JP2010203195A - ブロック - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた透水性及び保水性を備え、比較的軽量なブロックを提供する。
【解決手段】ブロック10は、シラス11と、セメント12と、水13と、団粒化剤14と、をミキサ21で撹拌して得られた混合物15を型枠16に充填し、固化させて形成する。団粒化剤14は、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物である。型枠16内に投入された混合物15中において、団粒化剤14の団粒化作用により、シラス11及びセメント12の粒子群が互いに結合して団粒化しながら立体網目構造が形成され、この立体網目構造内に存在する無数の連続空隙が水分を効率的に吸収したり、透過したりするので、ブロック10は優れた透水性及び保水性を発揮する。
【選択図】図1
【解決手段】ブロック10は、シラス11と、セメント12と、水13と、団粒化剤14と、をミキサ21で撹拌して得られた混合物15を型枠16に充填し、固化させて形成する。団粒化剤14は、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物である。型枠16内に投入された混合物15中において、団粒化剤14の団粒化作用により、シラス11及びセメント12の粒子群が互いに結合して団粒化しながら立体網目構造が形成され、この立体網目構造内に存在する無数の連続空隙が水分を効率的に吸収したり、透過したりするので、ブロック10は優れた透水性及び保水性を発揮する。
【選択図】図1
Description
本発明は、火山噴出物が堆積した地層から採取されるシラスを骨材として形成したブロックに関する。
火山噴出物が堆積して形成されたシラスは南九州に広く分布し、その有効利用については、従来、様々な方面から研究が行われているが、本発明に関連するものとして、シラスを骨材として用いたブロックが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1記載のブロックは、シラス、セメント、水及び微細な空隙を増やす機能を有する無機質の添加剤などを混練、固化して作られる。このブロックの内部には無数の連続空隙が存在しているため、河川の底部などに設置すると、連続空隙が珪藻類の生育・増殖に適した環境となり、水質改善や水中生態系の維持発展に有効である。
特許文献1記載のブロックの内部に存在する連続空隙は珪藻類の生育・増殖等には好適であるが、ブロック全体の空隙率が比較的小さいため、透水性及び保水性が劣っており、地上に雨水貯留構造を構築する分野などでの使用には不向きである。
本発明が解決しようとする課題は、優れた透水性及び保水性を備え、比較的軽量なブロックを提供することにある。
本発明のブロックは、シラスと、セメント若しくはセメント系固化材の少なくとも一方と、団粒化剤と、水と、を含む混合物を固化させて形成したことを特徴とする。ここで、シラスとは、南九州地域などに広く分布する火山噴出物が堆積した地層(例えば、シラス台地など)から採取される灰白色の砂状物質をいう。
このような構成とすれば、シラス、セメント若しくはセメント系固化材の少なくとも一方、団粒化剤及び水を含む混合物において、団粒化剤に含まれるイオンの作用により、シラスの粒子とセメント(若しくはセメント系固化材)の粒子とが立体的な団粒構造が形成され、やがて混合物中に連続した空隙が発生する。従って、これらの混合物を固化させることにより、優れた透水性及び保水性を備えたブロックを得ることができる。また、比較的比重の小さなシラスの粒子によって連続空隙が形成されることにより、全体の空隙率が高まるため、完成したブロックは比較的軽量となる。さらに、灰白色をしたシラスを含むことにより、ブロックはシラス特有の色調、質感を発現するため、外観性が良好であり、自然環境との調和性にも優れている。
なお、本発明のブロックに含まれるシラスはブロックを一定形状に保つ主材料となり、団粒化剤はシラスとセメント(若しくはセメント系固化材)の粒子を立体的な団粒構造へと変化させる作用を発揮し、セメント(若しくはセメント系固化材)は団粒化剤によって形成された団粒構造を外力で破壊されない程度の強度に固める作用を果たす。
また、本発明のブロックは、シラスと、セメント若しくはセメント系固化材の少なくとも一方と、団粒化剤と、砕石若しくは真砂土の少なくとも一方と、を含む混合物を固化させて形成したことを特徴とする。このような構成とすれば、シラス粒子及びセメント(若しくはセメント系固化材)の粒子によって形成された団粒構造中に砕石や真砂土が散在した状態となるため、ブロックの強度、特に、圧縮強度を高めることができる。また、砕石や真砂土に基づく色調、質感を発現させることができる。
前記団粒化剤として、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物を用いれば、比較的強固な団粒構造が形成されるため、優れた透水性及び保水性を長期間に渡って維持することができる。
本発明により、優れた透水性及び保水性を備え、比較的軽量なブロックを提供することができる。
図1に示すように、シラス11、セメント12及び水13をミキサ21に投入して充分に撹拌、混合する。ミキサ21はモータなどで駆動される撹拌駆動機構を有する一般的なものを用いることができる。シラス11とセメント12とがムラ無く混合されたら、団粒化剤14を添加し、さらに撹拌、混練することによってスラリー状の混合物15を形成する。このようにして得られた混合物15を型枠16内に充填して所定形状に成形した後、固化させる。
型枠16内に投入された混合物15中においては、団粒化剤14の団粒化作用により、シラス11及びセメント12の粒子群が互いに結合して団粒化しながら立体網目構造が形成されていく。この団粒化の過程において、さらに粒子群の結合、連結が進行していき、大小の連続空隙を有する多孔質状の粗大粒子が形成され、養生過程を経ることによって固化する。型枠16内の混合物15が充分に固化し、養生した後、脱型するとブロック10が完成する。
図1に示す工程を経て形成されたブロック10は内部に立体網目構造を備え、この立体網目構造内に存在する無数の連続空隙により、水分を効率的に吸収したり、透過したりする機能が生じるため、優れた透水性及び保水性を発揮する。また、ブロック10は立体網目構造を有し、空隙率が高いため、比較的軽量であり、搬送、敷設及び撤収などの作業は容易である。さらに、ブロック10が灰白色のシラス11を含有していることにより、従来のブロックには無い、特有の外観、色調、質感を発現するため、外観性も良好である。
図1に示すブロック10は長さ20cm,幅10cm,高さ6cmの直方体形状であるが、形状、サイズはこれに限定するものではない。また、ブロック10の用途も限定しないので、様々な分野で使用できるが、例えば、図2に示すように、ビルディング20の屋上19のフロア22に敷設することができる。このように、複数のブロック10をフロア22上に敷き詰めれば、屋上19に降った雨水などはブロック10に速やかに吸収され、立体網目構造内に存在する連続空隙に貯留され、貯留しきれない雨水が徐々に下方へ排出されるため、雨天時のビルディング20からの雨水流出量を抑制することができる。
従って、近年、多発しているゲリラ豪雨などのような激しい集中豪雨の際に、ビルディング20周辺の排水施設の処理能力を超えた大量の雨水が道路上に溢れたり、地下道などへ流入したりする局地的洪水の発生を回避することができる。なお、図1に示すように複数のブロック10を平面的に敷設するだけでなく、複数のブロック10を積み重ねて積層状態に配置すれば、雨水などの貯留量を増やすことができる。
一方、夏季などの気温の高い時期には、ビルディング20の屋上19のフロア22上に敷設された多数のブロック10中に貯留されている水分が表面から蒸発し、その際に気化熱を奪うので、ブロック10及びフロア22の温度上昇を抑制することができる。このため、ビルディング20内の空調エネルギを削減することができるだけでなく、いわゆる、ヒートアイランド現象の防止にも有効である。
図1に示す製造工程で使用するシラス11、セメント12及び団粒化剤14は特に限定するものではないが、本実施形態では、南九州に分布するシラス台地から採取したシラス10を用い、セメント12として一般のポルトランドセメントを使用し、団粒化剤14として有限会社グローバル研究所の「商品名:GB−2000」を用いたところ、強固な団粒構造を有するブロック10を形成することができた。「GB−2000」はアクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物である。「GB−2000」は原液のまま、あるいは水溶液にして使用することができる。
本実施形態において、図1に示す混合物15を構成する各成分の混合比率は次の通りであるが、これに限定するものではないので、ブロック10の用途、シラス11の性状などに応じて変更することができる。
シラス11:1立方メートル当たり
セメント:250kg〜350kg
団粒化剤14(GB−2000の原液):1.5リットル〜2.5リットル
水:適量(混合物15の固さ、流動性を確認しながら添加量を調節する。)
シラス11:1立方メートル当たり
セメント:250kg〜350kg
団粒化剤14(GB−2000の原液):1.5リットル〜2.5リットル
水:適量(混合物15の固さ、流動性を確認しながら添加量を調節する。)
一方、図1に示すように、混合物15を形成する際に砕石17や真砂土18などを混入させれば、シラス11の粒子及びセメント12の粒子によって形成された団粒構造中に砕石17や真砂土18が散在した状態となるため、ブロック10の強度、特に、圧縮強度を高めることができる。また、砕石17や真砂土18に基づく色調、質感を発現させることができる。
本発明のブロックは、透水性保水型の資材として、地面や建物の屋上などに敷設したり、積層したりして広く利用することができる。
10 ブロック
11 シラス
12 セメント
13 水
14 団粒化剤
15 混合物
16 型枠
17 砕石
18 真砂土
19 屋上
20 ビルディング
21 ミキサ
11 シラス
12 セメント
13 水
14 団粒化剤
15 混合物
16 型枠
17 砕石
18 真砂土
19 屋上
20 ビルディング
21 ミキサ
Claims (3)
- シラスと、セメント若しくはセメント系固化材の少なくとも一方と、団粒化剤と、水と、を含む混合物を固化させて形成したことを特徴とするブロック。
- シラスと、セメント若しくはセメント系固化材の少なくとも一方と、団粒化剤と、砕石若しくは真砂土の少なくとも一方と、水と、を含む混合物を固化させて形成したことを特徴とするブロック。
- 前記団粒化剤として、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物を用いたことを特徴とする請求項1または2記載のブロック。
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JP2009052604A JP2010203195A (ja) | 2009-03-05 | 2009-03-05 | ブロック |
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JP2009052604A JP2010203195A (ja) | 2009-03-05 | 2009-03-05 | ブロック |
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---|---|---|---|---|
JP2002173678A (ja) * | 2000-12-06 | 2002-06-21 | Yoshikazu Fuji | 土舗装用組成物およびその製法 |
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JP2005180166A (ja) * | 2003-11-28 | 2005-07-07 | Shiima Consultant:Kk | 舗装構造 |
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