JP2010201768A - 画像形成装置、露光装置および発光装置 - Google Patents

画像形成装置、露光装置および発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】各露光装置相互間における発光素子の主走査方向位置のずれを、より簡易な構成で抑制する。
【解決手段】各画像形成部に設けられたLEDプリントヘッドを構成する複数の発光チップCを、基板に搭載され、発光信号φIにて発光/非発光が制御される発光サイリスタL1〜L256、発光サイリスタL1〜L256にそれぞれ対応して設けられオン状態に設定された際に対応する発光サイリスタを発光可能状態とする転送サイリスタT1〜T256、発光信号φIにて発熱/非発熱が制御される加熱用発光サイリスタLh、加熱用発光サイリスタLhに対応して設けられ転送サイリスタT1〜T256よりも先にオン状態に設定されることによってこれらがオン状態になるのを制限し加熱用発光サイリスタLhを発熱可能状態とする加熱用転送サイリスタThを含んで構成する。
【選択図】図6

Description

本発明は画像形成装置、露光装置および発光装置に関する。
プリンタや複写機等の電子写真方式のカラー画像形成装置において、各色トナー像を形成する際に用いられる露光装置として、例えばLED等の発光素子を主走査方向に配列して構成されたものが知られている。このような露光装置では、発光素子を発光させた際に熱が発生することから、発光素子を搭載する基板が熱の影響を受けて伸縮する。そのため、露光装置毎に搭載される発光素子の位置にずれが生じ、結果として各色トナー像が合成された際に色ずれが発生する場合がある。
公報記載の従来技術として、例えば発光素子の駆動に伴って発生する熱に対応させて、予め定められた箇所に予め熱を発生させる予熱手段を配置する技術が存在する(特許文献1参照)。
また、他の公報記載の従来技術として、複数の像保持体と、これら複数の像保持体各々に対応して配置され、各像保持体を露光する列状に配列された複数の発光素子と、これら複数の像保持体各々に対応して配置された複数の発光素子が配置される基板と、複数の発光素子の配列方向に沿って基板の温度を計測する複数の温度計測手段と、複数の温度計測手段による温度計測結果に基づいて基板を加熱する複数の加熱手段とを設ける技術が存在する(特許文献2参照)。
特開2002−370400号公報 特開2008−229908号公報
本発明は、各露光装置相互間における発光素子の主走査方向位置のずれを、より簡易な構成で抑制することを目的とする。
請求項1記載の発明は、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電装置と、基板に搭載され、発光信号により発光/非発光が制御され一列に並べて設けられる複数の発光素子、当該複数の発光素子にそれぞれ対応して設けられオン状態に設定されることによって対応する発光素子を発光可能状態とする複数のスイッチ素子、当該発光信号により発熱/非発熱が制御される発熱素子、および当該発熱素子に対応して設けられ前記複数のスイッチ素子よりも先にオン状態に設定されることによって当該複数のスイッチ素子がオン状態になるのを制限し当該発熱素子を発熱可能状態とする制限素子を有する発光チップを用いて、帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、前記像保持体に形成された前記静電潜像を現像して画像を形成する現像装置と、前記像保持体に形成された画像を記録材に転写する転写装置とをそれぞれ備える複数の画像形成部と、前記複数の画像形成部を構成する一部の画像形成部を使用し且つ残りの画像形成部を使用しないで画像形成を行う際に、当該一部の画像形成部に設けられた前記露光装置の前記発光チップに対し、前記制限素子よりも先に前記複数のスイッチ素子をオン状態に設定するための制御信号を供給し、且つ、当該残りの画像形成部に設けられた前記露光装置の前記発光チップに対し、当該複数のスイッチ素子よりも先に当該制限素子をオン状態に設定するための制御信号を供給する制御部とを含む画像形成装置である。
請求項2記載の発明は、前記制御部は、前記一部の画像形成部を使用し且つ残りの画像形成部を使用しないで画像形成を行う際に、当該一部の画像形成部に設けられた前記露光装置の前記発光チップおよび当該残りの画像形成部に設けられた前記露光装置の前記発光チップに対し、当該一部の画像形成部に対応する画像データに基づいて作成した前記発光信号を供給することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3記載の発明は、前記制御部は、前記一部の画像形成部を使用し且つ残りの画像形成部を使用しないで画像形成を行う際に、当該一部の画像形成部に設けられた前記露光装置の前記発光チップに対し、前記複数のスイッチ素子の1つのスイッチ素子をオン状態とさせる動作と1つのスイッチ素子を含み隣接する2つのスイッチ素子をオン状態とさせる動作を繰り返し行わせることで、スイッチ素子のオン状態を転送する前記制御信号を供給し、当該残りの画像形成部に設けられた前記露光装置の前記発光チップに対し、前記制限素子のオン状態を維持させることで、前記複数のスイッチ素子がオン状態となるのを阻止する当該制御信号を供給することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置である。
請求項4記載の発明は、基板に搭載され、発光信号により発光/非発光が制御され一列に並べて設けられる複数の発光素子、当該複数の発光素子にそれぞれ対応して設けられオン状態に設定されることによって対応する発光素子を発光可能状態とする複数のスイッチ素子、当該発光信号により発熱/非発熱が制御される発熱素子、および当該発熱素子に対応して設けられ前記複数のスイッチ素子よりも先にオン状態に設定されることによって当該複数のスイッチ素子がオン状態になるのを制限し当該発熱素子を発熱可能状態とする制限素子、を有する発光チップと、前記発光チップを構成する前記複数の発光素子から出力される光を像保持体に結像させる光学部材と、前記発光チップに対し、前記制限素子よりも先に前記複数のスイッチ素子をオン状態に設定するための第1制御信号または当該複数のスイッチ素子よりも先に当該制限素子をオン状態に設定するための第2制御信号を選択的に供給し、且つ、前記複数の発光素子を発光させまたは前記発熱素子を発熱させるための前記発光信号を供給する制御信号供給部とを含む露光装置である。
請求項5記載の発明は、前記制御信号供給部は、前記複数のスイッチ素子の1つのスイッチ素子をオン状態とさせる動作と1つのスイッチ素子を含み隣接する2つのスイッチ素子をオン状態とさせる動作を繰り返し行わせることで、スイッチ素子のオン状態を転送する前記第1制御信号を供給することを特徴とする請求項4記載の露光装置である。
請求項6記載の発明は、前記制御信号供給部は、前記制限素子のオン状態を維持させることで、前記複数のスイッチ素子がオン状態となるのを阻止する前記第2制御信号を供給することを特徴とする請求項4または5記載の露光装置である。
請求項7記載の発明は、前記発光チップが複数設けられるとともに当該複数の発光チップが取り付けられる取り付け部材をさらに含み、前記制御信号供給部は、前記複数の発光チップに対し前記第1制御信号および前記第2制御信号を共通に供給し、当該複数の発光チップに対し前記発光信号を個別に供給することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項記載の露光装置である。
請求項8記載の発明は、基板と、前記基板に一列に並べて搭載され、発光信号により発光/非発光が制御される複数の発光素子と、前記基板に前記複数の発光素子にそれぞれ対応して搭載され、オン状態に設定されることによって対応する発光素子を発光可能状態とする複数のスイッチ素子と、前記基板に搭載され、前記発光信号により発熱/非発熱が制御される発熱素子と、前記基板に前記発熱素子に対応して搭載され、前記複数のスイッチ素子よりも先にオン状態に設定されることによって当該複数のスイッチ素子がオン状態になるのを制限するとともに当該発熱素子を発熱可能状態とする制限素子とを含む発光装置である。
請求項9記載の発明は、前記制限素子が前記スイッチ素子と同じ構成を有し、且つ、前記発熱素子が前記発光素子と同じ構成を有していることを特徴とする請求項8記載の発光装置である。
請求項10記載の発明は、前記複数の発光素子および前記発熱素子が前記基板の一方の面に設けられ、前記基板の前記一方の面側には、前記発熱素子の全体を覆う金属被覆部が形成されることを特徴とする請求項8または9記載の発光装置である。
請求項11記載の発明は、前記複数の発光素子および前記複数のスイッチ素子がサイリスタで構成されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載の発光装置である。
請求項12記載の発明は、基板と、前記基板上に、複数の転送サイリスタを一列に並べて配置し、隣接する転送サイリスタのゲート間をそれぞれダイオードにて一方向に電流が流れるように接続し、当該ダイオードの接続方向の上流側からみて偶数番目に配列される転送サイリスタのアノードまたはカソードを第1転送信号が供給される第1転送信号端子に接続するとともに奇数番目に配列される転送サイリスタのアノードまたはカソードを第2転送信号が供給される第2転送信号端子に接続し、当該ダイオードの接続方向の最上流側となる転送サイリスタのゲートを当該第1転送信号端子に接続してなる転送サイリスタ列と、前記基板上に、複数の発光サイリスタを一列に並べて配置し、各々の発光サイリスタのゲートと各々の前記転送サイリスタのゲートとをそれぞれ接続し、各々の発光サイリスタのアノードまたはカソードには共通の発光信号が供給される発光サイリスタ列と、サイリスタ構造を有して前記基板上に搭載され、そのゲートが前記第2転送信号端子に接続されるとともにそのアノードまたはカソードが前記第2転送信号端子に接続されてなる他の転送サイリスタと、サイリスタ構造を有して前記基板上に搭載され、そのゲートと前記他の転送サイリスタのゲートとが接続され、そのアノードまたはカソードには前記発光信号が供給される他の発光サイリスタとを含む発光装置である。
請求項13記載の発明は、前記複数の転送サイリスタ、前記ダイオード、前記複数の発光サイリスタ、前記他の転送サイリスタおよび前記他の発光サイリスタは、前記基板の一方の面に積層された半導体層によって構成され、前記基板上の前記他の発光サイリスタの上に設けられ、当該他の発光サイリスタに対する給電を行うと共に当該他の発光サイリスタから出射される光を遮る遮光部をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の発光装置である。
請求項1記載の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、各露光装置相互間における発光素子の主走査方向位置のずれを、より簡易な構成で抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、各露光装置相互間における発光素子の主走査方向位置のずれを、さらに小さくすることができる。
請求項3記載の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、画像形成に使用しない残りの画像形成部において発光素子が発光するのを抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、各露光装置相互間における発光素子の主走査方向位置のずれを、より簡易な構成で抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、露光装置を画像形成に使用する際に各発光素子を順次発光可能状態にすることができる。
請求項6記載の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、露光装置を画像形成に使用しない際に各発光素子が順次発光可能状態となるのを制限することができる。
請求項7記載の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、複数の発光チップに接続する配線の数を低減することができる。
請求項8記載の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、露光装置に用いた際に、各露光装置相互間における発光素子の主走査方向位置のずれを、より簡易な構成で抑制することができる。
請求項9記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、回路構成を簡易化することができる。
請求項10記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、発熱素子から出射される光が外部に漏れるのを抑制することができる。
請求項11記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、回路構成を簡易化することができる。
請求項12記載の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、露光装置に用いた際に、各露光装置相互間における発光素子の主走査方向位置のずれを、より簡易な構成で抑制することができる。
請求項13記載の発明によれば、本構成を採用しない場合と比較して、より簡易な構成で、他のサイリスタから出射される光が外部に漏れるのを抑制することができる。
本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成の一例を示す図である。 LPHの構成を示した断面図である。 (a)はLPHにおける回路基板および発光部の上面図であり、(b)はLPHにおけるロッドレンズアレイおよびホルダの上面図である。 発光部のうち、3つの発光チップの連結部位を拡大した図である。 回路基板に搭載される信号発生回路の構成および回路基板の配線構成を示した図である。 発光チップの回路構成を説明するための図である。 (a)〜(c)は発光チップの具体的な構成の一例を説明するための図である。 発光信号発生部の構成の一例を示す図である。 転送信号発生部の構成の一例を示す図である。 稼働モードにおける第1転送信号および第2転送信号の波形と、稼働モードの第1転送信号および第2転送信号によってオン状態となる転送サイリスタと、転送サイリスタのオンに伴って発光可能な状態に設定される発光サイリスタとの関係の一例を説明するためのタイミングチャートである。 休止モードにおける第1転送信号および第2転送信号の波形と、休止モードの第1転送信号および第2転送信号によってオン状態となる転送サイリスタと、転送サイリスタのオンに伴って発光可能な状態に設定される発光サイリスタとの関係の一例を説明するためのタイミングチャートである。 (a)は、フルカラーモードにおいて制御部からYMCK各色のLPHに供給されるモード信号およびビデオデータの関係を、(b)はモノクロモードにおいて制御部からYMCK各色のLPHに供給されるモード信号およびビデオデータVdataの関係を、それぞれ示す図である。 フルカラーモードにおけるYMCK各色のLPHの動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。 モノクロモードにおけるYMCK各色のLPHの動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。 発光チップにおける加熱用回路の他の構成の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される所謂タンデム型の画像形成装置1の全体構成の一例を示した図である。この画像形成装置1は、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部10と、パーソナルコンピュータ(PC)2、画像読取装置3、あるいはFAXモデム4等に接続され、これらから入力される画像データに画像処理を施し、さらには画像形成装置1全体の動作を制御する制御部20とを備えている。
画像形成プロセス部10は、複数の画像形成部の一例としての4つの画像形成ユニット11(具体的には11Y、11M、11C、11K)を備える。各画像形成ユニット11は、像保持体の一例としての感光体ドラム12、感光体ドラム12を帯電する帯電装置の一例としての帯電器13、帯電された感光体ドラム12を制御部20から送られてくる画像データに基づいて露光する露光装置の一例としてのLEDプリントヘッド(LPH)14、感光体ドラム12上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像装置の一例としての現像器15を備えている。また、画像形成プロセス部10は、画像形成ユニット11の各感光体ドラム12にて画像形成された各色のトナー像を多重転写させるための用紙を搬送する搬送ベルト16、搬送ベルト16を駆動させる駆動ロール17、感光体ドラム12のトナー像を用紙に転写させる転写装置の一例としての転写ロール18、転写後の用紙上の未定着トナー像を加熱・加圧して定着する定着器19を備えている。
この画像形成装置1は、イエローの画像を形成するイエロー画像形成ユニット11Y、マゼンタの画像を形成するマゼンタ画像形成ユニット11M、シアンの画像を形成するシアン画像形成ユニット11Cおよび黒の画像を形成する黒画像形成ユニット11Kを用いて、用紙上に多色からなる所謂フルカラー画像を形成するフルカラーモードと、黒画像形成ユニット11Kのみを用いて、用紙上に単色からなる所謂モノクロ画像を形成するモノクロモードとで動作するようになっている。つまり、モノクロモードは、複数の画像形成部(例えば11Y、11M、11C、11K)を構成する一部の画像形成部(11K)を使用し且つ残りの画像形成部(11Y、11M、11C)を使用しないで画像形成を行う場合に対応している。そして、フルカラーモードとモノクロモードとの動作切り換えは、制御部20によって行われる。
図2は、各画像形成ユニット11に設けられるLPH14の構成を示した断面図である。このLPH14は、複数のLEDを備えた発光部63、発光部63や発光部63を駆動する信号発生回路100(後段の図5参照)等を搭載する回路基板62、発光部63から出射された光を感光体ドラム12表面に結像させる光学部材の一例としてのロッドレンズアレイ64、回路基板62およびロッドレンズアレイ64を支持するとともに発光部63を外部から遮蔽するホルダ65を備えている。
図3(a)はLPH14における回路基板62および発光部63の上面図であり、図3(b)はLPH14におけるロッドレンズアレイ64およびホルダ65の上面図である。図3(a)に示すように、発光部63は、取り付け部材の一例としての回路基板62上に、複数の発光素子チップの一例としての60個の発光チップC(C1〜C60)を、副走査方向に二列に千鳥状に配置して構成されている。
そして、各発光チップC1〜C60には、後述するようにそれぞれ256個の発光サイリスタが搭載されており、発光部63全体では15360個の発光サイリスタが設けられている。また、発光チップC1(後述する発光素子アレイ71)の外側端部から発光チップC60(後述する発光素子アレイ71)の外側端部までの距離(発光部63の主走査方向長さ)は、A3ノビの用紙Pへの画像形成に対応するために324mmに設定される。このため、隣接する発光サイリスタはそれぞれ約21.15μmの等間隔に配置され、このLPH14の主走査方向解像度は1200dpi(dot per inch)となっている。
また、図3(b)に示すように、ロッドレンズアレイ64は、複数のロッドレンズ64aを、互い違いとなるように副走査方向に二列に整列配置した状態で、ホルダ65に保持させることによって構成されている。各ロッドレンズ64aは例えば円柱状の形状を有しており、その半径方向に屈折率分布を有し正立等倍実像を形成する屈折率分布型レンズにて構成される。このような屈折率分布型レンズとしては、例えばセルフォック(日本板硝子株式会社の登録商標)レンズが挙げられる。
図4は、上記発光部63のうち、発光チップC1、C2、C3の連結部位を拡大した図である。ここで、発光チップC1〜C60はすべて同一の構成を有しており、例えば発光チップC2を例とすると、基板の一例としての矩形状のチップ基部70と、このチップ基部70の表面に長手方向に沿って一列に配置された発光素子アレイ71とを備えている。この発光素子アレイ71は、主走査方向に一列に並べられた256個の発光サイリスタLを有している。そして、図4に示したように、発光チップC1、C2、C3のそれぞれに配置された発光素子アレイ71の端部境界において、発光素子アレイ71が、発光チップC1、C2の連結部および発光チップC2、C3の連結部で主走査方向に連続するように配列されている。
図5は、回路基板62(図2参照)に搭載される信号発生回路100の構成および回路基板62の配線構成を示した図である。
制御信号供給部の一例としての信号発生回路100には、制御部20(図1参照)より、ライン同期信号Lsync、ビデオデータVdata、クロック信号clk、リセット信号RSTおよびモード信号Mode等の各種信号が入力されるようになっている。そして、信号発生回路100は、外部から入力されてくる各種信号に基づいて、例えばビデオデータVdataの並べ替えや出力値の補正等を行い、各発光チップC(C1〜C60)のそれぞれに対して発光信号φI(φI1〜φI60)を出力する発光信号発生部110を備えている。なお、本実施の形態では、各発光チップC(C1〜C60)のそれぞれに、1個ずつ発光信号φI(φI1〜φI60)が供給されるようになっている。また、上述したモード信号Modeは、次のジョブすなわち画像形成動作をフルカラーモードで行うのかあるいはモノクロモードで行うのかに基づいて決定されている。
また、信号発生回路100は、外部から入力されてくる各種信号に基づき、各発光チップC1〜C60に対して制御信号の一例としての第1転送信号φ1および第2転送信号φ2を出力する転送信号発生部120をさらに備えている。なお、本実施の形態では、各発光チップC(C1〜C60)に、共通の第1転送信号φ1および第2転送信号φ2が供給されるようになっている。
回路基板62には、各発光チップC1〜C60のVga端子に接続される電力供給用のVga=−5.0Vの電源ライン101およびGND端子に接続される接地用の電源ライン102が設けられている。また、回路基板62には、信号発生回路100の転送信号発生部120から第1転送信号φ1、第2転送信号φ2をそれぞれ送信する第1転送信号ライン104、第2転送信号ライン105も設けられている。さらに、回路基板62には、信号発生回路100の発光信号発生部110から各発光チップC(C1〜C60)に対して発光信号φI(φI1〜φI60)を出力する60本の発光信号ライン106(106_1〜106_60)も設けられている。なお、発光信号φI1〜φI60、第1転送信号φ1、第2転送信号φ2は、それぞれ、後述するようにハイレベル(H)およびローレベル(L)の2状態を取りうる。そして、ローレベルは−5.0Vの電位、ハイレベルは±0.0Vの電位となっている。
図6は、発光装置の一例としての発光チップCの回路構成を説明するための図である。
発光チップCは、256個の転送サイリスタT1〜T256および1個の加熱用転送サイリスタThと、256個の発光サイリスタL1〜L256および1個の加熱用発光サイリスタLhとを備えている。なお、発光サイリスタL1〜L256および加熱用発光サイリスタLhは、転送サイリスタT1〜T256および加熱用転送サイリスタThと同じpnpn接続を有しており、その中のpn接続を利用することで発光ダイオード(LED)としても機能するようになっている。ただし、加熱用発光サイリスタLhは、後述する構成を採用することにより、発光チップCの表面に露出しないようになっている。なお、本実施の形態では、これらの複数の転送サイリスタT1〜T256によって転送サイリスタ列が形成され、また、これらの複数の発光サイリスタL1〜L256によって発光サイリスタ列が形成されている。
また、発光チップCは、1個のスタートダイオードDs、255個の接続ダイオードD1〜D255および1個の加熱用接続ダイオードDhと、256個の抵抗R1〜R256および1個の加熱用抵抗Rhとを有している。さらに、発光チップCは、第1転送信号φ1、第2転送信号φ2が供給される各信号線に過剰な電流が流れるのを防止するための転送電流制限抵抗R1A、R2Aと、発光信号φI(発光チップC1の場合は発光信号φI1)が供給される信号線に過剰な電流が流れるのを防止するための発光電流制限抵抗RIDとを有している。
なお、加熱用発光サイリスタLhおよび発光サイリスタL1〜L256は、図中左側からLh、L1、L2、…、L255、L256の順で配列され、発光素子アレイ71を形成している。また、加熱用転送サイリスタThおよび転送サイリスタT1〜T256も、図中左側からTh、T1、T2、…、T255、T256の順で配列され、スイッチ素子アレイ72を形成している。さらに、加熱用接続ダイオードDh、スタートダイオードDsおよびダイオードD1〜D255も、図中左からDh、Ds、D1、D2、…、D254、D255の順で配列されている。さらにまた、加熱用抵抗Rhおよび抵抗R1〜R256も、図中左からRh、R1、R2、…R255、R256の順で配列されている。そして、発光素子アレイ71およびスイッチ素子アレイ72は、ほぼ平行となるように並べて配置されている。
なお、以下の説明においては、制限素子の一例としての加熱用転送サイリスタTh、発熱素子の一例としての加熱用発光サイリスタLh、加熱用接続ダイオードDhおよび加熱用抵抗Rhを、まとめて加熱用回路73と呼ぶことにする。
次に、発光チップCにおける各素子の電気的な接続について説明する。
まず、各転送サイリスタT1〜T256のアノード端子は、発光チップCを構成する基板を介してGND端子(図示せず)に接続されている。このGND端子には電源ライン102(図5参照)が接続され、接地される。
また、奇数番目の転送サイリスタT1、T3、…、T255のカソード端子は、転送電流制限抵抗R1Aを介してφ1端子に接続されている。このφ1端子には第1転送信号ライン104(図5参照)が接続され、第1転送信号φ1が供給される。
一方、偶数番目の転送サイリスタT2、T4、…、T256のカソード端子は、転送電流制限抵抗R2Aを介してφ2端子に接続されている。このφ2端子には第2転送信号ライン105(図5参照)が接続され、第2転送信号φ2が供給される。
また、各転送サイリスタT1〜T256のゲート端子は、それぞれに対応して設けられた抵抗R1〜R255を介して、Vga端子に接続されている。このVga端子には電源ライン101(図5参照)が接続され、電源電圧Vga(−5.0V)が供給される。
さらに、各転送サイリスタT1〜T256のゲート端子は、対応する同番号の発光サイリスタL1〜L256のゲート端子に、1対1でそれぞれ接続されている。なお、以下の説明においては、各転送サイリスタT1〜T256のゲート端子と対応する同番号の発光サイリスタL1〜L256のゲート端子との接続点を、ゲート端子G1〜G256と呼ぶことにする。
また、各ゲート端子G1〜G255には、それぞれ接続ダイオードD1〜D255のアノード端子が接続されており、これら接続ダイオードD1〜D255のカソード端子は、それぞれに隣接する次段の転送サイリスタT2〜T256のゲート端子G2〜G256に接続されている。
これに対し、スタートダイオードDsのアノード端子は、偶数番目の転送サイリスタT2、T4、…、T256のカソード端子と同様に、転送電流制限抵抗R2Aを介してφ2端子に接続されており、このスタートダイオードDsのカソード端子は、転送サイリスタT1のゲート端子G1に接続されている。
したがって、スタートダイオードDsおよび接続ダイオードD1〜D255は、転送サイリスタT1〜T255それぞれのゲート端子G1〜G255を挟んで、直列に接続されている。
また、各発光サイリスタL1〜L256のアノード端子は、各転送サイリスタT1〜T256のアノード端子と同様、発光チップCを構成する基板を介してGND端子(図示せず)に接続されている。
さらに、各発光サイリスタL1〜L256のカソード端子は、発光電流制限抵抗RIDを介してφI端子に接続されている。このφI端子には、発光信号ライン106(発光チップC1の場合は発光信号ライン106_1:図5参照)が接続され、発光信号φI(発光チップC1の場合は発光信号φI1)が供給される。なお、他の発光チップC2〜C60には、それぞれ、対応する発光信号φI2〜φI60が供給される。
続いて、発光チップCを構成する加熱用回路73の電気的な接続について説明する。
まず、加熱用転送サイリスタThのアノード端子は、各転送サイリスタT1〜T256のアノード端子と同様、発光チップCを構成する基板を介してGND端子(図示せず)に接続されている。
また、加熱用転送サイリスタThのカソード端子は、偶数番目の転送サイリスタT2、T4、…、T256のカソード端子と同様、転送電流制限抵抗R2Aを介してφ2端子に接続されている。
さらに、加熱用転送サイリスタThのゲート端子は、加熱用抵抗Rhを開始してVga端子に接続されている。
さらにまた、加熱用転送サイリスタThのゲート端子は、加熱用発光サイリスタLhのゲート端子に接続されている。なお、以下の説明においては、加熱用転送サイリスタThのゲート端子と加熱用発光サイリスタLhのゲート端子との接続点を、ゲート端子Ghと呼ぶことにする。
そして、ゲート端子Ghには加熱用接続ダイオードDhのカソード端子が接続されており、この加熱用接続ダイオードDhのアノード端子は、奇数番目の転送サイリスタT1〜T255のカソード端子と同様、転送電流制限抵抗R1Aを介してφ1端子に接続されている。
なお、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghは、転送サイリスタT1〜T256のゲート端子G1〜G256とは接続されていない。より具体的に説明すると、加熱用接続ダイオードDhは、スタートダイオードDsおよび接続ダイオードD1〜D255とは直列接続されていない。
次に、加熱用発光サイリスタLhのアノード端子は、発光サイリスタL1〜L256のアノード端子と同様、発光チップCを構成する基板を介してGND端子(図示せず)に接続されている。
また、加熱用発光サイリスタLhのカソード端子は、発光サイリスタL1〜L256と同様、発光電流制限抵抗RIDを介してφI端子に接続されている。
図7は、図6に示す回路を備えた発光チップCの具体的な構成の一例を説明するための図である。ここで、図7(a)は発光チップCを発光面側からみた上面図であり、図7(b)は図7(a)に示す発光チップCのVIIB−VIIB断面図であり、図7(c)は図7(a)に示す発光チップCのVIIC−VIIC断面図である。なお、図7では、発光チップCのうち、加熱用転送サイリスタTh、加熱用発光サイリスタLhおよび加熱用抵抗Rhが形成される側の端部を拡大して示している。
発光チップCは、p型半導体で構成された基板80と、p型半導体で構成され基板80上に積層された第1半導体層81と、n型半導体で構成され第1半導体層81上に積層された第2半導体層82と、p型半導体で構成され第2半導体層82上に積層された第3半導体層83と、n型半導体で構成され第3半導体層83上に積層された第4半導体層84とを基本構成としている。なお、これら基板80、第1半導体層81、第2半導体層82、第3半導体層83および第4半導体層84は、それぞれがAlGaAs等の化合物半導体をベースに、ドナーあるいはアクセプタを発生させるための微量のドーパントが添加されて構成されている。そして、各半導体層の一部を第4半導体層84側から選択的に除去することによって、各サイリスタ(転送サイリスタT1〜T256、加熱用転送サイリスタTh、発光サイリスタL1〜L256、加熱用発光サイリスタLh)、各ダイオード(接続ダイオードD1〜D255、スタートダイオードDs、加熱用接続ダイオードDh)および各抵抗(抵抗R1〜R256、転送電流制限抵抗R1A、R2A、発光電流制限抵抗RID、加熱用抵抗Rh)等の素子が形成されている。
より具体的に説明すると、転送サイリスタT1〜T256、加熱用転送サイリスタTh、発光サイリスタL1〜L256および加熱用発光サイリスタLhは、第1半導体層81、第2半導体層82、第3半導体層83および第4半導体層84を用い、第1半導体層81をアノード、第4半導体層84をカソード、そして第3半導体層83をゲートとして構成されている。
また、接続ダイオードD1〜D255、スタートダイオードDs、加熱用接続ダイオードDhは、第3半導体層83および第4半導体層84を用い、第3半導体層83をアノード、第4半導体層84をカソードして構成されている。
さらに、抵抗R1〜R256、転送電流制限抵抗R1A、R2A、発光電流制限抵抗RID、加熱用抵抗Rhは、第3半導体層83を用いて構成されている。
また、発光チップCの表面側において、各素子にはそれぞれ電極が形成されている。ここで、p型半導体からなる第3半導体層83には、第3半導体層83とオーミック接続をとるためのp型電極85が形成されている。一方、n型半導体からなる第4半導体層84には、第4半導体層84とオーミック接続を取るためのn型電極86が形成されている。
さらに、発光チップCの表面側のうち、p型電極85およびn型電極86が形成されていない領域には、絶縁性および加熱用発光サイリスタLhおよび発光サイリスタL1〜L256より出射される光に対する透光性を有する保護層87が形成されている。なお、図7(a)においては、保護層87の記載を省略している。
そして、発光チップCは、保護層87上に形成され、保護層87の間に露出する各電極を、基板80上に形成された各素子が図6に示す回路構成となるように電気的に接続する配線層をさらに備えている。
ここで、配線層は、加熱用抵抗Rhおよび抵抗R1〜R256をVga端子(図示せず、図6参照)に接続するための電源用配線91と、転送電流制限抵抗R1A(図示せず、図6参照)を介して加熱用接続ダイオードDhのアノード端子および奇数番目の転送サイリスタT1、T3、…、T255のカソード端子をφ1端子(図示せず、図6参照)に接続するための第1転送信号用配線92と、転送電流制限抵抗R2A(図示せず、図6参照)を介してスタートダイオードDsのアノード端子および偶数番目の転送サイリスタT2、T4、…、T256のカソード端子をφ2端子(図示せず、図6参照)に接続するための第2転送信号用配線93と、発光電流制限抵抗RID(図示せず、図6参照)を介して加熱用発光サイリスタLhのカソード端子および発光サイリスタL1〜L256のカソード端子をφI端子(図6参照)に接続するための発光信号用配線94とを備えている。また、配線層は、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghと加熱用抵抗Rhとを接続するための第1の接続用配線95と、各転送サイリスタT1〜T256および対応する各発光サイリスタL1〜L256のゲート端子G1〜G256と、各接続ダイオードD1〜D256のアノード端子およびカソード端子、各抵抗R1〜R256とをそれぞれ接続するための複数の第2の接続用配線96とを備えている。
なお、本実施の形態において、電源用配線91、第1転送信号用配線92、第2転送信号用配線93、発光信号用配線94、第1の接続用配線95および第2の接続用配線96は、導電性を有すると共に加熱用発光サイリスタLhおよび発光サイリスタL1〜L256より出射される光に対する遮光性を有するアルミニウム膜によって形成されている。なお、これら電源用配線91、第1転送信号用配線92、第2転送信号用配線93、発光信号用配線94、第1の接続用配線95および第2の接続用配線96の層厚さは、例えば透過率を1%以下とするために300nm以上とすることが好ましい。
また、本実施の形態では、基板80の裏面側に図示しない金属層(例えばアルミニウム膜またはクロム密着層を介した金膜)が形成されており、この金属層がGND端子として機能するようになっている。
ここで、発光信号用配線94は、加熱用発光サイリスタLhおよび発光サイリスタL1〜L256のカソードとなる第4半導体層84上に形成されたn型電極86とそれぞれ接続されている。そして、発光信号用配線94は、発光サイリスタL1〜L256に対しては、光の取り出し効率を向上させる観点から、最も表面側となる第4半導体層84を露出させるべく、第4半導体層84の一部のみを覆うように形成される。これに対し、発光信号用配線94は、加熱用発光サイリスタLhに対しては、光を外部に出射させない観点から、最も表面側となる第4半導体層84を遮蔽すべく、第4の半導体層84の全部およびその周囲までを覆うように形成される。このため、本実施の形態では、発光信号用配線94が、金属被覆部あるいは遮光部の一例として機能するようになっている。
なお、ここでは詳細に説明しないが、発光チップCにおいて、p型半導体層とn型半導体層とを反転させた構成を採用してもよい。
図8は、図5に示す発光信号発生部110の構成の一例を示す図である。
この発光信号発生部110は、入力されてくるビデオデータVdataの並べ替えを行い、各発光チップC1〜C60のそれぞれに対し個別の発光チップ用の画像データを出力する画像データ並べ替え部111を備える。また、発光信号発生部110は、各発光チップC1〜C60のそれぞれに設けられた各発光サイリスタL1〜L256に対し予め定められた光量の補正データを記憶する光量補正データ記憶部112を備える。さらに、発光信号発生部110は、各発光チップC1〜C60のそれぞれに対応して設けられ、画像データ並べ替え部111から入力されてくる個別の発光チップ用の画像データに、光量補正データ記憶部112から読み出した個別の発光チップCの光量補正データを用いた補正を行い、得られた発光信号φI1〜φI60を出力する60個の発光信号生成部114(114_1〜114_60)を備える。
また、図9は、図5に示す転送信号発生部120の構成の一例を示す図である。
この転送信号発生部120は、入力されてくるモード信号Modeが稼働モードである場合に、稼働モードに対応する第1転送信号φ1および第2転送信号φ2の出力を指示し、また、入力されてくるモード信号Modeが休止モードである場合に休止モードに対応する第1転送信号φ1および第2転送信号φ2の出力を指示する転送モード指示部121を備えている。また、転送信号発生部120は、転送モード指示部121からの指示に基づいて稼働モードと休止モードとで異なる波形の第1転送信号φ1を発生する第1転送信号発生部122と、転送モード指示部121からの指示に基づいて稼働モードと休止モードとで異なる波形の第2転送信号φ2を発生する第2転送信号発生部123とをさらに備えている。したがって、転送信号発生部120からは、稼働モードにおける第1転送信号φ1および第2転送信号φ2を組とする転送信号、あるいは、休止モードにおける第1転送信号φ1および第2転送信号φ2を組とする転送信号が、発光チップC1〜C60に共通に出力されるようになっている。なお、稼働モードおよび休止モードの詳細については後述する。
では次に、上述した稼働モードおよび休止モードと、各モードにおける第1転送信号φ1および第2転送信号φ2との関係について、より具体的に説明を行う。
図10は、稼働モードにおける第1転送信号φ1および第2転送信号φ2の波形と、稼働モードの第1転送信号φ1および第2転送信号φ2によってオン状態となる転送サイリスタと、転送サイリスタのオンに伴って発光可能な状態に設定される発光サイリスタとの関係の一例を説明するためのタイミングチャートである。なお、稼働モードの初期状態において、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2は、共にハイレベル(H)に設定されている。また、稼働モードの初期状態においては、スイッチ素子アレイ72を構成する加熱用転送サイリスタThおよび転送サイリスタT1〜T256と、発光素子アレイ71を構成する加熱用発光サイリスタLhおよび発光サイリスタL1〜L256とが、すべてオフ状態となっている。
初期状態において、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghには、加熱用接続ダイオードDhを介してハイレベルの第1転送信号φ1が供給されている。したがって、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghは、加熱用接続ダイオードDhによる電圧降下を差し引いた電位となっている。
また、初期状態において、転送サイリスタT1のゲート端子G1には、スタートダイオードDsを介してハイレベルの第2転送信号φ2が供給されている。したがって、転送サイリスタT1のゲート端子G1は、スタートダイオードDsによる電圧降下を差し引いた電位となっている。このとき、接続ダイオードD1〜D255を介して後段の転送サイリスタT2〜T256のゲート端子G2〜G256にも第2転送信号φ2が供給される。ただし、スタートダイオードDsおよび接続ダイオードD1〜D255のそれぞれにおいて電圧降下が生じるため、転送サイリスタT1のゲート端子G1の電位が最も高くなっている。
ここで、加熱用接続ダイオードDhおよびスタートダイオードDsは同じ構成を有しており、それぞれにおける電圧降下の大きさはほぼ等しい。このため、初期状態における加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghおよび転送サイリスタT1のゲート端子G1の電位は、ほぼ等しくなっている。
稼働モードでは、まず、第2転送信号φ2がハイレベルに維持されている状態で、第1転送信号φ1がハイレベルからローレベル(L)に変更される(図10(a))。すると、ローレベルの第1転送信号φ1がカソード端子に供給される奇数番目の転送サイリスタT1、T3、…、T255のうち、ゲート電位が最も高く、閾値以上となる転送サイリスタT1がターンオンする。また、このとき、第2転送信号φ2はハイレベルとなっているので、加熱用転送サイリスタThおよび偶数番目の転送サイリスタT2、T3、…、T256のカソード電位は高いままとなり、オフの状態が維持される。
なお、第1転送信号φ1がハイレベルからローレベルに変更されることに伴い、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghの電位は、加熱用抵抗Rhを介して電流が流れることによって徐々に低下していく。
次に、転送サイリスタT1がオンしている状態において、第2転送信号φ2がハイレベルからローレベルに変更される(図10(b))。すると、ローレベルの第2転送信号φ2がカソード端子に供給される加熱用転送サイリスタThおよび偶数番目の転送サイリスタT2、T4、…、T256のうち、ゲート電位が最も高く、閾値以上となる転送サイリスタT2がターンオンする。このとき、発光チップCでは、奇数番目の転送サイリスタT1とその後段に隣接する偶数番目の転送サイリスタT2とが、共にオンした状態となる。
なお、この状態で加熱用転送サイリスタThがターンオンしないのは、第1転送信号φ1がローレベルとなっているために、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghの電位が、既に転送サイリスタT2のゲート端子G2の電位よりも低下しているためである。
続いて、転送サイリスタT1およびT2が共にオンしている状態において、第1転送信号φ1がローレベルからハイレベルに変更される(図10(c))。これに伴い、偶数番目の転送サイリスタT2はオン状態を維持する一方、その前段に隣接する奇数番目の転送サイリスタT1はオン状態からオフ状態へと移行する。
なお、このとき、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghには、加熱用接続ダイオードDhを介してハイレベルの第1転送信号φ1が供給されることとなり、さらに、加熱用転送サイリスタThのカソード端子に供給される第2転送信号φ2がローレベルに維持されていることから、加熱用転送サイリスタThがオンしやすい状態となっている。しかしながら、この時点で、同じローレベルの第2転送信号φ2がカソード端子に供給されている偶数番目の転送サイリスタT2が既にオン状態となっていることから、加熱用転送サイリスタThがオン状態に移行することはなく、オフ状態を維持する。
したがって、このとき、発光チップCでは、偶数番目の転送サイリスタT2のみがオンした状態となる。そして、転送サイリスタT1のオフ状態への移行に伴い、転送サイリスタT1のゲート端子G1の電位は、抵抗R1を介して電流が流れることによって徐々に低下していく。一方、転送サイリスタT1のオフ状態への移行に伴い、接続ダイオードD1を介して順方向に隣接する転送サイリスタT2のゲート端子G2の電位が上昇し、また、接続ダイオードD1および接続ダイオードD2を介して順方向に隣接する転送サイリスタT3のゲート端子G3の電位も上昇していく。
さらに、転送サイリスタT2がオンしている状態において、第1転送信号φ1がハイレベルからローレベルに変更される(図10(d))。すると、ローレベルの第1転送信号φ1がカソード端子に供給される奇数番目の転送サイリスタのT1、T3、…、T255のうち、ゲート電位が最も高く、閾値以上となる転送サイリスタT3がターンオンする。
なお、この状態で転送サイリスタT1がターンオンしないのは、転送サイリスタT1のゲート端子G1の電位が、既に転送サイリスタT3のゲート端子G3の電位よりも低下しているためである。
また、第1転送信号φ1がハイレベルからローレベルに変更されることに伴い、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghの電位は、加熱用抵抗Rhを介して電流が流れることによって徐々に低下していく。
次いで、転送サイリスタT2およびT3が共にオンしている状態において、第2転送信号φ2がローレベルからハイレベルに変更される(図10(e))。これに伴い、奇数番目の転送サイリスタT3はオン状態を維持する一方、その前段に隣接する偶数番目の転送サイリスタT2はオン状態からオフ状態へと移行する。
なお、このとき、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghには、加熱用接続ダイオードDhを介したローレベルの第1転送信号φ1の供給が続いており、さらに、加熱用転送サイリスタThのカソード端子にはハイレベルの第2転送信号φ2が供給されることとなることから、加熱用転送サイリスタThはオフ状態を維持する。
したがって、このとき、発光チップCでは、奇数番目の転送サイリスタT3のみがオンした状態となる。そして、転送サイリスタT2のオフ状態への移行に伴い、転送サイリスタT2のゲート端子G2の電位は、抵抗R2を介して電流が流れることによって徐々に低下していく。一方、転送サイリスタT2のオフ状態への移行に伴い、接続ダイオードD2を介して順方向に隣接する転送サイリスタT3のゲート端子G3の電位が上昇し、また、接続ダイオードD2および接続ダイオードD3を介して順方向に隣接する転送サイリスタT4のゲート端子G4の電位も上昇していく。
次に、転送サイリスタT3がオンしている状態において、第2転送信号φ2がハイレベルからローレベルに変更される(図10(f))。すると、ローレベルの第2転送信号φ2がカソード端子に供給される加熱用転送サイリスタThおよび偶数番目の転送サイリスタT2、T4、…、T256のうち、ゲート電位が最も高く、閾値以上となる転送サイリスタT4がターンオンする。このとき、発光チップCでは、奇数番目の転送サイリスタT3とその後段に隣接する偶数番目の転送サイリスタT4とが、共にオンした状態となる。
なお、この状態で転送サイリスタT2がターンオンしないのは、転送サイリスタT2のゲート端子G2の電位が、既に転送サイリスタT4のゲート端子G4の電位よりも低下しているためである。
また、この状態で加熱用転送サイリスタThがターンオンしないのは、第1転送信号φ1がローレベルとなっているために、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghの電位が、既に転送サイリスタT4のゲート端子G4の電位よりも低下しているためである。
続いて、転送サイリスタT3およびT4が共にオンしている状態において、第1転送信号φ1がローレベルからハイレベルに変更される(図10(g))。これに伴い、偶数番目の転送サイリスタT4はオン状態を維持する一方、その前段に隣接する奇数番目の転送サイリスタT3はオン状態からオフ状態へと移行する。
なお、このとき、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghには、加熱用接続ダイオードDhを介してハイレベルの第1転送信号φ1が供給されることとなり、さらに、加熱用転送サイリスタThのカソード端子に供給される第2転送信号φ2がローレベルに維持されていることから、加熱用転送サイリスタThがオンしやすい状態となっている。しかしながら、この時点で、同じローレベルの第2転送信号φ2がカソード端子に供給されている偶数番目の転送サイリスタT4が既にオン状態となっていることから、加熱用転送サイリスタThがオン状態に移行することはなく、オフ状態を維持する。
したがって、このとき、発光チップCでは、偶数番目の転送サイリスタT4のみがオンした状態となる。そして、転送サイリスタT3のオフ状態への移行に伴い、転送サイリスタT3のゲート端子T3の電位は、抵抗R3を介して電流が流れることによって徐々に低下していく。一方、転送サイリスタT3のオフ状態への移行に伴い、接続ダイオードD3を介して順方向に隣接する転送サイリスタT4のゲート端子G4の電位が上昇し、また、接続ダイオードD3および接続ダイオードD4を介して順方向に隣接する転送サイリスタT5のゲート端子G5の電位も上昇していく。
さらに、転送サイリスタT4がオンしている状態において、第1転送信号φ1がハイレベルからローレベルに変更される(図10(h))。すると、ローレベルの第1転送信号φ1がカソード端子に供給される奇数番目の転送サイリスタのT1、T3、…、T255のうち、ゲート電位が最も高く、閾値以上となる転送サイリスタT5がターンオンする。
なお、この状態で転送サイリスタT3がターンオンしないのは、転送サイリスタT3のゲート端子G3の電位が、既に転送サイリスタT5のゲート端子G5の電位よりも低下しているためである。
また、第1転送信号φ1がハイレベルからローレベルに変更されることに伴い、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghの電位は、加熱用抵抗Rhを介して電流が流れることによって徐々に低下していく。
このように、稼働モードでは、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2が共にローレベルに設定される重なり期間を設けつつ、これらを交互にハイレベル、ローレベルに切り替えることにより、各発光チップCにおいて転送サイリスタT1〜T256が番号順に順次オン状態に設定される。また、稼働モードにおいて、加熱用転送サイリスタThがオン状態となることはない。
なお、本実施の形態では、図10に示す波形を有する第1転送信号φ1および第2転送信号φ2の組み合わせが、第1制御信号として働くようになっている。
そして、稼働モードにおいて、発光サイリスタL1〜L256を選択的に発光させる場合には、発光対象となる発光サイリスタL1〜L256とゲート同士が接続された転送サイリスタT1〜T256が、それぞれ単独でオン状態となっている期間内に、発光信号φIをハイレベルからローレベルに切り換え、且つ、ローレベルからハイレベルに切り換えるようにすればよい。ここで、「それぞれ単独でオン状態となっている期間」とは、例えば転送サイリスタT1においては図10(a)〜(b)の期間、転送サイリスタT2においては図10(c)〜(d)の期間、転送サイリスタT3においては図10(e)〜(f)に示す期間、転送サイリスタT4においては図10(g)〜(h)に示す期間をいう。
なお、図10には、すべての発光サイリスタL1〜L256(ただし図10においては発光サイリスタL1〜L8のみを示す)を発光させる際の発光信号φIの波形を例示している。
例えば奇数番目の転送サイリスタT3のみがオン状態となる図10(e)〜(f)の期間において、発光信号φIがハイレベルからローレベルに変更されたとする。このとき、ローレベルの発光信号φIがカソード端子に供給される加熱用発光サイリスタLhおよび発光サイリスタL1〜L256のうち、ゲート電位が最も高い発光サイリスタL3がオン状態となって発光する。なお、この期間において発光サイリスタL3のゲート端子G3の電位が最も高くなるのは、この発光サイリスタL3とゲート同士が接続された転送サイリスタT3がオン状態に設定されており、他の転送サイリスタT1、T2、T4〜T256および加熱用転送サイリスタThがオフ状態に設定されていることによるものである。
また、例えば偶数番目の転送サイリスタT4のみがオン状態となる図10(g)〜(h)の期間において、発光信号φIがハイレベルからローレベルに変更されたとする。このとき、ローレベルの発光信号φIがカソード端子に供給される加熱用発光サイリスタLhおよび発光サイリスタL1〜L256のうち、ゲート電位が最も高い発光サイリスタL4がオン状態となって発光する。なお、この期間において発光サイリスタL4のゲート端子G4の電位が最も高くなるのは、この発光サイリスタL4とゲート同士が接続された転送サイリスタT4がオン状態に設定されており、他の転送サイリスタT1〜T3、T5〜T256および加熱用転送サイリスタThがオフ状態に設定されていることによるものである。
したがって、稼働モードでは、転送サイリスタT1〜T256が番号順にそれぞれ単独でオン状態となる期間内において、発光信号φIをハイレベルからローレベル且つローレベルからハイレベルに切り換えることで、オン状態となっている転送サイリスタT1〜T256に接続された発光サイリスタL1〜L256をそれぞれ発光させることができる。また、稼働モードでは、転送サイリスタT1〜T256が番号順にそれぞれ単独でオン状態となる期間内において、発光信号φIをハイレベルに維持することで、オン状態となっている転送サイリスタT1〜T256にそれぞれ接続された発光サイリスタL1〜L256をそれぞれ発光させないようにできる。
そして、対象となる発光サイリスタL1〜L256を発光させる場合において、発光信号φIをハイレベルからローレベルにすることで発光を開始させるタイミングと、その発光信号をローレベルからハイレベルにすることで発光を終了させるタイミングとを、発光サイリスタL1〜L256に対し個別に調整することで、発光サイリスタL1〜L256から出射される光の光量の補正がなされる。本実施の形態では、図8に示す発光信号発生部110が、発光を開始させるタイミング(発光信号φIをハイレベルからローレベルに切り換えるタイミング)を一律とする一方、発光を終了させるタイミング(発光信号φIをローレベルからハイレベルに切り換えるタイミング)を、光量補正データ記憶部112(図8参照)から読み出した光量補正データに基づいて変更することで、発光チップC1〜C60のそれぞれを構成する発光サイリスタL1〜L256に対し、光量補正を行っている。
一方、図11は、休止モードにおける第1転送信号φ1および第2転送信号φ2の波形と、休止モードの第1転送信号φ1および第2転送信号φ2によってオン状態となる転送サイリスタと、転送サイリスタのオンに伴って発光可能な状態に設定される発光サイリスタとの関係の一例を説明するためのタイミングチャートである。なお、休止モードの初期状態において、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2は、稼働モードと同様に、共にハイレベルに設定されている。また、休止モードの初期状態においては、稼働モードと同様に、スイッチ素子アレイ72を構成する加熱用転送サイリスタThおよび転送サイリスタT1〜T256と、発光素子アレイを構成する加熱用発光サイリスタLhおよび発光サイリスタL1〜L256とが、すべてオフ状態となっている。
また、稼働モードと同様に、初期状態において、転送サイリスタT1のゲート端子G1には、スタートダイオードDsを介してハイレベルの第2転送信号φ2が供給されている。したがって、転送サイリスタT1のゲート端子G1は、スタートダイオードDsによる電圧降下を差し引いた電位となっている。このとき、接続ダイオードD1〜D255を介して後段の転送サイリスタT2〜T256のゲート端子G2〜G256にも第2転送信号φ2が供給される。ただし、スタートダイオードDsおよび接続ダイオードD1〜D255のそれぞれにおいて電圧降下が生じるため、転送サイリスタT1のゲート端子G1の電位が最も高くなっている。したがって、転送サイリスタT1のゲート端子G1の電位よりも、転送サイリスタT2のゲート端子G2の電位の方が低くなっている。
ここで、加熱用接続ダイオードDhおよびスタートダイオードDsは同じ構成を有しており、それぞれにおける電圧降下の大きさはほぼ等しい。このため、初期状態における加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghおよび転送サイリスタT1のゲート端子G1の電位は、ほぼ等しくなっている。その結果、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghの電位は、転送サイリスタT2のゲート端子G2の電位よりも高くなっている。
休止モードでは、まず、第1転送信号φ1がハイレベルに維持されている状態で、第2転送信号φ2がハイレベルからローレベルに変更される(図11(a))。すなわち、稼働モードでは最初に第1転送信号φ1をハイレベルからローレベルに変更していたのに対し、休止モードでは最初に第2転送信号φ2をハイレベルからローレベルに変更する。すると、ローレベルの第2転送信号φ2がカソード端子に供給される加熱用転送サイリスタThおよび偶数番目の転送サイリスタT2、T4、…、T256のうち、ゲート電位が最も高く、閾値以上となる加熱用転送サイリスタThがターンオンする。また、このとき、第1転送信号φ1はハイレベルとなっているので、奇数番目の転送サイリスタT1、T3、…、T255のカソード電位は高いままとなり、オフの状態が維持される。これにより、発光チップCでは、加熱用転送サイリスタThのみがオン状態となり、転送サイリスタT1〜T256はすべてオフ状態となる。
そして、休止モードでは、その後も第1転送信号φ1がハイレベルに維持され、且つ、第2転送信号φ2がローレベルに維持される。これに伴い、発光チップCでは、加熱用転送サイリスタThのみがオンとなり、他の転送サイリスタT1〜T256がすべてオフとなる状態が維持される。このように、休止モードでは、第1転送信号φ1をハイレベルに維持する一方、第2転送信号φ2をローレベルに維持することで、各発光チップにおいて加熱用転送サイリスタThがオン状態を持続するように設定される。
なお、本実施の形態では、図11に示す波形を有する第1転送信号φ1および第2転送信号φ2の組み合わせが、第2制御信号として働くようになっている。
ここで、休止モードにおいて、図10に示す発光信号φI、すなわち、稼働モードにおいて全発光サイリスタL1〜L256(ただし図11においては発光サイリスタL1〜L8のみを示す)を発光させるための波形を有する発光信号φIを供給した場合について考える。
休止モードでは、上述したような第1転送信号φ1および第2転送信号φ2を供給することで、加熱用転送サイリスタThが継続的にオン状態となっている。このため、この状態で発光信号φIをハイレベルからローレベルにすると、ローレベルの発光信号φIがカソード端子に供給される加熱用発光サイリスタLhおよび発光サイリスタL1〜L256のうち、ゲート電位が最も高い加熱用発光サイリスタLhがオン状態となって発光する。なお、この期間において加熱用発光サイリスタLhのゲート端子Ghの電位が最も高くなるのは、この加熱用発光サイリスタLhとゲート同士が接続された加熱用転送サイリスタThがオン状態に設定されており、他の転送サイリスタT1〜T256がオフ状態に設定されていることによるものである。
このように、稼働モードでは、供給される発光信号φIによって発光サイリスタL1〜L256が番号順に発光/非発光に設定されていたのに対し、休止モードでは、供給される発光信号φIによって加熱用発光サイリスタLhのみが発光/非発光を繰り返すことになる。
ここで、発光サイリスタL1〜L256は、図7を用いて説明したように、発光信号用配線94で覆われる一部の領域を除いて露出して形成されている。このため、発光サイリスタL1〜L256より出射された光は、外部に取り出されて例えば感光体ドラム12(図2参照)を露光するようになっている。
これに対し、加熱用発光サイリスタLhは、図7を用いて説明したように、発光信号用配線94によって全域が覆われている。このため、加熱用発光サイリスタLhから出射された光は、発光信号用配線94によって遮られることとなり、感光体ドラム12を露光しないようになっている。
したがって、稼働モードでは、LPH14において発光チップC1〜C60を動作させるとともに、それぞれに設けられた発光サイリスタL1〜L256からの光を外部に出射させることで、結果として感光体ドラム12の露光を行うことになる。一方、休止モードでは、LPH14において発光チップC1〜C60を動作させるものの、それぞれに設けられた加熱用発光サイリスタLhからの光を外部に出射させないことで、結果として感光体ドラム12の露光を行わないことになる。
では、図1に示す画像形成装置1における各LPH14の露光動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、制御部20は、各画像形成ユニット11を構成する各LPH14の信号発生回路100に対し、各種信号を送る。そして、各LPH14に設けられた信号発生回路100では、転送信号発生部120が、入力されてくる信号の一つであるMode信号に基づいて作成した第1転送信号φ1および第2転送信号φ2を、発光部63を構成する60個の発光チップC(C1〜C60)に出力する。また、信号発生回路100では、発光信号発生部110が、入力されてくる信号の一つであるビデオデータVdataに基づいて作成した、主走査方向1ライン分に対応する60個の発光信号φI(φI1〜φI60)を、発光部63を構成する60個の発光チップC(C1〜C60)に出力する。そして、各LPH14の発光部63では、各発光チップC1〜C60が、それぞれに入力される第1転送信号φ1、第2転送信号φ2および各発光信号φI1〜φI60に応じて、搭載する発光サイリスタL1〜L256および加熱用発光サイリスタLhを、それぞれ発光/非発光に設定する。そして、この動作を副走査ライン分だけ繰り返すことで、用紙1枚分の画像に対応する露光データの出力を完了する。
さて、図1に示す画像形成装置1は、上述したようにフルカラーモードとモノクロモードとで動作する。そして、本実施の形態では、次に行われる画像形成動作がフルカラーモードであるかモノクロモードであるかに基づいて、制御部20が各色用のLPH14の信号発生回路100に供給するモード信号ModeおよびビデオデータVdata(図5、図8、図9参照)の設定を行っている。
図12(a)は、フルカラーモードにおいて制御部20からYMCK各色のLPH14に供給されるモード信号ModeおよびビデオデータVdataの関係を示している。また、図12(b)は、モノクロモードにおいて制御部20からYMCK各色のLPH14に供給されるモード信号ModeおよびビデオデータVdataの関係を示している。なお、図12(a)、(b)に示す関係は、制御部20に設けられた図示しないメモリにテーブルとして格納されている。そして、制御部20は、外部からフルカラーモードによる画像形成の指示を受け付けた場合に、図示しないメモリから図12(a)に示したテーブルを読み出して、YMCK各色のLPH14にそれぞれ信号を出力する。また、制御部20が外部からモノクロモードによる画像形成の指示を受け付けた場合に、図示しないメモリから図12(b)に示したテーブルを読み出して、YMCK各色のLPH14にそれぞれ信号を出力する。
図12(a)に示すように、例えばフルカラーモードの場合は、YMCK各色のLPH14に対しモード信号Modeとして共通に稼働モードが設定され、また、YMCK各色のLPH14に対しビデオデータVdataとして各色のデータ(Y色データ、M色データ、C色データ、K色データ)がそれぞれ出力されるようになっている。これに対し、図12(b)に示すように、例えばモノクロモードの場合は、YMC各色のLPH14に対しモード信号Modeとして休止モードが、K色のLPH14に対しモード信号Modeとして稼働モードがそれぞれ設定され、また、YMCK各色のLPH14に対しビデオデータVdataとしてK色のデータ(K色データ)が共通に出力されるようになっている。
図13は、フルカラーモードにおけるYMCK各色のLPH14の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。ただし、図13は、YMCK各色のLPH14において同じ番号が付された発光チップC(例えば発光チップC1)のそれぞれにおける発光サイリスタL1〜L8の動作を例示している。
フルカラーモードでは、図12(a)に示したように、YMCK各色のLPH14に対しモード信号Modeとして一律に稼働モードが設定される。このため、YMCK各色のLPH14に設けられた信号発生回路100(転送信号発生部120)は、図10に示す波形の第1転送信号φ1および第2転送信号φ2を供給する。また、フルカラーモードでは、図12(a)に示したように、YMCK各色のLPH14に対し、ビデオデータVdataとしてそれぞれ個別の色データ(イエローのLPH14にはY色データ、マゼンタのLPH14にはM色データ、シアンのLPH14にはC色データ、黒のLPH14にはK色データ)が供給され、YMCK各色のLPH14に設けられた信号発生回路100(発光信号発生部110)は、Y色データ、M色データ、C色データ、K色データに基づく発光信号φIをそれぞれ出力する。
これにより、図13に示す例において、稼働モードで動作するイエローのLPH14の発光チップC1では、転送サイリスタT1〜T256が順次オン状態となる転送動作が行われることで加熱用転送サイリスタThがオン状態とはならないことから、発光信号φIに基づいて発光サイリスタL1〜L4が発光する。また、同じく稼働モードで動作するマゼンタのLPH14の発光チップC1では、転送サイリスタT1〜T256が順次オン状態となる転送動作が行われることで加熱用転送サイリスタThがオン状態とはならないことから、発光信号φIに基づいて発光サイリスタL1、L2およびL8が発光する。さらに、同じく稼働モードで動作するシアンのLPH14の発光チップC1では、転送サイリスタT1〜T256が順次オン状態となる転送動作が行われることで加熱用転送サイリスタThがオン状態とはならないことから、発光信号φIに基づいて発光サイリスタL4、L5およびL8が発光する。さらにまた、同じく稼働モードで動作する黒の発光チップC1では、転送サイリスタT1〜T256が順次オン状態となる転送動作が行われることで加熱用転送サイリスタThがオン状態とはならないことから、発光信号φIに基づいて発光サイリスタL1、L5〜L7が発光する。
このように、フルカラーモードでは、YMCK各色のLPH14をそれぞれ構成する発光チップC1〜C60において、Y色データ、M色データ、C色データ、K色データからそれぞれ生成された発光信号φIに基づき、発光サイリスタL1〜L256が発光または非発光に設定される一方、加熱用発光サイリスタLhはすべて非発光に設定される。
その結果、フルカラーモードにおいては、YMCK各色のLPH14をそれぞれ構成する発光チップC1〜C60の発光サイリスタL1〜L256から、選択的に光が出射される。そして、YMCK各色のLPH14から出射された光は、それぞれに対応して設けられたYMCK各色の感光体ドラム12に照射され、YMCK各色の感光体ドラム12の露光が行われる。
一方、図14は、モノクロモードにおけるYMCK各色のLPH14の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。ただし、図14では、図13と同様、YMCK各色のLPH14において同じ番号が付された発光チップC(例えば発光チップC1)のそれぞれにおける発光サイリスタL1〜L8の動作を例示している。
モノクロモードでは、図12(b)に示したように、YMC各色のLPH14に対し休止モードが、K色のLPH14に対し稼働モードが、それぞれ設定される。このため、YMC各色のLPH14に設けられた信号発生回路100(転送信号発生部120)は、図11に示す波形の第1転送信号φ1および第2転送信号φ2を供給し、K色のLPH14に設けられた信号発生回路100(転送信号発生部120)は、図10に示す波形の第1転送信号φ1および第2転送信号φ2を供給する。また、モノクロモードでは、図12(b)に示したように、YMCK各色のLPH14に対しビデオデータVdataとして共通にK色データが供給され、YMCK各色のLPH14に設けられた信号発生回路100(発光信号発生部110)は、K色データに基づく発光信号φIをそれぞれ出力する。なお、図14は、図13に示したものと同じK色データに基づく発光信号φIを供給した場合を例示している。
これにより、図14に示す例において、稼働モードで動作するK色のLPH14の発光チップC1では、転送サイリスタT1〜T256が順次オン状態となる転送動作が行われることで加熱用転送サイリスタThがオン状態とはならないことから、発光信号φIに基づいて発光サイリスタL1、L5〜L7が発光する。これに対し、休止モードで動作するYMC各色のLPH14の発光チップC1では、それぞれにおいて加熱用転送サイリスタThがオン状態となった後にオン状態を維持する固定動作が行われることで転送サイリスタT1〜T256がオン状態とはならないことから、発光信号φIに基づいて発光サイリスタL1〜L256ではなく加熱用発光サイリスタLhが発光することになる。
このように、モノクロモードでは、K色のLPH14を構成する発光チップC1〜C60において、K色データから生成された発光信号φIに基づき、発光サイリスタL1〜L256が発光または非発光に設定される一方、加熱用サイリスタLhはすべて非発光に設定される。また、モノクロモードでは、YMC各色のLPH14をそれぞれ構成する発光チップC1〜C60において、K色データから生成された発光信号φIに基づき、加熱用発光サイリスタLhが発光または非発光に設定される一方、発光サイリスタL1〜L256はすべて非発光に設定される。
その結果、モノクロモードにおいては、K色のLPH14を構成する発光チップC1〜C60の発光サイリスタL1〜L256から、選択的に光が出射される。そして、黒のLPH14から出射された光は、これに対応して設けられたK色の感光体ドラム12に照射され、K色の感光体ドラム12の露光がなされる。また、モノクロモードにおいては、YMC各色のLPH14を構成する発光チップC1〜C60の加熱用発光サイリスタLhからK色のLPH14と同じタイミングで光が出射される。ここで、YMC各色のLPH14を構成する発光チップC1〜C60の加熱用発光サイリスタLhから出射された光は、各発光チップC1〜C60において加熱用発光サイリスタLhを覆うように設けられた発光信号用配線94によって遮られ、外部に取り出されない。したがって、モノクロモードにおいて、YMC各色のLPH14からは光が出射されないことになり、これらYMC各色のLPH14に対応して設けられたYMC各色の感光体ドラム12の露光は行われないことになる。
そして、この例では、休止モードで動作するYMC各色のLPH14に、ビデオデータVdataとしてK色データの供給が行われている。このため、YMC各色のLPH14を構成するそれぞれの発光チップC1に設けられた加熱用発光サイリスタLhは、K色のLPH14を構成する発光チップC1に設けられた発光サイリスタL1、L5〜L7と同じタイミングで発光を開始し且つ発光を終了する。したがって、YMC各色のLPH14を構成するそれぞれの発光チップC1に設けられた加熱用発光サイリスタLhが発光する回数は、K色のLPH14を構成する発光チップC1に設けられた発光サイリスタL1〜L256が発光する回数の総数と同じになる。また、YMC各色のLPH14を構成するそれぞれの発光チップC1に設けられた加熱用発光サイリスタLhが発光する総時間は、K色のLPH14を構成する発光チップC1に設けられた発光サイリスタL1〜L256が発光する時間の合計値と同じになる。また、全体でみた場合においても、YMC各色のLPH14に設けられた加熱用発光サイリスタLhが発光する回数は、K色のLPH14に設けられた発光サイリスタLが発光する回数の総数と同じになり、YMCK各色のLPH14における発光時間の総時間も等しくなる。
ところで、本実施の形態では、図1に示したように、フルカラーモードにおいて、複数の画像形成ユニット11を用いてYMCK各色の画像を形成し、形成された画像を用紙上に転写して重ね合わせている。このため、LPH14も、各画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kにそれぞれ1つずつ設けられている。そして、YMCK各色のLPH14は、図1において手前側となるIN側端部に位置する発光サイリスタ(図5に示す「1dot」参照)および奥側となる奥側端部に位置する発光サイリスタ(図5に示す「15360dot」参照)の主走査方向位置が、初期状態において揃うように、画像形成装置1に設けられた図示しないフレームに取り付けられている。
また、本実施の形態が適用される画像形成装置1では、モノクロモードによる画像形成動作とフルカラーモードによる画像形成動作とが選択的に行われる。このため、例えば長時間にわたってモノクロモードによる画像形成動作を行った後、引き続きフルカラーモードによる画像形成動作を行うことがあり得る。ここで、例えばフルカラーモードでは、YMCK各色のLPH14を用いた露光動作が必要である。これに対し、モノクロモードでは、K色のLPH14を用いた露光動作が必要であり、YMC各色のLPH14を用いた露光動作は不要である。
ここで、モノクロモードにおいてYMC各色のLPH14による露光動作を行わせないための第1の手法として、YMC各色のLPH14に供給する第1転送信号φ1および第2転送信号φ2をハイレベルに維持することが考えられる。このようにすることで、YMC各色のLPH14の発光チップC1〜C60のそれぞれにおいて転送サイリスタT1〜T256はオン状態とならなくなる。その結果、YMC各色のLPH14に供給する発光信号φIの状態に関わらず、YMC各色のLPH14の発光チップC1〜C60のそれぞれにおいて発光サイリスタL1〜L256は発光できなくなる。
また、モノクロモードにおいてYMC各色のLPH14による露光動作を行わせないための第2の手法として、YMC各色のLPH14に供給する第1転送信号φ1および第2転送信号φ2を、K色のLPH14に供給する第1転送信号φ1および第2転送信号φ2と同じ波形とし、且つ、YMC各色のLPH14に供給する発光信号φIをハイレベルに維持することが考えられる。このようにすることで、YMC各色のLPH14の発光チップC1〜C60のそれぞれにおいて、転送サイリスタT1〜T256のオン状態の転送は行われるものの、YMC各色のLPH14の発光チップC1〜C60のそれぞれにおいて発光サイリスタL1〜L256は発光できなくなる。
ここで、例えば上記第1の手法を採用した場合には、YMC各色のLPH14を構成する発光チップC1〜C60のそれぞれにおいて、転送サイリスタT1〜T256および発光サイリスタL1〜L256が一度もオン状態にならないことになる。
一方、例えば上記第2の手法を採用した場合には、YMC各色のLPH14を構成する発光チップC1〜C60のそれぞれにおいて、転送サイリスタT1〜T256は順次オン状態になるが発光サイリスタL1〜L256はオン状態とはならないことになる。
これに対し、モノクロモードにおけるK色のLPH14では、K色のLPH14を構成する発光チップC1〜C60のそれぞれにおいて、転送サイリスタT1〜T256が順次オン状態となるとともに発光サイリスタL1〜L256がオン状態となった場合に発光することになる。
一般に、サイリスタ等の半導体素子は、オン状態すなわち導通状態となることによって発熱する。そして、オン状態を経た転送サイリスタT1〜T256および発光サイリスタL1〜L256を搭載する発光チップC1〜C60の温度が発熱により上昇し、これに伴って発光チップC1〜C60が搭載された回路基板62の温度も上昇する。そして、回路基板62の温度が上昇すると、LPH14は熱膨張に伴って主走査方向に伸びる。
したがって、モノクロモードにおいて、YMC各色のLPH14に対し上記第1の手法あるいは上記第2の手法を採用した場合には、モノクロモードの画像形成動作を終了した時点でK色のLPH14とYMC各色のLPH14との温度差が大きくなり、K色のLPH14とYMC各色のLPH14とで主走査方向の伸び量に違いが生じるおそれがある。そして、例えばこのモノクロモードでの画像形成動作の直後にフルカラーモードで画像形成動作を行った場合には、K色のLPH14とYMC各色のLPH14とで主走査方向の長さ(1dot目から15360dot目に至る距離:図5参照)に違いが生じ、結果として形成される画像に、主走査方向の位置ずれが生じるおそれがある。より具体的に説明すると、用紙上において、YMC各色の画像よりもK色の画像が主走査方向に長くなってしまうことになる。
これに対し、本実施の形態では、LPH14を構成する発光チップC1〜C60に、それぞれ、加熱用転送サイリスタThおよび加熱用発光サイリスタLhを有する加熱用回路73を設けるようにした。そして、本実施の形態では、モノクロモードにおいて、YMC各色のLPH14を構成する発光チップC1〜C60で、それぞれ、加熱用転送サイリスタThをオン状態に設定させると共に、その結果として、発光サイリスタL1〜L256に代えて加熱用発光サイリスタLhを発光すなわちオン状態とさせるようにした。これにより、上述した第1の手法あるいは第2の手法を採用した場合と比較して、モノクロモードにおいて、露光動作に使用されるK色のLPH14の発熱量と露光動作に使用されないYMC各色のLPH14の発熱量との差が小さくなる。したがって、上述した第1の手法あるいは第2の手法を採用した場合と比較して、モノクロモードによる画像形成動作を終了した時点におけるK色のLPH14とYMC各色のLPH14との主走査方向の伸び量の差も小さくなる。このため、例えばこのモノクロモードでの画像形成動作の直後にフルカラーモードで画像形成動作を行った場合において、形成されるフルカラー画像における主走査方向の位置ずれは抑制されることになる。
特に、本実施の形態では、モノクロモードにおいて、露光動作に使用しないYMC各色のLPH14に対し、露光動作に使用するK色のLPH14と同じK色データに基づく発光信号φIを供給するようにした。これにより、露光動作に使用されるK色のLPH14の発熱量と露光動作に使用されないYMC各色のLPH14の発熱量との差はさらに小さくなる。したがって、例えばこのモノクロモードでの画像形成動作の直後にフルカラーモードで画像形成動作を行った場合であっても、形成されるフルカラー画像における主走査方向の位置ずれはさらに抑制されることになる。
さらに、本実施の形態では、LPH14を構成する発光チップC1〜C60にそれぞれ設けられる加熱用発光サイリスタLhを、アルミニウム膜からなる発光信号用配線94にて覆うようにした。これにより、モノクロモードにおいて、YMC各色のLPH14を構成する発光チップC1〜C60にそれぞれ設けられる加熱用発光サイリスタLhが発光した場合であっても、その光が外部に漏れにくくなる。このため、モノクロモードにおいて、YMC各色の画像形成ユニット11Y、11M、11Cで画像が形成されてしまうという事態は回避される。
また、本実施の形態では、発光チップC1〜C60において、奇数番目の転送サイリスタT1、T3、…、T255のカソード端子に共通の第1転送信号φ1を供給すると共に、偶数番目の転送サイリスタT2、T4、…、T256および加熱用転送サイリスタThのカソード端子に共通の第2転送信号φ2を供給するようにした。さらに、本実施の形態では、発光チップC1〜C60において、転送サイリスタT1〜T256のゲート端子G1〜G256を接続ダイオードD1〜D255を用いて直列に接続するとともに、転送動作の最上流側となる転送サイリスタT1のゲート端子G1には、スタートダイオードDsを介して第2転送信号φ2を供給するようにした。これに対し、発光チップC1〜C60において、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Thには、加熱用ダイオードDhを介して第1転送信号φ1を供給するようにした。
このような構成を採用することにより、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2のうち第1転送信号φ1を先に変化させた場合には、転送サイリスタT1がオン状態に設定されて発光サイリスタL1が発光可能状態となる一方、加熱用転送サイリスタThがオフ状態に維持されて加熱用発光サイリスタLhが発光不能状態となり、その後、第1転送信号φ1及び第2転送信号φ2の周期的な変化に伴ってオン状態が転送サイリスタT1〜T256に番号順に転送される。その結果、加熱用発光サイリスタLhが発光不能状態を維持する一方で発光サイリスタL1〜L256が順次発光可能状態となる稼働モードが実行されることになる。
一方、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2のうち第2転送信号φ2を先に変化させた場合には、加熱用転送サイリスタThがオン状態に設定されて加熱用発光サイリスタLhが発光可能状態となる一方、転送用サイリスタT1がオフ状態に維持されて発光サイリスタL1が発光不能状態となり、その後、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2の関係が維持されることによってオン状態が加熱用転送サイリスタThで固定されて保持される。その結果、加熱用発光サイリスタLhが発光可能状態を維持する一方で発光サイリスタL1〜L256が発光不能状態を維持する休止モードが実行されることになる。
なお、本実施の形態では、モノクロモードを例とし、K色のLPH14を稼働モードで動作させるとともにYMC各色のLPH14を休止モードで動作させる場合について説明を行った。ただし、これに限られるものではなく、例えば黒の文字画像に加えてイエローのウォーターマークを形成する場合においては、YK各色のLPH14を稼働モードで動作させる一方、MC各色のLPH14を休止モードで動作させるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、発光チップCに設けられる加熱用回路73を、加熱用ダイオードDh、加熱用抵抗Rh、加熱用転送サイリスタThおよび加熱用発光サイリスタLhで構成していたが、加熱用回路73の構成はこれに限られるものではない。
図15は、発光チップCにおける加熱用回路73の他の構成の一例を示している。
この加熱用回路73は、加熱用ダイオードDh、加熱用抵抗Rh、加熱用転送サイリスタTh、および加熱用発光サイリスタLhの代わりに設けられる加熱用トランジスタTrhを備えている。ここで、加熱用ダイオードDh、加熱用抵抗Rhおよび加熱用転送サイリスタThについては、図6に示したものと同じ構成を有すると共に同じ接続がなされている。
また、転送サイリスタT1〜T256、スタートダイオードDsおよび接続ダイオードD1〜D255、発光サイリスタL1〜L256についても、図6に示したものと同じ構成を有すると共に同じ接続がなされている。
ここで、加熱用回路73に新たに設けられた加熱用トランジスタTrhは、pnp型の構造を有している。そして、加熱用トランジスタTrhのベース端子は、加熱用転送サイリスタThのゲート端子Ghに接続されている。また、加熱用トランジスタTrhのエミッタ端子は、発光サイリスタL1〜L256のアノード端子と同様、発光チップCを構成する基板を介してGND端子(図示せず)に接続されている。さらに、加熱用トランジスタTrhのコレクタ端子は、発光サイリスタL1〜L256と同様、発光電流制限抵抗RIDを介してφI端子に接続されている。
このような構成を採用した場合、加熱用回路73に加熱用発光サイリスタLhを設けた場合と比較して、通電時の発熱量はほとんど変わらないものの、通電時に出射される光の量が低減されることにより、休止モードでの動作における漏れ光の減少が期待される。
1…画像形成装置、10…画像プロセス部、11Y、11M、11C、11K…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、13…帯電器、14…LEDプリントヘッド(LPH)、15…現像器、16…搬送ベルト、17…駆動ロール、18…転写ロール、19…定着器、20…制御部、62…回路基板、63…発光部、64…ロッドレンズアレイ、70…チップ基部、71…発光素子アレイ、72…スイッチ素子アレイ、73…加熱用回路、100…信号発生回路、110…発光信号発生部、120…転送信号発生部、C1〜C60…発光チップ、T1〜T256…転送サイリスタ、Th…加熱用転送サイリスタ、L1〜L256…発光サイリスタ、Th…加熱用発光サイリスタ、Ds…スタートダイオード、Dh…加熱用接続ダイオード、D1〜D255…接続ダイオード、R1〜R256…抵抗、Rh…加熱用抵抗、φI…発光信号、φ1…第1転送信号、φ2…第2転送信号

Claims (13)

  1. 像保持体と、
    前記像保持体を帯電する帯電装置と、
    基板に搭載され、発光信号により発光/非発光が制御され一列に並べて設けられる複数の発光素子、当該複数の発光素子にそれぞれ対応して設けられオン状態に設定されることによって対応する発光素子を発光可能状態とする複数のスイッチ素子、当該発光信号により発熱/非発熱が制御される発熱素子、および当該発熱素子に対応して設けられ前記複数のスイッチ素子よりも先にオン状態に設定されることによって当該複数のスイッチ素子がオン状態になるのを制限し当該発熱素子を発熱可能状態とする制限素子を有する発光チップを用いて、帯電された前記像保持体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
    前記像保持体に形成された前記静電潜像を現像して画像を形成する現像装置と、
    前記像保持体に形成された画像を記録材に転写する転写装置と
    をそれぞれ備える複数の画像形成部と、
    前記複数の画像形成部を構成する一部の画像形成部を使用し且つ残りの画像形成部を使用しないで画像形成を行う際に、当該一部の画像形成部に設けられた前記露光装置の前記発光チップに対し、前記制限素子よりも先に前記複数のスイッチ素子をオン状態に設定するための制御信号を供給し、且つ、当該残りの画像形成部に設けられた前記露光装置の前記発光チップに対し、当該複数のスイッチ素子よりも先に当該制限素子をオン状態に設定するための制御信号を供給する制御部と
    を含む画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記一部の画像形成部を使用し且つ残りの画像形成部を使用しないで画像形成を行う際に、当該一部の画像形成部に設けられた前記露光装置の前記発光チップおよび当該残りの画像形成部に設けられた前記露光装置の前記発光チップに対し、当該一部の画像形成部に対応する画像データに基づいて作成した前記発光信号を供給することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記一部の画像形成部を使用し且つ残りの画像形成部を使用しないで画像形成を行う際に、当該一部の画像形成部に設けられた前記露光装置の前記発光チップに対し、前記複数のスイッチ素子の1つのスイッチ素子をオン状態とさせる動作と1つのスイッチ素子を含み隣接する2つのスイッチ素子をオン状態とさせる動作を繰り返し行わせることで、スイッチ素子のオン状態を転送する前記制御信号を供給し、当該残りの画像形成部に設けられた前記露光装置の前記発光チップに対し、前記制限素子のオン状態を維持させることで、前記複数のスイッチ素子がオン状態となるのを阻止する当該制御信号を供給することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 基板に搭載され、発光信号により発光/非発光が制御され一列に並べて設けられる複数の発光素子、当該複数の発光素子にそれぞれ対応して設けられオン状態に設定されることによって対応する発光素子を発光可能状態とする複数のスイッチ素子、当該発光信号により発熱/非発熱が制御される発熱素子、および当該発熱素子に対応して設けられ前記複数のスイッチ素子よりも先にオン状態に設定されることによって当該複数のスイッチ素子がオン状態になるのを制限し当該発熱素子を発熱可能状態とする制限素子、を有する発光チップと、
    前記発光チップを構成する前記複数の発光素子から出力される光を像保持体に結像させる光学部材と、
    前記発光チップに対し、前記制限素子よりも先に前記複数のスイッチ素子をオン状態に設定するための第1制御信号または当該複数のスイッチ素子よりも先に当該制限素子をオン状態に設定するための第2制御信号を選択的に供給し、且つ、前記複数の発光素子を発光させまたは前記発熱素子を発熱させるための前記発光信号を供給する制御信号供給部と
    を含む露光装置。
  5. 前記制御信号供給部は、前記複数のスイッチ素子の1つのスイッチ素子をオン状態とさせる動作と1つのスイッチ素子を含み隣接する2つのスイッチ素子をオン状態とさせる動作を繰り返し行わせることで、スイッチ素子のオン状態を転送する前記第1制御信号を供給することを特徴とする請求項4記載の露光装置。
  6. 前記制御信号供給部は、前記制限素子のオン状態を維持させることで、前記複数のスイッチ素子がオン状態となるのを阻止する前記第2制御信号を供給することを特徴とする請求項4または5記載の露光装置。
  7. 前記発光チップが複数設けられるとともに当該複数の発光チップが取り付けられる取り付け部材をさらに含み、
    前記制御信号供給部は、前記複数の発光チップに対し前記第1制御信号および前記第2制御信号を共通に供給し、当該複数の発光チップに対し前記発光信号を個別に供給することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項記載の露光装置。
  8. 基板と、
    前記基板に一列に並べて搭載され、発光信号により発光/非発光が制御される複数の発光素子と、
    前記基板に前記複数の発光素子にそれぞれ対応して搭載され、オン状態に設定されることによって対応する発光素子を発光可能状態とする複数のスイッチ素子と、
    前記基板に搭載され、前記発光信号により発熱/非発熱が制御される発熱素子と、
    前記基板に前記発熱素子に対応して搭載され、前記複数のスイッチ素子よりも先にオン状態に設定されることによって当該複数のスイッチ素子がオン状態になるのを制限するとともに当該発熱素子を発熱可能状態とする制限素子と
    を含む発光装置。
  9. 前記制限素子が前記スイッチ素子と同じ構成を有し、且つ、前記発熱素子が前記発光素子と同じ構成を有していることを特徴とする請求項8記載の発光装置。
  10. 前記複数の発光素子および前記発熱素子が前記基板の一方の面に設けられ、
    前記基板の前記一方の面側には、前記発熱素子の全体を覆う金属被覆部が形成されることを特徴とする請求項8または9記載の発光装置。
  11. 前記複数の発光素子および前記複数のスイッチ素子がサイリスタで構成されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載の発光装置。
  12. 基板と、
    前記基板上に、複数の転送サイリスタを一列に並べて配置し、隣接する転送サイリスタのゲート間をそれぞれダイオードにて一方向に電流が流れるように接続し、当該ダイオードの接続方向の上流側からみて偶数番目に配列される転送サイリスタのアノードまたはカソードを第1転送信号が供給される第1転送信号端子に接続するとともに奇数番目に配列される転送サイリスタのアノードまたはカソードを第2転送信号が供給される第2転送信号端子に接続し、当該ダイオードの接続方向の最上流側となる転送サイリスタのゲートを当該第1転送信号端子に接続してなる転送サイリスタ列と、
    前記基板上に、複数の発光サイリスタを一列に並べて配置し、各々の発光サイリスタのゲートと各々の前記転送サイリスタのゲートとをそれぞれ接続し、各々の発光サイリスタのアノードまたはカソードには共通の発光信号が供給される発光サイリスタ列と、
    サイリスタ構造を有して前記基板上に搭載され、そのゲートが前記第2転送信号端子に接続されるとともにそのアノードまたはカソードが前記第2転送信号端子に接続されてなる他の転送サイリスタと、
    サイリスタ構造を有して前記基板上に搭載され、そのゲートと前記他の転送サイリスタのゲートとが接続され、そのアノードまたはカソードには前記発光信号が供給される他の発光サイリスタと
    を含む発光装置。
  13. 前記複数の転送サイリスタ、前記ダイオード、前記複数の発光サイリスタ、前記他の転送サイリスタおよび前記他の発光サイリスタは、前記基板の一方の面に積層された半導体層によって構成され、
    前記基板上の前記他の発光サイリスタの上に設けられ、当該他の発光サイリスタに対する給電を行うと共に当該他の発光サイリスタから出射される光を遮る遮光部をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の発光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021039515A1 (ja) * 2019-08-23 2021-03-04 キヤノン株式会社 露光ヘッド及び画像形成装置

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