JP2010207973A - 研削加工装置 - Google Patents

研削加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010207973A
JP2010207973A JP2009057423A JP2009057423A JP2010207973A JP 2010207973 A JP2010207973 A JP 2010207973A JP 2009057423 A JP2009057423 A JP 2009057423A JP 2009057423 A JP2009057423 A JP 2009057423A JP 2010207973 A JP2010207973 A JP 2010207973A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
grinding
metal bond
bond grindstone
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009057423A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5449807B2 (ja
Inventor
Masaoki Shimano
正興 島野
Yasutatsu Yamamoto
康立 山元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP2009057423A priority Critical patent/JP5449807B2/ja
Publication of JP2010207973A publication Critical patent/JP2010207973A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5449807B2 publication Critical patent/JP5449807B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】メタルボンド砥石の外周面が均等に電解ドレッシングされ、ワークの加工精度及び安定した研削品質が確保できる研削加工装置を提供する。
【解決手段】メタルボンド砥石3を回転してワークWを研削加工すると共に、研削液の存在下で回転するメタルボンド砥石3と電解ドレッシング用電極20に通電して電解ドレッシングする研削装置1において、電解ドレッシング用電極20に形成した第1〜第5研削液吐出孔27a〜27eから研削液をメタルボンド砥石3の外周面4の全幅に亘って直撃するように電解ドレッシング用砥石3と電解ドレッシング用砥石20との間に供給する。電解ドレッシング用砥石3の外周面4と電解ドレッシング用砥石20の電極面25との間に研削液が保持されてメタルボンド砥石3の外周面4が均等に電解ドレッシングされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、研削加工装置に関し、特にメタルボンド砥石を回転させてワークを研削すると共にメタルボンド砥石を電解ドレッシングする研削加工装置に関する。
例えば鉄系材料を超精密に研削する鏡面研削を可能にする研削法として電解インプロセスドレッシング研削法(以下「ELID研削法」という)がある。このELID研削法は、微細な砥粒を鋳鉄等の導電性を有するボンド材によって結合したメタルボンド砥石を使用し、研削中にメタルボンド砥石を電解ドレッシングする研削方法であって、メタルボンド砥石の研削面に僅かな隙間を介して電解ドレッシング用電極を対向配置し、このメタルボンド砥石と電極との間に水性クーラント等の導電性を有する研削液を供給しながらメタルボンド砥石と電極間に通電して砥石表面のボンド材だけを取り除き砥粒の切れ刃を露出させる電解ドレッシングを行う。
このメタルボンド砥石を回転させてワークを研削すると共にメタルボンド砥石を電解ドレッシングする研削加工装置の一例として特許文献1に開示される研削加工装置がある。この特許文献1の研削加工装置は、回転軸に固定されたメタルボンド砥石、このメタルボンド砥石の外周面と僅かな間隙を介して電極面が対向配置された電解ドレッシング用電極、メタルボンド砥石及び電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電源、及び電解ドレッシング用電極の電極面に開口する研削液吐出孔から電解ドレッシング領域となる対向するメタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間隙に導電性を有する研削液を供給する研削液供給手段を備える。
一方、ワークが回転可能に支持され、回転軸によりメタルボンド砥石を回転してワークを研削すると共に、電解ドレッシング用電極に穿設された研削液吐出孔から電解ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間隙に研削液を供給しながら通電して、メタルボンド砥石を電解ドレッシングする。
この種の電解ドレッシング用電極に形成された研削液吐出孔から対向するメタルボンド砥石の外周面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙に研削液を供給する従来の構成例を模式的に示す図12を参照して説明する。
駆動手段によって回転駆動される回転軸101に研削面となる外周面102aを備えた円柱状のメタルボンド砥石102が固定され、メタルボンド砥石102の外周面102aと対向して電解ドレッシング用電極103が配設される。電解ドレッシング用電極103は、矩形断面形状のブロック状で先端に断面円弧状の電極面103aが形成される。この電極面103aはメタルボンド砥石102の外周面102aと対向してメタルボンド砥石102の周方向に沿って延在する長い矩形で、かつメタルボンド砥石102の外周面102aとの間に研削液の介在を許容する円筒内周面状に形成される。
メタルボンド砥石102の外周面102aと対向する電極面103aに、メタルボンド砥石102の回転方向上流端側の幅方向中央部に研削液吐出孔104が開口する。
切削加工の際に、メタルボンド砥石102を回転しつつ研削液供給孔104から電解ドレッシング用電極103の電極面103aとメタルボンド砥石102の外周面102aとの間隙に連続的に供給された研削液は、電解ドレッシング領域となる電解ドレッシング用電極103の電極面103aとメタルボンド砥石102の外周面102aとの間隙を満し、かつ電解ドレッシング用電極103及びメタルボンド砥石102に電圧が印加されて電解メタルボンド砥石102の外周面102aが均等に電解ドレッシングされる。
特開平10−113865号公報
切削加工の際に、メタルボンド砥石102を回転しつつ研削液供給孔104から電解ドレッシング用電極103の電極面103aとメタルボンド砥石102の外周面102aと間隙に研削液が連続的に供給されて電解ドレッシング用電極103の電極面103aとメタルボンド砥石102の外周面102aとの間に研削液は保持され、かつ電解ドレッシング用電極103及びメタルボンド砥石102に電圧が印加されて電極面103aの全幅に亘り電解能力が維持されて電解メタルボンド砥石102の外周面102aが均等に電解ドレッシングされる。
一方、特に鉄系材料等の金属系材料を超精密に研削する研削加工においては研削品質及び作業効率の向上を図るためにメタルボンド砥石102の回転速度の増大が要求される。メタルボンド砥石102の回転速度を増大して例えばメタルボンド砥石102の周速度が毎秒30m以上であると、回転するメタルボンド砥石102に連れ回る研削液が多くなり、電解ドレッシング用電極103の電極面103aとメタルボンド砥石102の外周面102aの間隙に介在する研削液がメタルボンド砥石102の回転方向下流端側から過剰に放出されて、対向する電解ドレッシング用電極103とメタルボンド砥石102との間に介在する研削液が減少し、特にメタルボンド砥石102の外周面102aの両側部範囲における研削液が希薄になる。これによりメタルボンド砥石102の両側部範囲において電解能力が低下してメタルボンド砥石102の外周面102aにおける電解ドレッシングにバラツキが発生してワークの研削が不均一になり加工精度の低下等の研削品質の低下を招くことが懸念される。
この電解ドレッシング状態を図13に示す作用状態説明図によって説明する。図11において(a)は電解ドレッシング電極103の電極面103aの概要を示し、(b)は電極面103aにおける研削液の存在範囲をハッチングで示し、(c)はメタルボンド砥石102の外周面102aにおける電解ドレッシング範囲をハッチングで示す。
即ち、電極面103aの幅方向中央部に開口する研削液供給孔104から電解ドレッシング領域となる対向するメタルボンド砥石102の外周面102aと電解ドレッシング用電極103の電極面103aとの間隙に供給された研削液は、高速度で回転するメタルボンド砥石102の外周面102aに連れ回されて電極面103aとメタルボンド砥石102の外周面102aとの隙間から放出される。この放出に伴って研削液吐出孔104からメタルボンド砥石102の外周面102aの幅方向中央部範囲に向けて噴出された研削液は拡散することなくメタルボンド砥石102の外周面102aによって連れ回されて電極面103aとメタルボンド砥石102の外周面102aの隙間から放出される。これにより(b)にハッチングで示すように電極面103aにおける幅方向中央部を除く両側部範囲で研削液が希薄になり、電極面103aの両側部範囲と対向するメタルボンド砥石102の外周面102aの両側部範囲102bで電解能力が大幅に低下する。メタルボンド砥石102の外周面102aの両側部範囲102bにおける電解能力が低下し、(c)にハッチングで示すようにメタルボンド砥石102の外周面102aの両側部範囲102bにおいて電解ドレッシングが不十分となりメタルボンド砥石102の外周面102aにおける電解ドレッシングにバラツキが発生してワークの研削が不均一になり加工精度の低下等の研削品質の低下を招くと共に加工時間の増大が懸念される。
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、メタルボンド砥石の回転速度にかかわらずメタルボンド砥石の外周面が全幅に亘り均等に電解ドレッシングされ、ワークの加工精度及び安定した研削品質が確保できる研削加工装置を提供することにある。
上記課題を解決する請求項1に記載の発明による研削加工装置は、回転して外周面によってワークを研削加工する砥粒を導電性のボンド材によって結合したメタルボンド砥石と、該メタルボンド砥石の外周面と研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する電解ドレッシング用電極と、上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間に研削液を介在してメタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極を通電する電源とを備え、研削液の存在下で回転するメタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極に通電してメタルボンド砥石を電解ドレッシングする研削加工装置において、上記電解ドレッシング用電極は、電極面に開口して研削液供給手段から供給される研削液をメタルボンド砥石の外周面全幅に亘って直撃するように噴射して上記対向するメタルボンド砥石の外周面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙に研削液を供給する研削液吐出孔を備えたことを特徴とする。
この発明によると、電解ドレッシング用電極の電極面に開口する研削液吹出孔からメタルボンド砥石の外周面を全幅に亘って直撃するように研削液を噴出して対向する電解ドレッシング用電極の電極面とメタルボンド砥石の外周面との間隙に研削液を供給することから、メタルボンド砥石の回転速度の増大に伴って研削液の連れ回りが増加しても、対向する電解ドレッシング用電極の電極面とメタルボンド砥石の外周面との側部範囲においても研削液が保持されてメタルボンド砥石の外周面に均一な電解ドレッシングが施される。これにより、ワークの加工精度及び安定した研削品質が確保できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の研削加工装置において、上記研削液吐出孔は、電解ドレッシング用電極の電極面に幅方向に分散して開口する複数の研削液吐出孔であることを特徴とする。
これよると、電解ドレッシング用電極の電極面に幅方向に分散して開口する複数の研削液吐出孔から研削液を噴出することで、メタルボンド砥石の外周面を全幅に亘って直撃するように研削液を噴出して対向する電解ドレッシング用電極の電極面とメタルボンド砥石の外周面との間隙に研削液を供給することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2の研削加工装置において、電極面における各研削液吐出孔の開口が電極面の幅方向においてオーバラップすることを特徴とする。
これによると、電極面における各研削液吐出孔の開口を電極面の幅方向において互いにオーバラップすることで、メタルボンド砥石の外周面を全幅に亘って均一に直撃するように研削液を噴出して対向する電解ドレッシング用電極の電極面とメタルボンド砥石の外周面との間隙に研削液を供給することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1の研削加工装置において、上記研削液吐出孔は、電極面の幅方向に長径のスリット状で開口することを特徴とする。
これよると、電解ドレッシング用電極の電極面に幅方向に延在するスリット状に開口する研削液吐出孔から研削液を噴出することで、メタルボンド砥石の外周面を全幅に亘って直撃するように研削液を噴出して対向する電解ドレッシング用電極の電極面とメタルボンド砥石の外周面との間隙に研削液を供給することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1の研削加工装置において、上記研削液吐出孔は、電極面の幅方向に長径のスリット状で開口すると共に互いにメタルボンド砥石の回転方向に離間する複数の研削液吐出孔であることを特徴とする。
これによると、電解ドレッシング用電極の電極面に幅方向に延在するスリット状に開口する複数の研削液吐出孔から研削液を噴出することで、メタルボンド砥石の外周面を全面に亘って直撃するように研削液を噴出して対向する電解ドレッシング用電極の電極面とメタルボンド砥石の外周面との間隙に研削液を供給することができる。
この発明によると、電解ドレッシング用電極の電極面に開口する研削液吐出孔からメタルボンド砥石の外周面を全幅に亘って直撃するように研削液を噴出して対向する電解ドレッシング用電極の電極面とメタルボンド砥石の外周面との間隙に研削液を供給することにより、メタルボンド砥石の回転速度の増大に拘わらず常に対向する電解ドレッシング用電極の電極面とメタルボンド砥石の外周面との間の全幅に亘って研削液が保持され、メタルボンド砥石の外周面に均一な電解ドレッシングが施される。これにより、ワークの加工精度及び安定した研削品質が確保できる。
第1実施の形態に係る研削加工装置の概要を示す図である。 図1のA矢視図である。 研削加工装置を模式的に示す斜視図である。 電解ドレッシング用電極の説明図であり、(a)は電解ドレッシング用電極の側面図、(b)は(a)のB矢視図、(c)は(a)のI−I線断面図、(d)は(a)のII−II線断面図(e)は(a)のIII−III線断面図である。 電解ドレッシングの作用説明図である。 第2実施の形態に係る研削加工装置を模式的に示す斜視図である。 電解ドレッシング用電極の説明図であり、(a)は電解ドレッシング用電極の側面図、(b)は(a)のC矢視図、(c)は(a)のIV−IV線断面図である。 電解ドレッシングの作用説明図である。 第3実施の形態に係る研削加工装置を模式的に示す斜視図である。 電解ドレッシング用電極の説明図であり、(a)は電解ドレッシング用電極の側面図、(b)は(a)のC矢視図、(c)は(a)のV−V線断面図、(d)は(a)のVI−VI線断面図である。 電解ドレッシングの作用説明図である。 従来の研削加工装置の説明図である。 従来の研削加工装置における電解ドレッシングの作用説明図である。
(第1実施の形態)
本発明による第1実施の形態を軸状のワークWの外周面を研削する場合を例に図1乃至図5を参照して説明する。図1は研削加工装置の概略を示す図、図2は図1のA矢視図、図3は研削加工装置の作動を模式的に示す図、図4は電解ドレッシング用電極の説明図である。なお、研削加工装置の構成を明確にするために図1において側面パネルを仮想線で図示し、図2においてメタルボンド砥石を仮想線で図示する。また、矢印Rはメタルボンド砥石の回転方向を示す。
研削加工装置1は、図示しないフレーム等の装置本体に支持された回転軸2によって回転駆動されるメタルボンド砥石3、装置本体に支持されるベース部5、ベース部5に取付支持される電極ホルダ10、電極ホルダ10に摺動可能に収容保持される電解ドレッシング用電極20、電極位置調整部30、及びワークWを回転自在に保持する図示しないワーク保持軸を備え、電極ホルダ10、電解ドレッシング用砥石20、メタルボンド砥石3を回転駆動する回転軸2及びワークWが同軸線上に配置される。なお、説明の便宜上この軸線を基準線Zと称する。
回転軸2に固定されるメタルボンド砥石3は、例えば、ダイヤモンド、CBN(立方晶窒化硼素)、結晶質の酸化アルミニウム、炭化珪素等の微細な砥粒を青銅や鋳鉄からなる導電性のボンド材によって結合して構成され、端面3a、3b及び研削面となる外周面4を備えた円柱状に形成される。
ベース部5は装置本体に支持される平板状の基部6及び基部6の周縁に沿って円弧状に連続形成されたフランジ部7を備え、フランジ部7に基準線Zと平行に貫通するロッド貫通孔7b、研削液供給管挿通孔7c、7d、配線孔7eが穿設される。
電極ホルダ10は絶縁部材によって形成された電極ホルダ本体11及び側部パネル15によって構成される。電極ホルダ本体11は、略矩形のブロック状であって、先端面12にコ字状に切り欠かれて開口すると共に頂面13にコ字状に開口する凹部が形成される。電極ホルダ本体11の後部にベース部5のフランジ部7に開口するロッド貫通孔7b、研削液供給管挿通孔7c、7d、配線孔7eに対応してロッド貫通溝14b、研削液供給管挿通孔14c、14d、配線孔14eが形成される。
一方、側面パネル15は、電極ホルダ本体11の先端面12に連続する先端面16を備えると共に電極支持部本体11の頂面13を覆う矩形平板状に形成される。このように形成された電極ホルダ本体11は、ボルト11bによってベース部5の基部6に結合され、この電極ホルダ本体11の頂面13上に側面パネル15を重畳し、ボルト15bによって結合される。
これにより、電極ホルダ本体11の先端面12及び側面パネル15の先端面16によって上縁18a、下縁18b、側縁18c、18dを有する開口部18を備えた矩形断面形状で基準線Z方向に連続する有底状の電極収容部17が形成される。
電解ドレッシング用電極20は、導電性に優れた例えば鉄製であって、図1及び図4(a)に側面図、(b)に(a)のB矢視図を示すように、電極ホルダ10に形成される電極収容部17内に摺動自在に嵌挿される断面矩形で基準線Z方向に連続するブロック状に形成され、矩形の貫通孔22によって後端部23と先端部24に区分される。
後端部23には電極ホルダ本体11に形成されたロッド貫通溝14b、研削液供給管挿通孔14c、14d、配線孔14eに対応してロッド係止溝23b及び研削液供給管挿通孔23c、23d、配線孔23eが形成される。
先端部24の先端面に断面円弧状の電極面25が形成される。この電極面25はメタルボンド砥石3の外周面4と対向すると共にメタルボンド砥石3の回転方向上流端及び下流端となる下端25a、上端25b、両側端25c、25dを有してメタルボンド砥石3の外周面4の幅より若干広い幅Wで連続する長さLの矩形であって、メタルボンド砥石3の外周面4との間に研削液の介在を許容する隙間、例えば0.5〜5mm程度が形成される円筒内周面状に形成される。
先端部24には後端部23に穿設された研削液供給管挿通孔23c、23dに対応して研削液供給口26a、26bが開口する研削液路26が形成され、研削液路26から分岐して電極面25に開口する複数の研削液吐出孔が電極面25の幅方向に分散して穿設される。本実施の形態では図4の(a)におけるI―I線断面、II−II線断面、III−III線断面をそれぞれ同図(c)、(d)、(e)に示すように、メタルボンド砥石3の回転方向上流側となる電極面25の下端25aに近接して幅方向中央部に開口する断面円形で比較的大径の第1研削液吐出孔27a、第1研削液吐出孔27aに近接したメタルボンド砥石3の回転方向下流側となる上方で幅方向に離反して開口する断面円形の一対の第2研削液吐出孔27b、27c、及び更にメタルボンド砥石3の回転方向下流側となる電極面25の長さL方向の中央部において研削液路26から電極面25側に移行するに従って漸次離間すると共に電極面25の幅方向両端近傍に互いに離反して開口する断面円形の一対の第3研削液吐出孔27d、27eを有する。更に、電極面25における第1研削液吐出孔27aの開口と各第2研削液吐出孔27b、27cの開口が電極面25の幅方向においてオーバラップし、各第2研削液吐出孔27b、27cの開口と各第3研削液吐出孔27d、27eの開口が電極面25の幅方向においてオーバラップする。
電極位置調整部30は、装置本体に取り付けられてロッド貫通孔31aが形成された調整基部31と、電極ホルダ本体11のロッド貫通溝14b及びフランジ部7のロッド貫通孔7bを貫通すると共に先端部32aに段部及びねじ部が形成され、基端部32bにねじ部が形成されたロッド32と、調整基部31のロッド貫通孔31aを貫通するロッド32の基端部32bに調整基部31を介して対向して螺合する一対の調整ナット33a、33bと、ロッド32の先端部32a及び電極20の後端部23に形成されたロッド係止溝23bに嵌合する一対のフランジ付きブッシュ34a及びナット34b等によって後端部23に固定する固定具34を備える。ロッド32の基端部32bに螺合する一対の調整ナット33a、33bによってロッド32の基端部32bを調整基部31に固定することで電極20が固定され、調整ナット33a、33bを緩めてロッド32を軸方向に移動することで電解ドレッシング用電極20が実線で示す前進位置と仮想線で示す後退位置との間で電極収容部17内を移動する。
図示しない研削液供給源から研削液を供給する研削液供給管28a及び28bがそれぞれベース部5のフランジ部7に穿設された研削液供給管挿通孔7c、7d、電極ホルダ本体11に穿設された研削液供給管挿通孔14c、14d、電解ドレッシング用電極20の後端部23に穿設された研削液供給管挿通孔23c、23dを移動可能に貫通して研削液供給口26a、26bに接続され、研削液供給源から研削液を対向するメタルボンド砥石3の外周面4と電解ドレッシング電極20の電極面25との間に形成される電解ドレッシング領域に供給する研削液供給手段が形成される。ここで、研削液供給源から研削液供給管28a、28bを介して電解ドレッシング電極20の研削液路26に供給された研削液が、第1研削液吐出孔27aからメタルボンド砥石3の外周面4の幅方向中央部範囲4aに向けてメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出され、第2研削液吐出孔27b、27cから外周面4の幅方向中央部4aの両側部範囲4bに向けて一部が幅方向中央部範囲4aとオーバラップしてメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出され、更に第3研削液吐出孔27d、27eから側部範囲4bと側端3a、3bと間の側端部範囲4cに向けて一部が側部範囲4bとオーバラップしてメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出され、メタルボンド砥石3の研削面となる外周面4の全幅に亘ってメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように研削液が噴出される。
また、正の電極が装置本体及び回転軸2を介してメタルボンド砥石3に接続され、負の電極がベース部5のフランジ部7に穿設された配線孔7e、電極支持部本体11に穿設された配線孔14e、電解ドレッシング用電極20の後端部23に穿設された配線孔23eを貫通する配線29を介して電解ドレッシング用電極20の先端部24に接続されてメタルボンド砥石3の外周面4と電極面25との間に研削液を介して通電する電源を備える。
以下作用を説明する。図1において、メタルボンド砥石3により研削を開始する前に、電極位置調整部30の調整ナット33a、33bを緩めてロッド32を軸方向に移動することで電解ドレッシング用電極20を移動させ、電解ドレッシング用電極20の電極面25とメタルボンド砥石3の外周面4とを研削液の存在を可能にする所定の間隔を有して対向させる。そして、調整ナット33a、33bを締め付けてロッド32を固定して電解ドレッシング用電極20を該位置に固定する。
次いで、研削液供給源から研削液が研削液供給管28a及び28bを介して電解ドレッシング用電極20の研削液路26に研削液を供給して、第1研削液吐出孔27aからメタルボンド砥石3の外周面4の幅方向中央部範囲4aに向けて噴出し、第2研削液吐出孔27b、27cから外周面4の幅方向中央部4aの両側部範囲4bに向けて噴出し、更に第3研削液吐出孔27d、27eから側部範囲4bと側端3a、3bとの間の側端部範囲4cに向けて噴出する。即ち第1研削液吐出孔27a、第2研削液吐出孔27b、27c、第3研削液吐出孔27d、27eからメタルボンド砥石3の研削面となる外周面4の全幅に亘って研削液がメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出される。
この第1〜第3研削液吐出孔27a〜27eから電極面25とメタルボンド砥石3の外周面4との間にメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように研削液を噴出して供給した状態を維持しつつ、電源を投入する。
電源から出力される電流は装置本体、回転軸2、メタルボンド砥石3、メタルボンド砥石3の外周面4と電解ドレッシング用電極20の電極面25との間に存在する研削液、電解ドレッシング用電極20、配線29、電源の経路で流れ電解ドレッシング電極20に負の電圧が印加され、メタルボンド砥石3に正の電圧が印加されて研削面となるメタルボンド砥石3の外周面4の電解ドレッシングが開始される。
この状態で回転軸2を所定の回転速度で駆動し、メタルボンド砥石3を回転させるとともにワークWを回転させて研削加工を開始する。ここで、ワークWのメタルボンド砥石3の研削面となる外周面4は、メタルボンド砥石3の回転速度の増大に伴ってメタルボンド砥石3に連れ回る研削液が増大しても、対向するメタルボンド砥石3の外周面4と電解ドレッシング用電極20の電極25の側部範囲においても研削液が保持されてメタルボンド砥石3の外周面4及び電解ドレッシング用電極20の電極面25の全幅に亘って研削液が保持され、メタルボンド砥石3の外周面4に均一な電解ドレッシングが施される。
この電解ドレッシング範囲を図5に作用状態説明図によって説明する。図5において(a)は電解ドレッシング電極20の電極面25の概要を示し、(b)は電極面25における研削液の存在範囲をハッチングで示し、(c)はメタルボンド砥石3の研削面である外周面4の電解ドレッシング範囲をハッチングで示す。
第1研削液供給孔27a、第2研削液供給孔27b、27c及び第3研削液供給孔27d、27eから電解ドレッシング領域となる対向するメタルボンド砥石3の外周面4と電解ドレッシング用電極20の電極面25との間隙にメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出して供給された研削液が研削加工に伴って回転するメタルボンド砥石3の外周面4に連れ回されて電解ドレッシング領域の下流端となる電極面25の上端25bとメタルボンド砥石3の外周面4との隙間から放出される。
しかし、第1研削液吐出孔27aからメタルボンド砥石3の外周面4の幅方向中央部範囲4aに向けてメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出され、第2研削液吐出孔27b、27cから外周面4の幅方向中央部4aの両側部範囲4bに向けて一部が幅方向中央部範囲4aとオーバラップしてメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出され、更に第3研削液吐出孔27d、27eから側部範囲4bと側端3a、3bとの間の側端部範囲4cに向けて一部が側部範囲4bとオーバラップしてメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出され、メタルボンド砥石3の研削面となる外周面4の全幅に亘ってメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように研削液が噴出される。これにより(b)において電極面25にハッチングで示すようにメタルボンド砥石3の回転方向下流側となる電極面25の上端25b近傍で電極面25の両側端25d、25e近傍において若干希薄になるが、電極面25の全幅に亘って研削液が存在し、該部において電解能力が保持されて(c)にハッチングで示すようにメタルボンド砥石3の外周面4の全幅に亘り均一に電解ドレシングが施される。
従って本実施の形態によると、ワークWのメタルボンド砥石3の研削面となる外周面4は、メタルボンド砥石3の回転速度の増大に拘わらず常に対向する電解ドレッシング用電極21の電極面25とメタルボンド砥石3の外周面4との間隙に、メタルボンド砥石3の外周面4及び電解ドレッシング用電極3の電極面4の全幅に亘ってメタルボンド砥石3の外周面4の全幅に亘って直撃するように噴出された研削液が滞留保持されてメタルボンド砥石3の外周面4に均一な電解ドレッシングが施され、ワークWの加工精度及び安定した研削品質が確保できる。
また、メタルボンド砥石3に対する種々の電解ドレッシングの要求に応じて第1〜第3研削液吐出孔27a〜27eの内径や第1〜第3研削液吐出孔27a〜27eの配置を変更、或いは研削液吐出孔の数を増減することで研削液の供給量や供給分布状態を変更することができる。
(第2実施の形態)
本発明による研削加工装置の第2実施の形態を図6乃至図8を参照して説明する。本実施の形態は第1実施の形態と電解ドレッシング用電極の形状が異なり、他の構成は第1実施の形態と同様であり図6乃至図8において図1乃至図5と対応する部位に同一符号を付することで該部に詳細な説明を省略し、電解ドレッシング用電極を主に説明する。
図6は研削加工装置1を模式的に示す斜視図であり、図7は電解ドレッシング用電極の説明図、図8はドレッシングの作用説明図である。
本実施の形態における電解ドレッシング用電極40は、図6及び図7(a)に側面図、同図(b)に(a)のC矢視図を示すように、電極ホルダに形成される電極収容部内に摺動自在に嵌挿される断面矩形で基準線Z方向に連続するブロック状に形成され、矩形の貫通孔42によって後端部43と先端部44に区分される。後端部43にはロッド係止溝23b及び研削液供給管挿通孔23c、23d、配線孔23eが形成される。
先端部44の先端面に断面円弧状の電極面45が形成される。この電極面45はメタルボンド砥石3の外周面4と対向すると共にメタルボンド砥石3の回転方向上流端及び下流端となる下端45a、上端45b、両側端45c、45dを有してメタルボンド砥石3の外周面4の幅より若干広い幅Wで連続する長さLの矩形であって、メタルボンド砥石3の外周面4との間に研削液の介在を許容する隙間が形成される円筒内周面状に形成される。
先端部44には後端部43に穿設された研削液供給管挿通孔23c、23dに対応して研削液供給口46a、46bが開口する研削液路46が形成され、研削液路46から分岐して電極面45に開口する研削液吐出孔47が穿設される。研削液吐出孔47は図7の(a)におけるIV―IV線断面を同図(c)に示すように、メタルボンド砥石3の回転方向上流側となる電極面45の下端45aに近接して研削液路46から幅方向に延在する断面形状で電極面45に延在する基端範囲47a及び基端範囲47aに連続して電極面45側に移行するに従って漸次幅方向に拡幅する先端範囲47bを有し、電極面45のほぼ全幅に亘って長径のスリット状に開口する。
この電解ドレッシング用電極40は、第1実施の形態と同様に、電解ホルダの電極収容部内に移動可能に収容され、電極位置調整部によって移動可能に保持される。
一方、図示しない研削液供給源から研削液を供給する研削液供給管が電解ドレッシング用電極40の後端部43に穿設された研削液供給管挿通孔23c、23dを移動可能に貫通して研削液供給口46a、46bに接続され、研削液供給源から研削液を対向するメタルボンド砥石3の外周面4と電解ドレッシング電極40の電極面45との間に形成される電解ドレッシング領域に供給する研削液供給手段が形成される。ここで、研削液供給源から研削液供給管を介して電解ドレッシング電極40の研削液路46に供給された研削液が、研削液吐出孔47からメタルボンド砥石3の外周面4の全幅に亘って均一に分散してメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出される。
また、正の電極が装置本体及び回転軸を介してメタルボンド砥石3に接続され、負の電極が電解ドレッシング用電極40の後端部43に穿設された配線孔43eを貫通する配線を介して電解ドレッシング用電極40の先端部44に接続されてメタルボンド砥石3の外周面4と電極面45との間に研削液を介して通電する電源を備える。
以下作用を説明する。図6においてメタルボンド砥石3により研削を開始する前に、電極位置調整部によって電解ドレッシング用電極40を移動させて、その電解ドレッシング用電極40の電極面45とメタルボンド砥石3の外周面4とを研削液の存在を可能にする所定の間隔を有して対向させる。
次いで、研削液供給源から研削液供給管を介して電解ドレッシング用電極40の研削液路46に研削液を供給して、研削液吐出孔47からメタルボンド砥石3の外周面4の全幅に向けてメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出する。
この研削液吐出孔47から電極面45とメタルボンド砥石3の外周面4との間に研削液を直撃的に噴出して供給した状態を維持しつつ、電源を投入して電解ドレッシング電極40に負の電圧を印加し、かつメタルボンド砥石3に正の電圧を印加して研削面となるメタルボンド砥石3の外周面4の電解ドレッシングが開始される。
この状態でメタルボンド砥石3を回転させるとともにワークを回転させて研削加工を開始する。ここで、ワークWのメタルボンド砥石3の研削面となる外周面4は、メタルボンド砥石3の回転速度の増大に伴ってメタルボンド砥石3に連れ回る研削液が増大しても、対向するメタルボンド砥石3の外周面4と電解ドレッシング用電極40の電極45の側部範囲においても研削液が保持されてメタルボンド砥石3の外周面4及び電解ドレッシング用電極40の電極面45の全幅に亘って研削液が保持され、メタルボンド砥石3の外周面4に均一な電解ドレッシングが施される。
この電解ドレッシング範囲を図8に示す作用状態説明図を参照して説明する。図8において(a)は電解ドレッシング電極40の電極面45の概要を示し、(b)は電極面45における研削液の存在範囲をハッチングで示し、(c)はメタルボンド砥石3の研削面である外周面4の電解ドレッシング範囲をハッチングで示す。
研削液供給孔47から電解ドレッシング領域となる対向するメタルボンド砥石3の外周面4と電解ドレッシング用電極40の電極面45との間隙に供給された研削液が研削加工に伴って回転するメタルボンド砥石3の外周面4に連れ回されて電極面45の上端45bとメタルボンド砥石3の外周面4との隙間から放出される。しかし、研削液吐出孔47からメタルボンド砥石3の外周面4の全幅に亘ってメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出される。これにより(b)に示す電極面45にハッチングで示すようにメタルボンド砥石3の回転方向下流側となる電極面45の上端45b近傍で電極面45の両側端45c、45dにおいて若干希薄になるが、電極面45の全幅に亘って研削液が存在し、該部において電解能力が保持されて(c)にハッチングで示すようにメタルボンド砥石3の外周面4の全幅に亘り均一に電解ドレッシングが施される。
従って本実施の形態によると、ワークWのメタルボンド砥石3の研削面となる外周面4は、メタルボンド砥石3の回転速度の増大に拘わらず常に対向する電解ドレッシング用電極40の電極面45とメタルボンド砥石3の外周面4との間にメタルボンド砥石3の外周面4及び電解ドレッシング用電極40の電極面45の全幅に亘って研削液が滞留保持されてメタルボンド砥石3の外周面4に均一な電解ドレッシングが施され、ワークWの加工精度及び安定した研削品質が確保できる。
なお、メタルボンド砥石3に対する種々の電解ドレッシングの要求に応じて研削液吐出孔47の内径や削液吐出孔47の配置位置を変更することで研削液の供給量や供給分布状態を変更することができる。
(第3実施の形態)
本発明による研削加工装置の第3実施の形態を図9乃至図11を参照して説明する。本実施の形態は第1実施の形態と電解ドレッシング用電極の形状が異なり、他の構成は第1実施の形態と同様であり図9乃至図11において図1乃至図5と対応する部位に同一符号を付することで該部に詳細な説明を省略し、電解ドレッシング用電極を主に説明する。
図9は研削加工装置1を模式的に示す斜視図であり、図10は電解ドレッシング用電極の説明図、図11は電解ドレッシングの作用説明図である。
本実施の形態における電解ドレッシング用電極50は、図9及び図10(a)に側面図、同図(b)に(a)のC矢視図を示すように、電極ホルダに形成される電極収容部内に摺動自在に嵌挿される断面矩形で基準線Z方向に連続するブロック状に形成され、矩形の貫通孔52によって後端部53と先端部54に区分される。後端部53にはロッド係止溝23b及び研削液供給管挿通孔23c、23d、配線孔23eが形成される。
先端部54の先端面に断面円弧状の電極面55が形成される。この電極面55はメタルボンド砥石3の外周面4と対向すると共にメタルボンド砥石3の回転方向上流端及び下流端となる下端55a、上端55b、両側端55c、55dを有してメタルボンド砥石3の外周面4の幅より若干広い幅Wで連続する長さLの矩形であって、メタルボンド砥石3の外周面4との間に研削液の介在を許容する隙間形成される円筒内周面状に形成される。
先端部54には後端部53に穿設された研削液供給管挿通孔23c、43dに対応して研削液供給口56a、56bが開口する研削液路56が形成され、研削液路56から分岐して電極面55の下端55aに近接して開口する上流側研削液吐出孔57a及び中央部と上端55bとの間に開口する下流側研削液吐出孔57bの2つの研削液突吐出孔が電解ドレッシング用砥石3の回転方向に離間して穿設される。
上流側研削液吐出孔57aは、図10(a)におけるV―V線断面を同図(c)に示すようにメタルボンド砥石3の回転方向上流側となる電極面55の下端55aに近接して研削液路56から幅方向に延在する断面形状で電極面55側に移行するに従って漸次幅方向に拡幅すると共に、電極面55のほぼ全幅に亘って長径のスリット状に開口する。
一方、下流側研削液吐出孔57bは、図10(a)におけるVI―VI線断面を同図(d)に示すように、メタルボンド砥石3の回転方向上流側となる電極面55の上端55aと中央部との間に研削液路56から幅方向に延在する断面形状で電極面55側に移行するに従って漸次幅方向に拡幅すると共に、電極面55のほぼ全幅に亘って長径のスリット状に開口する。
この電解ドレッシング用電極50は、第1実施の形態と同様に、電解ホルダの電極収容部内に移動可能に収容され、電極位置調整部によって移動可能に保持される。
図示しない研削液供給源から研削液を供給する研削液供給管が電解ドレッシング用電極50の後端部53に穿設された研削液供給管挿通孔23c、23dを移動可能に貫通して研削液供給口56a、56bに接続され、研削液供給源から研削液を対向するメタルボンド砥石3の外周面4と電解ドレッシング電極50の電極面55との間に形成される電解ドレッシング領域に供給する研削液供給手段が形成される。ここで、研削液供給源から研削液供給管を介して電解ドレッシング電極50の研削液路56に供給された研削液が、上流側研削液吐出孔57a及び下流側研削液吐出孔57bからメタルボンド砥石3の外周面4の全幅に亘って均一に分散して研削液が直撃的に噴出される。
また、正の電極が装置本体及び回転軸を介してメタルボンド砥石3に接続され、負の電極が電解ドレッシング用電極50の後端部53に穿設された配線孔23eを貫通する配線を介して電解ドレッシング用電極50の先端部54に接続されてメタルボンド砥石3の外周面4と電極面55との間に研削液を介して通電する電源を備える。
以下作用を説明する。図9においてメタルボンド砥石3により研削を開始する前に、電極位置調整部によって電解ドレッシング用電極50を移動させて、その電極面55とメタルボンド砥石3の外周面4とを研削液の存在を可能にする所定の間隔を有して対向させる。
次いで、研削液供給源から研削液供給管を介して電解ドレッシング用電極50の研削液路56に研削液を供給して、上流側研削液吐出孔57a及び下流側研削液吐出孔57bからメタルボンド砥石3の外周面4の全幅に向けて直撃的に噴出する。
この上流側研削液吐出孔57a及び下流側研削液吐出孔57bから電極面55とメタルボンド砥石3の外周面4との間に研削液をその外周面4を直撃するように噴出して供給した状態を維持しつつ、電源を投入して電解ドレッシング電極50に負の電圧を印加し、かつメタルボンド砥石3に正の電圧を印加して研削面となるメタルボンド砥石3の外周面4の電解ドレッシングが開始される。
この状態でメタルボンド砥石3を回転させると共にワークを回転させて研削加工を開始する。ここで、メタルボンド砥石3の研削面となる外周面4は、メタルボンド砥石3の回転速度の増大に拘わらず常に対向する電解ドレッシング用電極50の電極面55とメタルボンド砥石3の外周面4との間にメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出された研削液が電解ドレッシング用電極3の電極面4の全幅に亘って滞留保持されてメタルボンド砥石3の外周面4に均一な電解ドレッシングが施される。
この電解ドレッシング範囲を図11に示す作用状態説明図を参照して説明する。図11において(a)は電解ドレッシング電極50の電極面55の概要を示し、(b)は電極面55における研削液の存在範囲をハッチングで示し、(c)はメタルボンド砥石3の研削面である外周面4の電解ドレッシング範囲をハッチングで示す。
上流側研削液供給孔57aから電解ドレッシング領域となる対向するメタルボンド砥石3の外周面4と電解ドレッシング用電極50の電極面55との間隙の比較的メタルボンド砥石3の回転方向上流側にメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出して供給された研削液及び下流側研削液供給孔57bからメタルボンド砥石3の外周面4と電解ドレッシング用電極50の電極面55との間隙の比較的メタルボンド砥石3の回転方向下流側にメタルボンド砥石3の外周面4を直撃するように噴出して供給された研削液が研削加工に伴って回転するメタルボンド砥石3の外周面4に連れ回されて電極面55の上端55bとメタルボンド砥石3の外周面4との隙間から放出される。
しかし、上流側研削液吐出孔57aからメタルボンド砥石3の外周面4の全幅に亘って直撃的に噴出されメタルボンド砥石3の回転方向下流側となる電極面55の上端55b近傍で電極面55の両側端55d、55eにおいて若干希薄になるが、このメタルボンド砥石3の回転方向下流側において下流側研削液吐出孔57bからメタルボンド砥石3の外周面4の全幅に亘って直撃的に研削液が噴出されて、(b)に電極面55にハッチングで示すように電極面55の全幅に亘って研削液が存在し、該部において電解能力が保持されて(c)にハッチングで示すようにメタルボンド砥石3の外周面4の全幅に亘り均一に電解ドレッシングが施される。
従って本実施の形態によると、ワークWのメタルボンド砥石3の研削面となる外周面4は、メタルボンド砥石3の回転速度の増大に拘わらず常に対向する電解ドレッシング用電極50の電極面55とメタルボンド砥石3の外周面4との間にメタルボンド砥石3の外周面4及び電解ドレッシング用電極50の電極面55の全幅に亘って研削液が滞留保持されてメタルボンド砥石3の外周面4に均一な電解ドレッシングが施され、ワークWの加工精度及び安定した研削品質が確保できる。
また、メタルボンド砥石3に対する種々の電解ドレッシングの要求に応じて上流側研削液吐出孔57a及び下流側研削液吐出孔57bの内径や設置位置の変更等により研削液の供給量や供給分布状態を変更することができる。
更に、上流側研削液吐出孔57aと下流側研削液吐出孔57bの間に同様の研削液吐出孔を追加して設置することもできる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、メタルボンド砥石の外周面を全幅に亘って直撃するよう研削液を噴出して供給する研削液吐出孔を、第1実施の形態では研削液吐出孔を断面円形の第1〜第5研削液吐出孔27a〜27eにより構成し、第2実施の形態では電極面のほぼ全幅に亘って開口する研削液吐出孔47により構成し、第3実施の形態では電極面のほぼ全幅に亘って開口する上流側研削液吐出孔57a及び下流側研削液吐出孔57bにより構成したが、これらの各研削液吐出孔の組み合わせや、断面多角形や楕円形等他の形状の単一或いは複数の研削液吐出孔によって構成することもできる。
1 研削加工装置
3 メタルボンド砥石
4 外周面(研削面)
20 電解ドレッシング用電極
25 電極面
27a 第1研削液吐出孔
27b、27c 第2研削液吐出孔
27d、27e 第3研削液吐出孔
40 電解ドレッシング用電極
45 電極面
47 研削液吐出孔
50 電解ドレッシング用電極
55 電極面
56 研削液路
56a、56b 研削液供給口
57a 上流側研削液吐出孔(研削液吐出孔)
57b 下流側研削液吐出孔(研削液吐出孔)

Claims (5)

  1. 回転して外周面によってワークを研削加工する砥粒を導電性のボンド材によって結合したメタルボンド砥石と、該メタルボンド砥石の外周面と研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する電解ドレッシング用電極と、上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間に研削液を介在してメタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極を通電する電源とを備え、研削液の存在下で回転するメタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極に通電してメタルボンド砥石を電解ドレッシングする研削加工装置において、
    上記電解ドレッシング用電極は、電極面に開口して研削液供給手段から供給される研削液をメタルボンド砥石の外周面全幅に亘って直撃するように噴射して上記対向するメタルボンド砥石の外周面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙に研削液を供給する研削液吐出孔を備えたことを特徴とする研削加工装置。
  2. 上記研削液吐出孔は、電解ドレッシング用電極の電極面に幅方向に分散して開口する複数の研削液吐出孔であることを特徴とする請求項1に記載の研削加工装置。
  3. 電極面における各研削液吐出孔の開口が電極面の幅方向においてオーバラップすることを特徴とする請求項2に記載の研削加工装置。
  4. 上記研削液吐出孔は、電極面の幅方向に長径のスリット状で開口することを特徴とする請求項1に記載の研削加工装置。
  5. 上記研削液吐出孔は、電極面の幅方向に長径のスリット状で開口すると共に互いにメタルボンド砥石の回転方向に離間する複数の研削液吐出孔であることを特徴とする請求項1に記載の研削加工装置。
JP2009057423A 2009-03-11 2009-03-11 研削加工装置 Expired - Fee Related JP5449807B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009057423A JP5449807B2 (ja) 2009-03-11 2009-03-11 研削加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009057423A JP5449807B2 (ja) 2009-03-11 2009-03-11 研削加工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010207973A true JP2010207973A (ja) 2010-09-24
JP5449807B2 JP5449807B2 (ja) 2014-03-19

Family

ID=42968722

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009057423A Expired - Fee Related JP5449807B2 (ja) 2009-03-11 2009-03-11 研削加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5449807B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110625527A (zh) * 2019-10-30 2019-12-31 河南科技大学 一种轴承滚道磨床砂轮在线电解修锐装置的电解液喷洒结构
CN114012606A (zh) * 2021-10-21 2022-02-08 北京博鲁斯潘精密机床有限公司 一种航空发动机叶片磨削铣削强力冷却清洁装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6327255U (ja) * 1986-07-30 1988-02-23
JPH0733554U (ja) * 1993-12-10 1995-06-20 セイコー精機株式会社 電解インプロセスドレッシング用電極

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6327255U (ja) * 1986-07-30 1988-02-23
JPH0733554U (ja) * 1993-12-10 1995-06-20 セイコー精機株式会社 電解インプロセスドレッシング用電極

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110625527A (zh) * 2019-10-30 2019-12-31 河南科技大学 一种轴承滚道磨床砂轮在线电解修锐装置的电解液喷洒结构
CN110625527B (zh) * 2019-10-30 2024-04-19 河南科技大学 一种轴承滚道磨床砂轮在线电解修锐装置的电解液喷洒结构
CN114012606A (zh) * 2021-10-21 2022-02-08 北京博鲁斯潘精密机床有限公司 一种航空发动机叶片磨削铣削强力冷却清洁装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5449807B2 (ja) 2014-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1716974B1 (en) Coolant supply method and apparatus for grinding machine
ES2633984T3 (es) Dispositivo para la electroerosión por hilo rotativo con una guía de hilo pivotable
JP5449807B2 (ja) 研削加工装置
US9217228B2 (en) Self-propelled construction machine for working roadways or surfaces and method for cooling the milling tools of a milling drum of a self-propelled construction machine
JP6084455B2 (ja) 回転切削工具
JP4238624B2 (ja) 研削加工機械
US8936418B2 (en) Guide device for hand-held spot welding electrode milling cutter
WO2010062850A1 (en) Coolant delivery system in rotating cutting tool
JP6314636B2 (ja) 切削加工装置
WO2017126145A1 (ja) ホブ
JP3512389B2 (ja) 路面切断用ブレードの給水構造
JPH10193214A (ja) ダイヤモンドエンドミル
JP5395572B2 (ja) 研削加工装置
US10369638B2 (en) Milling cutter
JP5394962B2 (ja) 研削装置及び研削方法
US20160067844A1 (en) Machining center with abrasive blasting system
ES2894745T3 (es) Transmisión de corriente para el rectificado electroerosivo
JP2012143836A (ja) 切削砥石、切削砥石を備えた切削加工機械、及び切削加工機械による切削加工方法
JPH05177500A (ja) 工作機械
JPH0994759A (ja) 平面研削盤のクーラントノズル
JP2004058243A (ja) 内面研削工具及び内面研削方法
JPH11262865A (ja) 研削用工具
JP2004345064A (ja) 脆性材料加工用ダイヤモンド工具及びこれを用いた加工方法
JP2003305657A (ja) 研削用工具とその冷却装置
JP2001123275A (ja) 放電被覆加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130402

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5449807

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees