JP2010192134A - 圧着端子の端子構造およびハーネス - Google Patents

圧着端子の端子構造およびハーネス Download PDF

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【課題】機械的強度や耐久性を低下させずに電線に圧着する。
【解決手段】圧着端子10は、例えば接続部11と、圧着バレル部12と、保持バレル部13とを備え、アルミ電線20は、芯線21を被覆22で覆った構造からなる。圧着バレル部12は一対の挟持片16,16からなり、先端部16a,16a近傍の厚さL2が挟持片16,16の厚さL1よりも薄くなるように肉薄状に形成される。圧着時には、先端部16a,16a近傍のエッジ部分が芯線21の酸化被膜を削り取って先端部16a,16aが芯線に食い込むため、確実に導通が確保されるとともに機械的強度や耐久性が低下することを防止することができる。
【選択図】図3

Description

この発明は、導電材から構成された芯線を有する電線に圧着接続される圧着端子の端子構造およびハーネスに関する。
従来より、電線に圧着接続されるものとして、アルミ電線用圧着端子(例えば、特許文献1(第3−4頁、第1−3図)参照)が知られている。このアルミ電線用圧着端子は、アルミ電線の導体に圧着して接続される圧着部を備える。圧着部は、アルミ電線の端末部分の剥き出しになったアルミ導体を受け止めるベースの左右に圧着片を有する。
また、圧着部の導体に接触する内側の表面には、導体の長さ方向に対して斜めに延びるセレーション(serration)が形成される。圧着の際には、このセレーションがアルミ導体の表面に螺旋状に面して圧着され、導体の表面の酸化被膜を破壊して接触導通する。
特開2003−249284号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示されているアルミ電線用圧着端子では、アルミ電線の導体がねじられ、伸ばされることで強固に接続される構造を実現している。このため、圧着後の導体の長さ方向への引っ張り強度などが弱く、全体として機械的強度に劣るという問題がある。
また、アルミ電線の被覆部を押さえる被覆圧着部(インシュレーションバレル)をさらに備えたとしても、この被覆圧着部とともに上述した導体との圧着部(導体圧着部)を同時に圧着する場合は、セレーションが作用してこれらの圧着部の間で導体が伸びたことによる応力が残ってしまい、機械的耐久性が劣るという問題がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、機械的強度や耐久性を低下させずに電線に圧着することができる圧着端子の端子構造およびハーネスを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる圧着端子の端子構造は、導電材から構成された芯線を有する電線に圧着接続される圧着端子の端子構造であって、前記圧着端子は、それぞれ対向方向内側に折り曲げられることにより前記芯線に圧着される一対の挟持片を備える圧着バレル部を少なくとも有し、前記圧着バレル部の前記芯線に圧着される端部は、前記芯線の軸方向全域にわたって他の部分に比して厚さが薄い肉薄状に形成されていることを特徴とする。
前記圧着バレル部の前記肉薄状に形成された部分の内側には、例えば前記芯線の軸方向に沿って延びる段付き形状が少なくとも一つ形成されている。
また、前記圧着バレル部は、例えばプレス加工により形成されている。
前記芯線を構成する導電材は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金である。
前記圧着端子は、例えば接続相手方接続端子と接続される接続部と、前記電線を被覆とともに圧着保持する保持バレル部とをさらに備える。
本発明にかかるハーネスは、上記発明にかかる圧着端子の端子構造を備える圧着端子がそれぞれ圧着された複数の電線を束ねてなることを特徴とする。
前記複数の電線は、例えば自動車の配線に用いられる。
本発明によれば、機械的強度や耐久性を低下させずに電線に圧着することができる圧着端子の端子構造およびハーネスを提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる圧着端子の端子構造が適用される圧着端子および電線の例を説明するための側面図である。 同圧着端子における圧着前後の図1のA−A’断面を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる圧着端子の端子構造が適用される圧着端子の他の例の圧着前後の断面を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる圧着端子の端子構造が適用される圧着端子のさらに他の例を示す一部拡大断面図である。 本発明の一実施形態にかかるハーネスを示す説明図である。 同ハーネスを自動車に適用した例を示す説明図である。
以下に、添付の図面を参照して、この発明にかかる圧着端子の端子構造およびハーネスの好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる圧着端子の端子構造が適用される圧着端子および電線の例を説明するための側面図、図2は同圧着端子における圧着前後の図1のA−A’断面を示す図である。また、図3は、本発明の一実施形態にかかる圧着端子の端子構造が適用される圧着端子の他の例の圧着前後の断面を示す図、図4は本発明の一実施形態にかかる圧着端子の端子構造が適用される圧着端子のさらに他の例を示す一部拡大断面図である。
さらに、図5は、本発明の一実施形態にかかるハーネスを示す説明図、図6は同ハーネスを自動車に適用した例を示す説明図である。図1に示すように、本実施形態にかかる端子構造を有する圧着端子10は、例えば金属(鉄、銅、銅合金など)母材を打ち抜き(プレス)/折り曲げ(ベンディング)加工等して、それぞれ対向方向内側に折り曲げられることにより芯線21に圧着される、後述する一対の挟持片16,16を備える圧着バレル部12を少なくとも有してなる。
また、圧着端子10は、先端側に接続相手方接続端子(図示せず)と嵌合して接続される接続部11と、この接続部11よりも基端側に上記圧着バレル部12と、さらに基端側にアルミニウム電線(以下、「アルミ電線」と呼ぶ。)20を被覆22とともに挟持して圧着保持する保持バレル部13とを備えている。
なお、アルミ電線20は、芯線21が例えばアルミニウムやアルミニウム合金等の導体(導電材)からなり、この芯線21を絶縁材料からなる被覆22で覆った構造を備える。また、アルミ電線20は、例えば単線のアルミ導体からなる芯線21を被覆22で覆ったものでもよいし、複数本のアルミ導体を撚ってなる撚り線からなる芯線21を被覆22で覆ったものでもよい。
ここで、圧着端子10の接続部11に形成された係止片14や係止穴15は、例えばこの圧着端子10が挿入されるコネクタ31(図6参照)の端子収容孔に形成された凹部や凸部と係合して、この端子収容孔内で圧着端子10の位置決めや取付固定をするために用いられるものであり、必要に応じて適宜形成されている。
また、圧着端子10の圧着バレル部12は、例えば非圧着時において平行に立設された一対の挟持片16,16(例えば、図1参照)から構成され、これら挟持片16,16間に芯線21を載置した後、それぞれを対向方向内側に折り曲げることにより芯線21と圧着される。
この圧着バレル部12の先端部16a,16aは、芯線21の軸方向全域にわたって一対の挟持片16,16の他の部分に比して厚さが薄い肉薄状に、すなわち先端部16a,16aにかけて薄くなるように形成されている。つまり、図2(a)に示すように、一対の挟持片16,16の通常厚さがL1だとすると、先端部16a,16aの近傍の厚さL2がL1よりも薄くなるように形成されている。
ここでは、一対の挟持片16,16の先端部16a,16a近傍の対向方向内側面が、テーパ状に先端部16a,16aにかけて斜めに成形されることにより、上述したような挟持片16,16の厚さL1>厚さL2を実現している。なお、先端部16a,16aの先端面は、取扱上の安全面を考慮して平面状にしておくことが好ましい。
このように構成された圧着端子10は、アルミ電線20と圧着された場合に、図2(b)に示すように、圧着バレル部12の一対の挟持片16,16がそれぞれ対向方向内側に折り曲げられて、断面M字状に変形することでアルミ電線20の芯線21に先端部16a,16aが食い込んだ状態で圧着される。
具体的には、圧着バレル部12の一対の挟持片16,16の先端部16a,16aにおいては、先端部16a,16aの対向方向内側のエッジ部分が圧着の際に芯線21の表面に形成された強固な酸化被膜を削り取った上で、芯線21に食い込み強く圧着され導通が確保される。これとともに、一対の挟持片16,16が芯線21を内包した状態で変形して圧着される。これとともに、アルミ電線20は被覆22ごと保持バレル部13によって圧着端子10に圧着固定される。
したがって、本例の圧着端子10によれば、従来のもののように芯線21の長さ方向の伸びを必要以上に大きくすることなく、機械的強度や耐久性を低下させずにアルミ電線20に確実かつ強固に圧着することができる。なお、圧着バレル部12を潰す治具等は、従来のものをそのまま使用することができるので、別途特殊な治具等が不要で、圧着端子10をアルミ電線20の芯線21に導通を確保した状態で確実に圧着することができる。
また、圧着端子10の圧着バレル部12は、次のように構成することもできる。すなわち、図3(a)に示すように、ここでの圧着バレル部12には、一対の挟持片16,16の対向方向内側面に、上述したように先端部16a,16aの厚さL2を薄くするための芯線21の軸方向に沿って延びる段部16b,16bが形成されている。
この段部16b,16bを境に、挟持片16,16の厚さはL1>L2となるように形成される。したがって、アルミ電線20と圧着された場合は、図3(b)に示すように、圧着バレル部12の一対の挟持片16,16がそれぞれ対向方向内側に折り曲げられて、同様に断面M字状に変形することでアルミ電線20の芯線21に先端部16a,16aが食い込んだ状態で圧着される。
そして、圧着バレル部12の一対の挟持片16,16の先端部16a,16aにおいては、先端部16a,16aの対向方向内側のエッジ部分および段部16b,16bのエッジ部分が圧着の際に芯線21の表面の酸化被膜を削り取り、芯線21に食い込む状態で圧着され導通が確保される。これにより、同様に機械的強度や耐久性を低下させずにアルミ電線20の芯線21に確実かつ強固に圧着することができる。
さらに、図4に示すように、圧着バレル部12の一対の挟持片16,16の対向方向内側面に、複数の段部16b1,16b2を形成し、先端部16a,16aの厚さL2を薄くするようにしてもよい。この場合、挟持片16の厚さをL1a、段部16b1を超えた先端部16a側の厚さをL1b、段部16b2を超えた先端部16aの厚さをL2とすると、厚さがL1a>L1b>L2となるように先端部16aにかけて徐々に厚さが薄くなるように形成されるとよい。
このように圧着バレル部12が構成されても、先端部16a,16aの対向方向内側のエッジ部分、段部16b2,16b2のエッジ部分、および段部16b1,16b1のエッジ部分で芯線21の表面の酸化被膜を削り取ることができる。したがって、機械的強度や耐久性を低下させずにアルミ電線20の芯線21に確実かつ強固に圧着することができる。
なお、図5に示すように、このようにして圧着端子10を圧着したアルミ電線20は、例えば複数本をセットにした状態(束ねた状態)でハーネス30として使用することができ、ハーネス30とした場合は、各圧着端子10は、通常、コネクタ31等の端子収容孔32にそれぞれ収容されて使用される。
このようにコネクタ31が取り付けられたハーネス30は、図6に示すように、車両1に搭載されたシート40のシートコネクタ49等の配線などに用いられる。例えば、ハーネス30のコネクタ31とシートコネクタ49とを接続すれば、ハーネス30の各アルミ電線20によるシート40からの電気的な配線が可能となり、芯線21との圧着信頼性が高い圧着端子10を用いた電気的接続を可能にすることができる。
1 車両
10 圧着端子
11 接続部
12 圧着バレル部
13 保持バレル部
14 係止片
15 係止穴
16 挟持片
16a 先端部
16b 段部
20 アルミ電線
21 芯線
22 被覆
30 ハーネス
31 コネクタ
40 シート
49 シート側コネクタ

Claims (7)

  1. 導電材から構成された芯線を有する電線に圧着接続される圧着端子の端子構造であって、
    前記圧着端子は、それぞれ対向方向内側に折り曲げられることにより前記芯線に圧着される一対の挟持片を備える圧着バレル部を少なくとも有し、
    前記圧着バレル部の前記芯線に圧着される端部は、前記芯線の軸方向全域にわたって他の部分に比して厚さが薄い肉薄状に形成されている
    ことを特徴とする圧着端子の端子構造。
  2. 前記圧着バレル部の前記肉薄状に形成された部分の内側には、前記芯線の軸方向に沿って延びる段付き形状が少なくとも一つ形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の圧着端子の端子構造。
  3. 前記圧着バレル部は、プレス加工により形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の圧着端子の端子構造。
  4. 前記芯線を構成する導電材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の圧着端子の端子構造。
  5. 前記圧着端子は、接続相手方接続端子と接続される接続部と、前記電線を被覆とともに圧着保持する保持バレル部とをさらに備える
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の圧着端子の端子構造。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の圧着端子の端子構造を備える圧着端子がそれぞれ圧着された複数の電線を束ねてなる
    ことを特徴とするハーネス。
  7. 前記複数の電線は、自動車の配線に用いられる
    ことを特徴とする請求項6記載のハーネス。
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