JPWO2018168225A1 - 電子デバイス作製用組成物、電子デバイス作製用組成物の製造方法、有機薄膜及び有機薄膜の製造方法 - Google Patents

電子デバイス作製用組成物、電子デバイス作製用組成物の製造方法、有機薄膜及び有機薄膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の電子デバイス作製用組成物は、電子デバイス用有機材料を含有する電子デバイス作製用組成物であって、セルロースナノファイバーを含有する。

Description

本発明は、電子デバイス作製用組成物、電子デバイス作製用組成物の製造方法、有機薄膜及び有機薄膜の製造方法に関し、特に、有機エレクトロニクス素子などの電子デバイスの作製時に、利用できる溶媒の選択範囲が限られることなく、耐溶媒性に優れ、素子性能にも影響を与えずに、積層された薄膜を有する電子デバイスを製造することを可能とした電子デバイス作製用組成物等に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう。)に代表される有機エレクトロニクス素子の製造方法としては、真空蒸着法による薄膜形成方法が広く利用されている。しかしながら、真空蒸着法による薄膜形成方法は、蒸着のための高真空や高温が必要となり、利用できる化合物の分子量が限られることや、製造装置が大型化するなどの問題が顕在化している。
これらの問題を解決する方法の一つとして、真空蒸着法に代わり、有機化合物を含有する溶液を用いた塗布方式による有機EL素子の製造方法についても盛んに開発が進められている。
しかしながら、複数の有機薄膜が積層された有機EL素子を塗布方式によって形成する場合、先に形成されたある有機化合物を含有する有機薄膜上に、別の有機化合物を含有する溶液を塗布しようと試みると、先に形成された有機薄膜が破壊されてしまうことが多い。
有機EL素子の積層された有機薄膜の効率的な形成方法については、例えば、特許文献1に、塗布方式の一つであるスピンコート法による有機EL素子の製造方法が開示されている。この特許文献1では、有機EL素子を構成する有機化合物や塗布溶媒の選択によって、従来難しいと考えられていた全ての有機層の塗布形成を行っている。すなわち、先行塗布された有機薄膜に、次工程で用いられる溶液への耐性を付与する一つの方法が提案されたと考えてよい。このように特許文献1によって、塗布方式による有機EL素子の製造が可能となったが、各層を構成する有機化合物、塗布溶媒、及び積層の順番などの制約も多く、さらなる改善が望まれていた。
また、塗布方式で有機EL素子の有機薄膜を積層する別の方法として、特許文献2に、ポリマー材料を用いた積層技術が開示されている。ポリマー薄膜の耐溶媒性を利用した方法である。しかしながら、ポリマー材料からなる薄膜層は、ポリマー材料に由来する不純物除去が難しいことから、素子性能の劣化を招くことが知られており、発光輝度などを追及することは難しい。
以上のように、有機薄膜の積層を実現するためにポリマーを用いるか、隣接層を溶かさない溶媒を選択することが一般的である。しかしながら、各有機薄膜に含有する有機化合物を溶解できる溶媒は限られており、また、ポリマー材料を使用した場合には素子性能の劣化を招くことがあり、このような点で製造プロセスには大きな課題がある。
特許第6052324号公報 特開2016−115885号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、電子デバイスの作製時に利用できる溶媒の選択範囲が限られることなく、耐溶媒性に優れ、素子性能にも影響を与えずに、積層された薄膜を有する電子デバイスを製造することを可能とした電子デバイス作製用組成物及びその製造方法、当該電子デバイス作製用組成物を含有した有機薄膜及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、複数積層された有機薄膜を形成する場合、先に形成された有機薄膜に、続いてその上部に塗布される溶液に対する耐溶媒性を付与することが解決方法の一つだと考えた。そこで、少量の添加で効果的に溶液(組成物)の特性を変化させることができるセルロースナノファイバー(CNF)に着目した。
CNFの特性の一つであるチクソ性によって、耐溶媒性の付与が可能となり、有機EL素子の形成にCNFを用いたところ、本来、耐溶媒性を持たない有機薄膜に耐溶媒性を付与することが可能となり、かつ、積層された有機薄膜を容易に形成できることを見いだした。さらに、少量のCNFの添加で積層された有機薄膜の形成が可能であることがわかり、有機EL素子の特性を犠牲にすることなく、目的の有機EL素子を製造することが可能な画期的な方法を見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.電子デバイス用有機材料を含有する電子デバイス作製用組成物であって、
セルロースナノファイバーを含有する電子デバイス作製用組成物。
2.前記セルロースナノファイバーが、0.001〜20000質量ppmの範囲内で含有されている第1項に記載の電子デバイス作製用組成物。
3.インクジェット用インクである第1項又は第2項に記載の電子デバイス作製用組成物。
4.前記セルロースナノファイバーの含有量が、前記電子デバイス用有機材料の質量に対して、5質量%以下である第1項から第3項までのいずれか一項に記載の電子デバイス作製用組成物。
5.前記電子デバイス用有機材料が、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料である第1項から第4項までのいずれか一項に記載の電子デバイス作製用組成物。
6.第1項から第5項までのいずれか一項に記載の電子デバイス作製用組成物の製造方法であって、
前記電子デバイス用有機材料と、前記セルロースナノファイバーとを混合する工程を有する電子デバイス作製用組成物の製造方法。
7.第1項から第5項までのいずれか一項に記載の電子デバイス作製用組成物を含有する有機薄膜。
8.第7項に記載の有機薄膜の製造方法であって、
前記電子デバイス作製用組成物を塗布する工程を有する有機薄膜の製造方法。
本発明の上記手段により、耐溶媒性に優れ、溶媒の選択範囲が広がり、素子性能に影響を与えることもなく、積層された薄膜を有する電子デバイスを製造することを可能とした電子デバイス作製用組成物及びその製造方法、当該電子デバイス作製用組成物を含有した有機薄膜及びその製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
セルロースナノファイバーを含有することで、チクソ性などの他の増粘剤では見られない特殊な効果によって、少量の添加で効果的に増粘効果を発現することができる。すなわち、ナノファイバー同士の水素結合などを介した部分的な結合によって、セルロースナノファイバーのクラスターが形成されることにより、耐溶媒性が向上する。その結果、溶媒の選択範囲が狭まることなく、有機薄膜の積層が可能となり、また、溶媒としてポリマー材料等を使用する必要もないことから、素子性能に影響を与えることもない。さらに、セルロースナノファイバーは電気的にも不活性であることから、素子性能への影響が小さい。
また、セルロースナノファイバーは、膜成分の結晶化を抑制し、層を分断化する効果(異物混入効果)を発現することにより、有機薄膜の状態をアモルファス化する作用効果を有すると推察される。
有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図 表示部Aの模式図 画素の回路を示した概略図 パッシブマトリクス方式フルカラー表示装置の模式図 バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図 タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図
本発明の電子デバイス作製用組成物は、電子デバイス用有機材料を含有する電子デバイス作製用組成物であって、セルロースナノファイバーを含有する。
この特徴は、本実施形態に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記セルロースナノファイバーが、0.001〜20000質量ppmの範囲内で含有されていることが、粘度調整を容易に行うことができ、性能が良好な電子デバイスを作製することができる点で好ましい。
本発明の電子デバイス作製用組成物は、インクジェット用インクであることが、多彩な電子デバイスを製造する点で好ましい。
前記セルロースナノファイバーの含有量が、前記電子デバイス用有機材料の質量に対して、5質量%以下であることが、粘度調整を容易に行うことができ、性能が良好な電子デバイスを作製することができる点で好ましい。
前記電子デバイス用有機材料が、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料であることが、発光素子の長寿命化及び高い発光効率が効果的に得られる点で好ましい。
本発明の電子デバイス作製用組成物の製造方法であって、
前記電子デバイス用有機材料と、前記セルロースナノファイバーとを混合する工程を有する。
本発明の電子デバイス作製用組成物は、有機薄膜に好適に用いられる。
本発明の有機薄膜の製造方法は、前記電子デバイス作製用組成物を塗布する工程を有する。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。また、本発明において「%」や「ppm」等の比率は、質量基準とする。
[本発明の電子デバイス作製用組成物の概要]
本発明の電子デバイス作製用組成物は、電子デバイス用有機材料を含有する電子デバイス作製用組成物であって、セルロースナノファイバーを含有する。
本発明の電子デバイス作製用組成物は、インクジェット法を用いて塗布されるインクジェット用インクであることが好ましい。
なお、本発明において電子デバイス作製用組成物を塗布用に用いるときには、塗布組成物ともいう。
<電子デバイス用有機材料>
本発明に係る電子デバイス用有機材料は、電子デバイスに用いられる有機材料である。
電子デバイスとしては、例えば、有機EL素子、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)、液晶素子、太陽電池(光電変換素子)、タッチパネル、液晶表示装置などのカラーフィルター等が挙げられる。特に、本発明においては、発明の効果の発現の観点から、電子デバイスが有機EL素子であることが好ましく、電子デバイス用有機材料が有機EL素子用有機材料であることが好ましい。
なお、本発明において、電子デバイス用有機材料とは、上記有機材料の固形成分のことをいい、有機溶媒を含まないものとする。
<セルロースナノファイバー>
セルロースナノファイバーの含有量は、電子デバイス作製用組成物の総質量に対して、0.001〜20000質量ppmの範囲内であることが好ましい。
0.001質量ppm以上含有されていれば、粘度調整が容易で、耐溶媒性の効果が十分に得られ、20000質量ppm以下であれば、ゲル化することなく、インクジェット塗布法による目詰まり等が生じることもない。その結果、性能が良好な電子デバイスを作製することができる。
さらに、セルロースナノファイバーの含有量は、電子デバイス用有機材料の質量に対して、5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下である。また、下限値としては、0.000001質量%以上、より好ましくは0.0001質量%以上である。
本発明に係るセルロースナノファイバーとは、セルロースミクロフィブリル又はセルロースミクロフィブリル集合体のことで、幅2〜数百nmオーダーのセルロース繊維のことをいう。
セルロースナノファファイバーは、セルロース材料より製造することができる。セルロース材料は、特に限定されるものではなく、各種木材、非木材パルプ、微生物産生セルロース、バロニアセルロース、ホヤセルロース等の天然セルロースを用いることができ、パルプ化の方法や、精製方法、漂白方法などについて特に限定されない。しかし、より物性を制御し、純度や再現性を高くするためには、漂白済みのパルプや溶解パルプなど精製度の高いセルロース材料を用いることが好ましい。
なお、セルロース材料に目的に応じた化学処理を施した後、解繊処理を行うことにより得られるセルロースナノファイバー(化学変性セルロースナノファイバー)を用いることができる。
セルロースナノファイバーとしては、セリッシュKY100G(ダイセルファインケム(株)製)を使用することが好ましい。
<有機溶媒>
本発明の電子デバイス作製用組成物は、前記電子デバイス用有機材料及びセルロースナノファイバーに加えて、有機溶媒を含有することが好ましい。
本発明において、電子デバイス作製用組成物中に含有される有機溶媒とは、前記電子デバイス用有機材料を溶解又は分散し得る有機化合物からなる液状の媒体をいう。
本発明に係る電子デバイス用有機材料を溶解又は分散する液媒体としては、塩化メチレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の脂肪酸エステル類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(TFPO)等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノールのアルコール類、DMF(N,N-dimethyl formamide)、DMSO(Dimethyl sulfoxide)、エーテル類等の有機溶媒が挙げられ、素子中の含まれる溶媒量を抑制する点から、沸点が50〜180℃の範囲の溶媒が好ましい。
[電子デバイス作製用組成物の製造方法]
本発明の電子デバイス作製用組成物の製造方法は、電子デバイス用有機材料と、セルロースナノファイバーとを混合する工程を有する。
具体的には、電子デバイス用有機材料を、当該電子デバイス用有機材料を溶解又は分散し得る有機溶媒で溶解又は分散した後、例えば、フィルター等でろ過することで、溶液を調製し、次いで、セルロースナノファイバーを添加して混合することにより本発明の電子デバイス作製用組成物を製造することができる。
[有機薄膜]
本発明の有機薄膜は、上記電子デバイス作製用組成物を含有する。
本発明の有機薄膜は、例えば、有機EL素子の有機機能層の少なくとも1層に適用することが好ましい。
後述するが、有機機能層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔阻止層、発光層、電子阻止層、正孔輸送層及び正孔注入層など複数の有機機能層が挙げられるが、これらのうち少なくともいずれか1層の有機機能層に本発明の有機薄膜を用いればよく、特に限定はされないが、これら有機機能層のうち、電子輸送層、正孔阻止層、発光層、電子阻止層又は正孔輸送層のいずれかであることが好ましく、正孔阻止層、発光層、電子阻止層のいずれか1層以上であることがより好ましい。特に、発光層であることが、発光効率及び耐久性の観点で好ましい。
以下、有機EL素子の詳細を説明する。
本発明に係る有機EL素子は、基板上に、陽極と陰極、及びこれらの電極間に挟持された1層以上の有機機能層(「有機EL層」、「有機化合物層」ともいう。)を有している。
(基板)
本発明に係る有機EL素子に用いることのできる基板(以下、基体、支持基板、基材、支持体等ともいう。)としては、特に限定は無く、ガラス基板、プラスチック基板等を用いることができ、また透明であっても不透明であってもよい。基板側から光を取り出す場合には、基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な基板としては、ガラス、石英、透明プラスチック基板を挙げることができる。
また、基板としては、基板側からの酸素や水の侵入を阻止するため、JIS Z−0208に準拠した試験において、その厚さが1μm以上で水蒸気透過度が1g/(m2・24h・atm)(25℃)以下であるものが好ましい。
ガラス基板としては、具体的には、例えば無アルカリガラス、低アルカリガラス、ソーダライムガラス等が挙げられる。水分の吸着が少ない点からは無アルカリガラスが好ましいが、充分に乾燥を行えばこれらのいずれを用いてもよい。
プラスチック基板は、可撓性が高く、軽量で割れにくいこと、さらに有機EL素子のさらなる薄型化を可能にできること等の理由で近年注目されている。
プラスチック基板の基材として用いられる樹脂フィルムとしては、特に限定は無く、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル又はポリアリレート類、有機無機ハイブリッド樹脂等を挙げることができる。
有機無機ハイブリッド樹脂としては、有機樹脂とゾル・ゲル反応によって得られる無機高分子(例えばシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等)を組み合わせて得られるものが挙げられる。これらのうちでは、特にアートン(JSR(株)製)又はアペル(三井化学(株)製)といったノルボルネン(又はシクロオレフィン系)樹脂が好ましい。
通常生産されているプラスチック基板は、水分の透過性が比較的高く、また、基板内部に水分を含有している場合もある。そのため、このようなプラスチック基板を用いる際には、樹脂フィルム上に水蒸気や酸素などの侵入を抑制する膜(以下、「バリアー膜」又は「水蒸気封止膜」という)を設けたものが好ましい。
バリアー膜を構成する材料は、特に限定は無く、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド等が用いられる。被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m2・24h)以下のバリアー性フィルムであることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10-3mL/(m2・24h・atm)以下、水蒸気透過度が、1×10-5g/(m2・24h)以下の高バリアー性フィルムであることが好ましい。
バリアー膜を構成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であれば特に限定は無く、例えば金属酸化物、金属酸窒化物又は金属窒化物等の無機物、有機物、又はその両者のハイブリッド材料等を用いることができる。
金属酸化物、金属酸窒化物又は金属窒化物としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、インジウム・スズ酸化物(ITO)、酸化アルミニウム等の金属酸化物、窒化ケイ素等の金属窒化物、酸窒化ケイ素、酸窒化チタン等の金属酸窒化物等が挙げられる。
さらに、該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリアー膜は、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m2・24h)以下のバリアー性フィルムであることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、10-3mL/(m2・24h・atm)以下、水蒸気透過度が、10-5g/(m2・24h)以下の高バリアー性フィルムであることが好ましい。
前記樹脂フィルムに、バリアー膜を設ける方法は、特に限定されず、いかなる方法でもよいが、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、CVD法(化学的気相堆積:例えば、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法など)、コーティング法、ゾル・ゲル法等を用いることができる。これらのうち、緻密な膜を形成できる点から、大気圧又は大気圧近傍でのプラズマCVD処理による方法が好ましい。
不透明な基板としては、例えば、アルミ、ステンレス等の金属板、フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
(陽極)
有機EL素子の陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、金属の電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。
ここで、「金属の電気伝導性化合物」とは、金属と他の物質との化合物のうち電気伝導性を有するものをいい、具体的には、例えば、金属の酸化物、ハロゲン化物等であって電気伝導性を有するものをいう。
このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウム・スズ酸化物(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。上記陽極は、これらの電極物質からなる薄膜を、蒸着やスパッタリング等の公知の方法により、前記基板上に形成させることで作製することができる。
また、この薄膜にフォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、また、パターン精度を余り必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。
陽極から発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましい。また、陽極としてのシート抵抗は、数百Ω/sq.以下が好ましい。さらに陽極の膜厚は、構成する材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
(有機機能層)
有機機能層(「有機EL層」、「有機化合物層」ともいう。)には少なくとも発光層が含まれるが、発光層とは広義には、陰極と陽極とからなる電極に電流を流した際に発光する層のことを指し、具体的には、陰極と陽極とからなる電極に電流を流した際に発光する有機化合物を含有する層を指す。
本発明に用いられる有機EL素子は、必要に応じ、発光層の他に、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層及び電子輸送層を有していてもよく、これらの層が陰極と陽極とで挟持された構造をとる。
具体的には、
(i)陽極/発光層/陰極
(ii)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(iii)陽極/発光層/電子注入層/陰極
(iv)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
(v)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(vi)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
等の構造が挙げられる。
さらに、電子注入層と陰極との間に、陰極バッファー層(例えば、フッ化リチウム等)を挿入してもよく、陽極と正孔注入層との間に、陽極バッファー層(例えば、銅フタロシアニン等)を挿入してもよい。
(発光層)
本発明に係る発光層は、電極又は電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。発光層は単一の組成を持つ層であってもよいし、同一又は異なる組成をもつ複数の層からなる積層構造であってもよい。
この発光層自体に、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層及び電子輸送層等の機能を付与してもよい。すなわち、発光層に(1)電界印加時に、陽極又は正孔注入層により正孔を注入することができ、かつ陰極又は電子注入層より電子を注入することができる注入機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を発光層内部に提供し、これを発光につなげる発光機能のうちの少なくとも一つの機能を付与してもよい。なお、発光層は、正孔の注入されやすさと電子の注入されやすさに違いがあってもよく、また、正孔と電子の移動度で表される輸送機能に大小があってもよいが、少なくともどちらか一方の電荷を移動させる機能を有するものが好ましい。
この発光層に用いられる発光材料の種類については、特に制限はなく、従来、有機EL素子における発光材料として公知のものを用いることができる。このような発光材料は、主に有機化合物であり、所望の色調により、例えば、Macromol.Symp.125巻17〜26頁に記載の化合物が挙げられる。また、発光材料はp−ポリフェニレンビニレンやポリフルオレンのような高分子材料でもよく、さらに前記発光材料を側鎖に導入した高分子材料や前記発光材料を高分子の主鎖とした高分子材料を使用してもよい。なお、上述したように、発光材料は、発光性能の他に、正孔注入機能や電子注入機能を併せ持っていてもよいため、後述する正孔注入材料や電子注入材料のほとんどが発光材料としても使用できる。
有機EL素子を構成する層において、その層が2種以上の有機化合物で構成されるとき、主成分をホスト、その他の成分をドーパントといい、本発明の発光層においてホストとドーパントを併用する場合、主成分であるホスト化合物に対する発光層のドーパント(以下発光ドーパントともいう)の混合比は好ましくは質量で0.1〜30質量%未満である。
発光層に用いるドーパントは、大きく分けて、蛍光を発光する蛍光性ドーパントとリン光を発光するリン光性ドーパントの2種類がある。
蛍光性ドーパントの代表例としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、又は希土類錯体系蛍光体、その他公知の蛍光性化合物等が挙げられる。
本発明においては、少なくとも1層の発光層がリン光性化合物を含有するのが好ましい。
本発明においてリン光性化合物とは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、リン光量子収率が25℃において0.001以上の化合物である。
リン光量子収率は、好ましくは0.01以上、さらに好ましくは0.1以上である。上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に用いられるリン光性化合物は、任意の溶媒のいずれかにおいて上記リン光量子収率が達成されればよい。
リン光性ドーパントはリン光性化合物であり、その代表例としては、好ましくは元素の周期律表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくは、イリジウム化合物、オスミウム化合物、ロジウム化合物、パラジウム化合物、又は白金化合物(白金錯体系化合物)であり、中でも好ましくはイリジウム化合物、ロジウム化合物、白金化合物であり、最も好ましくはイリジウム化合物である。
ドーパントの例としては、以下の文献又は特許公報に記載されている化合物である。J.Am.Chem.Soc.123巻4304〜4312頁、国際公開第2000/70655号、同2001/93642号、同2002/02714号、同2002/15645号、同2002/44189号、同2002/081488号、特開2002−280178号公報、同2001−181616号公報、同2002−280179号公報、同2001−181617号公報、同2002−280180号公報、同2001−247859号公報、同2002−299060号公報、同2001−313178号公報、同2002−302671号公報、同2001−345183号公報、同2002−324679号公報、同2002−332291号公報、同2002−50484号公報、同2002−332292号公報、同2002−83684号公報、特表2002−540572号公報、特開2002−117978号公報、同2002−338588号公報、同2002−170684号公報、同2002−352960号公報、同2002−50483号公報、同2002−100476号公報、同2002−173674号公報、同2002−359082号公報、同2002−175884号公報、同2002−363552号公報、同2002−184582号公報、同2003−7469号公報、特表2002−525808号公報、特開2003−7471号公報、特表2002−525833号公報、特開2003−31366号公報、同2002−226495号公報、同2002−234894号公報、同2002−235076号公報、同2002−241751号公報、同2001−319779号公報、同2001−319780号公報、同2002−62824号公報、同2002−100474号公報、同2002−203679号公報、同2002−343572号公報、同2002−203678号公報等。
以下にリン光性ドーパントの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2018168225
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Figure 2018168225
発光ドーパントは1種のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよく、これらドーパントからの発光を同時に取り出すことにより、複数の発光極大波長を持つ発光素子を構成することもできる。また、例えばリン光性ドーパントと、蛍光性ドーパントの両方が加えられていてもよい。複数の発光層を積層して有機EL素子を構成する場合、それぞれの層に含有される発光ドーパントは同じであっても異なっていても、単一種類であっても複数種類であってもよい。
さらには、前記発光ドーパントを高分子鎖に導入した、又は前記発光ドーパントを高分子の主鎖とした高分子材料を使用してもよい。
上記ホスト化合物としては、例えば、カルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、芳香族ボラン誘導体、含窒素複素環化合物、チオフェン誘導体、フラン誘導体、オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有するものが挙げられ、後述の電子輸送材料及び正孔輸送材料もその相応しい一例として挙げられる。
青色又は白色の発光素子、表示装置及び照明装置に適用する場合には、ホスト化合物の蛍光極大波長が415nm以下であることが好ましく、リン光性ドーパントを用いる場合、ホスト化合物のリン光の0−0バンドが450nm以下であることがさらに好ましい。発光ホストとしては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、かつ、発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。
発光ホストの具体例としては、例えば以下の文献に記載されている化合物が好適である。
特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等。
発光ドーパントはホスト化合物を含有する層全体に分散されていてもよいし、部分的に分散されていてもよい。発光層にはさらに別の機能を有する化合物が加えられていてもよい。
上記の材料を用いて、例えば蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット転写法、印刷法等の公知の方法により薄膜化することにより、発光層を形成することができるが、形成された発光層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。
ここで、分子堆積膜とは、上記化合物の気相状態から沈着され形成された薄膜や、該化合物の溶融状態又は液相状態から固体化され形成された膜のことである。通常、この分子堆積膜とLB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは、凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区別することができる。
本発明においては、上記の発光材料であるリン光性ドーパント及びホスト化合物を本発明に係る電子デバイス用有機材料として用いることが好ましい。すなわち、発光層を、当該リン光性ドーパント及びホスト化合物と、有機溶媒と、セルロースナノファイバーを含む溶液(電子デバイス作製用組成物)を、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、スプレー法、印刷法、スロット型コータ法等の塗布によって形成することが、分子堆積膜からなる発光層を形成することができるため好ましい。中でも、均質な膜が得られやすく、かつ、ピンホールが生成しにくい等の観点から、インクジェット法が好ましい。
そして、当該リン光性ドーパント及びホスト化合物と、有機溶媒と、セルロースナノファイバーを含む塗布液において、50℃以下、大気圧条件下での有機溶媒に対する溶存二酸化炭素濃度を1ppm〜前記有機溶媒に対する飽和濃度とすることが好ましい。溶存二酸化炭素濃度を上記範囲とする手段としては、リン光性ドーパント及びホスト化合物と、有機溶媒とを含む溶液に炭酸ガスをバブリングする方法、又は、有機溶媒及び二酸化炭素を含有する超臨界流体を用いた超臨界クロマトグラフィー法が挙げられる。
(正孔注入層及び正孔輸送層)
正孔注入層に用いられる正孔注入材料は、正孔の注入、電子の障壁性のいずれかを有するものである。また、正孔輸送層に用いられる正孔輸送材料は、電子の障壁性を有するとともに正孔を発光層まで輸送する働きを有するものである。したがって、本発明においては、正孔輸送層は正孔注入層に含まれる。
これら正孔注入材料及び正孔輸送材料は、有機物、無機物のいずれであってもよい。具体的には、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、ポルフィリン化合物、チオフェンオリゴマー等の導電性高分子オリゴマーが挙げられる。これらのうちでは、アリールアミン誘導体及びポルフィリン化合物が好ましい。
アリールアミン誘導体の中では、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物が好ましく、芳香族第三級アミン化合物がより好ましい。
上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)ビフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5061569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(以下、α−NPDと略す。)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが三つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料として使用することができる。
また、本発明においては、正孔輸送層の正孔輸送材料は、415nm以下に蛍光極大波長を有することが好ましい。すなわち、正孔輸送材料は、正孔輸送能を有しつつかつ、発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tgである化合物が好ましい。
正孔注入層及び正孔輸送層は、上記正孔注入材料及び正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法、転写法、印刷法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。
本発明においては、上記正孔注入材料及び正孔輸送材料を、本発明に係る電子デバイス用有機材料として用いることが好ましい。そして、上記正孔注入材料及び正孔輸送材料と、有機溶媒と、セルロースナノファイバーを含む溶液(電子デバイス作製用組成物)を、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、スプレー法、印刷法、スロット型コータ法等の塗布によって形成することが好ましい。中でも、均質な膜が得られやすく、かつ、ピンホールが生成しにくい等の観点から、インクジェット法が好ましい。
正孔注入層及び正孔輸送層の厚さについては、特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度である。なお、上記正孔注入層及び正孔輸送層は、それぞれ上記材料の1種又は2種以上からなる1層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。また、正孔注入層と正孔輸送層を両方設ける場合には、上記の材料のうち、通常、異なる材料を用いるが、同一の材料を用いてもよい。
(電子注入層及び電子輸送層)
電子注入層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
この電子注入層に用いられる材料(以下、電子注入材料ともいう)の例としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。
また、特開昭59−194393号公報に記載されている一連の電子伝達性化合物は、該公報では発光層を形成する材料として開示されているが、本発明者らが検討の結果、電子注入材料として用いうることが分かった。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子注入材料として用いることができる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3と略す。)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も電子注入材料として用いることができる。
その他、メタルフリーやメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも電子注入材料として好ましく用いることができる。また、正孔注入層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子注入材料として用いることができる。
電子輸送層に用いられる好ましい化合物は、415nm以下に蛍光極大波長を有することが好ましい。すなわち、電子輸送層に用いられる化合物は、電子輸送能を有しつつかつ、発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tgである化合物が好ましい。
電子注入層は、上記電子注入材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法、転写法、印刷法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。
本発明においては、上記電子注入材料を、本発明に係る電子デバイス用有機材料として用いることが好ましい。そして、上記電子注入材料と、有機溶媒と、セルロースナノファイバーを含む溶液(電子デバイス作製用組成物)を、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、スプレー法、印刷法、スロット型コータ法等の塗布によって形成することが好ましい。中でも、均質な膜が得られやすく、かつ、ピンホールが生成しにくい等の観点から、インクジェット法が好ましい。
また、電子注入層としての厚さは特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。この電子注入層は、これらの電子注入材料の1種又は2種以上からなる1層構造であってもよいし、又は同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
なお、本明細書においては、前記電子注入層のうち、発光層と比較してイオン化エネルギーが大きい場合には、特に電子輸送層と呼ぶこととする。したがって、本明細書においては、電子輸送層は電子注入層に含まれる。
上記電子輸送層は、正孔阻止層(ホールブロック層)ともいわれ、その例としては、例えば、国際公開第2000/70655号、特開2001−313178号公報、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第237頁等に記載されているものが挙げられる。特に発光層にオルトメタル錯体系ドーパントを用いるいわゆる「リン光発光素子」においては、前記(v)及び(vi)のように電子輸送層(正孔阻止層)を有する構成を採ることが好ましい。
(バッファー層)
陽極と発光層又は正孔注入層の間、及び、陰極と発光層又は電子注入層との間には、バッファー層(電極界面層)を存在させてもよい。
バッファー層とは、駆動電圧低下や発光効率向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(第123〜166頁)に詳細に記載されており、陽極バッファー層と陰極バッファー層とがある。
陽極バッファー層は、特開平9−45479号、同9−260062号、同8−288069号等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層は、特開平6−325871号、同9−17574号、同10−74586号等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
上記バッファー層はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その厚さは0.1〜100nmの範囲が好ましい。さらに、上記基本構成層の他に、必要に応じてその他の機能を有する層を適宜積層してもよい。
(陰極)
上述のように有機EL素子の陰極としては、一般に仕事関数の小さい(4eV未満)金属(以下、電子注入性金属と称する)、合金、金属の電気伝導性化合物又はこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。
このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、インジウム、希土類金属、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が挙げられる。
本発明においては、上記に列挙したものを陰極の電極物質として用いてもよいが、本発明の効果をより有効に発揮させる点からは、陰極は第13族金属元素を含有してなることが好ましい。すなわち本発明では、後述するように陰極の表面をプラズマ状態の酸素ガスで酸化して、陰極表面に酸化皮膜を形成することにより、それ以上の陰極の酸化を防止し、陰極の耐久性を向上させることができる。
したがって、陰極の電極物質としては、陰極に要求される好ましい電子注入性を有する金属であって、緻密な酸化皮膜を形成しうる金属であることが好ましい。
前記第13族金属元素を含有してなる陰極の電極物質としては、具体的には、例えば、アルミニウム、インジウム、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が挙げられる。なお、上記混合物の各成分の混合比率は、有機EL素子の陰極として従来公知の比率を採用することができるが、特にこれに限定されない。上記陰極は、上記の電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、前記有機化合物層(有機EL層)上に薄膜形成することにより、作製することができる。
また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/sq.以下が好ましく、膜厚は、通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光光を透過させるために、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方を透明又は半透明にすると、発光効率が向上して好ましい。
[有機薄膜の製造方法]
本発明の有機薄膜の製造方法は、前記電子デバイス作製用組成物を塗布する工程を有する。
本発明の有機薄膜が、上述した有機EL素子の有機機能層に用いられる場合の有機薄膜の製造方法、すなわち、有機EL素子の作製方法について説明する。
有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製方法について説明する。
まず適当な基体上に、所望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10〜200nmの厚さになるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極を作製する。次に、この上に素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層の有機化合物薄膜(有機薄膜)を形成させる。
これらの有機薄膜の薄膜化の方法としては、上述したように、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、スプレー法、蒸着法、印刷法、スロットコート法等があるが、均質な膜が得られやすく、かつ、ピンホールが生成しにくい等の点と、本発明においては、本発明に係る電子デバイス作製用組成物を用いることができる点でインクジェット法が好ましい。
また、層ごとに異なる成膜法を適用してもよい。成膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10-6〜10-2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、厚さ0.1nm〜5μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲の厚さになるように、例えば蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより、所望の有機EL素子が得られる。この有機EL素子の作製は、1回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる成膜法を施してもかまわない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
[有機EL素子の封止]
有機EL素子の封止手段としては、特に限られないが、例えば、有機EL素子の外周部を封止用接着剤で封止した後、有機EL素子の発光領域を覆うように封止部材を配置する方法が挙げられる。
封止用接着剤としては、例えば、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子を薄膜化することできる観点から、ポリマーフィルム及び金属フィルムを好ましく使用することができる。
封止部材と有機EL素子の発光領域との間隙には、封止用接着剤の他には、気相及び液相では窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することもできる。また、封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙を真空とすることや、間隙に吸湿性化合物を封入することもできる。
[表示装置]
上記有機EL素子を用いる多色表示装置は、発光層形成時のみシャドーマスクを設け、他層は共通であるので、シャドーマスク等のパターニングは不要であり、一面に蒸着法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等で膜を形成できる。
発光層のみパターニングを行う場合、その方法に限定はないが、好ましくは蒸着法、インクジェット法、印刷法である。蒸着法を用いる場合においてはシャドーマスクを用いたパターニングが好ましい。
また、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
このようにして得られた多色表示装置に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
多色表示装置は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。表示デバイス、ディスプレイにおいて、青、赤、緑発光の3種の有機EL素子を用いることにより、フルカラーの表示が可能となる。
表示デバイス、ディスプレイとしてはテレビ、パソコン、モバイル機器、AV機器、文字放送表示、自動車内の情報表示等が挙げられる。特に静止画像や動画像を再生する表示装置として使用してもよく、動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリックス(パッシブマトリックス)方式でもアクティブマトリックス方式でもどちらでもよい。
発光光源としては家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではない。
また、本発明に係る有機EL素子に共振器構造を持たせた有機EL素子として用いてもよい。
このような共振器構造を有した有機EL素子の使用目的としては、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるが、これらに限定されない。また、レーザー発振をさせることにより、上記用途に使用してもよい。
本発明に係る有機EL素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は、単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。又は、異なる発光色を有する本発明の有機EL素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。
本発明に係る有機EL素子から構成される表示装置の一例を図面に基づいて以下に説明する。
図1は、有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図である。
有機EL素子の発光により画像情報の表示を行う、例えば、携帯電話等のディスプレイの模式図である。ディスプレイ41は、複数の画素を有する表示部A、画像情報に基づいて表示部Aの画像走査を行う制御部B等からなる。制御部Bは、表示部Aと電気的に接続され、複数の画素それぞれに外部からの画像情報に基づいて走査信号と画像データ信号を送り、走査信号により走査線毎の画素が画像データ信号に応じて順次発光して画像走査を行って画像情報を表示部Aに表示する。
図2は、表示部Aの模式図である。表示部Aは基板上に、複数の走査線55及びデータ線56を含む配線部と、複数の画素53等とを有する。表示部Aの主要な部材の説明を以下に行う。
図2においては、画素53の発光した光が、白矢印方向(下方向)へ取り出される場合を示している。配線部の走査線55及び複数のデータ線56は、それぞれ導電材料からなり、走査線55とデータ線56は格子状に直交して、直交する位置で画素53に接続している(詳細は図示せず)。画素53は、走査線55から走査信号が印加されると、データ線56から画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光する。発光の色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素を、適宜、同一基板上に並置することによって、フルカラー表示が可能となる。
次に、画素の発光プロセスを説明する。
図3は、画素の回路を示した概略図である。画素は、有機EL素子60、スイッチングトランジスタ61、駆動トランジスタ62、コンデンサー63等を備えている。複数の画素に有機EL素子60として、赤色、緑色、青色発光の有機EL素子を用い、これらを同一基板上に並置することでフルカラー表示を行うことができる。
図3において、制御部B(図3には図示せず、図1に示す。)からデータ線56を介してスイッチングトランジスタ61のドレインに画像データ信号が印加される。そして、制御部Bから走査線55を介してスイッチングトランジスタ61のゲートに走査信号が印加されると、スイッチングトランジスタ61の駆動がオンし、ドレインに印加された画像データ信号がコンデンサー63と駆動トランジスタ62のゲートに伝達される。
画像データ信号の伝達により、コンデンー63が画像データ信号の電位に応じて充電されるとともに、駆動トランジスタ62の駆動がオンする。駆動トランジスタ62は、ドレインが電源ライン67に接続され、ソースが有機EL素子60の電極に接続されており、ゲートに印加された画像データ信号の電位に応じて電源ライン67から有機EL素子60に電流が供給される。
制御部Bの順次走査により走査信号が次の走査線55に移ると、スイッチングトランジスタ61の駆動がオフする。しかし、スイッチングトランジスタ61の駆動がオフしてもコンデンサー63は充電された画像データ信号の電位を保持するので、駆動トランジスタ62の駆動はオン状態が保たれて、次の走査信号の印加が行われるまで有機EL素子60の発光が継続する。順次走査により、次に走査信号が印加されたとき、走査信号に同期した次の画像データ信号の電位に応じて駆動トランジスタ62が駆動して有機EL素子60が発光する。すなわち、有機EL素子60の発光は、複数の画素それぞれの有機EL素子60に対して、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタ61と駆動トランジスタ62を設けて、複数の画素53(図3には図示せず、図2に示す。)それぞれの有機EL素子60の発光を行っている。このような発光方法をアクティブマトリクス方式と呼んでいる。
ここで、有機EL素子60の発光は、複数の階調電位を持つ多値の画像データ信号による複数の階調の発光でもよいし、2値の画像データ信号による所定の発光量のオン、オフでもよい。
また、コンデンサー63の電位の保持は、次の走査信号の印加まで継続して保持してもよいし、次の走査信号が印加される直前に放電させてもよい。
本発明においては、上述したアクティブマトリクス方式に限らず、走査信号が走査されたときのみデータ信号に応じて有機EL素子を発光させるパッシブマトリクス方式の発光駆動でもよい。
図4は、パッシブマトリクス方式による表示装置の模式図である。図4において、複数の走査線55と複数の画像データ線56が画素53を挟んで対向して格子状に設けられている。順次走査により走査線55の走査信号が印加されたとき、印加された走査線55に接続している画素53が画像データ信号に応じて発光する。パッシブマトリクス方式では画素53にアクティブ素子が無く、製造コストの低減を図ることができる。
[光電変換素子及び太陽電池]
本発明の有機薄膜は、例えば、光電変換素子の有機機能層に適用することが好ましい。
以下、光電変換素子及び太陽電池の詳細を説明する。
図5は、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子からなるシングル構成(バルクヘテロジャンクション層が1層の構成)の太陽電池の一例を示す断面図である。
図5において、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子200は、基板201の一方面上に、透明電極(陽極)202、正孔輸送層207、バルクヘテロジャンクション層の光電変換部204、電子輸送層(又はバッファー層ともいう。)208及び対極(陰極)203が順次積層されている。
基板201は、順次積層された透明電極202、光電変換部204及び対極203を保持する部材である。本実施形態では、基板201側から光電変換される光が入射するので、基板201は、この光電変換される光を透過させることが可能な、すなわち、この光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。基板201は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が用いられる。この基板201は、必須ではなく、例えば、光電変換部204の両面に透明電極202及び対極203を形成することでバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子200が構成されてもよい。
光電変換部204は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を有して構成される。p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプター)として機能する。ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与又は受容するものではなく、光反応によって、電子を供与又は受容するものである。
図5において、基板201を介して透明電極202から入射された光は、光電変換部204のバルクヘテロジャンクション層における電子受容体又は電子供与体で吸収され、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。発生した電荷は、内部電界、例えば、透明電極202と対極203の仕事関数が異なる場合では透明電極202と対極203との電位差によって、電子は電子受容体間を通り、また正孔は電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極へ運ばれ光電流が検出される。例えば、透明電極202の仕事関数が対極203の仕事関数よりも大きい場合では、電子は透明電極202へ、正孔は対極203へ輸送される。なお、仕事関数の大小が逆転すれば、電子と正孔はこれとは逆方向に輸送される。また、透明電極202と対極203との間に電位をかけることにより、電子と正孔の輸送方向を制御することもできる。
なお、図5には記載していないが、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子注入層、正孔注入層、又は平滑化層等の他の層を有していてもよい。
また、さらなる太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、このような光電変換素子を積層した、タンデム型の構成(バルクヘテロジャンクション層を複数有する構成)であってもよい。
図6は、タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。タンデム型構成の場合、基板201上に、順次透明電極202、第1の光電変換部209を積層した後、電荷再結合層(中間電極)205を積層した後、第2の光変換部206、次いで対極203を積層することで、タンデム型の構成とすることができる。
上記のような層に用いることができる材料については、例えば、特開2015−149483号公報の段落0045〜0113に記載のn型半導体材料、及びp型半導体材料が挙げられる。
(バルクヘテロジャンクション層の形成方法)
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、前述の正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有する素子を作製するためには、塗布法が好ましい。また塗布法は、製造速度にも優れている。
本発明においては、上記のバルクヘテロジャンクション層を構成するn型半導体材料及びp型半導体材料を本発明に係る電子デバイス用有機材料として用いることができる。すなわち、バルクヘテロジャンクション層を、当該n型半導体材料及びp型半導体材料と、有機溶媒と、セルロースナノファイバーを含む溶液を、塗布によって形成することが好ましく、当該n型半導体材料及びp型半導体材料と、有機溶媒と、セルロースナノファイバーを含む塗布液において、50℃以下、大気圧条件下での有機溶媒に対する溶存二酸化炭素濃度を1ppm〜前記有機溶媒に対する飽和濃度とすることが好ましい。
溶存二酸化炭素濃度を上記範囲とする手段としては、上述したように、n型半導体材料及びp型半導体材料と、有機溶媒と、セルロースナノファイバーを含む溶液に炭酸ガスをバブリングする方法、又は、有機溶媒及び二酸化炭素を含有する超臨界流体を用いた超臨界クロマトグラフィー法が挙げられる。
塗布後は残留溶媒及び水分、ガスの除去、及び半導体材料の結晶化による移動度向上・吸収長波化を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。製造工程中において所定の温度でアニール処理されると、微視的に一部が配列又は結晶化が促進され、バルクヘテロジャンクション層を適切な相分離構造とすることができる。その結果、バルクヘテロジャンクション層のキャリア移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。
光電変換部(バルクヘテロジャンクション層)204は、電子受容体と電子供与体とが均一に混在された単一層で構成してもよいが、電子受容体と電子供与体との混合比を変えた複数層で構成してもよい。
次に、有機光電変換素子を構成する電極について説明する。
有機光電変換素子は、バルクヘテロジャンクション層で生成した正電荷と負電荷とが、それぞれp型有機半導体材料、及びn型有機半導体材料を経由して、それぞれ透明電極及び対極から取り出され、電池として機能するものである。それぞれの電極には、電極を通過するキャリアに適した特性が求められる。
(対極)
本発明において対極(陰極)とは、電子を取り出す電極のことが好ましい。例えば、陰極として用いる場合、導電材単独層であってもよいが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。
対極材料としては、十分な導電性を有し、かつ前記n型半導体材料と接合したときにショットキーバリアーを形成しない程度に近い仕事関数を有し、かつ劣化しないことが求められる。つまりバルクヘテロジャンクション層に用いるn型半導体材料のLUMOよりも0〜0、3eV大きい仕事関数を有する金属であることが好ましく、4.0〜5.1eVの仕事関数であることが好ましい。他方で正孔を取り出す透明電極(陽極)より仕事関数が深くなることは好ましくなく、n型半導体材料より浅い仕事関数の金属では層間抵抗が発生することがあるため、実際には4.2〜4.8eVの仕事関数を有する金属であることが好ましい。したがって、アルミニウム、金、銀、銅、インジウム、又は酸化亜鉛、ITO、酸化チタン等の酸化物系の材料でも好ましい。より好ましくは、アルミニウム、銀、銅であり、さらに好ましくは銀である。
なおこれらの金属の仕事関数は、同様に紫外光電子分光法(UPS)を利用して測定することができる。
なお、必要に応じて合金にしてもよく、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。対極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
また、対極側を光透過性とする場合は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、銀及び銀化合物等の対極に適した導電性材料を薄く1〜20nm程度の膜厚で作製した後、導電性光透過性材料の膜を設けることで、光透過性対極とすることができる。
(透明電極)
本発明において透明電極とは、正孔を取り出す電極のことが好ましい。例えば、陽極として用いる場合、好ましくは380〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウム・スズ酸化物(ITO)、SnO2、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ用いることができる。
また、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリジアセチレン及びポリナフタレンの各誘導体からなる群より選ばれる導電性高分子等も用いることができる。また、これらの導電性化合物を複数組み合わせて透明電極とすることもできる。
(中間電極)
また、タンデム構成の場合に必要となる中間電極の材料としては、透明性と導電性を併せ持つ化合物を用いた層であることが好ましく、前記透明電極で用いたような材料(ITO、AZO、FTO、酸化チタン等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au等の非常に薄い金属層又はナノ粒子・ナノワイヤーを含有する層、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子材料等)を用いることができる。
なお前述した正孔輸送層と電子輸送層の中には、適切に組み合わせて積層することで中間電極(電荷再結合層)として働く組み合わせもあり、このような構成とすると1層形成する工程を省くことができ好ましい。
次に、電極及びバルクヘテロジャンクション層以外を構成する材料について述べる。
(正孔輸送層及び電子ブロック層)
本発明の有機光電変換素子は、バルクヘテロジャンクション層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため、バルクヘテロジャンクション層と透明電極との中間には正孔輸送層・電子ブロック層を有していることが好ましい。
これらの層を構成する材料としては、例えば、正孔輸送層としては、ヘレウス社製Clevious等のPEDOT、ポリアニリン及びそのドープ材料、WO2006/019270号等に記載のシアン化合物等を用いることができる。
なお、バルクヘテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料のLUMO準位よりも浅いLUMO準位を有する正孔輸送層には、バルクヘテロジャンクション層で生成した電子を透明電極側には流さないような整流効果を有する、電子ブロック機能が付与される。このような正孔輸送層は、電子ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する正孔輸送層を使用する方が好ましい。このような材料としては、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。また、バルクヘテロジャンクション層に用いたp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。バルクヘテロジャンクション層を形成する前に、下層に塗布膜を形成すると塗布面をレベリングする効果があり、リーク等の影響が低減するため好ましい。
(電子輸送層、正孔ブロック層及びバッファー層)
本発明の有機光電変換素子は、バルクヘテロジャンクション層と対極との中間には電子輸送層・正孔ブロック層・バッファー層を形成することで、バルクヘテロジャンクション層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため、これらの層を有していることが好ましい。
また、電子輸送層としては、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)を用いることができるが、同様に、バルクヘテロジャンクション層に用いられるp型半導体材料のHOMO準位よりも深いHOMO準位を有する電子輸送層には、バルクヘテロジャンクション層で生成した正孔を対極側には流さないような整流効果を有する、正孔ブロック機能が付与される。このような電子輸送層は、正孔ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する電子輸送層を使用する方が好ましい。このような材料としては、バソキュプロイン等のフェナントレン系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物、バルクヘテロジャンクション層に用いたn型半導体材料単体からなる層等を用いることもできる。
また、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。
これらの中でも、さらに有機半導体分子をドープし、前記金属電極(陰極)との電気的接合を改善する機能も有する、アルカリ金属化合物を用いることが好ましい。アルカリ金属化合物層の場合には、特にバッファー層ということもある。
(その他の層)
エネルギー変換効率の向上や、素子寿命の向上を目的に、各種中間層を素子内に有する構成としてもよい。中間層の例としては、正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔注入層、電子注入層、励起子ブロック層、UV吸収層、光反射層、波長変換層等を挙げることができる。
(基板)
基板側から光電変換される光が入射する場合、基板はこの光電変換される光を透過させることが可能な、すなわち、この光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。基板は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。
本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚さ等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
また、酸素及び水蒸気の透過を抑制する目的で、透明基板にはバリアーコート層があらかじめリン光形成されていてもよい。
(光学機能層)
本発明に係る有機光電変換素子は、太陽光のより効率的な受光を目的として、各種の光学機能層を有していてよい。光学機能層としては、例えば、反射防止膜、マイクロレンズアレイ等の集光層、対極で反射した光を散乱させて再度バルクヘテロジャンクション層に入射させることができるような光拡散層等を設けてもよい。
反射防止層としては、各種公知の反射防止層を設けることができるが、例えば、透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基板と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。
集光層としては、例えば、支持基板の太陽光受光側にマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、又はいわゆる集光シートと組み合わせたりすることにより特定方向からの受光量を高めたり、逆に太陽光の入射角度依存性を低減することができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10〜100μmの範囲内が好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付き、大きすぎると厚さが厚くなり好ましくない。
また、光散乱層としては、各種のアンチグレア層、金属又は各種無機酸化物等のナノ粒子・ナノワイヤー等を無色透明なポリマーに分散した層等を挙げることができる。
(パターニング)
本発明に係る電極、発電層、正孔輸送層、電子輸送層等をパターニングする方法やプロセスには特に制限はなく、公知の手法を適宜適用することができる。
バルクヘテロジャンクション層、輸送層等の可溶性の材料であれば、ダイコート、ディップコート等の全面塗布後に不要部だけ拭き取ってもよいし、インクジェット法やスクリーン印刷等の方法を使用して塗布時に直接パターニングしてもよい。
電極材料等の不溶性の材料の場合は、電極を真空堆積時にマスク蒸着を行ったり、エッチング又はリフトオフ等の公知の方法によってパターニングしたりすることができる。また、別の基板上に形成したパターンを転写することによってパターンを形成してもよい。
(封止)
また、作製した有機光電変換素子が環境中の酸素、水分等で劣化しないために、有機光電変換素子だけでなく有機エレクトロルミネッセンス素子等で公知の手法によって封止することが好ましい。例えば、アルミ又はガラスでできたキャップを接着剤によって接着することによって封止する手法、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリアー層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上を接着剤で貼合する手法、ガスバリアー性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をスピンコートする方法、ガスバリアー性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)又は有機膜(パリレン等)を真空下で堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り、「質量部」又は「質量%」を表す。
以下に、実施例で使用する化合物を示す。
Figure 2018168225
[実施例1]
《塗布組成物1−1〜1−7、1−11〜1−20の作製》
下記表Iに示す固形成分(電子デバイス用有機材料)を表Iに示す溶媒で溶解した後、疎水性PVDF(ポリフッ化ビニリデン)0.45μmフィルター(ワットマン社製)にてろ過することで、室温、大気雰囲気下で塗布組成物1−1〜1−7を調製した。
次に、塗布組成物1−1〜1−7にそれぞれセルロースナノファイバー(セリッシュKY100G、ダイセルファインケム(株)製)を2mg添加し、塗布組成物1−11〜1−17をそれぞれ得た。
また、セルロースナノファイバーの添加量を下記表Iに示すとおりに変更し、塗布組成物(電子デバイス作製用組成物)1−18〜1−20をそれぞれ得た。なお、セルロースナノファイバーの塗布組成物全体に対する含有量(質量ppm)は、ppmオーダー以下の数値を四捨五入した結果の数値を示している。
《薄膜の形成》
50mm×50mmのガラス上にインジウム・スズ酸化物(ITO)を150nm成膜した基板(NHテクノグラス社製:NA−45)をiso−プロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行い、透明支持基板を得た。
この基板上に、塗布組成物1−1〜1−7及び1−11〜1−20をインクジットヘッド(コニカミノルタ社製「KM512L」)を搭載したインクジェット描画装置を用いて、インクジェット法により成膜し、真空中150℃で3時間加熱を行い、薄膜のリンス前評価試料1−1〜1−7及び1−11〜1−19を得たが、塗布組成物1−20を用いた場合は、ヘッド目詰まりを起こし成膜できなかったため押出し塗布にて成膜した。
《薄膜の耐溶媒性評価》
次に、薄膜のリンス前評価試料1−1をスピンコーターにセットし、表Iに記載の溶媒6mlを用い、1000rpm、300秒の条件下、スピンコート法で前記溶媒によるリンス処理を施し、真空中150℃で3時間加熱を行い、リンス処理後のリンス後評価試料1−1を得た。リンス前評価試料1−2〜1−7及び1−11〜1−20についても同様の処理を行い、リンス後評価試料1−2〜1−7及び1−11〜1−20を得た。
リンス処理実施前後の360nmの吸光度を分光光度計(日立UV−3300)にて測定し、各試料のリンス処理後の薄膜の残存率を次式により求め、薄膜の耐久性(耐溶媒性)を示す指標とした。
ここで、リンス処理とは、耐溶媒性評価のためにセットされている薄膜の上に溶媒を塗布し、前記薄膜を構成する化合物を溶解し、洗い落とす処理をいう。
残存率=(リンス処理後の吸光度)/(リンス処理前の吸光度)×100
残存率が10%未満のものを「×」、10%以上〜60%未満のものを「△」、60%以上のものを「○」とし、結果を表Iに示した。
Figure 2018168225
表Iに示す結果から、本発明の塗布組成物(電子デバイス作製用組成物)から作製した薄膜(有機薄膜)は、耐溶媒性に優れることがわかる。
[実施例2]
《有機EL素子2−1の作製》
(1.1)ガスバリアー性の可撓性フィルムの作製
可撓性フィルムとして、ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製フィルム、以下、PENと略記する)の第1電極を形成する側の全面に、特開2004−68143号に記載の構成からなる大気圧プラズマ放電処理装置を用いて、連続して可撓性フィルム上に、SiOxからなる無機物のガスバリアー膜を厚さ500nmとなるように形成し、酸素透過度0.001mL/(m2・24h・atm)以下、水蒸気透過度0.001g/(m2・24h)以下のガスバリアー性の可撓性フィルムを作製した。
(1.2)第1電極層の形成
準備したガスバリアー性の可撓性フィルム上に厚さ120nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)をスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、第1電極層(陽極)を形成した。なお、パターンは発光面積が50mm平方になるようなパターンとした。
(1.3)正孔注入層の形成
パターニング後のインジウム・スズ酸化物(ITO)基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。この基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSSと略記、Clevious P VP AI 4083(へレウス社製))を純水で70%に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコート法により成膜した後、200℃にて1時間乾燥し、厚さ30nmの正孔注入層を設けた。
(1.4)正孔輸送層の形成
正孔注入層形成後の基板を、窒素ガス(グレードG1)を用いた窒素雰囲気下に移し、上記実施例1で作製した塗布組成物1−1をインクジェット法にて成膜した後、160℃で30分間保持し、厚さ30nmの正孔輸送層とした。
(1.5)発光層の形成
次いで、上記実施例1で作製した塗布組成物1−4をインクジェット法にて成膜した後、120℃で30分間保持し厚さ40nmの発光層を形成した。
(1.6)電子輸送層の形成
続いて、上記実施例1で作製した塗布組成物1−6を、インクジェット法にて成膜した後、120℃で30分間保持し、厚さ30nmの電子輸送層とした。
(1.7)電子注入層、陰極の形成
続いて、基板を大気に曝露することなく真空蒸着装置へ取り付けた。また、モリブデン製抵抗加熱ボートにフッ化ナトリウム及びフッ化カリウムを入れたものを真空蒸着装置に取り付け、真空槽を4×10-5Paまで減圧した後、前記ボートに通電して加熱して、フッ化ナトリウムを0.02nm/秒で前記電子輸送層上に厚さ1nmの薄膜を形成し、続けて同様にフッ化カリウムを0.02nm/秒でフッ化ナトリウム上に厚さ1.5nmの電子注入層を形成した。
引き続き、アルミニウム100nmを蒸着して陰極を形成した。
(1.8)封止
引き続き、市販のロールラミネート装置を用いて封止部材を接着し、有機EL素子(2−1)を作製した。
なお、封止部材として、厚さ30μmの可撓性のアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(12μm厚)をドライラミネーション用の接着剤(2液反応型のウレタン系接着剤)を用いラミネートした(接着剤層の厚さ1.5μm)ものを用いた。
アルミニウム面に封止用接着剤として、熱硬化性接着剤を、ディスペンサを使用してアルミ箔の接着面(つや面)に沿って厚さ20μmで均一に塗布した。これを100Pa以下の真空下で12時間乾燥させた。さらに、露点温度が−80℃以下、酸素濃度0.8ppmの窒素雰囲気下へ移動し、12時間以上乾燥させ、封止用接着剤の含水率を100ppm以下となるように調整した。
前記熱硬化接着剤としては、下記の(A)〜(C)を混合したエポキシ系接着剤を用いた。
(A)ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)
(B)ジシアンジアミド(DICY)
(C)エポキシアダクト系硬化促進剤
以上のようにして、封止基板を、取り出し電極及び電極リードの接合部を覆うようにして密着・配置して、圧着ロールを用いて厚着条件、圧着ロール温度120℃、圧力0.5MPa、装置速度0.3m/minで密着封止して、有機EL素子2−1を作製した。
[有機EL素子2−2〜2−11の作製]
上記有機EL素子2−1の作製において、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層でそれぞれ使用した塗布組成物1−1、1−4及び1−6を表IIに示す塗布組成物の組合せに変更し、有機EL素子2−2〜2−11を作製した。
《有機EL素子の評価》
上記で作製した各有機EL素子について、下記の各評価を行った。
(1)発光輝度の測定
各有機EL素子に対し、室温(約23〜25℃)で、1000cd/m2の定輝度条件下による点灯を行い、分光放射輝度計CS−2000(コニカミノルタ社製)を用いて、各有機EL素子の発光輝度を測定し、発光輝度1000cd/m2における発光輝度(電流は一定)を求めた。
なお、表IIでは、有機EL素子2−1の発光輝度を100として、有機EL素子2−1〜2−11の発光輝度を相対値で示している。
Figure 2018168225
表IIに示す結果から、セルロースナノファイバーを添加した本発明の塗布組成物を用いた有機EL素子は、発光輝度が高いことがわかる。
[実施例3]
《有機光電変換素子3−1の作製》
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を140nm堆積したものを、通常のフォトリソグラフィー技術と塩酸エッチングとを用いて2mm幅にパターニングして、透明電極を形成した。
パターン形成した透明電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。この透明基板上に、導電性高分子であるClevious P VP AI 4083(へレウス社製)を60nmの厚さでスピンコートした後、140℃で大気中10分間加熱乾燥した。
これ以降は基板をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。まず、窒素雰囲気下で上記基板を140℃で10分間加熱処理した。
クロロベンゼンにp型半導体材料として、PCPDTBT(Nature Mat.vol.6(2007),p497に記載のポリチオフェン共重合体)を1.0質量%、n型半導体材料としてPCBM(フロンティアカーボン製、NANOM SPECTRAE100H)の2.0質量%、セルロースナノファイバー(セリッシュKY100G、ダイセルファインケム(株)製)0.01質量%、さらに1,8−オクタンジチオールの2.4質量%を溶解した液を作製し、0.45μmのフィルターでろ過した後、インクジェット法にて100nmの薄膜を形成し、室温で30分乾燥し、光電変換層を得た。
次に、上記光電変換層を成膜した基板を真空蒸着装置内に設置した。2mm幅のシャドーマスクが透明電極と直交するように素子をセットし、10-3Pa以下にまで真空蒸着機内を減圧した後、フッ化リチウムを0.5nm、Alを80nm蒸着した。最後に120℃で30分間の加熱を行い、有機光電変換素子を得た。なお、蒸着速度はいずれも2nm/秒で蒸着し、2mm角のサイズとした。
得られた有機光電変換素子は、窒素雰囲気下でアルミニウムキャップとUV硬化樹脂(ナガセケムテックス株式会社製、UV RESIN XNR5570−B1)を用いて封止を行った。これを有機光電変換素子3−1とした。
《有機光電変換素子の評価》
上記で作製した有機光電変換素子に、ソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)の100mW/cm2の強度の光を照射ししたところ、光電変換素子として十分な機能を有していることを確認した。
本発明は、有機エレクトロニクス素子などの電子デバイスの作製時に、利用できる溶媒の選択範囲が限られることなく、耐溶媒性に優れ、素子性能にも影響を与えずに、積層された薄膜を有する電子デバイスを製造することを可能とした電子デバイス作製用組成物に利用することができる。
41 ディスプレイ
53 画素
55 走査線
56 データ線
60 有機EL素子
61 スイッチングトランジスタ
62 駆動トランジスタ
63 コンデンサー
67 電源ライン
101 ガラス基板
102 ITO透明電極
103 隔壁
104 正孔注入層
105B、105G、105R 発光層
106 電子輸送層
107 陰極(Al)
200 バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子
201 基板
202 透明電極(陽極)
203 対極(陰極)
204 光電変換部(バルクヘテロジャンクション層)
205 電荷再結合層
206 第2の光電変換部
207 正孔輸送層
208 電子輸送層
209 第1の光電変換部
A 表示部
B 制御部

Claims (8)

  1. 電子デバイス用有機材料を含有する電子デバイス作製用組成物であって、
    セルロースナノファイバーを含有する電子デバイス作製用組成物。
  2. 前記セルロースナノファイバーが、0.001〜20000質量ppmの範囲内で含有されている請求項1に記載の電子デバイス作製用組成物。
  3. インクジェット用インクである請求項1又は請求項2に記載の電子デバイス作製用組成物。
  4. 前記セルロースナノファイバーの含有量が、前記電子デバイス用有機材料の質量に対して、5質量%以下である請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電子デバイス作製用組成物。
  5. 前記電子デバイス用有機材料が、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料である請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子デバイス作製用組成物。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電子デバイス作製用組成物の製造方法であって、
    前記電子デバイス用有機材料と、前記セルロースナノファイバーとを混合する工程を有する電子デバイス作製用組成物の製造方法。
  7. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電子デバイス作製用組成物を含有する有機薄膜。
  8. 請求項7に記載の有機薄膜の製造方法であって、
    前記電子デバイス作製用組成物を塗布する工程を有する有機薄膜の製造方法。
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