JP2010193778A - シュレッドチーズの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、シュレッド不良を低減して収量増が図れ、チーズ熟成時の風味や香りが良好なシュレッドチーズの製造方法を提供する。
【解決手段】
調乳液に乳酸菌スターターを接種し、発酵させ、カードを形成させてチーズブロックを形成し、その後熟成させたチーズブロックをシュレッドするシュレッドチーズの製造方法において、調乳液の脂肪/蛋白質比を0.9〜1.0に調整し、乳酸菌スターターが少なくともヘテロ発酵型乳酸菌を含み、チーズブロックの熟成が5〜10℃、かつ6〜20週で行われる、ことを含むシュレッドチーズの製造方法。
【選択図】 図1
本発明は、シュレッド不良を低減して収量増が図れ、チーズ熟成時の風味や香りが良好なシュレッドチーズの製造方法を提供する。
【解決手段】
調乳液に乳酸菌スターターを接種し、発酵させ、カードを形成させてチーズブロックを形成し、その後熟成させたチーズブロックをシュレッドするシュレッドチーズの製造方法において、調乳液の脂肪/蛋白質比を0.9〜1.0に調整し、乳酸菌スターターが少なくともヘテロ発酵型乳酸菌を含み、チーズブロックの熟成が5〜10℃、かつ6〜20週で行われる、ことを含むシュレッドチーズの製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、風味が良好なシュレッドに適したチーズの製造方法に関する。
シュレッドチーズは、主に家庭で調理が可能な広範囲の製品に用いられ、消費者に利便性を与えるという理由から、全チーズ市場の中でも成長著しいチーズとなっている。例えば、シュレッドチーズは、ピザやサラダ等、若しくはスナック製品におけるトッピングや原材料など、家庭用、業務用のいずれの分野でも広く利用されている。
このような、シュレッドチーズの製造に用いられるナチュラルチーズは、一般的には以下の方法で製造されている。すなわち、原料乳を殺菌し、冷却し、乳酸菌等を含むスターターを接種し、所定の酸度に達した後、レンネットを添加して均一に混合し、静置してカードを形成させ、形成したカードをさいの目に細切(カッティング)し、加温(クッキング)し、ホエイを排除して、カードを密にし、各チーズの大きさにて熟成するという工程で行われており、基本的な工程はほとんど共通である。カード形成後の工程の違いによって種々のチーズができ、例えば、チェダーチーズの製造では、密になったカードをブロックに切断し、堆積、反転するチェダリングという操作が行われている。
チーズの製造において、チーズ独特のフレーバーを形成して、風味に大きく影響するもののひとつとして、乳酸菌スターターが関与するとされている。
乳酸菌スターターには糖の発酵形式によって、ホモ型発酵乳酸菌及びヘテロ型発酵乳酸菌に分類されている。なかでも、ヘテロ発酵型乳酸菌は、糖を発酵させて乳酸だけを作るホモ型発酵乳酸菌とは異なり、乳酸以外に他の代謝産物(アルコール、炭酸ガス)を作る乳酸菌であり、ロイコノストック(Leuconostoc)属の乳酸菌がヘテロ発酵型乳酸菌に分類される。例えば、 Leuconostoc mesenteroides subsp. cremorisは酸生成を行わず、チーズ熟成時の風味や香りの形成に寄与することから、チーズのスターターとして一般に利用されている(例えば、非特許文献1)。
乳酸菌スターターには糖の発酵形式によって、ホモ型発酵乳酸菌及びヘテロ型発酵乳酸菌に分類されている。なかでも、ヘテロ発酵型乳酸菌は、糖を発酵させて乳酸だけを作るホモ型発酵乳酸菌とは異なり、乳酸以外に他の代謝産物(アルコール、炭酸ガス)を作る乳酸菌であり、ロイコノストック(Leuconostoc)属の乳酸菌がヘテロ発酵型乳酸菌に分類される。例えば、 Leuconostoc mesenteroides subsp. cremorisは酸生成を行わず、チーズ熟成時の風味や香りの形成に寄与することから、チーズのスターターとして一般に利用されている(例えば、非特許文献1)。
「現代チーズ学」、斉藤忠夫、堂迫俊一、井越敬司編、食品資材研究会発行、2008年、第93〜107頁
シュレッドのチーズを製造する上で、乳酸菌スターターにLeuconostoc cremoris等のヘテロ発酵型乳酸菌を使用した場合、風味形成の上では好適であった。
しかしながら、熟成段階で発生する炭酸ガスがチーズの内層に微細なガス孔(チーズアイ)を形成し、チーズをシュレッドする際に、所定の長さや形状の条件に満たないチーズ細片が生じる恐れや、シュレッダーの刃や装置内部にチーズが残存してしまう恐れがあり、十分なシュレッド適性が得られない等の課題が判明した。
本発明者らは、前述のような、乳酸菌スターターにヘテロ発酵型乳酸菌を使用した場合のシュレッドチーズの製造時において、シュレッド不良が発生するという課題を解決するために鋭意検討した結果、チーズ製造時の調乳液の脂肪/蛋白質比を調整し、かつカード形成後の熟成段階における特定の温度・時間の条件を組み合わせることによって、チーズの内層が均一となり、かつ風味が良好なシュレッドチーズを製造することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題を解決する本発明は、
1)調乳液を調製する工程、2)調製した調乳液を殺菌する工程、3)殺菌した調乳液を冷却する工程、4)冷却した調乳液に乳酸菌スターターを接種する工程、5)乳酸菌スターターを接種した調乳液を発酵させる工程、6)発酵させた調乳液にレンネットを添加してカードを形成させる工程、7)形成したカードからホエイを排除する工程、8)ホエイを排除したカードを密にしてチーズブロックを形成させる工程、9)形成したチーズブロックを熟成させる工程、10)熟成したチーズブロックをシュレッドしてシュレッドチーズを製造する工程、からなるシュレッドチーズの製造方法において、前記、
1)調乳液を調製する工程が、脂肪/蛋白質比を0.9〜1.0に調整する工程を含むこと、
4)乳酸菌スターターを接種する工程が、少なくともヘテロ発酵型乳酸菌を含む乳酸菌スターターを接種する工程を含むこと、及び
9)形成したチーズブロックを熟成させる工程が、5〜10℃、かつ6〜20週の範囲でチーズブロックを熟成させる工程を含むこと、
を特徴とするシュレッドチーズの製造方法であって、ヘテロ発酵型乳酸菌がロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌であることを好ましい態様としている。
1)調乳液を調製する工程、2)調製した調乳液を殺菌する工程、3)殺菌した調乳液を冷却する工程、4)冷却した調乳液に乳酸菌スターターを接種する工程、5)乳酸菌スターターを接種した調乳液を発酵させる工程、6)発酵させた調乳液にレンネットを添加してカードを形成させる工程、7)形成したカードからホエイを排除する工程、8)ホエイを排除したカードを密にしてチーズブロックを形成させる工程、9)形成したチーズブロックを熟成させる工程、10)熟成したチーズブロックをシュレッドしてシュレッドチーズを製造する工程、からなるシュレッドチーズの製造方法において、前記、
1)調乳液を調製する工程が、脂肪/蛋白質比を0.9〜1.0に調整する工程を含むこと、
4)乳酸菌スターターを接種する工程が、少なくともヘテロ発酵型乳酸菌を含む乳酸菌スターターを接種する工程を含むこと、及び
9)形成したチーズブロックを熟成させる工程が、5〜10℃、かつ6〜20週の範囲でチーズブロックを熟成させる工程を含むこと、
を特徴とするシュレッドチーズの製造方法であって、ヘテロ発酵型乳酸菌がロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌であることを好ましい態様としている。
本発明はシュレッドチーズの製造方法に関するものであり、本発明によれば、ヘテロ発酵型乳酸菌を乳酸菌スターターに使用しているのにもかかわらず、チーズの内層にガス孔の発生を抑えた均一なチーズを製造することができるのあって、これにより、シュレッド不良を低減して収量増を図れるのである。そして、チーズ熟成時の風味や香りが良好なシュレッドチーズを製造することが可能である。
次に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
[シュレッドチーズの製造]
本発明において、シュレッドチーズに用いられるナチュラルチーズの製造は、常法により行われる。
図1に、本発明によるシュレッドチーズに用いられるチェダーチーズの製造のフローチャートを示す。以下に、チェダーチーズの製造を具体例として、本発明のシュレッドチーズの製造方法を説明するが、本発明は下記具体例に限定されない。
本発明において、シュレッドチーズに用いられるナチュラルチーズの製造は、常法により行われる。
図1に、本発明によるシュレッドチーズに用いられるチェダーチーズの製造のフローチャートを示す。以下に、チェダーチーズの製造を具体例として、本発明のシュレッドチーズの製造方法を説明するが、本発明は下記具体例に限定されない。
(1)殺菌
原料乳の殺菌方法としては、一般に、LTLT法(低温保持殺菌法;63〜65℃で少なくとも30分保持)、HTST法(高温短時間殺菌法;72〜75℃で15秒以上保持)、UHT法(超高温加熱処理法;120〜150℃で1〜5秒保持)等が知られているが、ホエイ蛋白質は、乳蛋白質の中で最も熱感受性の高い成分の1つであり、例えば、原料乳を80℃、15秒の加熱処理条件で殺菌した場合、原料乳の全ホエイ蛋白質の約30%が熱変性してしまう。
この熱変性したホエイ蛋白質が原因となって、ナチュラルチーズ製造時のカード形成に悪影響を与え、完成品のナチュラルチーズがもろくなると考えられる。したがって、殺菌は、ホエイ蛋白質が熱変性しないように加熱温度及び加熱時間等の加熱処理条件を調節して行い、好ましくはHTST法により、例えば75℃、20秒以下の加熱処理条件で行うことが好ましい。
原料乳の殺菌方法としては、一般に、LTLT法(低温保持殺菌法;63〜65℃で少なくとも30分保持)、HTST法(高温短時間殺菌法;72〜75℃で15秒以上保持)、UHT法(超高温加熱処理法;120〜150℃で1〜5秒保持)等が知られているが、ホエイ蛋白質は、乳蛋白質の中で最も熱感受性の高い成分の1つであり、例えば、原料乳を80℃、15秒の加熱処理条件で殺菌した場合、原料乳の全ホエイ蛋白質の約30%が熱変性してしまう。
この熱変性したホエイ蛋白質が原因となって、ナチュラルチーズ製造時のカード形成に悪影響を与え、完成品のナチュラルチーズがもろくなると考えられる。したがって、殺菌は、ホエイ蛋白質が熱変性しないように加熱温度及び加熱時間等の加熱処理条件を調節して行い、好ましくはHTST法により、例えば75℃、20秒以下の加熱処理条件で行うことが好ましい。
(2)調乳工程
調乳工程では、まず、良質の原料乳をそのまま使用するか、セパレーター等により脂肪分離するか、又は、脱脂乳等を加えることなどによって脂肪率を調整した原料乳を殺菌し、約31℃に冷却して使用する。
本発明の調乳工程においては、原料乳をそのまま使用し、セパレーターによる脂肪分離にて脂肪/蛋白質比が0.9〜1.0に調整することが好ましく、0.95〜0.97がより好ましく、0.96に調整することが特に好ましい。これにより、シュレッドチーズを製造後に早期にシュレッドが可能(熟成期間の短縮が可能)となるとともに、シュレッド適性も向上するものである。
チェダーチーズの製造は、前記調乳工程(2)以降は、常法により、例えば以下のようにして行うことができる。
調乳工程では、まず、良質の原料乳をそのまま使用するか、セパレーター等により脂肪分離するか、又は、脱脂乳等を加えることなどによって脂肪率を調整した原料乳を殺菌し、約31℃に冷却して使用する。
本発明の調乳工程においては、原料乳をそのまま使用し、セパレーターによる脂肪分離にて脂肪/蛋白質比が0.9〜1.0に調整することが好ましく、0.95〜0.97がより好ましく、0.96に調整することが特に好ましい。これにより、シュレッドチーズを製造後に早期にシュレッドが可能(熟成期間の短縮が可能)となるとともに、シュレッド適性も向上するものである。
チェダーチーズの製造は、前記調乳工程(2)以降は、常法により、例えば以下のようにして行うことができる。
(3)得られた調乳液を約31℃に温度調整し、乳酸菌スターター及び塩化カルシウムを所定量添加し、均一に混合する。
ここで、添加される乳酸菌スターターとしては、少なくとも、ヘテロ発酵型乳酸菌を使用することが好ましく、中でもロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌であることが好ましく、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris等を使用することが好ましい。なお、ヘテロ発酵型乳酸菌の他に、ホモ発酵型乳酸菌を乳酸菌スターターとして使用することができる。ホモ発酵型乳酸菌としては、例えば、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. diacetylactis等を例示することができる。
ここで、添加される乳酸菌スターターとしては、少なくとも、ヘテロ発酵型乳酸菌を使用することが好ましく、中でもロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌であることが好ましく、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris等を使用することが好ましい。なお、ヘテロ発酵型乳酸菌の他に、ホモ発酵型乳酸菌を乳酸菌スターターとして使用することができる。ホモ発酵型乳酸菌としては、例えば、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. diacetylactis等を例示することができる。
(4)乳酸菌スターター添加後、調乳液を約31℃で約1時間発酵させる。
(5)発酵後、所定の酸度に達した調乳液にレンネットを所定量(20〜40分程度で凝乳する程度)添加して均一に混合し、調乳液を凝固させてカードを形成させる。
(6)得られたカードを所定の大きさ(例えば、1.0cmの立方体)にカッティングする。
(7)カッティング完了後、カードを約31℃から徐々に加熱し、約40分間で38〜40℃程度にする(クッキング)。その後、温度を維持しながら一定時間撹拌を続ける。
(8)ホエイ排出を行う(ホエイオフ)。この際、カードは、ホエイ排出を促進するため、バットの一方の端に寄せ集める。カッティングしたカードは、ホエイ排出まで、十分に撹拌する。
(9)次に、ある程度堆積させたカードにチェダリングを行う。密になったカードをいくつかのブロックに切断し、カードを保温しながら反転して60分間堆積する。
(10)堆積させたカードを、親指大の大きさにカットする(ミリング)。
(11)カード質量の約2.5%の食塩をカードにふりかけて混和する(ソルティング)。混和後、カードをバットの一方の端に寄せ、約20分間ホエイ排出を行う。
(12)カードをモールドに移し、圧力をかけて圧搾を行う。1.0×105Paから開始し、2.0×105Paまで、10分毎に0.5×105Paずつ加圧する。その後、一旦モールドよりカードを取り出し、整粧後反転し、2.5×105Paで加圧後、チーズブロックを得る。
(13)得られたチーズブロックは、バリア性のあるフィルムで真空包装を行い、所定の温度条件で所定の期間熟成を行う。本発明における熟成は、5〜10℃で6〜20週間行うことが好ましく、特に5〜8℃で8〜16週間行うことが特に好ましい。これにより、チーズの内層にガス孔の発生を抑えた均一なシュレッドチーズを製造することが可能であり、シュレッド不良を低減して収量増を図れるのである。また、前記のような熟成条件であっても、風味や香りが良好なシュレッドチーズを製造することが可能である。
(14)熟成後のチーズブロックは、所定のサイズにシュレッドしてシュレッドチーズを製造することが可能である。なお、シュレッドサイズは、適宜調整することが可能であり、一般用には、4.5〜10mm×30mm、また、細切り用としては、1.0〜2.0mm×60mmのサイズが例示される。
[シュレッド適性試験]
本発明におけるシュレッドチーズのシュレッド適性を検討する試験としては、以下の方法が例示される。具体的には、
本発明におけるシュレッドチーズのシュレッド適性を検討する試験としては、以下の方法が例示される。具体的には、
(1)一定の温度帯で保存していたチーズから、5cm×5cm×10cmのブロックを切り出す。
(2)切り出したブロックの温度が10℃になるように温度調整を行う。
(3)卓上シュレッダーで前記のブロックをシュレッドする。この際、シュレッダーの刃は幅5mm×5列を使用することが好ましい。
(4)シュレッドされて落ちてきたチーズを、目開き4.75mmの篩いにかけ、25回振る。篩いを90度回転させ、更に25回振る。
(5)篩いより落下したもののうち、2.5cm以下のチーズ片の重量を測定し、これをx値とする。
(6)シュレッダー内部に残ったチーズについても、同様に篩いにかけて落下したチーズ片の重量を測定し、これをy値とする。
(7)さらに、シュレッダーの刃に残ったチーズ片の重量を測定し、これをz値とする。
(8)篩いの上に残ったシュレッドチーズの重量を測定し、これをA値とする。
(9)シュレッド効率(%)=A×100/(A+x+y+z)を算出し、シュレッド効率が87%未満を「やや可」、87%以上〜90%未満を「可」とし、90%以上を「良」として評価する。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
原料乳をセパレーターを用いてクリームを分離して脂肪/蛋白質比が0.96となるように調整した調乳液1400kgを調製し、該調乳液を75℃、15秒で殺菌した後、約31℃に冷却した。
[実施例1]
原料乳をセパレーターを用いてクリームを分離して脂肪/蛋白質比が0.96となるように調整した調乳液1400kgを調製し、該調乳液を75℃、15秒で殺菌した後、約31℃に冷却した。
次いで、約31℃に保温した調乳液に、乳酸菌スターター:CHN-19(Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. diacetylactis含有。クリスチャンハンセン社製)、及び塩化カルシウムを添加し、均一に混合して、調乳液を約31℃で約1時間発酵させた。
発酵後、調乳液に液体レンネット(クリスチャンハンセン社製)を160g添加して均一に混合し、調乳液を凝固させてカードを形成させた。
得られたカードをカッティングし、カッティング完了後、約31℃から徐々に加熱し、約40分間で38℃までクッキングした。
その後、堆積を行ってホエイ排出を行い、密になったカードをいくつかのブロックに切断し、さらに30分間堆積した。カードブロックを反転し、引き続き1時間堆積した。次いで、親指大の大きさにカットし、カード質量の約2.5%の食塩をカードにふりかけて混和した。混和後、カードをバットの一方の端に寄せ、約20分間ホエイ排出を行った。
その後、カードをモールドに移し、圧力をかけて圧搾を行った。圧搾の条件は、1.0×105Paから開始し、2.0×105Paまで、10分毎に0.5×105Paずつ加圧し、一旦モールドよりカードを取り出し、整粧後反転し、2.5×105Paで加圧後、チーズブロックを得た。
得られたチーズブロックは、バリア性のあるフィルムで真空包装を行い、5℃で12週間熟成を行って、本発明のシュレッドチーズを製造した。
次に試験例を示して本発明を詳細に説明する。
[試験例1]
熟成条件の異なるシュレッドチーズのシュレッド適性について検討した。
[試験例1]
熟成条件の異なるシュレッドチーズのシュレッド適性について検討した。
(1)試料の調製
実施例1において、熟成条件を5℃又は10℃で4〜24週間の範囲で設定したこと以外は同様の方法にて製造したシュレッドチーズを試験試料に使用した。
実施例1において、熟成条件を5℃又は10℃で4〜24週間の範囲で設定したこと以外は同様の方法にて製造したシュレッドチーズを試験試料に使用した。
(2)試験方法
試験試料について、前記のシュレッド適性試験を行った。またシュレッド適性試験とは別に、同様の試験試料について、官能評価(外観、組織、風味)を実施した。
試験試料について、前記のシュレッド適性試験を行った。またシュレッド適性試験とは別に、同様の試験試料について、官能評価(外観、組織、風味)を実施した。
(3)試験結果
本試験の結果は表1に示すとおりである。その結果、熟成温度が5℃、10℃のいずれの場合も、熟成期間が8〜16週であるとき、シュレッド効率は特に良好であり、官能評価においても組織の繊維性(ボディ感)や風味は良好であることが明らかとなった。
本試験の結果は表1に示すとおりである。その結果、熟成温度が5℃、10℃のいずれの場合も、熟成期間が8〜16週であるとき、シュレッド効率は特に良好であり、官能評価においても組織の繊維性(ボディ感)や風味は良好であることが明らかとなった。
本発明により、ヘテロ発酵型乳酸菌を乳酸菌スターターに使用した場合であっても、シュレッド適性や風味や香りが良好なシュレッドチーズを製造することが可能であるので、様々な乳酸菌をスターターに使用できるという汎用性が高まるとともに、シュレッドチーズの収量増や製造コストの低減が図れる。
Claims (2)
- 1)調乳液を調製する工程、2)調製した調乳液を殺菌する工程、3)殺菌した調乳液を冷却する工程、4)冷却した調乳液に乳酸菌スターターを接種する工程、5)乳酸菌スターターを接種した調乳液を発酵させる工程、6)発酵させた調乳液にレンネットを添加してカードを形成させる工程、7)形成したカードからホエイを排除する工程、8)ホエイを排除したカードを密にしてチーズブロックを形成させる工程、9)形成したチーズブロックを熟成させる工程、10)熟成したチーズブロックをシュレッドしてシュレッドチーズを製造する工程、からなるシュレッドチーズの製造方法において、前記、
1)調乳液を調製する工程が、脂肪/蛋白質比を0.9〜1.0に調整する工程を含むこと、
4)乳酸菌スターターを接種する工程が、少なくともヘテロ発酵型乳酸菌を含む乳酸菌スターターを接種する工程を含むこと、
及び
9)形成したチーズブロックを熟成させる工程が、5〜10℃、かつ6〜20週の範囲でチーズブロックを熟成させる工程を含むこと、
を特徴とするシュレッドチーズの製造方法。 - ヘテロ発酵型乳酸菌がロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌である請求項1に記載のシュレッドチーズの製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014157646A1 (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-02 | 森永乳業株式会社 | プロセスチーズの製造方法 |
-
2009
- 2009-02-25 JP JP2009042399A patent/JP2010193778A/ja active Pending
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