JP2010203779A - 検査用マイクロチップ - Google Patents
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Abstract
【課題】液体検出センサを必要とすることなく送液を所望箇所で自動的に停止させることのできる検査用マイクロチップを得る。
【解決手段】基板2に微細流路42a〜42eを形成するとともにマイクロポンプ10を搭載した検査用マイクロチップ。基板2にはマイクロポンプ10に駆動液を供給するタンク5が設けられ、該タンク5内の駆動液は検査で必要とする試薬や検体の送液量に対応した量が充填されている。従って、マイクロポンプ10がタンク5内の駆動液を充填量だけ送液すると、送液が停止される。
【選択図】図1
【解決手段】基板2に微細流路42a〜42eを形成するとともにマイクロポンプ10を搭載した検査用マイクロチップ。基板2にはマイクロポンプ10に駆動液を供給するタンク5が設けられ、該タンク5内の駆動液は検査で必要とする試薬や検体の送液量に対応した量が充填されている。従って、マイクロポンプ10がタンク5内の駆動液を充填量だけ送液すると、送液が停止される。
【選択図】図1
Description
本発明は、検査用マイクロチップ、特に、基板に微細流路を形成するとともにマイクロポンプを搭載した検査用マイクロチップに関する。
近年、バイオ検査や化学分析、創薬などの分野においては、マイクロ流体システムが少量の試薬や検体を用いて検査作業が可能である点で注目されている。マイクロ流体システムとは、シリコンやガラスなどの材料に微細流路を形成し、電鋳により型取りを行い、検査用マイクロチップを成形機で成形加工する。微細流路の途中に設けた複数の凹所に予め検体や試薬を挿入し、マイクロポンプで駆動液を毎秒700ナノリットルという微量で微細流路に取り込むことで、試薬と検体を送液しつつ混合して反応させ、センサで計測する。従来、広いスペースの実験室で行っていた反応検査を、50×70mm程度のマイクロチップ上で行うことができる。このような検査においては、検出部や反応部に液体を停止させる必要がある場合が多い。
特許文献1には、マイクロポンプをチップに一体化した試料処理チップについて開示している。但し、送液量をコントロールすることには触れていない。この試料処理チップで反応部や検出部で送液を停止させる必要がある場合は、チップに液体検出センサを設ける必要があり、これではチップが大型化する。
また、特許文献2には、マイクロポンプをチップに一体化した試験システムについて開示している。この試験システムでは送液の停止のために液体検出センサを用いているが、チップの大型化を来すことになる。
そこで、本発明の目的は、液体検出センサを必要とすることなく送液を所望箇所で自動的に停止させることのできる検査用マイクロチップを提供することにある。
以上の目的を達成するため、本発明の一形態である検査用マイクロチップは、
基板に微細流路を形成するとともにマイクロポンプを搭載した検査用マイクロチップにおいて、
前記基板に前記マイクロポンプに駆動液を供給するタンクが一体的に又は別体として設けられており、
前記タンク内の駆動液は検査で必要とする試薬や検体の送液量に対応した量が充填されていること、
を特徴とする。
基板に微細流路を形成するとともにマイクロポンプを搭載した検査用マイクロチップにおいて、
前記基板に前記マイクロポンプに駆動液を供給するタンクが一体的に又は別体として設けられており、
前記タンク内の駆動液は検査で必要とする試薬や検体の送液量に対応した量が充填されていること、
を特徴とする。
本発明によれば、タンク内には駆動液が検査で必要とする試薬や検体の送液量に対応した量が充填されているため、マイクロポンプがタンク内の駆動液を充填量だけ送液すると、送液が停止される。これにて、液体検出センサを必要とすることなく送液を所望箇所で自動的に停止させることができる。
以下、本発明に係る検査用マイクロチップの実施例について、添付図面を参照して説明する。なお、各図において同じ部材、部分には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
(第1実施例、図1〜図3参照)
図1に本発明の第1実施例である検査用マイクロチップ1Aを示す。この検査用マイクロチップ1Aは、シリコン基板2の表面に、図1の左側から、タンク5、マイクロポンプ10、試薬注入口41a,41b、検体注入口41c、微細流路42a,42b,42c、微細流路42a,42bが合流した微細流路42d、微細流路42c,42dが合流した微細流路42e、検出部43、検出部43から延在する大気連通口44が形成されている。
図1に本発明の第1実施例である検査用マイクロチップ1Aを示す。この検査用マイクロチップ1Aは、シリコン基板2の表面に、図1の左側から、タンク5、マイクロポンプ10、試薬注入口41a,41b、検体注入口41c、微細流路42a,42b,42c、微細流路42a,42bが合流した微細流路42d、微細流路42c,42dが合流した微細流路42e、検出部43、検出部43から延在する大気連通口44が形成されている。
流路42a,42b,42cには従来周知の流量検出センサ51が設けられている。流路42dには、混合された試薬と検体を反応させるための反応領域45a,45b,45c,45dが形成されている。
なお、このシリコン基板2の表面はガラス基板11(図2(B)参照)によって覆われるが、図1ではガラス基板11の図示は省略されている。
試薬は予め必要なものが充填されている場合が多い。検査作業者は、所定量の検体を注入口41cに充填してチップ1Aを図示しない検査装置にセットする。検査装置はセットされたチップ1Aのマイクロポンプ10に送液の指令を送り、タンク5に充填されている駆動液を送液する。マイクロポンプ10から送液された駆動液は下流側に配置されている試薬や検体を微細流路42a,42b,42cに押し出し、合流した試薬と検体が反応領域45a〜45dで反応し、検出部43にて反応の結果が検出される。
マイクロポンプ10は、シリコン基板2に一体的に形成されたもので、図2及び図3に示すように、チャンバ21、絞り流路22,23、導入部24を有し、チャンバ21の裏面に設けた圧電素子29を駆動することによって毎秒700ナノリットル程度の駆動液(水)を一定の周期で送液する。
マイクロポンプ10の動作原理に関して図5及び図6を参照して説明する。マイクロポンプ10は、ガラス基板11とシリコン基板2とを接合して構成されている。基板2にはエッチングによってチャンバ21、絞り流路22,23が形成されている。絞り流路22は絞り流路23よりも流路長が短い。チャンバ21の裏面にはアクチュエータとしての圧電素子29が貼り付けられており、チャンバ21を構成する薄膜部分がダイヤフラムとして機能する。
具体的な寸法の一例を示すと、シリコン基板2の厚さは200μm、チャンバ21を構成する薄膜ダイヤフラムの厚さは30μm、絞り流路22,23の隙間は25μmである。
このマイクロポンプ10は、概念的には、チャンバ21の両端部にそれぞれ流路抵抗が差圧に応じて変化する絞り流路22,23を有し、絞り流路22の流路抵抗の変化の割合は絞り流路23の流路抵抗の変化の割合よりも大きく、圧電素子29によってチャンバ21内の液体を加圧する時間が減圧する時間よりも短い第1のパターンで繰り返して加圧、減圧することによって液体を絞り流路22から絞り流路23に向かって送液する(順方向送液、図5参照)。また、圧電素子29によってチャンバ21内の液体を加圧する時間が減圧する時間よりも長い第2のパターンで繰り返して加圧、減圧することによって液体を絞り流路23から絞り流路22に向かって送液する(逆方向送液、図6参照)。
具体的には、図5は順方向の送液状態(第1のパターン)を示し、(A)に示す波形の電圧を圧電素子29に印加することにより、チャンバ21内の液体を速く加圧すると、絞り流路22では乱流が発生して流路抵抗が大きくなり、液体はチャンバ21から絞り流路23を通じて排出される。そして、チャンバ21内の液体を遅く減圧することにより、流路抵抗が小さい絞り流路22を通じて液体がチャンバ21内に導入される。
図6は逆方向の送液状態(第2のパターン)を示し、(A)に示す波形の電圧を圧電素子29に印加することにより、チャンバ21内の液体を遅く加圧すると、流路抵抗が小さい絞り流路22を通じて液体がチャンバ21から排出される。そして、チャンバ21内の液体を速く減圧することにより、絞り流路22では乱流が発生して流路抵抗が大きくなり、液体は絞り流路23を通じてチャンバ21内に導入される。
以上のごとく、絞り流路22,23の流路抵抗の差圧に応じて動作するダイヤフラム型のマイクロポンプ10は、図2に示すように、ポンプ10に駆動液が全体的に充填されている場合にのみ送液が可能である。タンク5内の駆動液が全て送り出されると、空気がチャンバ21に入り込み(図3参照)、これにて送液が自動的に停止する。なお、図2及び図3において、駆動液が充填されている部分をクロスのハッチングで示している。
そこで、本第1実施例では、タンク5内に検査で必要とする試薬や検体の送液量に対応した量の駆動液を充填することとした。検査で必要とする試薬や検体の送液量とは、注入口41a,41bに注入された試薬や注入口41cに注入された検体を流路42a〜42eを通じて検出部43まで搬送するのに必要な量を意味し、この送液量は流路42a〜42eの容積に基づいて計算で求められる。
このように、試薬や検体が検出部43に到達するのに必要な量の駆動液をタンク5に充填しておくことにより、マイクロポンプ10がタンク5内の駆動液を充填量だけ送液すると、送液が停止される。勿論、それぞれのタンク5から供給される駆動液の量は流路長に応じて異なっており、流路長に対応した量の駆動液がそれぞれのタンク5に充填されている。これにて、送液を必要な箇所で自動的に停止させることができる。送液の停止のために液体検出センサを必要とすることがなく、チップ1Aの大型化を避け、コストダウンを図ることができる。
また、タンク5の容量は検査で必要とする試薬や検体の送液量と同じであってもよい。この場合、タンク5には駆動液を満杯に充填すればよく、計量する必要がないので作業性が良好である。
(第2実施例、図4参照)
図4に本発明の第2実施例である検査用マイクロチップ1Bを示す。この検査用マイクロチップ1Bは、前記第1実施例で示した一体型のタンク5に代えて、基板2とは別体に形成したタンク6を基板2上に搭載したものである。本第2実施例における他の構成は第1実施例と同様であり、その作用効果も第1実施例と同様である。
図4に本発明の第2実施例である検査用マイクロチップ1Bを示す。この検査用マイクロチップ1Bは、前記第1実施例で示した一体型のタンク5に代えて、基板2とは別体に形成したタンク6を基板2上に搭載したものである。本第2実施例における他の構成は第1実施例と同様であり、その作用効果も第1実施例と同様である。
(他の実施例)
なお、本発明に係る検査用マイクロチップは前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更できることは勿論である。
なお、本発明に係る検査用マイクロチップは前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更できることは勿論である。
特に、検査用マイクロチップの微細流路の細部の形状、試薬や検体の注入口の配置、検出部の配置などは任意である。また、マイクロポンプの細部の構造、形状は任意であり、駆動液のエンプティによって送液が自動的に停止されるものであれば、必ずしも圧電素子を駆動源とするものである必要はない。
以上のように、本発明は、検査用マイクロチップに有用であり、特に、液体検出センサを必要とすることなく送液を所望箇所で自動的に停止させることができる点で優れている。
1A,1B…検査用マイクロチップ
2…シリコン基板
5,6…タンク
10…マイクロポンプ
11…ガラス基板
21…チャンバ
22,23…絞り流路
42a〜42e…微細流路
2…シリコン基板
5,6…タンク
10…マイクロポンプ
11…ガラス基板
21…チャンバ
22,23…絞り流路
42a〜42e…微細流路
Claims (4)
- 基板に微細流路を形成するとともにマイクロポンプを搭載した検査用マイクロチップにおいて、
前記基板に前記マイクロポンプに駆動液を供給するタンクが一体的に又は別体として設けられており、
前記タンク内の駆動液は検査で必要とする試薬や検体の送液量に対応した量が充填されていること、
を特徴とする検査用マイクロチップ。 - 前記マイクロポンプは、ダイヤフラムによって駆動されるチャンバを有し、該チャンバに気体が入ることで送液が停止すること、を特徴とする請求項1に記載の検査用マイクロチップ。
- 前記タンクの容量は検査で必要とする試薬や検体の送液量と同じであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検査用マイクロチップ。
- 複数のマイクロポンプに対応して複数のタンクが設けられており、それぞれのタンクには送液すべき流路長に対応した量の駆動液が充填されていること、を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検査用マイクロチップ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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2009
- 2009-02-27 JP JP2009046400A patent/JP2010203779A/ja active Pending
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