JP2010195011A - 流体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】チューブ体の振動を抑制できる流体噴射装置の提供を目的とする。
【解決手段】インクを噴射すると共に主走査方向に移動自在な記録ヘッド4と、インクを貯溜するインクカートリッジと、記録ヘッド4とインクカートリッジとの間にインクが流通するインク流路を形成すると共に記録ヘッド4に接続された他端部が記録ヘッド4に追従して移動自在な弾性チューブ100とを有するインクジェットプリンター1であって、記録ヘッド4の移動経路に沿って設けられる永久磁石141と、弾性チューブ100に貼付され永久磁石141と対向可能な磁性シート110とを有し、永久磁石141及び磁性シート110は、互いに対向する側が異なる磁極となる向きで設けられているという構成を採用する。
【選択図】図4
【解決手段】インクを噴射すると共に主走査方向に移動自在な記録ヘッド4と、インクを貯溜するインクカートリッジと、記録ヘッド4とインクカートリッジとの間にインクが流通するインク流路を形成すると共に記録ヘッド4に接続された他端部が記録ヘッド4に追従して移動自在な弾性チューブ100とを有するインクジェットプリンター1であって、記録ヘッド4の移動経路に沿って設けられる永久磁石141と、弾性チューブ100に貼付され永久磁石141と対向可能な磁性シート110とを有し、永久磁石141及び磁性シート110は、互いに対向する側が異なる磁極となる向きで設けられているという構成を採用する。
【選択図】図4
Description
本発明は、流体噴射装置に関する。
柔軟性エラストマ材料より形成されたチューブ体は、容易に屈曲させることができ、振動や屈曲に耐性を持つため、気体や液体等の流体を扱う分野に広く用いられている。例えば、インクジェット型の流体噴射装置の分野では、所定位置に固定されるインクカートリッジとキャリッジに搭載され移動自在な記録ヘッドとの間を繋ぐ流路を形成するものとして、上記チューブ体を用いている(例えば特許文献1参照)。
下記特許文献1には、上記チューブを接続対象に容易に接続するべく、該チューブより硬質の部材からなるコネクタをチューブの端部に一体的に備えたコネクタ付きチューブが開示されている。このコネクタは、チューブの端部を成形型に装着し、該端部の周囲に液状の樹脂材を注入し固める射出成形により、チューブの端部に形成される。
ところで、上記記録ヘッドに接続されるチューブ体は、キャリッジの移動に追従して屈曲、伸展を繰り返すものであるから、キャリッジの移動ストロークに対してある程度余裕を持たせた長さとなっている。しかし、チューブ体が長くなると、インクカートリッジと記録ヘッドとの間を繋ぐ部分が長くなるため、その部分がキャリッジの動作時において振動し易くなるという問題がある。この振動は、所謂踊りと称され、チューブ体の流路を歪ませて円滑な流体搬送を阻害する原因となっている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、チューブ体の振動を抑制できる流体噴射装置の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、流体を噴射すると共に所定方向に移動自在な流体噴射ヘッドと、上記流体を貯溜する流体貯溜タンクと、上記流体噴射ヘッドと上記流体貯溜タンクとの間に上記流体が流通する流路を形成すると共に上記流体噴射ヘッドに接続された端部が上記流体噴射ヘッドに追従して移動自在なチューブ体とを有する流体噴射装置であって、上記流体噴射ヘッドの移動経路に沿って設けられる第1磁性体と、上記チューブ体に設けられ上記第1磁性体と対向可能な第2磁性体とを有し、上記第1磁性体及び上記第2磁性体は、互いに対向する側が異なる磁極となる向きで設けられているという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、流体噴射ヘッドが所定方向に移動すると、流体噴射ヘッドの移動経路に沿って設けられる第1磁性体と、端部が流体噴射ヘッドに追従して移動するチューブ体に設けられた第2磁性体とが対向する。このとき、第1磁性体と第2磁性体とは、互いに対向する側が異なる磁極となる向きで設けられているため、両者の間に互いに引き合う磁力が発現する。このため、チューブ体が第1磁性体に引き付けられ、該チューブ体が自在に振り動くことが抑制される。
この構成を採用することによって、本発明では、流体噴射ヘッドが所定方向に移動すると、流体噴射ヘッドの移動経路に沿って設けられる第1磁性体と、端部が流体噴射ヘッドに追従して移動するチューブ体に設けられた第2磁性体とが対向する。このとき、第1磁性体と第2磁性体とは、互いに対向する側が異なる磁極となる向きで設けられているため、両者の間に互いに引き合う磁力が発現する。このため、チューブ体が第1磁性体に引き付けられ、該チューブ体が自在に振り動くことが抑制される。
また、本発明においては、上記移動経路に沿って設けられる筐体部を有し、上記筐体部は、上記第1磁性体を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、流体噴射ヘッドの移動経路に沿って設けられる筐体部にチューブ体を引き付けることができる。そして、筐体部がその引き付けた部位においてチューブ体の形状を移動経路に沿った略直線的に案内することで、チューブ体の流路の歪みが抑制される。
この構成を採用することによって、本発明では、流体噴射ヘッドの移動経路に沿って設けられる筐体部にチューブ体を引き付けることができる。そして、筐体部がその引き付けた部位においてチューブ体の形状を移動経路に沿った略直線的に案内することで、チューブ体の流路の歪みが抑制される。
また、本発明においては、上記チューブ体は、上記所定方向において折り返された折り返し部を有し、上記第1磁性体及び上記第2磁性体は、少なくとも上記折り返し部に対応する位置に設けられているという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、流体噴射ヘッドに追従して屈曲した際に特に振り動き易くなるチューブ体の折り返し部を、第1磁性体に引き付けて安定させることができる。
この構成を採用することによって、本発明では、流体噴射ヘッドに追従して屈曲した際に特に振り動き易くなるチューブ体の折り返し部を、第1磁性体に引き付けて安定させることができる。
また、本発明においては、上記第2磁性体は、上記チューブ体に一体的に埋設されているという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、チューブ体の内部に第2磁性体が一体的に埋設されているため、両者を接着する接着剤を用いることなく組立ができ、製造の容易化を図ることができる。さらに、屈伸の繰り返しによっても両者が分離し難くなり強度が向上する。
この構成を採用することによって、本発明では、チューブ体の内部に第2磁性体が一体的に埋設されているため、両者を接着する接着剤を用いることなく組立ができ、製造の容易化を図ることができる。さらに、屈伸の繰り返しによっても両者が分離し難くなり強度が向上する。
以下、本発明について、図を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。本実施形態では、本発明に係る流体噴射装置として、記録媒体である記録紙(対象物)にインクの滴を吐出(噴射)して、その記録紙に対する記録を実行するインクジェット式プリンター(以下、インクジェットプリンターと称する)を例示する。
図1は、本実施形態におけるインクジェットプリンター1の構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態におけるインクジェットプリンター1の電気的な構成を示すブロック図である。
図1に示すように、インクジェットプリンター1は、インクにより記録紙に対する記録を実行する記録ユニット2と、記録紙を搬送する記録紙搬送機構3とを備えている。
記録ユニット2は、インクを噴射する記録ヘッド(流体噴射ヘッド)4と、記録ヘッド4を支持しながら移動可能なキャリッジ5と、記録ヘッド4及びキャリッジ5と対向する位置に配置され、インクが噴射される記録紙を支持するプラテン6とを含む。
図1に示すように、インクジェットプリンター1は、インクにより記録紙に対する記録を実行する記録ユニット2と、記録紙を搬送する記録紙搬送機構3とを備えている。
記録ユニット2は、インクを噴射する記録ヘッド(流体噴射ヘッド)4と、記録ヘッド4を支持しながら移動可能なキャリッジ5と、記録ヘッド4及びキャリッジ5と対向する位置に配置され、インクが噴射される記録紙を支持するプラテン6とを含む。
インクジェットプリンター1は、キャリッジ5を移動するモータ等を含むキャリッジ駆動装置7と、キャリッジ5の移動を案内するキャリッジガイド部材とを備えている。
キャリッジ5は、キャリッジガイド部材に案内されながら、キャリッジ駆動装置7によって、主走査方向(所定方向)に移動する。記録紙は、記録紙搬送機構3により、記録ユニット2に対して、主走査方向と交差する副走査方向に移動する。
キャリッジ5は、キャリッジガイド部材に案内されながら、キャリッジ駆動装置7によって、主走査方向(所定方向)に移動する。記録紙は、記録紙搬送機構3により、記録ユニット2に対して、主走査方向と交差する副走査方向に移動する。
また、インクジェットプリンター1は、記録紙を収容する給紙カセット9を備えている。
給紙カセット9は、インクジェットプリンター1の本体の背面側に、着脱可能に設けられている。給紙カセット9は、積層された複数の記録紙を収容可能に設けられている。
給紙カセット9は、インクジェットプリンター1の本体の背面側に、着脱可能に設けられている。給紙カセット9は、積層された複数の記録紙を収容可能に設けられている。
記録紙搬送機構3は、給紙カセット9の記録紙を搬出するための給紙ローラと、給紙ローラを駆動するモータ等を含む給紙ローラ駆動装置10と、記録紙の移動を案内する記録紙ガイド部材11と、給紙ローラに対して搬送方向の下流側に配置されている搬送ローラと、搬送ローラを駆動する搬送ローラ駆動装置と、記録ユニット2に対して搬送方向の下流側に配置されている排出ローラとを有している。
給紙ローラは、給紙カセット9に積層されている複数の記録紙のうち、最も上側に配置されている記録紙をピックアップし、給紙カセット9より搬出可能に構成されている。給紙カセット9の記録紙は、記録紙ガイド部材11に案内されながら、給紙ローラ駆動装置10によって駆動する給紙ローラによって、搬送ローラに送られる。搬送ローラに送られた記録紙は、搬送ローラ駆動装置によって駆動する搬送ローラにより、搬送方向の下流側に配置された記録ユニット2に搬送される。
記録ユニット2のプラテン6は、記録ヘッド4及びキャリッジ5と対向する位置に配置され、記録紙の下面を支持する。記録ヘッド4及びキャリッジ5は、プラテン6の上方に配置されている。記録紙搬送機構3は、記録ユニット2による記録動作と連動して、記録紙を副走査方向に搬送する。記録ユニット2で記録された記録紙は、排出ローラを含む記録紙搬送機構3によって、インクジェットプリンター1の正面側から排出される。
また、インクジェットプリンター1は、機内の所定位置に固定される不図示のインクカートリッジ(流体貯溜タンク)と、該インクカートリッジのインクをキャリッジ5の記録ヘッド4に向けて搬送するインク供給チューブ12(後述)とを備えている。インクカートリッジのインクは、インク供給針を介してインク供給路に供給され、そのインク供給路より、インク供給チューブ12を介して、キャリッジ5の記録ヘッド4に供給される。
また、インクジェットプリンター1は、記録ヘッド4をメンテナンス可能なメンテナンス装置13を備えている。
また、インクジェットプリンター1は、記録ヘッド4をメンテナンス可能なメンテナンス装置13を備えている。
メンテナンス装置13は、キャッピング装置14及びワイピング装置15を含む。ワイピング装置15は、記録ヘッド4と対向可能なワイプ部材44を備えている。ワイピング装置15は、ワイプ部材44を用いて、残留したインク等、記録ヘッド4の噴射面に付着している異物を拭き取ったり、払ったりすることができる。
メンテナンス装置13は、キャリッジ5及び記録ヘッド4のホームポジションに配置されている。ホームポジションは、キャリッジ5の移動領域内であって、記録ユニット2による記録動作が実行される記録領域の外側の端部領域に設定されている。
電源が切断されている間、あるいは長時間に亘って記録動作が実行されない場合、キャリッジ5及び記録ヘッド4は、ホームポジションに配置される。
メンテナンス装置13は、キャリッジ5及び記録ヘッド4のホームポジションに配置されている。ホームポジションは、キャリッジ5の移動領域内であって、記録ユニット2による記録動作が実行される記録領域の外側の端部領域に設定されている。
電源が切断されている間、あるいは長時間に亘って記録動作が実行されない場合、キャリッジ5及び記録ヘッド4は、ホームポジションに配置される。
インクジェットプリンター1は、図2に示すように、インクジェットプリンター1全体の動作を制御する制御装置58を備えている。この制御装置58には、インクジェットプリンター1の動作に関する各種情報を入力する入力装置59と、インクジェットプリンター1の動作に関する各種情報を記憶した記憶装置60とが電気的に接続されている。さらに、制御装置58には、記録紙搬送機構3、記録ヘッド4、キャリッジ駆動装置7、キャッピング装置14、ワイピング装置15が電気的に接続され、それらを統括的に制御する構成となっている。
次に、本実施形態におけるインクジェットプリンター1が備えるインク供給チューブ12の振動を抑制する構成について図3及び図4を参照して詳しく説明する。
図3は、本発明の実施形態におけるインク供給チューブ12の構成を示す斜視図である。図4は、本発明の実施形態におけるインクジェットプリンター1の要部構成を模式的に示す平面図である。
図3は、本発明の実施形態におけるインク供給チューブ12の構成を示す斜視図である。図4は、本発明の実施形態におけるインクジェットプリンター1の要部構成を模式的に示す平面図である。
本実施形態のインク供給チューブ12は、図3に示すように、長手方向に沿ったインク流路(流路)101を有する弾性チューブ(チューブ体)100と、弾性チューブ100にその長手方向に沿って貼付される磁性シート(第2磁性体)110とを有する2層構造となっている。
弾性チューブ100は、長手方向に沿う互いに独立したインク流路101を、複数(本実施形態では4つ)有するマルチチューブ(多列チューブ)である。複数のインク流路101は、所定間隔を空けて並設されている。インク供給チューブ12は、これらインク流路101を用い、インクカートリッジから記録ヘッド4に向けて、互いに色調の異なるインク(例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K))を一括して搬送する構成となっている。
弾性チューブ100は、インク流路101の並設方向に沿う一対の幅広面102を備える略帯形状を有する。この弾性チューブ100は、幅広面102に対し交差する方向(厚さ方向)に容易に屈曲させることができる。
弾性チューブ100は、振動や屈曲に耐性を持つ柔軟性エラストマ材料の合成樹脂等から形成される。弾性チューブ100は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、オレフィン系の熱可塑性エラストマ(TPE)、スチレン系のTPE、ポリアミド系のTPE及びウレタン系のTPE等から形成される。
弾性チューブ100は、振動や屈曲に耐性を持つ柔軟性エラストマ材料の合成樹脂等から形成される。弾性チューブ100は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、オレフィン系の熱可塑性エラストマ(TPE)、スチレン系のTPE、ポリアミド系のTPE及びウレタン系のTPE等から形成される。
磁性シート110は、内部に複数の永久磁石111が埋設された樹脂シートであり、略帯形状を有し、幅広面102の一方側の面(幅広面102a)に沿って設けられる。この磁性シート110は、弾性チューブ100と共に変形可能な構成となっている。
永久磁石111は、磁性シート110の長手方向において所定間隔を空けて複数設けられている。これら永久磁石111は、外側(弾性チューブ100と対向する側に対し逆側)が所定の磁極(N極あるいはS極)となる向きで設けられている。
永久磁石111は、磁性シート110の長手方向において所定間隔を空けて複数設けられている。これら永久磁石111は、外側(弾性チューブ100と対向する側に対し逆側)が所定の磁極(N極あるいはS極)となる向きで設けられている。
このインク供給チューブ12は、図4に示すようにインクジェットプリンター1に取り付けられる。
図に示すように、インク供給チューブ12の一端部は、コネクタ130Aを介してインクジェットプリンター1機内の所定位置に固定されるインクカートリッジに接続される。一方、インク供給チューブ12の他端部(端部)は、コネクタ130Bを介して主走査方向に移動自在なキャリッジ5に搭載された記録ヘッド4に接続される。
図に示すように、インク供給チューブ12の一端部は、コネクタ130Aを介してインクジェットプリンター1機内の所定位置に固定されるインクカートリッジに接続される。一方、インク供給チューブ12の他端部(端部)は、コネクタ130Bを介して主走査方向に移動自在なキャリッジ5に搭載された記録ヘッド4に接続される。
インク供給チューブ12は、コネクタ130Aが固定される位置から主走査方向に沿って伸びると共に、所定の径を有するように折り返されて記録ヘッド4に接続される。このインク供給チューブ12は、磁性シート110が配設される側が折り返し部120の外側に、磁性シート110が配設されない弾性チューブ100の幅広面102b側が折り返し部120の内側になるように取り付けられる。
インクジェットプリンター1は、記録ヘッド4の移動経路に沿って設けられるフレーム(筐体部)140を有する。このフレーム140は、上記移動経路の幅方向一方側の側部に対応する位置に設けられると共にインク供給チューブ12の磁性シート110側と対向可能なガイド側面140aと、ガイド側面140aに沿って設けられる複数の永久磁石(第1磁性体)141とを有する。ガイド側面140aは、コネクタ130Aが設けられる側において、主走査方向に沿って略直線的に延在する平面形状を有する。
永久磁石141は、ガイド側面140aの裏側の位置で固定され、主走査方向において所定間隔を空けて複数設けられている。これら永久磁石141は、インク供給チューブ12の折り返し部120に対応する位置側(図4においてコネクタ130Aよりも紙面右側)に設けられている。
永久磁石141は、ガイド側面140aに向かう側(磁性シート110と対向する側)が永久磁石111と異なる磁極となる向きで設けられている。例えば、永久磁石111の永久磁石141と対向する側がN極となる向きで設けられているのであれば、永久磁石141は、それと対向する側がS極となる向きで設けられる。
永久磁石141は、ガイド側面140aに向かう側(磁性シート110と対向する側)が永久磁石111と異なる磁極となる向きで設けられている。例えば、永久磁石111の永久磁石141と対向する側がN極となる向きで設けられているのであれば、永久磁石141は、それと対向する側がS極となる向きで設けられる。
続いて、図4と更に図5を参照して上記構成のインクジェットプリンター1の特徴的な動作について説明する。図5は、本発明の実施形態におけるインクジェットプリンター1の動作を説明する図である。
図に示すように、インク供給チューブ12は、インクカートリッジと記録ヘッド4との間を繋ぐ流路を形成する。インク供給チューブ12は、キャリッジ5の主走査方向に移動に追従して屈曲、伸展を繰り返すため、キャリッジ5の移動ストロークに対してある程度余裕を持たせた長さとなっている。そして、記録ヘッド4が移動するとインク供給チューブ12の他端部は、記録ヘッド4の主走査方向の移動に追従して移動する。
図に示すように、インク供給チューブ12は、インクカートリッジと記録ヘッド4との間を繋ぐ流路を形成する。インク供給チューブ12は、キャリッジ5の主走査方向に移動に追従して屈曲、伸展を繰り返すため、キャリッジ5の移動ストロークに対してある程度余裕を持たせた長さとなっている。そして、記録ヘッド4が移動するとインク供給チューブ12の他端部は、記録ヘッド4の主走査方向の移動に追従して移動する。
記録ヘッド4が主走査方向に移動すると、記録ヘッド4の移動経路に沿って設けられる永久磁石141と、記録ヘッド4に追従して変形するインク供給チューブ12に設けられた磁性シート110とが対向する。このとき、永久磁石141と磁性シート110に埋設された永久磁石111とは、互いに対向する側が異なる磁極となる向きで設けられているため、両者の間に互いに引き合う磁力が発現する。この磁力により、インク供給チューブ12がフレーム140に引き付けられて磁着するため、インク供給チューブ12が自在に振り動くことが抑制される。したがって、図5の2点差線に示すようなインク供給チューブ12の踊りを防止でき、弾性チューブ100のインク流路101を歪ませることなく円滑なインク搬送を実施できる。
また、本構成では、記録ヘッド4の移動経路に沿って設けられるフレーム140にインク供給チューブ12を引き付けることができる。フレーム140は、その引き付けた部位にガイド側面140aを有しているため、インク供給チューブ12の形状を移動経路に沿って略直線的に案内することができ、弾性チューブ100のインク流路101の歪みをより確実に抑制できる。
また、記録ヘッド4が移動すると、この移動に伴って折り返し部120の位置も、図4においてコネクタ130Aよりも紙面右側において移動するが、本構成では、弾性チューブ100の長手方向全体に磁性シート110が貼付され、且つ、永久磁石141が折り返し部120の移動経路に対応する位置に設けられるため、記録ヘッド4に追従して屈曲した際に特に振り動き易くなる折り返し部120を、安定させることができる。
したがって、上述した本実施形態によれば、インクを噴射すると共に主走査方向に移動自在な記録ヘッド4と、インクを貯溜するインクカートリッジと、記録ヘッド4とインクカートリッジとの間にインクが流通するインク流路101を形成すると共に記録ヘッド4に接続された他端部が記録ヘッド4に追従して移動自在な弾性チューブ100とを有するインクジェットプリンター1であって、記録ヘッド4の移動経路に沿って設けられる永久磁石141と、弾性チューブ100に貼付され永久磁石141と対向可能な磁性シート110とを有し、永久磁石141及び磁性シート110は、互いに対向する側が異なる磁極となる向きで設けられているという構成を採用することによって、インク供給チューブ12が永久磁石141に引き付けられ、該インク供給チューブ12が自在に振り動くことが抑制される。
したがって、本実施形態では、インク供給チューブ12の振動を抑制し、安定したインク搬送を実施できるインクジェットプリンター1が得られる。
したがって、本実施形態では、インク供給チューブ12の振動を抑制し、安定したインク搬送を実施できるインクジェットプリンター1が得られる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態において、第1磁性体及び第2磁性体は、永久磁石を用いると説明したが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、第1磁性体及び第2磁性体は、電磁石やゴムマグネット等を用いる構成であっても良い。また、第1磁性体及び第2磁性体のいずれか一方を、他方の磁気により磁化する磁性体(鉄、ニッケル等の金属部材等)から構成しても良い。例えば、上記実施形態におけるフレーム140をこの金属部材から構成すれば、永久磁石141を用いることなく上述した作用効果が得られるため、部品点数の増加することなく、組み立て容易でコスト安となる効果が得られる。
図6は、別実施形態におけるインク供給チューブ12の構成を示す図である。別実施形態におけるインク供給チューブ12は、弾性チューブ100の内部に一体的に埋設されると共に、各インク流路101に沿って配設されている複数の金属ワイヤ(第2磁性体)110Aを有する。このインク供給チューブ12は、例えば、金属ワイヤ110Aと一体的に弾性チューブ100を押出成形することにより製造される。
この構成によれば、弾性チューブ100の内部に金属ワイヤ110Aが一体的に埋設されているため、両者を接着する接着剤を用いることなく組立ができ、製造の容易化を図ることができる。さらに、屈伸の繰り返しによっても両者が分離し難くなり強度が向上する。なお、この構成を採用する場合、第1磁性体は、自ら磁気を発生する磁性体を用いる。
この構成によれば、弾性チューブ100の内部に金属ワイヤ110Aが一体的に埋設されているため、両者を接着する接着剤を用いることなく組立ができ、製造の容易化を図ることができる。さらに、屈伸の繰り返しによっても両者が分離し難くなり強度が向上する。なお、この構成を採用する場合、第1磁性体は、自ら磁気を発生する磁性体を用いる。
また、第1磁性体が設けられる位置は、記録ヘッド4の移動経路の一方側の側部に対応する位置に限定されるものではなく、例えば、上記移動経路の両側の側部に対応する位置にそれぞれ設ける構成であっても良い。
尚、上述の実施形態においては、本発明の流体噴射装置がインクジェットプリンター1である場合を例にして説明したが、インクジェットプリンターに限られず、複写機及びファクシミリ等の装置であってもよい。
また、上述の実施形態においては、流体噴射装置が、インク等の流体(液状体)を噴射する流体噴射装置である場合を例にして説明したが、本発明の流体噴射装置は、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置に適用することができる。流体噴射装置が噴射可能な流体は、流体、機能材料の粒子が分散又は溶解されている液状体、ジェル状の流状体、流体として流して噴射できる固体、及び粉体(トナー等)を含む。
また、上述の実施形態において、流体噴射装置から噴射される流体(液状体)としては、インクのみならず、特定の用途に対応する流体を適用可能である。流体噴射装置に、その特定の用途に対応する流体を噴射可能な噴射ヘッドを設け、その噴射ヘッドから特定の用途に対応する流体を噴射して、その流体を所定の物体に付着させることによって、所定のデバイスを製造可能である。例えば、本発明の流体噴射装置(液状体噴射装置)は、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、及び面発光ディスプレイ(FED)の製造等に用いられる電極材、色材等の材料を所定の分散媒(溶媒)に分散(溶解)した流体(液状体)を噴射する流体噴射装置に適用可能である。
また、流体噴射装置としては、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる流体を噴射する流体噴射装置であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置、トナーなどの粉体を例とする固体を噴射するトナージェット式記録装置であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置、トナーなどの粉体を例とする固体を噴射するトナージェット式記録装置であってもよい。
1…インクジェットプリンター(流体噴射装置)、4…記録ヘッド(流体噴射ヘッド)、12…インク供給チューブ、100…弾性チューブ(チューブ体)、101…インク流路(流路)、110…磁性シート(第2磁性体)、110A…金属ワイヤ(第2磁性体)、111…永久磁石、120…折り返し部、140…フレーム(筐体部)、141…永久磁石(第1磁性体)
Claims (4)
- 流体を噴射すると共に所定方向に移動自在な流体噴射ヘッドと、前記流体を貯溜する流体貯溜タンクと、前記流体噴射ヘッドと前記流体貯溜タンクとの間に前記流体が流通する流路を形成すると共に前記流体噴射ヘッドに接続された端部が前記流体噴射ヘッドに追従して移動自在なチューブ体とを有する流体噴射装置であって、
前記流体噴射ヘッドの移動経路に沿って設けられる第1磁性体と、
前記チューブ体に設けられ前記第1磁性体と対向可能な第2磁性体とを有し、
前記第1磁性体及び前記第2磁性体は、互いに対向する側が異なる磁極となる向きで設けられていることを特徴とする流体噴射装置。 - 前記移動経路に沿って設けられる筐体部を有し、
前記筐体部は、前記第1磁性体を有することを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。 - 前記チューブ体は、前記所定方向において折り返された折り返し部を有し、
前記第1磁性体及び前記第2磁性体は、少なくとも前記折り返し部に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の流体噴射装置。 - 前記第2磁性体は、前記チューブ体に一体的に埋設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009045774A JP2010195011A (ja) | 2009-02-27 | 2009-02-27 | 流体噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009045774A JP2010195011A (ja) | 2009-02-27 | 2009-02-27 | 流体噴射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010195011A true JP2010195011A (ja) | 2010-09-09 |
Family
ID=42820235
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009045774A Pending JP2010195011A (ja) | 2009-02-27 | 2009-02-27 | 流体噴射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010195011A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103171305A (zh) * | 2011-12-26 | 2013-06-26 | 兄弟工业株式会社 | 供墨装置 |
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2009
- 2009-02-27 JP JP2009045774A patent/JP2010195011A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103171305A (zh) * | 2011-12-26 | 2013-06-26 | 兄弟工业株式会社 | 供墨装置 |
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