JP2010206101A - 収納容器及び電気化学セル並びに収納容器の製造方法 - Google Patents

収納容器及び電気化学セル並びに収納容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反り等の変形がなく高品質化されているうえ、低コスト化が図られた電気化学セル用の収納容器を提供すること。
【解決手段】封口板3が溶接されることで内部が気密状態に封止される電気化学セル1用の容器であって、ベース基板10と、ベース基板の上面に接合されたガラス枠11と、ガラス枠の上面に接合された金属枠12と、該金属枠の上面に形成され、封口板を溶接させるメッキ層14と、を備え、ガラス枠と金属枠とが、ガラスフリットを含んだガラスペーストの硬化により形成されたガラス層13を介して接合されている収納容器2を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池や電気二重層キャパシタ等の電気化学セル用の収納容器、該収納容器を有する電気化学セル、収納容器の製造方法に関するものである。
電気化学セルは、従来から携帯電話、PDA、携帯用ゲーム機等の各種小型電子機器において、メモリのバックアップ用電源や時計機能のバックアップ用電源等として利用されている。この種の電気化学セルは、一般的に円盤状のボタンタイプが多用されている。しかしながら、ボタンタイプのものは、サイズ、保存日数の点で依然として改良の余地が残されている。
特に、保存日数の点について説明すると、通常、ボタンタイプのものはケースに対して蓋体をカシメによって封止している構造である。そのため、気密が万全とはいえず、湿気等により内部に水分等が侵入し易かった。その結果、長期保存することが難しかった。
そこで、近年ではボタンタイプではなく、四角状の凹状容器を有するチップ型の電気化学セルが提供されている(特許文献1参照)。
凹状容器は、正極活物質、負極活物質やセパレータ等を内部に収納する収納容器であり、上部開口に金属リングが焼成により一体的に固定されている。金属リングの上面には、ろう材が設けられ、封口板がろう材を介して溶接されている。これにより、凹状容器の内部は、非常に気密性に優れた空間となっており、内部に水分等が浸入し難い構造となっている。
従って、このタイプの電気化学セルは、ボタンタイプのものに比べて長期的な保存性に優れている。
特開2004−227959号公報
ところが、チップ型の電気化学セルの凹状容器は、セラミックを主とする材料から形成されているので、コストがかかってしまい、安価に仕上げ難かった。
また、主にセラミックの容器であるので、高い寸法精度を得ることができなかった。具体的には、セラミックを用いて凹状容器を作製する場合には、底板となる平板と、凹部を構成するように中心が刳り貫かれた枠状の平板と、を重ね合わせる必要がある。この際、両者を重ね合わせるには、1000℃を超える温度で焼成することが必要である。ところが、1000℃を超える高温で焼成するので、特に枠部周辺が大きく熱収縮してしまい、枠部周辺の寸法精度が悪化してしまうものであった。従って、上述したように、従来の凹状容器には、高い寸法精度を求めることが難しかった。
この寸法精度の問題は、大型の電気化学セルを製造する際には特に問題となるので、大型の電気化学セルを製造する場合や、高い寸法精度が求められる電気化学セルを製造する場合には、従来の凹状容器は適さないものであった。
更に、取り個数を上げるために、底板となる平板上に枠状の平板を多数配置したとしても、焼成時の熱収縮によって寸法精度が悪化するので、結果として多くの取り個数を得ることができなかった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その主目的は、高い寸法精度が得られて高品質化されているうえ、低コスト化が図られた電気化学セル用の収納容器を提供することである。
また、別の目的は、上記収納容器を有する電気化学セル、上記収納容器を製造する製造方法を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る収納容器は、封口板が溶接されることで内部が気密状態に封止される電気化学セル用の収納容器であって、ベース基板と、枠状に形成され、前記ベース基板の上面に接合されたガラス枠と、枠状に形成され、前記ガラス枠の上面に接合された金属枠と、該金属枠の上面に形成され、前記封口板を溶接させるメッキ層と、を備え、前記ガラス枠と前記金属枠とが、ガラスフリットを含んだガラスペーストの硬化により形成されたガラス層を介して接合されていることを特徴とする。
この発明に係る収納容器においては、ベース基板とガラス枠と金属枠とで内部に収納空間が確保された凹状に構成されている。そして、金属枠の上面にはメッキ層が形成されているので、このメッキ層を利用して封口板を溶接することが可能である。これにより、収納空間とされた内部を気密状態に封止することができ、電気化学セル用の収納容器として好適に使用することができる。
特に、セラミックとは異なり主にガラスを利用しているので、従来よりも遥かに低温で製造可能とされており、寸法精度に優れた高品質な収容容器とすることができる。
しかも、ベース基板上に安価に形成できるガラス枠を接合し、さらにこのガラス枠上に安価に形成できるガラス層を介して金属枠を接合する構成であるので、従来のセラミックを主に利用する場合とは異なり、低コスト化を図ることができる。
更に、ガラス枠と金属枠とは、ガラスペーストを焼成によって硬化することで得られたガラス層を介して強固に接合されている。従って、気密性にも優れた収納容器とすることができる。
本発明に係る収納容器は、上記本発明の収納容器において、前記金属枠が、熱膨張係数が前記ガラス枠と略同一であることを特徴とする。
この発明に係る収納容器においては、金属枠の熱膨張係数がガラス枠と略同一であるので、焼成時に熱膨張率の違いに起因する割れや歪等が両者の間に発生してしまうことを抑制することができる。従って、金属枠とガラス枠とをガラス層を介してより精度良く接合することができ、気密性をより高めてさらなる高品質化を図ることができる。
本発明に係る収納容器は、上記本発明の収納容器において、前記ベース基板が、熱膨張係数が前記ガラス枠と略同一であることを特徴とする。
この発明に係る収納容器においては、ベース基板の熱膨張係数がガラス枠と略同一であるので、焼成時に熱膨張率の違いに起因する割れや歪等が両者の間に発生してしまうことを抑制することができる。従って、気密性をより高めてさらなる高品質化を図ることができる。
本発明に係る収納容器は、上記本発明の収納容器において、前記金属枠の下面には、酸化膜が形成されていることを特徴とする。
この発明に係る収納容器においては、ガラスペーストを焼成してガラス層にする際に、酸化膜の表面がガラス層中の酸素と結合し易くなるので、ガラス層と金属枠とがより強固に接合する。従って、気密性をさらに高めることができる。
本発明に係る電気化学セルは、上記本発明に係る収納容器と、前記メッキ層を介して前記金属枠の上面に溶接され、前記収納容器の内部を気密状態に封止する封口板と、前記ベース基板上に接触した状態で前記収納容器の内部に収納された正極活物質と、前記封口板に接触した状態で前記収納容器の内部に収納された負極活物質と、前記正極活物質と前記負極活物質との間に配設されたセパレータと、前記収納容器の内部に充填され、前記正極活物質及び前記負極活物質を浸漬させる非水電解液と、を備えていることを特徴とする。
この発明に係る電気化学セルにおいては、メッキ層を介して金属枠の上面に溶接された封口板によって、収納容器の内部は気密状態に封止された収納空間となっている。そして、この収納空間内に、非水電解液によって浸漬された正極活物質及び負極活物質がセパレータを挟んで上下に分かれて収納されている。
特に、気密性及び寸法精度に優れた高品質な収納容器を備えているので、内部に水分等が浸入し難く、長期的な保存性能に優れた高品質な電気化学セルとすることができる。更に、低コスト化が図られた収納容器であるので、電気化学セル自体の低コスト化を図ることもできる。
また、正極活物質は収納容器の底面側(ベース基板側)に配置され、負極活物質は収納容器の上部側(封口板側)に配置されている。通常、電気化学セルは、正極活物質側の方が負極活物質側に比べて腐食し易い性質を有している。ところが、正極活物質は、電圧が印加された際、上述したように封口板や金属枠が配置されている収納容器の上部側ではなく、ガラス枠で囲まれた収納容器の底部側に配置されている。そのため、腐食の発生をできるだけ抑えることができ、耐腐食性を向上することができる。
本発明に係る収納容器の製造方法は、封口板が溶接されることで内部が気密状態に封止される電気化学セル用の収納容器を製造する方法であって、所定の厚みの枠状のガラス枠を形成すると共に、該ガラス枠をベース基板の上面に接合するガラス枠接合工程と、前記ガラス枠の上面にガラスフリットを含んだガラスペーストを塗布して基礎ガラス層を形成した後、該基礎ガラス層の上面に枠状に形成された金属枠を載置する載置工程と、前記基礎ガラス層を前記ガラスフリットが有するガラス転移点以上の温度で焼成して硬化させることでガラス層にすると共に、該ガラス層を介して前記ガラス枠と前記金属枠とを一体的に接合する接合工程と、接合した前記金属枠の上面に、前記封口板を溶接させるメッキ層を形成するメッキ層形成工程と、を行うことを特徴とする。
この発明に係る収納容器の製造方法においては、まず、所定の厚みのガラス枠を形成した後、このガラス枠をベース基板の上面に接合するガラス枠接合工程を行う。この際、例えば、焼成によってガラス枠とベース基板とを接合する。そして、ガラス枠を接合した後、ガラスフリットを含んだガラスペーストをガラス枠の上面に塗布してガラス層の基礎となる基礎ガラス層を形成する。続いて、この基礎ガラス層の上面に枠状に形成した金属枠を載置する。
この載置工程が終了した後、基礎ガラス層をガラスフリットが有するガラス転移点以上の温度に焼成して硬化させることでガラス層に変異させる。これにより、ガラス層は、ガラス枠と強固に接合すると共に金属枠に対しても十分に濡れて強固に接合する。従って、ガラス層を介してガラス枠と金属枠とを一体的に接合することができる。
そして、接合工程後、接合した金属枠の上面に封口板を溶接させるメッキ層を形成するメッキ層形成工程を行う。
その結果、ベース基板とガラス枠と金属枠とで内部に収納空間が確保された凹状の収納容器を製造することができる。特に、金属枠の上面にメッキ層が形成されているので、このメッキ層を利用して封口板を溶接することが可能である。これにより、収納空間とされた内部を気密状態に封止することができ、電気化学セル用の収納容器として好適に使用することができる。
また、セラミックとは異なり主にガラスを利用しているので、従来よりも遥かに低温の焼成で製造することができ、寸法精度に優れた高品質な収容容器とすることができる。
しかも、ベース基板上に安価に形成できるガラス枠を接合し、さらにこのガラス枠上に安価に形成できるガラス層を介して金属枠を接合する構成であるので、従来のセラミックを主に利用する場合とは異なり、低コスト化を図ることができる。
更に、ガラス枠と金属枠とは、ガラスペーストを焼成によって硬化することで得られたガラス層を介して強固に接合されているので、気密性にも優れた収納容器とすることができる。
本発明に係る収納容器の製造方法は、封口板が溶接されることで内部が気密状態に封止される電気化学セル用の収納容器を製造する方法であって、ベース基板の上面にガラスフリットを含んだガラスペーストを所定の厚みに達するまで複数回印刷して基礎ガラス枠を形成すると共に、該基礎ガラス枠上に再度ガラスペーストを印刷して基礎ガラス層を形成する印刷工程と、前記基礎ガラス層の上面に枠状に形成された金属枠を載置する載置工程と、前記基礎ガラス枠及び前記基礎ガラス層を前記ガラスフリットが有するガラス転移点以上の温度で焼成して硬化させることでガラス枠及びガラス層にすると共に、ガラス枠を前記ベース基板に接合させ、且つ、ガラス層を介してガラス枠と前記金属枠とを一体的に接合する接合工程と、接合した前記金属枠の上面に、前記封口板を溶接させるメッキ層を形成するメッキ層形成工程と、を行うことを特徴とする。
この発明に係る収納容器の製造方法においては、まず、ベース基板の上面にガラスフリットを含んだガラスペーストを所定の厚みに達するまで複数回印刷して、ガラス枠の基礎となる基礎ガラス枠を形成する。そして、基礎ガラス枠を形成した後、再度ガラスペーストを基礎ガラス枠上に印刷してガラス層の基礎となる基礎ガラス層を形成する。つまり、同じガラスペーストを利用して、基礎ガラス枠と基礎ガラス層とを連続的に形成する。
上述した印刷工程が終了した後、基礎ガラス層の上面に枠状に形成した金属枠を載置する。この載置工程が終了した後、基礎ガラス枠及び基礎ガラス層をガラスフリットが有するガラス転移点以上の温度に焼成して硬化させることでガラス枠及びガラス層にそれぞれ変異させる。これにより、ガラス枠は、ベース基板に対して強固に接合する。また、ガラス層は、ガラス枠と強固に接合すると共に金属枠に対しても十分に濡れて強固に接合する。従って、ガラス層を介してガラス枠と金属枠とを一体的に接合することができる。
そして、接合工程後、接合した金属枠の上面に封口板を溶接させるメッキ層を形成するメッキ層形成工程を行う。
その結果、ベース基板とガラス枠と金属枠とで内部に収納空間が確保された凹状の収納容器を製造することができる。特に、金属枠の上面にメッキ層が形成されているので、このメッキ層を利用して封口板を溶接することが可能である。これにより、収納空間とされた内部を気密状態に封止することができ、電気化学セル用の収納容器として好適に使用することができる。
また、セラミックとは異なり主にガラスを利用しているので、従来よりも遥かに低温の焼成で製造することができ、寸法精度に優れた高品質な収容容器とすることができる。
しかも、ベース基板上に安価なガラス枠を接合し、さらにこのガラス枠上に安価なガラス層を介して金属枠を接合する構成であるので、従来のセラミックを主に利用する場合とは異なり、低コスト化を図ることができる。
更に、ガラス枠と金属枠とは、ガラスペーストを焼成によって硬化することで得られたガラス層を介して強固に接合されているので、気密性にも優れた収納容器とすることができる。
本発明に係る収納容器の製造方法は、封口板が溶接されることで内部が気密状態に封止される電気化学セル用の収納容器を製造する方法であって、ベース基板の上面にガラスフリットを含んだガラスペーストを所定の厚みに達するまで複数回印刷して基礎ガラス枠を形成した後、該基礎ガラス枠をガラスフリットが有するガラス転移点以上の温度で焼成して硬化させることで前記ベース基板に接合されたガラス枠とするガラス枠接合工程と、前記ガラスフリットよりもガラス転移点の温度が低い低温度ガラスフリットを含んだ低温度ガラスペーストを前記ガラス枠の上面に印刷して基礎ガラス層を形成した後、該基礎ガラス層の上面に枠状に形成された金属枠を載置する載置工程と、前記基礎ガラス層を前記低温度ガラスフリットが有するガラス転移点から前記ガラスフリットが有するガラス転移点未満の温度範囲で焼成して硬化させることでガラス層にすると共に、ガラス層を介してガラス枠と前記金属枠とを一体的に接合する接合工程と、接合した前記金属枠の上面に、前記封口板を溶接させるメッキ層を形成するメッキ層形成工程と、を行うことを特徴とする。
この発明に係る収納容器の製造方法においては、まず、ベース基板の上面にガラスフリットを含んだガラスペーストを所定の厚みに達するまで複数回印刷して、ガラス枠の基礎となる基礎ガラス枠を形成する。そして、基礎ガラス枠をガラスフリットが有するガラス転移点以上の温度に焼成して硬化させることでガラス枠に変異させる。これにより、ガラス枠をベース基板に対して強固に接合することができる。
このガラス枠接合工程後、先ほど使用したガラスフリットよりもガラス転移点の温度が低い低温度ガラスフリットを含んだ低温度ガラスペーストを用意し、この低温度ガラスペーストをガラス枠の上面に印刷してガラス層の基礎となる基礎ガラス層を形成する。そして、この基礎ガラス層の上面に枠状に形成した金属枠を載置する。
この載置工程が終了した後、基礎ガラス層を低温度ガラスフリットが有するガラス転移点から最初に使用したガラスフリットが有するガラス転移点未満の温度範囲で焼成して硬化させることでガラス層に変異させる。これにより、ガラス層は、ガラス枠と強固に接合すると共に金属枠に対しても十分に濡れて強固に接合する。よって、ガラス層を介してガラス枠と金属枠とを一体的に接合することができる。
そして、接合工程後、接合した金属枠の上面に封口板を溶接させるメッキ層を形成するメッキ層形成工程を行う。
その結果、ベース基板とガラス枠と金属枠とで内部に収納空間が確保された凹状の収納容器を製造することができる。特に、金属枠の上面にメッキ層が形成されているので、このメッキ層を利用して封口板を溶接することが可能である。これにより、収納空間とされた内部を気密状態に封止することができ、電気化学セル用の収納容器として好適に使用することができる。
また、セラミックとは異なり主にガラスを利用しているので、従来よりも遥かに低温の焼成で製造することができ、寸法精度に優れた高品質な収容容器とすることができる。
しかも、ベース基板上に安価なガラス枠を接合し、さらにこのガラス枠上に安価なガラス層を介して金属枠を接合する構成であるので、従来のセラミックを主に利用する場合とは異なり、低コスト化を図ることができる。
更に、ガラス枠と金属枠とは、ガラスペーストを焼成によって硬化することで得られたガラス層を介して強固に接合されているので、気密性にも優れた収納容器とすることができる。
本発明に係る収納容器の製造方法は、上記本発明の収納容器の製造方法において、前記ガラス枠接合工程と前記載置工程との間に、前記ガラス枠の上面を研磨して平坦化する研磨工程を行うことを特徴とする。
この発明に係る収納容器の製造方法においては、印刷法によって形成されたガラス枠の上面を研磨して平坦化してから基礎ガラス層を形成するので、金属リングを傾かせることなく高精度に接合することができる。従って、より高品質な収納容器とすることができる。
本発明に係る収納容器の製造方法は、上記本発明の収納容器の製造方法において、前記金属枠として、熱膨張係数が前記ガラス枠と略同一の材料からなる金属枠を利用することを特徴とする。
この発明に係る収納容器の製造方法においては、金属枠の熱膨張係数がガラス枠と略同一であるので、焼成時に熱膨張率の違いに起因する割れや歪等が両者の間に発生してしまうことを抑制することができる。従って、金属枠とガラス枠とをガラス層を介して精度良く接合することができ、気密性をより高めてさらなる高品質化を図ることができる。
本発明に係る収納容器の製造方法は、上記本発明の収納容器の製造方法において、前記ベース基板として、熱膨張係数が前記ガラス枠と略同一の材料からなるベース基板を利用することを特徴とする。
この発明に係る収納容器の製造方法においては、ベース基板の熱膨張係数がガラス枠と略同一であるので、焼成時に熱膨張率の違いに起因する割れや歪等が両者の間に発生してしまうことを抑制することができる。従って、気密性をより高めてさらなる高品質化を図ることができる。
本発明に係る収納容器の製造方法は、上記本発明の収納容器の製造方法において、前記載置工程の際、前記金属膜の下面に酸化膜を形成する酸化膜形成工程を行うことを特徴とする。
この発明に係る収納容器においては、基礎ガラス層を焼成してガラス層にする際に、酸化膜の表面がガラス層中の酸素と結合し易くなるので、ガラス層と金属枠とがより強固に接合する。従って、気密性をさらに高めることができる。
本発明に係る収納容器によれば、高い寸法精度が得られて高品質化されているうえ、気密性にも優れ、低コスト化も図ることができる。
また、本発明に係る電気化学セルによれば、上述した収納容器を備えているので、長期的な保存性能をより高めて高品質化を図ることができると共に、電気化学セル自体の低コスト化を図ることができる。特に、収納容器の寸法精度が優れているので、電気化学セルに高い寸法精度を求める場合や大型化を目指す場合には、好適である。また、正極活物質が収納容器の底部側に配置されているので、耐腐食性を向上することができる。
また、本発明に係る収納容器の製造方法によれば、上述した収納容器を低コストで、且つ、従来よりも遥かに低い温度で製造することができる。
本発明に係る第1実施形態を示す電気化学セルの断面図である。 図1に示す電気化学セルを構成する収納容器の分解斜視図である。 図1に示す電気化学セルを構成する収納容器を製造する際のフローチャートである。 図1に電気化学セルを製造する際のフローチャートである。 本発明に係る第2実施形態を示す図であって、収納容器を製造する際のフローチャートである。 図5に示すフローチャートに沿って収納容器を製造する際の一工程であって、ベース基板の上面にガラスペーストをスクリーン印刷した断面図である。 図6に示すスクリーン印刷を複数回行って基礎ガラス枠を形成した後、再度ガラスペーストをスクリーン印刷して基礎ガラス層を形成した状態を示す断面図である。 本発明に係る第3実施形態を示す図であって、収納容器を製造する際のフローチャートである。 ガラスペーストをベース基板の上面にスクリーン印刷した断面図である。 図9に示すスクリーン印刷を複数回行って基礎ガラス枠を形成した後、焼成によりガラス枠に変異させた断面図である。 図10に示す状態の後、ガラス枠の上面を研磨して平坦化した状態を示す断面図である。 図11に示す状態の後、低温度ガラスペーストを複数回スクリーン印刷して基礎ガラス層を形成した状態を示す断面図である。 図12に示す状態の後、基礎ガラス層の上面に金属枠を載置した状態を示す断面図である。 図13に示す状態の後、基礎ガラス層を焼成してガラス層に変異させ、ガラス層を介してガラス枠と金属枠とを一体的に結合させた状態を示す断面図である。 本発明に係る第4実施形態を示す電気化学セルの断面図である。 本発明に係る第5実施形態を示す電気化学セルの断面図である。 本発明に係る収納容器の製造方法の変形例を示す図であって、ウエハの上面にガラスペーストを印刷した状態を示す図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態を、図1から図4を参照して説明する。なお、本実施形態では、電気化学セルの一例として、電気二重層キャパシタを例に挙げて説明する。
本実施形態の電気二重層キャパシタ1は、図1に示すように、外観が略直方体のチップ形状とされたキャパシタである。サイズの一例としては、長さが約1mm〜2mm、横幅が約0.6mm〜1.6mm、高さが約0.6mm〜0.9mmであり、非常に小型で薄型に設計されている。
以下、電気二重層キャパシタ1の構成について、詳細に説明する。
この電気二重層キャパシタ1は、収納容器2と、封口板3と、正極活物質4と、負極活物質5と、セパレータ6と、非水電解液Wと、で主に構成されている。
収納容器2は、図1及び図2に示すように、ベース基板10と、ガラスリング(ガラス枠)11と、金属リング(金属枠)12と、を主に備え、内部に収納空間Sが確保された凹状に構成されている。この収納空間Sは、封口板3が溶接されることで気密状態に封止されている。なお、図2は、収納容器2の分解斜視図である。
ベース基板10は、平面視矩形状に形成された平坦な基板である。本実施形態のベース基板10は、熱膨張係数が3.0〜4.0×10−6/℃のコバール(鉄にコバルトとニッケルとを配合した合金)で形成された導電性基板とされている。このベース基板10は、正極活物質4に対して電気的に接触する一方の外部電極として機能する。
なお、収納空間Sに露出するベース基板10の上面には、図示しない弁作用金属、例えば、アルミニウム等が被膜されている。
ガラスリング11は、平面視矩形状の枠状に形成されたリングであり、ベース基板10の上面に焼成によって接合されている。本実施形態のガラスリング11は、熱膨張係数が3.25×10−6/℃の硼珪酸ガラスから形成されている。よって、ベース基板10とガラスリング11とは、熱膨張係数が略同一(均一)状態となっている。
金属リング12は、ガラスリング11と同様に平面視矩形状の枠状に形成されたリングであり、ガラス層13を介してガラスリング11の上面に接合されている。本実施形態の金属リング12は、ベース基板10と同様に、熱膨張係数が3.0〜4.0×10−6/℃のコバールで形成されている。よって、金属リング12に関しても、ベース基板10と熱膨張係数が略同一(均一)状態となっている。
金属リング12の上面には、封口板3を溶接させるメッキ層14が形成されている。このメッキ層14としては、例えば、ニッケルメッキと金メッキとが積層されたものである。但し、他の金属を積層しても構わないし、単一金属による単層でも構わない。また、金属リング12の上面を除く残りの面、即ち、側面及び下面には、酸化処理によって酸化膜15が形成されている。なお、図1では酸化膜15の一部を図示し、図2では酸化膜15の図示を省略している。
ガラス層13は、適切なガラス転移点(例えば、350℃〜500℃)を有するガラスフリット、具体的にはビスマス系のガラスフリットや、酸化ホウ素(B)及び酸化亜鉛(ZnO)を含むガラスフリットに、ビークルや溶媒等の有機物を加えたガラスペーストの硬化により形成されている。
このガラス層13は、図1に示すように、ガラスリング11及び金属リング12のいずれに対しても強固に接合している。そのため、上述したように金属リング12は、ガラス層13を介してガラスリング11上に強固に接合している。なお、図1では、ガラス層13を誇張して図示している。
封口板3は、図1及び図2に示すように、メッキ層14を介して金属リング12の上面に溶接されており、収納容器2の内部を気密状態に封止している。この封口板3は、導電性の基板であり、負極活物質5に対して電気的に接触する他方の外部電極として機能する。即ち、本実施形態の電気二重層キャパシタ1は、収納容器2のベース基板10が一方の外部電極として機能し、封口板3が他方の外部電極として機能するようになっている。なお、封口板3としては、例えば、ベース基板10と同じコバールや、ニッケルを50%程度含むニッケル鉄合金で形成されている。
正極活物質4及び負極活物質5は、例えば、活性炭(フェノール樹脂による活性炭とヤシガラによる活性炭との組み合わせ)を導電性材料からなるバインダを利用して形成されたものである。このうち、正極活物質4は、導電性接着剤16を介してベース基板10上に固定された状態で、収納容器2の内部に収納されている。つまり、正極活物質4は、収納容器2の底部側に配置されている。一方、負極活物質5は、導電性接着剤16を介して封口板3の下面に固定された状態で、収納容器2の内部に収納されている。つまり、負極活物質5は、収納容器2の上部側に配置されている。
このように、正極活物質4及び負極活物質5は、セパレータ6を間に挟んで上下に分かれた状態で収納容器2の内部に収納されている。セパレータ6は、正極活物質4と負極活物質5との間に配設され、両活物質4、5の直接的な接触を規制している。よって、仮に衝撃等を受けたとしても、両活物質4、5が接触して電気的にショートしないように設計されている。
非水電解液Wは、予め水分を除去した有機溶媒であり、封口板3によって密閉された収納容器2の内部に充填され、正極活物質4及び負極活物質5を浸漬させている。
このように構成された電気二重層キャパシタ1によれば、ベース基板10及び封口板3を介して電圧が印加されると、非水電解液W中の陽イオンと陰イオンとが正極活物質4及び負極活物質5の表面においてそれぞれ電気二重層を構成するので、電荷が蓄積されて電流が流れるようになっている。
この電気二重層キャパシタ1は、主に携帯電話、ICカード、コードレス電話、デジタルスチルカメラ、PDA、携帯用ゲーム機器等のメモリや時計機能の電源バックアップとして好適である。
次に、上述したように構成された電気二重層キャパシタ1を製造する方法について、図3及び図4に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。はじめに、収納容器2を製造する方法について説明する。
本実施形態の収納容器2の製造方法は、ガラスリング接合工程(ガラス枠接合工程)(S1)と、載置工程(S2)と、接合工程(S3)と、メッキ層形成工程(S4)と、を備えている。これら各工程について、詳細に説明する。
まず、所定の厚みの枠状のガラスリング11を形成する(S10)。具体的には、硼珪酸ガラスの粉末を型に入れて焼結することでガラスリング11を形成する。そして、このガラスリング11をベース基板10の上面に配設して焼成する(S11)。これにより、ガラスリング11をベース基板10の上面に接合することができる。この時点で、ガラスリング接合工程(S1)が終了する。
続いて、載置工程(S2)を行う。
まず、ガラスフリットに有機物を加えたガラスペーストを準備する(S12)。また、これと同時に金属リング12を形成する(S13)。具体的には、コバールの薄板をガラスリング11の形状に合わせて切断することにより、金属リング12を形成する。
次いで、形成した金属リング12の下面に酸化膜15を形成する酸化膜形成工程を行う(S14)。本実施形態では、下面だけでなく側面にも酸化膜15を形成する。具体的には、金属リング12を形成した後、約900℃で水素クリーニングした後に、大気圧の状態で酸化処理を施すことで酸化膜15を形成する。なお、一旦金属リング12の表面全体に酸化膜15を形成した後、上面に形成された酸化膜15だけを除去するようにしても構わない。
続いて、先ほど準備したガラスペーストをガラスリング11の上面に塗布して、ガラス層13の基礎とする基礎ガラス層を形成する。この際、スクリーン印刷法やディスペンサ等の塗布装置等を利用してガラスペーストの塗布を行う(S15)。塗布した後、大気中において約150℃で10分間程度、ガラスペーストを仮乾燥して溶媒分を飛ばす処理を行う(S16)。
なお、十分な厚み(50μm〜100μm)の基礎ガラス層になるようにガラスペーストを塗布することが好ましい。仮に1回の塗布で十分な厚みに達しない場合には、仮乾燥を行った後、再度ガラスペーストの塗布を行って再度の仮乾燥を行う。このように、再度の塗布と仮乾燥とを繰り返し行って、十分な厚みの基礎ガラス層を形成することが好ましい。通常の場合には、2回の塗布で十分な厚みの基礎ガラス層になると考えられる。
次いで、仮乾燥が終了した後、ガラスペースト中の有機物成分を脱離させる脱バインダを行う(S17)。この工程は、大気中において約300℃で2時間程度行う。脱バインダが終了した後、先ほど下面及び側面に酸化膜15を形成した金属リング12を基礎ガラス層の上面に載置する(S18)。この時点で、載置工程(S2)が終了する。
続いて、接合工程(S3)を行う。
まず、真空焼成炉内に投入した後、真空引きによって焼成炉内を真空状態にする。そして、真空引きを停止した後、窒素ガスを焼成炉内に導入し、焼成炉内の大気を窒素雰囲気に置換する。置換後、焼成炉内の温度をガラスフリットが有するガラス転移点以上の温度である約500℃まで昇温させ、1時間の条件で基礎ガラス層を焼成する。これにより、基礎ガラス層は硬化して、ガラス層13に変異する。この焼成により、ガラス層13は、ガラスリング11と強固に接合すると共に、金属リング12に対しても十分に濡れて強固に接合する。従って、ガラス層13を介してガラスリング11と金属リング12とを一体的に接合することができる。
上記接合工程(S3)が終了した後、接合した金属リング12の上面に封口板3を溶接させるメッキ層14を形成するメッキ層形成工程(S4)を行う。
その結果、ベース基板10とガラスリング11と金属リング12とで内部に収納空間Sが形成された凹状の収納容器2を製造することができる。なお、接合工程(S3)後、収納空間S側に露出するベース基板10の上面に、アルミニウム等の弁作用金属を被膜する工程を行うことが好ましい。
次に、このように製造された収納容器2を利用して、電気二重層キャパシタ1を組み立てて製造する方法について説明する。
まず、収納容器2を構成するベース基板10の上面に導電性接着剤16を介して正極活物質4を固定すると共に、正極活物質4上にセパレータ6を配設する(S20)。次いで、収納容器2の内部に非水電解液Wを注入する(S21)。一方、これらの工程と同時或いは前後のタイミングで、封口板3の下面に導電性接着剤16を介して負極活物質5を貼り合わせて固定しておく(S22)。
続いて、非水電解液Wが注入された収納容器2に封口板3を被せる。即ち、金属リング12の上面に形成されたメッキ層14の上面に封口板3をセットする。そして、メッキ層14を利用して封口板3を溶接により接合する。この溶接は、ローラ電極を接触させることによるシーム溶接やレーザ溶接等で行うことができる。
これにより、図1に示す電気二重層キャパシタ1を製造することができる。そして最後に、特性検査(S24)を行うと共に、寸法や品質を最終的にチェックする。これをもって、電気二重層キャパシタ1の製造が終了する。
特に、本実施形態の収納容器2は、金属リング12の上面にメッキ層14が形成されているので、このメッキ層14を利用して封口板3を溶接することができる。よって、収納空間Sとされた内部を気密状態に封止することができ、電気二重層キャパシタ1用の収納容器2として好適に使用することができる。
また、メッキ層14を利用して封口板3を溶接できるので、ろう材を溶融させるほどの高温にすることなく遥かに低い温度での溶接が可能である。従って、反り等の変形が生じる可能性が低く、高品質な収納容器2とすることができる。更に、セラミックとは異なり主にガラスを利用しているので、従来よりも遥かに低温の焼成で製造することができ、寸法精度に優れた高品質な収容容器2とすることができる。
しかも、ベース基板10上に安価に形成できるガラスリング11を接合し、さらにこのガラスリング11上に安価に形成できるガラス層13を介して金属リング12を接合する構成であるので、従来のセラミックを主に利用する場合とは異なり、低コスト化を図ることができる。
更に、ガラスリング11と金属リング12とは、ガラスペーストの焼成によって得られたガラス層13を介して強固に接合されているので、気密性にも優れた収納容器2とすることができる。
また、本実施形態では、金属リング12の下面に酸化膜15が形成されている。そのため、基礎ガラス層を焼成してガラス層13にする際に、酸化膜15の表面がガラス層13中の酸素と結合し易くなるので、ガラス層13と金属リング12とがより強固に接合する。従って、気密性を非常に高めることができる。
また、金属リング12の熱膨張係数がガラスリング11と略同一であるので、焼成時に熱膨張率の違いに起因する割れや歪等が両者の間に発生してしまうことを抑制することができる。従って、金属リング12とガラスリング11とをガラス層13を介して精度良く接合することができ、気密性の向上化に繋げることができる。
また、ベース基板10に関しても、熱膨張係数がガラスリング11と略同一であるので、やはり焼成時に熱膨張率の違いに起因する割れや歪等が両者の間に発生してしまうことを抑制することができる。従って、ベース基板10とガラスリング11とをガラス層13を介して精度良く接合することができ、やはり気密性の向上化に繋げることができる。
また、本実施形態の電気二重層キャパシタ1によれば、気密性及び寸法精度に優れ、反り等の変形がない高品質な収納容器2を備えているので、内部に水分等が浸入し難く、長期的な保存性能及び寸法精度に優れている。更に、低コスト化が図られた収納容器2であるので、電気二重層キャパシタ1自体の低コスト化を図ることもできる。
また、通常、電圧が印加されると、正極活物質4側の方が負極活物質5側に比べて腐食し易いが、本実施形態では封口板3や金属リング12が配置されている収納容器2の上部側でなく、ガラスリング11で囲まれた収納容器2の底部側に正極活物質4が配置されている。そのため、腐食の発生をできるだけ抑えることができ、耐腐食性を向上することができる。
ところで、本実施形態では、ガラス層13を介してガラスリング11と金属リング12とを接合させたが、接合の別の方法として、以下の方法も考えられる。
即ち、ガラスリング11の上面にクロム(Cr)層、パラジウム(Pd)層、ニッケル(Ni)層等からなる積層膜のパターンを形成し、金属リング12の下面(積層膜に当接する面)に銀ろう材を形成する。そして、積層膜と銀ろう材とが当接するようにガラスリング11と金属リング12とを重ね合わせた後、処理炉中で加圧及び加熱して銀ろう材を溶融させ、積層膜との接合を図る方法である。
しかしながら、この方法では、銀ろう材を溶融させるために銀ろうの融点以上の高温にする必要がある。通常用いられる銀と銅との重量割合が72:28の銀ろうの場合には、共晶温度が780℃であるので、これ以上の温度が必要となってしまう。仮に、さらに低い溶融温度を持つ銀ろうを用いたとしても、約700℃以上の温度にする必要がある。従って、ベース基板10に反り等の変形を引き起こしてしまう可能性が高かった。
また、積層膜を成膜するためには、クロム、パラジウム、ニッケル等の成分を有するそれぞれのターゲットを備え、大気に取り出すことなく連続的に成膜できるスパッタ装置や、パターニングのためのリソフラフィ装置等の高価な設備を準備する必要がある。リソグラフィ装置を用いない場合には、その代替として、部分的に成膜できるようにパターニングされた金属マスクが必要であるうえ、この金属マスクを用いて複数回成膜する必要がある。
しかしながら、本実施形態によれば、ディスペンサ等の塗布装置や、スクリーン印刷等で容易に形成できるガラス層13を利用してガラスリング11と金属リング12とを接合させるので、製造コストの低減と作業効率の向上に寄与することができる。しかも、銀ろう材が不要であるので、銀ろう材を溶融させるほどの高温にする必要がない。そのため、製造工程の低温化が図れると共に、ベース基板10等に反り等の変形が発生してしまうことを抑制でき、さらには処理設備のコストも低減することができるという効果を奏することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態を、図5から図7を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、収納容器2の製造方法が異なる点である。即ち、第1実施形態では、焼結等により予め用意したガラスリング11をベース基板10の上面に接合したが、第2実施形態では、印刷法を利用してベース基板10の上面にガラスリング11を作製する。
本実施形態の収納容器2の製造方法は、図5に示すように、印刷工程(S30)と、載置工程(S31)と、接合工程(S32)と、メッキ層形成工程(S4)と、を備えている。これら各工程について、以下に詳細に説明する。
はじめに、印刷工程(S30)を行う。
まず、第1実施形態と同様にガラスフリットに有機物を加えたガラスペーストを準備する(S12)。続いて、図6に示すように、ベース基板10の上面に図示しないスクリーン印刷用のマスクを利用して、ガラスペーストをスクリーン印刷する。なお、図6に示す符号Pは、ガラスペーストである。
印刷後、大気中において約150℃で10分間程度、ガラスペーストを仮乾燥して溶媒分を飛ばす処理を行う。仮乾燥後、再度ガラスペーストを重ね印刷し、再び仮乾燥を行う。このように、所定の厚みに達するまでガラスペーストを複数回重ね印刷して、ガラスリング11となる基礎ガラス枠11aを形成する(S35)。
基礎ガラス枠11aを形成した後、再度ガラスペーストを基礎ガラス枠11a上に印刷して、ガラス層13の基礎となる基礎ガラス層13aを形成する(S36)。この際も、十分な厚みの基礎ガラス層13aとなるように、複数回の重ね印刷を行う。そして、図7に示すように、十分な厚みの基礎ガラス層13aを形成した後、やはり仮乾燥を行う。
この時点で、印刷工程(S30)が終了する。
つまり、この印刷工程(S30)によって、同じガラスペーストを利用して、基礎ガラス枠11aと基礎ガラス層13aとをスクリーン印刷により連続的に形成する。次いで、形成した基礎ガラス枠11a及び基礎ガラス層13aについて、ガラスペースト中の有機物成分を脱離させる脱バインダを行う(S37)。
続いて、載置工程(S31)を行う。
まず、金属リング12を形成する(S13)と共に、酸化膜15を形成する酸化膜形成工程を行う(S14)。そして、酸化膜15を形成した金属リング12を、脱バインダが終了した基礎ガラス層13aの上面に載置する(S38)。この時点で、載置工程(S31)が終了する。
続いて、接合工程(S32)を行う。
まず、真空焼成炉内に投入した後、真空引きによって焼成炉内を真空状態にする。そして、真空引きを停止した後、窒素ガスを焼成炉内に導入し、焼成炉内の大気を窒素雰囲気に置換する。置換後、焼成炉内の温度をガラスフリットが有するガラス転移点以上の温度である約500℃まで昇温させ、1時間の条件で基礎ガラス枠11a及び基礎ガラス層13aを焼成する。これにより、基礎ガラス枠11aが硬化してガラスリング11に変異すると共に、基礎ガラス層13aが硬化してガラス層13に変異する。この焼成により、ガラスリング11は、ベース基板10に対して強固に接合する。また、ガラス層13は、ガラスリング11と強固に接合すると共に、金属リング12に対しても十分に濡れて強固に接合する。従って、ガラス層13を介してガラスリング11と金属リング12とを一体的に接合することができる。
上記接合工程(S32)が終了した後、接合した金属リング12の上面に封口板3を溶接させるメッキ層14を形成するメッキ層形成工程(S4)を行う。
その結果、ベース基板10とガラスリング11と金属リング12とで内部に収納空間Sが形成された凹状の収納容器2を製造することができる。
本実施形態の場合であっても、第1実施形態と同様に、高品質で気密性及び寸法精度に優れた収納容器2を低コストで製造することができる。特に、ガラスペーストを複数回重ね印刷することでガラスリング11を作製できるので、比較的厚み調整を行い易い。ガラスリング11の厚みは、収納容器2の内部の容積を決定する要因の1つである。従って、本実施形態の製造方法によれば、収納容器2の収納容積をより高精度に仕上げることが可能になる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態を、図8から図14を参照して説明する。なお、この第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第3実施形態との異なる点は、ガラスフリットを2種類用いる点である。即ち、第2実施形態では、同一種類のガラスフリットを含むガラスペーストを利用してガラスリング11とガラス層13とを作製したが、第3実施形態では、異なるガラスフリットを含んだ2種類のガラスペーストを使い分けてガラスリング11とガラス層13とを作製する点である。
本実施形態の収納容器2の製造方法は、図8に示すように、ガラスリング接合工程(S40)と、載置工程(S41)と、接合工程(S42)と、メッキ層形成工程(S4)と、を備えている。これら各工程について、以下に詳細に説明する。
はじめに、ガラス転移点の異なる2種類のガラスペーストを準備する。即ち、酸化ホウ素(B)及び酸化亜鉛(ZnO)を含むガラスフリット(ガラス転移点が約490℃)に有機物を加えたガラスペーストを準備する(S45)。また、ガラスフリットよりもガラス転移点の温度が低いビスマス系の低温度ガラスフリット(ガラス転移点が約360℃)に有機物を加えた低温度ガラスペーストを準備する(S46)。
2種類のガラスペーストを準備した後、ガラスリング接合工程(ガラス枠接合工程)(S40)を行う。
まず、図9に示すように、ベース基板10の上面に図示しないスクリーン印刷用のマスクを利用して、上述したガラスペーストをスクリーン印刷する。なお、図9に示す符号Pは、ガラスペーストである。印刷後、大気中において約150℃で10分間程度、ガラスペーストを仮乾燥して溶媒分を飛ばす処理を行う。仮乾燥後、再度ガラスペーストを重ね印刷し、再び仮乾燥を行う。このように、所定の厚みに達するまでガラスペーストを複数回重ね印刷して、ガラスリング11となる基礎ガラス枠を形成する(S47)。
次いで、形成した基礎ガラス枠について、ガラスペースト中の有機物成分を脱離させる脱バインダを行う(S48)。脱バインダ後、真空焼成炉内に投入し、真空引きによって焼成炉内を真空状態にする。そして、真空引きを停止した後、窒素ガスを焼成炉内に導入し、焼成炉内の大気を窒素雰囲気に置換する。置換後、焼成炉内の温度をガラスフリットが有するガラス転移点以上の温度である約600℃まで昇温させ、2時間の条件で基礎ガラス枠を焼成する(S49)。これにより、基礎ガラス枠が硬化してガラスリング11に変異する。この焼成により、ガラスリング11は、図10に示すように、ベース基板10に対して強固に接合する。この時点で、ガラスリング接合工程(S40)が終了する。
続いて、載置工程(S41)に移行する前に、ガラスリング11の上面を若干研磨して平坦化する研磨工程を行う(S50)。通常、スクリーン印刷を行った後に焼成したペーストの焼成物は、スクリーン印刷用のマスクを支持するメッシュ体等の影響を受けて、表面に凹凸が生じ易い。そこで、研磨工程(S50)を行うことで、図11に示すように、この凹凸をなくすことができ、ガラスリング11の表面を平坦化することができる。
続いて、載置工程(S41)を行う。
まず、2つ用意したガラスペーストのうち、まだ使用していない残りの低温度ガラスペーストを、スクリーン印刷用のマスクを利用してガラスリング11の上面にスクリーン印刷し、ガラス層13の基礎となる基礎ガラス層13aを形成する(S51)。この際も、図12に示すように、十分な厚みの基礎ガラス層13aとなるように、複数回の重ね印刷を行う。また、ガラスリング11のパターン幅よりも小さいパターン幅となるように印刷し、ガラスリング11の上面に確実に基礎ガラス層13aを形成する。そして、十分な厚みの基礎ガラス層13aを形成した後、やはり仮乾燥を行う。仮乾燥後、形成した基礎ガラス層13aについて、低温度ガラスペースト中の有機物成分を脱離させる脱バインダを行う(S52)。
次いで、金属リング12を形成する(S13)と共に、酸化膜15を形成する酸化膜形成工程を行う(S14)。そして、図13に示すように、酸化膜15を形成した金属リング12を、脱バインダが終了した基礎ガラス層13aの上面に載置する(S53)。この時点で、載置工程(S41)が終了する。
続いて、接合工程(S42)を行う。
まず、真空焼成炉内に投入した後、真空引きによって焼成炉内を真空状態にする。そして、真空引きを停止した後、窒素ガスを焼成炉内に導入し、焼成炉内の大気を窒素雰囲気に置換する。置換後、焼成炉内の温度を低温度ガラスフリットが有するガラス転移点から、最初に使用したガラスフリットのガラス転移点未満の温度範囲、具体的には、先ほどの焼成温度よりも約140℃低い460℃まで昇温させ、1時間の条件で基礎ガラス層13aを焼成する。これにより、基礎ガラス層13aが硬化してガラス層13に変異する。
この焼成により、図14に示すように、ガラス層13は、ガラスリング11と強固に接合すると共に、金属リング12に対しても十分に濡れて強固に接合する。従って、ガラス層13を介してガラスリング11と金属リング12とを一体的に接合することができる。
なお、ガラス層13を形成する際の焼成温度(約460℃)は、ガラスフリットのガラス転移点(約490℃)よりも低いので、先に焼成したガラスリング11が溶解することがなく、ガラスリング11の形状を確実に維持している。よって、ガラスリング11に何ら影響を与えることなく、ガラス層13だけを確実に焼成により形成することができる。
上記接合工程(S42)が終了した後、接合した金属リング12の上面に封口板3を溶接させるメッキ層14を形成するメッキ層形成工程(S4)を行う。
その結果、ベース基板10とガラスリング11と金属リング12とで内部に収納空間Sが形成された凹状の収納容器2を製造することができる。
本実施形態の場合であっても、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、高品質で気密性及び寸法精度に優れた収納容器2を低コストで製造することができる。特に、金属リング12を接合する前にガラスリング11を焼成しているので、金属リング12を載置した際に潰れる恐れがない。従って、第2実施形態よりも収納容器2の収納容積をさらに高精度に仕上げることが可能になる。
また、本実施形態においては、2種類のガラスフリットの熱膨張係数が8.8×10−6/℃であるので、ベース基板10及び封口板3を、熱膨張係数が近似しているニッケル鉄合金で形成することが好ましい。こうすることで、焼成時に膨張率の違いに起因する割れや歪等が発生してしまうことを抑制することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態を、図15を参照して説明する。なお、この第4実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、電気二重層キャパシタが表面実装型タイプとされている点である。
図15に示すように、本実施形態の電気二重層キャパシタ20は、ベース基板10の下面に形成された第1の導電膜21と、ガラスリング11の側面からベース基板10の側面を経由して、該ベース基板10の下面側まで連設された絶縁膜22と、封口板3の側面から絶縁膜22上を経由して、該ベース基板10の下面側まで連設された第2の導電膜23と、を備えている。
第1の導電膜21及び第2の導電膜23は、メッキ法やスパッタ法等により形成された単一金属による単層膜、或いは、異なる金属が積層された積層膜である。積層膜としては、例えば、(下地がニッケル、表面が金)或いは(下地がクロム、表面が金)或いは(下地がニッケルクロム、表面が金)とされた2層の積層膜、又は(下地がクロム、中間がパナジウム、表面が金)とされた3層の積層膜等である。
本実施形態では、両導電膜21、23のうち第1の導電膜21は、ベース基板10を介して正極活物質4に対して電気的に接続する一方の外部電極として機能する。第2の導電膜23は、封口板3、メッキ層14或いは金属リング12等を介して負極活物質5に対して電気的に接続する他方の外部電極として機能する。
なお、第2の導電膜23は、絶縁膜22上に設けられているのでベース基板10に対して非接触状態となっている。つまり、第1の導電膜21と第2の導電膜23とは、ベース基板10を介してショートしないように設計されている。
このように構成された電気二重層キャパシタ20を、例えばプリント基板に実装する場合には、プリント配線された端子パターンに実装用のクリームハンダを塗布しておく。そして、クリームハンダ上に両導電膜21、23が載るように、電気二重層キャパシタ20を載置する。その後、リフロー処理することで、電気二重層キャパシタ20をプリント基板上に表面実装することができる。このように、表面実装可能であるので、使い勝手が良く利便性を向上することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明に係る第5実施形態を、図16を参照して説明する。なお、この第5実施形態においては、第4実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第5実施形態と第4実施形態との異なる点は、ベース基板10が絶縁性基板、具体的にはガラス基板である点である。
図16に示すように、本実施形態の電気二重層キャパシタ30は、第4実施形態と同様に表面実装型であるが、上述したようにベース基板10がガラス基板とされている。そして、ベース基板10には、正極活物質4と第1の導電膜21とを電気的に接続する貫通電極31が設けられている。また、本実施形態の第2の導電膜23は、封口板3の側面からベース基板10の下面側まで連設するように形成されている。
貫通電極31は、ベース基板10を貫通する貫通孔32と、該貫通孔32内に充填され、貫通孔32を気密封止する導電性且つ耐腐食性を有する充填材33と、で構成されている。
貫通孔32を形成する方法としては、例えば、ガラスの成形加工、サンドブラスト法、レーザ加工等の物理的な方法のほか、エッチング加工等のような化学的な方法を適宜選択して形成すれば良い。
充填材33は、貫通孔32を気密に封止する必要がある。この充填材33の充填方法としては、例えば、導電性の銀ペースト等の導電性材料を充填した後、焼成によって硬化させる方法がある。或いは、予め貫通孔32の内面に導電膜を形成した後、ガラスフリットを充填し、焼成によって導電膜に気密接合させる方法がある。或いは、貫通孔32の内面に同様に導電膜を形成した後、金錫合金(融点280℃)、金ゲルマニウム合金(融点356℃)等の合金をレーザ照射により溶融させて、導電膜に濡らして気密接合させる方法がある。いずれかの方法を適宜選択して、充填材33を形成すれば良い。
このように構成された電気二重層キャパシタ30であっても、第4実施形態と同様にプリント基板上に表面実装することができ、やはり使い勝手が良く利便性を向上することができる。特に、ベース基板10がガラス基板でるので、より安価に作製でき低コスト化を図ることができる。
なお、ベース基板10としては、硼珪酸ガラスやソーダライムガラス等を利用したガラス基板とすれば良い。特に、第3実施形態の製造方法で収納容器2を製造する場合には、熱膨張係数が2種類のガラスフリットの熱膨張係数(8.8×10−6/℃)近似するソーダライムガラス(8.5〜9.0×10−6/℃)を採用することが好ましい。また、封口板3は、やはり熱膨張係数が近似しているニッケル鉄合金で形成することが好ましい。こうすることで、焼成時に膨張率の違いに起因する割れや歪等が発生してしまうことを抑制することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、電気化学セルの一例として、電気二重層キャパシタを例に挙げて説明したが、この場合に限定されず、非水電解液二次電池等でも適用可能である。
また、上記各実施形態では、正極活物質4及び負極活物質5の一例として、フェノール樹脂による活性炭とヤシガラによる活性炭とを組み合わせ活性炭を、導電性材料からなるバインダを利用して形成した場合を例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではない。
例えば、おが屑、椰子殻、ピッチ等を賦活処理して得られる粉末状活性炭を、適当なバインダと一緒にプレス成形又は圧延ロールしたものを電極活物質としても構わない。また、フェノール系、レーヨン系、アクリル系、ピッチ系等の繊維を、不融化及び炭化賦活処理して活性炭又は活性炭素繊維とし、これをフェルト状、繊維状、紙状又は焼結体状にしたものを電極活物質としても構わない。さらには、ポリアニリン(PAN)やポリアセン等も利用することが可能である。
また、非水電解液Wとしては、環状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類等が好適に用いられる。
具体的には、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、γ−ブチロラクトン(γBL)、2メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−エトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル、テトラヒドロフラン(THF)、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル、無水マレイン酸、スルホラン、3−メチルスルホラン等の非水溶媒及びこれらの誘導体や混合物等が好ましく用いられる。
また、非水電解液W中に存在する主な不純物としては、水分や、有機過酸化物(例えばグリコール類、アルコール類、カルボン酸類)等が挙げられる。この種の各不純物は、電極活物質の表面に絶縁性の被膜を形成し、界面抵抗を増大させるものと考えられる。従って、サイクル寿命や容量の低下に影響を与える恐れがある。また高温(60℃以上)貯蔵時の自己放電も増大する恐れがある。このようなことから、非水電解液Wにおいては不純物ができるだけ低減されることが好ましい。具体的には、水分は50ppm以下、有機過酸化物は1000ppm以下であることが好ましい。
また、上記第2実施形態及び第3実施形態において、ウエハを利用して一度に収納容器2を複数個製造することが好ましい。例えば、第2実施形態を例に挙げて説明すると、印刷工程(S30)の際に、図17に示すウエハUを準備する。このウエハUは、切断線L1、L2に沿って個片化されることでベース基板10となるものである。なお、切断線L1は、収納容器2の長辺方向に並ぶ切断線であり、切断線L2は短辺方向に並ぶ切断線である。
ウエハUを準備した後、このウエハUの上面にガラスペーストの印刷を行って、ガラスリング11を複数個形成する。なお、図17に示す符号Pは、ガラスペーストである。そして、引き続き第2実施形態で説明したように、載置工程(S31)、接合工程(S32)、メッキ層形成工程(S4)を行う。
そして、最後にウエハUを切断して複数の収納容器2に個片化する切断工程を行う。具体的には、波長が355nmのUVレーザ装置を準備し、レーザ出力、繰り返し周波数、走査速度を所定の値にセットする。続いて、UVレーザ装置からレーザ光を照射しながら図17に示す切断線L1、L2に沿って走査させ、表面近傍の内部にマイクロクラックを発生させる。続いて、ブレイク装置を利用して、切断線L1、L2に沿ってマイクロクラックが内部に発生しているウエハUを機械的に割断して個片化する。これにより、複数の収納容器2に小分けすることができ、一度に効率良く製造することができる。
従って、ウエハUを利用して製造することが好ましい。第3実施形態の場合も同様である。この場合には、ガラスウエハを用いれば良い。特に、上述したように、マイクロクラックを利用した割断を行うことで、切断代を“0”にすることが可能であるので、より多くの収納容器2を多数個取りすることができ、好ましい。但し、切断代として0.1mm程度を許容できる場合にはダイサーを用いた切断をすることも可能である。
W…非水電解液
1、20、30…電気化学セル(電気二重層キャパシタ)
2…収納容器
3…封口板
4…正極活物質
5…負極活物質
6…セパレータ
10…ベース基板
11…ガラスリング(ガラス枠)
11a…基礎ガラス枠
12…金属リング(金属枠)
13…ガラス層
13a…基礎ガラス層
14…メッキ層
15…酸化膜
S1、S40…ガラスリング接合工程(ガラス枠接合工程)
S2、S31、S42…載置工程
S3、S32、S42…接合工程
S4…メッキ層形成工程
S14…酸化膜形成工程
S30…印刷工程
S50…研磨工程

Claims (12)

  1. 封口板が溶接されることで内部が気密状態に封止される電気化学セル用の収納容器であって、
    ベース基板と、
    枠状に形成され、前記ベース基板の上面に接合されたガラス枠と、
    枠状に形成され、前記ガラス枠の上面に接合された金属枠と、
    該金属枠の上面に形成され、前記封口板を溶接させるメッキ層と、を備え、
    前記ガラス枠と前記金属枠とは、ガラスフリットを含んだガラスペーストの硬化により形成されたガラス層を介して接合されていることを特徴とする収納容器。
  2. 請求項1に記載の収納容器において、
    前記金属枠は、熱膨張係数が前記ガラス枠と略同一であることを特徴とする収納容器。
  3. 請求項1又は2に記載の収納容器において、
    前記ベース基板は、熱膨張係数が前記ガラス枠と略同一であることを特徴とする収納容器。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の収納容器において、
    前記金属枠の下面には、酸化膜が形成されていることを特徴とする収納容器。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の収納容器と、
    前記メッキ層を介して前記金属枠の上面に溶接され、前記収納容器の内部を気密状態に封止する封口板と、
    前記ベース基板上に接触した状態で前記収納容器の内部に収納された正極活物質と、
    前記封口板に接触した状態で前記収納容器の内部に収納された負極活物質と、
    前記正極活物質と前記負極活物質との間に配設されたセパレータと、
    前記収納容器の内部に充填され、前記正極活物質及び前記負極活物質を浸漬させる非水電解液と、を備えていることを特徴とする電気化学セル。
  6. 封口板が溶接されることで内部が気密状態に封止される電気化学セル用の収納容器を製造する方法であって、
    所定の厚みの枠状のガラス枠を形成すると共に、該ガラス枠をベース基板の上面に接合するガラス枠接合工程と、
    前記ガラス枠の上面にガラスフリットを含んだガラスペーストを塗布して基礎ガラス層を形成した後、該基礎ガラス層の上面に枠状に形成された金属枠を載置する載置工程と、
    前記基礎ガラス層を前記ガラスフリットが有するガラス転移点以上の温度で焼成して硬化させることでガラス層にすると共に、該ガラス層を介して前記ガラス枠と前記金属枠とを一体的に接合する接合工程と、
    接合した前記金属枠の上面に、前記封口板を溶接させるメッキ層を形成するメッキ層形成工程と、を行うことを特徴とする収納容器の製造方法。
  7. 封口板が溶接されることで内部が気密状態に封止される電気化学セル用の収納容器を製造する方法であって、
    ベース基板の上面にガラスフリットを含んだガラスペーストを所定の厚みに達するまで複数回印刷して基礎ガラス枠を形成すると共に、該基礎ガラス枠上に再度ガラスペーストを印刷して基礎ガラス層を形成する印刷工程と、
    前記基礎ガラス層の上面に枠状に形成された金属枠を載置する載置工程と、
    前記基礎ガラス枠及び前記基礎ガラス層を前記ガラスフリットが有するガラス転移点以上の温度で焼成して硬化させることでガラス枠及びガラス層にすると共に、ガラス枠を前記ベース基板に接合させ、且つ、ガラス層を介してガラス枠と前記金属枠とを一体的に接合する接合工程と、
    接合した前記金属枠の上面に、前記封口板を溶接させるメッキ層を形成するメッキ層形成工程と、を行うことを特徴とする収納容器の製造方法。
  8. 封口板が溶接されることで内部が気密状態に封止される電気化学セル用の収納容器を製造する方法であって、
    ベース基板の上面にガラスフリットを含んだガラスペーストを所定の厚みに達するまで複数回印刷して基礎ガラス枠を形成した後、該基礎ガラス枠をガラスフリットが有するガラス転移点以上の温度で焼成して硬化させることで前記ベース基板に接合されたガラス枠とするガラス枠接合工程と、
    前記ガラスフリットよりもガラス転移点の温度が低い低温度ガラスフリットを含んだ低温度ガラスペーストを前記ガラス枠の上面に印刷して基礎ガラス層を形成した後、該基礎ガラス層の上面に枠状に形成された金属枠を載置する載置工程と、
    前記基礎ガラス層を前記低温度ガラスフリットが有するガラス転移点から前記ガラスフリットが有するガラス転移点未満の温度範囲で焼成して硬化させることでガラス層にすると共に、ガラス層を介してガラス枠と前記金属枠とを一体的に接合する接合工程と、
    接合した前記金属枠の上面に、前記封口板を溶接させるメッキ層を形成するメッキ層形成工程と、を行うことを特徴とする収納容器の製造方法。
  9. 請求項8に記載の収納容器の製造方法において、
    前記ガラス枠接合工程と前記載置工程との間に、前記ガラス枠の上面を研磨して平坦化する研磨工程を行うことを特徴とする収納容器の製造方法。
  10. 請求項6から9のいずれか1項に記載の収納容器の製造方法において、
    前記金属枠として、熱膨張係数が前記ガラス枠と略同一の材料からなる金属枠を利用することを特徴とする収納容器の製造方法。
  11. 請求項6から10のいずれか1項に記載の収納容器の製造方法において、
    前記ベース基板として、熱膨張係数が前記ガラス枠と略同一の材料からなるベース基板を利用することを特徴とする収納容器の製造方法。
  12. 請求項6から11のいずれか1項に記載の収納容器の製造方法において、
    前記載置工程の際、前記金属膜の下面に酸化膜を形成する酸化膜形成工程を行うことを特徴とする収納容器の製造方法。
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