JP2010196043A - 塗料組成物、反射防止フィルムの製造方法及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機溶媒及び2種類以上の無機粒子を含む塗料組成物であって、該2種類以上の無機粒子における少なくとも1種類の無機粒子が、フッ素化合物Aにより表面処理された無機粒子であり、さらに該塗料組成物のpHが3以上6以下であることを特徴とする、塗料組成物、および該塗料組成物を塗布した反射防止フィルムの製造方法、該反射防止フィルムを設けたことを特徴とする画像表示装置。
【選択図】なし
Description
1) 有機溶媒及び2種類以上の無機粒子を含む塗料組成物であって、
該2種類以上の無機粒子における少なくとも1種類の無機粒子が、フッ素化合物Aにより表面処理された無機粒子であり、
さらに該塗料組成物のpHが3以上6以下であることを特徴とする、塗料組成物。
2) 前記塗料組成物がバインダー成分を含み、該バインダー成分の酸価が30以下であることを特徴とする前記1)に記載の塗料組成物。
3) 前記塗料組成物が、フルオロアルキル基および反応性部位を有し、数平均分子量が300以上4000以下であるフッ素化合物Bを含むことを特徴とする前記1)又は2)に記載の塗料組成物。
4) 前記フッ素化合物Aにより表面処理された無機粒子が、フッ素化合物Aにより表面処理されたシリカ粒子(以後、フッ素化合物Aにより表面処理されたシリカ粒子を、フッ素処理シリカ粒子とよぶ)であることを特徴とする前記1)〜3)のいずれかに記載の塗料組成物。
5) 前記フッ素処理シリカ粒子が、シリカ粒子を下記一般式(I)で示される化合物で処理し、更に一般式(II)で示されるフッ素化合物Aで処理した粒子であることを特徴とする、前記4)に記載の塗料組成物。
A−R1−SiR2 n(OR3)3−n 一般式(I)
B−R4−Rf 一般式(II)
(上記一般式中のA、Bは反応性二重結合基を示し、R1、R4は炭素数1から3のアルキレン基及びそれらから導出されるエステル構造を示し、R2、R3は水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0から2の整数を示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
6) 前記フッ素処理シリカ粒子を除いた他の無機粒子が、金属酸化物からなる無機粒子であることを特徴とする、前記4)又は5)に記載の塗料組成物。
7) 屈折率の異なる2層を有する反射防止フィルムの製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
工程2:工程1にて塗布した塗料組成物を乾燥する工程
8) 前記工程2の塗料組成物の溶媒残存率が50質量%の際に、塗料組成物のpHが3以上5未満の範囲にあることを特徴とする、前記7)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
9) 前記7)又は8)の製造方法により得られた反射防止フィルムを設けたことを特徴とする画像表示装置。
〔塗料組成物中に含まれる無機粒子〕
本発明の塗料組成物は、2種類以上の無機粒子を含む。そして無機粒子の種類数としては2種以上20種以下が好ましく、より好ましくは2種以上10種以下、さらに好ましくは2種以上3種以下であり、最も好ましくは2種類である。
A−R1−SiR2 n(OR3)3−n 一般式(I)
B−R4−Rf 一般式(II)
(上記一般式中のA、Bは反応性二重結合基を示し、R1、R4は炭素数1から3のアルキレン基及びそれらから導出されるエステル構造を示し、R2、R3は水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0又は1又は2のいずれかを示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。)
本発明における反応性二重結合基とは、光または熱などのエネルギーをうけて発生したラジカルなどにより化学反応する官能基であり、具体例としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
〔塗料組成物のpH〕
本発明の塗料組成物は、有機溶媒及び2種類以上の無機粒子(2種類以上の無機粒子における少なくとも1種類の無機粒子が、フッ素処理無機粒子)を含み、さらに該塗料のpHは3以上6以下であることが重要である。好ましくは前記した低屈折率層構成成分として好適なフッ素処理無機粒子と、前記した高屈折率層構成成分である他の無機粒子を含み、さらに該塗料のpHは3以上6以下であることが重要である。そして塗料のpHは、さらに好ましくは3.5以上5.5以下であり、より好ましくは4以上5以下である。
工程1:本発明の塗料組成物を支持基材の少なくとも片面上に1回塗布する工程
工程2:工程1にて塗布した塗料組成物を乾燥する工程
そしてこの工程2においては、乾燥により塗料組成物の溶媒残存率が50質量%となった際に、塗料組成物のpHが3.0以上5.0未満の範囲にあることが好ましい。ここでいう溶媒残存率とは、塗料を徐々に乾燥させていくことにより溶媒が揮発し、固形分濃度が上昇していく過程において、乾燥前の塗料組成物中の溶媒量を100質量%としたときに、乾燥前の塗料組成物中の溶媒量に対する乾燥後の塗料組成物中の溶媒量の割合を溶媒残存率とする。
〔フッ素化合物B〕
本発明の塗料組成物は、前述の2種類以上の無機粒子に加えて、フルオロアルキル基及び反応性部位を有し、数平均分子量が300以上4000以下であるフッ素化合物Bを含むことが好ましい。塗料組成物が、フッ素化合物Bを含有することにより、該塗料組成物を用いて得られる反射防止部材の反射防止層には、フッ素化合物Bに由来する成分を含有することができる。塗料組成物が前述のフッ素化合物Bを含有する場合、塗料組成物中の高屈折率層構成成分の割合を増加した際において、塗料組成物がフッ素化合物Bを含むことによるレベリング作用によって、厚膜でも安定した層分離構造の形成が可能となる利点を有する。また、塗料組成物がフッ素化合物Bを含むことにより、塗料組成物のpHが若干高pH側にシフトすることもある。
H2C=C(R1)−COO−R2−Rf1 ・・・一般式(A)
A−R3−Rf1 ・・・一般式(B)
(式中、R1は水素原子またはメチル基、Rf1は炭素数4〜7の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基、R3は炭素数1〜10のアルキル基、Aは反応性部位である。)
一般式(A)のモノマーの具体例としては、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフロオロプロピルアクリレート、2−パーフルオロブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロデシルエチルアクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−3−メトキシブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ドデカフルオロヘプチルアクリレート、ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2−パーフルオロブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロデシルエチルメタクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−3−メチルブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1−トリフルオロメチルトリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレートなどが挙げられる。
使用した測定機は以下の通りである。
数平均分子量:液体クロマトグラフ LC−10(島津社製)
カラム:K−804L+K−805L(Shodex社製)
温度:35℃
〔塗料組成物のその他の成分〕
本発明で用いる塗料組成物は、更に、バインダー成分を含むことが出来る。つまり、本発明の塗料組成物により得られる反射防止フィルムの低屈折率層および高屈折率層には、前記した物質以外に別途バインダー成分を含んでいてもよい。前記塗料組成物中に含まれるバインダー成分としては、前述の通り酸価が30以下であることが好ましく、より好ましくは酸価が10以下である。また、バインダー成分としては製造性の観点より、熱及び/または活性エネルギー線などにより、硬化可能なバインダー(樹脂)であることが好ましく、バインダー(樹脂)は一種類であっても良いし、二種類以上を混合して用いても良い。なお、バインダー成分とは前述の通り硬化可能な樹脂などが使用され、硬化した樹脂は反射防止フィルム中のバインダー(樹脂)となる。また、本発明における前記フッ素処理無機粒子や、前記フッ素処理無機粒子以外の無機粒子を膜中に保持する観点より、分子中にアルコキシシランやアルコキシシランの加水分解物や反応性二重結合を有しているバインダー成分であることが好ましい。またUV線により硬化する場合は、酸素阻害を防ぐことができることから酸素濃度ができるだけ低い方が好ましく、窒素雰囲気下(窒素パージ)で硬化する方がより好ましい。酸素濃度が高い場合には、最表面の硬化が阻害され、硬化が不十分となり、耐擦傷性、耐アルカリ性が不十分となる場合がある。
[塗料組成物中の各成分の含有量]
本発明の塗料組成物は、少なくとも一種類がフッ素処理無機粒子である2種類以上の無機粒子及び有機溶媒を含み、さらにpHが3以上6以下であれば、これら無機粒子などの含有量は特に限定されない。しかし好ましくは、本発明の塗料組成物100質量%において、(フッ素処理無機粒子を含む)全ての無機粒子(ここでいう全ての無機粒子には、フッ素化合物による表面処理によって、フッ素処理無機粒子中の無機粒子と結合したフッ素化合物など有機化合物も含めたフッ素処理無機粒子全体の質量も含める。)の合計が0.2質量%〜50質量%、有機溶媒を40〜98質量%、バインダー、開始剤、硬化剤、及び触媒などのその他の成分を0,1質量%〜10質量%含む態様であり、より好ましくは、(フッ素処理無機粒子を含む)全ての無機粒子の合計が1質量%〜40質量%、有機溶媒を50〜97質量%、その他の成分を1〜9質量%含む態様である。
反射防止フィルムは反射防止膜と同意であり、その必要性や要求される性能などは特開昭59−50401号公報に記載されている様に、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上の屈折率差を有する2層を支持基材上に積層させることで構成された様態である。また支持基材上の2層の屈折率差は5.0以下であることが好ましい。また反射防止フィルムにおいては、支持基材から計測し最も離れた層が低屈折率層であることが更に好ましい。つまり支持基材、高屈折率層、低屈折率層がこの順に積層された様態が好ましい。なお、支持基材については後述するが、支持基材としてハードコート層とフィルムの積層体を適用すれば、支持基材の一部であるフィルムと高屈折率層の間には、ハードコート層を設けることが可能であり、同様に支持基材として他の機能を有する層とフィルムの積層体を用いる事で、支持基材の一部であるフィルムと高屈折率層の間に他の層を設けることも可能である。屈折率差とは隣接する層間の屈折率を相対的に比較した値であり、相対的に屈折率が低い層を低屈折率層と呼び、相対的に屈折率が高い層を高屈折率層と呼ぶ。
また、反射防止フィルムとして良好な性能を示すには、分光測定においてデルタ反射率が、好ましくは0%以上2.5%以下、より好ましくは0%以上2.0%以下であり、更に好ましくは0%以上1.8%以下であることが望ましい。デルタ反射率とは、光線反射スペクトルを測定した際に400nmから800nmの波長領域における最高反射率から最低反射率を引いた値を示す。フィルムの反射防止性能を比較する場合、デルタ反射率は一つの指標となり、デルタ反射率の値が小さいほど良好であると言える。デルタ反射率が大きくなると反射光線中の特定領域波長の反射が相対的に大きくなり、結果として反射光線に色目が付くため好ましくない。
本発明の塗料組成物により得られる反射防止フィルムには、さらに、ハードコート層、防湿層、帯電防止層、下塗り層や保護層などを設けてもよい。
[支持基材]
反射防止膜をCRT画像表示面やレンズ表面に直接設ける場合を除き、反射防止膜は支持基材を有することが重要である。支持基材としては、ガラス板よりもプラスチックフィルムの方が好ましい。プラスチックフィルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート及びポリエーテルケトンなどが含まれるが、これらの中でも得にトリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましい。
本発明の塗料組成物を用いた反射防止フィルムの製造方法では、前述の本発明の塗料組成物を、支持基材の少なくとも片面上に、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法などの塗布方法によって少なくとも1回塗布する工程(塗布工程)、続いて塗布した塗料組成物を加熱などにより乾燥を行う工程(乾燥工程)により、反射防止フィルムを得ることができる。
得られる反射防止フィルム中から完全に溶媒を除去する事に加え、欠陥なく二層に分離させるという観点からも、乾燥工程では加熱することが好ましい。乾燥工程は、(A)材料余熱期間、(B)恒率乾燥期間、(C)減率乾燥期間に分けられるが、材料予熱期間(材料全体が乾燥する温度まで昇温する期間)から、恒率乾燥期間(塗液が動かなくなるまでの期間)にかけて、溶媒の蒸発に伴い屈折率の異なる二層を形成するが、二層を形成する無機粒子の移動に十分な時間を確保するため、風速が低く、できるだけ低温で乾燥することが好ましい。
[高屈折率層構成成分(a)の調整]
pH6の高屈折率層構成成分として、アンチモン含有酸化スズであるコルコートECH−111(コルコート株式会社)を固形分濃度3.5質量%となるように酢酸エチル:イソプロパノール混合液(質量比=1:1)にて希釈し用いた。
pH4の高屈折率層構成成分として、アンチモン含有酸化スズであるオプスターTU4005(JSR社製)を固形分濃度6質量%となるようにメチルエチルケトン:イソプロパノール混合液(質量比=1:1)にて希釈して用いた。
pH1の高屈折率層構成成分として、酸化ジルコニウムであるTYZ67−H01(東洋インキ株式会社製)を固形分濃度3.2質量%となるようにメチルイソブチルケトンを加え希釈した。
pH2の高屈折率成分としてアンチモン含有酸化スズであるTYS61−01E(東洋インキ株式会社製)を固形分濃度3.4質量%となるようにイソプロピルアルコールにて希釈して用いた。
pH4の高屈折率層構成成分として、二酸化チタンであるELCOM(日揮触媒化成株式会社製)とバインダー成分としてEBCRYL8210(ダイセルサイテック株式会社製)を8:2の割合で混合し、固形分濃度3.5質量%となるようにイソプロピルアルコール:エチレングリコールモノメチルエーテル=8:1にて希釈した。
pH4の高屈折率層構成成分として、二酸化チタンであるELCOM(日揮触媒化成株式会社製)とバインダー成分としてEBCRYL8210(ダイセルサイテック株式会社製)を8:2の割合で混合し、固形分濃度30質量%となるようにイソプロピルアルコール:エチレングリコールモノメチルエーテル=1:1にて希釈した。
バインダー成分としてHPA(大阪有機化学株式会社製)を用いた点を除いては、高屈折率層構成成分(f)と同様の割合で混合、希釈した。
バインダー成分としてACA230AA(ダイセルサイテック株式会社製)を用いた点を除いては、高屈折率層構成成分(f)と同様の割合で混合、希釈した。
pH2の高屈折率成分としてアンチモン含有酸化スズであるTYS61−01E(東洋インキ株式会社製)とバインダー成分としてEBCRYL8210(ダイセルサイテック株式会社製)を8:2の割合で混合し、固形分濃度30質量%となるようにイソプロピルアルコール:エチレングリコールモノメチルエーテル=1:1にて希釈した。
バインダー成分としてKAYARAD R−167(日本化薬株式会社製)を用いた点を除いては、高屈折率層構成成分(f)と同様の割合で混合、希釈した。
バインダー成分としてEBECRYL12(ダイセルサイテック式会社製)を用いた点を除いては、高屈折率層構成成分(f)と同様の割合で混合、希釈した。
バインダー成分としてはEBECRYL11(ダイセルサイテック式会社製)を用いた点を除いては、高屈折率層構成成分(f)と同様の割合で混合、希釈した。
バインダー成分としてKC−250(共栄社化学株式会社製)を用いた点を除いては、高屈折率層構成成分(f)と同様の割合で混合、希釈した。
[低屈折率層構成成分(a)の調整]
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分濃度20質量%)20gに、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4.4gと5質量%蟻酸水溶液1.8gを混合し、70℃にて1時間撹拌した。ついで、2−ペルフルオロオクチルエチルアクリレート4.6g及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.2gを加えた後、30分間70℃にて加熱撹拌した。その後、イソプロピルアルコールを333g加え希釈し、固形分3.8質量%、pH4の低屈折率層構成成分(a)とした。
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分20質量%)20gに、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4.4gと5質量%蟻酸水溶液1.8gを混合し、70℃にて1時間撹拌した。その後、イソプロピルアルコールを221g加え希釈し、固形分3.6質量%、pH3の低屈折率層構成成分(b)とした。
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分20質量%)20gに、イソプロピルアルコールを113g加え希釈し、固形分3.1質量%、pH3の低屈折率層構成成分(c)とした。
〔低屈折率層構成成分(d)の調整〕
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分20質量%)20gに、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.75gと10質量%蟻酸水溶液0.34gを混合し、70℃にて1時間撹拌した。ついで、2−ペルフルオロ−7−メチルオクチルエチルアクリレート2.76g及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.115gを加えた後、1時間90℃にて加熱撹拌した。得られた液を、イソプロピルアルコールで希釈し、固形分濃度3.6質量%、pH5の低屈折率成分(d)とした。
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分20質量%)20gに、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.75gと10質量%蟻酸水溶液0.34gを混合し、70℃にて1時間撹拌した。ついで、2−ペルフルオロヘキシルエチルアクリレート2.76g及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.115gを加えた後、1時間90℃にて加熱撹拌した。得られた液を、イソプロピルアルコールで希釈し、固形分濃度3.6質量%、pH3の低屈折率層構成成分(e)とした。
〔低屈折率層構成成分(f)の調整〕
中空シリカであるスルーリア(日揮触媒化成株式会社製:固形分20質量%、数平均粒子径60nm)15gに、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.375gと10質量%蟻酸水溶液0.17g、水0.306gを混合し、70℃にて1時間撹拌した。ついで、2−ペルフルオロオクチルエチルアクリレート1.38g及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.0575gを加えた後、1時間90℃にて加熱撹拌した。得られた液を、イソプロピルアルコールで希釈し、固形分濃度3.5質量%、pH4.5の低屈折率層構成成分(f)とした。
〔塗料組成物1〜28〕
以下の方法により塗料組成物1〜28を調整した。また、塗布時に用いる塗料組成物は、25℃、相対湿度45%で1ヶ月保存後の塗料組成物を用いた。なお、表においては塗料組成物を塗剤と記した。
低屈折率層構成成分(a)と高屈折率層構成成分(a)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、pH5の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(a)と高屈折率層構成成分(b)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、pH4の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(d)と高屈折率層構成成分(a)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、pH6の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(d)と高屈折率層構成成分(b)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、pH5の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(e)と高屈折率層構成成分(b)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加しpH3の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(a)と高屈折率層構成成分(c)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合し、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加しpH1の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(a)と高屈折率層構成成分(d)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、pH2の塗料組成物とした。
[塗料組成物8]
低屈折率層構成成分(b)と高屈折率層構成成分(a)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、pH3の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(c)と高屈折率層構成成分(b)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、pH4の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(d)と高屈折率層構成成分(c)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、pH2の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(e)と高屈折率層構成成分(d)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、pH7の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(a)と高屈折率層構成成分(d)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、さらに1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を加えpH4の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(d)と高屈折率層構成成分(c)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、さらに1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を加えpH4の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(e)と高屈折率層構成成分(d)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、さらに1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を加えpH4の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(e)と高屈折率層構成成分(e)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、pH4の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(f)と高屈折率層構成成分(e)をそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、pH4の塗料組成物とした。
低屈折率層構成成分(e)と高屈折率層構成成分(f)をそれぞれ質量比にて5:5となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部、フッ素化合物B(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 分子量:518 )10質量部添加し、pH5の塗料組成物とした。
〔塗料組成物18〕
低屈折率層構成成分(f)と高屈折率層構成成分(f)をそれぞれ質量比にて5:5となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部、フッ素化合物B(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 分子量:518 )10質量部添加し、pH5の塗料組成物とした。
〔塗料組成物19〕
低屈折率層構成成分(f)と高屈折率層構成成分(g)をそれぞれ質量比にて5:5となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部、フッ素化合物B(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 分子量:518 )10質量部添加し、pH5の塗料組成物とした。
〔塗料組成物20〕
低屈折率層構成成分(e)と高屈折率層構成成分(i)をそれぞれ質量比にて5:5となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部、
フッ素化合物B(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 分子量:518 )10質量部添加し、pH2の塗料組成物とした。
〔塗料組成物21〕
低屈折率層構成成分(e)と高屈折率層構成成分(f)をそれぞれ質量比にて5:5となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、pH5の塗料組成物とした。
〔塗料組成物22〕
低屈折率層構成成分(e)と高屈折率層構成成分(f)をそれぞれ質量比にて5:5となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部、
フッ素化合物(H2C=CH−COO−CH2−CF3 分子量:154 )10質量部添加し、pH5の塗料組成物とした。
〔塗料組成物23〕
低屈折率層構成成分(e)と高屈折率層構成成分(f)をそれぞれ質量比にて5:5となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部、
フッ素化合物(−(CF2CF2CF2O)n− 分子量:4500 )10質量部添加し、pH5の塗料組成物とした。
〔塗料組成物24〕
低屈折率層構成成分(f)と高屈折率層構成成分(j)をそれぞれ質量比にて5:5となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部、
フッ素化合物B(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 分子量:518 )10質量部添加し、pH5の塗料組成物とした。
〔塗料組成物25〕
低屈折率層構成成分(f)と高屈折率層構成成分(l)をそれぞれ質量比にて5:5となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部、
フッ素化合物B(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 分子量:518 )10質量部添加し、pH4の塗料組成物とした。
〔塗料組成物26〕
低屈折率層構成成分(f)と高屈折率層構成成分(k)をそれぞれ質量比にて5:5となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部、
フッ素化合物B(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 分子量:518 )10質量部添加し、pH5の塗料組成物とした。
〔塗料組成物27〕
低屈折率層構成成分(f)と高屈折率層構成成分(h)をそれぞれ質量比にて5:5となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部、
フッ素化合物B(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 分子量:518 )10質量部添加し、pH4の塗料組成物とした。
〔塗料組成物28〕
低屈折率層構成成分(e)と高屈折率層構成成分(n)をそれぞれ質量比にて5:5となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部、
フッ素化合物B(H2C=CH−COO−CH2−(CF2)8F 分子量:518 )10質量部添加し、pH2の塗料組成物とした。
支持基材としてPET樹脂フィルム上に易接着性塗料が塗工されている“ルミラー”U46(東レ(株)製)、またはPET樹脂フィルム上にハードコート塗料が塗布硬化されているルミクリアSR−HC(東レフィルム加工株式会社製)をもちいた。この支持基材の易接着性塗料が塗工されている面上、またはハードコート塗料が塗布硬化されている面上に、実施例・比較例として表に記載の塗料組成物をバーコーター(#10)を用いて塗布後、100℃にて1分間乾燥し、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm2、積算光量800mJ/cm2の紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射し、反射防止フィルムを作製した。
作製した反射防止フィルムについて次に示す性能評価を実施し、得られた結果を表1に示した。特に断りのない場合を除き、測定は各実施例・比較例において、1つのサンプルについて場所を変えて3回測定を行い、その平均値を用いた。
[反射防止性能]
反射防止性能の評価は島津製作所製分光光度計UV−3100を用いて400nmから800nmの波長範囲にて行い、最低反射率(ボトム反射率)とデルタ反射率を測定した。
[耐擦傷性]
反射防止フィルムに250g/cm2荷重となるスチールウール(#0000)を垂直にあて、1cmの長さを10往復した際に目視される傷の概算本数を記載した。
5本以上〜15本未満 ○
15本以上 ×
傷の本数が15本未満を合格とした。
[透明性]
透明性はヘイズ値を測定することにより判定した。測定はJIS K 7136(2000)に基づき、日本電色工業(株)製 ヘイズメーターを用いて、反射防止フィルムサンプルの支持基材とは反対側から光を透過するよう、装置に置いて測定を行い、1.5%未満は評価○、1.5%以上2.0%未満は△、2.0%以上を評価×とした。
〔耐アルカリ性〕
1質量%のNaOH溶液を反射防止フィルムサンプルの支持基材と反対側の面(低屈折率層側)に滴下させ、15分経過後にガーゼを用いて拭取り作業を行った。拭取り後の表面状態を観察することにより、表面が侵されているかどうか目視で判定した。
[2層の界面の有無]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより、支持基材上の2層の界面の有無を判断した。界面の有無の判断は以下の方法に従い判断した。TEMにより20万倍の倍率で撮影した画像を、スキャナーを用いてプレゼンテーションソフトウェア(Microsoft Power Point2003)に貼付した。次いで貼付した写真のイメージコントロール処理(コントラストを90%とする)を行い、コントラストを強調した。この際に、1つの層と他の層との界面に明確な境界を引くことができる場合を、明確な界面があるとみなした(明確な境界を引くことができる場合を界面有りとして「○」で示し、部分的に境界線が乱れている場合を「△」、明確な境界を引くことができない場合を界面無しとして「×」で示した。)。
〔2層の層厚み〕
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより、支持基材上の2層の各層の厚みを測定した。各層の厚みは、以下の方法に従い測定した。TEMにより20万倍の倍率で撮影した画像から各層の厚みを読み取った。合計で10点の層厚みを測定して平均値とした。
[2層個々の屈折率]
本発明における2層個々の屈折率は、反射分光膜厚計(大塚電子製、商品名[FE−3000])により、300〜800nmの範囲での反射率を測定し、該装置付属のソフトウェア[FE−Analysis]を用い、大塚電子株式会社製[膜厚測定装置 総合カタログP6(非線形最小二乗法)]に記載の方法に従い、550nmにおける屈折率を求めた。
[粒子の数平均粒子径]
粒子の数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡により求めた。倍率を50万倍とし、その画面内に存在する10個の粒子の外径を測定し、その平均値とした。画面内に10個の粒子が存在しない場合は、同じ条件で別の箇所を観察し、その画面内に存在する粒子の外径を測定して、合計で10個の粒子の外径を測定して平均値とした。
〔塗料組成物のpH〕
塗料組成物のpHは、pHメーター(堀場製作所製、商品名〔D−51〕)を用いて、1つのサンプルについて3回測定を行い、その平均値を用いた。
JIS−K5601−2−1;1999の方法を用いて、フェノールフタレインを指示薬とした水酸化カリウムの中和滴定法により酸価を求めた。
塗料の乾燥方法と溶媒残存率の算出を以下の方法で行った。
清浄なアルミ皿の風袋(W1)を精密天秤(読み取り限界0.1mg)を用いて秤量する。次にアルミ皿に塗料組成物を採取し、固形分濃度が既知の塗料組成物をのせたアルミ皿の質量(W2)を精密天秤を用いて秤量する。試料を乗せたアルミ皿を、溶媒の沸点別に定めた温度の恒温器の中に約2時間放置する。
(沸点が高い溶媒の場合(沸点:120℃以上)は100℃、沸点が低い溶媒の場合(沸点:60℃以下)は30℃、沸点が前記範囲外の場合は80℃とする。
加熱後、恒温器からこのアルミ皿を取り出しデシケーター中で放冷する。放冷後、精密天秤を用いて試料をのせたアルミ皿の質量(W3)を秤量する。下式より、この試料の乾燥後の固形分濃度を求める。
W1:アルミ皿質量(g)
W2:アルミ皿質量+乾燥前の塗料組成物の質量(g)
W3:アルミ皿質量+乾燥後の塗料組成物の質量(g)
塗料組成物全体を100%とすると、
100%−固形分濃度(%)=溶媒濃度(%) である。
S1:乾燥前の塗料組成物中の溶媒濃度(%)
S2:乾燥後の塗料組成物中の溶媒濃度(%)
乾燥前の塗料組成物の溶媒量を100質量%とし、下式より塗料の溶媒残存率を求める。
[(W3−W1)×S2]/[(W2−W1)×S1]×100=溶媒残存率(質量%)
〔溶媒残存率50質量%の塗料組成物の作成方法〕
塗料組成物を乾燥させ、30分毎に上記方法で溶媒残存率を測定する。時間の経過と共に溶媒残存率が減少していき、測定値が60質量%以下からは5分毎に測定、50質量%近傍ではさらに短時間の乾燥時間を調整し、溶媒残存率50質量%となる塗料組成物を作成する。
上記の方法により溶媒残存率50質量%時の塗料組成物を作成し、pHメーター(堀場製作所製、商品名〔D−51〕)を用いて、1つのサンプルについて3回測定を行い、その平均値を用いた。
〔塗料組成物の保存安定性〕
塗料組成物の保存安定性は、得られた塗料組成物を50ccスクリュー管(アズワン製、商品名〔ラボランパック〕)に30g加え、密閉後25℃、相対湿度60%の環境下にて30日保管後、ゆっくりとスクリュー管を逆さにした後、塗料組成物の状態を目視により観察して、沈殿物の有無で判定した。
沈殿物なしで液の透明性良好 ◎
沈殿物なしで若干液の濁りあり ○
沈殿物なしで液の濁りあり △
沈殿物あり ×
Claims (9)
- 有機溶媒及び2種類以上の無機粒子を含む塗料組成物であって、
該2種類以上の無機粒子における少なくとも1種類の無機粒子が、フッ素化合物Aにより表面処理された無機粒子であり、
さらに該塗料組成物のpHが3以上6以下であることを特徴とする、塗料組成物。 - 前記塗料組成物がバインダー成分を含み、該バインダー成分の酸価が30以下であることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
- 前記塗料組成物が、フルオロアルキル基および反応性部位を有し、数平均分子量が300以上4000以下であるフッ素化合物Bを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の塗料組成物。
- 前記フッ素化合物Aにより表面処理された無機粒子が、フッ素化合物Aにより表面処理されたシリカ粒子(以後、フッ素化合物Aにより表面処理されたシリカ粒子を、フッ素処理シリカ粒子とよぶ)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗料組成物。
- 前記フッ素処理シリカ粒子が、シリカ粒子を下記一般式(I)で示される化合物で処理し、更に一般式(II)で示されるフッ素化合物Aで処理した粒子であることを特徴とする、請求項4に記載の塗料組成物。
A−R1−SiR2 n(OR3)3−n 一般式(I)
B−R4−Rf 一般式(II)
(上記一般式中のA、Bは反応性二重結合基を示し、R1、R4は炭素数1から3のアルキレン基及びそれらから導出されるエステル構造を示し、R2、R3は水素又は炭素数が1から4のアルキル基を示し、Rfはフルオロアルキル基を示し、nは0から2の整数を示し、それぞれ側鎖を構造中に持っても良い。) - 前記フッ素処理シリカ粒子を除いた他の無機粒子が、金属酸化物からなる無機粒子であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の塗料組成物。
- 屈折率の異なる2層を有する反射防止フィルムの製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
工程1:請求項1〜6のいずれかに記載の塗料組成物を支持基材の少なくとも片面上に1回塗布する工程
工程2:工程1にて塗布した塗料組成物を乾燥する工程 - 前記工程2の塗料組成物の溶媒残存率が50質量%の際に、塗料組成物のpHが3以上5未満の範囲にあることを特徴とする、請求項7に記載の反射防止フィルムの製造方法。
- 請求項7又は8の製造方法により得られた反射防止フィルムを設けたことを特徴とする画像表示装置。
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