JP2010196180A - ポリエステル仮撚り加工糸 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔らかな風合、保温性、吸水、吸湿性などの性能有し、カチオン可染性、難燃性、制電性能を有するポリエステル極細糸を提供する。
【解決手段】芯鞘型ポリエステル複合繊維であって、下記(A)〜(G)の条件を満足する芯鞘型ポリエステル極細複合繊維。
(A)芯部及び/又は鞘部ポリエステルが特定のリン系難燃剤をリン原子換算で1,000〜10,000ppm含有するポリエステルであること。
(B)芯部及び/又は鞘部ポリエステルが、有機スルホン酸金属塩が、有機スルホン酸金属塩を除く全酸成分に対して1.0〜5.0モル%共重合されたポリエステルであること。
(C)単糸繊度が1.5dtex以下であること。
(D)芯部面積/鞘部面積が5:95〜80:20の範囲であること。
(E)強度が3.0cN/dtex以上であること。
(F)摩擦帯電圧が2000V以下であること。
(G)芯部ポリエステルが特定の制電剤を含有してなるポリエステルであること。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性、カチオン可染性、制電性を有するポリエステル極細糸に関するものである。
ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称することがある。)はその優れた機械的特性と化学的特性のため、衣料用、産業用等の繊維のほか、磁気テープ用、コンデンサー用等のフィルムあるいはボトル等の成形物用として広く用いられている。
しかし、ポリエステルは、衣料用繊維としては染色性が良好とは言えず、染色物の鮮明さが劣るという欠点を有している。
従来、このような欠点を補うため、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などに代表されるスルホン酸塩基含有成分を共重合した、特許文献1に記載されているような塩基性染料に可染性のポリエステル(以下、カチオン可染ポリエステルと略記。)が公知であり、そのようなポリエステルからなる繊維が衣料分野において使用されている。
しかしながら、これらのカチオン可染ポリエステル繊維は、通常のポリエステル繊維よりも溶融粘度が高く、燃焼時の溶融落下が起き難いため、延焼しやすいという欠点があり、難燃性が要求される分野での使用が制限されるという問題がある。
難燃性とカチオン可染性を両立させるために、特許文献2では特定の含リンジカルボン酸化合物とスルホン酸塩基含有成分が共重合されたポリエステル、特許文献3では特定の有機リン化合物とスルホン酸塩基含有酸成分を共重合するマルチフィラメントとすることが提案されている。
確かに上記のリン化合物を用いて難燃性とカチオン可染性とすることはできるものの、その酸触媒作用によって、重合反応過程でジエチレングリコールの生成が促進され、得られるポリエステル中のジエチレングリコール含有量が高くなる傾向にあり、リン化合物が共重合されている上、ジエチレングリコール含有量が高くなることにより、曳糸性、耐光性に問題があり、用途が制限されていた。
また、上記のカチオン可染性ポリエステル繊維が極細繊維の場合布帛は静電気を蓄積しやすく、縫製時や縫製品の着用時に静電気障害を生じ、電撃や身体へのまとわりつきによる不快感を与えたり、空気中の埃を吸着して汚れたりしやすいという問題があった。
ポリエステル繊維の制電性対策として、ポリエステルに親水性を付与して制電性を発現させようとする試みが行われており、これまでに数多くの提案がなされている。例えばポリエステルにポリオキシアルキレン系ポリエーテル化合物を配合せしめる方法(特許文献4)、並びにポリエステルに実質的に非相溶性のポリオキシアルキレン系ポリエーテル化合物と有機・無機のイオン性化合物とを配合せしめる方法(特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10)更に制電耐久性が改善されたものとして芯成分に制電剤を有する芯鞘型制電性複合繊維が提案されている(特許文献11)。
しかしながら単糸繊度が1.5dtexより大きければ、制電性を有するものの、1.5dtex未満の極細糸においては芯/鞘形成のバラツキ、単糸繊度のバラツキにより、制電性を有するものはないのが、実情であった。
しかしながら近年、織編物の風合い、肌触り、外観等に関する要求がますます高まってきており、特に、カチオン可染性と難燃性を同時に有し且つ制電性を有するソフトな風合いと触感を有する布帛の要望が強くなってきた。
特公昭34−10497号公報 特開平7−109621号公報 特開2005−273043号公報 特公昭39−5214号公報 特公昭44−31828号公報 特公昭60−11944号公報 特開昭53−80497号公報 特開昭53−149247号公報 特開昭60−39413号公報 特開平3−139556号公報 特開平4−146215号公報
本発明は、上記の問題を解決し、制電性で難燃性、カチオン可染性の極細ポリエステル繊維を提供することを目的とする。
芯鞘型ポリエステル複合繊維であって、下記(A)〜(G)の条件を満足する芯鞘型ポリエステル極細複合繊維。
(A)芯部及び/又は鞘部ポリエステルが該ポリエステル全重量に対し下記一般式(1)で表されるリン系難燃剤をリン原子換算で1,000〜10,000ppm含有するポリエステルであること。
Figure 2010196180
[上記式中、Rは水素または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基であり、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜24のアリール基であり、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基またはヒドロキシアルキル基である。]
(B)芯部及び/又は鞘部ポリエステルが、有機スルホン酸金属塩が、有機スルホン酸金属塩を除く全酸成分に対して1.0〜5.0モル%共重合されたポリエステルであること。
(C)単糸繊度が1.5dtex以下であること。
(D)芯部面積/鞘部面積が5:95〜80:20の範囲であること。
(E)強度が3.0cN/dtex以上であること。
(F)摩擦帯電圧が2000V以下であること。
(G)芯部ポリエステルがポリエステル100重量部に対して、制電剤として、(a)下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン系ポリエーテルを0.2〜30重量部及び(b)該ポリエステルと実質的に非反応性の有機イオン性化合物0.05〜10重量部を含有してなるポリエステルであること。
Z−[(CHCHO)n(RO)m−R]k 式(2)
[式中、Zは1〜6個の活性水素原子を有する有機化合物残基、Rは炭素原子数6以上のアルキレン基又は置換アルキレン基、Rは水素原子、炭素原子数1〜40の一価の炭化水素基、炭素原子数2〜40の一価のヒドロキシ炭化水素又は炭素原子数2〜40の一価のアシル基、kは1〜6の整数、nはn≧70/kを満足する整数、mは1以上の整数]
及び、
紡糸速度が2000〜4500m/minであり、且つ紡出時の吐出速度と引き取り速度の比(以降ドラフト比と記す)を100〜800の範囲で引き取ることを特徴とする芯鞘型ポリエステル極細複合繊維の製造方法、
が提供される。
本発明の芯鞘型ポリエステル極細複合繊維は、繰り返される洗濯処理によっても制電性が持続し、かつカチオン可染性、難燃性を有するため、衣料、カーペット、カーテン等の表地として利用可能である。
以下本発明を詳しく説明する。本発明でいうポリエステルは、芳香環を重合体の連鎖単位に有する芳香族ポリエステルであって、二官能性芳香族カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体との反応により得られる重合体を対象とする。
ここでいう二官能性芳香族カルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5―ナフタレンジカルボン酸、2,5―ナフタレンジカルボン酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、4,4′―ビフェニルジカルボン酸、3,3′―ビフェニルジカルボン酸、4,4′―ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′―ビフェニルメタンジカルボン酸、4,4′―ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′―ビフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2―ビス(フェノキシ)エタン―4,4′―ジカルボン酸、2,5―アントラセンジカルボン酸、2,6―アントラセンジカルボン酸、4,4′―p―フェニレンジカルボン酸、2,5―ピリジンジカルボン酸、β―ヒドロキシエトキシ安息香酸、p―オキシ安息香酸等をあげることができ、特にテレフタル酸が好ましい。
これらの二官能性芳香族カルボン酸は2種以上併用してもよい。なお、少量であればこれらの二官能性芳香族カルボン酸とともにアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸の如き二官能性脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き二官能性脂環族カルボン酸、5―ナトリウムスルホイソフタル酸等を1種または2種以上併用することができる。
また、ジオール化合物としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、2―メチル―1,3―プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコールの如き脂肪族ジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等およびそれらの混合物等を好ましくあげることができる。また、少量であればこれらのジオール化合物と共に両末端または片末端が未封鎖のポリオキシアルキレングリコールを共重合することができる。
更に、ポリエステルが実質的に線状である範囲でトリメリット酸、ピロメリット酸の如きポリカルボン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの如きポリオールを使用することができる。
具体的な好ましい芳香族ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレン―1,2―ビス(フェノキシ)エタン―4,4′―ジカルボキシレート等のほか、ポリエチレンイソフタレート・テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート・イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート・デカンジカルボキシレート等のような共重合ポリエステルをあげることができる。なかでも機械的性質、成形性等のバランスのとれたポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。
本発明のポリエステルとは主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレート、すなわちジカルボン酸成分としてジメチルテレフタレート、ジオール成分として、エチレングリコールを用いたポリエステルポリマーを示している。主たる繰り返し単位とはポリエステルを構成する全繰り返し単位のうち70モル%以上がエチレンテレフタレート単位であることを表す。より好ましくは80モル%以上である。最も好ましくは90モル%以上である。
本発明のポリエステルに使用できる他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸,2.6−ナフタレンジカルボン酸,1.5−ナフタレンジカルボン酸,4.4−ジフェニルジカルボン酸,ビス−(4−カルボキシフェニル)エーテル,ビス−(4−カルボキシフェニル)スルホン,1.2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン,5−スルホプロポキシイソフタル酸,ジフェニルp.p’−ジカルボン酸,p−フェニレンジ酢酸,ジフェニルオキシド−p.p’−ジカルボン酸,trans−ヘキサヒドロテレフタル酸、及びそれらのアルキルエステル,アリールエステル,エチレングリコールエステルなどのエステル形成性誘導体の1種以上を10モル%を限度として少量混合して使用することができる。
一方、本発明のポリエステルに使用できる他のグリコール成分としては、1.2−プロピレングリコール,1.4−ブタンジオール,トリメチレングリコール,1.6−ヘキサンジオール,1.4−シクロヘキサンジオール,ネオペンチルグリコール,1.4−シクロヘキサンジメタノール,ビスフェノールA,ビスフェノールS,ジエチレングリコール,ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコールなどの1種以上をジオール成分の10モル%を限度とする少量を混合して使用することができる。
上記のようなジカルボン酸成分及び/又はグリコール成分の共重合量が30モル%を超える場合、ポリエチレンテレフタレート本来の物性が劣ることがある。そのため、共重合量はポリエステルに対し、好ましくは、20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。
また、本発明のポリエステルに分岐成分、例えばトリカルバリル酸、トリメシン酸、トリメリット酸等の、三官能又は四官能のエステル形成能を持つ酸、又はグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの三官能又は四官能のエステル形成能を持つアルコールを共重合してもよく、その場合にそれらは全ジカルボン酸成分の1.0モル%以下、好ましくは0.5モル%以下、さらに好ましくは、0.3モル%以下である。更に、本発明のポリエステル組成物はこれら共重合成分を2種類以上組み合わせて使用しても構わない。
また、スルホン酸塩基含有酸成分が全酸成分に対して1.0〜5.0モル%共重合されていることが必要であり、スルホン酸塩基含有酸成分の共重合量が0.5モル%未満であると、十分な染色性能が得られず、カチオン染料に可染性のものとならず、5.0モル%を超えると、ポリエステル樹脂の溶融粘度が高くなり、紡糸操業性の悪化や糸強度の低下を招くため好ましくない。
上記のスルホン酸塩基含有酸成分は、ポリエステルと反応する官能基を有するスルホン酸塩基含有成分であれば特に限定されるものではないが、例としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホテレフタル酸等が挙げられる。このうち、特に5−ナトリウムスルホイソフタル酸は、カチオン染料による発色性と紡糸性が良好であり、好適である。
また、本発明の繊維を構成するポリエステルには、難燃剤として下記一般式(1)で表される有機リン化合物が、ポリエステル全重量に対して、リン原子含有量で1,000〜10,000ppmとなるよう、好ましくは3,000〜9,000ppmとなるよう含むことが必要であり、好ましくは共重合されて含まれていることである。有機リン化合物の含有量が、リン原子の含有量として1,000ppm未満になると十分な難燃性能が得られず、10,000を超えると、紡糸操業性が低下したり、糸強度が不足したりするため好ましくない。繊維強度を低下させない点や効果の点で、好ましくは難燃剤は鞘成分に含有させることが好ましい。
Figure 2010196180
[上記式中、Rは水素または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基であり、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜24のアリール基であり、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基またはヒドロキシアルキル基である。]
上記(1)のような有機リン化合物をポリエステルに共重合する方法としては、ポリエステルの重合段階において有機リン化合物をそのまま反応系に添加して反応させる方法が工業的に好ましいが、有機リン化合物をエチレングリコール(以下、EGと略記)、メタノール等と反応させてエステルの形にしてから反応系に添加してもよい。
また、本発明のポリエステル繊維は、DEGの含有量が5.0モル%以下であることが好ましい。ポリエステル繊維中のDEG含有量が5.0モル%を超えると、耐光性が劣り、染色物が色あせするため好ましくない。
DEG含有量は、スルホン酸塩基含有物成分の共重合割合が増すに従い、その酸触媒作用によって増加する傾向にある。また、有機リン化合物の共重合割合が増しても、DEG量は増える傾向にある。
このDEG含有量は、ポリエステル樹脂の重合の際、スルホン酸塩基含有成分や有機リン化合物の添加時期、添加後の反応条件により制御することが可能であり、5.0モル%以下とするためには、PETオリゴマーを重縮合反応缶に移送し、必要に応じてEGを添加して解重合を行った後、250℃以下の温度条件下でこれらの化合物を添加し、その後15分以内に減圧を開始して重合反応を開始することが好ましい。
本発明に用いるポリマーには必要に応じて、各種の添加剤、例えば、熱安定剤、消泡剤、整色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、可塑剤又は耐衝撃剤等の添加剤を共重合、又は混合してもよい。
なお、本発明の制電性ポリエステル繊維を形成する共重合ポリエステル樹脂は、例えば次のような方法により製造することができる。
まず、テレフタル酸とジオールを直接エステル化させるか、テレフタル酸の低級アルキルエステルとジオールをエステル交換させることにより、ポリエステルオリゴマー(PETオリゴマーと略す。)を合成する。次いで、これにスルホン酸塩基含有成分と有機リン化合物等を250℃以下で添加し、その後15分以内に重縮合反応を開始し、反応開始後に目標温度まで内温を上昇させる。
重縮合反応は、通常、アンチモン、ゲルマニウム、スズ、チタン、亜鉛、アルミニウム、もしくはコバルト等の金属化合物(触媒)の存在下で、0.12〜12hPa.程度の減圧下、250〜290℃の温度で、極限粘度が0.5以上となるまで行うことが好ましい。
以上のようにして得られる共重合ポリエステル樹脂は、カチオン染料による染色性が良好であり、かつ、難燃性と耐光性を有しており、さらに仮撚加工性や操業性に優れたポリエステル繊維の原料となる。
そのリン化合物の添加時期は、好ましくはポリエステルの製造工程において、エステル交換反応又はエステル化反応を開始当初から重縮合反応工程が終了するまでであり、より好ましくはエステル交換反応又はエステル化反応を終了から重縮合反応工程の開始前である。
本発明に用いるポリエステルの重合度は好ましくは、固有粘度(ポリエステル組成物チップをフェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)混合溶媒に溶解した希薄溶液を、35℃でオストワルド型粘度計を用いて測定した値)は、0.10〜2.00dL/g、より好ましくは0.30〜1.50dL/g、さらに好ましくは0.40〜1.30dL/gの範囲である。
本発明に用いるポリエステルには、ジエチレングリコールの生成を抑制するため、必要に応じて塩基成分を加えることができる。その塩基成分としては、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム、酢酸カリウムをはじめとする有機酸アルキル金属塩、又はトリエチルアミンをはじめとするアミン化合物、水酸化テトラエチルアンモニウムをはじめとするアンモニウム系化合物を例示することができる。
かかる芳香族ポリエステルは任意の方法によって合成される。例えばポリエチレンテレフタレートついて説明すれば、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるかまたはテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかして、テレフタル酸のグリコールエステルおよび/またはその低重合体を生成させる第1段反応、次いでその生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第2段の反応とによって容易に製造される。
本発明の芯鞘型ポリエステル繊維の芯部ポリエステルに配合する制電剤の一方成分であるポリオキシアルキレン系ポリエーテル(a)は、ポリエステルに実質的に不溶性のものであれば、単一のオキシアルキレン単位からなるポリオキシアルキレングリコールであっても、二種以上のオキシアルキレン単位からなる共重合ポリオキシアルキレングリコールであってもよく、また、下記一般式(2)、
Z−[(CHCHO)n(RO)m−R]k 式(2)
[式中、Zは1〜6個の活性水素原子を有する有機化合物残基、Rは炭素原子数6以上のアルキレン基又は置換アルキレン基、Rは水素原子、炭素原子数1〜40の一価の炭化水素基、炭素原子数2〜40の一価のヒドロキシ炭化水素又は炭素原子数2〜40の一価のアシル基、kは1〜6の整数、nはn≧70/kを満足する整数、mは1以上の整数]で表わされるポオキシエチレン系ポリエーテルが好ましい。
かかるポリオキシアルキレン系ポリエーテルの具体例としては、分子量が4000以上のポリオキシエチレングリコール、分子量が1000以上のポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、分子量が2000以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド共重合体、分子量4000以上のトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物、分子量3000以上のノニルフェノールエチレンオキサイド付加物、並びにこれらの末端OH基に炭素数が6以上の置換エチレンオキサイドが付加した化合物があげられ、なかでも分子量が10000〜100000のポリオキシエチレングコール、及び分子量が5000〜16000の、ポリオキシエチレングリコールの両末端に炭素数が8〜40のアルキル基置換エチレンオキサイドが付加した化合物が好ましい。
かかるポリオキシアルキレン系ポリエーテル化合物の配合量は、前記芳香族ポリエステル100重量部に対して0.2〜30重量部の範囲である。0.2重量部より少ないときは親水性が不足して充分な制電性を呈することができない。一方30重量部より多くしても最早制電性の向上効果は認められず、かえって得られる組成物の機械的性質を損うようになる上、該ポリエーテルがブリードアウトし易くなるため溶融成形時チップのルーダーへのかみこみ性が低下して、成形安定性も悪化するようになる。
本発明の制電性ポリエステル繊維の芯部ポリエステルには、更に制電性を向上させるために有機イオン性化合物を配合する。有機イオン性化合物としては、例えば下記一般式(3)、(4)で示されるスルホン酸金属塩及びスルホン酸第4級ホスホニウム塩を好ましいものとしてあげることができる。
RSOM ……式(3)
式中、Rは炭素原子数3〜30のアルキル基又は炭素原子数7〜40のアリール基、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示す。上記式(2)においてRがアルキル基のときはアルキル基は直鎖状であっても又は分岐した側鎖を有していてもよい。MはNa,K,Li等のアルカリ金属又はMg,Ca等のアルカリ土類金属であり、なかでもLi,Na,Kが好ましい。
かかるスルホン酸金属塩は1種のみを単独で用いても2種以上を混合して使用してもよい。好ましい具体例としてはステアリルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、炭素原子数の平均が14であるアルキルスルホン酸ナトリウム混合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム混合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ハード型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム(ハード型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸マグネシウム(ハード型、ソフト型)等をあげることができる。
RSOPR ……式(4)
式中、Rは上記式(3)におけるRの定義と同じであり、R、R、R及びRはアルキル基又はアリール基でなかでも低級アルキル基、フェニル基又はベンジル基が好ましい。
かかるスルホン酸第4級ホスホニウム塩は1種のみを単独で用いても2種以上を混合して使用してもよい。好ましい具体例としては炭素原子数の平均が14であるアルキルスルホン酸テトラブチルホスホニウム、炭素原子数の平均が14であるアルキルスルホン酸テトラフェニルホスホニウム、炭素原子数の平均が14であるアルキルスルホン酸ブチルトリフェニルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム(ハード型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム(ハード型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸ベンジルトリフェニルホスホニウム(ハード型、ソフト型)等をあげることができる。
かかる有機のイオン性化合物は1種でも、2種以上併用してもよく、その配合量は、芳香族ポリエステル100重量部に対して0.05〜10重量部の範囲が好ましい。0.05重量部未満では制電性向上の効果が小さく、10重量部を越えると組成物の機械的性質を損なうようになる上、該イオン性化合物もブリードアウトし易くなるため、溶融成形時のチップのルーダーかみこみ性が低下して、成形安定性も悪化するようになる。
次に、鞘部ポリエステルには、本発明の目的を阻害しない範囲で、公知の艶消し剤を配合している。艶消し剤が10wt%を超えると本発明の親糸となる未延伸糸の紡糸性が悪化するので、その範囲は0〜10wt%とするのが好ましい。
更に、芯部ポリエステルと鞘部ポリエステルの面積比は5:95〜80:20の範囲にする必要がある。面積比が5:95より小さい場合には芯部ポリエステルによる制電性能の発現が不十分になり、80:20よりも大きくなる場合は、10%以上のアルカリ減量を施した場合に、芯部の制電性ポリエステルが溶出し、制電性能が低下するとともに延伸糸の強度が低下し、3.0cN/dtex以下となり、布帛にした場合の強度が不足する為、スポーツ衣料等、強度を必要とする用途には適さず、用途が限られたものとなるので好ましくない。
また、本発明の制電性ポリエステル繊維の芯部および鞘部の芳香族ポリエステルには、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等を配合してもよく、またそうすることは好ましいことである。その他、必要に応じて、難燃剤、蛍光増白剤、艶消削1着色剤、不活性微粒子その他の任意の添加剤を配合してもよい。
酸化防止剤は、繊維の溶融紡糸工程等における高温度、低吐出速度、および長時間滞留などに起因する前記ポリオキシエチレン系ポリエーテル重合体の熱分解を抑制し、その水溶性化およびアルカリ耐久性の低下などの発生を防止することができる。本発明において用いられる酸化防止剤としては、それが酸化防止能を有する限り、その種類に制限はない。本発明に用いられる好ましい酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、チオプロピオネート系化合物、ホスファイト系化合物などが挙げられ、1種のみを単独で用いても2種以上を混合して使用してもよい。また酸化防止剤の配合量は、芳香族ポリエステルに対して0.02〜3重量%の範囲にあることが好ましい。この配合量が0.02重量%より少ないときは、ポリオキシエチレン系ポリエーテル重合体に対する熱分解抑制効果が不充分であり、また、それを3重量%より多くしても、その熱分解抑制効果は飽和してそれ以上の向上は認められず、かえって得られる繊維の機械的性質2色相等が損なわれるようになる。
本発明の制電性ポリエステル繊維を製造するにあたり、芯部の芳香族ポリエステルに、水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテル、有機および/または無機のイオン性化合物、および必要に応じて酸化防止剤を配合するには、任意の方法により、上記成分を同時にまたは任意のj1m序で芳香族ポリエステルに配合することができる。即ち、ポリエステル繊維の紡糸が終了するまでの任意の段階、例えば芳香族ポリエステルの重縮合反応開始前1重縮合反応途中5重縮合反応終了時であってまだ溶融状態にある時点、粉粒状態、または紡糸段階等において、芳香族ポリエステルと添加成分のそれぞれを予め溶融混合して1回の操作で添加してもよく、または2回以上に分割添加してもよく、各添加成分を予め別々に芳香族ポリエステルに配合した後、これらを紡糸前等において混合してもよい。さらに、、重縮合反応中期以前に添加成分を添加するときは、グリコール等の溶媒に溶解または分散させて添加してもよい。
本発明の制電性ポリエステル繊維は、従来公知の複合紡糸装置を用い、鞘側に前述した芳香族ポリエステルBを、芯部に水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテル、有機および/または無機のイオン性化合物、および必要に応じて上記ホスファイト系等の酸化防止剤の少なくとも1種を配合した芳香族ポリエステルAを使用して、2000〜3000m/分の速度で溶融紡糸し、延伸することが重要である。熱処理する方法、上記の速度で溶融紡糸し、延伸と仮撚加工とを同時にまたは続いて行う方法、任意の製糸条件を採用することができる。
また得られた繊維またはこの繊維から製造された織編物を100℃以上の温度で熱処理して、構造の安定化と繊維中に含有されているポリオキシエチレン系ポリエーテル、および必要に応じて含有されている各種添加剤の移行による適性配列化を助長させることも好ましい。さらに必要に応じて弛絨熱処理なども併用することができる。
また必要に応じて、本発明の制電性ポリエステル繊維またはこの繊維から製造された織編物に、適宜の親水化後加工を施してもよく、またそうすることは好ましいことである。この親水化後加工としては、例えばテレフタル酸および/またはイソフタル酸もしくはそれらの低級アルキルエステルと、低級アルキレングリコール、およびポリアルキレングリコールとからなるポリエステルポリエーテルブロック共重合体の水性分散液で処理する方法、または、アクリル酸、メタクリル酸等の親水性モノマーをグラフト重合し、その後これをナトリウム塩化する方法等が好ましく採用できる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)ジエチレングリコール含有量:
ヒドラジンヒドラート(抱水ヒドラジン)を用いてポリエステル組成物チップを分解し、この分解生成物中のジエチレングリコールの含有量をガスクロマトグラフィー(ヒューレットパッカード社製(HP6850型))を用いて測定した。
(2)リン原子含有量
リガク社製蛍光X線スペクトロメーター ZSX100e型を用いて、蛍光X線法により定量した。
(3)帯電性試験方法
本発明の複合延伸糸を、筒編みし、染色し、調湿後、試験片をコロナ放電場で帯電させた後、
B法(摩擦帯電圧測定法)
試験片を回転させながら摩擦布で摩擦し、発生した帯電圧を測定する。
L1094帯電性試験方法B法(摩擦帯電圧測定法)に順ずる。
制電効果については、摩擦帯電圧が、約2000V以下(好ましくは1500V以下)
であれば、制電効果が奏される。
(4)難燃性
JIS K 7201に準拠してLOI値(限界酸素指数)を測定し、27以上を合格とした。
(5)カチオン染色性
得たフィラメントヤーンを筒編みし、60℃で20分の精練を行った後、下記の条件下で130℃で60分染色して風乾した。次に小型ピンテンターを用いて150℃で1分の熱セットを行った後、8枚重ねのサンプル片を作成し、そのサンプル片の色調L値をマクベス社製色彩色差計で測定し、染色性の指標とした。L値が低いほど繊維が濃色に染色されていることを示し、40以下を合格とした。
染料 AIZEN COLOUR CATION BLUE 0.2g/L
均染剤 酢酸 0.3g/L
硫酸ナトリウム 3.0g/L
[実施例1]
(芯部ポリエステルの作成)
テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール60部、酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフタル酸ジメチルに対して0.066モル%)および整色剤として酢酸コバルト4水塩0.013部(テレフタル酸ジメチルに対して0.01モル%)をエステル交換反応缶に仕込み、この反応物を窒素ガス雰囲気下で4時間かけて140℃から220℃まで昇温し、反応缶中に生成するメタノールを系外に留去しながらエステル交換反応させた。エステル交換反応終了後、反応混合物に安定剤としてリン酸トリメチル0.058部(テレフタル酸ジメチルに対して0.080モル%)、および消泡剤としてジメチルポリシロキサンを0.024部加えた。次に、10分後に、反応混合物に三酸化アンチモン0.041部(テレフタル酸ジメチルに対して0.027モル%)を添加し、同時に過剰のエチレングリコールを留去しながら240℃まで昇温し、その後、反応混合物を重合反応缶に移した。次いで1時間40分かけて760mmHgから1mmHgまで減圧するとともに240℃から280℃まで昇温して重縮合反応せしめた後、
制電剤としてポリオキシアルキレン系ポリエーテルとして下記式(5)
Figure 2010196180
(ただし、jは18〜28の整数で平均21、Pは平均値として100、mは平均値として5である)
で表される水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルを4部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを2部、真空下で添加し、さらに240分間重縮合反応せしめ、次いで酸化防止剤としてチバカイギー社製イルガノックス1010を0.4部真空下で添加し、その後さらに30分間重縮合反応を行なった。重合反応工程で、制電剤を添加し、得られたポリマーの固有粘度は0.657、軟化点258℃であった。
(鞘部ポリエステルの作成)
ジメチルテレフタレート100質量部とエチレングリコール50質量部との混合物に下記式(6)のカチオン可染モノマー化合物を2.3質量部、酢酸カルシウム0.063質量部、酢酸ナトリウム0.17質量部を、撹拌機、精留塔及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、150℃から245℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを反応器外に留出させながら、エステル交換反応を行った。
Figure 2010196180
[Rが水素、Mがナトリウムである]
その後、難燃剤として下記式(1)で示される有機リン化合物3.0質量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。
Figure 2010196180
[Rは2―ヒドロキシエチル基、Rはメチル基、Rが水素]
その後、反応生成物に三酸化二アンチモン0.018質量部を添加して、撹拌装置、窒素導入口、減圧口及び蒸留装置を備えた反応容器に移し、280℃まで昇温させ、30Pa以下の高真空で縮合重合反応を行い、固有粘度0.58dL/g、ジエチレングリコール含有量が2.46質量%であるポリエステルを得た。リンの含有量は4700ppmであった。
(製糸)
上記鞘部ポリエステル、および乾燥した芯部ポリエステルを各々常法で溶融し、ギヤポンプを経て2成分複合紡糸ヘッドに供給した。芯と鞘ポリマーの比率が表1記載の値となるように設定した。同時に供給された芯部と鞘部の溶融ポリマーは、ノズル孔径0.25mmの円形複合紡糸孔を72個穿設した紡糸口金から、通常のクロスフロー型紡糸筒からの冷却風で冷却・固化し、紡糸油剤を付与しつつ一つの糸条として集束し、3000m/minの速度で引き取り、複屈折率0.035の140dtex/72フィラメントのポリエステル未延伸糸を得た。公知の延伸方法で1.8倍に延伸し本発明の糸(単糸繊度1.1dtex)を得た。
得られた糸を用いて筒編地を製造し、制電性を測定した。次いで、沸騰水で20分間リラックス処理し、引き続きプリセット処理を行った後、染色、ファイナルセット処理を行い、ポリエステル複合延伸糸からなる布帛とした。
得られた布帛の摩擦帯電圧は900Vであり、難燃性は28であり、官能評価を実施したところ、非常に鮮明性や深みのある、且つ高級感を有し、ソフト感を呈した風合のものであった。
[比較例1]
難燃剤を用いない以外は実施例1と同様に行った。
得られた布帛の摩擦帯電圧は900Vであり、官能評価を実施したところ、非常に深みのある、且つ高級感を有し、ソフト感を呈した風合のものであった。しかしながら難燃性が21であった。
[比較例2]
制電剤を用いない以外は実施例1と同様に行った。
得られた布帛の官能評価を実施したところ、非常に鮮明性で深みのある、且つ高級感を有し、ソフト感を呈した風合のものであった。難燃性は28で良好であった。しかしながら摩擦帯電圧は5000Vであり、着用時にパチパチ静電気が発生した。
[比較例3]
有機スルホン酸金属塩を用いない以外は実施例1と同様に行った。
得られた布帛の摩擦帯電圧は900Vであり、難燃性は28で良好であったが、官能評価を実施したところ、染色鮮明性がなく見劣りのするものであった。
本発明の繊維は、極細繊維で染色性、風合いソフト性が良好で、難燃性、制電性も兼ね備えているのでスポーツ用途、ユニフォームに適している。

Claims (3)

  1. 芯鞘型ポリエステル複合繊維であって、下記(A)〜(G)の条件を満足する芯鞘型ポリエステル極細複合繊維。
    (A)芯部及び/又は鞘部ポリエステルが該ポリエステル全重量に対し下記一般式(1)で表されるリン系難燃剤をリン原子換算で1,000〜10,000ppm含有するポリエステルであること。
    Figure 2010196180
    [上記式中、Rは水素または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基であり、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜24のアリール基であり、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基またはヒドロキシアルキル基である。]
    (B)芯部及び/又は鞘部ポリエステルが、有機スルホン酸金属塩が、有機スルホン酸金属塩を除く全酸成分に対して1.0〜5.0モル%共重合されたポリエステルであること。
    (C)単糸繊度が1.5dtex以下であること。
    (D)芯部面積/鞘部面積が5:95〜80:20の範囲であること。
    (E)強度が3.0cN/dtex以上であること。
    (F)摩擦帯電圧が2000V以下であること。
    (G)芯部ポリエステルがポリエステル100重量部に対して、制電剤として、(a)下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン系ポリエーテルを0.2〜30重量部及び(b)該ポリエステルと実質的に非反応性の有機イオン性化合物0.05〜10重量部を含有してなるポリエステルであること。
    Z−[(CHCHO)n(RO)m−R]k 式(2)
    [式中、Zは1〜6個の活性水素原子を有する有機化合物残基、Rは炭素原子数6以上のアルキレン基又は置換アルキレン基、Rは水素原子、炭素原子数1〜40の一価の炭化水素基、炭素原子数2〜40の一価のヒドロキシ炭化水素又は炭素原子数2〜40の一価のアシル基、kは1〜6の整数、nはn≧70/kを満足する整数、mは1以上の整数]
  2. ジエチレングリコールの含有量が5.0wt%以下である請求項1記載の芯鞘型ポリエステル極細複合繊維。
  3. 請求項1〜2の芯鞘型ポリエステル極細複合繊維の製造方法であって、紡糸速度が2000〜4500m/minであり、且つ紡出時の吐出速度と引き取り速度の比(以降ドラフト比と記す)を100〜800の範囲で引き取ることを特徴とする芯鞘型ポリエステル極細複合繊維の製造方法。
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