JP2010198672A - スタンパおよび磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スタンパからパターンを転写する際の位置合わせの精度を飛躍的に向上させるとともに、スタンパの耐久性を高めることが可能なスタンパおよび磁気記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかるスタンパ300の代表的な構成は、内孔100aを有する円板形状の磁気記録媒体100の製造工程において磁気記録層122の上に形成したレジスト層130に所定のパターンを形成するスタンパ300であって、スタンパ基体310と、スタンパ基体310より上に形成された弾性層320と、弾性層320より上に形成されたパターン層330とを備え、スタンパ基体310基体は、磁気記録媒体100の形状に対応した形状の台座部310aを有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディスクリートトラックメディアやビットパターンメディアのようなパターンドメディアを製造する際に用いられるスタンパ、およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年の情報処理の大容量化に伴い、各種の情報記録技術が開発されている。特に磁気記録技術を用いたHDDの面記録密度は年率100%程度の割合で増加し続けている。最近では、HDD等に用いられる2.5インチ径磁気ディスクにして、1枚あたり200GByteを超える情報記録容量が求められるようになってきており、このような要請にこたえるためには1平方インチあたり400GBitを超える情報記録密度を実現することが求められる。
HDD等に用いられる磁気ディスクにおいて高記録密度を達成するために、近年、垂直磁気記録方式の磁気ディスク(垂直磁気記録ディスク)が提案されている。従来の面内磁気記録方式は磁気記録層の磁化容易軸が基体面の平面方向に配向されていたが、垂直磁気記録方式は磁化容易軸が基体面に対して垂直方向に配向するよう調整されている。垂直磁気記録方式は面内記録方式に比べて、高密度記録時に、より熱揺らぎ現象を抑制することができるので、高記録密度化に対して好適である。
さらに記録密度および熱揺らぎ耐性を向上させた技術として、記録用の磁性トラックの間に非磁性トラックを並行させるようにパターニングして隣接した記録トラックの干渉を防ぐディスクリートトラックメディアや、任意のパターンを人工的に規則正しく並べたビットパターンメディアなどの、いわゆるパターンドメディアと呼ばれる磁気記録媒体が提案されている。
上述したパターンドメディアは、いずれも所定のパターンに従って磁性記録部と非記録部とを設けることにより、磁性記録部間を磁気的に分断して高記録密度化を図るものである。非記録部を形成するための手法としては、磁性層をエッチングによって物理的にミリング(削ること)し、SiOなどの非磁性材料を充填する技術が提案されている。また磁性層にエッチングを行わずに、NやO、Pなどのイオンを注入することによって非磁性化する技術も提案されている。
所定のパターンの形成は、磁性層の上にレジストを成膜し、レジストに所定の凹凸パターンを形成することによって行う。レジストに凹凸パターンを形成するための手法としては、極めて微細な凹凸が形成されたスタンパを押しつけてその凹凸パターンを転写するナノインプリント法や、フォトリソグラフィ技術により所望する凹凸パターンを焼き付けるフォトレジスト法などがある。そして、形成された凹部を介して磁性層にイオンを注入したり、凹部の表面に露出した磁性層をエッチングによってミリングしたりすることにより、磁性層を分離する。
スタンパと磁気記録媒体との位置合わせは、極めて正確に行う必要がある。パターンはおおむね磁気記録媒体の中心から同心円状に配置されるため、単にパターンをスタンパから媒体に転写すればよいというものではなく、基板の中心とスタンパの中心とを正確に一致させる必要がある。従来からも、スタンパにスタンパ中心特定用のマークを形成し、中間体(磁気記録媒体)の中心と、マークに基づいて特定したスタンパ中心とを一致させるようにして重ね合わせることにより、レジスト層にスタンパの凹凸パターンを転写する技術が開示されている(例えば特許文献1)。
またインプリントに用いられるスタンパは、従来、ニッケル金型を用いて製造されることが多かった。また、ニッケル金型を用いてスピンコートや射出成形によって樹脂型を製造し、これをスタンパとして用いることも提案されている(例えば特許文献2)。
米国特許第7279113号明細書 特開2005−044390号公報
しかし、スタンパは磁気記録媒体の主表面のほぼ全面に押圧することになるのに対し、凹凸パターンは極めて微細である。このため、スタンパと磁気記録媒体の両方の表面を極めて平坦とし、かつ正確に互いに平行に支持し、厳密に直交方向に押圧して、均等な圧力分布を加えなければならない。特に平面同士を押圧する場合、周辺部に圧力が集中し、平面の中心部は圧力が低下するという、いわゆる「中抜け現象」が発生する。この中抜け現象は、圧力が高いほど、および当接させる部材が硬いほど顕著になる。このような中抜け現象が発生すると、いうまでもなく、パターン転写不良が発生してしまうおそれがある。
そこで、パターン層より下に弾性層を設けて、スタンパの表面形状を磁気記録媒体の表面に倣わせることにより、押圧する際に要求される支持姿勢および押圧方向の精度を緩和し、また中抜け現象を緩和することが考えられる。しかし弾性層を設けるといっても圧力で大幅に変形してしまうほどの柔軟性を持たせてしまうと、転写されるパターンの形状に狂いが生じてしまう。そのため、単に弾性層を設けるのみでは、中抜け現象を消失しうるほどに圧力分布を改善するには到らないという問題がある。
また上記特許文献1による方法では、磁気記録媒体の中心を検知し、同様にスタンパの中心を検知してから、スタンパを移動させて重ね合わせる。このため装置の駆動機構に高い精度が必要となり、転写装置のコストが増大する要因となっていた。また、駆動機構の位置合わせのためにずれが生じやすく、磁気記録媒体の高記録密度化の障害となっていた。そのため、さらに容易に、かつ高精度に位置合わせを行うことのできる構成が求められている。
またスタンパはレジスト層に押圧されるため、凸パターンが変形したり、凹パターンがレジスト材で埋まってしまったりするため、使用回数に制限がある。上述のようなニッケル金型のスタンパを用いた場合、500回〜1000回程度の転写が上限である。また樹脂型のスタンパは1つのニッケル金型から500個〜1000個を製造可能であるが、樹脂型が原則として使い捨てであるために、結局は1つのニッケル金型から製造できる磁気記録媒体の数に変わりはない。このため、スタンパの耐久性を高めて、使用回数を増大させることが求められている。
そこで本発明は、スタンパからパターンを転写する際のパターン転写精度および位置合わせの精度を飛躍的に向上させるとともに、スタンパの耐久性を高めることが可能なスタンパおよび磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるスタンパの代表的な構成は、内孔を有する円板形状の磁気記録媒体の製造工程において磁気記録層の上に形成したレジスト層に所定のパターンを形成するスタンパであって、基体と、基体より上に形成された弾性層と、弾性層より上に形成されたパターン層とを備え、基体は、磁気記録媒体の形状に対応した形状の台座部を有することを特徴とする。
上記構成によれば、磁気記録媒体とスタンパの対向する面が同じ形状となるために、パターンを転写する際に、内径側と外径側の圧力分布を均等に近づけることができる。これにより凹凸パターンが従来よりも一様に転写されるため、ディスクリートトラックメディアの成型精度を高めることができる。
本発明に係るスタンパの他の代表的な構成は、内孔を有する円板形状の磁気記録媒体の製造工程において磁気記録層の上に形成したレジスト層に所定のパターンを形成するスタンパであって、基体と、基体より上に形成された弾性層と、弾性層より上に形成されたパターン層とを備え、基体の平面形状は、磁気記録媒体の平面形状に対応した、内孔を有する円板形状であることを特徴とする。
上記構成によれば、磁気記録媒体とスタンパの対向する面が同じ形状となるために、パターンを転写する際に、内径側と外径側の圧力分布を均等に近づけることができる。これにより凹凸パターンが従来よりも一様に転写されるため、ディスクリートトラックメディアの成型精度を高めることができる。
さらに磁気記録媒体とスタンパとの外形形状(外周形状および内周形状)が一致していることから、これを利用して互いの中心を容易かつ正確に一致させることができる。例えば、1つの軸部材に磁気記録媒体およびスタンパの内孔を挿通させるだけで、極めて容易に、かつ正確に位置合わせを行うことができる。したがってマークを読み取ってその中心を検出し、かつ検出した位置を一致させる従来の構成に比べて、飛躍的に容易に、かつ正確に中心を一致させることができる。
磁気記録媒体に用いられる基体をスタンパ用基体とし、基体の上に、弾性層と、パターン層とを備えていてもよい。
磁気記録媒体は基体の上に磁性層などを成膜することによって形成されるが、同じ規格の基体(磁気記録媒体の基体そのものをそのまま利用する)にパターン層を形成することにより、極めて容易に磁気記録媒体と同じ外形形状のスタンパを製造することができる。このとき基体とパターン層との間に弾性層を設けることにより、スタンパを磁気記録媒体に押圧してもパターン層の凸パターンが変形することを防止することができ、スタンパの耐久性を飛躍的に向上させることができる。
スタンパ用基体はガラス基板であってもよい。ガラス基板は硬いため押圧した際に曲がりにくく、また平滑性が高いために全面に均一に押圧することができるため、スタンパ用の基体として好ましい。
弾性層は、樹脂または金属からなっていてもよい。すなわち、押圧した際にある程度の弾性を備えていればよい。例えば樹脂としてはゴム、シリコーンゴム、エラストマー樹脂、EPDM(Ethylene-Propylene-Diene Monomer)などを例示することができ、金属としては錫や鉛、銅などの比較的柔らかい金属を例示することができる。
パターン層は、樹脂または金属からなっていてもよい。パターン層を形成する樹脂としては、SOG(Spin On Glass)、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの硬度の高い樹脂を例示することができる。パターン層を形成する金属としては、ニッケルまたはニッケル合金が組織が緻密で剛性が高いために好適に用いることができる。
パターン層はナノカスティングによって形成され、弾性層の上にボンディングされていてもよい。これにより金型から複数の樹脂型を生産することができるため、1つの金型から製造可能な磁気記録媒体の数を飛躍的に増大させることができる。
また本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法の代表的な構成は、内孔を有する円板形状の基体上に、磁気記録層を成膜し、磁気記録層の上に保護層を成膜し、保護層の上にレジスト層を成膜し、基体とほぼ同じ形状のスタンパを、基体とスタンパの外周または内周を一致させることによって位置合わせし、スタンパをレジスト層にインプリントして所定のレジストパターンを形成し、レジストパターンに基づいて磁気記録層を磁気的に分離し、レジスト層を除去することを特徴とする。
上述したスタンパの技術的思想に基づく構成要素やその説明は、磁気記録媒体の製造方法にも適用可能である。
本発明によれば、スタンパからパターンを転写する際のパターン転写精度および位置合わせの精度を飛躍的に向上させるとともに、スタンパの耐久性を高めることが可能なスタンパおよび磁気記録媒体の製造方法を提供することができる。
スタンパの構成を説明する図である。 応力分布を説明する図である。 位置合わせについて説明する図である。 弾性層の作用を説明する図である。 スタンパの製造方法を示す図である。 磁気記録媒体の構成を説明する図である。 パターン形成工程について説明するための説明図である。 他のパターン形成工程について説明するための説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は本実施形態にかかるスタンパの構成を説明する図である。スタンパ300は、スタンパ用の基体310の上に弾性層320と、パターン層330とを備えている。
図1(a)に示すように、スタンパ基体310には、磁気記録媒体に用いられる基体の形状に対応した形状の台座部310aを有することとしてもよい。台座部310aとは、スタンパ基体310のパターン層330側において、磁気記録媒体の基体と同じ形状に隆起した段差である。
このように台座部310aを設けることにより、後述するようにスタンパ300と磁気記録媒体100との間の応力分布を均等にすることができる。したがって磁気記録媒体の上に、均一に凹凸パターンを転写することが可能となる。
さらに図1(b)に示すように、スタンパ基体310は、磁気記録媒体に用いられる基体と同じ形状を用いることができる。換言すれば、磁気記録媒体とスタンパの両方の基体は、同じ基体で兼用することができる。具体的には、スタンパ基体310はほぼ中心に内孔310bを有する円板形状のガラスディスクであって、磁気記録媒体と同じ外形形状を有している。ここで外形形状とは、外周形状および内周形状の両方をいうものとする。スタンパ基体310の形状に倣って、スタンパ300全体(弾性層320およびパターン層330を含む)の形状も同じ外形形状(外周形状および内周形状)を有している。
上記のように磁気記録媒体とスタンパ300との外形形状を一致させることにより、図1(a)に示す場合と同様に、スタンパ300と磁気記録媒体100との間の応力分布を均等にすることができる。したがって磁気記録媒体の上に、均一に凹凸パターンを転写することが可能となる。
さらに図1(b)の構成によれば、磁気記録媒体とスタンパ300の互いの中心を一致させることができる。したがってマークを読み取ってその中心を検出し、かつ検出した位置を一致させる構成に比べて、飛躍的に容易に、かつ正確に中心を一致させることができる。
特に、磁気記録媒体は基体の上に磁性層などを成膜することによって形成されるが、同じ規格の基体にパターン層を形成することにより、極めて容易に磁気記録媒体と同じ外形形状のスタンパ300を製造することができる。
図2は応力分布について説明する図である。図2(a)は参考例であって、弾性層320を設けておらず、パターン層330は剛体としてのスタンパ基体310の上に直接ボンディングされている場合である。この場合は、スタンパ基体310の下に矢印にして示しているように、磁気記録媒体100とスタンパ300の間の応力分布は、その周辺部に集中する。したがって磁気記録媒体100の周辺部には良好にパターンが転写されるが、中心部付近は中抜け現象が発生する。ここで中心部付近においても確実に転写すべく高い圧力を加えると、周辺部において応力過多となって却って転写不良となったり、スタンパ300のパターン形状が崩れてしまったりするおそれがある。
図2(b)も参考例であって、弾性層320を設けているが、剛体としてのスタンパ基体310は平板形状となっている場合である。この場合は、弾性層320が応力によって変形するため、パターン層330も応力に応じて磁気記録媒体100の表面に倣うように変形する。そのため応力集中は緩和され、中抜け現象も緩和されるものの、依然として周辺部の方が中心部付近よりも応力が高くなってしまう。そのため、中抜け現象を消失しうるほどに圧力分布を改善するには到らない。
次に図2(c)は実施例であり、弾性層320を設け、さらに上述の台座部310aを設けた例である(図1(a)参照)。この場合は、言い換えれば内周部も外縁となるため、矢印にて示すように、周辺部と同様に中心部にも応力集中が発生する。したがって図に示すように、半径方向において中心部側と周辺部側の両端に応力集中が発生し、半径方向の中途部の応力が低いことになるが、両端が同程度に高くなっていることから、その差は従来に比して飛躍的に軽減させることができる。したがって、中抜け現象を生じしにくく、より確実にパターンを転写することができ、パターン転写精度を向上させることができる。
図2(d)は実施例であり、弾性層320を設け、さらにスタンパ基体310の外形形状を台座部310aと一致させた例である(図1(b)参照)。この場合においても、周辺部と同様に中心部にも応力集中するため、応力分布が均一化し、パターン転写精度を向上させることができる。
図3は位置合わせについて説明する図であって、図3(a)は外周形状で位置合わせする例である。図に示すように、磁気記録媒体100とスタンパ300の両方の外周に当接するガイド部材410を用いて位置決めをすることにより、容易に、かつ正確に中心を一致させることができる。なお、図においてガイド部材410は3点で磁気記録媒体100とスタンパ300に当接しているが、4点以上で当接するように構成してもよい。
また磁気記録媒体100の中心にはスピンドル(回転軸)を取り付けるための内孔100aが設けられているが、スタンパ300にも同じ形状の内孔310bを設けることにより、磁気記録媒体100の内孔100aとスタンパ300の内孔310bの位置をあわせるだけで、互いの中心を確実に一致させることができる。
図3(b)は内周形状で位置合わせする例である。図に示すように、1つの軸部材420に磁気記録媒体100の内孔100aおよびスタンパ300の内孔310bを挿通させるだけで、極めて容易に、かつ正確に位置合わせを行うことができる。
またスタンパ基体310にガラス基板を用いたことにより、ガラス基板は硬いため押圧した際に曲がりにくく、また平滑性が高いために全面に均一に押圧することができるため、スタンパ用の基体として好ましい。ガラスディスクの種類、サイズ、厚さ等は特に制限されず、磁気記録媒体100と同じ規格のものを用いていればよい。ガラスディスクの材質としては、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス、又は、結晶化ガラス等のガラスセラミックなどが挙げられる。またガラスディスクには、化学強化を施して強度を向上させていることが好ましい。
弾性層320は、樹脂または金属によって形成することができる。すなわち、押圧した際にある程度の弾性を備えていればよい。これにより、スタンパ300を磁気記録媒体100に押圧してもパターン層330の凸パターンが変形することを防止することができ、スタンパ300の耐久性を飛躍的に向上させることができる。
図4は弾性層の作用を説明する図であって、図4(a)は圧力の不均一を吸収する様子を説明する図、図4(b)は凸欠陥を吸収する様子を説明する図である。
スタンパ300の外形形状を上述のように磁気記録媒体100と一致させたことにより、中心の位置合わせは容易に且つ正確に一致させることができる。しかし、スタンパ基体310を磁気記録媒体100に押圧する際の加圧力を均一にすることは、位置合わせとは別の部分の駆動機構の精度が必要である。ここで仮にスタンパ300が剛体であり、かつ不均一な力が加わったとすると、スタンパ300が傾いた状態で磁気記録媒体100に加圧されることとなる。するとパターンの転写が不十分な部分が生じたり、凸パターンが変形してしまう部分が生じたりするおそれがある。
そこで図4(a)に示すように、弾性層320が変形を生じることにより、スタンパ基体310に対してパターン層330が傾斜または後退して、磁気記録媒体100の表面にパターン層330が倣うことができる。これにより加圧力の不均一を吸収し、磁気記録媒体100の全面に一様に所定のパターンを形成することができる。
また磁気記録媒体100にパーティクル101の混入などによる凸欠陥100bがある場合に、スタンパ300が剛体であるとすると、凸欠陥100bに対応する位置の凸パターンが変形を生じてしまうおそれがある。
そこで図4(b)に示すように、弾性層320が圧縮されることにより、パターン層330が凸欠陥100bの形に倣って変形することができるため、凸パターンが変形してしまうことを防止することができる。したがってスタンパ300の損傷を防止し、寿命を延長することができる。
なお、図4(b)に示すように磁気記録媒体100に凸欠陥100bがある場合には、凸欠陥100bおよびその周囲には正常にパターンが形成されず、パターン不良部分が発生する。しかし、スタンパ300が剛体である場合には凸欠陥100bにスタンパ300が持ち上げられて広範囲にパターン不良が生じるところ、弾性層320を設けたことによりパターン層330が凸欠陥100bに倣うため、パターン不良部分の範囲(面積)を極めて低減させることができる。また凸パターンの変形を防止できることから、次の磁気記録媒体100に対しては正常にパターンを転写することができるため、凸欠陥の被害をまさにその媒体のその位置のみに抑えることができ、磁気記録媒体100の生産効率も飛躍的に向上させることができる。
弾性層320の材質の例としては、例えば樹脂としてはゴム、シリコーンゴム、エラストマー樹脂、EPDMなどを例示することができ、金属としては錫や鉛、銅などの比較的柔らかい金属を例示することができる。
パターン層330はニッケルなどの金属製であってもよいが、樹脂からなっていてもよい。パターン層を形成する樹脂としては、SOG、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの硬度の高い樹脂を例示することができる。
パターン層330はナノカスティング(鋳型)によって形成され、弾性層320の上にボンディング(接着)されていてもよい。これにより1つの金型から複数の樹脂型をナノカスティングによって生産することができるため、1つの金型から製造可能な磁気記録媒体100の数を飛躍的に増大させることができ、生産コストの低減を図ることができる。
[スタンパの製造方法]
図5はスタンパ300の製造方法を示す図である。まず、石英/ガラス/Si板のいずれかから成る基板200を用意し(図5(a))、これに、EB(Electron Beam)レジスト210をコーティングする(図5(b))。そして、最終的にディスクリート型磁気記録媒体100に形成すべきパターン(以下「正パターン」と称する)とは逆のパターン(以下「逆パターン」と称する)を、コーティングしたEBレジスト210に描画する(図5(c))。これは例えばEB直描装置を用いて行ってよい。
次に、ニッケル電鋳法によって、1回目の電鋳品である正パターンニッケル金型220を鋳造する(図5(d))。この正パターンニッケル金型220から、2回目のニッケル電鋳法によって、逆パターンニッケル金型230が合計10個程度得られる(図5(e))。逆パターンニッケル金型230には、位置合わせのための円孔を開けるパンチング工程(図5(f))が必要であるが、位置合わせについては後述する。
石英/ガラス/Si板のいずれかから成る他の基板240を用意し(図5(g))、これに、スピンコート法を用いてSOG250をコーティングする(図5(h))。これに、逆パターンニッケル金型230を室温インプリントし、正パターンのSOG型260を製造する(図5(i))。
このSOG型260は、1個の逆パターンニッケル金型230から、1000個は製造可能である。このように、数を増やせるため、SOG型260を介在させることが有効である。なお、逆パターンニッケル金型230のようなニッケル金型からSOG250へのインプリントは可能だが、石英金型から直接SOG250へインプリントすることはできない。SOG250へのインプリントには、50〜100MPa程度の非常に大きな圧力が必要となるところ、石英金型では、割れてしまうためである。したがって、上記のようにニッケル金型を用いるのが望ましい。
ただし将来、低圧でインプリント可能なSOG型が開発された場合には、ニッケル金型に代えて、石英、Siまたは硬度の高い樹脂を用いてもよい。
次に、スタンパ製造工程を行う。この工程では、SOG型260でパターン層330をナノカスティングする。すなわち、SOG型260に、樹脂をスピンコートし、これによって、逆パターンのパターン層330を製造する(図5(j))。この樹脂として、熱硬化性樹脂(エポキシ系樹脂)またはUV硬化性樹脂に離型剤を混入したものを用いてよい。
パターン層330に用いられる樹脂は、磁気記録媒体100にナノインプリントする際に用いられるレジスト層130(後述)と異なる材質となる。パターン層330とレジスト層130の材質が同一である場合には、スタンパ300の表面に、剥離剤を塗布する必要がある。剥離剤は、フッ素系剥離財としてもよいし、炭素系剥離剤としてもよい。
なお、スタンパ300は、ナノカスティング以外に、SOG型260を利用して、ナノインプリントプロセスにより作成することも可能である。
製造されたパターン層330は使い捨てであるが、上記のナノカスティングにおいても、1個のSOG型260から1000個以上のパターン層330が得られる。既に述べたように、1個の逆パターンニッケル金型230から、1000個のSOG型260が得られるから、通算すると、1個のニッケル金型から、SOG型1000個×樹脂型1000個=100万回のインプリントが可能となり、ニッケル金型を元にして製造されるディスクリートトラックメディアやビットパターンメディアの枚数を、従来より飛躍的に増大させることが可能である。そして、これによって大幅なコスト削減が可能となる。
一方、最終的なスタンパ300の基体であるスタンパ基体310として、磁気記録媒体用のガラス基体を準備し(図5(k))、その上に弾性層320を積層する(図5(l))。弾性層320はゴム、シリコーンゴム、エラストマー樹脂、EPDMなどを塗布したり、錫や鉛、銅などの比較的柔らかい金属をスパッタリングやメッキ法によって形成することができる。そして弾性層320の上に、パターン層330をボンディング(接着)する(図5(m))ことによって、スタンパ300として完成する。
最後に、磁気記録媒体100のレジスト層130(図5(n))にスタンパ300でインプリントすることにより、ディスクリート型の磁気記録媒体100を製造する(図5(o))。これ以降の垂直磁気記録媒体製造工程については、図5では省略している。
(位置合わせ)
以下、スタンパ製造方法を通して行われる位置合わせについて説明する。図5(f)では、逆パターンニッケル金型230に対して、中心となる位置に第1の円孔230aを開けるパンチング工程を行う。このとき、第1の円孔230aの大きさはスタンパ基体310の内孔310bと同じ大きさとする。
SOG型用基板240(図5(g))には、第1の円孔230aと大きさの等しい第2の円孔240aが開けられる。逆パターンニッケル金型230によってSOG250にインプリントする際には、第1の円孔230aと第2の円孔240aとを位置合わせする(図5(i))。
パターン層330(図5(j))は、SOG型260に樹脂をナノカスティング(スピンコート)して離型することにより第2の円孔240aと大きさの等しい第3の円孔330aを有することとなる。
そして、スタンパ基体310は内孔310bを有しているから、第3の円孔330aと内孔310bとを位置合わせしてパターン層330をボンディングする(図5(m))。
上記の構成によれば、上記のスタンパ300を用いてインプリントするときに、磁気記録媒体100の基板の円孔に、内孔310bを位置合わせして行えば、ニッケル金型から磁気記録媒体100まで、一貫した位置合わせが完成する。特に、最も大量に生産される最終的なスタンパ300に、やはり大量に工業生産される磁気記録媒体用のガラス基体を用いることにより、安価に外形形状の精度の高いスタンパ300を得ることができる。
[磁気記録媒体の製造方法]
次に、磁気記録媒体の製造方法の実施例について説明する。図6は磁気記録媒体100の構成を説明する図である。磁気記録媒体100は、ガラス基板からなるディスク基体110、ガラスと金属膜の付着性を向上させる付着層112、書き込み時に磁路を形成する第1軟磁性層114a、これと磁気的にカップリングする第2軟磁性層114c、AFCカップリング(Antiferro-magnetic exchange coupling:反強磁性交換結合)を生じさせるためのRuの薄膜であるスペーサ層114b、下地層の結晶配向性を向上させる前下地層116、磁気記録層の結晶配向性を向上させる第1下地層118aおよび第2下地層118b、グラニュラーの磁気的分離性を向上させる非磁性グラニュラー層120、保持力Hcを担保するための第1磁気記録層122a、主記録層である第2磁気記録層122b、面内方向に磁気的に連続した補助記録層124、保護層126、潤滑層128で構成されている。
なお第1軟磁性層114a、スペーサ層114b、第2軟磁性層114cは、あわせて軟磁性層114を構成する。第1下地層118aと第2下地層118bはあわせて下地層118を構成する。第1磁気記録層122aと第2磁気記録層122bは、あわせて磁気記録層122を構成する。
(パターン形成工程)
次に、磁気記録層122に所定のパターンの磁性記録部および非記録部を形成するパターン形成行程について説明する。なおパターン形成行程においては、信号を随時記録する磁性記録部と同時に、サーボ情報を固定的に記憶するサーボパターン部を形成する。
パターン形成工程は、保護層成膜工程を行った後に行う。これにより、パターン形成工程を行った後に保護層126を成膜する必要がなくなり、製造工程が簡便になることで、生産性の向上および磁気記録媒体100の製造工程における汚染の低減を図ることができる。
(イオン注入によるパターン形成工程)
図7はイオン注入によるパターン形成行程の説明図である。なお、図7において、理解を容易にするために磁気記録層122よりディスク基体110側の層の記載を省略する。パターン形成工程は、レジスト層成膜工程、パターニング工程、イオン注入工程、レジスト除去工程を含んで構成される。以下、パターン形成工程における各工程について説明する。
図7(a)に示すように、保護層126の上に、スピンコート法を用いてレジスト層130を成膜する(レジスト層成膜工程)。レジスト層130としてシリカを主成分とするSOG(Spin On Glass)、一般的なノボラック系のフォトレジスト等を好適に利用できる。
図7(b)に示すように、レジスト層130にスタンパ300を押し当てることによって(インプリント法)、磁性パターンを転写する(パターニング工程)。このとき、図3を用いて説明したように、磁気記録媒体100とスタンパ300の外形形状を利用して位置合わせを行うことができる。
スタンパ300のパターン層330には、転写しようとする磁性記録部(ディスクリートトラックの場合はトラックパターン、ビットパターンの場合はビットパターン)と、プリアンブル部、アドレス部、およびバースト部等のサーボ情報を記憶するためのサーボパターン部と、磁性記録部とサーボパターン部を離隔するブロック部と、のそれぞれのパターンに対応する凹凸パターンを有する。
スタンパ300によってレジスト層130に磁性パターンを転写した後、スタンパ300をレジスト層130から取り除くことにより、レジスト層130に凹凸パターンが形成される。なお、スタンパ300の表面にフッ素系剥離剤を塗布しておくことにより、レジスト層130から良好にスタンパ300を剥離することが可能となる。また、スタンパ300のパターン層330の組成の一部にフッ素系剥離剤を含有させることによっても、離型性を向上させることができる。
図7(c)に示すように、パターニング工程で所定のパターンにパターニングされたレジスト層130の凹部から、保護層126を介して、磁気記録層122へ、イオンビーム法を用いてイオンを注入する(イオン注入工程)。これにより、イオンが注入された磁気記録層122におけるイオンが注入された部分の結晶を非晶質化させて、磁気記録層122をレジスト層130のパターンに倣って磁気的に分離させることができる。なおイオンを注入する部分は完全に非磁性化するのではなく、ある程度の磁性(非透磁率μ=2〜100程度)の半硬磁性とすることにより、オーバーライト特性と電磁変換特性を向上させることができる。
注入するイオンとしては、Ar、N、Oの1または複数を用いることができる。その他のイオンとして、B、P、Si,F、C、In、Bi、Kr、Ar、Xe、W、As、Ge、Mo、Sn、N、Oからなる群から選択されたいずれか1または複数のイオンを注入してもよい。
図7(d)に示すように、レジスト層130をフッ素系ガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)により除去する(レジスト除去工程)。フッ素系ガスとしては、SF、CF、CHF、Cからなる群から選択されたいずれか1種または複数の混合ガスを好適に利用することができる。
なおレジスト層130としてSOGを用いているため、フッ素系ガスを用いてRIEを行っているが、レジスト層130の材質によってガスの種類を適宜変更することはいうまでもない。例えば、レジスト層130としてノボラック系フォトレジストを用いた場合、酸素ガスを用いたRIEが好適である。
RIEのプラズマ源は、低圧で高密度プラズマが生成可能なICP(Inductively Coupled Plasma)を利用しているが、これに限定されず、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマや、一般的な平行平板型RIE装置を利用することもできる。
(エッチングによるパターン形成工程)
上述のイオン注入工程に代えて、以下のエッチング工程を行うことにより、パターニングを行ってもよい。図8は、図7(b)の状態からエッチング工程を行った状態を示す。図8においても、理解を容易にするために非磁性グラニュラー層120よりディスク基体110側の層の記載を省略する。
図8(a)に示すように、パターニング工程(図7(b)参照)で所定のパターンにパターニングされたレジスト層130の凹部から、保護層126および磁気記録層122をイオンミリングし、磁気記録層122を物理的に分断するように、所定のパターンの凸部と凹部を形成する。
保護層126は、酸素を用いたRIEにより除去する(酸素アッシング)。RIEのプラズマ源は低圧で高密度プラズマが生成可能なICPを好適に用いることができるが、これに限定されず、ECRプラズマや、一般的な平行平板型RIE装置を利用することもできる。
磁気記録層122は、Arを用いたIBE(Ion Beam Etching:イオンビームエッチング)によりイオンミリングを行い除去する。IBEのプラズマ源は、ECRプラズマを好適に利用することができるが、低圧で高密度プラズマが生成可能なICPや、一般的な平行平板型RIE装置を利用することもできる。ECRイオンガンを用いたイオンミリングでは、静止対向型(イオン入射角90°)でエッチングすることで、磁気記録層122に形成される凹部、凸部にテーパを設けず加工することが可能となる。
エッチング工程において、マイクロ波パワー800W、加速電圧400から500V、イオン入射角度は30°から70°まで変化させて磁気記録層122をエッチングする。
上記エッチング(イオンミリング)を行うことにより、パターニング工程で転写された凹部の下の部分に存在するレジスト層130、保護層126および磁気記録層122を除去することができ、凸部の下の部分に存在する磁気記録層122は、残存させることが可能となる。また図8(b)に示すように、磁気記録層122は、磁気記録層122の直下の層である非磁性グラニュラー層120の表面が出現するまで、イオンミリングを行う。これにより、磁気記録層122の磁性記録部としての凸部を確実に分離させることができる。
次に図8(c)に示すように、非磁性材料を用いて成膜し、エッチング工程で形成された凹部136(図8(b)参照)に充填層138(図8中黒色で示す)を成膜する(充填層成膜工程)。充填層138は、保護層126の底面の高さ(補助記録層124の高さ)と略等しい高さとなるように調節する(図8(c)参照)。
充填層138としては、SiO、SiOC、TiO、Cを利用することができる。充填層138は、バイアスをかけないスパッタ法で成膜する。ここで、基体にバイアスをかけながらスパッタを行うバイアススパッタ法を利用すると、凹部136に容易に充填層138を成膜することができるが、バイアス電圧をかけることによる基体の温度上昇およびこれに伴う基体の溶解が生じたり、スパッタダストが生じることによる基体表面の平坦化への妨げが発生したりするため、バイアスをかけないスパッタ法が好適である。
なお、ディスクリート型である場合には、補助記録層124が凹部136によって分断されても、トラック方向には連続していることになる。このため補助記録層124はトラック方向に隣接する磁性粒子に亘って磁気的に連続することとなり、補助記録層124としての役割を発揮することができる。これに対しビットパターン型である場合には、記録ビット単位で補助記録層124も分断されてしまう。このため、ビットパターン型である場合には、補助記録層124を設けなくてもよい。さらには、充填層成膜工程において充填層138の高さを磁気記録層122の高さと略等しく成膜し、その後に、隣接する凸部にある補助記録層124を接続するように、凹部136に補助記録層124を再成膜してもよい(補助記録層再成膜工程)。再成膜する補助記録層124の膜厚は、当然に凸部にある補助記録層124の膜厚と略等しくすることが好ましい。
次に図8(d)に示すように、充填層成膜工程において磁気記録層122の凹部136に充填層138を成膜した後、凹部136の充填層138の上にさらに保護層140を成膜する(保護層再成膜工程)。なお、図8(d)中、保護層126をハッチングで示す。凹部136に成膜される保護層140は、保護層126の表面と略等しくなる膜厚で成膜される。
次に図8(e)に示すように、レジスト層130を除去する(レジスト除去工程)。レジスト除去工程は、図7(d)を用いて説明したレジスト除去工程と同様に行うことができる。
レジスト除去工程のあと、図8(f)に示すように、さらに保護層126を表面に成膜する(最終保護層成膜工程)。これにより、保護層126をより均一に成膜することが可能となる。また、膜硬度をさらに向上させることができる。最終保護層成膜工程における成膜方法は、保護層成膜工程および保護層再成膜工程と同様の成膜方法を適用することが可能である。
最終保護層成膜工程で成膜された保護層126の表面を、酸素を用いたRIE(酸素アッシング)により平坦化する(平坦化工程)。RIEによって突出した部分から優先的にエッチングされるため、その表面を全体的に平坦にすることができる。RIEのプラズマ源は、低圧で高密度プラズマが生成可能なICPを利用することができるが、ECRプラズマや、一般的な平行平板型RIE装置を利用することもできる。平坦化工程を終了すると、潤滑層128を形成して磁気記録媒体100の製造が完了する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、凹凸パターンが転写されたレジスト層130に別途処理を行わずイオン注入を行っているが、これに限定されず、凹凸パターンが転写されたレジスト層130の凹部底面に残存するレジスト層をエッチング等によって除去してからイオン注入を行ってもよい。
また、上記実施形態では、磁気記録層がグラニュラー構造を有する2層で構成しているが、これに限定されず、1層もしくは複数層で構成されてもよく、グラニュラー構造を有しなくてもよい。
本発明は、ディスクリートトラックメディアやビットパターンメディアのようなパターンドメディアを製造する際に用いられるスタンパ、およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法として利用可能である。
100…磁気記録媒体、100a…内孔、100b…凸欠陥、101…パーティクル、110…ディスク基体、112…付着層、114…軟磁性層、114a…第1軟磁性層、114b…スペーサ層、114c…第2軟磁性層、116…前下地層、118…下地層、118a…第1下地層、118b…第2下地層、120…非磁性グラニュラー層、122…磁気記録層、122a…第1磁気記録層、122b…第2磁気記録層、124…補助記録層、126…保護層、128…潤滑層、130…レジスト層、138…充填層、200…基板、210…EBレジスト、220…正パターンニッケル金型、230…逆パターンニッケル金型、230a…第1の円孔、240…基板、240a…第2の円孔、250…SOG、260…SOG型、300…スタンパ、310…スタンパ基体、310a…内孔、320…弾性層、330…パターン層、330a…第3の円孔、410…ガイド部材、420…軸部材

Claims (8)

  1. 内孔を有する円板形状の磁気記録媒体の製造工程において磁気記録層の上に形成したレジスト層に所定のパターンを形成するスタンパであって、
    基体と、
    前記基体より上に形成された弾性層と、
    前記弾性層より上に形成されたパターン層とを備え、
    前記基体は、前記磁気記録媒体の形状に対応した形状の台座部を有することを特徴とするスタンパ。
  2. 内孔を有する円板形状の磁気記録媒体の製造工程において磁気記録層の上に形成したレジスト層に所定のパターンを形成するスタンパであって、
    基体と、
    前記基体より上に形成された弾性層と、
    前記弾性層より上に形成されたパターン層とを備え、
    前記基体の平面形状は、前記磁気記録媒体の平面形状に対応した、内孔を有する円板形状であることを特徴とするスタンパ。
  3. 前記磁気記録媒体に用いられる基体をスタンパ用基体とし、該基体の上に、前記弾性層と、前記パターン層とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスタンパ。
  4. 前記スタンパ用基体は、ガラス基板であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスタンパ。
  5. 前記弾性層は、樹脂または金属からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスタンパ。
  6. 前記パターン層は、樹脂または金属からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスタンパ。
  7. 前記パターン層はナノカスティングによって形成され、
    前記弾性層の上にボンディングされていることを特徴とする請求項6に記載のスタンパ。
  8. 内孔を有する円板形状の基体上に、磁気記録層を成膜し、
    前記磁気記録層の上に保護層を成膜し、
    前記保護層の上にレジスト層を成膜し、
    前記基体とほぼ同じ形状のスタンパを、前記基体とスタンパの外周または内周を一致させることによって位置合わせし、
    前記スタンパを前記レジスト層にインプリントして所定のレジストパターンを形成し、
    前記レジストパターンに基づいて前記磁気記録層を磁気的に分離し、
    前記レジスト層を除去することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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