JP2010196835A - 内燃機関の軸受け装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり軸受けと滑り軸受けとの切替えを運転状態に応じて実行することができる内燃機関の軸受け装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の軸受け装置は、回転軸と、ころと、ころ保持器と、外輪と、ハウジングと、回転軸内潤滑油経路と、潤滑油経路と、固定軸と、制御手段と、を備える。潤滑油経路は、ハウジング外に設けられた通路と、ハウジングに設けられた通路と、外輪に設けられた通路(孔)と、ころ保持器に設けられた通路(孔)と、回転軸に設けられた通路とから成る。固定軸は、潤滑油経路内を移動可能な部材である。制御手段は、固定軸を移動させることで、転がり軸受け機能と滑り軸受け機能とを運転状態に応じて切り替える。
【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受けと滑り軸受けとを切替え可能な内燃機関の軸受け装置に関する。
従来から、転がり軸受け機能と滑り軸受け機能とを併せ持つ軸受け装置が知られている。例えば特許文献1には、プレーンベアリングの外周にローラベアリングを配し、エンジン始動から中速回転域まではフリクションが小さいローラベアリング、中速域から高速域においてはプレーンベアリングがそれぞれ支配的に作用するベアリング構造が開示されている。また、特許文献2には、回転軸の低速回転時には転がり軸受けが回転し、回転軸の高速回転時には回転軸と保持器と外輪とが一体回転軸としてハウジング内面を摺動する構造を有する軸受け装置が開示されている。
実開平05−050143号公報 特開2008−008412号公報
一般的に、運転状態によって、転がり軸受けと滑り軸受けとのいずれが適しているか異なる。具体的には、エンジンの始動時等の低油温時では、転がり軸受けは摩擦損失が滑り軸受けよりも低くなる。一方、高油温、高負荷時では、滑り軸受けは、摩擦損失や耐久性等の観点で転がり軸受けよりも優れている。従って、転がり軸受けと滑り軸受けとの切替えを運転状態に応じて実行できることが望ましい。しかし、特許文献1のベアリング構造は、フリクションとオイル攪拌とのバランスによってプレーンベアリングとローラベアリングが自動的に切り替わってしまう。同様に、特許文献2には、上記の問題は、何ら記載されていない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、転がり軸受けと滑り軸受けとの切替えを運転状態に応じて実行することができる内燃機関の軸受け装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点では、内燃機関の軸受け装置は、回転軸と、前記回転軸の外周に設けられたころ保持器と、前記回転軸の外周位置で前記ころ保持器により保持された複数のころと、前記ころ保持器の外周に設けられた外輪と、前記外輪の外周に設けられたハウジングと、前記回転軸の延在方向に設けられた回転軸内潤滑油経路と、前記回転軸内潤滑油経路と連通し、前記ハウジングの外部から前記回転軸内潤滑油経路にかけて設けられ、前記ハウジング内、前記外輪内、前記ころ保持器内、及び前記回転軸内に経路を有する潤滑油経路と、前記潤滑油経路内に配置された固定軸と、前記固定軸を移動させることで、転がり軸受け機能と滑り軸受け機能とを運転状態に応じて切り替える制御手段と、を備える。
上記の内燃機関の軸受け装置は、回転軸と、ころと、ころ保持器と、外輪と、ハウジングと、回転軸内潤滑油経路と、潤滑油経路と、固定軸と、制御手段と、を備える。潤滑油経路は、ハウジング外に設けられた通路と、ハウジングに設けられた通路と、外輪に設けられた通路(孔)と、ころ保持器に設けられた通路(孔)と、回転軸に設けられた通路とから成る。固定軸は、潤滑油経路内を移動可能な固形の部材である。制御手段は、例えばECU(Electronic Control Unit)であり、固定軸を移動させることで、転がり軸受け機能と滑り軸受け機能とを運転状態に応じて切り替える。このように、内燃機関の軸受け装置は、運転状態に応じて適切に転がり軸受け機能と滑り軸受け機能とを切り替えることで、摩擦損失の低減や耐久性の向上、騒音の抑制等を実現することができる。
上記の内燃機関の軸受け装置の一態様では、前記制御手段は、転がり軸受け機能に切り替える場合、前記固定軸により前記ハウジングと前記外輪とを一体に固定し、滑り軸受け機能に切り替える場合、前記固定軸により前記回転軸と前記ころ保持器と前記外輪とを一体に固定する。この態様では、制御手段は、エンジン始動時等では、固定軸をハウジング内の通路と外輪内の通路とにわたる位置に移動させることで、外輪とハウジングとを一体に固定し、内燃機関の軸受け装置を転がり軸受けとして機能させる。一方、制御手段は、高油温、高負荷時では、固定軸を回転軸ところ保持器と外輪とにわたる位置に移動させることで、回転軸ところ保持器と外輪とを一体に回転させ、内燃機関の軸受け装置を滑り軸受けとして機能させる。このように、内燃機関の軸受け装置は、適切に転がり軸受け機能と滑り軸受け機能とを切り替えることができる。
上記の内燃機関の軸受け装置の他の一態様では、前記潤滑油経路に設けられたオイルポンプと、前記ハウジングの前記潤滑油経路と前記オイルポンプとの間の前記潤滑油経路に設けられた油圧調整バルブと、前記回転軸内の前記潤滑油経路に設けられ、前記固定軸の前記回転軸内潤滑油経路側への移動を制限する第1ストッパと、前記ハウジング内の前記潤滑油経路に設けられ、前記固定軸の前記オイルポンプ側への移動を制限する第2ストッパと、をさらに備え、前記制御手段は、前記油圧調整バルブの開度を調整することにより、前記第1ストッパと前記第2ストッパとの間で前記固定軸の位置を移動させる。この態様では、制御手段は、油圧調整バルブの開度により固定軸への油圧を調整する。これにより、内燃機関の軸受け装置は、固定軸の位置を制御することができ、適切に転がり軸受け機能と滑り軸受け機能とを切り替えることができる。
上記の内燃機関の軸受け装置の他の一態様では、前記制御手段は、前記転がり軸受け機能と前記滑り軸受け機能との切替えの遷移段階では、前記回転軸内潤滑油経路から前記固定軸への油圧と、前記油圧調整バルブから前記固定軸への油圧とを所定時間幅にわたり等しくする。所定時間幅は、例えば、回転軸の回転数ところ保持器の回転数と外輪の回転数との回転数差が、固定軸の移動に際しショックが発生しない範囲の回転数差になる時間幅に設定される。このようにすることで、制御手段は、固定軸を移動させる際に、回転軸の回転数ところ保持器の回転数と外輪の回転数との回転数差を縮小させることができ、転がり軸受けと滑り軸受けとの切替えに起因したショックの発生を抑制することができる。
上記の内燃機関の軸受け装置の他の一態様では、エンジンとモータとを駆動源とするハイブリッド車両に搭載され、前記制御手段は、前記エンジンの停止中に、前記外輪内の前記潤滑油経路と前記ハウジング内の前記潤滑油経路とが前記固定軸の摺動方向に重なるように、前記回転軸を前記モータにより回転させる。このようにすることで、制御手段は、例えば、エンジン停止中のEV走行時に転がり軸受け機能と滑り軸受け機能との切替えを実行することができる。また、制御手段は、次回のエンジン始動時に固定軸の制御を早期に開始できるように、外輪内の前記潤滑油経路と前記ハウジング内の前記潤滑油経路との位置合わせをすることも可能になる。
上記の内燃機関の軸受け装置の他の観点では、内燃機関の軸受け装置は、回転軸と、前記回転軸の外周に設けられたころ保持器と、前記回転軸の外周位置で前記ころ保持器により保持された複数のころと、前記ころ保持器の外周に設けられた外輪と、前記外輪の外周に設けられ、アッパーハウジングとロアハウジングとから形成されるハウジングと、前記アッパーハウジングに、前記ロアハウジング側への油圧を供給するハウジング軸力調整用ポンプと、前記ハウジング軸力調整用ポンプを駆動制御して前記アッパーハウジングと前記ロアハウジングとの締付力を調整することで、転がり軸受け機能と滑り軸受け機能とを切り替える制御手段と、を備える。
上記の内燃機関の軸受け装置は、回転軸と、ころと、ころ保持器と、外輪と、ハウジングと、ハウジング軸力調整用ポンプと、制御手段と、を備える。ハウジング軸力調整用ポンプは、アッパーハウジングに、ロアハウジング側への油圧を供給し、アッパーハウジングとロアハウジングとの締付力を増大させる。制御手段は、例えばECUであり、ハウジング軸力調整用ポンプを駆動制御してアッパーハウジングとロアハウジングとの締付力を調整することで、外輪とハウジング間のクリアランスを調整する。従って、制御手段は、上述の締付力を増大させて外輪とハウジングとを固定することで、内燃機関の軸受け装置を転がり軸受けとして機能させることができる。また、制御手段は、締付力を減少させることで、内燃機関の軸受け装置を滑り軸受けとして機能させることができる。
第1実施形態に係る内燃機関の軸受け装置の概略構成図を示す。 滑り軸受モードでの軸受け部の概略構成図である。 転がり軸受モードと滑り軸受モードとの使用領域を示すマップの一例である。 ストライベック線図を示す。 第1実施形態での処理手順を示すフローチャートの一例を示す。 第2実施形態における軸受け部のモード切替の遷移を表す図の一例である。 第3実施形態に係る内燃機関の軸受け装置が搭載されるハイブリッド車両の概略構成図である。 第3実施形態に係る軸受け部の転がり軸受モードと滑り軸受モードとにおける状態を表す図の一例である。 第4実施形態における内燃機関の軸受け装置の概略構成を示す図の一例である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態における内燃機関の軸受け装置について説明する。以下では、まず、内燃機関の軸受け装置の構成について説明した後、内燃機関の軸受け装置が行う制御について説明する。
(装置構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る内燃機関の軸受け装置100の断面図の一例を示す。図1では、内燃機関の軸受け装置100は、後述するように、転がり軸受けとして機能している。内燃機関の軸受け装置100は、軸受け部50と、ECU22と、を有する。
軸受け部50は、回転軸1を支持すると共に回転軸1を正確かつ滑らかに回転させる軸受け(ベアリング)である。軸受け部50は、回転軸1と、ころ保持器3と、ころ4と、外輪5と、ハウジング6と、潤滑油経路7と、油圧調整バルブ8と、オイルポンプ9と、を有する。
回転軸1は、例えば、クランクシャフトやカムシャフトであり、エンジン等を原動力として回転する。ここでは、回転軸1は、一例として、左回り(即ち、反時計回り)に回転するものとする。回転軸1は、軸の中心位置で軸内部に延在する回転軸内潤滑油経路2を有する。回転軸内潤滑油経路2は、各部を潤滑するためのオイル(以後、「潤滑油」と呼ぶ。)が流れる。回転軸内潤滑油経路2は、後述する潤滑油経路7と連通する。
回転軸1の外周には、ころ保持器3が配置されている。ころ保持器3は、プレス加工や削り加工などで成形された円環状の形状を有し、複数のころ4を軸受け部50の中で等間隔に保持する。ころ4は、例えば円筒状の転動体であり、回転軸1の軌道面と線で線接触しながら回転する。ころ保持器3の外周には、円筒状の外輪5が配置されている。ハウジング6は、鋳鉄製や鋼板製などの軸受箱であり、アッパーハウジング6xとロアハウジング6yとに分割されている。
潤滑油経路7は、回転軸内潤滑油経路2と連通し、ハウジング6の外部から回転軸内潤滑油経路2にかけて設けられ、ハウジング6内、外輪5内、ころ保持器3内、及び回転軸1内に経路を有する。即ち、潤滑油経路7は、回転軸1内の潤滑油経路7a、ころ保持器3内の潤滑油経路7b、外輪5内の潤滑油経路7c、及びハウジング6内の潤滑油経路7dとを有する。潤滑油経路7上には、油圧調整バルブ8と、オイルポンプ9と、固定軸12と、第1ストッパ10と、第2ストッパ11と、がそれぞれ設置されている。
油圧調整バルブ8は、潤滑油経路7の開閉を行うバルブである。油圧調整バルブ8は、ECU22からの制御信号S8に基づきその開度が制御される。オイルポンプ9は、駆動することにより、回転軸内潤滑油経路2側へ油圧を発生させる。オイルポンプ9は、例えばクランクシャフト等の動力を利用して駆動する。
固定軸12は、潤滑油経路7中で移動自在な部材であり、回転軸内潤滑油経路2から供給される油圧とオイルポンプ9から供給される油圧とに起因して移動する。固定軸12の長さは、例えば、後述する制御が実行可能な長さに実験等に基づき定められる。
第1ストッパ10は、回転軸1内の潤滑油経路7に設置される。第1ストッパ10は、オイルポンプ9からの油圧により回転軸内潤滑油経路2側へ移動する固定軸12の位置を制限する。即ち、固定軸12は、第1ストッパ10よりも回転軸内潤滑油経路2側への移動が制限される。第2ストッパ11は、ハウジング6内の潤滑油経路7dに設置される。第2ストッパ11は、オイルポンプ9側へ移動する固定軸12の位置を制限する。即ち、固定軸12は、第2ストッパ11よりもオイルポンプ9側への移動が制限される。
アクセル開度センサ20は、図示しないアクセルペダルの踏込み量、即ちアクセル開度を検出する。アクセル開度センサ20は、検出値を検出信号S20によりECU22へ供給する。
回転数センサ21は、エンジン回転数を示す出力パルスを発生する。回転数センサ21は、出力パルスを検出信号S21によりECU22へ供給する。
ECU22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びA/D変換器などを含んで構成される。ECU22は、ROMに記憶したマップを参照することで、アクセル開度センサ20及び回転数センサ21によりエンジン1の負荷(以後、単に「負荷」と呼ぶ。)及びエンジン1の回転数(以後、単に「エンジン回転数」と呼ぶ。)を取得する。そして、ECU22は、油圧調整バルブ8の開度を制御することで固定軸12の位置を制御する。これにより、ECU22は、外輪5とバウンジング6とを一体に固定するモード(以後、「転がり軸受モード」と呼ぶ。)と、回転軸1ところ保持器3と外輪5とを一体に固定し、それらを一体軸として回転させるモード(以後、「滑り軸受モード」と呼ぶ。)とを切り替える。このように、ECU22は、本発明における制御手段の一例である。
次に、図1及び図2を用いて、転がり軸受モード時と滑り軸受モード時の軸受け部50の状態について説明する。
図1は、転がり軸受モード時の内燃機関の軸受け装置100の状態を示す。図1に示すように、固定軸12は、外輪5内の潤滑油経路7cとハウジング6内の潤滑油経路7dとにわたって位置する。即ち、固定軸12は、ハウジング6に外輪5を固定する。このとき、回転軸内潤滑油経路2から供給される潤滑油の油圧(以後、「転がり潤滑油圧Pr」と呼ぶ。)により、回転軸1ところ保持器3の間及びころ保持器3と外輪5の間が潤滑され、ころ4が外輪5の内面を摺動する。このように、転がり軸受モードでは、軸受け部50は、回転軸1ところ4との間の転がり摩擦を利用し、いわゆる転がり軸受けとして機能する。
図2は、滑り軸受モード時の軸受け部50の状態を示す。図2に示すように、固定軸12は、回転軸1内の潤滑油経路7aところ保持器3の潤滑油経路7bと外輪5の潤滑油経路7cとにわたって位置する。即ち、固定軸12は、回転軸1と、ころ保持器3と、外輪5とが一体となって回転し、一体軸となるようにこれらを固定する。このとき、オイルポンプ9から供給された潤滑油の油圧(以後、「滑り潤滑油圧Ps」と呼ぶ。)により、外輪5とハウジング6との間が潤滑される。これにより、回転軸1ところ保持器3と外輪5とが一体となってハウジング6内を摺動する。このように、滑り軸受モード時では、軸受け部50は、外輪5とハウジング6との間の滑り摩擦を利用し、いわゆる滑り軸受けとして機能する。
(制御方法)
次に、第1実施形態でECU22が実行する制御について説明する。ECU22は、運転状態に応じて転がり軸受モードと滑り軸受モードとを適切に切り替える。このようにすることで、ECU22は、摩擦損失低減により燃費を向上させると共に、軸受け部50の高寿命及び低騒音を実現する。
これについて具体的に説明する。ECU22は、エンジン起動時、潤滑油の低油温時、及び/または軸受け部50の低面圧時では、転がり軸受モードを選択する。即ち、ECU22は、これらの場合には、転がり軸受けは摩擦損失低減効果が高いと判断し、転がり軸受モードを選択する。具体的には、ECU22は、油圧調整バルブ8を閉じ、回転軸内潤滑油経路2から低圧の滑り潤滑油圧Psを発生させる。これにより、ECU22は、固定軸12を第2ストッパ11側に移動させ、ハウジング6と外輪5とを固定させる。即ち、ECU22は、軸受け部50を図1に示す状態にする。このように、ECU22は、エンジン起動時等では転がり軸受モードを選択することで、摩擦損失を低減させ、燃費を向上させることができる。
一方、ECU22は、回転軸1の高回転時、潤滑油の高油温時、及び/または高面圧時では、滑り軸受モードを選択する。即ち、ECU22は、これらの場合、転がり軸受モードにすると摩擦損失が増大すると共に、騒音が高くなり、耐久性が低くなると判断し、滑り軸受モードを選択する。具体的には、ECU22は、油圧調整バルブ8の開度を大きくすることで、オイルポンプ9から高油圧の転がり潤滑油圧Prを発生させる。これにより、ECU22は、固定軸12を第1ストッパ10側へ移動させ、回転軸1ところ保持器3と外輪5とを一体に固定する。即ち、ECU22は、軸受け部50を図2に示す状態にする。また、オイルポンプ9から供給される潤滑油により、ハウジング6と外輪5との間が潤滑される。このように、ECU22は、回転軸1の高回転時等では滑り軸受モードを選択することで、低燃費、高寿命、及び低騒音を実現することができる。
次に、図3を用いて、転がり軸受モードと滑り軸受モードとを切替える制御(以後、「モード切替制御」と呼ぶ。)についてさらに詳しく説明する。図3は、エンジン負荷と、エンジン回転数とに対応する転がり軸受モードの使用領域と滑り軸受モードの使用領域を示すマップの一例である。図3の領域40は、滑り軸受モードを使用する領域を示し、領域41は、転がり軸受けモードを使用する領域を示す。
図3に示すように、ECU22は、エンジン負荷とエンジン回転数が比較的低い場合、即ち、エンジン始動直後や低面圧、及び/または低油温の場合では、転がり軸受モードを選択することで、摩擦損失を低減させる。一方、ECU22は、エンジン負荷とエンジン回転数が比較的高い場合、即ち、高面圧及び高油圧となる場合では、滑り軸受モードを選択することで、軸受け部50の高寿命や低騒音を実現する。
従って、ECU22は、例えば、各種センサに基づきエンジン負荷とエンジン回転数とを算出し、図3に示すようなマップ等を参照することで、転がり軸受モードと滑り軸受モードとを適宜切り替えることができる。この場合、例えば、図3に示すようなマップ等を予め実験等に基づき適切に定めておき、ECU22は、メモリ等に予め保持しておく。このようにすることで、ECU22は、適切に転がり軸受モードと滑り軸受モードとを切り替えることができる。
次に、第1実施形態における効果について図4を用いて補足説明する。
図4は、ストライべック線図を示す。即ち、図4は、軸受けの摩擦係数と、潤滑油の粘度に軸の回転速度を乗じたものを面圧(荷重)で除した値と、の関係を示す線図である。破線枠61は、転がり軸受けで使用される部分に対応する。破線枠62は、滑り軸受けで使用される部分に対応する。
一般的に、転がり軸受けは、回転軸と転動接触(即ち、線接触)しているため、エンジン起動時の起動トルクが低く、また、潤滑油の粘性の影響を受けにくい。即ち、この場合、図4に示すように、転がり軸受けは混合潤滑状態にある。従って、転がり軸受けは、低油温時の摩擦損失が滑り軸受けと比べて低いというメリットがある。但し、高油温、高面圧、高負荷時では、転がり軸受けは、線接触のため面圧が高く、油膜切れにより境界潤滑状態となる。従って、この場合、逆に摩擦損失が増大し、軸受けの摩耗が進むため、転がり軸受けの耐久性が低くなるという問題がある。
一方、滑り軸受けは、面接触のため、油膜を形成しやすく、耐久性に優れる。しかし、図4に示すように、滑り軸受けは、流体潤滑状態のため、潤滑油の粘性の影響が大きい。従って、低油温時は摩擦損失が増大し、起動トルクも大きいという問題がある。
以上を考慮し、第1実施形態では、ECU22は、運転状態に応じて、転がり軸受けと滑り軸受けとを適切に使い分けている。従って、ECU22は、大幅な摩擦損失の低減を実行することができる。
(処理フロー)
次に、本実施形態における処理の手順について説明する。図5は、本実施形態での処理手順を表すフローチャートの一例である。ECU22は、このフローチャートの処理を、例えば所定周期に従い繰り返し実行する。
まず、ECU22は、エンジン起動時等であるか否かについて判定する(ステップS100)。即ち、ECU22は、エンジン起動時であるか、低油温時、低面圧時であるか否かについて判断する。例えば、ECU22は、図3のマップ等を参照して、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づき領域40と領域41とのいずれに該当するかについて判定する。
そして、エンジン起動時等であると判定した場合(ステップS100;Yes)、ECU22は、転がり軸受モードを選択する(ステップS102)。そして、ECU22は、以下のステップS102乃至ステップS104の処理を実行することで、軸受け部50を図1に示す状態にする。具体的には、ECU22は、油圧調整バルブ8を閉じる(ステップS102)。そして、ECU22は、回転軸1内から転がり潤滑油圧Prを発生させる(ステップS103)。これにより、ECU22は、固定軸12を第2ストッパ11まで移動させ、ハウジング6と外輪5とを一体に固定する。同時に、ECU22は、回転軸1、ころ4、外輪5間を潤滑させる(ステップS104)。以上のようにすることで、ECU22は、エンジンの起動時等では、軸受け部50を、起動トルクが低く潤滑油の粘性の影響を受けにくい転がり軸受けとして機能させることで、摩擦損失を減らし、燃費を向上させることができる。
一方、エンジン起動時等ではない場合(ステップS100;No)、即ち、高負荷、高油圧等の場合、ECU22は、滑り軸受モードを選択する(ステップS105)。そして、ECU22は、以下のステップS106乃至ステップS108を実行することで、軸受け部50を図2に示す状態にする。具体的には、ECU22は、油圧調整バルブ8を開く(ステップS106)。そして、ECU22は、オイルポンプ9から滑り潤滑油圧Psを発生させる(ステップS107)。これにより、ECU22は、固定軸12を第1ストッパ10まで移動させ、回転軸1と、ころ保持器3と、外輪5とを一体に固定する。同時に、ECU22は、外輪5、ハウジング6間を潤滑する(ステップS108)。以上のようにすることで、ECU22は、高面圧、高油温時では、軸受け部50を、油膜を形成しやすく耐久性に優れた滑り軸受けとして機能させることで、摩擦損失を減らし、騒音を低減し、耐久性を高めることができる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、ECU22は、固定軸12の位置を制御することで、外輪5とハウジング6とを一体に固定させた転がり軸受モードと、回転軸1ところ保持器3と外輪5とを一体に固定させた滑り軸受モードとを運転状態に応じて切り替えた。これに加え、第2実施形態では、ECU22は、上述の転がり軸受モードと滑り軸受モードとの中間状態(遷移状態)を意図的に形成することで、モード切替時に発生するショックを抑制する。
これについて図6を用いて説明する。なお、第2実施形態の内燃機関の軸受け装置100の構成は、第1実施形態と同様であるため、各構成の説明は省略する。
図6(a)は、モード切替制御の初期段階(即ち、開始直後)での軸受け部50の状態を示す。
図6(a)に示す初期段階では、ECU22は、油圧調整バルブ8を全閉にした状態から、油圧調整バルブ8を徐々に開け、固定軸12を回転軸1の方向に移動させ始める。即ち、ECU22は、油圧調整バルブ8を徐々に開くことにより、転がり潤滑油圧Prよりも滑り潤滑油圧Psを大きくする。言い換えると、ECU22は、以下の式(1)が成立するように油圧調整バルブ8を制御する。
Pr≦Ps 式(1)
また、初期段階では、ハウジング6と外輪5とが固定軸12で固定されており、軸受け部50は転がり軸受けとして機能している。従って、この場合、外輪5はハウジング6に固定されて静止すると共に、ころ4は外輪5の内面を摺動する。即ち、回転軸1の回転数を「N1」、ころ保持器3の回転数を「N3」、外輪5の回転数を「N5」とすると、初期段階では以下の式(2)が成立する。
N1>N3>N5=0 式(2)
図6(b)は、モード切替制御の遷移段階での軸受け部50の状態を示す。
遷移段階では、ECU22は、油圧調整バルブ8を初期段階時の制御よりもさらに開け、固定軸12を、図6(b)に示すように、ころ保持器3と外輪5とを一体に固定する位置に移動させる。このとき、ECU22は、例えば、図示しない固定軸12の位置センサの検出値等に基づき、油圧調整バルブ8の開度を制御してもよい。
そして、固定軸12をころ保持器3と外輪5とを一体に固定する位置に移動させた後、ECU22は、転がり潤滑油圧Prと滑り潤滑油圧Psとが等油圧になるように制御する。即ち、ECU22は、図6(b)の状態後は、以下の式(3)が成立するように油圧調整バルブ8の開度を制御する。
Pr=Ps 式(3)
また、図6(b)に示す遷移段階では、ころ保持器3と外輪5とが固定軸12で一体となって固定されている。従って、ころ保持器3と外輪5とは、ハウジング6内を一体となって摺動する。即ち、図6(b)の状態では、以下の式(4)が成立する。
N1>N3=N5 式(4)
このように、遷移段階では、ECU22は、ころ保持器3と外輪5とを一体に固定し、これらの回転数と回転軸1の回転数との回転数差が縮小するまで待機する。
図6(c)は、モード切替制御の終了段階、即ち、転がり軸受モードから滑り軸受モードへの遷移が終了する段階での軸受け部50の状態を示す。
終了段階では、まず、ECU22は、遷移段階に引き続いて外輪5ところ保持器3との固定を維持しつつ、転がり潤滑油圧Prと滑り潤滑油圧Psとを共に増大させる。このとき、ECU22は、例えば油圧調整バルブ8の開度を調整したり、滑り潤滑油圧Psを加圧可能な回転軸1内の電動オイルポンプ等を駆動させることで、転がり潤滑油圧Prと滑り潤滑油圧Psとを共に増大させる。これにより、ECU22は、ころ4が摺動する抵抗を増大させて、回転軸1ところ保持器3及び外輪5との回転数の差を、固定軸12の移動に際しショックが発生しない範囲まで縮める。上述の範囲は、例えば実験等により適切に定められる。
さらに、回転軸1ところ保持器3及び外輪5との回転数の差が縮小した後、ECU22は、油圧調整バルブ8を全開にすることで、転がり潤滑油圧Prよりも滑り潤滑油圧Psを大きくする。即ち、ECU22は、以下の式(5)が成立するように、油圧調整バルブ8を調整する。
Pr<Ps 式(5)
これにより、ECU22は、図6(c)に示すように、固定軸12を第1ストッパ10まで移動させる。このとき、回転軸1の回転数N1と、ころ保持器3の回転数N3及び外輪5の回転数N5と、の回転数の差は、固定軸12の潤滑油経路7aへの移動に起因したショックが発生しない範囲内にある。従って、ECU22は、ショックを発生させることなく固定軸12を第1ストッパ10まで移動させることができる。
そして、上述の処理により、回転軸1ところ保持器3と外輪5とは、図6(c)に示すように、固定軸12で一体に固定される。従って、この場合、回転軸1ところ保持器3と外輪5とが一体となってハウジング6内を摺動する。即ち、図6(c)に示す状態では、以下の式(6)が成立する。
N1=N3=N5 式(6)
このように、図6(c)に示す終了段階では、ECU22は、回転軸1の回転数ところ保持器3及び外輪5の回転数との回転数差を縮小させた後、固定軸12を回転軸1内の潤滑油経路7aに挿入させる。これにより、ECU22は、軸受け部50を、滑り軸受けとして機能させることができる。
以上のように、第2実施形態では、ECU22は、転がり軸受モードから滑り軸受モードへのモード切替に起因したショックの発生を抑制することができる。
(変形例)
上述の第2実施形態では、転がり軸受モードから滑り軸受モードへのモード切替制御について述べた。しかし、本発明が適用可能な場面はこれに限らず、滑り軸受モードから転がり軸受モードへ切り替える場合にも本発明を適用してもよい。この場合、例えば、ECU22は、上述した制御を逆方向に実行する。即ち、ECU22は、上述した油圧調整バルブ8の制御などにより、転がり潤滑油圧Prと滑り潤滑油圧Psとを調整し、軸受け部50を図6(c)の状態から図6(b)、そして図6(a)へと遷移させる。このようにすることで、ECU22は、滑り軸受モードから転がり軸受モードへ切り替える場合でも、モード切替に起因したショックの発生を抑制することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、内燃機関の軸受け装置100はハイブリッド車両に搭載される。そして、第1及び第2実施形態の制御に代えて、または加えて、ECU22は、EV走行中に、モーターで回転軸を移動させることにより潤滑油経路7a乃至7dの位置を調整すると共に、転がり潤滑油圧Pr及び滑り潤滑油圧Psを制御することで、滑り軸受モードから転がり軸受モードへの切替えを実行する。以下では、まず、ハイブリッド車両の構成について説明した後、ECU22が実行する具体的な制御方法について説明する。なお、内燃機関の軸受け装置100の構成は第1実施形態と同様であるため、内燃機関の軸受け装置100の構成の説明は省略する。
(車両の構成)
まず、第3実施形態の内燃機関の軸受け装置100を適用したハイブリッド車両について説明する。図7は、車両200の概略構成を示す図である。車両200は、主に、エンジン31と、車軸32と、車輪33と、モータ(モータジェネレータ)MG1、MG2と、プラネタリギヤ34と、インバータ35と、バッテリ36と、ECU22と、を備える。以後、ハイブリッド車両200の各構成要素について説明する。
車軸32は、エンジン31及びモータMG2の動力を車輪33に伝達する動力伝達系の一部である。車輪33は、ハイブリッド車両200の車輪であり、説明の簡略化のため、図1では特に左右前輪のみが表示されている。
モータMG1は、主としてバッテリ36を充電するための発電機、或いはモータMG2に電力を供給するための発電機として機能するように構成されている。また、モータMG2は、主としてエンジン1の出力をアシスト(補助)する電動機として機能するように構成され、車軸32に動力を伝達することができるように構成されている。モータMG2の回転数は、ECU22によって制御される。
これらのモータMG1及びモータMG2は、例えば同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える。
プラネタリギヤ(遊星歯車機構)34は、エンジン1の出力をモータMG1及び車軸32へ分配することが可能に構成され、動力分割機構として機能する。
インバータ35は、バッテリ36と、モータMG1及びモータMG2との間の電力の入出力を制御する直流交流変換機である。例えば、インバータ35は、バッテリ36から取り出した直流電力を交流電力に変換して、或いはモータMG1によって発電された交流電力をそれぞれモータMG2に供給すると共に、モータMG1によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ36に供給することが可能に構成されている。
バッテリ36は、モータMG1及びモータMG2を駆動するための電源として機能することが可能に構成された充電可能な蓄電池である。
なお、上述の車両の構成は一例であり、本発明が適用可能な構成はこれに限定されない。例えば、車両200は、上述の構成に加えて、外部電源からの電力をバッテリ106に充電可能な外部充電装置を備えてもよい。さらに、車両200は、上述の構成に代えて、モータMG1とモータMG2とが一体のモータにより構成されてもよい。以後、モータMG1とモータMG2とを特に区別せず、単に「モータ」と称す。
(制御方法)
次に、第3実施形態においてECU22が実行する制御について図8を用いて説明する。図8は、エンジンを停止してモータの動力により車両200が駆動している時(即ち、EV走行時)の軸受け部50の構成の一例を示す。具体的には、図8(a)は、滑り軸受モードでの軸受け部50の構成を示す。図8(b)は、転がり軸受モードでの軸受け部50の構成を示す。以下では、図8(a)の状態から図8(b)の状態へ遷移させる制御について説明する。
まず、ECU22は、図8(a)に示す状態で、油圧調整バルブ8を全閉にすると共に、外輪5内の潤滑油経路7cの延在方向とハウジング6内の潤滑油経路7dの延在方向とが一致する位置、即ち、潤滑油経路7cと潤滑油経路7dとが略直線上に位置するようにモータで回転軸1を微回転させる。即ち、ECU22は、固定軸12がハウジング6内の潤滑油経路7dへ移動可能なように、モータリングを行うことで外輪5内の潤滑油経路7cの位置を調整する。この場合、例えば、内燃機関の軸受け装置100は、潤滑油経路7cと潤滑油経路7dとが一致したか否かを判定可能なセンサを有してもよい。
そして、ECU22は、上述のモータによる回転軸1の回転に起因した転がり潤滑油圧Prにより、または、図示しない電動オイルポンプから供給される転がり潤滑油圧Prにより、固定軸12をハウジング6内の潤滑油経路7dに設置された第2ストッパ11まで移動させる。これにより、ECU22は、図8(b)に示すように、外輪5とハウジング6とを固定することで、転がり軸受モードへの切替えを完了する。
以上のように、内燃機関の軸受け装置100は、ハイブリッド車両に搭載された場合に、モータの動力を利用することで、適切に滑り軸受モードから転がり軸受モードへ切り替えることができる。
(変形例1)
上述の第3実施形態では、滑り軸受モードから転がり軸受モードへのモード切替制御について説明した。一方、これに加えて、本実施形態は、転がり軸受モードから滑り軸受モードへ切り替える場合にも適用可能である。この具体例について以下説明する。
ECU22は、EV走行中に、図8(b)に示す転がり軸受モードの状態で、上述の説明と同様に、モータにより回転軸1を微回転させることにより、外輪5内の潤滑油経路7cと、ころ保持器3内の潤滑油経路7bと、回転軸1内の潤滑油経路7aとを略直線上に一致させる。そして、ECU22は、油圧調整バルブ8を開き滑り潤滑油圧Psを発生させることで、固定軸12を第1ストッパ10まで移動させる。
他の例として、ECU22は、ころ保持器3内の潤滑油経路7bと外輪5内の潤滑油経路7cとを一致させた後、油圧調整バルブ8を開く。これにより、ECU22は、固定軸12をころ保持器3と外輪5とにわたる位置に移動させる。そして、その後、ECU22は、回転軸1の潤滑油経路7aところ保持器3の潤滑油経路7bを一致させた後、固定軸12を回転軸1内の第1ストッパ10まで移動させる。
以上のように、ECU22は、転がり軸受モードから滑り軸受モードへのモード切替についても適切に実行することができる。
(変形例2)
第3実施形態での制御は、第2実施形態と組み合わせて(または使い分けて)適用することもできる。
具体的には、ECU22は、エンジン31の急加減速時では、エンジン31が停止してから第3実施形態の制御を実行する。即ち、急加減速時で第2実施形態のモード切替制御を実行した場合、回転軸1の回転数N1と外輪5の回転数N5との回転数差が大きく、かつ、モード切替の実行時間が短い。従って、この場合、モード切替に起因したショックが増大する可能性があることから、ECU22は、エンジン31の作動時では、モード切替制御を実行しない。
一方、ECU22は、定常運転時では、第2実施形態の制御によりモード切替制御を実行する。即ち、この場合、回転軸1の回転数N1と外輪5の回転数N5との回転数差が比較的小さく、かつ、モード切替制御の実行時間を十分確保できる。従って、第2実施形態のモード切替制御を実行することにより、ECU22は、モード切替に起因したショックの発生を抑制することができる。
また、ECU22は、走行状態にかかわらず、モータの動力を利用することで、所定時間幅のエンジン31の定常状態をつくり、第2実施形態の制御を実行してもよい。即ち、ECU22は、第2実施形態のモード切替制御の実行時間確保のため、意図的にエンジン31の定常状態を生成してもよい。上述の所定時間幅は、例えば、第2実施形態のモード切替制御をショックを発生させることなく実行するのに十分な時間幅に設定され、具体的には、実験等により適切な値に設定される。このようにすることで、ECU22は、第3実施形態の制御に要する電力消費分を抑制することができる。即ち、ECU22は、意図的に第2実施形態のモード切替制御を実行することで、EV走行中に回転軸1を微回転させ、電動ポンプにより転がり潤滑油圧Prを発生させる電力消費を低減することができる。
[第4実施形態]
上述の第1実施形態乃至第3実施形態では、ECU22は、油圧を調整することにより潤滑油経路7内で固定軸12を移動させて転がり軸受モードと滑り軸受モードとを切り替えていた。これに代えて、またはこれに加えて、第4実施形態では、ECU22は、アッパーハウジング6xとロアハウジング6yとの締付力を調整することで、転がり軸受モードと滑り軸受モードとを切り替える。このようにすることで、ECU22は、モード切替に起因したショックをより低減させることができる。以下では、第4実施形態の軸受け部50の構成について説明した後、ECU22が実行する制御について具体的に説明する。
図9は、第4実施形態における内燃機関の軸受け装置100の構成の一例を示す。図9に示すように、軸受け部50は、通路71と、ハウジング軸力調整用ポンプ79と、油圧伝達部材75とを有する。
ハウジング軸力調整用ポンプ79は、通路71上に設けられ、通路71及び油圧伝達部材75中の油圧を上昇させる。ハウジング軸力調整用ポンプ79は、ECU22の制御信号S79に基づき駆動される。油圧伝達部材75は、アッパーハウジング6xまたはロアハウジング6yと接続し、アッパーハウジング6xとロアハウジング6yとの締付力を調整するための油(以後、「軸力調整油OL」と呼ぶ。)を保持する。即ち、軸力調整油OLは、油圧伝達部材75とアッパーハウジング6xとにより囲まれる。従って、油圧伝達部材75は、ハウジング軸力調整用ポンプ79から供給された油圧(以後、「軸力調整油圧Pa」と呼ぶ。)をアッパーハウジング6xに伝達する。なお、第4実施形態の軸受け部50には、ころ保持器3内の潤滑油経路7b及び外輪5内の潤滑油経路7cは設けられていない。
次に、転がり軸受モードと滑り軸受モードとでECU22が実行する制御についてそれぞれ説明する。
転がり軸受モードでは、ECU22は、ハウジング軸力調整用ポンプ79を起動させ、軸力調整油圧Paを発生させると共に、油圧調整バルブ8を全閉にすることで、ハウジング6と外輪5間の隙間(クリアランス)を小さくする。即ち、ECU22は、ハウジング軸力調整用ポンプ79を起動させてアッパーハウジング6xとロアハウジング6yとの締付力を増大させることにより、ハウジング6と外輪5間の摩擦を増やす。
さらに、ECU22は、油圧調整バルブ8を全閉にすることで、ハウジング6と外輪5間への潤滑油の流れを止める。以上のようにすることで、ECU22は、ハウジング6と外輪5とを固定し、軸受け部50を転がり軸受けとして機能させることができる。
滑り軸受モードでは、ECU22は、ハウジング軸力調整用ポンプ79を停止させることで、ハウジング6の締付力を弱め、ハウジング6と外輪5間にクリアランスを拡大させる。さらに、ECU22は、油圧調整バルブ8を全開にすることで、ハウジング6と外輪5間を潤滑油により潤滑する。さらに、ECU22は、転がり潤滑油圧Prを過大にすることで、ころ4の摺動抵抗を増大させる。例えば、ECU22は、転がり潤滑油圧Prを図示しない電動オイルポンプ等により加圧してもよい。このようにすることで、ECU22は、回転軸1の回転数N1と、ころ保持器3の回転数N3と、外輪5の回転数N5との回転数差を縮小させ、これらを一体軸化することができる。即ち、ECU22は、上述の制御により、軸受け部50を滑り軸受けとして機能させることができる。
以上のように、ECU22は、転がり軸受モードと滑り軸受モードとでそれぞれ上述の制御を実行することで、モード切替時のショックを低減させることが可能となる。
1 回転軸
2 回転軸内潤滑油経路
3 ころ保持器
4 ころ
5 外輪
6 ハウジング
7 潤滑油経路
8 油圧調整バルブ
9 オイルポンプ
10 第1ストッパ
11 第2ストッパ
12 固定軸
20 アクセル開度センサ
21 回転数センサ
22 ECU
31 エンジン
36 バッテリ
50 軸受け部
100 内燃機関の軸受け装置

Claims (6)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸の外周に設けられたころ保持器と、
    前記回転軸の外周位置で前記ころ保持器により保持された複数のころと、
    前記ころ保持器の外周に設けられた外輪と、
    前記外輪の外周に設けられたハウジングと、
    前記回転軸の延在方向に設けられた回転軸内潤滑油経路と、
    前記回転軸内潤滑油経路と連通し、前記ハウジングの外部から前記回転軸内潤滑油経路にかけて設けられ、前記ハウジング内、前記外輪内、前記ころ保持器内、及び前記回転軸内に経路を有する潤滑油経路と、
    前記潤滑油経路内に配置された固定軸と、
    前記固定軸を移動させることで、転がり軸受け機能と滑り軸受け機能とを運転状態に応じて切り替える制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の軸受け装置。
  2. 前記制御手段は、転がり軸受け機能に切り替える場合、前記固定軸により前記ハウジングと前記外輪とを一体に固定し、滑り軸受け機能に切り替える場合、前記固定軸により前記回転軸と前記ころ保持器と前記外輪とを一体に固定する請求項1に記載の内燃機関の軸受け装置。
  3. 前記潤滑油経路に設けられたオイルポンプと、
    前記ハウジングの前記潤滑油経路と前記オイルポンプとの間の前記潤滑油経路に設けられた油圧調整バルブと、
    前記回転軸内の前記潤滑油経路に設けられ、前記固定軸の前記回転軸内潤滑油経路側への移動を制限する第1ストッパと、
    前記ハウジング内の前記潤滑油経路に設けられ、前記固定軸の前記オイルポンプ側への移動を制限する第2ストッパと、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記油圧調整バルブの開度を調整することにより、前記第1ストッパと前記第2ストッパとの間で前記固定軸の位置を移動させる請求項1または2に記載の内燃機関の軸受け装置。
  4. 前記制御手段は、前記転がり軸受け機能と前記滑り軸受け機能との切替えの遷移段階では、前記回転軸内潤滑油経路から前記固定軸への油圧と、前記油圧調整バルブから前記固定軸への油圧とを所定時間幅にわたり等しくする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の軸受け装置。
  5. エンジンとモータとを駆動源とするハイブリッド車両に搭載され、
    前記制御手段は、前記エンジンの停止中に、前記外輪内の前記潤滑油経路と前記ハウジング内の前記潤滑油経路とが前記固定軸の摺動方向に重なるように、前記回転軸を前記モータにより回転させる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の内燃機関の軸受け装置。
  6. 回転軸と、
    前記回転軸の外周に設けられたころ保持器と、
    前記回転軸の外周位置で前記ころ保持器により保持された複数のころと、
    前記ころ保持器の外周に設けられた外輪と、
    前記外輪の外周に設けられ、アッパーハウジングとロアハウジングとから形成されるハウジングと、
    前記アッパーハウジングに、前記ロアハウジング側への油圧を供給するハウジング軸力調整用ポンプと、
    前記ハウジング軸力調整用ポンプを駆動制御して前記アッパーハウジングと前記ロアハウジングとの締付力を調整することで、転がり軸受け機能と滑り軸受け機能とを切り替える制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の軸受け装置。
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