JP2010203315A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機関始動時において、収容室の内壁へのベーンの衝突を緩和する。
【解決手段】クランクシャフトの回転方向に対して反対方向にカムシャフト12が相対回転するときには、バルブタイミング可変機構20のベーン24は、進角側油圧室26が縮小する方向である遅角側に変位する。また、機関停止要求時には、収容室25内におけるベーン24の変位がロック機構30により最遅角状態で規制される。そして、機関始動時には、ベーン24が規制状態に移行したか否かが判定され、ベーン24が規制状態に移行していない旨判定されたときには、進角側油圧室26及び遅角側油圧室27からの作動油の排出を停止する、または、進角側油圧室26に作動油を供給するとともに遅角側油圧室27から作動油を排出することにより、進角側油圧室26が縮小する方向(遅角側)へのベーン24の変位が抑制される。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の可変動弁装置に係り、特に、機関停止要求時に停止遅延制御が実行される可変動弁装置に関する。
車両に搭載される内燃機関において、排気性状の改善や出力の向上を図るべく、吸気バルブや排気バルブの開閉時期、いわゆるバルブタイミングを機関運転状態に応じて連続的に可変とする可変動弁装置が設けられたものが実用化されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
例えば図8に示すように、こうした可変動弁装置は、内燃機関のクランクシャフトにタイミングチェーンを介して連結されるスプロケット1に一体成形されたハウジング2を備えており、このハウジング2の内部には、カムシャフト3に駆動連結されたベーン体4が回動可能に収容されている。このベーン体4には、上記ハウジング2内に形成された収容室6内に配置される複数のベーン5が設けられている。このベーン5により、収容室6が進角側油圧室7と遅角側油圧室8とに区画されている。そして、進角側油圧室7及び遅角側油圧室8に供給される作動油の圧力により同収容室6内でベーン5が変位することにより、クランクシャフトに対するカムシャフト3の回転位相が変更される。これにより、同カムシャフト3により開閉されるバルブのバルブタイミングが変更される。例えば、進角側油圧室7に作動油が供給されるとともに遅角側油圧室8から作動油が排出されることにより、バルブタイミングが進角側に変更される。一方、遅角側油圧室8に作動油が供給されるとともに進角側油圧室7から作動油が排出されることにより、バルブタイミングが遅角側に変更される。また、この可変動弁装置には、収容室6内におけるベーン5の変位を所定位置において規制するためのロック機構9が設けられている。
ここで、例えば吸気バルブのバルブタイミングを可変とする吸気バルブタイミング装置において、機関始動時において吸気バルブが最遅角位相にある状態で機関始動をすべく、機関停止時に停止遅延制御を実行するものが知られている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。この停止遅延制御では、停止要求があったときに、図8に示すように、収容室6において進角側油圧室7が形成される側の内壁6Aに当接するまでベーン5を変位させた後に(最遅角状態)、内燃機関を停止する。そして、この最遅角状態において上記ロック機構9によりベーン5の変位が規制される。これにより、機関始動時のおける筒内の圧縮比を低下させるとともに、機関始動時において収容室6内でベーン5の位置が不要に変動することを抑制しようとしている。
特開2005−330810号公報 特開2005−264804号公報
しかしながら、内燃機関のストールが発生した場合等には、上述した停止遅延制御が実行されることなく内燃機関が停止する。また、内燃機関に接続された変速機のシフト位置がD(ドライブ)レンジにある状態で、運転者の操作によりイグニッションスイッチがオンからオフに切り替わったときにも、この運転者による機関停止要求が優先されて、上述した停止遅延制御が実行されることなく速やかに内燃機関の停止が実行される。そのため、このように停止遅延制御が実行されずに内燃機関が停止されると、ベーン5が規制状態にない状態で機関始動が開始されることとなる。
ここで、内燃機関が停止されて上述した収容室6に対する作動油の供給が停止されると、収容室6内の作動油が排出されて上記各油圧室7,8内の作動油の圧力が低下する。そして、機関始動時においてこのように各油圧室7,8内の作動油の圧力が低下している状態で、同図8に矢印で示す方向にクランクシャフトが回転すると、カムシャフト3のフリクション(例えばカムジャーナルとベアリングとの間のフリクション)により、カムシャフト3及び同カムシャフト3に駆動連結されたベーン5が遅角側に変位して、収容室6において最遅角側の内壁6Aに衝突する場合がある。このような衝突が生じると、可変動弁装置が損傷するといった問題が発生するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関のクランクシャフト及びカムシャフトの一方に駆動連結されたハウジングと、同ハウジングの内部に形成された収容室内に配置されて同収容室内を第1油圧室と第2油圧室とに区画するベーンを有するとともに前記クランクシャフト及び前記カムシャフトの他方に駆動連結されたベーン体とを備える内燃機関の可変動弁装置であって、機関始動時において、収容室の内壁へのベーンの衝突を緩和することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関のクランクシャフト及びカムシャフトの一方に駆動連結されたハウジングと、同ハウジングの内部に形成された収容室内に配置されて同収容室内を第1油圧室と第2油圧室とに区画するベーンを有するとともに前記クランクシャフト及び前記カムシャフトの他方に駆動連結されたベーン体とを備え、前記第1油圧室及び前記第2油圧室に供給する作動油の圧力により同収容室内で前記ベーンを変位させて前記ハウジングと前記ベーン体とを相対回転させることにより、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転位相を変更して同カムシャフトにより開閉されるバルブのバルブタイミングを変更するようにした内燃機関の可変動弁装置であって、前記クランクシャフトの回転方向に対して反対方向に前記カムシャフトが相対回転するときには、前記第1油圧室が縮小する方向に前記ベーンが変位するものであり、機関停止要求時には、前記収容室内における前記ベーンの変位を所定位置で規制する規制処理を実行した後に機関停止する停止遅延制御が実行される可変動弁装置において、前記規制処理を通じて前記ベーンが規制状態に移行したか否かを機関始動時に判定する規制状態判定手段と、前記規制状態判定手段により前記ベーンが規制状態に移行していない旨判定されたときには、機関始動時において前記第1油圧室が縮小する方向への前記ベーンの変位を抑制する変位抑制手段とを備えることを要旨とする。
上記構成では、ベーンが規制状態に移行したか否かを機関始動時に判定し、規制状態に移行していない旨判定されたときには、機関始動時において第1油圧室が縮小する方向へのベーンの変位を抑制するようにしている。したがって、機関始動時において、ベーンが第1油圧室側に変位して収容室の内壁にベーンが衝突することを緩和することができ、ひいては、こうした衝突に起因する可変動弁装置の損傷を抑制することができるようになる。
なお、収容室内をベーンが第1油圧室の縮小する方向へ変位する原因としては、クランキング時におけるカムシャフトのフリクションが挙げられる。また、上述したベーンの衝突の緩和とは、ベーンの衝突強度を低減したり、第1油圧室及び第2油圧室における作動油の圧力が十分上昇するまでに生じるベーンの衝突回数を低減したりすることに該当する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記変位抑制手段は、温間始動時であるときに、前記第1油圧室及び第2油圧室からの作動油の排出を停止することにより前記収容室内における前記ベーンの位置を保持する位相保持制御を実行することを要旨とする。
温間始動時であるときには、前回の機関停止からの経過時間が比較的短いため、第1油圧室及び第2油圧室における作動油の排出量が比較的少なく、これら油圧室に作動油が残存していると推定することができる。そして、このように各油圧室に作動油が残存している場合には、これら作動油の圧力により収容室内におけるベーンの変位を制御することができる。
そこで、上記構成では、温間始動時であるときに、第1油圧室及び第2油圧室からの作動油の排出を停止することにより収容室内におけるベーンの位置を保持する位相保持制御を実行するようにしており、これにより、機関始動時において第1油圧室が縮小する方向へのベーンの変位を抑制することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記変位抑制手段は、冷間始動時であるときに、前記第1油圧室に対して作動油を供給する供給制御を実行することを要旨とする。
一方、冷間始動時であるときには、前回の機関停止からの経過時間が比較的長いため、第1油圧室及び第2油圧室における作動油の排出量が比較的多く、これら油圧室に作動油が残存していない、もしくは残存量が少ないと推定することができる。
そこで、上記構成では、冷間始動時であるときに、第1油圧室に対して作動油を供給する供給制御を実行するようにしている。これにより、第1油圧室における作動油の圧力を早期に高めることができる。したがって、機関始動時において第1油圧室が縮小する方向へのベーンの変位を抑制して、収容室の内壁へのベーンの衝突回数を低減することができる。これにより、可変動弁装置の損傷を抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記変位抑制手段は、前記第1油圧室に対して作動油を供給する供給制御を実行することを要旨とする。
また、温間始動時及び冷間始動時に関わらず、上記構成のように第1油圧室に対して作動油を供給する供給制御を実行することにより、機関始動時において第1油圧室が縮小する方向へのベーンの変位を抑制することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記規制状態判定手段は、前回の機関停止時において、前記内燃機関に接続された変速機のシフト位置が動力伝達可能な位置にある状態でイグニッションスイッチがオンからオフに切り替わったことに基づいて前記規制状態にない旨判定することを要旨とする。
ここで、内燃機関に接続された変速機のシフト位置が動力伝達可能な位置(例えばDレンジ)にある状態で、イグニッションスイッチがオンからオフに切り替わったときには、運転者による機関停止要求が優先されるため、上述した停止遅延制御を実行することができない場合が多い。
そこで、上記構成のように、規制状態判定手段による規制状態の判定についてはこれを、前回の機関停止時において、内燃機関に接続された変速機のシフト位置が動力伝達な位置にある状態でイグニッションスイッチがオンからオフに切り替わったことに基づいて規制状態にない旨判定する、といった態様をもって具体化することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記規制状態判定手段は、前回の機関停止時において、運転者による機関停止要求を伴わずに前記内燃機関が停止したことに基づいて前記規制状態にない旨判定することを要旨とする。
また、運転者による機関停止要求を伴わずに内燃機関が停止した場合、すなわち内燃機関のストールが発生した場合にも、上述した停止遅延制御が実行されずに内燃機関が停止される。
そこで、上記構成のように、規制状態判定手段による規制状態の判定についてはこれを、前回の機関停止時において運転者による機関停止要求を伴わずに内燃機関が停止したことに基づいて規制状態にない旨判定する、といった態様をもって具体化することもできる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記カムシャフトの相対回転を前記所定位置において機械的にロックするロック機構を更に有し、前記規制処理において前記ロック機構により前記ベーンが前記所定位置でロックされることにより前記規制状態とされることを要旨とする。
上記構成によれば、カムシャフトの相対回転を所定位置において機械的にロックするロック機構を更に有し、規制処理においてロック機構によりベーンが所定位置でロックされることにより規制状態とされるため、機関始動時において、ベーンの位置を所定位置において確実に保持することができる。
請求項8に記載の発明によるように、上記停止遅延制御はこれを、収容室の内壁にベーンが当接する最変位状態を所定位置とするものであり、ベーンが最変位状態に達するまで収容室内の作動油圧力により収容室内においてベーンを変位させた後に内燃機関を停止して規制状態とする、といった態様をもって具体化することができる。
さらに、請求項9に記載の発明によるように、請求項8に記載の内燃機関の可変動弁装置において、カムシャフトは吸気バルブを開閉する吸気カムシャフトであり、最変位状態は、第1油圧室が最も縮小され且つ吸気バルブのバルブタイミングが最遅角位相となる最遅角状態である、といった態様を採用することができる。
また、請求項10に記載の発明によるように、請求項9に記載の内燃機関の可変動弁装置において、内燃機関のアイドル運転時には、バルブタイミングが最遅角位相よりも進角側に保持されるように収容室内におけるベーンの位置が調整される構成にあっては、ベーンが最遅角状態において規制されずに内燃機関が停止される機会が増加する傾向にある。
この点、上記構成では、上述した規制状態判定手段と変位抑制手段とを備えているため、機関始動時において、最遅角側の収容室の内壁に対してベーンが衝突することを緩和することができるようになる。
本発明にかかる内燃機関の可変動弁装置を具体化した第1の実施形態について、これが適用された内燃機関とその周辺構成を示す概略構成図。 同実施形態にかかるバルブタイミング変更機構の内部構造を示す断面図。 同実施形態において駆動される油圧調整弁のスプール弁の位置を示す図であって、(a)は、進角時におけるスプール弁の位置を示し、(b)は保持時におけるスプール弁の位置を示し、(c)は遅角時におけるスプール弁の位置を示している。 本実施形態において実行される停止遅延制御の態様を示すタイムチャート。 本実施形態において実行される「変位抑制処理」の処理手順を示すフローチャート。 第2の実施形態において実行される「変位抑制処理」の処理手順を示すフローチャート。 本発明にかかる内燃機関の可変動弁装置の変形例において実行される「変位抑制処理」の処理手順を示すフローチャート。 本発明の従来技術にかかる可変動弁装置の内部構造を示す断面図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の可変動弁装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1に、本実施形態にかかる可変動弁装置が適用された内燃機関10と、その周辺構成を示す。この内燃機関10のクランクシャフト11には、図示しない吸気バルブを開閉する吸気カムシャフト12と、排気バルブを開閉する排気カムシャフト(図示略)とがタイミングチェーン13を介してそれぞれ連結されている。
内燃機関10の吸気系には、可変動弁装置として、吸気バルブのバルブタイミングを連続的に可変とするバルブタイミング可変機構20と、同吸気バルブの最大リフト量の調整を通じてその開弁期間を可変とするバルブリフト量可変機構50とが設けられている。これら可変動弁装置により、吸気バルブのバルブ特性が機関運転状態に応じて可変設定される。
バルブタイミング可変機構20は、カムシャフト12の先端に設けられている。そして、上述したタイミングチェーン13は、図2に併せて示すバルブタイミング可変機構20のスプロケット21に噛み合っている。このスプロケット21には、ハウジング22が一体形成されている。こうした構成により、機関運転に伴いクランクシャフト11が回転するとその駆動力がタイミングチェーン13を介してバルブタイミング可変機構20に伝達され、このバルブタイミング可変機構20とともに、同図2の矢印に示す方向にカムシャフト12が回転する。これにより、吸気バルブはカムシャフト12に設けられたカム(図示略)により開閉される。
ハウジング22の内部には、吸気カムシャフト12に駆動連結されたベーン体23が回動可能に収容されている。このベーン体23には、その中心から径方向に伸びる複数のベーン24が設けられている。これら複数のベーン24はハウジング22の内部に形成された収容室25内に配置されており、この収容室25内を進角側油圧室26と遅角側油圧室27とに区画している。
さらに、バルブタイミング可変機構20には、ベーン24の変位を所定位置で機械的に規制することによってカムシャフト12の相対回転を機械的にロックするロック機構30が設けられている。具体的には、このロック機構30は、収容室25において進角側油圧室26が形成される側(最遅角側)の内壁25Aにベーン24が当接する状態、すなわち、進角側油圧室26が最も縮小され且つ吸気バルブのバルブタイミングが最遅角位相となる最遅角状態において、同ベーン24の変位を規制する。
ロック機構30は、出没可能な状態でベーン24の所定位置に設けられるロックピン31と、このロックピン31を突出する方向に付勢するスプリング32と、上述した収容室25に形成されてこのロックピン31が挿入される係合穴33とにより構成されている。
図1に示すように、上述した進角側油圧室26及び遅角側油圧室27には、クランクシャフト11に駆動連結された機械式のオイルポンプ15によって作動油が供給される。このオイルポンプ15は、オイルパン14の作動油内に開口端部を有する供給通路44の途中に設けられており、この供給通路44は、油圧調整弁(OCV)40の供給ポート44aに接続されている。また、このOCV40の進角側供給ポート42aには、進角側油圧室26に連通する進角側油路42が接続されるとともに、OCV40の遅角側供給ポート43aには、遅角側油圧室27に連通する遅角側油路43が接続されている。
さらに、OCV40の進角側ドレインポート45aには、進角側油圧室26から排出された作動油をオイルパン14に戻す進角側ドレイン通路45が接続されるとともに、OCV40の遅角側ドレインポート46aには、遅角側油圧室27から排出された作動油をオイルパン14に戻す遅角側ドレイン通路46が接続されている。
OCV40は、電気的な駆動信号に基づいて駆動されるスプール弁41を有している。このスプール弁41が駆動されることにより、上記各ポート42a〜46aの開閉状態が切り替えられる。
内燃機関10における各種制御は、電子制御装置70によって行われる。この電子制御装置70は、機関制御にかかる演算処理を実行する中央処理装置(CPU)、機関制御に必要なプログラムや各種の情報を記憶するためのメモリ、外部との信号の入出力を行うための入力ポート及び出力ポート等を備えている。
電子制御装置70の入力ポートには、内燃機関10の運転状態を検出するために各種センサが接続されている。例えば、こうした各種センサとしては、クランクシャフト11の近傍に設けられて、クランク角CA及び機関回転速度NEを検出するクランク角センサ71、カムシャフト12の近傍に設けられて同カムシャフト12の位置を検出するカム角センサ72、内燃機関10の機関冷却水温Twを検出する水温センサ73、車両の運転者により切り替え操作されるとともに現在の操作位置(オン、オフ、アクセサリ、スタート)に対応した信号を出力するイグニッションスイッチ74、運転者により操作される変速機60のシフト位置を検出するシフト位置センサ75等がある。具体的には、こうしたシフト位置として、変速機60のシフト位置が内燃機関10の動力を伝達可能な位置であるDレンジ、内燃機関10の動力の伝達を遮断する位置であるPレンジ等が検出される。
一方、電子制御装置70の出力ポートには、OCV40、バルブリフト量可変機構50等の駆動回路が接続されている。
そして、電子制御装置70は、上記各種センサから入力した検出信号に基づいて内燃機関10の運転状態を把握し、その把握した運転状態に応じて上記出力ポートに接続された各種駆動回路に指令信号を出力する。これにより、吸気バルブのバルブタイミングを機関運転状態に適合させるべくバルブタイミング可変機構20を制御するバルブタイミング可変制御が実行される。また、吸気バルブの最大リフト量を機関運転状態に適合させるべくバルブリフト量可変機構50を制御するバルブリフト量可変制御が実行される。これにより、内燃機関10におけるアイドル運転時には、吸気バルブの最大リフト量が小さく設定されるとともに、バルブタイミングが最遅角位相よりも進角側に設定される。
バルブタイミング可変制御では、機関回転速度NEや機関負荷に基づいて機関運転状態に応じた最適なバルブタイミングとするための目標位相が算出され、クランクシャフト11に対するカムシャフト12の実際の回転位相θがこの目標位相に一致するように上述したOCV40のスプール弁41の位置が制御される。なお、回転位相θについては、上述したクランク角センサ71及びカム角センサ72の出力信号に基づき把握される。
より詳細には、バルブタイミングを進角側に変更する「進角指令制御」が実行されるときには、図3(a)の「進角時」に示すようにスプール弁41が制御され、バルブタイミングを保持する「位相保持制御」が実行されるときには、同図3(b)の「保持時」に示すようにスプール弁41が制御され、バルブタイミングを遅角側に制御する「遅角指令制御」が実行されるときには、同図3(c)の「遅角時」に示すようにスプール弁41が制御される。
すなわち、図3(a)に示す「進角時」には、進角側供給ポート42aを開放する一方、進角側ドレインポート45aを閉塞する位置にスプール弁41が配置される。これにより、供給通路44を通じて供給される作動油が、進角側油路42を通じて進角側油圧室26に供給されるため、ベーン24が進角側(図2参照)に向かって変位する。これに伴い、遅角側油圧室27から排出される作動油は、遅角側ドレインポート46aに接続された遅角側ドレイン通路46を通じてオイルパン14に戻される。
図3(b)に示す「保持時」には、進角側供給ポート42a及び遅角側供給ポート43aをともに閉塞する位置にスプール弁41が配置される。これにより、進角側油圧室26及び遅角側油圧室27に対する作動油の供給がともに停止されるとともに、各油圧室26,27からの作動油の排出が停止される。
さらに、図3(c)に示す「遅角時」には、遅角側供給ポート43aを開放する一方、遅角側ドレインポート46aを閉塞する位置にスプール弁41が配置される。これにより、供給通路44を通じて供給される作動油が、遅角側油路43を通じて遅角側油圧室27に供給されるため、ベーン24が遅角側(図2参照)に向かって変位する。これに伴い、進角側油圧室26から排出される作動油は、進角側ドレインポート45aに接続された進角側ドレイン通路45を通じてオイルパン14に戻される。
このように、ベーン体23の回動に伴い同ベーン体23と上述したハウジング22とが相対回転することにより、クランクシャフト11に対するカムシャフト12の回転位相θが変更される。これにより、同カムシャフト12により開閉される吸気バルブのバルブタイミングが変更される。
また、上述したロック機構30にあっては、機関運転時において収容室25内(進角側油圧室26及び遅角側油圧室27内)における油圧が上昇すると、ロックピン31と係合穴33との係合が油圧により解除されて、収容室25内におけるベーン24の変位が可能となる。
一方、内燃機関10が停止する過程において、機関回転速度NEが徐々に低下すると、オイルポンプ15により各油圧室26,27に送り出される作動油の量が徐々に低下するため、これら各油圧室26,27内の油圧が低下する。これに伴い、スプリング32によりロックピン31が押圧されて、同ロックピン31と係合穴33とが係合される。これにより、収容室25内におけるベーン24の変位が最遅角状態で機械的に規制されて、同ベーン24が規制状態に移行する。
ここで、運転者による内燃機関10の停止要求は、通常、内燃機関10のアイドル運転時において実行される。このアイドル運転時には、上述したように、バルブタイミングが最遅角位相よりも進角側になるように制御されている。そこで、内燃機関10では、機関停止要求がなされたときには、図4に示す停止遅延制御が実行されてバルブタイミングが最遅角位相に変更されることにより、ベーン24が規制状態に移行するようになる。
同図4に示すように、時刻t1において変速機60のシフト位置がDレンジからPレンジに切り替えられた後、時刻t2においてイグニッションスイッチ74がオンからオフに切り替えられると、この切り替え操作が運転者による機関停止要求として把握される。この場合には、機関運転が継続されるとともに遅角指令制御が実行されて、収容室25内における最遅角側にまで油圧によりベーン24が変位する。すなわち、バルブタイミングが最遅角位相に達するまで、遅角指令制御が実行される。このように、機関停止要求時において実行される遅角指令制御が、本発明における規制処理に相当する。
そして、時刻t3においてバルブタイミングが最遅角位相に達すると、内燃機関10が停止される。その後、各油圧室26,27の油圧が低下すると、上述したロック機構30のロックピン31が係合穴33に係合し、ベーン24が規制状態に移行する。これにより、時刻t4において機関始動が実行されるときには、ベーン24が規制状態に移行した状態となる。
ところで、一般的な内燃機関では、変速機60のシフト位置がDレンジにある状態で、イグニッションスイッチ74がオンからオフに切り替わったときには、運転者による機関停止要求が優先されるように制御される。そのため、上述した停止遅延制御を実行することができない場合が多い。
すなわち、同図4(c)の一点鎖線に示すようにシフト位置がDレンジにある状態で、時刻t2においてイグニッションスイッチ74がオンからオフに切り替えられると、この運転者による機関停止要求が優先される。これにより、同図4(a)の一点鎖線に示すように、時刻t2において内燃機関10が停止される。この場合には、上述した停止遅延制御が実行されずに内燃機関10が停止されるため、同図4(d)の一点鎖線に示すように、時刻t2におけるバルブタイミングであって、最遅角位相よりも進角側に設定されたバルブタイミングが維持される。したがって、機関停止後において各油圧室26,27の油圧が低下した場合であっても、ロック機構30のロックピン31が係合穴33に係合されず、ベーン24が規制状態に移行できなくなる。
このようにベーン24が規制状態に移行していない状態で機関始動に伴いクランキングが実行されると、以下のような問題の発生が懸念される。
すなわち、内燃機関10の停止に伴い上述した収容室25(各油圧室26,27)に対する作動油の供給が停止されると、これら各油圧室26,27内の作動油が排出されて油圧が低下する。このように油圧が低下した状態において機関始動に伴いカムシャフト12がクランクシャフト11に対して相対回転すると、同カムシャフト12に駆動連結されたベーン24が収容室25内で変位するようになる。
ここで、図2の矢印で示す方向にクランクシャフト11が回転すると、この回転に伴い、例えばカムジャーナルとベアリング(いずれも図示略)との間に発生するフリクションによって、同カムシャフト12の回転を妨げる方向にトルクが作用する。これにより、クランクシャフト11の回転方向に対して反対方向にカムシャフト12が相対回転するようになる。
なお、カムシャフト12に作用するトルクとしては、上述したような、カムシャフト12のフリクションに起因して同カムシャフト12の回転を妨げる方向に作用するトルクの他、同カムシャフト12に設けられたカムによる吸気バルブの開閉操作によって生じるトルクがある。
すなわち、カムシャフト12の回転に伴い吸気バルブの開閉操作が実行されると、この開閉操作に伴い同カムシャフト12を駆動するために要するトルクが周期的に変動する。そのため、上記ベーン24には、同ベーン24をカムシャフト12の回転軸周りに揺動させようとするトルクが常時作用している。したがって、各油圧室26,27における作動油の圧力が比較的小さいときには、こうしたカムシャフト12のトルク変動に起因したベーン24の揺動、すなわち進角側油圧室26を縮小する方向(遅角側)への変位、及び遅角側油圧室27を縮小する方向(進角側)への変位が発生する場合がある。
しかし、こうしたトルク変動に起因してカムシャフト12に作用するトルクは、上述したようなカムシャフト12のフリクションに起因して同カムシャフト12に作用するトルクに比較して小さいものである。したがって、機関始動時においてベーン24に作用する力としては、全体として、進角側油圧室26が縮小する方向(遅角側)に作用する力の方が、遅角側油圧室27が縮小する方向(進角側)に作用する力よりも大きくなる傾向にある。
したがって、機関始動時におけるクランキング時には、ベーン24が遅角側に向かって、比較的勢いよく変位しやすい傾向がある。そのため、ベーン24が遅角側に変位して同ベーン24が収容室25の内壁25Aに衝突すると、バルブタイミング可変機構20の損傷を引き起こすおそれがある。
そこで、本実施形態では、機関始動時におけるクランキング時には、遅角側へのベーン24の変位を抑制すべく、図5のフローチャートに示す「変位抑制処理」が実行される。
次に、こうした機関始動時のクランキング時において電子制御装置70により実行される「変位抑制処理」の処理手順について説明する。なお、この電子制御装置70が、本発明の規制状態判定手段、変位抑制手段としての機能を備えている。
本処理が開始されると、まず、前回の機関停止時に、Dレンジ状態でイグニッションスイッチ74(IG)がオフされたか否かが判定される(ステップS100)。
なお、変速機60のシフト位置がDレンジである状態でイグニッションスイッチ74がオンからオフに切り替わったときには、他の処理により、この切り替え操作の情報が電子制御装置70のメモリにおいて記憶される。そのため、本ステップでは、こうしたメモリに記憶された情報に基づいて判定処理される。
そして、この判定処理が否定判定される場合には(ステップS100:NO)、前回の機関停止時において、変速機60のシフト位置がDレンジではなく、内燃機関10の動力が遮断された状態(例えばPレンジ)にある状態でイグニッションスイッチ74がオフされており、停止遅延制御が実行された可能性が高いと判断することができる。この場合には、規制処理として実行される遅角指令制御によりバルブタイミングが最遅角位相にまで変更されて、ベーン24が規制状態に移行したと判断することができる。そのため、本処理は終了されて、機関運転状態に応じた通常のバルブタイミング可変制御が実行される。
一方、上記ステップS100における判定処理が肯定判定される場合には(ステップS100:YES)、前回の機関停止時において、変速機60のシフト位置がDレンジにある状態でイグニッションスイッチ74がオフされており、停止遅延制御が実行されずに内燃機関10が停止されたと判断することができる。この場合には、ベーン24が規制状態に移行しておらず、機関始動時において、ベーン24が変位するおそれがあると判断することができる。
そこで、次に温間始動時であるか否かが判定される(ステップS110)。具体的には、水温センサ73に基づき把握される機関冷却水温Twが、温間時であることを判定するための判定値として予め設定された所定温度α以上(Tw≧α)であることに基づいて判断される。
そして、温間始動時である旨判定される場合には(ステップS110:YES)、前回の機関停止からの経過時間が比較的短いため、進角側油圧室26及び遅角側油圧室27における作動油の排出量が比較的少なく、これら油圧室26,27に作動油が残存していると推定することができる。
そこで、このように温間始動時である旨判定される場合には、位相保持制御が実行されて(ステップS120)、本処理は終了される。この位相保持制御が本発明における保持制御に相当する。具体的には、先の図3(b)に示す位置にスプール弁41が駆動されて、各油圧室26,27に対する作動油の供給、及び各油圧室26,27からの作動油の排出が停止される。この場合には、各油圧室26,27に残存する作動油の圧力により、ベーン24の位置が保持される。
一方、温間始動時ではない旨、すなわち冷間始動時である旨判定される場合には(ステップS110:NO)、前回の機関停止からの経過時間が比較的長いため、進角側油圧室26及び遅角側油圧室27における作動油の排出量が比較的多く、これら油圧室26,27に作動油が残存していない、もしくは残存量が少ないと推定することができる。
そこで、このように冷間始動時である旨判定される場合には、進角指令制御が実行されて(ステップS130)、本処理は終了される。この進角指令制御が本発明における供給制御に相当する。具体的には、先の図3(a)に示す位置にスプール弁41が駆動されて、進角側供給ポート42aが開放される一方、進角側ドレインポート45aが閉塞される。これにより、進角側油圧室26に対して作動油が供給されるため、同油圧室26内の油圧が早期に上昇するようになる。
なお、上記ステップS120において実行される位相保持制御、及びステップS130において実行される進角指令制御については、クランキングが終了されたときに停止される。その後、機関運転状態に応じたバルブタイミング可変制御が実行される。
以上説明した第1の実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)前回の機関停止時においてベーン24が規制状態に移行したか否かを機関始動時に判定し、規制状態に移行していない旨判定されたときには、進角側油圧室26が縮小する方向(遅角側)へのベーン24の変位を抑制するようにしている(ステップS120,S130)。したがって、機関始動時において、ベーン24が進角側油圧室26側に変位して収容室25の内壁25Aにベーン24が衝突することを緩和することができ、ひいては、こうした衝突に起因するバルブタイミング可変機構20の損傷を抑制することができるようになる。
(2)特に、温間始動時には、収容室25内におけるベーン24の位置を保持する位相保持制御が実行されるため(ステップS120)、機関始動時において進角側油圧室26が縮小する方向へのベーン24の変位が抑制される。これにより、収容室25内の内壁25Aへのベーン24の衝突を回避したり、その衝突強度を低減したりすることができるようになる。
(3)また、冷間始動時には、進角側油圧室26に対して作動油を供給する供給制御、すなわち進角指令制御が実行されるため(ステップS130)、進角側油圧室26における作動油の圧力が早期に上昇される。これにより、機関始動時において進角側油圧室26が縮小する方向へのベーン24の変位を抑制して、収容室25の内壁25Aへのベーン24の衝突回数を低減することができるようになる。
(4)ロック機構30によってベーン24が最遅角状態で機械的にロックされることにより、ベーン24が規制状態とされるため、機関始動時において、ベーン24の位置を確実に保持することができる。
(5)内燃機関10のアイドル運転時にあっては、バルブタイミングが最遅角位相よりも進角側に保持されるように収容室25内におけるベーン24の位置が調整される。そのため、アイドル運転時においてバルブタイミングが最遅角位相に調整される構成と比較して、ベーン24が最遅角状態において規制されずに内燃機関10が停止される機会が増加する傾向にある。この点、本実施形態では、上記「変位抑制処理」が実行されるため、たとえ機関始動時においてベーン24が規制状態に移行していない場合であっても、収容室25内における遅角側へのベーン24の変位が抑制される。したがって、機関始動時において収容室25の内壁25Aに対するベーン24の衝突を緩和することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の可変動弁装置を具体化した第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第1の実施形態では、変速機60のシフト位置がDレンジにある状態でイグニッションスイッチ74がオンからオフに切り替えられた旨判定されることに基づいて、ベーン24が規制状態に移行していない旨判定される例を示した。
一方、イグニッションスイッチ74がオンにある状態で内燃機関10が停止したとき、すなわち運転者による機関停止要求を伴わず内燃機関10が停止した場合(エンジンストール)であっても、停止遅延制御が実行されずに内燃機関10が停止される。そこで、本実施形態の「変位抑制処理」では、前回の機関停止時においてエンジンストールが発生したと推定されるような場合には、ベーン24が規制状態に移行していないと判定される。
本実施形態の電子制御装置70は、先の図5に示した処理に代えて、図6のフローチャートに示す「変位抑制処理」を機関始動時において実行する。
本処理が開始されると、まず、ベーン24が最遅角状態でロックされているか否かが判定される(ステップS200)。具体的には、下記条件1及び条件2のいずれか一方が成立するときに、ベーン24が最遅角状態でロックされていないとして否定判定される。
(条件1)前回の機関停止時に、変速機60のシフト位置が内燃機関10の動力を伝達可能な位置(例えばDレンジ)でイグニッションスイッチ74がオンからオフに切り替えられたこと。
(条件2)前回の機関停止時に、イグニッションスイッチ74がオンである状態、すなわち運転者による機関停止要求がなされていない状態で、内燃機関10が停止されたこと。
そして、ベーン24が最遅角状態でロックされている旨判定される場合には(ステップS200:YES)、本処理は終了される。
一方、ベーン24が最遅角状態でロックされていない旨判定される場合には(ステップS200:NO)、以下のステップS210〜ステップS230において、先の図5に示すステップS110〜ステップS130と同一の処理が実行される。
以上説明した第2の実施形態によれば、上記(1)〜(5)と同様の作用効果を奏することができる。
(その他の実施形態)
なお、この発明にかかる内燃機関の可変動弁装置は、上記各実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第1の実施形態では、変速機60のシフト位置について、内燃機関10の動力を伝達可能な位置をDレンジとし、内燃機関10の動力の伝達を遮断する位置をPレンジとする例を示した。そして、図5のステップS100における判定処理では、Dレンジ状態でIGがオフされたことに基づいてベーン24が規制状態にない旨判定するようにしていた。しかしながら、内燃機関10の動力が伝達可能な位置であるか否かを判定することができる態様であれば、シフト位置の判定条件(Dレンジであること)についてはこの例に限られない。
・また、ベーン24が規制状態であるか否かの判定処理について、上記各実施形態において示した例に限られない。例えば、上記第2の実施形態において示した(条件2)のみに基づいてベーン24が規制状態であるか否かを判定するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、機関始動時のクランキング時において、「変位抑制処理」を実行する例を示した。しかし、この「変位抑制処理」の実行期間について、これよりも長くなるように適宜変更してもよい。要するに、機関始動に伴ってベーン24が遅角側に変位することによる内壁25Aへの衝突強度を効果的に緩和することができる期間を設定すればよい。また、「位相保持制御」の実行期間と、「進角指令制御」の実行期間とは、必ずしも同一であることを要しない。
・上記各実施形態では、機関始動における機関冷却水温Twが所定温度α(Tw≧α)以上であるときに、温間始動時である旨判定する例を示したが、他の判定処理により判定するようにしてもよい。例えば、前回の機関停止からの経過時間を計測し、この経過時間が所定時間以内であるときに温間始動時である旨判定する態様を採用してもよい。
・上記各実施形態では、温間始動時であるときには、「位相保持制御」が実行され、冷間始動時であるときには、「進角指令制御」が実行される例を示した。しかし、機関始動時においてベーン24が規制状態に移行していない旨判定されるときには、温間始動時及び冷間始動時に関わらず、「進角指令制御」を実行するようにしてもよい。図7に、この変形例に対応した「変位抑制処理」の処理手順を示す。同図7に示すように、機関始動時において本処理が開始されると、まずベーン24が最遅角状態でロックされているか否かが判定され(ステップS300)、ロックされていない旨判定される場合には(ステップS300:YES)、「進角制令制御」が実行される(ステップS310)。一方、ベーン24が最遅角状態でロックされている旨判定される場合には(ステップS300:NO)、本処理が終了されて、通常のバルブタイミングの可変制御が実行される。この場合であっても、上記(1)、(4)、(5)に示した各作用効果に加えて、下記(6)に示す作用効果を奏することができる。
(6)機関始動時において、進角側油圧室26が縮小する方向への(遅角側)ベーン24の変位を抑制することができる。
・上記各実施形態では、内燃機関10のアイドル運転時において、バルブタイミングが最遅角位相よりも進角側に保持されるように収容室25内におけるベーン24の位置が調整される例を示した。しかし、こうしたアイドル運転時におけるバルブタイミングについては、適宜変更することができる。また、上述したバルブリフト量可変機構50が設けられておらず、バルブタイミングのみが可変設定される内燃機関10であっても、本発明を適用することができる。この場合であっても、機関始動時においてベーン24が遅角側に変位することを抑制することにより、上記(1)〜(4)及び(6)に示した各作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、機関停止時においてベーン24が最遅角状態で機械的にロックされる例を示したが、このベーン24の変位が規制される位置については、適宜変更してもよい。例えば、ベーン24が最進角状態でロックされる構成を採用することができる。
・さらに、ベーン24の変位を規制する構成についても、例示したロック機構30に限られない。すなわち、機関始動時におけるベーン24の不要な変位を抑制することのできる機構であれば、他の構成を採用してもよい。
・上記各実施形態では、バルブタイミング可変機構20のハウジング22がクランクシャフト11に駆動連結され、ベーン体23がカムシャフト12に駆動連結された例を示した。しかし、ハウジング22がカムシャフト12に駆動連結され、ベーン体23がクランクシャフト11に駆動連結されるようにバルブタイミング可変機構20を構成してもよい。この場合には、クランクシャフト11の回転方向に対して反対方向にカムシャフト12が相対回転するときに縮小する第1油圧室を、遅角側油圧室27として構成すればよい。そして、ベーン24が規制状態に移行していない旨判定されるときには、遅角側油圧室27が縮小する方向への(進角側)、ベーン24の変位を抑制することにより、少なくとも上記(1)に示した作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、本発明の可変動弁装置を内燃機関10の吸気系に適用した例を示したが、内燃機関10の排気系であっても、本発明は適用可能である。
10…内燃機関、11…クランクシャフト、12,3…吸気カムシャフト、13…タイミングチェーン、14…オイルパン、15…オイルポンプ、20…バルブタイミング可変機構、21,1…スプロケット、22,2…ハウジング、23,4…ベーン体、24,5…ベーン、25,6…収容室、25A,6A…内壁、26,7…進角側油圧室(第1油圧室)、27,8…遅角側油圧室(第2油圧室)、30,9…ロック機構、31…ロックピン、32…スプリング、33…係合穴、40…油圧調整弁(OCV)、41…スプール弁、42…進角側油路、42a…進角側供給ポート、43…遅角側油路、43a…遅角側供給ポート、44…供給通路、44a…供給ポート、45…進角側ドレイン通路、45a…進角側ドレインポート、46…遅角側ドレイン通路、46a…遅角側ドレインポート、50…バルブリフト量可変機構、60…変速機、70…電子制御装置、71…クランク角センサ、72…カム角センサ、73…水温センサ、74…イグニッションスイッチ、75…シフト位置センサ。

Claims (10)

  1. 内燃機関のクランクシャフト及びカムシャフトの一方に駆動連結されたハウジングと、同ハウジングの内部に形成された収容室内に配置されて同収容室内を第1油圧室と第2油圧室とに区画するベーンを有するとともに前記クランクシャフト及び前記カムシャフトの他方に駆動連結されたベーン体とを備え、前記第1油圧室及び前記第2油圧室に供給する作動油の圧力により同収容室内で前記ベーンを変位させて前記ハウジングと前記ベーン体とを相対回転させることにより、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転位相を変更して同カムシャフトにより開閉されるバルブのバルブタイミングを変更するようにした内燃機関の可変動弁装置であって、前記クランクシャフトの回転方向に対して反対方向に前記カムシャフトが相対回転するときには、前記第1油圧室が縮小する方向に前記ベーンが変位するものであり、機関停止要求時には、前記収容室内における前記ベーンの変位を所定位置で規制する規制処理を実行した後に機関停止する停止遅延制御が実行される可変動弁装置において、
    前記規制処理を通じて前記ベーンが規制状態に移行したか否かを機関始動時に判定する規制状態判定手段と、
    前記規制状態判定手段により前記ベーンが規制状態に移行していない旨判定されたときには、機関始動時において前記第1油圧室が縮小する方向への前記ベーンの変位を抑制する変位抑制手段とを備える
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記変位抑制手段は、温間始動時であるときに、前記第1油圧室及び第2油圧室からの作動油の排出を停止することにより前記収容室内における前記ベーンの位置を保持する位相保持制御を実行する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記変位抑制手段は、冷間始動時であるときに、前記第1油圧室に対して作動油を供給する供給制御を実行する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  4. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記変位抑制手段は、前記第1油圧室に対して作動油を供給する供給制御を実行する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記規制状態判定手段は、前回の機関停止時において、前記内燃機関に接続された変速機のシフト位置が動力伝達可能な位置にある状態でイグニッションスイッチがオンからオフに切り替わったことに基づいて前記規制状態にない旨判定する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記規制状態判定手段は、前回の機関停止時において、運転者による機関停止要求を伴わずに前記内燃機関が停止したことに基づいて前記規制状態にない旨判定する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  7. 前記カムシャフトの相対回転を前記所定位置において機械的にロックするロック機構を更に有し、
    前記規制処理において前記ロック機構により前記ベーンが前記所定位置でロックされることにより前記規制状態とされる
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記停止遅延制御は、前記収容室の内壁に前記ベーンが当接する最変位状態を前記所定位置とするものであり、
    前記ベーンが前記最変位状態に達するまで前記収容室内の作動油圧力により前記収容室内において前記ベーンを変位させた後に前記内燃機関を停止して前記規制状態とする
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  9. 請求項8に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記カムシャフトは吸気バルブを開閉する吸気カムシャフトであり、
    前記最変位状態は、前記第1油圧室が最も縮小され且つ前記吸気バルブのバルブタイミングが最遅角位相となる最遅角状態である
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  10. 請求項9に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記内燃機関のアイドル運転時には、前記バルブタイミングが最遅角位相よりも進角側に保持されるように前記収容室内における前記ベーンの位置が調整される
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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