWとして選択信号q0が出力される。これにより、期間Tにおいてスイッチ86がオフ状態になる。この結果、共通駆動信号COMの駆動パルスはピエゾ素子417へ印加されない。この場合、ノズルからはインク滴は噴射されない。
次に、小ドットの形成の場合(画素データSIがデータ[01]の場合)について説明する。画素データ[01]がラッチされている場合、スイッチ制御信号SWとして選択信号q1が出力される。これにより、期間T11においてスイッチ86がオン状態になり、期間T12及び期間T13においてスイッチ86がオフ状態になる。この結果、共通駆動信号COMの第1波形部SS11が有する駆動パルスPS1がピエゾ素子417へ印加され、ノズルからは小ドットに対応する量のインク滴が噴射される。
次に、中ドットの形成の場合(画素データSIがデータ[10]の場合)について説明する。画素データ[10]がラッチされている場合、スイッチ制御信号SWとして選択信号q2が出力される。これにより、期間T11及び期間T12においてスイッチ86がオン状態になり、期間T13ではスイッチ86がオフ状態になる。この結果、共通駆動信号COMの第1波形部SS11が有する駆動パルスPS1と、共通駆動信号COMの第2波形部SS12が有する駆動パルスPS2がピエゾ素子417へ印加され、ノズルからは中ドットに対応する量のインク滴(中インク滴)が噴射される
次に、大ドットの形成の場合(画素データSIがデータ[11]の場合)について説明する。画素データ[11]がラッチされている場合、スイッチ制御信号SWとして選択信号q3が出力される。これにより、期間T11、期間T12及び期間T13においてスイッチ86はオン状態になる。この結果、共通駆動信号COMの第1波形部SS11が有する駆動パルスPS1と、共通駆動信号COMの第2波形部SS12が有する駆動パルスPS2と、共通駆動信号COMの第3波形部SS13が有する駆動パルスPS3とがピエゾ素子417へ順に印加され、ノズルからは大ドットに対応する量のインク滴(大インク滴)が噴射される。
<第1実施形態>
図5は、本実施形態の説明図である。また、図6は、データ受信部の動作の説明図である。
まず、本体側のコントローラー60から送信される信号について説明する。本実施形態(図6)の場合、フレキシブルケーブル71中の伝送線には、共通駆動信号COM、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、非同期通信用画素データSD、及び接地(GND)ラインの各伝送線がある。そして、本実施形態では、本体側からヘッド側(ヘッドユニット40)に、共通駆動信号COM、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、非同期通信用画素データSDが送信される。
本実施形態では、比較例の画素データSIに相当する信号を非同期通信で送受信する。なお、非同期通信とは、データの伝送回線に同期をとる要素が無くても、データを正しく受信側に送ることができる伝送方式である。このため、本実施形態では、本体側からヘッド側にクロック信号CLKを送信しなくてもよい。よって、本実施形態(図6)と比較例(図3)とを比較すると、本実施形態ではクロック信号CLKの伝送線が設けられていないので、フレキシブルケーブル71中の伝送線の数が比較例(図3)の場合よりも1つ少なくなっている。このように本実施形態では、ケーブル71の線数を少なくできる。
図6を参照しつつ非同期通信用画素データSDについて説明する。ここでは、比較例と同様にノズル数を64としている。図6に示す非同期通信用画素データSDには、64ノズル分の画素データ(2ビット×64ノズル)があり、その後にパリティビットがついている。なお、パリティビットとは、通信においてエラー検出のために与えられる1桁の2進数(つまり「0」又は「1」の1ビット)のことである。
また、画素データとパリティビットを挟む前後に、スタートビットとストップビットがある。このように、非同期通信では、このスタートビットとストップビットによってデータの区切りを示す。つまり、スタートビットとストップビットが、受信側にデータの受信のタイミングを与える。
次に本実施形態のヘッドユニット40の構成について説明する。
本実施形態のヘッドユニット40は、図5に示すようにヘッドコントローラーHCと、クロック42と、データ受信部43を備えている。
ヘッドコントローラーHCの構成は、比較例と同じである。よって、説明を省略する。
クロック42は、ヘッドコントローラーHCにクロック信号CLKを出力する。また、クロック42は、時間計測用のクロック信号CLK2をデータ受信部43に出力する。
データ受信部43は、非同期通信の受信部である。データ受信部43は、非同期通信用画素データSDから画素データSIを生成し、クロック信号CLKに同期して画素データSIをヘッドコントローラーHCに出力する。
具体的には、データ受信部43は、図6に示すように、非同期通信用画素データSDのスタートビットの始まり(HレベルからLレベルへの立ち下がり)を検出し、この立ち下がりを検出した後、クロック信号CLK2を基準にしてサンプリングパルスを発生する。
最初のサンプリングパルスは、スタートビットの立ち下がりからt/2経過後に発生し、その後、サンプリングパルスは、t経過する毎に発生する。なお、tは、コントローラー60から送信される非同期通信用画素データSDのビット間隔に相当する時間である。
そして、データ受信部43は、このサンプリングパルス毎に信号を受信する。
例えば、図6において、130個目のサンプリングパルスの際の受信ビットをパリティビットとし、131個目のサンプリングパルスの際の受信ビットをストップビットとすると、データ受信部43は、スタートビットとストップビットとで挟まれた受信ビット(128ビット)を一旦格納し、クロック信号CLKと同期させてヘッドコントローラーHCに転送する。
なお、ヘッドコントローラーHCの動作は、比較例と同じなので、説明を省略する。
このように、第1実施例では、画素データSIに相当する信号(非同期通信用画素データSD)を非同期通信で送受信している。これにより、装置本体側からヘッド側にクロック信号CLKを伝送しなくてもよいので、比較例と比べて、フレキシブルケーブル71の線数を削減することができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、スタートビットとストップビットとの間のビット数が多い。このため、本体側のクロックとヘッドユニット側のクロックとの間にズレがあると、受信エラーになりやすい。
そこで、第2実施形態では、スタートビットとストップビットとの間のビット数を少なくしている。具体的には、第1実施形態と同じ64ノズルの通信を行なう場合、4ノズル分の画素データ(2ビット×4ノズル)を1フレームとして16フレーム分のデータを、非同期通信にて送受信する。
図7は、第2実施形態のデータ受信部43の動作の説明図である。
第2実施形態では、4ノズル分の画素データ(2ビット×4ノズル)とパリティビットの前後にスタートビットとストップビットが設けられて1フレームとなっている。よって、ノズル数が64の場合、16フレームの送受信が行なわれることになる。なお、第2実施形態では、データ受信部43は、フレーム毎に第1実施形態と同様のサンプリングパルスを発生する。つまり、各フレームについて、最初のサンプリングパルスは、スタートビットの立ち下がりからt/2経過後に発生し、その後、サンプリングパルスは、t経過する毎に発生する。これにより、1フレームについて11個のサンプリングパルスが発生する。
データ受信部43は、サンプリングパルス毎に信号を受信する。そして、スタートビットとストップビットとで挟まれた受信ビット(8ビット)を1フレーム毎に格納し、16フレーム分(128ビット)のデータを、クロック信号CLKと同期させてヘッドコントローラーHCに転送する。
なお、ヘッドコントローラーHCの動作は、比較例と同じなので、説明を省略する。
この第2実施形態では、非同期通信の伝送単位(スタートビットとストップビットで挟まれた範囲)毎のビット数を減らすことができる。よって、データ受信部43での受信エラーを軽減することができる。
<第3実施形態>
比較例の図4の画素データSIを見て分かるとおり、画素データSIは、周期T(1画素の区間をヘッド41が移動する期間)毎に、ヘッドコントローラーHCへ送る必要がある。
しかし、第2実施形態では、ノズル数が多い場合、データの転送効率が悪い。なぜなら、第2実施形態の転送方法では、フレーム数が多くなるにつれて、送信すべきスタートビット、パリティビット及びストップビットの数が増えるからである。また、1フレーム分(2ビット×4ノズル)のデータ送信ごとに、次のスタートビットを検出可能にするための期間が必要だからである。
よって、ノズル数が増えたとき、第2実施形態では画素データSIを周期Tごとに転送できないおそれがある。
そこで、第3実施形態では、2画素分の画素データSIを含む非同期通信用画素データSDを周期2Tごとに送受信する。
図8は、第3実施形態の各信号のタイミングの説明図であり、図9は、第3実施形態のデータ受信部の説明図である。
第3実施形態のデータ受信部43´は、サンプリングパルス発生器431、データ受信器432、バッファ433、第1ラッチ434a、第2タッチ434bを有している。
サンプリングパルス発生器431は、クロック42からの時間計測用のクロック信号CLK2に基づいて、サンプリングパルスを発生する。
データ受信器432は、サンプリングパルスに基づいて、非同期通信用の画素データSDのスタートビットとパリティビット及びストップビットとで挟まれたデータを受信する。つまり、図8の周期2T分(2画素分)の画素データ(16フレーム×2)を受信する。
バッファ434は、データ受信器432が受信した2画素分の画素データSIをバッファする。
第1ラッチ434a及び第2ラッチ434bは、2画素分の画素データSIを、1画素分(16フレーム)ずつそれぞれラッチする。そして、第1ラッチ434a及び第2ラッチ434bは、1画素分ずつの画素データSIを交互にヘッドコントローラーHCに出力する。
非同期通信用画素データSDは、サンプリングパルスに基づいてデータ受信器432で受信される。周期2Tの間に2画素分の画素データSIが得られ、この2画素分の画素データSIはバッファ434にバッファされる。そして、2画素分の画素データSIは、1画素分の画素データSI毎に第1ラッチ434a、第2ラッチ434bにそれぞれラッチされる。
そして、例えば図8の2画素分の周期2Tのうち、最初の周期Tの間に、第1ラッチ434aにラッチされた画素データSIをクロック信号CLKに同期してヘッドコントローラーHCへ出力する。
また、第1ラッチ434aによる画素データSIの出力後、次の周期Tの間に、第2ラッチ434bにラッチされた画素データSIをクロック信号CLKに同期してヘッドコントローラーに出力する。
また、第1ラッチ434a及び第2ラッチ434bにラッチされたSIデータをヘッドコントローラーHCに順次出力する間、データ受信器432は、サンプリングパルスに基づいて次の画素データSDを受信し、受信したデータをバッファ434にバッファする。
以下同様の動作を繰り返す。
このように、第3実施形態では、周期Tと周期Tとの間にも非同期通信用画素データSDを送受信するので、通信時間を増やすことができる。よって、転送効率を向上させることができ、ノズル数が増えたときでも、確実に転送することができる。
===その他の実施形態===
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<液体噴射装置について>
前述の実施形態では、液体噴射装置の一例としてインクジェットプリンターが説明されている。但し、液体噴射装置はインクジェットプリンターに限られるものではなく、インク以外の液体(液体以外にも、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような液状体も含む)や液体以外の流体(流体として噴射できる固体、例えば粉体)を噴射する流体噴射装置にも適用可能である。例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる液状の色剤や電極材などを噴射する噴射装置や、バイオチップ製造に用いられる液状の生体有機物を噴射する噴射装置に、前述の実施形態を適用しても良い。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンターの実施形態だったので、インクをノズルから噴射しているが、このインクは水性でも良いし、油性でも良い。また、ノズルから噴射する流体は、インクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから噴射しても良い。
<ピエゾ素子について>
前述の実施形態では、ピエゾ素子を用いてインクを噴射していた。しかし、液体を噴射する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<印刷方式について>
前述の実施形態では、媒体を搬送方向に搬送する搬送動作と、ヘッドを移動方向に移動させながらノズルからインクを噴射することによって媒体にドットを形成するドット形成動作を繰り返し行なうプリンター(いわゆるシリアルプリンター)であったが、シリアルプリンターに限られない。例えば、媒体幅方向に媒体幅以上の長さのノズル列を備え、媒体を搬送方向に搬送させながらノズル列の各ノズルからインクを噴射させることで媒体に画像を印刷するラインプリンターでも良い。
<フレキシブルケーブルについて>
前述の実施形態では、フレキシブルケーブルを介してデータの送受信を行なっていたが、フレキシブルケーブルに限られず、基板上の配線でも良い。この場合にも配線数を軽減することができる。
1 プリンター、20 搬送ユニット、21 給紙ローラー、
22 搬送モーター(PFモーター)、23 搬送ローラー、
24 プラテン、25 排紙ローラー、30 キャリッジユニット、
31 キャリッジ、32 キャリッジモーター(CRモーター)、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、42 クロック、
43 データ受信部、50 検出器群、51 リニア式エンコーダー、
52 ロータリー式エンコーダー、53 紙検出センサー、
54 光学センサー、60 コントローラー、61 インターフェイス部、
62 CPU、63 メモリー、64 ユニット制御回路、
65 駆動信号生成部、71 フレキシブルケーブル、
81A 第1シフトレジスタ、81B 第2シフトレジスタ、
82A 第1ラッチ回路、82B 第2ラッチ回路、
83 デコーダ、84 制御ロジック、86 スイッチ、
110 コンピューター、417 ピエゾ素子、
431 サンプリングパルス発生器、432 データ受信器、
433 バッファ、434a 第1ラッチ、434b 第2ラッチ

Claims (4)

  1. 複数のノズルのそれぞれに対応して設けられた複数の駆動素子と、
    前記複数の駆動素子の駆動を制御するヘッドコントローラーと、
    前記複数の駆動素子の駆動を制御するための信号を前記ヘッドコントローラーへ送信する本体側コントローラーと、
    前記本体側コントローラーと前記ヘッドコントローラーとの間で前記信号を伝送する配線と、
    を有し、
    各前記ノズルから流体を噴射するか否かを示すデータの信号を前記本体側コントローラーから前記ヘッドコントローラーに非同期通信にて送信する
    ことを特徴とする流体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置であって、
    各前記ノズルから流体を噴射するか否かを示すデータの信号を前記本体側コントローラーから前記ヘッドコントローラーに非同期通信にて送信する際に、
    所定数のノズル分の前記データを1フレームとし、複数のフレームの信号を前記非同期通信にて送信する、
    ことを特徴とする流体噴射装置。
  3. 請求項1又は2に記載の流体噴射装置であって、
    複数の画素に対する各前記ノズルから流体を噴射するか否かを示すデータの信号を、所定期間内にまとめて送信し、
    前記所定期間に、前記データに基づいて、或る画素に対して各前記ノズルから流体を噴射させ、次の画素に対して各前記ノズルから流体を噴射させる、
    ことを特徴とする流体噴射装置。
  4. 複数の駆動素子の駆動を制御するための信号を生成すること、
    本体側コントローラーからヘッド側コントローラーへ配線を介して前記信号を送信すること、その際に、各ノズルから流体を噴射するか否かを示すデータの信号は非同期通信にて前記配線を介して送信すること、及び、
    前記データに基づいて各前記駆動素子が駆動されて、前記ノズルから流体が噴射されること
    を有することを特徴とする流体噴射方法。
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