JP2010200391A - 同期モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転子を正確に位置決めさせ、起動の失敗頻度を抑制させ得る同期モータ制御装置を提供する。
【解決手段】位置決め制御期間Tbにおいて、相電流Iuは、時刻t1にて電流値Iu1とされ、時刻t2にて電流値Iu2とされる。即ち、相電流Iuの大きさは経過時刻に応じて減少される。また、相電流Ivは、時刻t1にて電流値Iv1とされ、時刻t2にて電流値Iv2とされる。即ち、相電流Ivの大きさは経過時刻に応じて零に近づく。同様に、相電流Iwの大きさは経過時刻に応じて零に近づく。このとき、回転子302は、磁力の低下により、振動の振幅の減少と振動数の減少とが更に進行し、停止位置Oを通過する磁極Sの速度がより顕著に低減され、これにより、磁極Sが制御磁束Φの方向へ収束する。
【選択図】図3

Description

本発明は、同期モータ制御装置に関し、特に、起動ミスの頻度を抑制させる場面に用いて好適のものである。
回転磁界に同期して制御される多相同期モータは、指令角速度に追従するようベクトル制御が行われ、当該ベクトル制御によって与えられる電流ベクトルが回転子の磁束ベクトルに対して適宜な角度となるように制御される。かかる多相同期モータは、近年、回転子の位置検出機構を省略させたセンサレスモータの商品化が進められている。
センサレスモータを駆動制御させる同期モータ制御装置は、電流検出回路が適所に設けられており、電流検出回路から出力される電流値に基づいて出力電力を適宜に制御させる。かかる電流検出回路は、各相電流の電流供給ラインに各々設けても良く、インバータ回路を構成するスイッチングの通過電流を各々検出するようにしても良い。また、電流検出回路の他の形態として、同期モータ制御装置のDCバスラインに設けられた抵抗(所謂One-Shunt抵抗)を利用しても良い。
図1では、電流検出回路を具備する同期モータ制御装置の一例が示されている。同期モータ制御装置1000は、電源回路100とインバータ回路200と電流検出回路400と同期モータ用インバータ制御回路(以下、制御回路と呼ぶ)500とから構成され、制御回路500からPWM信号(Su*,Sv*,Sw*)が出力されると、インバータ回路200を構成するスイッチング素子Tau〜Tbwが各々駆動される。この動作に応じて、インバータ回路200では、出力ラインLu〜Lwを介して相電流Iu〜Iwを各々出力させる。このとき、インバータ回路200に接続された3相同期ブラシレスモータ300では、インバータ回路200で生成出力された相電流を受けて、3相同期ブラシレスモータ300の回転子302が所望の角速度で回転するように制御される。また、かかる動作と並行して、相電流Iu〜Iwに関する信号が電流検出回路400から入力電流Ii$として出力され、制御回路500では、当該入力電流に基づくフィードバック制御を実現させる。
特願2004−104978号公報(特許文献1)では、モータ起動時における相電流の制御が示されている。図9に示す如く、同期モータ制御装置1000は、時刻t1でモータの起動が開始されると、期間Tbで位置決め動作を実施させ、その後、期間TcでV/F制御を実施させ、更に後、ベクトル制御を実施させる。
図示の如く、位置決め動作を行う期間Tbにおいて、時刻t1では全ての相電流が零とされ、経過時間に応じて相電流の大きさが各々漸増される。そして、時刻t3では、各相電流の大きさが最大となりV/F制御へ切替えられる。かかるV/F制御では、周波数が徐々に高く制御されることで回転子の角速度が加速され、時刻t4にてベクトル制御に切替えられる。
図10では、位置決め動作の期間における回転子の挙動が示されている。図示の如く、回転子302に磁極S及び磁極Nが埋め込まれている。また、当該回転子302には、駆動軸Pが中心点Gに同心的に固定されている。更に、制御磁束Φは、相電流Iu〜Iwによって制御され、位置決め動作時では常に一方向に固定される。
図10(a)では、図9における時刻t1での回転子の挙動が示されている。かかる場面では、制御回路が相電流Iu〜Iwを零に制御させるので、制御磁束Φもこれに応じて零となる。即ち、回転子302は、磁力の作用を受けないので、フリーラン状態で空転している場合を除き、任意の位相で停止している。
図10(b)では、図9における時刻t2での回転子の挙動が示されている。かかる場面では、制御回路が相電流Iu〜Iwの大きさを幾分増加させるので、制御磁束Φもこれに応じて増加する。従って、回転子302は、双方の磁極が中心点Gを挟んで互いに逆方向の磁力Fb2を受けるので、中心点Gを中心に回動し始め、図示の如く、点Pb〜点Pa内を単振動しはじめる。
図10(c)では、図9における時刻t3での回転子の挙動が示されている。かかる場面では、制御回路が相電流Iu〜Iwの大きさを更に増加させるので、制御磁束Φも更に増加する。一方、回転子302は、摩擦および負荷トルクの影響が大きくなるため、回転子302における単振動の振幅Pb〜Paが徐々に減衰する。即ち、回転子302は、磁極の方向(磁束ベクトル)が制御磁束Φに収束するよう制御される。
特願2004−104978号公報
しかし、特許文献1の技術では、位置決め動作期間Tbにて相電流の大きさを漸増させるため、回転子の振動の振幅値を低下させる一方で、回転子302の受ける磁力が増加してゆく。従って、回転子302は、位置決め動作の終了時刻での振動周波数が大きくなり、同期モータ制御装置では、適正な位相からV/F制御に切替えることが困難とされ、モータの起動を失敗させる頻度が多発するとの問題が生じる。
本発明は上記課題に鑑み、回転子を正確に位置決めさせ、起動の失敗頻度を抑制させ得る同期モータ制御装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では次のような同期モータ制御装置の構成とする。即ち、供給された電力を変換して複数の相電流を出力させ前記相電流によって多相同期モータを駆動させるインバータ回路と、前記相電流を検出し当該相電流に基づいて前記インバータ回路を制御させるPWM信号制御回路とを備える同期モータ制御装置において、起動時に回転子の位置決め制御を実施させる場合、前記相電流の大きさを漸減させることとする。
また、本発明では次のような同期モータ制御装置の構成としても良い。即ち、供給された電力を変換して複数の相電流を出力させ前記相電流によって多相同期モータを駆動させるインバータ回路と、前記相電流を検出し当該相電流に基づいて前記インバータ回路を制御させるPWM信号制御回路とを備える同期モータ制御装置において、起動時に回転子の位置決め制御を実施させる場合、前記相電流の大きさを複数段階に変位させて、前記多相同期モータの磁束ベクトルの位相を段階的に変位させ、少なくとも前記位置決め制御の最終段階で制御される相電流の大きさを漸減させることを特徴とする同期モータ制御装置。
好ましくは、前記相電流の大きさは、前記位置決め制御が終了する時点で、各々が略零とされることとする。
本発明に係る同期モータ制御装置によると、位置決め動作期間での相電流の大きさが経過時刻に応じて低下するので、位置決め動作終了時刻での回転子の振動周波数は低減され、これにより、正しい位相から回転子の起動制御が容易となり、位相ズレに伴う起動の失敗頻度が抑制される。
モータ制御装置の構成を示す図 PWM信号制御回路を示す機能ブロック図 実施例1に係る相電流の波形を示すタイムチャート図 実施例1に係る回転子の動作を示す状態遷移図 実施例2に係る相電流の波形を示すタイムチャート図 実施例2に係る回転子の動作を示す状態遷移図 実施例3に係る相電流の波形を示すタイムチャート図 起動成功頻度と電流値との関係を示す図 従来例に係る相電流の波形を示すタイムチャート図 従来例に係る回転子の動作を示す状態遷移図
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して説明する。図1に示す如く、同期モータ制御装置1000は、電源回路100とインバータ回路200と電流検出回路400とPWM信号制御回路(以下、制御回路と呼ぶ)500とから構成され、制御回路500の指令を受けてインバータ回路200が適宜に作動する。また、同期モータ制御装置1000は、インバータ回路200に3相同期ブラシレスモータ300が接続され、インバータ回路200から複数の相電流を供給し、これによって、3相同期ブラシレスモータ300を所望の状態にて駆動させる。
電源回路100は、電源部EaとコンデンサCsとから構成される。電源部Eaには直流電源が用いられても良く交流電源が用いられても良い。交流電源が用いられる場合、電源部Eaは、当該電源部とダイオードブリッジとから成る構成としても良いし、更に、リアクトル及びパワートランジスタ及びダイオード素子によってPFC回路を構成させても良い。また、コンデンサCsでは、電源部Eaから印加された電圧のリップル成分を平滑化させ、この他、当該印加電圧のノイズ成分を吸収させる役割を担う。
インバータ回路200は、帰還ダイオードを具備する複数のパワートランジスタから成り、このうち上アーム側トランジスタTau及び下アーム側トランジスタTbuを直列に接続させたU相レッグと、上アーム側トランジスタTav及び下アーム側トランジスタTbvを直列に接続させたV相レッグと、上アーム側トランジスタTaw及び下アーム側Tbwを直列に接続させたW相レッグとが並列に接続されている。また、U相レッグでは、パワートランジスタ同士の接点に出力ラインLuが接続され、上アーム側トランジスタTauの通過電流を3相同期ブラシレスモータ300へ供給させる。同様に、V相レッグには出力ラインLvが接続され、W相レッグには出力ラインLwが接続されている。尚、上アーム側とは、電源部Eaの陽極側が接続される側を指し、下アーム側とは、電源部Eaの陰極側が接続される側を指す。かかる構成とされたインバータ回路200は、供給された電力を変換して複数の相電流Iu〜Iwを出力させ、当該相電流によって3相同期ブラシレスモータ300を駆動させる。
3相同期ブラシレスモータ300は、固定子(図示なし)と回転子302とから構成され、固定子は3相同期ブラシレスモータ300の筐体に固定される。固定子は、円環状の珪素鋼板の積層体から成り、当該積層体の内環側には複数の極形成体が連続的に形成される。また、固定子の極形成体には、各々にコイル巻線が巻回される。3相同期ブラシレスモータ300では、固定子へ相電流が適宜に入力されることにより、内部に回転磁界が形成される。一方、回転子302は、珪素鋼板が円柱状に積層され、極性(S極、N極)を具備する永久磁石が適宜に埋設される。当該回転子302は、固定子の内環面に対して同心的に配置され、回動自在に軸支される。そして、かかる回転子302は、回転磁界によって回動され、回転子302に固定された駆動軸にトルクを与える。かかる回転子の位相情報は、センサレス方式にて検出され、具体的には、電流検出回路400にて検出される。
電流検出回路400は、入力電流Ii$を検知する機能を具備し、入力電流の電流値Ii$を電圧値に変換させて出力する。電流検出回路400は、電源回路100とインバータ回路200とを結ぶDCバスラインに設けられる。尚、かかる電流検出回路400は、同図において出力ラインに設けられることとしているが、これに限らず、下アーム側各素子と電源部Eaの陰極側のDCバスラインとの間へ設けることとしても良い。
制御回路500は、図示の如く、電流検出回路400に接続されており、入力電流Ii$を受信して、当該電流に基づきPWM信号(Su*、Sv*、Sw*)を生成させる。また、制御回路500は、インバータ回路200を構成するパワースイッチング素子(以下、トランジスタと呼ぶこともある)の信号入力端子にそれぞれ接続され、内部で生成したPWM信号(Su*、Sv*、Sw*)を出力させパワートランジスタを各々駆動させる。
かかる同期モータ制御装置1000では、パワートランジスタの切換状態を制御させることにより、3相同期ブラシレスモータ300に生じる電流の方向を制御させ、これにより、3相同期ブラシレスモータ300では、固定子(図示なし)によって形成される回転磁界が制御され、回転子302の角速度が加減速される。
図2には、本実施の形態に係る制御回路500の機能ブロックが示されている。当該制御回路500は、図示されないCPU、AD変換回路、クロック回路、メモリ回路等によって構成され、メモリ回路には制御プログラム及び各種演算処理を実現させるプログラム及び当該演算処理で用いられるパラメータが適宜格納されている。そして、これらの回路と所定のプログラムとが協働して、図示される機能部を実現させている。
制御回路500は、入力値変換部511と角速度推定部512と位相情報演算部513と指令電流生成部514とd軸指令値演算部515とq軸指令値演算部516と指令値換算部517とPWM信号成形部520とから構成される。
入力値変換部511は、電流検出回路400から出力される入力電流Ii$と位相情報θ#とが適所に入力される。また、当該入力値変換部は、入力電流Ii$に基づいて、3相同期ブラシレスモータ300の3相分の相電流の電流値を各々算出し、これによって得られた復元相電流に基づいて、d軸検出電流Id$及びq軸検出電流Iq$を算出させる。
角速度推定部512は、d軸検出電流Id$及びq軸検出電流Iq$及びd軸指令電圧Vd*及びq軸指令電圧Vq*が入力される。そして、これらのパラメータに基づき、電流ベクトルと磁束ベクトルとの位相誤差を算出させ、当該位相誤差に基づいて推定角速度ω#を算出させる。
位相情報演算部513は、入力された推定角速度ω#に基づいて位相情報θ#を出力させる。位相情報θ#は、微小時間をdtとすると、θ#=∫ω#・dt、の数式にて算出される。従って、同期モータ制御装置1000では、推定角速度ω#を伴った制御を実施させる場合(クローズドループ制御)、位相誤差Δθ#を零へ収束させるように、即ち、電流ベクトルと磁束ベクトルとが一致するように制御を行う。
指令角速度出力部530は、3相同期ブラシレスモータ300に要求される回転子302の角速度を指令角速度ω*として出力させる。かかる指令角速度出力部530は、例えば、同期モータ制御装置1000の外部に載置された制御パネルが操作されると、当該操作指令に基づいて指令角速度ω*を演算処理させ、これにより、かかる指令角速度ω*を出力させるように構成されるもの等が一例として想定される。
指令電流生成部514は、d軸指令電流Id*及びq軸指令電流Iq*を生成出力させ、これにより、d軸指令電流Id*及びq軸指令電流Iq*を成分とする電流ベクトルを制御させる。かかる指令電流生成部514は、d軸指令電流Id*及びq軸指令電流Iq*を各々制御させることにより、3相同期ブラシレスモータ300のV/F制御またはベクトル制御を実現させる。
また、指令電流生成部514は、d軸指令電流Id*を適宜に制御することにより、制御磁束Φを適宜に制御させる。例えば、位置決め制御を実施させる際の制御磁束Φは、本実施の形態において、漸減される相電流Iu〜Iwによって制御される。
指令電流生成部514の後段に配された減算器では、d軸指令電流の電流値Id*及びq軸指令電流の電流値Iq*が入力され、差分値δId*及び差分値δIq*に各々変換される。
d軸指令値演算部515では、差分値δId*に基づいてPI制御又はPID制御を実施させ、当該差分値δId*を零に収束させるようなd軸指令電圧Vd*を算出させる。 同様に、q軸指令値演算部516では、差分値δIq*に基づいてPI制御又はPID制御を実施させ、差分値δIq*を零に収束させるようなq軸指令電圧Vq*を算出させる。
かかる如く得られたd軸指令電圧Vd*及びq軸指令電圧Vq*は、後段の指令値換算部517によって数値換算処理され、U相〜W相に対応した指令電圧(Vu*、Vv*、Vw*)を出力させる。尚、当該指令電圧(Vu*、Vv*、Vw*)は、位相情報θ#を反映させた三角関数で表現される値である。
PWM信号成形部520は、所定のキャリア周波数に設定された搬送波を生成する。そして、PWM信号成形部520は、当該搬送波W1と入力された指令電圧(Vu*、Vv*、Vw*)とを比較させ、これによって生成されたPWM信号をインバータ回路200へ出力させる。
即ち、かかる構成を具備する制御回路500では、検出回路400から入力電流Ii$を検出すると、当該電流値に基づいてd軸検出電流の電流値Id$及びq軸検出電流の電流値Iq$を算出させる。そして、d軸指令電流の電流値Id*及びq軸指令電流の電流値Iq*を各々生成し、それぞれのパラメータに基づいてPWM信号を生成出力させる。また、これと並行して、当該制御回路500では、検出回路400から新たな電流を繰り返し検出することで、所謂フィードバック制御を実現させる。
図3には、本実施例に係る相電流Iu〜Iwの波形が示されている。尚、同期モータ制御装置1000では、待機期間Taの経過後、順に、期間Tbにて位置決め制御を実施させ、期間TcにてV/F制御を実施させ、期間Tdにてベクトル制御(同期運転)を実施させる。
図示の如く、待機期間Taでは、制御回路500からPWM信号が出力されないので、全ての相電流Iu、Iv、Iwが零とされる。
その後、位置決め制御期間Tbにおいて、相電流Iuは、時刻t1にて電流値Iu1とされ、時刻t3にて電流値Iu2とされる。即ち、相電流Iuの大きさは経過時刻に応じて減少される。また、相電流Ivは、時刻t1にて電流値Iv1とされ、時刻t2にて電流値Iv2とされる。即ち、相電流Ivの大きさは経過時刻に応じて零に近づく。同様に、相電流Iwの大きさは経過時刻に応じて零に近づく。ここで、特許請求の範囲における相電流の大きさとは、相電流における電流値の絶対値の大きさを指し、かかる場合、相電流Iu〜Iwの大きさは、経過時刻に応じて漸減されことの意に相当する。
かかる後、V/F制御期間Tcでは、各々の相電流の周波数が徐々に上げられ、これにより、回転子302の角速度が強制的に加速される。そして、時刻t4に到達すると、ベクトル制御が実施され、回転子302の角速度は、指令角速度ω*に追従するように同期制御される。
図4には、本実施例に係る時刻t1〜時刻t3までの回転子の挙動が示されている。先ず、前図の期間taでは、制御回路500が相電流Iu〜Iwを零とさせるので、制御磁束Φも零となる。即ち、回転子302は、磁力の作用を受けないので、フリーラン状態で空転している場合を除き、任意の位相で停止している。
図4(a)では、時刻t1での回転子の挙動が示されている。図示の如く、制御磁束Φは、従来例と同様、位置決め期間において一定方向に固定される。かかる場面では、制御回路500が相電流Iu〜Iwの大きさを各々最大値とさせるので、制御磁束Φもこれに応じて最大となり、これにより、磁極S及びNの磁界から受ける磁力も最大となる。従って、回転子302は、双方の磁極が中心点Gを挟んで互いに逆方向の磁力Fb1を受けるので、中心点Gを中心に回動し始め、図示の如く、点Pb〜点Pa内を単振動しはじめる。このとき、回転子302の受ける磁力Fb1は最大とされるので、当該磁力Fb1に応じて停止位置Oを通過する磁極Sの速度も最大となる。
図4(b)では、時刻t2での回転子の挙動が示されている。かかる場面では、制御回路500が相電流Iu〜Iwの大きさを幾分減少させるので、制御磁束Φもこれに応じて減少し、更に、磁極の磁界から受ける磁力も減少する。一方、回転子302は、位相θの最大到達点近傍で角速度が一時的に零とされるので、摩擦力の影響が大きくなり、回転子302における単振動の振幅Pb〜Paは徐々に減衰する。即ち、回転子302は、摩擦のエネルギー消費と磁力の低下との両方の作用を受けるため、停止位置Oを通過する磁極Sの速度が効果的に低減される。
図4(c)では、時刻t3での回転子の挙動が示されている。かかる場面では、制御回路500が相電流Iu〜Iwの大きさを更に減少させるので、制御磁束Φも更に減少し、併せて、磁極の磁界から受ける磁力も更に減少する。そして、回転子302は、磁力の低下により、振動の振幅Pa〜Pbの減少と振動数の減少とが更に進行し、停止位置Oを通過する磁極Sの速度がより顕著に低減され、これにより、磁極Sが制御磁束Φの方向へ収束する。
上述の如く、本実施例に係る同期モータ制御装置1000によると、位置決め動作期間Tbでの相電流の大きさを経過時刻に応じて低下(漸減)させるので、位置決め動作終了時刻での回転子の振動数は低減され、これにより、正しい位相から回転子の起動制御が容易となり、位相ズレに伴う起動の失敗頻度が抑制される。
尚、本実施例では、停止位置Oを通過する磁極Sの速度が低下するので、磁極Sの停止位置Oへの停止を待つことなくV/F制御へ切替えることも可能である。即ち、磁極Sの停止位置Oでの通過速度がある程度低下すると、その時点で、停止位置Oの通過のタイミングに併せてV/F制御へ切替えると良い。具体的には、停止位置Oの通過時刻を予め実験したデータから予測し、当該実験値から通過時刻を予測する方法、又は、角速度推定部512にて算術的に停止位置のタイミングを予測する方法等が挙げられる。
以下、実施例1に係る同期モータ制御装置の改変例について説明する。図5には、本実施例に係る相電流Iu〜Iwの波形が示されている。図示の如く、待機期間Taでは、制御回路500からPWM信号が出力されないので、全ての相電流Iu、Iv、Iwが零とされる。
本実施例では、相電流を以下の如く制御することにより、3相ブラシレスモータにおける制御磁束Φの位相を段階的に変位させることが可能となる。具体的に説明すると、位置決め制御期間Tbにおいて、相電流Iuは、時刻t1にて電流値Iu1とされ、時刻t2にて電流値が一時的に上昇し、その後、時刻t3にて電流値Iu3とされる。即ち、相電流Iuの大きさは、複数段階に変位され、全体として当該電流値の大きさが経過時刻に応じて減少される。また、相電流Iv及び相電流Iwについても、複数段階に変位され、全体として当該電流値の大きさが経過時刻に応じて減少される。かかる制御により、3相ブラシレスモータでは、制御磁束Φの位相が段階的に変位される。
時刻t3に到達した後、V/F制御期間Tcでは、各々の相電流の周波数が徐々に上げられると供に回転磁界が形成され、これにより、回転子302の角速度が強制的に加速される。そして、時刻t4に到達すると、ベクトル制御が実施され、回転子302の角速度は、指令角速度ω*に追従するように制御される。
図6には、本実施例に係る時刻t1〜時刻t3までの回転子の挙動が示されている。先ず、図6(a)に示す如く、期間Taでは、制御回路500が相電流Iu〜Iwを零とさせるので、制御磁束Φも零となる。即ち、回転子302は、磁力の作用を受けないので、フリーラン状態で空転している場合を除き、任意の位相θiで停止している。
図6(b)では、位置決め制御期間Tb1での回転子の挙動が示されている。かかる場面では、制御回路500によって制御磁束がΦ1に設定される。このとき、回転子302は、時刻t1での停止位置Pb1から動き出し、前述の如く、磁力の低下と摩擦力のエネルギー消費とによって、振幅Pb1〜Pa1内を減衰振動してゆく。このため、回転子302は、制御磁束がΦ1に設定されている間、磁極Sが制御磁束Φ1へ収束するように制御される。
図6(c)では、位置決め制御期間Tb2での回転子の挙動が示されている。かかる場面では、制御回路500によって制御磁束がΦ2に切替えられる。このとき、回転子302は、時刻t2での停止位置Pb2から動き出し、振幅Pb2〜Pa2内を減衰振動してゆく。ここで、回転子302は、時刻t2の始動点Pb2の位置が制御磁束Φ2に近い程、振幅Pb2〜Pa2の小さな振動で運動を開始することにより、振動が収束するまでの時間を短縮できる。また、時刻t3では、磁極に働く磁力及び振動運動が弱まり、これによっても、回転子の振動運動が短時間で収束するに至ることとされる。
上述の如く、本実施例に係る同期モータ制御装置1000によると、位置決め動作期間Tbでの相電流の大きさが経過時刻に応じて低下(漸減)するので、位置決め動作終了時刻での回転子の振動数は低減され、これにより、正しい位相から回転子の起動制御が可能となり、位相ズレに伴う起動の失敗頻度が抑制される。
また、位置決め制御前の回転子の位相が位置決め方向(V/F制御へ切換わる直前の制御軸Φの方向)に対して電気的に90°の角度を成す場合であっても、本実施例に係る同期モータ制御装置では、相電流を複数段階に制御することで、回転子302を確実且つ短時間に所望の方向へ位置決めさせ、これにより、V/F制御への移行を確実に実現させる。
尚、本実施例では各々の段階の相電流の大きさを漸減させることとしているが、これに限らず、少なくとも位置決め処理の最終段階(例えば、期間Tb2)で制御される相電流の大きさのみを漸減させるようにしても良い。
以下、上述した同期モータ制御装置の更なる改変例について説明する。図7には、本実施例に係る相電流Iu〜Iwの波形が示されている。図示の如く、待機期間Taでは、制御回路500からPWM信号が出力されないので、全ての相電流Iu、Iv、Iwが零とされる。
図示の如く、本実施例に係る相電流の大きさは、位置決め処理が終了する時刻t3で、各々が略零へ制御される。これにより、回転子302は、時刻t3での磁力の影響が殆ど無くなるので、より効果的に所定位置に停止することとされる。
図8には、時刻t2における相電流の大きさと、当該相電流におけるV/F制御起動の成功率が示されている。図示の如く、時刻t2における相電流が0.23A〜0.3Aのときでは、成功率が約75%とされる。また、時刻t2における相電流が0.15A〜0.23Aのときでは、成功率が約75%から約95%へと上昇する。更に、時刻t2における相電流が0.15A以下のときでは、当該相電流に応じて成功率が約95%より更に上昇する。即ち、本実験結果では、位置決め制御期間における相電流の大きさが位置決め制御終了時点で零に近づくと、これに応じて、V/F制御の起動ミスを格段に低下させることが認められる。
尚、本実施例では電流検出回路の態様を図3の如く示しているが、本発明に係る電流検出回路の態様は、これに限定されるものではない。例えば、インバータ回路を構成するスイッチングの通過電流を各々検出するようにしても良く、同期モータ制御装置のバスラインに設けられた抵抗(所謂One-Shunt抵抗)を利用しても良く、この他、特段に限定されることなく種々の態様への置換えが可能とされる。
1000 同期モータ制御装置
200 インバータ回路
300 多相同期モータ
400 電流検出回路
500 PWM信号制御回路
Lu 相電流
Lv 相電流
Lw 相電流
Tb 位置決め制御期間

Claims (3)

  1. 供給された電力を変換して複数の相電流を出力させ前記相電流によって多相同期モータを駆動させるインバータ回路と、前記相電流を検出し当該相電流に基づいて前記インバータ回路を制御させるPWM信号制御回路とを備える同期モータ制御装置において、
    起動時に回転子の位置決め制御を実施させる場合、前記相電流の大きさを漸減させることを特徴とする同期モータ制御装置。
  2. 供給された電力を変換して複数の相電流を出力させ前記相電流によって多相同期モータを駆動させるインバータ回路と、前記相電流を検出し当該相電流に基づいて前記インバータ回路を制御させるPWM信号制御回路とを備える同期モータ制御装置において、
    起動時に回転子の位置決め制御を実施させる場合、前記相電流の大きさを複数段階に変位させて、前記多相同期モータの磁束ベクトルの位相を段階的に変位させ、少なくとも前記位置決め処理の最終段階で制御される相電流の大きさを漸減させることを特徴とする同期モータ制御装置。
  3. 前記相電流の大きさは、前記位置決め制御が終了する時点で、各々が略零とされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の同期モータ制御装置。
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