JP3621627B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者の操作に応じて遊技が行われるパチンコ遊技機、コイン遊技機、スロット機等の遊技機に関し、特に、遊技盤における遊技領域において遊技者の操作に応じて遊技が行われる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球等の価値が遊技者に払い出されるものがある。遊技媒体の払い出しは払出機構によって行われる。
【0003】
払出機構は、一般に、払出制御基板に搭載された賞球制御手段によって制御される。遊技の進行は主基板に搭載された遊技制御手段によって制御されるので、入賞にもとづく賞球個数は、遊技制御手段によって決定され、払出制御基板に送信される。
【0004】
また、遊技者は、遊技媒体を借り出し、借り出した遊技媒体および入賞に応じて払い出された遊技媒体を用いて遊技を行う。その際、遊技者からの遊技媒体貸し要求はカードユニット等の貸出要求処理装置で一旦受け付けられ、遊技機の貸出制御手段は貸出要求処理装置と通信することによって遊技者からの貸出要求を受け付ける。遊技機は、遊技者からの貸出要求に応じて遊技媒体を貸し出すのであるが、賞球制御手段と貸出制御手段とは一体化された払出制御手段で構成されていることが多い。また、一般に、払出制御手段は払出制御マイクロコンピュータを含む構成とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
遊技機に異常状態が発生すると、遊技が中断されてしまうため速やかに異常を回避しなければならない。しかし、賞球払出に関する払出機構と球貸しに関する払出機構とが独立に設けられた場合には、異常箇所や異常原因を迅速に認識することが困難となってしまう。例えば、球詰まりなどの払出機構に関連する異常が発生したときに、賞球払出による異常であるのか、あるいは遊技媒体の貸出による異常であるのかを迅速かつ的確に把握することが困難であるため、異常に対する対応が遅れてしまう。このように、遊技機の異常による遊技の中断状態を速やかに回避することができないため、遊技者に不利益がもたらされる。
【0006】
そこで、本発明は、払出機構部に関する異常が発生した場合であっても、異常箇所や異常原因を迅速かつ的確に認識することができ、異常が発生したときの対応を速やかに行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技に関わる払出条件の成立に応じて遊技媒体の払出しを行う賞遊技媒体払出機構部(例えば、賞球払出装置)と、貸出要求に応じて遊技媒体の払出しを行う貸出遊技媒体払出機構部(例えば、球貸し払出装置)とを有し、賞遊技媒体の払出しまたは貸出遊技媒体の払出しに関わる異常が発生したときに、異常に関する報知を行うエラー報知手段(例えば、払出制御手段)を備え、エラー報知手段は、賞遊技媒体払出機構部の払出動作の異常(例えば、賞球モータ球噛みエラーや賞球モータセンサ出力異常)と、貸出遊技媒体払出機構部の払出動作の異常(例えば、球貸しモータ球噛みエラーや球貸しモータセンサ出力異常)とを識別可能に報知することを特徴とするものである。
また、エラー報知手段は、賞遊技媒体払出機構部の駆動源の異常状態と貸出遊技媒体払出機構部の駆動源の異常状態とを識別可能に報知してもよい。
また、エラー報知手段は、賞遊技媒体払出機構部から払い出された遊技媒体の検出に関わる異常(例えば、賞球カウントスイッチ球詰まりエラーや賞球経路エラー)と、貸出遊技媒体払出機構部から払い出された遊技媒体の検出に関わる異常(例えば、球貸しカウントスイッチ球詰まりエラーや球貸し経路エラー)とを識別可能に報知してもよい。
【0008】
エラー報知手段は、賞遊技媒体払出停止状態(例えば、賞球停止状態)と貸出遊技媒体払出停止状態(例えば、球貸し停止状態)とを識別可能に報知するように構成されていることが好ましい。
【0009】
遊技の進行を制御する遊技制御手段を備え、エラー報知手段は、遊技制御手段からの制御コマンドにもとづいて賞遊技媒体払出停止状態か否かの判断を行うように構成されていることが好ましい。
【0011】
所定電位電源を監視し、所定条件が成立した場合に検出信号を出力する電源監視手段と、遊技機に設けられる電気部品を制御するための電気部品制御手段とを含み、電気部品制御手段は、電源監視手段からの検出信号により所定の電力供給停止時処理を実行し、電力供給停止時処理において所定の記憶領域に賞遊技媒体払出機構部および貸出遊技媒体払出機構部の異常状態に関する情報をバックアップする構成としてもよい。
【0012】
電気部品制御手段は、電力供給停止時処理においてバックアップ記憶が格納されている領域へのアクセスを禁止する処理を実行する構成としてもよい。
【0013】
賞遊技媒体払出機構部および貸出遊技媒体払出機構部に供給可能な遊技媒体の不足状態を検出するための供給遊技媒体状態検出手段を備え、供給遊技媒体状態検出手段から賞遊技媒体払出機構部までの間に待機可能な所定遊技媒体数(例えば、払出可能に確保される賞球数)と、供給遊技媒体状態検出手段から貸出遊技媒体払出機構部までの間に待機可能な所要遊技媒体数(例えば、払出可能に確保される貸し球数)とが異なる数であるとしてもよい。
【0014】
払出可能に確保される例えば賞球数である所定遊技媒体数よりも、払出可能に確保される例えば貸し球数である所要遊技媒体数の方が多い数であるとしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、例えばコイン遊技機やスロット機等であってもよい。
【0016】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3からあふれた貯留球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。なお、図1には現れないが、打球供給皿3の上面側には、カードユニット50を介した球貸しのための度数表示LED、球貸しスイッチおよび返却スイッチが設けられている。
【0017】
遊技領域7の中央付近には、複数種類の図柄を可変表示するための可変表示部9と7セグメントLEDによる可変表示器10とを含む可変表示装置8が設けられている。また、可変表示器10の下部には、4個のLEDからなる通過記憶表示器(普通図柄用記憶表示器)41が設けられている。この実施の形態では、可変表示部9には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがある。可変表示装置8の側部には、打球を導く通過ゲート11が設けられている。通過ゲート11を通過した打球は、球出口13を経て始動入賞口14の方に導かれる。通過ゲート11と球出口13との間の通路には、通過ゲート11を通過した打球を検出するゲートスイッチ12がある。また、始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ17によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0018】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。この実施の形態では、開閉板20が大入賞口を開閉する手段となる。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(Vゾーン)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出される。また、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。可変表示装置8の下部には、始動入賞口14に入った入賞球数を表示する4個の表示部を有する始動入賞記憶表示器18が設けられている。この例では、4個を上限として、始動入賞がある毎に、始動入賞記憶表示器18は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、可変表示部9の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
【0019】
遊技盤6には、複数の入賞口19,24が設けられ、遊技球のそれぞれの入賞口19,24への入賞は、対応して設けられている入賞口スイッチ19a,24aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28cが設けられている。
【0020】
そして、この例では、一方のスピーカ27の近傍に、景品球払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、他方のスピーカ27の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技台1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0021】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カード内に記録された残額情報に端数(100円未満の数)が存在する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられる度数表示LEDに表示させるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0022】
打球発射装置から発射された打球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、可変表示器10の表示数字が連続的に変化する状態になる。また、打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9内の図柄が回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を1増やす。
【0023】
可変表示部9内の画像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組み合わせが大当り図柄の組み合わせであると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0024】
停止時の可変表示部9内の画像の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。また、可変表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、高確率状態では、可変表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
【0025】
次に、パチンコ遊技機1の裏面に配置されている各基板について説明する。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の裏面では、枠体2A内の機構板の上部に球貯留タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が球貯留タンク38に供給される。球貯留タンク38内の遊技球は、誘導樋39を通って球払出機構(図示せず)に至る。
【0026】
遊技機裏面側では、可変表示部9を制御する可変表示制御ユニット29、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37、およびモータの回転力を利用して打球を遊技領域7に発射する打球発射装置が設置されている。さらに、装飾ランプ25、遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28b,28c、賞球ランプ51および球切れランプ52に信号を送るためのランプ制御基板35、スピーカ27からの音声発生を制御するための音声制御基板70および打球発射装置を制御するための発射制御基板91も設けられている。なお、払出制御基板37には、エラー表示用LED374も搭載されている。
【0027】
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910が設けられ、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、後述する球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球個数信号を外部出力するための賞球用端子および球貸し個数信号を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤(外部情報出力装置)34が設置されている。なお、図2には、ランプ制御基板35および音声制御基板70からの信号を、枠側に設けられている遊技効果LED28a、遊技効果ランプ28b,28c、賞球ランプ51および球切れランプ52に供給するための電飾中継基板A77および度数表示LED等を搭載した残高表示基板74が示されているが、信号中継の必要に応じて他の中継基板も設けられる。
【0028】
また、図3はパチンコ遊技機1の機構板を背面からみた背面図である。球貯留タンク38に貯留された玉は誘導樋39を通り、球払出機構97に至る。球払出機構97から払い出された遊技球は、連絡口45を通ってパチンコ遊技機1の前面に設けられている打球供給皿3に供給される。連絡口45の側方には、パチンコ遊技機1の前面に設けられている余剰玉受皿4に連通する余剰玉通路46が形成されている。入賞にもとづく景品球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になり、ついには遊技球が連絡口45に到達した後さらに遊技球が払い出されると遊技球は、余剰玉通路46を経て余剰玉受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、感知レバー47が満タンスイッチ48を押圧して満タンスイッチ48がオンする。その状態では、球払出機構97内の賞球払出装置(図示せず)のステッピングモータの回転が停止して賞球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置34の駆動も停止する。
【0029】
次に、機構板36に設置されている中間ベースユニットの構成について説明する。中間ベースユニットには、球払出機構97およびその上部の球通過経路が設けられる。この実施の形態では、後述するように球払出機構97において、賞球払出装置と球貸し払出装置とが独立して設けられている。図4は、賞球払出装置およびその上部の球通過経路の構成を示す構成図である。
【0030】
中間ベースユニットの上部では、賞球経路となる通路体184Aが設置されている。そして、通路体184Aの下部に賞球払出装置97Aが固定されている。通路体184Aは、カーブ樋174(図3参照)によって4列に分けられ流下方向が左右方向に変換されたうちの2列の遊技球を流下させる払出球通路186a,186bを有する。払出球通路186a,186bの上流側には、球切れスイッチ187a,187bが設置されている。球切れスイッチ187a,187bは、払出球通路186a,186b内の遊技球の有無を検出するものであって、球切れスイッチ187a,187bが遊技球を検出しなくなると賞球払出装置97Aにおける賞球モータ(図4において図示せず)の回転を停止して賞球払出が不動化される。
【0031】
なお、球切れスイッチ187a,187bは、払出球通路186a,186bに27〜28個程度の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片188Aによって係止されている。すなわち、球切れスイッチ187a,187bは、賞球の一単位の最大払出量(この実施の形態では15個)以上が確保されていることが確認できるような位置に設置されている。
【0032】
通路体184Aの中央部は、内部を流下する遊技球の球圧を弱めるように、左右に湾曲する形状に形成されている。通路体184Aは中間ベースユニットに固定されるが、中間ベースユニットに設けられている係止突片185Aによって通路体184Aの位置合わせを行えるようになっている。
【0033】
通路体184Aの下方には、賞球払出装置97Aに遊技球を供給するとともに故障時等には賞球払出装置97Aへの遊技球の供給を停止する球止め装置190Aが設けられている。球止め装置190Aの下方に設置される賞球払出装置97Aは、直方体状のケース198Aの内部に収納されている。ケース198Aの左右4箇所には突部が設けられている。各突部が中間ベースユニットに設けられている位置決め突片に係った状態で、中間ベースユニットの下部に設けられている弾性係合片にケース198Aの下端がはめ込まれる。
【0034】
図5は賞球払出装置97Aの分解斜視図である。賞球払出装置97Aの構成および作用について図5を参照して説明する。この実施形態における賞球払出装置97Aは、ステッピングモータ(賞球モータ)289Aがスクリュー288を回転させることによりパチンコ玉を1個ずつ払い出す。
【0035】
図5に示すように、賞球払出装置97Aは、2つのケース198a,198bを有する。それぞれのケース198a,198bの左右2箇所に、賞球払出装置97Aの設置位置上部に設けられた位置決め突片に当接される係合突部280が設けられている。また、それぞれのケース198a,198bには、球供給路281a,281bが形成されている。球供給路281a,281bは湾曲面282a,282bを有し、湾曲面282a,282bの終端の下方には、球送り水平路284a,284bが形成されている。さらに、球送り水平路284a,284bの終端に球排出路283a,283bが形成されている。
【0036】
球供給路281a,281b、球送り水平路284a,284b、球排出路283a,283bは、ケース198a,198bをそれぞれ前後に区画する区画壁295a,295bの前方に形成されている。また、区画壁295a,295bの前方において、球圧緩衝部材285がケース198a,198b間に挟み込まれる。球圧緩衝部材285は、賞球払出装置97Aに供給される遊技球を左右側方に振り分けて球供給路281a,281bに誘導する。
【0037】
また、球圧緩衝部材285の下部には、発光素子(LED)286と受光素子(図示せず)とによる賞球モータ位置センサが設けられている。発光素子286と受光素子とは、所定の間隔をあけて設けられている。そして、この間隔内に、スクリュー288の先端が挿入されるようになっている。なお、球圧緩衝部材285は、ケース198a,198bが張り合わされたときに、完全にその内部に収納固定される。
【0038】
球送り水平路284a,284bには、賞球モータ289Aによって回転させられるスクリュー288が配置されている。賞球モータ289Aはモータ固定板290に固定され、モータ固定板290は、区画壁295a,295bの後方に形成される固定溝291a,291bにはめ込まれる。その状態で賞球モータ289Aのモータ軸が区画壁295a,295bの前方に突出するので、その突出の前方にスクリュー288が固定される。スクリュー288の外周には、賞球モータ289Aの回転によって球送り水平路284a,284bに載置された遊技球を前方に移動させるための螺旋突起288aが設けられている。
【0039】
そして、スクリュー288の先端には、発光素子286を収納するように凹部が形成され、その凹部の外周には、2つの切欠部292が互いに180度離れて形成されている。従って、スクリュー288が1回転する間に、発光素子286からの光は、切欠部292を介して受光素子で2回検出される。
【0040】
つまり、発光素子286と受光素子とによる賞球モータ位置センサは、スクリュー288を定位置で停止するためのものであり、かつ、賞球払出動作が行われた旨を検出するものである。なお、発光素子286、受光素子および賞球モータ289Aからの配線は、まとめられてケース198a,198bの後部下方に形成された引出穴から外部に引き出されコネクタに結線される。
【0041】
遊技球が球送り水平路284a,284bに載置された状態において、賞球モータ289Aが回転すると、スクリュー288の螺旋突起288aによって、遊技球は、球送り水平路284a,284b上を前方に向かって移動する。そして、遂には、球送り水平路284a,284bの終端から球排出路283a,283bに落下する。このとき、左右の球送り水平路284a,284bからの落下は交互に行われる。すなわち、スクリュー288が半回転する毎に一方から1個の遊技球が落下する。従って、1個の遊技球が落下する毎に、発光素子286からの光が受光素子によって検出される。
【0042】
図4に示すように、賞球払出装置97Aの下方には、近接スイッチによる賞球カウントスイッチ301Aが設けられている。払出制御手段は、賞球カウントスイッチ301Aの検出出力から、払い出された賞球数を把握することができる。
【0043】
なお、この実施の形態では、電気的駆動源の駆動によって遊技球を払い出す球払出装置として、ステッピングモータの回転によって遊技球が払い出される賞球払出装置97Aを用いることにするが、その他の駆動源によって遊技球を送り出す構造の球払出装置を用いてもよいし、電気的駆動源の駆動によってストッパを外し遊技球の自重によって払い出しがなされる構造の払出装置を用いてもよい。
【0044】
図6は、球貸し払出装置およびその上部の球通過経路の構成を示す構成図である。貸し球経路となる通路体184Cの下部に貸し球払出装置97Bが固定されている。通路体184Bは、2列の遊技球を流下させる払出球通路186c,186dを有する。払出球通路186c,186dの上流側には、球切れスイッチ187c,187dが設置されている。球切れスイッチ187c,187dは、払出球通路186c,186d内の遊技球の有無を検出するものであって、球切れスイッチ187c,187dが遊技球を検出しなくなると貸し球払出装置97Bにおける球貸しモータ(図6において図示せず)の回転を停止して貸し球の払出が不動化される。
【0045】
なお、球切れスイッチ187c,187dは、払出球通路186c,186dに27〜28個程度の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片188Cによって係止されている。すなわち、球切れスイッチ187c,187dは、球貸しの一単位の最大払出量(この実施の形態では25個)以上が確保されていることが確認できるような位置に設置されている。
【0046】
通路体184Cの中央部は、内部を流下する遊技球の球圧を弱めるように、左右に湾曲する形状に形成されている。通路体184Cは中間ベースユニットに固定されるが、中間ベースユニットに設けられている係止突片185Cによって通路体184Cの位置合わせを行えうことも可能である。なお、貸し球払出装置97Cは、賞球払出装置97Aの横に設置されていてもよいし、設置スペースが不足する場合には、賞球払出装置97Aに重ねられるように設置されていてもよい。
【0047】
通路体184Cの下方には、貸し球払出装置97Cに遊技球を供給するとともに故障時等には貸し球払出装置97Cへの遊技球の供給を停止する球止め装置190Cが設けられている。球止め装置190Cの下方に設置される貸し球払出装置97Cは、直方体状のケース198Cの内部に収納されている。
【0048】
貸し球払出装置97Cの構成は、図5に示された賞球払出装置97Aの構成と同じでよい。すなわち、賞球モータ289Aと同じ構成のステッピングモータ(球貸しモータ)289Cがスクリュー288を回転させることによりパチンコ玉を1個ずつ払い出す。また、発光素子286と受光素子とによる球貸しモータ位置センサは、スクリュー288を定位置で停止するために用いられるとともに、かつ、球貸し払出動作が行われた旨を検出するために用いられる。そして、貸し球払出装置97Cの下方には、近接スイッチによる球貸しカウントスイッチ301Bが設けられている。払出制御手段は、球貸しカウントスイッチ301Bの検出出力から、実際に払い出された貸し球数を把握することができる。
【0049】
払出機構を図7に示すように構成することもできる。図7に示す構成例では、球切れスイッチ187c,187dと貸し球払出装置97Cとの間の距離は、球切れスイッチ187a,187bと賞球払出装置97Aとの間の距離よりも長い。そして、例えば、球切れスイッチ187c,187dは、払出球通路186c,186dに27〜28個程度の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止され、球切れスイッチ187a,187bは、払出球通路186a,186bに17〜18個程度の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止される。すなわち、賞球用の球切れが検知されるときの残り数と、球貸し用の球切れが検知されるときの残り数とは異なっている。それぞれの一単位の遊技球数は異なっているので、それぞれの残り数を異ならせるように払出機構を構成することは合理的である。
【0050】
なお、その他の構成は、図4および図6に示された構成と同じである。また、貸し球払出装置97Cは、賞球払出装置97Aの横に設置されていてもよいし、設置スペースが不足する場合には、賞球払出装置97Aに重ねられるように設置されていてもよい。
【0051】
さらに、払出機構を図8に示すように構成することもできる。図8に示す構成例では、賞球払出装置97Aの上部側の球通路と貸し球払出装置97Cの上部側の球通路とが一つになっている。従って、1条で流下してきた遊技球は払出機構において2条に分かれる。そして、2条に分かれる前の箇所に、球切れスイッチ187が設置されている。この場合には、賞球用の球切れと球貸し用の球切れとが同一の検出器で検出される。よって、球切れ検出のための構成および制御が簡略化される。
【0052】
なお、球切れスイッチ187と貸し球払出装置97Cとの間の距離は、球切れスイッチ187と賞球払出装置97Aとの間の距離よりも長い。そして、例えば、球切れスイッチ187は、払出球通路186c,186dに27〜28個程度の遊技球が存在することを検出でき、かつ、払出球通路186a,186bに17〜18個程度の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止される。その他の構成は、図4および図6に示された構成と同じである。
【0053】
図9は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図9には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ19a,24aおよび賞球カウントスイッチ301Aからの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および開閉板20を開閉するソレノイド21等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
【0054】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の画像表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含む。
【0055】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。
【0056】
さらに、主基板31には、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路65と、基本回路53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67とが設けられている。なお、球払出装置97から主基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図9ではそれらは省略されている。
【0057】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0058】
なお、この実施の形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられている始動記憶表示器18、ゲート通過記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている遊技効果ランプ・LED28a,28b,28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。また、特別図柄を可変表示する可変表示部9および普通図柄を可変表示する可変表示器10の表示制御は、表示制御基板80に搭載されている表示制御手段によって行われる。
【0059】
図10は、払出制御基板37および球払出装置97の構成要素などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図10に示すように、満タンスイッチ48からの検出信号は、中継基板71を介して主基板31のI/Oポート57に入力される。満タンスイッチ48は、余剰球受皿4の満タンを検出するスイッチである。また、球切れスイッチ187a,187bまたは187c,187dからの検出信号も、中継基板72および中継基板71を介して主基板31のI/Oポート57に入力される。なお、ここでは、払出機構の構成は、図4に示されたような賞球払出機構と図6に示されたような球貸し機構とが独立して設けられている構成であるとする。
【0060】
主基板31のCPU56は、球切れスイッチ187a,187bからの検出信号が球切れ状態を示しているか、または、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、払出禁止を指示する払出制御コマンドを送出する。払出禁止を指示する払出制御コマンドを受信すると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は球払出処理を停止する。
【0061】
さらに、賞球カウントスイッチ301Aからの検出信号も、中継基板72および中継基板71を介して主基板31のI/Oポート57に入力される。賞球カウントスイッチ301Aは、賞球払出装置97Aの下部に設けられ、実際に払い出された賞球払出球を検出する。
【0062】
入賞があると、払出制御基板37には、主基板31の出力ポート(ポート0,1)570,571から賞球個数を示す払出制御コマンドが入力される。出力ポート(出力ポート1)571は8ビットのデータを出力し、出力ポート570は1ビットのストローブ信号(INT信号)を出力する。賞球個数を示す払出制御コマンドは、入力バッファ回路373Aを介してI/Oポート372aに入力される。INT信号は、入力バッファ回路373Bを介して払出制御用CPU371の割込端子に入力されている。払出制御用CPU371は、I/Oポート372aを介して払出制御コマンドを入力し、払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動して賞球払出を行う。
なお、この実施の形態では、払出制御用CPU371は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。
【0063】
また、主基板31において、出力ポート570,571の外側にバッファ回路620,68Aが設けられている。バッファ回路620,68Aとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,74HC14が用いられる。このような構成によれば、外部から主基板31の内部に入力される信号が阻止されるので、払出制御基板37から主基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすことができる。なお、バッファ回路620,68Aの出力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0064】
払出制御用CPU371は、出力ポート372gおよび情報出力回路377を介して、貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板160に出力し、ブザー駆動信号をブザー基板75に出力する。ブザー基板75にはブザーが搭載されている。さらに、出力ポート372eを介して、エラー表示用LED374にエラー信号を出力する。
【0065】
さらに、払出制御基板37の入力ポート372bには、中継基板72を介して、賞球カウントスイッチ301Aおよび球貸しカウントスイッチ301Bからの検出信号が入力される。球貸しカウントスイッチ301Bは、貸し球払出装置97Cの下部に設けられ、実際に払い出された貸し球を検出する。払出制御基板37からの賞球モータ289Aおよび球貸しモータ289Bへの駆動信号は、出力ポート372cおよび中継基板72を介して賞球モータ289Aおよび球貸しモータ289Bに伝えられる。
【0066】
カードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、端数表示スイッチ152、連結台方向表示器153、カード投入表示ランプ154およびカード挿入口155が設けられている(図1参照)。残高表示基板74には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED、球貸しスイッチおよび返却スイッチが接続される。
【0067】
残高表示基板74からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ信号および返却スイッチ信号が払出制御基板37を介して与えられる。また、カードユニット50から残高表示基板74には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が払出制御基板37を介して与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)がI/Oポート372fを介してやりとりされる。
【0068】
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、VL信号を出力する。払出制御用CPU371は、VL信号の入力状態により接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。そして、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、球貸しモータ289Bを駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。このとき、振分用ソレノイド310は駆動状態とされている。すなわち、球振分部材311を球貸し側に向ける。そして、払出が完了したら、払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でなければ、賞球払出制御を実行する。
【0069】
以上のように、カードユニット50からの信号は、カードユニット50に直接接続されている払出制御基板37に入力される構成になっている。従って、球貸し制御に関して、カードユニット50から主基板31に信号が入力されることはなく、主基板31の基本回路53にカードユニット50の側から不正に信号が入力される余地はない。
【0070】
また、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号は、払出制御用CPU371を介さずに残高表示基板74に伝達される。残高表示基板74から送出される球貸しスイッチ信号および返却スイッチ信号も、払出制御用CPU371を介さずにカードユニット50に伝達される。
【0071】
なお、この実施の形態ではカードユニット50が設けられている場合を例にするが、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球を貸し出す場合にも本発明を適用できる。また、この実施の形態では遊技球を貸し出す場合を例にしているが、得点が加算されるものであっても本発明を適用できる。
【0072】
この実施の形態では、少なくとも主基板31および払出制御基板37におけるRAMは、バックアップ電源でバックアップされている。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間はRAMの内容が保存される。そして、各CPUは、電源電圧の低下を検出すると、所定の処理を行った後に電源復旧待ちの状態になる。また、電源投入時に、各CPUは、RAMにデータが保存されている場合には、保存データにもとづいて電源断前の状態を復元する。
【0073】
また、上述したように、払出制御基板37、表示制御基板80、ランプ制御基板35および音声制御基板70にコマンドを送出するために、主基板31の出力ポート(出力ポート0)570からINT信号が各電気部品制御基板に出力される。この場合、例えば、出力ポート570は8ビット構成であって、ビット0が払出制御基板37へのINT信号、ビット1が表示制御基板80へのINT信号、ビット2がランプ制御基板35へのINT信号、ビット3が音声制御基板70へのINT信号の出力用に用いられる。
【0074】
図11は、CPU56周りの一構成例を示すブロック図である。図11に示すように、第1の電源監視回路(第1の電源監視手段)からの電圧低下信号が、CPU56のマスク不能割込端子(XNMI端子)に接続されている。第1の電源監視回路は、遊技機が使用する各種直流電源のうちのいずれかの電源の電圧を監視して電源電圧低下を検出する回路である。この実施の形態では、VSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値以下になるとローレベルの電圧低下信号を発生する。VSLは、遊技機で使用される直流電圧のうちで最大のものであり、この例では+30Vである。従って、CPU56は、割込処理によって電源断の発生を確認することができる。なお、この実施の形態では、第1の電源監視回路は、後述する電源基板に搭載されている。
【0075】
図11には、システムリセット回路65も示されているが、この実施の形態では、システムリセット回路65は、第2の電源監視回路(第2の電源監視手段)も兼ねている。すなわち、リセットIC651は、電源投入時に、外付けのコンデンサの容量で決まる所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイレベルにする。すなわち、リセット信号をハイレベルに立ち上げてCPU56を動作可能状態にする。また、リセットIC651は、第1の電源監視回路が監視する電源電圧と等しい電源電圧であるVSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値(第1の電源監視回路が電圧低下信号を出力する電源電圧値よりも低い値)以下になるとローレベルの電圧低下信号を発生する。従って、CPU56は、第1の電源監視回路からの電圧低下信号に応じて所定の電力供給停止時処理を行った後、システムリセットされる。なお、この実施の形態では、リセット信号と第2の電源監視回路からの電圧低下信号とは同一の信号である。
【0076】
図11に示すように、リセットIC651からのリセット信号は、NAND回路947に入力されるとともに、反転回路(NOT回路)944を介してカウンタIC941のクリア端子に入力される。カウンタIC941は、クリア端子への入力がローレベルになると、発振器943からのクロック信号をカウントする。そして、カウンタIC941のQ5出力がNOT回路945,946を介してNAND回路947に入力される。また、カウンタIC941のQ6出力は、フリップフロップ(FF)942のクロック端子に入力される。フリップフロップ942のD入力はハイレベルに固定され、Q出力は論理和回路(OR回路)949に入力される。OR回路949の他方の入力には、NAND回路947の出力がNOT回路948を介して導入される。そして、OR回路949の出力がCPU56のリセット端子に接続されている。このような構成によれば、電源投入時に、CPU56のリセット端子に2回のリセット信号(ローレベル信号)が与えられるので、CPU56は、確実に動作を開始する。
【0077】
そして、例えば、第1の電源監視回路の検出電圧(電圧低下信号を出力することになる電圧)を+22Vとし、第2の電源監視回路の検出電圧を+9Vとする。そのように構成した場合には、第1の電源監視回路と第2の電源監視回路とは、同一の電源VSLの電圧を監視するので、第1の電圧監視回路が電圧低下信号を出力するタイミングと第2の電圧監視回路が電圧低下信号を出力するタイミングの差を所望の所定期間に確実に設定することができる。所望の所定期間とは、第1の電源監視回路からの電圧低下信号に応じて電力供給停止時処理を開始してから電力供給停止時処理が確実に完了するまでの期間である。
【0078】
この例では、第1の電源監視手段が検出信号を出力することになる第1検出条件は+30V電源電圧が+22Vにまで低下したことであり、第2の電源監視手段が検出信号を出力することになる第2検出条件は+30V電源電圧が+9Vにまで低下したことになる。ただし、ここで用いられている電圧値は一例であって、他の値を用いてもよい。
【0079】
ただし、監視範囲が狭まるが、第1の電圧監視回路および第2の電圧監視回路の監視電圧として+5V電源電圧を用いることも可能である。その場合にも、第1の電圧監視回路の検出電圧は、第2の電圧監視回路の検出電圧よりも高く設定される。
【0080】
CPU56等の駆動電源である+5V電源から電力が供給されていない間、RAMの少なくとも一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源によってバックアップされ、遊技機に対する電源が断しても内容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセット回路65からリセット信号が発せられるので、CPU56は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要なデータがバックアップRAMに保存されているので、停電等からの復旧時に停電発生時の遊技状態に復帰することができる。
【0081】
なお、図11では、電源投入時にCPU56のリセット端子に2回のリセット信号(ローレベル信号)が与えられる構成が示されたが、リセット信号の立ち上がりタイミングが1回しかなくても確実にリセット解除されるCPUを使用する場合には、符号941〜949で示された回路素子は不要である。その場合、リセットIC651の出力がそのままCPU56のリセット端子に接続される。
【0082】
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。PIOは、PB0〜PB3の4ビットおよびPA0〜PA7の1バイトのポートを有する。PB0〜PB3およびPA0〜PA7のポートは、入力/出力いずれにも設定できる。ただし、この実施の形態では内蔵PIOを使用しない。その場合には、例えば、全ポートを入力モードとして、全ポートをグラウンドレベルに接続する。なお、電源投入時に、PIOは自動的に入力モードに設定される。
【0083】
図12は、遊技機の電源基板910の一構成例を示すブロック図である。電源基板910は、主基板31、表示制御基板80、音声制御基板70、ランプ制御基板35および払出制御基板37等の電気部品制御基板と独立して設置され、遊技機内の各電気部品制御基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、DC+21V、DC+12VおよびDC+5Vを生成する。また、バックアップ電源となるコンデンサ916は、DC+5Vすなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。
【0084】
トランス911は、交流電源からの交流電圧を24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ915に出力される。また、整流回路912は、AC24Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバータ913およびコネクタ915に出力する。DC−DCコンバータ913は、+22V、+12Vおよび+5Vを生成してコネクタ915に出力する。コネクタ915は例えば中継基板に接続され、中継基板から各電気部品制御基板および機構部品に必要な電圧の電力が供給される。なお、トランス911の入力側には、遊技機に対する電源供給を停止したり開始させたりするための電源スイッチ918が設置されている。
【0085】
DC−DCコンバータ913からの+5Vラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成する。バックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コンデンサ916は、遊技機に対する電力供給が遮断されたときの電気部品制御基板のバックアップRAM(電源バックアップされているRAMすなわち記憶内容保持状態となりうる記憶手段)に対して記憶状態を保持できるように電力を供給するバックアップ電源となる。また、+5Vラインとバックアップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。
【0086】
なお、バックアップ電源として、+5V電源から充電可能な電池を用いてもよい。電池を用いる場合には、+5V電源から電力供給されない状態が所定時間継続すると容量がなくなるような充電池が用いられる。
【0087】
また、電源基板910には、上述した第1の電源監視回路を構成する電源監視用IC902が搭載されている。電源監視用IC902は、VSL電源電圧を導入し、VSL電源電圧を監視することによって電源断の発生を検出する。具体的には、VSL電源電圧が所定値(この例では+22V)以下になったら、電源断が生ずるとして電圧低下信号を出力する。なお、監視対象の電源電圧は、各電気部品制御基板に搭載されている回路素子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い電圧であることが好ましい。この例では、交流から直流に変換された直後の電圧であるVSLが用いられている。電源監視用IC902からの電圧低下信号は、主基板31や払出制御基板37等に供給される。
【0088】
電源監視用IC902が電源断を検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、各電気部品制御基板上のCPUが暫くの間動作しうる程度の電圧である。また、電源監視用IC902が、CPU等の回路素子を駆動するための電圧(この例では+5V)よりも高く、また、交流から直流に変換された直後の電圧を監視するように構成されているので、CPUが必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。従って、より精密な監視を行うことができる。さらに、監視電圧としてVSL(+30V)を用いる場合には、遊技機の各種スイッチに供給される電圧が+12Vであることから、電源瞬断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+30V作成の以降に作られる+12Vが落ち始める以前の段階でそれの低下を検出できる。よって、+12V電源の電圧が低下するとスイッチ出力がオン状態を呈するようになるが、+12Vより早く低下する+30V電源電圧を監視して電源断を認識すれば、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電源復旧待ちの状態に入ってスイッチ出力を検出しない状態となることができる。
【0089】
また、電源監視用IC902は、電気部品制御基板とは別個の電源基板910に搭載されているので、第1の電源監視回路から複数の電気部品制御基板に電圧低下信号を供給することができる。電圧低下信号を必要とする電気部品制御基板が幾つあっても第1の電源監視手段は1つ設けられていればよいので、各電気部品制御基板における各電気部品制御手段が後述する復帰制御を行っても、遊技機のコストはさほど上昇しない。
【0090】
なお、図12に示された構成では、電源監視用IC902の検出出力(電圧低下信号)は、バッファ回路918,919を介してそれぞれの電気部品制御基板(例えば主基板31と払出制御基板37)に伝達されるが、例えば、1つの検出出力を中継基板に伝達し、中継基板から各電気部品制御基板に同じ信号を分配する構成でもよい。また、電圧低下信号を必要とする基板数に応じたバッファ回路を設けてもよい。
【0091】
図13は、図9に示された主基板31における情報出力回路64の一構成例を示すブロック図である。この例では、情報出力回路64は、CPU56からI/Oポート57を介して出力される始動口情報信号を増幅する増幅回路64a、図柄確定回数情報1信号を増幅する増幅回路64b、大当り情報1信号を増幅する増幅回路64c、確率変動情報信号を増幅する増幅回路64d、大当り情報2信号を増幅する増幅回路64e、図柄確定回数情報2信号を増幅する増幅回路64fおよび役物回数信号を増幅する増幅回路64gを含む。なお、増幅回路64a〜64gの各出力は、情報端子盤34に接続される。
【0092】
図柄確定回数情報2信号は、可変表示器10に表示される普通図柄に関する情報であり、役物回数信号は、可変入賞球装置15の開放回数を示す情報である。
【0093】
さらに、賞球個数信号を増幅する増幅回路64h、増幅回路64hの出力によって導通するフォトカプラ642、およびフォトカプラ642の出力に応じて出力端子間を遮断状態にしたり短絡状態にしたりするためのダイオードブリッジ643が設けられている。ダイオードブリッジ643の出力は、ターミナル基板160に接続される。フォトカプラ642は発光ダイオードとフォトトランジスタで構成され、このフォトカプラ642では、フォトトランジスタの一方の出力に抵抗が接続されている。また、増幅回路64hとして、IC回路を用いてもよいしトランジスタを用いてもよい。さらに、賞球個数情報は、大当り情報1信号等と同様に、電圧レベルで出力されるように構成されていてもよい。なお、増幅回路によって、過電流によってCPU56が誤動作してしまうことが防止される。
【0094】
図14は、主基板31から情報端子基板34またはターミナル基板160を介して外部出力される各信号の出力タイミング例を示すタイミング図である。この例では、図14(A)に示すように、図柄確定回数信号、大当り情報1信号、大当り情報2信号および確率変動情報信号は、負論理の信号として出力される。この例では、可変表示部9に表示される特別図柄が変動を停止すると0.5秒間図柄確定回数信号がローレベルとされる。また、特別図柄の変動が停止してから1.5秒が経過すると大当り情報1信号および大当り情報2信号がローレベルとされ、大入賞口(この実施の形態では開閉板20の開放による)が最後に閉成してから10.8秒が経過すると大当り情報1信号および大当り情報2信号がオフ(ハイレベル)とされる。
【0095】
大当り情報2信号は、高確率時には、大当り遊技が終了しても、オン状態を継続する。また、高確率状態では、確率変動情報信号がオンされる。なお、図14(A)に示された例は、確率変動中に特定図柄(確変図柄)以外の図柄で大当りすると確率変動状態が終了する場合の例である。
【0096】
また、図14(B)に示すように、始動口情報信号も負論理の信号として出力される。この例では、始動入賞があると、0.5秒間始動入賞情報信号がローレベルとされた後、続いて0.5秒間ハイレベルとされる。すなわち、0.5秒間「オン」を出力し、続いて、0.5秒間「オフ」を出力する。この実施の形態では、入賞に応じて払い出された遊技球数を示す賞球個数信号も、主基板31から出力される。そして、図14(C)に示すように、払出個数が10個になる毎に、賞球個数信号が0.1秒間ローレベルとされた後、続いて0.1秒間ハイレベルとされる。すなわち、賞球10個毎に、0.1秒間「オン」を出力し、続いて、0.1秒間「オフ」を出力する。以上のように、信号がオンとなっている期間とオフとなっている期間を担保することにより、入賞検出および賞球検出が、信号のオン期間内で連続した場合でも、検出に対応した信号が確実に出力されることになる。
【0097】
次に遊技機の動作について説明する。
図15は、主基板31におけるCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電源が投入されると、メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う(ステップS1)。
【0098】
そして、電源断時にバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の停電発生NMI処理)が行われたか否か確認する(ステップS2)。この実施の形態では、不測の電源断が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。バックアップなしを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する(ステップS2,S3)。なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、電源断時にバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。例えば、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。バックアップフラグ領域に設定されている「55H」は、停電発生NMI処理においてバックアップRAM領域のデータ保護処理が完了したときに設定されたデータであり、バックアップRAM領域のデータにもとづくパリティコードである。
【0099】
バックアップRAM領域にバックアップデータがある場合には、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(例えばパリティチェック)を行う(ステップS4)。不測の電源断が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電源断時の状態に戻すことができないので、停電復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する(ステップS5,S3)。
【0100】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、内部状態を電源断時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS6)。図16に示すように、バックアップフラグの値が「55H」に設定され、かつ、チェック結果が正常である場合に、ステップS6の遊技状態復旧処理が実行される。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する(ステップS7)。
【0101】
通常の初期化処理の実行(ステップS3)が完了すると、メイン処理で、タイマ割込フラグの監視(ステップS9)の確認が行われるループ処理に移行する。なお、ループ内では、表示用乱数更新処理(ステップS8)も実行される。
【0102】
なお、この実施の形態では、ステップS2でバックアップデータの有無が確認された後、バックアップデータが存在する場合にステップS4でバックアップ領域のチェックが行われたが、逆に、バックアップ領域のチェック結果が正常であったことが確認された後、バックアップデータの有無の確認を行うようにしてもよい。また、バックアップデータの有無の確認、またはバックアップ領域のチェックの何れか一方の確認を行うことによって、停電復旧処理を実行するか否かを判定してもよい。
【0103】
また、例えば停電復旧処理を実行するか否か判断する場合のパリティチェック(ステップS4)の際に、すなわち、遊技状態を復旧するか否か判断する際に、保存されていたRAMデータにおける特別プロセスフラグ等や始動入賞記憶数データによって、遊技機が遊技待機状態(図柄変動中でなく、大当り遊技中でなく、確変中でなく、また、始動入賞記憶がない状態)であることが確認されたら、遊技状態復旧処理を行わずに初期化処理を実行するようにしてもよい。
【0104】
図17は、ステップS1の初期設定処理を示すフローチャートである。初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1a)。割込禁止に設定すると、CPU56は、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS1b)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS1c)。そして、CPU56は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS1d)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS1e)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS1f)。
【0105】
この実施の形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込(INT)のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0106】
割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0107】
割込モード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0108】
割込モード2:CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。
【0109】
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS1bにおいて、CPU56は割込モード2に設定される。
【0110】
図18は、通常の初期化処理(ステップS3)の処理を示すフローチャートである。図18に示すように、初期化処理では、RAMのクリア処理が行われる(ステップS3a)。次いで、作業領域初期設定テーブルのアドレス値にもとづいて、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、払出コマンド格納ポインタなど)に初期値を設定する初期値設定処理(ステップS3b)が行われる。そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS3c)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理(ステップS1)において割込禁止(図17参照)とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS3d)。
【0111】
従って、この実施の形態では、CPU56の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。この実施の形態では、繰り返し周期は2msに設定される。そして、図19に示すように、タイマ割込が発生すると、CPU56は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS12)。
【0112】
CPU56は、ステップS9において、タイマ割込フラグがセットされたことを検出すると、タイマ割込フラグをリセットするとともに(ステップS10)、遊技制御処理を実行する(ステップS11)。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で遊技制御処理を実行してもよい。
【0113】
以上に説明したように、この実施の形態では、CTCやPIOを内蔵するCPU56に対して、初期設定処理で割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCを用いた定期的なタイマ割込処理を容易に実現できる。また、タイマ割込処理をプログラム上の任意の位置に設置できる。また、内蔵PIOを用いたスイッチ検出処理等を容易に割込処理で実現できる。その結果、プログラム構成が簡略化され、プログラム開発工数が低減する等の効果を得ることができる。
【0114】
また、この実施の形態では、バックアップデータの有無により電源断時の状態に復旧するか否かの判断を行う。従って、停電後の電源復旧時などにおいて電源投入された時に、バックアップデータ記憶領域の内容に応じて電源断時の状態に復旧させるか否かの判断を行うことができる。
【0115】
さらに、バックアップデータの状態によって電源断時の状態に復旧するか否かの判断が行われるので、停電後の電源復旧時などにおいて電源投入されたときに、バックアップデータ記憶領域の内容の状態に応じて電源断時の状態に復旧させるか否かの判断を行うことができる。
【0116】
図20は、ステップS11の遊技制御処理を示すフローチャートである。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートセンサ12、始動口センサ17、カウントセンサ23および入賞口スイッチ19a,24aの状態を入力し、各入賞口や入賞装置に対する入賞があったか否か判定する(スイッチ処理:ステップS21)。
【0117】
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS22)。
【0118】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、停止図柄の種類を決定する乱数等の表示用乱数を更新する処理を行う(ステップS24)。
【0119】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、7セグメントLEDによる可変表示器10を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0120】
また、CPU56は、払出制御基板37等に送出される制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して制御コマンドを送出する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS27)。
【0121】
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力するデータ出力処理を行う(ステップS29)。
【0122】
また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS30)。ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動し、可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態とする。
【0123】
また、CPU56は、各入賞口への入賞を検出するためのスイッチ17,23,19a,24aの検出出力にもとづく賞球数の設定などを行う(ステップS31)。具体的には、入賞検出に応じて払出制御基板37に払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、払出制御コマンドに応じて賞球払出装置97Aを駆動する。
【0124】
以上のように、メイン処理には遊技制御処理に移行すべきか否かを判定する処理が含まれ、CPU56の内部タイマが定期的に発生するタイマ割込にもとづくタイマ割込処理で遊技制御処理に移行すべきか否かを判定するためのフラグがセットされるので、遊技制御処理の全てが確実に実行される。つまり、遊技制御処理の全てが実行されるまでは、次回の遊技制御処理に移行すべきか否かの判定が行われないので、遊技制御処理中の全ての各処理が実行完了することは保証されている。
【0125】
なお、ここでは、主基板31のCPU56が実行する遊技制御処理は、CPU56の内部タイマが定期的に発生するタイマ割込にもとづくタイマ割込処理でセットされるフラグに応じて実行されたが、定期的に(例えば2ms毎)信号を発生するハードウェア回路を設け、その回路からの信号をCPU56の外部割込端子に導入し、割込信号によって遊技制御処理に移行すべきか否かを判定するためのフラグをセットするようにしてもよい。
【0126】
そのように構成した場合にも、遊技制御処理の全てが実行されるまでは、フラグの判定が行われないので、遊技制御処理中の全ての各処理が実行完了することが保証される。
【0127】
図21は、主基板31から払出制御基板37に送出される払出制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。なお、図21に示されたコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。
【0128】
図22は、各電気部品制御手段に対する制御コマンドを構成する8ビットの制御信号(この場合には払出制御信号)とINT信号(この場合には払出制御信号INT)との関係を示すタイミング図である。図22に示すように、MODEまたはEXTのデータが出力ポート(払出制御信号の場合にはポート1)に出力されてから、Aで示される期間が経過すると、CPU56は、データ出力を示す信号であるINT信号をオン状態にする。また、そこからBで示される期間が経過するとINT信号をオフ状態にする。さらに、次に送出すべきデータがある場合には、すなわち、MODEデータ送出後では、Cで示される期間をおいてから2バイト目のデータを出力ポートに送出する。2バイト目のデータに関して、A,Bの期間は、1バイト目の場合と同様である。
【0129】
Aの期間は、CPU56が、コマンドの送出準備の期間すなわちバッファに送出コマンドを設定する処理に要する期間であるとともに、制御信号線(払出制御信号の場合には払出制御信号線)におけるデータの安定化のための期間である。また、Bの期間は、INT信号安定化のための期間である。そして、Cの期間は、電気部品制御手段(払出制御信号の場合には払出制御手段)が確実にデータを取り込めるように設定されている期間である。Cの期間では、信号線上のデータは変化しない。すなわち、Cの期間が経過するまでデータ出力が維持される。
【0130】
この実施の形態では、払出制御基板37への払出制御コマンド、表示制御基板80への表示制御コマンド、ランプ制御基板35へのランプ制御コマンドおよび音声制御基板70への音声制御コマンドは、同一のルーチン(共通モジュール)を用いて送出される。そこで、Cの期間すなわち1バイト目に関するINT信号がオフ状態になってから2バイト目のデータが送出開始されるまでの期間は、コマンド受信処理に最も時間がかかる電気部品制御手段における受信処理時間よりも長くなるように設定される。例えば、払出制御基板37、表示制御基板80、ランプ制御基板35および音声制御基板70における各CPUが最も優先度の高い割込によって遊技制御手段からの制御コマンドを受信するように構成されている場合に、払出制御基板37における払出制御用CPU371の動作クロックが最も遅いときには、払出制御用CPU371の受信処理時間よりも長くなるように設定される。また、各CPUの動作クロックが同一であっても処理に要するクロック数が異なっているときには、最も多いクロック数を要するCPUの受信処理時間よりも長くなるように設定される。
【0131】
なお、各電気部品制御手段は、INT信号がオン状態(ハイレベル)からオフ状態(ローレベル)になったことを検知して、例えば割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
【0132】
Cの期間が、コマンド受信処理に最も時間がかかる電気部品制御手段における受信処理時間よりも長いので、遊技制御手段が、各電気部品制御手段に対するコマンド送出処理を共通モジュールで制御しても、いずれの電気部品制御手段でも遊技制御手段からの制御コマンドを確実に受信することができる。
【0133】
図23は、払出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図23に示された例において、MODE=FF(H),EXT=00(H)のコマンドFF00(H)は、払出可能状態を指定する払出制御コマンドである。MODE=FF(H),EXT=01(H)のコマンドFF01(H)は、払出停止状態を指定する払出制御コマンドである。また、MODE=F0(H)のコマンドF0XX(H)は、賞球個数を指定する払出制御コマンドである。EXTである「XX」が払出個数を示す。
【0134】
払出制御手段は、主基板31の遊技制御手段からFF01(H)の払出制御コマンドを受信すると賞球払出および球貸しを停止する状態となり、FF00(H)の払出制御コマンドを受信すると賞球払出および球貸しができる状態になる。また、賞球個数を指定する払出制御コマンドを受信すると、受信したコマンドで指定された個数に応じた賞球払出制御を行う。
【0135】
なお、払出制御コマンドは、払出制御手段が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、INT信号がオン状態になることであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、この例では、払出制御信号の1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じてINT信号が1回だけオン状態になることである。
【0136】
図24は、図20に示された遊技制御処理におけるスイッチ処理(ステップS21)の賞球制御に関連する部分を示すフローチャートである。スイッチ処理において、CPU56は、球切れスイッチ187a,187bによって賞球用の球切れを検出すると球切れ状態フラグをセットする(ステップS121,S122)。また、球切れスイッチ187a,187bによって球切れでないことを検出すると球切れ状態フラグをリセットする(ステップS121,S123)。
【0137】
次いで、満タンスイッチ48によって下皿満タンを検出すると満タンフラグをセットする(ステップS124,S125)。また、満タンスイッチ48によって下皿満タンでないことを検出すると満タンフラグをリセットする(ステップS124,S126)。
【0138】
さらに、カウントスイッチ23がオンしたことを検出すると、15個カウンタを+1し(ステップS131,S132)、入賞口スイッチ19a,24aのいずれかがオンしたことを検出すると、10個カウンタを+1し(ステップS133,S134)、始動口スイッチ17がオンしたことを検出すると6個カウンタを+1する(ステップS135,S136)。
【0139】
なお、この実施の形態では、大入賞口を経た入賞については15個の賞球を払い出し、始動入賞口14を経た入賞については6個の賞球を払い出し、その他の入賞口19,24および入賞球装置を経た入賞については10個の賞球を払い出すとする。15個カウンタは大入賞口への入賞数を計数するためのカウンタであり、10個カウンタは普通入賞口への入賞数を計数するためのカウンタであり、6個カウンタは始動入賞口への入賞数を計数するためのカウンタである。
【0140】
図25〜図27は、図20に示された遊技制御処理における入賞球信号処理(ステップS31)の一例を示すフローチャートである。この例では、入賞球信号処理において、CPU56は、まず、払出停止状態であるか否か確認する(ステップS201)。払出停止状態は、払出制御基板37に対して払出停止状態指定のコマンドを送出した後の状態である。払出停止状態でなければ、上述した球切れ状態フラグまたは満タンフラグがオンになったか否かを確認する(ステップS202)。
【0141】
いずれかがオン状態に変化したときには、払出停止状態指定に関するコマンド送信テーブルの設定を行う(ステップS203)。コマンド送信テーブルについては後で詳しく説明する。なお、ステップS202において、いずれか一方のフラグが既にオン状態であったときに他方のフラグがオン状態になったときには、コマンド送信テーブルの設定(ステップS203)は行われない。
【0142】
また、払出停止状態であれば、球切れ状態フラグおよび満タンフラグがともにオフ状態になったか否かを確認する(ステップS204)。ともにオフ状態となったときには、払出停止解除指定に関するコマンド送信テーブルの設定を行う(ステップS205)。
【0143】
次いで、タイマT1がタイムアウトしたか否か確認する(ステップS211)。タイマT1は、復帰不能なエラーとなったか否かを判定するためのタイマである。タイムアウト時に累積エラー回数が所定回数を越えていたら復帰不能なエラーとなる。累積エラー回数が所定回数以下であれば、動作は継続される。タイマT1がかかっていない場合、またはかかっていてもタイムアウトしていない場合にはステップS221に移行する。
【0144】
タイマT1がタイムアウトしていた場合には、賞球エラーカウンタの値をチェックする(ステップS212)。賞球エラーカウンタの値が所定値を越えていた場合には、エラー状態に入る(ステップS217)。エラー状態では、CPU56は停止状態になる。例えば、ループ状態(同一番地にジャンプ)とされる。
【0145】
タイマT1がタイムアウトしたときに賞球エラーカウンタの値が所定回を越えていなければ、賞球エラーカウンタは初期化され(ステップS213)、再度タイマT1がスタートされる(ステップS214)。
【0146】
賞球エラーカウンタの値は、賞球個数の過多等のエラーが検出されるとカウントアップされる。従って、所定時間内に(タイマT1のカウントアップ時間内に)所定回数を越える賞球過多エラーが生ずると、2ms割込で再起動されても解除されない状態になる。このように、賞球過多エラーが生じたときに直ちにホールト状態とならず、頻繁に賞球過多エラーが生じた場合に停止状態となるように構成すると、一時的に生じ自然復旧するようなエラーでは遊技機は動作不能状態にならない。また、頻繁に賞球過多エラーが生ずる場合には点検等を要することが多いので、そのような場合には遊技機が動作不能状態になるようにすることができる。
【0147】
次いで、CPU56は、入賞に応じた賞球個数に関する払出制御コマンドをコマンド送信テーブルに設定する制御を行う。まず、15個カウンタの値をチェックする(ステップS221)。上述したように、15個カウンタは、遊技球が大入賞口に入賞してカウントスイッチ23がオンするとカウントアップされる。15個カウンタの値が0でない場合には、15個の賞球個数指示に関するコマンド送信テーブルの設定を行う(ステップS222)。また、15個カウンタの値を−1する(ステップS223)。さらに、払出指令個数累積値に15を加算する(ステップS224)。
【0148】
15個カウンタの値が0であれば、10個カウンタの値をチェックする(ステップS225)。上述したように、10個カウンタは、遊技球が入賞口に入賞して入賞口スイッチ19a,24aがオンするとカウントアップされる。10個カウンタの値が0でない場合には、10個の賞球個数指示に関するコマンド送信テーブルの設定を行う(ステップS226)。また、10個カウンタの値を−1する(ステップS227)。さらに、払出指令個数累積値に10を加算する(ステップS228)。
【0149】
10個カウンタの値が0であれば、6個カウンタの値をチェックする(ステップS231)。上述したように、6個カウンタは、遊技球が始動入賞口に入賞して始動口スイッチ17がオンするとカウントアップされる。6個カウンタの値が0でない場合には、6個の賞球個数指示に関するコマンド送信テーブルの設定を行う(ステップS232)。また、6個カウンタの値を−1する(ステップS233)。さらに、払出指令個数累積値に6を加算する(ステップS234)。
【0150】
以上にようにして、遊技制御手段から払出制御基板37に払出制御コマンドを出力しようとするときに、コマンド送信テーブルの設定が行われる。そして、コマンド送信テーブルの設定が行われたときには、賞球払出中フラグをオンする(ステップS235)。また、賞球払出中フラグをオンしているときには、ステップS241に移行する(ステップS236)。
【0151】
次いで、CPU56は、エラー表示フラグがオンしているか否か確認する(ステップS241)。オンしていれば、ステップS257に移行する。なお、エラー表示フラグについては後で説明する。エラー表示フラグがオンしていなければ、賞球カウントスイッチ301Aがオンするのを待つ(ステップS242)。賞球カウントスイッチ301Aのオンを検出すると、賞球カウントスイッチ301Aのオフを待ち(ステップS242)、オフしたら払出指令累積個数を−1する(ステップS244)。また、賞球個数信号出力処理サブルーチンを起動する(ステップS245)。そして、タイマT2を起動する(ステップS246)。
【0152】
払い出された賞球は1個ずつ賞球カウントスイッチ301Aを通過するが、以上のように、賞球カウントスイッチ301Aのオンおよびオフを検出することによって遊技球の通過が確実に検出される。そして、遊技球の通過が検出された場合には、1個の賞球があったとして、払出指令累積個数が−1される。
【0153】
なお、払出制御コマンド送出時に加算され賞球カウントスイッチ301Aがオンすると−1される払出指令個数累積値が、タイマT2のタイムアウト時に0になっていないと、賞球過多または賞球不足が生じていると判定される。従って、タイマT2は、賞球カウントスイッチ301Aの出力がオンした後オフする度に起動または再スタートされる。
【0154】
ステップS242において賞球カウントスイッチ301Aがオンしていなければ、タイマT2が動作中か否か確認する(ステップS247)。タイマT2が動作中であれば、CPU56は、タイマT2がタイムアウトしたか否か確認する(ステップS250)。タイムアウトしていなければ処理を終了する。
【0155】
タイマT2の値(起動時からタイムアウトするまでの時間)は、正常に払出が行われている場合には払出周期(賞球カウントスイッチ301Aがオンしてから次にオンするまでの期間)よりも長く設定されている。従って、正常に払出が行われているときには、最後の払出を除いて、タイマT2がタイムアウトするよりも前に、次の賞球カウントスイッチ301Aのオン(ステップS242)が発生する。すなわち、正常に払出が行われているときには、タイマT2は、最後の払出が行われた後に初めてタイムアウトする。
【0156】
なお、連続払出(ある入賞に対する賞球払出と次の入賞に対する賞球払出とが連続して行われること)における賞球払出間にインターバル時間が設けられる場合もあるが、その場合には、タイマT2の値は、インターバル時間よりも長く設定される。すなわち、連続払出が行われるときには、やはり、最後の払出が行われた後に初めてタイムアウトする。
【0157】
ステップS250において、タイマT2がタイムアウトすると、CPU56は、払出指令個数累積値が0になっているか否か確認する(ステップS251)。後述する補正払出が行われたときには、補正個数記憶値が0になっているか否か確認する。払出指令個数累積値は、入賞があったときに賞球数分だけ加算され賞球があったことを検出する賞球カウントスイッチ301Aのオンによって−1されているので、正常に払出が完了した場合には値は0である。従って、値が0である場合には、賞球払出フラグをオフして処理を終了する(ステップS252)。
【0158】
タイマT2がタイムアウトしたときに払出指令個数累積値または補正個数記憶値が0になっていない場合には、賞球過多または賞球不足が生じている。そこで、払出指令個数累積値または補正個数記憶値が0になっていなかった場合には、CPU56は、値の正負をチェックする(ステップS253)。値が正である場合、すなわち払出不足と判断される場合には、補正すべき個数を補正個数記憶値に設定するとともに(ステップS255)、補正個数に関するコマンド送信テーブルをセットする(ステップS256)。
【0159】
図28は、エラー表示処理の一例を示すフローチャートである。エラー表示処理において、CPU56は、まず、タイマT3が動作中であるかどうか確認する(ステップS261)。タイマT3はエラー検出時にセットされるタイマであり、タイムアウトするまでエラー表示が行われる。タイマT3が動作中でなければ、エラー表示フラグをオンし(ステップS262)、エラー表示要求をセットする(ステップS263)。そして、タイマT3を起動する(ステップS264)。また、賞球エラーカウンタの値を+1する(ステップS265)。
【0160】
賞球エラーカウンタの値は、ステップS212でチェックされ、所定時間内にその値が所定値を越えると自動復旧しない完全エラー状態とされる。なお、エラー表示要求がセットされると、例えば、可変表示部9にエラー表示がなされるように制御されたり、スピーカ27からエラー報知音が発生されるように制御されたりする。
【0161】
そして、遊技状態が通常状態であるならば(ステップS266)、ループ状態になる。通常状態とは、大当り遊技状態および可変表示部9に可変表示がなされている状態以外の状態である。
【0162】
ステップS261においてタイマT3が動作中である場合には、CPU56は、タイマT3がタイムアウトしているか否か確認する(ステップS270)。タイムアウトした場合には、エラー表示要求をリセットするとともに(ステップS271)、エラー表示中フラグをオフする(ステップS272)。また、賞球払出フラグをオフする(ステップS273)。よって、遊技機は、再度入賞球検出と賞球払出制御を行える状態に復帰する。なお、エラー表示フラグがオンしているときには、遊技進行は中断されている。
【0163】
ステップS213のエラー状態(所定期間内に賞球エラーカウンタの値が所定値を越えた)については、例えば、エラー表示やエラー報知が行われるとともに、ループ状態になるように制御される。
【0164】
図29は、賞球カウントスイッチ301Aがオンしてからオフし、1個の遊技球が払い出されたことが確認された場合(ステップS242〜S243)に起動される賞球個数信号出力処理サブルーチン(ステップS245)を示すフローチャートである。
【0165】
賞球個数出力処理サブルーチンでは、CPU56は、賞球個数カウンタの値を+1する(ステップS281)。そして、賞球個数カウンタの値が10の倍数になっていれば(ステップS282)、賞球個数出力要求をオンする(ステップS283)。なお、賞球個数カウンタが単にアップカウントされるだけのものであり、賞球個数カウンタが16ビットカウンタであれば、その値がFFFF(H)になった後0に戻る。
【0166】
図30および図31は、図20に示された遊技制御処理におけるデータ出力処理の各情報の外部出力に関する処理を示すフローチャートである。最初に、使用されるタイマについて説明する。
【0167】
Ta:賞球個数信号のオン期間を決めるタイマ(図14(C)参照)。
Tb:図柄確定回数信号のオン期間を決めるタイマ(図14(A)参照)。
Tc:大当り情報1,2信号のオンタイミングを決めるタイマ(図14(A)参照)。
Td:大当り情報1,2信号のオフタイミングを決めるタイマ(図14(A)参照)。
Te:始動口情報信号のオン期間を決めるタイマ(図14(B)参照)。
【0168】
データ出力処理では、CPU56は、まず、Taタイマが動作中か否か(賞球個数信号がオン中か否か)確認する(ステップS150)。動作中であれば、タイムアウトしたか否か確認する(ステップS151)。タイムアウトしたら、賞球個数信号をオフ(ハイレベル)にする(ステップS152)。
【0169】
なお、図13に示されたように、賞球個数信号は情報出力回路64において論理反転されるので、実際には、CPU56からオン状態が「1」として出力される。しかし、説明を簡単にするために、ここでも、賞球個数信号は負論理であるとして説明を進める。このことは、その他の信号についても同様である。
【0170】
次に、CPU56は、まず、Tbタイマが動作中か否か(図柄確定回数信号がオン中か否か)確認する(ステップS153)。動作中であれば、タイムアウトしたか否か確認する(ステップS154)。タイムアウトしたら、図柄確定回数信号をオフ(ハイレベル)にする(ステップS155)。また、Tcタイマが動作中か否か確認する(ステップS156)。動作中であれば、タイムアウトしたか否か確認する(ステップS157)。タイムアウトしたら、大当り情報1信号および大当り情報2信号をオン(ローレベル)にする(ステップS158,S159)。
【0171】
さらに、Tdタイマが動作中か否か確認する(ステップS161)。動作中であれば、タイムアウトしたか否か確認する(ステップS162)。タイムアウトしたら、大当り情報1信号をオフ(ハイレベル)にする(ステップS163)。ここで、大当りが確率変動状態を引き起こす特定図柄によるものであったときには(ステップS164)、確率変動情報信号をオン(ローレベル)にし(ステップS543)、そうでなければ、大当り情報2信号をオフ(ハイレベル)にする(ステップS165)。そして、Teタイマが動作中か否か(始動入賞情報信号がオン中か否か)確認する(ステップS166)。動作中であれば、タイムアウトしたか否か確認する(ステップS167)。タイムアウトしたら、始動口情報信号をオフ(ハイレベル)にする(ステップS168)。
【0172】
次に、CPU56は、賞球個数出力要求がオンしていたら(ステップS171)、賞球個数出力要求をリセットするとともに(ステップS172)、賞球個数信号をオン(ローレベル)状態にする(ステップS173)。また、Taタイマを起動する(ステップS174)。なお、賞球個数出力要求は、入賞球信号処理において、賞球払出数が10個に達する度にセットされている(ステップS283)。
【0173】
また、可変表示部9における特別図柄の変動が停止すると(ステップS175)、図柄確定回数信号をオン状態にするとともに(ステップS176)、Tbタイマを起動する(ステップS177)。そして、停止時の図柄の組み合わせが大当りを生じさせるものであれば(ステップS178)、Tcタイマを起動する(ステップS179)。さらに、大当り遊技状態が終了すると(ステップS180)、Tdタイマを起動する(ステップS181)。
なお、特別図柄の変動の停止、停止時の確定図柄および大当り遊技状態の終了は、図20に示された遊技制御処理における特別図柄プロセス処理(ステップS25)から通知される。
【0174】
そして、CPU56は、始動入賞があると(ステップS182)、始動口情報信号をオン(ローレベル)状態にするとともに(ステップS183)、Teタイマを起動する(ステップS184)。
【0175】
以上のような処理によって、図柄確定回数信号、大当り情報1,2信号、確率変動情報信号、始動口情報信号および賞球個数信号が、図14のタイミング図に示されたように出力される。そして、この実施の形態では、賞球個数信号は、10個の賞球払出がなされる毎に、遊技制御手段を搭載した主基板31から直接出力されている。
【0176】
すなわち、賞球払出が行われるときに、Taタイマで作成される時間だけ賞球個数信号がオンする。CPU56からの賞球個数信号は、図13に示された情報出力回路64において、増幅回路64hで反転された後、フォトカプラ642に入力する。フォトカプラ642における発光ダイオードは、CPU56から「1」が出力されたときに導通して発光する。すると、フォトカプラ642におけるフォトトランジスタが導通する。フォトカプラ642内部でフォトトランジスタには抵抗が接続されている。従って、ダイオードブリッジ643におけるフォトカプラ642に接続された入力端子間に電位差が現れる。すると、ダイオードブリッジ643における各ダイオードが導通状態になって、ダイオードブリッジ643における出力端子間の電位が等しくなる。すなわち、出力端子間が接続された状態(短絡状態)になる。
【0177】
CPU56から「0」が出力されているときには、ダイオードブリッジ643における出力端子間が開放状態になる。ホールコンピュータ等の外部機器では、2つの端子間が接続状態にあるときには、賞球個数信号がオンしていると判定する。よって、図14(C)に示されたように賞球個数信号が外部に出力されることになる。
【0178】
なお、この実施の形態では、図13に示されたように、主基板31の情報出力回路64において、賞球個数信号は、増幅回路、フォトカプラおよびダイオードブリッジによる接点の接続による形態で出力された。しかし、賞球個数信号も、情報端子盤34への各信号と同様に、電圧レベルの形態で出力されるように構成してもよい。
【0179】
図32(A)は、上述したコマンド送信テーブルの一構成例を示す説明図である。1つのコマンド送信テーブルは3バイトで構成され、1バイト目にはINTデータが設定される。また、2バイト目のコマンドデータ1には、払出制御コマンドの1バイト目のMODEデータが設定される。そして、3バイト目のコマンドデータ2には、払出制御コマンドの2バイト目のEXTデータが設定される。
【0180】
なお、EXTデータそのものがコマンドデータ2の領域に設定されてもよいが、コマンドデータ2には、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのデータが設定されるようにしてもよい。この実施の形態では、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)が0あれば、コマンドデータ2にEXTデータそのものが設定されていることを示す。なお、そのようなEXTデータはビット7が0であるデータである。また、ワークエリア参照ビットが1あれば、他の7ビットが、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのオフセットであることを示す。
【0181】
この実施の形態では複数のコマンド送信テーブルが用意され、使用すべきコマンド送信テーブルはポインタで指定される。また、複数のコマンド送信テーブルはリングバッファとして使用される。従って、CPU56は、入賞球信号処理において、書込ポインタが指しているコマンド送信テーブルに、INTデータ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2を設定する。そして、書込ポインタの値を更新する。1つのコマンド送信テーブルは3バイト構成であるから、具体的には、書込ポインタ値は+3される。
【0182】
なお、図26に示す処理では、1回の処理について1つの払出制御コマンドに関するコマンド送信テーブル設定処理しか行われないが、複数のコマンド送信テーブルが設けられているので、複数のコマンド送信テーブル設定処理を行うように構成してもよい。例えば、複数の入賞が15個カウンタ、10個カウンタおよび6個カウンタに記憶されている場合に、1回の入賞球信号処理で、複数のコマンド送信テーブル設定処理を行ってもよい。
【0183】
また、ここでは、払出制御コマンドについて説明するが、表示制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドを送出するときにも、図32(A)に示すようなコマンド送信テーブルに、INTデータ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2が設定される。その際にも、書込ポインタが指しているコマンド送信テーブルに、INTデータ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2が設定される。
【0184】
図32(B)INTデータの一構成例を示す説明図である。INTデータにおけるビット0は、払出制御基板37に払出制御コマンドを送出すべきか否かを示す。ビット0が「1」であるならば、払出制御コマンドを送出すべきことを示す。従って、CPU56は、入賞球信号処理において、INTデータに「01(H)」を設定する。
【0185】
なお、INTデータのビット1,2,3は、それぞれ、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンドを送出すべきか否かを示すビットであり、CPU56は、それらのコマンドを送出すべきタイミングになったら、特別図柄プロセス処理等で、ポインタが指しているコマンド送信テーブルに、INTデータ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2を設定する。それらのコマンドを送出するときには、INTデータの該当ビットが「1」に設定され、コマンドデータ1およびコマンドデータ2にMODEデータおよびEXTデータが設定される。
【0186】
図33は、図20に示された遊技制御処理におけるコマンド制御処理(ステップS27)の処理例を示すフローチャートである。コマンド制御処理は、コマンド出力処理とINT信号出力処理とを含む処理である。コマンド制御処理において、CPU56は、まず、コマンド送信テーブルのアドレス(読出ポインタの内容)をスタック等に退避する(ステップS401)。そして、読出ポインタが指していたコマンド送信テーブルのINTデータを引数1にロードする(ステップS402)。引数1は、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。また、コマンド送信テーブルを指すアドレスを+1する(ステップS403)。従って、コマンド送信テーブルを指すアドレスは、コマンドデータ1のアドレスに一致する。
【0187】
そこで、CPU56は、コマンドデータ1を読み出して引数2に設定する(ステップS404)。引数2も、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。そして、コマンド送信処理ルーチンをコールする(ステップS405)。
【0188】
図34は、コマンド送信ルーチンを示すフローチャートである。コマンド送信ルーチンにおいて、CPU56は、まず、引数1に設定されているデータすなわちINTデータを、比較値として決められているワークエリアに設定する(ステップS421)。次いで、送信回数=4を、処理数として決められているワークエリアに設定する(ステップS422)。そして、払出制御信号を出力するためのポート1(出力ポート571)のアドレスをIOアドレスにセットする(ステップS423)。
【0189】
次に、CPU56は、比較値を1ビット右にシフトする(ステップS424)。シフト処理の結果、キャリービットが1になったか否か確認する(ステップS425)。キャリービットが1になったということは、INTデータにおける最も右側のビットが「1」であったことを意味する。この実施の形態では4回のシフト処理が行われるのであるが、例えば、払出制御コマンドを送出すべきことが指定されているときには、最初のシフト処理でキャリービットが1になる。
【0190】
キャリービットが1になった場合には、引数2に設定されているデータ、この場合にはコマンドデータ1(すなわちMODEデータ)を、IOアドレスとして設定されているアドレスに出力する(ステップS426)。最初のシフト処理が行われたときにはIOアドレスにポート1(出力ポート571)のアドレスが設定されているので、結局、払出制御コマンドのMODEデータがポート1に出力される。
【0191】
次いで、CPU56は、IOアドレスを1加算するとともに(ステップS427)、処理数を1減算する(ステップS428)。加算前にポート1を示していた場合には、IOアドレスに対する加算処理によって、IOアドレスにはポート2(出力ポート572)のアドレスが設定される。ポート2(出力ポート572)は、表示制御コマンドを出力するためのポートである。そして、CPU56は、処理数の値を確認し(ステップS429)、値が0になっていなければ、ステップS424に戻る。ステップS424で再度シフト処理が行われる。
【0192】
2回目のシフト処理ではINTデータにおけるビット1の値が押し出され、ビット1の値に応じてキャリーフラグが「1」または「0」になる。従って、表示制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否かのチェックが行われる。同様に、3回目および4回目のシフト処理によって、ランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否かのチェックが行われる。このように、それぞれのシフト処理が行われるときに、IOアドレスには、シフト処理によってチェックされるコマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンド)に対応したIOアドレスが設定されている。よって、キャリーフラグが「1」になったときには、対応する出力ポート(ポート1〜ポート4)に制御コマンドが送出される。すなわち、1つの共通モジュールで、各電気部品制御手段に対する制御コマンドの送出処理を行うことができる。
【0193】
また、このように、シフト処理のみによってどの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきかが判定されるので、いずれの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきか判定する処理が簡略化されている。
【0194】
次に、CPU56は、シフト処理開始前のINTデータが格納されている引数1の内容を読み出し(ステップS430)、読み出したデータをポート0(出力ポート570)に出力する(ステップS431)。INTデータでは、ステップS421〜S429の処理で出力された制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンド)に応じたINT信号の出力ビットに対応したビットが「1」になっている。従って、ポート1〜ポート4のいずれかに出力された制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンド)に対応したINT信号がオン状態になる。
【0195】
次いで、CPU56は、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS432)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS433,S434)。この処理は、図20に示されたBの期間を設定するための処理である。ウェイトカウンタの値が0になると、クリアデータ(00)を設定して(ステップS435)、そのデータをポート0に出力する(ステップS436)。よって、INT信号はオフ状態になる。そして、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS432)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS438,S439)。この処理は、図22に示されたCの期間を設定するための処理である。
【0196】
従って、ステップS437でウェイトカウンタに設定される値は、Cの期間が、制御コマンド受信対象となる全ての電気部品制御手段が確実にコマンド受信処理を行うのに十分な期間になるような値である。また、ウェイトカウンタに設定される値は、Cの期間が、ステップS421〜S429の処理に要する時間よりも長くなるような値である。
【0197】
以上のようにして、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが送出される。そこで、CPU56は、図33に示すステップS406で、コマンド送信テーブルを指す値を1加算する。従って、3バイト目のコマンドデータ2の領域が指定される。CPU56は、指し示されたコマンドデータ2の内容を引数2にロードする(ステップS407)。また、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)の値が「0」であるか否か確認する(ステップS409)。0でなければ、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし(ステップS409)、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する(ステップS410)。そして、そのアドレスが指すエリアのデータを引数2にロードする(ステップS411)。
【0198】
コマンド拡張データアドレステーブルには、電気部品制御手段に送出されうるEXTデータが順次設定されている。よって、以上の処理によって、ワークエリア参照ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータが引数2にロードされ、ワークエリア参照ビットの値が「0」であれば、コマンドデータ2の内容がそのまま引数2にロードされる。なお、コマンド拡張データアドレステーブルからEXTデータが読み出される場合でも、そのデータのビット7は「0」である。
【0199】
次に、CPU56は、コマンド送信ルーチンをコールする(ステップS412)。従って、MODEデータの送出の場合と同様のタイミングでEXTデータが送出される。その後、CPU56は、コマンド送信テーブルのアドレスを復帰し(ステップS413)、コマンド送信テーブルを指す読出ポインタの値を更新する(ステップS414)。1つのコマンド送信テーブルは3バイト構成であるから、具体的には、読出ポインタの値は+3される。
【0200】
以上のようにして、2バイト構成の払出制御コマンドが払出制御基板37に送出される。なお、図33に示されたコマンド制御処理は、他の制御コマンド(表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンド)を送出する際にも用いられる。各電気部品制御手段ではINT信号の立ち下がりを検出すると制御コマンドの取り込み処理を開始するのであるが、いずれの電気部品制御手段についても、取り込み処理が完了する前に遊技制御手段からの新たな信号が信号線に出力されることはない。すなわち、各電気部品制御手段において、確実なコマンド受信処理が行われる。なお、各電気部品制御手段は、INT信号の立ち上がりで制御コマンドの取り込み処理を開始してもよい。また、INT信号の極性を図22に示された場合と逆にしてもよい。
【0201】
また、この実施の形態では、複数のコマンド送信テーブルがリングバッファとして用いられ、図33に示すコマンド制御処理では、読出ポインタが指しているコマンド送信テーブルを対象としてコマンド出力制御が行われ、コマンド送信テーブルにデータを設定する処理、例えば、図25に示す入賞球信号処理では、書込ポインタが指すコマンド送信テーブルを対象としてコマンド設定処理が行われる。従って、同時に複数のコマンド送出要求が発生しても、それらの要求にもとづくコマンド出力処理は問題なく実行される。
【0202】
次に、払出制御手段の動作について説明する。図35は、払出制御用CPU371周りの一構成例を示すブロック図である。図35に示すように、第1の電源監視回路(第1の電源監視手段)からの電圧低下信号が、バッファ回路960を介して払出制御用CPU371のマスク不能割込端子(XNMI端子)に接続されている。第1の電源監視回路は、遊技機が使用する各種直流電源のうちのいずれかの電源の電圧を監視して電源電圧低下を検出する回路である。この実施の形態では、VSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値以下になるとローレベルの電圧低下信号を発生する。VSLは、遊技機で使用される直流電圧のうちで最大のものであり、この例では+30Vである。従って、払出制御用CPU371は、割込処理によって電源断の発生を確認することができる。
【0203】
この実施の形態で用いられる払出制御用CPU371も、主基板31のCPU56と同様に、PIOおよびCTCを内蔵している。ただし、この実施の形態では内蔵PIOを使用しない。その場合には、例えば、全ポートを入力モードとして、全ポートをグラウンドレベルに接続する。
【0204】
また、主基板31のCPU56と同様に、払出制御用CPU371も、割込モード0〜2のいずれかに設定可能であり、CTCは、以下に説明するようなタイマモードまたはカウンタモードで動作可能である。また、CTCは4つのチャネルを有している。具体的には、4個のタイマカウンタレジスタCLK/TRG0〜3(チャネル0〜3のカウンタ)を有する。動作モードは、チャネル毎に設定可能である。
【0205】
各タイマカウンタレジスタCLK/TRG0〜3の値は、対応するCLK/TRG端子に入力されるクロック信号に応じてカウントダウンされ、カウント値が0になると割込を発生することができる。従って、CTCのチャネル0〜3は、それぞれ割込発生部となることができる。チャネル0の優先順位が最も高く、以下、順次優先順位が下がる。すなわち、複数のタイマカウンタレジスタCLK/TRGのカウント値が同時に0になった場合には、番号が小さいチャネルが優先され、それらのチャネルが割込を発生するように設定されていれば、番号が小さいチャネルからの割込が先に受け付けられる。
【0206】
この実施の形態では、内蔵CTCのチャネル3がタイマモードで使用され、チャネル2がカウンタモードで使用される。また、チャネル3はタイマ割込の発生源として使用され、チャネル2は払出制御コマンド受信用として使用される。
【0207】
カウンタモード:払出制御用CPU371のCLK/TRG端子にクロック信号の立上がりまたは立下がりが入力されるとカウント値を−1する。そのチャネルに対して割込発生許可が設定されている場合には、カウント値が0になると割込を発生するとともに、初期値をカウンタに再ロードする。また、割込ベクタの設定がなされていれば、カウント値が0になったときに、内部データバス上に割込ベクタを送出する。
【0208】
タイマモード:システムクロック(内部クロック)を1/16分周または1/256分周したクロック信号にもとづいてカウント値を−1する。そのチャネルに対して割込発生許可が設定されている場合には、カウント値が0になると割込を発生するとともに、初期値をカウンタに再ロードする。また、割込ベクタの設定がなされていれば、カウント値が0になったときに、内部データバス上に割込ベクタを送出する。
【0209】
払出制御用CPU371のCLK/TRG2端子には、主基板31からのINT信号(払出制御信号INT)が接続されている。CLK/TRG2端子にクロック信号が入力されると、払出制御用CPU371に内蔵されているタイマカウンタレジスタCLK/TRG2(CTCのチャネル2のカウンタ)の値がダウンカウントされる。そして、レジスタ値が0になると割込が発生する。従って、図32に示すように、タイマカウンタレジスタCLK/TRG2の初期値を「1」に設定しておけば、INT信号の入力に応じてレジスタ値が0になって割込が発生することになる。
【0210】
払出制御基板37には、システムリセット回路975も搭載されているが、この実施の形態では、システムリセット回路975は、第2の電源監視回路(第2の電源監視手段)も兼ねている。すなわち、リセットIC976は、電源投入時に、外付けのコンデンサに容量で決まる所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイレベルにする。また、リセットIC976は、電源基板910に搭載されている第1の電源監視回路が監視する電源電圧と等しい電源電圧であるVSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値(例えば+9V)以下になるとローレベルの電圧低下信号を発生する。従って、電源断時には、リセットIC976からの電圧低下信号がローレベルになることによって払出制御用CPU371がシステムリセットされる。なお、図35に示すように、電圧低下信号はリセット信号と同じ出力信号である。
【0211】
リセットIC976が電源断を検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、払出制御用CPU371が暫くの間動作しうる程度の電圧である。また、リセットIC976が、払出制御用CPU371が必要とする電圧(この例では+5V)よりも高い電圧を監視するように構成されているので、払出制御用CPU371が必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。従って、より精密な監視を行うことができる。
【0212】
+5V電源から電力が供給されていない間、払出制御用CPU371の内蔵RAMの少なくとも一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源がバックアップ端子に接続されることによってバックアップされ、遊技機に対する電源が断しても内容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセット回路975からリセット信号が発せられるので、払出制御用CPU371は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要なデータがバックアップされているので、停電等からの復旧時には停電発生時の遊技状態に復帰することができる。
【0213】
以上のように、この実施の形態では、電源基板910に搭載されている第1の電源監視回路が、遊技機で使用される直流電圧のうちで最も高い電源VSLの電圧を監視して、その電源の電圧が所定値を下回ったら電圧低下信号(電源断検出信号)を発生する。電源断検出信号が出力されるタイミングでは、IC駆動電圧は、まだ各種回路素子を十分駆動できる電圧値になっている。従って、IC駆動電圧で動作する払出制御基板37の払出制御用CPU371が所定の電力供給停止時処理を行うための動作時間が確保されている。
【0214】
なお、ここでも、第1の電源監視回路は、遊技機で使用される直流電圧のうちで最も高い電源VSLの電圧を監視することになるが、電源断検出信号を発生するタイミングが、IC駆動電圧で動作する電気部品制御手段が所定の電力供給停止時処理を行うための動作時間が確保されるようなタイミングであれば、監視対象電圧は、最も高い電源VSLの電圧でなくてもよい。すなわち、少なくともIC駆動電圧よりも高い電圧を監視すれば、電気部品制御手段が所定の電力供給停止時処理を行うための動作時間が確保されるようなタイミングで電源断検出信号を発生することができる。
【0215】
その場合、上述したように、監視対象電圧は、賞球カウントスイッチ301A等の遊技機の各種スイッチに供給される電圧が+12Vであることから、電源断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる電圧であることが好ましい。すなわち、スイッチに供給される電圧(スイッチ電圧)である+12V電源電圧が落ち始める以前の段階で、電圧低下を検出できることが好ましい。よって、少なくともスイッチ電圧よりも高い電圧を監視することが好ましい。
【0216】
なお、図35に示された構成では、システムリセット回路975は、電源投入時に、コンデンサの容量で決まる期間のローレベルを出力し、その後ハイレベルを出力する。すなわち、リセット解除タイミングは1回だけである。しかし、図11に示された主基板31の場合と同様に、複数回のリセット解除タイミングが発生するような回路構成を用いてもよい。
【0217】
図36は、払出制御基板37に搭載されている情報出力回路377の一構成例を示すブロック図である。この例では、情報出力回路377は、I/Oポート372gを介して払出制御用CPU371から出力される球貸し個数信号を増幅する増幅回路377a、増幅回路377aの出力によって導通するフォトカプラ377b、およびフォトカプラ377bの出力に応じて出力端子間を遮断状態にしたり短絡状態にしたりするためのダイオードブリッジ377cを含む。ダイオードブリッジ377cの出力は、ターミナル基板160に接続される。なお、フォトカプラ377bは発光ダイオードとフォトトランジスタで構成され、このフォトカプラ377bでは、フォトトランジスタの一方の出力に抵抗が接続されている。
【0218】
図37は、払出制御基板37からターミナル基板160を介して外部出力される球貸し個数信号の出力タイミング例を示すタイミング図である。この例では、図37に示すように、100円分(例えば25個の遊技球)の球貸し動作が行われる度に、球貸し個数信号が0.1秒間ローレベルとされる。
【0219】
図38は、払出制御用CPU371のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行う(ステップS701)。
【0220】
図39は、ステップS701の初期設定処理を示すフローチャートである。初期設定処理において、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止に設定する(ステップS701a)。次に、払出制御用CPU371は、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS701b)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS701c)。また、払出制御用CPU371は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行い(ステップS701d)、CTCおよびPIOの初期化(ステップS701e)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS701f)。
【0221】
この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、ステップS701dの内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS701eの処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、そのチャネルによる割込が上述したタイマ割込として用いられる。なお、タイマ割込を例えば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0222】
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭番地に相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭番地が特定される。タイマ割込処理ではタイマ割込フラグがセットされ、メイン処理でタイマ割込フラグがセットされていることが検知されると、払出制御処理が実行される。すなわち、タイマ割込処理では、電気部品制御処理の一例である払出制御処理を実行するための設定がなされる。
【0223】
また、内蔵CTCのうちの他の一つのチャネル(この実施の形態ではチャネル2)が、遊技制御手段からの払出制御コマンド受信のための割込発生用のチャネルとして用いられ、そのチャネルがカウンタモードで使用される。従って、ステップS701dの内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS701eの処理において、使用するチャネルをカウンタモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。
【0224】
カウンタモードに設定されたチャネル(チャネル2)に設定される割込ベクタは、後述するコマンド受信割込処理の先頭番地に相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでコマンド受信割込処理の先頭番地が特定される。
【0225】
この実施の形態では、払出制御用CPU371でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップにもとづく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始番地を設定することができる。
【0226】
CTCのチャネル2(CH2)のカウントアップにもとづく割込は、上述したタイマカウンタレジスタCLK/TRG2の値が「0」になったときに発生する割込である。従って、例えばステップS701eにおいて、特定レジスタとしてのタイマカウンタレジスタCLK/TRG2に初期値「1」が設定される。また、CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、後述する2msタイマ割込として用いられる。具体的には、CH3のレジスタ値はシステムクロックの1/256周期で減算される。ステップS701eにおいて、CH3のレジスタには、初期値として2msに相当する値が設定される。なお、この実施の形態では、CH2に関する割込番地は0074Hであり、CH3に関する割込番地は0076Hである。
【0227】
上述したように、CTCのCH2のカウントアップにもとづく割込は、CH3のカウントアップにもとづく割込よりも優先順位が高い。従って、同時にカウントアップが生じた場合に、CH2のカウントアップにもとづく割込、すなわち、後述するコマンド受信割込処理の実行契機となる割込の方が優先される。
【0228】
そして、払出制御用CPU371は、払出制御用のバックアップRAM領域にバックアップデータが存在しているか否かの確認を行う(ステップS702)。すなわち、例えば、主基板31のCPU56の処理と同様に、電源断時にセットされるバックアップフラグがセット状態になっているか否かによって、バックアップデータが存在しているか否か確認する。バックアップフラグがセット状態になっている場合には、バックアップデータありと判断する。バックアップデータなしと判断された場合には、前回の電源オフ時に未払出の遊技球がなかったことになり、内部状態を電源断時の状態に戻す必要がない。従って、払出制御用CPU371は、停電復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する(ステップS702,S703)。
【0229】
バックアップRAM領域にバックアップデータが存在している場合には、払出制御用CPU371は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS704)。不測の電源断が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電源断時の状態に戻すことができないので、停電復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する(ステップS705,S703)。
【0230】
チェック結果が正常であれば、払出制御用CPU371は、内部状態を電源断時の状態に戻すための払出状態復旧処理を行う(ステップS706)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の指すアドレスに復帰する(ステップS707)。
【0231】
通常の初期化処理の実行(ステップS703)を終えると、払出制御用CPU371により実行されるメイン処理は、タイマ割込フラグの監視(ステップS708)の確認が行われるループ処理に移行する。
【0232】
なお、この実施の形態では、ステップS702でバックアップデータの有無が確認された後、バックアップデータが存在する場合にステップS704でバックアップ領域のチェックが行われたが、逆に、バックアップ領域のチェック結果が正常であったことが確認された後に、バックアップデータの有無の確認が行われるようにしてもよい。また、バックアップデータの有無の確認、またはバックアップ領域のチェックの何れか一方を確認することによって、停電復旧処理を実行するか否かを判断するように構成してもよい。
【0233】
また、例えば停電復旧処理を実行するか否か判断する場合のパリティチェック(ステップS704)の際などに、すなわち、遊技状態を復旧するか否か判断する際に、保存されていたRAMデータにおける払出遊技球数データ等によって、遊技機が払出待機状態(払出途中でない状態)であることが確認されたら、払出状態復旧処理を行わずに初期化処理を実行するようにしてもよい。
【0234】
通常の初期化処理では、図40に示すように、レジスタおよびRAMのクリア処理(ステップS901)が行われ、所定の初期値の設定が行われる(ステップS902)。そして、初期設定処理(ステップS701a)において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS903)。
【0235】
この実施の形態では、払出制御用CPU371のCTCのCH3が繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。また、繰り返し周期は2msに設定される。そして、図41に示すように、タイマ割込が発生すると、払出制御用CPU371は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS711)。なお、図41には割込を許可することも明示されているが(ステップS710)、2msタイマ割込処理では、最初に割込許可状態に設定される。すなわち、2msタイマ割込処理中には割込許可状態になっている。
【0236】
払出制御用CPU371は、ステップS708において、タイマ割込フラグがセットされたことを検出すると、タイマ割込フラグをリセットするとともに(ステップS709)、払出制御処理を実行する(ステップS710)。以上の制御によって、この実施の形態では、払出制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、払出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で払出制御処理を実行してもよい。
【0237】
払出制御用CPU371は、電源投入時に、バックアップRAM領域のデータを確認するだけで、通常の初期設定処理を行うのか払出中の状態を復元するのか決定できる。すなわち、簡単な判断によって、未払出の遊技球について払出処理再開を行うことができる。さらに、この実施の形態では、主基板31における遊技制御と同様に、パリティチェックコードによって記憶内容保存の確実化が図られている。
【0238】
図42は、払出制御用CPU371が内蔵するRAMの使用例を示す説明図である。この例では、バックアップRAM領域に、総合個数記憶(例えば2バイト)と貸し球個数記憶とがそれぞれ形成されている。総合個数記憶は、主基板31の側から指示された賞球払出個数の総数を記憶するものである。貸し球個数記憶は、未払出の球貸し個数を記憶するものである。
【0239】
図43は、主基板31から受信した払出制御コマンドを格納するための受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の払出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式の受信バッファが用いられる。従って、受信バッファは、確定コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。
【0240】
図44は、割込処理による払出制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板31からの払出制御用のINT信号は払出制御用CPU371のCLK/TRG2端子に入力されている。よって、主基板31からのINT信号がオン状態になると、初期値として「1」が設定されていたタイマカウンタレジスタCLK/TRG2の値が0になって払出制御用CPU371において割込がかかる。そして、図44に示す払出制御コマンドの受信処理が開始される。なお、払出制御コマンド受信処理の開始番地は、内蔵CTCから出力される割込ベクタとIレジスタに設定された値とで決定される番地である。また、タイマカウンタレジスタCLK/TRG2の値が0になると、その値は自動的に初期値(この例では「1」)に戻される。
【0241】
払出制御コマンドの受信処理において、払出制御用CPU371は、まず、各レジスタをスタックに退避する(ステップS850)。なお、割込が発生するとCPU371は自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、ステップS850の処理の実行前に割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。次いで、払出制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポート372aからデータを読み込む(ステップS851)。そして、2バイト構成の払出制御コマンドのうちの1バイト目であるか否か確認する(ステップS852)。1バイト目であるか否かは、受信したコマンドの先頭ビットが「1」であるか否かによって確認される。先頭ビットが「1」であるのは、2バイト構成である払出制御コマンドのうちのMODEバイト(1バイト目)のはずである(図21参照)。そこで、払出制御用CPU371は、先頭ビットが「1」であれば、有効な1バイト目を受信したとして、受信したコマンドを受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタが示す確定コマンドバッファに格納する(ステップS853)。
【0242】
払出制御コマンドのうちの1バイト目でなければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ステップS854)。既に受信したか否かは、受信バッファ(確定コマンドバッファ)に有効なデータが設定されているか否かによって確認される。
【0243】
1バイト目を既に受信している場合には、受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンドを、受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタ+1が示す確定コマンドバッファに格納する(ステップS855)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイト構成である払出制御コマンドのうちのEXTバイト(2バイト目)のはずである(図21参照)。なお、ステップS854における確認結果が1バイト目を既に受信したである場合には、2バイト目として受信したデータのうちの先頭ビットが「0」でなければ処理を終了する。
【0244】
ステップS855において、2バイト目のコマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウンタに2を加算する(ステップS856)。そして、コマンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステップS857)、12以上であればコマンド受信個数カウンタをクリアする(ステップS858)。その後、退避されていたレジスタを復帰し(ステップS859)、割込許可に設定する(ステップS859)。
【0245】
コマンド受信割込処理中は割込禁止状態になっている。上述したように、2msタイマ割込処理中は割込許可状態になっているので、2msタイマ割込中にコマンド受信割込が発生した場合には、コマンド受信割込処理が優先して実行される。また、コマンド受信割込処理中に2msタイマ割込が発生しても、その割込処理は待たされる。このように、この実施の形態では、主基板31からのコマンド受信処理の処理優先度が高くなっている。また、コマンド受信処理中には他の割込処理が実行されないので、コマンド受信処理に要する最長時間は決まる。コマンド受信処理中に他の割込処理が実行可能であるように構成したのでは、コマンド受信処理に要する最長の時間を見積もることは困難である。コマンド受信処理に要する最長時間が決まるので、遊技制御手段のコマンド送出処理におけるCの期間(図22参照)をどの程度にすればよいのかを正確に判断することができる。
【0246】
また、払出制御コマンドは2バイト構成であって、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)とは、受信側で直ちに区別可能に構成されている。すなわち、先頭ビットによって、MODEとしてのデータを受信したのかEXTとしてのデータを受信したのかを、受信側において直ちに検出できる。よって、上述したように、適正なデータを受信したのか否かを容易に判定することができる。
【0247】
図45は、ステップS710の払出制御処理を示すフローチャートである。払出制御処理において、払出制御用CPU371は、まず、中継基板72を介して入力ポート372bに入力される賞球カウントスイッチ301A、球貸しカウントスイッチ301Bがオンしたか否かを判定する(スイッチ処理:ステップS751)。
【0248】
次に、払出制御用CPU371は、センサ(例えば、球貸しモータ289Bの回転数を検出するモータ位置センサ)からの信号入力状態を確認してセンサの状態を判定する等の処理を行う(入力判定処理:ステップS752)。払出制御用CPU371は、さらに、受信した払出制御コマンドを解析し、解析結果に応じた処理を実行する(コマンド解析実行処理:ステップS753)。
【0249】
次いで、払出制御用CPU371は、主基板31から払出停止指示コマンドを受信していたら払出停止状態に設定し、払出開始指示コマンドを受信していたら払出停止状態の解除を行う(ステップS754)。また、プリペイドカードユニット制御処理を行う(ステップS755)。
【0250】
次いで、払出制御用CPU371は、球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行う(ステップS756)。また、出力ポート372cおよび中継基板72を介して貸し球払出装置97Cの払出機構部分における球貸しモータ289Bに対して駆動信号を出力し、所定の回転数分球貸しモータ289Bを回転させる球貸しモータ制御処理を行う(ステップS757)。
【0251】
さらに、払出制御用CPU371は、総合個数記憶に格納された個数の賞球を払い出す賞球制御処理を行う(ステップS758)。そして、出力ポート372cおよび中継基板72を介して賞球払出装置97Aの払出機構部分における賞球モータ289Aに対して駆動信号を出力し、ステップS758の賞球制御処理で設定された回転数分賞球モータ289Aを回転させる賞球モータ制御処理を行う(ステップS759)。
【0252】
なお、この実施の形態では、賞球モータ289Aおよび球貸しモータ289Bとしてステッピングモータが用いられ、それらを制御するために1−2相励磁方式が用いられる。従って、具体的には、球貸しモータ制御処理および賞球モータ制御処理において、8種類の励磁パターンデータが繰り返し賞球モータ289Aおよび球貸しモータ289Bに出力される。また、この実施の形態では、各励磁パターンデータが4msずつ出力される。
【0253】
次いで、エラー検出処理が行われ、その結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行う(エラー処理:ステップS760)。検出されるエラーとして、例えば、次の10種類がある。
【0254】
賞球経路エラー:賞球払出動作終了したとき、または賞球モータ289Aが1回転したときに賞球カウントスイッチ301Aが1個も遊技球の通過を検出しなかったとき。エラー表示LED374に「0」が表示される。
【0255】
球貸し経路エラー:球貸しの払出動作終了したとき、または球貸しモータ289Bが1回転したときに球貸しカウントスイッチ301Bが1個も遊技球の通過を検出しなかったとき。エラー表示LED374に「1」が表示される。
【0256】
賞球カウントスイッチ球詰まりエラー:賞球カウントスイッチ301Aが0.5秒以上オンを検出したとき。エラー表示LED374に「2」が表示される。
【0257】
球貸しカウントスイッチ球詰まりエラー:球貸しカウントスイッチ301Bが0.5秒以上オンを検出したとき。エラー表示LED374に「3」が表示される。
【0258】
賞球モータ球噛みエラー:賞球モータ289Aが正常に回転しないとき。具体的には、賞球モータ位置センサのオンが所定期間以上継続したり、オフが所定期間以上継続した場合。エラー表示LED374に「4」が表示される。なお、賞球モータ球噛みエラーが生じた場合には、払出制御用CPU371は、50msの基準励磁相の出力を行った後、1−2相励磁の励磁パターンデータのうちの4種類の励磁パターンデータを8ms毎に出力することによる賞球モータ289Aの逆回転と正回転を繰り返す。
【0259】
プリペイドカードユニット未接続エラー:VL信号のオフが検出されたとき。エラー表示LED374に「5」が表示される。
【0260】
プリペイドカードユニット通信エラー:規定のタイミング以外でプリペイドカードユニット50から信号出力されたことを検出したとき。エラー表示LED374に「6」が表示される。
【0261】
賞球停止状態:主基板31から払出停止を示す払出制御コマンドを受信したとき。エラー表示LED374に「7」が表示される。なお、主基板31から払出開始を示す払出制御コマンドを受信したときには、その時点から2002ms後に、払出停止状態から払出可能状態に復帰する。
【0262】
球貸し停止状態:球切れスイッチ187c,187dが球切れ検出したとき。エラー表示LED374に「8」が表示される。
【0263】
球貸しモータ球噛みエラー:球貸しモータ289Bが正常に回転しないとき。具体的には、球貸しモータ位置センサのオンが所定期間以上継続したり、オフが所定期間以上継続した場合。エラー表示LED374に「9」が表示される。なお、球貸しモータ球噛みエラーが生じた場合には、払出制御用CPU371は、50msの基準励磁相の出力を行った後、1−2相励磁の励磁パターンデータのうちの4種類の励磁パターンデータを8ms毎に出力することによる球貸しモータ289Bの逆回転と正回転を繰り返す。
【0264】
さらに、払出制御用CPU371は、外部接続端子(図示せず)から出力する情報信号を制御する処理を行う(出力処理:ステップS761)。なお、情報信号は、図37に示されたように、貸し球の払出一単位(例えば100円分:25個)ごとに所定時間オンとなり、続いて所定時間オフを出力する信号である。
【0265】
図46は、ステップS753のコマンド解析実行処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析実行処理において、払出制御用CPU371は、確定コマンドバッファ領域中に受信コマンドがあるか否かの確認を行う(ステップS753a)。受信コマンドがあれば、受信した払出制御コマンドが払出個数指示コマンドであるか否かの確認を行う(ステップS753b)。なお、確定コマンドバッファ領域中に複数の受信コマンドがある場合には、受信した払出制御コマンドが払出個数指示コマンドであるか否かの確認は、最も前に受信された受信コマンドについて行われる。
【0266】
受信した払出制御コマンドが払出個数指示コマンドであれば、払出個数指示コマンドで指示された個数を総合個数記憶に加算する(ステップS753c)。すなわち、払出制御用CPU371は、主基板31のCPU56から送られた払出個数指示コマンドに含まれる賞球数をバックアップRAM領域(総合個数記憶)に記憶する。
【0267】
なお、払出制御用CPU371は、必要ならば、コマンド受信個数カウンタの減算や確定コマンドバッファ領域における受信コマンドシフト処理を行う。
【0268】
図47は、ステップS754の払出停止状態設定処理の一例を示すフローチャートである。払出停止状態設定処理において、払出制御用CPU371は、確定コマンドバッファ領域中に受信コマンドがあるか否かの確認を行う(ステップS754a)。確定コマンドバッファ領域中に受信コマンドがあれば、受信した払出制御コマンドが払出停止指示コマンドであるか否かの確認を行う(ステップS754b)。払出停止指示コマンドであれば、払出制御用CPU371は、賞球払出停止状態に設定する(ステップS754c)。
【0269】
ステップS754bで受信コマンドが払出停止指示コマンドでないことを確認すると、受信した払出制御コマンドが払出開始指示コマンドであるか否かの確認を行う(ステップS754d)。払出開始指示コマンドであれば、賞球払出停止状態を解除する(ステップS754e)。
【0270】
図48は、ステップS751のスイッチ処理の一例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチ301Aがオン状態を示しているか否か確認する(ステップS751a)。オン状態を示していれば、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチオンカウンタを+1する(ステップS751b)。賞球カウントスイッチオンカウンタは、賞球カウントスイッチ301Aのオン状態を検出した回数を計数するためのカウンタである。
【0271】
そして、賞球カウントスイッチオンカウンタの値をチェックし、その値が250になっていれば(ステップS751c)、賞球球詰まりフラグをセットする(ステップS751d)。つまり、賞球カウントスイッチ301Aのオン状態が長期間継続した場合に賞球球詰まりフラグがセットされる。
【0272】
また、賞球カウントスイッチオンカウンタの値が2になったときには(ステップS751e)、確実に賞球カウントスイッチ301Aがオンした判断し、賞球カウントスイッチオンフラグをセットする(ステップS751f)。
【0273】
ステップS751aにおいて賞球カウントスイッチ301Aがオン状態でないことが確認されると、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチオンフラグをリセットするとともに(ステップS751h)、賞球カウントスイッチオンカウンタをクリアする(ステップS751i)。そして、球貸しカウントスイッチ301Bがオン状態を示しているか否か確認する(ステップS751j)。オン状態を示していれば、払出制御用CPU371は、球貸しカウントスイッチオンカウンタを+1する(ステップS751k)。球貸しカウントスイッチオンカウンタは、球貸しカウントスイッチ301Bのオン状態を検出した回数を計数するためのカウンタである。
【0274】
そして、球貸しカウントスイッチオンカウンタの値をチェックし、その値が250になっていれば(ステップS751l)、貸し球詰まりフラグをセットする(ステップS751m)。つまり、球貸しカウントスイッチ301Bのオン状態が長期間継続した場合に貸し球球詰まりフラグがセットされる。
【0275】
また、球貸しカウントスイッチオンカウンタの値が2になったときには(ステップS751n)、確実に球貸しカウントスイッチ301Bがオンした判断し、球貸しカウントスイッチオンフラグをセットする(ステップS751o)。
【0276】
ステップS751jにおいて球貸しカウントスイッチ301Bがオン状態でないことが確認されると、払出制御用CPU371は、球貸しカウントスイッチオンフラグをリセットするとともに(ステップS751p)球貸しカウントスイッチオンカウンタをクリアする(ステップS751q)。
【0277】
図49は、ステップS755のプリペイドカードユニット制御処理の一例を示すフローチャートである。プリペイドカードユニット制御処理において、払出制御用CPU371は、カードユニット制御用マイクロコンピュータより入力されるVL信号を検知したか否かを確認する(ステップS755a)。VL信号を検知していなければ、VL信号非検知カウンタを+1する(ステップS755b)。また、払出制御用CPU371は、VL信号非検知カウンタの値が125であるか否か確認する(ステップS755c)。VL信号非検知カウンタの値が125であれば、払出制御用CPU371は、発射制御基板91への発射制御信号出力を停止して、駆動モータ94を停止させる(ステップS755d)。また、VLオフ検出フラグをセットする(ステップS755e)。
【0278】
以上の処理によって、125回(2ms×125=250ms)継続してVL信号のオフが検出されたら、球発射禁止状態に設定される。
【0279】
ステップS755aにおいてVL信号を検知していれば、払出制御用CPU371は、VLオフ検出フラグをリセットするとともに(ステップS755f)、VL信号非検知カウンタをクリアする(ステップS755g)。そして、払出制御用CPU371は、発射制御信号出力を停止していれば(ステップS755h)、発射制御基板91への発射制御信号出力を開始して駆動モータ94を動作可能状態にする(ステップS755i)。
【0280】
図50は、ステップS756の球貸し制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、この実施の形態では、連続的な払出数の最大値を貸し球の一単位(例えば25個)とするが、連続的な払出数の最大値は他の数であってもよい。
【0281】
球貸し制御処理において、払出制御用CPU371は、球貸し停止中であるか否かを確認する(ステップS501)。停止中であれば、球切れスイッチ187c,187dの状態を確認する(ステップS502)。それらがともに球切れでない状態を示していれば、球切れフラグをリセットして(ステップS503)、ステップS515に移行する。
【0282】
球貸し停止中でなければ、払出制御用CPU371は、貸し球払出中であるか否かの確認を行い(ステップS511)、貸し球払出中であれば、ステップS505の処理に移行する。なお、貸し球払出中であるか否かは、後述する球貸し処理中フラグの状態によって判断される。貸し球払出中でなければ、払出制御用CPU371は、カードユニット50から球貸し要求があったか否かを確認する(ステップS512)。要求があれば、球貸し処理中フラグをオンするとともに(ステップS513)、25(球貸し一単位数:ここでは100円分)をバックアップRAM領域の貸し球個数記憶に設定する(ステップS514)。そして、払出制御用CPU371は、EXS信号をオンする(ステップS515)。また、球貸しモータ289Bをオンする(ステップS516)。
【0283】
なお、球貸しモータ289Bをオンするのは、厳密には、カードユニット50が受付を認識したことを示すためにBRQ信号をOFFとしてからである。なお、球貸し処理中フラグはバックアップRAM領域に設定される。
【0284】
ステップS505では、球切れスイッチ187c,187dの状態を確認し、少なくとも一方が球切れ状態を示していたら、球貸し停止中を示す球切れフラグをセットするとともに(ステップS506)、球貸しモータ289Bをオフする(ステップS507)。球切れスイッチ187c,187dがともに球有りの状態を示していたら、ステップS518以降の球貸し中の処理に移行する。
【0285】
ステップS518において、払出制御用CPU371は、貸し球通過待ち時間中であるか否かの確認を行う(ステップS518)。貸し球通過待ち時間中でなければ、球貸し用センサ(球貸しモータ位置センサ)のチェックを行い(ステップS519)、また、後述する球貸しカウントスイッチチェック処理を行う(ステップS520)。
【0286】
なお、ステップS519の球貸し用センサのチェック処理では、球貸しモータ位置センサのオンとオフとがタイマ監視されるが、所定時間以上のオン状態またはオフ状態が継続したら、払出制御用CPU371は、球貸しモータ球噛みエラーが生じたと判断する。
【0287】
次いで、払出制御用CPU371は、球貸しモータ289Bの駆動を終了すべきか(一単位の払出動作が終了したか)否かの確認を行う(ステップS521)。具体的には、所定個数の払出に対応した回転が完了したか否かを確認する。所定個数の払出に対応した回転は、球貸しモータ位置センサの出力によって監視される。所定個数の払出に対応した回転が完了した場合には、払出制御用CPU371は、球貸しモータ289Bの駆動を停止し(ステップS522)、貸し球通過待ち時間の設定を行う(ステップS523)。
【0288】
ステップS518で貸し球通過待ち時間中であれば、払出制御用CPU371は、後述する球貸しカウントスイッチチェック処理を行うとともに(ステップS524)、貸し球通過待ち時間が終了したか否かの確認を行う(ステップS525)。貸し球通過待ち時間は、最後の払出球が球貸しモータ289Bによって払い出されてから球貸しカウントスイッチ301Bを通過するまでの時間である。
【0289】
貸し球通過待ち時間の終了を確認すると、一単位の貸し球は全て払い出された状態であるので、カードユニット50に対して次の球貸し要求の受付が可能になったことを示すためにEXS信号をオフにする(ステップS526)。また、球貸し処理中フラグをオフする(ステップS527)。なお、貸し玉通過待ち時間が経過するまでに最後の払出球が球貸しカウントスイッチ301Bを通過しなかった場合には、球貸し経路エラーとされる。
【0290】
なお、球貸し要求の受付を示すEXS信号をオフにした後、所定期間内に再び球貸し要求信号であるBRQ信号がオンしたら、球貸しモータ289Bをオフせずに球貸し処理を続行するようにしてもよい。すなわち、所定単位(この例では100円単位)毎に球貸し処理を行うのではなく、球貸し処理を連続して実行するように構成することもできる。
【0291】
貸し球個数記憶の内容は、遊技機の電源が断しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源によって保存される。従って、所定期間中に電源が回復すると、払出制御用CPU371は、貸し球個数記憶の内容にもとづいて球貸し処理を継続することができる。
【0292】
図51は、ステップS520およびS524で実行される球貸しカウントスイッチチェック処理を示すフローチャートである。球貸しカウントスイッチチェック処理は、球貸しカウントスイッチ301Bの状態を監視して、貸し球個数記憶を減算する処理である。
【0293】
球貸しカウントスイッチチェック処理において、払出制御用CPU371は、まず、球貸しカウントスイッチON待ちフラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。球貸しカウントスイッチON待ちフラグがセットされていれば、球貸しカウントスイッチオンフラグがオン状態になるのを待つ(ステップS812)。なお、球貸しカウントスイッチオンフラグは、図48に示されたスイッチ処理におけるステップS751oでセットされる。球貸しカウントスイッチオンフラグがオン状態になる前にタイマT11がタイムアウトすると球貸し経路エラーフラグをセットする(ステップS817,S818)。球貸しカウントスイッチ301Bがオンすると、タイマT11を停止して(ステップS813)、球貸しカウントスイッチON待ちフラグをリセットする(ステップS814)。なお、タイマT11は、球貸しカウントスイッチ301Bが所定期間内にオンするか否かを確認するためのタイマである。
【0294】
球貸しカウントスイッチ301Bがオンした場合には、球貸しカウントスイッチ301Bがオフすることを確認するために、オフを待つ状態であることを示す球貸しカウントスイッチOFF待ちフラグをセットする(ステップS815)。
【0295】
従って、払出制御用CPU371は、球貸しカウントスイッチOFF待ちフラグがオンしていれば(ステップS821)、球貸しカウントスイッチオンフラグがオフするのを待つ(ステップS824)。球貸しカウントスイッチオンフラグがオフすると、球貸しカウントスイッチOFF待ちフラグをリセットする(ステップS825)。そして、1個の遊技球が払い出されたことが検出されたとして、一時計数カウンタを+1する(ステップS826)。また、球貸し個数信号を出力するための球貸し情報出力処理サブルーチンを起動する(ステップS827)。次いで、貸し球個数記憶を−1する(ステップS828)。
【0296】
ステップS821で、球貸しカウントスイッチOFF待ちフラグもオンしていないことを確認したら、タイマT11をスタートするとともに(ステップS822)、球貸しカウントスイッチON待ちフラグをセットする(ステップS823)。
【0297】
図52は、1個の遊技球の払出(貸出)が完了したときに起動される球貸し情報出力処理サブルーチン(ステップS827)の動作を示すフローチャートである。球貸し情報出力処理サブルーチンにおいて、払出制御用CPU371は、まず、Tfタイマが動作中か否か(球貸し個数信号がオン中か否か)確認する(ステップS781)。動作中であれば、タイムアウトしたか否か確認する(ステップS782)。タイムアウトしたら、球貸し個数信号をオフ状態(=0)にする(ステップS783)。
【0298】
Tfタイマが動作中でなければ、一時カウンタの値がN(この例では25)の倍数になっているか否か確認する(ステップS784)。一時カウンタの値は、1個の遊技球の払出が完了したときに+1される。また、Nは100円で貸し出される遊技球数である。一時カウンタの値がNの倍数になっている場合には、球貸し個数信号をオン状態(=1)にするとともに(ステップS785)、Tfタイマを起動する(ステップS786)。
【0299】
以上のような処理によって、100円分の球貸しが行われるときに、Tfタイマで作成される時間だけ球貸し個数信号がオンする。払出制御用CPU371からの球貸し個数信号は、図36に示された情報出力回路377において、増幅回路377aで反転された後、フォトカプラ377bに入力する。フォトカプラ377bにおける発光ダイオードは、払出制御用CPU371から「1」が出力されたときに導通して発光する。すると、フォトカプラ377bにおけるフォトトランジスタが導通する。フォトカプラ377b内部でフォトトランジスタには抵抗が接続されている。従って、ダイオードブリッジ377cにおけるフォトカプラ377bに接続された入力端子間に電位差が現れる。すると、ダイオードブリッジ377cにおける各ダイオードが導通状態になって、ダイオードブリッジ377cにおける出力端子間の電位が等しくなる。すなわち、出力端子間が接続された状態(短絡状態)になる。
【0300】
払出制御用CPU371から「0」が出力されているときには、ダイオードブリッジ377cにおける出力端子間が開放状態になる。ホールコンピュータ等の外部機器では、2つの端子間が接続状態にあるときには、球貸し個数信号がオンしていると判定する。よって、図37に示されたように球貸し個数信号が外部に出力されることになる。
【0301】
以上のように、この実施の形態では、払出制御基板37に搭載された払出制御手段が球貸し個数信号を外部管理装置に出力するとともに、主基板31に搭載された遊技制御手段が賞球個数信号を外部管理装置に出力することができる遊技機が実現される。
【0302】
図53および図54は、ステップS758の賞球制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、この例では、連続的な払出数の最大値を貸し球の一単位と同数(例えば25個)とするが、連続的な払出数の最大値は他の数であってもよい。
【0303】
賞球制御処理において、払出制御用CPU371は、既に賞球払出処理が開始されているか否か確認する(ステップS532)。賞球の払出中であれば図54に示す賞球中の処理に移行する。賞球の払出中であるか否かは、後述する賞球処理中フラグの状態によって判断される。
【0304】
賞球払出中でなければ、払出制御用CPU371は、総合個数記憶に格納されている賞球数(未払出の賞球数)が0でないか否か確認する(ステップS534)。総合個数記憶に格納されている賞球数が0でなければ、賞球制御用CPU371は、賞球処理中フラグをオンし(ステップS535)、総合個数記憶の値が25以上であるか否か確認する(ステップS536)。なお、賞球処理中フラグは、バックアップRAM領域に設定される。
【0305】
総合個数記憶に格納されている賞球数が25以上であると、払出制御用CPU371は、25個分の遊技球を払い出すまで賞球モータ289Aを回転させるように賞球モータ289Aに対して駆動信号を出力するために25個払出動作の設定を行う(ステップS537)。総合個数記憶に格納されている賞球数が25以上でなければ、払出制御用CPU371は、総合個数記憶に格納されている全ての遊技球を払い出すまで賞球モータ289Aを回転させるように駆動信号を出力するために、全個数払出動作の設定を行う(ステップS538)。次いで、賞球モータ289Aをオンする(ステップS538)。そして、図54に示す賞球制御処理における賞球払出中の処理に移行する。
【0306】
図54は、払出制御用CPU371による払出制御処理における賞球中の処理の一例を示すフローチャートである。賞球中の処理において、払出制御用CPU371は、賞球通過待ち時間中であるか否かの確認を行う(ステップS541)。賞球通過待ち時間中でなければ、賞球用センサ(賞球モータ位置センサ)のチェックを行い(ステップS542)、また、後述する賞球カウントスイッチチェック処理を行う(ステップS543)。
【0307】
なお、ステップS542の賞球用センサのチェック処理では、賞球モータ位置センサのオンとオフとがタイマ監視されるが、所定時間以上のオン状態またはオフ状態が継続したら、払出制御用CPU371は、賞球モータ球噛みエラーが生じたと判断する。
【0308】
そして、払出制御用CPU371は、賞球モータ289Aの駆動を終了すべきか(25個または25個未満の所定の個数の払出動作が終了したか)否かの確認を行う(ステップS544)。具体的には、所定個数の払出に対応した回転が完了したか否かを確認する。所定個数の払出に対応した回転は、賞球モータ位置センサの出力によって監視される。所定個数の払出に対応した回転が完了した場合には、払出制御用CPU371は、賞球モータ289Aの駆動を停止し(ステップS545)、賞球通過待ち時間の設定を行う(ステップS546)。賞球通過待ち時間は、最後の払出球が賞球モータ289Aによって払い出されてから賞球カウントスイッチ301Aを通過するまでの時間である。
【0309】
ステップS541において、賞球通過待ち時間中であれば、払出制御用CPU371は、後述する賞球カウントスイッチチェック処理を行い(ステップS547)、賞球通過待ち時間が終了したか否かの確認を行う(ステップS548)。賞球通過待ち時間が終了した時点は、ステップS537またはステップS538で設定された賞球が全て払い出された状態である。そこで、払出制御用CPU371は、賞球処理中フラグをオフする(ステップS549)。なお、賞球通過待ち時間が経過するまでに最後の払出球が賞球カウントスイッチ301Aを通過しなかった場合には、賞球経路エラーとされる。
【0310】
なお、この実施の形態では、貸し球払出装置と賞球払出装置とは独立して設けられているので、賞球払出処理と球貸し処理とを同時に実行可能であるが、球貸し処理を賞球処理よりも優先してもよい。すなわち、球貸し処理中では賞球処理の開始を待たせるようにしてもよい。また、賞球処理を球貸し処理よりも優先させてもよい。
【0311】
図55は、ステップS543およびS547で実行される賞球カウントスイッチチェック処理を示すフローチャートである。賞球カウントスイッチチェック処理は、賞球カウントスイッチ301Aの状態を監視して、総合個数記憶を減算する処理である。
【0312】
賞球カウントスイッチチェック処理において、払出制御用CPU371は、まず、賞球カウントスイッチON待ちフラグがセットされているか否か確認する(ステップS831)。賞球カウントスイッチON待ちフラグがセットされていれば、賞球カウントスイッチオンフラグがオン状態になるのを待つ(ステップS832)。なお、賞球カウントスイッチオンフラグは、図48に示されたスイッチ処理におけるステップS751fでセットされる。賞球カウントスイッチオンフラグがオン状態になる前にタイマT12がタイムアウトすると賞球経路エラーフラグをセットする(ステップS837,S838)。賞球カウントスイッチ301Aがオンすると、タイマT12を停止して(ステップS833)、賞球カウントスイッチON待ちフラグをリセットする(ステップS834)。タイマT12は、賞球カウントスイッチ301Aが所定期間内にオンするか否かを確認するためのタイマである。
【0313】
賞球カウントスイッチ301Aがオンした場合には、賞球カウントスイッチ301Aがオフすることを確認するために、オフを待つ状態であることを示す賞球カウントスイッチOFF待ちフラグをセットする(ステップS835)。
【0314】
従って、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチOFF待ちフラグがオンしていれば(ステップS841)、賞球カウントスイッチオンフラグがオフするのを待つ(ステップS844)。賞球カウントスイッチオンフラグがオフすると、賞球カウントスイッチOFF待ちフラグをリセットする(ステップS845)。そして、総合個数記憶を−1する(ステップS848)。
【0315】
ステップS841で、賞球カウントスイッチOFF待ちフラグもオンしていないことを確認したら、タイマT12をスタートするとともに(ステップS842)、賞球カウントスイッチON待ちフラグをセットする(ステップS843)。
【0316】
総合個数記憶および貸し球個数記憶の内容は、それぞれ、遊技機の電源が断しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源によって保存される。従って、所定期間中に電源が回復すると、払出制御用CPU371は、総合個数記憶および貸し球個数記憶の内容にもとづいて払出処理を継続することができる。
【0317】
なお、払出制御用CPU371は、主基板31から指示された賞球個数を賞球個数記憶で総数として管理したが、賞球数毎(例えば15個、10個、6個)に管理してもよい。例えば、賞球数毎に対応した個数カウンタを設け、払出個数指定コマンドを受信すると、そのコマンドで指定された個数に対応する個数カウンタを+1する。そして、個数カウンタに対応した賞球払出が行われると、その個数カウンタを−1する(この場合、払出制御処理にて減算処理を行うようにする)。その場合にも、各個数カウンタはバックアップRAM領域に形成される。よって、遊技機の電源が断しても、所定期間中に電源が回復すれば、払出制御用CPU371は、各個数カウンタの内容にもとづいて賞球払出処理を継続することができる。
【0318】
次に、エラー処理について説明する。図56は、エラーの種類とエラー表示用LED374(図10参照)の表示との関係を示す説明図である。また、図57および図58は、ステップS760のエラー処理の一例を示すフローチャートである。
【0319】
この例では、エラー処理において、払出制御用CPU371は、賞球経路エラーフラグがオンした場合に(ステップS601)、エラー表示用LED374に「0」を表示する(ステップS602)。また、賞球経路エラーフラグがオフした場合にエラー表示用LED374の表示「0」を消去する(ステップS603)。なお、賞球経路エラーフラグは、図55に示されたステップS838でセットされる。すなわち、賞球カウントスイッチ301Aがオンしなかったときにセットされる。
【0320】
球貸し経路エラーフラグがオンした場合には(ステップS604)、エラー表示用LED374に「1」を表示する(ステップS605)。また、球貸し経路エラーフラグがオフした場合にエラー表示用LED374の表示「1」を消去する(ステップS606)。なお、球貸し経路エラーフラグは、図51に示されたステップS818でセットされる。すなわち、球貸しカウントスイッチ301Bがオンしなかったときにセットされる。
【0321】
賞球詰まりフラグがオンした場合には(ステップS607)、エラー表示用LED374に「2」を表示する(ステップS608)。また、賞球詰まりフラグがオフした場合にエラー表示用LED374の表示「2」を消去する(ステップS609)。なお、賞球詰まりフラグは、図48に示されたステップS751dでセットされる。すなわち、賞球カウントスイッチ301Aがオフしなかったときにセットされる。
【0322】
貸し球詰まりフラグがオンした場合には(ステップS610)、エラー表示用LED374に「3」を表示する(ステップS611)。また、貸し球詰まりフラグがオフした場合にエラー表示用LED374の表示「3」を消去する(ステップS612)。なお、賞球詰まりフラグは、図48に示されたステップS751mでセットされる。すなわち、球貸しカウントスイッチ301Bがオフしなかったときにセットされる。
【0323】
賞球モータセンサ出力異常が検出された場合には(ステップS613)、エラー表示用LED374に「4」を表示する(ステップS614)。また、賞球モータセンサ出力異常が解除された場合にエラー表示用LED374の表示「4」を消去する(ステップS615)。なお、賞球モータセンサ出力異常は、図54に示されたステップS542で、賞球モータ位置センサのオンが所定期間以上継続したり、オフが所定期間以上継続した場合に検出される。
【0324】
VLオフ検出フラグがセットされた場合には(ステップS621)、エラー表示用LED374に「5」を表示する(ステップS622)。また、VLオフ検出フラグがッリセットされた場合にエラー表示用LED374の表示「5」を消去する(ステップS623)。なお、VLオフ検出フラグは、図49に示されたステップS755eでセットされる。
【0325】
なお、正規でないタイミングでカードユニット50との通信が実行されたときには(ステップS624)、プリペイドカードユニット通信エラーが発生したとして、エラー表示用LED374に「6」を表示する(ステップS625)。また、そのようなエラーが解消されたときに、エラー表示用LED374の表示「6」を消去する(ステップS626)。
【0326】
また、賞球停止状態になったときには(ステップS627)、エラー表示用LED374に「7」を表示する(ステップS628)。賞球停止状態が解除されたときには、エラー表示用LED374の表示「7」を消去する(ステップS629)。なお、賞球停止状態は、図47におけるステップS754eで賞球払出停止状態に設定された状態である。すなわち、遊技制御手段から払出停止を通知されたときである。ただし、遊技制御手段は、下皿満タンのときにも払出停止を通知するので、ステップS627において、球切れスイッチ187a,187bの状態も確認することが好ましい。
【0327】
球貸し停止状態になったときには(ステップS630)、エラー表示用LED374に「8」を表示する(ステップS631)。球貸し停止状態が解除されたときには、エラー表示用LED374の表示「8」を消去する(ステップS632)。なお、球貸し停止状態は、図50におけるステップS503で球切れフラグがセットされた後の状態である。
【0328】
そして、球貸しモータセンサ出力異常が検出された場合には(ステップS633)、エラー表示用LED374に「9」を表示する(ステップS634)。また、球貸しモータセンサ出力異常が解除された場合にエラー表示用LED374の表示「9」を消去する(ステップS635)。なお、球貸しモータセンサ出力異常は、図50に示されたステップS519で、球貸しモータ位置センサのオンが所定期間以上継続したり、オフが所定期間以上継続した場合に検出される。
【0329】
以上説明したように賞球に関連したエラーと球貸しに関連したエラーとを識別してエラー表示用LED374に表示するようにしたことで、貸し球払出装置の異常であるか賞球払出装置の異常であるか(例えば、「貸し球払出装置の球詰まり」や、「賞球払出装置の異常(例えば球切れ)による賞球払出停止」など)を報知することができる。従って、払出機構部に関する異常が発生した場合であっても、異常箇所や異常原因を迅速かつ的確に認識することができ、発生した異常に速やかに対処することができる。
【0330】
また、上述したように、賞球に関連したエラーと球貸しに関連したエラーとが、識別できるようにエラー表示用LED374に表示されるようにしたため、貸し球払出装置と賞球払出装置とが独立して設けられていても、それぞれに生じた異常を容易に認識することができる。
【0331】
図59は、電源基板910の電源監視回路からの電圧変化信号にもとづくNMIに応じて実行される停電発生NMI処理の一例を示すフローチャートである。なお、この実施の形態では、NMI割込番地は0066Hである。停電発生NMI処理において、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止フラグの内容をパリティフラグに格納する(ステップS801)。次いで、割込禁止に設定する(ステップS802)。停電発生NMI処理では、本例では主基板31において実行された処理と同様に、RAM内容の保存を確実にするためのチェックサムの生成処理を行う。その処理中に他の割込処理が行われたのではチェックサムの生成処理が完了しないうちに払出制御用CPU371が動作し得ない電圧にまで低下してしまうことがことも考えられるので、まず、他の割込が生じないような設定がなされる。なお、停電発生NMI処理におけるステップS804〜S810は、電力供給停止時処理の一例である。
【0332】
なお、割込処理中では他の割込がかからないような仕様のCPUを用いている場合には、ステップS802の処理は不要である。
【0333】
次いで、払出制御用CPU371は、バックアップフラグが既にセットされているか否か確認する(ステップS803)。バックアップフラグが既にセットされていれば、以後の処理を行わない。バックアップフラグがセットされていなければ、以下の電力供給停止時処理を実行する。すなわち、ステップS804からステップS810の処理を実行する。
【0334】
まず、各レジスタの内容をバックアップRAM領域に格納する(ステップS804)。その後、バックアップフラグをセットする(ステップS805)。そして、バックアップRAM領域のバックアップチェックデータ領域に適当な初期値を設定し(ステップS806)、初期値およびバックアップRAM領域のデータについて順次排他的論理和をとったあと反転し(ステップS807)、最終的な演算値をバックアップパリティデータ領域に設定する(ステップS808)。また、RAMアクセス禁止状態にする(ステップS809)。電源電圧が低下していくときには、各種信号線のレベルが不安定になってRAM内容が化ける可能性があるが、このようにRAMアクセス禁止状態にしておけば、バックアップRAM内のデータが化けることはない。
【0335】
さらに、払出制御用CPU371は、全ての出力ポート(この実施の形態では、出力ポート372c,372g,372e、およびI/Oポート372fの出力ポート部分)に対してクリア信号を出力する。従って、全ての出力ポートは、クリア信号によりオフ状態とされる(ステップS810)。
【0336】
次いで、払出制御用CPU371は、ループ処理にはいる。すなわち、何らの処理もしない状態になる。従って、図35に示されたリセットIC976からのシステムリセット信号によって外部から動作禁止状態にされる前に、内部的に動作停止状態になる。よって、電源断時に確実に払出制御用CPU371は動作停止する。その結果、上述したRAMアクセス禁止の制御および動作停止制御によって、電源電圧が低下していくことに伴って生ずる可能性がある異常動作に起因するRAMの内容破壊等を確実に防止することができる。
【0337】
なお、この実施の形態では、停電発生NMI処理では最終部でプログラムをループ状態にしたが、ホールト(HALT)命令を発行するように構成してもよい。
【0338】
また、レジスタの内容をRAM領域に格納した後にセットされるバックアップフラグは、上述したように、電源投入時において復旧すべきバックアップデータがあるか否か(停電からの復旧か否か)を判断する際に使用される。また、ステップS801からS810の処理は、払出制御用CPU371がシステムリセット回路975からのシステムリセット信号を受ける前に完了する。換言すれば、システムリセット回路975からのシステムリセット信号を受ける前に完了するように、電圧監視回路の検出電圧の設定が行われている。
【0339】
この実施の形態では、電力供給停止時処理開始時に、バックアップフラグの確認が行われる。そして、バックアップフラグが既にセットされている場合には電力供給停止時処理を実行しない。上述したように、バックアップフラグは、必要なデータのバックアップが完了し、その後電力供給停止時処理が完了したことを示すフラグである。従って、例えば、リセット待ちのループ状態で何らかの原因で再度NMIが発生したとしても、電力供給停止時処理が重複して実行されてしまうようなことはない。
【0340】
ただし、割込処理中では他の割込がかからないような仕様のCPUを用いている場合には、ステップS803の判断は不要である。
【0341】
また、この実施の形態では、払出制御用CPU371は、マスク不能外部割込端子(NMI端子)を介して電源基板からのNMI割込信号(電源監視手段からのNMI割込信号)を検知したが、NMI割込信号をマスク可能割込割込端子(INT端子)に導入してもよい。その場合には、INT処理によって図59に示された停電発生NMI処理が実行される。また、入力ポートを介してNMI割込信号を検知してもよい。その場合には、払出制御用CPU371が実行するメイン処理において、入力ポートの監視が行われる。
【0342】
図60は、バックアップパリティデータ作成方法の一例を説明するための説明図である。ただし、図60に示す例では、簡単のために、バックアップデータRAM領域のデータのサイズを3バイトとする。電源電圧低下にもとづく停電発生処理において、図60に示すように、バックアップチェックデータ領域に、初期データ(この例では00H)が設定される。次に、「00H」と「F0H」の排他的論理和がとられ、その結果と「16H」の排他的論理和がとられる。さらに、その結果と「DFH」の排他的論理和がとられる。そして、その結果(この例では「39H」)を反転して得られた値(この例では「C6H」)がバックアップパリティデータ領域に設定される。
【0343】
電源が再投入されたときには、停電復旧処理においてパリティ診断が行われる。バックアップ領域の全データがそのまま保存されていれば、電源再投入時に、図60に示すようなデータがバックアップ領域に設定されている。
【0344】
ステップS704の処理において、払出制御用CPU371は、図59のステップS806およびステップS807にて実行された処理と同様の処理を行う。すなわち、バックアップチェックデータ領域に、初期データ(この例では00H)が設定され、「00H」と「F0H」の排他的論理和がとられ、その結果と「16H」の排他的論理和がとられる。さらに、その結果と「DFH」の排他的論理和がとられる。そして、その結果(この例では「39H」)を反転した最終演算結果を得る。バックアップ領域の全データがそのまま保存されていれば、最終的な演算結果は、「C6H」、すなわちバックアップチェックデータ領域に設定されているデータと一致する。バックアップRAM領域内のデータにビット誤りが生じていた場合には、最終的な演算結果は「C6H」にならない。
【0345】
よって、払出制御用CPU371は、最終的な演算結果とバックアップチェックデータ領域に設定されているデータとを比較して、一致すればパリティ診断正常とする。一致しなければ、パリティ診断異常とする。
【0346】
以上のように、この実施の形態では、払出制御手段には、遊技機の電源が断しても、所定期間電源バックアップされる記憶手段(この例ではバックアップRAM)が設けられ、電源投入時に、払出制御用CPU371(具体的には払出制御用CPU371が実行するプログラム)は、記憶手段がバックアップ状態にあればバックアップデータにもとづいて払出状態を回復させる払出状態復旧処理(ステップS706)を行うように構成される。
【0347】
以下、払出状態復旧処理について説明する。
図61は、図36のステップS706に示された払出状態復旧処理の一例を示すフローチャートである。この例では、払出制御用CPU371は、バックアップRAMに保存されていた値をレジスタに復元する(ステップS861)。そして、バックアップRAMに保存されていたデータにもとづいて停電時の払出状態を復旧するための処理を行う。例えば、賞球中処理中フラグのセット等を行う。
【0348】
例えば、電源復旧時に、バックアップRAM領域に、未払出賞球数もしくは未払出貸し球数、またはそれらの両方が保存されていた場合には、それらの保存数にもとづいて払出処理を再開する。
【0349】
払出状態を復帰させると、この実施の形態では、払出制御用CPU371は、前回の電源断時の割込許可/禁止状態を復帰させるために、バックアップRAMに保存されていたパリティフラグの値を確認する(ステップS862)。パリティフラグがクリアであれば、割込許可設定を行う(ステップS863)。一方、パリティフラグがオンであれば、そのまま(ステップS701aで設定された割込禁止状態のまま)払出状態復旧処理を終える。
【0350】
なお、ここでは、払出状態復旧処理が終了すると払出制御メイン処理にリターンするように払出状態復旧処理プログラムが構成されているが、電力供給停止時処理において保存されているスタックポインタが指すスタックエリア(バックアップRAM領域にある)に記憶されているアドレス(電源断時のNMI割込発生時に実行されていたアドレス)に戻るようにしてもよい。
【0351】
球貸し個数信号および賞球個数信号はターミナル基板160を介してホールコンピュータ等の外部機器に送信されるのであるが、上記の実施の形態では、球貸し個数信号は払出制御基板37からターミナル基板160に伝達され、賞球個数信号は主基板31からターミナル基板160に伝達される。基板間の配線は一般にコネクタで基板に接続されるが、ターミナル基板160への配線の出先が異なるので、特に、ターミナル基板160において、球貸し個数信号と賞球個数信号との結線を入れ違えてしまう可能性もある。
【0352】
そのような結線ミスを防止するには、球貸し個数信号と賞球個数信号との出先の基板を1つにすればよい。以下の実施の形態では、球貸し個数信号および賞球個数信号を払出制御基板37からターミナル基板160に配線することができる。
【0353】
図62は、球貸し個数信号と賞球個数信号とを出力する払出制御基板37およびそれに関連する構成要素を示すブロック図である。図62に示すように、この実施の形態では、払出制御基板37の情報出力回路377Aからターミナル基板160に賞球個数信号が出力される。
【0354】
図63は、情報出力回路377Aの一構成例を示すブロック図である。図に示すように、情報出力回路377Aには、球貸し個数信号を出力するための増幅回路377a、フォトカプラ377bおよびダイオードブリッジ377cに加えて、賞球個数信号を出力するための増幅回路377d、フォトカプラ377eおよびダイオードブリッジ377fが設けられている。
【0355】
以上のように、上記の実施の形態では、貸し球払出装置と賞球払出装置とが独立して設けられている遊技機において、賞球残数(未払出賞球数)と貸し球残数(未払出貸し球数)とを記憶する領域が、それぞれコンデンサ等で電源バックアップされている。従って、不足の電源断等が生じても、所定期間は記憶内容が保存される。そして、電源復旧時に、バックアップRAM領域に、未払出賞球数もしくは未払出貸し球数、またはそれらの両方が保存されていた場合には、それらの保存数にもとづいて払出処理を再開する。従って、遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
【0356】
なお、上記の実施の形態では、電源監視回路は電源基板910に設けられたが、電源監視回路は主基板31や払出制御基板37などの電気部品制御基板に設けられていてもよい。なお、電源回路が搭載された電気部品制御基板が構成される場合には、電源基板には、電源監視回路は搭載されない。
【0357】
上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0358】
さらに、パチンコ遊技機に限られず、スロット機等においても、何らかの動作をする電気部品が備えられている場合などには本発明を適用することができる。
【0359】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、遊技機を、遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技に関わる払出条件の成立に応じて遊技媒体の払出しを行う賞遊技媒体払出機構部と、貸出要求に応じて遊技媒体の払出しを行う貸出遊技媒体払出機構部とを有し、賞遊技媒体の払出しまたは貸出遊技媒体の払出しに関わる異常が発生したときに、異常に関する報知を行うエラー報知手段を備え、エラー報知手段は、賞遊技媒体払出機構部の払出動作の異常と、貸出遊技媒体払出機構部の払出動作の異常とを(または、賞遊技媒体払出機構部から払い出された遊技媒体の検出に関わる異常と、貸出遊技媒体払出機構部から払い出された遊技媒体の検出に関わる異常とを)識別可能に報知する構成としたので、賞遊技媒体払出機構部の異常であるか貸出遊技媒体払出機構部の異常であるかを識別可能に報知することができる。従って、払出機構部に関する異常が発生した場合であっても、異常箇所や異常原因を迅速かつ的確に認識することができる。よって、たとえ貸出遊技媒体払出機構部と賞遊技媒体払出機構部とが独立して設けられていても、それぞれに生じた異常を容易に認識することができ、異常が発生したときの対応を速やかに行うことができる。
エラー報知手段が、賞遊技媒体払出機構部の駆動源の異常状態と貸出遊技媒体払出機構部の駆動源の異常状態とを識別可能に報知する構成とした場合には、貸出遊技媒体払出機構部の駆動源に異常が発生したのか、あるいは賞遊技媒体払出機構部の駆動源に異常が発生したのかを識別可能に報知することができる。従って、払出機構部に関する異常が発生した場合であっても、異常箇所や異常原因を迅速かつ的確に認識することができる。よって、貸出遊技媒体払出機構部と賞遊技媒体払出機構部とが独立して設けられていても、それぞれに生じた異常により停止状態とされていることを容易に認識することができ、異常が発生したときの対応を速やかに行うことができる。
【0360】
エラー報知手段が、賞遊技媒体払出停止状態と貸出遊技媒体払出停止状態とを識別可能に報知する構成とした場合には、賞遊技媒体払出停止状態であるのか、あるいは貸出遊技媒体払出停止状態であるのかを識別可能に報知することができる。従って、払出機構部に関する異常が発生した場合であっても、異常箇所や異常原因を迅速かつ的確に認識することができる。よって、貸出遊技媒体払出機構部と賞遊技媒体払出機構部とが独立して設けられていても、それぞれに生じた異常により停止状態とされていることを容易に認識することができ、異常が発生したときの対応を速やかに行うことができる。
【0361】
遊技の進行を制御する遊技制御手段を備え、エラー報知手段が、遊技制御手段からの制御コマンドにもとづいて賞遊技媒体払出停止状態か否かの判断を行うとした場合には、賞球払出手段の賞球可能か否かについての監視を行っている遊技制御手段からの制御コマンドにもとづいて、賞遊技媒体払出停止状態の報知を行うことができる。
【0363】
所定電位電源を監視し、所定条件が成立した場合に検出信号を出力する電源監視手段と、遊技機に設けられる電気部品を制御するための電気部品制御手段とを含み、電気部品制御手段は、電源監視手段からの検出信号により所定の電力供給停止時処理を実行し、電力供給停止時処理において所定の記憶領域に賞遊技媒体払出機構部および貸出遊技媒体払出機構部の異常状態に関する情報をバックアップすることを特徴とする場合には、賞球払出手段の異常状態、および球貸し払出し手段の異常状態をそれぞれ識別可能にバックアップすることができる。従って、電源復旧後に、賞遊技媒体払出機構部に異常が発生しているのか、あるいは球貸し払出し手段に異常が発生しているのかを識別可能に報知することができる。
【0364】
電気部品制御手段は、電力供給停止時処理においてバックアップ記憶が格納されている領域へのアクセスを禁止する処理を実行することを特徴とする場合には、電源電圧が低下していくことに伴って生ずる可能性がある異常動作に起因するバックアップ記憶が格納されている領域(例えば、RAM)の内容破壊等を確実に防止することができ、その後の電源投入時に復旧されるRAMの保存データを確実に保護することができる。
【0365】
賞遊技媒体払出機構部および貸出遊技媒体払出機構部に供給可能な遊技媒体の不足状態を検出するための供給遊技媒体状態検出手段を備え、供給遊技媒体状態検出手段から賞遊技媒体払出機構部までの間に待機可能な所定遊技媒体数(例えば、払出可能に確保される賞球数)と、供給遊技媒体状態検出手段から貸出遊技媒体払出機構部までの間に待機可能な所要遊技媒体数(例えば、払出可能に確保される貸し球数)とが異なる数であることを特徴とする場合には、例えば、賞球または球貸しそれぞれの一回(一単位)の払出しに要する最低限の遊技媒体数を、それぞれ確実に確保することができる。
【0366】
所定遊技媒体数よりも所要遊技媒体数の方が多い数であることを特徴とする場合には、例えば、最大賞球払出し数よりも、球貸し払出し数の方が多い場合に、それぞれの一回(一単位)の払出しに要する最低限の遊技媒体数を、それぞれ確実に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の裏面に設けられている各基板を示す説明図である。
【図3】パチンコ遊技機の機構板を背面からみた背面図である。
【図4】賞球払出装置およびその上部の球通過経路の構成を示す構成図である。
【図5】賞球払出装置の分解斜視図である。
【図6】貸し球払出装置およびその上部の球通過経路の構成を示す構成図である。
【図7】賞球払出装置および貸し球払出装置の他の構成例を示す構成図である。
【図8】賞球払出装置および貸し球払出装置のさらに他の構成例を示す構成図である。
【図9】遊技制御基板(主基板)の回路構成を示すブロック図である。
【図10】払出制御基板および球払出装置の構成要素などの賞球に関連する構成要素を示すブロック図である。
【図11】電源監視および電源バックアップのためのCPU周りの一構成例を示すブロック図である。
【図12】電源基板の一構成例を示すブロック図である。
【図13】主基板における情報出力回路の構成を示すブロック図である。
【図14】主基板から情報端子基板またはターミナル基板を介して外部出力される各信号の出力タイミング例を示すタイミング図である。
【図15】主基板におけるCPUが実行するメイン処理の例を示すフローチャートである。
【図16】遊技状態復旧処理を実行するか否かの決定方法の例を示す説明図である。
【図17】初期設定処理の例を示すフローチャートである。
【図18】初期化処理の例を示すフローチャートである。
【図19】2msタイマ割込処理の例を示すフローチャートである。
【図20】遊技制御処理の例を示すフローチャートである。
【図21】払出制御コマンドの一構成例を示す説明図である。
【図22】制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図23】払出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図24】スイッチ処理を示すフローチャートである。
【図25】入賞球信号処理を示すフローチャートである。
【図26】入賞球信号処理を示すフローチャートである。
【図27】入賞球信号処理を示すフローチャートである。
【図28】エラー表示処理を示すフローチャートである。
【図29】賞球個数信号出力処理を示すフローチャートである。
【図30】データ出力処理を示すフローチャートである。
【図31】データ出力処理を示すフローチャートである。
【図32】コマンド送信テーブルの構成を示す説明図である。
【図33】コマンド制御処理を示すフローチャートである。
【図34】コマンド送信処理を示すフローチャートである。
【図35】電源監視および電源バックアップのための払出制御用CPU周りの一構成例を示すブロック図である。
【図36】払出制御基板における情報出力回路の構成を示すブロック図である。
【図37】払出制御基板からターミナル基板を介して外部出力される球貸し個数信号の出力タイミング例を示すタイミング図である。
【図38】払出制御用CPUが実行するメイン処理の例を示すフローチャートである。
【図39】払出制御用CPUの初期設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図40】払出制御用CPUの初期化処理の一例を示すフローチャートである。
【図41】払出制御用CPUのタイマ割込処理の例を示すフローチャートである。
【図42】払出制御手段におけるRAMの一構成例を示す説明図である。
【図43】受信バッファの一構成例を示す説明図である。
【図44】払出制御用CPUのコマンド受信処理の例を示すフローチャートである。
【図45】払出制御用CPUが実行する払出制御処理の例を示すフローチャートである。
【図46】コマンド解析実行処理の例を示すフローチャートである。
【図47】払出停止状態設定処理の例を示すフローチャートである。
【図48】スイッチ処理の例を示すフローチャートである。
【図49】プリペイドカードユニット制御処理の例を示すフローチャートである。
【図50】球貸し制御処理の例を示すフローチャートである。
【図51】球貸しカウントスイッチチェック処理の例を示すフローチャートである。
【図52】球貸し情報出力処理を示すフローチャートである。
【図53】賞球制御処理の例を示すフローチャートである。
【図54】賞球制御処理の例を示すフローチャートである。
【図55】賞球カウントスイッチチェック処理の例を示すフローチャートである。
【図56】エラーの種類とエラー表示用LEDの表示との関係を示す説明図である。
【図57】エラー処理の一例を示すフローチャートである。
【図58】エラー処理の一例を示すフローチャートである。
【図59】払出制御用CPUが実行する停電発生NMI処理の例を示すフローチャートである。
【図60】バックアップパリティデータ作成方法の例を説明するための説明図である。
【図61】払出制御用CPUが実行する払出状態復旧処理の例を示すフローチャートである。
【図62】他の構成による払出制御基板およびそれに関連する構成要素を示すブロック図である。
【図63】情報出力回路の他の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
31 主基板
37 払出制御基板(エラー報知手段含む)
53 基本回路
56 CPU
97 球払出機構(賞球払出装置、球貸し払出装置含む)
371 払出制御用CPU
374 エラー表示用LED
902 電源監視用IC
910 電源基板
Claims (9)
- 遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、
遊技に関わる払出条件の成立に応じて賞球の払出しを行う賞球払出機構部と、
前記賞球払出機構部とは独立して設けられ、貸出要求に応じて貸球の払出しを行う貸球払出機構部と、
前記賞球払出機構部から払い出された遊技球を検出するための賞球検出手段と、
前記賞球払出機構部を制御する払出制御手段と、
前記賞球の払出しに関わる異常が発生したとき、および前記貸球の払出しに関わる異常が発生したときに、異常に関する報知を行うエラー報知手段と、
遊技の進行を制御し、入賞があると入賞に応じた賞球個数を指示するコマンドを前記払出制御手段に送信するとともに該賞球個数を払出指令個数の累積値に加算し、前記賞球検出手段の検出出力にもとづいて前記累積値を減算する遊技制御手段とを備え、
前記払出制御手段は、
前記遊技制御手段から賞球個数を指示するコマンドを受信すると、RAMの領域に記憶された未払出の賞球個数に、指示された賞球個数を加算し、
前記領域に記憶されている賞球個数が0でなければ、前記領域に記憶されている賞球個数が連続的な賞球払出数の最大値以上であるか否か確認し、前記領域に記憶されている賞球個数が前記最大値以上であると該最大値の遊技球を払い出すまで前記賞球払出機構部を駆動した後前記賞球払出機構部の駆動を停止し、前記最大値以上でなければ前記領域に格納されている全ての賞球個数の遊技球を払い出すまで前記賞球払出機構部を駆動した後前記賞球払出機構部の駆動を停止することによって、前記賞球払出機構部を駆動した後前記賞球払出機構部の駆動を停止するまでの間の賞球払出である連続的な賞球払出を行い、
前記エラー報知手段は、前記賞球払出機構部を駆動しているときに検出された前記賞球払出機構部の払出動作の異常を、前記貸球払出機構部の払出動作の異常と識別可能に報知し、
前記遊技制御手段は、
前記賞球払出検出手段の検出出力により遊技球が該賞球払出検出手段を通過したことを検出すると、前記連続的な賞球払出と次の前記連続的な賞球払出との間に設けられるインターバル時間よりも起動時からタイムアウトするまでの時間が長いタイマを起動し、該タイマがタイムアウトしたときに、前記連続的な賞球払出における最後の払出遊技球が払い出されたとして、前記累積値が0になっているか否かを判定し、
前記累積値が0になっていない場合にその値が正であれば、払出不足が生じているとして、払出不足を解消するための賞球個数である補正個数を指示するコマンドを前記払出制御手段に送信し、前記累積値が0になっていない場合にその値が負であればエラー表示を行う
ことを特徴とする遊技機。 - エラー報知手段は、賞球払出機構部の駆動源の異常状態と貸球払出機構部の駆動源の異常状態とを識別可能に報知する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。 - 遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、
遊技に関わる払出条件の成立に応じて賞球の払出しを行う賞球払出機構部と、
前記賞球払出機構部とは独立して設けられ、貸出要求に応じて貸球の払出しを行う貸球払出機構部と、
前記賞球払出機構部から払い出された遊技球を検出するための賞球検出手段と、
前記賞球払出機構部を制御する払出制御手段と、
前記賞球の払出しに関わる異常が発生したとき、および前記貸球の払出しに関わる異常が発生したときに、異常に関する報知を行うエラー報知手段と、
遊技の進行を制御し、入賞があると入賞に応じた賞球個数を指示するコマンドを前記払出制御手段に送信するとともに該賞球個数を払出指令個数の累積値に加算し、前記賞球検出手段の検出出力にもとづいて前記累積値を減算する遊技制御手段とを備え、
前記払出制御手段は、
前記遊技制御手段から賞球個数を指示するコマンドを受信すると、RAMの領域に記憶された未払出の賞球個数に、指示された賞球個数を加算し、
前記領域に記憶されている賞球個数が0でなければ、前記領域に記憶されている賞球個数が連続的な賞球払出数の最大値以上であるか否か確認し、前記領域に記憶されている賞球個数が前記最大値以上であると該最大値の遊技球を払い出すまで前記賞球払出機構部を駆動した後前記賞球払出機構部の駆動を停止し、前記最大値以上でなければ前記領域に格納されている全ての賞球個数の遊技球を払い出すまで前記賞球払出機構部を駆動した後前記賞球払出機構部の駆動を停止することによって、前記賞球払出機構部を駆動した後前記賞球払出機構部の駆動を停止するまでの間の賞球払出である連続的な賞球払出を行い、
前記エラー報知手段は、前記賞球払出機構部を駆動しているときに検出された前記賞球払出機構部から払い出された遊技球の検出に関わる異常を、前記貸球払出機構部から払い出された遊技球の検出に関わる異常と識別可能に報知し、
前記遊技制御手段は、
前記賞球払出検出手段の検出出力により遊技球が該賞球払出検出手段を通過したことを検出すると、前記連続的な賞球払出と次の前記連続的な賞球払出との間に設けられるインターバル時間よりも起動時からタイムアウトするまでの時間が長いタイマを起動し、該タイマがタイムアウトしたときに、前記連続的な賞球払出における最後の払出遊技球が払い出されたとして、前記累積値が0になっているか否かを判定し、
前記累積値が0になっていない場合にその値が正であれば、払出不足が生じているとして、払出不足を解消するための賞球個数である補正個数を指示するコマンドを前記払出制御手段に送信し、前記累積値が0になっていない場合にその値が負であればエラー表示を行う
ことを特徴とする遊技機。 - エラー報知手段は、賞球払出停止状態と貸球払出停止状態とを識別可能に報知する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の遊技機。 - エラー報知手段は、遊技制御手段からの制御コマンドにもとづいて賞球払出停止状態か否かの判断を行う
ことを特徴とする請求項4記載の遊技機。 - 所定電位電源を監視し、所定条件が成立した場合に検出信号を出力する電源監視手段と、
遊技機に設けられる電気部品を制御するための電気部品制御手段とを含み、
前記電気部品制御手段は、前記電源監視手段からの検出信号により所定の電力供給停止時処理を実行し、前記電力供給停止時処理において所定の記憶領域に賞球払出機構部および貸球払出機構部の異常状態に関する情報をバックアップする
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれかに記載の遊技機。 - 電気部品制御手段は、電力供給停止時処理においてバックアップ記憶が格納されている領域へのアクセスを禁止する処理を実行する
ことを特徴とする請求項6記載の遊技機。 - 賞球払出機構部および貸球払出機構部に供給可能な遊技球の不足状態を検出するための供給遊技球状態検出手段を備え、
前記供給遊技球状態検出手段から前記賞球払出機構部までの間に待機可能な所定遊技球数と、前記供給遊技球状態検出手段から前記貸球払出機構部までの間に待機可能な所要遊技球数とが異なる数である
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれかに記載の遊技機。 - 所定遊技球数よりも所要遊技球数の方が多い数である
ことを特徴とする請求項8記載の遊技機。
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