JP2010195086A - ピラーガーニッシュ - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数を少なく、簡単な構造でエアバッグの展開を許容することができるピラーガーニッシュを提供する。
【解決手段】フロントピラーの車室内側に取り付けられるガーニッシュ本体16の裏面に、クリップが取り付けられる取付部19を備えたピラーガーニッシュ構造において、ガーニッシュ本体16とフロントピラーとの間に車両衝突時に展開するエアバッグの配置空間を確保し、取付部19を、エアバッグ展開時にガーニッシュ本体16のエアバッグ展開方向への移動を許容する長孔状に形成し、取付部19の内周壁36,37に突起部40を設けた。
【選択図】図6

Description

この発明は、エアバッグが内装されるピラーガーニッシュに関する。
車両のピラー部の内側に取り付けられるピラーガーニッシュの内部に、エアバッグが内装されたものがある。このエアバッグはカーテンエアバッグと呼ばれ、フロントサイドドア、リヤサイドドアの車室外側の上部で下方に向かって展開し乗員を側部から保護する。ピラーガーニッシュ内にはエアバッグの前端部が内装され、エアバッグが展開するとピラーガーニッシュの下縁が押し開かれるようになっている(特許文献1参照)。
特開2002−211345号公報
しかしながら、上記従来のピラーガーニッシュにおいては、エアバッグを展開する際に押し開かれる部位が回動する構造となっているため、回動を許容する固定部材と通常の固定のみを行うクリップの双方が必要となり、部品点数が増加してしまう。また、回動を許容する固定部材の構造が複雑になってしまう。
そこで、この発明は、部品点数を少なく、簡単な構造でエアバッグの展開を許容することができるピラーガーニッシュを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、車両(例えば、実施形態における車両1)のピラー部(例えば、実施形態におけるフロントピラー2)に取り付けられるガーニッシュ本体(例えば、実施形態におけるガーニッシュ本体16)の裏面に、締結部材(例えば、実施形態におけるクリップ23)が取り付けられる取付部(例えば、実施形態における取付部19)を備えたピラーガーニッシュにおいて、前記ガーニッシュ本体と前記ピラー部との間に車両衝突時に展開するエアバッグ(例えば、実施形態におけるエアバッグ5)の配置空間(例えば、実施形態における配置空間45)を確保し、前記取付部を、前記エアバッグ展開時に前記ガーニッシュ本体の前記エアバッグ展開方向への移動を許容する長孔状に形成し、前記取付部の側面(例えば、実施形態における内周壁36,37)に突起部(例えば、実施形態における突起部40)を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記突起部は前記締結部材の取付位置を規定していることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記取付部は前記ピラー部に向かって立ち上がる台座(例えば、実施形態における台座29)に形成されると共に一部が開放された凹欠形状であることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、展開するエアバッグによりガーニッシュ本体がエアバッグの展開方向に押圧されると締結部材が取付部の突起部を変形させながら通過して相対的に移動し、ガーニッシュ本体の移動を許容するため、ガーニッシュ本体に過大な負荷がかかるのを防止してガーニッシュ本体をスムーズに押し開くことができる効果がある。
請求項2に記載した発明によれば、ガーニッシュ本体の取付部に締結部材を取り付ける場合に、突起部によって取付位置が規定されるため、取付作業が行い易いという効果がある。
請求項3に記載した発明によれば、取付部材が凹欠形状に形成されているため、締結部材の取付作業が行い易い効果がある。
この発明の実施形態の車両の斜視図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 この発明の実施形態の車両右側のピラーガーニッシュを車室内側から見た側面図である。 この発明の実施形態の車両右側のピラーガーニッシュ後端部裏面の要部拡大図である。 図4の拡大図である 図5の斜視図である。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の図において、UPは車体上方、LHは車体左側、FRは車体前側を示す。
図1に示すように、車両1のフロントピラー2、ルーフサイドレール部3、リヤピラー部4に渡る部位には、車室内の両側にカーテン状に膨張展開するエアバッグ5が設けられている。エアバッグ5はリヤピラー部4に設けたインフレータ6から供給されるガスによって膨張展開して乗員を側方から保護する。
図2に示すように、フロントピラー2は共に鋼板材からなる車室内側に開いたピラーアウタパネル8と車室外側に開いたピラーインナパネル9とをスティフナ7を介して前縁接合フランジ部10と後縁接合フランジ部11で接合して閉断面構造に形成された車体骨格部材である。
前縁接合フランジ部10はフロントウインドウガラス12の取付開口部13の側辺を構成し、フロントピラー2の後縁接合フランジ部11にドアの外周縁に密接する車体側ウェザーストリップ14が取り付けられている。
ピラーインナパネル9の車室内側面にはピラーガーニッシュ15が取り付けられている。ここで、ピラーガーニッシュ15は車両の左右に設けられているが車両右側のピラーガーニッシュ15について説明し、車両左側のピラーガーニッシュ15についての説明は省略する。
ピラーガーニッシュ15は樹脂によって形成され、断面略L字状で板状のガーニッシュ本体16とこのガーニッシュ本体16の裏面にピラーインナパネル9へ取り付けられる3箇所の取付部17,18,19とを備えている。
ガーニッシュ本体16の前側は、稜線Lにより前壁20と、前壁20に対して鈍角で車室外側に屈曲しクリップ23の取付部17,18,19が設けられた取付壁21と、取付壁21から車室外側に向かって屈曲する後壁22とで構成されている。また、図3に示すようにガーニッシュ本体16の前端部24はインストルメントパネル(図示せず)と外観的に連続し、後端部25はルーフライニング(図示せず)に接続される。
前側の取付部17、前後方向中央部の取付部18、後部の取付部19はガーニッシュ本体16の裏面からピラーインナパネル9に向かって立ち上がる台座29を備えている。この台座29上にクリップ23の基部26が固定され、クリップ23の先端の係止部27がピラーインナパネル9の対応する取付孔28に係合して、ピラーガーニッシュ15がピラーインナパネル9に取り付けられている。
ここで、クリップ23は、軸部46を備え、ガーニッシュ本体16に固定される側に取付部17,18,19の台座29をリブ47との間で挟み込む基部26と、ピラーインナパネル9に取り付ける側に、ピラーインナパネル9の取付孔28に係止する係止部27とを備え、係止部27の基部26側にピラーインナパネル9面に弾性的に当接する弾性脚48を有している。
図4〜図6に示すように、後部の取付部19の台座29は、ガーニッシュ本体16の前側に弧状の周壁30を、後側に開放部31を、上部、下部にガーニッシュ本体16の長さ方向に延びる直線状の壁部32,32を備えている。ここで、台座29が設けられたガーニッシュ本体16の裏面には、台座29の中央部をガーニッシュ本体16の長さ方向で横断するようにリブ47が形成されている(図6では図示省略)。このリブ47のガーニッシュ本体16の後部側はガーニッシュ本体16の裏面から徐々に傾斜して高くなっており、クリップ23の基部26側を支持しながら装着できるようにして装着の容易化を図っている。
後部の取付部19の台座29にはガーニッシュ本体16の開放部31から前側に向かって凹欠形状となった切欠部33が形成されている。切欠部33は入り口側から奥側に向かうにしたがって、幅寸法が徐々に小さくなるように形成され、奥側には対向する弧状部を有する基準取付部34を備えている。基準取付部34にクリップ23の基部26の軸部46が位置決めされた状態で挿入される。
基準取付部34にはエアバッグ展開時にガーニッシュ本体16のエアバッグ展開方向への移動を許容し、奥側が弧状に形成されて閉塞された移動許容部35が基準取付部34の中心Oを基準にガーニッシュ本体16の長さ方向に対して上方に鋭角(例えば、45度)をなす方向に向かって連設されている。移動許容部35はエアバッグ展開時に基準取付部34から相対的に移動してくるクリップ23の基部26の軸部46の周囲を受け止めるようになっている。したがって、基準取付部34と移動許容部35とにより切欠部33の奥側は長孔状に形成されることとなる。
基準取付部34の内周壁36には内周壁36の延長上に立ち上がる基準縁部38が形成され、この基準縁部38と移動許容部35の内周壁37から立ち下がる受け入れ縁部39とで頂部を形成する突起部40が対向して一対設けられている(図6ではハッチングで示す)。突起部40は基準取付部34と移動許容部35の内周壁36,37の下部側から内側に向けて突出しているが、クリップ23が通過する際の破断力を調整するために最適な厚さ寸法Dに設定されている。この厚さ寸法Dを調整することで、クリップ23が突起部40を変形させる際に必要な力の調整を行うことができる。
また、突起部40,40が形成されているため移動許容部35にはクリップ23を挿入することができず基準取付部34に至ったクリップ23を突起部40,40に押し当てた場合にのみクリップ23を固定できるため、クリップ23を誤って移動許容部35に取り付けるような誤組付けが生じることはない。
ここで、取付部19の台座29は、切欠部33、基準取付部34及び移動許容部35の周囲が開放部31に至る部分でやや高くして形成され強度剛性を高めてある。
図2に示すように、取付部17,18,19とピラーインナパネル9との間には、取付部17,18,19の前方(部分的には上方)にエアバッグ5のハーネス類42の配索空間43が形成され、取付部17,18,19の後方(部分的には下方)にエアバッグ5の前端部の配置空間45が形成されて、エアバッグ5のガーニッシュ本体16の長さ方向に対して直交する下方向への(矢印で示す)展開を許容している。エアバッグ5の展開(白抜き矢印で示す)によりガーニッシュ本体16は取付壁21と後壁22とで形成されたコーナー部分41を軸にして後壁22を車室内側に回動させエアバッグ5の下方(実線矢印で示す)への展開を許容している。
そして、ガーニッシュ本体16の前側の取付部17、前後方向中央部の取付部18をクリップ23によりピラーインナパネル9の外面に取り付ける。このとき、後部の取付部19では、クリップ23の基部26の軸部46が一対の突起部40の基準縁部38に当接された状態でクリップ23の係止部27をピラーインナパネル9の取付孔28に係止して、ピラーガーニッシュ15をピラーインナパネル9に固定する。
上記実施形態によれば、インフレータ6からガスが供給されてエアバッグ5が展開しようとすると、ピラーガーニッシュ15のガーニッシュ本体16の後壁22が内側がエアバッグ5の前端部により図2において下側(矢印で示す)に押圧され、後側の取付部19ではクリップ23が相対的にエアバッグ展開方向とは逆側に移動しようとする力を受ける。
取付状態で台座29の基準取付部34に位置しているクリップ23の軸部46は突起部40の基準縁部38と受け入れ縁部39とからなる突起部40を変形させながら奥側に相対移動してエネルギーを吸収し移動許容部35に至る。
したがって、エアバッグ展開時に急激にガーニッシュ本体16の後壁22に一度に過大な力が作用するのを防止しながら、部品点数が少なく、簡単な構造でピラーガーニッシュ15を取付壁21と後壁22とのコーナー部分41を軸にスムーズに回動させて押し開くことができる。
また、エアバッグ5の展開する際に、ピラーガーニッシュ15がエアバッグ5の展開方向に向かって移動するため、エアバッグ5に対して展開方向付けをすることができ、エアバッグ5を設定通りの方向に展開することができる
ここで、基準取付部34の中心Oを基準にガーニッシュ本体16の長さ方向に対して上方に鋭角(例えば、45度)をなす方向に向かって移動許容部35が連設されているため、エアバッグ5の展開方向(図5の白抜き矢印方向)に対しては前方に45度をなす方向に形成されていることになる。したがって、基準取付部34に対する移動許容部35の形成方向がエアバッグ5の展開方向と同じ方向に形成されていた場合に比較して斜めに力を受ける分だけ移動許容部35の方向に対する分力成分が小さくなる点で有利となる。
また、クリップ23はガーニッシュ本体16から立ち上がった台座29に取り付けられ、かつ切欠部33の入り口側が奥側よりも幅広に形成してあり、更にリブ47も設けられているため、クリップ23の挿入作業が行い易く、突起部40の基準縁部38に至った段階でそれ以上は奥側に入れることができず取付位置が規定されるため、クリップ23の取付作業が行い易い。
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、締結部材はクリップに限られず、突起部を変形させる軸部を備えているものであればボルト、ビスであってもよい。
1 車両
2 フロントピラー(ピラー部)
5 エアバッグ
16 ガーニッシュ本体
19 取付部
23 クリップ(締結部材)
36,37 内周壁(側面)
45 配置空間

Claims (3)

  1. 車両のピラー部に取り付けられるガーニッシュ本体の裏面に、締結部材が取り付けられる取付部を備えたピラーガーニッシュにおいて、前記ガーニッシュ本体と前記ピラー部との間に車両衝突時に展開するエアバッグの配置空間を確保し、前記取付部を、前記エアバッグ展開時に前記ガーニッシュ本体の前記エアバッグ展開方向への移動を許容する長孔状に形成し、前記取付部の側面に突起部を設けたことを特徴とするピラーガーニッシュ。
  2. 前記突起部は前記締結部材の取付位置を規定していることを特徴とする請求項1記載のピラーガーニッシュ。
  3. 前記取付部は前記ピラー部に向かって立ち上がる台座に形成されると共に一部が開放された凹欠形状であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のピラーガーニッシュ。
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