図1は、本発明の実施例1に係る新聞用オフセット輪転印刷機を表す概略構成図、図2は、実施例1の折機を表す概略構成図、図3は、実施例1の折機における第1折畳機構を表す概略図、図4は、折鋸胴におけるカムを表す概略図、図5は、針装置の駆動機構を表す概略図、図6は、折込装置の駆動機構を表す概略図、図7は、実施例1の折機における第2折畳機構を表す概略図、図8は、ウェブに対する印刷絵柄を表す概略図、図9乃至図11は、実施例1の折機の作動を説明するための構成図である。
実施例1の印刷機は、図1に示すように、新聞用オフセット輪転印刷機であって、複数(本実施例では、8台)の給紙ユニットR1〜R8を有する給紙装置Rと、複数(本実施例では、6台)の印刷ユニットU1〜U6を有する印刷装置Uと、ウェブパス装置Dと、複数(本実施例では、2個)の折ユニットF1,F2を有する折機Fとから構成されている。
なお、印刷ユニットU1〜U6を6台として説明したが、各印刷ユニットU1〜U6は、4色刷りが可能であると共に、上下に分割して12台の印刷ユニットU11,U12,U21・・・U61,U62として用いることができる。
また、図1にて、2つの折ユニットF1,F2を左右に並べて記載したが、実際には、紙面に直行する方向に並んで配置される操作側折ユニットF1と駆動側折ユニットF2となっている。更に、印刷装置Uを2つの部分から記載したが、機能上2つに分けて記載しただけであり、実際には、1つの装置となっている。
そして、本実施例の新聞用オフセット輪転印刷機では、図示しない建屋の1階に給紙装置R1〜R8が設置され、2階及び3階に印刷ユニットU1〜U6が設置され、3階から5階にウェブパス装置Dが設置され、また、2階、3階に折機Fが設置されている。
上述した給紙装置Rの給紙ユニットR1〜R8は、ほぼ同様の構成をなし、ウェブWがロール状に巻かれた3つの巻取紙を保持する保持アーム11が設けられ、この保持アーム11を回動することで、巻取紙を給紙位置に回動することができる。また、この各給紙ユニットR1〜R8には、図示しない紙継装置が設けられており、給紙位置で繰り出されている巻取紙が残り少なくなると、この紙継装置により給紙位置にある巻取紙に対して、待機位置にある巻取紙を紙継することができる。
印刷装置Uの印刷ユニットU1〜U6は、両面4色印刷を行うことができる多色刷印刷ユニットである。但し、各印刷ユニットU1〜U8は、上下に分割することで、両面2色印刷を行うことができる印刷ユニットU11〜U62とすることができる。また、各印刷ユニットU1〜U3は、版胴12の周長(直径)に対して、ブランケット胴13の周長(直径)が2倍に設定される一方、各印刷ユニットU4〜U6は、版胴14の周長(直径)及びブランケット胴13の周長(直径)が2倍に設定されている。この場合、ブランケット胴13,15の周長(直径)は同じに設定されている。
即ち、版胴12の周面には、周方向(ウェブWの天地長さ方向)に沿って1つの刷版(図示略)が、軸方向(ウェブWの幅方向)に沿って4つの刷版が着脱自在である。一方、版胴14の周面には、周方向に沿って2つの刷版が、軸方向(ウェブWの幅方向)に沿って4つの刷版が着脱自在である。
なお、本実施例では、印刷ユニットU1〜U6を、全て多色刷印刷ユニットにより構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、両面2色刷印刷ユニット、両面単色刷印刷ユニット、一面4色または単色刷印刷ユニットなど、印刷物に応じて適宜各種ユニットを組み合わせて使用すればよい。
ウェブパス装置Dは、ウェブの走行するための駆動力を付与するドラグローラ、ウェブWを縦(ウェブWの天地長手方向、ウェブWの搬送方向)に沿ってその幅方向の中央部で裁断するスリッタ、縦裁断したウェブWの搬送経路を設定するターンバー、ウェブWにおける天地長手方向における搬送位置を調整するコンペンセータなどを有している。従って、各印刷ユニットU1〜U6で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパス装置Dにて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。
折機Fは、2つの折ユニットF1,F2を有しており、ウェブパス装置Dから複数のウェブWが重ねられて導入されると、各折ユニットF1,F2にて、ウェブWを縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。
ここで、折ユニットF1,F2を有する折機Fについて詳細に説明する。
折機Fにおいて、図2に示すように、最上部には、上述したウェブパス装置Dで所定の順番に重ねられたウェブW1を、縦折りする左右一対の三角板(フォーマ)101a,101bが設けられ、この三角板101a,101bの下方には、ウェブW2を縦折りする左右一対の三角板(フォーマ)201a,201bが設けられている。この場合、三角板101a,101bが折ユニットF1の構成部材であり、三角板201a,201bが折ユニットF2の構成部材である。
三角板201aの下方には、リードインローラ102a,102b、ニッピングローラ103a,103bが設けられている。そして、ニッピングローラ103a,103bの下方には、2つの折畳機能を有する第1折畳機構104が配置され、この第1折畳機構104の下方には、第1羽根車105及び第1排紙コンベア106と、第2羽根車107及び第2排紙コンベア108が左右に隣接して配置されている。
また、三角板201bの下方には、リードインローラ202a,202b、ニッピングローラ203a,203bが設けられている。そして、ニッピングローラ203a,203bの下方には、1つの折畳機能を有する第2折畳機構204が配置され、この第2折畳機構204の下方には、第3羽根車205及び第3排紙コンベア206が第2羽根車107及び第2排紙コンベア108に隣接して配置されている。
なお、三角板101bの下方には、リードインローラ102c,102dが設けられている。また、リードインローラ102a,102bとリードインローラ202a,202bとの間には、ウェブWの搬送先を変更するガイドローラ109が配置されている。
ここで、まず、折ユニットF1における第1折畳機構104について詳細に説明する。この第1折畳機構104は、図2及び図3に示すように、ロータリフォルダタイプとジョウフォルダタイプを組み合わせた構成となっている。即ち、第1胴としての折鋸胴21と、第2胴としての咥え胴22とが、外周面が対向した状態で、左右に並んで回転自在に配置されている。
折鋸胴21は、外周部に180度対向して針装置23,24が設けられており、この各針装置23,24はほぼ同様の構成をなしている。針装置23にて、折鋸胴21の軸方向に沿って針軸23aが回転自在に支持され、この針軸23aに針アーム23bが固結されている。この針アーム23bは、一端部にカムローラ23cが装着される一方、他端部に針23dが固定されている。そして、後述するフレーム46には、針装置23における針装置23より内側に位置してカム25が固定されており、針アーム23bは、トーションバー23eによりカムローラ23cがカム25に接触する方向に付勢支持されている。
針装置24にて、折鋸胴21の軸方向に沿って針軸24aが回転自在に支持され、この針軸24aに針アーム24bが固結されている。この針アーム24bは、一端部にカムローラ24cが装着される一方、他端部に針24dが固定されている。そして、フレーム46には、折鋸胴21における針装置24より内側に位置してカム26が固定されており、針アーム24bは、トーションバー24eによりカムローラ24cがカム26に接触する方向に付勢支持されている。
この場合、各カム25,26は、図4に示す形状となっている。即ち、カム25,26は、折鋸胴21と同心状をなして形成され、一方のカム25は、保持範囲がθ1の角度に設定され、他方のカム26は、保持範囲がθ1よりも狭いθ2の角度に設定されている。ここで、保持範囲θ1,θ2とは、針装置23,24がウェブW(シートS)の先端部を保持する範囲である。即ち、針装置23,24は、ウェブWの先端部の保持開始位置は同じであるが、ウェブWの先端部の保持終了位置が異なり、針装置24は、針装置23よりも早いタイミングでウェブWの先端部の保持を終了、つまり、保持を解除する。なお、各カム25,26は、必要に応じて周方向に位相調整可能となっている。
従って、図3に示すように、折鋸胴21が回転すると、針装置23,24は、カム25,26により作動してウェブWの保持または解除を行う。即ち、針アーム23b,24bは、カムローラ23c,24cがカム25,26の保持範囲θ1,θ2に至ると、トーションバー23e,24eの付勢力により回動する。すると、針23c,24cが外方に突出し、ウェブWの走行方向における前端部を突き刺して保持することができる。そして、針アーム23b,24bは、カムローラ23c,24cがカム25,26の保持範囲θ1,θ2から離脱すると、トーションバー23e,24eの付勢力に抗して逆方向に回動する。すると、針23d,24dが内方に移動し、ウェブWの前端部から外れて保持を解除することができる。
また、折鋸胴21は、外周部に180度対向して裁断手段(第1裁断手段)としての鋸刃27,28が設けられており、この各鋸刃27,28はほぼ同様の構成をなしている。鋸刃27は、針装置23に隣接して設けられており、折鋸胴21の外周部に固定された鋸台27aに刃本体27bが外方に突出するように固定されて構成されている。また、鋸刃28は、針装置24に隣接して設けられており、折鋸胴21の外周部に固定された鋸台28aに刃本体28bが外方に突出するように固定されて構成されている。一方、咥え胴22は、外周部に180度対向して裁断手段としての鋸刃受29,30が設けられており、この各鋸刃受29,30はほぼ同様の構成をなし、ゴム等の弾性体により構成されている。
この場合、折鋸胴21と咥え胴22は、同じ周速で同期回転することで、鋸刃27と鋸刃受29が一定周期で互いに対向するようにその回転位相が一致し、また、鋸刃28と鋸刃受30が一定周期で互いに対向するようにその回転位相が一致している。従って、折鋸胴21と咥え胴22が同期回転すると、鋸刃27,28と鋸刃受29,30が同期して移動し、所定の回転位置で鋸刃27と鋸刃受29が対向して一致するとき、また、鋸刃28と鋸刃受30が対向して一致するとき、この鋸刃27,28によりウェブW(シートS)を横裁断することができる。
更に、折鋸胴21は、その周面に180度対向して折ブレード31,32が設けられており、各折ブレード31,32は、針装置23,24及び鋸刃27,28とほぼ90度位相がずれた位置に設けられている。折ブレード31にて、折鋸胴21の外周部には、折軸31aに回転自在に支持されており、この折軸31aに櫛状をなすブレード本体31bが一体に固定され、ブレード本体31bの先端部が折鋸胴21から外方に突出可能となっている。また、折軸31aには、同軸上に駆動歯車31cが一体に固結されている。そして、フレーム46には、折鋸胴21における折ブレード31より内側に位置して固定歯車33が固定されており、折軸31aの駆動歯車31cは、折鋸胴21に回転自在に支持された中間歯車31dを介して固定歯車33に噛み合っている。
この場合、折鋸胴21が回転するとき、中間歯車31dが固定歯車33に噛み合った状態でこの固定歯車33の外周部に沿って伝導することから、中間歯車31dに噛み合う駆動歯車31cを介して折軸31a、つまり、ブレード本体31bが折鋸胴21とは逆方向に回転する。そのため、折鋸胴21が1回転するとき、ブレード本体31bが2回転するように、駆動歯車31cと中間歯車31dと固定歯車33との減速比が設定されている。そして、折ブレード31は、ブレード本体31bが折鋸胴21における所定の回転位置、つまり、後述する一対の折込ローラ35a,35bの間で突出するように、その回転位相が設定されている。
折ブレード32にて、折鋸胴21の外周部には、折軸32aに回転自在に支持され、この折軸32aに折アーム32bが固結されている。この折アーム32bは、一端部にカムローラ32cが装着される一方、他端部に櫛状をなすブレード本体32dが固定されている。そして、フレーム46には、折鋸胴21における折ブレード32より内側に位置してカム34が固定されており、折アーム32bは、トーションバー32eによりカムローラ32cがカム34に接触する方向に付勢支持されている。
この場合、カム34は、図4に示す形状となっている。即ち、カム34は、折鋸胴21と同心状をなして形成され、折込範囲がθ3の角度に設定されている。ここで、折込範囲θ3とは、折ブレード32がシートSの中間部を折鋸胴21の外周面からはがして咥え胴22側に移動させる範囲である。なお、各カム34は、必要に応じて周方向に位相調整可能となっている。
折鋸胴21の下方には、一対の折込ローラ35a,35bが折鋸胴21と同期回転可能に設けられており、折鋸胴21の下方で各折込ローラ35a,35bの両側には、紙ガイド36,37が設けられている。この一対の折込ローラ35a,35bは、折ブレード31により折鋸胴21の周面から突出したシートSの中間部を挟持することで、折帖Tを形成することができる。このとき、紙ガイド36,37は、折帖Tをガイドする。
従って、折鋸胴21が回転すると、折ブレード31がこの折鋸胴21と同期して逆回転し、所定の回転位置でブレード本体31bが外方に突出することで、シートSが折鋸胴21の周面から引き剥がされ、中間部が折鋸胴21から折込ローラ35a,35b側に突出する。折込ローラ35a,35bは、このシートSの突出した中間部を挟持することで、シートSを横折し、折帖Tを形成することができる。
折込ローラ35a,35bの下方には、図2に示すように、第1羽根車105が駆動回転可能に設けられ、この第1羽根車105の下方には、第1排紙コンベア106が設けられている。第1羽根車105は、周方向に複数の羽根を有し、折込ローラ35a,35bに同期して回転することで、一対の折込ローラ35a,35bにより形成された折帖Tを順次受取って第1排紙コンベア106上に受け渡す。
一方、咥え胴22は、図2及び図3に示すように、外周部に咥え装置38が設けられており、この咥え装置38は、鋸刃受29,30とほぼ90度位相がずれた位置に設けられている。咥え装置38は、折鋸胴21の折ブレード32により突出したシートSの中間部を咥えることができる。即ち、折鋸胴21と咥え胴24は、上述したように、同じ周速で同期回転することで、折ブレード32のブレード本体32dと咥え装置38が一定周期で互いに対向するようにその回転位相が一致している。
咥え胴22に隣接して、この咥え胴22と2つのガイドローラ39,40に無端の上搬送ベルト41が掛け回されると共に、駆動ローラ42と2つのガイドローラ43,44に無端の下搬送ベルト45が掛け回され、この下搬送ベルト45は、一部の循環経路で咥え胴22及び上搬送ベルト41に接触している。この場合、咥え胴22と駆動ローラ42が駆動源となり、各搬送ベルト41,45は、同期して同方向(循環方向としては逆方向)に移動可能となっている。
従って、折鋸胴21と咥え胴22が同期回転すると、折ブレード32と咥え装置38が同期して移動し、所定の回転位置でブレード本体32dと咥え装置38が対向して一致するとき、この折ブレード32が突出することで、シートSが折鋸胴21の周面から引き剥がされ、中間部が折鋸胴21から咥え胴22側に突出する。咥え装置38は、この突出したシートSの中間部を咥え、咥え胴22が回転することで、シートSを横折し、折帖Tを形成することができる。そして、咥え装置38に咥えられた折帖Tは、搬送ベルト41,45の間に挟まれた後に、咥え装置38から解除されて搬送される。
搬送ベルト41,45の下方には、第2羽根車107が駆動回転可能に設けられ、この第2羽根車107の下方には、第2排紙コンベア108が設けられている。羽根車107は、周方向に複数の羽根を有し、搬送ベルト41,45に同期して回転することで、搬送ベルト41,45により搬送された折帖Tを順次受取って第2排紙コンベア108上に受け渡す。
なお、上述した実施例1にて、折鋸胴21が第1胴であり、咥え胴22が第2胴である。また、鋸刃27,28及び鋸刃受29,30が裁断手段(第1裁断手段)であり、鋸刃27が第1鋸刃、鋸刃28が第2鋸刃である。針装置23が第1針装置であり、針装置24が第2針装置である。折ブレード31が第1折ブレードであり、折ブレード32が第2折ブレードである。また、針装置23と折ブレード31と折込ローラ35a,35bが第1胴に設けられた第1折込手段(以下、第1折込ユニット)であり、針装置24と折ブレード32と咥え装置38が第1胴及び第2胴に設けられた第2折込手段(以下、第2折込ユニット)である。
上述した折ユニットF1では、印刷が施されて重ねられたウェブWを裁断した後、シートSを第1折込ユニットと第2折込ユニットとの間で振り分ける振分手段を有している。本実施例では、この第1折込ユニットと第2折込ユニットが、折鋸胴(第1胴)21の外周部に所定間隔で設けられることで構成される。即ち、図3に示すように、第1折込ユニットを構成する針装置23と第2折込ユニットを構成する針装置24が折鋸胴21の周方向に等間隔で配置され、第1折込ユニットを構成する折ブレード31と第2折込ユニットを構成する折ブレード32が折鋸胴21の周方向に等間隔で配置されている。従って、折鋸胴21の回転に伴って第1折込ユニットと第2折込ユニットが交互に作動することで、裁断した後のシートSを折込ローラ35a,35b(第1折込ユニット)側と咥え胴22(第2折込ユニット)側とに交互に振り分けることができる。
また、上述した折ユニットF1では、シートSを第1折込ユニットと第2折込ユニットとの間で振り分ける第1振分け形態と、シートSを第1折込ユニットのみに振り分ける第2振分け形態と、シートSを第2折込ユニットのみに振り分ける第3振分け形態とのいずれか一つに切り替える切替手段を有している。
即ち、図5に示すように、折鋸胴21にて、針装置23の針軸23aにおける軸端部に針アーム23bが固結され、この針アーム23bの一端部にカムローラ23cが装着されている。また、針装置24の針軸24aにおける軸端部に針アーム24bが固結され、この針アーム24bの一端部にカムローラ24cが装着されている。折鋸胴21が回転自在に支持されるフレーム46には、切替シリンダ47が固定されており、この切替シリンダ47の駆動ロッド48の先端部には、カム25、26が連結されている。このカム25,26は、折鋸胴21と同心上に配置され、切替シリンダ47により軸心方向に移動可能である一方、周方向には回転不能となっている。そして、カムローラ23cがカム25の外周面を転動自在であると共に、カムローラ24cがカム26の外周面を転動自在である。なお、この場合切替手段は、エア式または油圧式の切替シリンダに限らず、電気モータやねじ軸などを利用してもよい。
このカム25、26は、幅がカムローラ23c,24cの幅の2倍に設定されている。そのため、切替シリンダ47によりカム25、26を軸心方向に移動することで、カムローラ23c,24cの位置をカム25、26との間で切替可能となっている。即ち、カムローラ23cをカム25に接触させると共に、カムローラ24cをカム26に接触させると、上述したシートSを第1折込ユニットと第2折込ユニットとの間で振り分ける第1振分け形態となる。また、カムローラ23c,24cをカム25に接触させると、上述したシートSを第1折込ユニットのみに振り分ける第2振分け形態となる。更に、カムローラ23c,24cをカム26に接触させると、上述したシートSをと第2折込ユニットのみに振り分ける第3振分け形態となる。
また、折鋸胴21にて、折ブレード31の折軸31aにおける軸端部に駆動歯車31cが固結され、折軸31aにおける外周部にブレード本体31bが固定されている。フレーム46には、調整シリンダ49が固定されており、この調整シリンダ49の駆動ロッド50の先端部には、固定歯車33が連結されている。この固定歯車33は、折鋸胴21と同心上に配置され、調整シリンダ49により軸心方向に移動可能である一方、周方向には回転不能となっている。そして、駆動歯車31cが中間歯車31dを介して固定歯車33に噛み合っている。なお、駆動歯車31cと中間歯車31dと固定歯車33は、はすば歯車であって、調整シリンダ49により固定歯車33を軸方向に移動することで、歯の角度に応じて中間歯車31dを介して駆動歯車31cを回転し、折ブレード31の回転位相を調整することができる。
折鋸胴21にて、折ブレード32の折軸32aにおける軸端部に折アーム32bが固結され、この折アーム32bの一端部にカムローラ32cが装着されている。フレーム46には、取付ブラケット51を介してカム34が連結されている。このカム34は、折鋸胴21と同心上に配置され、カムローラ32cが外周面を転動自在である。
この折ブレード31,32は、折鋸胴21に対して着脱自在となっており、別のものと交換可能となっている。即ち、図6に図示した折ブレード31,32を適用すると、上述したシートSを第1折込ユニットと第2折込ユニットとの間で振り分ける第1振分け形態となる。また、折ブレード32を折ブレード31の構成に交換すると、上述したシートSを第1折込ユニットのみに振り分ける第2振分け形態となる。更に、折ブレード31を折ブレード32の構成に交換すると、上述したシートSをと第2折込ユニットのみに振り分ける第3振分け形態となる。
このように本実施例では、カム25,26と切替シリンダ47により切替手段が構成されると共に、折ブレード31,32を交換することにより切替手段が構成される。
次に、折ユニットF2における第2折畳機構204について詳細に説明する。図7に示すように、第1折畳機構104は、ロータリフォルダタイプの構成となっている。即ち、第3胴としての折胴61と、第4胴としての鋸胴62とは、外周面が対向した状態で、左右に並んで回転自在に配置されている。
折胴61は、外周部に180度対向して針装置63,64が設けられており、この各針装置63,64はほぼ同様の構成をなしている。なお、この針装置63,64は、上述した針装置23,24とほぼ同様の構成をなしていることから、詳細な説明は省略する。針装置63,64と針装置23,24との相違点は、これを作動させるカムの形状である。本実施例の針装置63,64におけるカムは、カム25と同様の形状であり、針装置63,64に対して1つのカムが設定されている。そして、針装置63,64の保持範囲は、針装置23の保持範囲θ1に設定され、針装置63,64は、ウェブWの先端部の保持開始位置と保持終了位置が同じに設定される。
また、鋸胴62は、外周部に180度対向して裁断手段(第2裁断手段)としての鋸刃65,66が設けられており、この各鋸刃65,66は、針装置63,64に隣接して設けられ、両者がほぼ同様の構成をなしている。一方、折胴21は、外周部に180度対向して裁断手段としての鋸刃受67,68が設けられており、この各鋸刃受67,68はほぼ同様の構成をなし、ゴム等の弾性体により構成されている。なお、この鋸刃65,66及び鋸刃受67,68は、上述した鋸刃27,28及び鋸刃受29,30とほぼ同様の構成をなしていることから、詳細な説明は省略する。鋸刃65,66及び鋸刃受67,68と鋸刃27,28及び鋸刃受29,30との相違点は、装着されている胴が、折鋸胴21及び咥え胴22から折胴61及び鋸胴62に変わっただけである。
更に、折胴61は、その周面に180度対向して折ブレード69,70が設けられており、各折ブレード69,70は、針装置63,64及び鋸刃受67,68とほぼ90度位相がずれた位置に設けられている。折ブレード69,70は、上述した折ブレード31とほぼ同様の構成をなしていることから、詳細な説明は省略する。即ち、本実施例の折ブレード69,70は、一つの固定歯車により作動するものとなっている。
折胴61の下方には、一対の折込ローラ71a,71bが折胴61と同期回転可能に設けられており、折胴61の下方で各折込ローラ71a,71bの両側には、一対の紙ガイド72a,72bが設けられている。この一対の折込ローラ71a,71bは、折ブレード69,70により折胴61の周面から突出したシートSの中間部を挟持することで、折帖Tを形成することができる。このとき、紙ガイド72a,72bは、折帖Tをガイドする。
折込ローラ71a,72bの下方には、図2に示すように、第3羽根車205が駆動回転可能に設けられ、この第3羽根車205の下方には、排紙コンベア206が設けられている。羽根車205は、周方向に複数の羽根を有し、折込ローラ71a,71bに同期して回転することで、一対の折込ローラ71a,71bにより形成された折帖Tを順次受取って排紙コンベア206上に受け渡す。
なお、上述した実施例1にて、折胴61が第3胴であり、折胴62が第4胴である。また、鋸刃65,66及び鋸刃受67,68が第2裁断手段である。また、針装置63,64と折ブレード69,70と折込ローラ71a,72bが第3折込手段(第3折込ユニット)である。
以下、上述した実施例1の新聞用オフセット輪転印刷機による新聞の印刷方法について説明する。ここでは、新聞用オフセット輪転印刷機により同時に3種類の新聞を印刷する場合について説明する。
この場合、図1に示すように、印刷ユニットU1,U21,U22,U3を用いて4枚のウェブWに対して両面印刷を行い、ウェブパス装置Dで重ねて搬送方向を変更して折ユニットF2に送り、ここで、断裁、折畳を行って1種類の新聞Aを印刷する。
一方、印刷ユニットU4,U51,U52,U6を用いて4枚のウェブWに対して両面印刷を行い、ウェブパス装置Dで重ねて搬送方向を変更して折ユニットF1に送り、ここで、断裁、折畳を行って2種類の新聞を印刷する。即ち、印刷ユニットU4,U51,U52,U6では、版胴14の外周面に異なる絵柄を印刷する2種類の刷版を周方向に沿って装着し、この状態で、ブランケット胴15を介してウェブWに印刷を行う。
詳細に説明すると、印刷ユニットU4,U51,U52,U6にて、各版胴14の外周面に異なる絵柄を印刷する刷版を、軸方向に4つ、周方向2つ並べて装着し、この状態で印刷を行う。すると、図8に示すように、ウェブWには、まず、幅方向にA1,B1,C1,D1の絵柄が印刷され、次に、A2,B2,C2,D2の絵柄が印刷され、続いて、A1,B1,C1,D1の絵柄が印刷される。つまり、ウェブWの天地長手方向には、A1,B1,C1,D1の絵柄とA2,B2,C2,D2の絵柄が交互に印刷される。
そして、印刷ユニットU4,U51,U52,U6で印刷されたウェブWは、幅方向の中心で縦に裁断され、左右のウェブWがウェブパス装置Dで他のウェブWと共に重ねられる。続いて、縦裁断されて幅が半分となり、互いに重ねられた8枚のウェブWが、折ユニットF1にて、絵柄ごとに横に裁断されてシートSとなり、横折されて折帖Tとなる。この場合、ウェブW11とウェブW12が重ねられてB新聞となり、ウェブW21とウェブW22が重ねられてC新聞となることから、第1折畳機構104では、B新聞用の折帖TとC新聞用の折帖Tが交互に形成されることから、異なる折帖Tを別々に排紙している。
具体的に説明すると、図1及び図2に示すように、給紙装置Rの各給紙ユニットR1〜R8から印刷装置Uの各印刷ユニットU1,U21,U22,U3,U4,U51,U52,U6にウェブWが供給されると、各印刷ユニットU1,U21,U22,U3,U4,U51,U52,U6では、各ウェブWに対して4色刷や2色刷などが行われる。そして、各印刷ユニットU1,U21,U22,U3で印刷が施された多数のウェブWは、ウェブパス装置Dにて、縦裁断が行われた後に、搬送経路が変更され、所定の順番に重ね合わせられて8枚のウェブW2となる。一方、各印刷ユニットU1,U21,U22,U3で印刷が施された多数のウェブWは、同様に、ウェブパス装置Dにて、縦裁断が行われた後に、搬送経路が変更され、所定の順番に重ね合わせられて8枚のウェブW1となる。
そして、折機Fにおける一方の折ユニットF2にて、図2及び図7に示すように、ウェブW2は、三角板201bにより縦折りされた後、リードインローラ202a,202b、ニッピングローラ203a,203bにより第2折畳機構204に送られる。
第2折畳機構204にて、ウェブW2は、鋸胴62の鋸刃65(または66)により横裁断されると共に、折胴61の針装置63(または64)により先端部が保持される。折胴61と鋸胴62がほぼ半周回転すると、折胴61の周面から折ブレード69(または70)が突出し、切断されたシートSの長手方向の中間部を押し下げることで、このシートSを一対の折込ローラ71a,71bに引き渡し、この折込ローラ71a,71bは、シートSを挟持することで折帖Tを形成する。そして、形成された折帖Tは、第3羽根車205の各羽根により順次受取られ、第3排紙コンベア206上に受け渡され、24頁の新聞Aを印刷することができる。
一方、折機Fにおける他方の折ユニットF1にて、図2に示すように、ウェブW1は、三角板101bにより縦折りされた後、ガイドローラ109、ニッピングローラ103a,103bにより第1折畳機構104に送られる。
第1折畳機構104にて、図9に示すように、ウェブW1は、折鋸胴21と咥え胴22の対接部に供給されると、まず、鋸刃27により横裁断されると共に、針装置23により先端部が保持される。そして、折鋸胴21と咥え胴22がほぼ半周回転すると、図10に示すように、ウェブW1が鋸刃28により横裁断されると共に、針装置23によるウェブW1(シートS)の保持が解除される。続いて、図3に示すように、折鋸胴21の周面から折ブレード31が突出し、切断されたシートSの長手方向の中間部を押し下げる。すると、このシートSは、回転する一対の折込ローラ35a,35bに挟持されることで折帖Tが形成される。そして、図2に示すように、形成された折帖Tは、第1羽根車105の各羽根により順次受取られ、第1排紙コンベア106上に受け渡され、24頁の新聞Bを印刷することができる。
次に、ウェブW1が鋸刃28により横裁断され、針装置23によるウェブW1の保持が解除されたとき、針装置24は、ウェブW1の先端部を保持する。そして、折鋸胴21と咥え胴22がほぼ4分の1周回転すると、図11に示すように、針装置24によるウェブW1の保持が解除され、折鋸胴21の周面から折ブレード32が突出し、ウェブW1の所定の位置を咥え胴22側に押し出す。すると、ウェブW1は、所定の位置が咥え装置38に咥えられ、咥え胴22の回転に伴って織り込まれる。続いて、折鋸胴21と咥え胴22が回転すると、ウェブW1が鋸刃27により横裁断され、一対の搬送ベルト41,45に挟持されることで折帖Tが形成される。そして、図2に示すように、形成された折帖Tは、第2羽根車107の各羽根により順次受取られ、第2排紙コンベア108上に受け渡され、24頁の新聞Cを印刷することができる。
なお、上述の説明では、新聞用オフセット輪転印刷機により同時に3種類の新聞A,B,Cを印刷する場合について説明したが、1種類または2種類の新聞を印刷することもできる。新聞用オフセット輪転印刷機により1種類の新聞を印刷する場合には、印刷ユニットU1〜U6のいずれかまたは全てを用い、また、折ユニットF1,F2のいずれかまたは両方を用いればよい。また、新聞用オフセット輪転印刷機により同時に2種類の新聞を印刷する場合には、例えば、印刷ユニットU1,U21,U22,U3と折ユニットF2を用いて新聞Aを印刷し、印刷ユニットU4,U51,U52,U6と折ユニットF1を用いて新聞Bまたは新聞Cを印刷する。このとき、切替手段により、シートSを第1折込ユニットのみに振り分ける第2振分け形態、または、シートSをと第2折込ユニットのみに振り分ける第3振分け形態のどちらかに切り替えることで対応することができる。この場合、印刷する新聞の折り品質を良好としたいときには、第2折込ユニットを用いる方が望ましい。
この場合、新聞用オフセット輪転印刷機では、3種類の新聞を同時に印刷するだけでなく、異なる部数の2種類の新聞を同時に印刷することもできる。即ち、新聞Aを20000部印刷し、新聞Bを30000部印刷する場合、折ユニットF1により新聞A,Bをそれぞれ20000部印刷し、折ユニットF2により新聞Bを10000部印刷すればよい。
このように実施例1の折機にあっては、折ユニットF1として、折鋸胴21と咥え胴22を設け、折鋸胴21に鋸刃27,28を設けると共に、折鋸胴21に裁断されたシートSを折り畳む第1折込ユニットを設ける一方、咥え胴22に裁断されたシートSを折り畳む第2折込ユニットを設け、また、裁断されたシートSをこの第1折込ユニットと第2折込ユニットとの間で振り分ける振分手段を設けている。
従って、鋸刃27,28によりウェブWが所定長さに裁断されて形成されたシートSは、振分手段により第1折込ユニットまたは第2折込ユニットに振り分けられ、この第1折込ユニットと第2折込ユニットにより折り畳まれて折帖Tが形成されて排紙されることとなり、異なる種類の印刷物、つまり、新聞B,Cを第1折込ユニット側と第2折込ユニット側とで同時に印刷することができ、作業効率の向上を図ることができると共に、装置の大型化を抑制することができる。
また、実施例1の折機では、折鋸胴21に、針装置23,24と、鋸刃27,28と、折込ブレード31,32とをそれぞれ均等間隔で設けると共に、折鋸胴21の下方に隣接して一対の折込ローラ35a,35bを設ける一方、咥え胴22に、咥え装置38を設けている。従って、折鋸胴21を、所謂、ロータリフォルダタイプとし、咥え胴22側を、所謂、ジョウフォルダタイプとすることで、各構成部材の配置を簡素化することができ、装置の大型化を抑制することができる。
また、実施例1の折機では、振分手段を、針装置23と折込ブレード31からなる第1折込ユニットと、針装置24と折込ブレード32からなる第2折込ユニットを折鋸胴21に所定間隔で設けることで構成している。従って、折鋸胴21の回転に伴って第1折込ユニットと第2折込ユニットが交互に作動することで、シートSを第1折込ユニットと第2折込ユニットとに振り分けることができ、装置の簡素化、高精度化に寄与することができる。
また、実施例1の折機では、シートSを第1折込ユニットと第2折込ユニットとの間で振り分ける第1振分け形態と、シートSを第1折込ユニットのみに振り分ける第2振分け形態と、シートSを第2折込ユニットのみに振り分ける第3振分け形態とのいずれか一つに切り替える切替手段を設けている。従って、印刷する新聞の種類や部数に応じて使用する折込ユニットを選択することができ、汎用性を向上することができる。
また、実施例1の折機または印刷機にあっては、第1折ユニットF1及び第2折ユニットF2を設け、第1折ユニットF1として、第1折込機構104と振分手段を設け、第2折ユニットF2として、第2折込機構204を設けている。従って、第1折ユニットF1では、2種類の新聞B,Cを印刷することができ、第2折ユニットF1では、1種類の新聞Aを印刷することができ、異なる3種類の新聞A,B,Cを同時に印刷することができ、作業効率の向上を図ることができると共に、装置の大型化を抑制することができる。
なお、上述の実施例1では、針装置23,24をカム25,26により作動するように構成したが、その駆動機構は、この構成に限定されるものではない。例えば、歯車式や油圧シリンダなどを使用したものであってもよい。また、折ブレード31を固定歯車33により作動し、折ブレード32をカム34により作動するように構成したが、その駆動機構は、この構成に限定されるものではない。例えば、両方とも歯車式としたり、カム式としてもよい。更に、切替手段として、針装置23,24に対して切替シリンダ47を用い、折ブレード31,32に対して交換方式としたが、針装置23,24に対して交換方式としたり、折ブレード31,32に対して切替シリンダを用いてもよい。
図12は、本発明の実施例2に係る折機を表す概略構成図である。
実施例2の印刷機は、実施例1と同様に、新聞用オフセット輪転印刷機であって、図示しないが、複数の給紙ユニットを有する給紙装置と、複数の印刷ユニットを有する印刷装置と、ウェブパス装置と、複数の折ユニットを有する折機とから構成されている。本実施例の印刷機に使用される折機の折ユニット(折畳機構)は、実施例1で説明した折機Fにて、折ユニットF1の第1折畳機構104に対応するものである。
実施例2の折機の折ユニットにおいて、図12に示すように、折畳機構301は、実施例1と同様に、ロータリフォルダタイプとジョウフォルダタイプを組み合わせた構成となっている。そして、第1胴としての鋸胴302及び折胴303と、第2胴としての咥え胴304とが、外周面が対向した状態で、左右に並んで回転自在に配置されている。
鋸胴302は、外周部に180度対向して裁断手段(第1裁断手段)としての鋸刃305,306が設けられており、この各鋸刃305,306はほぼ同様の構成をなしている。一方、折胴303は、外周部に180度対向して裁断手段としての鋸刃受307,308が設けられており、この各鋸刃受307,308はほぼ同様の構成をなし、ゴム等の弾性体により構成されている。なお、この鋸刃305,306及び鋸刃受307,308は、上述した実施例1の鋸刃27,28及び鋸刃受29,30とほぼ同様の構成をなしていることから、詳細な説明は省略する。
従って、鋸胴302と折胴303が同期回転すると、鋸刃305,306と鋸刃受307,308が同期して移動し、所定の回転位置で鋸刃305と鋸刃受307が対向して一致するとき、また、鋸刃306と鋸刃受308が対向して一致するとき、この鋸刃305,306によりウェブW(シートS)を横裁断することができる。
折胴303は、外周部に180度対向して針装置309,310が設けられており、この各針装置309,310はほぼ同様の構成をなし、鋸刃受307,308に隣接して設けられている。なお、この針装置309,310は、上述した実施例1の針装置23,24とほぼ同様の構成をなしていることから、詳細な説明は省略する。
従って、折胴303が回転すると、針装置309,310は、所定の保持範囲に至ると、外方に突出するように回動し、鋸刃305により裁断された後のウェブWの前端部を保持することができる。そして、針装置309,310は、所定の保持範囲から外れると、内方に回動し、ウェブWの前端部の保持を解除することができる。
更に、折胴303は、その周面に180度対向して折ブレード311,312が設けられており、各折ブレード311,312は、針装置309,310及び鋸刃受307,308とほぼ90度位相がずれた位置に設けられている。折ブレード311,312は、上述した実施例1の折ブレード31,32とほぼ同様の構成をなしていることから、詳細な説明は省略する。
一方、咥え胴304は、その周面に咥え装置313が設けられており、この咥え装置313は、折胴303の折ブレード312により突出したシートの中間部を咥えることができる。即ち、折胴303と咥え胴304は、同じ周速で同期回転することで、折ブレード312と咥え装置313が一定周期で互いに対向するようにその回転位相が一致している。
折胴303の下方には、一対の折込ローラ314a,314bが折胴303と同期回転可能に設けられている。この一対の折込ローラ314a,314bは、折ブレード311により折胴303の周面から突出したシートの中間部を挟持することで、折帖を形成することができる。
また、咥え胴304に隣接して、駆動ローラ315と2つのガイドローラ316,317とテンションローラ318に無端の搬送ベルト319が掛け回され、この搬送ベルト319は、一部の循環経路で咥え胴304に接触している。この場合、駆動ローラ315が駆動源となり、搬送ベルト319は、咥え胴304と同期して循環可能となっている。この搬送ベルト319は、咥え胴304との間でシートを挟持することで、折帖を形成することができる。
折込ローラ314a,314bの下方には、第1羽根車320が駆動回転可能に設けられ、この第1羽根車320の下方には、第1排紙コンベア321が設けられている。また、搬送ベルト319の下方には、第2羽根車322が駆動回転可能に設けられ、この第2羽根車322の下方には、第2排紙コンベア323が設けられている。
上述した折ユニットでは、印刷が施されて重ねられたウェブWを裁断した後、シートを第1折込手段(以下、第1折込ユニット)と第2折込手段(以下、第2折込ユニット)との間で振り分ける振分手段を有している。本実施例では、この第1折込ユニットと第2折込ユニットが、折胴(第1胴)303の外周部に所定間隔で設けられることで構成される。即ち、第1折込ユニットを構成する針装置309と第2折込ユニットを構成する針装置310が折胴303の周方向に等間隔で配置され、第1折込ユニットを構成する折ブレード311と第2折込ユニットを構成する折ブレード312が折胴303の周方向に等間隔で配置されている。従って、折胴303の回転に伴って第1折込ユニットと第2折込ユニットが交互に作動することで、裁断した後のシートを折込ローラ314a,314b(第1折込ユニット)側と咥え胴304(第2折込ユニット)側とに交互に振り分けることができる。
また、上述した折ユニットでは、シートを第1折込ユニットと第2折込ユニットとの間で振り分ける第1振分け形態と、シートを第1折込ユニットのみに振り分ける第2振分け形態と、シートを第2折込ユニットのみに振り分ける第3振分け形態とのいずれか一つに切り替える切替手段を有している。なお、この切替手段は、上述した実施例1と同様であることから、説明は省略する。
ここで、実施例2の新聞用オフセット輪転印刷機による新聞の印刷方法について説明する。ここでは、第1折ユニットの折畳機構301により同時に2種類の新聞を印刷する場合について説明する。なお、給紙装置、印刷装置、ウェブパス装置、第2折ユニットの作動については、実施例1と同様である。
縦裁断されて重ねられ、縦折りされたウェブWが、折畳機構301にて、鋸胴302と折胴303の対接部に供給されると、まず、鋸刃305により横裁断されると共に、針装置309により先端部が保持される。そして、鋸胴302と折胴303がほぼ半周回転すると、ウェブWが鋸刃306により横裁断されると共に、針装置309によるウェブW(シート)の保持が解除される。続いて、折胴303の周面から折ブレード311が突出し、切断されたシートの長手方向の中間部を押し下げる。すると、このシートは、回転する一対の折込ローラ314a,314bに挟持されることで折帖が形成される。そして、形成された折帖は、第1羽根車320により順次受取られ、第1排紙コンベア321上に受け渡され、新聞Bが印刷される。
次に、ウェブWが鋸刃306により横裁断され、針装置309によるウェブWの保持が解除されたとき、針装置310は、ウェブWの先端部を保持する。そして、折胴303と咥え胴304がほぼ半周回転すると、ウェブWが鋸刃305により横裁断され、折胴303と咥え胴304が更に4分の1周回転すると、針装置310によるシートの保持が解除され、折胴303の周面から折ブレード312が突出し、シートの所定の位置を咥え胴304側に押し出す。すると、シートは、所定の位置が咥え装置313に咥えられ、咥え胴304の回転に伴って織り込まれる。続いて、咥え胴304と搬送ベルト319に挟持されることで折帖が形成され、第2羽根車322により順次受取られ、第2排紙コンベア323上に受け渡され、新聞Cが印刷される。
このように実施例2の折機にあっては、折ユニットとして、鋸胴302と折胴303と咥え胴304を設け、鋸胴302に鋸刃305,306を設け、折胴303に裁断されたシートを折り畳む第1折込ユニットを設ける一方、咥え胴304に裁断されたシートを折り畳む第2折込ユニットを設け、また、裁断されたシートをこの第1折込ユニットと第2折込ユニットとの間で振り分ける振分手段を設けている。
従って、鋸刃305,306によりウェブWが所定長さに裁断されて形成されたシートは、振分手段により第1折込ユニットまたは第2折込ユニットに振り分けられ、この第1折込ユニットと第2折込ユニットにより折り畳まれて折帖が形成されて排紙されることとなり、異なる種類の印刷物、つまり、新聞を第1折込ユニット側と第2折込ユニット側とで同時に印刷することができ、作業効率の向上を図ることができると共に、装置の大型化を抑制することができる。
また、実施例2の折機では、第1胴として、鋸刃305,306を有する鋸胴302と、針装置309,310と折込ブレード311,312を有する折胴303を設けている。従って、第1胴を鋸胴302と折胴303により構成することで、鋸胴302及び折胴303に、鋸刃305,306、針装置309,310、折込ブレード311,312などの構成部材を容易に配置することができ、装置の簡素化に寄与することができる。
図14は、本発明の実施例4に係る折機を表す概略構成図である。
実施例4の印刷機は、実施例1と同様に、新聞用オフセット輪転印刷機であって、図示しないが、複数の給紙ユニットを有する給紙装置と、複数の印刷ユニットを有する印刷装置と、ウェブパス装置と、複数の折ユニットを有する折機とから構成されている。本実施例の印刷機に使用される折機の折ユニット(折畳機構)は、実施例1で説明した折機Fにて、折ユニットF1の第1折畳機構104に対応するものである。
実施例4の折機の折ユニットにおいて、図14に示すように、折畳機構501は、2つのジョウフォルダタイプを組み合わせた構成となっている。即ち、第1胴としての第1折鋸咥え胴502と、第2胴としての第2折鋸咥え胴503とが、外周面が対向した状態で、左右に並んで回転自在に配置されている。
第1折鋸咥え胴502は、外周部に、鋸刃504と、折ブレード505と、針装置506及び鋸刃受507と、咥え装置508が周方向に90度間隔で設けられており、針装置506と鋸刃受507がほぼ同位置に設けられている。一方、第2折鋸咥え胴503は、外周部に、鋸刃509と、折ブレード510と、針装置511及び鋸刃受512と、咥え装置513が周方向に90度間隔で設けられており、針装置511と鋸刃受512がほぼ同位置に設けられている。
この場合、第1折鋸咥え胴502と第2折鋸咥え胴503が同期回転するとき、鋸刃504と鋸刃受512とが対向すると共に、鋸刃509と鋸刃受507とが対向する位置にくるように、また、折ブレード505と咥え装置513とが対向すると共に、折ブレード510と咥え装置508とが対向する位置にくるように、回転位相が設定されている。また、第1折鋸咥え胴502及び第2折鋸咥え胴503にて、鋸刃504,509同士、折ブレード505,510同士、針装置506,511同士、鋸刃受507,512同士、咥え装置508,513同士がそれぞれ180度ずれる位置に設けられている。
なお、鋸刃504,509、折ブレード505,510、針装置506,511、鋸刃受507,512、咥え装置508,513は、上述した実施例1の第1折畳機構に適用したものと同様の構成をなしていることから、詳細な説明は省略する。
第1折鋸咥え胴502の下方に隣接して、無端の上搬送ベルト514と無端の下搬送ベルト515が設けられており、各搬送ベルト514,515は、第1折鋸咥え胴502と同期して循環可能となっている。搬送ベルト514,515の下方には、第1羽根車516が駆動回転可能に設けられ、この第1羽根車516の下方には、第1排紙コンベア517が設けられている。
また、第2折鋸咥え胴503の下方に隣接して、無端の上搬送ベルト518と無端の下搬送ベルト519が設けられており、各搬送ベルト518,519は、第2折鋸咥え胴503と同期して循環可能となっている。搬送ベルト518,519の下方には、第2羽根車520が駆動回転可能に設けられ、この第2羽根車520の下方には、第2排紙コンベア521が設けられている。
上述した折ユニットでは、印刷が施されて重ねられたウェブWを裁断した後、シートを第1折込手段(以下、第1折込ユニット)と第2折込手段(以下、第2折込ユニット)との間で振り分ける振分手段を有している。本実施例では、この第1折込ユニットと第2折込ユニットが、各折鋸咥え胴502,503の外周部に所定間隔で設けられることで構成される。即ち、第1折込ユニットを構成する針装置506が第1折鋸咥え胴502に、第2折込ユニットを構成する針装置511が第2折鋸咥え胴503に位相をずらして配置され、第1折込ユニットを構成する折ブレード510が第2折鋸咥え胴503に、第2折込ユニットを構成する折ブレード505が第1折鋸咥え胴502に位相をずらして配置され、第1折込ユニットを構成する咥え装置508が第1折鋸咥え胴502に、第2折込ユニットを構成する咥え装置513が第2折鋸咥え胴503に位相をずらして配置されている。従って、第1折鋸咥え胴502と第2折鋸咥え胴503の回転に伴って第1折込ユニットと第2折込ユニットが交互に作動することで、裁断した後のシートを第1折込ユニット側と第2折込ユニット側とに交互に振り分けることができる。
また、上述した折ユニットでは、シートを第1折込ユニットと第2折込ユニットとの間で振り分ける第1振分け形態と、シートを第1折込ユニットのみに振り分ける第2振分け形態と、シートを第2折込ユニットのみに振り分ける第3振分け形態とのいずれか一つに切り替える切替手段を有している。なお、この切替手段は、上述した実施例1と同様であることから、説明は省略する。
このように実施例4の折機にあっては、折ユニットとして、2つの折鋸咥え胴502,503を設け、第1折鋸咥え胴502に鋸刃504と折ブレード505と針装置506と咥え装置508を設け、第2折鋸咥え胴503に鋸刃509と折ブレード510と針装置511と咥え装置513を設け、また、裁断されたシートをこの第1折込ユニットと第2折込ユニットとの間で振り分ける振分手段を設けている。
従って、鋸刃504,509によりウェブWが所定長さに裁断されて形成されたシートは、振分手段により第1折込ユニットまたは第2折込ユニットに振り分けられ、この第1折込ユニットと第2折込ユニットにより折り畳まれて折帖が形成されて排紙されることとなり、異なる種類の印刷物、つまり、新聞を第1折込ユニット側と第2折込ユニット側とで同時に印刷することができ、作業効率の向上を図ることができると共に、装置の大型化を抑制することができる。
また、実施例4の折機では、第1折鋸咥え胴502の下方に搬送ベルト514,515を設け、第2折鋸咥え胴503の下方に搬送ベルト518,519を設けており、各折鋸咥え胴502,503をそれぞれ、所謂、ジョウフォルダタイプとすることで、各構成部材を共用化することができ、装置の低コスト化を可能とすることができる。
また、実施例4の折機では、第1折鋸咥え胴502に、第1鋸刃504、第2折ブレード505、第1針装置506、第2鋸刃受507、第1咥え装置508を設け、第2折鋸咥え胴503に、第2鋸刃509、第1折ブレード510、第2針装置511、第1鋸刃受512、第2咥え装置513を設け、それぞれ所定角度異なる位相で設けている。従って、第1折鋸咥え胴502及び第2折鋸咥え胴503の回転に伴って第1折込ユニットと第2折込ユニットが交互に作動することで、シートを第1折込手段と第2折込手段とに振り分けることができ、装置の簡素化、高精度化に寄与することができる。
なお、上述した実施例2、3、4の説明では、折ユニットにより同時に2種類の新聞を印刷する場合について説明したが、実施例1と同様に、切替手段により、振分け形態を切り替えることで対応することができる。
また、上述した各実施例では、第2折ユニットF2をロータリフォルダタイプとしたが、ジョウフォルダタイプとしてもよい。また、第2折ユニットF2を、第1折ユニットF1のように、2つのタイプ(例えば、ロータリフォルダタイプとジョウフォルダタイプ)を組合せ、振分手段や切替手段などを設けて構成してもよく、この場合、同時に4種類の新聞を印刷することができる。
図15は、本発明の実施例5に係る折機を表す概略構成図である。
実施例5の印刷機は、実施例1と同様に、新聞用オフセット輪転印刷機であって、図示しないが、複数の給紙ユニットを有する給紙装置と、複数の印刷ユニットを有する印刷装置と、ウェブパス装置と、複数の折ユニットを有する折機とから構成されている。本実施例の印刷機に使用される折機の折ユニット(折畳機構)は、実施例1で説明した折機Fにて、折ユニットF1の第1折畳機構104に対応するものである。
実施例5の折機の折ユニットにおいて、図15に示すように、折畳機構601は、ロータリフォルダタイプとジョウフォルダを組み合わせた構成となっている。即ち、第1胴としての折鋸胴602と、第2胴としての咥え胴603とが、外周面が対向した状態で、左右に並んで回転自在に配置されている。
折鋸胴602は、外周部に、鋸刃604,605,606が周方向に均等間隔(60度間隔)で設けられている。また、折鋸胴602は、外周部に、折ブレード607,608,609が周方向に均等間隔(60度間隔)で設けられている。また、折鋸胴602は、外周部に、針装置611,612,613が周方向に均等間隔(60度間隔)で設けられている。この場合、鋸刃604,605,606と針装置611,612,613がほぼ同位置に設けられている。
一方、咥え胴603は、外周部に、鋸刃受613,614,615が周方向に均等間隔(60度間隔)で設けられている。咥え胴603は、外周部に、咥え装置616が設けられている。
この場合、折鋸胴602と咥え胴603が同期回転するとき、鋸刃604,605,606と鋸刃受613,614,615とが対向する位置にくるように、また、折ブリード609と咥え装置513が対向する位置にくるように、その回転位相が設定されている。
なお、鋸刃604,605,606、折ブレード607,608,609、針装置610,611,612、鋸刃受613,614,615、咥え装置616は、上述した実施例1の第2折畳機構に適用したものと同様の構成をなしていることから、詳細な説明は省略する。
折鋸胴602の下方には、一対の折込ローラ617a,617bが折鋸胴602と同期回転可能に設けられている。この一対の折込ローラ617a,617bは、折ブレード607,608により下方に突出したシートの中間部を挟持することで、折帖を形成することができる。そして、折込ローラ617a,617bの下方には、第1羽根車618が駆動回転可能に設けられ、この第1羽根車618の下方には、第1排紙コンベア619が設けられている。
咥え胴603の下方に隣接して、無端の上搬送ベルト620と無端の下搬送ベルト621が設けられており、各搬送ベルト620,621は、咥え胴603と同期して循環可能となっている。搬送ベルト620,621の下方には、第2羽根車623が駆動回転可能に設けられ、この第2羽根車623の下方には、第2排紙コンベア624が設けられている。
実施例5の印刷機における折畳機構601に対応する印刷ユニットは、版胴の外周面に刷版を周方向3つ並べて装着し、この状態で印刷を行う。すると、ウェブには、天地長手方向に対して、例えば、A1,A2,A1の絵柄が交互に印刷される。この印刷ユニットで印刷されたウェブは、折ユニットの折畳機構601にて、同じ絵柄ごとに横に裁断されてシートSとなり、横折されて折帖となる。この場合、折畳機構601では、B新聞用の折帖とC新聞用の折帖が形成され、別々に排紙している。
上述した折ユニットでは、印刷が施されて重ねられたウェブWを裁断した後、シートを第1折込手段(以下、第1折込ユニット)と第2折込手段(以下、第2折込ユニット)との間で振り分ける振分手段を有している。本実施例では、この第1折込ユニットと第2折込ユニットが、折鋸胴602の外周部に所定間隔で設けられることで構成される。即ち、第1折込ユニットを構成する針装置610,611と第2折込ユニットを構成する針装置612が折鋸胴602の周方向に等間隔で配置され、第1折込ユニットを構成する折ブレード607,608と第2折込ユニットを構成する折ブレード609が折鋸胴602の周方向に等間隔で配置されている。従って、折鋸胴602の回転に伴って第1折込ユニットと第2折込ユニットが交互に作動することで、裁断した後のシートを折込ローラ617a,617b(第1折込ユニット)側と咥え胴603(第2折込ユニット)側とに交互に振り分けることができる。
また、上述した折ユニットでは、シートを第1折込ユニットと第2折込ユニットとの間で振り分ける第1振分け形態と、シートを第1折込ユニットのみに振り分ける第2振分け形態と、シートを第2折込ユニットのみに振り分ける第3振分け形態とのいずれか一つに切り替える切替手段を有している。なお、この切替手段は、上述した実施例1と同様であることから、説明は省略する。
従って、本実施例の折畳装置601にて、ウェブWは、折鋸胴692と咥え胴603の対接部に供給されると、まず、鋸刃606により横裁断されると共に、針装置612により先端部が保持される。そして、折鋸胴602と咥え胴603がほぼ1/3回転すると、ウェブWが鋸刃604により横裁断されると共に、針装置612によるウェブW(シート)の保持が解除される。続いて、折鋸胴602の周面から折ブレード607が突出し、切断されたシートの長手方向の中間部を押し下げる。すると、このシートは、回転する一対の折込ローラ617a,617bに挟持されることで折帖が形成される。そして、形成された折帖は、第1羽根車618の各羽根により順次受取られ、第1排紙コンベア619上に受け渡され、新聞Bを印刷することができる。
次に、ウェブWが鋸刃604により横裁断され、針装置610により先端部が保持されてから、折鋸胴602と咥え胴603がほぼ1/3回転すると、ウェブWが鋸刃605により横裁断されると共に、針装置610によるウェブW(シート)の保持が解除される。続いて、折鋸胴602の周面から折ブレード608が突出し、切断されたシートの長手方向の中間部を押し下げる。すると、このシートは、回転する一対の折込ローラ617a,617bに挟持されることで折帖が形成される。そして、形成された折帖は、第1羽根車618の各羽根により順次受取られ、第1排紙コンベア619上に受け渡され、新聞Bを印刷することができる。
その後、ウェブWが鋸刃605により横裁断され、針装置611により先端部が保持されてから、折鋸胴602と咥え胴602がほぼ6分の1回転すると、針装置611によるウェブWの保持が解除され、折鋸胴602の周面から折ブレード609が突出し、ウェブWの所定の位置を咥え胴603側に押し出す。すると、ウェブWは、所定の位置が咥え装置616に咥えられ、咥え胴603の回転に伴って織り込まれる。続いて、折鋸胴602と咥え胴603が回転すると、ウェブWが鋸刃606により横裁断され、一対の搬送ベルト620,621に挟持されることで折帖が形成される。そして、形成された折帖は、第2羽根車623の各羽根により順次受取られ、第2排紙コンベア624上に受け渡され、新聞Cを印刷することができる。
このように実施例5の折機にあっては、折ユニットとして、折鋸胴602と咥え胴603を設け、印刷ユニットの版胴の外周面に刷版が周方向3つ並べて装着されていることから、折鋸胴602及び咥え胴603に周方向に沿って3つの折込ユニットを設けている。具体的には、折鋸胴602及び咥え胴603に周方向に沿って、第1折込ユニット、第1折込ユニット、第2折込ユニットの順に設けている。
つまり、印刷ユニットの版胴の外周面に刷版が周方向3つ並べて装着されているということは、版胴の一回転で印刷される印刷物の構成数が3つになるということであり、この場合、折鋸胴602及び咥え胴603に周方向に沿って3つの折込ユニットを設けている。なお、1枚の刷版に2つの絵柄(新聞の頁)を設けてもよく、この場合、刷版は2枚であっても、印刷物の構成数は3つになる。
従って、ウェブWが所定長さに裁断されて形成されたシートは、振分手段により第1折込ユニット、第1折込ユニット、第2折込ユニットの順に振り分けられ、各折込ユニットにより折り畳まれて折帖が形成されて排紙されることとなる。そのため、異なる種類の印刷物、つまり、新聞を第1折込ユニット側と第2折込ユニット側とで同時に印刷することができ、作業効率の向上を図ることができると共に、装置の大型化を抑制することができる。この場合、版胴に装着される刷版の数に応じて各折込手段により順次適正に折り畳まれ、振分手段により適正に振り分けられて排紙されることとなり、作業効率の向上を図ることができる。
なお、上述した各実施例では、版胴を2倍胴としたときに第1胴及び第2胴を同様の2倍胴とし、版胴を3倍胴としたときに第1胴及び第2胴を同様の3倍胴としたが、この関係に限るものではない、即ち、第1胴及び第2胴は、版胴(周方向に並んで装着された刷版の数)に対して、その整数倍の胴であり、同数の折込手段を周方向に沿って設ければよいものである。
また、上述した各実施例にて、本発明の印刷機を新聞用オフセット輪転印刷機としたが、この印刷機に限定されるものではなく、商業用オフセット輪転印刷機などに適用することもできる。