JP2010206930A - 電動機制御装置および該装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法並びに多軸伝達関数算出方法 - Google Patents

電動機制御装置および該装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法並びに多軸伝達関数算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】垂直軸や外力が掛かる状況で大きなストロークで使用する電動機が含まれる複数軸の軸間を含む機械特性を多軸伝達関数として測定するとともに、制御器の安定度を把握し、機械特性に合わせた軸間を含めた制御器の調整度合いを把握できる相互一巡開ループ伝達関数を算出する電動機制御装置および該装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法並びに多軸伝達関数算出方法を提供する。
【解決手段】複数軸の電動機制御装置において、自己一巡開ループ伝達関数算出部8と、相互一巡開ループ伝達関数算出部9と、機械特性演算部11と、特性演算部10と、を備える。
【選択図】図11

Description

本発明は、半導体製造装置や工作機械、産業用ロボット等に用いられて位置決め制御や、プレス機、加工機等に用いられて押し付け制御などをする複数軸を用いた電動機制御装置および該装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法、並びに多軸伝達関数算出方法に関する。
位置決め制御や押し付け制御、倣い制御などで電動機制御装置を高速・高精度に利用するには、機械特性と、電動機制御装置の制御特性と、を最適に整合させて電動機を動作させる必要がある。また、電動機制御装置を複数備えた構成では、複数の電動機が動作することで、他軸の電動機の動作により自軸の検出部が反応し、軸間の干渉を起こすことがある。本来、複数の電動機の軸間についても機械特性と、電動機制御装置の制御特性とを最適に整合させる必要がある。
一方で、電動機制御装置を備えた機械システムは、多軸の利用が多く、軸間で互いに影響を及ぼす電動機制御装置の組み合わせが多数考えられ、機械特性と制御特性を整合して軸間の影響度をすべて考慮するのは非効率である。このため、軸間で互いに影響を及ぼす組み合わせを絞りこむ必要がある。なお、多数の電動機制御装置の中には、長いストロークを要しながら重力や外力が作用するものが含まれる。
こうした一般的な技術課題を解決するために、従来には以下の4例のような関連技術がある。
従来の第1例である電動機制御装置は、動作指令信号109である入力トルク信号112と回転速度信号110とをFFTにより周波数分析し、分析結果114を出力するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の第2例である電動機制御装置およびその機械特性測定方法並びに制御器調整方法は、機械特性を測定して制御器の安定度を把握し、機械特性に合わせて制御器を最適に調整可能な電動機制御装置および機械特性測定方法、制御器調整方法を提供するために、閉ループ外乱周波数応答特性を算出する閉ループ外乱周波数応答特性算出手段210と、閉ループ駆動力周波数応答特性算出手段211と、機械特性算出手段213と、を備えているものもある(例えば、特許文献2参照)。
また、従来の第3例であるモータ制御装置の周波数特性演算装置は、モータ制御系の複数軸の周波数特性を容易に計測することができる周波数特性演算装置を提供するために、複数軸のモータの回転指令Fと回転センサの信号Xを用いて周波数特性を演算しているものもある(例えば、特許文献3参照)。
また、従来の第4例である除振台のフィードフォワード制御方法は、フィードバック制御では対処できない直動外乱に対して非常に有効なフィードフォワード制御を提供するため、入出力関係(G)の逆を与えるシステム(G−1)を演算し、フィードフォワード制御信号(U)を能動アクチュエータ(A)〜(D)に与えて機器(K)の作動に起因する振動をキャンセルするようにしているものもある(例えば、特許文献4参照)。
WO2001/082462号公報(図1) 特開2006−221404号公報(図1) 特開2003−061379号公報(図1) 特開平05−011856号公報(図1)
従来の第1例である特許文献1の電動機制御装置について説明する。図21は従来の第1例を示す電動機制御装置のブロック図である。
電動機制御装置の制御対象を含む周波数特性を測定し把握した上で、サーボゲインを決めるためには、FFTアナライザ等の高価な計測器を用意し、熟練した作業者が必要となる。安易に周波数特性を測定すれば、デジタル・サンプリング時に測定周波数範囲外の成分が混入する折り返し誤差が発生し、正確な周波数特性を求めることができない。さらに、周波数特性を測定するために、電動機を動作させると可動部が移動する。負荷機械の可動部はその位置により特性が変化し、共振周波数や反共振周波数がずれ、周波数特性の測定精度が低下する。測定時に平均化等を実行するために測定するデータ量を増やすには、長時間のデータを収集するか、もしくは、複数回の動作と測定を実行する必要があるが、可動部の移動量が増大し、周波数特性の共振周波数ピークが割れるなど、測定精度がさらに低下するという問題がある。
以上のような一般的な技術課題を解決するために、従来の第1例である特許文献1の電動機制御装置は、周波数分析時に折り返し誤差が発生せず、測定周波数範囲外の不要な高周波成分を含まない前記動作指令信号を作成し、サーボ装置102に出力し電動機104を駆動し、動作指令信号と回転検出器103からの回転検出器信号を演算装置101が周波数分析し、分析結果を出力するようにしている。また、電動機104の正転側と逆転側の動作指令信号を作成し、前記サーボ装置102に出力し、動作指令信号と回転検出器103の検出信号から演算装置101が周波数特性を演算している。
このようにして、従来の第1例である特許文献1の電動機制御装置は、単軸の周波数特性を算出するのである。
従来の第2例である特許文献2の電動機制御装置およびその機械特性測定方法並びに制御器調整方法について説明する。図22は従来の第2例を示す電動機制御装置の全体構成図である。
機械特性を測定しながら制御器の安定度を把握し、機械特性に合わせて制御器を最適に調整できなかった。この一般的な技術課題を解決するために、従来の第2例である特許文献2の電動機制御装置およびその機械特性測定方法並びに制御器調整方法は、フィードバックループを構成した電動機制御装置において、電動機201または機械205の動作量を検出する検出手段202と、指令信号を発生する指令器204と、指令信号を受けて電動機201を駆動するための制御器203と、電流制御部206と、を備えた電動機制御装置において、外乱入力する指令を生成する外乱信号発生部207と、制御器203が出力する駆動力を検出する駆動力検出手段208と、該外乱信号発生部207の出力と駆動力検出手段208の出力から閉ループ駆動力周波数応答特性を算出する閉ループ駆動力周波数応答特性算出手段211と、該閉ループ駆動力周波数応答特性と該閉ループ外乱周波数応答特性から、機械特性を算出する機械特性算出手段213とを備え、外乱信号発生部207で作成した外乱信号で電動機201を駆動し、駆動力検出手段208と検出手段202の検出信号を得る。外乱信号発生部207と検出手段202の出力から閉ループ外乱周波数応答特性算出手段210で閉ループ外乱周波数応答特性を算出する。また、外乱信号発生部207と駆動力検出手段208の出力から閉ループ駆動力周波数応答特性算出手段211で閉ループ駆動力周波数応答特性を算出する。さらに、閉ループ駆動力周波数応答特性から、一巡開ループ周波数応答特性算出手段212が一巡開ループ周波数応答特性を算出する。加えて、機械特性算出手段213は閉ループ駆動力周波数応答特性と閉ループ外乱周波数応答特性から、機械特性を算出するようにしている。
このように、従来の第2例である特許文献2の電動機制御装置およびその機械特性測定方法並びに制御器調整方法は、単軸の閉ループ外乱周波数応答特性、閉ループ外乱周波数応答特性、一巡開ループ周波数応答特性、機械特性を算出するのである。
従来の第3例である特許文献3のモータ制御装置の周波数特性演算装置について説明する。図23は従来の第3例を示すモータ制御装置の構成図である。
2軸以上のサーボ系を有するモータ制御装置の場合は、1軸毎に単軸の周波数特性を別々に計測し、その結果を総合して全体の特性が把握されていた。全軸の周波数特性を計測するには長時間を要するという問題があった。また、本来、軸間に干渉があり軸間の特性があるが、1軸毎に単軸の周波数特性を計測する方法ではできなかった。
以上のような一般的な技術課題を解決するために、従来の第3例である特許文献3のモータ制御装置の周波数特性演算装置は、可動部310、311と、モータ306、307と、モータの回転を伝えて可動部を移動させる伝達機構308、309と、モータの回転を検出する回転センサ304、305と、モータの回転指令Fと回転センサの信号Xを受けてモータの回転を制御するサーボ装置302、303とを複数備えて複数のサーボ系をなすモータ制御装置において、モータの回転指令Fを出力し、回転センサの信号Xを入力して所定の式に基づいて周波数特性を演算する演算装置301を備えている。
このように、従来の第3例である特許文献3のモータ制御装置の周波数特性演算装置は、複数軸の周波数特性を算出するのである。
従来の第4例である特許文献4の除振台のフィードフォワード制御方法について説明する。図24は従来の第4例を示す能動アクチュエータの配置平面図である。
除振台は地動外乱に対する対処が主目的であったため、除振台による能動制振はフィードバック制御が基本となっていたが、フィードバック制御ではスピルオーバーや安定性が十分でない等の問題があり、また、際限なくフィードバックゲインを高めてやる事ができる訳でもなく直動外乱に対処する事ができなかった。尚、フィードバックゲインを高めると振動制御とのトレードオフが問題となるような一般的な技術課題がある。
この一般的な技術課題を解決するために、従来の第4例である特許文献4の除振台のフィードフォワード制御方法は、事前に除振台の多入多出力関係(G)を得ている。
機器(K)を載置するための除振台本体402と、除振台本体402を支持するための能動アクチュエータ(A)〜(D)と、除振台本体402の振動を検出するためのセンサ(S)とで構成された除振台において、除振台の能動アクチュエータ(A)〜(D)に既知の信号を与え、この時の除振台の応答をセンサ(S)で検出してその出力データ(Y)を演算装置(cont)に取り込み、多入多出力関係(G)を得る。演算装置(cont)にてその入出力関係(G)の逆を与えるシステム(G−1)を演算し、この逆システム(G−1)に除振台本体402上に載置された機器(K)を作動させて求めた出力データ(Y)を掛け、更に反転したフィードフォワード制御信号(U)を生成させ、このフィードフォワード制御信号(U)を記憶しておき、次の機器(K)の作動時に同期させて逆システム(G−1)に基づくフィードフォワード制御信号(U)を能動アクチュエータ(A)〜(D)に入力し、機器(K)の作動に起因する振動をキャンセルするようにしている。
従来の例では、電動機制御装置の単軸の機械特性や、単軸の自己一巡開ループ伝達関数や、複数軸の機械特性を得る方法があるが、複数軸の電動機制御装置の制御特性を含む相互一巡開ループ伝達関数を把握できていなかった。また、垂直軸や外力が掛かる状況で大きなストロークで使用する電動機が含まれる複数軸の機械特性を得る方法については十分でなかった。
従来の第1例である特許文献1の電動機制御装置は、単軸の制御対象を含む機械系の周波数特性を把握するようにいて、制御特性を含む一巡開ループ伝達関数を把握することができないので、制御特性を含めた特性を定量的に把握できない。電動機制御装置の最適なパラメータ調整には不十分であった。また、単軸の周波数特性の把握のみしかできないなので、複数軸の電動機制御装置が構成された場合の軸間の周波数特性を把握できないというような問題もあった。
従来の第2例である特許文献2の電動機制御装置およびその機械特性測定方法並びに制御器調整方法は、単軸の機械特性や一巡開ループ伝達関数を把握するようになっている。複数軸の電動機制御装置が構成された場合の軸間の機械特性や一巡開ループ伝達関数を把握できないので、軸間で干渉する機械特性や制御特性を定量的に未把握のまま、試行錯誤的に電動機制御装置のパラメータ調整を行う方法しか無いというような問題もあった。
従来の第3例である特許文献3のモータ制御装置の周波数特性演算装置は、多軸の機械系の周波数特性を把握するようになっていて、単軸および多軸の一巡開ループ伝達関数を把握することができないので、電動機制御装置の最適なパラメータ調整には不十分であった。電動機の動作の精度要求が高まる一方で、軸間の他軸の制御系の影響が不明のまま電動機制御装置のパラメータ調整を行う方法しか無いという問題があった。また、多軸の機械系の周波数特性を把握するようにしているが、重力や外力で電動機が動かされる状況については考慮しておらず、多軸構成でもすべての条件で周波数特性を把握できなかった。
従来の第4例である特許文献4の除振台のフィードフォワード制御方法における多入力多出力関係の把握は、小ストロークのボイスコイルモータを利用しているので、垂直方向や外力が掛かる軸でも負荷やモータの移動量が少なく、変化が無い機械特性を把握できる。しかしながら、汎用サーボモータとボールねじ機構のような組み合わせや、汎用リニアモータ等大きなストロークで使用する場合は、重力や外力が電動機を移動する場合、位置により機械特性も変化するので、使用される機構の姿勢や位置などの状態で電動機制御装置の多軸の周波数特性を把握できないというような問題があるが解決できていなかった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、垂直軸や外力が掛かる状況で大きなストロークで使用する電動機が含まれる複数軸の軸間を含む機械特性を測定するとともに制御器の安定度を把握し、機械特性に合わせた軸間を含めた制御器の調整度合いを把握できる電動機制御装置および該装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法、もしくは多軸伝達関数算出方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、電動機と、検出部と、制御部とを備えた電動機制御装置と、指令部と、制御部補償駆動力検出部と、外乱駆動力入力部と、自己一巡開ループ伝達関数算出部と、少なくとも2軸備えた電動機制御装置において、2軸に外乱駆動力を夫々の前記外乱駆動力入力部に与え夫々の前記補償駆動力検出部から補償駆動力を検出して、2軸の外乱駆動力と、2軸の補償駆動力と、2軸の単軸の自己一巡開ループ伝達関数と、から相互一巡開ループ伝達関数を算出する相互一巡開ループ伝達関数算出部を備えたことを特徴とする電動機制御装置とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、前記相互一巡開ループ伝達関数算出部は、2軸に無相関な外乱駆動力を同時に与えて得られる2軸の補償駆動力と、入力した2軸の外乱駆動力と、2軸の単軸の自己一巡開ループ伝達関数と、から式(1)(2)もしくは式(3)(4)に従って、相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置とするものである。

ここで、
Cij:相互一巡開ループ伝達関数
:第1軸の制御系特性、H12:第2軸駆動第1軸応答の機械系特性、
:第1軸の制御系特性、H21:第2軸駆動第1軸応答の機械系特性、
Ci:第i軸単軸の自己一巡開ループ伝達関数
であり、Zciは式(5)、(6)で表される。

また、zijは実測特性であり、式(7)で表される。
また、請求項3に記載の発明は、前記相互一巡開ループ伝達関数算出部は、2軸を駆動可能にしたまま1軸づつ外乱駆動力を与えて、それぞれが駆動した状態での2軸の補償駆動力と、1軸づつに与えた外乱駆動力と、2軸の単軸の自己一巡開ループ伝達関数と、から相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、前記相互一巡開ループ伝達関数算出部は、1軸づつ外乱駆動力を与えて得られた夫々の補償駆動力と、外乱駆動力と、自己一巡開ループ伝達関数と、から式(8)(9)に従って相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項3に記載の電動機制御装置とするものである。

ここで、
G12:相互一巡開ループ伝達関数
:第1軸の制御系特性、H12:第2軸駆動第1軸応答の機械系特性
:第1軸の制御系特性、H21:第2軸駆動第1軸応答の機械系特性
であり、Zoiは式(5)、(6)で表される。

ここで、
11:第1軸駆動第1軸応答の機械系特性、H22:第2軸駆動第2軸応答の機械系特性、
Gi:第i軸単軸の自己一巡開ループ伝達関数
ij (i):第i軸駆動時の実測特性
であり、zij (i)は式(10)、(11)で表される。
また、請求項5に記載の発明は、複数の前記検出部を備え前記制御部にフィードバックループを複数備えた前記電動機制御装置を少なくとも1軸備えた場合には、前記相互一巡開ループ伝達関数算出部は、夫々の前記検出部の応答と他軸の駆動による機械特性と自軸の制御特性とからなる特性の和を相互一巡開ループ伝達関数とすることを特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、複数の前記検出部を備え前記制御部にフィードバックループを複数備えた前記電動機制御装置を少なくとも1軸備え、前記制御部に速度制御部と位置制御部とを備え、前記速度制御部と前記位置制御部とに夫々の前記検出部をフィードバックする場合には、前記相互一巡開ループ伝達関数算出部は、式(12)もしくは式(13)に従って2軸間の相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項5に記載の電動機制御装置とするものである。

ここで、
Oij:相互一巡開ループ伝達関数
a:単位換算係数
Vi:第i軸の速度制御系特性、GPi:第i軸の位置制御系特性
32、H41:第2軸駆動第3応答の機械系特性, 第1軸駆動第4応答の機械系特性
12、H21:第2軸駆動第1応答の機械系特性、第1軸駆動第2応答の機械系特性
であり、第2、第3応答は位置制御部にフィードバックされ、第1、第2応答は速度制御部にフィードバックされる。
また、請求項7に記載の発明は、電動機と、検出部と、制御部とを備えた電動機制御装置と、指令部と、駆動力入力部と、制御部補償駆動力検出部と、を備え、複数の前記電動器制御装置を備えており、少なくとも1つの前記電動器制御装置は、前記電動機の制御を切ると前記電動機が移動する状況の構成である電動機制御装置において、動作指令と駆動力と前記検出部の応答検出から機械特性を算出する機械特性演算部を備え、前記機械特性演算部は、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを算出することを特徴とする電動機制御装置とするものである。
また、請求項8に記載の発明は、前記電動機の制御を切ると前記電動機が移動する軸に動作指令を与える場合には、前記機械特性演算部は、式(14)に従い機械特性を算出し、動作指令を与えたi軸に基づく機械特性のみを算出し、前記電動機の制御を切っても前記電動機が移動しない軸に動作指令を与える場合には、前記機械特性演算部は、式(15)に従い機械特性を算出し、動作指令を与えたP軸に基づく機械特性のみを出力することを特徴とする請求項7に記載の電動機制御装置とするものである。
ここで、
SL;S軸加振、K点応答の機械特性
である。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の電動機制御装置を備え、相互一巡開ループ伝達関数と機械系特性と自己一巡開ループ伝達関数とから制御系特性および新たな組み合わせの相互一巡開ループ伝達関数を算出する特性演算部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置とするものである。
また、請求項10に記載の発明は、電動機と、検出部と、制御部とを備えた電動機制御装置と、制御部の駆動力を検出するステップと、自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップと、少なくとも2軸備えた電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法において、2軸に外乱駆動力を入力して夫々の補償駆動力を検出し、2軸の外乱駆動力と、2軸の補償駆動力と、2軸の単軸の自己一巡開ループ伝達関数と、から相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップを備えたことを特徴とする電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法とするものである。
また、請求項11に記載の発明は、前記相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップは、2軸に無相関な外乱駆動力を同時に与えて得られる2軸の補償駆動力と、入力した2軸の外乱駆動力と、2軸の単軸の自己一巡開ループ伝達関数と、から式(1)(2)もしくは式(3)(4)に従って、相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項10に記載の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法とするものである。
また、請求項12に記載の発明は、前記相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップは、2軸を駆動可能にしたまま1軸づつ外乱駆動力を与えて得られる2軸の補償駆動力と、1軸に与えた外乱駆動力と、2軸の単軸の自己一巡開ループ伝達関数と、から相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項10に記載の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法とするものである。
また、請求項13に記載の発明は、前記相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップは、式(8)(9)に従って、相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項12に記載の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法とするものである。
また、請求項14に記載の発明は、複数の前記検出部を備え前記制御部にフィードバックループを複数備えた前記電動機制御装置を少なくとも1軸備えた場合には、前記相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップは、夫々の前記検出部の応答と他軸の駆動による機械特性と自軸の制御特性とからなる特性の和を相互一巡開ループ伝達関数とすることを特徴とする請求項10に記載の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法とするものである。
また、請求項15に記載の発明は、複数の前記検出部を備え前記制御部にフィードバックループを複数備えた前記電動機制御装置を少なくとも1軸備え、前記制御部に速度制御部と位置制御部とを備え、前記速度制御部と前記位置制御部とに夫々の前記検出部をフィードバックする場合には、前記相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップは、式(12)もしくは式(13)に従って2軸間の相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項14に記載の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法とするものである。
また、請求項16に記載の発明は、電動機と、検出部と、制御部とを備えた電動機制御装置と、指令部と、駆動力入力部と、制御部補償駆動力検出部と、を備え、複数の前記電動器制御装置を備えており、少なくとも1つの前記電動器制御装置は、前記電動機の制御を切ると前記電動機が移動する状況の構成である電動機制御装置多軸伝達関数算出方法において、動作指令を前記制御部へ与えて前記電動機を駆動して得られる動作指令と駆動力と前記検出部の応答検出から機械特性を算出するステップと、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップと、を備えたことを特徴とする電動機制御装置の多軸伝達関数算出方法とするものである。
また、請求項17に記載の発明は、前記機械特性を算出するステップは、前記電動機の制御を切ると前記電動機が移動する軸に動作指令を与える場合には、式(14)従い機械特性を算出し、
前記電動機の制御を切っても前記電動機が移動しない軸に動作指令を与える場合には、式(15)に従い機械特性を算出し、前記加えた動作指令に基づく機械特性のみを算出するステップは、前記式(14)のi軸もしくは前記式(15)のP軸に基づく機械特性のみを出力することを特徴とする請求項16に記載の電動機制御装置の多軸伝達関数算出方法とするものである。
また、請求項18に記載の発明は、請求項16に記載の電動機制御装置の多軸伝達関数算出方法を備え、相互一巡開ループ伝達関数と機械系特性と自己一巡開ループ伝達関数とから、制御系特性および新たな組み合わせの相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップを備えたことを特徴とする請求項10に記載の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法とするものである。
本発明によると、垂直軸や外力が掛かる状況で大きなストロークで使用する電動機が含まれる複数軸の軸間を含む機械特性を測定するとともに軸間干渉の機械特性と、ゲイン余裕や位相余裕を考慮した制御系の設定を行うことができる。つまり、制御系の安定度を把握し、機械特性に合わせ軸間を含めた制御器の調整度合いを把握し、軸間干渉の機械特性と、ゲイン余裕や位相余裕を考慮した制御系の設定を行うことができる。
まず、機械特性である多軸伝達関数が得られれば、機械の剛性が把握できるので、機械の剛性の設計性能の確認ができ、機械側の修正・改善に利用できる。
また、多軸伝達関数を把握することで、制御部のノッチフィルタ、ローパスフィルタ、振動抑制制御などを含めた制御方式の選択、指令部の共振させない動作信号の作成、などを、単軸だけで無く、多軸間の軸間の組み合わせにおける影響度を考慮して検討し、設定できる。
さらに、多軸伝達関数を把握することで、機械特性の影響度がお互いに高いために、電動機制御装置の他軸を考慮した設定が必要な軸間を絞り込むことができる。
絞りこまれた軸間では、軸間の機械特性と制御系を合わせた特性を新たな評価基準である相互一巡開ループ伝達関数を定量的に把握することで、制御部の応答性パラメータや各種フィルタや振動抑制機能、指令部にて加工した動作信号などを軸間で相互に効果があるように設定し、また、その各種設定後に再度、相互一巡開ループ伝達関数を求めることで各種設定した効果を確認できるので、機械特性と整合した複数の電動機を備えた電動機制御装置を実現できる。
請求項1および請求項10に記載の発明によると、2軸の電動機制御装置において軸間の相互一巡開ループ伝達関数を算出することができ、軸間の機械特性と制御特性を合わせた特性を定量的に把握し、軸間干渉の機械特性と、ゲイン余裕や位相余裕を考慮した制御系の軸間で相互に効果がある設定を行うことができる。または、その効果を定量的に確認できる。
また、請求項2および請求項11に記載の発明によると、2軸の電動機制御装置において2軸同時に外乱駆動力を与えて式(1)(2)もしくは式(3)(4)に従って、相互一巡開ループ伝達関数を算出することができる。
また、請求項3および請求項12に記載の発明によると、2軸の電動機制御装置において1軸づつ外乱駆動力を与えて相互一巡開ループ伝達関数を算出することができ、相互一巡開ループ伝達関数の計測・算出を1軸づつ状態確認しながら実施できる。
また、請求項4および請求項13に記載の発明によると、1軸づつ確認しながら式(8)(9)に従って相互一巡開ループ伝達関数を算出することができる。
また、請求項5および請求項14に記載の発明によると、フィードバックループを複数備えた前記電動機制御装置の場合でも軸間の機械特性と制御特性を合わせた特性を定量的に把握することができる。
また、請求項6および請求項15に記載の発明によると、フィードバックループを複数備えた前記電動機制御装置の場合でも、式(12)もしくは式(13)に従って2軸間の相互一巡開ループ伝達関数を算出することができる。
また、請求項7および請求項16に記載の発明によると、電動機の制御を切ると電動機が移動するような、直軸や外力が掛かる状況で大きなストロークで使用する電動機が含まれていても、制御部の保持力で電動機の位置を保ったまま、多軸の軸間を含む機械特性を多軸伝達関数として計測・算出することができる。機械特性から、制御特性と機械特性の詳細な整合が必要な軸間の組み合わせを、多数の中から絞り込むことができる。
また、請求項8および請求項17に記載の発明によると、電動機の制御を切ると電動機が移動するような、直軸や外力が掛かる状況で大きなストロークで使用する電動機が含まれていても、制御部の保持力で電動機の位置を保ったまま、式(14)式(15)に従い多軸の軸間を含む機械系の特性を多軸伝達関数として計測・算出することができる。
また、請求項9および請求項18に記載の発明によると、多軸伝達関数や軸間の相互一巡開ループ伝達関数、単軸の自己一巡開ループ伝達関数から制御部単独の制御系特性や新たな組み合わせの相互一巡開ループ伝達関数を算出することがでる。他軸の制御系特性を別途得られれば、計測していない他軸との相互一巡開ループ伝達関数を算出することもできる。
本発明の第1実施例を示す2軸の電動機制御装置の概略構成図 本発明の第1実施例を示す2軸の電動機制御装置のブロック図 本発明の第1実施例を示す自己一巡開ループ伝達関数算出部と相互一巡開ループ伝達関数算出部を示すブロック図 本発明の第1実施例を示す電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法のフローチャート 本発明の第1実施例を示す電動機制御装置の自己一巡開ループ伝達関数の算出を示すブロック図 本発明の第1実施例を示す自己一巡開ループ伝達関数算出部および相互一巡開ループ伝達関数算出部の出力を示すブロック図 本発明の第2実施例を示す2軸の電動機制御装置の概略構成図 本発明の第2実施例を示す2軸の電動機制御装置の第1軸に動作指令を外乱として加算したブロック図 本発明の第2実施例を示す2軸の電動機制御装置の第2軸に動作指令を外乱として加算したブロック図 本発明の第3実施例を示す3軸の電動機制御装置の概略構成図 本発明の第3実施例を示す特性演算部を示すブロック図 本発明の第3実施例を示す電動機制御装置の多軸伝達関数算出方法および相互一巡開ループ伝達関数算出方法のフローチャート 本発明の第3実施例を示す3軸の電動機制御装置のブロック図 本発明の第3実施例を示す特性演算部の出力を示すブロック図 本発明の第4実施例および第5実施例を示す3軸の電動機制御装置の概略構成図 本発明の第4実施例を示す3軸の電動機制御装置のブロック図 本発明の第4実施例を示す1軸のフルクローズド制御の電動機制御装置の自己一巡開ループ伝達関数の算出を示すブロック図 本発明の第4実施例および第5実施例を示す2軸のフルクローズド制御の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数の算出を示すブロック図 本発明の第6実施例を示す3軸の電動機制御装置の概略構成図 本発明の第6実施例を示す2軸の電動機制御装置のブロック図 従来の第1例を示す電動機制御装置のブロック図 従来の第2例を示す電動機制御装置の全体構成図 従来の第3例を示すモータ制御装置の構成図 従来の第4例を示す能動アクチュエータの配置平面図
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本発明の本発明の第1実施例にて2軸の電動機を同時に駆動することによる相互一巡開ループ伝達関数の算出について説明する。
図1は、本発明の本発明の第1実施例を示す2軸の電動機制御装置の概略構成図、図2は本発明の第1実施例を示す2軸の電動機制御装置のブロック図、図3は本発明の第1実施例を示す自己一巡開ループ伝達関数算出部と相互一巡開ループ伝達関数算出部を示すブロック図である。
図において、1a、1bは電動機、2a、2bは検出部、3a、3bは制御部、4a,4bは機械部、5は指令部、6a、6bは外乱駆動力入力部、7a、7bは制御部補償駆動力検出部、8は自己一巡開ループ伝達関数算出部、9は相互一巡開ループ伝達関数算出部となっている。
図1では電動機1a、1bが回転型であり、ボールねじ機構を介してテーブル部が並進動作し、第1軸の上に第2軸が搭載された機構になっている。
図2の1および4は、電動機1a、1bと機械部4a,4bを機械特性で示している。
図3の自己一巡開ループ伝達関数算出部8と相互一巡開ループ伝達関数算出部9は図2のブロック図のT1,T2、τ1、τ2を得て自己一巡開ループ伝達関数並びに相互一巡開ループ伝達関数を算出するように成っている。
図4は本発明の第1実施例を示す電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法のフローチャートである。STP1は単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップ、STP2は相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップとなっている。
本発明が従来技術の第1例と異なる部分は、複数の電動機制御装置を備えて電動機1a、1bと検出部2a、2bと機械部4a,4bを2つ備えている部分と、外乱駆動力入力部6a、6bと、制御部補償駆動力検出部7a、7bと、自己一巡開ループ伝達関数算出部8と、相互一巡開ループ伝達関数算出部9とを備えた部分である。
また、単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1と、相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2とを備えた部分が従来技術の第1例と異なる。
本発明が従来技術の第2例と異なる部分は、複数の電動機制御装置を備えて電動機1a、1bと検出部2a、2bと機械部4a,4bを2つ備えている部分と、相互一巡開ループ伝達関数算出部9とを備えた部分である。
また、相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2を備えた部分が従来技術の第2例と異なる。
本発明が従来技術の第3例と異なる部分は、外乱駆動力入力部6a、6bと、制御部補償駆動力検出部7a、7bと、自己一巡開ループ伝達関数算出部8と、相互一巡開ループ伝達関数算出部9とを備えた部分である。
また、単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1と、相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2とを備えた部分が従来技術の第3例と異なる。
本発明が従来技術の第4例と異なる部分は、外乱駆動力入力部6a、6bと、制御部補償駆動力検出部7a、7bと、自己一巡開ループ伝達関数算出部8と、相互一巡開ループ伝達関数算出部9とを備えた部分である。
また、単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1と、相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2とを備えた部分が従来技術の第4例と異なる。
本発明の第1実施例を図4に従って説明する。
単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1では、図1、図2のように2軸備えた電動機制御装置を従来技術の第3例と同様に1軸づつ使用する。
図5は本発明の第1実施例を示す電動機制御装置の自己一巡開ループ伝達関数の算出を示すブロック図である。図5に第1軸と第2軸の間に二重線を加えて2軸が独立に稼動することを示している。
まず、第1軸を稼動可能な状態とする。第2軸は使用しないので電源を落としておく。
指令部5から制御部3aの外乱駆動力入力部6aに外乱として駆動信号T1を与える。駆動信号は広域の周波数成分を持つランダム波や掃引正弦波やM系列信号を用いる。制御部3aが電動機1aを駆動信号で駆動され、この応答r1を検出部2aで得る。また、制御部3aは検出部2aの応答をフィードバックして補償駆動力τ1を発し、これを制御部補償駆動力検出部7aが検出する。
自己一巡開ループ伝達関数算出部8は、駆動信号T1、補償駆動力τ1から自己一巡開ループ伝達関数Zo1を算出する。
この自己一巡開ループ伝達関数Zo1は従来技術の第3例と同様の算出方法である。自己一巡開ループ伝達関数Zo1の導出について説明する。
図5の第1軸は、式(16)の状態にある。ここで駆動信号T1、補償駆動力τ1を検出し、駆動信号T1あたりの補償駆動力τ1を自己閉ループ伝達関数Zc1として求めると式(17)となる。自己一巡開ループ伝達関数Zo1は制御特性G1と機械特性H11の積なので、式(18)のようにZo1=G1×H11は自己閉ループ伝達関数Zc1の関数となる。


ここで、
:第1軸応答
11:第1軸加振第1軸応答の機械特性
:第1軸の外乱駆動力
τ:τ第1軸の補償駆動力
:第1軸の制御系特性
C1:第1軸の自己閉ループ伝達関数
O1:第1軸の自己一巡開ループ伝達関数
である。
自己閉ループ伝達関数ZC1は外乱駆動力Tとの補償駆動力τの実測から得られ、実際には外乱駆動力Tとの補償駆動力τの周波数スペクトルから得たクロススペクトルXτ1T1とオートパワースペクトルAT1T1を式(19)のように平均化して自己閉ループ伝達関数ZC1を得る。
ここで、Nは平均化の回数である。
以上のように第1軸の自己閉ループ伝達関数を自己一巡開ループ伝達関数算出部8が算出する。
第2軸についても同様にすれば、式(20)のように第2軸の自己閉ループ伝達関数Zc2が得られ、式(21)のように第2軸の自己一巡開ループ伝達関数Zo2を得る。

ここで、
である。
以上のように、単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1ではそれぞれの自己一巡開ループ伝達関数Zo1,Zo2を算出するのである。
相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2では、図2のように第1軸と第2軸を稼動可能な状態とし、2軸に指令部5から制御部3a、3bの外乱駆動力入力部6a、6bに外乱として駆動信号T1、T2を与える。駆動信号は広域の周波数成分を持つランダム波や掃引正弦波やM系列信号であり、駆動信号T1、T2間の相関が無い信号を用いる。
制御部3a、3bが電動機1a、1bを駆動信号T1,T2で駆動し、この応答r1、r2を検出部2a、2bで得る。また、制御部3a、3bは検出部2a、2bの応答をフィードバックして補償駆動力τ1、τ2を発し、これを制御部補償駆動力検出部7a、7bが検出する。なお、2軸は機械的に繋がっているので、電動機1aを駆動することで、検出部2bが応答を検出する成分と、電動機1bを駆動することで、検出部2aが応答を検出する成分と、があり、図2のように、電動機1a、1bと機械部4a,4bを機械特性H11,H12,H21,H22としている。
相互一巡開ループ伝達関数算出部9は、駆動信号T1、T2と、補償駆動力τ1、τ2と、単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1で自己一巡開ループ伝達関数算出部8が算出した自己一巡開ループ伝達関数Zo1,Zo2とを用いて、相互一巡開ループ伝達関数Zo12、Zo21を算出する。
駆動信号T1、T2と、補償駆動力τ1、τ2から相互一巡開ループ伝達関数Zo12、Zo21を導出する理論的な背景を説明する。図2のブロック図の状態は式(22)(23)の関係がある。式(22)(23)を行列で示すと式(24)(25)となる。式(24)(25)から応答r1、r2を除くようにまとめると式(26)となる。2軸のシステムに入力した駆動信号T1、T2と、2軸のシステムからの出力を検出した補償駆動力τ1、τ2との項に分けると式(27)となる。式(27)は制御特性Giと機械特性Hijと駆動信号T1、T2と補償駆動力τ1、τ2とから成る。
実際には自己一巡開ループ伝達関数を求めたように周波数軸での演算にあるので、式(27)の両辺に右から駆動信号T1、T2の項の随伴行列(転置かつ複素共役)を掛け、右辺に作成される駆動信号T1、T2とその共役が要素となる2×2行列の逆行列を両辺に右から掛ける。さらに、左辺の制御特性Giと機械特性Hijとを要素とする2×2行列の逆行列を両辺に左から掛ける。これにより式(28)のように、制御特性Giと機械特性Hijとを要素とする行列と、補償駆動力τ1、τ2と駆動信号T1、T2とその共役が要素とする行列に分けられる。

ここで、
[T]:[T]の随伴行列(転置かつ複素共役)
[B]−1:[B]の逆行列
実測するT1,T2,τ1,τ2の要素から成る左辺は、式(29)となる。
ただし、自己一巡開ループ伝達関数を求めたように、周波数変換して平均化するので、式(7)となる。
一方で、特性を示すHij,Giの要素から成る右辺は、単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1で自己一巡開ループ伝達関数算出部8が算出した自己一巡開ループ伝達関数Zo1,Zo2が式(5)(6)なので、式(30)となる。
式(30)から式(31)(32)が成り立つので相互一巡開ループ伝達関数Zo12,Zo21が式(1)(3)のように求められる。
あるいは、式(30)から式(33)(34)として、相互一巡開ループ伝達関数Zo12,Zo21を式(2)(4)のように求めても良い。
以上のように、相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2ではそれぞれの相互一巡開ループ伝達関数Zo12,Zo21を算出するのである。
図6は本発明の第1実施例を示す自己一巡開ループ伝達関数算出部および相互一巡開ループ伝達関数算出部の出力を示すブロック図である。
図6の(A)と(D)は単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1で、1軸づつ独立に動作させ、1軸のシステムに入力した駆動信号T1、T2と、1軸のシステムからの出力を検出した補償駆動力τ1、τ2と、から自己一巡開ループ伝達関数算出部8が自己一巡開ループ伝達関数Zo1,Zo2を算出した。
図6の(B)と(C)は相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2で、2軸を同時に動作させ、2軸のシステムに入力した駆動信号T1、T2と、2軸のシステムからの出力を検出した補償駆動力τ1、τ2と、から相互一巡開ループ伝達関数算出部9が相互一巡開ループ伝達関数Zo12,Zo23を算出する。なお、相互一巡開ループ伝達関数Zo12,Zo23は図6の(B)‘(C)’に示したように、機械的に繋がっている2軸の電動機制御装置において他軸側の検出部2の応答がフィードバックして補償駆動力を発生する影響度を評価できるようになる。
本発明の本発明の第2実施例にて2軸の電動機を1軸づつ交互に駆動することによる相互一巡開ループ伝達関数の算出について説明する。
図7は本発明の第2実施例を示す2軸の電動機制御装置の概略構成図、図8は本発明の第2実施例を示す2軸の電動機制御装置の第1軸に動作指令を与えたブロック図、図9は本発明の第2実施例を示す2軸の電動機制御装置の第2軸に動作指令を外乱として加算したブロック図である。
図7では電動機1a、1bが並進型であり、電動機1a、1bの可動部が直接テーブル部を並進動作させ、第1軸の上に第2軸が搭載された機構になっている。
本発明の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法のフローチャートは、第1実施例の図4と同じである。
本発明の第2例が本発明の第1例と異なる部分は、相互一巡開ループ伝達関数算出の手順である。第1例では、図2のように2軸の電動機1a、1bを同時に動作させるように駆動信号T1、T2を与えていたが、第2例では、図8、図9に示すように、電動機1a、1bを1軸づつ動作させるように駆動信号T1、T2を与えている部分である。
本発明が従来技術の第1例、第2例、第3例、第4例と異なる部分は、本発明の第1例と同じである。
本発明の第2実施例は、本発明の第1実施例の図4と同じ手順で実行される。
単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1では、本発明の第1実施例と同様にして、自己一巡開ループ伝達関数算出部8が自己一巡開ループ伝達関数Zo1、Zo2を算出する。
相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2は、図8、図9に示すように、1軸づつ駆動信号T1、T2を与え、1軸づつ電動機1a、1bを駆動する。但し、単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1とは異なり、駆動しない電動機1も駆動可能な状態とし、外乱が検出部2からフィードバックされれば、制御部3が補償駆動力τを発生する状態とする。
まずは、第1軸を駆動して相互一巡開ループ伝達関数を算出する手順を説明する。図8のように、指令部5から制御部3aの外乱駆動力入力部6aに外乱として駆動信号T1を与える。この応答r1を検出部2aで得る。また、制御部3aは検出部2aの応答をフィードバックして補償駆動力τ1を発し、これを制御部補償駆動力検出部7aが検出する。なお、2軸は機械的に繋がっているので、電動機1aを駆動することで、検出部2bが応答を検出する成分がある。よって、制御部3bは検出部2bの応答をフィードバックして補償駆動力τ2を発し、これを制御部補償駆動力検出部7bが検出する。
駆動信号T1と、補償駆動力τ1、τ2から相互一巡開ループ伝達関数が求まることを説明する。
図8の状態は式(35)(36)の関係がある。式(35)(36)を行列で示すと式(37)(38)となる。式(37)(38)をまとめると式(39)となる。2軸のシステムに入力した駆動信号T1と、2軸のシステムからの出力を検出した補償駆動力τ1、τ2との項に分け、制御特性Giと機械特性Hijとを要素とする行列と、補償駆動力τ1、τ2と駆動信号T1とその共役が要素とする行列に分けると式(40)となる。
既知の駆動信号T1と、補償駆動力τ1、τ2とから成る式(40)の左辺側は、式(10)のように、T1、τ1、τ2が関わる平均化されたオートパワースペトルとクロススペクトルから構成される。
制御特性と機械特性から成る式(40)の右辺側は式(41)となる。
ここでは、駆動信号T2を与えていないので、式(10)の“0”要素に対応する要素を用いず、式(42)とすれば、式(8)のように相互一巡開ループ伝達関数Zo12が得られる。
つぎに、第2軸を駆動して相互一巡開ループ伝達関数を算出する手順を説明する。図9のように、指令部5から制御部3bの外乱駆動力入力部6bに外乱として駆動信号T2を与える。この応答r2を検出部1aで得る。また、制御部3bは検出部2bの応答をフィードバックして補償駆動力τ2を発し、これを制御部補償駆動力検出部7bが検出する。なお、2軸は機械的に繋がっているので、電動機1bを駆動することで、検出部2aが応答を検出する成分がある。よって、制御部3aは検出部2aの応答をフィードバックして補償駆動力τ1を発し、これを制御部補償駆動力検出部7aが検出する。
図9の状態は式(43)(44)の関係がある。式(43)(44)を行列で示すと式(45)(46)となる。式(45)(46)をまとめると式(47)となる。
既知の駆動信号T2と、補償駆動力τ1、τ2とから成る式(47)の左辺側は、式(11)のように、T2、τ1、τ2が関わる平均化されたオートパワースペトルとクロススペクトルから構成される。
制御特性と機械特性から成る式(47)の右辺側は式(48)となる。
ここでは、駆動信号T1を与えていないので、式(11)の“0” 要素に対応する要素を用いず、式(49)とすれば、式(9)のように相互一巡開ループ伝達関数Zo21が得られる。
以上のように、相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2ではそれぞれの相互一巡開ループ伝達関数Zo12,Zo21を算出するのである。
以上のように、本発明の第2実施例においても、第1実施例の図6に示したように、単軸の自己一巡開ループ伝達関数Zo1,Zo2をステップSTP1で出力する。また、相互一巡開ループ伝達関数Zo12,Zo23をステップSTP2で出力するようになっている。
本発明の本発明の第3実施例にて、電動機の制御を切ると電動機が移動するような、直軸や外力が掛かる状況で大きなストロークで使用する電動機が含まれる3軸の電動機制御装置において、機械特性である多軸伝達関数の算出と、相互一巡開ループ伝達関数の算出について説明する。
図10は本発明の第3実施例を示す3軸の電動機制御装置の概略構成図、図11は本発明の第3実施例を示す特性演算部を示すブロック図である。図10において、24は固定機械部である。第2軸と第3軸の構成は、第2実施例の図7と同じである。第1軸に回転型の電動機1aを用いボールねじ機構を介してテーブル部が垂直方向に並進動作し、テーブル部には検出部2dがあり、フルクローズド制御を行う構成となっている。第1軸から第3軸は図10(b)に示すような全体構成となっている。
図11において、10は特性演算部、11は機械特性演算部である。
図12は本発明の第3実施例を示す電動機制御装置の多軸伝達関数算出方法および相互一巡開ループ伝達関数算出方法のフローチャートである。STE1は機械特性を算出するステップ、STE2は少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップ、STは制御系特性および新たな組み合わせの相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップである。
本発明の第3実施例が本発明の第1例、第2例と異なる部分は、電動機制御装置を3軸備えた部分と、1軸が垂直軸であり、しかもフルクローズド制御を行う構成となっている点である。また、図11に示すように、特性演算部10と、機械特性演算部11とを備えた部分である。
さらに、図12には、機械特性を算出するステップSTE1と、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップSTE2と、制御系特性および新たな組み合わせの相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTを備えた部分である。
発明の第3実施例を図12に従って説明する。
まず、機械特性を算出するステップSTE1では、垂直軸かつフルクローズ制御である第1軸を含む3軸の機械特性を算出する。
図13は本発明の第3実施例を示す3軸の電動機制御装置を示すブロック図である。図13において12は制御モード切替部、22は単位換算部である。
電動機1a,1b,1cが3つあり、検出部2a,2b,2c,2dが4つあるので、図13では、機械特性H11,H12,H13,H21,H22,H23,H31,H32,H33,H41,H42,H43の12個で電動機1および機械部4を示している。垂直軸の第1軸は、フィードバックループを組む位置制御を行い、水平軸の第2、第3軸は駆動力制御(推力制御)を行う。位置制御では制御モード切替部12をONしており、駆動力制御では制御モード切替部12をOFFしている。
ここでは、機械特性を算出するステップSTE1で、1軸ごとに電動機1を動作させて、機械特性Hを求める方法を説明する。
この場合、1軸ごとに、機械特性を算出するステップSTE1と、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップSTE2と、が処理される。
最初にCASE1として、第1軸の電動機1aを動作させる。指令部5は制御部3aに駆動信号T1を与える。制御部3aは外乱駆動力入力部6aに外乱として駆動信号T1を与え電動機1aを動作させる。制御部3aはフィードバックループを組んでいる。第2軸、第3軸は駆動力制御であり、フィードバックループを組んでいない。制御部3b、3cに与えられる駆動信号はT2=0,T3=0である。
この状態は、式(50)なので、式(51)として、機械特性H11,H21,H31、H41が求められる。実際には、駆動信号T1と補償駆動力τ1の和と、検出部2a,2b,2c,2dの検出結果r1、r2、r3、r4を周波数分析し、平均化したオートパワースペクトルとクロススペクトルから式(52)のように、機械特性H11,H21,H31、H41が求められる。
この例では、機械特性H11,H21,H31、H41しか求めていないが、同時に、自動的に、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップSTE2が処理されたことになる。
次に、CASE2として、第2軸の電動機1bを動作させる。指令部5は制御部3bに駆動信号T2を与える。制御部3bは駆動力制御で駆動信号T2により電動機1aを動作させる。制御部3aはフィードバックループを組んでいるが、第2軸、第3軸は駆動力制御であり、フィードバックループを組んでいない。制御部3a、3cに与えられる駆動信号はT1=0,T3=0である。
この状態は、式(53)なので、式(54)のようになる。補償駆動力τ1と駆動信号T2の随伴行列(転置かつ複素共役)を式(54)の両辺に掛け、さらにτ1、T2、τ1、T2から成る行列の逆行列を式(54)の両辺に掛けると、機械特性の行列が求まる。実際には、補償駆動力τ1と駆動信号T2と、検出部2a,2b,2c,2dの検出結果r1、r2、r3、r4を周波数分析し、平均化したオートパワースペクトルとクロススペクトルから式(55)のように、機械特性H11,H12,H21,H22,H31,H32,H41,H42が求まる。
ここで得た機械特性である多軸伝達関数は、補償駆動力τ1により励振された機械特性H11,H21,H31、H41と、駆動信号T2により励振されたH12、H22、H32、H42とに分離している。CASE1で、機械特性H11,H21,H31、H41は算出されており、周波数成分が限られると考えられる補償駆動力τ1により励振されているので、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップSTE2で、駆動信号T2により励振された機械特性H12、H22、H32、H42を採用する。
同様に、CASE3として、駆動力制御で駆動信号T3により電動機1cを動作させる。制御部3a、3bに与えられる駆動信号はT1=0,T2=0である。
この状態は、式(56)なので、CASE2と同様に、式(57)として機械特性Hを得る。
少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップSTE2で、駆動信号T3により励振された機械特性H13、H23、H33、H43を採用する。
以上のように、CASE1,CASE2,CASE3を通して、1軸ごとに機械特性を算出するステップSTE1と、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップSTE2と、が処理され、機械特性である多軸伝達関数H11,H21,H31、H41、H12、H22、H32、H42、H13、H23、H33、H43を機械特性演算部11が算出するのである。
次の手順は、単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1と、相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2とであり、本発明の第1実施例、第1実施例と同じである。なお、前段の機械特性を算出するステップSTE1と、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップSTE2と、によって機械系の軸間の特性を把握できている。図10(b)のような構成なので、第1軸は、第2軸と第3軸と離れており、相関が薄く、第1軸を含めた相互一巡開ループ伝達関数を求める必要が無いとする。
このように、機械特性を多軸で得て、相互一巡開ループ伝達関数を求める軸を絞りこんで良い。ここでは、以下本発明の第1実施例と同様の処理を行う。
なお、単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1は、独立した電動機制御装置のパラメータ調整のために、本発明の第1実施例と同様に第1軸から第3軸まで、3軸分実施し、自己一巡開ループ伝達関数Zo1,Zo2,Zo3を求める。
次に、相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2においても、発明の第1実施例と同様の処理を行い、相互一巡開ループ伝達関数Zo23,Zo32を求める。
軸番号と式の添え字を統一して自己一巡開ループ伝達関数Zo1,Zo2,Zo3と相互一巡開ループ伝達関数Zo23,Zo32を示すと、式(18)(20)(57)(59)(60)となる
次に、制御系特性および新たな組み合わせの相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTの処理を行う。
図14は本発明の第3実施例を示す特性演算部の出力を示すブロック図である。
機械特性を算出するステップSTE1と、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップSTE2と、において、機械特性演算部11が機械特性H11,H21,H31、H41、H12、H22、H32、H42、H13、H23、H33、H43を算出している。また、単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1にて、自己一巡開ループ伝達関数算出部8が自己一巡開ループ伝達関数Zo1,Zo2,Zo3を算出している。さらに、相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2において相互一巡開ループ伝達関数算出部9が相互一巡開ループ伝達関数Zo23,Zo32を算出している。Zo23,Zo32は図14(D)(E)である。
以上の特性が既知であれば、特性演算部10は、図14(F)(G)のような制御特性G1,G2を、自己一巡開ループ伝達関数Zo1と機械特性H11と、自己一巡開ループ伝達関数Zo2と機械特性H11と、から求められる。制御特性G2は、相互一巡開ループ伝達関数Zo23から求めても良い。
さらに、特性演算部10は、求めた制御特性G1と機械特性H12から、実測していない相互一巡開ループ伝達関数算出部Zo12を、図14(H)のように求めることもできる。
図14(I)のような、制御特性G1、G2と機械特性H12の組み合わせの新たな特性を算出することができる。
以上のように、多軸の機械特性を多軸伝達関数として把握し、機械特性から軸間の影響度を絞り込み、相互一巡開ループ伝達関数によって軸間の影響が大きい組み合わせにおける制御系を含めた軸間の特性を定量的に把握できる。
単軸の自己一巡開ループ伝達関数を求めておけば、制御特性が求められ、新たな組み合わせの相互一巡開ループ伝達関数を実測せずに算出することもできる。
本発明の本発明の第4実施例にて、2軸の電動機制御装置にそれそれ2つの検出部を備えたフルクローズド制御を行う構成の相互一巡開ループ伝達関数の算出について説明する。
図15は本発明の第4実施例および第5実施例を示す3軸の電動機制御装置の概略構成図、図16は本発明の第4実施例を示す3軸の電動機制御装置のブロック図である。
図15(b)のように、第3実施例の3軸の構成に似ているが、第2軸、第3軸はフルクローズド制御を行う構成となっている。第1軸はフルクローズド制御では無い。
本発1の第3実施例と同様に、CASE1,2,3に分けて、機械特性を算出するステップSTE1、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップSTE2を処理し、機械特性を算出できる。
3つの電動機1a,1b,1cと、5つの検出部2a,2b,2c,2d、2eから成る多軸構成のため、CASE1では式(62)、CASE2では式(63)、CASE3では式(64)から機械特性を算出し、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップSTE2の処理に基づき、CASE1ではH11,H21,H31,H41,H51、H12、CASE2ではH22,H32,H42,H52、CASE3ではH13、H23,H33,H43,H53を得る。
次に、単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1にてフルクローズド制御を行う構成の自己一巡開ループ伝達関数について説明する。
図17は本発明の第4実施例を示す1軸のフルクローズド制御の電動機制御装置の自己一巡開ループ伝達関数の算出を示すブロック図である。
制御部3bは、位置制御部Gp2、速度制御部Gv2を備え、検出部2bの応答は特性をaとする単位換算部22を介して速度制御部Gv2にフィードバックされる。検出部2dの応答は位置制御部Gp2にフィードバックされる。
自己一巡開ループ伝達関数を求めるために、指令部5から制御部3bの外乱駆動力入力部6bに外乱として駆動信号T2を与える。制御部3bが電動機1bを駆動信号で駆動され、この応答r2を検出部2bと応答r5を検出部2dで得る。また、制御部3bは検出部2b、2dの応答をフィードバックして補償駆動力τ2を発し、これを制御部補償駆動力検出部7bが検出する。
この状態は、式(65)(66)なので、式(67)のように自己閉ループ伝達関数Zc2を得る。ここで、外乱駆動力Tとの補償駆動力τの周波数スペクトルから得たクロススペクトルXτ2T2とオートパワースペクトルAT2T2を式(68)のように平均化して自己閉ループ伝達関数ZC2を得る。自己一巡開ループ伝達関数Zo2は式(69)のように求められる。同様に第3軸は式(70)となる。なお、第1軸は第1実施例と同様に式(18)となる。
図18は本発明の第4実施例および第5実施例を示す2軸のフルクローズド制御の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数の算出を示すブロック図である。
制御部3cは、位置制御部Gp3、速度制御部Gv3を備え、検出部2cの応答は特性をaとする単位換算部22を介して速度制御部Gv3にフィードバックされる。検出部2eの応答は位置制御部Gp3にフィードバックされる。
ここでは、第1実施例と同様に2軸の電動機を同時に駆動することによる相互一巡開ループ伝達関数の算出について説明する。
図18のように第2軸と第3軸を稼動可能な状態とし、2軸に指令部5から制御部3b、3cの外乱駆動力入力部6b、6cに外乱として駆動信号T2、T3を与える。て補償駆動力τ2、τ3を制御部補償駆動力検出部7b、7cが検出する。
この状態は、式(71)式(72)の関係がある、式(71)は式(73)(74)に分解できる。また、式(72)は式(75)のように行列で示される。
式(73)(74)(75)をまとめると、式(76)となる。式(76)に、前ステップで得た自己一巡開ループ伝達関数Zo2、Zo3の式(69)(70)と相互一巡開ループ伝達関数Zo23,Zo32である式(77)(78)を代入すると、式(79)となる。式(79)を第1実施例と同様にまとめると式(80)となる。
式(80)の自己一巡開ループ伝達関数Zo2、Zo3と相互一巡開ループ伝達関数Zo23,Zo32から成る項は、式(81)となるので、式(82)式(83)が得られ
相互一巡開ループ伝達関数Zo23,Zo32が式(84)式(85)のように得られる。
このように、フルクローズド制御を行う構成の2軸の電動機制御装置であっても、相互一巡開ループ伝達関数を求めることができる。
また、第3実施例と同様に特性演算部10を用いて、制御系特性および新たな組み合わせの相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTの処理を行っても良い。
以上のように、フルクローズド制御を行う構成の2軸の電動機制御装置を含んでいても、多軸の機械特性を多軸伝達関数として把握し、機械特性から軸間の影響度を絞り込み、相互一巡開ループ伝達関数によって軸間の影響が大きい組み合わせにおける制御系を含めた軸間の特性を定量的に把握できる。
単軸の自己一巡開ループ伝達関数を求めておけば、制御特性が求められ、新たな組み合わせの相互一巡開ループ伝達関数を実測せずに算出することもできる。
本発明の本発明の第5実施例にて2軸の電動機制御装置にそれそれ2つの検出部を備えたフルクローズド制御を行う構成において、電動機を1軸づつ交互に駆動することによる相互一巡開ループ伝達関数の算出について説明する。また、機械特性を算出するステップSTE1で3軸を駆動する例について説明する。
構成は、実施例4の図15に示された、本発明の第4実施例および第5実施例を示す3軸の電動機制御装置の概略構成図である。
まず、機械特性を算出するステップSTE1について説明する。実施例4の図16ではCASE1、CASE2、CASE3に分けた過程を1回で行う。
駆動信号T1、T2,T3を与えることで、補償駆動力検出部6aの検出結果の補償駆動力τ1、検出部2a,2b,2c,2dの検出結果r1、r2、r3、r4と機械特性である多軸伝達関数Hは式(86)の関係があるので、式(87)のように処理すれば、機械特性Hが求まる。実際には式(88)のように平均化したオートパワースペクトルとクロススペクトルから求める。
なお、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップSTE2では、3軸を駆動したので、式(88)の機械特性である多軸伝達関数Hをすべて選択する。
単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1は、第4実施例と同様に求められる。
次の相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2では、第4実施例とは異なり、絞ったフルクローズド制御の電動機制御装置の2軸に1軸づつ交互に電動機を動作させる。図18は本発明の第4実施例および第5実施例を示す2軸のフルクローズド制御の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数の算出を示すブロック図である。
まず、第2軸のみを動作した場合は、式(89)(90)の関係がある。式(89)は式(91)(92)のように分解できる、式(90)は式(93)のように行列で示せる。式(91)(92)(93)と、第4実施例でしめした自己一巡開ループ伝達関数と相互一巡開ループ伝達関数を式(69)(70)(77)(78)とから、式(94)となる。式(94)の右辺側は式(95)となり、左辺側は実際には平均化されたオートパワースペトルとクロススペクトルから構成されるため式(96)となる。
ここでは、駆動信号T3を与えていないので、式(96)の“0” 要素に対応する要素を用いず、式(97)のように相互一巡開ループ伝達関数Zo23が得られる。
同様に、駆動信号T3のみを与えた場合、式(98)(99)の関係から式(100)(101)が得られるので、式(101)の“0” 要素に対応する要素を用いず、式(102)のように相互一巡開ループ伝達関数Zo32が得られる。

以上のように、相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP2では2軸の電動機制御装置にそれそれ2つの検出部を備えたフルクローズド制御を行う構成でも、電動機を1軸づつ交互に駆動することにより、相互一巡開ループ伝達関数Zo12,Zo23を出力するようになっている。
本発明の本発明の第6実施例にて2軸の電動機制御装置において、1つの軸には検出部を1つそなえ、もう1つの軸には検出部を2つそなえたフルクローズド制御を行う構成とし、2軸の電動機を同時に駆動することによる相互一巡開ループ伝達関数の算出について説明する。また、制御部を速度制御部と位置制御部に分けて示した場合の自己一巡開ループ伝達関数についても説明する。
図19は本発明の第6実施例を示す3軸の電動機制御装置の概略構成図である。相互一巡開ループ伝達関数を求めるのは第4・第5実施例と同じ第2軸・第3軸とする。
図20は本発明の第6実施例を示す2軸の電動機制御装置のブロック図である。
機械特性を算出するステップSTE1と少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップSTE2については説明を省略する。
単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTP1において、第2軸のルクローズド制御を行う構成では、第4実施例に示したように、式(69)となる。
第3軸と第1軸の自己一巡開ループ伝達関数を速度制御部と位置制御部を含めて示す。
第3軸に独立して外乱として駆動信号T3を与えると式(103)の関係があるので、自己閉ループ伝達関数ZC2を式(104)のように得る。これより、式(105)のように自己一巡開ループ伝達関数Zo3を得る。同様に式(106)のように第1軸の自己一巡開ループ伝達関数Zo1を得る。
図20は本発明の第6実施例を示す2軸の電動機制御装置のブロック図において、2軸の電動機を同時に駆動することによる相互一巡開ループ伝達関数の算出について説明する。相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTの処理は、式(105)式(106)の関係を用いる。
式(105)は式(107)(108)に分解でき、式(106)は式(109)となるので、式(110)となる。既知の自己一巡開ループ伝達関数とこれから求める相互一巡開ループ伝達関数の関係式(111)を用いると、式(110)は式(112)となる。式(112)は式(113)と式(114)となるので、式(115)のように相互一巡開ループ伝達関数が求まる。
整理すると、相互一巡開ループ伝達関数Zo23は式(116)、Zo32は式(117)となる。



以上のように、フルクローズド制御が混在した場合にも、相互一巡開ループ伝達関数を定量的に把握できる。また、第3実施例と同様に特性演算部10を用いて、制御系特性および新たな組み合わせの相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップSTの処理を行っても良い。
なお、第1実施例から第6実施例では、制御特性をGiとしたが、積分項や微分項やフィルタ項などの他の処理を制御特性Giに含んでも良い。第5、第6実施例に示したように、第1から第4実施例においても、制御特性を速度制御特性Gvi、位置制御特性Gpiのように分けても良い。
これらのように、本発明は垂直軸や外力が掛かる状況で大きなストロークで使用する電動機が含まれる複数軸の軸間を含む機械特性を測定するとともに制御器の安定度を把握し、機械特性に合わせた軸間を含めた制御器の調整度合いを把握できる電動機制御装置および該装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法、もしくは多軸伝達関数算出方法を提供する。
複数の電動機制御装置を搭載した機械システムの機械設計検証や、制御系設計、制御部・指令部の調整、パラメータ設定に利用できる。さらに、機械システムを量産する際に、固体の特性の試験を行うという用途にも適用できる。
機械特性である多軸伝達関数が得られれば、機械の剛性が把握できるので、機械の剛性の設計性能の確認ができ、機械側の修正・改善に利用できる。
また、多軸伝達関数を把握することで、制御部のノッチフィルタ、ローパスフィルタ、振動抑制制御機能などを含めた制御方式の選択、指令部の共振させない動作信号の作成、などを、単軸だけで無く、多軸間の軸間の組み合わせにおける影響度を考慮して検討し、設定できる。
さらに、多軸伝達関数を把握することで、機械特性の影響度がお互いに高いために、電動機制御装置の他軸を考慮した設定が必要な軸間を絞り込むことができる。
絞りこまれた軸間では、軸間の機械特性と制御系を合わせた特性を新たな評価基準である相互一巡開ループ伝達関数を定量的に把握することで、制御部の応答性パラメータや各種フィルタや振動抑制機能、指令部にて加工した動作信号などを軸間で相互に効果があるように設定し、また、その各種設定後に再度、相互一巡開ループ伝達関数を求めることで各種設定した効果を確認できるので、機械特性と整合した複数の電動機を備えた電動機制御装置を実現できる。
1 1a,1b 1c 電動機
2 2a,2b,2c,2d,2e 検出部
3 3a,3b ,3c 制御部
4 4a,4b,4c 機械部
5 指令部
6 6a、6b 外乱駆動力入力部
7 7a、7b 制御部補償駆動力検出部
8 自己一巡開ループ伝達関数算出部
9 相互一巡開ループ伝達関数算出部
10 特性演算部
11 機械特性演算部
21 制御モード切替部
22 単位換算部
24 固定機械部
101 演算装置
102 サーボ制御装置
103 回転検出器
104 電動機
105 伝達機構
106 可動部
107 非可動部
108 動作指令信号
109 回転検出器信号
110 制御信号
119 入力装置
120 周波数特性式
121 出力装置
201 電動機
202 検出手段
203 制御器
204 指令器
205 機械
206 電流制御部
207 外乱信号発生部
208 駆動力検出手段
209 加算器
210 閉ループ外乱周波数応答特性算出手段
211 閉ループ駆動力周波数応答特性算出手段
212 一巡開ループ周波数応答特性算出手段
213 機械特性算出手段
214 負荷慣性モーメント推定装置
215 電動機特性
216 電動機単体の回転子の慣性モーメント値もしくは可動子の質量
217 単位換算手段
218 共振周波数推定手段
219 制御器特性算出手段
220 出力手段
221 入力装置
222 記憶装置
302、303:サーボ装置
304、305:センサ
306、307:モータ
308、309:伝達機構
310、311:可動部
312:固定台
313、314:振動センサ
402 除振台本体
(A)〜(D)能動アクチュエータ
(S) センサ
(K)機器

Claims (18)

  1. 負荷機械を駆動する電動機と、負荷機械もしくは前記電動機の移動量を検出する検出部と、前記検出部の検出値が動作指令に追従するように前記電動機を制御する制御部とを備えた電動機制御装置と、前記制御部へ動作指令を与える指令部と、前記制御部の駆動力生成出力後に動作指令を与える外乱駆動力入力部と、前記外乱駆動力入力部の前の前記制御部の駆動力を検出する制御部補償駆動力検出部と、前記制御部の特性と制御対象である機械の特性とを含む単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出する自己一巡開ループ伝達関数算出部とを備え、前記電動器制御装置を少なくとも2軸備えた電動機制御装置において、
    2軸に外乱駆動力を夫々の前記外乱駆動力入力部に与え夫々の前記補償駆動力検出部から補償駆動力を検出して、2軸の外乱駆動力と、2軸の補償駆動力と、2軸の単軸の自己一巡開ループ伝達関数と、から相互一巡開ループ伝達関数を算出する相互一巡開ループ伝達関数算出部を備えたことを特徴とする電動機制御装置。
  2. 前記相互一巡開ループ伝達関数算出部は、2軸に無相関な外乱駆動力を同時に与えて得られる2軸の補償駆動力と、入力した2軸の外乱駆動力と、2軸の単軸の自己一巡開ループ伝達関数と、から式(1)(2)もしくは式(3)(4)に従って、相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置。

    ここで、
    Cij:相互一巡開ループ伝達関数
    :第1軸の制御系特性、H12:第2軸駆動第1軸応答の機械系特性、
    :第1軸の制御系特性、H21:第2軸駆動第1軸応答の機械系特性、
    Ci:第i軸単軸の自己一巡開ループ伝達関数
    でありZciは式(5)、(8)で表される。

    また、zijは実測特性であり、式(7)で表される。

  3. 前記相互一巡開ループ伝達関数算出部は、2軸を駆動可能にしたまま1軸づつ外乱駆動力を与えて、それぞれが駆動した状態での2軸の補償駆動力と、1軸づつに与えた外乱駆動力と、2軸の単軸の自己一巡開ループ伝達関数と、から相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置。
  4. 前記相互一巡開ループ伝達関数算出部は、1軸づつ外乱駆動力を与えて得られた夫々の補償駆動力と、外乱駆動力と、自己一巡開ループ伝達関数と、から式(8)(9)に従って相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項3に記載の電動機制御装置。

    ここで、
    G12:相互一巡開ループ伝達関数
    :第1軸の制御系特性、H12:第2軸駆動第1軸応答の機械系特性
    :第1軸の制御系特性、H21:第2軸駆動第1軸応答の機械系特性
    であり、Zoiは式(5)、(6)で表される。

    ここで
    11:第1軸駆動第1軸応答の機械系特性、H22:第2軸駆動第2軸応答の機械系特性、
    Gi:第i軸単軸の自己一巡開ループ伝達関数
    ij (i):第i軸駆動時の実測特性
    であり、zij (i)は式(10)、(11)で表される。

  5. 複数の前記検出部を備え前記制御部にフィードバックループを複数備えた前記電動機制御装置を少なくとも1軸備えた場合には、前記相互一巡開ループ伝達関数算出部は、夫々の前記検出部の応答と他軸の駆動による機械特性と自軸の制御特性とからなる特性の和を 相互一巡開ループ伝達関数とすることを特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置。
  6. 複数の前記検出部を備え前記制御部にフィードバックループを複数備えた前記電動機制御装置を少なくとも1軸備え、前記制御部に速度制御部と位置制御部とを備え、前記速度制御部と前記位置制御部とに夫々の前記検出部をフィードバックする場合には、前記相互一巡開ループ伝達関数算出部は、式(12)もしくは式(13)に従って2軸間の相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項5に記載の電動機制御装置。

    ここで、
    Oij:相互一巡開ループ伝達関数
    a:単位換算係数
    Vi:第i軸の速度制御系特性、GPi:第i軸の位置制御系特性
    32、H41:第2軸駆動第3応答の機械系特性, 第1軸駆動第4応答の機械系特性
    12、H21:第2軸駆動第1応答の機械系特性、第1軸駆動第2応答の機械系特性
    である。
    第2、第3応答は位置制御部にフィードバックされ、第1、第2応答は速度制御部にフィードバックされる。
  7. 負荷機械を駆動する電動機と電動機と、負荷機械もしくは前記電動機の移動量を検出する検出部と、前記検出部の検出値が動作指令に追従するように前記電動機を制御する制御部とを備えた電動機制御装置と、
    前記制御部へ動作指令を与える指令部と、
    前記制御部の駆動力生成出力後に動作指令を与える駆動力入力部と、
    前記制御部の駆動力を検出する制御部補償駆動力検出部と、
    を備え、複数の前記電動器制御装置を備えており、少なくとも1つの前記電動器制御装置は、前記電動機の制御を切ると前記電動機が移動する状況の構成である電動機制御装置において、
    動作指令と駆動力と前記検出部の応答検出から機械特性を算出する機械特性演算部を備え、前記機械特性演算部は、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを算出することを特徴とする電動機制御装置。
  8. 前記電動機の制御を切ると前記電動機が移動する軸に動作指令を与える場合には、
    前記機械特性演算部は、式(14)に従い機械特性を算出し、動作指令を与えたi軸に基づく機械特性のみを算出し、
    前記電動機の制御を切っても前記電動機が移動しない軸に動作指令を与える場合には、
    前記機械特性演算部は、式(15)に従い機械特性を算出し、動作指令を与えたP軸に基づく機械特性のみを出力することを特徴とする請求項7に記載の電動機制御装置。
    ここで、
    SL;S軸加振、K点応答の機械特性
    である。
  9. 請求項7に記載の電動機制御装置を備え、相互一巡開ループ伝達関数と機械系特性と自己一巡開ループ伝達関数とから制御系特性および新たな組み合わせの相互一巡開ループ伝達関数を算出する特性演算部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置。
  10. 負荷機械を駆動する電動機と電動機と、負荷機械もしくは前記電動機の移動量を検出する検出部と、前記検出部の検出値が動作指令に追従するように前記電動機を制御する制御部とを備えた電動機制御装置と、
    前記制御部の駆動力生成出力後に動作指令を与え前記外乱駆動力入力部の前の前記制御部の駆動力を検出するステップと、
    前記制御部の特性と制御対象である機械の特性とを含む単軸の自己一巡開ループ伝達関数を算出するステップと、を備え、前記電動器制御装置を少なくとも2軸備えた電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法において、
    2軸に外乱駆動力を入力して夫々の補償駆動力を検出し、2軸の外乱駆動力と、2軸の補償駆動力と、2軸の単軸の自己一巡開ループ伝達関数と、から相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップを備えたことを特徴とする電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法。
  11. 前記相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップは、2軸に無相関な外乱駆動力を同時に与えて得られる2軸の補償駆動力と、入力した2軸の外乱駆動力と、2軸の単軸の自己一巡開ループ伝達関数と、から式(1)(2)もしくは式(3)(4)に従って、相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項10に記載の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法。
  12. 前記相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップは、2軸を駆動可能にしたまま1軸づつ外乱駆動力を与えて得られる2軸の補償駆動力と、1軸に与えた外乱駆動力と、2軸の単軸の自己一巡開ループ伝達関数と、から相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項10に記載の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法。
  13. 前記相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップは、式(8)(9)に従って、相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項12に記載の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法。
  14. 複数の前記検出部を備え前記制御部にフィードバックループを複数備えた前記電動機制御装置を少なくとも1軸備えた場合には、前記相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップは、夫々の前記検出部の応答と他軸の駆動による機械特性と自軸の制御特性とからなる特性の和を 相互一巡開ループ伝達関数とすることを特徴とする請求項10に記載の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法。
  15. 複数の前記検出部を備え前記制御部にフィードバックループを複数備えた前記電動機制御装置を少なくとも1軸備え、前記制御部に速度制御部と位置制御部とを備え、前記速度制御部と前記位置制御部とに夫々の前記検出部をフィードバックする場合には、前記相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップは、式(12)もしくは式(13)に従って2軸間の相互一巡開ループ伝達関数を算出することを特徴とする請求項14に記載の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法。
  16. 負荷機械を駆動する電動機と電動機と、負荷機械もしくは前記電動機の移動量を検出する検出部と、前記検出部の検出値が動作指令に追従するように前記電動機を制御する制御部とを備えた電動機制御装置と、
    前記制御部へ動作指令を与える指令部と、
    前記制御部の駆動力生成出力後に動作指令を与える駆動力入力部と、
    前記制御部の駆動力を検出する制御部補償駆動力検出部と、
    を備え、複数の前記電動器制御装置を備えており、少なくとも1つの前記電動器制御装置は、前記電動機の制御を切ると前記電動機が移動する状況の構成である電動機制御装置多軸伝達関数算出方法において、
    動作指令を前記制御部へ与えて前記電動機を駆動して得られる動作指令と駆動力と前記検出部の応答検出から機械特性を算出するステップと、少なくとも1軸に加えた動作指令に基づく機械特性のみを出力するステップと、を備えたことを特徴とする電動機制御装置の多軸伝達関数算出方法。
  17. 前記機械特性を算出するステップは、前記電動機の制御を切ると前記電動機が移動する軸に動作指令を与える場合には、式(14)従い機械特性を算出し、
    前記電動機の制御を切っても前記電動機が移動しない軸に動作指令を与える場合には、式(15)に従い機械特性を算出し、
    前記加えた動作指令に基づく機械特性のみを算出するステップは、前記式(14)のi軸もしくは前記式(15)のP軸に基づく機械特性のみを出力することを特徴とする請求項16に記載の電動機制御装置の多軸伝達関数算出方法。
  18. 請求項16に記載の電動機制御装置の多軸伝達関数算出方法を備え、相互一巡開ループ伝達関数と機械系特性と自己一巡開ループ伝達関数とから、制御系特性および新たな組み合わせの相互一巡開ループ伝達関数を算出するステップを備えたことを特徴とする請求項10に記載の電動機制御装置の相互一巡開ループ伝達関数算出方法。
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