JP2010192293A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐イオン衝撃性を保ちつつ、且つ、水分含有量が低減された保護膜を実現することによって、放電維持電圧の経時変化が小さいPDPを提供する。
【解決手段】PDP40は、前面ガラス基板11上に形成された表示電極対12、表示電極対12を覆う誘電体層13、誘電体層13上に形成された第1保護層14及び第1保護層14上に形成された第2保護層15を含む前面パネル10と、背面ガラス基板21上に形成されたアドレス電極22、放電空間30を区画するための隔壁24及び蛍光体層25を含み、前面板10と対向して配置されている背面パネル20と、を備えている。第1保護層14は、電子ビーム蒸着法又はイオンプレーティング法を用いて形成された金属酸化物膜からなる。第2保護層15は、第1保護層14上に、加水分解により金属酸化物を生成し得る有機金属化合物を加水分解反応させて形成された金属酸化物膜からなる。
【選択図】図1
【解決手段】PDP40は、前面ガラス基板11上に形成された表示電極対12、表示電極対12を覆う誘電体層13、誘電体層13上に形成された第1保護層14及び第1保護層14上に形成された第2保護層15を含む前面パネル10と、背面ガラス基板21上に形成されたアドレス電極22、放電空間30を区画するための隔壁24及び蛍光体層25を含み、前面板10と対向して配置されている背面パネル20と、を備えている。第1保護層14は、電子ビーム蒸着法又はイオンプレーティング法を用いて形成された金属酸化物膜からなる。第2保護層15は、第1保護層14上に、加水分解により金属酸化物を生成し得る有機金属化合物を加水分解反応させて形成された金属酸化物膜からなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法関するものである。
プラズマディスプレイパネルは、対向配置した前面板と背面板との周縁部を封着部材によって封着した構造を有しており、前面板と背面板との間に形成された放電空間には、ネオン(Ne)及びキセノン(Xe)などの放電ガスが封入されている。
前面板は、ガラス基板と、当該ガラス基板の一方の主面上にストライプ状に形成された走査電極と維持電極とからなる複数の表示電極対と、これらの表示電極対を覆う誘電体層と、この誘電体層を覆う保護膜とを備えている。表示電極対は、それぞれ、透明電極と、当該透明電極上に形成された金属材料からなるバス電極と、によって形成されている。
背面板は、ガラス基板と、当該ガラス基板の一方の主面上に、前面板における表示電極対と直交する方向にストライプ状に形成された複数のアドレス電極と、これらのアドレス電極を覆う誘電体層と、放電空間をアドレス電極毎に区画するストライプ状の隔壁と、隔壁間の溝に順次設けられた赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍光体層と、を備えている。
表示電極対とアドレス電極とは直交しており、その交差部が放電セルになる。これらの放電セルはマトリクス状に配列され、表示電極対の方向(表示電極対の長手方向)に並ぶ赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍光体層を有する3個の放電セルが、カラー表示のための画素になる。プラズマディスプレイパネルは、順次、走査電極とアドレス電極間、及び、走査電極と維持電極間に所定の電圧を印加してガス放電を発生させ、そのガス放電で生じる紫外線で蛍光体層を励起して発光させることにより、カラー画像を表示している。
ここで、保護膜とは、ガス放電時に生じるイオン衝撃から誘電体層及び電極を保護する役割と、そのガス放電時に2次電子を放出して電荷を保持する、いわゆるメモリ機能の役割とを果たす膜である。そのため、一般的に、保護膜には、耐イオン衝撃性(耐スパッタ性)と2次電子放出性能とに優れる、酸化マグネシウム(MgO)などの金属酸化物膜が用いられている。
しかしながら、アルカリ土類金属の酸化物である酸化マグネシウムは、水(H2O)の吸着性が非常に高い。そのため、保護膜を酸化マグネシウムによって形成した場合、保護膜に吸着された水が、放電電圧に大きな影響を及ぼす2次電子放出性能に悪影響を及ぼす、という問題があった。そこで、従来、保護膜における水の吸着量を低減する方法が提案されてきた。
例えば、特許文献1では、保護膜が2層からなり、外面側の層(放電空間に面する層)を放電性能が高い材質によって形成し、内面側の層(放電空間に面しない層)を水の吸着性能が低い材料によって形成することにより、水の影響を低減する技術が開示されている。
特開2003−7214号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているような従来の構成を利用しても、保護膜の水分含有量を充分に低減することは困難であり、保護膜中の水分が当該保護膜の2次電子放出性能に影響を及ぼして、放電維持電圧の経時変化が大きくなるという問題があった。
そこで、本発明は、優れた耐イオン衝撃性を保ちつつ、且つ、水分含有量が低減された保護膜を実現することによって、放電維持電圧の経時変化が小さいプラズマディスプレイパネルを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、第1基板、前記第1基板上に形成された第1電極、前記第1電極を覆う誘電体層、前記誘電体層上に形成された第1保護層及び前記第1保護層上に形成された第2保護層を含む第1パネルと、第2基板、前記第2基板上に形成された第2電極、放電空間を区画するための隔壁及び蛍光体層を含み、前記第1パネルと対向して配置されている第2パネルと、を備えたプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
(I)電子ビーム蒸着法又はイオンプレーティング法を用いて前記誘電体層上に金属酸化物膜を成膜することによって、前記第1保護層を作製する工程と、
(II)前記第1保護層上に、加水分解により金属酸化物を生成し得る有機金属化合物を加水分解反応させることによって金属酸化物膜を成膜して、前記第2保護層を作製する工程と、
を含む、プラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
(I)電子ビーム蒸着法又はイオンプレーティング法を用いて前記誘電体層上に金属酸化物膜を成膜することによって、前記第1保護層を作製する工程と、
(II)前記第1保護層上に、加水分解により金属酸化物を生成し得る有機金属化合物を加水分解反応させることによって金属酸化物膜を成膜して、前記第2保護層を作製する工程と、
を含む、プラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
本発明の製造方法によって作製されるプラズマディスプレイパネルは、ガス放電時のイオン衝撃から第1電極や誘電体層を保護し、そのガス放電時に2次電子を放出して電荷を保持するための保護膜が、第1保護層と第2保護層とによって構成されている。本発明の製造方法では、第2保護層は、有機金属化合物の加水分解反応を利用して作製されている。この加水分解反応は第1保護層上で起こるため、この加水分解反応に第1保護層中の水分が用いられて、全体として水分含有量が少ない保護膜(第1保護層及び第2保護層)を作製できる。また、第1保護層は、電子ビーム蒸着法又はイオンプレーティング法によって成膜された金属酸化物膜からなるため、耐イオン衝撃性に優れている。このように、本発明の製造方法によれば、第1保護層及び第2保護層の全体を保護膜としてみた場合に、優れた耐イオン衝撃性を保ちつつ、且つ、水分含有量が低減された保護膜を実現できるので、放電維持電圧の経時変化が小さいプラズマディスプレイパネルの提供が可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と記載することがある。)及びその製造方法を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は一例であり、本発明は以下の実施の形態に限定されない。また、以下の実施の形態では、同一の部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
図1は、本実施の形態のPDP40の部分断面斜視図であり、図2は、図1の矢印A方向からみた放電セルの部分断面図である。図1及び図2において、PDP40は、第1パネルである前面板10と、第2パネルである背面板20とが、放電空間30を介して対向配置された構成を有している。
前面板10は、前面ガラス基板(第1基板)11上に、複数の表示電極対(第1電極)12がストライプ状に形成され、さらに、発光時のコントラストを高めるためのブラックストライプと呼ばれる複数の光吸収層16が、表示電極対12と平行に形成されている。表示電極対12は、対になった、互いに平行である走査電極と維持電極とによって形成されている。表示電極対12と光吸収層16とを覆うように誘電体層13が形成され、誘電体層13を覆うように第1保護層14が形成され、第1保護層14を覆うように第2保護層15が形成されている。すなわち、ガス放電時のイオン衝撃から表示電極対12や誘電体層13を保護し、そのガス放電時に2次電子を放出して電荷を保持する機能を有する保護膜が2層構造を有しており、第1保護層14と第2保護層15とによって構成されている。
背面板20は、背面ガラス基板(第2基板)21上に、表示電極対12と直交する複数のアドレス電極(第2電極)22がストライプ状に形成され、アドレス電極22を覆うように誘電体層23が形成されている。そして、誘電体層23上に、アドレス電極22と平行な、放電空間30をアドレス電極22毎に区画するためのストライプ状の隔壁24が形成されている。隔壁24の側面及び誘電体層23上には、蛍光体層25が形成されている。
隔壁24で区切られた放電空間30には、Ne−Xeの混合ガスなどからなる放電ガスが、10kPa〜80kPaの圧力で封入されている。放電空間30において、表示電極対12とアドレス電極22との交差部が、放電セルを形成している。
このような構成において、まず表示電極対12とアドレス電極22との間に電圧をかけると、表示電極対12とアドレス電極22との間で小さな書き込み放電が生じ、その後、表示電極対12間で主放電が生じる。放電は、放電セル内の放電ガスが電離したプラズマ放電であるが、そのプラズマから発生した紫外線が蛍光体層25に照射され、蛍光体層25が発光することで画像が表示される。
次に、誘電体層13上に形成される保護膜について、詳細に説明する。上述したように、保護膜は、誘電体層13を覆う第1保護層14と、第1保護層14を覆う第2保護層15とで構成されている。第1保護層14は、金属酸化物膜からなる。耐イオン衝撃性及び2次電子放出性能の観点から、マグネシウム、カルシウム及びストロンチウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する、単一酸化物膜又は複合酸化物膜が好ましい。この金属酸化物膜は、電子ビーム蒸着法もしくはイオンプレーティング法を用いて成膜される。これらの方法で作製された金属酸化物膜は、耐イオン衝撃性に優れるためである。
第2保護層15も金属酸化物膜からなるが、第1保護層14とは作製方法が異なる。第2保護層15は、加水分解により金属酸化物を生成し得る有機金属化合物を加水分解反応させることによって作製される金属酸化物膜からなる。第2保護層15を作製する際の加水分解反応に第1保護層14に吸着している水分が用いられるため、第1保護層14と第2保護層15とで構成される保護膜は、水分含有量の少ない保護膜となる。第2保護層15の材料組成は、第1保護層14と同様に、耐イオン衝撃性及び2次電子放出性能の観点から、マグネシウム、カルシウム及びストロンチウムからなる群から選択される少なくとも何れか1種の元素を含有する、単一酸化物膜又は複合酸化物膜が好ましい。第2保護層15の組成は、第1保護層14と同じであってもよいし異なっていてもよいが、放電維持電圧の経時変化を低減するためには同一組成の方が好ましい。加水分解により金属酸化物を生成し得る有機金属化合物の例としては、金属アルコキシド、金属アセチルアセトナト錯体、金属ジピバロイルメタナト錯体及び金属イソブチリルピバロイルメタナト錯体などが挙げられる。これらの有機金属化合物の中でも、有機成分が少ない方が保護膜を汚染しにくいため好ましい。そのため、金属アルコキシド(特に金属メトキシド及び金属エトキシド)と、金属アセチルアセトナト錯体が好適に用いられる。
第2保護層15の作製方法の具体例は、主に2通り存在する。第1の作製方法は、有機金属化合物を有機溶媒中に溶解させた溶液を第1保護層14上に塗布して塗膜を形成し、前面パネル10と背面パネル20とを互いに貼り合わせる工程よりも前、又は、前面パネル10と背面パネル20とを互いに貼り合わせる工程と並行して、前記塗膜を焼成して有機金属化合物を加水分解反応させる方法である。第2の作製方法は、化学蒸着法であり、図3を参照しながら説明する。この方法では、まず第1保護層14を加熱する、すなわち、前面ガラス基板11上に表示電極対12、誘電体層13及び第1保護層14が形成された状態のものを全体的に加熱する。気化器50によって有機金属化合物51を気化させ、キャリアガスを気化器50に吹き込み、気化させた有機金属化合物を噴射口52を通して第1保護層14上に吹き付ける。気化させた有機金属化合物は、第1保護層14上に吹き付けられて、第1保護層14中の水分及び大気中の水分と反応(加水分解反応)することによって、金属酸化物膜が形成される。
以上のような方法により第2保護層15を容易に作製でき、全体として水分含有量が低減された保護膜を得ることができる。なお、上記方法で用いられる有機溶媒は、用いる有機金属化合物に応じて適宜選択することができるが、例えばブチルカルビトールが好適に用いられる。また、第1の作製方法における塗膜の焼成温度や、第2の作製方法における第1保護層14の加熱温度なども、用いる有機金属化合物に応じて適宜選択すればよい。焼成温度の一例は、400〜500℃の範囲である。
また、第1の作製方法において使用する溶液には、有機金属化合物及び有機溶媒以外の他の成分、例えば、溶液を酸性にするための酢酸などの酸触媒や、界面活性剤などが含まれていてもよい。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、図1に示したPDPと同様の構成を有するPDPを作製した。まず、厚さ約2mmの前面ガラス基板11を用意した。この前面ガラス基板11の主面上に、銀(Ag)を含むペーストをスクリーン印刷法によって所定のパターンに塗布して、加熱することによって、表示電極対12を形成した。さらに、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷法によって所定のパターンに塗布して、加熱することによって、光吸収層16も形成した。表示電極対12及び光吸収層16を覆うように誘電体ペーストをダイコート法により塗布して、誘電体ペースト(誘電体材料)層を形成した。塗布された誘電体ペースト層を所定の時間放置することによって、誘電体ペースト層の表面がレベリングされて平坦になった。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することで誘電体層13を形成した。なお、本実施例で用いた誘電体ペーストは、ガラス粉末などの誘電体材料、バインダ及び溶剤を含んだ塗料であった。
実施例1では、図1に示したPDPと同様の構成を有するPDPを作製した。まず、厚さ約2mmの前面ガラス基板11を用意した。この前面ガラス基板11の主面上に、銀(Ag)を含むペーストをスクリーン印刷法によって所定のパターンに塗布して、加熱することによって、表示電極対12を形成した。さらに、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷法によって所定のパターンに塗布して、加熱することによって、光吸収層16も形成した。表示電極対12及び光吸収層16を覆うように誘電体ペーストをダイコート法により塗布して、誘電体ペースト(誘電体材料)層を形成した。塗布された誘電体ペースト層を所定の時間放置することによって、誘電体ペースト層の表面がレベリングされて平坦になった。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することで誘電体層13を形成した。なお、本実施例で用いた誘電体ペーストは、ガラス粉末などの誘電体材料、バインダ及び溶剤を含んだ塗料であった。
このように表示電極対12、光吸収層16及び誘電体層13が形成された前面ガラス基板11を、電子ビーム蒸着装置のチャンバー内にセットし、チャンバー内を1×10-4Paまで排気した。その後、O2ガスをチャンバー内に20mL/min導入しながら、MgOペレットを電子ビームで蒸発させて、第1保護層14であるMgO膜を厚さ700nmに形成した。
その後、チャンバーから前面ガラス基板11を取り出し、第1保護層14上に、マグネシウムエトキシドをブチルカルビトールに1wt%で溶解させた溶液を塗布し、大気中で500℃で60分加熱してマグネシウムエトキシドを加水分解反応させることで、第2保護層15であるMgO膜を50nm厚さに形成した。このような方法により、前面板10を作製した。
次に、背面板20を作製した。まず、厚さ約2mmの背面ガラス基板21を用意した。この背面ガラス基板21の主面上に、銀(Ag)を含むペーストをスクリーン印刷法によって所定のパターンに塗布して、加熱することによって、アドレス電極22を形成した。さらに、ダイコート法により、アドレス電極12を覆うように誘電体ペーストを塗布して、誘電体ペースト層を形成した。その後、誘電体ペースト層を焼成することにより、誘電体層23を形成した。なお、ここで用いた誘電体ペーストは、ガラス粉末などの誘電体材料、バインダ及び溶剤を含んだ塗料であった。
誘電体層23上に、隔壁形成用ペーストを塗布し、所定の形状にパターニングすることにより、隔壁材料層を形成した。その後、この隔壁材料層を所定の温度で焼成することにより隔壁24を形成した。ここでは、誘電体層23上に塗布した隔壁用ペーストをパターニングする方法として、フォトリソグラフィ法を用いた。隔壁24の側面と隔壁24間で露出している誘電体層23の表面に、赤、緑、青の蛍光体層を作製した。蛍光体層の材料には、赤色蛍光体として(Y,Gd)BO3:Eu、緑色蛍光体としてZn2SiO4:Mn、Y2BO3:Tb、さらに青色蛍光体としてBaMgAl10O17:Euを使用した。
その後、アドレス電極22、誘電体層23、隔壁24及び蛍光体層25が形成された背面板20と、前面板10とをフリットガラスで貼り合わせて、500℃で封着させた。放電空間30内に導入管を通じて排気を行い、その後Neガス10vol%、Xeガス90vol%の混合ガスを導入管を通じて50kPa導入し、その後導入管を融着した。このような方法により、実施例1のPDPを作製した。
(実施例2)
マグネシウムアセチルアセトナト0.5molとn−プロパノール1000mLとを混合、攪拌した混合液に、さらに酢酸1.5molを添加して約80℃で1時間攪拌し、さらにその後、ジエタノールアミン1molを添加して約80℃で1時間攪拌して生成した溶液を準備した。この溶液を用いて第2保護層15を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のPDPを作製した。
マグネシウムアセチルアセトナト0.5molとn−プロパノール1000mLとを混合、攪拌した混合液に、さらに酢酸1.5molを添加して約80℃で1時間攪拌し、さらにその後、ジエタノールアミン1molを添加して約80℃で1時間攪拌して生成した溶液を準備した。この溶液を用いて第2保護層15を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のPDPを作製した。
(実施例3)
実施例1と同様に前面板10の第1保護層14を形成した後、マグネシウムエトキシドをブチルカルビトールに1wt%溶解させた溶液を塗布し、実施例1と同様に作製した背面板20と前面板10とをフリットガラスで貼り合わせて、500℃で封着させた。その封着工程の間、N2ガス80vol%、O2ガス20vol%の混合ガスを5L/minの流量で流してマグネシウムエトキシドを加水分解反応させることで、第2保護層15であるMgO膜を50nmの厚さで形成した。封着後、導入管を通じて排気を行い、その後Neガス10vol%、Xeガス90vol%の混合ガスを導入管を通じて50kPa導入し、その後導入管を融着した。このような方法により、実施例3のPDPを作製した。
実施例1と同様に前面板10の第1保護層14を形成した後、マグネシウムエトキシドをブチルカルビトールに1wt%溶解させた溶液を塗布し、実施例1と同様に作製した背面板20と前面板10とをフリットガラスで貼り合わせて、500℃で封着させた。その封着工程の間、N2ガス80vol%、O2ガス20vol%の混合ガスを5L/minの流量で流してマグネシウムエトキシドを加水分解反応させることで、第2保護層15であるMgO膜を50nmの厚さで形成した。封着後、導入管を通じて排気を行い、その後Neガス10vol%、Xeガス90vol%の混合ガスを導入管を通じて50kPa導入し、その後導入管を融着した。このような方法により、実施例3のPDPを作製した。
(実施例4)
実施例1と同様に第1保護層14まで形成された前面板20を化学蒸着装置にセットして、550℃に加熱した。気化器にマグネシウムアセチルアセトナト錯体をセットし、気化器の温度を220℃に設定した。そこにキャリアガスとしてN2ガスを2.8L/minの流量で流し、噴射口を通じて前面板20の第1保護層13上に噴きつけて、マグネシウムアセチルアセトナト錯体と第1保護層14が含有している水分及び大気中の水分とを反応させ、第2保護層15であるMgO膜を50nm厚さで形成した。第2保護層15を形成した後は、実施例1と同様にしてPDPを作製した。
実施例1と同様に第1保護層14まで形成された前面板20を化学蒸着装置にセットして、550℃に加熱した。気化器にマグネシウムアセチルアセトナト錯体をセットし、気化器の温度を220℃に設定した。そこにキャリアガスとしてN2ガスを2.8L/minの流量で流し、噴射口を通じて前面板20の第1保護層13上に噴きつけて、マグネシウムアセチルアセトナト錯体と第1保護層14が含有している水分及び大気中の水分とを反応させ、第2保護層15であるMgO膜を50nm厚さで形成した。第2保護層15を形成した後は、実施例1と同様にしてPDPを作製した。
(比較例1)
第1保護層14を厚さ750nmとし、さらに第2保護層15を形成しなかった点以外は、実施例1と同様にしてPDPを作製した。
第1保護層14を厚さ750nmとし、さらに第2保護層15を形成しなかった点以外は、実施例1と同様にしてPDPを作製した。
(比較例2)
第1保護層14を形成せず、さらに第2保護層15を厚さ750nmとした点以外は、実施例1と同様にしてPDPを作製した。
第1保護層14を形成せず、さらに第2保護層15を厚さ750nmとした点以外は、実施例1と同様にしてPDPを作製した。
実施例1〜4及び比較例1,2で作製したPDPを200Vの維持電圧で4000時間連続点灯させた後、PDP割断して前面板の中央部の小片を切り出した。その切り出した小片から水分含有量と保護膜(第1保護層及び第2保護層)のスパッタ量を測定した。水分含有量は、昇温脱離ガス分析装置(電子科学株式会社製「WA1000S/W」)を用いて測定した。保護膜のスパッタ量は、走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製「S−4800」)を用いて、保護膜の断面を観察することで測定した。
この結果から、本発明のように、電子ビーム蒸着法又はイオンプレーティング法によって形成された第1保護層と、加水分解により金属酸化物を生成し得る有機金属化合物を加水分解反応させることによって形成された第2保護層とによって構成された保護膜は、水分含有量の低さとスパッタ量の低さとを両立していることがわかった。このように、本発明によれば、優れた耐イオン衝撃性を保ちつつ、且つ、水分含有量が低減された保護膜を備えたPDPを実現できる。
本発明によれば、水分含有量が少なく、耐イオン衝撃性が高い保護膜を有するPDPを実現できるので、より良好な放電特性が要求されるPDPにも好適に適用できる。
10 前面板(第1パネル)
11 前面ガラス基板(第1基板)
12 表示電極対(第1電極)
13 誘電体層
14 第1保護層
15 第2保護層
16 光吸収層
20 背面板(第2パネル)
21 背面ガラス基板(第2基板)
22 アドレス電極(第2電極)
23 誘電体層
24 隔壁
25 蛍光体層
30 放電空間
40 プラズマディスプレイパネル
50 気化器
51 有機金属化合物
52 噴射口
11 前面ガラス基板(第1基板)
12 表示電極対(第1電極)
13 誘電体層
14 第1保護層
15 第2保護層
16 光吸収層
20 背面板(第2パネル)
21 背面ガラス基板(第2基板)
22 アドレス電極(第2電極)
23 誘電体層
24 隔壁
25 蛍光体層
30 放電空間
40 プラズマディスプレイパネル
50 気化器
51 有機金属化合物
52 噴射口
Claims (4)
- 第1基板、前記第1基板上に形成された第1電極、前記第1電極を覆う誘電体層、前記誘電体層上に形成された第1保護層及び前記第1保護層上に形成された第2保護層を含む第1パネルと、
第2基板、前記第2基板上に形成された第2電極、放電空間を区画するための隔壁及び蛍光体層を含み、前記第1パネルと対向して配置されている第2パネルと、
を備えたプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
(I)電子ビーム蒸着法又はイオンプレーティング法を用いて前記誘電体層上に金属酸化物膜を成膜することによって、前記第1保護層を作製する工程と、
(II)前記第1保護層上に、加水分解により金属酸化物を生成し得る有機金属化合物を加水分解反応させることによって金属酸化物膜を成膜して、前記第2保護層を作製する工程と、
を含む、プラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 前記工程(II)において、
前記有機金属化合物を有機溶媒中に溶解させた溶液を前記第1保護層上に塗布して塗膜を形成し、前記第1パネルと前記第2パネルとを互いに貼り合わせる工程よりも前、又は、前記第1パネルと前記第2パネルとを互いに貼り合わせる工程と並行して、前記塗膜を焼成して前記有機金属化合物を加水分解反応させる、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 前記工程(II)において、
加熱された状態の前記第1保護層上に、気化させた前記有機金属化合物を吹き付けることによって、前記有機金属化合物を加水分解させる、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 前記有機金属化合物は、金属アルコキシド及び金属アセチルアセトナト錯体から選ばれる少なくとも何れか1種である、請求項1〜3の何れか1項に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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JP2009036428A JP2010192293A (ja) | 2009-02-19 | 2009-02-19 | プラズマディスプレイパネルの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012059619A (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-22 | Hitachi Consumer Electronics Co Ltd | 保護膜、プラズマディスプレイパネル及び表示装置 |
-
2009
- 2009-02-19 JP JP2009036428A patent/JP2010192293A/ja active Pending
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JP2012059619A (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-22 | Hitachi Consumer Electronics Co Ltd | 保護膜、プラズマディスプレイパネル及び表示装置 |
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