JP2010190015A - トンネル構築工法及びその構築工法にて構築されるトンネル - Google Patents

トンネル構築工法及びその構築工法にて構築されるトンネル Download PDF

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Abstract

【課題】地山を掘進中のシールド機を空間に到達させて、その空間から再び地山に進入させることにより、シールド機の方向転換が可能で、かつ、トンネルを効率良く構築可能なトンネルの構築工法を提供する。
【解決手段】シールド機1を地上から発進させて空間14に到達させることにより、地山13内に往路トンネル22aが構築される。また、空間14内でシールド機を方向転換させて、シールド機1を空間14から発進させて到達穴に到達させることにより、地山13内に復路トンネル22bが構築される。
【選択図】図10

Description

本発明は、シールド機によるトンネル構築工法及びその構築後方にて構築されるトンネルに関する。
本出願人は、例えば、特許文献1において、シールド機を地上から発進させて地上に到達させるトンネル構築工法を提案している。本工法は、まず、シールド機を地上から発進させて、所定の掘削深度に達するまでの下り勾配を有する下りアプローチ区間を構築し、次に、所定の掘削深度でトンネル区間を構築し、最後に、トンネル区間の終点部から地上に達するまでの上り勾配を有する上りアプローチ区間を構築して、シールド機を地上に到達させる。
特開2005−113594号公報
しかし、特許文献1に記載されているトンネル構築工法では、各アプローチ区間又はトンネル区間を横切るように障害物が存在すると、シールド機ではその障害物を通過できないので、本工法を適用できないという問題点があった。また、その障害物近傍までトンネルを構築する場合には、シールド機を地上から発進させて障害物近傍まで進行したら、シールド機を掘進させながらUターンさせて地上に到達させることとなる。このシールド機をUターンさせる際に、曲率半径の小さいトンネルの施工は困難であるという問題点があった。
そこで、本発明は、これらの問題に鑑みなされたものであって、地山を掘進中のシールド機を空間に到達させて、その空間から再び地山に進入させることにより、シールド機の方向転換が可能で、かつ、トンネルを効率良く構築可能なトンネルの構築工法を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、本発明は、トンネルを構築する構築工法において、シールド機を地上から地山へ進入させて前記地山内を所定の距離だけ掘削した後、前記シールド機を空間へ到達させることを特徴とする。
本発明によれば、シールド機を地上から発進させて空間に到達させるので、地上から空間に連通するトンネルを構築することができる。
また、シールド機を空間に到達させることにより、空間内でシールド機を方向転換することができる。
本発明は、トンネルを構築する構築工法において、シールド機を空間から地山へ進入させて前記地山内を所定の距離だけ掘削した後、前記シールド機を地上へ到達させることを特徴とする。
また、シールド機を地上に到達させることにより、地上でシールド機を方向転換することができる。
本発明によれば、シールド機を空間から発進させて地上に到達させるので、空間から地上に連通するトンネルを構築することができる。
本発明は、トンネルを構築する構築工法において、シールド機を地上から地山へ進入させて前記地山内を所定の距離だけ掘削した後、前記シールド機を空間へ到達させて往路トンネルを構築し、前記空間内にて前記シールド機を方向転換し、前記シールド機を前記空間から前記地山へ進入させて前記地山内を所定の距離だけ掘削した後、前記シールド機を地上へ到達させて復路トンネルを構築することを特徴とする。
本発明によれば、シールド機を地上から発進させて空間に到達させるので、地上から空間に連通する往路トンネルを構築することができる。
また、方向転換したシールド機を空間から発進させて地上に到達させるので、空間から地上に連通する復路トンネルを構築することができる。
さらに、空間内でシールド機を方向転換させるので、シールド機の旋回能力に左右されること無く、所望の位置に復路トンネルを構築することができる。
本発明において、前記空間は、立坑であることとすれば、立坑内でシールド機を方向転換することができる。
また、本発明において、前記空間は、地山内の空洞であることとすれば、空洞内でシールド機を方向転換することができる。
さらに、本発明において、前記空間は、明かりであることとすれば、明かりでシールド機を方向転換することができる。
本発明のトンネルは、上述したトンネル構築工法により構築されたことを特徴とする。
本発明によれば、地山を掘進中のシールド機を空間に到達させて、その空間から発進させることにより、シールド機の方向転換が可能となる。また、シールド機を方向転換させることによりトンネルを効率良く構築することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施形態に係るシールド機1の正面図及び側断面図である。
図1及び図2に示すように、シールド機1は、互いに独立して駆動可能なカッター部2、3をそれぞれ上段及び下段に備えたフード部4と、シールド機1本体を推進させるためのシールドジャッキ5等を備えたガーダ部6と、セグメント7を組み立てるエレクタ8等を備えたテール部9とから構成され、地上発進及び地上到達が可能である。
上段のカッター部2及び下段のカッター部3は、シールド機1本体の前面に設けられ、地山13を掘削するためのカッターヘッド10と、カッターヘッド10を回転させるための駆動源11とを備えており、各カッター部2、3は、それぞれ独立して駆動可能である。
上段のカッター部2は、シールド機1本体内に、下段のカッター部3よりも進行方向に所定の長さだけ突出するように配置されている。なお、突出する長さは、地質条件等により異なる値であって、設計等により現場毎に適宜決定される。
各カッター部2、3は、それぞれ複数のカッターヘッド10を備えており、本実施形態においては、それぞれ3台ずつ設けた。なお、掘削対象断面の形状、大きさ等に応じて適宜のカッターヘッド10の数を変更する。
ガーダ部6には、シールド機1本体を推進させるためのシールドジャッキ5や各カッター部2、3で掘削した土砂を排出するためのスクリューコンベア12等が設置されている。
テール部9には、エレクタ8等が設置されている。このエレクタ8により、掘削したトンネル22の内面に順次セグメント7が組み立てられ、内壁が構築される。
次に、上述したシールド機1を、地上と、地中の障害物近傍に設けられた立坑である空間14との間を往復させて、往路トンネル22a及び復路トンネル22bを構築する場合について説明する。
まず、シールド機1を地上から発進させて立坑である空間14に到達させることにより、往路トンネル22aを構築する方法について説明する。
図3及び図4は、それぞれシールド機1を発進させるための発進穴18aの平面図及び側断面図である。
図3及び図4に示すように、地山13にシールド機1を発進させるための発進穴18aを発進地点に掘削する。この発進穴18aは、シールド機1の高さHの、例えば、1.3倍の深さで、外周全体に法面19が形成されている。なお、本実施形態においては、発進穴18aの外周全体に法面19を形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、シールド機1の進行方向のみに法面19が形成され、他の側面には土留め壁が形成されていてもよい。
図5は、シールド機1を発進穴18a内の架台20上に設置した状態を示す側断面図である。
図5に示すように、発進穴18aの底盤に掘削予定の往路トンネル22aの傾斜角度に沿った架台20と、シールド機1の発進の際に反力を得るための反力壁21とを構築する。
その後、シールド機1を架台20上に設置し、このシールド機1の後端と反力壁21との間にセグメント7を設置する。
図6は、シールド機1の発進方法を示す図である。
図6に示すように、上段のカッター部2及び下段のカッター部3のカッターヘッド10を回転駆動させるとともに、シールドジャッキ5を伸張させることによりシールド機1本体を推進させる。そして、進行方向に位置する法面19を上段のカッター部2及び下段のカッター部3のカッターヘッド10で掘削しつつ、地山13内にシールド機1を進入させる。
そして、シールド機1を所定の距離だけ掘進させたら、上段のカッター部2及び下段のカッター部3のカッターヘッド10の回転を停止し、掘削を一旦停止する。
次に、シールドジャッキ5を収縮させて、テール部9とセグメント7との間に新たなセグメント7を構築する。
そして、上述したように、上段のカッター部2及び下段のカッター部3のカッターヘッド10を回転駆動させ、シールドジャッキ5を伸張させることにより所定の距離だけ掘進してから、シールドジャッキ5を収縮してセグメント7を構築するまでの一連の作業を1サイクルとし、このサイクルを複数回繰り返すことにより、発進穴18aから空間14までの地山13内を掘進する。
次に、シールド機1を空間14へ到達させる到達方法について説明する。なお、以下の説明では、到達時に利用する立坑を空間14という。
図7は、障害物の近傍に設けられた立坑である空間14の縦断面図である。
図7に示すように、障害物の近傍に設けられた空間14は、シールド機1の到達位置であって、シールド機1の方向転換作業を行うための作業空間として使用されるため、底盤に、昇降及び回転可能なターンテーブル23が設置されている。
図8は、シールド機1の空間14への到達方法を示す図である。
図8に示すように、シールド機1本体の周囲を土留め壁15の坑口16aに設けられた止水手段24で止水しながら、空間14にシールド機1本体を進入させて、空間14の底盤に設置されたターンテーブル23上に停止させる。
シールド機1が地上から発進させて空間14に到達することにより、図9に示すように、地山13内に往路トンネル22aが構築される。
図10は、シールド機1を空間14内で方向転換した状態を示す図である。
図10に示すように、ターンテーブル23を上昇させて、シールド機1を構築予定の復路トンネル22bの坑口16b前に設置する。次に、ターンテーブル23を回転させて、シールド機1の前面を復路トンネル22b側に向ける。そして、シールド機1の後方に、シールド機1の発進の際に反力を得るための反力壁21を設置する。
次に、シールド機1を空間14から発進させて地上に到達させることにより、復路トンネル22bを構築する方法について説明する。
図11は、シールド機1の発進方法を示す図である。
図11に示すように、上段のカッター部2及び下段のカッター部3のカッターヘッド10を回転駆動させるとともに、シールド機1本体の周囲を土留め壁15の坑口16bに設けられた止水手段24で止水しながら、地山13内にシールド機1本体を進入させる。
その後、往路トンネル22aの構築時と同様に、上段のカッター部2及び下段のカッター部3のカッターヘッド10を回転駆動させて所定の距離だけ掘進してからセグメント7を構築するまでの一連の作業を1サイクルとし、このサイクルを複数回繰り返すことにより、空間14から地上までの地山13内を掘進する。
次に、シールド機1を地上へ到達させる到達方法について説明する。
図12は、シールド機1を到達させるための到達穴18bの側断面図である。
図12に示すように、地山13の到達予定箇所に到達穴18bを掘削する。この到達穴18bは、発進穴18aと同様に、シールド機1の高さHの1.3倍の深さで、外周全体に法面19が形成されている。
到達穴18bの底盤に掘削予定の復路トンネル22bの傾斜角度に沿った架台20を構築する。
図13は、シールド機1の到達方法を示す図である。
図13に示すように、シールド機1本体を推進させて、進行方向に位置する法面19を上段のカッター部2及び下段のカッター部3のカッターヘッド10で掘削しつつ、到達穴18b内にシールド機1を進入させる。
上段のカッター部2及び下段のカッター部3が法面19を通過したら、両カッター部2、3のカッターヘッド10の回転を停止し、シールド機1を到達穴18bの中央付近まで進入させる。
シールド機1が空間14から発進させて到達穴18bに到達することにより、図14に示すように、地山13内に復路トンネル22bが構築される。
上述した本実施形態におけるトンネル構築工法によれば、シールド機1を地上から発進させて空間14に到達させるので、地上から空間14に連通する往路トンネル22aを構築することができる。
また、シールド機1を空間14に到達させることにより、この空間14内でシールド機1を方向転換することができる。
そして、方向転換したシールド機1を空間14から発進させて地上に到達させるので、空間14から地上に連通する復路トンネル22bを構築することができる。
さらに、空間14内でシールド機1を方向転換させるので、シールド機1の旋回能力に左右されること無く、所望の位置に復路トンネル22bを構築することができる。
なお、本実施形態においては、シールド機1が地上に設けられた発進穴18aから地山13内に進入する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、地表面から地山13内に進入してもよい。
また、本実施形態においては、シールド機1が空間14から地上に設けられた到達穴18bに到達する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、地表面上に到達してもよい。
そして、本実施形態においては、上段のカッター部2が下段のカッター部3よりも進行方向に所定の長さだけ突出するように固定配置されているシールド機1を用いた場合について説明したが、このシールド機1に限定されるものではなく、一般的なシールド機であれば、本発明に適用可能である。
さらに、本実施形態においては、空間14として立坑を利用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、地下道路のランプ線部、地下鉄の駅等の地下の空洞にも適用可能である。また、図15及び図16に示すように、崖から明かりである空間14に到達する場合や明かりから崖に進入する場合にも適用可能であり、崖から明かりに到達したシールド機1を明かりで方向転換し、この方向転換したシールド機1を崖に進入させてもよい。
また、本実施形態においては、空間14の近傍に障害物を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、空間14の近傍に障害物が存在しなくてもよい。
また、本実施形態においては、空間14内でシールド機1を180°方向転換させる場合について説明したが、この角度に限定されるものではなく、所望の向きに方向転換させることができる。
本発明の実施形態に係るシールド機の正面図である。 本発明の実施形態に係るシールド機の側断面図である。 シールド機を発進させるための発進穴の平面図である。 シールド機を発進させるための発進穴の側断面図である。 シールド機を発進穴内の架台上に設置した状態を示す側断面図である。 シールド機の発進方法を示す図である。 障害物の近傍に設けられた立坑である空間の縦断面図である。 シールド機の空間への到達方法を示す図である。 地山内に構築されたトンネルを示す側断面図である。 シールド機を空間内で方向転換した状態を示す図である。 シールド機の発進方法を示す図である。 シールド機を到達させるための到達穴の側断面図である。 シールド機の到達方法を示す図である。 地山内に構築されたトンネルを示す側断面図である。 シールド機を空間に到達させる他の実施例を示す図である。 シールド機を空間から発進させる他の実施例を示す図である。
1 シールド機
2 上段のカッター部
3 下段のカッター部
4 フード部
5 シールドジャッキ
6 ガーダ部
7 セグメント
8 エレクタ
9 テール部
10 カッターヘッド
11 駆動源
12 スクリューコンベア
13 地山
14 空間
15 土留め壁
16a 坑口
16b 坑口
18a 発進穴
18b 到達穴
19 法面
20 架台
21 反力壁
22 トンネル
22a 往路トンネル
22b 復路トンネル
23 ターンテーブル
24 止水手段

Claims (7)

  1. トンネルを構築する構築工法において、
    シールド機を地上から地山へ進入させて前記地山内を所定の距離だけ掘削した後、前記シールド機を空間へ到達させることを特徴とするトンネル構築工法。
  2. トンネルを構築する構築工法において、
    シールド機を空間から地山へ進入させて前記地山内を所定の距離だけ掘削した後、前記シールド機を地上へ到達させることを特徴とするトンネル構築工法。
  3. トンネルを構築する構築工法において、
    シールド機を地上から地山へ進入させて前記地山内を所定の距離だけ掘削した後、前記シールド機を空間へ到達させて往路トンネルを構築し、
    前記空間内にて前記シールド機を方向転換し、
    前記方向転換したシールド機を前記空間から前記地山へ進入させて前記地山内を所定の距離だけ掘削した後、前記シールド機を地上へ到達させて復路トンネルを構築することを特徴とするトンネル構築工法。
  4. 前記空間は、立坑であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のトンネル構築工法。
  5. 前記空間は、地山内の空洞であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のトンネル構築工法。
  6. 前記空間は、明かりであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のトンネル構築工法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のトンネル構築工法にて構築されたことを特徴とするトンネル。
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