JP2010194952A - 処理装置におけるジョブキャンセル装置、処理装置及びジョブキャンセル方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジョブデータの解析がエラーのため行われなくても、ジョブのキャンセル処理を速やかに行うことができる処理装置におけるジョブキャンセル装置、処理装置及びジョブキャンセル方法を提供する。
【解決手段】インクエンドエラーで開けたカバーをインクカートリッジ交換せず閉めると、実行タスク部76はカートリッジ接続確認処理及びインク残量確認処理を行う。カートリッジ接続通知に基づく全エラー解除から、インクエンドエラーになるまでの隙間の期間に、受け付けられた印刷用データ中にジョブ開始コマンドがあればフラグ「1」とするフラグ処理をデータ生成タスク部72が行う。ジョブ管理タスク部73はインクエンドエラーのため印刷用データの解析を行っていないが、キャンセルスイッチ操作時には、状態管理タスク部74はフラグからジョブ有りを判断でき、サービスタスク部75は印刷中の旨の表示をキャンセルさせる。
【選択図】図6
【解決手段】インクエンドエラーで開けたカバーをインクカートリッジ交換せず閉めると、実行タスク部76はカートリッジ接続確認処理及びインク残量確認処理を行う。カートリッジ接続通知に基づく全エラー解除から、インクエンドエラーになるまでの隙間の期間に、受け付けられた印刷用データ中にジョブ開始コマンドがあればフラグ「1」とするフラグ処理をデータ生成タスク部72が行う。ジョブ管理タスク部73はインクエンドエラーのため印刷用データの解析を行っていないが、キャンセルスイッチ操作時には、状態管理タスク部74はフラグからジョブ有りを判断でき、サービスタスク部75は印刷中の旨の表示をキャンセルさせる。
【選択図】図6
Description
本発明は、例えば印刷ジョブ等のジョブに基づく処理を行う処理装置において、キャンセル指示を受け付けると、ジョブのキャンセル処理を行うジョブキャンセル装置、処理装置及びジョブキャンセル方法に関する。
従来、ホスト装置のプリンタードライバーから受信した印刷ジョブデータに基づいてプリンターが用紙に印刷を施す印刷システムが開示されている(例えば特許文献1、2等)。これらの特許文献1、2には、用紙サイズエラーやインク不足エラー等のエラーが発生した場合、ユーザーがプリンターの操作パネルのスイッチ操作で印刷ジョブをキャンセルできるようになっていた。すなわち、操作パネルのスイッチ操作によるジョブキャンセル操作が行われると、プリンターは即座に印刷を停止し、用紙を排出し、残っている印刷ジョブデータの読み捨て処理を行うようになっていた。
ところで、この種のプリンターでは、インクエンドエラーになると、ユーザーがカバーを開けて、インクカートリッジ(インク収容体)を、予備(新品又は使用途中)のインクカートリッジと交換し、カバーを閉じる。例えばインクカートリッジ交換を行うためにカバーを開けたものの、予備のインクカートリッジがない場合、ユーザーはそのままカバーを閉じることになる。この場合、このカバーを閉じる閉操作が検出された時点で、インクカートリッジの端子がプリンター側の端子と電気的に接続されていることを確認するカートリッジ接続確認処理が行われ、接続の確認がとれると、エラーが一旦解除される。このエラー解除後に改めてインク残量確認処理が行われるが、エラー解除時点から、インク残量確認処理でインクエンドエラーとされるまでの期間は、正常のインク残量であるとの確認が未だとれていない不定状態にあり、仮にその後インクエンドエラーが検出される場合でも、この不定状態の隙間の期間で印刷ジョブデータが受信されてしまう場合があった。
この場合、受け付けられた印刷ジョブデータの解析処理は、インクエンドエラーが解除されるまで待機状態となる。そのため、ユーザーが印刷ジョブを中止すべくキャンセルスイッチを操作しても、印刷ジョブデータの解析処理が行われていないため、印刷ジョブが有ることを認識できず、キャンセル処理を行うことができないという問題があった。そのため、キャンセルスイッチを操作しても、プリンターの表示部に、印刷中の旨が表示され続け、キャンセル要求が受け付けられたことをユーザーが確認できない不都合があった。なお、プリンター以外の処理装置においても、エラーが解除されるまでジョブデータの解析処理が待機状態となる構成の場合、同様にジョブのキャンセル処理を速やかに行うことができないという問題が発生する。
本発明は前記問題点を鑑みてなされたものであって、その目的は、ジョブデータの解析がエラーのため行われなくても、ジョブのキャンセル処理を速やかに行うことができる処理装置におけるジョブキャンセル装置、処理装置及びジョブキャンセル方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、受け付けたジョブデータに基づく処理を行う処理装置において、キャンセル指示を受け付けると、前記処理をキャンセルする処理装置におけるジョブキャンセル装置であって、ジョブデータを取得するジョブ取得手段と、前記ジョブデータに基づきジョブの有無を確認する確認手段と、取得したジョブデータを解析する解析手段と、処理装置のエラーを検出するエラー検出手段と、エラーが検出されていなければ、前記ジョブデータを解析し、一方、エラーが検出されていれば、当該エラーが解除されるまで前記ジョブデータの解析を待機する解析手段と、キャンセル指示を受け付ける受付手段と、キャンセル指示を受け付けると、前記確認手段の確認結果に基づきジョブの有無を判断し、ジョブが有れば、当該ジョブのキャンセル処理を行うキャンセル手段とを備えたことを要旨とする。
この発明によれば、ジョブ取得手段はジョブデータを取得する。確認手段は、ジョブデータに基づくジョブの有無を確認する。解析手段は、エラーが検出されていなければ、ジョブデータを解析し、一方、エラーが検出されていれば、当該エラーが解除されるまでジョブデータの解析を待機する。キャンセル指示を受付手段が受け付けると、キャンセル手段は、確認手段の確認結果に基づきジョブの有無を判断し、ジョブが有れば、当該ジョブのキャンセル処理を行う。よって、キャンセル指示を受け付けたときに、ジョブデータの解析がエラーのため行われていなくても、ジョブのキャンセル処理を速やかに行うことができる。
本発明のジョブキャンセル装置では、前記確認手段は、前記解析手段の解析に先立ち、前記ジョブデータに基づきジョブの有無を確認しその確認結果に応じたジョブ有無情報を格納手段に格納するように構成され、前記キャンセル手段は、キャンセル指示を受け付けると、前記格納手段のジョブ有無情報に基づきジョブの有無を判断し、ジョブが有れば、当該ジョブのキャンセル処理を行うことが好ましい。
この発明によれば、ジョブ取得手段がジョブデータを取得すると、確認手段は、解析手段の解析に先立ち、ジョブデータに基づきジョブの有無を確認しその確認結果に応じたジョブ有無情報を格納手段に格納する。エラー検出手段が処理装置のエラーを検出した場合、解析手段は、エラーが解除されるまでジョブデータの解析を待機する。キャンセル指示を受付手段が受け付けると、キャンセル手段は、格納手段のジョブ有無情報に基づきジョブの有無を判断し、ジョブが有れば、当該ジョブのキャンセル処理を行う。よって、キャンセル指示を受け付けたときに、ジョブデータの解析がエラーのため行われていなくても、ジョブのキャンセル処理を速やかに行うことができる。このとき、確認手段は、解析手段の解析に先立って確認処理しているので、キャンセル手段は、確認手段の確認処理を待つことなく、しかもジョブ有無情報を確認するだけの簡単な処理でジョブの有無を判断できるので、キャンセル処理をより速やかに行うことができる。
本発明のジョブキャンセル装置では、前記ジョブ取得手段がジョブデータを取得すると、ジョブ処理中の旨の表示を行う表示手段を更に備え、前記キャンセル処理は、前記表示手段による前記ジョブ処理中の旨の表示をキャンセルする表示キャンセル処理を含むことが好ましい。
この発明によれば、ジョブ取得手段がジョブデータを取得すると、表示手段はジョブ処理中の旨の表示を行う。キャンセル指示を受付手段が受け付けると、キャンセル手段は、ジョブ有無情報に基づきジョブの有無を判断し、ジョブが有れば、キャンセル処理として表示キャンセル処理を行う。この結果、表示手段のジョブ処理中の旨の表示が速やかにキャンセルされる。表示手段のジョブ処理中の旨の表示がキャンセルされることで、ユーザーはジョブのキャンセルが受け付けられたことを確認できる。例えばジョブ処理中の旨の表示が、エラー解除されるまでキャンセルされない表示キャンセル処理の遅延を回避できる。
本発明のジョブキャンセル装置では、エラー解除作業を行うためにユーザーにより操作される操作手段と、エラー解除作業を終えたときに行われる前記操作手段の終了操作を検出する操作検出手段を更に備え、エラー状態の下で前記操作検出手段が前記終了操作を検出すると、ジョブを行ううえで必要な電気的な接続がとれているか否かを判断し、電気的な接続がとれていればエラー解除する第1処理を行う第1処理手段を更に備え、前記エラー検出手段は、前記第1処理の後、ジョブを行ううえで必要な消耗品が切れたエンドエラーを検出する第2処理を行う第2処理手段であることが好ましい。
この発明によれば、エラー状態の下で、操作検出手段が、ユーザーがエラー解除作業を終えたときに行う操作手段の終了操作を検出すると、第1処理手段は、ジョブを行ううえで必要な電気的な接続がとれているか否かを判断し、電気的な接続がとれていればエラー解除する第1処理を行う。この第1処理の後、第2処理手段(エラー検出手段)は、ジョブを行ううえで必要な消耗品が切れたエンドエラーを検出する第2処理を行う。このように第1処理でエラー解除された後、第2処理でエラーが検出されるまでの隙間の期間(一時的なエラー解除期間(不定期間))で、ジョブ取得手段がジョブデータを取得してしまい、その取得されたジョブデータがエラーのため解析されない場合であっても、キャンセル指示があれば、確認手段の確認結果に基づきジョブが有ることが分かるので、キャンセル手段はエラー解除を待つことなく速やかにジョブのキャンセル処理を行うことができる。
本発明のジョブキャンセル装置では、前記処理装置は、前記消耗品であるインク収容体を装着可能に構成されるとともに、装着されたインク収容体から供給されるインクにより記録を行う記録手段を備えた記録装置であって、前記操作手段はインク収容体の交換のために開閉操作されるカバーであり、前記操作検出手段は、前記インク収容体の交換後に行われる前記カバーの閉操作を前記終了操作として検出するものであり、前記第1処理手段は、前記インク収容体が装着された状態で接続されうる電気的な接続がとれているか否かを判断し、電気的な接続がとれていればエラーを解除する第1処理を行い、前記第2処理手段は、前記第1処理の後、前記インク収容体のインクが切れているか否かを判断し、インクが切れていればインクエンドエラーとする第2処理を行うことが好ましい。
この発明によれば、第1処理手段は、インク収容体が装着された状態で接続されうる電気的な接続がとれているか否かを判断し、電気的な接続がとれていればエラーを解除する第1処理を行う。この第1処理の後、第2処理手段は、インク収容体のインクが切れているか否かを判断し、インク収容体のインクが切れていればエラーとする第2処理を行う。このように第1処理でインク収容体の装着(接続)が確認されてエラー解除された後、第2処理でエラーが検出されるまでの隙間の期間(不定期間)で、ジョブデータが取得されてしまい、その取得されたジョブデータが、インク収容体のインクが切れたインクエンドエラーのため解析されない場合であっても、キャンセル指示があれば、確認手段の確認結果に基づきジョブが有ることが分かるので、キャンセル手段は、エラー解除を待つことなく速やかにジョブのキャンセル処理を行うことができる。
本発明のジョブキャンセル装置では、前記確認手段は、前記ジョブ取得手段が取得したジョブデータ中にジョブ開始コマンドがあるか否かを確認し、ジョブ開始コマンドがあればジョブ有りとすることが好ましい。
この発明によれば、確認手段は、ジョブ取得手段が取得したジョブデータ中にジョブ開始コマンドがあるか否かを確認する。そして、ジョブ開始コマンドがあればジョブ有りとし、ジョブ開始コマンドがなければジョブ無しとする。よって、確認手段の確認処理がジョブ開始コマンドの有無を確認する簡単な処理で済む。例えば確認処理に起因するジョブの実施の遅延を短く抑えられる。
本発明のジョブキャンセル装置では、前記キャンセル処理は、前記ジョブ取得手段が取得したジョブデータに基づく処理をキャンセルするジョブキャンセル処理を含むことが好ましい。
この発明によれば、キャンセル手段により、エラー解除を待つことなくジョブデータに基づく処理を速やかにキャンセルできる。
本発明は、処理装置であって、上記発明の前記ジョブキャンセル装置と、前記解析手段の解析結果に基づくジョブを実行するジョブ実行手段と、前記ジョブ実行手段がジョブを実行することで駆動される駆動手段とを備えたことを要旨とする。
本発明は、処理装置であって、上記発明の前記ジョブキャンセル装置と、前記解析手段の解析結果に基づくジョブを実行するジョブ実行手段と、前記ジョブ実行手段がジョブを実行することで駆動される駆動手段とを備えたことを要旨とする。
この発明によれば、処理装置は、ジョブキャンセル装置と、ジョブ実行手段とを備えているので、この処理装置により、上記発明のジョブキャンセル装置と同様の効果を得ることができる。
本発明は、受け付けたジョブデータに基づく処理を行う処理装置において、キャンセル指示を受け付けると、ジョブのキャンセル処理を行う処理装置におけるジョブキャンセル方法であって、ジョブデータを取得するジョブ取得ステップと、取得したジョブデータに基づきジョブの有無を確認する確認ステップと、処理装置のエラーが検出されていなければ、前記ジョブデータを解析し、一方、処理装置のエラーが検出されていれば、当該エラーが解除されるまで前記ジョブデータの解析を待機する解析ステップと、キャンセル指示を受け付けると、前記確認ステップにおける確認結果に基づきジョブの有無を判断し、ジョブが有れば、当該ジョブのキャンセル処理を行うキャンセルステップとを備えたことを要旨とする。この発明によれば、上記発明のジョブキャンセル装置と同様の効果が得られる。
以下、本発明の処理装置(記録装置)を、複合機に具体化した一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1は、複合機の斜視図である。図1に示す複合機11は、スキャン機能(Scanner)、プリンター機能(Printer)、コピー機能(Copy)など複数機能を有する。複合機11は、本体12の下側部分に配置されて、印刷ジョブデータに基づく文書や画像を、用紙P(記録媒体)に印刷するプリンター部13と、本体12の上側部分に配置されて、原稿又は写真フィルムの画像を読み取って画像データを取得するスキャナー部14とを備える。複合機11は、スキャナー部14で読み取った画像をプリンター部13が用紙Pに印刷することでコピー機能を実現している。また、本体12の前面中段箇所には操作パネル15が備えられている。
図1は、複合機の斜視図である。図1に示す複合機11は、スキャン機能(Scanner)、プリンター機能(Printer)、コピー機能(Copy)など複数機能を有する。複合機11は、本体12の下側部分に配置されて、印刷ジョブデータに基づく文書や画像を、用紙P(記録媒体)に印刷するプリンター部13と、本体12の上側部分に配置されて、原稿又は写真フィルムの画像を読み取って画像データを取得するスキャナー部14とを備える。複合機11は、スキャナー部14で読み取った画像をプリンター部13が用紙Pに印刷することでコピー機能を実現している。また、本体12の前面中段箇所には操作パネル15が備えられている。
複合機11の背面側の給紙トレー16にセットされた用紙Pは給送部17により1枚ずつ本体12内へ給送され、プリンター部13により印刷(コピーを含む)が施された後、本体12の前側下部に開口する排出部18から排出トレー18a上に排出されるようになっている。
スキャナー部14の上部は、原稿を載置可能な原稿台ガラス19aが嵌め込まれた原稿台19となっており、原稿台19には原稿台ガラス19a上に載せた原稿又は写真フィルムを挟んで押さるための原稿カバー20が開閉可能に設けられている。
操作パネル15は、そのほぼ中央に配置された表示部21(液晶ディスプレイ(LCD)と、表示部21の左右両側に配置された複数の操作スイッチからなる操作部22とを有している。表示部21は、各種メニュー画面、印刷対象の画像や複合機11の動作状態などの表示が可能となっている。操作部22は、電源スイッチ23、印刷開始スイッチ24、コピースイッチ25、選択スイッチ26(十字キー)及びキャンセルスイッチ27等を有している。
また、複合機11は、パーソナルコンピューターやPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報端末等よりなるホスト装置PC(図3に示す)と通信インターフェース51(図3に示す)を介して接続可能となっており、ホスト装置PCから送られた印刷ジョブデータに基づく文書や画像等をプリンター部13により印刷することが可能となっている。なお、本体12の前面右側下部にはスロット29が設けられ、スロット29に挿着したメモリーカード30から読み込んだ画像データに基づく画像を表示部21で確認した後にプリンター部13に印刷させることも可能となっている。
また、本体12のスキャナー部14を含む上側部分は、プリンター部13に対して開閉可能な操作手段としてのカバー31となっている。カバー31を開けることでプリンター部13内の印刷機構などが露出し、後述する消耗品及びインク収容体としてのインクカートリッジ41,42(図2参照)の交換が可能となっている。
図2は、プリンター部13の外装ケースを取り外した状態の斜視図を示す。図2に示すように、プリンター部13は、上側が開口する略四角箱状の本体ケース13aを備え、この本体ケース13a内に架設されたガイド軸33にはキャリッジ34が主走査方向(図2におけるX方向)に案内されて往復動可能な状態で設けられている。キャリッジ34が背面側で固定された無端状のタイミングベルト35は、本体ケース13aの背板内面に配設された一対のプーリー36,37に巻き掛けられ、一方のプーリー36と駆動軸が連結されているキャリッジモーター(以下、「CRモーター38」という)が正逆転駆動されることにより、キャリッジ34は主走査方向Xに往復動する構成となっている。
キャリッジ34の下部には、インクを噴射する記録ヘッド39(記録手段)が設けられ、さらに本体ケース13a内において記録ヘッド39と対向する下方位置には、記録ヘッド39と用紙Pとの間隔を規定するプラテン40がX方向に延びる状態で配置されている。また、キャリッジ34の上部には、ブラック用およびカラー用の各インクカートリッジ41,42が着脱可能に装填されている。記録ヘッド39は、各インクカートリッジ41,42から供給された各色のインクを、色ごとのノズルから噴射(吐出)する。
また、本体ケース13aの図2における右側下部に配設された紙送りモーター(以下、「PFモーター45」という)が駆動されることにより、搬送ローラー対及び排紙ローラー対(いずれも図示せず)が回転駆動されて、用紙Pが副走査方向Yへ搬送される。そして、キャリッジ34を主走査方向Xに往復動させながら記録ヘッド39のノズルから用紙Pに向けてインクを噴射する印字動作と、用紙Pを副走査方向Yに次行の印字位置まで搬送する搬送動作とを交互に繰り返すことで、用紙Pに文字や画像等の印刷が施される。
また、プリンター部13には、キャリッジ34の移動距離に比例する数のパルスを出力するリニアエンコーダー46がガイド軸33に沿って延びるように架設されており、リニアエンコーダー46の出力パルスを用いて求められるキャリッジ34の移動位置、移動方向及び移動速度に基づいて、キャリッジ34の速度制御及び位置制御は行われる。なお、プリンター部13においてホームポジション(図2における右端位置))に位置した際のキャリッジ34の直下には、記録ヘッド39のノズル目詰まり等を予防・解消するためのクリーニングを行うメンテナンス装置48が配設されている。また、プラテン40の下側には、メンテナンス装置48が記録ヘッド39のノズルから吸引したインクが廃棄される廃液タンク49が設けられている。
例えばインクカートリッジ41,42のインクが無くなったインクエンドの際は、カバー31を開けてインクエンドのインクカートリッジをキャリッジ34の上部から取り外し、予備(例えばインク満充填の新品)のインクカートリッジをキャリッジ34の上部に装填するインクカートリッジ交換が行われる。このとき、カバー31が開けられたことをカバーセンサー65(図3に示す)が検知すると、あるいは更に操作部22におけるインク交換スイッチが操作されると、キャリッジ34がカートリッジ交換位置に移動し、インクカートリッジ41,42の交換が可能になる。
図3は、複合機の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、複合機11は、プリンター部13、スキャナー部14、操作パネル15、これらを制御する制御部50、ホスト装置PCと通信可能な通信インターフェース(以下、「通信I/F51」と称す)、受信バッファー52、印刷バッファー53(イメージバッファー)、及びRAM54などを備えている。さらに複合機11は、制御部50とプリンター部13を接続するプリンターインターフェース(以下、「プリンターI/F55」と称す)と、制御部50とスキャナー部14とを接続するスキャナーインターフェース(以下、「スキャナーI/F56」と称す)と、制御部50と操作パネル15とを接続するユーザーインターフェース(以下、「スキャナーI/F57」と称す)とを備えている。
ホスト装置PCは、本体90とモニター91とを備えている。本体90内にはホスト装置PCの入力装置(図示せず)を操作してユーザーが印刷の実行を指示した文書や画像等のデータを基に印刷ジョブデータを生成するプリンタードライバー92が設けられている。プリンタードライバー92は印刷ジョブデータを複数のパケットに分割した印刷用データを通信インターフェース(以下、「通信I/F93」という)から通信ケーブル95を通じて複合機11へ順次転送する。複合機11側の通信I/F51が受信した印刷用データは、制御部50により受信バッファー52に一旦蓄積される。
ここで、印刷ジョブデータの構造を図4を用いて説明する。図4(a)は、印刷ジョブデータのデータ構造を示し、図4(b)はパケットに分割された印刷用データ群を示す。図4(a)に示すように、印刷ジョブデータJDは、ジョブ開始コマンド「JS」が先頭に付され、続いてジョブ情報JOBID(コマンド情報)と、印刷用の画像データID(例えばRBG表色系又は圧縮形式(例えばJPEG形式)の画像データ)がこの順で配置され、最後にジョブ終了コマンド「JE」が付されている。ホスト装置PCが特に携帯情報端末である場合、メモリー容量とCPU負荷を考慮して色変換処理等の画像処理を含まない比較的容量の小さめのプリンタードライバー92が用いられ、その場合、画像データIDがRBG表色系又は圧縮形式の画像データになる。もちろん、画像データIDは、色変換処理等の画像処理も行えるプリンタードライバー92が生成したCMYK表色系の画像データであってもよい。
ホスト装置PCのプリンタードライバー92からは、印刷ジョブデータが複数のパケットに分割された図4(b)に示す印刷用データPD1〜PDendが複合機11へ順次転送されるようになっている。図4(b)に示すように、複合機11へは、最初にジョブ開始コマンド「JS」とジョブ情報JOBIDとを含む印刷用データPD1が転送される。以後、ヘッダーHDと画像データIDとを含む印刷用データPD2,…,PDnが順次転送され、最後にジョブ終了コマンド「JE」を含む印刷用データPDendが転送されてくる。ここで、ジョブ情報JOBIDは、プリンター記述言語で記述された印刷用のコマンド情報である。プリンター記述言語としては、例えばシリアルプリンター用のESC/Pコマンドを採用するが、プリンター部13がページプリンターの場合はESC/Pageを採用できる。印刷用データP2〜PDn中の画像データIDは、印刷ジョブデータJD中の画像データIDをパケット分割した個々のデータに相当する。なお、特に区別する必要がない限り、印刷用データPD1,PD2,…,PDn,PDendを、単に印刷用データPDと記すことにする。
図3に示すプリンタードライバー92は、ホスト装置PC側の通信I/F93と複合機11側の通信I/F51との通信を介して、例えばキャリッジ34の1回の移動で記録可能な1行分(1パス分)ずつ印刷用データPDを転送する。通信I/F51が受信した印刷用データPDは、制御部50の指示により受信バッファー52に蓄積される。受信バッファー52は、例えば数パス分(例えば2パス分)の印刷用データPDが蓄積できる容量を有している。
図3に示す制御部50は、受信バッファー52に蓄積された印刷用データPDのうち、ジョブ情報JOBID(コマンド情報)を解析するとともに、印刷用データP2〜PDn中の画像データIDを基に印刷データ(印刷イメージデータ)を生成し、生成した印刷データを印刷バッファー53に格納する。そして、制御部50は、ジョブ情報JOBIDを解析した解析結果に基づく要求(紙送り要求やキャリッジ起動要求)に応じた各種の指令値(紙送り指令値やキャリッジ速度指令値等)と、印刷データとをプリンター部13に与えて、プリンター部13をシーケンス制御することでプリンター部13に印刷動作を行わせる。
プリンター部13は、制御部50からの指令値に従ってCRモーター38及びPFモーター45を駆動制御するプリンター駆動部60を備える。プリンター駆動部60が、制御部50からの紙送り指令値に従ってPFモーター45を駆動制御することで、指定の搬送量だけ用紙Pを搬送させる搬送動作が行われる。また、プリンター駆動部60が、キャリッジ速度指令値に従ってCRモーター38を速度制御し、かつ印刷データに基づき記録ヘッド39のインク吐出制御を行うことで、キャリッジ34が一定速度で指定の移動量だけ移動するとともにその移動途中で記録ヘッド39のノズルからインク滴が噴射されて用紙Pに印刷が施される。
図3に示すように、キャリッジ34に装填されるインクカートリッジ41,42の側面にはIC基板61(集積回路基板)が実装されている。キャリッジ34には、インクカートリッジ41,42が装填された状態でIC基板61の接続端子62と電気的に接続可能な接続端子63が設けられている。IC基板61には、カートリッジ品番やインク色、インク残量情報などのインク関連情報が記憶される不揮発性メモリー64が実装されている。このうちインク残量情報は、制御部50が例えば印刷データに基づき色別に演算したインク消費量を前回のインク残量から差し引いて得た最新のインク残量に、不揮発性メモリー64の値を書き替えることで、例えば印刷終了時毎(例えば1頁又は1ジョブの印刷終了毎)などの所定時期に定期的に更新されるようになっている。
プリンターI/F55には、出力系としてプリンター駆動部60が接続され、入力系として、カバー31の開閉状態を検知するカバーセンサー65、キャリッジ34側の接続端子63及びリニアエンコーダー46などが接続されている。よって、制御部50は、カバーセンサー65及びリニアエンコーダー46からの各検出信号の入力と、不揮発性メモリー64に対するインク残量情報の読取り及び書込みとを、プリンターI/F55を介して行うことが可能となっている。
ここで、操作検出手段としてのカバーセンサー65は、操作手段としてのカバー31が例えば全回動範囲(全開閉範囲)のうちクローズ寄り側の被検知位置を閉側へ過ぎるとオンし、この被検知位置以上に開側に位置しているときにオフする。このため、カバーセンサー65がオフからオンへ切り換わったことをもって、カバー31の閉操作(クローズ操作)を検知できる。もちろん、カバーセンサー65は、オン・オフ式のセンサーに限定されず、ポテンショメーターやロータリーエンコーダー等の回動範囲内の位置を連続的に検出可能なセンサーであってもよい。また、被検知位置は、カバーオープンエラーとすべきカバー開度に応じて適宜設定でき、例えばカバー31が完全に閉まった閉位置を設定してもよい。なお、本実施形態では、エラー解除作業であるインクカートリッジ交換作業を終えて操作手段としてのカバー31を閉じる閉操作が終了操作に相当する。
また、スキャナー部14は、制御部50からの指令値に従って画像読み取り(スキャニング)のための駆動制御を行うスキャナー駆動部66と、原稿の画像を読み取るCCD67(電荷結合素子)と、原稿の読み取り箇所に光を照射するランプ68とを有する不図示の走査ユニット(走査ヘッド)と、走査ユニットを走査(移動)させるスキャナーモーター69とを備えている。スキャナー駆動部66は、ホスト装置PCから制御部50が受け付けたスキャン実行指示、あるいはコピースイッチ25の操作信号に基づくスキャン実行指示を受け付けた制御部50からの指令値に従って、走査ユニットのスキャン動作を実行させる。すなわち、スキャナー駆動部66は、制御部50からの指令に従って、ランプ68を点灯させた状態でスキャナーモーター69を駆動制御することで走査ユニットを走査させ、この走査過程でCCD67が読み取った画像信号をスキャナーI/F56を介して制御部50へ送信するスキャン動作を行う。制御部50は、画像信号から生成されたRGB多階調値で表現された画像データをホスト装置PCへ送信したり、この画像データを基に生成した印刷データに基づく画像のコピー印刷をプリンター部13に行わせたりする。
さらに、制御部50は、ユーザーI/F57を介して操作パネル15の表示部21及び操作部22と電気的に接続されている。制御部50は、操作部22が操作された操作信号(押下信号)を入力し、その操作元のスイッチに応じた要求を認識する。例えばキャンセルスイッチ27から操作信号を入力すると、制御部50は、この操作信号をキャンセル要求と認識する。また、制御部50は、印刷用データPDを受信すると、表示部21に印刷中の旨を表示させ、この印刷中の表示状態でキャンセルスイッチ27からの操作信号が入力されると、表示部21の印刷中の旨の表示を、印刷キャンセルの旨の表示に切り替えるようになっている。
図5は、表示部を示し、図5(a)は印刷中の旨の表示内容、図5(b)は印刷キャンセルの旨の表示内容をそれぞれ示す。制御部50が印刷用データPDを受信したときには、表示部21には図5(a)に示す印刷中の旨が表示される。また、図5(a)に示す印刷中の旨が表示された状態で、キャンセルスイッチ27が操作されると、図5(b)に示す印刷キャンセルの旨が表示される。表示部21が、図5(a)に示す印刷中の旨の表示から図5(b)に示す印刷キャンセルの旨の表示に切り替わることで、ユーザーはキャンセルスイッチ27の操作に基づく印刷のキャンセルが複合機11に受け付けられたことを認知できる。
制御部50は、印刷制御、スキャニング制御、表示制御を統括的に司り、本実施形態では、これら各種制御をタスク処理により行う。このため、制御部50は、ネットワークタスク部71、データ生成タスク部72、ジョブ管理タスク部73、状態管理タスク部74、サービスタスク部75、ジョブ実行手段としての実行タスク部76及びUIタスク部77(ユーザーインターフェースタスク部)を備える。なお、本実施形態の制御部50は、例えばCPUと、制御プログラムを記憶するROMとを備え、CPUが制御プログラムを実行することによりタスク処理を行う。制御プログラムは複数のタスク用プログラムを含み、各タスク用プログラムをそれぞれ実行するCPUにより、各タスク部71〜77が構成されている。もちろん、タスク部71〜77は、ソフトウェアで構成されることに限定されず、IC(集積回路)などのハードウェア、さらにはソフトウェアとハードウェアの協働により実現されていてもよい。
ネットワークタスク部71は、通信I/F51等のネットワークインターフェース(以下、「ネットワークI/F」という)などを管理している。ここで、ネットワークI/Fとしては、例えばUSB通信インターフェース(USB通信I/F)や近距離無線通信用インターフェース(赤外線通信用I/Fやブルートゥース用通信I/F)などが挙げられる。ネットワークタスク部71は、例えばホスト装置PCからネットワーク(例えば通信ケーブル95)を介して転送されてくる印刷用データPDの通信I/F51等のネットワークI/Fによる受信の可否を決める管理を行う。ネットワークI/Fはホスト装置PCから転送されてくる印刷用データPDを受信バッファー52に蓄積する受信処理を行い、その受信した印刷用データPDを受け付けるか否か(つまり、ネットワークI/F接続の可否)を、そのときの状態(ステータス)に応じて決めるネットワークI/Fの接続/非接続の管理を行う。ネットワークタスク部71は、例えば複合機11がエラー状態(エラーステータス)にあればネットワークI/Fの接続を禁止し、エラー状態になければネットワークI/Fの接続を許可する。ネットワークI/Fの接続を許可した場合、ネットワークタスク部71は受信バッファー52に蓄積された印刷用データPDに基づく印刷データの生成を要求する印刷データ生成要求を、後段のデータ生成タスク部72へ送る。
データ生成タスク部72は、印刷データ生成要求を受け付けると、受信バッファー52に格納された印刷用データPDを用いて印刷データ生成処理を行う。印刷データ生成処理は、初期化系のデータ生成処理と、印刷動作系のデータ生成処理とに分かれる。初期化系のデータ生成処理は、印刷用データ中の主に印刷条件情報を基に用紙サイズ、記録媒体種(用紙、フィルム等)の取得、及び記録媒体の頭出し位置(印刷開始位置)の演算などを行う処理である。印刷動作系のデータ生成処理では、データ生成タスク部72が、印刷用データPDのうちの例えばRGB表色系又は圧縮形式(例えばJPEG形式)の画像データIDに、公知の画像処理(色変換処理、ハーフトーン処理、マイクロウィーブ処理等)を施すことにより、CMYK表色系の印刷データが生成される。そして、データ生成タスク部72は、生成したCMYK表色系の印刷データを印刷バッファー53に順次格納する。
さらに、データ生成タスク部72は、上記の印刷データ生成処理の他、これに先立ち、あるいはこの処理の途中で、フラグ処理を行う。このフラグ処理では、データ生成タスク部72は受信バッファー52に格納された印刷用データPDの先頭所定バイト分をデータ解析し、開始すべき印刷ジョブの有無を判断する。具体的には、データ生成タスク部72は、印刷用データPDの先頭所定バイト分を検索対象としてジョブ開始コマンド「JS」を検索し、ジョブ開始コマンド「JS」が検索されれば印刷ジョブ有りと判断する。ここで、制御部50の演算結果等が一時記憶されるRAM54には、フラグ記憶領域54aが設けられている。データ生成タスク部72は、先のデータ解析処理(検索処理)による判断結果が、印刷ジョブ有りの場合にはフラグ記憶領域54aにフラグ値「1」を書込み、印刷ジョブ無しの場合にはフラグ値「0」を書き込む。データ生成タスク部72は、ジョブ管理タスク部73に対して、初期化系のデータ生成処理を終えると印刷開始要求を送り、印刷動作系のデータ生成処理を終えると印刷ジョブ(印刷ジョブ解析要求)を通知する。なお、本実施形態では、上記のフラグがジョブ有無情報に相当する。
ジョブ管理タスク部73は、印刷ジョブ(印刷ジョブ解析要求)を受け付けると、受信バッファー52内に残った、あるいは印刷バッファー53の所定領域に格納し直されたジョブ情報JOBID(コマンド情報)を解析し、その解析結果に応じた動作処理を実行タスク部76に要求する。この要求には、給紙要求、紙送り要求、キャリッジ起動要求及びインク吐出要求などがある。
また、ジョブ管理タスク部73は、カバーセンサー65からの検知信号に基づき、ユーザーがインクカートリッジ交換などで開けたカバー31を閉めるとき(カバークローズ時)の閉操作が検知されると、その旨(カバークローズ検知)を通知することで、カバークローズ時に行うべき一連の処理群からなるクローズ処理を、実行タスク部76に要求する。
実行タスク部76が行うこのクローズ処理には、インクカートリッジ41,42の電気的な接続を確認するカートリッジ接続確認処理、IC基板61の不揮発性メモリー64にアクセスしてインク残量を確認するインク残量確認処理、及びキャリッジ34をインク交換位置から印刷開始準備位置(例えばホームポジション)へ復帰させる復帰動作などからなるクローズ動作が含まれる。実行タスク部76は、カートリッジ接続確認処理を行うカートリッジ接続確認処理部76aと、インク残量確認処理を行うインク残量確認処理部76bとを備えている。クローズ処理時には、実行タスク部76は、カートリッジ接続確認処理部76aとインク残量確認処理部76bとを起動させる。本実施形態では、カートリッジ接続確認処理部76aにより第1処理手段が構成され、インク残量確認処理部76bにより第2処理手段が構成される。また、実行タスク部76により、エラー検出手段が構成される。インク残量確認処理部76bは、エラー検出手段のうちインクエンドエラーを検出する部分を構成する。
実行タスク部76は、ジョブ管理タスク部73からの要求に応じて、プリンター部13及びスキャナー部14を駆動制御させるとともに、カバーセンサー65や接続端子63等の入力系からの信号を取得する。具体的には、実行タスク部76は、印刷ジョブ実行時には、給紙要求、紙送り要求、排紙要求などの各要求内容に応じてPFモーター45を駆動制御し、キャリッジ起動要求に応じてCRモーター38を駆動制御し、さらにインク吐出要求に応じて記録ヘッド39を駆動制御する。また、スキャンジョブ実行時には、実行タスク部76は、スキャン要求に応じてCCD67、ランプ68及びスキャナーモーター69を駆動制御し、走査ユニットにスキャニング動作を行わせる。
状態管理タスク部74は、複合機11(プリンター部13やスキャナー部14等)の状態管理及び通知ジョブの登録を行う。詳しくは、状態管理タスク部74は、リニアエンコーダー46及びカバーセンサー65等のセンサー類から入力した検出信号や、接続端子63からの接続信号レベル、接続端子63を介して不揮発性メモリー64から読み込んだインク残量情報などに基づく実行タスク部76からの通知に基づいて、複合機11の状態を管理する。複合機11の状態には、例えばインクエンドエラー、カートリッジ非接続エラー、カバーオープンエラー、紙無しエラー、紙詰まりエラー等のエラーステータス及びこれらのエラーのない各種の正常ステータスなどがある。また、状態管理タスク部74は、各タスク部の待機(Wait)、実行(Run)、実行可能(Ready)等の状態(ステータス)を管理している。さらに、状態管理タスク部74は、印刷ジョブやキャンセルジョブが一のタスク部から他のタスク部へ通知されると、その通知されたジョブを登録する。このため、状態管理タスク部74は、複合機11の状態、各タスク部の状態及び発生したジョブの把握が可能となっている。
サービスタスク部75は、複合機11の状態などを監視しつつ各種インターフェース(I/F51,57等)からの指示を各タスク部へ伝えたり、各タスク部からの要求を各種インターフェースやUIタスク部77へ伝えたりする処理(タスク)を実行する。例えば操作部22の操作があった旨は、サービスタスク部75から各タスク部へ伝えられる。また、サービスタスク部75は、例えば各タスク部からの通知内容に応じた表示内容に表示部21の表示を切り替える要求を、UIタスク部77へ送る。
UIタスク部77は、サービスタスク部75からの要求に応じた表示内容に操作パネル15の表示部21を表示制御するなどの処理(タスク)を実行する。例えば図5(a),(b)に示す表示部21の表示内容の切り替えは、UIタスク部77がサービスタスク部75からの要求に従って表示部21を表示制御することにより行われる。
次に図6のシーケンスチャートに従って複合機11の動作を説明する。
ユーザーが、ホスト装置PCのモニター91に表示された文書又は画像を印刷すべく入力装置を操作して印刷の実行を指令すると、プリンタードライバー92がその指定された文書又は画像に基づく印刷用データPDを生成し、生成した印刷用データPDを複合機11に順次転送する。例えば複合機11側でいずれかのインクカートリッジ41(42)がインクエンドになっていると、ホスト装置PCのモニター91及び表示部21に、インクエンドエラーの旨の情報が表示される。このため、ユーザーはインクエンドとなったインクカートリッジ41(又は42)を、予備(例えば新品(インク満充填))のインクカートリッジと交換する。
ユーザーが、ホスト装置PCのモニター91に表示された文書又は画像を印刷すべく入力装置を操作して印刷の実行を指令すると、プリンタードライバー92がその指定された文書又は画像に基づく印刷用データPDを生成し、生成した印刷用データPDを複合機11に順次転送する。例えば複合機11側でいずれかのインクカートリッジ41(42)がインクエンドになっていると、ホスト装置PCのモニター91及び表示部21に、インクエンドエラーの旨の情報が表示される。このため、ユーザーはインクエンドとなったインクカートリッジ41(又は42)を、予備(例えば新品(インク満充填))のインクカートリッジと交換する。
このとき、ユーザーはカバー31を開けてインクエンドのインクカートリッジをキャリッジ34から取り外し、予備のインクカートリッジをキャリッジ34に装填することでインクカートリッジ交換を行う。そして、ユーザーはカバー31を閉じる。但し、予備のインクカートリッジがなかった場合、ユーザーは仕方なくインクエンドのインクカートリッジを装填したままカバー31を閉じることになる。このとき、先の印刷ジョブデータJDはインクエンドエラーのため、複合機11に受け付けられないが、このインクカートリッジ交換作業をしている間にホスト装置PCから他の印刷ジョブデータが複合機11に送信されていた場合、カバー31を閉じるときにエラーが一旦解除される隙間の期間で、次の印刷ジョブデータJDが複合機11に受け付けられる場合がある。この場合、表示部21には、図5(a)に示す印刷中の旨と、インクエンドエラーの旨(図示省略)が表示され、ユーザーはこの印刷を中止すべくキャンセルスイッチ27を操作する。図6は、このようにインクエンドのインクカートリッジを装填したままカバー31を閉じたときに受け付けられた次の印刷ジョブを中止すべくユーザーがキャンセルスイッチ27を操作する場合に、制御部50内の各タスク部で行われる処理の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、図6に従って、制御部50内で各タスク部によって行われる処理を説明する。
ユーザーは、インクエンドエラー状態の下で、インクエンドのインクカートリッジを装填したまま、カバー31を閉じる操作を行う。このとき、まずカバーセンサー65がカバーのクローズ操作を検知すると、ジョブ管理タスク部73は、実行タスク部76に対してカバークローズ検知を通知することで、クローズ処理実行要求が行われる。この要求を受け付けた実行タスク部76は、クローズ処理を実行する。すなわち、実行タスク部76は、クローズ処理として、カートリッジ接続確認処理、インク残量確認処理及びクローズ動作を含む一連の処理を実行する。
ユーザーは、インクエンドエラー状態の下で、インクエンドのインクカートリッジを装填したまま、カバー31を閉じる操作を行う。このとき、まずカバーセンサー65がカバーのクローズ操作を検知すると、ジョブ管理タスク部73は、実行タスク部76に対してカバークローズ検知を通知することで、クローズ処理実行要求が行われる。この要求を受け付けた実行タスク部76は、クローズ処理を実行する。すなわち、実行タスク部76は、クローズ処理として、カートリッジ接続確認処理、インク残量確認処理及びクローズ動作を含む一連の処理を実行する。
実行タスク部76は、まずカートリッジ接続確認処理を行い、インクカートリッジの電気的接続(つまりカートリッジの正規の装着)を確認する。すなわち、接続端子63を介して入力される信号レベルが、IC基板61の接続端子62と電気的に接続されている際の値(例えばHレベル)であるか否かを確認し、接続時の信号レベルであればカートリッジが正常に接続されていると判断し、一方、非接続時の信号レベルであればカートリッジが非接続であると判断する。全てのインクカートリッジ41,42が正常に接続されていれば、実行タスク部76は状態管理タスク部74に対してカートリッジ接続通知を行う。なお、カートリッジが非接続の場合は、実行タスク部76は状態管理タスク部74に対してカートリッジ非接続通知を行う。この場合、モニター91及び表示部21にインクカートリッジの装填の確認を促す旨の情報が表示される。
状態管理タスク部74は、実行タスク部76からカートリッジ接続通知を受け付けると、カートリッジ正常接続状態及び全エラー解除状態にステータスを変更し、かつネットワークタスク部71に全エラー解除通知を行う。ネットワークタスク部71は、全エラー解除通知を受け付けると、それまでインクエンドエラーで禁止されていた通信I/F51の接続(データ受信)が許可されうる状態になる。その後、受信中であった印刷用データの受信バッファー52への蓄積が完了すると、そのとき全エラー解除状態にあるので、ネットワークタスク部71は通信I/F51を接続状態とし、サービスタスク部75にI/F接続OKの通知を行うとともに、データ生成タスク部72に印刷データ生成要求を行う。I/F接続OKの通知を受け付けたサービスタスク部75は、通信インターフェース51を接続ステータスとし、UIタスク部77に表示要求を行う。表示要求を受け付けたUIタスク部77は、表示部21に図5(a)に示す印刷中の旨を表示させる。
一方、印刷データ生成要求を受け付けたデータ生成タスク部72は、フラグ処理と印刷データ生成処理とを行う。まずフラグ処理では、受信バッファー52中の印刷用データの先頭所定バイト分をデータ解析し、ジョブ開始コマンド「JS」の有無を確認する。このとき、受信バッファー52の格納データは次の印刷ジョブの印刷用データPDであるため、このデータ解析の結果、「JS」が検索されることになり、データ生成タスク部72は印刷ジョブ有りと判断する。そのため、データ生成タスク部72は、フラグ記憶領域54aにフラグ値「1」を書込む。
データ生成タスク部72は、例えばフラグ処理の後、初期化系のデータ生成処理を行い、ジョブ管理タスク部73に印刷開始要求を行う。さらに、データ生成タスク部72は印刷データ生成処理を行って、生成した印刷データを印刷バッファー53に格納するとともに、ジョブ管理タスク部73に印刷ジョブの実行を要求する。
ところで、ジョブ管理タスク部73は、印刷開始要求を受け付けても、エラー(インクエンドエラー)解除後の実行許可タイミングになるまで待機(Wait)する。また、印刷ジョブの実行要求を受け付けても、同様に、エラー解除後の実行許可タイミングになるまで印刷用データの解析処理を開始せず待機(Wait)する。
この間、実行タスク部76は、カートリッジ接続通知後、インク残量確認処理及びクローズ動作を行っている。実行タスク部76は、接続端子63,62を介してIC基板61の不揮発性メモリー64にアクセスして、インクカートリッジ41,42のインク残量を確認する。このとき、インクエンドのインクカートリッジが装填されているため、カバー31を閉じる過程で行われたインク残量確認処理の結果、インクエンドエラーが検出され、実行タスク部76は状態管理タスク部74に対してインクエンド通知を行う。このインクエンド通知を受け付けた状態管理タスク部74は、インクエンドエラーのステータス登録の後、ネットワークタスク部71に対してインクエンド通知を行う。その結果、ネットワークタスク部71は、インクエンドエラーを理由に、以後、印刷用データの受信を禁止する。なお、インクエンドでなかった場合は、実行タスク部76は状態管理タスク部74にインク残量OK通知を行い、さらに状態管理タスク部74がネットワークタスク部71にインク残量OK通知を行う。この場合、ネットワークタスク部71は以後受け付ける印刷用データの受信を許可する。
一方、実行タスク部76はインク残量確認処理と並行して行っていたクローズ動作を終了すると、ジョブ管理タスク部73に対してクローズ処理終了通知を行う。なお、通常は、インク残量確認処理の方が早く終了するが、クローズ動作の方が早く終了した場合は、インク残量確認処理の終了をもって、クローズ処理終了通知を行う。
このクローズ動作終了通知はジョブ管理タスク部73にとって解析処理の実行許可通知となるが、このときインク残量確認処理結果によりインクエンドエラー状態にあるので、印刷用データの解析処理の実行は禁止される。
ユーザーはカバー31を閉じた後、受け付けられた次の印刷ジョブを中止すべくキャンセルスイッチ27を操作する。このとき、表示部21には図5(a)に示す印刷中の旨が表示されている。キャンセルスイッチ27の操作を検出したサービスタスク部75は、状態管理タスク部74にキャンセルジョブを要求する。
このキャンセルジョブを受け付けた状態管理タスク部74は、フラグ記憶領域54aのフラグを確認する。この場合、フラグが「1」であるので、状態管理タスク部74は印刷ジョブがあることを把握すると、印刷ジョブ中止状態にステータス変更し、かつ各タスク部に印刷ジョブのキャンセル要求を行う。各タスク部は、自身がデータ処理中であるか否かを把握しており、状態管理タスク部74からのキャンセル要求を受け付けると、各バッファーのデータ消去及び各タスク部が処理中のデータの消去を行う。
そして、状態管理タスク部74は、各タスク部へのキャンセル要求後、サービスタスク部75にキャンセル実行通知を行う。キャンセル実行通知を受け付けたサービスタスク部75は、UIタスク部77に表示キャンセル要求を行う。
UIタスク部77は、表示キャンセル要求を受け付けると、印刷中の表示をキャンセルする印刷中表示キャンセル処理を実行する。その結果、表示部21が、図5(a)に示す印刷中の旨の表示から図5(b)に示す印刷キャンセルの旨の表示に切り替わる。こうしてユーザーがキャンセルスイッチ27を操作すれば、表示部21の表示が直ちに、印刷中の旨の表示内容から、印刷キャンセルの旨の表示内容に切り替わる。
なお、予備(例えば新品)のインクカートリッジをキャリッジ34に装填した後、カバー31を閉じた場合は、インク残量確認処理でインク残量OK通知が行われるので、クローズ処理終了通知を受け付けると、ジョブ管理タスク部73は、印刷ジョブデータの解析処理を実行する(図6における二点鎖線矢印)。そして、解析したコマンドに従った要求を実行タスク部76に対して逐次行う。詳しくは、ジョブ管理タスク部73は、まず実行タスク部76に対して給紙要求を行い、その給紙実施の応答を実行タスク部76から受け付けると、次に印字要求を行う。そして、その印字実施の応答を実行タスク部76から受け付けると、次に紙送り要求を行う。そして、以後、印字要求と紙送り要求を繰り返すことで、その要求に応じた印字動作と紙送り動作とを実行タスク部76がプリンター部13に行わせることで、用紙Pへの印刷が進められる。そして、解析結果から排紙コマンドがあると、最終行の印字動作時にジョブ管理タスク部73は実行タスク部76に対して排紙要求を行う。この結果、実行タスク部76がプリンター部13に排紙動作を行わせることにより用紙Pが排紙される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)データ生成タスク部72が、ジョブ管理タスク部73による印刷用データPDの解析処理に先立ち、受信バッファー52中の印刷用データPDを解析し、ジョブ開始コマンド「JS」があればフラグを「1」とし、「JS」がなければフラグを「0」とする。このため、キャンセル要求を受け付けたときに、ジョブ管理タスク部73による印刷用データPDの解析がエラー原因のため行われていなくても、フラグ記憶領域54aのフラグ値に基づき開始すべき印刷ジョブの有無を判断できる。よって、エラー解除を待たなくても、速やかに印刷ジョブのキャンセル処理を行うことができる。
(1)データ生成タスク部72が、ジョブ管理タスク部73による印刷用データPDの解析処理に先立ち、受信バッファー52中の印刷用データPDを解析し、ジョブ開始コマンド「JS」があればフラグを「1」とし、「JS」がなければフラグを「0」とする。このため、キャンセル要求を受け付けたときに、ジョブ管理タスク部73による印刷用データPDの解析がエラー原因のため行われていなくても、フラグ記憶領域54aのフラグ値に基づき開始すべき印刷ジョブの有無を判断できる。よって、エラー解除を待たなくても、速やかに印刷ジョブのキャンセル処理を行うことができる。
(2)キャンセル処理として表示部21における印刷中の旨の表示を印刷キャンセルの旨の表示に切り替える表示キャンセル処理を行う。このため、キャンセルスイッチ27を操作すれば、エラー解除を待つことなく速やかに表示が切り替わるので、ユーザーはそのキャンセル操作が受け付けられたことを直ぐに確認できる。例えばエラー解除を待って表示キャンセル処理が行われる構成であると、ユーザーがキャンセルスイッチ27を操作したにも関わらず、表示部21の表示内容が、印刷中の旨の表示から印刷キャンセルの旨の表示になかなか切り替わらず、キャンセル操作が受け付けられていないとするユーザーの誤解を回避できる。
(3)また、キャンセルスイッチ27の操作後、ジョブキャンセル処理も速やかに行われるので、バッファー中のデータ及び各タスク部における処理中のデータ等を、キャンセル操作を行ってから速やかに消去できる。よって、エラー解除後の実行許可を待ってジョブキャンセル処理を実行する構成に比べ、ジョブキャンセル処理の待ちが短くできる分、次の印刷を早期に開始できる。
(4)受信バッファー52に格納された印刷用データの先頭所定バイト分のデータ解析を行うだけなので、フラグ処理にも時間がかからない。また、その先頭所定バイト分
を検索対象としてジョブ開始コマンド「JS」を検索する比較的簡単な確認処理で済むので、ジョブ管理タスク部73の解析処理に先立って行うフラグ処理を採用しても、印刷ジョブの開始時期をさほど遅延させずに済む。
を検索対象としてジョブ開始コマンド「JS」を検索する比較的簡単な確認処理で済むので、ジョブ管理タスク部73の解析処理に先立って行うフラグ処理を採用しても、印刷ジョブの開始時期をさほど遅延させずに済む。
(5)カバー閉操作時のクローズ処理でカートリッジ接続が確認されてエラー解除されてから、その後のインク残量確認処理でインクエンドが検出されてインクエンドエラーとなるまでの隙間の期間に、受け付けられた印刷ジョブデータの解析処理が行われていなくても、キャンセルスイッチ27を操作すれば、速やかにその印刷ジョブのキャンセル処理を行うことができる。
(変形例1)前記実施形態では、サービスタスク部75が状態管理タスク部74からのキャンセル実行通知を待って、UIタスク部77への表示キャンセル要求を行った。これに対し、サービスタスク部75が、状態管理タスク部74からのキャンセル実行通知を待つことなく、状態管理タスク部74へのキャンセルジョブ要求と略同時にUIタスク部77への表示キャンセル要求を行う構成を採用してもよい。
(変形例2)消耗品はインク収容体(インクカートリッジ)に限定されない。消耗品は例えば記録媒体でもよい。例えば、記録媒体収容カセットを備えた記録装置において、記録媒体が切れた(無くなった)とき、カセットを開操作したものの予備の記録媒体がなく空のままカセットを閉操作する場合がある。カセットの閉操作をセンサーで検知すると全エラー解除し、その後、カセット内の記録媒体の有無確認処理を記録媒体検知用センサーの検知信号に基づき行った結果、記録媒体無しと判断した場合に記録媒体エンドエラーとする構成も採用できる。この場合も、エラー解除から記録媒体エンドエラー発生までの隙間の期間に受け付けられた印刷ジョブデータの解析処理が行われていなくても、フラグ記憶領域54aのフラグ値に基づき開始すべき印刷ジョブの有無が分かるため、キャンセルスイッチ27が操作されれば、印刷ジョブのキャンセル処理を速やかに行うことができる。
(変形例3)エラー解除作業を行うためにユーザーが操作する操作手段は、カバー31に限定されない。上記変形例4で述べた記録媒体収容カセットでもよい。
(変形例4)エラーは、消耗品切れエラーに限定されない。例えば紙ジャムエラー(紙詰まりエラー)、用紙サイズエラー、用紙なしエラー、記録ヘッドの過熱エラー、モーターの過熱エラー、カバーオープンエラーなどでもよい。また、キャリッジなどの移動体が正常時の移動範囲から逸脱したエラーや、CRモーターを一定時間駆動し続けてもキャリッジが目標位置に到達しないエラーなどでもよい。例えばこの種のエラーが発生した際、ユーザーがそのエラーの原因を取り除いた後にスイッチによる復帰操作を行ったときにエラー解除し、その後、エラー検出手段が、エラー原因がまだ残っていたことを検出して再度エラーになるまでの隙間の期間で、受け付けられた印刷ジョブデータの解析が、エラーのために行われない構成においても、本発明を採用できる。この場合も、キャンセル手段は、解析手段の解析に先立ち確認手段がジョブデータを確認して得たジョブ有無情報(例えばフラグ)に基づき処理開始待ちのジョブが有ることが分かるので、ユーザーがキャンセル操作を行えば、直ちに表示キャンセル処理などのキャンセル処理を行うことができる。
(変形例4)エラーは、消耗品切れエラーに限定されない。例えば紙ジャムエラー(紙詰まりエラー)、用紙サイズエラー、用紙なしエラー、記録ヘッドの過熱エラー、モーターの過熱エラー、カバーオープンエラーなどでもよい。また、キャリッジなどの移動体が正常時の移動範囲から逸脱したエラーや、CRモーターを一定時間駆動し続けてもキャリッジが目標位置に到達しないエラーなどでもよい。例えばこの種のエラーが発生した際、ユーザーがそのエラーの原因を取り除いた後にスイッチによる復帰操作を行ったときにエラー解除し、その後、エラー検出手段が、エラー原因がまだ残っていたことを検出して再度エラーになるまでの隙間の期間で、受け付けられた印刷ジョブデータの解析が、エラーのために行われない構成においても、本発明を採用できる。この場合も、キャンセル手段は、解析手段の解析に先立ち確認手段がジョブデータを確認して得たジョブ有無情報(例えばフラグ)に基づき処理開始待ちのジョブが有ることが分かるので、ユーザーがキャンセル操作を行えば、直ちに表示キャンセル処理などのキャンセル処理を行うことができる。
(変形例5)ジョブのキャンセル処理が、表示キャンセル処理のみからなる構成や、ジョブキャンセル処理のみからなる構成も採用できる。例えば前者の場合、ジョブキャンセル処理は、エラー解除後に行われる解析手段の解析結果を待って行われる構成としてもよい。この場合、キャンセル指示があれば、ジョブ処理中の表示を速やかにキャンセルできる。
(変形例6)キャンセル処理は、表示部の表示キャンセル処理やジョブキャンセル処理に限定されない。例えばLED等の点灯表示部のジョブ処理中の点灯態様をキャンセルしたり、音声でジョブキャンセルの旨を報知したりするキャンセル処理であってもよい。
(変形例7)ジョブキャンセル装置は、タスク処理を行うタスク部により構成されることに限定されない。
(変形例8)印刷ジョブデータは、先に送った印刷用データに基づく印刷が進んでバッファーに空きができたことを確認しつつ、次の転送を許可することで、印刷ジョブデータを単位データ(例えば1パス分)ずつ順番に受信する構成としたが、これに限定されない。例えば印刷ジョブデータをパケット転送で予め全て記録装置へ送ってもよい。この場合も、先頭所定バイト分のデータ解析を行うこととすれば、確認手段の確認処理に時間がかからず、印刷ジョブの実行開始遅れをほとんど無くすことができる。
(変形例8)印刷ジョブデータは、先に送った印刷用データに基づく印刷が進んでバッファーに空きができたことを確認しつつ、次の転送を許可することで、印刷ジョブデータを単位データ(例えば1パス分)ずつ順番に受信する構成としたが、これに限定されない。例えば印刷ジョブデータをパケット転送で予め全て記録装置へ送ってもよい。この場合も、先頭所定バイト分のデータ解析を行うこととすれば、確認手段の確認処理に時間がかからず、印刷ジョブの実行開始遅れをほとんど無くすことができる。
(変形例9)ジョブデータのうち確認手段の確認処理対象(解析対象)を先頭の一部(先頭所定バイト分)としたが、一部は先頭に限定されない。ジョブの有無を確認するためのコマンドが配置される部分であればよく、受信されたジョブデータの途中の一部や最後の一部であってもよい。また、確認手段が、ジョブの有無を確認するためのコマンドは、ジョブ開始コマンドに限定されない。例えばジョブデータのうち最初に受信するデータにのみ含まれる情報であれば足り、コマンドにも限定されない。例えば印刷条件情報でもよい。また、確認手段が確認するための専用の検索対象文字を含ませておいてもよい。
(変形例10)ジョブデータのうち確認手段の確認処理対象(解析対象)は、先頭所定バイト分など取得したジョブデータの一部であることに限定されない。受信バッファーに受信される印刷用データのデータサイズが小さければ、全データを解析対象(検索対象)としてもよい。
(変形例11)エラー解除作業を終えたときに行われる操作手段の終了操作を検知した際、エラー検出処理よりも先に実行許可がなされる構成においても、本発明を適用できる。例えば、クローズ動作がインク残量確認処理よりも先に早く行われ、クローズ動作終了通知をもって解析手段の解析実行許可がなされる構成の場合、クローズ動作が比較的時間を要する場合、クローズ動作終了通知を待つことでキャンセル処理が遅延する。このような構成でも、ジョブ有無情報に基づきジョブの有無を判断することで、ジョブが有った場合に、キャンセル処理を速やかに行うことができる。
(変形例12)解析手段の解析がエラーのため行われないときに限り、確認手段の確認処理を行う構成としてもよい。この場合、エラーがないときには、解析手段の解析結果に基づきジョブ有りと判断された場合に、キャンセル処理を行う。
(変形例13)キャンセル指示を受け付けてから、確認手段の確認処理を行ってもよい。この場合、キャンセル指示を受け付けたときに、解析手段の解析が行われているか否かを解析手段のステータス情報から把握し、解析が行われていない場合には確認手段が確認処理を行ってジョブの有無を判断し、解析済みであれば、解析手段の解析結果を用いてジョブの有無を判断する。
(変形例14)記録装置は、複合機に限定されず、プリンターでもよい。また、プリンター又はプリンター部は、シリアルプリンターに限定されず、ラインプリンターやページプリンターでもよい。さらに印刷方式も、インクジェット方式に限定されず、ドットインパクト方式や熱転写方式、レーザー方式なども採用できる。なお、インクジェット式の記録装置には、液体材料を基板上に噴射してカラーフィルタや有機ELディスプレイ等を形成する工業用の液体噴射装置や、インクジェット式の捺染印刷機なども含まれる。
(変形例15)処理装置は、印刷機能を有する複合機やプリンターなどの記録装置に限定されない。例えば、受け付けたジョブデータに基づくジョブを実行して駆動手段を駆動させることにより所定の処理動作を行う処理装置に広く本発明を適用できる。この場合、処理装置は、タスク処理を行わない構成でもよい。記録装置以外の処理装置としては、例えばスキャナー、プロジェクター、音楽再生装置、画像再生装置、電子カメラ、ビデオ撮影装置などが挙げられる。
11…処理装置及び記録装置としての複合機、12…本体、13…プリンター部、14…スキャナー部、15…操作パネル、21…表示手段としての表示部、22…操作部、27…受付手段を構成するキャンセルスイッチ、31…操作手段としてのカバー、38…駆動手段を構成するCRモーター、39…駆動手段及び記録手段を構成する記録ヘッド、45…駆動手段を構成するPFモーター、41,42…消耗品及びインク収容体としてのインクカートリッジ、50…制御部、51…ジョブ取得手段を構成する通信インターフェース、52…受信バッファー、53…印刷バッファー、54…RAM、54a…格納手段としてのフラグ記憶領域、55…プリンターI/F、56…スキャナーI/F、57…ユーザーI/F、60…プリンター制御部、61…IC基板、62…エラー検出手段を構成する接続端子、63…エラー検出手段を構成する接続端子、64…エラー検出手段を構成する不揮発性メモリー、65…操作検出手段を構成するカバーセンサー、66…スキャナー制御部、67…CCD、68…ランプ、69…スキャナーモーター、71…ジョブ取得手段を構成するネットワークタスク部、72…データ生成タスク部、73…解析手段としてのジョブ管理タスク部、74…キャンセル手段を構成する状態管理タスク部、75…キャンセル手段及び受付手段を構成するサービスタスク部、76…エラー検出手段を構成するとともに第1処理手段、第2処理手段及びジョブ実行手段としての実行タスク部、76a…第2処理手段としてのカートリッジ接続確認処理部、76b…エラー検出手段を構成するとともに第2処理手段としてのインク残量確認処理部、77…キャンセル手段を構成するUIタスク部、90…本体、91…モニター、92…プリンタードライバー、PC…ホスト装置、P…記録媒体(ターゲット)としての用紙、JP…ジョブデータとしての印刷ジョブデータ、PD1,PD2、…,PDn,PDend…ジョブデータを構成する印刷用データ。
Claims (9)
- 受け付けたジョブデータに基づく処理を行う処理装置において、キャンセル指示を受け付けると、前記処理をキャンセルする処理装置におけるジョブキャンセル装置であって、
ジョブデータを取得するジョブ取得手段と、
前記ジョブデータに基づきジョブの有無を確認する確認手段と、
処理装置のエラーを検出するエラー検出手段と、
エラーが検出されていなければ、前記ジョブデータを解析し、一方、エラーが検出されていれば、当該エラーが解除されるまで前記ジョブデータの解析を待機する解析手段と、
キャンセル指示を受け付ける受付手段と、
キャンセル指示を受け付けると、前記確認手段の確認結果に基づきジョブの有無を判断し、ジョブが有れば、当該ジョブのキャンセル処理を行うキャンセル手段と
を備えたことを特徴とする処理装置におけるジョブキャンセル装置。 - 前記確認手段は、前記解析手段の解析に先立ち、前記ジョブデータに基づきジョブの有無を確認しその確認結果に応じたジョブ有無情報を格納手段に格納するように構成され、
前記キャンセル手段は、キャンセル指示を受け付けると、前記格納手段のジョブ有無情報に基づきジョブの有無を判断し、ジョブが有れば、当該ジョブのキャンセル処理を行うことを特徴とする請求項1における処理装置におけるジョブキャンセル装置。 - 前記ジョブ取得手段がジョブデータを取得すると、ジョブ処理中の旨の表示を行う表示手段を更に備え、
前記キャンセル処理は、前記表示手段による前記ジョブ処理中の旨の表示をキャンセルする表示キャンセル処理を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の処理装置におけるジョブキャンセル装置。 - エラー解除作業を行うためにユーザーにより操作される操作手段と、
エラー解除作業を終えたときに行われる前記操作手段の終了操作を検出する操作検出手段を更に備え、
エラー状態の下で前記操作検出手段が前記終了操作を検出すると、ジョブを行ううえで必要な電気的な接続がとれているか否かを判断し、電気的な接続がとれていればエラー解除する第1処理を行う第1処理手段を更に備え、
前記エラー検出手段は、前記第1処理の後、ジョブを行ううえで必要な消耗品が切れたエンドエラーを検出する第2処理を行う第2処理手段であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の処理装置におけるジョブキャンセル装置。 - 前記処理装置は、前記消耗品であるインク収容体を装着可能に構成されるとともに、装着されたインク収容体から供給されるインクにより記録を行う記録手段を備えた記録装置であって、
前記操作手段はインク収容体の交換のために開閉操作されるカバーであり、
前記操作検出手段は、前記インク収容体の交換後に行われる前記カバーの閉操作を前記終了操作として検出するものであり、
前記第1処理手段は、前記インク収容体が装着された状態で接続されうる電気的な接続がとれているか否かを判断し、電気的な接続がとれていればエラーを解除する第1処理を行い、
前記第2処理手段は、前記第1処理の後、前記インク収容体のインクが切れているか否かを判断し、インクが切れていればインクエンドエラーとする第2処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の処理装置におけるジョブキャンセル装置。 - 前記確認手段は、前記ジョブ取得手段が取得したジョブデータ中にジョブ開始コマンドがあるか否かを確認し、ジョブ開始コマンドがあればジョブ有りとすることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の処理装置におけるジョブキャンセル装置。
- 前記キャンセル処理は、前記ジョブ取得手段が取得したジョブデータに基づく処理をキャンセルするジョブキャンセル処理を含むことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の処理装置におけるジョブキャンセル装置。
- 請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の前記ジョブキャンセル装置と、前記解析手段の解析結果に基づくジョブを実行するジョブ実行手段と、前記ジョブ実行手段がジョブを実行することで駆動される駆動手段とを備えたことを特徴とする処理装置。
- 受け付けたジョブデータに基づく処理を行う処理装置において、キャンセル指示を受け付けると、ジョブのキャンセル処理を行う処理装置におけるジョブキャンセル方法であって、
ジョブデータを取得するジョブ取得ステップと、
取得したジョブデータに基づきジョブの有無を確認する確認ステップと、
処理装置のエラーが検出されていなければ、前記ジョブデータを解析し、一方、処理装置のエラーが検出されていれば、当該エラーが解除されるまで前記ジョブデータの解析を待機する解析ステップと、
キャンセル指示を受け付けると、前記確認ステップにおける確認結果に基づきジョブの有無を判断し、ジョブが有れば、当該ジョブのキャンセル処理を行うキャンセルステップと
を備えたことを特徴とする処理装置におけるキャンセル方法。
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JP2009044294A JP2010194952A (ja) | 2009-02-26 | 2009-02-26 | 処理装置におけるジョブキャンセル装置、処理装置及びジョブキャンセル方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012068758A (ja) * | 2010-09-21 | 2012-04-05 | Fuji Xerox Co Ltd | 監視装置及びプログラム |
JP2019215485A (ja) * | 2018-06-14 | 2019-12-19 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置、画像形成システム、制御方法および制御プログラム |
-
2009
- 2009-02-26 JP JP2009044294A patent/JP2010194952A/ja active Pending
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