JP2010188944A - 空調風吹き出し装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車室Rのインストルメントパネルと、空調ユニット13から延びる流路frをインストルメントパネルの吹き出し口m1まで連通させるダクトd1と、ダクトd1の一部の管壁に形成され同管壁内の流路に負圧領域E0を生じさせる負圧領域生成部80と、負圧領域生成部に形成され流路の負圧領域E0に車室内の空気を流入させる吸い込み通路r0と、手動操作可能な操作部材331を有すると共に同操作部材が吸い込み通路の通路面積を増減させて車室空気の吸入量を可変調整するスライドドア(吸入空気量調装部材)53とを備えた。
【選択図】図3
Description
このような空調風吹き出し装置は、車室内や車外の空気を選択的に吸入し、それを空調空気供給源の冷却器やヒーターにより適正温度に調整した上で、複数のダクトに分岐して、車室対向壁に取り付けられた複数の吹き出し口より車内に吹き出し供給している。
ここで、空調装置ACは不図示の車両の車室Rの前部に配備される。この車室Rの前部にはインストルメントパネル1が配備され、その下部空間2にフロントデッキクロスメンバ3が車幅方向Y(図1で紙面垂直方向)に向けて延設され、不図示の車体側方縦壁に固着されている。
車室Rとダッシュパネル4を介して配設されたエンジンルーム5には車両に搭載されたエンジン6側の主冷却水循環路7やラジエータ8が配備され、主冷却水循環路7より分岐して延びるバイパス路9を経て車室R内のヒータユニット11に温水が循環供給されている。
ブロアユニット12には車室R内からの内気取入れ口14と、車外からの外気取入れ口15と、内外気切換え弁16と、ブロア17と、ブロア17の作動の有無を検出するセンサ18と、外気温を検出する温度センサ19とが設けられている。このため、ブロア17の作動により、ブロアユニット12から空調ユニット13へ内気または外気が送給される。
ここで、図示しないエアコンスイッチがオンされると、冷媒コンプレッサ等の冷媒源から冷却器21へ冷媒が供給され、空気の冷却処理が成される。更に、エンジン1から流出したエンジン冷却水は、通常はヒータユニット11を経由するバイパス路9を循環する。また、バイパス路9の上流部分に開閉弁25が設置され、空気温度が過度に高いと開閉弁25を閉じて冷却水の流通を停止させるよう制御装置26が制御する。
第1の実施形態例としての空調風吹き出し装置W1は、流路形成部材としてのダクトd1〜d4と、同ダクトd1〜d4の各下流端側に連結された吹き出し口装置Gとを備える。
ここで、空調ユニット13のケーシング131の複数の空気吹き出し筒p1〜p4に流路形成部材としてのダクトd1〜d4が連結される。各ダクトd1〜d4はその下流端側がインストルメントパネル1の車室対向壁に設けられた各吹き出し口m1〜m4(m2、m4は不図示)に連通する。
各ダクトd1〜d4の湾曲部c1〜c4はその下流側に負圧領域E0(図3参照)を生じさせる負圧領域形成部として形成される。ここで、負圧領域生成部を成す各湾曲部c1〜c4はそれぞれ同一構成を採ることより、ここでは、第1のダクトd1及び第1の負圧領域生成部である第1の湾曲部c1を代表して説明する。
図3に示すように、第1の負圧領域生成部である湾曲部c1は一部の管壁50をほぼ90°湾曲して形成され、空気流を偏向するよう形成される。即ち、流路frの長手方向での上流側である空調ユニット13の空気吹き出し筒p1から流動してきた空気の流動方向をほぼ90°偏向し、下流側の吹き出し口m1を有する吹き出し口装置Gに向けて流動させる。
このような第1のダクトd1の管壁50であって、湾曲部c1の下流側直下で曲率の大きい内側(図3で右側)の部分に第1の吸入口n0が形成される。この吸入口n0は車室Rの空気を流路fr内の負圧領域E0に流入させる吸い込み通路r0の一部を成し、同管壁50の外側壁面に車室側空気の吸入量を可変調整する吸入空気量調整装置51が装備される。
スライドドア53はノブ54を把持する操作者が所定操作力以上の操作力を加えることで両ガイドレール52に対して相対移動できるよう、適宜の摺動抵抗が付与されるよう形成される。これにより吸い込み通路r0の通路面積を増減操作でき、全閉位置s1と全開位置s2との間の所定開度、即ち、所定の吸い込み量を保持できるよう切換え操作できる。
このように、第1のダクトd1は第1の負圧領域生成部である湾曲部c1の下流側直下に負圧領域E0を形成し、吸入空気量調装部材であるスライドドア53をノブ54を介して手動で変位させることで吸い込み通路r0の吸い込み量を調整できる。
なお、リテーナ31の端側筒部311には環状基枠291を介してダクトd1が接続され、これによって空調ユニット13から延びる流路frを連続形成している。リテーナ31の端側筒部311は主筒部312を延出し、主筒部312の先端がインストルメントパネル1の取り付け穴h1に基筒部41を介して嵌合する。
なお、可動枠36と主筒部312の間には回転規制用のスペーサー38が配備され、これによって可動枠36が所定以上の操作力を受ける場合に回転中心線Lb回りに回動可能なように形成されている。
上述したような第1のダクトd1と同様に第2〜第4ダクトd1〜d4が形成され、同様に操作可能である。
この場合、吸い込み通路r0の開度に応じた吸い込み量の車室空気が第1のダクトd1の負圧領域E0に吸入される。これにより空調ユニット13からの空調空気の温度を吹き出し口m1と向かい合う位置に着座している乗員の好みに応じて、手動により好ましい状態に容易に調整することができる。この場合、他の乗員に向けて吹き出す空調風の温度を変えることがないので、気軽に空調風の温度調整を行えるという利点がある。
この第2の実施形態例としての空調風吹き出し装置W2は第1実施形態例の空調風吹き出し装置W1と比較し、吸入空気量調整装置51と異なる吸入空気量調整装置51aを使用する点でのみ異なり、その他の構成は同一であり、重複する構成部分の説明を略す。
第3の実施形態例としての空調風吹き出し装置W3は空調風吹き出し装置W1と比較し、第1のダクトd1より湾曲部を排除した点で異なり、更に、直状部aの管路の一部に第1の吸入口n0が形成され、その吸入口n0の上流側の縁部に吸い込み通路r0を開閉する吸入空気量調整装置51と異なる吸入空気量調整装置51bを使用する点で異なり、その他の構成は同一であり、重複する構成部分の説明を略す。
突状操作片66はその回動端にノブ661を突設すると共に係止孔662をノブ661の内部に形成する。係止孔662は回動規制部67と対向する側が開口し、孔の底部側にコイルバネ663を嵌着し、コイルバネ663の突き出し端側にピン664を配し、同ピンを回動規制部67側に突き出し付勢している。
この負圧領域E0の上流側の吸入口n0は車室R内の空気を流路fr内の負圧領域E0に流入させる吸い込み通路r0の一部を成し、板状弁63の傾斜角θの大きさに応じた負圧領域E0の負圧化(静圧の低下)に応じた吸入量の車室側の空気を吸入する。
図1に示す空調風吹き出し装置W1と同様に空調風吹き出し装置W4は、流路形成部材としての複数のダクトd1〜d4を備える。更に、ダクトd1〜d4の各下流端側に連結された同一の各吹き出し口装置G1を備える。
吹き出し口装置G1は空気吹き出し口m1を有し、インストルメントパネル1の助手席側に対向配備され、空気吹き出し口m2を有する吹き出し口装置G1はインストルメントパネル1の運転席側に対向配備される。なお、空気吹き出し口m3、m4は不図示のフロントウインドウと対向するデフロスタグリル29、29に接続されている。
ここで各ダクトd1〜d4の吹き出し口装置G1はその内部に負圧領域E0を生じさせる負圧領域形成部が形成され、それぞれ同一構成を採ることより、ここでは、第1のダクトd1の吹き出し口装置G1を代表して説明する。なお、この吹き出し口装置G1を備えた空調風吹き出し装置W4は、第1の実施形態例としての空調風吹き出し装置W1と比較し、同一部材を多く含み、同一部材には同一符号を付し、重複説明を簡略化する。
筒状のリテーナ31は流路形成部材の一部を成し、図1に示した空調ユニット13からダクトd2を介して延びる流路frに端側筒部311を介して接続され、端側筒部311と一体の主筒部312の先端がインストルメントパネル1の取り付け穴h1に嵌合すると共に、取り付け穴h1に固着の基筒部41内にアウターリング33を介して嵌着される。
なお、可動枠36と主筒部312の間には回転規制用のスペーサー38が配備され、これによって可動枠36が所定以上の操作力を受ける場合に回転中心線Lb回りに回動可能なように、ピン結合されている。
なお、図8(a)に示すように、リテーナ31の端側筒部311には取り付けバンド313が固着され、これより延びる締結片314がフロントデッキクロスメンバ3にブラケット29を介し取り付けられている。
このようなセンターリング30の環状絞り部80を覆う主筒部の内周壁にも貫通孔72が形成される。更に、主筒部に外嵌するアウターリング33にも貫通孔73が形成される。
次に、このような吹き出し口装置G1を備えた空調風吹き出し装置W4の作動を説明する。
これにより、吸い込み通路r4の流路断面積を増減させ、これにより環状の負圧領域E0への空気の吸い込み量を操作する。この際、図10に示すように、比較的大量の車室空気(図10に気流を2点差線で示した)を負圧領域E1に吸い込み、この負圧領域E1に空調ユニット13から達している空調空気に混入させる。これにより、温度が比較的高い車室空気で昇温された空調空気が主筒部312の空気吹き出し口m1より助手席に向けて吹き出され、比較的高温の空調空気を望んでいる助手席の乗員の要望に対処することができる。
以上の各操作は、運転席側に対向配備された空気吹き出し口m1の空調風吹き出し装置でも同様に成され、同様の温度調整を行え、同様の作用効果が得られる。
2 下部空間
13 空調ユニット
30 センターリング
31 リテーナ
312 主筒部
32 バレル
33 アウターリング
331 操作筒部(操作部材)
332 把持部
35 導風板
36 枠部
51 吸入空気量調整装置
53 スライドドア(吸入空気量調装部材)
63 板状弁(吸入空気量調装部材及び負圧領域生成部)
71、72、73、74 貫通孔
80 環状絞り部(負圧領域生成部)
c1 湾曲部(負圧領域生成部)
d1〜d4 ダクト(流路形成部材)
r0、r1、r4 吸い込み通路
fr 流路
h1 取り付け穴
g1 通風隙間
m1、m2 吹き出し口
rf 流路
AC 空調装置
E0、E1 負圧領域
G、G1 吹き出し口装置
Y 車幅方向
W1〜W4 空調風吹き出し装置
Claims (6)
- 車室に配備されたインストルメントパネルと、
空調空気の供給源から延びる流路を前記インストルメントパネルに設けられた空調空気の吹き出し口まで連通させる流路形成部材と、
前記流路形成部材の長手方向における一部の管壁に形成され同管壁内の流路に負圧領域を生じさせる負圧領域生成部と、
前記管壁の負圧領域生成部に形成され前記流路の負圧領域に車室内の空気を流入させる吸い込み通路と、
手動操作可能な操作部材を有すると共に同操作部材が前記吸い込み通路の通路面積を増減させて車室空気の吸入量を可変調整する吸入空気量調整部材と、
を備えたことを特徴とする空調風吹き出し装置。 - 請求項1記載の空調風吹き出し装置において、
前記空調空気の供給源から複数分岐して前記流路形成部材がそれぞれ延出すると共に各流路形成部材は前記インストルメントパネルに設けられ、それぞれ対向する位置に配備された各空調空気の吹き出し口に連通するように形成された、ことを特徴とする空調風吹き出し装置。 - 請求項1又は2記載の空調風吹き出し装置において、
前記流路を形成する管壁の一部にその長手方向に沿って湾曲する湾曲部が前記負圧領域生成部として形成され、同湾曲部の下流側に負圧領域が生成される、ことを特徴とする空調風吹き出し装置。 - 請求項1又は2記載の空調風吹き出し装置において、
前記流路を形成する管壁の一部に、前記流路の流路断面積を絞るよう可変調整する可動絞り部材が配備され、同可動絞り部材の下流側に負圧領域が生成される、ことを特徴とする空調風吹き出し装置。 - 請求項1又は2に記載の空調風吹き出し装置において、
前記流路形成部材の一部を成すと共に前記インストルメントパネルに形成された取り付け穴に嵌合する主筒部を備え、同主筒部の先端部に前記吹き出し口が形成されたリテーナと、
前記主筒部の内周壁に沿うように支持され前記負圧領域生成部として前記流路を絞る環状絞り部が形成されたセンターリングと、
前記センターリング内に支持されると共に前記吹き出し口からの空気の吹き出し方向を複数の導風板によって調整するバレルと、
を具備し、
前記吸い込み通路は前記主筒部とセンターリングの環状絞り部とに形成した各貫通孔を通して前記負圧領域に車室内の空気を流入させるよう形成され、
前記吸入空気量調整部材は、前記主筒部に外嵌され手動操作可能な筒状の操作部材と同操作部材の端部に形成された把持部とを有すると共に同操作部材が前記主筒部の貫通孔の面積である通路面積を増減させるアウターリングとして形成される、
ことを特徴とする空調風吹き出し装置。 - 請求項5記載の空調風吹き出し装置において、
前記アウターリングの把持部は前記取り付け穴より突き出す端部に鍔状に形成された、ことを特徴とする空調風吹き出し装置。
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