JP2010196552A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、内燃機関からの粒子状物質排出量が多い場合であっても、触媒コンバータをすり抜ける粒子状物質の量を十分に抑制することを目的とする。
【解決手段】本発明の内燃機関の排気浄化装置は、粒子状物質を燃焼させる触媒コンバータと、内燃機関からの粒子状物質の排出量が所定水準を超える粒子状物質過多状態であるか否かを判定する手段と、粒子状物質過多状態であると判定された場合に、内燃機関の空燃比をリッチ空燃比とリーン空燃比との間で振動させる空燃比パータベーション制御を実行する手段と、粒子状物質過多状態でないと判定された場合に、空燃比を理論空燃比の近傍に維持させる手段とを備える。粒子状物質過多状態においては、空燃比パータベーション制御を実行することにより、触媒コンバータで活性酸素を発生させ、その活性酸素により、粒子状物質の燃焼を促進することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関の排気ガス中には、カーボンを主体とする微粒子、すなわち粒子状物質(Particulate Matter)が含まれている。従来より、排気通路にフィルターを設置し、粒子状物質をこのフィルターによって捕集する排気浄化装置が広く用いられている。フィルターに粒子状物質が堆積するにつれて、フィルターの圧力損失(通気抵抗)が増大していく。このため、そのようなフィルターを備えた排気浄化装置では、フィルターに堆積した粒子状物質を燃焼させて除去するための再生制御を定期的に実行することが必要となる。
フィルターに堆積した粒子状物質を燃焼させるためには、フィルターを550〜600℃程度の高温にすることが必要となる。特開2004−324455号公報には、NOx吸蔵触媒とDPF(Diesel Particulate Filter)とを備えたディーゼルエンジンの排気浄化装置において、NOx吸蔵触媒に吸着した硫黄成分を脱離させるためのSパージと、DPFの強制再生とを同時並行的に行うことにより、総再生時間を短縮する技術が開示されている。この装置では、NOx吸蔵触媒およびDPFの温度を所定温度(約600℃)以上に上昇させた後、排気空燃比をリッチ側とリーン側とに複数回に亘って短い周期で切り換える。これにより、排気空燃比がリッチの期間においてはNOx触媒のSパージが行われ、排気空燃比がリーンの期間においてはDPFの強制再生が行われる(同公報の段落0025〜0026参照)。この装置では、NOx吸蔵触媒のS堆積量と、DPFのPM堆積量とをそれぞれ推定し、それらの値から、Sパージに必要な総リッチ期間と、PM燃焼に必要な総リーン期間とを導出する。そして、その導出された総リッチ期間と総リーン期間とのデューティ比に応じて、1周期当たりのリッチ保持期間およびリーン保持期間を設定するようにしている。
特開2004−324455号公報 特開2006−207524号公報
上述したようなPMフィルターを備えた排気浄化装置では、PMフィルターを再生する際に、PMフィルターを高温にするためのエネルギーが必要となる。このため、内燃機関の燃費が悪化するという問題がある。
そこで、PMフィルターに代えて、粒子状物質を堆積させずに、触媒コンバータにおいて粒子状物質を連続的に燃焼(酸化)させる排気浄化装置が提案されている。特に、ディーゼルエンジンと比べて粒子状物質の排出量が少ない筒内直接噴射式ガソリンエンジンなどでは、そのような触媒コンバータを用いて粒子状物質を連続的に燃焼させることが有効であると考えられている。
しかしながら、高負荷運転時、特に加速を伴う場合など、エンジンから排出される粒子状物質の量が多い場合には、触媒コンバータでの粒子状物質燃焼処理が追いつかなくなり、触媒コンバータをすり抜けて流出する粒子状物質の量が増大し易いという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関からの粒子状物質排出量が多い場合であっても、触媒コンバータをすり抜ける粒子状物質の量を十分に抑制することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気浄化装置であって、
内燃機関から排出される粒子状物質を燃焼させる触媒コンバータと、
前記内燃機関からの粒子状物質の排出量が所定水準を超える粒子状物質過多状態であるか否かを判定する粒子状物質排出量判定手段と、
前記内燃機関が前記粒子状物質過多状態にあると判定された場合に、前記内燃機関の空燃比を理論空燃比よりリッチな空燃比と理論空燃比よりリーンな空燃比との間で所定の周期で振動させる空燃比パータベーション制御を実行する空燃比パータベーション手段と、
前記内燃機関が前記粒子状物質過多状態にないと判定された場合に、前記内燃機関の空燃比を理論空燃比の近傍に維持させる空燃比制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記空燃比パータベーション手段は、前記内燃機関の一部の気筒群から排出される排気ガスの平均空燃比を理論空燃比よりややリッチ側に制御し、前記内燃機関の他の気筒群から排出される排気ガスの平均空燃比を理論空燃比よりややリーン側に制御することにより、前記一部の気筒群から排出された排気ガスと前記他の気筒群から排出された排気ガスとが混合した後の排気ガスの空燃比を理論空燃比の近傍に維持させることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記空燃比パータベーション手段は、前記一部の気筒群の空燃比の振動周期を、前記他の気筒群の空燃比の振動周期より長くすることを特徴とする。
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、
前記内燃機関の排気ガスの一部を取り出して吸気通路へ還流させるEGR通路を備え、
前記EGR通路の途中に前記触媒コンバータが設置されており、
前記EGR通路は、前記他の気筒群の排気通路に連通しており、前記一部の気筒群の排気通路には連通していないことを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記触媒コンバータの劣化度合いが高くなるにつれて、前記周期を短くする方向に補正する周期補正手段を備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記周期は、前記触媒コンバータをすり抜ける粒子状物質の量が最少となるように予め設定された値であることを特徴とすることを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記触媒コンバータは、触媒成分として、Pr(プラセオジム)を主成分とするPr材とセリアとの少なくとも一方と、Nd(ネオジム)を主成分とするNd材とを有していることを特徴とする。
また、第8の発明は、第1乃至第7の発明の何れかにおいて、
前記触媒コンバータにおいて、前記粒子状物質の少なくとも一部の炭素は、窒素酸化物と反応して[CNO]nで表されるオリゴマーを生成した後、CO2へ転化されることを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関からの粒子状物質の排出量が所定水準を超える粒子状物質過多状態であると判定された場合には、内燃機関の空燃比を理論空燃比よりリッチな空燃比と理論空燃比よりリーンな空燃比との間で所定の周期で振動させる空燃比パータベーション制御を実行することができる。空燃比パータベーション制御を行うことにより、触媒コンバータ内で活性酸素を発生させることができ、この活性酸素により、粒子状物質の燃焼を促進することができる。このため、内燃機関から排出される粒子状物質の量が多い場合であっても、粒子状物質が触媒コンバータの下流側にすり抜けることを確実に抑制することができる。また、第1の発明によれば、内燃機関が粒子状物質過多状態にないと判定された場合には、空燃比パータベーション制御を行わず、理論空燃比制御を実行するので、空燃比パータベーション制御に起因する弊害、すなわち、燃費の悪化や、HC、COおよびNOxの各成分の浄化率の低下などの弊害を確実に抑制することができる。
第2の発明によれば、空燃比パータベーション制御において、内燃機関の一部の気筒群から排出される排気ガスの平均空燃比を理論空燃比よりややリッチ側に制御し、他の気筒群から排出される排気ガスの平均空燃比を理論空燃比よりややリーン側に制御することにより、上記一部の気筒群から排出された排気ガスと上記他の気筒群から排出された排気ガスとが混合した後の排気ガスの空燃比を理論空燃比の近傍に維持させることができる。このため、空燃比パータベーション制御の実行中においても、NOx、HCおよびCOを同時に浄化する三元触媒作用を十分に発揮させることができる。よって、それらの三成分が大気中へ放出されることを確実に防止することができる。特に、上記一部の気筒群から排出される排気ガス中の酸素と、上記他の気筒群から排出される排気ガス中の未燃燃料とが反応(燃焼)することにより、触媒床温が上昇するので、三元触媒活性を十分に高めることができる。
第3の発明によれば、空燃比パータベーション制御において、平均空燃比がリッチ側にシフトされた一部の気筒群の空燃比の振動周期を、平均空燃比がリーン側にシフトされた他の気筒群の空燃比の振動周期より長くすることができる。これにより、上記一部の気筒群からの1周期当たりの投入酸素量と、上記他の気筒群からの1周期当たりの投入酸素量とを等しくすることができるので、両方の気筒群について、1周期当たりの投入酸素量を最適値に合わせることができる。このため、粒子状物質の燃焼を更に促進することができる。
第4の発明によれば、空燃比パータベーション制御において、EGR触媒に連通する気筒群の平均空燃比をリーン側にシフトし、EGR触媒に連通しない気筒群の平均空燃比をリッチ側にシフトすることができる。このため、EGR触媒において活性酸素がより発生し易くなり、粒子状物質の燃焼を更に促進することができる。よって、吸気系への粒子状物質の流入をより確実に抑制することができるので、吸気ポートや吸気弁にデポジットが堆積することをより確実に防止することができる。
第5の発明によれば、空燃比パータベーション制御において、触媒コンバータの劣化度合いに応じて、空燃比の振動周期を適切に補正することができる。このため、触媒コンバータをすり抜ける粒子状物質の量を更に低減することができる。
第6の発明によれば、空燃比パータベーション制御における空燃比振動周期を、触媒コンバータをすり抜ける粒子状物質の量が最少となるように予め設定した値とすることにより、触媒コンバータをすり抜ける粒子状物質の量をより確実に低減することができる。
第7の発明によれば、触媒コンバータにおいてより多くの活性酸素を発生させるとともに、その活性酸素をより高い効率で粒子状物質と反応させることができる。このため、触媒コンバータをすり抜ける粒子状物質の量をより確実に低減することができる。
第8の発明によれば、触媒コンバータにおいて、粒子状物質の少なくとも一部の炭素を、窒素酸化物と反応させ、[CNO]nなるオリゴマーを経由して、CO2へ転化させることができる。このような反応により、粒子状物質の燃焼を促進することができ、触媒コンバータをすり抜ける粒子状物質の量を更に低減することができる。特に、空燃比パータベーション制御が実行されずに理論空燃比制御が実行される場合においても、上記の反応により、粒子状物質の燃焼を促進することができる。
本発明の実施の形態1における内燃機関を示す図である。 本発明の実施の形態1における内燃機関を制御する制御装置のブロック図である。 空燃比パータベーション制御実行時の内燃機関の目標空燃比を示す図である。 空燃比パータベーション制御実行時の排気ガスの空燃比の変化を示す図である。 PM燃焼触媒の下流側にすり抜けるPM粒子数を示すグラフである。 セリアを主成分としたセリア系触媒と、Nd材を主成分としたNd系触媒とについて、それぞれの最適周期と、1周期当たりの酸素量との関係を示した図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 空燃比パータベーション制御における空燃比の振動周期を、PM燃焼触媒の劣化度合いに応じて補正するためのマップである。 本発明の実施の形態2の空燃比パータベーション制御における内燃機関の左バンクおよび右バンクの各々の空燃比の変化を示す図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における内燃機関を示す図である。図1に示す内燃機関10は、例えば車両の動力源として用いられる。本実施形態の内燃機関10は、火花点火式内燃機関である。この内燃機関10は、気筒内に直接に燃料を噴射する筒内直接噴射式のもの、吸気ポート内に燃料を噴射するポート噴射式のもの、筒内直接噴射とポート噴射とを併用するもの、のいずれでもよい。
図示の内燃機関10は、V型6気筒であり、1番(#1)〜6番(#6)の6個の気筒を有している。それらの気筒のうち、1番気筒、3番気筒および5番気筒により左バンクLHが構成され、2番気筒、4番気筒および6番気筒により右バンクRHが構成されている。ただし、本発明における内燃機関の気筒数および気筒配置はこれに限定されるものではない。
図1では吸気系の図示を省略しているが、内燃機関10の各気筒は、吸気マニホールドを介して、吸気管に接続されている。吸気管から供給される吸入空気は、吸気マニホールドによって分配されて、各気筒に流入する。
内燃機関10の左バンクLH、すなわち1番気筒、3番気筒および5番気筒から排出される排気ガスは、排気マニホールド12によって集合されて、排気管14に流入する。排気管14の途中には、排気ガスを浄化するスタートコンバータ(スタート触媒)16が設置されている。同様にして、内燃機関10の右バンクRH、すなわち2番気筒、4番気筒および6番気筒から排出される排気ガスは、排気マニホールド18によって集合されて、排気管20に流入する。排気管20の途中には、スタートコンバータ22が設置されている。
排気管14と排気管20とは、下流側で合流して、排気管24に接続されている。排気管24の途中には、アンダーフロアコンバータ26が設置されている。このアンダーフロアコンバータ26は、HC、COおよびNOxの三成分を同時に浄化可能な三元触媒としての機能を有している。
内燃機関10には、排気ガスの一部を吸気通路に還流させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)を行うためのEGR通路28が備えられている。このEGR通路28は、スタートコンバータ16より上流側の排気管14から分岐している。EGR通路28の下流側は、3つに分岐し、1番、3番および5番の各気筒の吸気ポートにそれぞれ接続されている。ただし、このような構成に限らず、EGR通路28の下流側が分岐せずに吸気通路のサージタンク等に接続されていてもよい。EGR通路28には、EGR触媒30と、EGR量を制御するためのEGR弁32とが設置されている。なお、本実施形態では、内燃機関10の左バンクLHのみにEGR装置が設けられているが、本発明では、両バンクにEGR装置が設けられていてもよい。
図2は、上述した内燃機関10を制御する制御装置のブロック図である。本実施形態の制御装置は、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、上述したEGR弁32に加えて、各気筒に燃料を供給する燃料噴射装置34と、気筒内の混合気に点火する点火装置36と、吸入空気量を調節するために吸気管に設置されたスロットル弁38と、内燃機関10のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサ40と、吸入空気量を検出するエアフローメータ42と、内燃機関10を搭載した車両のアクセルペダル位置を検出するアクセルポジションセンサ44と、車速を検出する車速センサ46とが電気的に接続されている。
ECU50は、エアフローメータ42により検出される吸入空気量と、クランク角センサ40により検出されるエンジン回転数と、目標空燃比とに基づいて、燃料噴射装置34による燃料噴射量を制御することにより、内燃機関10の空燃比を制御することができる。また、排気ガスの空燃比を検出する酸素センサや空燃比センサ(図示省略)を設け、そのセンサの出力に基づいて、空燃比フィードバック制御を行うようにしてもよい。
スタートコンバータ16,22およびEGR触媒30は、排気ガス中の粒子状物質(Particulate Matter)を燃焼(酸化)させる酸化触媒としての機能を有している。粒子状物質(以下「PM」と称する)は、すす(soot)やSOF(Soluble Organic Fraction)等の、カーボンを主体とする微粒子である。スタートコンバータ16,22およびEGR触媒30は、このような粒子状物質を燃焼させてCO2等へ転化させることにより、これを浄化する。特に、本実施形態におけるスタートコンバータ16,22およびEGR触媒30は、フィルターのようにPMを溜めるのではなく、流入してくるPMを連続的に燃焼(反応)させるように構成されている。
本実施形態によれば、スタートコンバータ16,22でPMを燃焼させることにより、大気中へのPM排出量を低減することができる。また、EGR触媒30でPMを燃焼させることにより、吸気系へのPMの流入を抑制することができる。このため、吸気ポートや吸気弁等に、PMに起因するデポジットが堆積(付着)することを確実に抑制することができる。
なお、スタートコンバータ16,22は、PMを燃焼させる機能に加えて、HC、COおよびNOxの三成分を同時に浄化する三元触媒機能を兼ね備えていてもよい。
内燃機関10から排出されるPMの量は、運転状態によって大きく変化する。一般に、低中負荷運転時には、PM排出量は少ない。一方、高負荷運転時、特に加速を伴う場合には、PM排出量が多くなる。内燃機関10からのPM排出量が比較的少ない場合には、スタートコンバータ16,22やEGR触媒30(以下、これらを総称して「PM燃焼触媒」と言う)は、流入してくるPMを十分に燃焼処理することができ、PMのすり抜けを十分に抑制することができる。これに対し、内燃機関10からのPM排出量が多い場合には、PM燃焼触媒は、流入してくるPMに対する燃焼処理が追いつかなくなり、下流側にすり抜けるPMの量が多くなり易いという問題がある。
本発明者らは、内燃機関10からのPM排出量が多い場合であってもPM燃焼触媒の下流側にすり抜けるPMの量を十分に抑制するべく鋭意研究を重ねた結果、以下に説明する空燃比パータベーション制御を行うことが極めて有効であることを見出した。
空燃比パータベーション制御とは、内燃機関10の空燃比を、理論空燃比よりリッチな空燃比(以下「リッチ空燃比」と称する)と、理論空燃比よりリーンな空燃比(以下「リーン空燃比」と称する)との間で、所定の周期で振動させる制御である。本実施形態では、理論空燃比の値を14.5とし、リッチ空燃比の値を14.0とし、リーン空燃比の値を15.0とする。
図3は、空燃比パータベーション制御実行時の内燃機関10の目標空燃比を示す図である。図3に示すように、空燃比パータベーション制御では、内燃機関10の目標空燃比を、リッチ空燃比とリーン空燃比とに所定の周期で切り替える。図4は、空燃比パータベーション制御実行時の排気ガスの空燃比の変化を示す図である。図4に示すように、空燃比パータベーション制御を実行することにより、内燃機関10から排出される排気ガスの空燃比は、理論空燃比を中心として、上記所定の周期で、リーン側とリッチ側とに交互に変動する。
本発明者らの知見によれば、適切な周期の空燃比パータベーション制御を行った場合には、空燃比パータベーション制御を行わない場合(すなわち空燃比一定の場合)と比べて、PM燃焼触媒の下流側にすり抜けるPMの量を大幅に低減することができる。図5は、PM燃焼触媒の下流側にすり抜けるPMの粒子数を示すグラフである。図5中で一番で左の棒グラフは、空燃比パータベーション制御を行わず、内燃機関10の空燃比を理論空燃比近傍に維持した場合を示している。それ以外のグラフは、周期(周波数)の異なる4つの空燃比パータベーション制御を行った場合を示している。図5に示すように、空燃比パータベーション制御を実行した場合には、PM燃焼触媒をすり抜けるPMの量が最少となるような、最適な周期が存在する。
空燃比パータベーション制御がPMすり抜け量の低減に有効である理由は、次のようなものであると考えられる。内燃機関10の空燃比がリッチ空燃比であるときの排気ガス中には、酸素(O2)がほとんど残存していない。一方、内燃機関10の空燃比がリーンになるほど、排気ガス中に含まれる酸素濃度が高くなる。このため、空燃比パータベーション制御を行うと、周期毎に一定量の酸素がPM燃焼触媒に間欠的に投入される。1周期当たりに投入される酸素量は、主として、空燃比の振動周期と、空燃比の振幅とによって決定される。このようにして周期毎にPM燃焼触媒に酸素が投入されると、その酸素の一部が活性酸素(スーパーオキシドアニオンラジカルO2 -等)に転化する。この活性酸素によって、PMの燃焼が促進され、PMすり抜け量が低減すると考えられる。
最適な空燃比の振動周期(すなわち、PMすり抜け量が最少となる振動周期)が存在する理由については、以下のように考えることができる。空燃比の振動周期が短くなるにつれて、1周期当たりに投入される酸素量は少なくなる。よって、空燃比の振動周期が短すぎると、PM燃焼触媒における活性酸素の発生量が少なくなるために、PMすり抜け量が増加すると考えられる。一方、内燃機関10から排出されるPMの量は、リーン空燃比のときよりもリッチ空燃比のときの方が多い。空燃比の振動周期が長すぎると、1周期当たりのリッチ空燃比の期間が長くなり、1周期当たりにPM燃焼触媒に流入するPMの量が多くなるので、PMの燃焼処理が追いつかなくなり、PMすり抜け量が増加すると考えられる。
PM燃焼触媒の好ましい触媒成分は、貴金属成分としてはPt(白金)やPd(パラジウム)等が挙げられ、金属酸化物成分としてはセリアや、Pr(プラセオジム)を主成分とするPr材、Nd(ネオジム)を主成分とするNd材等が挙げられる。セリアやPr材は、活性酸素を効率良く生成する特性を有している。また、Nd材は、活性酸素を浄化せずに表面に沿って移動させる特性(酸素伝導性)に優れている。このため、セリアおよびPr材の少なくとも一方と、Nd材とを共存させることがより好ましい。セリアおよびPr材の少なくとも一方と、Nd材とを共存させることにより、活性酸素によるPM燃焼促進効果を更に高めることができ、特に優れたPM浄化性能が得られる。この場合、Nd材の重量が、セリアおよびPr材の合計重量以上となるように配合することがより好ましい。
また、PM燃焼触媒には、PMを一瞬だけ保持するための保持材(例えばゼオライト)が設けられていてもよい。このような保持材を設けることにより、PMを一瞬だけ保持し、その間にPMをより確実に燃焼させることができる。
最適な空燃比の振動周期(以下、単に「最適周期」と称する)は、触媒成分等の仕様によって異なる。図6は、セリアを主成分としたセリア系触媒と、Nd材を主成分としたNd系触媒とについて、それぞれの最適周期と、1周期当たりの酸素量との関係を示した図である。図6に示すように、セリア系触媒での最適周期は例えば160msecとなり、Nd系触媒での最適周期は、例えば900msecとなる。これらの最適周期の場合における、1周期当たりの、投入酸素量、触媒に吸蔵される酸素量(OSC消費酸素量)、PMとの反応で消費される酸素量、および、触媒をスルーする酸素量は、図6に示すような値となる。なお、図6に示す最適周期等の値は、一例であり、PM燃焼触媒の具体的な仕様に応じて異なった値となる。
本実施形態では、使用されるPM燃焼触媒について、PMすり抜け量が最少となる最適周期を実験等によって予め調べておき、その最適周期で空燃比パータベーション制御を実行することとした。これにより、PMすり抜け量を十分に低減することができる。
なお、本実施形態では、スタートコンバータ16,22と、EGR触媒30とは、最適周期が概ね等しくなるように、触媒仕様が設定されていることが好ましい。スタートコンバータ16,22の最適周期と、EGR触媒30の最適周期とが異なる場合には、何れかの最適周期に合わせて、あるいは両者の中間の周期で、空燃比パータベーション制御を実行すればよい。
以上説明したように、適切な周期の空燃比パータベーション制御を行うことにより、PM燃焼触媒をすり抜けるPMの量を十分に低減することができる。その一方で、空燃比パータベーション制御を行うと、大気中へのHC、COおよびNOxの排出量が増加し易い。これは、三元触媒においては、リッチ空燃比になるとHCおよびCOの浄化率が低下し、リーン空燃比になるとNOxの浄化率が低下するからである。
また、空燃比パータベーション制御を行うと、空燃比一定の場合と比べて、燃費も悪化する。
そこで、本実施形態では、内燃機関10からのPM排出量が特に多くなる運転状態のときに限って空燃比パータベーション制御を実行し、それ以外の運転状態のときには、内燃機関10の空燃比を理論空燃比の近傍に維持する制御(以下、「理論空燃比制御」と称する)を実行することとした。これにより、空燃比パータベーション制御の実行機会を限定することができ、大半の時間は排気ガスの空燃比を理論空燃比の近傍に維持することができる。このため、三元触媒におけるHC、COおよびNOxの各成分の高浄化率を維持することができ、それらが大気中へ排出されることを確実に抑制することができる。また、燃費の悪化も最小限に抑制することができる。
また、理論空燃比制御を行った場合には、内燃機関10が希薄燃焼を行う場合と比べて、PMの浄化率を良好な値に維持することができる。この理由について、以下に説明する。
本実施形態のPM燃焼触媒においては、一部のPMは、NOxが介在した反応によって燃焼する。NOxが介在した場合のPMの反応は、次のようなものである。まず、Pt等の貴金属の作用により、NOx中の一酸化窒素(NO)が酸素(O2)と反応し、二酸化窒素(NO2)に転化される。次いで、PMの主成分たる炭素(C)がこの二酸化窒素と反応することにより、[CNO]nで表されるオリゴマーが生成される。そして、この[CNO]nが分解し、無害なCO2とN2とに転化する。このような反応によれば、PMを効率良く燃焼させることができ、特に、PM燃焼触媒の温度が低い場合であっても、PMの燃焼を促進することができる。
上述したNOxを介したPMの燃焼反応においては、NOがNO2へ転化する酸化反応と、[CNO]nがCO2とN2とに転化する還元反応との両方が必要である。このため、内燃機関10で希薄燃焼が行われ、PM燃焼触媒内に多量の酸素が存在している場合には、[CNO]nの還元反応が起きにくくなる。よって、NOxを介したPM燃焼が起きにくくなり、PM浄化率が低下する。
これに対し、本実施形態では、空燃比パータベーション制御を実行しない場合に理論空燃比制御を行うことにより、NOxを介したPMの燃焼反応を促進することができる。このため、空燃比パータベーション制御を実行しない期間においても、良好なPM浄化率が得られる。
[実施の形態1における具体的処理]
図7は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、本ルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行されるものとする。
図7に示すルーチンによれば、まず、車速が70km/h以上であるか否かが判別される(ステップ100)。このステップ100で、車速が70km/h未満であると認められた場合には、内燃機関10の運転状態は高負荷域ではないので、内燃機関10から排出されるPMの量は特に多くはないと判断できる。このような場合には、空燃比パータベーション制御を実行せず、理論空燃比制御が実行される(ステップ106)。すなわち、ステップ106においては、内燃機関10の目標空燃比が理論空燃比に維持される。
一方、ステップ100で、車速が70km/h以上であると認められた場合には、次に、加速が行われているか否かが判定される(ステップ102)。加速が行われているか否かは、例えば、アクセルペダルの位置(踏込み量)や、吸入空気量の増加率などに基づいて判定することができる。このステップ102で、加速が行われていないと認められた場合には、内燃機関10から排出されるPMの量は特に多くはないと判断できる。従って、この場合には、空燃比パータベーション制御を実行せず、理論空燃比制御が実行される(ステップ106)。
一方、上記ステップ102で、加速が行われていると判定された場合には、内燃機関10の運転状態が、高負荷域で且つ加速をしている状態であるので、PMの排出量が特に多い状態であると判断できる。そこで、この場合には、空燃比パータベーション制御が実行される(ステップ104)。このステップ104において、空燃比の振動周期は、ECU50に予め記憶された最適周期になるように制御される。このような空燃比パータベーション制御を実行することにより、スタートコンバータ16,22やEGR触媒30の下流側にすり抜けるPMの量を十分に低減することができる。よって、大気中へのPMの排出を十分に抑制することができる。また、吸気系にPMが流入することを十分に抑制することができるので、吸気ポートや吸気弁にデポジットが堆積することを確実に抑制することができる。
なお、上述した図7のルーチンでは、内燃機関10が高負荷域にあるか否かを車速に基づいて判定しているが、このような判定方法に限定されるものではなく、吸入空気量や燃料噴射量に基づいて判定してもよい。
また、本実施形態では、内燃機関10が高負荷域且つ加速を行っている状態を、内燃機関10からのPM排出量が特に多い状態(PM過多状態)として規定し、内燃機関10がこのPM過多状態にあると判定された場合に、空燃比パータベーション制御を実行するようにしている。しかしながら、本発明では、空燃比パータベーション制御を実行する運転状態は、高負荷域且つ加速を行っている状態に限定されるものではない。本発明では、内燃機関10からのPM排出量が所定水準(許容水準)を超えているか否かを判定し、PM排出量がその所定水準を超えていると判定された場合に空燃比パータベーション制御を実行するようにすればよく、空燃比パータベーション制御を実行するときの内燃機関10の運転状態は特に限定されるものではない。また、内燃機関10からのPM排出量が所定水準を超えているか否かを判定する方法としては、内燃機関10の運転状態に基づいて判定する方法に限定されるものではなく、排気通路にPMセンサを設け、そのPMセンサによって検出されるPM量によって判定するようにしてもよい。
また、本発明では、空燃比パータベーション制御における空燃比の振動周期を、PM燃焼触媒の劣化度合いに応じて補正してもよい。本発明者らの知見によれば、PM燃焼触媒の劣化が進行するにつれて、PMすり抜け量が最少となる最適周期が短くなる傾向がある。よって、空燃比パータベーション制御を実行するに際して、PM燃焼触媒の劣化度合いに応じて空燃比の振動周期を補正することにより、この傾向に対応して、より適切な周期で空燃比を振動させることができる。このため、PM燃焼触媒の劣化度合いにかかわらず、下流側にすり抜けるPMの量を確実に低減することができる。
図8は、空燃比パータベーション制御における空燃比の振動周期を、PM燃焼触媒の劣化度合いに応じて補正するためのマップである。図8に示すマップによれば、車両の総走行距離に応じてPM燃焼触媒の劣化度合いを判定し、その劣化度合いに応じた最適な周期を算出することができる。本実施形態では、このようにして算出された最適周期を用いて、上記ステップ104の空燃比パータベーション制御を実行するようにしてもよい。なお、PM燃焼触媒の劣化度合いを判定する方法は、車両の総走行距離に基づいて判定する方法に限定されるものではなく、いかなる方法であってもよい。例えば、PM燃焼触媒の酸素吸蔵容量を測定し、その測定結果に基づいてPM燃焼触媒の劣化度合いを判定してもよい。
なお、上述した実施の形態1では、スタートコンバータ16,22とEGR触媒30との双方のPM燃焼を促進することを目的として空燃比パータベーション制御を実行する場合を例に説明したが、本発明は、スタートコンバータ16,22とEGR触媒30との何れか一方のPM燃焼を促進することを目的として空燃比パータベーション制御を実行する場合にも適用可能である。
上述した実施の形態1においては、スタートコンバータ16,22およびEGR触媒30が前記第1の発明における「触媒コンバータ」に相当している。また、ECU50が、上記ステップ100および102の処理を実行することにより前記第1の発明における「粒子状物質排出量判定手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第1の発明における「空燃比パータベーション手段」が、上記ステップ106の処理を実行することにより前記第1の発明における「空燃比制御手段」が、図8に示すマップに基づいて空燃比パータベーション制御における空燃比振動周期を補正することにより前記第5の発明における「周期補正手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図9を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
本実施形態における内燃機関10は、前述した実施の形態1と同様に、図1に示す構成である。図9は、本実施形態の空燃比パータベーション制御における内燃機関10の左バンクLHおよび右バンクRHの各々の空燃比の変化を示す図である。
前述した実施の形態1の空燃比パータベーション制御においては、内燃機関10の空燃比を、理論空燃比を境に、リーン側とリッチ側とに同じ振幅で振動させるようにしている。
これに対し、本実施形態の空燃比パータベーション制御においては、図9に示すように、左バンクLHの気筒群(1番気筒、3番気筒および5番気筒)については、理論空燃比(A/F=14.5)を境に、リーン側への振幅がリッチ側への振幅より大きくなるように、空燃比を振動させる。すなわち、空燃比の振動中心を、理論空燃比よりややリーン側にシフトさせる。一方、右バンクRHの気筒群(2番気筒、4番気筒および6番気筒)については、理論空燃比を境に、リッチ側への振幅がリーン側への振幅より大きくなるように、空燃比を振動させる。すなわち、空燃比の振動中心を、理論空燃比よりややリッチ側にシフトさせる。
このような本実施形態の空燃比パータベーション制御によれば、左バンクLHの気筒群から排出される排気ガスの平均空燃比(空燃比の時間平均値)は、理論空燃比よりもややリーンになる一方、右バンクRHの気筒群から排出される排気ガスの平均空燃比(空燃比の時間平均値)は、理論空燃比よりもややリッチになる。そして、左バンクLHの気筒群から排出されるややリーンな排気ガスと、右バンクRHの気筒群から排出されるややリッチな排気ガスとが合流して混合し、アンダーフロアコンバータ26に流入する。このため、アンダーフロアコンバータ26内の雰囲気を理論空燃比の近傍に精度良く維持することができる。よって、左バンクLHのスタートコンバータ16で浄化し切れなかったNOxと、右バンクRHのスタートコンバータ22で浄化し切れなかったHCおよびCOとを、アンダーフロアコンバータ26の三元触媒作用によって確実に浄化することができる。更に、左バンクLHの気筒群から排出される排気ガス中の酸素と、右バンクRHの気筒群から排出される排気ガス中の未燃燃料とがアンダーフロアコンバータ26で反応(燃焼)することにより、触媒床温が上昇するので、触媒活性を十分に高めることができる。このため、NOx、HCおよびCOをより確実に浄化することができ、大気への放出を確実に防止することができる。
なお、本実施形態の内燃機関10では、左バンクLHにのみEGR装置が設けられているため、左バンクLHからの排気ガスと右バンクRHからの排気ガスとが混合するアンダーフロアコンバータ26内の空燃比を理論空燃比に一致させるには、左バンクLHの平均空燃比と、右バンクRHの平均空燃比とが、理論空燃比を挟んで非対称となるように設定する必要がある。具体的には、左バンクLHの平均空燃比をA/FLH、右バンクRHの平均空燃比をA/FRH、左バンクLHの気筒群の筒内におけるEGR率をREGR、理論空燃比を14.5としたとき、次式を満足するように設定すればよい。
(A/FLH−14.5)(1−REGR×2)−(14.5−A/FRH)=0
ところで、空燃比の振動中心(平均空燃比)が理論空燃比よりリーン側あるいはリッチ側にシフトしていても、理論空燃比を跨いで空燃比を振動させれば、PM燃焼触媒に周期毎に酸素が流入するので、PM燃焼触媒内で活性酸素が発生する。従って、本実施形態の空燃比パータベーション制御によれば、スタートコンバータ16,22およびEGR触媒30のいずれにおいても、活性酸素の作用により、PM燃焼を十分に促進することができる。
ただし、空燃比の振動中心が理論空燃比よりリーン側にシフトしている場合の方が、空燃比の振動中心が理論空燃比よりリッチ側にシフトしている場合と比べて、PM燃焼触媒内で活性酸素が発生し易いので、PM浄化率はより高くなる。そこで、本実施形態の空燃比パータベーション制御では、EGR触媒30に連通する左バンクLHの気筒群の空燃比の振動中心を理論空燃比よりリーン側にシフトさせるようにした。これにより、EGR触媒30で活性酸素をより多く発生させることができるので、EGR触媒30でのPM燃焼を特に促進することができる。このため、吸気ポートや吸気弁にデポジットが堆積することをより確実に防止することができる。
また、本実施形態の空燃比パータベーション制御では、図9に示すように、右バンクRHの気筒群の空燃比振動周期TRHを、左バンクLHの気筒群の空燃比振動周期TLHより長くすることとしている。実施の形態1で述べたように、空燃比パータベーション制御を行った場合のPM浄化率は、1周期当たりにPM燃焼触媒に投入される酸素量と関係がある。すなわち、PM浄化率が最良となるような、最適な1周期当たりの投入酸素量が存在する。しかるに、本実施形態においては、右バンクRHは左バンクLHと比べて平均空燃比がリッチであるので、右バンクRHの空燃比振動周期TRHと、左バンクLHの空燃比振動周期TLHとが仮に等しいとすると、右バンクRHの1周期当たりの投入酸素量は、左バンクLHの1周期当たりの投入酸素量より少なくなる。よって、何れか一方のバンクの1周期当たりの投入酸素量を最適値に合わせると、他方のバンクの1周期当たりの投入酸素量は最適値から外れることとなる。
そこで、本実施形態のように、右バンクRHの空燃比振動周期TRHを、左バンクLHの空燃比振動周期TLHより長くすれば、右バンクRHの1周期当たりの投入酸素量と、左バンクLHの1周期当たりの投入酸素量とを等しくすることができるので、両方のバンクについて、1周期当たりの投入酸素量を最適値に合わせることができる。このため、右バンクRHと左バンクLHの双方について、PM浄化率を最大限に高めることができる。
本実施形態は、上述した点以外は実施の形態1と同様であるので、これ以上の説明は省略する。上述した実施の形態2においては、右バンクRHの気筒群(2番気筒、4番気筒および6番気筒)が前記第2乃至第4の発明における「一部の気筒群」に、左バンクLHの気筒群(1番気筒、3番気筒および5番気筒)が前記第2乃至第4の発明における「他の気筒群」に、それぞれ相当している。
10 内燃機関
12,18 排気マニホールド
16,22 スタートコンバータ
26 アンダーフロアコンバータ
28 EGR通路
30 EGR触媒
32 EGR弁
50 ECU

Claims (8)

  1. 内燃機関から排出される粒子状物質を燃焼させる触媒コンバータと、
    前記内燃機関からの粒子状物質の排出量が所定水準を超える粒子状物質過多状態であるか否かを判定する粒子状物質排出量判定手段と、
    前記内燃機関が前記粒子状物質過多状態にあると判定された場合に、前記内燃機関の空燃比を理論空燃比よりリッチな空燃比と理論空燃比よりリーンな空燃比との間で所定の周期で振動させる空燃比パータベーション制御を実行する空燃比パータベーション手段と、
    前記内燃機関が前記粒子状物質過多状態にないと判定された場合に、前記内燃機関の空燃比を理論空燃比の近傍に維持させる空燃比制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記空燃比パータベーション手段は、前記内燃機関の一部の気筒群から排出される排気ガスの平均空燃比を理論空燃比よりややリッチ側に制御し、前記内燃機関の他の気筒群から排出される排気ガスの平均空燃比を理論空燃比よりややリーン側に制御することにより、前記一部の気筒群から排出された排気ガスと前記他の気筒群から排出された排気ガスとが混合した後の排気ガスの空燃比を理論空燃比の近傍に維持させることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記空燃比パータベーション手段は、前記一部の気筒群の空燃比の振動周期を、前記他の気筒群の空燃比の振動周期より長くすることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記内燃機関の排気ガスの一部を取り出して吸気通路へ還流させるEGR通路を備え、
    前記EGR通路の途中に前記触媒コンバータが設置されており、
    前記EGR通路は、前記他の気筒群の排気通路に連通しており、前記一部の気筒群の排気通路には連通していないことを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記触媒コンバータの劣化度合いが高くなるにつれて、前記周期を短くする方向に補正する周期補正手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記周期は、前記触媒コンバータをすり抜ける粒子状物質の量が最少となるように予め設定された値であることを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記触媒コンバータは、触媒成分として、Pr(プラセオジム)を主成分とするPr材とセリアとの少なくとも一方と、Nd(ネオジム)を主成分とするNd材とを有していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 前記触媒コンバータにおいて、前記粒子状物質の少なくとも一部の炭素は、窒素酸化物と反応して[CNO]nで表されるオリゴマーを生成した後、CO2へ転化されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
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