JP2010194804A - フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザー光の照射による凹凸の加工効率が向上したフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】搬送されるポリマーフィルム10における幅手方向の両端部のうちの少なくとも一方のフィルム端部にレーザー光3を照射しながら、ポリマーフィルムにおけるレーザー光照射部に気体5を吹き付ける凹凸付与工程を有することを特徴とするフィルムの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明はフィルムの製造方法、特にフィルムにおける幅手方向の両端部のうちの少なくとも一方のフィルム端部に凹凸を付与する工程を有するフィルムの製造方法に関するものである。
従来から、ポリマーフィルムを製造する際には、フィルムに凹凸を付与することが知られている。たとえば、フィルムにおける幅手方向の両端部のうち少なくとも一方のフィルム端部に凹凸を付与することによって、フィルムと搬送ロールとの摩擦力を確保できたり、芯材にフィルムを巻き取る際に良好な巻き性を得ることができたりする。凹凸を付与する方法としては、レーザー光を照射する加工法が知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、レーザー加工法によってフィルムへの十分な凹凸付与を実用的なフィルム搬送速度で行うには、レーザー光の出力に制限があるため、多くのレーザー光照射装置が必要となり、コスト面・設置スペース面で問題があった。
特開2007−119181号公報
本発明は、レーザー光の照射による凹凸の加工効率が向上したフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、搬送されるポリマーフィルムにレーザー光を照射しながら、ポリマーフィルムにおけるレーザー光照射部に気体を吹き付けて、該レーザー光照射部に凹凸を付与する凹凸付与工程を有することを特徴とするフィルムの製造方法に関する。
本発明によれば、レーザー光の照射により発生する粉塵や蒸発気体が、ポリマーフィルムにおけるレーザー光照射部およびその近傍から除去されるので、レーザー光がそのような粉塵や蒸発気体に吸収されるのを防止できる。また、気体をレーザー光照射部に吹き付けることにより、フィルム振動を防止できるので、レーザー光の焦点がぼけるのを防止できる。それらの結果、レーザー光の照射による凹凸の加工効率が向上し、ポリマーフィルムに十分な高低差のある凹凸を付与できる。
特に、吹き付け気体として酸素などの活性ガスを用いる場合は、ポリマーフィルム材料と活性ガスとの反応熱が大きくなるので、レーザー光の照射による凹凸の加工効率がさらに向上する。
本発明における凹凸付与工程で使用される凹凸付与装置の具体例の一例を示す概略構成図である。 本発明における凹凸付与工程の一実施形態を上から見たときの概略構成図である。 レーザー光による凹凸形成の原理を説明するための模式図である。 本発明における凹凸付与工程の一実施形態を横から見たときの概略構成図である。 (A)および(B)は共に搬送ロールのラップ角度を説明するための概略断面図である。 (A)および(B)は共にレーザー光を照射するフィルム面を説明するための概略断面図である。 溶液流延法において本発明の凹凸付与工程を行うフィルム製造装置の一例を示す概略構成図である。 溶融流延法において本発明の凹凸付与工程を行うフィルム製造装置の一例を示す概略構成図である。
(フィルムの製造方法)
本発明に係るフィルムの製造方法は、搬送されるポリマーフィルム(以下、単に「フィルム」ということがある)にレーザー光を照射することによって、凹凸を付与する凹凸付与工程を有するものである。
以下、図面を用いて、凹凸付与工程について詳しく説明する。
本発明において凹凸付与工程では、搬送されるフィルムにおける幅手方向の両端部のうちの少なくとも一方のフィルム端部にレーザー光を照射しながら、フィルムにおけるレーザー光照射部に気体を吹き付ける。レーザー光照射部に気体を吹き付けないと、レーザー光の照射により発生する粉塵や蒸発気体にレーザー光が吸収されたり、フィルムが振動したりするので、十分な高低差のある凹凸が形成されない。
本工程で使用される凹凸付与装置1の具体例の一例を図1に示し、凹凸付与工程の一実施形態を上から見たときの概略構成図を図2に示す。凹凸付与装置1は、図1に示すように、少なくともレーザー光照射装置2および気体供給管4を有しており、レーザー光照射装置2によりレーザー光3を照射しながら、気体供給管4からレーザー光照射部への気体5の吹き付けを行う。レーザー光はフィルムに対して斜めから照射してもよい。そのようなレーザー光の照射は、図2に示すように、搬送されるフィルム10の幅手方向(TD方向)の両端部に対して行ってもよいし、または一方の端部に対して行ってもよい。図1,2中、MDとは搬送方向を示す。これによって、レーザー光照射部周辺の盛り上がり部7を比較的大きくすることができ、結果として十分な高低差のある凹凸を形成できる。
レーザー光の強度分布は図3(A)に示すようなガウス型であり、中心部Aはレーザー強度が比較的強く、フィルム材料が蒸発するが、周辺部Bは強度が比較的弱いため、フィルム材料は融解状態に留まる。そのため、中心部Aの蒸発の反作用で、周辺部Bの融解領域が押しやられ、盛り上がり部7が形成されると考えられる。
本工程においてフィルムにおける幅手方向(TD)の少なくとも一方の端部に形成される凹凸はいわゆるエンボスであり、MD方向について断続的に形成されていてもよいし、または連続的に形成されていてもよい。凹凸形成部(エンボス部)におけるMD方向に対する垂直断面の一例を図3(B)に示す。凹部の幅(TD方向長さ)wは特に制限されるものではなく、例えば、フィルムの搬送性とフィルムにおける非凹凸領域の有効利用の観点からは5〜50mmであることが好ましく、10〜40mmであることがより好ましい。本工程直後における盛り上がり部(凸部)7のフィルム表面からの高さhは特に制限されるものではなく、例えば、フィルムの搬送性の観点からは100〜20μmであることが好ましく、80〜30μmであることがより好ましい。
フィルム10の少なくとも一方の端部に形成される凹凸は、図3(B)において、MD方向に1条で形成されているが、2条以上で形成されてもよい。また凹凸形成部において凹部はMD方向に一様な断面形状を有していてよいが、凹部内におけるMD方向の任意の位置に、フィルムを表裏方向で貫通する孔を有していても良い。これによって、搬送ローラとフィルムとの間に空気が介在することが抑制され、搬送性がさらに向上する。
本発明において凹凸付与工程はフィルムにおける一方の面に対して行われてもよいし、または両方の面に対して行われてもよい。
レーザー光照射装置2は、フィルムに対してレーザー光を照射することによって、凹凸を付与できるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、COレーザー光照射装置やYAGレーザー光照射装置等が挙げられる。また、レーザー光照射方向に垂直な方向の断面形状が円形となるレーザー光を照射すことができるものが好ましく、レーザー光照射方向前方に焦点を設けて、この焦点に向けて前記円形の径を縮径させてレーザー光を照射し得るもの等が好ましく用いられる。このレーザー光を集光させる手段としては、特に限定されるものではなく、例えば、レンズ、プリズム、ミラーなどによる一般に用いられている手段をあげることができる。また、前記レーザー光照射装置は、エンボス模様の自由度の観点から、フィルムの搬送中に、レーザー光の照射位置を移動させることができるものが好ましい。
レーザー加工時の加工温度としては、凹凸を形成できれば、特に制限されない。具体的には、例えば、10〜150℃程度であることが好ましい。本工程直後の盛り上がり部(凸部)7の高さを高くするためには、40〜150℃程度の高温にすることが好ましい。10〜40℃程度の加工温度で充分な高さの凸部が形成されるのであれば、この温度範囲であることが、レーザー光照射装置の駆動性の点から好ましい。
レーザー光照射装置はフィルムの一端部あたり1台だけ使用されてもよい。レーザー光照射装置を一端部あたり1台で使用する場合、レーザー光の径を調節することによって、形成される凹凸の幅(幅手方向長さ)を制御できる。また、レーザー光をミラー等によって様々な角度に反射させることによっても、形成される凹凸の幅(幅手方向長さ)を制御できる。従来では、レーザー光による凹凸の加工効率が比較的低いために、レーザー光照射装置を一端部あたり1台で使用すると、搬送速度が高くなった場合、例えば40m/分以上の場合に対応できなくなる。本発明においては、レーザー光による凹凸の加工効率が比較的高いために、レーザー光照射装置を一端部あたり1台で使用しても、搬送速度が高くなった場合でも十分に対応できる。レーザー光照射装置を1台で使用する場合、装置の照射出力を調整して、凹部の深さを制御することができる。
本発明は一端部あたり2台以上のレーザー光照射装置を使用してもよい。これによってレーザー光出力を高めることができる。その場合、2台以上のレーザー光照射装置はフィルムのTD方向またはMD方向に並ぶように使用され、レーザー光照射装置の設置台数によって、形成される凹凸の幅(幅手方向長さ)を制御できる。2台以上のレーザー光照射装置の焦点を1ヶ所に集めたり、各装置の照射出力を調整したりして、凹部の深さを制御することもできる。
レーザー光照射装置を一端部あたり1台で使用する場合、または2台以上で使用する場合、当該各装置の照射出力は特に制限されず、通常は10〜30W、好ましくは30〜120Wである。
本発明は、凹凸付与工程において、レーザー光の照射出力を高めて比較的深い凹部を形成することによって、レーザー光照射部の外側を切断することを妨げるものではない。
レーザー光3を照射しながら行われる気体5の吹き付けは気体供給管4によって達成され、通常は当該気体供給管4から圧縮気体を噴出させることによって達成される。
気体5は、例えば、大気;酸素等の活性ガス;またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガスが使用される。フィルムの製造コストの観点から好ましい気体5は大気である。レーザー光の照射による凹凸の加工効率をより一層、向上させ、しかも凹凸部の物性を変化させる観点から好ましい気体5は酸素等の活性ガスである。酸素等の活性ガスを用いることによって、凹凸部の、例えば、弾性率が高くなるため、フィルム全体の搬送ローラに対する摩擦係数が上昇する。その結果、フィルムの搬送性が向上する。
気体5の吹き付け方向は、レーザー光照射部で後述の風速・風量が達成される限り特に制限されず、通常は気体5は、フィルムにおけるレーザー光照射部の周辺から当該照射部に向けて吹き付けられる。フィルム振動を抑制し、レーザー光の照射による凹凸の加工効率をより一層、向上させる観点からは、気体5は図1に示すように、照射部におけるMD方向上流側から、その下流側の照射部に向けて吹き付けられることが好ましい。
気体5の吹き付け角度αは特に制限されず、フィルム振動を抑制し、レーザー光の照射による凹凸の加工効率をより一層、向上させる観点からは、10〜80、特に30〜70が好ましい。
フィルムにおけるレーザー光照射部での風速は通常、2〜30m/sec、特に5〜20m/secが好ましい。風速が小さすぎると、レーザー光の照射により発生する粉塵や蒸発気体が有効に除去されず、レーザー光がそのような粉塵や蒸発気体に吸収されるので、十分な高低差のある凹凸が形成されない。風速が大きすぎると、フィルム振動が激しくなるので、十分な高低差のある凹凸が形成されない。後で詳述するように吸引を行う場合においても、レーザー光照射部での風速は上記範囲内であることが好ましい。
フィルムにおけるレーザー光照射部での風速は、当該照射部におけるフィルム表面から高さ5mmの位置での風速であり、ハイブリッド風速計(日吉電機製作所社製)によって測定できる。
本工程では、レーザー光3の照射によって発生した粉塵を吸引により回収することが好ましい。すなわち、レーザー光照射装置2によりレーザー光3を照射しながら、気体供給管4からレーザー光照射部への気体5の吹き付け、および気体吸引管6による粉塵や蒸発気体(本明細書中、「粉塵等」という)の回収を同時に行うことが好ましい。これによって、レーザー光の照射による凹凸の加工効率をより一層、向上させることができ、粉塵のフィルム表面への付着を防止できる。
レーザー光3の照射、気体5の吹き付けおよび粉塵等の回収を同時に行う凹凸付与装置1'の具体例の一例を図4に示す。凹凸付与装置1'は、図4に示すように、少なくともレーザー光照射装置2、気体供給管4および気体吸引管6を有しており、本体部8において気体供給管4と気体吸引管6とが一体化されている。
図4におけるレーザー光照射装置2、レーザー光3、気体供給管4および気体5は、図1においてと同様である。
気体吸引管6における吸引口60での風速は加工に伴う粉塵等回収とフィルムばたつきの観点から、3〜40m/sec、特に10〜30m/secが好ましい。
吸引口での風速は、ハイブリッド風速計(日吉電機製作所社製)によって測定できる。
本発明において、吸引口での風量は、照射部での吹き付け気体単独の風量よりも大きいことが好ましい。粉塵等がより一層有効に回収されるためである。それらの風量の差は0.5m/分以上、特に2.5m/分以上が好ましい。
照射部での吹き付け気体単独の風量は、吸引を行うことなく、気体5を吹き付けたときの照射部での風量である。
本発明においては、図4に示すように、レーザー光照射部のMD方向における上流側および下流側で支持手段9(9a,9b)によってフィルム10を支持しながら、前記凹凸付与工程を行うことが好ましい。フィルムの振動を抑制できるためである。
レーザー光照射部から上流側の支持手段9aまでの距離xおよびレーザー光照射部から下流側の支持手段9bまでの距離xはそれぞれ独立して100cm以下、特に60cm以下であることが、フィルム振動のさらなる抑制の観点から好ましい。
支持手段9は、フィルム10を搬送しながらも、支持可能な部材であればよく、通常は図4に示すような搬送ロール9a,9bが使用される。
上流側搬送ロール9aおよび下流側搬送ロール9bのラップ角度はそれぞれ独立して通常は30°〜180°であり、好ましくは60〜120°である。
ラップ角度とは、搬送ロール9の軸方向に対する垂直断面において当該搬送ロール9とフィルム10とが接触する領域を、搬送ロール9の軸を中心として表した角度である。例えば、図5(A)においてラップ角度はβであり、約90°である。また例えば、図5(B)においてラップ角度はβであり、約180°である。
図4において、上流側搬送ロール9aおよび下流側搬送ロール9bの両方と接触するフィルム面とは反対の面に対してレーザー光が照射されているが、これに制限されるものではなく、例えば、図6(A)に示すように上流側搬送ロール9aおよび下流側搬送ロール9bの両方と接触するフィルム面に対してレーザー光が照射されてもよいし、または図6(B)に示すように一方の搬送ロール(9b)のみと接触するフィルム面に対してレーザー光が照射されてもよい。フィルム振動の抑制の観点からは、上流側搬送ロール9aおよび下流側搬送ロール9bのうち、少なくともレーザー光照射部との距離が最短の搬送ロール、好ましくは両方の搬送ロール9a,9bと接触するフィルム面とは反対の面に対してレーザー光を照射することが望ましい。
凹凸形成工程におけるフィルム10の搬送速度は特に制限されるものではなく、好ましくは40m/分以上、特に70〜120m/分である。そのような比較的高速度であっても、十分な高低差のある凹凸を有効に形成できるためである。
本発明において前記凹凸形成工程に使用されるポリマーフィルム10は特に制限されず、例えば、光学フィルムの分野で従来より使用されている公知の樹脂からなるフィルムが使用可能である。具体的には、セルロース樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネイト、ノルボルネン等が挙げられる。好ましくはセルロース樹脂からなるフィルムが使用される。
セルロース樹脂は、セルロースエステルの構造を有するものであり、具体例として、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、及びセルロースフタレート等が挙げられる。これらの中で特に好ましいセルロース樹脂として、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートが挙げられる。セルロース樹脂は1種を単独で使用してもよいし、または2種以上組み合わせて使用してもよい。
フィルムのTg(ガラス転移温度)は、加工しやすさの観点から、100〜400℃、特に120〜350℃であることが好ましい。
フィルム10には紫外線吸収剤、可塑剤等の添加剤が含有されていてもよい。
フィルムの厚みは本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常は10〜150μm、好ましくは20〜80μmである。
フィルム10は公知のいかなる方法によって製造されてよく、例えば、いわゆる溶液流延法や溶融流延法等によって製造可能である。
フィルム10は延伸処理されていてよく、例えば、搬送方向および幅手方向それぞれの方向で1.01〜5倍に延伸させたものを使用してもよい。
フィルム10は上記樹脂からなる単層構造を有していてもよいし、または上記樹脂からなる基材層上に、当該基材層とは異なる樹脂からなる表面層を形成してなる多層構造を有していてもよい。
本発明において凹凸付与工程に使用されるフィルム10は、いわゆる溶液流延法や溶融流延法等の従来から既知のフィルムの製造方法における製造途中のものであってもよいし、または従来から既知のフィルムの製造方法における最終製品としてのフィルムであってもよい。
フィルムが従来から既知の光学フィルムの製造方法における製造途中のものである場合、本発明で実施される凹凸付与工程は、対象としてのフィルムがフィルム形態を有する限り、従来から既知のフィルムの製造方法において、いかなる工程間において実施されてもよい。特に、凹凸付与工程に供されるフィルムが溶液流延法の製造途中のものである場合において、凹凸付与工程に供されるフィルムは、残留溶媒量が1〜60%、特に5〜30%であることが好ましい。残留溶媒量とは、下記式;
(溶媒量/フィルム質量)×100
によって算出される値である。
例えば、いわゆる流延工程、第1乾燥工程、剥離工程、延伸工程、第2乾燥工程および巻き取り工程を含む溶液流延法が採用される場合、凹凸付与工程は、剥離工程−延伸工程間で実施されてもよいし、延伸工程−第2乾燥工程間で実施されてもよいし、または第2乾燥工程−巻き取り工程間で実施されてもよい。
凹凸付与工程を溶液流延法における延伸工程−第2乾燥工程間で実施する場合におけるフィルム製造装置の具体例の一例を図7に示す。
図7は、溶液流延法によるフィルムの製造装置11の基本的な構成を示す概略図である。フィルムの製造装置11は、無端ベルト支持体12、流延ダイ13、剥離ローラ14、延伸装置15、凹凸形成装置1、乾燥装置17及び巻取装置18等を備える。流延ダイ13は、所定の樹脂を溶解した樹脂溶液(ドープ)19を無端ベルト支持体12の表面上に流延する。無端ベルト支持体12は、流延ダイ13から流延されたドープ19からなるウェブを形成し、搬送させながら乾燥させることによってフィルムとする。剥離ローラ14は、フィルムを無端ベルト支持体12から剥離する。延伸装置15は、剥離されたフィルムを延伸する。凹凸形成装置1は前記した凹凸形成装置1と同様のものであって、凹凸形成装置1'であってもよい。凹凸形成装置1(1')は、延伸されたフィルムの少なくとも一方の端部に凹凸(エンボス)を形成する。乾燥装置17は、凹凸が形成されたフィルムを搬送ローラで搬送させながら、乾燥させる。巻取装置18は、乾燥したフィルムを巻き取って、フィルムロールとする。
また例えば、いわゆる流延工程、冷却工程、剥離工程、延伸工程および巻き取り工程を含む溶融流延法が採用される場合、凹凸付与工程は、剥離工程−延伸工程間で実施されてもよいし、または延伸工程−巻き取り工程間で実施されてもよい。
凹凸付与工程を溶融流延法における剥離工程−延伸工程間で実施する場合におけるフィルム製造装置の具体例の一例を図8に示す。
図8は、溶融流延製膜法によるフィルムの製造装置21の基本的な構成を示す概略図である。フィルムの製造装置21は、第1冷却ローラ22、流延ダイ23、タッチローラ24、第2冷却ローラ25、第3冷却ローラ26、剥離ローラ27、凹凸付与装置1、搬送ローラ29、延伸装置30、及び巻取装置31等を備える。前記流延ダイ23は、所定の樹脂を溶融させた樹脂溶融液(ドープ)を第1冷却ローラ22の表面上に流延する。第1冷却ローラ22は、流延ダイ23から流延されたドープからなる流延膜を形成し、搬送させながら冷却させ、流延膜を第2冷却ローラ25に搬送する。その際、第1冷却ローラ22に外接されて設けられるタッチローラ24によって、流延膜の厚さの調整や表面の平滑化がなされる。そして、第2冷却ローラ25は、流延膜を搬送させながら冷却させ、流延膜を第3冷却ローラ26に搬送する。そうすることによって、流延膜をフィルムとする。剥離ローラ27は、フィルムを第3冷却ローラ26から剥離する。凹凸形成装置1は前記した凹凸形成装置1と同様のものであって、凹凸形成装置1'であってもよい。凹凸形成装置1(1')は、剥離されたフィルムの少なくとも一方の端部に凹凸(エンボス)を形成する。搬送ローラ29は、凹凸が形成されたフィルムを搬送しながら、MD方向に延伸する。延伸装置30は、フィルムをTD方向に延伸する。巻取装置31は、冷却固化されたフィルムを巻き取って、フィルムロールとする。
本発明の方法で製造されたフィルムはいかなる用途に使用されてよく、特に、液晶の偏光板保護フィルム等の光学フィルムとしての使用に適している。
(ドープの調製)
まず、メチレンクロライド400質量部及びエタノール45質量部を入れた溶解タンクに、透明性樹脂としてセルロースアセテートプロピオーネ樹脂(アセチル基置換度:1.5、プロピオニル基置換度:1.0、総アシル基置換度:2.5、Tg150℃)100質量部を添加し、さらに、トリフェニルホスフェート5.5質量部及びエチルフタリルエチルグリコール5.5質量部を添加した。そして、液温が80℃になるまで昇温させた後、3時間攪拌した。そうすることによって、セルロースアセテートプロピオーネ樹脂溶液が得られた。その後、攪拌を終了し、液温が43℃になるまで放置した。そして、得られた樹脂溶液を、濾過精度0.005mmの濾紙を使用して濾過した。濾過後の樹脂溶液を一晩放置することにより、樹脂溶液中の気泡を脱泡させた。このようにして得られた樹脂溶液を、ドープとして使用して、以下のように、フィルム(セルロースアセテートプロピオネートフィルム)を製造した。
(セルロースアセテートプロピオネートフィルムの製造)
まず、得られたドープの温度を35℃に、無端ベルト支持体の温度を25℃に調整した。次いで、図7に示すような光学フィルムの製造装置を用いて光学フィルムを製造した。
詳しくは、流延ダイ13から搬送速度60m/分の無端ベルト支持体12にドープ19を流延した。そうすることによって、無端ベルト支持体上にウェブを形成し、乾燥させながら搬送した。
無端ベルト支持体から剥離ローラ14によりウェブをフィルムとして剥離し、剥離したフィルムを延伸装置(テンター)15を用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら延伸した。
そして、クリップで把持されていた領域を切断し(図示せず)、フィルム幅を1500mmとした。このとき、フィルムの厚みは48μm、残留溶媒量は5%であった。
次いで、凹凸付与装置1'によりフィルム両端部にレーザー光3を照射しながら、レーザー光照射部に気体5を吹き付けた。具体的には、図4に示すように、一端部あたり1台のレーザー光照射装置2によりフィルム両端部にレーザー光3を照射しながら、気体供給管4からレーザー光照射部への気体5の吹き付け、および気体吸引管6による粉塵等の回収を行った。各種条件を表1に示した。レーザー光照射装置からの照射出力は30Wであり、0.1秒間毎に断続的にレーザー光を照射し、フィルム両端部に、凹部の幅30mm、搬送方向長さ2mmのエンボス部を搬送方向で断続的に形成した。フィルムにおけるレーザー光照射部から上流側搬送ロール9aまでの距離xおよびレーザー光照射部から下流側搬送ロール9bまでの距離xは共に200mmであった。上流側搬送ロール9aのラップ角度および下流側搬送ロール9bのラップ角度は共に90°であった。レーザー光照射装置2の照射口からフィルムまでの距離は300mmであった。本工程における搬送速度は60m/分であった。フィルム両端部での気体5の吹き付け角度αは共に45°であった。
その後、両端部に凹凸が付与されたフィルムを、120℃に加熱した乾燥装置17内の搬送ローラで搬送した後、4000m長で巻き取った。
得られたフィルムのエンボス部における盛り上がり部(凸部)のフィルム表面からの高さを測定した。
フィルムの凹凸付与面を目視観察し、粉塵の付着状況について評価した。
Figure 2010194804
1:凹凸付与装置、2:レーザー光照射装置、3:レーザー光、4:気体供給管、5:吹き付け気体、6:気体吸引管、9a:上流側搬送ロール、9b:下流側搬送ロール。

Claims (13)

  1. 搬送されるポリマーフィルムにレーザー光を照射しながら、ポリマーフィルムにおけるレーザー光照射部に気体を吹き付けて、該レーザー光照射部に凹凸を付与する凹凸付与工程を有することを特徴とするフィルムの製造方法。
  2. 前記レーザー光照射部は、前記ポリマーフィルムにおける幅手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム製造方法。
  3. レーザー光照射部での風速が2〜30m/secであることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム製造方法。
  4. 気体が大気、活性ガスまたは不活性ガスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
  5. レーザー光の照射によって発生した粉塵を吸引により回収することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
  6. 吸引口での風速が3〜40m/secであることを特徴とする請求項5に記載のフィルムの製造方法。
  7. 吸引口での風量が、照射部での吹き付け気体単独の風量よりも大きいことを特徴とする請求項5または6に記載のフィルム製造方法。
  8. レーザー光照射部の搬送方向における上流側および下流側で支持手段によってポリマーフィルムを支持しながら、前記凹凸付与工程を行う請求項1〜7のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
  9. レーザー光照射部から上流側の支持手段までの距離およびレーザー光照射部から下流側の支持手段までの距離がそれぞれ独立して100cm以下であることを特徴とする請求項8に記載のフィルムの製造方法。
  10. 支持手段が搬送ロールである請求項8または9に記載のフィルムの製造方法。
  11. 上流側搬送ロールおよび下流側搬送ロールのラップ角度がそれぞれ独立して30°〜180°であることを特徴とする請求項10に記載のフィルムの製造方法。
  12. 上流側搬送ロールおよび下流側搬送ロールのうち、少なくとも前記レーザー光照射部との距離が最短の搬送ロールと接触するポリマーフィルム面とは反対の面に対してレーザー光を照射することを特徴とする請求項10または11に記載のフィルムの製造方法。
  13. 光学フィルムを製造することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
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