JP2010198957A - 樹脂基板、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、及び照明装置 - Google Patents

樹脂基板、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、及び照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】平面性、透明性、温度依存性、及び可撓性(フレキシブル性)において優れた樹脂基板を提供する。また、当該樹脂基板を用いて輝度むらが生じない有機エレクトロルミネッセンス素子、及びそれを用いた表示装置と照明装置を提供する。
【解決手段】セルロースナノファイバーと熱可塑性樹脂とを含有する樹脂基材を構成要素として有する樹脂基板であって、当該樹脂基材中に高屈折率粒子を含有する領域を有すること、又は当該樹脂基材上に高屈折率粒子を含有する層を有することを特徴とする樹脂基板。
【選択図】なし

Description

本発明は、平面性、透明性、温度依存性、及び可撓性(フレキシブル性)において優れた樹脂基板、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、及び照明装置に関する。
有機電界発光素子の重要な問題点の一つは、水分や酸素に極めて弱く、具体的には、金属電極と有機層との界面が水分の影響で変質したり、電極が剥離したり、金属電極が酸化して高抵抗化したり、有機材料自体が水分により変質したりというような現象が起こる。
これにより、駆動電圧の上昇、ダークスポット(非発光欠陥)の発生及び成長又は発光輝度の減少等が発生し、十分な信頼性を保てない問題があった。特にプラスチックフィルムなどの可撓性基板は、ガラス基板に比較して水分や酸素に対するバリア性が劣るため、その対策が重要な課題であった。
有機EL素子の基材にプラスチックフィルムやプラスチックシートを用いることができなかった理由は、(1)プラスチックフィルムにガラス並みの耐熱性がないため、スパッタなどで透明電極を形成する際の熱に耐えられず、良好な導電性をもつ透明電極が形成できないこと、(2)プラスチックフィルムを他の材料や部品に貼り合わせたりする際に、紫外光や熱によって硬化する接着剤を用いても接着性能が十分引き出せないこと、(3)微細な発光領域を加熱条件で連続して形成する際に、ガラス基板並みの寸法精度が得られないこと、(4)プラスチック材料の水分や酸素などのガス透過性がガラスより非常に大きいため、有機EL素子の発光寿命を十分長く確保するためには、ピンホールなどのない優れたガスバリア膜がプラスチックフィルム上に形成される必要があるなどが挙げられる。
さらに、有機EL素子は外部に光が取り出されるのが約20%と効率が低いということが寿命に影響を与え、商品化を遅らせている。
上記問題点等を改良する技術としては、ガラス繊維などの繊維状フィラーを含有させた樹脂を用いる技術が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかし、これらの開示技術には、屈折率、臭気、平面性等において、使用上、必ずしも好ましくない問題があることが分かった。例えば、表面の平面性は劣化して、有機層に均一に電荷が流れなくなってしまい、輝度ムラや短絡することで発光しなくなるという問題がある。
また、ガラス繊維を用いると、平面性が悪いために、有機エレクトロルミネッセンス等において、光取り出しに必要な高屈折率の領域を設けると。剥がれが発生し、空気層が混在してしまう等の問題を生じる。
特開2008−221592号公報 特開2008−21575号公報
本発明は、上記問題・状況にかんがみてなされたものであり、その解決課題は、平面性、透明性、温度依存性、及び可撓性(フレキシブル性)において優れた樹脂基板を提供することである。また、当該樹脂基板を用いて輝度むらが生じない有機エレクトロルミネッセンス素子(以下において、適宜、「有機EL素子」という。)、及びそれを用いた表示装置と照明装置を提供することである。
本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.セルロースナノファイバーと熱可塑性樹脂とを含有する樹脂基材を構成要素として有する樹脂基板であって、当該樹脂基材中に高屈折率粒子を含有する領域を有すること、又は当該樹脂基材上に高屈折率粒子を含有する層を有することを特徴とする樹脂基板。
2.前記高屈折率粒子の屈折率が、1.6以上であることを特徴とする前記1に記載の樹脂基板。
3.前記セルロースナノファイバーが、前記熱可塑性樹脂に対して、1〜90質量%の範囲内で配合されていることを特徴とする前記1又は前記2に記載の樹脂基板。
4.前記樹脂基板の少なくとも片面に、防湿層が、積層されていることを特徴とする前記1から前記3のいずれか一項に記載の樹脂基板。
5.前記熱可塑性樹脂が、セルロースエステル樹脂であることを特徴とする前記1から前記4のいずれか一項に記載の樹脂基板。
6.前記1から前記5のいずれか一項に記載の樹脂基板の高屈折率粒子を含有する領域又は層上に、透明電極層と、少なくとも発光層を含む有機層と、対向電極とを具備することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.前記発光層が、ホスト化合物及びリン光性ドーパントを含有することを特徴とする前記6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
8.前記6又は前記7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする表示装置。
9.前記6又は前記7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする照明装置。
本発明の手段により、平面性、透明性、温度依存性、及び可撓性(フレキシブル性)において優れた樹脂基板を提供することができる。また、当該樹脂基板を用いて輝度むらが生じない有機エレクトロルミネッセンス(「有機EL」ともいう。)素子、及びそれを用いた表示装置と照明装置を提供することができる。
本発明においては、セルロースナノファイバーを含むセルロースエステルからなるプラスチック基材を用いることで、透明性及び表面平面性を確保しながら、高屈折粒子を添加しても剥がれ等の発生を防止できる。また、本発明の樹脂基板は、有機エレクトロルミネッセンス等において、発光層の近くに設けても屈折率を低下させることなく用いることができる。
フィルム状の樹脂基板の製造装置の1つの実施形態を示す概略フローシート 有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図 表示部Aの模式図 画素を構成する駆動回路の等価回路図 パッシブマトリックス方式による表示装置の模式図 照明装置の概略図 照明装置の断面図
本発明の樹脂基板は、セルロースナノファイバーと熱可塑性樹脂とを含有する樹脂基材を構成要素として有する樹脂基板であって、当該樹脂基材中に高屈折率粒子を含有する領域を有すること、又は当該樹脂基材上に高屈折率粒子を含有する層を有することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項9に係る発明に共通する技術的特徴である。
なお、本願において、「樹脂基材」とは、樹脂基板を構成する素材をいう。
本発明の実施態様としては、本発明の効果の観点から、前記高屈折率粒子の屈折率が、1.6以上であることが好ましい。また、前記セルロースナノファイバーが、前記熱可塑性樹脂に対して、1〜90質量%の範囲内で配合されている態様であることが好ましい。さらに、前記樹脂基板の少なくとも片面に、防湿層が、積層されている態様であることが好ましい。また、前記熱可塑性樹脂が、セルロースエステル樹脂であることが好ましい。
本発明の樹脂基板は、当該樹脂基板の高屈折率領域上に、透明電極層と、少なくとも発光層を含む有機層と、対向電極とを具備する態様において、有機エレクトロルミネッセンス素子に好適に用いることができる。この場合、前記発光層が、ホスト化合物及びリン光性ドーパントを含有することが好ましい。
また、当該有機エレクトロルミネッセンス素子は、照明装置及び表示装置に好適に用いることができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態等について詳細な説明をする。
〈セルロースナノファイバー〉
本発明に係るセルロースナノファイバーとは、繊維として、好ましくは平均繊維径4〜200nmであるセルロース系繊維をいう。この繊維は、単繊維が、引き揃えられることなく、かつ相互間に入り込むように十分に離隔して存在するものより成ってもよい。この場合、平均繊維径は、単繊維の平均径となる。また、本発明に係る繊維は、複数(多数であってもよい。)本の単繊維が束状に集合して1本の糸条を構成しているものであってもよく、この場合、平均繊維径は1本の糸条の径の平均値として定義される。
本発明で用いる繊維の平均繊維径は、好ましくは4〜100nmであり、より好ましくは4〜60nmである。
なお、本発明で用いる繊維は、平均繊維径が4〜200nmの範囲内であれば、繊維中に4〜200nmの範囲外の繊維径のものが含まれていても良いが、その割合は30質量%以下であることが好ましく、望ましくは、すべての繊維の繊維径が200nm以下、特に100nm以下、とりわけ60nm以下であることが望ましい。
なお、繊維の長さについては特に限定されないが、平均長さで100nm以上が好ましい。繊維の平均長さが100nmより短いと、補強効果が低く、繊維強化複合材料の強度が不十分となるおそれがある。なお、繊維中には繊維長さ100nm未満のものが含まれていても良いが、その割合は30質量%以下であることが好ましい。
上記繊維径、繊維長の測定は市販の顕微鏡、電子顕微鏡により測定することができる。例えば、走査型電子顕微鏡により2000倍にセルロースナノファイバーを拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。この際、100個のセルロースナノファイバーを使用して繊維径、繊維長の平均値を求めることができる。
セルロース系繊維とは、植物細胞壁の基本骨格等を構成するセルロースのミクロフィブリル又はこれの構成繊維をいい、通常繊維径4nm程度の単位繊維の集合体である。このセルロース繊維は、結晶構造を40%以上含有するものが、高い強度と低い熱膨張を得る上で好ましい。
本発明に係るセルロースナノファイバーは、例えば、特開2005−60680号公報や特開2008−1728号公報に記載の方法で得ることができる。
本発明のセルロースナノファイバーは、複数の粉砕手段を用いて微細化することが好ましい。粉砕手段は限定されないが、本発明の目的に合う粒径まで微細に粉砕するためには、高圧ホモジナイザーや媒体ミル、砥石回転型粉砕機、石臼式グラインダーのような強い剪断力が得られる方式が好ましく用いられる。
高圧ホモジナイザーとは、加速された高流速によるせん断力、急激な圧力降下(キャビテーション)および高流速の粒子同士が微細オリフィス内で対面衝突することによる衝撃力によって磨砕を行う装置であり、市販されている装置としては、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社製)、マイクロフルイダイザー(Microfluidics社製)等を用いることができる。
高圧ホモジナイザーによるセルロースのフィブリル化と均質化の程度は、高圧ホモジナイザーへ圧送する圧力と高圧ホモジナイザーに通過させる回数(パス回数)に依存する。圧送圧力は、通常、500〜2000kg/cm程度の範囲で行うことが超微細化処理に適するが、生産性を考慮すると1000〜2000kg/cmがより好ましい。パス回数は、例えば、5〜50回、好ましくは10〜40回、特に20〜30回程度である。媒体ミルは湿式振動ミル、湿式遊星振動ミル、湿式ボールミル、湿式ロールミル、湿式コボールミル、湿式ビーズミル、湿式ペイントシェーカー等である。これらの中で例えば湿式ビーズミルとは、金属製、セラミック製等の媒体を容器に内蔵し、これを強制撹拌することによって湿式磨砕する装置であるが、例えば市販されている装置としては、アペックスミル(コトブキ技研工業株式会社製)、パールミル(アシザワ株式会社製)、ダイノーミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製)等を用いることができる。
砥石回転型粉砕機とは、コロイドミル或いは石臼型粉砕機の一種であり、例えば、粒度が16〜120番の砥粒からなる砥石をすりあわせ、そのすりあわせ部に前述の水分散液を通すことで、粉砕処理される装置のことである。必要に応じて、複数回処理を行ってもよい。砥石を適宜変更するのは好ましい実施態様の一つである。砥石回転型粉砕機は、「短繊維化」と「微細化」の両作用を有するが、その作用は砥粒の粒度に影響を受ける。短繊維化を目的とする場合は46番以下の砥石が有効であり、微細化を目的とする場合は46番以上の砥石が有効である。46番はいずれの作用も有する。具体的な装置としては、ピュアファインミル(グラインダーミル)(株式会社栗田機械製作所)、セレンディピター、スーパーマスコロイダー、スーパーグラインデル(以上、増幸産業株式会社)などがあげられる。
本発明において、得られたセルロースナノファイバーは、直接、又は分散液として熱可塑性樹脂に添加されるが、その含有量は0.1から50質量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは5〜50質量%であり、特に10〜40質量%が好ましい。
アセチル化セルロースにセルロースナノファイバーを含有させる方法は特に限定されるものではないが、後述する溶液キャスト法において、ドープ液を調製する際に分散液として含有させることが好ましい。
(高屈折率粒子を含有する領域又は層)
本発明の樹脂基板は、本発明の樹脂基板は、セルロースナノファイバーと熱可塑性樹脂とを含有する樹脂基材を構成要素として有する樹脂基板であって、当該樹脂基材中に高屈折率粒子を含有する領域を有すること、又は当該樹脂基材上に高屈折率粒子を含有する層を有することを特徴とする。高屈折率粒子を含有する領域があることを特徴とする。
本発明に係る高屈折率粒子としては、従来公知の種々の粒子を用いることができるが、金属酸化物微粒子を用いることが好ましい。
金属酸化物微粒子の種類は特に限定されるものではなく、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びSから選択される少なくとも一種の元素を有する金属酸化物を用いることができ、これらの金属酸化物微粒子はAl、In、Sn、Sb、Nb、ハロゲン元素、Taなどの微量の原子をドープしてあっても良い。また、これらの混合物でもよい。本発明においては、中でも酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム−スズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、及びアンチモン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物微粒子を主成分として用いることが特に好ましい。特に酸化ジルコニウムを含有することが好ましい。
これら金属酸化物微粒子の一次粒子の平均粒子径は1〜200nmの範囲であり、5〜150nmであることが特に好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。粒径が小さ過ぎると凝集しやすくなり、分散性が劣化する。粒径が大き過ぎるとヘイズが著しく上昇し好ましくない。金属酸化物微粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、針状或いは不定形状であることが好ましい。
高屈折率粒子の屈折率は、具体的には、支持体である透明樹脂フィルムの屈折率より高く、23℃、波長550nm測定で、1.5〜2.2の範囲であることが好ましい。高屈折率層の屈折率を調整する手段は、金属酸化物微粒子の種類、添加量が支配的である為、金属酸化物微粒子の屈折率は1.80〜2.60であることが好ましく、1.85〜2.50であることが更に好ましい。
金属酸化物微粒子は、有機化合物により表面処理してもよい。金属酸化物微粒子の表面を有機化合物で表面修飾することによって、有機溶媒中での分散安定性が向上し、分散粒径の制御が容易になるとともに、経時での凝集、沈降を抑える事もできる。このため、好ましい有機化合物での表面修飾量は金属酸化物粒子に対して0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が含まれる。この中でも後述するシランカップリング剤が好ましい。二種以上の表面処理を組み合わせてもよい。
前記金属酸化物微粒子を含有する高屈折率粒子を含有する領域の厚さは、5nm〜100μmであることが好ましく、10nm〜80μmであることが更に好ましく、30nm〜50μmであることが最も好ましい。
本発明において用いられる金属酸化物微粒子の使用量は、高屈折率粒子を含有する領域中に5〜85質量%が好ましく、10〜80質量%であることがより好ましく、20〜75質量%が最も好ましい。
上記金属酸化物微粒子は、媒体に分散した分散体の状態で、高屈折率粒子を含有する領域を形成するための塗布液に供される。金属酸化物粒子の分散媒体としては、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。分散溶媒の具体例としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、ケトンアルコール(例、ジアセトンアルコール)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びブタノールが特に好ましい。
また金属酸化物微粒子は、分散機を用いて媒体中に分散することができる。分散機の例としては、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター及びコロイドミルが挙げられる。サンドグラインダーミル及び高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例としては、ボールミル、三本ロールミル、ニーダー及びエクストルーダーが挙げられる。分散剤を含有させることも好ましい。
本発明では、更にコア/シェル構造を有する金属酸化物微粒子を含有させてもよい。シェルはコアの周りに1層形成させてもよいし、耐光性を更に向上させるために複数層形成させてもよい。コアは、シェルにより完全に被覆されていることが好ましい。
コアは酸化チタン(ルチル型、アナターゼ型、アモルファス型等)、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ等を用いることができるが、ルチル型の酸化チタンを主成分としてもよい。
シェルは酸化チタン以外の無機化合物を主成分とし、金属の酸化物又は硫化物から形成することが好ましい。例えば、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化鉄、硫化亜鉛等を主成分とした無機化合物が用いられる。この内アルミナ、シリカ、ジルコニア(酸化ジルコニウム)であることが好ましい。また、これらの混合物でもよい。
コアに対するシェルの被覆量は、平均の被覆量で2〜50質量%である。好ましくは3〜40質量%、更に好ましくは4〜25質量%である。シェルの被覆量が多いと微粒子の屈折率が低下し、被覆量が少な過ぎると耐光性が劣化する。二種以上の無機微粒子を併用してもよい。
コアとなる酸化チタンは、液相法又は気相法で作製されたものを使用できる。また、シェルをコアの周りに形成させる手法としては、例えば、米国特許第3,410,708号、特公昭58−47061号、米国特許第2,885,366号、同第3,437,502号、英国特許第1,134,249号、米国特許第3,383,231号、英国特許第2,629,953号、同第1,365,999号に記載されている方法等を用いることができる。
本発明に係る高屈折率層には、下記一般式(CL1)で表される化合物又はそのキレート化合物を含有することができ、硬度などの物性を改善させることができる。
一般式(CL1):AMBx−n
式中、Mは金属原子、Aは加水分解可能な官能基又は加水分解可能な官能基を有する炭化水素基、Bは金属原子Mに共有結合又はイオン結合した原子団を表す。xは金属原子Mの原子価、nは2以上でx以下の整数を表す。
加水分解可能な官能基Aとしては、例えば、アルコキシル基、クロル原子等のハロゲン、エステル基、アミド基等が挙げられる。上記式(2)に属する金属化合物には、金属原子に直接結合したアルコキシル基を2個以上有するアルコキシド、又は、そのキレート化合物が含まれる。好ましい金属化合物としては、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド又はそれらのキレート化合物を挙げることができる。チタンアルコキシドは反応速度が速くて屈折率が高く、取り扱いも容易であるが、光触媒作用があるため大量に添加すると耐光性が劣化する。ジルコニウムアルコキシドは屈折率が高いが白濁し易いため、塗布する際の露点管理等に注意しなければならない。また、チタンアルコキシドは紫外線硬化樹脂、金属アルコキシドの反応を促進する効果があるため、少量添加するだけでも塗膜の物理的特性を向上させることができる。
チタンアルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−iso−プロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン等が挙げられる。
ジルコニウムアルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−iso−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウム等が挙げられる。
遊離の金属化合物に配位させてキレート化合物を形成するのに好ましいキレート化剤としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等であって分子量1万以下のものを挙げることができる。これらのキレート化剤を用いることにより、水分の混入等に対しても安定で、塗膜の補強効果にも優れるキレート化合物を形成できる。
金属化合物の添加量は、高屈折率層に含まれる該金属化合物由来の金属酸化物の含有量が0.3〜5質量%であるように調整することが好ましい。0.3質量%未満では耐擦傷性が不足し、5質量%を超えると耐光性が劣化する傾向がある。
本発明に係る高屈折率粒子を含有する領域には、電離放射線硬化型樹脂を、金属酸化物微粒子のバインダーとして、塗膜の製膜性や物理的特性の向上のために含有させることができる。電離放射線硬化型樹脂としては、紫外線や電子線のような電離放射線の照射により直接、又は光重合開始剤の作用を受けて間接的に重合反応を生じる官能基を2個以上有するモノマー又はオリゴマーを用いることができる。官能基としては(メタ)アクリロイルオキシ基等のような不飽和二重結合を有する基、エポキシ基、シラノール基等が挙げられる。中でも不飽和二重結合を2個以上有するラジカル重合性のモノマーやオリゴマーを好ましく用いることができる。必要に応じて光重合開始剤を組み合わせてもよい。このような電離放射線硬化型樹脂としては、ポリオールアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートもしくはそれらの混合物が用いられる。例えば多官能アクリレート化合物等が挙げられ、ペンタエリスリトール多官能アクリレート、ジペンタエリスリトール多官能アクリレート、ペンタエリスリトール多官能メタクリレート、及びジペンタエリスリトール多官能メタクリレートよりなる群から選ばれる化合物であることが好ましい。ここで、多官能アクリレート化合物とは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基及び/又はメタクロイルオキシ基を有する化合物である。
多官能アクリレート化合物のモノマーとしては、例えばエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタグリセロールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセリントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートが好ましく挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独又は2種以上を混合して用いられる。また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであってもよい。
電離放射線硬化型樹脂の添加量は、高屈折率組成物では固形分中の15質量%以上50質量%未満であることが好ましい。
本発明に係る電離放射線硬化型樹脂の硬化促進のために、光重合開始剤と分子中に重合可能な不飽和結合を2個以上有するアクリル系化合物とを質量比で3:7〜1:9含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明に用いられる高屈折率層をコーティングする際に用いられる有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられるが、特に、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコールエーテル類が好ましい。
〈支持体〉
本発明に用いられる支持体は、製造が容易であること、硬化性樹脂層との接着性が良好である、光学的に等方性である、光学的に透明であることが好ましい要件として挙げられ、長尺状のフィルムであることが好ましい。
本発明でいう透明とは、可視光の透過率60%以上であることをさし、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
上記の性質を有していれば特に限定はないが、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム又はガラス板等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルムが好ましい。
特にセルロースエステル系フィルムを用いることが好ましく、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
以下、本発明に特に好ましく用いられるセルロースエステルフィルムについて更に詳細に説明する。
〈セルロースエステル樹脂〉
(セルロースエステルフィルム)
本発明に用いられるセルロースエステルとしては例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、特開平10−45804号公報、同08−231761号公報、米国特許第2,319,052号明細書等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることができる。特に好ましくはセルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは単独或いは混合して用いることができる。分子量は数平均分子量(Mn)で70000〜200000のものが好ましく、100000〜200000のものが更に好ましい。
セルローストリアセテートの場合には、平均酢化度(結合酢酸量)54.0〜62.5%のものが好ましく用いられ、更に好ましいのは、平均酢化度が58.0〜62.5%のセルローストリアセテートである。
セルローストリアセテート以外で好ましいセルロースエステルは炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステルを含むセルロースエステルである。
式(I) 2.0≦X+Y≦2.6
式(II) 0.1≦Y≦1.2
更に2.4≦X+Y≦2.6、1.4≦X≦2.3のセルロースアセテートプロピオネート(総アシル基置換度=X+Y)樹脂が好ましい。中でも2.4≦X+Y≦2.6、1.7≦X≦2.3、0.1≦Y≦0.9のセルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート(総アシル基置換度=X+Y)樹脂が好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。これらのセルロースエステル系樹脂は公知の方法で合成することができる。アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96の規定に準じて測定することができる。
セルロースエステルは綿花リンター、木材パルプ、ケナフ等を原料として合成されたセルロースエステルを単独或いは混合して用いることができる。特に綿花リンターから合成されたセルロースエステルを単独或いは混合して用いることが好ましい。
なお、本発明に係る樹脂基板の基材としては、可撓性であることが好ましい。ここで、「可撓性」とは、JIS P 8115:2001記載のMIT試験において最低100回の耐屈性があるものとする。
熱可塑性樹脂単独の膨張係数は、0〜120ppm/℃が好ましい。さらに好ましくは5〜100ppm/℃、最も好ましくは10〜80ppm/℃である。
〈アクリル樹脂〉
本発明に用いられるアクリル樹脂は特開2003−12859号公報に記載の方法で作製できる。
〈環状オレフィン樹脂〉
本発明においては、環状オレフィン樹脂を用いることも好ましい。環状オレフィン樹脂としては、ノルボルネン系樹脂、単環の環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、及び、これらの水素化物等を挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系樹脂は、透明性と成形性が良好なため、好適に用いることができる。
(可塑剤)
本発明に用いられる支持体にセルロースエステルフィルムを用いる場合、可塑剤を含有するのが好ましく、可塑剤としては、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤等を好ましく用いることができる。
これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜20質量%が好ましく、特に好ましくは、3〜13質量%である。
(紫外線吸収剤)
本発明に用いる支持体には、紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で好ましく用いられる上記の紫外線吸収剤としては、透明性が高く、偏光板や液晶の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
(樹脂基板の製造方法)
本発明の可撓性樹脂基板の製造方法としては、通常のインフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルジョン法、ホットプレス法等の製造法が使用できるが、着色抑制、異物欠点の抑制、ダイラインなどの光学欠点の抑制などの観点から流延法による溶液流延法、溶融流延法が好ましい。
以下、典型的例として、本発明の可撓性樹脂基板を、フィルム状樹脂基板として、作製する場合の製造方法について詳述する。
<溶液流延法による樹脂基板の製造方法>
(有機溶媒)
本発明の熱可塑性樹脂基板を溶液流延法で製造する場合、ドープを形成するのに有用な有機溶媒は、セルロースエステル樹脂等の熱可塑性樹脂を溶解するものであれば制限なく用いることができる。
例えば、塩素系有機溶媒としては、塩化メチレン、非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、乳酸エチル、乳酸、ジアセトンアルコール等を挙げることができ、塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、乳酸エチル等を好ましく使用し得る。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有させてもよい。ドープ中のアルコールの比率が高くなるとウェブがゲル化し、金属支持体からの剥離が容易になり、また、アルコールの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒系での熱可塑性樹脂の溶解を促進する役割もある。
特に、メチレンクロライド、および炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有する溶媒に、熱可塑性樹脂は、少なくとも計10〜45質量%溶解させたドープ組成物であることが好ましい。
炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールを挙げることができる。これらの内ドープの安定性、沸点も比較的低く、乾燥性もよいこと等からエタノールが好ましい。
以下、本発明に係るフィルム状樹脂基板(以下、単に「フィルム」ともいう。)の好ましい製膜方法について説明する。
1)溶解工程
熱可塑性樹脂に対する良溶媒を主とする有機溶媒に、溶解釜中で熱可塑性樹脂、熱収縮材料、その他の添加剤を攪拌しながら溶解しドープを形成する工程である。
熱可塑性樹脂の溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、又は特開平9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることができるが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
返材とは、フィルムを細かく粉砕した物で、フィルムを製膜するときに発生する、フィルムの両サイド部分を切り落とした物や、擦り傷などでスペックアウトしたフィルム原反のことをいい、これも再使用される。
2)流延工程
ドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液し、無限に移送する無端の金属ベルト、例えばステンレスベルト、あるいは回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程である。
ダイの口金部分のスリット形状を調整でき、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があり、いずれも好ましく用いられる。金属支持体の表面は鏡面となっている。製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。あるいは複数のドープを同時に流延する共流延法によって積層構造のフィルムを得ることも好ましい。
3)溶媒蒸発工程
ウェブ(流延用支持体上にドープを流延し、形成されたドープ膜をウェブと呼ぶ)を流延用支持体上で加熱し、溶媒を蒸発させる工程である。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法および/又は支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱方法の乾燥効率が良く好ましい。又、それらを組み合わせる方法も好ましく用いられる。流延後の支持体上のウェブを40〜100℃の雰囲気下、支持体上で乾燥させることが好ましい。40〜100℃の雰囲気下に維持するには、この温度の温風をウェブ上面に当てるか赤外線等の手段により加熱することが好ましい。
面品質、透湿性、剥離性の観点から、30〜120秒以内で該ウェブを支持体から剥離することが好ましい。
4)剥離工程
金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。
金属支持体上の剥離位置における温度は好ましくは10〜40℃であり、さらに好ましくは11〜30℃である。
なお、剥離する時点での金属支持体上でのウェブの剥離時残留溶媒量は、乾燥の条件の強弱、金属支持体の長さ等により50〜120質量%の範囲で剥離することが好ましいが、残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損ね、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易いため、経済速度と品質との兼ね合いで剥離時の残留溶媒量が決められる。
ウェブの残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(%)=(ウェブの加熱処理前質量−ウェブの加熱処理後質量)/(ウェブの加熱処理後質量)×100
なお、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
金属支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力は、通常、196〜245N/mであるが、剥離の際に皺が入り易い場合、190N/m以下の張力で剥離することが好ましく、さらには、剥離できる最低張力〜166.6N/m、次いで、最低張力〜137.2N/mで剥離することが好ましいが、特に好ましくは最低張力〜100N/mで剥離することである。
本発明においては、当該金属支持体上の剥離位置における温度を−50〜40℃とするのが好ましく、10〜40℃がより好ましく、15〜30℃とするのが最も好ましい。
5)乾燥および延伸工程
剥離後、ウェブを乾燥装置内に複数配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置35、および/又はクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター延伸装置34を用いて、ウェブを乾燥する。
乾燥手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウェーブを当てて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は出来上がりのフィルムの平面性を損ね易い。高温による乾燥は残留溶媒が8質量%以下くらいから行うのがよい。全体を通し、乾燥は概ね40〜250℃で行われる。特に40〜160℃で乾燥させることが好ましい。
テンター延伸装置を用いる場合は、テンターの左右把持手段によってフィルムの把持長(把持開始から把持終了までの距離)を左右で独立に制御できる装置を用いることが好ましい。また、テンター工程において、平面性を改善するため意図的に異なる温度を持つ区画を作ることも好ましい。
また、異なる温度区画の間にそれぞれの区画が干渉を起こさないように、ニュートラルゾーンを設けることも好ましい。
なお、延伸操作は多段階に分割して実施してもよく、流延方向、幅手方向に二軸延伸を実施することも好ましい。また、二軸延伸を行う場合には同時二軸延伸を行ってもよいし、段階的に実施してもよい。
この場合、段階的とは、例えば、延伸方向の異なる延伸を順次行うことも可能であるし、同一方向の延伸を多段階に分割し、かつ異なる方向の延伸をそのいずれかの段階に加えることも可能である。即ち、例えば、次のような延伸ステップも可能である。
・流延方向に延伸−幅手方向に延伸−流延方向に延伸−流延方向に延伸
・幅手方向に延伸−幅手方向に延伸−流延方向に延伸−流延方向に延伸
また、同時2軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を、張力を緩和して収縮させる場合も含まれる。同時2軸延伸の好ましい延伸倍率は幅手方向、長手方向ともに×1.01倍〜×1.5倍の範囲でとることができる。
テンターを行う場合のウェブの残留溶媒量は、テンター開始時に20〜100質量%であるのが好ましく、かつウェブの残留溶媒量が10質量%以下になる迄テンターを掛けながら乾燥を行うことが好ましく、さらに好ましくは5質量%以下である。
テンターを行う場合の乾燥温度は、30〜160℃が好ましく、50〜150℃がさらに好ましく、70〜140℃が最も好ましい。
テンター工程において、雰囲気の幅手方向の温度分布が少ないことが、フィルムの均一性を高める観点から好ましく、テンター工程での幅手方向の温度分布は、±5℃以内が好ましく、±2℃以内がより好ましく、±1℃以内が最も好ましい。
6)巻き取り工程
ウェブ中の残留溶媒量が2質量%以下となってからフィルムとして巻き取り機37により巻き取る工程であり、残留溶媒量を0.4質量%以下にすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。特に0.00〜0.10質量%で巻き取ることが好ましい。
巻き取り方法は、一般に使用されているものを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等があり、それらを使いわければよい。
本発明に係るフィルムは、長尺フィルムであることが好ましく、具体的には、100m〜5000m程度のものを示し、通常、ロール状で提供される形態のものである。また、フィルムの幅は1.3〜4mであることが好ましく、1.4〜2mであることがより好ましい。
本発明に係るフィルムの膜厚に特に制限はないが、20〜200μmであることが好ましく、25〜150μmであることがより好ましく、30〜120μmであることが特に好ましい。
<溶融流延製膜法による基板の製造方法>
本発明の樹脂基板を、フィルム状樹脂基板として、溶融流延製膜法により製造する場合の方法について説明する。
〈溶融ペレット製造工程〉
溶融押出に用いる熱可塑性樹脂、熱収縮材料からなるフィルムを構成する組成物は、通常あらかじめ混錬してペレット化しておくことが好ましい。
ペレット化は、公知の方法でよく、例えば、乾燥した熱可塑性樹脂と熱収縮材料等からなる添加剤をフィーダーで押出機に供給し1軸や2軸の押出機を用いて混錬し、ダイからストランド状に押出し、水冷又は空冷し、カッティングすることでできる。
原材料は、押出する前に乾燥しておくことが原材料の分解を防止する上で重要である。特にセルロースエステルは吸湿しやすいので、除湿熱風乾燥機や真空乾燥機で70〜140℃で3時間以上乾燥し、水分率を200ppm以下、さらに100ppm以下にしておくことが好ましい。
添加剤は、押出機に供給押出機合しておいてもよいし、それぞれ個別のフィーダーで供給してもよい。酸化防止剤等少量の添加剤は、均一に混合するため、こと前に混合しておくことが好ましい。
酸化防止剤の混合は、固体同士で混合してもよいし、必要により、酸化防止剤を溶剤に溶解しておき、熱可塑性樹脂に含浸させて混合してもよく、あるいは噴霧して混合してもよい。
真空ナウターミキサーなどが乾燥と混合を同時にできるので好ましい。また、フィーダー部やダイからの出口など空気と触れる場合は、除湿空気や除湿したN2ガスなどの雰囲気下にすることが好ましい。
押出機は、せん断力を抑え、樹脂が劣化(分子量低下、着色、ゲル生成等)しないようにペレット化可能でなるべく低温で加工することが好ましい。例えば、2軸押出機の場合、深溝タイプのスクリューを用いて、同方向に回転させることが好ましい。混錬の均一性から、噛み合いタイプが好ましい。
以上のようにして得られたペレットを用いてフィルム製膜を行う。ペレット化せず、原材料の粉末をそのままフィーダーで押出機に供給し、そのままフィルム製膜することも可能である。
〈溶融混合物をダイから冷却ロールへ押し出す工程〉
まず、作製したペレットを1軸や2軸タイプの押出機を用いて、押し出す際の溶融温度Tmを200〜300℃程度とし、リーフディスクタイプのフィルターなどでろ過し異物を除去した後、Tダイからフィルム状に共押出し、冷却ロール上で固化し、弾性タッチロールと押圧しながら流延する。
供給ホッパーから押出機へ導入する際は真空下又は減圧下や不活性ガス雰囲気下にして酸化分解等を防止することが好ましい。なお、Tmは、押出機のダイ出口部分の温度である。
ダイに傷や可塑剤の凝結物等の異物が付着するとスジ状の欠陥が発生する場合がある。このような欠陥のことをダイラインとも呼ぶが、ダイライン等の表面の欠陥を小さくするためには、押出機からダイまでの配管には樹脂の滞留部が極力少なくなるような構造にすることが好ましい。ダイの内部やリップにキズ等が極力無いものを用いることが好ましい。
押出機やダイなどの溶融樹脂と接触する内面は、表面粗さを小さくしたり、表面エネルギーの低い材質を用いるなどして、溶融樹脂が付着し難い表面加工が施されていることが好ましい。具体的には、ハードクロムメッキやセラミック溶射したものを表面粗さ0.2S以下となるように研磨したものが挙げられる。
本発明において冷却ロールには特に制限はないが、高剛性の金属ロールで内部に温度制御可能な熱媒体又は冷媒体が流れるような構造を備えるロールであり、大きさは限定されないが、溶融押し出されたフィルムを冷却するのに十分な大きさであればよく、通常冷却ロールの直径は100mmから1m程度である。
冷却ロールの表面材質は、炭素鋼、ステンレス、アルミニウム、チタンなどが挙げられる。さらに表面の硬度を上げたり、樹脂との剥離性を改良するため、ハードクロムメッキや、ニッケルメッキ、非晶質クロムメッキなどや、セラミック溶射等の表面処理を施すことが好ましい。
冷却ロール表面の表面粗さは、Raで0.1μm以下とすることが好ましく、さらに0.05μm以下とすることが好ましい。ロール表面が平滑であるほど、得られるフィルムの表面も平滑にできるのである。もちろん表面加工した表面はさらに研磨し上述した表面粗さとすることが好ましい。
本発明において、弾性タッチロールとしては、特開平03−124425号、特開平08−224772号、特開平07−100960号、特開平10−272676号、WO97/028950号、特開平11−235747号、特開2002−36332号、特開2005−172940号や特開2005−280217号公報に記載されているような表面が薄膜金属スリーブ被覆シリコンゴムロールを使用することができる。
冷却ロールからフィルムを剥離する際は、張力を制御してフィルムの変形を防止することが好ましい。
〈延伸工程〉
本発明では、上記のようにして得られたフィルムは冷却ロールに接する工程を通過後、さらに少なくとも1方向に1.01〜3.0倍延伸することもできる。
好ましくは縦(フィルム搬送方向)、横(巾方向)両方向にそれぞれ1.1〜2.0倍延伸することが好ましい。
延伸する方法は、公知のロール延伸機やテンターなどを好ましく用いることができる。特に光学フィルムが、偏光板保護フィルムを兼ねる場合は、延伸方向を巾方向とすることで偏光フィルムとの積層がロール形態でできるので好ましい。
巾方向に延伸することで光学フィルムの遅相軸は巾方向になる。
通常、延伸倍率は1.1〜3.0倍、好ましくは1.2〜1.5倍であり、延伸温度は、通常、フィルムを構成する樹脂のTg〜Tg+50℃、好ましくはTg〜Tg+50℃の温度範囲で行われる。
延伸は、長手方向もしくは幅手方向で制御された均一な温度分布下で行うことが好ましい。好ましくは±2℃以内、さらに好ましくは±1℃以内、特に好ましくは±0.5℃以内である。
上記の方法で作製したフィルム状樹脂基板を光学フィルムとして用いる場合、当該光学フィルムのレターデーション調整や寸法変化率を小さくする目的で、フィルムを長手方向や幅手方向に収縮させてもよい。
長手方向に収縮するには、例えば、巾延伸を一時クリップアウトさせて長手方向に弛緩させる、又は横延伸機の隣り合うクリップの間隔を徐々に狭くすることによりフィルムを収縮させるという方法がある。
遅相軸方向の均一性も重要であり、フィルム巾方向に対して、角度が−5〜+5°であることが好ましく、さらに−1〜+1°の範囲にあることが好ましく、特に−0.5〜+0.5°の範囲にあることが好ましく、特に−0.1〜+0.1°の範囲にあることが好ましい。これらのばらつきは延伸条件を最適化することで達成できる。
本発明のフィルム状樹脂基板は、長尺フィルムであることが好ましく、具体的には、100m〜5000m程度のものを示し、通常、ロール状で提供される形態のものである。また、フィルムの幅は1.3〜4mであることが好ましく、1.4〜2mであることがより好ましい。
本発明に係るフィルム状樹脂基板の膜厚に特に制限はなく、目的に応じて変化させることが好ましい。例えば、偏光板保護フィルムに使用する場合は、20〜200μmであることが好ましく、25〜150μmであることがより好ましく、30〜120μmであることが特に好ましい。
〈可撓性樹脂基板の製造装置〉
図1は、本発明の可撓性樹脂基板の製造装置の一例の全体構成を示す概略フローシートである。図1において、可撓性樹脂基板の製造方法は、熱可塑性樹脂等のフィルム材料を混合した後、押出し機1を用いて、流延ダイ4から第1冷却ロール5上に溶融押し出し、第1冷却ロール5に外接させるとともに、更に、第2冷却ロール7、第3冷却ロール8の合計3本の冷却ロールに順に外接させて、冷却固化してフィルム10とする。次いで、剥離ロール9によって剥離したフィルム10を、次いで延伸装置12によりフィルムの両端部を把持して幅方向に延伸した後、巻取り装置16により巻き取る。また、平面性を矯正するために溶融フィルムを第1冷却ロール5表面に挟圧するタッチロール6が設けられている。このタッチロール6は表面が弾性を有し、第1冷却ロール5との間でニップを形成している。
本発明において、製造装置には、ベルトおよびロールを自動的に清掃する装置を付加させることが好ましい。清掃装置については特に限定はないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール、粘着ロール、ふき取りロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、レーザーによる焼却装置、あるいはこれらの組み合わせなどがある。
清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
(防湿層)
本発明の樹脂基板は、少なくともその片面に防湿層を有する態様であることが好ましい。
本発明に係る防湿層は、湿度の変動、特に高湿度による樹脂基板等の劣化を防止するためのものであるが、後述するような特別の機能・用途を持たせたものであっても良く、従来公知の種々の態様の防湿層を設けることができる。
本発明の可撓性樹脂基板は、樹脂フィルムの両面に、防湿層として、少なくとも1層のガスバリア層を有することが好ましい。
ガスバリア層を有すると、樹脂フィルムのガス透過性が大幅に低下するので、外気に含まれる水蒸気、酸素の透過を抑制することができる。例えば有機EL基板においては、ガスバリア層によりガス透過を抑制することで、有機EL素子へのダメージを低減することができ、発光寿命を延ばすことができる。また、発光中に時間とともに増加する非点灯領域の拡大を抑制することができる。
液晶基板に用いる場合においても、ガスバリア層が無いと素子内への水蒸気や酸素などのガス混入により、表示品質を劣化させ寿命を短くする原因となる。
本発明の一実施形態において、樹脂フィルムの両面にそれぞれガスバリア層が少なくとも1層設けられる。ガスバリア層を両面に有することで、ガス透過を抑制するだけでなく、プロセス中、洗浄などの液体に接触する工程においても、寸法変化を抑えることができる。
本発明の可撓性樹脂基板は、ガスバリア性能として、水蒸気透過率が、0.1g/m・24hr以下、好ましくは0.01g/m・24hr以下、更に好ましくは0.001g/m・24hr以下であるように防湿層(ガスバリア層)により調整する。
また、酸素透過率が、0.1ml/m・24h・atm以下、好ましくは0.001ml/m・24h・atm、更に好ましくは0.001ml/m・24h・atm以下であるように防湿層(ガスバリア層)により調整する。
これらの特性を有することで、有機ELデバイス等のディスプレイにおいて、これを基板等として用いたときに、当該有機ELデバイスに優れたガスバリア性能を付与することができる。
水蒸気透過率(g/m/day)は、JIS K 7129Bに記載された方法により測定する。なお、測定には、MOCON社製 水蒸気透過率測定装置 PERMATRAN−W 3/33 MGモジュールを使用することができる。
また、酸素透過率(ml/m/day/atm)についても同じく、JIS K 7126Bに従って、MOCON社製 酸素透過率測定装置 OX−TRAN 2/21 MLモジュールを使用して測定することができる。
ガスバリア層としては、透明性を有する無機膜を設けることが好ましい。特にこれに限定されるわけではないが、透明性、ガスバリア性の観点から酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、SiAlONなどが使用できる。さらに耐酸性、耐アルカリ性の観点から、ケイ素の酸化物、窒化物又は酸化窒素化物を主成分とすることが好ましい。
ガスバリア層は、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの物理蒸着法(PVD)法、プラズマCVD(chemical vapor deposition)などの化学蒸着法、又はゾルゲル法などで作製することができる。中でもスパッタリング法で作製すると、密着力が高く、緻密でガスバリア性の高い膜が得られ易く好ましい。ガスバリア層の成膜工程は、枚葉方式あるいはロール・トゥ・ロール方式のいずれも適用できるが、樹脂フィルム上に成膜を行うため、ロール・トゥ・ロール方式で行うと生産性が向上する。ケイ素の酸化物、窒化物又は酸化窒素化物のスパッタリング成膜は、DC(直流)スパッタリング法、RF(高周波)スパッタリング法、これにマグネトロンスパッタリングを組み合わせた方法、さらに中間的な周波数領域を用いたデュアルマグネトロン(DMS)スパッタリング法などの従来技術を、単独で又は組み合わせて用いることができる。スパッタリング雰囲気中には、He、Ne、Ar、Kr、Xe等の不活性ガス、酸素、窒素のうち少なくとも1種のプロセスガスを用いることができる。DCスパッタリングやDMSスパッタリングでケイ素の酸化物、窒化物又は酸化窒素化物のスパッタリングを行う際には、そのターゲットにSiを用いることができる。プロセスガス中に酸素や窒素を導入することで、ケイ素の酸化物、窒化物又は酸化窒素化物の薄膜を作ることができる。RF(高周波)スパッタリング法でこれらを成膜する場合は、SiOやSiなどのセラミックターゲットを用いることもできる。生産性の観点から、Siターゲットを用い、DCスパッタリングやDMSスパッタリング等で、酸素や窒素を導入しながら成膜することが好ましい。
ガスバリア層は二層以上設けても良く、その場合、ガスバリア層の間に有機コート層が設けられていることが好ましい。この有機コート層を中間層に設けることは、バリア層を連続して2層設けた場合に比較して、ガス透過率が低下することから好ましい。これは、有機コート層が、先に設けられたバリア層の欠点を覆い隠して平滑化することで、次に設けるバリア層が前のバリア層の欠点をきっかけとした、ピンホールなどの欠点を作りにくくするためと考えられている。また、この有機コート層は樹脂フィルムとガスバリア層の間にも設けられて良い。各有機コート層は、それぞれが同じ材料でも異なる材料でもよい。
特に、この透明電極付複合材料基板をカラーフィルター用の基板として供する場合には、有機コート層の一つとして、フォトリソグラフ法などで形成したB(黒色)R(赤色)G(緑色)B(青色)の着色パターンを挿入することもできる。
有機コート層は、通常、透明性、密着性および耐熱性を有する化合物が良く、熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、アクリル系架橋樹脂などの紫外線・電子線架橋樹脂などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。有機コート層は原料化合物を溶液、ラテックスあるいは無溶媒のまま、ワイヤーバー、イクストルージョン、マイクログラビア、リバースロールなどの方法で形成することができる。かかる有機コート層の厚さは、0.5μmから5μmの範囲が、欠点の被覆性と密着性や透明性のバランスから好適である。
通常、特開2008−216541号公報の実施例で記載されているように、樹脂とガラス繊維を1:1の質量%で混合することで基板として使用できる寸法安定性を満たすことができる。
しかし、この方法においては大量に繊維を添加することで表面が粗くなってしまう。この荒れた表面に直接、無機のガスバリア層を形成すると緻密な膜が形成されずにバリア性が低下してしまう、更には緻密な膜を形成できないためにクラックが入りやすくバリア性が著しく低下してしまう問題があった。
本発明の樹脂基板は線膨張を低下させる材料を少量にすることが可能であり、表面粗さが平坦なものを作製することが可能である。そのことによりガスバリア層を形成しても、緻密な膜が形成されており、バリア性の低下を妨げることが可能である。
また、樹脂基板とバリア層の間に平滑化層を設けても良い。平滑化層は一般的なUV硬化樹脂等を用いることで作製できる。
本発明においては、特に金属原子含有膜からなる防湿層であることも好ましい。
金属原子含有膜としては、特開2008−258211号公報に開示されている形成方法に準拠した方法により形成された金属原子含有膜を用いることが好ましい。
〈有機エレクトロルミネッセンス素〉
本発明の樹脂基板は、当該樹脂基板の高屈折率領域上に、透明電極層と、少なくとも発光層を含む有機層と、対向電極とを具備する態様において、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)に好適に用いることができる。この場合、前記発光層が、ホスト化合物及びリン光性ドーパントを含有することが好ましい。
本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(1)透明基材/屈折率調整層/陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(2)透明基材/屈折率調整層/陰極/電子輸送層/発光層/陽極
(3)透明基材/屈折率調整層/陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(4)透明基材/屈折率調整層/陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(5)透明基材/屈折率調整層/陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(6)透明基材/屈折率調整層/陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(7)透明基材/平坦化層/屈折率調整層/陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(8)透明基材/陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極/屈折率調整層
上記屈折率調整層は自己組織化により形成された多孔質フィルムであり、該多孔質フィルムは前記ハニカム状多孔質フィルムであることが特に好ましい。
上記平坦化層は、ハニカム状多孔質フィルムの平面性、特に表面の平面性をより向上し光取り出し効率を向上させる効果がある。
平坦化層は、透明な材質であればよく、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、例えば、ガラス、石英、光透過性樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい材質は、後述する透明樹脂フィルムである。
なお、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス層(有機EL層)とは、上記の構成層のうち、陽極と陰極を除いた、少なくとも発光層を含む層であり、その層構成が有機層1層以上の層をいう。発光層以外に有機EL層内に形成される有機層としては、正孔注入層や電子注入層といった電荷注入層を挙げることができる。さらに、その他の有機層としては、発光層に正孔を輸送する正孔輸送層、発光層に電子を輸送する電子輸送層といった電荷輸送層を挙げることができるが、通常これらは上記電荷注入層に電荷輸送の機能を付与することにより、電荷注入層と一体化されて形成される場合が多い。その他、EL層内に形成される有機層としては、キャリアブロック層のような正孔あるいは電子の突き抜けを防止し、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
(陽極)
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
(陰極)
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が、透明又は半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明又は半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
次に、本発明の有機EL素子の構成層として用いられる、注入層、阻止層、電子輸送層等について説明する。
(注入層:電子注入層、正孔注入層)
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層又は正孔輸送層の間、及び陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
(阻止層:正孔阻止層、電子阻止層)
阻止層は、上記の如く、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは、広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係わる正孔阻止層として用いることができる。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。
(発光層)
本発明に係る発光層は、電極又は電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明の有機EL素子の発光層には、以下に示すホスト化合物とドーパント化合物が含有されることが好ましい。これにより、より一層発光効率を高くすることができる。
発光ドーパントは、大きく分けて、蛍光を発光する蛍光性ドーパントとリン光を発光するリン光性ドーパントの2種類がある。
前者(蛍光性ドーパント)の代表例としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、又は希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
後者(リン光性ドーパント)の代表例としては、好ましくは元素の周期表で8属、9属、10属の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくは、イリジウム化合物、オスミウム化合物であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。具体的には以下の特許公報に記載されている化合物である。
国際公開第00/70655号パンフレット、特開2002−280178号公報、同2001−181616号公報、同2002−280179号公報、同2001−181617号公報、同2002−280180号公報、同2001−247859号公報、同2002−299060号公報、同2001−313178号公報、同2002−302671号公報、同2001−345183号公報、同2002−324679号公報、国際公開第02/15645号パンフレット、特開2002−332291号公報、同2002−50484号公報、同2002−332292号公報、同2002−83684号公報、特表2002−540572号公報、特開2002−117978号公報、同2002−338588号公報、同2002−170684号公報、同2002−352960号公報、国際公開第01/93642号パンフレット、特開2002−50483号公報、同2002−100476号公報、同2002−173674号公報、同2002−359082号公報、同2002−175884号公報、同2002−363552号公報、同2002−184582号公報、同2003−7469号公報、特表2002−525808号公報、特開2003−7471号公報、特表2002−525833号公報、特開2003−31366号公報、同2002−226495号公報、同2002−234894号公報、同2002−235076号公報、同2002−241751号公報、同2001−319779号公報、同2001−319780号公報、同2002−62824号公報、同2002−100474号公報、同2002−203679号公報、同2002−343572号公報、同2002−203678号公報等。
なお、発光ドーパントは複数種の化合物を混合して用いてもよい。
(発光ホスト化合物)
発光ホスト化合物(「ホスト化合物」又は「発光ホスト」ともいう。)とは、2種以上の化合物で構成される発光層中にて混合比(質量)の最も多い化合物のことを意味し、それ以外の化合物については「ドーパント化合物(単に、ドーパントともいう)」という。例えば、発光層を化合物A、化合物Bという2種で構成し、その混合比がA:B=10:90であれば化合物Aがドーパント化合物であり、化合物Bがホスト化合物である。さらに、発光層を化合物A、化合物B、化合物Cの3種から構成し、その混合比がA:B:C=5:10:85であれば、化合物A、化合物Bがドーパント化合物であり、化合物Cがホスト化合物である。
本発明に用いられる発光ホストとしては、構造的には特に制限はないが、代表的にはカルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、芳香族ボラン誘導体、含窒素複素環化合物、チオフェン誘導体、フラン誘導体、オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有するもの、又は、カルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体(ここで、ジアザカルバゾール誘導体とは、カルボリン誘導体のカルボリン環を構成する炭化水素環の少なくとも一つの炭素原子が窒素原子で置換されているものを表す。)等が挙げられる。
中でもカルボリン誘導体、ジアザカルバゾール誘導体等が好ましく用いられる。具体例としては、例えば、特願2008−17398号明細書の段落番号「092」〜「094」に記載したH−1〜H−11等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる発光ホストは、低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でも良く、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でも良い。
発光ホストとしては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、かつ、発光の長波長化を防ぎ、高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。
発光ホストの具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が好適である。例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等。
さらに、公知のホスト化合物を複数種併用して用いてもよい。また、ドーパント化合物を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。リン光性化合物の種類、ドープ量を調整することで白色発光が可能であり、照明、バックライトへの応用もできる。
本発明の有機EL素子の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。
発光層は上記化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により成膜して形成することができる。発光層としての膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で選ばれる。この発光層はこれらのリン光性化合物やホスト化合物が1種又は2種以上からなる一層構造であってもよいし、あるいは同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
具体例としては、例えば、特願2008−17398号明細書の段落番号「0104」に記載した化合物等を挙げることができる。
(電子輸送層)
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層又は複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
具体例としては、例えば、特願2008−17398号明細書の段落番号「0110」に記載した化合物等を挙げることができる。
(透明基材)
本発明に係る有機EL素子の発光の室温における外部取り出し効率は、1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
(有機EL素子の作製方法)
本発明に係る有機EL素子の作製方法の一例として、屈折率調整層/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
まず、透明基材上に前記ハニカム状多孔質フィルムを接着剤を用いて平滑に貼合する。次いで、該ハニカム状多孔質フィルム上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極を作製する。次に、この上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層の有機化合物薄膜を形成させる。
この有機化合物薄膜の薄膜化の方法としては、前記の如く蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法が特に好ましい。さらに層毎に異なる成膜法を適用してもよい。
成膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10−6〜10−2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚0.1nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を、1μm以下好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子が得られる。この有機EL素子の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる成膜法を施しても構わない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
また作製順序を逆にして、屈折率調整層/陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた多色の表示装置に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
本発明の有機EL素子を用いた表示装置は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。表示デバイス、ディスプレイにおいて、青、赤、緑発光の3種の有機EL素子を用いることにより、フルカラーの表示が可能となる。
表示デバイス、ディスプレイとしてはテレビ、パソコン、モバイル機器、AV機器、文字放送表示、自動車内の情報表示等が挙げられる。特に静止画像や動画像を再生する表示装置として使用してもよく、動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリックス(パッシブマトリックス)方式でもアクティブマトリックス方式でもどちらでもよい。
本発明の有機EL素子を用いた照明装置は家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではない。
また、本発明の有機EL素子に共振器構造を持たせた有機EL素子として用いてもよい。このような共振器構造を有した有機EL素子の使用目的としては、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるが、これらに限定されない。また、レーザ発振をさせることにより、上記用途に使用してもよい。
〈表示装置〉
本発明の有機EL素子は、照明用や露光光源のような1種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリックス(パッシブマトリックス)方式でもアクティブマトリックス方式でもどちらでもよい。又は、異なる発光色を有する本発明の有機EL素子を3種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。又は、一色の発光色、例えば、白色発光をカラーフィルターを用いてBGRにし、フルカラー化することも可能である。さらに有機ELの発光色を色変換フィルターを用いて他色に変換しフルカラー化することも可能であるが、その場合、有機EL発光のλmaxは480nm以下であることが好ましい。
本発明の有機EL素子から構成される表示装置の一例を図面に基づいて説明する。
図2は、有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図である。有機EL素子の発光により画像情報の表示を行う、例えば、携帯電話等のディスプレイの模式図である。
ディスプレイ1aは、複数の画素を有する表示部A、画像情報に基づいて表示部Aの画像走査を行う制御部B等からなる。
制御部Bは、表示部Aと電気的に接続され、複数の画素それぞれに外部からの画像情報に基づいて走査信号と画像データ信号を送り、走査信号により走査線毎の画素が画像データ信号に応じて順次発光して画像走査を行って画像情報を表示部Aに表示する。
図3は、表示部Aの模式図である。
表示部Aは基板上に、複数の走査線5a及びデータ線6aを含む配線部と、複数の画素3a等とを有する。表示部Aの主要な部材の説明を以下に行う。図3においては、画素3の発光した光が、白矢印方向(下方向)へ取り出される場合を示している。
配線部の走査線5a及び複数のデータ線6aは、各々導電材料からなり、走査線5aとデータ線6aは格子状に直交して、直交する位置で画素3aに接続している(詳細は図示せず)。
画素3aは、走査線5aから走査信号が印加されると、データ線6aから画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光する。発光の色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素を、適宜、同一基板上に並置することによって、フルカラー表示が可能となる。
次に、画素の発光プロセスを説明する。
図4は、画素の模式図である。画素は、有機EL素子10a、スイッチングトランジスタ11a、駆動トランジスタ12a、コンデンサ13a等を備えている。複数の画素に有機EL素子10として、赤色、緑色、青色発光の有機EL素子を用い、これらを同一基板上に並置することでフルカラー表示を行うことができる。
図4において、制御部Bからデータ線6aを介してスイッチングトランジスタ11aのドレインに画像データ信号が印加される。そして、制御部Bから走査線5aを介してスイッチングトランジスタ11aのゲートに走査信号が印加されると、スイッチングトランジスタ11aの駆動がオンし、ドレインに印加された画像データ信号がコンデンサ13aと駆動トランジスタ12aのゲートに伝達される。
画像データ信号の伝達により、コンデンサ13aが画像データ信号の電位に応じて充電されるとともに、駆動トランジスタ12aの駆動がオンする。駆動トランジスタ12aは、ドレインが電源ライン7aに接続され、ソースが有機EL素子10aの電極に接続されており、ゲートに印加された画像データ信号の電位に応じて電源ライン7aから有機EL素子10aに電流が供給される。
制御部Bの順次走査により走査信号が次の走査線5aに移ると、スイッチングトランジスタ11aの駆動がオフする。しかし、スイッチングトランジスタ11aの駆動がオフしてもコンデンサ13aは充電された画像データ信号の電位を保持するので、駆動トランジスタ12aの駆動はオン状態が保たれて、次の走査信号の印加が行われるまで有機EL素子10aの発光が継続する。順次走査により次に走査信号が印加されたとき、走査信号に同期した次の画像データ信号の電位に応じて駆動トランジスタ12aが駆動して有機EL素子10aが発光する。
すなわち、有機EL素子10aの発光は、複数の画素それぞれの有機EL素子10aに対して、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタ11aと駆動トランジスタ12aを設けて、複数の画素3aそれぞれの有機EL素子10aの発光を行っている。このような発光方法をアクティブマトリックス方式と呼んでいる。
ここで、有機EL素子10aの発光は、複数の階調電位を持つ多値の画像データ信号による複数の階調の発光でもよいし、2値の画像データ信号による所定の発光量のオン、オフでもよい。
また、コンデンサ13aの電位の保持は、次の走査信号の印加まで継続して保持してもよいし、次の走査信号が印加される直前に放電させてもよい。
本発明においては、上述したアクティブマトリックス方式に限らず、走査信号が走査されたときのみデータ信号に応じて有機EL素子を発光させるパッシブマトリックス方式の発光駆動でもよい。
図5は、パッシブマトリックス方式による表示装置の模式図である。図4において、複数の走査線5aと複数の画像データ線6aが画素3aを挟んで対向して格子状に設けられている。
順次走査により走査線5の走査信号が印加されたとき、印加された走査線5aに接続している画素3aが画像データ信号に応じて発光する。パッシブマトリックス方式では画素3にアクティブ素子がなく、製造コストの低減が計れる。
〈照明装置〉
本発明に係る上記有機EL素子は、照明装置に好適に用いることができる。すなわち、照明装置として、実質白色の発光を生じる有機EL素子に適用できる(図6及び7参照)。複数の発光材料により複数の発光色を同時に発光させて混色により白色発光を得る。複数の発光色の組み合わせとしては、青色、緑色、青色の3原色の3つの発光極大波長を含有させたものでもよいし、青色と黄色、青緑と橙色等の補色の関係を利用した2つの発光極大波長を含有したものでもよい。
また、複数の発光色を得るための発光材料の組み合わせは、複数のリン光又は蛍光を発光する材料(発光ドーパント)を、複数組み合わせたもの、蛍光又はリン光を発光する発光材料と、該発光材料からの光を励起光として発光する色素材料とを組み合わせたもののいずれでもよいが、本発明に係わる白色有機EL素子においては、発光ドーパントを複数組み合わせる方式が好ましい。
複数の発光色を得るための有機EL素子の層構成としては、複数の発光ドーパントを、一つの発光層中に複数存在させる方法、複数の発光層を有し、各発光層中に発光波長の異なるドーパントをそれぞれ存在させる方法、異なる波長に発光する微小画素をマトリックス状に形成する方法等が挙げられる。
本発明に係わる白色有機EL素子においては、必要に応じ成膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもいいし、電極と発光層をパターニングしてもいいし、素子全層をパターニングしてもいい。
発光層に用いる発光材料としては特に制限はなく、例えば液晶表示素子におけるバックライトであれば、CF(カラーフィルター)特性に対応した波長範囲に適合するように、本発明に係わる白金錯体、また公知の発光材料の中から任意のものを選択して組み合わせて白色化すればよい。
このように、白色発光有機EL素子は、前記表示デバイス、ディスプレイに加えて、各種発光光源、照明装置として、家庭用照明、車内照明、また、露光光源のような1種のランプとして、液晶表示装置のバックライト等、表示装置にも有用に用いられる。
その他、時計等のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体等の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等、さらには表示装置を必要とする一般の家庭用電気器具等広い範囲の用途が挙げられる。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(高屈折領域含有基板1の作製)
(セルロースナノファイバー分散液1の作製)
日本製紙ケミカル(株)の針葉樹クラフトパルプNDP−Tを高圧ホモジナイザーで平均繊維径1μm以下になるまで粉砕処理した後、グラインダー(栗田機械製作所製「KM1−10」)にて、この水濁液を、ほぼ接触させた状態で、1200rpmで回転するディスク間を、中央から外に向かって通過させる操作を30回(30pass)行った。得られた懸濁液をエタノールに置換して、メチレンクロライドに投入し、高圧ホモジナイザーで解砕処理し、さらに、平均粒径2μmのジルコニアビーズを用いたビーズ分散機で分散処理した。ジルコニアビーズを遠心分離とろ過により除去し、セルロースナノファイバー(以下、適宜、「CNF」と略す。)のメチレンクロライド/エタノール分散液を得た。この分散液の一部を取り出し、分散液を蒸発させた後、セルロースナノファイバーの電子顕微鏡観察をし、平均繊維径100nm、平均繊維長900nmであった。得られた分散液を濃縮し、濃度が50%になるように調整した。
(セルロースナノファイバー分散液2の調製)
乾燥質量で2g相当分の亜硫酸漂白針葉樹パルプ、0.025gのTEMPOおよび0.25gの臭化ナトリウムを水150mlに分散させた後、13質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、1gのパルプに対して次亜塩素酸ナトリウムの量が2.5mmolとなるように次亜塩素酸を加えて反応を開始した。反応中は0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10.5に保った。pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なし、反応物をろ過後、充分な水による水洗、ろ過を繰り返し、水分散した反応物繊維を凍結乾燥により得た。バルク上のセルロースをメチレンクロライドに投入し、高圧ホモジナイザーで解砕処理し、セルロースナノファイバーのメチレンクロライド分散液を得た。この分散液の一部を取り出し、メチレンクロライドを蒸発させた後、100個のセルロースナノファイバーを電子顕微鏡観察し、平均繊維径60nm、平均繊維長450nmと測定された。得られた分散液を濃縮し、固形分濃度が50質量%になるように調整した。
(ドープ液を調整)
メチレンクロライド 42g
エタノール 8g
セルローストリアセテート(アセチル置換度:60.3%) 10g
上記、作製した分散液1 10g
上記素材を順に、密閉容器に投入し、加熱・攪拌しながら完全に溶解、混合して流延する温度まで下げて、一晩静置して脱泡操作を施した。
(流延)
ベルト装置を用い、ドープ温度30℃で30℃のステンレスベルト支持体上に均一に流延した。その後、剥離可能な範囲まで乾燥した後、ステンレス支持体上からウェブを剥離した。この時のウェブの残留溶媒量は80%であった。
ステンレスベルト支持体から剥離した後、85℃の乾燥ゾーンをロール搬送しながら乾燥させた後、残留溶媒量が35質量%未満となったところで、2軸延伸テンターでTD方向(幅手方向)及びMD方向(製膜方向)に延伸しながら90℃で乾燥させ、さらにロール搬送しながら125℃の乾燥ゾーンで乾燥を終了させ、基板フィルムを作製した。膜厚は100μmであった。巻き取り時の残留溶媒量は0.1質量%未満であった。
(高屈折率層)
屈折率1.63の三菱化学製のUV1000に、屈折率1.76のシーアイ化成製のAl2O3を混合した分散液を作製した。この分散液を上記、作製した基板フィルムに塗布し、乾燥工程を経ることで高屈折領域を含む基板を作製した。
〈ITO導電フィルムの作製〉
上記作製した高屈折基板の高屈折領域側にITO(インジウム酸化錫)をスパッタリングで100nmの厚さで製膜した。
(ガスバリア層の作製)
上記作製した可撓性樹脂基板に、スパッタロールコート装置に装填し、DCマグネトロンスパッタにより、Siをターゲットとして用いて、到達真空度1.0×10−4Pa以下、成膜温度180℃でプロセスガスとしてアルゴンガスと酸素ガスを導入し反応性スパッタで樹脂フィルム(1)上に膜厚70nmのSiO(x=1.8,XPSによる)の成膜を行って、ガスバリア層(2)を形成した。
〈有機EL素子の作製〉
ITO導電層100nmを付与した基板上にCuPc(銅フタロシアニン)(10nm)/α−NPD(30nm)/CBP:Ir(ppy)3質量%/Alq(50nm)/LiF(0.5nm)/Al(120nm)の順で正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電極を真空蒸着法で成膜し、最後にNガス雰囲気で封止をした。
Figure 2010198957
(実施例2)
次いで作製したセルロースナノファイバー分散液2を用いて、樹脂をDAC(ジアセチルセルロース)にした以外は上記基板1と同様にして基板2を作製した。以降の実施例も上記実施例2と同様に表1に示したようにCNF、樹脂、高屈折率粒子を変更した以外は実施例1と同様に作製し実施例3、4及び比較例を作製した。
(実施例5)
実施例3で作製した樹脂基板にZrOを混合した基板を作製した。
〔評価〕
上記方法で作製した可撓性樹脂基板について、下記に示す評価方法により、各種特性を測定した。
a)可撓性(フレキシブル性)
可撓性の評価は、JIS P 8115:2001記載のMIT試験に準拠した方法により行い、90℃の屈曲試験でクラックが入るかを、下記の基準に基づき目視で確認・評価した。
○:100回以上の屈曲試験でクラックが発生しない
×:100回未満の屈曲試験でクラックが発生する。
b)ドメイン比率及び軽量性
樹脂基板の総質量に対して、熱収縮材料(「無機ドメイン」ともいう。)の含有量(百分率)をドメイン比率とし、下記の基準に基づき軽量性を評価した。
○:樹脂単独のフィルムに対して1mあたり2.4倍以下の質量
×:樹脂単独のフィルムに対して1mあたり2.4倍を超える質量
c)平面性
JIS B 0601:2001に準じて、光学干渉式表面粗さ計RST/PLUS(WYKO社製)を使用して、フィルムの各表面1.2mm×0.9mmの面積に対して、算術平均粗さ(表面粗さ)を求めた。Ra≦20nmなら○、Ra>20nmなら×
d)透明性(波長分散)
各試料をスペクトロフォトメーターU−3200(日立製作所製)を用いて、ハードコートフィルムの可視光域の分光透過率を380nm、550nm、及び650nmとし、それぞれ測定して、全ての波長で80%以上透過率があるものを○とした。
e)透明性(温度依存性)
各試料を温度70℃ドライの条件下で12時間保存後、スペクトロフォトメーターU−3200(日立製作所製)を用いて、ハードコートフィルムの可視光域の分光透過率を測定し、380nm、550nm、650nmそれぞれ測定して、全ての波長で80%以上透過率があるものを○とした。
f)寿命
作製した有機EL素子を1000cd/mで発光させた。その後、同じ電流をかけ続けて輝度が半分になる時を半減期とした。半減期が5000時間以上のものは○、5000時間以内のものは×とした。
以上の評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 2010198957
表1に示した結果から明らかなように、本発明の樹脂基板は、平面性、透明性、可撓性、軽量性、及び寿命が優れていることが分かる。
このことにより、本発明の樹脂基板は、透明板、光学レンズ、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、導光板、光学素子、光導波路、LED封止材等に好適に利用できる。
1 押出し機
2 フィルター
3 スタチックミキサー
4 流延ダイ
5 回転支持体(第1冷却ロール)
6 挟圧回転体(タッチロール)
7 回転支持体(第2冷却ロール)
8 回転支持体(第3冷却ロール)
9 剥離ロール
10 フィルム
11、13、14 搬送ロール
12 延伸機
15 スリッター
16 巻き取り機
F 本発明のフィルム状可撓性樹脂基板
1a ディスプレイ
3a 画素
5a 走査線
6a データ線
7a 電源ライン
10a 有機EL素子
11a スイッチングトランジスタ
12a 駆動トランジスタ
13a コンデンサ
A 表示部
B 制御部
101 有機EL素子
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 屈折率調整層/透明電極付きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤

Claims (9)

  1. セルロースナノファイバーと熱可塑性樹脂とを含有する樹脂基材を構成要素として有する樹脂基板であって、当該樹脂基材中に高屈折率粒子を含有する領域を有すること、又は当該樹脂基材上に高屈折率粒子を含有する層を有することを特徴とする樹脂基板。
  2. 前記高屈折率粒子の屈折率が、1.6以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂基板。
  3. 前記セルロースナノファイバーが、前記熱可塑性樹脂に対して、1〜90質量%の範囲内で配合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂基板。
  4. 前記樹脂基板の少なくとも片面に、防湿層が、積層されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の樹脂基板。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、セルロースエステル樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の樹脂基板。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の樹脂基板の高屈折率粒子を含有する領域又は層上に、透明電極層と、少なくとも発光層を含む有機層と、対向電極とを具備することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記発光層が、ホスト化合物及びリン光性ドーパントを含有することを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする表示装置。
  9. 請求項6又は請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする照明装置。
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