JP2010203265A - 脱硝装置 - Google Patents

脱硝装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010203265A
JP2010203265A JP2009047549A JP2009047549A JP2010203265A JP 2010203265 A JP2010203265 A JP 2010203265A JP 2009047549 A JP2009047549 A JP 2009047549A JP 2009047549 A JP2009047549 A JP 2009047549A JP 2010203265 A JP2010203265 A JP 2010203265A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
correction value
nox
reducing agent
denitration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009047549A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhisa Nakada
勝久 中田
Noritoshi Ando
則俊 安藤
Yukimaro Murata
行麿 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SAMSON CO Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
SAMSON CO Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SAMSON CO Ltd, Tokyo Gas Co Ltd filed Critical SAMSON CO Ltd
Priority to JP2009047549A priority Critical patent/JP2010203265A/ja
Publication of JP2010203265A publication Critical patent/JP2010203265A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

【課題】 脱硝装置において出口NOx値を目標値に保つ。
【解決手段】排ガス流路2内に還元剤を噴霧する脱硝装置であって、脱硝制御装置7、還元剤噴霧ノズル3、脱硝触媒5、NOx値計測装置6をそれぞれ持った脱硝装置において、前記脱硝制御装置7には、出口NOx値の目標値、燃焼排ガス発生装置の出力値から還元剤の基本供給量を算出する基本供給量算出式、基本供給量に対する補正値K1及び補正値K2を算出する補正値算出式を入力しておき、基本供給量に補正値算出式で算出した補正値K1と補正値K2を加味した還元剤量を排ガス通路内へ噴霧するように制御し、補正値K1は、前記NOx値計測装置6にて計測した出口NOx値と目標値の偏差に基づいて比例的に補正値を増減するものであり、補正値K2は比例係数×(出口NOx値−目標値)+前回補正値K2−1とする。補正値K2の更新は、前記補正値K1の算出周期よりも長い周期で更新する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンなどの燃焼装置から排出される燃焼排ガスに尿素水などの還元剤を供給し、燃焼排ガス中に含まれているNOxを分解する脱硝装置に関するものである。
コージェネ用エンジンなどの燃焼装置で燃焼を行った際に発生する燃焼排ガスには、NOxが含まれている。NOxは光化学スモッグや酸性雨の原因となるものであり、都市部では条例等によって規制が行われている所もある。そのため、NOxを無害なNなどに分解することが必要であり、尿素水やアンモニア水などの還元剤を供給する還元剤供給装置と還元反応を促進する脱硝触媒からなる脱硝装置を設置することが広く行われている。この脱硝装置は、燃焼排ガス中に還元剤を噴霧しておき、脱硝触媒においてNOxをアンモニアと反応させることで、NOxを無害なNとH0に分解するものである。
脱硝装置による脱硝の場合、還元剤供給量を適正に制御する必要がある。還元剤供給量が少ないと大気中に排出されるNOx排出量が多くなり、還元剤供給量が多すぎると反応しきれなかったアンモニアが大気中に排出されることになる。そのため、特許第3051442号に記載されているように、還元剤供給量を適正に制御する手段の検討が行われている。還元剤供給量の基本的な調節は、エンジン負荷率(エンジン出力値)に基づいて行う。エンジンの出力が大きくなれば燃焼排ガスの発生量が増加し、燃焼排ガス中に含まれているNOx量も増加するため、還元剤供給量はエンジン負荷率の変動に対して比例的に変更する。
また、エンジンが一定の燃焼を継続している場合であっても、気温や湿度が変動することによって、エンジンから排出される燃焼排ガス中のNOx値が上下する。そのため、エンジンの出力値に対する比例制御のみで還元剤供給を制御していたのでは、還元剤供給量に過不足が生じる。そこで、燃焼排ガス中のNOx値を検出しておき、NOx値に基づいて還元剤供給量を制御するということが考えられた。単純に考えれば、脱硝前(脱硝装置入口部)のNOx値を検出しておき、入口NOx値に基づいて還元剤供給量を制御すれば、適正な制御が行えるはずである。しかし、入口NOx値に基づいて所定還元剤供給量を決定しても、脱硝後のNOx値が所定の値にはならず、ずれが発生することになっていた。また、還元剤供給用ポンプの能力が低下していた場合などでは、想定量の還元剤を供給することができず、出口NOx値は上昇する。そのため、出口NOx値に基づいて還元剤供給量を操作し、操作の結果として現れる出口NOx値を検出してさらに還元剤供給量を操作するフィードバック制御を行う必要がある。
特許第3051442号記載の発明においては、入口NOx値に基づく還元剤供給量の制御と、出口NOx値に基づく還元剤供給量の制御が行われている。この場合、入口NOx値と出口NOx値の両方に基づく制御を行うことで、還元剤供給量が適正になるように調節するものであり、排出NOx値を安定して低く抑え、かつアンモニアの排出も抑えることができると記載されている。しかし、入口NOx値と出口NOx値の両方のNOx値に基づいて制御を行う場合、NOx値計測装置は脱硝装置の入口部分と出口部分の両方に設置することが必要となる。NOx値計測装置を2箇所に設置することになると、装置コストは上昇するという欠点があった。
また、出口NOx値に基づく比例動作のフィードバック制御の場合、出口NOx値と目標値の偏差が小さくなると、還元剤供給量の変更幅が小さくなることより、出口NOx値が安定状態となっても定常偏差が残ることになる。定常偏差を無くす方法として、積分による修正を行う制御(PID制御)があるが、複雑なPID制御を行うためには制御装置の計算能力を高めなど、高機能化する必要があり、コストの上昇を招くことになる。
特許3051442号公報
本発明が解決しようとする課題は、脱硝装置において簡単な構成でありながら出口NOx値を目標値に保つことのできる脱硝装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、NOxを含んだ燃焼排ガスを流す排ガス流路、排ガス流路内に還元剤を噴霧する還元剤噴霧ノズル、還元剤噴霧ノズルへ還元剤を供給する還元剤供給ユニット、還元剤供給ユニットでの還元剤供給量を制御する脱硝制御装置、還元剤噴霧ノズルより下流の排ガス通路内に設置しておき排ガス中に噴霧した還元剤を反応させることでNOxの分解を行う脱硝触媒、脱硝触媒より下流における出口NOx値を計測するNOx値計測装置をそれぞれ持った脱硝装置において、前記脱硝制御装置には、出口NOx値の目標値、エンジンなど燃焼排ガスを発生する装置における出力値から還元剤の基本供給量を算出する基本供給量算出式、基本供給量に対する補正値K1及び補正値K2を算出する補正値算出式を入力しておき、基本供給量算出式にて算出した基本供給量に、補正値算出式で算出した補正値K1と補正値K2を加味した還元剤量を排ガス通路内へ噴霧するように制御する脱硝装置であって、補正値K1は、前記NOx値計測装置にて計測した出口NOx値と目標値の偏差に基づいて比例的に補正値を増減するものであり、補正値K2は、比例係数×(出口NOx値−目標値)+前回補正値K2−1であって、補正値K2の更新は、前記補正値K1の算出周期よりも長い周期で更新するように設定したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記の脱硝装置において、脱硝運転開始から所定の時間が経過するまでの間は、補正値K1の値を0、補正値K2の値は保存しておいた前回値のままとし、補正値K1の算出は脱硝運転開始から時間T1後に開始し、補正値K2の更新は脱硝運転開始から時間T2後に開始するようにしておき、脱硝運転開始からの時間は、時間T1<時間T2としていることを特徴とする。請求項3に記載の発明は、前記の脱硝装置において、補正値K2は、前回の更新から条件時間以上経過しており、かつ出口NOx値が安定しているという条件を満たしている場合に更新を行うように設定したことを特徴とする脱硝装置。
本発明を実施することで、高度な計算能力を持った制御装置を使用せずとも、定常偏差をなくして出口NOx値を目標値付近へ維持する制御を行うことができる。また、脱硝運転開始直後や出口NOx値が安定していない状態では、出口NOx値と尿素水供給量はかけ離れた値となり、この状態では補正を行うと却って出口NOx値の変動幅が大きくなることがある。脱硝運転を開始してから所定の時間が経過した後であったり、出口NOx値が安定しているという条件を満たしている場合に更新を行うようにすることで、出口NOx値を目標値に近づける時間を短くすることができる。補正値K2は、補正値K1による補正を行った後に残る定常偏差を解消するための補正であるため、補正値K1の算出開始後に、補正値K2の更新を開始し、K2の更新周期はK1の算出周期より長くすることで、補正値K2の算出時に適正な値を算出することができる。
本発明を実施する脱硝装置の概要図 尿素水供給量の算出方法を説明する説明図 本発明の実施例におけるフローチャート 本発明の実施例における尿素水供給量と出口NOx値の変化を示したグラフ 本発明の実施例における尿素水供給量と出口NOx値の変化を示したグラフ
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明を実施する脱硝装置の概要図である。図1ではエンジン1で発生する燃焼排ガスに還元剤を供給することでNOxを除去するようにしており、エンジン1に接続した排ガス通路2に脱硝装置本体部を設けている。NOxを還元する還元剤としてはアンモニアよりも尿素の方が取扱いが容易であるため、実施例では尿素水を使用するものとする。排ガス通路2の途中には燃焼排ガス流の上流側から順に還元剤噴霧ノズル3と脱硝触媒5を設置している。還元剤噴霧ノズル3は、先端を排ガス通路2内に設置し、他端側は尿素水ポンプや尿素水タンクなどからなる還元剤供給ユニット4と接続しており、還元剤供給ユニット4から供給する尿素水を排ガス通路2内へ噴霧するようにしている。還元剤供給ユニットの尿素水ポンプにはパルス式の定量ポンプを使用し、1分間当たりのパルス数を変更することで尿素水供給量を調節することができるようにしている。排ガス通路2の脱硝触媒5より下流側には、燃焼排ガス中のNOx値を計測するNOx値計測装置6を設けておき、NOx値計測装置6によって脱硝装置の出口側におけるNOx値(出口NOx値)を計測するようにしておく。
還元剤供給ユニット4から供給する尿素水供給量を決定するために脱硝制御装置7を設けておき、脱硝制御装置7はエンジン1及びNOx値計測装置6とも接続し、エンジン負荷率などの情報(エンジン出力値)と出口NOx値の情報から尿素水供給量を決定するようにしておく。脱硝装置は、排出NOxの規制値が定まっている場合には、規制値よりも少し低い値に設定し、例えば規制値が100ppmであれば90ppmを目指すようにする。脱硝制御装置7には、エンジン出力値から定める基本となる尿素水の供給量(基本供給量)を決定する基本供給量算出式と、NOx値計測装置6にて計測した出口NOx値に基づいて先に算出した基本供給量からの増減を行う補正値を算出する補正値算出式を設定しておく。エンジンの負荷率と燃焼排ガス排出量はほぼ比例の関係があり、燃焼排ガス中のNOx値が一定の場合には燃焼排ガス量とNOx量も比例の関係が成立する。また、NOx量と尿素水必要量もほぼ比例の関係があることより、エンジン負荷率が増加すれば尿素水必要量も比例的に増加することになる。そのため、大気排出される排ガス中のNOx値を所定の値に保つためには、エンジン出力値を検出しておき、エンジン出力値の増加に応じてNOxを分解する尿素水を増加するようにすればよい。
しかし、エンジン出力値が同じであっても、季節の変化による気温や湿度の変動などによって燃焼排ガス中のNOx値は変動する。基本供給量算出式による尿素供給量制御は、NOx値が一定であって燃焼排ガス量のみが変化する場合には有効であるが、NOx値が変動した場合には尿素水供給量を適正に制御することができない。そのため、エンジン出力値に基づく基本供給量のみの尿素水供給では、供給量に過不足が発生するということになる。尿素水供給量が不足した場合には大気中へ排出されるNOx量が多くなり、尿素水供給量が過剰となった場合には反応しきれなかったアンモニア成分が大気中へ排出されることになるため、尿素水供給量が適正となるように制御する必要がある。
そこで、NOx値計測装置6にて計測した出口NOx値に基づいて尿素水供給量を増減する補正を行う。補正値の算出は、NOx値計測装置6で計測した出口NOx値と、あらかじめ設定しておいた出口NOx値の目標値との差から算出する。補正値は基本供給量から1分当たり何パルス分の尿素水を増加又は減少するかを決定するようにしており、基本供給量から補正値分を加算した量の尿素水を供給する。尿素水供給量は、基本供給量+補正値K1+補正値K2としとおき、補正値K1=比例係数×(出口NOx値G−目標値F)、補正値K2=前回補正値K2−1+比例係数×(出口NOx値G−目標値F)とする。補正値K1の算出は短周期(例えば1秒ごと)に行い、補正値K2の算出はK1の算出よりも長い周期(例えば2分ごと)に行うようにしておく。
補正量K1は、出口NOx値と目標値の偏差に基づいて、尿素水供給量を比例的に補正するものである。出口NOx値が目標値よりも大きい場合は、尿素供給量が必要量に比べて少ないためにNOx値が高くなっているということである。この場合、補正値K1は正の値となり、目標値に対して出口NOx値が高くなるほど補正値は大きな値となる。補正値K1が正の場合、エンジン出力値から求まる基本の尿素水量では不足しているということであるため、補正値算出式で算出した補正値K1分だけ尿素水供給量を増加する。尿素水供給量を増加すると、NOxは減少することになるために出口NOx値は低下し、出口NOx値を目標値に近づけていくことができる。逆に、出口NOx値が目標値以下である場合は、尿素供給量が必要量に比べて多いためにNOx値が低くなっているということである。この場合、補正値K1は負の値となり、目標値に対して出口NOx値が低くなるほど補正値K1はよりマイナス方向に大きな値となる。補正値K1が負の場合、エンジン出力値から求まる基本の尿素水量では過剰であるということであるため、補正値算出式で算出した補正値K1分だけ尿素水供給量を減少する。尿素水供給量を減少すると、NOxは増加することになるために出口NOx値は上昇し、出口NOx値を目標値に近づけていくことができる。
補正値K2は、補正値K1による調節を行っても発生する定常偏差を無くすためのものである。比例制御によるフィードバック制御の場合、出口NOx値と目標値の偏差が大きければ尿素水供給量を大きく変更することで、出口NOx値を目標値に近づけていくことができる。しかし、出口NOx値と目標値の偏差が小さくなるほど、尿素水供給量の変更幅が小さくなっていくため、出口NOx値を目標値に一致させることができず、その場合の出口NOx値と目標値の偏差である定常偏差が発生する。補正値K2も出口NOx値と目標値の偏差に基づいて、尿素水供給量を比例的に補正するものであるが、補正値K2の場合は前回補正値K2−1に現時点の出口NOx値と目標値の偏差に基づく補正値を加算していく値とする。前回補正値K2−1に現時点の出口NOx値と目標値の偏差に基づく補正値を加算する更新を行うことで、定常偏差を埋めることができる。
なお、補正値算出式の係数とは、尿素水供給量と出口NOx値の関係から定められるものである。エンジン1の容量が大きく燃焼排ガスの量が多いものであれば、出口NOx値と目標値の差が小さくても、増加する尿素水量は大きくなる。逆に燃焼排ガスの量の少ないものであれば、出口NOx値と目標値の差が同じであっても、増加する尿素水量は小さくなる。出口NOx値と目標値の差に対して尿素水供給量の補正量を大きくしなければならない場合は係数を大きな値とし、出口NOx値と目標値の差に対して尿素水供給量の補正量は小さくなる場合は係数を小さな値とする。
図2は、エンジン出力値(%)から求める基本供給量と、出口NOx値から求める補正値K1・補正値K2から、尿素水供給量を決定する様子をグラフ化した説明図である。基本供給量算出式は、エンジン出力値に所定の定数を掛けることで基本供給量を算出することができる。例えば、エンジン出力値がX%であれば、基本供給量としてYパルス/分の尿素水を供給するというように設定しておく。尿素水供給量は、基本供給量に補正値K1と補正値K2を加えた値であり、Y+K1+K2分の尿素水を供給する。なお、補正値K1や補正値K2はマイナスの値となることもあり、尿素水供給量は基本供給量Yより少なくなることもある。
次に、図3に記載している尿素水供給量を決定するフローチャートに沿って説明する。尿素水供給量を決定する場合、まずS1にてエンジンの出力値を検出し、S2にて基本供給量の算出を行う。基本供給量はエンジン出力値と比例の関係にあり、マップ式にエンジン出力値を代入することで算出することができる。S3において、脱硝装置の運転開始からの時間がT1(例:15分)以上になっているか否かを確認し、T1以上経過している場合はS4、T1に達していない場合にはS9へ移る。S4に移った場合は、NOx値計測装置6による出口NOx値の検出を行う。S5では、補正値K1=比例係数×(出口NOx値G−目標値F)の算出式を用い、出口NOxと目標値の偏差から補正値K1を算出する。
S6では、脱硝運転開始からの時間がT2(例:20分)以上になっているか否かを確認し、T2以上経過している場合はS7、T2に達していない場合にはS10へ移る。さらにS7では、補正値K2の更新周期となっているか否かを確認し、更新周期の場合にはS8、更新周期でない場合はS11へ移る。更新は、前回の更新から条件時間(例:2分)以上経過しており、かつ出口NOx値が安定しているという条件を満たしている場合に更新を行う。出口NOx値が安定しているとは、例えば直前5分間における出口NOx値の最大値と最小値の差が、その間の平均値に対する30%よりも小さい場合としておく。
S8では、補正値K2の値を更新する。補正値K2は、出口NOx値と目標値Tの偏差に比例係数を掛けたものと、前回の補正値K2である前回補正値K2−1を加算したものである。前回補正値K2−1は、脱硝運転を初めて行う場合であって前回補正値K2−1が存在しない場合は、初期値=0としておき、以前に補正値K2を算出したことがある場合にはその値を記憶しておいて、その値を呼び出す。そのため補正値K2を算出した場合は、脱硝装置の電源を停止させた場合でも保持できる手段によって保存しておく。1回目の補正値K2更新時には、出口NOx値と目標値の偏差に係数を掛けたものが補正値K2となり、2回目の更新時には先ほどのK2がK2−1となって、この値に更新時点における出口NOx値と目標値の偏差に係数を掛けたものを加えることでK2を算出する。
また、S3において、脱硝装置の運転開始からの時間がT1に達しておらず、S9に移行した場合は、S9にて補正値K1=0としておき、S10へ移行する。S10は、S6において脱硝装置の運転開始からの時間がT2に達していなかった場合にも実行され、S10では補正値K2=前回補正値K2−1としておく。この場合、前回補正値K2−1(前回の脱硝装置の運転開始時における最終のK2値)が存在する場合には、その値を補正値K2とするが、過去に補正値K2の算出を行ったことがない場合には、前回補正値K2=0となる。
S11では、エンジンの出力値から算出した尿素水の基本供給量に、算出しておいた補正値K1及び補正値K2を加えることで尿素水供給量を決定する。S11で決定した尿素水量をS12で供給することで、排ガス中に含まれているNOxの削減を行う。なお、脱硝装置を初めて運転する場合、補正値K1の値は脱硝運転開始からT1(15分間)が経過するまで補正値K1=0、補正値K2もT2(20分)が経過するまでは、補正値K2=0となっている。そのため、この場合には脱硝装置の運転開始からT1が経過するまでは、尿素水供給量=基本供給量となる。また、補正値K2の値は、前回の脱硝装置運転時における補正値K2の値を保持しておくため、2回目以降の脱硝運転開始時には最初から補正値K2の加算を行う。ただし、脱硝運転開始からT2(20分間)は補正値K2の値を更新しないため、その間の補正値K2は一定となる。なお、補正値K2の更新は、補正値K1の算出周期よりも長く設定しており、例えばK1の算出は1秒ごとに行うが、K2の更新は2分ごとに行う。補正値K2は、補正値K1による補正を行った後に残る定常偏差を解消するための補正であるため、K2の更新周期はK1の算出周期より長くする。
また、脱硝運転を開始してからT1(15分)が経過するまでは補正値K1の算出を行わないのは、出口NOx値が大きく変動することを防止するためである。脱硝装置の運転開始直後の場合、その時にNOx値計測装置6で検出している排ガスは脱硝作用が得られていない排ガスであるため、NOx値は目標値よりも大幅に高い値となる。この時点で出口NOx値による尿素水供給量の補正を開始すると、尿素水供給量は大幅に増加するように制御されるため、尿素水供給ポンプの最大値まで増加することになる。その後、過剰に供給している尿素水による反応が進むと、出口NOx値が急激に低下する。この場合、出口NOx値の低下は急激であるために出口NOx値が目標値よりも大幅に低い値となり、今度は尿素水供給量を大幅に減少することになる。このように尿素水供給量の大幅な変更を繰り返していると、排出される排ガスのNOxは安定しない。一定時間(T1:15分間)が経過するまでの間は、出口NOx値に基づく尿素水供給量変更を行わずに一定の値を維持しておいた場合、出口NOx値を目標値に近づけるように調節することはできないが、目標値から大きく離れることもない値となる。そのため、尿素水供給量の補正を開始しても尿素水供給量が大きく変化することはなく、出口NOx値を目標値に近づける時間は短くすることができる。
補正値の算出を時間経過とともに説明する。図4と図5は、出口NOx値と尿素水供給量の関係をグラフ化した説明図である。図4と図5では、エンジン発電量、出口NOx値、尿素水基本供給量、補正値K1、補正値K2の変化を記載している。図4は脱硝装置を初めて運転する場合、図5は脱硝装置の2回目以降の運転時のものである。図4は補正値K2=初期値=0の状態から脱硝装置の運転を開始する場合であり、図5は補正値K2として前回の運転時に算出したK2値を初めから保有している状態で脱硝装置の運転を開始する場合のものである。
まず図4に基づいて説明する。図4のグラフはエンジン(発電機エンジン)の作動開始時から始まっており、エンジンは徐々に作動量を増やし、約6分後に定格発電量となる。脱硝装置の運転は、エンジンの運転開始から1分半ほど遅れて開始している。脱硝装置の運転開始直後の場合、尿素水の供給量は基本供給量のみとなる。基本供給量はエンジンの作動量増加に対して比例的に増加するように設定しているため、尿素水供給量はエンジン作動量に応じて増加していく。補正値K1及び補正値K2による補正を行っていない間の尿素水噴霧量は、基本供給量のみとなり、エンジンの作動量が一定の値を保っている間は基本供給量も一定の値を保つ。そのため、脱硝装置の運転開始から15分が経過するまでは、尿素水供給量が一定の値を保つ時間が続く。運転開始初期における出口NOx値は、脱硝装置の運転開始直後の場合には、脱硝作用が得られていないために非常に高くなっており、一時は400ppmを越えている。その後、尿素水の供給による脱硝効果が現れ始めると、出口NOx値は低下しているが、目標値である150ppmに対して100ppmほど高い250ppm程度まで低下した後には横ばいとなっている。これは、基本供給量のみの尿素水供給量では、尿素水が不足しているということを示しており、尿素水供給量を増加する補正を行う必要がある。なお、通常は基本供給量のみで出口NOx値が目標値付近となるように基本供給量の値を設定しておき、補正値K1と補正値K2は微調整を行うためのものである。しかし、その場合には補正値K1及び補正値K2の値が小さくなって図示しにくいため、本実施例では、基本供給量を通常よりも少なく設定し、補正値K1及び補正値K2の作用が図面で明確に把握できるようにしている。
脱硝装置の運転開始からT1(15分)が経過すると、補正値K1による補正が始まる。補正値K1は、その時点における出口NOx値と目標値の偏差を検出し、偏差を無くすように尿素水供給量を補正するものである。そのため、出口NOx値が目標値よりも高い場合には、尿素水供給量を増加する方向の補正が行われる。補正値K1の補正が開始されると、尿素水供給量は基本供給量に補正値K1を増加した量となる。補正値K1による補正開始時点では、出口NOx値が目標値よりも大幅に大きな値となっているため、補正値K1は比較的大きな値となっている。補正値K1による補正で尿素水供給量が大きく増加すると、尿素水によるNOxの分解量が多くなるために、出口NOx値は低下し出口NOx値と目標値の偏差は小さくなっていく。補正値K1は、出口NOx値と目標値の偏差に比例するものであり、偏差が小さくなると補正値K1の値も小さくなる。そのため、補正値K1による補正を開始した直後には、出口NOx値は低下させることができていたが、210〜230ppm程度まで低下した以降は低下が止まっている。
その後、脱硝装置の運転開始からT2(20分)が経過すると、補正値K2による補正が始まる。補正値K2は、前回の補正値K2をK2−1とし、K2−1に現時点での出口NOx値と目標値の偏差から算出した値を加えたものである。図4は脱硝装置を初めて運転する場合の場合のものであるため、補正値K2の算出開始時点では前回補正値K2−1は存在しないため、初回のK2−1値は0となり、初回のK2値は出口NOx値と目標値の偏差から定まる値のみとなる。補正値K2は2分ごとに更新するようにしており、2分間は一定の値を維持する。初回の補正値K2算出より2分が経過すると、補正値K2の値を更新する。この場合、補正値K2は、前回補正値K2−1(上記で算出した補正値K2)に現時点での出口NOx値と目標値の偏差から定まる値を加えたものとなる。K2−1と、現時点での出口NOx値と目標値の偏差から定まる値は、いずれも正の値となるため、補正値K2の値はそれまでよりも大きな値となる。補正値K1の値は、出口NOx値が目標値に近づくほど小さな値となっていくが、補正値K2の値が増加していくことより、尿素水供給量は増加する。尿素水供給量が増加することで出口NOx値は目標値に近づいていく。脱硝装置の運転開始から30分を少し越えたあたりにおいて、出口NOx値は目標値付近に到達しており、その後は目標値付近を維持することができている。補正値K1のみの補正では、定常偏差が発生するという問題があった。しかし、補正値K2による補正を付け加えることにより、定常偏差を無くすことができる。
次に図5に基づいて説明する。図5は脱硝装置の2回目の運転時のものである。図5の場合も図4と同様にエンジンの作動開始時から始まっており、エンジンは徐々に作動量を増やし、約5分後に定格発電量となる。脱硝装置の運転は、エンジンの運転開始から1分ほど遅れて開始している。脱硝装置の2回目以降の運転時には、運転開始時点でK2−1(前回の補正値K2)の値が保存されているため、尿素水の供給量は基本供給量に補正値K2を加算した値となる。脱硝装置の運転開始直後の場合、脱硝作用が得られるまでの間は出口NOxは目標値に比べて大きな値であって不安定となる。しかし、エンジンの運転開始から7分が経過したころには、出口NOx値が目標値付近まで低下している。エンジンの出力量が一定となっている間は、基本供給量も一定となり、脱硝装置の運転開始からT2(20分)が経過するまでは補正値K2の更新を行わないことより、補正値K2も一定となっている。そのため、5分頃より15分頃の間における尿素水供給量は一定となっている。図5では出口NOx値が安定している状態において、目標値の150ppmを下回っているため、補正値K1の値はマイナスとなる。そのため、補正値K1による補正を開始後には、尿素水供給量が少しではあるが減少している。
1 エンジン
2 排ガス通路
3 還元剤噴霧ノズル
4 還元剤供給ユニット
5 脱硝触媒
6 NOx値計測装置
7 脱硝制御装置

Claims (3)

  1. NOxを含んだ燃焼排ガスを流す排ガス流路、排ガス流路内に還元剤を噴霧する還元剤噴霧ノズル、還元剤噴霧ノズルへ還元剤を供給する還元剤供給ユニット、還元剤供給ユニットでの還元剤供給量を制御する脱硝制御装置、還元剤噴霧ノズルより下流の排ガス通路内に設置しておき排ガス中に噴霧した還元剤を反応させることでNOxの分解を行う脱硝触媒、脱硝触媒より下流における出口NOx値を計測するNOx値計測装置をそれぞれ持った脱硝装置において、前記脱硝制御装置には、出口NOx値の目標値、エンジンなど燃焼排ガスを発生する装置における出力値から還元剤の基本供給量を算出する基本供給量算出式、基本供給量に対する補正値K1及び補正値K2を算出する補正値算出式を入力しておき、基本供給量算出式にて算出した基本供給量に、補正値算出式で算出した補正値K1と補正値K2を加味した還元剤量を排ガス通路内へ噴霧するように制御する脱硝装置であって、補正値K1は、前記NOx値計測装置にて計測した出口NOx値と目標値の偏差に基づいて比例的に補正値を増減する、補正値K2は、比例係数×(出口NOx値−目標値)+前回補正値K2−1であって、補正値K2の更新は、前記補正値K1の算出周期よりも長い周期で更新するように設定したことを特徴とする脱硝装置。
  2. 請求項1に記載の脱硝装置において、脱硝運転開始から所定の時間が経過するまでの間は、補正値K1の値を0、補正値K2の値は保存しておいた前回値のままとし、補正値K1の算出は脱硝運転開始から時間T1後に開始し、補正値K2の更新は脱硝運転開始から時間T2後に開始するようにしておき、脱硝運転開始からの時間は、時間T1<時間T2としていることを特徴とする脱硝装置。
  3. 請求項1又は2に記載の脱硝装置において、補正値K2は、前回の更新から条件時間以上経過しており、かつ出口NOx値が安定しているという条件を満たしている場合に更新を行うように設定したことを特徴とする脱硝装置。
JP2009047549A 2009-03-02 2009-03-02 脱硝装置 Pending JP2010203265A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009047549A JP2010203265A (ja) 2009-03-02 2009-03-02 脱硝装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009047549A JP2010203265A (ja) 2009-03-02 2009-03-02 脱硝装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010203265A true JP2010203265A (ja) 2010-09-16

Family

ID=42965001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009047549A Pending JP2010203265A (ja) 2009-03-02 2009-03-02 脱硝装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010203265A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6155316A (ja) * 1984-08-28 1986-03-19 Nissan Motor Co Ltd タ−ボチヤ−ジヤの過給圧制御装置
JPH01180220A (ja) * 1988-01-08 1989-07-18 Toshiba Corp ガスタービンプラントの脱硝制御装置
JPH08214577A (ja) * 1995-02-02 1996-08-20 Mitsubishi Electric Corp モータ制御装置、及び洗濯機
JP2000139091A (ja) * 1998-08-26 2000-05-16 Mitsubishi Electric Corp モ―タ駆動制御装置およびモ―タ駆動制御方法
JP2001182575A (ja) * 1999-12-24 2001-07-06 Mitsubishi Motors Corp エンジン制御装置
JP2007330836A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Miura Co Ltd 燃焼機器の脱硝装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6155316A (ja) * 1984-08-28 1986-03-19 Nissan Motor Co Ltd タ−ボチヤ−ジヤの過給圧制御装置
JPH01180220A (ja) * 1988-01-08 1989-07-18 Toshiba Corp ガスタービンプラントの脱硝制御装置
JPH08214577A (ja) * 1995-02-02 1996-08-20 Mitsubishi Electric Corp モータ制御装置、及び洗濯機
JP2000139091A (ja) * 1998-08-26 2000-05-16 Mitsubishi Electric Corp モ―タ駆動制御装置およびモ―タ駆動制御方法
JP2001182575A (ja) * 1999-12-24 2001-07-06 Mitsubishi Motors Corp エンジン制御装置
JP2007330836A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Miura Co Ltd 燃焼機器の脱硝装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI450755B (zh) 控制選擇性催化還原設備之操作之方法
US9631776B2 (en) Model-based controls for selective catalyst reduction systems
JP2016094937A (ja) ガスタービンシステムにおけるエミッション制御システム及びその方法
US8584444B2 (en) Model-based controls for selective catalyst reduction system
CN204299705U (zh) 燃气涡轮机排放物控制系统
US20150218993A1 (en) Exhaust treatment system and method
US8783013B2 (en) Feedforward selective catalytic reduction system for turbine engines
JP2010203268A (ja) 脱硝装置
JP6338323B2 (ja) 脱硝装置
JP4668852B2 (ja) 燃焼機器の脱硝装置
JP5190396B2 (ja) 脱硝装置
JP2010203267A (ja) 脱硝装置
US8557207B2 (en) Method and apparatus for reducing the quantity of pollutant in waste gases
JP2010203265A (ja) 脱硝装置
JP4792696B2 (ja) 脱硝制御方法、脱硝制御装置及びそのプログラム
CN105561785B (zh) 基于双map图的脱硝系统尿素溶液喷射控制方法
JPH04346819A (ja) 脱硝制御装置及び方法  
JP4732964B2 (ja) 燃焼機器の脱硝装置
JP4786632B2 (ja) 脱硝装置の制御装置および制御方法
JP2010094605A (ja) 窒素酸化物処理装置
JP2003126652A (ja) コージェネレーションの排ガス脱硝システム
CN107589764B (zh) 一种脱硝控制方法及系统
JP2001129354A (ja) 脱硝装置、燃焼装置及びその運転制御方法
JP2000262862A (ja) 脱硝制御装置
JP2001104755A (ja) 脱硝装置へのアンモニア注入量制御方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130801