JP2010207257A - 歯科用ハンドピース洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】継続的にフロントドアの開閉をスムーズに行うことのできる歯科用ハンドピース洗浄装置を提供する。
【解決手段】支持ピン41はピン保持部48の保持孔49に収容、保持される。保持孔49に支持ピン41が保持された状態で、支持ピン41の外周側かつ保持孔49の内周側に圧縮状態のコイルばね46が配置される。コイルばね46の一端は支持ピン41に係止され、コイルばね46の他端はピン保持部48に係止される。したがって、支持ピン41は、コイルばね46により支持軸47に向けて押される。これにより、止め具45がピン保持部48に係止される位置まで支持ピン41は前進し、コイルばね46が圧縮限界に達するまで支持軸47から離れる向きに支持ピン41は後退可能である。フロントドア30、本体ハウジング20が膨潤したとしても、膨潤した量に応じて、支持ピン41が後退することによりフロントドア30を無理なく開閉できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、歯科治療に用いられる治療器具である歯科用ハンドピースに自動で洗浄用の油を供給し、これを洗浄する装置に関するものである。
歯牙の切削に用いられる歯科用ハンドピース(以下、単にハンドピース)は、数万〜数十万回転という回転数で研削ツールを回転させる。このように高速で回転されるツールを備えるハンドピースの駆動部は、回転性能を維持するためにこまめにメンテナンスが行なわれる。また、ハンドピースは患者の口腔内へ入れられるので、常に清潔であることが大前提となる。したがって、歯科医師又はその補助者は、ハンドピースの回転軸を有する駆動部への注油を定期的に行うとともに、ハンドピース全体を洗浄している。
従来は手作業でハンドピースを1本ずつ注油洗浄していた。しかし、ハンドピースの駆動部に注油し、洗浄する作業は非常に手間がかかるものであるため、熟練者以外のものが作業にあたると、注油洗浄の程度が劣ることもあり、それを管理するのが容易ではなかった。
そこで、自動でハンドピースの注油洗浄ができる装置が提案されている。例えば特許文献1には、清掃や操作性、メンテナンス性等の装置を維持する観点からの利便性を向上させ、加えて患者に対してその清潔さを主張することができるハンドピース注油洗浄装置(以下、単に注油洗浄装置)が開示されている。この注油洗浄装置100は、図8に示すように、本体ハウジング110の前面側には他から仕切られた空間であってその内部に設けられる装着端子に歯科用ハンドピースが懸架され注油洗浄を行う注油洗浄室120と、スプレー缶103,104を保持する供給部130とを備え、注油洗浄室120の空間は、本体ハウジング110の両側面に達する大きさでこの本体ハウジング110の前面側に形成される凹部121と、凹部と外部との開口部分を覆う開閉可能なフロントドア140とにより閉ざされた空間として他から仕切られる。
この注油洗浄装置100は、フロントドア140と本体ハウジング110との境目の一部が背面側に大きくずれて配置されるので洗浄油がわずかながら漏れ出してもこれで前面を汚さずにすみ、メンテナンスや外観上好ましい。
特開2008−212211号公報
本発明者等は、注油洗浄装置を実用化するべく検討を行う過程で、注油洗浄装置を継続して使用していると、スムーズにフロントドアの開閉ができなくなることがあった。つまり、注油洗浄装置を相当期間使用していると、強い力で引っ張らないと閉じたフロントドアを開けることができなくなり、その反対に、強い力で押さないと開いたフロントドアを閉じることができなくなる。そこで本発明は、継続して使用しても、フロントドアの開閉をスムーズに行うことのできる歯科用ハンドピース洗浄装置を提供することを目的とする。
本発明者等はスムーズにフロントドアの開閉を行えなくなる原因を探ったところ、フロントドアと本体ハウジングが変形することにより、フロントドアと本体ハウジングの間に設けられるべき所望のクリアランスが保てなくなっていることを知見した。つまり、フロントドアと本体ハウジングはともに樹脂を射出成形することにより作製されているが、注油洗浄に用いる油により樹脂で構成されるフロントドアと本体ハウジングが、使用の継続により徐々に膨潤して変形し、フロントドアの開閉を困難にするのである。特に、特許文献1(特許文献1 図7参照)もそうであるが、樹脂からなる部材同士を係合させてフロントドアを本体ハウジングに取り付ける構造の場合、係合される両方の部材が膨潤するので、フロントドアの開閉が困難になり易い。
油による膨潤(以下、単に膨潤という)を回避するためには、膨潤が生じない金属材料により、または、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PSU(ポリスルフォン)等の膨潤しにくいスーパーエンジニアリングプラスチック材料によりフロントドア及び本体ハウジングを作製すればよい。しかし、これら材料は汎用的な樹脂に比べると極めて高価格であり、しかも金属材料の場合は加工費が製品価格を押し上げる。したがって、注油洗浄装置のコストの観点から、例えばPP(ポリプロピレン)樹脂からフロントドア及び本体ハウジングを構成しても、スムーズなフロントドアの開閉を持続できることが要求される。そこで本発明者は、PPのように膨潤する樹脂でフロントドア及び本体ハウジングを構成しながらも、膨潤の影響を吸収できる本体ハウジングに対するフロントドアの取り付け構造を提案する。
本発明による、歯科用ハンドピースに自動で注油し洗浄する歯科用ハンドピース注油洗浄装置は、本体ハウジングとフロントドアを基本構成要素として備える。
この本体ハウジングは、ハンドピースが装着される端子を備え、端子に装着された状態でハンドピースが注油洗浄される注油洗浄室を前面側に設けている。
フロントドアは、本体ハウジングに対して開閉可能に取り付けられる。フロントドアが開状態になると、注油洗浄室は外部に開放されてハンドピースが端子に装着可能となる。また、フロントドアが閉状態になると、フロントドアが注油洗浄室を覆い注油洗浄室を外部から遮蔽し、端子に装着されたハンドピースが注油洗浄される。
本発明におけるフロントドアは、本体ハウジングに支持機構を介して支持されることにより、本体ハウジングに回動可能に取り付けられている。この支持機構は、フロントドア又は本体ハウジングのいずれか一方に設けられる支持軸と、フロントドア又は本体ハウジングの他方に設けられ、支持軸を受ける軸受け部と、を備える。そして、支持状態において、支持軸及び軸受け部の一方が他方に対して進退可能に構成されている。
本発明の注油洗浄装置は、支持状態において、支持軸及び軸受け部の一方が他方に対して進退可能に構成されているので、フロントドア及び本体ハウジングが膨潤したとしても、膨潤した量に応じて、支持軸及び軸受け部の一方が他方に対して進退することにより、支持機構における当初の回動動作を維持できる。なお、支持軸、軸受け部を進退可能にするためには、コイルばね等の弾性部材を用いるのが好ましい。後述するドアロック機構60についても同様である。
本発明の注油洗浄装置において、支持機構は、フロントドアの回動軸の両側に設けることが、フロントドアをセンタリングするのに好ましい。ここで、回動軸の両側とは、フロントドアが特許文献1のように縦方向に開閉する場合には、フロントドアの幅方向の両側を意味する。また、フロントドアが横方向に開閉される場合には、フロントドアの高さ方向の両側を意味する。
本発明の注油洗浄装置において、フロントドアを本体ハウジングにロックするロック機構を設けることが好ましい。このロック機構は、閉じたフロントドアが不用意に開かないようにするためのものであり、フロントドアに設けられたドア係止体と本体ハウジングに設けられたハウジング係止体とが係合することにより、フロントドアが本体ハウジングにロックされる。そして、ドア係止体とハウジング係止体のいずれか一方が他方に対して進退可能に設けられる。これにより、フロントドア及び本体ハウジングが膨潤したとしても、膨潤した量に応じて、ドア係止体とハウジング係止体のいずれか一方が他方に対して進退することにより、当初の係合状態を維持する。
本発明によれば、支持軸及び軸受け部の一方が他方に対して後退可能に構成されているので、フロントドア及び本体ハウジングが膨潤したとしても、膨潤した量に応じて、支持軸及び軸受け部の一方が他方に対して後退することにより、支持機構における当初の回動動作を維持できる。したがって本発明によれば、継続して使用しても、フロントドアの開閉をスムーズに行うことのできる歯科用ハンドピース洗浄装置が提供される。
実施形態における注油洗浄装置を示す斜視図であり、フロントドアを閉じた状態を示す。 実施形態における注油洗浄装置を示す斜視図であり、フロントドアを開いた状態を示す。 実施形態における注油洗浄装置のフロントドアを示し、(a)が正面図、(b)が側面図、(c)が背面図を示す。 実施形態における支持機構を拡大して示す図であり、(a)は支持状態を示し、(b)は分解した状態を示す。 実施形態における支持機構の動作を示す図であり、(a)は支持ピンが最も前進した状態を示し、(b)は支持ピンが最も後退した状態を示す。 実施形態におけるフロントドアを本体ハウジングに係止する係止機構を拡大して示す図であり、(a)は支持状態を示し、(b)は分解した状態を示す。 ドアロック機構の動作を示す図であり、(a)はロックピンが最も前進した状態を示し、(b)はロックピンが最も後退した状態を示す。 特許文献1に開示される注油洗浄装置を示す斜視図である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1、図2に示すように、注油洗浄装置10は、本体ハウジング20とフロントドア30を基本構成要素とする。本体ハウジング20、フロントドア30は、ともにPPなどの樹脂を射出成形することにより形成される。
本体ハウジング20は、歯科用ハンドピースHP1,HP2,HP3を端子C1,C2,C3に装着して注油洗浄を行う注油洗浄室21と、洗浄油を収容するとともに注油洗浄室21に設けられた端子C1,C2,C3を介して歯科用ハンドピースHP1,HP2,HP3に注油洗浄装置を供給する供給部22とを備えている。
歯科用ハンドピースHP1,HP2,HP3は、圧縮空気により駆動されるもの、モータにより駆動されるものに大分されるが、注油洗浄装置10はいずれも洗浄できる。
<注油洗浄室21>
注油洗浄室21は、本体ハウジング20の前方側から後方側に向けて形成された矩形状凹部からなる空間であり、対向する一対の側壁211、212と、上壁213と、下壁214により区画される。注油洗浄室21の上壁213には、端子C1,C2,C3が下向きに設けられている。歯科用ハンドピースHP1,HP2,HP3に注油洗浄する際には、端子C1,C2,C3にエアータービンやモーターアタッチメント等の歯科用ハンドピースHP1,HP2,HP3を装着する。また、注油洗浄室21の上壁213には、フロントドア30のロックピン61と係合される係止突起215が設けられている。また、上壁213には、フロントドア30の接触片36と接触することによりフロントドア30が所定の位置まで閉じていることを検知するスイッチ216が設けられている。
注油洗浄室21は、本体ハウジング20に開閉可能に取り付けられるフロントドア30が開状態になると、外部に開放されてハンドピースHP1,HP2,HP3が端子C1,C2,C3に装着可能となる。また、フロントドア30が閉状態になると、フロントドア30が注油洗浄室21を覆い注油洗浄室21を外部から遮蔽する。この状態で、端子C1,C2,C3に装着されたハンドピースHP1,HP2,HP3にミスト状の洗浄油が供給部22から供給される。
<供給部22>
供給部22の洗浄油供給源としては、特許文献1に示したようにスプレー缶103,104でもよいし、洗浄油をタンク内に収容し、この洗浄油をポンプで供給するものでもよい。
洗浄油供給源から端子C1,C2,C3まで洗浄油を供給するために、供給部内に油供給管を設ければよい。この配管に、各種フィルタ、圧力調整機器、開閉弁及びこれらを制御する制御手段を設けることにより、洗浄油の圧力,供給のタイミング,供給時間を調整できる。
<操作部23>
本体ハウジング20の前方上部に設けられる操作部23は、使用者に対して注油洗浄モード選択等の装置操作を行うことによる装置の運転状況を表示する部分である。これにより、使用者は自己の必要な機能を選択し、また注油洗浄装置10の運転状況を把握できる。
<フロントドア30>
フロントドア30は、図3に示されるように、平面が矩形で厚さ方向に湾曲するドア本体31と、ドア本体31の幅方向の両端から後方に向けて延びる側壁321、322と、ドア本体31の上端から突出する蓋34と、ドア本体31の下端から後方に向けて延びる下壁35を備える。フロントドア30が閉じた状態において、両側の側壁321、322は、注油洗浄室21の側壁211、212に対向するように注油洗浄室21内に挿入される。また、蓋34は注油洗浄室21の上方を覆い、下壁35は注油洗浄室21の下壁214に対向するように注油洗浄室21内に挿入される。フロントドア30はこのようにして注油洗浄室21を覆うので、注油洗浄室21に供給される洗浄油が注油洗浄室21から外部に漏れるおそれはほとんどない。
フロントドア30は、ドア本体31の前方側に取っ手33を設けている。取っ手33を掴んでフロントドア30を動かす。フロントドア30が後述するドア支持機構40を介して本体ハウジング20に回動可能に支持されているので、フロントドア30は本体ハウジング20に対して開閉が可能である。
フロントドア30は有色で透明性を有するPP等の樹脂で構成されることが好ましい。
<ドア支持機構40>
ドア支持機構40は、図3(c)に示すように、フロントドア30の下端部であって幅方向の両側に設けられている。ドア支持機構40は、図4に示すように、本体ハウジング20の側壁211に設けられた円柱状の支持軸47を、フロントドア30に保持された支持ピン(軸受け部)41で受けることにより、フロントドア30が本体ハウジング20に回動可能に支持される。なお、図4にはドア支持機構40の一方のみを示しているが、フロントドア30の反対側にも同様に支持機構40が設けられる。
円柱状の支持ピン41は、支持軸47が嵌合される軸受け穴42が側壁211側の一端に穿孔される。また、支持ピン41の外周部にはリング状の止め具45が嵌挿される円環溝43が形成される。さらに、支持ピン41の他端には外周がテーパ状の把持部44が形成される。支持ピン41は、洗浄油による膨潤が生じないステンレス鋼などの金属材料から構成するのが好ましいが、これに限定されない。後述するロックピン61も同様である。
支持ピン41は、ドア本体31の下方かつ幅方向端部に設けられたピン保持部48の保持孔49に収容、保持される。保持孔49に支持ピン41が保持された状態(図4(a))で、支持ピン41の外周側かつ保持孔49の内周側に圧縮状態のコイルばね46が配置される。コイルばね46の一端は支持ピン41に係止され、コイルばね46の他端は保持孔49内においてピン保持部48に係止される。したがって、支持ピン41は、コイルばね46により支持軸47に向けて押される。
ドア支持機構40が以上のように構成されているので、図5(a)に示すように、止め具45がピン保持部48に係止される位置まで、支持ピン41は支持軸47に向けて前進できる。また、図5(b)に示すように、コイルばね46が圧縮限界に達するまで、支持ピン41は支持軸47から離れる向きに後退できる。フロントドア30を本体ハウジング20に着脱する際には、支持ピン41を図5(b)の状態まで後退させるとよい。このように、コイルばね46によって、支持ピン41が支持軸47に対して進退可能にドア支持機構40が構成されているので、フロントドア30と側壁211の幅方向の間隔が当初より狭くなり、または広くなったとしても、支持ピン41と支持軸47との支持状態が良好に維持される。その結果、フロントドア30、本体ハウジング20(側壁211)が膨潤したとしても、膨潤した量に応じて、支持ピン41が進退することによりフロントドア30を無理なく開閉できる。なお、フロントドア30及び側壁211は、コイルばね46が圧縮限界に達した図5(b)の状態において、両者が直接接触することがないようにサイズ、形状を設定しておくことが好ましい。
ドア支持機構40は、フロントドア30の幅方向両側に設けることが好ましい。フロントドア30を本体ハウジング20の中心に対して位置決めできるからである。ただし、本発明はドア支持機構40をフロントドア30の幅方向の片側にだけ設けても、膨潤した量に応じて、支持ピン41が後退することによりフロントドア30を無理なく開閉できる、という効果を享受できる。
<ドアロック機構60>
注油洗浄装置10は、フロントドア30を閉じた状態で、フロントドア30が不用意に開かないようにするためのドアロック機構60を備えている。
ドアロック機構60は、フロントドア30の上端部であって幅方向中央部より僅かに側壁212側に変位した位置に設けられている。ドアロック機構60は、図6に示すように、本体ハウジング20の上壁213に設けられた球状の係止突起215とフロントドア30に設けられたロックピン61とを係合させることにより、フロントドア30を本体ハウジング20に対してロックさせる。
ロックピン61は、フロントドア30に保持される小径な胴部62と、係止突起215との係合にかかわる大径な頂部65とから構成される。
胴部62の先端側の外周にはおねじ63が形成されている。おねじ63は、後述するソケット70に形成されるめねじ75と噛み合わされる。胴部62のおねじ63よりも先端側には、止め具76が嵌挿される円環溝64が形成される。
頂部65の先端には、係止突起215とロックピン61とが係合状態において、係止突起215が嵌入される係止溝66が形成される。
ロックピン61は、ソケット70を介してフロントドア30に保持される。
中空円筒状のソケット70は、貫通孔72が同軸上に形成される小径部71と、貫通孔74が同軸上に形成される大径部73とから構成される。小径部71と大径部73の境界部分の内周にはめねじ75が形成されている。
フロントドア30のドア本体31には、ロックピン61、ソケット70を収容、保持する保持部77が形成されている。保持部77の保持孔78は、図中上方より3段階で縮径されており、最も径の小さい部分にソケット70の小径部71が摺動可能に嵌合される。保持孔78にロックピン61、ソケット70が保持された状態(図6(a))で、ロックピン61のおねじ63とソケット70のめねじ75とが噛み合っている。また、ソケット70の小径部71の外周側かつ保持孔78の内周側に圧縮状態のコイルばね68が配置される。コイルばね68の上端はロックピン61の頂部65に係止され、コイルばね68の下端は保持孔78内において保持部77に係止される。またこの状態で、円環溝64に止め具76が嵌挿され、ソケット70と保持部77の間には、両者の円滑な滑りを確保するための座金69が嵌挿されている。
ドアロック機構60が以上のように構成されているので、図7(a)に示すように、小径部71内において止め具76がソケット70に係止される位置まで、ロックピン61は前進できる。また、図7(b)に示すように、コイルばね68が圧縮限界に達するまで、係止突起215から離れる向きに後退可能である。また、ソケット70を例えば時計回りに回転させると、ロックピン61は上壁213の係止突起215に向けて前進し、ソケット70を反時計回りに回転させると、ロックピン61は上壁213の係止突起215から離れる向きに後退する。
このように、ロックピン61が係止突起215に対して進退可能にドアロック機構60が構成されているので、フロントドア30を閉じる場合には、ロックピン61が係止突起215と干渉しながら後退して係止突起215が係止溝66に嵌入される。これにより、フロントドア30は本体ハウジング20にロックされる。
また、フロントドア30と上壁213の鉛直方向の間隔が当初より狭くなり、または広くなったとしても、ロックピン61が係止突起215に対して進退可能であるから、係止突起215と係止溝66との当初の嵌入状態が維持される。その結果、フロントドア30、本体ハウジング20(上壁213)が膨潤したとしても、膨潤した量に応じてロックピン61が進退することによりフロントドア30を開閉可能にロックできる。しかも、ソケット70を時計回り又は反時計回りに回転することにより、コイルばね68の伸縮と独立してロックピン61の進退を調整できるので、コイルばね68の伸縮だけではフロントドア30、本体ハウジング20の膨潤に対応できない場合には、ソケット70を回転してロックピン61の位置を特定できる。
なお、フロントドア30及び側壁211は、コイルばね68が圧縮限界に達した図7(b)の状態において、両者が干渉することがないようにサイズ、形状を設定しておくことが好ましい。
以上説明したように、注油洗浄装置10はドア支持機構40を備えているので、フロントドア30、本体ハウジング20(側壁211)が膨潤したとしても、フロントドア30を無理なく開閉できる。また、注油洗浄装置10は、フロントドア30、本体ハウジング20(上壁213)が膨潤したとしても、フロントドア30を開閉可能にロックできる。
以上説明した注油洗浄装置10は、進退可能な支持ピン41をフロントドア30に設け、支持軸47を側壁211(212)に設けたが、本発明はこれに限定されず、進退可能な支持ピン41を側壁211(212)に設け、支持軸47をフロントドア30に設けてもよい。また、進退できない支持ピン41をフロントドア30に設け、進退可能な支持軸47を側壁211(212)に設けてもよい。つまり、フロントドア30及び側壁211(212)のいずれか一方に、他方に対して進退可能な支持部材を設けることを本発明は広く包含する。以上のことは、ドアロック機構60についても同様に当てはまる。
また、以上説明した注油洗浄装置10は、進退可能な支持ピン41をフロントドア30の幅方向の両側に設けたが、幅方向に貫通する軸を、その両端が進退可能に構成してもよい。所謂「つっぱり棒」がこれに該当する。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
10…注油洗浄装置
20…本体ハウジング
21…注油洗浄室、211,212…側壁、213…上壁、214…下壁、215…係止突起
C1,C2,C3…端子
30…フロントドア、31…ドア本体
40…ドア支持機構
41…支持ピン、42…軸受け穴、46…コイルばね、47…支持軸、48…ピン保持部
60…ドアロック機構
61…ロックピン、63…おねじ、65…頂部、66…係止溝
70…ソケット、75…めねじ
HP1,HP2,HP3…歯科用ハンドピース

Claims (3)

  1. 本体ハウジングとフロントドアを備え、
    前記本体ハウジングは、ハンドピースが装着される端子を備え、前記端子に装着された状態でハンドピースが注油洗浄される注油洗浄室が前面側に設けられ、
    前記フロントドアは、前記本体ハウジングに対して開閉可能に取り付けられ、
    前記フロントドアが開状態になると、前記注油洗浄室は外部に開放されてハンドピースを前記端子に装着可能となり、
    前記フロントドアが閉状態になると、前記フロントドアが前記注油洗浄室を覆って前記注油洗浄室が外部から遮蔽され、前記端子に装着されたハンドピースが注油洗浄される歯科用ハンドピースの注油洗浄装置であって、
    前記フロントドアは、前記本体ハウジングにドア支持機構を介して支持されることにより前記本体ハウジングに回動可能に取り付けられ、
    前記ドア支持機構は、
    前記フロントドア又は前記本体ハウジングのいずれか一方に設けられる支持軸と、
    前記フロントドア又は前記本体ハウジングの他方に設けられ、前記支持軸を受ける軸受け部と、を有し、
    支持状態において、前記支持軸及び前記軸受け部の一方が他方に対して進退可能に構成されていることを特徴とする注油洗浄装置。
  2. 前記ドア支持機構は、前記フロントドアの回動軸の両側に設ける請求項1に記載の注油洗浄装置。
  3. 前記フロントドアに設けられたドア係止体と前記本体ハウジングに設けられたハウジング係止体とが係合することにより、前記フロントドアを前記本体ハウジングにロックするドアロック機構を備え、
    ロック状態において、前記ドア係止体と前記ハウジング係止体のいずれか一方が他方に対して進退可能に設けられる請求項1又は2に記載の注油洗浄装置。
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