JP2010188196A - 遊技機および遊技用装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技用価値の貸出に際して課される税率が変更されても容易に対応することができるようにする。
【解決手段】パチンコ遊技機1に課税情報設定スイッチ180が設けられ、払出制御基板37に搭載されている払出制御手段が、課税情報設定スイッチ180の設定値に応じて単位料金当たりの貸球数Nを決定する。遊技球の貸し出しに対する課税率が変更されても、カードユニット50の構成を変更せずに対応することができる。また、パチンコ遊技機1に課税情報表示器158が設けられているので、遊技者は、貸し出される遊技球についてどの程度の課税分があるのかを直ちに認識することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、遊技者が貸与された遊技媒体等の遊技用価値を用いて遊技が行われるパチンコ遊技機等の遊技機、および遊技者に遊技用価値を貸し出すための制御を行う遊技用装置に関する。
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の遊技媒体が賞球として遊技者に払い出されるものがある。遊技媒体の払い出しは払出機構によって行われる。
また、遊技者は、遊技媒体を借り出し、借り出した遊技媒体および入賞に応じて払い出された遊技媒体を用いて遊技を行う。その場合、例えば、遊技者は、カードユニット等の遊技用装置に対してプリペイドカード等の有価価値の記録媒体を装着した後、球貸し要求を入力する。すると、遊技用装置は、遊技機に対して貸与要求信号を出力する。遊技機は、遊技用装置からの貸与要求信号に応じて遊技者に遊技用価値としての遊技媒体を貸し出す。遊技媒体の貸出に際して、1個当たりの遊技媒体の価値は決まっているので(例えば4円/個)、例えば、100円分の球貸し要求に対して、カードユニット等の遊技用装置は、有価価値の記録媒体から100円分の価値を減少させる。
なお、有価価値とは金額に相当するものであり、遊技用価値とは1つの遊技媒体の価値(例えば4円)や所定数の遊技媒体の価値(例えば25個に対応する100円)に相当するものである。また、遊技用価値の貸与に関する情報には、遊技用価値の貸与を要求するためのカードユニットから遊技機に対する情報と、遊技用価値の貸与の実行に関する遊技機からカードユニットに対する情報が含まれる。
遊技媒体の貸出に際して実質的に金銭の支払いがなされることから、商取引に伴う課税(例えば消費税)が発生する。すなわち、1個当たりの遊技媒体の価値(例えば4円)には課税分が含まれていることになる。例えば、税率が5%であれば、課税分を除く実質的な価値は3.8円(4円×95%)である。課税における税率が一定であれば、単位料金(例えば100円)当たり、常に一定の量の遊技媒体を貸し出せばよいが、社会情勢等に応じて税率が変更される場合がある。税率が変更された場合には、実質的な価値を3.8円に維持しようとすると、単位料金を変更したり、単位料金を変更せずに単位料金当たりの貸出個数を変更しなければならない。ところが、従来の遊技機および遊技用装置では、単位料金を変更したり、単位料金当たりの貸出個数を変更することは容易でない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされた発明であって、遊技用価値の貸出に際して課される税率が変更されても容易に対応することができる遊技機および遊技用装置を提供することを目的とする。
本発明による遊技機は、遊技者が貸与された遊技用価値(例えば遊技球等の遊技媒体)を用いて遊技が行われる遊技機であって、記録媒体(例えばプリペイドカード)に記録されている記録情報で特定される有価価値を使用して遊技者に遊技用価値を貸与するための制御を行う遊技用装置(例えばカードユニット50)と通信可能な通信手段(例えば払出制御用CPU371,I/Oポート372b、372f)と、遊技者に遊技用価値を貸与する貸与手段(例えば球払出装置97)と、遊技者に貸与される遊技用価値についての課税率に関する情報(例えば課税率に応じた遊技球数、課税率、課税率に応じた遊技球数を除く遊技球数)を設定可能な課税情報設定手段(例えば課税情報設定スイッチ180)と、課税情報設定手段の設定にもとづいて、通信手段が遊技用装置から受信した遊技用価値の貸与に関する情報に対応して遊技者に貸与する遊技用価値の量を決定する貸与量決定手段(例えば払出制御用CPU371)とを含み、貸与手段により、貸与量決定手段が決定した量の遊技用価値を貸与することが可能であることを特徴とする。
本発明による遊技用装置は、遊技者が貸与された遊技用価値(例えば遊技球等の遊技媒体)を用いて遊技が行われる遊技機に接続可能であり、記録媒体(例えばプリペイドカード)に記録されている記録情報で特定される有価価値を使用して遊技者に遊技用価値を貸与するための制御を行う遊技用装置であって、遊技用価値の貸与に関する情報を遊技機との間で通信可能な通信手段(例えばカードユニット制御部160)と、記録媒体の処理を行う記録媒体処理手段(例えばカードリーダライタ161)と、遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段(例えば課税情報設定スイッチ180)と、課税情報設定手段の設定にもとづいて、記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値から減算する減算量を決定(例えばカードユニット制御部160におけるバッファから105円減算することに決定)する減算量決定手段(例えばカードユニット制御部160、特に残高演算処理におけるステップS464)とを含み、記録媒体処理手段により、減算量決定手段が決定した減算量を記録情報で特定される有価価値から減算することが可能であることを特徴とする。
本発明による他の態様の遊技機は、遊技者が貸与された遊技用価値(例えば遊技球等の遊技媒体)を用いて遊技が行われる遊技機であって、記録媒体(例えばプリペイドカード)に記録されている記録情報で特定される有価価値を使用して遊技者に遊技用価値を貸与するための制御を行う遊技用装置(例えばカードユニット50)と通信可能な通信手段(例えば払出制御用CPU371,I/Oポート372b、372f)と、遊技者に遊技用価値を貸与する貸与手段(例えば球払出装置97)と、遊技者に貸与される遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段(例えば課税情報設定スイッチ180)と、課税情報設定手段の設定にもとづいて、通信手段が遊技用装置から受信した遊技用価値の量を最小単位まで特定可能な情報(例えばBRQ2信号)に対応して遊技者に貸与する遊技用価値の量(例えば24個の遊技球)を決定する貸与量決定手段(例えば払出制御用CPU371)とを含み、貸与手段により、貸与量決定手段が決定した量の遊技用価値を貸与することが可能であることを特徴とする。
本発明による他の態様の遊技用装置は、遊技者が貸与された遊技用価値(例えば遊技球等の遊技媒体)を用いて遊技が行われる遊技機に接続可能であり、記録媒体(例えばプリペイドカード)に記録されている記録情報で特定される有価価値を使用して遊技者に遊技用価値を貸し出すための制御を行う遊技用装置であって、遊技用価値の貸与に関する情報を遊技機との間で通信可能な通信手段(例えばカードユニット制御部160)と、記録媒体の処理を行う記録媒体処理手段(例えばカードリーダライタ161)と、遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段(例えば課税情報設定スイッチ180)と、課税情報設定手段の設定にもとづいて、遊技者に貸与する遊技用価値の量(例えば24個の遊技球)を決定する貸与量決定手段(例えばカードユニット制御部160)と、課税情報設定手段の設定にもとづいて、記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値から減算する減算量を決定する減算量決定手段(例えばカードユニット制御部160、特に残高演算処理におけるステップS464)とを含み、記録媒体処理手段が、減算量決定手段が決定した減算量を記録情報で特定される有価価値から減算するための処理を行い、通信手段が、貸与量決定手段が決定した遊技用価値の量を最小単位まで特定可能な情報(例えばBRQ2信号)を遊技機に送信することを特徴とする。
請求項1記載の発明では、遊技機を、遊技者に貸与される遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段と、課税情報設定手段の設定にもとづいて、通信手段が遊技用装置から受信した遊技用価値の貸与に関する情報に対応して遊技者に貸与する遊技用価値の量を決定する貸与量決定手段とを含み、貸与手段により、貸与量決定手段が決定した量の遊技用価値を貸与することが可能であるように構成したので、遊技機側の設定の変更によって、遊技用価値の貸与に際して課される税率が変更されても容易に対応することができる効果がある。
請求項2記載の発明では、遊技用装置を、遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段と、課税情報設定手段の設定にもとづいて、記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値から減算する減算量を決定する減算量決定手段とを含み、記録媒体処理手段により、減算量決定手段が決定した減算量を記録情報で特定される有価価値から減算することが可能であるように構成にしたので、遊技用装置側の設定の変更によって、遊技用価値の貸与に際して課される税率が変更されても容易に対応することができる効果がある。
請求項3記載の発明では、遊技機を、遊技者に貸与される遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段と、課税情報設定手段の設定にもとづいて、通信手段が遊技用装置から受信した遊技用価値の量を最小単位まで特定可能な情報に対応して遊技者に貸与する遊技用価値の量を決定する貸与量決定手段とを含み、貸与手段により、貸与量決定手段が決定した量の遊技用価値を貸与することが可能であるように構成したので、遊技用価値の貸与に際して課される税率が変更されても容易に対応することができる効果がある。
請求項4記載の発明では、遊技用装置を、遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段と、課税情報設定手段の設定にもとづいて、遊技者に貸与する遊技用価値の量を決定する貸与量決定手段と、課税情報設定手段の設定にもとづいて、記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値から減算する減算量を決定する減算量決定手段とを含み、記録媒体処理手段が、減算量決定手段が決定した減算量を記録情報で特定される有価価値から減算するための処理を行い、通信手段が、貸与量決定手段が決定した遊技用価値の量を最小単位まで特定可能な情報を遊技機に送信するように構成したので、遊技用価値の貸与に際して課される税率が変更されても容易に対応することができる効果がある。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前面を示す正面図である。 遊技機を裏面から見た背面図である。 球払出装置の構成例を示す分解斜視図である。 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。 払出制御基板の回路構成例を示すブロック図である。 実施の形態1のカードユニットの構成をパチンコ遊技機における球貸しに関する構成要素とともに示すブロック図である。 払出制御基板の設置例を示す説明図である。 電源基板の回路構成例を示すブロック図である。 主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。 電源監視および電源バックアップのための払出制御用CPU周りの一構成例を示すブロック図である。 出力ポートのビット割り当ての一例を示す説明図である。 出力ポートのビット割り当ての一例を示す説明図である。 入力ポートのビット割り当ての一例を示す説明図である。 払出制御基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 払出制御手段の2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。 払出制御手段におけるRAMの一構成例を示す説明図である。 カードユニットとパチンコ遊技機の払出制御基板との間で送受信される信号方式の一例を示すタイミング図である。 課税情報設定スイッチの構成例を示す説明図である。 課税情報表示器の表示形態の例を示す説明図である。 課税情報設定スイッチの設定値と課税情報表示器の表示内容との対応を示す説明図である。 課税率と課税情報表示器の表示内容との関係の一例を示す説明図である。 貸球数決定処理の一例を示すフローチャートである。 貸球数決定処理の他の例を示すフローチャートである。 スイッチ処理の例を示すフローチャートである。 DG処理を示すフローチャートである。 払出停止状態設定処理の例を示すフローチャートである。 コマンド解析実行処理の例を示すフローチャートである。 プリペイドカードユニット制御処理の例を示すフローチャートである。 球貸し制御処理の例を示すフローチャートである。 球貸し制御処理の例を示すフローチャートである。 球貸しカウントスイッチチェック処理の例を示すフローチャートである。 球貸し情報出力処理の例を示すフローチャートである。 球貸し個数信号の出力例を示すタイミング図である。 賞球制御処理の例を示すフローチャートである。 賞球制御処理の例を示すフローチャートである。 賞球カウントスイッチチェック処理の例を示すフローチャートである。 エラーの種類とエラー表示用LEDの表示との関係を示す説明図である。 エラー処理の一例を示すフローチャートである。 エラー処理の一例を示すフローチャートである。 払出制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。 払出制御コマンドを構成する8ビットの制御信号(コマンドデータ)と取込信号との関係を示すタイミング図である。 払出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 実施の形態2のカードユニットの構成をパチンコ遊技機における球貸しに関する構成要素とともに示すブロック図である。 カードユニット制御処理を示すフローチャートである。 カードユニット制御処理を示すフローチャートである。 カードユニット制御処理を示すフローチャートである。 残高演算処理を示すフローチャートである。 払出制御基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 カードユニットとパチンコ遊技機の払出制御基板との間で送受信される信号方式の一例を示すタイミング図である。 実施の形態3のカードユニットの構成をパチンコ遊技機における球貸しに関する構成要素とともに示すブロック図である。 球貸し制御処理の一部を示すフローチャートである。 球貸し制御処理の一部を示すフローチャートである。 実施の形態3のカードユニット制御処理を示すフローチャートである。 実施の形態3のカードユニット制御処理を示すフローチャートである。 実施の形態3の変形例のカードユニットの構成をパチンコ遊技機における球貸しに関する構成要素とともに示すブロック図である。 球貸し制御処理の一部を示すフローチャートである。
実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別可変表示部)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。可変表示装置9の下方には、始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。また、可変表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDによる特別図柄始動記憶表示器(以下、始動記憶表示器という。)18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、始動記憶表示器18は点灯するLEDを1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄と普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示部と普通可変表示部とは1つの可変表示装置で実現される。
この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、価値記録媒体としてのプリペイドカード(以下、カードという。)が挿入されることによって球貸しを可能にする遊技用装置であるカードユニット50も示されている。
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示態様)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。図3は、遊技機を裏面から見た背面図である。
図3に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置9を制御する図柄制御基板80を含む可変表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。さらに、遊技盤6に設けられている各種装飾LED、始動記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52を点灯制御するランプ制御手段が搭載されたランプ制御基板35、スピーカ27からの音発生を制御する音制御手段が搭載された音制御基板70も設けられている。また、また、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910や発射制御基板91が設けられている。
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチの出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球個数信号を外部出力するための賞球用端子および球貸し個数信号を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤34が設置されている。
さらに、各基板(主基板31や払出制御基板37等)に含まれる記憶内容保持手段(例えば、電力供給停止時にもその内容を保持可能な変動データ記憶手段すなわちバックアップRAM)に記憶されたバックアップデータをクリアするための操作手段としてのクリアスイッチ921が搭載されたスイッチ基板190が設けられている。スイッチ基板190には、クリアスイッチ921と、主基板31等の他の基板と接続されるコネクタ922が設けられている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、賞球ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になり、さらに遊技球が払い出されると、遊技球は余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、満タンスイッチ48(図3において図示せず)がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに発射装置の駆動も停止する。
図4は、遊技者に遊技用価値としての遊技球を貸し出す貸出装置の一例である球払出装置97の構成例を示す分解斜視図である。この例では、賞球ケース40Aとしての3つのケース140,141,142の内部に球払出装置97が形成されている。ケース140,141の上部には、球切れスイッチ187の下部の球通路と連通する穴170,171が設けられ、遊技球は、穴170,171から球払出装置97に流入する。
球払出装置97は駆動源となる払出モータ(例えばステッピングモータ)289を含む。払出モータ289の回転力は、払出モータ289の回転軸に嵌合しているギア290に伝えられ、さらに、ギア290と噛み合うギア291に伝えられる。ギア291の中心軸には、凹部を有するスプロケット292が嵌合している。穴170,171から流入した遊技球は、スプロケット292の凹部によって、スプロケット292の下方の球通路293に1個ずつ落下させられる。
球通路293には遊技球の流下路を切り替えるための振分部材311が設けられている。振分部材311はソレノイド310によって駆動され、賞球払出時には、球通路293における一方の流下路を遊技球が流下するように倒れ、球貸し時には球通路293における他方の流下路を遊技球が流下するように倒れる。なお、払出モータ289およびソレノイド310は、払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUによって制御される。また、払出制御用CPUは、主基板31に搭載されている遊技制御用のCPUからの指令に応じて払出モータ289およびソレノイド310を制御する。
賞球払出時に選択される流下路の下方には球払出装置97によって払い出された遊技球を検出する払出検出手段としての賞球センサ(賞球カウントスイッチ)301Aが設けられ、球貸し時に選択される流下路の下方には球払出装置によって払い出された遊技球を検出する球貸しセンサ(球貸しカウントスイッチ)301Bが設けられている。賞球カウントスイッチ301Aの検出信号と球貸しカウントスイッチ301Bの検出信号は払出制御基板37に搭載されている払出制御手段に入力される。払出制御用CPUは、それらの検出信号にもとづいて、実際に払い出された遊技球の個数を計数する。また、賞球カウントスイッチ301Aの検出信号は主基板31に搭載されている遊技制御手段にも入力されている。
なお、ギア291の周辺部には、払出モータ位置センサを形成する突起部が形成されている。突起部は、ギア291の回転すなわち払出モータ289の回転に伴って発光体(図示せず)からの光を、払出モータ位置センサの受光部(図示せず)に対して透過させたり遮蔽したりする。払出制御用CPUは、受光部からの検出信号によって払出モータ289の位置を認識することができる。
また、この実施の形態では、払出手段は球貸しも賞球払出も実行可能な構成であったが、球貸しを行う機構と賞球払出を行う機構とが独立していても本発明を適用することができる。球貸しを行う機構と賞球払出を行う機構とが独立している場合には、賞球払出と球貸しとを同時実行可能なので、遊技球の相対的な払出速度を速くすることができる。また、遊技球の流下路を切り替えるための振分部材311およびソレノイド310は不要である。球貸しを行う機構と賞球払出を行う機構とが独立していてもよいことは、他の実施の形態の場合も同様である。さらに、払出手段として、例えば、モータが正転すると賞球払出が行われ、モータが逆転すると球貸しが行われるような構造のものを用いることもできる。
図5は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射制御基板91および図柄制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301Aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
なお、図5には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301A等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。スイッチと称されているものがセンサと称されているもの等でもよいこと、すなわち、スイッチが遊技媒体検出手段の一例であることは、他の実施の形態でも同様である。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
基本回路53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板910において作成されるバックアップ電源よってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
この実施の形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられている始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよく、この実施の形態および他の実施の形態で用いられているLEDも他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例である。また、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段によって行われる。
図6は、払出制御基板37および球払出装置97の構成要素などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図6に示すように、満タンスイッチ48からの検出信号は、中継基板71を介して主基板31のI/Oポート部57に入力される。また、球切れスイッチ187からの検出信号も、中継基板72および中継基板71を介して主基板31のI/Oポート部57に入力される。
主基板31のCPU56は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示しているか、または、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、払出を停止すべき状態であることを指示する払出制御コマンドを送信する。払出を停止すべき状態であることを指示する払出制御コマンドを受信すると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は球払出処理を停止する。なお、CPU56は、ROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行する。また、払出制御用CPU371は、内蔵ROMまたは払出制御基板37に搭載されているに格納されているプログラムに従って制御を実行する。
さらに、賞球カウントスイッチ301Aからの検出信号は、中継基板72および中継基板71を介して主基板31のI/Oポート部57に入力されるとともに、中継基板72を介して払出制御基板37の入力ポート372bに入力される。賞球カウントスイッチ301Aは、球払出装置97の払出機構部分に設けられ、実際に払い出された賞球払出球を検出する。
入賞があると、払出制御基板37には、主基板31の出力ポート(ポート0,1)570,571から賞球個数を示す払出制御コマンドが入力される。出力ポート(出力ポート1)571は8ビットのデータを出力し、出力ポート570は1ビットのINT信号を出力する。賞球個数を示す払出制御コマンドは、入力バッファ回路373Aを介してI/Oポート372aに入力される。INT信号は、入力バッファ回路373Bを介して払出制御用CPU371の割込端子に入力されている。払出制御用CPU371は、I/Oポート372aを介して払出制御コマンドを入力し、払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動して賞球払出を行う。なお、この実施の形態では、払出制御用CPU371は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。
入力バッファ回路373A,373Bは、主基板31から払出制御基板37へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、払出制御基板37側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。すなわち、入力バッファ回路373A,373Bは、入力ポートとともに、信号を一方向にのみ伝達させる不可逆性情報入力手段を構成する。よって、払出制御基板37内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。
また、主基板31において、出力ポート570,571の外側にバッファ回路620,68Aが設けられている。バッファ回路620,68Aとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,74HC14が用いられる。このような構成によれば、外部から主基板31の内部に入力される信号が阻止されるので、払出制御基板37から主基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすことができる。なお、バッファ回路620,68Aの出力側にノイズフィルタを設けてもよい。
払出制御用CPU371は、出力ポート372dを介して、貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板160に出力する。さらに、出力ポート372eを介して、エラー表示用LED374にエラー信号を出力する。
さらに、払出制御基板37の入力ポート372bには、中継基板72を介して、球貸しカウントスイッチ301B、および払出モータ289の回転位置を検出するための払出モータ位置センサ294からの検出信号が入力される。球貸しカウントスイッチ301Bは、球払出装置97の払出機構部分に設けられ、実際に払い出された貸し球を検出する。払出制御基板37からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372dおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられ、振分ソレノイド310への駆動信号は、出力ポート372fおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における振分ソレノイド310に伝えられる。また、クリアスイッチ921の出力も、入力ポート372bに入力される。
カードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、連結台方向表示器153、カード投入表示ランプ154およびカード挿入口155が設けられている(図1参照)。
残高表示基板74には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示器、球貸し可ランプ、球貸しスイッチおよび返却スイッチ(図6において図示せず)が接続される。度数表示器は、カードユニット50に挿入されているカードに記録されている残高を100円単位で表示する表示器である。この実施の形態では、打球供給皿3の近傍に、課税情報(例えば消費税に関する情報)または課税率(例えば消費税率)を考慮した単位料金当たりの貸球数に関する情報を表示する課税情報表示器158が設置されている。払出制御用CPU371からI/Oポート373g、373hを介して表示のための信号が出力され、課税情報表示器158には、残高表示基板74を介して信号が供給される。なお、課税情報表示器158には、払出制御基板37から直接信号が供給されるように構成されていてもよい。
残高表示基板74からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ信号および返却スイッチ信号が払出制御基板37を介して与えられる。また、カードユニット50から残高表示基板74には、カードの残高を示すカード残高表示信号、球貸し可を示す球貸し可表示信号および球貸し可表示信号が払出制御基板37を介して与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(遊技機→カードユニット)、貸与要求信号(カードユニット→遊技機)、貸与指令信号(カードユニット→遊技機)、貸与可能信号(遊技機→カードユニット)、貸与確認信号(カードユニット→遊技機)、貸与完了信号(遊技機→カードユニット)、球貸し要求終了信号(カードユニット→遊技機)および貸与準備信号が入力ポート372bおよび出力ポート372fを介してやりとりされる。
なお、この実施の形態および後述する他の実施の形態では、接続信号としてVL信号が用いられ、貸与要求信号としてBRDY信号のハイレベルへの変化タイミングが用いられ、球貸し要求終了信号としてBRDY信号のローレベルへの変化タイミングが用いられる。また、貸与指令信号としてBRQ信号のハイレベルへの変化タイミングが用いられ、貸与確認信号としてBRQ信号のローレベルへの変化タイミングが用いられる。そして、貸与可能信号としてEXS信号のハイレベルへの変化タイミングが用いられ、貸与完了信号としてEXS信号のローレベルへの変化タイミングが用いられる。また、貸与準備信号としてPRDY信号が用いられる。なお、各信号のオン/オフのレベルは、ここで用いられる例に限られず、ハイレベルでもよいしローレベルでもよい。
払出制御基板37には、課税情報設定スイッチ180が搭載されている。課税情報設定スイッチ180からの信号は、I/Oポート373cを介して払出制御用CPU371に入力される。払出制御用CPU371は、課税情報設定スイッチ180からの信号にもとづいて、単位料金当たりの貸球数を決定する。
この実施の形態では、電源基板910から払出制御基板37に対して電源断信号も入力される。電源断信号は、払出制御用CPU371のマスク不能割込(NMI)端子に入力される。さらに、払出制御基板37に存在するRAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)の少なくとも一部は、電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAMの少なくとも一部の内容は保存される。ただし、この実施の形態では、RAMの全てがバックアップ電源によってバックアップされている。
図7は、カードユニット50の構成を、パチンコ遊技機1における球貸しに関する構成要素とともに示すブロック図である。図7に示すように、パチンコ遊技機1に設けられている度数表示器157は、カードユニット50に搭載されているカードユニット制御部160によって表示制御される。度数表示器157には、カードに記録されている金額を単位料金(例えば100円)で除算した場合の商、すなわち度数が2桁表示される。カードユニット制御部160は、カードユニット制御用マイクロコンピュータやI/Oポートを含むものである。上述したように、課税情報表示器158は、払出制御基板37に搭載されている払出制御手段おける払出制御用CPU371によって制御される。
また、パチンコ遊技機1に設けられている球貸しスイッチ181および返却スイッチ182からの信号は、カードユニット50のカードユニット制御部160に入力される。カードユニット制御部160には、カードに記録されている情報を読み取るとともにカードに情報を記録するカードリーダライタ161が接続されている。また、使用可ランプ151、連結方向表示器153およびカード投入表示ランプ154が接続されている。
図8は、この実施の形態における払出制御基板37の設置例を示す説明図である。図8(A)に示す例では、払出制御基板37は例えば合成樹脂製の基板ボックス37Aで覆われ、基板ボックス37Aの上蓋は、固着部37Bで、基板ボックス37Aの下部に取り付けられる。この例では、固着部37Bの左右4箇所において、ねじ穴が設けられた固着部材が設置されている。そして、左右それぞれ1箇所の固着部材のねじ穴にワンウェイねじ(一度締めるとゆるめることができない構造を有するねじ)がねじ込まれることによって、基板ボックス37Aの上蓋が基板ボックス37Aのベース部に取り付けられる。この状態では、課税情報設定スイッチ180を操作することはできない。課税情報設定スイッチ180の設定状態を変更したい場合には、ねじが取り付けられている固着部材を破断することによって基板ボックス37Aの上蓋が取り外し可能状態になる。そして、基板ボックス37Aの上蓋を取り外して、課税情報設定スイッチ180を露出させる。すなわち、課税情報設定スイッチ180を操作可能状態にする。
図8(A)に示すような構造を用いた場合には、固着部材を破断しない限り、課税情報設定スイッチ180を露出させることができない。従って、固着部材の破断の箇所の数によって、課税情報設定スイッチ180が露出状態になった回数を把握することができる。よって、管理者が把握している回数よりも多くの破断箇所がある場合に、不正に課税情報設定スイッチ180が露出状態にされ、課税情報設定スイッチ180に対する不正行為がなされた可能性があることを認識できる。なお、固着部材にワンウェイねじをねじ込むことによって基板ボックス37Aが機構板に固着される構造であってもよい。
図8(B)に示す例では、払出制御基板37は、上蓋部分に施錠部37Dを有する基板ボックス37Cで覆われる。パチンコ遊技機1の稼働時には、施錠部37Dは施錠され、払出制御基板37は基板ボックス37Cで覆われる。この状態では、課税情報設定スイッチ180を操作することはできない。課税情報設定スイッチ180の設定状態を変更したい場合には、施錠を解除することによって基板ボックス37Aの上蓋が開放可能状態になる。そして、基板ボックス37Aを開放して、課税情報設定スイッチ180を露出させる。
図8(B)に示すような構造を用いた場合には、施錠を解除するための鍵を保管する管理者のみが課税情報設定スイッチ180を露出させることができる。従って、第三者が課税情報設定スイッチ180を不正に操作する可能性をなくすことができる。
不正防止のために、課税情報設定スイッチ180の設定を容易に変更でないような構造をとる必要があり、図8(A),(B)に例示するように払出制御基板37の全体を保護するようにしてもよいが、払出制御基板37において、課税情報設定スイッチ180の部分のみを保護するようにしてもよい。保護の仕方は、例えば、図8(A)に示すような固着部によるであってもよいし、図8(B)に示すような施錠であってもよい。その他、課税情報設定スイッチ180の設定を容易に変更でないような構造であれば、他の構造を用いてもよい。
図9は、電源基板910の一構成例を示すブロック図である。電源基板910は、主基板31、図柄制御基板80、音制御基板70、ランプ制御基板35および払出制御基板37等の電気部品制御基板と独立して設置され、遊技機内の各電気部品制御基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、DC+21V、DC+12VおよびDC+5Vを生成する。また、バックアップ電源すなわち記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5Vすなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。なお、VSLは、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。
トランス911は、交流電源からの交流電圧を24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ915に出力される。また、整流回路912は、AC24Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバータ913およびコネクタ915に出力する。DC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のコンバータIC922(図9では1つのみを示す。)を有し、VSLにもとづいて+21V、+12Vおよび+5Vを生成してコネクタ915に出力する。コンバータIC922の入力側には、比較的大容量のコンデンサ923が接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、+30V、+12V、+5V等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。コネクタ915は例えば中継基板に接続され、中継基板から各電気部品制御基板および機構部品に必要な電圧の電力が供給される。
ただし、電源基板910に各電気部品制御基板に至る各コネクタを設け、電源基板910から、中継基板を介さずにそれぞれの基板に至る各電圧を供給するようにしてもよい。また、図9には1つのコネクタ915が代表して示されているが、コネクタは、各電気部品制御基板対応に設けられている。
DC−DCコンバータ913からの+5Vラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成する。バックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コンデンサ916は、遊技機に対する電力供給が停止したときの電気部品制御基板のバックアップRAM(電源バックアップされているRAMすなわち電力供給停止時にも記憶内容保持状態となりうるバックアップ記憶手段)に対して記憶状態を保持できるように電力を供給するバックアップ電源となる。また、+5Vラインとバックアップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、この実施の形態では、バックアップ用の+5Vは、主基板31および払出制御基板37に供給される。
また、電源基板910には、電源監視回路としての電源監視用IC902が搭載されている。電源監視用IC902は、VSL電圧を導入し、VSL電圧を監視することによって遊技機への電力供給停止の発生を検出する。具体的には、VSL電圧が所定値(この例では+22V)以下になったら、電力供給の停止が生ずるとして電源断信号を出力する。なお、監視対象の電源電圧は、各電気部品制御基板に搭載されている回路素子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い電圧であることが好ましい。この例では、交流から直流に変換された直後の電圧であるVSLが用いられている。電源監視用IC902からの電源断信号は、主基板31や払出制御基板37等に供給される。
電源監視用IC902が電力供給の停止を検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、各電気部品制御基板上のCPUが暫くの間動作しうる程度の電圧である。また、電源監視用IC902が、CPU等の回路素子を駆動するための電圧(この例では+5V)よりも高く、また、交流から直流に変換された直後の電圧を監視するように構成されているので、CPUが必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。従って、より精密な監視を行うことができる。さらに、監視電圧としてVSL(+30V)を用いる場合には、遊技機の各種スイッチに供給される電圧が+12Vであることから、電源瞬断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+30V作成の以降に作られる+12Vが落ち始める以前の段階でそれの低下を検出できる。
+12V電源の電圧が低下するとスイッチ出力がオン状態を呈するようになるが、+12Vより早く低下する+30V電源電圧を監視して電力供給の停止を認識すれば、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電力供給回復待ちの状態に入ってスイッチ出力を検出しない状態となることができる。
また、電源監視用IC902は、電気部品制御基板とは別個の電源基板910に搭載されているので、電源監視回路から複数の電気部品制御基板に電源断信号を供給することができる。電源断信号を必要とする電気部品制御基板が幾つあっても電源監視手段は1つ設けられていればよいので、各電気部品制御基板における各電気部品制御手段が後述する復旧制御を行っても、遊技機のコストはさほど上昇しない。
なお、図9に示された構成では、電源監視用IC902の検出信号(電源断信号)は、バッファ回路918,919を介してそれぞれの電気部品制御基板(例えば主基板31と払出制御基板37)に伝達されるが、例えば、1つの検出信号を中継基板に伝達し、中継基板から各電気部品制御基板に同じ信号を分配する構成でもよい。また、電源断信号を必要とする基板数に応じたバッファ回路を設けてもよい。さらに、主基板31と払出制御基板37とに出力される電源断信号について、電源断信号を出力することになる電源監視回路の監視電圧を異ならせてもよい。
電源基板910の電源監視回路(電源監視手段)からの電源断信号は、主基板31において、CPU56のマスク不能割込端子(XNMI端子)に接続されている。従って、CPU56は、マスク不能割込(NMI)処理によって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
CPU56等の駆動電源である+5V電源から電力が供給されていない間、RAMの少なくとも一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源によってバックアップされ、遊技機に対する電力供給が停止しても内容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセット回路65からリセット信号が発せられ、CPU56は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要なデータがバックアップRAMに保存されているので、停電等からの復旧時に停電等の発生時の遊技状態に復旧させることができる。
また、電源基板910の電源監視回路(電源監視手段)からの電源断信号は、払出制御基板37において、払出制御用CPU371のマスク不能割込端子(XNMI端子)に接続されている。従って、払出制御用CPU371は、マスク不能割込(NMI)処理によって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
払出制御用CPU371等の駆動電源である+5V電源から電力が供給されていない間、RAMの少なくとも一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源によってバックアップされ、遊技機に対する電力供給が停止しても内容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセット回路からリセット信号が発せられ、払出制御用CPU371は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要なデータがバックアップRAMに保存されているので、停電等からの復旧時に停電等の発生時の払出制御状態に復旧させることができる。
次に遊技機の動作について説明する。図10は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)におけるCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。
この実施の形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込のモードとして3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
3種類のうちの割込モード2は、CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。初期設定処理のステップS2において、CPU56は割込モード2に設定される。
次いで、CPU56は、入力ポート1を介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS15)。クリアスイッチ921がオンである場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。
この実施の形態では、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、例えば、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。遊技機への電力供給が停止する際に実行される電力供給停止時処理において、チェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。遊技状態復旧処理においてPCが電力供給停止時前の状態に復元され、かつ、各種データ(例えば各乱数を生成するためのカウンタ)がバックアップRAMに保存されていることから、遊技機への電力供給が停止した後所定時間(バックアップRAMのデータ保持可能期間)内に電力供給が復旧すれば、例えば、後述する判定用乱数、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値は、電力供給停止時前の状態から継続されることになる。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、球払出装置97からの払出が可能であることを指示する払出許可状態指定コマンドを払出制御基板37に対して送信する処理を行う(ステップS13)。また、他のサブ基板(ランプ制御基板35、音制御基板70、図柄制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド(図柄制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド(ランプ制御基板35に対して)等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS15)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態になっているので、それらの乱数更新処理が実行されている最中に後述する2msタイマ割込が生じ割込処理で乱数更新処理が実行され、カウント値に矛盾が生じてしまうことが防止される。
表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値(最大値を越えて値が戻された後の値)を決定するための乱数である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図11に示すステップS21〜S32の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS22)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS28)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホールコンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS31)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。
そして、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS33)、割込許可状態に設定する(ステップS34)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図12は、払出制御用CPU371周りの一構成例を示すブロック図である。図12に示すように、電源基板910の電源監視回路(電源監視手段)からの電源断信号が、バッファ回路960を介して払出制御用CPU371のマスク不能割込端子(XNMI端子)に接続されている。従って、払出制御用CPU371は、マスク不能割込処理によって電源断の発生を確認することができる。
払出制御用CPU371のCLK/TRG2端子には、主基板31からのINT信号が接続されている。CLK/TRG2端子にクロック信号が入力されると、払出制御用CPU371に内蔵されているタイマカウンタレジスタCLK/TRG2の値がダウンカウントされる。そして、レジスタ値が0になると割込が発生する。従って、タイマカウンタレジスタCLK/TRG2の初期値を「1」に設定しておけば、INT信号の入力に応じて割込が発生することになる。
払出制御基板37には、システムリセット回路975も搭載されているが、この実施の形態では、システムリセット回路975におけるリセットIC976は、電源投入時に、外付けのコンデンサに容量で決まる所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイレベルにする。また、リセットIC976は、VSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値(例えば+9V)以下になると出力をローレベルにする。従って、電源断時には、リセットIC976からの信号がローレベルになることによって払出制御用CPU371がシステムリセットされる。すなわち、払出制御用CPU371は動作しない状態になる。
リセットIC976が電源断を検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、払出制御用CPU371が暫くの間動作しうる程度の電圧である。また、リセットIC976が、払出制御用CPU371が必要とする電圧(この例では+5V)よりも高い電圧を監視するように構成されているので、払出制御用CPU371が必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。従って、より精密な監視を行うことができる。
+5V電源から電力が供給されていない間、払出制御用CPU371の内蔵RAMの少なくとも一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源がバックアップ端子に接続されることによってバックアップされ、遊技機に対する電源が断しても内容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセット回路975からリセット信号が発せられるので、払出制御用CPU371は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要なデータがバックアップされているので、停電等からの復旧時には停電発生時の払出制御状態に復帰することができる。
なお、図12に示された構成では、システムリセット回路975は、電源投入時に、コンデンサの容量で決まる期間のローレベルを出力し、その後ハイレベルを出力する。すなわち、リセット解除タイミングは1回だけである。しかし、複数回のリセット解除タイミングが発生するような回路構成を用いてもよい。
図13および図14は、この実施の形態における出力ポートの割り当てを示す説明図である。図13に示すように、出力ポートD(アドレス00H)は、払出モータ289に出力される駆動信号等を出力する出力ポートである。また、出力ポートE(アドレス01H)は、7セグメントLEDであるエラー表示LED374に出力される表示制御信号を出力する出力ポートである。そして、出力ポートF(アドレス02H)は、振分ソレノイド310に出力される駆動信号、およびカードユニット50に対するEXS信号とPRDY信号とを出力する出力ポートである。
図14に示すように、出力ポートF(アドレス03H)および出力ポートG(アドレス04H)は、課税情報表示器158に対する表示データを出力するための出力ポートである。この実施の形態では、課税情報表示器158は、2つの7セグメントLEDで構成されている。そして、各7セグメントLEDは時分割で表示制御される。出力ポートF(アドレス03H)から、各7セグメントLEDのセグメントa〜gに供給される信号が出力され、出力ポートG(アドレス04H)から、左側(上位桁)の7セグメントLEDを選択するためDG1信号および右側(下位桁)の7セグメントLEDを選択するためDG2信号が出力される。
左側の7セグメントLEDの共通アノードにはDG1信号が接続され、右側の7セグメントLEDの共通アノードにはDG2信号が接続されている。例えば、DG1信号がオン状態になると左側の7セグメントLEDが点灯可能状態になり、DG2信号がオン状態になると右側の7セグメントLEDが点灯可能状態になる。点灯可能状態になった方が、セグメントa〜gに供給される信号に応じた表示を行う。そして、例えば、セグメントa〜gのうち点灯させたいセグメントにハイレベルの信号が供給される。なお、DG1信号とDG2信号とは交互にオン状態とされる。
図15は、この実施の形態における入力ポートのビット割り当てを示す説明図である。図15に示すように、入力ポートA(アドレス06H)は、主基板31から送信された払出制御コマンドの8ビットの払出制御信号を取り込むための入力ポートである。また、入力ポートB(アドレス07H)のビット0〜1には、それぞれ、賞球カウントスイッチ301Aおよび球貸しカウントスイッチ301Bの検出信号が入力される。ビット2〜5には、カードユニット50からのBRDY信号、BRQ信号、VL信号およびクリアスイッチ921の検出信号が入力される。なお、払出制御手段ではクリアスイッチ921を使用しない場合には、その検出信号を入力する必要はない。
そして、入力ポートC(アドレス08H)は、課税情報設定スイッチ180からの信号が入力される入力ポートである。この例では、課税情報設定スイッチ180から、2進6ビット(10進で0〜63)の信号が入力されている。なお、各出力ポートの外(出力側)や各入力ポートに外(入力側)に反転回路や増幅回路が設けられる場合がある。
図16は、払出制御手段(払出制御用CPU371およびROM,RAM等の周辺回路)における払出制御用CPU371が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止に設定する(ステップS701)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS702)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS703)。また、払出制御用CPU371は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行い(ステップS704)、CTCおよびPIOの初期化(ステップS705)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS706)。
この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS705の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込を例えば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、払出制御処理が実行される。
また、内蔵CTCのうちの他の一つのチャネル(この実施の形態ではチャネル2)が、遊技制御手段からの払出制御コマンド受信のための割込発生用のチャネルとして用いられ、そのチャネルがカウンタモードで使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS705の処理において、使用するチャネルをカウンタモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。
カウンタモードに設定されたチャネル(チャネル2)に設定される割込ベクタは、後述するコマンド受信割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでコマンド受信割込処理の先頭アドレスが特定される。
この実施の形態では、払出制御用CPU371でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップにもとづく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。
CTCのチャネル2(CH2)のカウントアップにもとづく割込は、上述したタイマカウンタレジスタCLK/TRG2の値が「0」になったときに発生する割込である。従って、例えばステップS705において、特定レジスタとしてのタイマカウンタレジスタCLK/TRG2に初期値「1」が設定される。さらに、CLK/TRG2端子に入力される信号の立ち上がりまたは立ち下がりで特定レジスタとしてのタイマカウンタレジスタCLK/TRG2のカウント値が−1されるのであるが、所定の特定レジスタの設定によって、立ち上がり/立ち下がりの選択を行うことができる。この実施の形態では、CLK/TRG2端子に入力される信号の立ち上がりで、タイマカウンタレジスタCLK/TRG2のカウント値が−1されるような設定が行われる。
また、CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、後述する2msタイマ割込として用いられる。具体的には、CPU371の動作クロックを分周したクロックがCTCに与えられ、クロックの入力によってレジスタの値が減算され、レジスタの値が0になるとタイマ割込が発生する。例えば、CH3のレジスタ値はシステムクロックの1/256周期で減算される。分周したクロックにもとづいて減算が行われるので、レジスタの初期値は大きくならない。ステップS705において、CH3のレジスタには、初期値として2msに相当する値が設定される。
CTCのCH2のカウントアップにもとづく割込は、CH3のカウントアップにもとづく割込よりも優先順位が高い。従って、同時にカウントアップが生じた場合に、CH2のカウントアップにもとづく割込、すなわち、コマンド受信割込処理の実行契機となる割込の方が優先される。
次いで、払出制御用CPU371は、入力ポートB(図15参照)を介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS707)。その確認においてオンを検出した場合には、払出制御用CPU371は、通常の初期化処理を実行する(ステップS711〜ステップS713)。クリアスイッチ921がオンである場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。なお、入力ポート372では、クリアスイッチ信号のオン状態はハイレベルである。また、払出制御手段においては、ステップS707の判定を行わなくてもよい。
なお、払出制御用CPU371も、主基板31のCPU56と同様に、スイッチの検出信号のオン判定を行う場合には、例えば、オン状態が少なくとも2ms(2ms毎に起動される処理の1回目の処理における検出直前に検出信号がオンした場合)継続しないとスイッチオンとは見なさないが、クリアスイッチ921のオン検出の場合には、1回のオン判定でオン/オフが判定される。すなわち、初期化操作手段としてのクリアスイッチ921が所定の操作状態であるか否かを払出制御用CPU371が判定するための初期化要求検出判定期間は、遊技媒体検出手段としての賞球カウントスイッチ等が遊技媒体を検出したことを判定するための遊技媒体検出判定期間とは異なる期間とされている。
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、払出制御用CPU371は、払出制御用のバックアップRAM領域にバックアップデータが存在しているか否かの確認を行う(ステップS708)。例えば、主基板31のCPU56の処理と同様に、遊技機への電力供給停止時にセットされるバックアップフラグがセット状態になっているか否かによって、バックアップデータが存在しているか否か確認する。バックアップフラグがセット状態になっている場合には、バックアップデータありと判断する。
バックアップありを確認したら、払出制御用CPU371は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う。不測の停電等の電力供給の停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電力供給の停止時の状態に戻すことができないので、不足の停電等からの復旧時ではなく電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば(ステップS709)、払出制御用CPU371は、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための払出状態復旧処理を行う(ステップS710)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の指すアドレスに復帰する。
初期化処理では、払出制御用CPU371は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS711)。そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用CPU371に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS712)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のステップS701において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS713)。
そして、払出制御用CPU371は、課税情報設定スイッチ180の設定値を入力ポートを介して入力し、入力した設定値にもとづいて、単位料金当たりの貸球数Nを決定する(ステップS714)。ここで、課税情報設定スイッチ180の設定値は、バックアップRAMに記憶される。
この実施の形態では、払出制御用CPU371の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。この実施の形態では、繰り返し周期は2msに設定される。そして、タイマ割込が発生すると、図17に示すように、タイマ割込があったことを示すタイマ割込フラグがセットされる(ステップS772)。そして、メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされたことが検出されたら(ステップS715)、タイマ割込フラグがリセットされるとともに(ステップS751)、払出制御処理(ステップS752〜S760)とDG処理(ステップS761)が実行される。DG処理は、課税情報表示器158の表示制御を行う処理である。
なお、タイマ割込では、図17に示すように、最初に割込許可状態に設定される(ステップS771)。よって、タイマ割込処理中では割込許可状態になり、INT信号の入力にもとづく主基板31からの払出制御コマンド受信処理を優先して実行することができる。
払出制御処理において、払出制御用CPU371は、まず、入力ポート372bに入力される賞球カウントスイッチ301Aや球貸しカウントスイッチ301B等のスイッチがオンしたか否かを判定する(スイッチ処理:ステップS752)。
次に、払出制御用CPU371は、主基板31から払出禁止状態指定コマンドを受信していたら払出停止状態に設定し、払出許可状態指定コマンドを受信していたら払出停止状態の解除を行う(払出停止状態設定処理:ステップS753)。具体的には、払出禁止状態指定コマンドを受信していたらバックアップRAMに形成されている内部フラグとしての払出停止/解除フラグを払出停止を示す値にし、払出許可状態指定コマンドを受信していたらバックアップRAMに形成されている内部フラグとしての払出停止/解除フラグを払出停止解除を示す値にする。また、受信した払出制御コマンドを解析し、解析結果に応じた処理を実行する(コマンド解析実行処理:ステップS754)。さらに、カードユニット制御処理を行う(ステップS755)。
次いで、払出制御用CPU371は、球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行う(ステップS756)。このとき、払出制御用CPU371は、振分ソレノイド310によって球振分部材311を球貸し側に設定する。
さらに、払出制御用CPU371は、総合個数記憶に格納された個数の賞球を払い出す賞球制御処理を行う(ステップS757)。このとき、払出制御用CPU371は、振分ソレノイド310によって球振分部材311を賞球側に設定する。そして、出力ポート372cおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に対して駆動信号を出力し、所定の回転数分払出モータ289を回転させる払出モータ制御処理を行う(ステップS758)。なお、この実施の形態では、払出モータ289としてステッピングモータが用いられる。
次いで、エラー検出処理が行われ、その結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行う(エラー処理:ステップS759)。また、遊技機外部に出力される球貸し個数信号を出力する処理等を行う(出力処理:ステップS760)。
なお、図15に示す出力ポートCは、払出制御処理における払出モータ制御処理(ステップS758)でアクセスされる。また、出力ポートDは、払出制御処理におけるエラー処理(ステップS759)でアクセスされる。そして、出力ポートEは、払出制御処理における球貸し制御処理(ステップS756)および賞球制御処理(ステップS757)でアクセスされる。
図18は、払出制御用CPU371が内蔵するRAMの使用例を示す説明図である。この例では、バックアップRAM領域に、コマンド受信バッファ、バックアップあり/なしフラグ、払出停止/解除フラグ、エラーフラグ、課税情報設定スイッチ180の設定値等が設定されるワークエリアの他に、総合個数記憶(例えば2バイト)と貸し球個数記憶とがそれぞれ形成されている。総合個数記憶は、主基板31の側から指示された賞球払出個数の総数を記憶するものである。貸し球個数記憶は、未払出の球貸し個数を記憶するものである。なお、この実施の形態では払出制御処理において用いられるデータが格納されるRAM領域は全て電源バックアップされているが、少なくとも、電力供給停止からの復旧時に電力供給停止時の制御状態を復元するためのデータが電源バックアップされ、その他のデータは電源バックアップされていないRAM領域に格納されるようにしてもよい。
そして、払出制御用CPU371は、例えば、賞球制御処理(ステップS757)において、遊技制御手段から賞球個数を示す払出制御コマンドを受信すると、指示された個数分だけ総合個数記憶に内容を増加する。また、球貸し制御処理(ステップS756)において、カードユニット50から球貸し要求の信号を受信する毎に1単位(例えば25個)の個数分だけ貸し球個数記憶に内容を増加する。さらに、払出制御用CPU371は、賞球制御処理において賞球カウントスイッチ301Aが1個の賞球払出を検出すると総合個数記憶の値を1減らし、球貸し制御処理において球貸しカウントスイッチ301Bが1個の貸し球払出を検出すると貸し球個数記憶の値を1減らす。
従って、未払出の賞球個数と貸し球個数とが、所定期間はその内容を保持可能なバックアップRAM領域に記憶されることになる。よって、停電等の不測の電力供給停止が生じても、所定期間内に電力供給が復旧すれば、バックアップRAM領域の記憶内容にもとづいて賞球処理および球貸し処理を再開することができる。すなわち、遊技機への電力供給が停止しても、電力供給が再開すれば、電力供給停止時の未払出の賞球個数と貸し球個数とにもとづいて払い出しが行われ、遊技者に与えられる不利益を低減することができる。
図19は、カードユニット50とパチンコ遊技機1の払出制御基板37との間で送受信される信号方式の一例を示すタイミング図である。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50に貸与準備信号を出力する(PRDY信号をハイレベルのオン状態にする)。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、接続信号を出力する(VL信号をハイレベルのオン状態にする)。払出制御用CPU371は、接続信号の入力状態により接続状態/未接続状態を判定する。
カードユニット50においてカードが受け付けられ、パチンコ遊技機1の球貸しスイッチ181が操作され球貸しスイッチ181から操作されたことを示す球貸しスイッチ信号がカードユニット50に入力されると、カードユニット制御部160におけるカードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37に貸与要求信号を出力する(BRDY信号をハイレベルにする)。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37に貸与指令信号を出力する(BRQ信号をハイレベルにする)。貸与指令信号は、単位料金(この例では100円)当たりの遊技球の払出を要求する信号である。なお、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、内蔵ROMまたはカードユニット制御部160に搭載されているROMに格納されているプログラムに従って制御を実行する。
そして、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50に貸与可能信号を出力し(EXS信号をハイレベルにし)、カードユニット50からの貸与確認信号を入力すると(BRQ信号がローレベルになったことを検出すると)、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。払出の開始時に、パチンコ遊技機1において、振分ソレノイド310が駆動状態とされる。すなわち、球振分部材311を球貸し側に向ける。
そして、払出が完了すると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、貸与完了信号を出力する(EXS信号をローレベルにする)。その後、カードユニット50からの球貸し要求終了信号が出力されると(BRDY信号がローレベルになると)、賞球払出制御を実行可能な状態になる。なお、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、球貸しスイッチ181等の近傍に設けられている金額設定スイッチの設定に応じた回数だけ貸与指令信号を出力したら、球貸し要求終了信号を出力する(BRDY信号をローレベルにする)。
以上のように、カードユニット50からの信号は全て払出制御基板37に入力される構成になっている。従って、球貸し制御に関して、カードユニット50から主基板31に信号が入力されることはなく、主基板31の基本回路53にカードユニット50の側から不正に信号が入力される余地はない。また、カードユニット50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板37から供給される。
なお、パチンコ遊技機1において、カードユニット50と払出制御基板37との間に、信号を中継するインタフェース基板を設置してもよい。インタフェース基板が設けられている場合には、球貸しスイッチ信号、返却スイッチ信号および残高表示信号は、払出制御基板37を介さず、インタフェース基板を介してカードユニット50と残高表示基板74との間で送受信される。
図20は、課税情報設定スイッチ180の構成例を示す説明図である。この実施の形態では、課税情報設定スイッチ180の設定値は、単位料金当たりの課税分を除いた貸球数(例えば「24」)であるとするが、設定値は、課税率(例えば5%を示す「5」)や単位料金当たりの課税分の遊技球数(例えば「1」)であってもよい。
図20(A)に示す例では、ロータリスイッチが用いられている。また、図20(B)に示す例では、ディップスイッチが用いられている。この実施の形態では、上述したように、課税情報設定スイッチ180から6ビットの情報が払出制御基板37のI/Oポート(入力ポート)に入力される。従って、10進で0〜63のうちのいずれかの情報を払出制御用CPU371に出力することができる。なお、課税情報設定スイッチ180から払出制御基板37の情報出力形態は一例であって、払出制御用CPU371が課税情報を認識できるのであれば、どのような情報出力形態を用いてもよい。また、図20に示すスイッチも一例であって、どのようなタイプのスイッチを用いてもよい。
また、課税情報設定スイッチ180に加えて、単位料金当たりの貸球数(課税分も含む)を設定するための第2のスイッチを設けてもよい。その場合には、例えば、第2のスイッチにおいて単位料金当たりの貸球数「25」(4円/1個の場合)が設定され、課税情報設定スイッチ180において課税率または課税分の遊技球数が設定され、払出制御用CPU371が、それらのスイッチからの信号にもとづいて、単位料金当たりの貸球数(課税分を除く)を決定する。そして、単位料金当たりの貸球数(課税分も含む)が例えば「20」(5円/個)に変更された場合には、第2のスイッチの設定値を変更する。また、課税率が変更された場合には、課税情報設定スイッチ180の設定値を変更する。
図21は、課税情報表示器158の表示形態の例を示す説明図である。図21(A)に示す例では、単位料金(例えば100円)当たりの貸球数が表示される。払出制御用CPU371は、例えば、課税情報設定スイッチ180の設定値が単位料金当たりの貸球数(課税分を除く)を示すように決められている場合に、課税情報設定スイッチ180から「24」という情報を受けると、課税情報表示器158に、単位料金当たり24個の遊技球が貸し出されることを示す「24」を表示させる。図21(A)に示す例では、課税分を含む単位料金当たりの貸球数が25個であって、そのうち課税分が1個である場合の例である。
図21(B)に示す例では、課税情報表示器158に、課税率が表示される。払出制御用CPU371は、例えば、課税情報設定スイッチ180の設定値が課税率を示すように決められている場合に、課税情報設定スイッチ180から「5」という情報を受けると、課税情報表示器158に課税率が5%であることを示す「5」を表示させる。課税情報設定スイッチ180の設定値が単位料金当たりの貸球数(課税分を除く)を示すように決められ、課税情報表示器158には課税率を表示するように決められている場合には、払出制御用CPU371が、課税情報設定スイッチ180からの信号にもとづいて、課税情報表示器158に表示される課税率を決定する。
図21(C)に示す例では、単位料金当たりの課税分の貸球数が表示される。払出制御用CPU371は、例えば、課税情報設定スイッチ180の設定値が単位料金当たりの課税分の遊技球数を示すように決められている場合に、課税情報設定スイッチ180から「1」という情報を受けると、課税情報表示器158に、単位料金当たり1個の課税分の遊技球があることを示す「1」を表示させる。課税情報設定スイッチ180の設定値が単位料金当たりの貸球数(課税分を除く)を示すように決められ、課税情報表示器158には単位料金当たりの課税分の貸球数を表示するように決められている場合には、払出制御用CPU371が、課税情報設定スイッチ180からの信号にもとづいて、課税情報表示器158に表示される数を決定する。
上述した各例に限られず、課税情報設定スイッチ180の設定値が、単位料金当たりの貸球数(課税分を除く)、課税率、または単位料金当たりの課税分の貸球数を設定可能であるのに対して、いずれの場合にも、課税情報表示器158に、単位料金当たりの貸球数(課税分を除く)、課税率、および単位料金当たりの課税分の貸球数を表示させることができる。課税情報設定スイッチ180の設定値と課税情報表示器158の表示内容とが異なる場合には、払出制御用CPU371が換算を行う。例えば、課税情報設定スイッチ180の設定値が課税率であって、課税情報表示器158の表示内容が単位料金当たりの課税分の貸球数である場合には図23に示すように換算を行う。また、課税情報設定スイッチ180の設定値が課税率であって、課税情報表示器158の表示内容が単位料金当たりの貸球数(課税分を除く)である場合には、図23に示す関係から得られた課税分の貸球数を、課税分を含む単位料金当たりの貸球数(例えば25個/100円)から減算すればよい。
図24は、図16に示されたメイン処理における貸球数決定処理(ステップS714)の一例を示すフローチャートである。この例では、課税情報設定スイッチ180の設定値が単位料金当たりの貸球数(課税分を除く)を示すように決められ、課税情報表示器158には、単位料金当たりの貸球数が表示される。払出制御用CPU371は、入力ポートC(I/Oポート373c)を介して課税情報設定スイッチ180からの信号すなわち課税情報設定スイッチ180の設定値を読み取り(ステップS714a)、読み取った値を貸球数Nに設定する(ステップS714b)。貸球数Nは、バックアップRAM内のワークエリアに設けられている課税情報設定スイッチ180の設定値を格納する領域に設定される。
また、読み取った値を表示バッファに設定する(ステップS714c)。表示バッファも、バックアップRAM内の領域に設けられるワークエリアであり、課税情報表示器158に表示される数が格納される領域である。なお、表示バッファには、10進2桁でデータが格納されることが好ましい。このように、遊技機への電力供給が開始されたときに実行される貸球数決定処理において課税情報設定スイッチ180の設定値が貸球数Nとして記憶されるとともに表示バッファの設定が行われるので、以後、球貸し処理を行う毎に課税情報設定スイッチ180の設定値を確認する必要はなく、払出制御手段の負担が軽減される。
図25は、貸球数決定処理の他の例を示すフローチャートである。この例では、課税情報設定スイッチ180の設定値が単位料金当たりの貸球数(課税分を除く)を示すように決められ、課税情報表示器158には、単位料金当たりの課税分の遊技球数が表示される。払出制御用CPU371は、入力ポートC(I/Oポート373c)を介して課税情報設定スイッチ180からの信号すなわち課税情報設定スイッチ180の設定値を読み取り(ステップS714a)、読み取った値を貸球数Nに設定する(ステップS714b)。また、「25」から読み取った値を減算した値を表示バッファに設定する(ステップS714d)。例えば、課税情報設定スイッチ180の設定値が「24」であれば、表示バッファには「1」が設定される。この例でも、遊技機への電力供給が開始されたときに実行される貸球数決定処理において課税情報設定スイッチ180の設定値が貸球数Nとして記憶されるとともに表示バッファの設定が行われるので、以後、球貸し処理を行う毎に課税情報設定スイッチ180の設定値を確認する必要はなく、払出制御手段の負担が軽減される。
なお、払出制御処理(図16に示されたステップS751〜S761)において、課税情報設定スイッチ180の設定値を入力し、入力した設定値と記憶されている貸球数Nとを比較し、それらが異なっている場合にはエラー表示を行って報知を行うように構成してもよい。そのような構成によれば、課税情報設定スイッチ180の設定値が変更されてしまったことを容易に確認することができる。また、そのような処理を、払出状態復旧処理(図16におけるステップS710)の最初の部分で実行するようにしてもよい。その場合には、バックアップRAMに保存されている貸球数N(電力供給停止前の課税情報設定スイッチ180の設定値に相当する値)と、そのときの課税情報設定スイッチ180の設定値とが異なる場合に容易にそのことを認識することができる。
図24および図25には、課税情報設定スイッチ180の設定値が単位料金当たりの貸球数(課税分を除く)であって、課税情報表示器158の表示内容が単位料金当たりの貸球数(課税分を除く)または単位料金当たりの課税分の遊技球数である場合の処理が例示されたが、それ以外の場合にも(図22参照)、貸球数決定処理において、課税情報設定スイッチ180の設定値にもとづいて、貸球数Nと表示バッファの内容を設定しておけば、球貸し処理を行う毎に課税情報設定スイッチ180の設定値を確認する必要はなく、払出制御手段の負担が軽減される。
なお、ここでは、単位料金当たりの貸球数(課税分を含む)が「25」である場合を前提にしているが、単位料金当たりの貸球数(課税分を含む)が上述した第2のスイッチの設定値で決められるようにしてもよい。その場合には、ステップS714dにおける減算処理は、(第2のスイッチの読取値−課税情報設定スイッチ180の読取値)である。
また、課税情報表示器158に課税率を表示するように決められている場合には、払出制御用CPU371は、課税情報設定スイッチ180の読取値を表示バッファに設定したり(課税情報設定スイッチ180の設定値が課税率を示すように決められている場合)、課税情報設定スイッチ180の読取値にもとづく演算結果を表示バッファに設定する(課税情報設定スイッチ180の設定値が単位料金当たりの貸球数を示すように決められている場合)。
図26は、ステップS752のスイッチ処理の一例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチ301Aがオン状態を示しているか否か確認する(ステップS752a)。オン状態を示していれば、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチオンカウンタを+1する(ステップS752b)。賞球カウントスイッチオンカウンタは、賞球カウントスイッチ301Aのオン状態を検出した回数を計数するためのカウンタである。
そして、賞球カウントスイッチオンカウンタの値をチェックし、その値が250になっていれば(ステップS752c)、賞球球詰まりフラグをセットする(ステップS752d)。つまり、賞球カウントスイッチ301Aのオン状態が長期間継続した場合に賞球球詰まりフラグがセットされる。
また、賞球カウントスイッチオンカウンタの値が2になったときには(ステップS752e)、確実に賞球カウントスイッチ301Aがオンした判断し、賞球カウントスイッチオンフラグをセットする(ステップS752f)。
ステップS752aにおいて賞球カウントスイッチ301Aがオン状態でないことが確認されると、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチオンフラグをリセットするとともに(ステップS752h)、賞球カウントスイッチオンカウンタをクリアする(ステップS752i)。そして、球貸しカウントスイッチ301Bがオン状態を示しているか否か確認する(ステップS752j)。オン状態を示していれば、払出制御用CPU371は、球貸しカウントスイッチオンカウンタを+1する(ステップS752k)。球貸しカウントスイッチオンカウンタは、球貸しカウントスイッチ301Bのオン状態を検出した回数を計数するためのカウンタである。
そして、球貸しカウントスイッチオンカウンタの値をチェックし、その値が250になっていれば(ステップS752l)、貸し球詰まりフラグをセットする(ステップS752m)。つまり、球貸しカウントスイッチ301Bのオン状態が長期間継続した場合に貸し球球詰まりフラグがセットされる。
また、球貸しカウントスイッチオンカウンタの値が2になったときには(ステップS752n)、確実に球貸しカウントスイッチ301Bがオンした判断し、球貸しカウントスイッチオンフラグをセットする(ステップS752o)。
ステップS752jにおいて球貸しカウントスイッチ301Bがオン状態でないことが確認されると、払出制御用CPU371は、球貸しカウントスイッチオンフラグをリセットするとともに(ステップS752p)球貸しカウントスイッチオンカウンタをクリアする(ステップS752q)。
図27は、図16に示されたメイン処理におけるDG処理の一例を示すフローチャートである。DG処理において、払出制御用CPU371は、DG1信号を出力している状態(オン状態)であるか否か確認する(ステップSS761a)。DG1信号は、課税情報表示器158を構成する2つの7セグメントLEDのうち左側の7セグメントLEDを点灯可能状態にする信号である。
この実施の形態では、DG1信号とDG2信号とは交互にオン状態にされる。すなわち、DG1信号がオン状態であるときにはDG2信号はオフ状態であり、DG2信号がオン状態であるときにはDG1信号はオフ状態である。よって、DG1信号を出力している状態であれば、DG1信号をオフ状態にし(ステップS761b)、表示バッファに格納されている数の1桁目(右側の7セグメントLEDに対応)の数を出力ポートG(I/Oポート373g)に出力する(ステップD761c)。なお、出力ポートGから、7セグメントLEDの各セグメントa〜gに対する信号が出力される。従って、実際には、表示される数に対応したセグメントに対してオン状態の信号が出力される。そして、DG2信号をオン状態にする(ステップD761d)。
以上のような処理によって、課税情報表示器158を構成する2つの7セグメントLEDのうち右側の7セグメントLED(1桁目)が点灯状態になる。
ステップS761aにおいて、DG1信号を出力している状態でなければ(すなわちDG2信号を出力している状態にある)、DG2信号をオフ状態にし(ステップS761e)、表示バッファに格納されている数の2桁目(左側の7セグメントLEDに対応)の数を出力ポートGに出力する(ステップD761f)。そして、DG1信号をオン状態にする(ステップD761g)。以上のような処理によって、課税情報表示器158を構成する2つの7セグメントLEDのうち左側の7セグメントLED(2桁目)が点灯状態になる。
図28は、ステップS753の払出停止状態設定処理の一例を示すフローチャートである。払出停止状態設定処理において、払出制御用CPU371は、受信バッファ中に受信コマンドがあるか否かの確認を行う(ステップS753a)。受信バッファ中に受信コマンドがあれば、受信した払出制御コマンドが払出禁止状態指定コマンドであるか否かの確認を行う(ステップS753b)。払出禁止状態指定コマンドであれば、払出制御用CPU371は、払出停止状態に設定する(ステップS753c)。
なお、受信バッファとは、主基板31からの払出制御コマンドが格納されるRAM領域である。また、この実施の形態では、主基板31の遊技制御手段からの取込信号が払出制御用CPU371の割込端子に入力されている。よって、主基板31からの取込信号の入力に応じて払出制御用CPU371に割込がかかり、払出制御コマンドの受信処理が行われ、払出制御コマンドが受信バッファに格納される。
ステップS753bで受信コマンドが払出禁止状態指定コマンドでないことを確認すると、受信した払出制御コマンドが払出許可状態指定コマンドであるか否かの確認を行う(ステップS753d)。払出許可状態指定コマンドであれば、払出停止状態を解除する(ステップS753e)。
なお、払出停止状態に設定するときには、例えば払出モータ289の駆動が停止されるとともに払出停止中であることを示す内部フラグがセットされる。すなわち、払出停止/解除フラグが払出停止の状態に設定される。また、払出停止状態を解除するときには、払出モータ289の駆動が再開されるとともに、払出停止/解除フラグが払出停止解除の状態に設定される。
払出停止状態に設定された場合に、直ちに払出モータ289を停止してもよいが、そのように制御するのではなく、切りのよいところで払出モータ289を停止するようにしてもよい。例えば、遊技球の払出を25個単位で実行し、一単位の払出が完了した時点で払出モータ289を停止するとともに、内部状態を払出停止状態に設定するようにしてもよい。上述したように、球切れスイッチ187は、払出球通路に27〜28個程度の遊技球が存在することを検出できるような位置に設置されているので、主基板31の遊技制御手段が球切れを検出しても、その時点から少なくとも25個の払出は可能である。従って、一単位の払出が完了した時点で払出停止状態にしても問題は生じない。また、一単位の区切りで払出停止状態とすれば、払出再開時の制御が容易になる。
図29は、ステップS754のコマンド解析実行処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態では、受信バッファは、複数の受信コマンドバッファで構成されている。コマンド解析実行処理において、払出制御用CPU371は、受信バッファに受信コマンドがあるか否かの確認を行う(ステップS754a)。受信コマンドがあれば、受信した払出制御コマンドが賞球個数を指定するための払出制御コマンドであるか否かの確認を行う(ステップS754b)。なお、払出制御用CPU371は、コマンド指示手段としての読出ポインタが指す受信バッファ中のアドレスに格納されている受信コマンドについてステップS754bの判断を行う。また、その判断後、読出ポインタの値は+1される。読出ポインタが指すアドレスが最後の受信コマンドバッファのアドレスを越えた場合には、読出ポインタの値は、最初の受信コマンドバッファを指すように更新される。
受信した払出制御コマンドが賞球個数を指定するための払出制御コマンドであれば、払出制御コマンドで指示された個数を総合個数記憶に加算する(ステップS754c)。すなわち、払出制御用CPU371は、主基板31のCPU56から送られた払出制御コマンドに含まれる賞球個数をバックアップRAM領域(総合個数記憶)に記憶する。
図30は、ステップS755のプリペイドカードユニット制御処理の一例を示すフローチャートである。プリペイドカードユニット制御処理において、払出制御用CPU371は、カードユニット制御部160から入力される接続信号(VL信号のハイレベル)を検知したか否かを確認する(ステップS755a)。接続信号を検知していなければ、VL信号非検知カウンタを+1する(ステップS755b)。また、払出制御用CPU371は、VL信号非検知カウンタの値が本例では125であるか否か確認する(ステップS755c)。VL信号非検知カウンタの値が125であれば、払出制御用CPU371は、発射制御基板91への発射制御信号出力を停止して、駆動モータ94を停止させる(ステップS755d)。
以上の処理によって、125回(2ms×125=250ms)継続してVL信号のオフが検出されたら、球発射禁止状態に設定される。
ステップS755aにおいて接続信号(VL信号のハイレベル)を検知していれば、払出制御用CPU371は、VL信号非検知カウンタをクリアする(ステップS755e)。そして、払出制御用CPU371は、発射制御信号出力を停止していれば(ステップS755f)、発射制御基板91への発射制御信号出力を開始して駆動モータ94を動作可能状態にする(ステップS755g)。
図31および図32は、ステップS756の球貸し制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、この実施の形態では、連続的な払出数の最大値を貸球の一単位(貸球数Nとして設定されている値)とするが、連続的な払出数の最大値は他の数であってもよい。
球貸し制御処理において、払出制御用CPU371は、球貸し停止中であるか否かを確認する(ステップS510)。停止中であれば、処理を終了する。なお、球貸し停止中であるか否かは、図28に示された払出停止状態設定処理において設定される払出停止/解除フラグの状態によって確認される。
球貸し停止中でなければ、払出制御用CPU371は、貸し球払出中であるか否かの確認を行い(ステップS511)、貸し球払出中であれば図32に示す球貸し中の処理に移行する。なお、貸し球払出中であるか否かは、後述する球貸し処理中フラグの状態によって判断される。貸し球払出中でなければ、賞球の払出中であるか否か確認する(ステップS512)。賞球の払出中であるか否は、後述する賞球処理中フラグの状態によって判断される。
貸し球払出中でも賞球払出中でもなければ、払出制御用CPU371は、カードユニット50からの貸与指令信号があったか否かを確認する(ステップS513)。すなわち、BRQ信号がハイレベルになったか否か確認する。BRQ信号がハイレベルになっていれば、球貸し処理中フラグをオンするとともに(ステップS514)、ステップS714の貸球数決定処理で決定されている貸球数N(一単位数:ここでは100円分)をバックアップRAM領域の貸し球個数記憶に設定する(ステップS515)。そして、払出制御用CPU371は、貸与可能信号を出力する(ステップS516)。すなわち、EXS信号をハイレベル(H)にする。また、球払出装置97の下方の球振分部材311を球貸し側に設定するために振分用ソレノイド310を駆動する(ステップS517)。さらに、払出制御用CPU371は、貸球数Nの遊技球を払い出すためのモータ回転時間を設定するか、または、モータ回転時間に応じた数の出力パルス数を決定する。そして、払出モータ289をオンして(ステップS518)、図32に示す球貸し中の処理に移行する。
なお、払出モータ289をオンするのは、厳密には、カードユニット50が受付を認識したことを示すために貸与確認信号を出力(BRQ信号をハイレベル)にしてからである。また、球貸し処理中フラグはバックアップRAM領域に設定される。
図32は、払出制御用CPU371による払出制御処理における球貸し中の処理を示すフローチャートである。払出制御用CPU371は、貸し球通過待ち時間中であるか否かの確認を行う(ステップS519)。貸し球通過待ち時間中でなければ、払出モータ位置センサ294のチェックを行い(ステップS520)、また、後述する球貸しカウントスイッチチェック処理を行う(ステップS521)。
なお、ステップS520のモータ位置センサのチェック処理では、払出制御用CPU371は、例えば、ステッピングモータによる払出モータ289を8ステップ(この実施の形態では16ステップ/1個の遊技球払出)回転させる毎に、払出モータ位置センサ294の状態をチェックする。そして、4回続けて同一状態であることを検出すると、払出モータ球噛みエラーが生じたと判断して、払出モータ球噛みエラーフラグをセットする。
次いで、払出モータ289の駆動を終了すべきか(一単位の払出動作が終了したか)否かの確認を行う(ステップS522)。具体的には、所定個数の払出に対応した回転時間が経過したか否かを確認する。所定個数の払出に対応した回転時間が経過した場合には、払出制御用CPU371は、払出モータ289の駆動を停止し(ステップS523)、貸し球通過待ち時間の設定を行う(ステップS524)。
ステップS519で貸し球通過待ち時間中であれば、払出制御用CPU371は、後述する球貸しカウントスイッチチェック処理を行うとともに(ステップS525)、貸し球通過待ち時間が終了したか否かの確認を行う(ステップS526)。貸し球通過待ち時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出されてから球貸しカウントスイッチ301Bを通過するまでの時間である。
貸し球通過待ち時間の終了を確認すると、一単位の貸し球は全て払い出されたはずであるが、ここで、払出制御用CPU371は、払出制御用CPU371は、エラー検出用カウンタのカウント値を確認する(ステップS501)。エラー検出用カウンタのカウント値は、球貸しカウントスイッチ301Bが1個の遊技球通過を検出する毎に+1されている。エラー検出用カウンタのカウント値が貸球数Nよりも少ない場合には(ステップS501)、球貸し経路エラーフラグをセットする(ステップS502)。球貸し経路エラーフラグがセットされた場合には、後述するエラー処理において、補正払出のための処理が実行される。
エラー検出用カウンタのカウント値が貸球数Nよりも少なくない場合には、カードユニット50に対して次の球貸し要求の受付が可能になったことを示すために貸与完了信号を出力する(ステップS527)。すなわち、EXS信号をローレベル(L)にする。また、振分ソレノイドをオフするとともに(ステップS528)、球貸し処理中フラグをオフする(ステップS529)。
そして、エラー検出用カウンタのカウント値が貸球数Nよりも多い場合には(ステップS503)、貸出数過多エラーフラグをオンにする(ステップS504)。
なお、EXS信号をローレベルにした後、所定期間内に再び貸与指令信号が出力されたら(BRQ信号がハイレベルになったら)、振分ソレノイドおよび払出モータをオフせずに球貸し処理を続行するようにしてもよい。すなわち、所定単位(この例では100円単位)毎に球貸し処理を行うのではなく、球貸し処理を連続して実行するように構成することもできる。
貸し球個数記憶の内容は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源によって保存される。従って、所定期間中に電力供給が復旧すると、払出制御用CPU371は、貸し球個数記憶の内容にもとづいて球貸し処理を継続することができる。
図33は、ステップS521およびS525で実行される球貸しカウントスイッチチェック処理を示すフローチャートである。球貸しカウントスイッチチェック処理は、球貸しカウントスイッチ301Bの状態を監視して、貸し球個数記憶を減算する処理である。
球貸しカウントスイッチチェック処理において、払出制御用CPU371は、まず、球貸しカウントスイッチON待ちフラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。球貸しカウントスイッチON待ちフラグがセットされていれば、球貸しカウントスイッチオンフラグがオン状態になるのを待つ(ステップS812)。なお、球貸しカウントスイッチオンフラグは、図26に示されたスイッチ処理におけるステップS752oでセットされる。球貸しカウントスイッチオンフラグがオン状態になる前にタイマT11がタイムアウトすると球貸し経路エラーフラグをセットする(ステップS817,S818)。球貸しカウントスイッチ301Bがオンすると、タイマT11を停止して(ステップS813)、球貸しカウントスイッチON待ちフラグをリセットする(ステップS814)。なお、タイマT11は、球貸しカウントスイッチ301Bが所定期間内にオンするか否かを確認するためのタイマである。
球貸しカウントスイッチ301Bがオンした場合には、球貸しカウントスイッチ301Bがオフすることを確認するために、オフを待つ状態であることを示す球貸しカウントスイッチOFF待ちフラグをセットする(ステップS815)。
従って、払出制御用CPU371は、球貸しカウントスイッチOFF待ちフラグがオンしていれば(ステップS821)、球貸しカウントスイッチオンフラグがオフするのを待つ(ステップS824)。球貸しカウントスイッチオンフラグがオフすると、球貸しカウントスイッチOFF待ちフラグをリセットする(ステップS825)。そして、1個の遊技球が払い出されたことが検出されたとして、一時計数カウンタを+1する(ステップS826)。また、球貸し個数信号を出力するための球貸し情報出力処理サブルーチンを起動する(ステップS827)。次いで、貸し球個数記憶を−1する(ステップS828)。さらに、エラー検出用カウンタを+1する(ステップS829)。なお、一時計数カウンタは、後述する球貸し個数信号を出力するために使用され、エラー検出用カウンタは、貸出数過多エラーを検出するために使用される。
ステップS821で、球貸しカウントスイッチOFF待ちフラグもオンしていないことを確認したら、タイマT11をスタートするとともに(ステップS822)、球貸しカウントスイッチON待ちフラグをセットする(ステップS823)。
なお、ステップS824において球貸しカウントスイッチオンフラグのオン待ち処理が行われるが、球貸しカウントスイッチオンフラグは、図26に示されたスイッチ処理において、球貸しカウントスイッチ301Bの検出信号がオフ状態になったらリセットされる(ステップS752p)。また、球貸しカウントスイッチ301Bの検出信号がオフ状態にならなかった場合には、貸し球詰まりフラグがセットされる(ステップS752m)。
図34は、1個の遊技球の払出(貸出)が完了したときに起動される球貸し情報出力処理サブルーチン(ステップS827)の動作を示すフローチャートである。球貸し情報出力処理サブルーチンにおいて、払出制御用CPU371は、まず、Tfタイマが動作中か否か(球貸し個数信号がオン中か否か)確認する(ステップS781)。動作中であれば、タイムアウトしたか否か確認する(ステップS782)。タイムアウトしたら、球貸し個数信号をオフ状態(=0)にする(ステップS783)。
Tfタイマが動作中でなければ、一時カウンタの値が貸球数Nの倍数になっているか否か確認する(ステップS784)。一時カウンタの値は、1個の遊技球の払出が完了したときに+1される。一時カウンタの値がNの倍数になっている場合には、球貸し個数信号をオン状態(=1)にするとともに(ステップS785)、Tfタイマを起動する(ステップS786)。
以上のような処理によって、100円分の球貸しが行われるときに、図34に示すように、Tfタイマで作成される時間(例えば、0.1秒)だけ球貸し個数信号がオンする。払出制御用CPU371からの球貸し個数信号は、主基板31からの賞球情報信号と同様に、ターミナル基板160に伝達される。そして、ターミナル基板160の球貸し用端子から遊技機外部に出力される。
図36および図37は、ステップS758の賞球制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、この例では、連続的な払出数の最大値を25個とするが、連続的な払出数の最大値は他の数であってもよい。
賞球制御処理において、払出制御用CPU371は、まず、賞球停止中であるか否かを確認する(ステップS530)。停止中であれば、処理を終了する。なお、球貸し停止中であるか否かは、図28に示された払出停止状態設定処理において設定される払出停止/解除フラグの状態によって確認される。
賞球停止中でなければ、払出制御用CPU371は、貸し球払出中であるか否かの確認を行い(ステップS531)、貸し球払出中であれば処理を終了する。なお、貸し球払出中であるか否かは、球貸し処理中フラグの状態によって判断される。貸し球払出中でなければ、既に賞球払出処理が開始されているか否か、すなわち賞球中であるか否か確認する(ステップS532)。賞球中であれば図35示す賞球中の処理に移行する。なお、賞球中であるか否かは、後述する賞球処理中フラグの状態によって判断される。
賞球払出中でなければ、払出制御用CPU371は、総合個数記憶に格納されている賞球数(未払出の賞球数)が0でないか否か確認する(ステップS534)。総合個数記憶に格納されている賞球数が0でなければ、賞球制御用CPU371は、賞球処理中フラグをオンし(ステップS535)、総合個数記憶の値が25以上であるか否か確認する(ステップS536)。なお、賞球処理中フラグは、バックアップRAM領域に設定される。
総合個数記憶に格納されている賞球個数が25以上であると、払出制御用CPU371は、25個分の遊技球を払い出すまで払出モータ289を回転させるように払出モータ289に対して駆動信号を出力するために、25個払出動作の設定を行う(ステップS537)。具体的には、25個の遊技球を払い出すためのモータ回転時間を設定したり、モータ回転時間に応じた数の出力パルス数を決定する。
総合個数記憶に格納されている賞球個数が25以上でなければ、払出制御用CPU371は、総合個数記憶に格納されている数に応じた遊技球を払い出すまで払出モータ289を回転させるように駆動信号を出力するために、全個数払出動作の設定を行う(ステップS538)。具体的には、遊技球を払い出すためのモータ回転時間を設定したり、モータ回転時間に応じた数の出力パルス数を決定する。次いで、払出モータ289をオンする(ステップS539)。なお、振分ソレノイドはオフ状態であるから、球払出装置97の下方の球振分部材は賞球側に設定されている。そして、図37に示す賞球制御処理における賞球払出中の処理に移行する。
図37は、払出制御用CPU371による払出制御処理における賞球中の処理の一例を示すフローチャートである。賞球中の処理において、払出制御用CPU371は、賞球通過待ち時間中であるか否かの確認を行う(ステップS541)。賞球通過待ち時間中でなければ、払出モータ位置センサ294のチェックを行い(ステップS542)、また、後述する賞球カウントスイッチチェック処理を行う(ステップS543)。
なお、ステップS542のモータ位置センサのチェック処理では、払出制御用CPU371は、例えば、ステッピングモータによる払出モータ289を8ステップ(この実施の形態では16ステップ/1個の遊技球払出)回転させる毎に、払出モータ位置センサ294の状態をチェックする。そして、4回続けて同一状態であることを検出すると、払出モータ球噛みエラーが生じたと判断して、払出モータ球噛みエラーフラグをセットする。
そして、払出制御用CPU371は、払出モータ289の駆動を終了すべきか(25個または25個未満の所定の個数の払出動作が終了したか)否かの確認を行う(ステップS544)。具体的には、所定個数の払出に対応した回転時間が経過したか否かを確認する。所定個数の払出に対応した回転時間が経過した場合には、払出制御用CPU371は、払出モータ289の駆動を停止し(ステップS545)、賞球通過待ち時間の設定を行う(ステップS546)。賞球通過待ち時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出されてから賞球カウントスイッチ301Aを通過するまでの時間である。
ステップS541において、賞球通過待ち時間中であれば、払出制御用CPU371は、後述する賞球カウントスイッチチェック処理を行い(ステップS547)、賞球通過待ち時間が終了したか否かの確認を行う(ステップS548)。賞球通過待ち時間が終了した時点は、ステップS537またはステップS538で設定された賞球が全て払い出された状態である。そこで、払出制御用CPU371は、賞球処理中フラグをオフする(ステップS549)。なお、賞球通過待ち時間が経過するまでに最後の払出球が賞球カウントスイッチ301Aを通過しなかった場合には、賞球経路エラーとされる。
なお、この実施の形態では、ステップS531の判断によって球貸しが賞球処理よりも優先されることになるが、賞球処理が球貸しに優先するようにしてもよい。
払出制御手段は、総合個数記憶の他に、ステップS537またはS538で設定した払出数をカウントするカウンタも制御することが好ましい。その場合、賞球カウントスイッチ301Aがオンする度にそのカウンタを+1するとともに、賞球通過待ち時間の終了時にカウンタのカウント値を確認する。そして、カウント値がステップS537またはS538で設定した払出数よりも少ない場合には、補正払出処理を実行するようにしてもよい。具体的には、ステップS539に戻り、再度、払出モータ289をオン状態にする。そのとき、払出モータ289の回転時間として、不足分を払い出すことができるだけの時間を設定する。また、カウント値がステップS537またはS538で設定した払出数よりも多い場合には、例えば賞球カウントスイッチ301Aに異常が生じていると判断してエラー報知を行うようにしてもよい。
図38は、ステップS543およびS547で実行される賞球カウントスイッチチェック処理を示すフローチャートである。賞球カウントスイッチチェック処理は、賞球カウントスイッチ301Aの状態を監視して、総合個数記憶を減算する処理である。
賞球カウントスイッチチェック処理において、払出制御用CPU371は、まず、賞球カウントスイッチON待ちフラグがセットされているか否か確認する(ステップS831)。賞球カウントスイッチON待ちフラグがセットされていれば、賞球カウントスイッチオンフラグがオン状態になるのを待つ(ステップS832)。なお、賞球カウントスイッチオンフラグは、図26に示されたスイッチ処理におけるステップS752fでセットされる。賞球カウントスイッチオンフラグがオン状態になる前にタイマT12がタイムアウトすると賞球経路エラーフラグをセットする(ステップS837,S838)。賞球カウントスイッチ301Aがオンすると、タイマT12を停止して(ステップS833)、賞球カウントスイッチON待ちフラグをリセットする(ステップS834)。タイマT12は、賞球カウントスイッチ301Aが所定期間内にオンするか否かを確認するためのタイマである。
賞球カウントスイッチ301Aがオンした場合には、賞球カウントスイッチ301Aがオフすることを確認するために、オフを待つ状態であることを示す賞球カウントスイッチOFF待ちフラグをセットする(ステップS835)。
従って、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチOFF待ちフラグがオンしていれば(ステップS841)、賞球カウントスイッチオンフラグがオフするのを待つ(ステップS844)。賞球カウントスイッチオンフラグがオフすると、賞球カウントスイッチOFF待ちフラグをリセットする(ステップS845)。そして、総合個数記憶を−1する(ステップS848)。
ステップS841で、賞球カウントスイッチOFF待ちフラグもオンしていないことを確認したら、タイマT12をスタートするとともに(ステップS842)、賞球カウントスイッチON待ちフラグをセットする(ステップS843)。
総合個数記憶および貸し球個数記憶の内容は、それぞれ、遊技機の電源が断しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源によって保存される。従って、所定期間中に電源が回復すると、払出制御用CPU371は、総合個数記憶および貸し球個数記憶の内容にもとづいて払出処理を継続することができる。
なお、払出制御用CPU371は、主基板31から指示された賞球個数を賞球個数記憶で総数として管理したが、賞球数毎(例えば15個、10個、6個)に管理してもよい。例えば、賞球数毎に対応した個数カウンタを設け、払出個数指定コマンドを受信すると、そのコマンドで指定された個数に対応する個数カウンタを+1する。そして、個数カウンタに対応した賞球払出が行われると、その個数カウンタを−1する(この場合、払出制御処理にて減算処理を行うようにする)。その場合にも、各個数カウンタはバックアップRAM領域に形成される。よって、遊技機の電源が断しても、所定期間中に電源が回復すれば、払出制御用CPU371は、各個数カウンタの内容にもとづいて賞球払出処理を継続することができる。
次に、エラー処理について説明する。図39は、エラーの種類とエラー表示用LED374(図6参照)の表示との関係を示す説明図である。また、図40および図41は、ステップS760のエラー処理の一例を示すフローチャートである。
この例では、エラー処理において、払出制御用CPU371は、賞球経路エラーフラグがオンした場合に(ステップS601)、エラー表示用LED374に「0」を表示する(ステップS602)。また、賞球経路エラーフラグがオフした場合にエラー表示用LED374の表示「0」を消去する(ステップS603)。なお、賞球経路エラーフラグは、図38に示されたステップS838でセットされる。すなわち、賞球カウントスイッチ301Aがオンしなかったときにセットされる。
球貸し経路エラーフラグがオンした場合には(ステップS604)、エラー表示用LED374に「1」を表示するとともに(ステップS605)、不足分払出処理を実行する(ステップS605A)。また、球貸し経路エラーフラグがオフした場合にエラー表示用LED374の表示「1」を消去する(ステップS606)。なお、球貸し経路エラーフラグは、図32に示されたステップS502でセットされる。すなわち、球貸しカウントスイッチ301Bの検出信号にもとづく払出数が貸球数Nよりも少ない場合にセットされる。また、図33に示されたステップS818でもセットされる。このときにも、エラー検出用カウンタのカウント値で特定される払出数は貸球数Nに達していないはずである。
不足分払出処理では、払出制御用CPU371は、払出モータ289を低速回転させる制御を行い、遊技球が球貸しカウントスイッチ301Bによって検出されることを確認する。なお、この実施の形態では、通常の払出時には、ステッピングモータによる払出モータ289を16ステップ(1ステップ当たり4ms)回転させることによって1個の遊技球が払い出される。すなわち、64msで1個の遊技球が払い出される。低速回転時には、1個の遊技球払出当たり800msの速度で回転させる。そして、800ms回転させる毎に約4sのインターバル(回転停止期間)をおく。不足分の遊技球が払い出されたことが球貸しカウントスイッチ301Bによって検出されると、払出制御用CPU371は、球貸し経路エラーフラグをリセットする。また、貸球数N分の払出が終了したので、貸与完了信号を出力(EXS信号をローレベルに)する。
賞球詰まりフラグがオンした場合には(ステップS607)、エラー表示用LED374に「2」を表示する(ステップS608)。また、賞球詰まりフラグがオフした場合にエラー表示用LED374の表示「2」を消去する(ステップS609)。賞球詰まりフラグは、図26に示されたステップS752dでセットされる。すなわち、賞球カウントスイッチ301Aがオフしなかったときにセットされる。なお、賞球カウントスイッチ301Aがオフしなかった場合には、賞球カウントスイッチ301Aの断線の場合と、賞球カウントスイッチ301Aの部分において球詰まりが発生した場合とがある。
貸し球詰まりフラグがオンした場合には(ステップS610)、エラー表示用LED374に「3」を表示するとともに(ステップS611)、払出モータ低速回転処理を行う(ステップS611A)。また、貸し球詰まりフラグがオフした場合にエラー表示用LED374の表示「3」を消去する(ステップS612)。貸し球詰まりフラグは、図26に示されたステップS752mでセットされる。すなわち、球貸しカウントスイッチ301Bの検出信号がオフ状態にならなかったときにセットされる。なお、球貸しカウントスイッチ301Bの検出信号がオフ状態にならなかった場合には、球貸しカウントスイッチ301Bの断線の場合と、球貸しカウントスイッチ301Bの部分において球詰まりが発生した場合とがある。
払出モータ低速回転処理では、上記の不足分払出処理と同様の払出モータ制御を行う。そして、球貸しカウントスイッチ301Bの検出信号がオフ状態になったら、貸し球詰まりフラグをリセットする。
払出モータ歯噛みエラーフラグがオンしている場合には(ステップS613)、エラー表示用LED374に「4」を表示するとともに(ステップS614)、払出モータ逆転/正転処理を行う(ステップS614A)。また払出モータ歯噛みエラーフラグがオフした場合にエラー表示用LED374の表示「4」を消去する(ステップS615)。なお、払出モータ歯噛みエラーフラグは、図32に示されたステップS520や図37に示されたステップS542でセットされる。
払出モータ逆転/正転処理では、払出制御用CPU371は、払出モータ289の正転/停止/逆転の一連の動作を繰り返し行わせる。例えば、134ms(33ステップ)の正転/50msの停止/32ms(4ステップ)の逆転を8回繰り返させる。そして、モータ位置センサの状態に変化が生じた場合に、払出モータ歯噛みエラーフラグをリセットする。
VLオフ検出フラグがセットされた場合には(ステップS621)、エラー表示用LED374に「5」を表示する(ステップS622)。また、VLオフ検出フラグがリセットされた場合にエラー表示用LED374の表示「5」を消去する(ステップS623)。なお、VLオフ検出フラグは、図30に示されたステップS755eでセットされる。
なお、正規でないタイミングでカードユニット50との通信が実行されたときには(ステップS624)、プリペイドカードユニット通信エラーが発生したとして、エラー表示用LED374に「6」を表示する(ステップS625)。また、そのようなエラーが解消されたときに、エラー表示用LED374の表示「6」を消去する(ステップS626)。
また、払出停止状態になったときには(ステップS627)、エラー表示用LED374に「7」を表示する(ステップS628)。払出停止状態が解除されたときには、エラー表示用LED374の表示「7」を消去する(ステップS629)。なお、払出停止状態は、図28におけるステップS753cで払出停止状態に設定された状態である。すなわち、遊技制御手段から払出禁止状態指定コマンドによって払出禁止を通知された後の状態である。
さらに、貸出数過多エラーフラグがセットされた場合には(ステップS630)、エラー表示用LED374に「8」を表示する(ステップS631)。また、貸出数過多エラーフラグがリセットされた場合にエラー表示用LED374の表示「8」を消去する(ステップS632)。なお、貸出数過多エラーフラグは、図32に示されたステップS502でセットされる。
以上に説明したように、この実施の形態では、パチンコ遊技機1に課税情報設定スイッチ180が設けられ、払出制御基板37に搭載されている払出制御手段が、課税情報設定スイッチ180の設定値に応じて単位料金当たりの貸球数Nを決定する。すなわち、記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値を使用して遊技者に遊技用価値を貸し出すための制御を行うカードユニット50と通信可能な通信手段(この実施の形態では払出制御手段の一部として実現されている)と、遊技者に遊技用価値を貸し出す貸出手段(この実施の形態では球払出装置97)と、遊技者に貸し出される遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段(この実施の形態では課税情報設定スイッチ180)と、課税率に関する情報を表示する課税情報表示手段(この実施の形態では課税情報表示器158)と、課税情報設定手段の設定値にもとづいて、通信手段が遊技用装置から受信した有価価値に関する情報(この実施の形態ではBRQ信号による情報)に対応する貸し遊技用価値の量(この実施の形態では貸球数N)を決定するとともに、課税情報表示手段の表示内容を決定する決定手段(この実施の形態では払出制御手段の一部として実現されている)とを備え、貸出手段が、決定手段が決定した量の遊技用価値を貸し出すことが可能である。従って、遊技球の貸し出しに対する課税率が変更されても、カードユニット50の構成を変更せずに対応することができる。また、パチンコ遊技機1に課税情報表示器158が設けられているので、遊技者は、貸し出される遊技球についてどの程度の課税分があるのかを直ちに認識することができる。課税情報表示器158の表示についても払出制御基板37に搭載されている払出制御手段によって制御されるので、カードユニット50の構成を変更する必要はない。
記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値は、プリペイドカード等に記録されている金額の残額に限られず、遊技者に属する有価価値を管理している管理装置に記憶されている有価価値であってもよい。その場合、有価価値は、磁気カードやICカード等の記録媒体に記録されている遊技者を特定するための記録情報(ID等)がカードリーダ等から管理装置に送信されることによって特定される。また、管理装置に対して、記録媒体に記録されている遊技者を特定するための記録情報(ID等)とその遊技者の保有する有価価値を示す記録情報とが管理装置に送信されることによって有価価値が特定される場合にも、本発明を適用することができる。
上記の実施の形態では、課税情報設定スイッチ180は払出制御基板37に設けられていたが、払出制御基板37とカードユニット50との間にインタフェース基板が設置されている場合には、インタフェース基板に課税情報設定スイッチ180を設けてもよい。その場合、課税情報設定スイッチ180からの信号は、ケーブルを介して払出制御基板37に入力される。課税情報設定スイッチ180からの信号は、例えば、上記の実施の形態の場合と同様に6ビットの信号である。インタフェース基板に課税情報設定スイッチ180を設けてもよいことは、後述する実施の形態の場合でも同様である。
また、インタフェース基板以外の遊技機に設けられている他の基板または課税情報設定スイッチ180専用の基板に課税情報設定スイッチ180を設けるようにしてもよく、課税情報設定スイッチ180を搭載する単独の基板を設置するようにしてもよい。その場合、課税情報設定スイッチ180からの信号は、ケーブルを介して払出制御基板37に入力される。課税情報設定スイッチ180からの信号は、例えば、上記の実施の形態の場合と同様に6ビットの信号である。インタフェース基板以外の遊技機に設けられている他の基板または課税情報設定スイッチ180専用の基板に課税情報設定スイッチ180を設けてもよいことは、後述する実施の形態の場合でも同様である。
さらに、課税情報設定スイッチ180を主基板31に設ける場合には、課税情報設定スイッチ180からの信号は、一つの払出制御コマンドとして払出制御基板37に入力されるようにしてもよい。図42は、主基板31から払出制御基板37に送信される払出制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御コマンドのコマンドデータは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。このように、払出制御コマンドは、複数のコマンドデータで構成され、先頭ビットによってそれぞれを区別可能な態様になっている。なお、図42に示されたコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図43に示すように、払出制御コマンドは、8ビットの制御信号CD0〜CD7(コマンドデータ)とINT信号(取込信号)とで構成される。払出制御手段は、INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図44は、払出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図44に示された例において、MODE=FF(H),EXT=00(H)のコマンドFF00(H)は、払出が可能であることを指示する払出制御コマンド(払出許可状態指定コマンド)である。MODE=FF(H),EXT=01(H)のコマンドFF01(H)は、払出を停止すべき状態であることを指示する払出制御コマンド(払出禁止状態指定コマンド)である。また、MODE=F0(H)のコマンドF0XX(H)は、賞球個数を指定する払出制御コマンドである。EXTである「XX」が払出個数を示す。
払出制御手段は、主基板31の遊技制御手段からFF01(H)の払出制御コマンドを受信すると賞球払出および球貸しを停止する状態となり、FF00(H)の払出制御コマンドを受信すると賞球払出および球貸しができる状態になる。また、賞球個数を指定する払出制御コマンドを受信すると、受信したコマンドで指定された個数に応じた賞球払出制御を行う。
そして、MODE=F1(H)のコマンドF1XX(H)は、貸球数Nを指定する払出制御コマンドである。EXTである「XX」が貸球数Nを示す。なお、ここでは、課税情報設定スイッチ180の設定値は単位料金当たりの貸球数(課税分を除く)であるとする。主基板31の遊技制御手段は、例えば、遊技機に対する電力供給開始時に、払出制御基板37に対して、課税分を除く単位料金当たりの貸球数(貸球数N)を指定する払出制御コマンドを送信する。払出制御手段において、貸球数NはRAMに記憶され、払出制御手段は、その貸球数Nにもとづいて上記の実施の形態と同様に球貸し制御を実行する。なお、貸球数Nに代えて、課税率や単位料金当たりの課税分の遊技球数を払出制御コマンドとして払出制御基板37に送信するようにしてもよい。
なお、払出御コマンドは、払出制御手段が認識可能に1回だけ送信される。認識可能とは、この例では、INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送信されるとは、この例では、コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じてINT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。
実施の形態2.
上記の実施の形態では、課税情報設定スイッチ180および課税情報表示器158がパチンコ遊技機1に設けられていたが、課税情報設定スイッチ180および課税情報表示器158は、カードユニット50に設けられていてもよい。図44は、課税情報設定スイッチ180および課税情報表示器158がカードユニット50に設けられている場合のカードユニット50の構成を、パチンコ遊技機1における球貸しに関する構成要素とともに示すブロック図である。
課税情報設定スイッチ180は、例えば図20に示されたように構成可能である。また、課税情報設定スイッチ180には、例えば消費税率等の課税率が設定される。また、課税情報表示器158は、例えば、図21(B)に例示されたような表示を行う。カードユニット50のカードユニット制御部160は、電源投入時に、課税情報設定スイッチ180の設定値を入力し、設定値に応じた数を課税情報表示器158に表示させる。
パチンコ遊技機1の構成は、度数表示器157の構成を除き、従来のパチンコ遊技機1の構成と同じでよい。具体的には、主基板31等は図5に示されたように構成され、払出制御基板37は、課税情報設定スイッチ180および課税情報表示器158を制御する部分を除き、図6に示されたように構成されている。従って、パチンコ遊技機1は、上記の実施の形態(実施の形態1)のように課税情報設定スイッチ180からの信号にもとづいて貸球数Nの決定処理を行ったり課税情報表示器158の表示制御を行ったりする必要はない。
この実施の形態では、度数表示器157は4桁の数値表示が可能になっている。なお、上記の実施の形態では、度数表示器157に度数(カードに記録されている金額残高を単位料金で除算した場合の商)が表示されたが、この実施の形態では、金額残高そのものを表示する。よって、この実施の形態では、残高表示器157と呼ぶ。残高表示器157は、例えば、4個の7セグメントLEDで構成される。もちろん、7セグメントLEDに限らず、他のタイプの表示器を用いてもよい。
図46〜図48は、カードユニット制御部50におけるカードユニット制御用マイクロコンピュータが実行するカードユニット制御処理の一部を示すフローチャートである。カードユニット制御用マイクロコンピュータは、まず、遊技機の球貸しスイッチ181等の近傍に設けられている金額設定スイッチの設定値を読み込む(ステップS400)。そして、使用可ランプ151を点灯する(ステップS401)。そして、カードリーダライタ(カードR/W)161からカード受付信号が出力されたか否か確認する(ステップS402)。カードR/W161は、カードが挿入されると、カード受付信号を出力する。
カード受付信号が出力される前にカード異常信号が出力された場合には(ステップS403)、使用可ランプ151を点滅状態にする制御を行う(ステップS404)。カード受付信号が出力されると、遊技機の球貸しスイッチ181等の近傍に設けられている球貸し可ランプ152を点灯させるために、遊技機に球貸し可表示信号を出力する(ステップS405)。そして、カードR/W161を介してカードに記録されている残高を読み取ってバッファに格納する(ステップS406)。バッファは、カードユニット制御部150に設けられているRAMに形成されている。なお、ステップS404で使用可ランプ151を点滅させた後にカード受付信号が出力された場合には(ステップS402)、使用可ランプ151を点灯状態に戻す。また、カード異常信号が出力された場合には、その旨を報知するようにしてもよい。
次いで、バッファの内容すなわち残高を残高表示器157に表示する(ステップS407)。球貸しスイッチ181が押下されて球貸しスイッチ信号が出力されたことを検出すると(ステップS408)、残高が(金額設定スイッチの設定値×(1+課税率))以上あるか否か確認する(ステップS414)。残高が(金額設定スイッチの設定値×(1+課税率))以上ある場合には、貸球額に、(金額設定スイッチの設定値×(1+課税率))を設定する(ステップS415)。残高が(金額設定スイッチの設定値×(1+課税率))未満である場合には、貸球額に、(単位料金×(1+課税率))の整数倍で残高以下の数である貸出可能額を設定する(ステップS416)。
例えば、残高が1700円であって、金額設定スイッチの設定値が500円である場合には、貸球額に515円が設定される(課税率5%の場合)。残高が155円であって、金額設定スイッチの設定値が500円である場合には、貸球額に105円が設定される(課税率5%で単位料金100円の場合)。なお、残高が[単位料金×(1+(課税率))]未満(課税率5%で単位料金100円の場合105円未満)である場合には、ステップS410に移行する。この場合、ステップS411でカードが排出されるが、カードの残高があることを遊技者に報知するために、何らかの報知処理を行うことが好ましい。例えば、使用可ランプ151を点滅させたり、残高表示器157の表示を点滅させたりする。
なお、貸球額は、以降の処理によって貸し出される遊技球の料金に相当し、カードユニット制御部150に設けられているRAMに形成されている領域に格納される。
球貸しスイッチ信号が出力される前に、返却スイッチ182が押下されて返却信号が出力されたことを検出すると(ステップS409)、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、球貸し可ランプ152を消灯させ(ステップS410)、カードR/W161を介してカードにバッファの内容を書き込むとともにカードR/W161に対してカード排出指令を出す(ステップS411)。そして、ステップS447に移行する。
貸球額の設定を行った後、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、貸与要求信号を出力する。すなわち、BRDY信号をハイレベル(H)にする(ステップS417)。T0のディレイ時間(図19参照、例えば30〜50ms)をおいた後(ステップS418)、球貸し可ランプ152を消灯させ(ステップS419)、貸与指令信号を出力する。すなわち、BRQ信号をハイレベルにする(ステップS420)。次いで、タイマT1をセットし(ステップS421)、パチンコ遊技機1から貸与可能信号が出力される(EXS信号がハイレベル(H)になる)のを待つ(ステップS422)。貸与可能信号が出力されたら、T2のディレイ時間(図19参照、例えば30〜50ms)をおいた後(ステップS426A)、貸与確認信号を出力する。すなわち、BRQ信号をローレベル(L)にする(ステップS426)。
パチンコ遊技機1から貸与可能信号が出力される前にタイマT1がタイムアウトしたら(ステップS423)、貸与指令信号の出力を解除(BRQ信号をLに)するとともに(ステップS424)、貸球額をクリアして(ステップS425)、ステップS408に戻る。なお、払出制御の仕方の異なる複数種類パチンコ遊技機1に対応するために、パチンコ遊技機1からの貸与可能信号の出力を監視するためのタイマT1の値として、例えば10ms〜10sの値を設定することができる。また、EXS信号がハイレベルにならずタイマT1がタイムアウトした場合には、パチンコ遊技機1からのEXS信号がハイレベルにならなかったこと報知するようにしてもよい。
パチンコ遊技機1から貸与可能信号が出力され、貸与確認信号を出力したら、タイマT3をセットして(ステップS427)、パチンコ遊技機1から貸与完了信号が出力される(EXS信号がローレベルになる)のを待つ(ステップS428)。貸与完了信号が出力される前にタイマT3がタイムアウトしたら(ステップS429)、ステップS410に移行する。なお、EXS信号がローレベルにならずタイマT3がタイムアウトした場合には、パチンコ遊技機1からのEXS信号がローレベルにならなかったこと報知するようにしてもよい。
パチンコ遊技機1から貸与完了信号が出力されたら、残高演算処理を実行し(ステップS431)、貸球額から課税分を含む単位料金、すなわち[単位料金×(1+(課税率))]を減算する(ステップS432)。また、ホールコンピュータ等の管理装置に売上情報を出力する(ステップS433)。
貸与完了信号を出力するまでの間、パチンコ遊技機1では、払出制御基板37に搭載されている払出制御手段が、実施の形態1の場合と同様に払出制御処理を行う(図31,図32参照)。ただし、この実施の形態では、ステップS515において、貸し球個数記憶に固定的な値(例えば「25」)が設定される。また、ステップS501,S503の判断において、エラー検出用カウンタのカウント値は固定的な値(例えば「25」)と比較される。そして、払出制御手段が一単位(この実施の形態では例えば「25」)の遊技球の払出制御を完了すると貸与完了信号を出力する(EXS信号をローレベルにする)。
なお、払出制御の仕方の異なる複数種類パチンコ遊技機1に対応するために、パチンコ遊技機1からの貸与完了信号の出力を監視するためのタイマT3の値として、例えば200ms〜10sの値を設定することができる。
次いで、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、貸球額が0になったか否か確認する(ステップS441)。0になっていなければステップS419に戻る。なお、ステップS428でEXS信号のローレベルを検出してから、ステップS419に戻ってステップS420でBRQ信号を再びハイレベルにするまでの時間は、T4(図19参照、MAX150ms)である。貸球額が0になっていれば、TEのディレイ時間(図19参照)をおいた後(ステップS442)、貸与要求終了信号を出力する。すなわち、BRDY信号をローレベルにする(ステップS443)。
そして、バッファの内容が[単位料金×(1+(課税率))]未満になっていなければ(ステップS444)、球貸し可ランプ152を点灯させ(ステップS445)、ステップS408に戻る。
バッファの内容が[単位料金×(1+(課税率))]未満である場合には、カードR/W161を介してカードにバッファの内容を書き込むとともに、カードR/W161に対してカード排出指令を出す(ステップS446)。そして、タイマT6をセットし(ステップS447)、カードR/W161からの処理完了信号を待つ(ステップS448)。処理完了信号が出力される前にタイマT6がタイムアウトした場合には(ステップS449)、使用可ランプ151を点滅させ(ステップS450)、例えば、残高表示器157にエラー表示を行わせるように制御する(ステップS451)。タイマT6がタイムアウトする前に処理完了信号が出力された場合には、ステップS401に戻る。
なお、バッファの内容が[単位料金×(1+(課税率))]未満であるが0でない場合にカードが排出されるときには(ステップS446)、カードの残高があることを遊技者に報知するために、何らかの報知処理を行うことが好ましい。例えば、使用可ランプ151を点滅させたり、残高表示器157の表示を点滅させたりする。
図49は、ステップS431の残高減算処理の一例を示すフローチャートである。残高減算処理において、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、課税情報設定スイッチ180の設定値(課税率)を読み取る(ステップS461)。課税情報設定スイッチ180の設定値はRAMに格納されるのであるが、既に格納されている値と、ステップS461で読み取った値とが一致していない場合には(ステップS462)、例えば残高表示器157にエラー表示(例えば「E」の表示)させる(ステップS463)。このように、記憶値と読取値とが異なる場合にエラー報知するように構成すれば、課税情報設定スイッチ180の設定が変えられてしまったことを容易に認識することができる。
次いで、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、単位料金(この例では100円)×(1+読取値)の演算を行う(ステップS464)。なお、課税情報設定スイッチ180の設定値が5%を示す「5」である場合には、演算における読取値は0.05である。そして、カードに記録されている残高が格納されているバッファから、ステップS464における演算の結果を減算する(ステップS465)。そして、バッファの内容、すなわち単位料金+課税分が減算された残高を残高表示器157に表示する(ステップS466)。この実施の形態では、ステップS461〜S464の処理はパチンコ遊技機1との通信が行われる度に実行されるが、ステップS461〜S464の処理は、例えば電源投入時に1回実行されるように構成されていてもよい。
また、この実施の形態では、パチンコ遊技機1において、払出制御用CPU371は、図50に示すようにメイン処理を実行する。図16に示された実施の形態1の場合と比較すると、この実施の形態では、ステップS714の貸球数決定処理が実行されず、ステップS761のDG処理が実行されないことがわかる。この実施の形態では、パチンコ遊技機1は、従来のものと同様に、1単位の遊技球の貸出について常に固定的な個数の払出を行い、また、課税情報表示器158は、実施の形態1の場合とは異なり、カードユニット50によって制御されるからである。
なお、この実施の形態では、カードに記録される残高が100円単位ではなく1円単位になる可能性がある(貸出の一単位が100円の場合)。例えば、3000円分の残高があったカードから500円分+5%の課税分を減算した場合には、残高は2475円になる。しかし、この実施の形態では、4桁表示が可能な残高表示器157が設けられているので、遊技者は、正確なカードの残高を知ることができる。
以上に説明したように、この実施の形態では、パチンコ遊技機1に課税情報設定スイッチ180が設けられ、カードユニット50に搭載されているカードユニット制御部160が、課税情報設定スイッチ180の設定値に応じてカードに記録されている残高の減算値(課税分を含む)を決定する。すなわち、遊技者が借り出した遊技用価値を用いて遊技が行われる遊技機に接続可能であり、記録媒体としてのカードに記録されている記録情報(この実施の形態では残高)で特定される有価価値(例えば100円に相当する価値)を使用して遊技者に遊技用価値を貸し出すための制御を行う遊技用装置としてのカードユニット50において、記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値にもとづく情報を遊技機に対して送信可能な通信手段(この実施の形態では、カードユニット制御部160で実現されている)と、遊技者に貸し出される遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段(この実施の形態では、課税情報設定スイッチ180)と、課税情報設定手段の設定値にもとづいて、遊技機に送信する有価価値にもとづく情報を決定する決定手段(この実施の形態では、カードユニット制御部160で実現されている)とを備えている。従って、遊技球の貸し出しに対する課税率が変更されても、遊技機の構成を変更せずに対応することができる。また、パチンコ遊技機1に課税情報表示器158が設けられているので、遊技者は、貸し出される遊技球についてどの程度の課税分があるのかを直ちに認識することができる。課税情報表示器158の表示もカードユニット50に搭載されているカードユニット制御部160によって制御されるので、遊技機の構成を変更する必要はない。なお、4桁表示の残高表示器157が搭載されていない遊技機については、残高表示器157のみを変更すればよい。
なお、この実施の形態では、カードに記録される残高に一単位分の金額未満の端数が生ずるが、遊技店に精算機を設置し、精算機で端数を精算すればよい。
実施の形態3.
上記の各実施の形態では、カードユニット50とパチンコ遊技機1との間で送受信される信号形式は、従来の信号形式と同じである。しかし、信号形式を従来のものと変更して、より詳細な情報がカードユニット50からパチンコ遊技機1に送られるようにしてもよい。
図51は、カードユニット50からパチンコ遊技機1に対して、貸球数を特定可能な信号を送ることが可能な信号形式の一例を示すタイミング図である。図51に示す例では、遊技機の1個の貸出を指示するBRQ2信号(1個貸与要求信号)と、BRQ2信号に応じてパチンコ遊技機1がカードユニット50に対して送信するEXS2信号(応答信号)とが、従来の信号に対して追加されている。
図52は、この実施の形態におけるカードユニット50とパチンコ遊技機1の構成を示すブロック図である。この実施の形態では、実施の形態2の構成(図45参照)に対して、カードユニット50においてBRQ2信号とEXS2信号の送受信に関する処理が追加され、パチンコ遊技機1においてBRQ2信号とEXS2信号の送受信に関する処理が追加される。
なお、パチンコ遊技機1の構成は、実施の形態2の構成と同じである(図45参照)。すなわち、実施の形態2の場合と同様に、主基板31等は図5に示されたように構成され、払出制御基板37は、課税情報設定スイッチ180および課税情報表示器158を制御する部分を除き、図6に示されたように構成されている。
以下、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1における払出制御手段の動作と、カードユニット50におけるカードユニット制御部160の動作を説明する。なお、払出制御手段が実行するメイン処理は、図50に示された実施の形態2の場合と同じである。ただし、球貸し制御処理(ステップS756)の具体的内容は実施の形態2の場合とは異なる。この実施の形態では、球貸し制御処理において、図53および図54に示すような処理と図32に示された処理を行う。また、遊技制御手段が実行するメイン処理は実施の形態1,2の場合と同じである(図10参照)。
球貸し制御処理において、払出制御用CPU371は、球貸し停止中であるか否かを確認する(ステップS510)。停止中であれば、処理を終了する。なお、球貸し停止中であるか否かは、図28に示された払出停止状態設定処理において設定される払出停止/解除フラグの状態によって確認される。
球貸し停止中でなければ、払出制御用CPU371は、貸し球払出中であるか否かの確認を行い(ステップS511)、貸し球払出中であれば図32に示す球貸し中の処理に移行する。なお、貸し球払出中であるか否かは、後述する球貸し処理中フラグの状態によって判断される。貸し球払出中でなければ、球貸し要求受付フラグがオンしているか否か確認する(ステップS560)。球貸し要求受付フラグは、カードユニット50からの貸与指令信号が出力された(BRQ信号がハイレベルになった)ことを検出したらセットされる。球貸し要求受付フラグがオンしていたら、ステップS562の処理に移行する。球貸し要求受付フラグがオンしていなかったら、賞球の払出中であるか否か確認する(ステップS512)。賞球の払出中であるか否は、後述する賞球処理中フラグの状態によって判断される。
貸し球払出中でも賞球払出中でもなければ、払出制御用CPU371は、カードユニット50から貸与指令信号が出力されたか否かを確認する(ステップS513)。すなわち、BRQ信号がハイレベルになったか否か確認する。BRQ信号がハイレベルになっていれば、球貸し要求受付フラグをオンするとともに(ステップS561)、貸与可能信号を出力する。すなわち、EXS信号をハイレベルにする(ステップS516)。
ステップS562では、払出制御用CPU371は、BRQ2信号がオン状態になったら(ステップS562)、EXS2信号をオン状態にする(ステップS563)。そして、BRQ2信号がオフ状態になったら(ステップS564)、EXS2信号をオフ状態にし(ステップS565)、払出予定数カウンタ(N)のカウント値を+1する(ステップS566)。なお、BRQ信号がローレベルになったときの払出予定数カウンタ(N)のカウント値が、一単位の貸球数Nに相当する。
ステップS562において、BRQ2信号がオン状態になるのを待っているときにBRQ信号がローレベルになったことを検出したら、払出制御用CPU371は、球貸し処理中フラグをセットするとともに(ステップS568)、払出予定数カウンタ(N)のカウント値をバックアップRAM領域の貸し球個数記憶に設定する(ステップS569)。そして、払出制御用CPU371は、球払出装置97の下方の球振分部材311を球貸し側に設定するために振分用ソレノイド310を駆動する(ステップS570)。さらに、払出制御用CPU371は、貸球数Nの遊技球を払い出すためのモータ回転時間を設定するか、または、モータ回転時間に応じた数の出力パルス数を決定する。そして、払出モータ289をオンして(ステップS571)、図32に示す球貸し中の処理に移行する。なお、球貸し処理中フラグをセットするときに、球貸し要求受付フラグをリセットしておく。
以上のような制御によって、払出制御手段は、カードユニット50からBRQ2信号の受信個数に応じた一単位(例えば100円)の貸球数を決定することができる。そして、BRQ信号がオフ状態になったら、最終的に貸球数Nが決まったことになり、遊技球の払出制御を開始する。
なお、ステップS564においてBRQ2信号がオフ状態になることを監視する際に、タイマ監視が行われている。すなわち、所定時間内にBRQ2信号がオフ状態にならない場合には、プリペイドカードユニット通信エラーとされる。また、ステップS562およびステップS567において、BRQ信号がローレベルにならない状態でBRQ2信号がオン状態になることを監視する際に、タイマ監視が行われている。すなわち、BRQ信号がローレベルにならない状態で、所定時間内にBRQ2信号がオン状態にならない場合には、プリペイドカードユニット通信エラーとされる。このように、払出制御手段は、カードユニット50からの貸球数を特定可能な信号についても監視を行って、異常が生じたことを検知したらエラー報知を行う。
図55および図56は、実施の形態3におけるカードユニット制御部50におけるカードユニット制御用マイクロコンピュータが実行するカードユニット制御処理の一部を示すフローチャートである。図55および図56に示す処理は、実施の形態2における処理である図46〜図48に示されたフローチャートのうち、図47に示された処理に変えて実行される。すなわち、この実施の形態では、図46に示された処理、図55および図56に示す処理、および図48に示された処理が実行される。
図46に示されたステップS418の処理が実行されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、図55に示すように、球貸し可ランプ152を消灯させ(ステップS419)、貸与指令信号を出力する。すなわち、BRQ信号をハイレベルにする(ステップS420)。次いで、タイマT1をセットし(ステップS421)、パチンコ遊技機1から貸与可能信号が出力される(EXS信号がハイレベル(H)になる)のを待つ(ステップS422)。
パチンコ遊技機1から貸与可能信号が出力される前にタイマT1がタイムアウトしたら(ステップS423)、貸与指令信号の出力を解除(BRQ信号をLに)するとともに(ステップS424)、貸球額をクリアして(ステップS425)、ステップS408に戻る。なお、払出制御の仕方の異なる複数種類パチンコ遊技機1に対応するために、パチンコ遊技機1からの貸与可能信号の出力を監視するためのタイマT1の値として、例えば10ms〜10sの値を設定することができる。
貸与可能信号が出力されたら、BRQ2信号をオン状態にし(ステップS471)、EX2信号がオン状態になったら(ステップS472)、BRQ2信号をオフ状態にする(ステップS473)。そして、EXS2信号がオフ状態になったら(ステップS474)、送出回数カウンタのカウント値を+1する(ステップS475)。
ステップS471〜S475の処理は、送出回数カウンタのカウント値が貸球数Nに一致するまで継続して実行される。送出回数カウンタのカウント値が貸球数Nに一致したら(ステップS476)、貸与確認信号を出力する。すなわち、BRQ信号をローレベル(L)にする(ステップS426)。なお、カードユニット制御部160は、貸球量Nを、あらかじめ(例えば電源投入時等に)決定しておく。決定の仕方には、貸球数Nとして、例えば課税分(課税情報設定スイッチ180で特定される)を考慮した数(例えば24個/100円)とすることもできるが、課税分を考慮しない数(例えば25個/100円)とすることもできる。
パチンコ遊技機1から貸与可能信号が出力され、貸与確認信号を出力したら、タイマT3をセットして(ステップS427)、パチンコ遊技機1から貸与完了信号が出力される(EXS信号がローレベルになる)のを待つ(ステップS428)。貸与完了信号が出力される前にタイマT3がタイムアウトしたら(ステップS429)、ステップS410に移行する。
パチンコ遊技機1から貸与完了信号が出力されたら、残高演算処理を実行し(ステップS431)、貸球数Nとして課税分を考慮した数(例えば24個/100円)をパチンコ遊技機1に通知した場合には、単位料金(例えば100円)を減算する(ステップS432)。また、貸球数Nとして課税分を含まない単位料金に相当した数(例えば25個/100円)をパチンコ遊技機1に通知した場合には、貸球額から課税分を含む単位料金、すなわち[単位料金×(1+(課税率))]を減算する。そして、ホールコンピュータ等の管理装置に売上情報を出力する(ステップS433)。
以上のようにして、課税情報設定スイッチ180の設定値にもとづく貸球数Nが決定され、貸球数Nを示す情報がパチンコ遊技機1に送信された。ステップS434の残高減算処理は、カードから課税分を含む金額を減算するように構成されている場合(貸球数Nとして課税分を含まない単位料金に相当した数(例えば25個/100円)をパチンコ遊技機1に通知した場合)には、図49に示されたように実行される。カードから単位料金分の金額(例えば100円)を減算するように構成されている場合(貸球数Nとして課税分を考慮した数(例えば24個/100円)をパチンコ遊技機1に通知した場合)には、従来の場合と同様に、単位料金分(例えば100円)をカードから減算する処理になる。
なお、この実施の形態では、カードユニット50は、一単位の貸球数を特定可能な信号をパルス信号(1パルス/1個)でパチンコ遊技機1に送信するが、他の信号形式を用いてもよい。例えば、貸球数を示すデータ(例えば24を示すデータや25を示すデータ)や単位料金を示すデータ(例えば100円を示すデータ)を送信するようにしてもよい。その際、シリアル信号で送信してもよいしパラレル信号で送信してもよい。さらに、単位料金を特定可能な信号をパルス信号(例えば1パルス/10円)でパチンコ遊技機1に送信するようにしてもよい。また、この実施の形態では、課税情報表示器158がカードユニット50に設置されているが、パチンコ遊技機1に設置されていてもよい。
この実施の形態では、実施の形態2の場合と同様に、パチンコ遊技機1におけるハードウェアを変更する必要はなく、従来のパチンコ遊技機1のソフトウェアを一部変更するだけで、貸し球に対する課税率の変更に容易に対応することができる。
実施の形態3において、パチンコ遊技機1にも課税情報設定スイッチ180に相当するものを設けてもよい。その場合には、払出制御手段が認識する課税情報が、カードユニット50から送信された課税率が考慮された貸球数を示す情報と矛盾しているような場合にエラー報知を行うように構成することができる。また、パチンコ遊技機1からカードユニット50に対してスイッチの設定値を送信し、カードユニット50において、課税情報設定スイッチ180の設定値とパチンコ遊技機1から送信された設定値とが一致していない場合にエラー報知を行うようにしてもよく、逆に、カードユニット50からパチンコ遊技機1に対して課税情報設定スイッチ180の設定値を送信し、パチンコ遊技機1において、スイッチの設定値とカードユニット50から送信された設定値とが一致していない場合にエラー報知を行うようにしてもよい。
すなわち、カードユニット50における通信手段が、遊技機から課税率に関する情報を受信可能であって、通信手段が受信した課税率に関する情報と自身の課税情報設定手段の設定との間に課税率の矛盾があるか否か判定するように構成することができる。その場合には、課税情報設定手段の設定値が不正に変更されてしまっても、そのことを容易に認識することができる。逆に、パチンコ遊技機1における通信手段が、遊技用装置から課税率に関する情報を受信可能であって、通信手段が受信した課税率に関する情報と自身の課税情報設定手段の設定との間に課税率の矛盾があるか否か判定するように構成することもできる。その場合にも、課税情報設定手段の設定値が不正に変更されてしまっても、そのことを容易に認識することができる。
さらに、カードユニット50またはパチンコ遊技機1のいずれかに課税情報設定スイッチ180が設置されている場合に、電力供給開始時などに、課税情報設定スイッチ180の設定値を一方から他方に送信するようにしてもよい。そのように構成しても、払出制御手段が認識する課税情報が、カードユニット50から送信された貸球数を示す情報と矛盾しているような場合にエラー報知を行うように構成することができる。
また、カードユニット50から一単位の貸球数を特定可能な信号を送信するようにカードユニット50を構成し、パチンコ遊技機1の側で課税率を考慮した貸球数Nを決定するようにしてもよい。図57は、パチンコ遊技機1の側で課税率を考慮した貸球数Nを決定する場合のカードユニット50とパチンコ遊技機1の構成(実施の形態3の変形例)を示すブロック図である。図57に示すように、この場合には、課税情報設定スイッチ180と課税情報表示器158はパチンコ遊技機1に設置される。なお、度数表示器157は2桁表示可能であればよい。
この場合には、パチンコ遊技機1において、遊技制御手段が実行するメイン処理および払出制御手段が実行するメイン処理は、実施の形態1の場合と同様になる(図10および図16参照)。すなわち、払出制御手段が実行するメイン処理において、貸球数決定処理(ステップS714)が実行され、課税情報表示器158の表示制御のためのDG処理(ステップS761)が実行される。
また、パチンコ遊技機1のハードウェア構成は、実施の形態1の構成と同じである。すなわち、実施の形態1の場合と同様に、主基板31等は図5に示されたように構成され、払出制御基板37は、図6に示されたように構成されている。
払出制御手段が実行する球貸し制御処理は実施の形態3の上記の例の場合と同様であるが(図53,図54,図32参照)、この場合には、図58に示すように、ステップS566Aの処理が追加される。すなわち、払出予定数カウンタ(N)のカウント値が、ステップS714(図16参照)で決定された貸球数Nに達していたら、払出予定数カウンタ(N)のカウントアップは実行されない。
この結果、カードユニット50から例えば「25」の貸球数を示す信号が送信されても、課税率を考慮した貸球数Nが「24」であれば、払出予定数カウンタ(N)のカウント値は「24」に止まる。
なお、ステップS564においてBRQ2信号がオフ状態になることを監視する際に、タイマ監視が行われている。すなわち、所定時間内にBRQ2信号がオフ状態にならない場合には、プリペイドカードユニット通信エラーとされる。また、ステップS562およびステップS567においてBRQ2信号がオン状態になることを監視する際に、タイマ監視が行われている。すなわち、所定時間内にBRQ信号がオフ状態にならずBRQ2信号がオン状態にならない場合には、プリペイドカードユニット通信エラーとされる。このように、払出制御手段は、カードユニット50からの貸球数を特定可能な信号についても監視を行って、異常が生じたことを検知したらエラー報知を行うことができる。
また、払出制御手段は、払出予定数カウンタ(N)の他に、BRQ2信号がオン状態になった回数をカウントするカウンタを有し、そのカウンタのカウント値が所定値(例えば「25」)を越えた場合にエラー報知を行うようにしてもよい。
実施の形態3の変形例によれば、カードユニット50から固定的な貸球数を示す信号が送信されるようにカードユニット50が構成されていれば、課税率が変更されても、カードユニット50を変更する必要はない。
実施の形態3において、パチンコ遊技機1が、カードユニット50からの貸球数を特定可能な信号を扱う制御と(実施の形態3の場合にはBRQ2信号およびESX信号)、従来の場合のようにカードユニット50からの貸球数を特定可能な信号を扱わない制御とを切替可能なように構成してもよい。例えば、払出制御基板37等に切替スイッチを設け、払出制御手段は、切替スイッチの設定状態に応じていずれかの制御を実行する。そのように構成しておけば、パチンコ遊技機1は、課税率の変更に対応しているカードユニット50にも接続可能であり、課税率の変更に対応しているカードユニット50にも接続可能である。なお、そのような切替スイッチについても、容易に操作できないように、切替スイッチのカバーを設け、カバーを施錠可能にしたり、図8(A)に例示したような固着部を用いて操作の履歴を把握可能にしたりすることが好ましい。
また、カードユニット50についても、貸球数を特定可能な信号を扱う制御と(実施の形態3の場合にはBRQ2信号およびESX信号)、従来の場合のように貸球数を特定可能な信号を扱わない制御とを切替可能なように構成してもよい。その場合、カードユニット50に切替スイッチを設けてもよいが、カードユニット50に管理用のカードを挿入しカードユニット制御部160が管理用のカードを認識することによって切り替えるようにしてもよい。切替スイッチを設ける場合には、容易に操作できないように、切替スイッチのカバーを設け、カバーを施錠可能にしたり、図8(A)に例示したような固着部を用いて操作の履歴を把握可能にしたりすることが好ましい。
さらに、カードユニット50に課税情報設定スイッチ180が設けられている形態に代えて、課税情報設定スイッチ180を設けずに、カードユニット50に管理用のカードを挿入しカードユニット制御部160が管理用のカードの記録内容を認識することによって課税率に関する情報を変更するようにしてもよい。この場合、課税情報設定手段は、カードユニット50において、カードリーダライタ161およびカードユニット制御部160によって実現されることになる。また、パチンコ遊技機1またはカードユニット50に課税情報設定スイッチ180が設けられている形態に代えて、課税情報設定スイッチ180を設けずに、パチンコ遊技機1またはカードユニット50において、払出制御手段またはカードユニット制御部160に対して情報入力可能な接続手段を設け、課税率に関する情報を出力可能な外部端末を接続手段に接続し、外部端末から、パチンコ遊技機1またはカードユニット50に対して課税率に関する情報を与えるように構成してもよい。
以上のように、実施の形態3では、遊技者が借り出した遊技用価値を用いて遊技が行われる遊技機と、遊技機に接続可能であり、記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値を使用して遊技者に遊技用価値を貸し出すための制御を行う遊技用装置としてのカードユニット50とを含み、遊技者に貸し出される遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段(この実施の形態では課税情報設定スイッチ180)が設けられ、遊技用装置が、遊技用価値の最小単位毎の情報(この実施の形態ではBRQ2信号による情報)を遊技機に対して送信可能な通信手段(この実施の形態ではカードユニット制御部160で実現されている)を有し、遊技機が、遊技用装置から遊技用価値の最小単位毎の情報を受信可能な通信手段(この実施の形態では払出制御手段で実現されている)と、遊技者に遊技用価値を貸し出す貸出手段(この実施の形態では球払出装置97)とを有し、課税情報設定手段の設定値にもとづいて、記録媒体としてのカードに記録されている記録情報で特定される有価価値に関する情報に対応する貸し遊技用価値の量(貸球数N)を決定することが可能である遊技機システムが実現される。
なお、この実施の形態(実施の形態3)では、カードユニット50からパチンコ遊技機1に対する貸与遊技価値を特定可能な信号として、貸球数を特定可能なBRQ2信号を用いたが、貸与遊技価値を特定可能な信号として、貸与遊技価値に対応した金額を特定可能な信号を用いてもよい。その場合、パチンコ遊技機1の払出制御手段は、貸与遊技価値に対応した金額に相当する個数の遊技球を払い出したり、課税率分を減算した金額に相当する個数の遊技球を払い出したりすることができる(課税情報設定スイッチ180が設けられている場合)。
また、上記の各実施の形態では、払出制御手段におけるRAMが電源バックアップされているので、遊技機への電力供給が停止しても所定期間(バックアップ電源のバックアップ可能期間)内に復旧すれば、払出制御手段は、保存されている貸し球個数記憶にもとづいて球貸し制御を続行することができる。また、上記の貸球数Nや払出予定数カウンタについても、電力供給が停止しても所定期間内に復旧すれば、払出制御手段は、保存されているそれらの値にもとづいて制御を続行することができる。
また、上記の各実施の形態では、記録媒体としてプリペイドカードを例にしたが、ICカード等の他の記録媒体を使用することもできる。さらに、記録媒体として遊技者が獲得した遊技用価値も記録可能な記録媒体を用いた場合でも本発明を適用できる。
なお、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示装置9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、カードユニット等の遊技用装置と接続可能であれば本発明を適用できる。
さらに、遊技用価値が遊技球であるパチンコ遊技機に限られず、遊技用価値がコインやメダル等であるスロットマシン等においても、カードユニット等の遊技用装置と接続可能であれば本発明を適用できる。また、入賞に応じて得点が加算されるように構成されている遊技機にも適用することができる。
また、上記の実施の形態では、下記のような遊技機または遊技用装置が開示されている。
(1)課税情報設定手段の設定にもとづいて課税率に関する情報を表示する課税情報表示手段(例えば課税情報表示器158)が設けられている遊技機。
そのような構成によれば、課税率に関する情報を外部にて特定可能にすることができる。
(2)通信手段は、貸与手段による遊技用価値の貸与が可能であることを示す貸与準備信号(例えばPRDY信号)を遊技用装置に送信し、遊技者からの貸与要求があったことを示す貸与要求信号(例えばBRDY信号のハイレベル)を遊技用装置から受信した後、遊技用価値の貸与を指令する貸与指令信号(例えばBRQ信号のハイレベル)を遊技用装置から受信したことに応じて、遊技用価値の貸与ができることを示す貸与可能信号(例えばEXS信号のハイレベル)を遊技用装置に送信し、通信手段が貸与可能信号の受信の確認を示す貸与確認信号(例えばBRQ信号のローレベル)を遊技用装置から受信した場合に、貸与手段が遊技用価値の貸与を実行し、貸与手段が遊技用価値の貸与を完了した場合に、通信手段が、遊技用価値の貸与の完了を示す貸与完了信号(例えばEXS信号のローレベル)を遊技用装置に送信し、通信手段が、遊技用装置からの貸与要求の終了を示す貸与要求終了信号(例えばBRDY信号のローレベル)を受信するように構成されている遊技機。
そのような構成によれば、遊技用装置と正確な通信を行うことができる。
(3)課税情報設定手段には、遊技用装置からの信号で特定される所定単位分(例えば100円)の遊技用価値から課税率に対応した量を減算した遊技用価値の量(例えば24個の遊技球)が設定されるように構成されている遊技機。
そのような構成によれば、決定手段は、課税情報設定手段の設定から直ちに貸与する遊技用価値の量を決定することができる。
(4)課税情報設定手段には、例えば遊技用装置からの信号で特定される所定単位分(例えば100円)の遊技用価値に対する課税率に対応した遊技用価値の量(例えば1個の遊技球)が設定されるように構成されている遊技機。
そのような構成によれば、課税情報設定手段に、遊技用装置からの信号で特定される所定単位分の遊技用価値に対する課税率に対応した遊技用価値の量が設定されるので、課税率と課税情報設定手段の設定とを対応づけることが容易である。
(5)課税情報設定手段には、例えば課税率(例えば5%)が設定されるように構成されている遊技機。
そのような構成によれば、課税情報設定手段に対する設定が容易である。
(6)課税情報設定手段の設定にもとづいて課税率に関する情報を表示する課税情報表示手段(例えば課税情報表示器158)が設けられている遊技用装置。
そのような構成によれば、課税率に関する情報を外部にて特定可能にすることができる。
(7)通信手段は、遊技用価値の貸与が可能であることを示す貸与準備信号(例えばPRDY信号)を遊技機から受信した後、遊技者から貸与要求があった場合にその旨を示す貸与要求信号(例えばBRDY信号のハイレベル)を遊技機に送信し、所定期間経過後に遊技用価値の貸与を指令する貸与指令信号(例えばBRQ信号のハイレベル)を遊技機に送信し、遊技用価値の貸与ができることを示す貸与可能信号(例えばEXS信号のハイレベル)を遊技機から受信した場合に、貸与可能信号の受信の確認を示す貸与確認信号(例えばBRQ信号のローレベル)を遊技機に送信し、所定単位分の遊技用価値の貸与の完了を示す貸与完了信号(例えばEXS信号のローレベル)を遊技機から受信し、遊技者からの貸与要求に応じた遊技用価値の貸与が完了している場合には、貸与要求の終了を示す貸与要求終了信号(例えばBRDY信号のローレベル)を遊技機に送信するように構成されている遊技用装置。
そのような構成によれば、遊技機と正確な通信を行うことができる。
(8)減算量決定手段が、課税情報設定手段の設定値で特定される課税分(例えば消費税分の5%)を貸与された遊技用価値に対する有価価値(例えば100円)に加算した量(例えば105円)を減算量として決定するように構成されている遊技用装置。
そのような構成によれば、課税分の有価価値を確実に徴収することが可能になる。
(9)記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値に対応した数値を表示する残高表示手段(例えば残高表示器157)を備え、残高表示手段が、記録情報で特定される有価価値の最小単位まで同時に表示可能であるように構成されている遊技用装置。
そのような構成によれば、遊技者が残高表示手段の表示にもとづいて残高情報を速やかに認識することができる。
(10)通信手段が、遊技用装置から遊技用価値の最小単位毎に送信される情報(例えばBRQ2信号)を受信し、貸与量決定手段が、遊技用価値の最小単位毎に送信される情報にもとづいて遊技者に貸与する遊技用価値の量を決定するように構成されている遊技機。
そのような構成によれば、より詳細に遊技用価値の量を特定することができる。
(11)課税情報設定手段の設定にもとづいて課税率に関する情報を表示する課税情報表示手段(例えば課税情報表示器158)が設けられている遊技機。
そのような構成によれば、課税率に関する情報を外部にて特定可能にすることができる。
(12)通信手段が遊技用装置から課税率に関する情報を受信可能であり、通信手段が受信した課税率に関する情報と課税情報設定手段の設定との間に課税率の矛盾があるか否か判定するように構成されている遊技機。
そのような構成によれば、遊技用装置との間の課税率の認識の相違を判定することが可能になる。
(13)通信手段は、遊技用価値の最小単位毎に情報を送信するように構成されている遊技用装置。
そのような構成によれば、より詳細に遊技用価値の量を特定することができる。
(14)課税情報設定手段の設定にもとづいて課税率に関する情報を表示する課税情報表示手段(例えば課税情報表示器158)が設けられている遊技用装置。
そのような構成によれば、課税率に関する情報を外部にて特定可能にすることができる。
(15)通信手段が、遊技機から課税率に関する情報を受信可能であり、通信手段が受信した課税率に関する情報と課税情報設定手段の設定との間に課税率の矛盾があるか否か判定するうに構成されている遊技用装置。
そのような構成によれば、遊技機との間の課税率の認識の相違を判定することが可能になる。
1 パチンコ遊技機
31 主基板
37 払出制御基板
50 カードユニット
157 課税情報表示器
160 カードユニット制御部
180 課税情報設定スイッチ
371 払出制御用CPU

Claims (4)

  1. 遊技者が貸与された遊技用価値を用いて遊技が行われる遊技機であって、
    記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値を使用して遊技者に遊技用価値を貸与するための制御を行う遊技用装置と通信可能な通信手段と、
    遊技者に遊技用価値を貸与する貸与手段と、
    遊技者に貸与される遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段と、
    前記課税情報設定手段の設定にもとづいて、前記通信手段が前記遊技用装置から受信した遊技用価値の貸与に関する情報に対応して遊技者に貸与する遊技用価値の量を決定する貸与量決定手段とを含み、
    前記貸与手段により、前記貸与量決定手段が決定した量の遊技用価値を貸与することが可能である
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技者が貸与された遊技用価値を用いて遊技が行われる遊技機に接続可能であり、記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値を使用して遊技者に遊技用価値を貸与するための制御を行う遊技用装置であって、
    遊技用価値の貸与に関する情報を前記遊技機との間で通信可能な通信手段と、
    記録媒体の処理を行う記録媒体処理手段と、
    遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段と、
    前記課税情報設定手段の設定にもとづいて、記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値から減算する減算量を決定する減算量決定手段とを含み、
    前記記録媒体処理手段により、前記減算量決定手段が決定した減算量を前記記録情報で特定される有価価値から減算することが可能である
    ことを特徴とする遊技用装置。
  3. 遊技者が貸与された遊技用価値を用いて遊技が行われる遊技機であって、
    記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値を使用して遊技者に遊技用価値を貸与するための制御を行う遊技用装置と通信可能な通信手段と、
    遊技者に遊技用価値を貸与する貸与手段と、
    遊技者に貸与される遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段と、
    前記課税情報設定手段の設定にもとづいて、前記通信手段が前記遊技用装置から受信した遊技用価値の量を最小単位まで特定可能な情報に対応して遊技者に貸与する遊技用価値の量を決定する貸与量決定手段とを含み、
    前記貸与手段により、前記貸与量決定手段が決定した量の遊技用価値を貸与することが可能である
    ことを特徴とする遊技機。
  4. 遊技者が貸与された遊技用価値を用いて遊技が行われる遊技機に接続可能であり、記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値を使用して遊技者に遊技用価値を貸与するための制御を行う遊技用装置であって、
    遊技用価値の貸与に関する情報を前記遊技機との間で通信可能な通信手段と、
    記録媒体の処理を行う記録媒体処理手段と、
    遊技用価値についての課税率に関する情報を設定可能な課税情報設定手段と、
    前記課税情報設定手段の設定にもとづいて、遊技者に貸与する遊技用価値の量を決定する貸与量決定手段と、
    前記課税情報設定手段の設定にもとづいて、記録媒体に記録されている記録情報で特定される有価価値から減算する減算量を決定する減算量決定手段とを含み、
    前記記録媒体処理手段は、前記減算量決定手段が決定した減算量を前記記録情報で特定される有価価値から減算するための処理を行い、
    前記通信手段は、前記貸与量決定手段が決定した遊技用価値の量を最小単位まで特定可能な情報を前記遊技機に送信する
    ことを特徴とする遊技用装置。
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