JP2010205168A - 位置決め装置 - Google Patents

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真一 斉藤
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Abstract

【課題】ユーザに繁雑な作業を強いることなく高い位置決め精度を実現することができ、モータの加速度を変えても位置決め精度の悪化を招くことがない位置決め装置を提供する。
【解決手段】位置決め装置1は、平面モータ10に駆動されてXY面内で移動可能なステージ20と、平面モータ10によるステージ20の駆動を制御するモータ制御装置30とを備えており、モータ制御装置30は、ステージ20が移動している状態における平面モータ10の電流推力特性に合わせた駆動電流C1〜C3を平面モータ10に供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、物体を所定位置に位置決めする位置決め装置に関する。
位置決め装置は、モータにより駆動されるステージ、ステージの位置や姿勢を測定する測定装置、及び測定装置の測定結果を参照しつつモータの駆動制御を行う制御装置を備えており、ステージ上に搭載された半導体ウェハ、半導体チップ、透明基板、その他の物体を所定位置に精確に位置決めする。この位置決め装置には、リニアモータにより駆動されて直線上においてステージが往復直線運動できるように構成されたものや、平面モータにより駆動されて平面内においてステージが自在に移動できるように構成されたものがある。
このような位置決め装置では、物体の位置決めを精確に行うために、制御装置によってモータに供給される駆動電流がフィードバック制御されるのが一般的である。以下の特許文献1には、X方向及びY方向に一定ピッチで歯が形成された格子プラテンと、格子プラテン上に浮揚した状態でXY平面内で移動可能に構成されたスライダ部とを有する平面モータを備えており、フィードバック制御によりXY平面内におけるスライダ部の位置決めを行う位置決め装置が開示されている。また、モータを制御する制御装置では、フィードバック制御とともにフィードフォワード制御が併用されることが多い。これは、例えばステージの加減速時に必要となる推力をフィードフォワード制御により補うことで位置決め精度の向上を図るためである。
特開2000−65970号公報
ところで、本出願の出願人は、モータの電流推力特性には、静的な電流推力特性と動的な電流推力特性とがあることを実験的、経験的に見出している。ここで、静的な電流推力特性とは、ステージが静止している状態におけるモータの電流推力特性である。これに対し、モータの動的な電流推力特性とは、実際の運用時のように、ステージが移動している状態におけるモータの電流推力特性である。位置決め装置に設けられる制御装置は、モータの静的な電流推力特性を用いて設計されるのが一般的であり、モータの動的な電流推力特性を用いて設計されることは殆ど無い。
図5は、モータの静的な電流推力特性及び動的な電流推力特性の一例を示す図である。尚、図5においては、モータに与える駆動電流を横軸にとり、モータで発生する推力を縦軸にとっている。図5において、符号R101を付した曲線がモータの静的な電流推力特性を示すグラフであり、符号R102を付した曲線がモータの動的な電流推力特性を示すグラフである。この図から、モータの静的な電流推力特性とモータの動的な電流推力特性には乖離があり、モータに対してある電流値を有する駆動電流を供給しても、ステージが高速に移動している状態で発生する推力は、ステージが低速で移動している状態で発生する推力よりも小さくなることが分かる。
従来、以上のモータの特性の違いに起因する推力の不足分は制御装置に設けられたフィードフォワード制御系によって補われており、必要となる位置決め精度は得られていた。しかしながら、モータの性能を向上させるためにモータでより多くの推力を発生させようとすると、従来のフィードフォワード制御系を用いても推力の不足分を補いきれず、位置決め精度が悪化するという問題が生じた。
ここで、モータで発生させるべき推力の変化分に合わせてフィードフォワード制御系の制御量(制御パラメータ)を変更すれば位置決め精度が改善すると考えられる。しかしながら、フィードフォワード制御系の制御量はユーザが個別に試行錯誤して調整する必要があるため、不足する推量を補い得るフィードフォワード制御系の制御量を決定するには多大な工数が必要になり、煩雑な作業がユーザに強いられるという問題がある。
また、多くの工数を費やして制御量を決定したとしても、フィードフォワード制御系の制御量の最適値はモータ(ステージ)の加速度に応じて異なる。このため、フィードフォワード制御系の制御量を決定する際の加速度とは異なる加速度でモータが駆動される場合には、位置決め精度の悪化を招くという問題がある。モータで生じ得るあらゆる加速度についての制御量を求めれば位置決め精度を維持できるとも考えられるが、工数が極めて膨大になるため現実的ではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ユーザに繁雑な作業を強いることなく高い位置決め精度を実現することができ、モータの加速度を変えても位置決め精度の悪化を招くことがない位置決め装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の位置決め装置は、モータ(10)に駆動されて少なくとも一方向に移動可能なステージ(20)と、前記モータによる前記ステージの駆動を制御する制御装置(30)とを備える位置決め装置(1)において、前記制御装置は、前記ステージが移動している状態における前記モータの電流推力特性に合わせた駆動電流(C1〜C3、CD)を前記モータに供給することを特徴としている。
この発明によると、ステージが移動している状態におけるモータの電流推力特性に合わせた駆動電流が制御装置からモータに対して供給される。
また、本発明の位置決め装置は、前記制御装置が、前記ステージが静止している状態において所定の推力を前記モータで発生させるために必要な駆動電流(CS)を、前記ステージが移動している状態において前記所定の推力を前記モータで発生させるために必要な駆動電流(CD)に補正する補正部(50)を備えることを特徴としている。
また、本発明の位置決め装置は、前記補正部が、前記ステージの移動を妨げるように前記モータで作用する電流(I)と前記制御装置による前記モータの制御遅れ(θ)とを考慮して、前記駆動電流の補正を行うことを特徴としている。
また、本発明の位置決め装置は、前記ステージの移動を妨げるように前記モータで作用する電流が、前記ステージの速度に依存する第1電流(Ib1)と、前記モータに供給される前記駆動電流の大きさに依存する第2電流(Ib2)とを含むことを特徴としている。
また、本発明の位置決め装置は、前記第1電流が、前記ステージの速度の二次関数で表される電流であり、前記第2電流が、前記モータに供給される前記駆動電流の大きさに比例する電流であることを特徴としている。
また、本発明の位置決め装置は、前記制御装置が、前記ステージが静止している状態において所定の推力を前記モータで発生させるために必要な駆動電流を、フィードバック制御及びフィードフォワード制御により生成することを特徴としている。
本発明によれば、ステージが移動している状態におけるモータの電流推力特性に合わせた駆動電流を制御装置からモータに対して供給しているため、高い位置決め精度を実現することができ、モータの加速度を変えても位置決め精度の悪化を招くことがないという効果がある。ここで、ステージが静止している状態において所定の推力をモータで発生させるために必要な駆動電流を、ステージが移動している状態において同様の所定の推力をモータで発生させるために必要な駆動電流に補正する補正部を設けることで、ユーザに繁雑な作業を強いることなく高い位置決め精度等を実現することができるという効果がある。
本発明の一実施形態による位置決め装置の基本構成を示す斜視図である。 モータ制御装置30の要部構成を示すブロック図である。 位置決め装置1が備えるモータ制御装置30に現れる信号波形を示す図である。 位置決め装置1が備えるモータ制御装置30に現れる信号波形を示す図である。 モータの静的な電流推力特性及び動的な電流推力特性の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による位置決め装置について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による位置決め装置の基本構成を示す斜視図である。図1に示す通り、位置決め装置1は、平面モータ10(モータ)、ステージ20、及びモータ制御装置30(制御装置)とを備えており、モータ制御装置30が平面モータ10を制御してステージ20の位置決めを行う。
尚、以下の説明においては、必要であれば図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。但し、説明の便宜のため、各図に示すXYZ直交座標系の原点は固定せずに、各図毎にその位置を適宜変更するものとする。図1に示すXYZ直交座標系は、X軸及びY軸が水平面に平行な面に含まれるよう設定され、Z軸が鉛直方向に沿う方向に設定されている。
平面モータ10は、固定子としての格子プラテン11と可動子としてのスライダ部12とを備えており、XY面に平行な面内でステージ20を駆動する。格子プラテン11は、X方向及びY方向に沿って一定ピッチで歯Te(突極)が配列形成された面を有する平板状の部材であり、歯Teが配列形成された面を上側(+Z方向)に向けて水平に固定配置されている。尚、図1では、図示を簡略化するために、格子プラテン11に配列形成された歯Teの一部のみを図示している。この格子プラテン11は、例えば磁性体の平坦面に格子状に溝を切ることによって形成される。
格子プラテン11の上面には、−X側の端部にX軸に直交してY方向に延びる反射面を有するX軸ミラー13が固定配置されており、+Y側の端部にY軸に直交してX方向に延びる反射面を有するY軸ミラー14が固定配置されている。これらX軸ミラー13及びY軸ミラー14は、所定の高さを有しており(Z方向の幅が所定の幅であり)、格子プラテン11上におけるスライダ部12の位置(X方向の位置、Y方向の位置)及び姿勢(Z軸周りの回転角)の測定のために設けられる。
スライダ部12は、格子プラテン11上においてXY面に平行な面内で移動可能に構成されており、モータ制御装置30の制御の下でXY面内で移動され、所定の位置に位置決めされる。このスライダ部12は、格子プラテン11に対面する裏面にノズル(図示省略)が形成されており、このノズルから格子プラテン11に向けて圧縮空気を噴射することによってスライダ部12上に浮揚する。ステージ20はスライダ部12の上面に固定されており、例えば半導体デバイスが形成されたウェハや封止された半導体素子等のターゲット(図示省略)がその上面に搭載される。
ステージ20の上面には、X軸センサ15,16及びY軸センサ17が固定配置されている。X軸センサ15,16は、Y方向に所定の距離だけ離間してステージ20の−X側の端部に固定配置されおり、X軸ミラー13にレーザ光L1,L2を照射して得られる反射光をそれぞれ受光することで、X軸ミラー13までの距離を測定する。Y軸センサ17は、ステージ20の略中央部或いは+Y端部に固定配置されており、Y軸ミラー14にレーザ光L3を照射して得られる反射光を受光することで、Y軸ミラー14までの距離を測定する。尚、X軸センサ15,16及びY軸センサ17としてレーザ干渉計を用いることができる。
モータ制御装置30は、X軸センサ15,16及びY軸センサ17の測定結果を示す測定信号P1〜P3を参照しつつ駆動電流C1〜C3を出力して、格子プラテン11上におけるスライダ部12(ステージ20)の移動制御及び位置決め制御を行う。具体的には、X軸センサ15,16の測定信号P1,P2からスライダ部12のX方向の位置及びZ軸周りの回転角を求めるとともに、Y軸センサ17の測定信号P3からスライダ部12のY方向の位置を求めて、スライダ部12のXY面内における位置及び姿勢を制御するための駆動電流C1〜C3を出力する。
尚、駆動電流C1,C2はX方向の推力を発生させるためにスライダ部12に設けられた2つのX推力発生部(図示省略)の各々に供給される駆動電流であり、駆動電流C3はY方向の推力を発生させるためにスライダ部12に設けられた2つのY推力発生部(図示省略)に対して共通に供給される駆動電流である。駆動電流C1,C2の電流値を同じにすることでスライダ部12をX方向に並進させることができ、駆動電流C3を出力することでスライダ部12をY方向に並進させることができる。また、駆動電流C1,C2の電流値を異ならせることでスライダ部12をZ軸の周りで回転させることができる。
ここで、平面モータ10の電流推力特性には、静的な電流推力特性と動的な電流推力特性とがある。静的な電流推力特性とは、ステージ20が静止している状態における平面モータ10の電流推力特性である。これに対し、動的な電流推力特性とは、実際の運用時のように、ステージ20が移動している状態における平面モータ10の電流推力特性である。モータ制御装置30は、平面モータ10の動的な電流推力特性に合わせた駆動電流C1〜C3を平面モータ10に供給する。
図2は、モータ制御装置30の要部構成を示すブロック図である。図2に示す通り、モータ制御装置30は、指令信号発生部31とサーボドライバ32とを備えており、センサ33の測定信号Pを参照しつつ平面モータ10に対して駆動電流CDを出力する。尚、図2では、図示を簡略化するために、ステージ20上に設けられたX軸センサ15,16及びY軸センサ17をまとめてセンサ33とし、X軸センサ15,16及びY軸センサ17の測定信号P1〜P3をまとめて測定信号Pとしている。また、モータ制御装置30から出力される駆動電流C1〜C3をまとめて駆動電流CDとしている。
指令信号発生部31は、XY平面内におけるステージ20の目標位置及び目標姿勢(格子プラテン11上におけるスライダ部12の目標位置及び目標姿勢)を示す位置指令信号S1を出力する。具体的に、位置指令信号S1には、ステージ20のX方向の目標位置を示す信号、Y方向の目標位置を示す信号、及びZ軸周りの目標回転角を示す信号が含まれる。
サーボドライバ32は、減算器41、位置制御部42、減算器43、速度制御部44、フィードフォワード制御部45、加算器46、補償部47、加算器48、電流変換部49、電流補正部50(補正部)、及び速度変換部51を備える。そして、指令信号発生部31から出力される位置指令信号S1に基づいて平面モータ10を駆動する駆動電流CDを生成する。尚、この駆動信号CDは、平面モータ10の動的な電流推力特性に合わせたものである。
以上の構成によって、サーボドライバ31は平面モータ10を駆動してX方向及びY方向にステージ20を移動させることができるとともに、ステージ20をZ軸周りの回転方向に回転させることができる。以下では説明を簡単にするために、ステージ20をY方向に駆動する構成を例に挙げて詳細に説明し、ステージ20をX方向に駆動する構成及びZ軸周りの回転方向に駆動する構成についての詳細な説明は省略する。
減算器41は、指令信号発生部31から出力される位置指令信号S1(Y方向の目標位置を示す信号)とセンサ33から出力される測定信号P(ステージ20のY方向の位置を示す信号)との差分を算出して位置誤差信号S2として出力する。位置制御部42は、減算器41から出力される位置誤差信号S2に基づいて、ステージ20のXY面内における位置制御を行う。具体的には、減算器41で求められた位置誤差信号S2を零にし得る速度制御信号を出力する。減算器43は、位置制御部42から出力される速度制御信号と速度変換部51から出力される速度信号V(ステージ20のY方向の速度を示す信号)の差分を算出して速度誤差信号として出力する。
速度制御部44は、減算器43から出力される速度誤差信号を零にし得る推力指令信号S3を出力する。フィードフォワード制御部45は、指令信号発生部31から出力される位置指令信号S1を二階微分して、ステージ20の加減速時に必要となる推力(ステージ20をY方向に加減速させる時に必要となる推力)をフィードフォワード制御により補うための推力信号S4を出力する。加算器46は、速度制御部44から出力される推力指令信号S3に対し、フィードフォワード制御部45から出力される推力信号S4を加算して出力する。
補償部47は、平面モータ10で生ずるコギング及び推力リップル(ステージ20をY方向に移動させた場合に生ずるコギング及び推力リップル)を補償し得る推力を発生させるための推力補償信号を出力する。ここで、推力リップルとは平面モータ10の格子プラテン11に対するスライダ部12の位置に依存した推力の周期的な変動をいい、コギングとは平面モータ10の格子プラテン11に対するスライダ部12の位置に依存した磁気的吸引力の周期的な変動をいう。
このように、平面モータ10で生ずるコギング及び推力リップルは、格子プラテン11に対するステージ20の位置に応じて変動する。このため、補償部47から出力される推力補償信号は、センサ33から出力される測定信号P(ステージ20のY方向の位置)に応じて大きさが変動する信号である。加算器48は、加算器46から出力される推力指令信号に対し、補償部47から出力される推力補償信号を加算して出力する。
電流変換部49は、加算器48から出力される推力指令信号を、平面モータ10に供給すべき駆動電流CSに変換する。ここで、減算器41〜電流変換部49及び速度変換部51によって生成される駆動電流CSは、平面モータ10の静的な電流推力特性に合わせたものである。つまり、本実施形態では、平面モータ10の静的な電流推力特性に合わせた駆動電流CSがサーボドライバ32におけるフィードバック制御及びフィードフォワード制御により作成されている。
電流補正部50は、電流変換部49から出力される駆動電流CS(平面モータ10の静的な電流推力特性に合わせた駆動電流)を、駆動電流CD(平面モータ10の動的な電流推力特性に合わせた駆動電流)に補正する。具体的には、ステージ20の移動を妨げるように平面モータ10で作用する電流(ブレーキ力として作用する電流)と、サーボドライバ32による平面モータ20の制御遅れ(転流の位相遅れ)とを考慮して補正する。
ここで、本出願の出願人は、平面モータ20の動的な電流推力特性を示すグラフの横軸(駆動電流の大きさを示す軸:図5参照)を以下の(1)式に示す通りに変換すると、平面モータ20の動的な電流推力特性を静的な電流推力特性にほぼ一致させることができることを実験的に見出している。
Figure 2010205168
但し、上記(1)式中のIは、平面モータ10でブレーキ力として作用する電流であり、θは転流の位相遅れである。
また、平面モータ10でブレーキ力として作用する電流Iは、以下の(2)式に示す通り、ステージ20(スライダ部12)の速度に依存する電流Ib1(第1電流)と、平面モータ10に供給される駆動電流の大きさに依存する電流Ib2(第2電流)との和で表される。
Figure 2010205168
ここで、本出願の出願人は、以下の(3)式に示す通り、上記のステージ20(スライダ部12)の速度に依存する電流Ib1がステージ20(スライダ部12)の速度の二次関数で表される電流に近似することができ、平面モータ10に供給される駆動電流の大きさに依存する電流Ib2が駆動電流の大きさに比例する電流として表すことができることを見出している。尚、以下の(3)式中の変数vはステージ20(スライダ部12)の速度であり、k11,k12,kは定数である。
Figure 2010205168
いま、平面モータ10によって生ずる推力をF、平面モータ10の静的な電流推力特性を示す関数(電流に対する推力を示す関数)をfとする。また、電流変換部49から出力される駆動電流CSをIとし、電流補正部50から出力される駆動電流CDをI′とする。すると、平面モータ10で生ずる推力Fは、駆動電流CD(I′)を用いて以下の(4)式で表すことができる。
Figure 2010205168
以上の(4)式を変形すると以下の(5)式になる。電流補正部50は、以下の(5)式を用いて、電流変換部49から出力される駆動電流CS(I)を駆動電流CD(I′)に補正する。ここで、定数k11,k12,k及び転流の位相遅れθは予めユーザによって決定又は測定されて電流補正部50に設定される。尚、以下の(5)式中のf−1は、平面モータ10の静的な電流推力特性を示す関数fの逆関数(推力に対する電流を示す関数)である。
Figure 2010205168
速度変換部51は、センサ33から出力される測定信号P(ステージ20のY方向の位置を示す信号)を微分して速度信号V(ステージ20のY方向の速度を示す信号)に変換する。尚、上記の(5)式に示す通り、電流変換部49から出力される駆動電流CS(I)を駆動電流CD(I′)に補正するためにステージ20(スライダ部12)の速度vが必要であるため、速度変換部51からの速度信号Vが電流補正部50に入力されている。
次に、以上の構成の位置決め装置1の動作について簡単に説明する。尚、以下においても説明を簡単にするために、ステージ20をY方向に移動させる場合の動作について説明する。指令信号発生部31から位置指令信号S1(Y方向の目標位置を示す信号)が出力されると、サーボドライバ32の減算器41及びフィードフォワード制御部45に入力される。
減算器41に入力された位置指令信号S1は、センサ33から出力される測定信号P(ステージ20のY方向の位置を示す信号)との差分が算出され、その差分を示す信号が位置誤差信号S2として出力される。この位置差分信号S2は位置制御部42に入力され、位置誤差信号S2を零にし得る速度制御信号が生成されて出力される。位置制御部42から出力された速度制御信号は減算器43に入力され、速度変換部51から出力される速度信号V(ステージ20のY方向の速度を示す信号)との差分が算出され、その差分を示す信号が速度誤差信号として出力される。減算器43から出力された速度誤差信号は速度制御部44に入力され、速度誤差信号を零にし得る推力指令信号S3が出力される。
また、フィードフォワード制御部45に入力された位置指令信号S1は二階微分された後に、ステージ20の加減速時に必要となる推力(ステージ20をY方向に加減速させる時に必要となる推力)をフィードフォワード制御により補うための推力信号S4を生成するために用いられる。速度制御部44から出力された推力指令信号S3及びフィードフォワード制御部45で生成された推力信号S4は加算器46に入力され、推力指令信号S3に対して推力信号S4が加算されて出力される。
加算器46から出力された推力指令指令信号は、加算器48において補償部47から出力される推力補償信号が加算された後に電流変換部49に入力されて、平面モータ10に供給すべき駆動電流CSに変換される。電流変換部49で変換された駆動電流CSは電流補正部50に入力され、前述した(5)式を用いて駆動電流CDに補正される。具体的には、駆動電流CSで示される電流値及び速度変換部51から出力される速度信号Vで示される速度がそれぞれI,vとして(5)式に代入され、平面モータ10の動的な電流推力特性に合わせた駆動電流CD(I′)に補正される。
電流補正部50から出力された駆動電流CDは平面モータ10に入力され、平面モータ10が駆動される。具体的には、指令信号発生部31から出力される位置指令信号S1で示される距離だけスライダ部12が格子プラテン11上において移動(Y方向に移動)し、これによりステージ20の位置決めが行われる。尚、ステージ20の位置(Y方向の位置)は常時センサ33によって測定されており、センサ33の測定結果が測定信号Pとしてサーボドライバ32にフィードバックされてフィードバック制御が行われる。
図3,図4は、位置決め装置1が備えるモータ制御装置30に現れる信号波形を示す図であって、(a)は電流補正部50を設けた場合にモータ制御装置30に現れる信号波形を示す図であり、(b)は電流補正部50を設けない場合にモータ制御装置30に現れる信号波形を示す図である。尚、図3と図4とは、ステージ20の加減速時の加速度を異なる値に設定している。
まず、サーボドライバ32に電流補正部50を設けてステージ20を緩やかに加速・減速した場合には、図3(a)に示す通り、速度信号Vは、緩やかに上昇した後で所定の間一定の値になってから緩やかに下降する変化を示す。このとき、減算器41から出力される位置誤差信号S2及び速度制御部44から出力される速度指令信号S3は、速度の上昇開始時、及び速度の下降終了時に値が僅かながら大きくなっているものの、全体的にさほど値は大きくならないことが分かる。
これに対し、サーボドライバ32に電流補正部50を設けずにステージ20を緩やかに加速・減速した場合には、図3(b)に示す通り、速度信号Vは、図3(a)に示す速度信号Vと同様の変化を示す。しかしながら、減算器41から出力される位置誤差信号S2及び速度制御部44から出力される速度指令信号S3は、速度の上昇開始時、及び速度の下降終了時に値が大きく変化し、波形も図3(a)に示すものに比べて乱れていることが分かる。
次に、サーボドライバ32に電流補正部50を設けてステージ20を急激に加速・減速した場合には、図4(a)に示す通り、速度信号Vは、図3に示すものよりも急激に上昇した後で所定の間一定の値になってから、図3に示すものよりも急激に下降する変化を示す。このとき、減算器41から出力される位置誤差信号S2及び速度制御部44から出力される速度指令信号S3は、図3(a)に示すものからの悪化が小さく、高加速度化による位置偏差の悪化を軽減できることが分かる。
これに対し、サーボドライバ32に電流補正部50を設けずにステージ20を急激に加速・減速した場合には、図4(b)に示す通り、速度信号Vは、図4(a)に示す速度信号Vと同様の変化を示す。しかしながら、減算器41から出力される位置誤差信号S2及び速度制御部44から出力される速度指令信号S3が共に大きく乱れていることが分かる。特に、加速終了後における位置誤差信号S2及び速度指令信号S3が共に急激な変化を示しているのが分かる。
以上の通り、サーボドライバ32に電流補正部50を設けない場合には、静的な電流推力特性に合わせた駆動電流CSによって平面モータ20が駆動されるため、図3(b)に示す通り、位置誤差信号S2等の値が大きく変化する。しかも、加速度を高く設定した場合には、図4(b)に示す通り、位置誤差信号S2等の値が急激に変化して信号波形が大きく乱れてしまう。この結果として、高い位置決め精度は得ることは困難であった。
これに対し、サーボドライバ32に電流補正部50を設けることで、動的な電流推力特性に合わせた駆動電流CSによって平面モータ20が駆動されるため、図3(a)に示す通り、位置誤差信号S2等の値が大きく変化することはない。また、加速度を高く設定した場合であっても、図4(a)に示す通り、位置誤差信号S2等の値が大きく変化することはない。以上から、本実施形態では、フィードフォワード制御部45の制御量(制御パラメータ)を変更するという煩雑な作業をユーザに強いることなく高い位置決め精度を実現することができ、しかも加速度を変えても位置決め精度の悪化を招くことはない。
以上、本発明の一実施形態による位置決め装置について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、以上説明した実施形態では、平面モータ10によってステージ20のXY平面における位置決めを行う位置決め装置を例に挙げて説明したが、本発明は、リニアモータ等の平面モータ以外の各種モータを備えており、直線上におけるステージの位置決めを行う位置決め装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、モータ制御装置30の構成を大幅に変更すること無く、平面モータ20の動的な電流推力特性に合わせた駆動電流CSを得るために電流補正部50を設けている。勿論、モータ制御装置30の構成を大幅に変更しても良い場合には、電流補正部50を設けることなく平面モータ20の動的な電流推力特性に合わせた駆動電流CSを出力するモータ制御装置30を新たに設計することも可能である。
また、以上説明した実施形態では、X軸センサ15,16及びY軸センサ17がステージ20上に固定されていたが、これらX軸センサ15,16及びY軸センサ17はステージ20の外部に配置されていてもよい。かかる配置の場合には、ステージ20上に反射ミラーを設け、この反射ミラーにレーザ光を照射することでステージ20の位置を測定することになる。
1 位置決め装置
10 平面モータ
20 ステージ
30 モータ制御装置
50 電流補正部
C1〜C3 駆動電流
CD 駆動電流
CS 駆動電流

Claims (6)

  1. モータに駆動されて少なくとも一方向に移動可能なステージと、前記モータによる前記ステージの駆動を制御する制御装置とを備える位置決め装置において、
    前記制御装置は、前記ステージが移動している状態における前記モータの電流推力特性に合わせた駆動電流を前記モータに供給することを特徴とする位置決め装置。
  2. 前記制御装置は、前記ステージが静止している状態において所定の推力を前記モータで発生させるために必要な駆動電流を、前記ステージが移動している状態において前記所定の推力を前記モータで発生させるために必要な駆動電流に補正する補正部を備えることを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
  3. 前記補正部は、前記ステージの移動を妨げるように前記モータで作用する電流と前記制御装置による前記モータの制御遅れとを考慮して、前記駆動電流の補正を行うことを特徴とする請求項2記載の位置決め装置。
  4. 前記ステージの移動を妨げるように前記モータで作用する電流は、前記ステージの速度に依存する第1電流と、前記モータに供給される前記駆動電流の大きさに依存する第2電流とを含むことを特徴とする請求項3記載の位置決め装置。
  5. 前記第1電流は、前記ステージの速度の二次関数で表される電流であり、
    前記第2電流は、前記モータに供給される前記駆動電流の大きさに比例する電流である
    ことを特徴とする請求項4記載の位置決め装置。
  6. 前記制御装置は、前記ステージが静止している状態において所定の推力を前記モータで発生させるために必要な駆動電流を、フィードバック制御及びフィードフォワード制御により生成することを特徴とする請求項2から請求項5の何れか一項に記載の位置決め装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014096038A (ja) * 2012-11-09 2014-05-22 Horiba Ltd 干渉計、分光分析装置及び干渉計の制御プログラム

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