JP2010202953A - 冶金炉排ガスの改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】還元剤を含む改質ガス吹込みのための装置を、簡易で安価に設置することができ、排ガスの効率的な改質・増熱を安全に達成することができる冶金炉排ガスの改質装置を提案する。
【解決手段】炭酸ガスと還元剤との改質反応による冶金炉排ガスの改質・増熱を行うために用いられる装置であって、冶金炉の排ガスダクトに、希釈窒素吹込み用外管とこの外管内に嵌挿された還元剤吹込み用内管とからなる同心2重管構造の改質ガス吹込みノズルを設置したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、冶金炉排ガスの改質装置に関し、とくに、転炉から発生する炭酸ガス含有排ガスに還元剤を含む改質ガスを吹き込んでこの排ガスの改質を行って熱エネルギーを回収するために用いられる改質装置を提案する。
近年、産業界にとって炭酸ガスの排出削減は、地球環境を守り地球温暖化を防ぐための大きな課題である。特に、製鉄所にとっては、炭酸ガスの排出削減に向けた努力こそ、企業の存続にも関わる最重要の課題となっている。
製鉄所では、一般に、転炉などから炭酸ガスを含む高温の排ガスが発生する。この排ガスは、炭酸ガスの他に一酸化炭素や水素などを含むため、製鉄所内の各種設備を稼動させるエネルギー源としても利用される。また、こうした高温の排ガスの顕熱を利用するという観点からは、ボイラーに供給して低圧のスチームを発生させることで、廃熱回収を行うことも一般的である。しかしながら、製鉄所での低圧スチームの利用価値は低く、むしろ高温の排出ガスを化学的に利用できるようにすることが望ましいと考えられる。
ところで、メタンなどの各種炭化水素やメタノール、ジメチルエーテルなどの含酸素化合物等は、炭酸ガスや水蒸気と反応して一酸化炭素や水素に改質できることが知られている。この反応を利用した廃熱回収技術の中には、転炉等の冶金炉から発生する二酸化炭素および/または水蒸気を含む高温排ガス中に、炭化水素を含む気体および/または液体からなる還元剤を供給して改質反応を起こさせ、該排ガス中の一酸化炭素と水素を増加させることにより、排ガスの潜熱を増大させる「増熱」を図る方法が開示ある。
例えば、文献1には、転炉排ガス中に天然ガスを吹込んで、下記(1)式の改質反応を行わせる際に、この反応が完了していると考えられる位置の温度を375℃程度まで低下させる技術が開示されている。ただし、発明者らの研究によれば、前記改質反応は800℃よりも低い温度では、カーボンの生成が顕著となり、排ガス回収設備内にカーボンやダストの堆積を招くという問題があることがわかった。その上、改質反応の温度が低下すると、反応効率の低下を招き、二酸化炭素の転化率も低下する。
CH+CO→2CO+2H (1)
また、この従来技術については、排ガス中の炭酸ガスを還元する天然ガスを、転炉炉口上方の、下部フード、上部フードあるいは輻射部などによって構成される排ガスダクトから吹き込んでいる。しかしながら、この方法を実施するために設けられる吹込みノズルは、一般的な転炉排ガスの排ダクトの壁面が水冷管で覆われた構造になっていることから、効果的な吹き込みを行うためには新たなフードの設計・製作が必要になる。しかも、下部フードあるいは上部フードは、1200〜1800℃程度の高温に曝されており、しばしば火炎も舞い上がる部分でもあるため、還元剤の吹込みノズルもまた水冷構造とする必要があり、高価になる。
次に、特許文献2には、転炉炉口付近の空間に、メタンなどの炭化水素を吹き込み、特許文献1と同様の改質・増熱を図る技術が開示されている。しかしながら、この技術については、転炉炉口付近で炭化水素を吹き込むため、炉口とスカートとの空隙から吸引される空気によって炭化水素が燃焼してしまい、改質反応の効率が低下するだけでなく、燃焼熱によって炉口近傍の耐火物やスカートの損耗が速くなるという問題がある。しかも、吹き込んだ炭化水素が爆発する可能性もあり、安全に操業することが困難である。
次に、特許文献3には、転炉壁(耐火物)の冷却と排ガスの改質、増熱を同時に達成する方法として、転炉上吹きランスから水と炭化水素系液体の混合物を吹込む技術が開示されている。この開示技術では、炭化水素の燃焼の可能性は低いものの、ランス外径を任意の大きさにすることができないので、吹込み量が少なくなり、増熱効果が限定的となる問題点がある。さらに、3重構造ないしは4重構造のランスが必要となり、ランス自体は寿命が短いので高価になるという問題もある。
特開2000−212615号公報 特開2000−239723号公報 特開2000−282128号公報
上述したように、炭酸ガスを含有する高温の転炉排出ガスを、このガスがもつ顕熱を利用してガスの改質を行う上記従来技術については、
a.カーボンの堆積や炭酸ガスの反応効率低下を招いたり、SiOやAl等の非燃焼成分の堆積を招いたりすること、
b.天然ガス等の吹込み位置が、下部フードまたは上部フード、転炉炉口付近の溶鋼直上空間、あるいは上吹きランス付近であったため、装置が高価になる他、還元剤の燃焼や爆発の危険性に対して十分な対策がとられていないこと、
c.改質・増熱された排ガスの発熱量が小さく増熱効果が限定的で、これを幅広い分野で利用することができないこと、
などの種々の課題があった。
そこで、本発明の目的は、還元剤を含む改質ガス吹込みのための装置を、排ガスダクトに対し、簡易で安価に設置することができ、かつ排ガスの効率的な改質・増熱を安全に達成することができる冶金炉排ガスの改質装置を提案することにある。
従来技術が抱えている上述した課題を克服し、高温の冶金炉排ガスを、簡易な構造の安価な設備で、安全にかつ効率よく改質するために、本発明では、冶金炉から排出される高温の排ガスに還元剤を添加することによって、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと還元剤との改質反応による該排ガスの改質を行うために用いられる装置であって、冶金炉の排ガスダクトに、希釈窒素吹込み用外管とこの外管内に嵌挿された還元剤吹込み用内管とからなる同心2重管構造の改質ガス吹込みノズルを、設置してなる冶金炉排ガスの改質装置を提案する。
なお、本発明の冶金炉排ガスダクトの還元剤吹込み装置において、
(1)前記冶金炉は転炉であること、
(2)前記排ガスダクトは、下部フード、上部フードおよび輻射部からなるものであること、
(3)前記改質ガス吹込みノズルは、前記排ガスダクトの輻射部下部の周方向に1〜複数個設置されていること、
(4)前記改質ガス吹込みノズルは、内管によって形成される中心通路からは還元剤を噴出させ、一方、該内管と外管との間に形成される環状通路からは希釈窒素を噴出させること、
(5)前記外管は、前記排ガスダクトに取付けされている既設の非常停止用希釈窒素吹込み管であること、
(6)前記外管の環状通路から噴出させる希釈窒素は、非常停止用希釈窒素であること、
(7)前記還元剤は、天然ガス、液化石油ガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフィネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテルのうちから選ばれるいずれか1種以上の化石資源系化合物を含むこと、
(8)前記還元剤は、非化石資源系有機化合物を含むこと、
がより好適な解決手段を提供できる。
(1)本発明によれば、冶金炉排ガスを改質するための装置を簡易な構造の安価な設備にすることができると共に、安全に排ガスの改質・増熱を果すことができ、ひいては炭酸ガスの排出削減を高効率に達成することができる。
(2)本発明によれば、冶金炉排ガス回収設備に元々備わっている非常停止用希釈窒素吹込み管を利用することにしたので、排ガスダクトに対し、全く新たな装置を設置しなくてもすみ、装置の設置費用を削減できる。
(3)本発明によれば、冶金炉から排出される高温の排ガスの顕熱をそのまま利用する構造となっているので、還元剤の添加によって炭酸ガス改質反応を導く際に、カーボンや非燃焼成分の発生、堆積がなく、排ガスの熱量を増熱させることができるようになると共に、排ガスの利用拡大と炭酸ガスの排出削減とを同時に達成することができるようになる。
(4)本発明によれば、還元剤を吹込む内管と希釈窒素を吹込む外管とからなる同心2重管構造のノズルを用いるので、還元剤の温度調整ができることに加え、希釈窒素の噴出により急速燃焼や爆発の危険性を効果的に防止するのに有効である。
(5)本発明によれば、改質反応のための還元剤として、安価に大量に生産される天然ガス等を用いる同心2重管装置であるから経済的であり、特に、バイオエタノール、バイオディーゼルなどの非化石資源系有機化合物を還元剤として用いる場合、炭酸ガス排出削減に大きく貢献できるようになる。
本発明を説明するための、転炉排ガス回収設備の略線図である。 本発明の改質ガス吹込みノズルの断面図である。
本発明に係る冶金炉排ガスの改質装置は、転炉や溶融還元炉などの冶金炉から排出される800℃以上、好ましくは1000℃以上である高温の排ガスに還元剤等を添加し、この排ガス中に含まれる炭酸ガスと還元剤とによる改質反応を導いて該排ガスの改質を行うための装置であり、冶金炉の排ガスダクトに、希釈窒素吹込み用外管とこの外管内に嵌挿された還元剤吹込み用内管とからなる同心2重管構造の改質ガス吹込みノズルを配設した点に特徴がある。
以下、本発明の構成について、冶金炉として転炉を用いた例で説明する。
転炉から排出される高温の排ガス(以下、これを単に「オフガス」ともいう)は、通常、10〜20容積%程度のCOと50〜80容積%程度のCOを含有し、発熱量が1500〜2000kcal/Nm程度、転炉操業中での炉口部における温度は1200〜1800℃程度である。本発明の装置では、この転炉オフガス中に、天然ガス等の還元剤を添加して、その還元剤と炭酸ガスとによる上記(1)式の改質反応を導くことにより、該オフガスの増熱と炭酸ガスの排出削減を同時に、かつこれを安全に達成しようとするものである。即ち改質され、増熱されたオフガスは、例えば、製鉄所内の各種熱源として使われる(燃焼させる)ため、最終的には炭酸ガスを排出することになるものの、製鉄所内で用いられる重油等の補助燃料を増熱分相当量削減でき、その分だけ発生炭酸ガス量を削減できることになる。
図1は、本発明にかかる冶金炉排ガスの改質装置を説明するための、転炉の排ガス回収設備の略線図である。この図に示すように、転炉1から発生するオフガスは、スカート2、下部フード3、上部フード4、第1輻射部5、第1集塵機(湿式集塵機)6、第2集塵機7等を経て排出される。
図2は、本発明において用いられる好適な改質ガス吹込みノズルNの例である。
本発明に係る改質装置では、希釈窒素吹込み用外管8と、天然ガス等の還元剤吹込み用内管9とからなる同心2重管構造の改質ガス吹込みノズルNを、転炉の排ガスダクト、即ち、下部フード3、上部フード4、輻射部5のいずれかの位置に、ダクト周方向の1〜複数個所、例えば、2個を一対として2ヶ所の位置から合計で4個設置することが好ましい。
このような改質ガス吹込みノズルNは、内管によって形成される中心通路9aからは後述する還元剤を噴出させることができ、そして、外管8と内管9との間隙によって形成される環状通路8aからは希釈窒素、例えば、非常停止用希釈窒素を噴出させることができるものである。
また、この希釈窒素の噴出および天然ガス等の還元剤の噴出は、それぞれ独立した状態で行われるが、前者は、例えば、転炉排ガスの温度上昇に伴う爆発の危険性があるときに作動させる非常停止用希釈窒素の噴射時の場合であり、一方、後者は、排ガスの改質・増熱を図るために供給する還元剤を噴出させるような場合である。もちろん、この両者を同時に噴出させることも可能であり、この場合、還元剤吹込みガス濃度の調整機能を持つことになる。
通常、このような転炉排ガスダクトを含む排ガス回収設備には、非常停止用希釈窒素吹込みノズル12が、図示例では前記第1輻射部5の下部、上部フード4の上端近くに配設されている。本発明では、好ましくはこの既設の希釈窒素吹込みノズル12を利用して、このノズルを前記外管8とし、その内部中心部に、還元剤吹込み用内管9を嵌挿して同心2重管構造の改質ガス吹込みノズルNとしてもよい。この場合、既設の希釈窒素吹込みノズル12をそのまま利用するので、建設費が大幅に節約できる。
この非常停止用希釈窒素吹込みノズル12を利用する理由は、非常停止用希釈窒素は、一般に、転炉操業時の非常時に、高温排出ガスによる爆発を防止するために、スカート2〜輻射部5からな転炉排ガスダクト内に大量の窒素を吹込むために採用されているものである。この希釈窒素吹込みノズルというのは、通常、内径が200〜300mm程度の大口径のノズルがダクト周壁に2〜8箇所程度配置され、非常時にだけ用いるものが一般的である。本発明は、こうしたこの大口径の希釈窒素吹込みノズル、即ち、外管8に対し、それの内部に、このノズルよりも小口径の還元剤吹込み用内管9を軸方向の中心部に嵌挿させる態様で設置し、2重管構造としたものである。
上述した希釈窒素吹込みノズル12は既設であるため、排ガス回収設備やランス14に還元剤吹込み機能を追加して新規に設計したりして制作する必要がなく、該希釈窒素吹込みノズルである外管8の内部に単に還元剤吹込み用内管9を装着するだけでよく、簡便に設置でき安価である点で有利である。
なお、転炉排ガスダクト設備というのは、上記の非常停止用希釈窒素吹込みノズル12の他に、ダクト内の点検口としてのマンホールに加えて、点検作業でダクト内に入る時の足場設置用のフランジが複数箇所に設置されているのが普通である。本発明の上述した例では、既設の非常停止用希釈窒素吹込みノズル12の窒素吹込み管を改質ガス吹込みノズルの外管として使用することを提案したが、本発明の同心2重管構造の前記改質ガス吹込みノズルNを、前記の既設マンホールや足場に設置することも可能である。
この改質ガス吹込みノズルNは、通常、排ガスダクトの周方向に複数個設置することになるが、既設の希釈窒素吹込みノズル12の一部だけを利用して設置してもよいし、全部の該ノズル12に設置してもよい。また、この改質ガス吹込みノズルNの設置は、上述した既設のマンホールや前記フランジを利用する場合についも同様である。
ところで、高温の排ガスが充満した状態にある転炉排ガスダクト内への改質ガス(還元剤)の吹き込みは、排ガスが800℃以上の高温である第1輻射部5の下部に設置された前記改質ガス吹込みノズルNから行われることが好ましい。図1にはそのような例を示した。転炉排ガスダクト中の第1輻射部5下部の排ガス温度は、通常、1100〜1400℃程度であり、改質反応を進行させるには十分な温度である。一方、この位置では酸素は一酸化炭素との燃焼反応によって完全に消費されており、この位置まで火炎が舞い上がることはない。したがって、排ガスを安全かつ効率的に改質し、増熱させることができるし、場合によっては、希釈窒素による濃度調整を行ってもよい。
前記改質ガス吹込みノズルNより転炉の高温排ガス中に吹き込まれた天然ガスなどの還元剤は、排ガス中の炭酸ガスと反応して、前記(1)式の反応を起して排ガスの顕熱を吸収する。したがって、排ガス温度は反応の進行と共に低下する。そして、この反応の進行に伴って、排ガス流量、一酸化炭素濃度ならびに水素濃度が増加し、一方で、炭酸ガス濃度は減少する。図1では温度計10、ガス分析計11、およびガス流量計(図示せず)などを使って反応のモニタリングをしているが、これらの計測値を用いて還元剤の流量調節弁13や還元剤供給圧力(図示せず)を制御してもよい。なお、第1集塵機6は湿式集塵機であるため、排ガスはここで急冷され、第1集塵機6手前までが反応に利用できる空間である。
本発明で用いることのできる還元剤は、天然ガスや液化石油ガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフィネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、バイオエタノール、バイオディーゼルなどの非化石資源系有機化合物、およびそれらの混合物などから選ばれる物質の少なくとも1つであることが好ましい。中でも天然ガスや液化石油ガス、軽質ナフサ、ラフィネート、ジメチルエーテルは、炭酸ガスとの反応性がよく、安価で大量の入手も容易であることから好ましい。天然ガスや液化石油ガスのように、室温で気体である還元剤を用いる場合、ガス吹き込みに適したノズルを用いればよく、ノズル形状やノズルの本数にとくに制約はない。また、ラフィネートのように、室温で液体の還元剤の場合は、これをミスト状に噴霧して注入してもよく、気化させた後、気体で注入してもよい。ミスト状で供給する場合、その液滴径は、炭酸ガスとの接触が効率的であればよく、好ましくは0.01〜1000μm、より好ましくは0.1〜100μmである。さらに、ジメチルエーテルのような液化ガスを還元剤とする場合は、事前に気化させて気体として注入してもよく、液体で供給しノズル近傍、あるいはノズル内で気化させて供給してもよい。この場合、ノズル近傍、あるいはノズル内で気化させる場合、気化熱によってノズルが冷却されるため、ノズルの保護の点からは好ましい。
また、還元剤としては、上記化石資源系化合物と共に、またはそれに代えて非化石資源系有機化合物を用いてもよい。非化石資源系有機化合物を還元剤として選択すると、炭酸ガス改質反応によってオフガスが増熱される分に加え、カーボンニュートラルな還元剤によって改質反応を行うため、炭酸ガス排出削減に大きく貢献できる点で好ましい。この非化石資源系有機化合物としては、バイオエタノール、バイオディーゼルまたはこれらの混合物を挙げることができる。なお、バイオエタノール、バイオディーゼルなどは、通常、室温で液体であるため、これをミスト状に噴霧して注入するか、気化させた後、気体として注入することが好ましい。なお、前記非化石資源系有機化合物の液化ガスの場合、上記したジメチルエーテルと同様に使用することが好ましい。
(実施例1)
この実施例は、300tの上吹き転炉1を用い、図1に示す輻射部5の下部に配設されている非常停止用希釈窒素吹込みノズル12を利用して設置された改質ガス吹込みノズルNから、転炉排ガス(オフガス)中に、還元剤として天然ガスを添加する試験を行った例である。この実施例において用いられる改質装置の前記改質ガス吹込みノズルNは、転炉排ガスダクト(輻射部)の軸方向のほぼ同一の高さに計4ヶ所に亘って均等の幅で設置されており、その外管8の内径は200mmである。4ヶ所に設置した改質ガス吹込みノズルNの全てには、図2に示すような内径35mmの還元剤吹込み用内管9を備え、そして、この還元剤吹込み用内管9の上流側配管内には図示を省略した一般的な圧力制御弁ならびに流量調節弁などが取付けられている。
還元剤としての天然ガス吹き込みに先立ち、非常停止用窒素ガスのフローに問題がないかどうかを確認した。窒素ガスは設定流量である27000Nm/h吹込むことができ、転炉操業に何ら安全上の問題がないことがわかった。また、天然ガスを吹込んでいない時のオフガス流量は、67000Nm/h、ガス組成はCO:60容積%、CO:15容積%、H:1容積%、N:24容積%であったので、COを10050Nm/h排出していたことになる。そして、添加した天然ガスは、4本の改質ガス吹込みノズルNの合計で3600Nm/hとした。この天然ガスのCH含有率は92容積%であったので、COとCHのモル比は略3:1に近似できる。なお、この改質ガス吹込みノズルN付近のオフガス温度は実測していないが、数値解析によると約1300℃と見積られる。
このような実施条件の下で、天然ガスの供給圧力をゲージ圧で200kPaに調整し、各改質ガス吹込みノズルNからの流量を900Nm/hとなるよう調整した。吹錬開始直後は酸素がリークしていたため、酸素濃度が1容積%以下になったところで、天然ガスの添加を開始し、改質したオフガスの温度、流量、組成をモニターした。その結果、オフガスは、温度910℃、流量78000Nm/h、組成は、CO:容積64%、CO:6容積%、H:8容積%、N:22容積%、CH、O:分析限界以下であり、吹込んだ天然ガスは全量が炭酸ガスと反応しており、燃焼・爆発の危険性は皆無であった。また、ダクト(煙道)内へのカーボンなどの排ガスダストの生成や堆積は認められず、排ガスが効率的に改質されたことがわかった。また、改質前のオフガスの燃焼熱は1840kcal/Nmであったが、改質後では2140kcal/Nmと、オフガス体積規準で16%増熱されていた。改質後のオフガス中の炭酸ガス流量は4680Nm/hと計算され、炭酸ガスの転化率は53%であり、本発明に係る装置を採用することが効果的であることが確かめられた。
本発明は、転炉の排ガスだけを対象とするものだけでなく、非常停止用希釈窒素吹込みノズルのような既設の大口径ノズルを有し、かつ多量の炭酸ガス含有高温排ガスを発生する各種冶金炉の排ガスダクトに設置する改質装置としても有用である。
1 転炉
2 スカート
3 下部フード
4 上部フード
5 輻射部
6 第1集塵機
7 第2集塵機
8 希釈窒素吹込み用外管
8a 環状通路
9 還元剤吹込み用内管
9a 中心通路
10 温度計
11 ガス分析計
12 非常停止用希釈窒素吹込みノズル
13 流量調節弁
14 ランス
N 改質ガス吹込みノズル

Claims (9)

  1. 冶金炉から排出される高温の排ガスに還元剤を添加することによって、その排ガス中に含まれる炭酸ガスと還元剤との改質反応による該排ガスの改質を行うために用いられる装置であって、冶金炉の排ガスダクトに、希釈窒素吹込み用外管とこの外管内に嵌挿された還元剤吹込み用内管とからなる同心2重管構造の改質ガス吹込みノズルを、設置してなることを特徴とする冶金炉排ガスの改質装置。
  2. 前記冶金炉は転炉であることを特徴とする請求項1に記載の冶金炉排ガスの改質装置。
  3. 前記排ガスダクトは、下部フード、上部フードおよび輻射部からなるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の冶金炉排ガスの改質装置。
  4. 前記改質ガス吹込みノズルは、前記排ガスダクトの輻射部下部の周方向に1〜複数個設置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の冶金炉排ガスの改質装置。
  5. 前記改質ガス吹込みノズルは、内管によって形成される中心通路からは還元剤を噴出させ、一方、該内管と外管との間に形成される環状通路からは希釈窒素を噴出させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の冶金炉排ガスの改質装置。
  6. 前記外管は、前記排ガスダクトに取付けされている既設の非常停止用希釈窒素吹込み管であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の冶金炉排ガスの改質装置。
  7. 前記外管の環状通路から噴出させる希釈窒素は、非常停止用希釈窒素であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の冶金炉排ガスの改質装置。
  8. 前記還元剤は、天然ガス、液化石油ガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフィネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテルのうちから選ばれるいずれか1種以上の化石資源系化合物を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載の冶金炉排ガスの改質装置。
  9. 前記還元剤は、非化石資源系有機化合物を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載の冶金炉排ガスの改質装置。
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