JP3772069B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシンなどで代表される遊技機に関する。詳しくは、遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、パチンコ遊技機、コイン遊技機またはスロットマシン等のように、遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段の一例として、入賞領域に遊技媒体が入賞したことを検出する入賞検出スイッチを備えたものがある。
【0003】
そして、たとえば、パチンコ遊技機においては、入賞口に入賞したパチンコ球の通過を入賞検出スイッチにより検出する。その後、入賞検出スイッチにより得られた検出信号が遊技を制御する遊技制御手段に送信され、遊技制御手段において景品球の払出しの制御を行なっている。また、景品球が遊技球タンクまたは誘導樋に無いことを検出する球切れスイッチおよび景品球が余剰球受皿に満タンになったことを検出する満タンスイッチにおいては、球切れ状態および満タン状態を検出することで、球切れ検出信号および満タン検出信号が遊技制御手段に送信される。それにより、遊技制御手段においては、警報を発するための制御または払出しを停止するための制御等が行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のパチンコ遊技機においては、パチンコ球の一瞬の通過を検出する入賞検出スイッチが発する検出信号と、パチンコ球の所定の期間の貯留状態を検出する球切れ検出スイッチまたは満タン検出スイッチが出力する検出信号との関係において、検出信号の有無をチェックする検出時間を同一にしていていたため、以下のような問題があった。
【0005】
上記のパチンコ遊技機においては、入賞検出スイッチの検出出力の検出時間に、球切れ検出スイッチまたは満タン検出スイッチの検出出力の検出時間を合わせると、球切れ検出スイッチまたは満タン検出スイッチは一瞬でもスイッチがOFFまたはONすると球切れまたは満タンを検出してしまう。その結果、誘導樋または余剰球受皿において貯留されているパチンコ球の状態がわずかに変化するだけでも、球切れスイッチまたは満タンスイッチはON−OFFするため、球切れまたは満タンを報知する必要がない場合において誤って警報を出すこと、または、景品球の払出を停止する必要が無い場合において景品球の払出を停止することがあった。
【0006】
また、球切れ検出スイッチおよび満タン検出スイッチの検出時間に、入賞検出スイッチの検出時間をあわせると、パチンコ球が入賞検出スイッチを通過してから所定の時間が経過しないとパチンコ球の検出信号が出力されないため、パチンコ球が入賞口に入賞してから景品球が払出されるまでに時間がかかり、遊技者に不満を生じさせることになっていた。
【0007】
この発明は上述の問題に鑑みてなされたものであって、複数種類の遊技媒体検出手段の遊技媒体の検出出力の判定時間が、それぞれの遊技媒体検出手段の用途に応じた適当な判定時間に設定された遊技機を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、供給された電力により動作する複数の電気部品と、
該複数の電気部品それぞれを制御するための処理を行なうとともに、バックアップ電源により遊技機に対する電力供給が停止してもデータが保持されるRAMを有し、電力供給開始時に前記RAMの保持データに基づいて制御を再開させることが可能な、第1の電気部品制御マイクロコンピュータおよび第2の電気部品制御マイクロコンピュータと、
前記遊技媒体を検出したときに遊技媒体検出信号を前記第1の電気部品制御マイクロコンピュータに出力する遊技媒体検出手段と、
該遊技媒体検出手段から前記遊技媒体検出信号が第1の所定期間出力されたことに応じて遊技媒体の払出に関連した処理を実行する遊技媒体検出判定手段と、
払出すための遊技媒体が欠乏した状態を検出して前記遊技媒体の払出の可否を判定するために用いられる信号を前記第1の電気部品制御マイクロコンピュータに出力する遊技媒体欠乏状態検出手段と、
該遊技媒体欠乏状態検出手段が出力する信号に基づき、払出が不能であるか否かを判定する払出不能判定手段と、
供給された電力を整流し複数の電圧を生成する電圧生成手段と、
該電圧生成手段により整流された電力の電圧を監視し、予め定められた検出電圧に低下したときに検出信号を出力する電源監視手段とを含み、
前記第1の電気部品制御マイクロコンピュータと前記第2の電気部品制御マイクロコンピュータとは、共に、
単一の前記電源監視手段から前記検出信号が入力されるとともに、該検出信号に応じて、電力供給が停止してもデータが保持されている前記RAMへのアクセスを禁止するRAMアクセス禁止処理を行なう電力供給停止時処理を実行し、かつ、
前記RAMがデータを保持している状態で電源断状態から電源が復帰したときに、前記RAMの保持データに基づいて、前記電源断状態発生時点の制御状態に復帰させる復帰時処理を行ない、
前記払出不能判定手段は、前記遊技媒体欠乏状態検出手段が出力する払出の不能を示す信号を前記第1の所定期間よりも長い第2の所定期間出力したときに、前記遊技媒体の払出が不能である旨の判定をするとともに、前記遊技媒体の払出を不能とするための処理を実行する。
【0013】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明の構成に加えて、前記払出不能判定手段は、前記遊技媒体欠乏状態検出手段が第1の所定時間よりも長い第3の所定時間連続して遊技媒体の払出が不能であることを示す信号を出力しないことを条件に、前記遊技媒体の払出の停止を解除するための処理を実行する。
【0019】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、以下の作用が生じる。供給された電力により複数の電気部品が動作する。該複数の電気部品それぞれを制御するための処理を行なうとともに、バックアップ電源により遊技機に対する電力供給が停止してもデータが保持されるRAMを有し、電力供給開始時に前記RAMの保持データに基づいて制御を再開させることが可能な、第1の電気部品制御マイクロコンピュータおよび第2の電気部品制御マイクロコンピュータとが、備えられている。 遊技媒体検出手段の働きにより、前記遊技媒体を検出したときに遊技媒体検出信号が前記第1の電気部品制御マイクロコンピュータに出力される。遊技媒体検出判定手段の働きにより、遊技媒体検出手段から前記遊技媒体検出信号が第1の所定期間出力されたことに応じて遊技媒体の払出に関連した処理が実行される。遊技媒体欠乏状態検出手段の働きにより、払出すための遊技媒体が欠乏した状態を検出して前記遊技媒体の払出の可否を判定するために用いられる信号が前記第1の電気部品制御マイクロコンピュータに出力される。払出不能判定手段の働きにより、該遊技媒体欠乏状態検出手段が出力する信号に基づき、払出が不能であるか否かが判定される。電圧生成手段の働きにより、供給された電力を整流し複数の電圧が生成される。該電圧生成手段により整流された電力の電圧を監視する電源監視手段の働きにより、予め定められた検出電圧に低下したときに検出信号が出力される。
前記第1の電気部品制御マイクロコンピュータと前記第2の電気部品制御マイクロコンピュータとは、共に、単一の前記電源監視手段から前記検出信号が入力されるとともに、該検出信号に応じて、電力供給が停止してもデータが保持されている前記RAMへのアクセスを禁止するRAMアクセス禁止処理を行なう電力供給停止時処理を実行し、かつ、前記RAMがデータを保持している状態で電源断状態から電源が復帰したときに、前記RAMの保持データに基づいて、前記電源断状態発生時点の制御状態に復帰させる復帰時処理を行なう。
そして、前記払出不能判定手段は、前記遊技媒体欠乏状態検出手段が出力する払出の不能を示す信号を前記第1の所定期間よりも長い第2の所定期間検出したときに、前記遊技媒体の払出が不能である旨の判定をするとともに、前記遊技媒体の払出を不能とするための処理を実行する。
【0024】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の本発明の作用に加えて、前記払出不能判定手段の働きにより、前記遊技媒体欠乏状態検出手段が第1の所定時間よりも長い第3の所定時間連続して遊技媒体の払出が不能であることを示す信号を出力しないことを条件に、前記遊技媒体の払出の停止を解除するための処理が実行される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0031】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面から正面図、図2はパチンコ遊技機1の内部構造を示す全体背面図、図3はパチンコ遊技機1の遊技盤を背面から見た背面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行なうが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等であってもよい。また、画像式の遊技機やスロット機にも適用することができる。
【0032】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3から溢れた貯留球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
【0033】
遊技領域7の中央付近には、複数種類の図柄を可変表示するための可変表示部9と7セグメントLEDによる可変表示器10とを含む可変表示装置8が設けられている。また、可変表示器10の下部には、4個のLEDからなる通過記憶表示器(普通図柄用記憶表示器)41が設けられている。この実施の形態では、可変表示部9には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがある。可変表示装置8の側部には、打球を導く通過ゲート11が設けられている。通過ゲート11を通過する打球は、球出口13を経て始動入賞口14の方に導かれる。通過ゲート11と球出口13との間の通路には、通過ゲート11を通過した打球を検出するゲートスイッチ12がある。また、始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ17によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0034】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。この実施の形態では、開閉板20が大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(Vゾーン)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出される。また、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。可変表示装置8の下部には、始動入賞口14に入った入賞球数を表示する4個の表示部を有する始動入賞記憶表示器18が設けられている。この例では、4個を上限として、入賞がある毎に、始動入賞記憶表示器18は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、可変表示部9の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1ずつ減らす。
【0035】
遊技盤6には、複数の入賞口19,24が設けられ、遊技球の入賞口19,24への入賞は入賞口スイッチ19a,24aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28cが設けられている。
【0036】
そして、この例では、一方のスピーカ27の近傍に、景品球払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、他方のスピーカ27の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸を可能にするカードユニット50も示されている。
【0037】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能表示ランプ151、カード内に記憶された残額情報に端数(100円未満の数)が残存する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LEDに生じさせるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、および、カード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を開放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0038】
打球発射装置から発射された打球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、可変表示器10の表示装置が連続的に変化する状態になる。また、打球が始動入賞口14に入り始動入賞口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9内の図柄回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を1増やす。
【0039】
可変表示部9内の映像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組合せが大当り図柄の組合せであると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば15ラウンド)許容される。
【0040】
停止時の可変表示部9内の画像の組合せが確率変動を伴う大当り図柄の組合せである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち高確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。また、可変表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、高確率状態では、可変表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
【0041】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。
可変表示装置8の背面では、図2に示すように、機構盤36の上部に遊技機タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が遊技球タンク38に供給される。遊技球供給タンク38内の遊技球は、誘導樋39を通って球払出装置97に至る。
【0042】
機構盤36には、中継基板30を介して可変表示部9を制御する可変表示制御ユニット29、基板ケース32に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、可変表示制御ユニット29と遊技制御基板31との間の信号を中継するための中継基板33、および、景品球などの払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータなどが搭載された払出制御基板37が設置されている。さらに、機構盤36の下部には、モータの回転力を利用して打球を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、遊技効果ランプ・LED28a,28b,28c、賞球ランプ51および球切れランプ52に信号を送るためのランプ制御基板35が設置されている。
【0043】
また、図3はパチンコ遊技機1の機構盤を背面から見た背面図である。誘導樋39を通った遊技球は、図3に示されるように、球切れ検出器187a,187bを通過して供給樋186a,186bを経て球払出装置97に至る。球払出装置97から払出された遊技球は、連絡口45を通ってパチンコ遊技機1の前面に設けられている打球供給皿3に供給される。連絡口45の側方には、パチンコ遊技機1の前面に設けられている余剰球受皿4に連通する余剰球通路46が掲載されている。入賞に基づく景品球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になり、ついには遊技球が連絡口45に到達した後さらに遊技球が払出されると、遊技球が、余剰球通路46を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー47が満タンスイッチ48を押圧して満タンスイッチ48がオンする。この状態では、球払出装置97内のステッピングモータの回転が停止して球払出装置97の動作が停止するとともに、必要に応じて打球発射装置34の駆動も停止する。なお、この実施の形態では、電気的駆動源の駆動によって遊技球を払出す球払出装置として、ステッピングモータの回転によって遊技球が払出される球払出装置97を例示するが、その他の駆動源によって遊技球を送出す構造の球払出装置を用いてもよいし、電気的駆動源の駆動によってストッパを外し遊技球の自重によって払出がなされる構造の球払出装置を用いてもよい。
【0044】
賞球払出制御を行なうために、入賞口スイッチ19a,24a、始動口スイッチ17およびVカウントスイッチ22からの信号が、主基板31に送られる。主基板31のCPU56は、始動口スイッチ17がオンすると6個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。また、カウントスイッチ23がオンすると15個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。そして、入賞口スイッチがオンすると10個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。なお、この実施の形態では、たとえば、入賞口24に入賞した遊技球は、入賞口24からの入賞球流路に設けられている入賞口スイッチ24aで検出され、入賞口19に入賞した遊技球は、入賞口19からの入賞球流路に設けられている入賞口スイッチ19aで検出される。すなわち、遊技領域に設けられた入賞口の全てに対応してそれぞれ入賞球を検出するためのスイッチが設けられている。
【0045】
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80が示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ19a,24aからの信号を基本回路に与えるスイッチ回路58と、該入賞球装置15を開閉するソレノイド16および開閉板20を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
【0046】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の画像表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報確率変動が生じたことを示す確変情報とをホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含む。
【0047】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM55、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態ではROM54,RAM55はCPU56に搭載されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。
【0048】
さらに、主基板31には、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路65と、基本回路53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちいずれかのI/Oポート部を選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67とが設けられている。なお、球払出装置97から主基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図4においてはそれらは省略されている。
【0049】
遊技球を打球して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0050】
なお、この実施の形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられている始動記憶表示器18、ゲート通過記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行なうとともに、枠側に設けられている遊技効果ランプ・LED28a,28b,28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行なう。ここで、ランプ制御手段は発光体制御手段の一例である。また、特別図柄を可変表示する可変表示部9および普通図柄を可変表示する可変表示器10の表示制御は、図柄制御基板80に搭載されている図柄制御手段によって行なわれる。
【0051】
図5は、払出制御基板37および球払出装置97の構成要素などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図5に示すように、満タンスイッチ48からの検出信号は、中継基板71を介して主基板31にI/Oポート57に入力される。満タンスイッチ48は、余剰球受皿4の満タンを検出するスイッチである。
【0052】
球切れ検出スイッチ167および球切れスイッチ187(187a,187b)からの検出信号は、中継基板72および中継基板71を介して主基板31のI/Oポート57に入力される。なお、球切れ検出スイッチ167は、直接球切れ情報を外部出力するものでもよい。球切れ検出スイッチ167は遊技球タンク38内の補給球の不足を検出するスイッチであり、球切れスイッチ187は、遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチである。
【0053】
主基板31のCPU56は、球切れ検出スイッチ167または球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示しているか、または、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、球貸し禁止を指示する払出制御コマンドを送出する。球貸し禁止を指示する払出制御コマンドを受信すると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、球貸処理を停止する。
【0054】
さらに、賞球カウントスイッチ301aおよび球貸カウントスイッチ301bからの検出信号も、中継基板72および中継基板71を介して、主基板31のI/Oポート57に入力される。また、賞球カウントスイッチ301Aおよび賞球カウントスイッチ301Bは、球払出装置97の払出機構部分に設けられ、実際に払出された払出球を検出する。
【0055】
そのため、玉払出装置97の内部には、入賞に基づく景品球が通過する賞球通路と貸球が通過する球貸通路とが設けられている。賞球通路には入賞に基づく景品球が払い出されたことを検出する賞球カウントスイッチ301Aが設けられ、球貸通路には貸球が払出されたことを検出すると球貸カウントスイッチ301Bが設けらている。そして、振分ソレノイドによって駆動される振分部材によって、1つの払出モータによって払出された遊技球が賞球通路を通過するかまたは球貸通路を通過する。それにより、賞球と貸球とが別個にカウントされる。なお、本実施の形態においては、1つの払出モータによって払出された遊技球を振分け部材によって振分けることにより賞球と貸球とを検出するようにしたが、振分部材を設けずに、賞球用の払出機構と球貸用の払出機構とを別個に設け、それぞれの機構内に設けられた検出スイッチにより賞球と貸球とを検出するような遊技機であってもよい。
【0056】
入賞があると、払出制御基板37には、主基板31の出力ポート(ポートG,H)577,578から賞球個数を示す払出制御コマンドが入力される。出力ポート577は8ビットのデータを出力し、出力ポート578は1ビットのストローブ信号(INT信号)を出力する。賞球個数を示す払出制御コマンドは、入力バッファ回路373を介してI/Oポート372aに入力される。払出制御用CPU371は、I/Oポート372aを介して払出制御コマンドを入力し、払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動して供給払出を行なう。
【0057】
なお、この実施の形態では、払出制御用CPU371は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。
【0058】
払出制御用CPU371は、出力ポート372gを介して、貸球数を示す球貸個数信号をターミナル基板160に出力し、ブザー駆動信号をブザー基板75入出力する。ブザー基板75にはブザーが搭載されている。さらに、出力ポート372eを介してエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。
【0059】
さらに、払出制御基板37の入力ポート372bには、中継基板72を介して、賞球カウントスイッチ301Aからの検出信号が入力される。払出制御基板37からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372cおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。
【0060】
カードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、端数表示装置152、連結台方向表示器153、カード投入表示ランプ154およびカード挿入口155が設けられている(図1参照)。残高表示基板74には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED、球貸スイッチおよび返却スイッチが接続される。
【0061】
残高表示基板74からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸スイッチ信号および返却スイッチ信号が払出制御基板37を介して与えられる。また、カードユニット50から残高表示基板74には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸可能表示信号が払出制御基板37を介して与えられる。カードユニット50と払出制御基板37との間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(PRDY信号)、球貸要求信号(BRQ信号)、球貸完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(BRDY信号)がI/Oポート372fを介してやり取りされる。
【0062】
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、VL信号を出力する。払出制御用CPU371は、VL信号の入力状態により接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受付けられ、球貸スイッチが操作され球貸スイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。そして、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個数の貸球を遊技者に払出す。このとき、振分用ソレノイド310を駆動している。すなわち、球振分部材311を球貸側に向ける。そして、払出が完了したら、払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でなければ、賞球払出制御を実行する。
【0063】
以上のように、カードユニット50からの信号はすべて払出制御基板37に入力される構成になっている。したがって、球貸制御に関して、カードユニット50から主基板31に信号が入力されることはなく、主基板31の基本回路53にカードユニット50の側から不正に信号が入力される余地はない。なお、主基板31および払出制御基板37には、ソレノイドおよびモータやランプを駆動するためのドライバ回路が搭載されているが、図5では、それらの回路は省略されている。
【0064】
なお、この実施の形態ではカードユニット50が設けられている場合を例にするが、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球を貸出す場合にも本発明を適用できる。また、この実施の形態では遊技球を貸出す場合を例にしているが、得点に加算されるものであっても本発明を適用できる。
【0065】
この実施の形態では、主基板31および払出制御基板37におけるRAMは、バックアップ電源でバックアップされている。すなわち、遊技球に対する電力供給が停止しても、所定期間はRAMの内容が保存される。そして、各CPUは、電源電圧の低下を検出すると、所定の処理を行なった後に電源復旧待ちの状態になる。また、電源投入時に、各CPUは、RAMにデータが保存されている場合には、保存データに基づいて電源断前の状態を復元する。
【0066】
図6は、電源監視および電源バックアップのためのCPU56周りの一構成例を示すブロック図である。図6に示すように、第1の電源監視回路(電源監視手段、または、第1の電源監視手段)からの電圧低下信号が、CPU56のマスク不能割込端子(NMI端子)に接続されている。第1の電源監視回路は、遊技機が使用する各種直流電流のうちいずれかの電源の電圧を監視して電源電圧低下を検出する回路である。この実施例では、第1の電源監視回路は、VSLの電源電圧を監視して、その電圧値が所定値以下になるとローレベルの電圧低下信号を発生する。電源電圧VSLは、遊技機で使用される直流電圧のうちで最大のものであってこの例では、+30Vである。したがって、CPU56は、割込処理によって電源断、または、電源低下の発生を確認することができる。なお、この実施の形態では、第1の電源監視回路は、後述する電源基板に搭載されている。
【0067】
図6には、システムリセット回路65も示されているが、この実施の形態では、システムリセット回路65は、第2の電源監視回路(第2の電源監視手段)も兼ねている。すなわち、リセットIC651は、電源投入時に、外付けのコンデンサと容量で決まる所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイレベルにする。すなわち、リセット信号をハイレベルに立上げてCPU56を動作可能状態にする。また、リセットIC651は、第1の電源監視回路が監視する電源電圧と等しい電源電圧である電源電圧VSLを監視して、電圧値が所定値(第1の電源監視回路が電圧低下信号を出力する電源電圧値よりも低い値)以下になるとローレベルの電圧低下信号を発生する。したがって、CPU56は、第1の電源監視回路からの電圧低下信号に応じて所定の電力供給停止時処理を行なった後、システムリセットされる。なお、この実施の形態では、リセット信号と第2の電源監視回路からの電圧低下信号とは同一の信号である。
【0068】
図6に示すように、リセットIC651からのリセット信号は、NAND回路947(論理積回路)に入力されるとともに、反転回路(NOT回路)944を介してカウンタIC941のクリア端子に入力される。カウンタIC941は、クリア端子への入力がローレベルになると、発振器943からのクロック信号をカウントする。そして、カウンタIC941のQ5出力がNOT回路945,946を介してNAND回路947に入力される。また、カウンタIC941のQ6出力は、フリップフロップ(FF)942のクロック端子に入力される。フリップフロップ942のD入力はハイレベルに固定され、Q出力は論理和回路(OR回路)949に入力される。OR回路949の他方の入力には、NAND回路947の出力がNOT回路948を介して導入される。そして、OR回路949の出力がCPU56のリセット端子に接続されている。このような構成によれば、電源投入時に、CPU56のリセット端子に2回のリセット信号(ローレベル信号)が与えられるので、CPU56は、確実に動作を開始する。
【0069】
そして、たとえば、第1の電源監視回路の検出電圧(電圧低下信号を出力することになる電圧)を+22Vとし、第2の電源監視回路の検出電圧を+9Vとする。そのように構成した場合には、第1の電源監視回路と第2の電源監視回路とは、同一の電源の電圧VSLを監視するので、第1の電源監視回路が電圧低下信号を出力するタイミングと第2の電圧監視回路が電圧低下信号を出力するタイミングとの差を所望の所定時間に確実に設定することができる。所望の所定時間とは、第1の電源監視回路から発せられた電圧低下信号に応じて電力供給停止時処理を開始してから電力供給停止時処理が確実に完了するまでの期間である。
【0070】
この例では、第1の電源監視手段が検出信号を出力することになる第1検出条件は+30V電源電圧が+22Vにまで低下したことであり、第2の電源監視手段が検出信号を出力することになる第2検出条件は+30V電源電圧が+9Vにまで低下したことにである。ただし、ここで用いられている電圧値は一例であって、他の値を用いてもよい。
【0071】
ただし、監視範囲が狭まるが、第1の電圧監視回路および第2の電圧監視回路それぞれの監視電圧として+5V電源電圧を用いることも可能である。その場合にも、第1の電圧監視回路の検出電圧は、第2の電圧監視回路の検出電圧よりも高く設定される。
【0072】
CPU56等の駆動電源である+5V電源から電力が供給されていない間、RAMの少なくとも一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源によってバックアップされ、遊技機に対する電源が遮断しても内容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセット回路65からリセット信号が発せられるので、CPU56は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要なバックアップ記憶情報が保存されているため、停電等からの復旧時に停電が発生した時点の遊技状態に復帰することができる。
【0073】
なお、図6では、電源投入時にCPU56のリセット端子に2回のリセット信号(ローレベル信号)が与えられる構成が示されたが、リセット信号の立上がりタイミングが1回しかなくても確実にリセット解除されるCPUを使用する場合には、符号941〜949で示された回路素子は不要である。その場合、リセットIC651の出力がそのままCPU56のリセット端子に接続される。
【0074】
図7は、遊技機の電源基板910の一構成例を示すブロック図である。電源基板910は、主基板31、表示制御基板80、音声制御基板70、ランプ制御基板35および払出制御基板37等の電気部品制御基板と独立して設置され、遊技機内の各電気部品制御基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、DC+30V(VSL)、DC+21V、DC+12V(VDD)およびDC+5V(Vcc)を生成する。また、バックアップ電源となるコンデンサ916は、DC+5V(VBB)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。
【0075】
トランス911は、交流電源からの交流電圧を24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ915に出力される。また、整流回路912は、AC24Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバータ913およびコネクタ915に出力する。DC−DCコンバータ913は、+21V、+12Vおよび+5Vを生成してコネクタ915に出力する。コネクタ915はたとえば中継基板に接続されて中継基板から各電気部品制御基板および機構部品に必要な電圧の電力が供給される。なお、トランス911の入力側には、遊技機に対する電源供給を停止したり開始したりするための電源スイッチが設置されている。
【0076】
DC−DCコンバータ913からの+5Vラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成する。バックアップ+5Vラインとグランドレベルとの間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コンデンサ916は、遊技機に対する電力供給が遮断されたときの電気部品制御基板のバックアップRAM(電源バックアップされているRAMすなわち記憶内容保持状態となり得る記憶手段)に対して記憶状態を保持できるように電力を供給するバックアップ電源となる。また、+5Vラインとバックアップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。
【0077】
なお、バックアップ電源として、+5V電源から充電可能な電池を用いてもよい。電池を用いる場合には、+5V電源から電力供給されない状態が所定時間継続すると容量がなくなるような充電池が用いられる。
【0078】
また、電源基板910には、上述した第1の電源監視回路を構成する電源監視用IC902が搭載されている。電源監視用IC902は、電源電圧VSLを導入し、電源電圧VSLを監視することによって電源断の発生を検出する。具体的には、電源電圧VSLが所定値(この例では+22V)以下になると、電源断または電圧低下が生ずるとして電圧低下信号を出力する。なお、監視対象の電源電圧は、各電気部品制御基板に搭載されている回路素子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い電圧であることが好ましい。この例では、交流から直流に変換された直後の電圧VSL(+30V)が用いられている。電源監視用IC902からの電圧低下信号は、主基板31や払出制御基板37等の各種制御基板に供給される。
【0079】
電源監視用IC902が電源断または電圧低下を検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、各電気部品制御基板上のCPUがしばらくの間動作し得る程度の電圧である。また、電源監視用IC902が、CPU等の回路素子を駆動するための電圧(この例では+5V)よりも高く、また、交流から直流に変換された直後の電圧を監視するように構成されているので、CPUが必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。したがってより精密な監視を行なうことができる。さらに、監視電圧としてVSL(+30V)を用いる場合には、遊技機の各種スイッチに供給される電圧が+12Vであることから、電源断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+30V作成の以降に作られる+12Vが落ち始める以前の段階でそれの低下を検出できる。よって、+12V電源の電圧が低下するとスイッチ出力がオン状態を呈するようになるが、+12Vより速く低下する+30V電源電圧を監視して電源断を認識すれば、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電源復旧待ちの状態に入ってスイッチ出力を検出しない状態となることができる。
【0080】
また、電源監視用IC902は、電気部品制御基板とは別個の電源基板910に搭載されているので、第1の電源監視回路から複数の電気部品制御基板に電圧低下信号を供給することができる。電圧低下信号を必要とする電気部品制御基板がいくつあっても、第1の電源監視手段は1つ設けられればよいので、各電気部品制御基板における各電気部品制御手段が後述する復帰制御を行なっても、遊技機のコストはさほど向上しない。
【0081】
なお、図7に示された構成では、電源監視用IC902の検出出力(電圧低下信号)は、バッファ回路918,919を介してそれぞれ電気部品制御基板(たとえば主基板31と払出制御基板37)に伝達されるが、たとえば、1つの検出出力を中継基板に伝達し、中継基板から各電気部品制御基板に同じ信号を分配する構成でもよい。また、電圧低下信号を必要とする基板数に応じたバッファ回路を設けてもよい。
【0082】
次に、遊技機の動作について説明する。
図8は、主基板31におけるCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電源が投入されると、メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう(ステップS1)。
【0083】
そして、電源断時にバックアップRAM領域のデータを保護するための処理(本例ではパリティデータの負荷等の停電発生NMI処理)が行なわれた否かの確認を行なう(ステップS2)。不測の電源断が生じた場合には、後述するようにバックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような保護処理が行なわれていた場合をバックアップありとする。バックアップなしという確認結果であれば、初期処理を実行する(ステップS2,S3)。なお、本例では、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、電源断時にバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認する。本例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0084】
バックアップRAM領域にバックアップデータがある場合には、この実施の形態では、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(ステップS4)。不測の電源断が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータが保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。チェック結果が正常でない場合は、内部状態を電源断時の状態に戻すことができないので、停電復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する(ステップS5,S3)。
【0085】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、内部状態を電源断時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう(ステップS6)。したがって本例では、図9に示すように、バックアップフラグの値が「55H」に設定されており、かつ、チェック結果が正常である場合に、ステップS6の遊技状態復旧処理に移行する。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の指すアドレスに復帰する(ステップS7)。
【0086】
通常の初期化処理の実行(ステップS2,S3)を終えると、CPU56により実行されるメイン処理はタイマ割込フラグの監視(ステップS9)の確認が行なわれるループ処理に移行する。なお、ループ内では、表示用乱数更新処理(ステップS8)も実行される。
【0087】
なお、この実施の形態では、ステップS2でバックアップデータの有無を確認した後、バックアップデータが存在する場合にステップS4でバックアップ領域のチェックを行なうようにしていたが、逆に、バックアップ領域のチェック結果が正常であったことを確認した後、バックアップデータの有無の確認を行なうようにしてもよい。また、バックアップデータの有無の確認、または、バックアップ領域のチェックのいずれか一方の確認を行なうことで、停電復旧処理を実行するか否かを判別する構成としてもよい。
【0088】
通常の初期化処理では、図10に示すように、RAMのクリア処理が行なわれる(ステップS3a)。次いで、作業領域初期設定テーブルのアドレス値に基づいて、所定の作業領域(たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、払出コマンド格納ポインタなど)に初期値を設定する初期値設定処理(ステップS3b)が行なわれる。そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているタイマレジスタの初期設定(タイムアウトが2msであることと、繰返しタイマが動作する設定)が行なわれる(ステップS3c)。すなわち、ステップS3cで、タイマ割込を能動化する処理と、タイマ割込インターバルを設定する処理とが実行される。そして、初期設定処理(ステップS1)において割込禁止(図12参照)とされているため、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS3d)。
【0089】
したがって、この実施の形態では、CPU56の内部タイマが繰返しタイマ割込を発生するように設定される。この実施の形態では、繰返し周期は2msに設定される。そして、図11に示すように、タイマ割込が発生すると、CPU56は、タイマ割込フラグを設定する(ステップS12)。
【0090】
CPU56は、ステップS9において、タイマ割込フラグがセットされたことを検出すると、タイマ割込フラグをリセットするとともに(ステップS10)、遊技制御処理を実行する(ステップS11)。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態ではタイマ割込処理はフラグセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理での遊技制御処理を実行してもよい。
【0091】
上述したように、バックアップデータの有無により電源断時の状態に復旧するか否かの判別を行なうようにしたことで、停電後の電源復旧時などにおいて電源投入されたときに、バックアップデータ記憶領域の内容に応じて電源断時の状態に復旧させるか否かの判別を行なうことができる。したがって、バックアップデータに基づく制御を実現することができるとともに、不必要な復旧処理の実行を防止することができる。
【0092】
また、バックアップデータの状態により電源断時の状態に復旧するか否かの判別を行なうようにしたことで、停電後の電源復旧時などにおいて電源投入されたときに、バックアップデータ記憶領域の内容の状態に応じて電源断時の状態に復旧されるか否かの判別を行なうことができる。したがって、正常なバックアップデータに基づく制御を実現することができるとともに、異常が発生しているバックアップデータに基づく復旧処理の実行を防止することができる。
【0093】
図12は、ステップS1の初期設定処理を示すフローチャートである。初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1a)。割込禁止に設定すると、CPU56は、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS1b)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS1c)。そして、CPU56は、内蔵デバイスレジスタの初期化(ステップS1d)、前述の割込モード2に設定することにより使用が可能となるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS1e)を行なった後、電源断時にRAMの内容を保護するためにRAMへのアクセスを不能としているため、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS1f)。
【0094】
なお、初期設定処理において設定され得るINT信号の入力により割込が許可されるマスカブル割込の割込モードには、以下の3種類のモードがある。
【0095】
割込モード0:リセット時に設定されるモードであって、1バイトのCALL命令であるRST命令により割込元から指定されたアドレス(00(H)〜38(H))が、割込処理プログラムのスタートアドレスを示すモードである。
【0096】
割込みモード1:割込処理プログラムのスタートアドレス(38(H))が予め定められているモードである。
【0097】
割込みモード2:CPU56の特定レジスタの値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクター(1バイト:最大ビット0)から構成されるアドレスが、割込番地を示すものである。すなわち割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ、下位アドレスが割込ベクターとされた2バイトで示されるアドレスである。
【0098】
図13は、ステップS11の遊技制御処理を示すフローチャートである。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートセンサ12、始動口センサ17、カウントセンサ23および入賞口スイッチ19a,24aの状態を入力し、各入賞口や入賞装置に対する入賞があったか否かを判別する(スイッチ処理:ステップS21)。
【0099】
続いて、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって異常診断処理が行なわれ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS22)。
【0100】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する処理を行なう(ステップS23)。CPU56は、さらに、停止図柄の種類を決定する乱数等の表示用乱数を更新する処理を行なう(ステップS24)。
【0101】
さらにCPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行なう(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、7セグメントLEDにより可変表示器10を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0102】
また、CPU56は、表示制御基板80に送り出される特別図柄制御コマンドや普通図柄信号コマンドをRAM55の所定の領域に設定する処理を行なった後に、特別図柄制御コマンドや普通図柄制御コマンドを出力する処理を行なう(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27,普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0103】
次いで、CPU56は、各種出力データの格納領域の内容を各出力ポートに出力する処理を行なう(データ出力処理:ステップS29)。なお、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに出力される大当り情報、始動情報、確率変動情報などの出力データを格納領域に設定する出力データ設定処理などの他の処理も行なう。
【0104】
また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行なう(ステップS30)。ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動し、可変入賞球装置19または開閉板22を開状態または閉状態とする。また、CPU56は、たとえば入賞口24等の各入賞口の検出に基づく賞球数の設定などを行なう(ステップS31)。すなわち、所定の条件が成立すると払出制御基板37に払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0105】
以上のように、メイン処理には遊技制御処理に移行すべきか否かを判別する処理が含まれ、CPU56の内部タイマが定期的に発生するタイマ割込に基づくタイマ割込処理で、遊技制御処理に移行すべきか否かを判別するためのフラグがセットされるので、遊技制御処理のすべてが確実に実行される。つまり、遊技制御処理のすべてが実行されるまでは、次回の遊技制御処理に移行すべきか否かの判定が行なわれないので、遊技制御処理中のすべての各処理が実行を完了することは保証されている。
【0106】
従来の一般的な遊技制御処理は、定期的に発生する外部割込によって、強制的に最初の状態に戻されていた。図13に示された例に則して説明すると、たとえば、ステップS31の処理中であっても、強制的にステップS21の処理に戻されていた。つまり、遊技制御処理中のすべての各処理が実行を完了する前に、次回の遊技制御処理が開始されてしまう可能性があった。
【0107】
なお、ここでは、主基板31のCPU56が実行する遊技制御処理は、CPU56の内部タイマの定期的に発生するタイマ割込に基づくタイマ割込処理でセットされるフラグに応じて実行されたが、定期的に(たとえば2ms毎)信号を発生するハードウェア回路を設け、その回路からの信号をCPU56の外部割込端子に導入し、割込信号によって遊技制御処理に移行すべきか否かを判定するためのフラグをセットするようにしてもよい。
【0108】
そのように構成した場合にも、遊技制御処理のすべてが実行されるまでは、フラグの判定が行なわれないので、遊技制御処理の中のすべての各処理が実行を完了することが保証される。
【0109】
図14は、電源基板910の電源監視回路からの電圧変化信号に基づくNMIに応じて実行される停電発生NMI処理の一例を示すフローチャートである。停電発生NMI処理において、CPU56は、まず、停電時などの電源断時直前の割込許可/禁止状態をバックアップするために、割込禁止フラグの内容をパリティフラグに格納する(ステップS41)。次いで、割込禁止に設定する(ステップS42)。停電発生NMI処理では、RAM内容の保存を確実にするためにチェックサムの生成処理を行なう。その処理中に他の割込処理が行なわれたのではチェックサムの生成処理が完了しないうちにCPUが動作し得ない電圧にまで低下してしまうことが考えられるので、まず、他の割込が生じないような設定がなされる。なお、停電発生NMI処理におけるステップS44〜S50は、電力供給停止処理の一例である。
【0110】
また、割込処理中では他の割込がかからないような仕様のCPUを用いている場合には、ステップS42の処理は不要である。
【0111】
次いで、CPU56は、バックアップフラグが既にセットされているか否か確認する(ステップS43)。バックアップフラグが既にセットされていれば、以後の処理を行なわない。バックアップセットがセットされていなければ、以下の電力供給停止時処理を実行する。すなわち、ステップS44からステップS55の処理を実行する。
【0112】
まず、各レジスタの内容をバックアップRAM領域に格納するステップS44)。その後、バックアップフラグをセットする(ステップS45)。そしてバックアップRAM領域のバックアップチェックデータ領域に適当な初期値を設定し(ステップS46)、初期値およびバックアップRAM領域のデータについて順次排他的論理和をとった後反転し(ステップS47)、最終的な演算値をバックアップパリティデータ領域に設定する(ステップS48)。また、RAMアクセス禁止状態にする(ステップS49)。さらに、すべての出力ポートをオフ状態にする(ステップS50)。電源電圧が低下しているときには、各種信号線のレベルが不安定になってRAM内容が化ける可能性があるが、このようにRAMアクセス禁止状態にしておけば、バックアップRAM内のデータが化けることはない。
【0113】
続いて、CPU56は、ループ処理に入る。すなわち何らの処理もしない状態になる。したがって、図6に示されたリセットIC651からのシステムリセット信号によって外部から動作禁止状態にされる前に、内部的に動作停止状態になる。よって、電源断時に確実にCPU56は動作停止する。その結果、上述したRAMアクセス禁止の制御および動作停止制御によって、電源電圧が低下することに伴って生じる可能性がある異常動作に起因するRAMの内容破壊等を確実に防止することができる。
【0114】
なお、この実施の形態では、停電発生NMI処理では最終部でプログラムをループ状態にしたが、ホールト(HALT)命令を発行するように構成してもよい。
【0115】
また、レジスタの内容をRAM領域に格納した後にセットされるバックアップフラグは、上述したように、電源投入時において復旧すべきバックアップデータがあるか否か(停電からの復旧か否か)を判断する際に使用される。また、ステップS41からS50の処理は、CPU56がシステムリセット回路65からのシステムリセット信号を受ける前に完了する。換言すれば、システムリセット回路65からのシステムリセット信号を受ける前に完了するように、電圧監視回路の検出電圧の設定が行なわれている。
【0116】
この実施の形態では電力供給停止時処理開始時に、バックアップフラグの確認が行なわれる。そして、バックアップフラグが既に設定されている場合は電力供給停止時処理を実行しない。上述したように、バックアップフラグは、必要なデータのバックアップが完了し、その後電力供給停止時処理が完了したことを示すフラグである。したがって、たとえばリセット待ちのループ状態でなんらかの原因で再度NMIが発生したとしても、電力供給停止時処理が重複して実行されてしまうようなことはない。
【0117】
ただし、割込処理中では他の割込が入らないような仕様のCPUを用いている場合には、ステップS43の判断は不要である。
【0118】
図15は、バックアップパリティデータ作成方法の一例を説明するための説明図である。ただし、図15に示す例では、簡単のために、バックアップデータRAM領域のデータサイズを3バイトとする。電源電圧低下に基づく停電発生処理において、図15に示すように、バックアップチェックデータ領域に、初期データ(この例では00H)が設定される。次に、「00H」と「F0H」との排他的論理和がとられてその結果と「16H」との排他的論理和がとられる。さらに、その結果と「DFH」との排他的論理和がとられる。そして、その結果(この例では「39H」)を反転して得られた値(この例では「C6H」)がバックアップパリティデータ領域に設定される。
【0119】
電源が再投入されたときには、停電復旧処理においてパリティ診断が行なわれる。バックアップ領域の全データがそのまま保存されていれば、電源再投入時に、図15に示すようなデータがバックアップ領域に設定されている。
【0120】
ステップS4(図8に示すバックアップ領域パリティ診断)の処理において、CPU56は、停電発生NMI処理にて実行された処理と同様の処理を行なう。すなわち、バックアップチェックデータ領域に、初期データ(この例では00H)が設定され、「00H」と「F0H」との排他的論理和がとられ、その結果と「16H」との排他的論理和がとられる。さらに、その結果と「DFH」との排他的論理和がとられる。そして、その結果(この例では「39H」)を反転した最終演算結果を得る。バックアップ領域の全データがそのまま保存されていれば、最終的な演算結果は、「C6H」、すなわち、バックアップチェックデータ領域に設定されているデータと一致する。バックアップRAM領域内のデータにビット誤りが生じていた場合には、最終的な演算結果は「C6H」にはならない。
【0121】
よって、CPU56は、最終的な演算結果とバックアップチェックデータ領域に設定されているデータとを比較して、一致すればパリティ診断正常とする。一致しなければパリティ診断異常とする。
【0122】
以上のように、この実施の形態では、遊技制御手段には、遊技機の電源が断になっても、所定期間電源バックアップされる記憶手段(この例ではバックアップRAM)が設けられ、電源投入時に、CPU56(具体的にはCPU56が実行するプログラム)は、記憶手段がバックアップ状態にあればバックアップデータに基づいて遊技状態を回復させる遊技状態復旧処理(ステップS6)を行なうように構成されている。
【0123】
この実施の形態では、図7に示されたように電源基板910に電源監視回路が搭載され、図6に示されるように主基板31にシステムリセット回路65が搭載されている。そして、電源電圧が低下していくときに、システムリセット回路65がローレベルのシステムリセット信号を発生する時期は、電源監視回路(この例では電源監視用IC902)がローレベルのNMI割込信号を発生する時期よりも遅くなるように設定されている。さらに、システムリセット回路65からのローレベルのシステムリセット信号は、CPU56のリセット端子に入力されている。
【0124】
すると、CPU56は、電源監視手段(電源監視用IC902)からの電圧低下信号に基づいて停電発生処理(電力供給停止時処理)を実行した後にループ状態に入るのであるが、ループ状態において、リセット状態に入ることになる。すなわち、CPU56の動作が完全に停止する。+5V電源電圧値で以下においては、CPU56の正常な動作が担保できない(すなわち、動作の管理ができない状態が発生する)が、CPU56は正常に動作できる電源が供給されている状態でリセット状態になるので、不定データに基づいて異常動作をしてしまうことは防止される。
【0125】
このように、この実施の形態では、CPU56が、電源監視回路からの検出出力の入力に応じてループ状態に入るとともに、システムリセット回路65からの検出信号の入力に応じてシステムリセットされるように構成されている。したがって、電源断時に確実なデータ保存が行なわれ、遊技者に不利益がもたらされることが防止される。
【0126】
なお、この実施の形態では、電源監視用IC902とシステムリセット回路65とは、同一の電源電圧を監視しているが、異なる電源電圧を監視してもよい。たとえば、電源基板910の電源監視回路が+30V電源電圧を監視し、システムリセット回路65が+5V電源電圧を監視してもよい。そして、システムリセット回路65がローレベルのシステムリセット信号を発生するタイミングは、電源監視回路がNMI割込信号を発生するタイミングに対して遅くなるように、システムリセット回路65のしきい値レベル(システムリセット信号を発生する電圧レベル)が設定される。たとえば、しきい値は4.25Vである。4.25Vは、CPU56が動作する通常の電圧値より低いが、CPU56がしばらくの間動作し得る程度の電圧である。なお、システムリセット回路65に設けられた遅延手段の遅延時間(本例では、コンデンサの容量)を調整して、システムリセット回路65がローレベルのシステムリセット信号を発生するタイミングを電源監視回路がNMI割込信号を発生するタイミングに対して遅らせるようにしてもよい。
【0127】
また、上記の実施の形態では、CPU56は、マスク不能割込端子(NMI端子)を介して電源基板からのNMI割込信号(電源監視手段からのNMI割込信号)を検知したが、NMI割込信号をマスク可能割込端子(IRQ端子)に導入してもよい。その場合には、割込処理(IRQ処理)で電力供給停止時処理が実行される。また、入力ポートを介して電源基板910からのNMI割込信号を検知してもよい。その場合には、メイン処理において入力ポートの監視が行なわれる。
【0128】
また、NMI割込信号に代えてIRQ端子を介して電源基板910からの割込信号を検知する場合に、メイン処理のステップS10における遊技制御処理の開始時にIRQ割込マスクをセットし、遊技制御処理の終了時にIRQ割込マスクを解除するようにしてもよい。そのようにすれば、遊技制御処理の開始前および終了後に割込がかかることになって、遊技制御処理が途中で中断されることはない。したがって、払出制御コマンドを払出制御基板37に送り出しているときなどに、コマンド送り出しが中断されてしまうようなことはない。よって、停電が発生するようなときでも払出制御コマンド等が確実に送り出しを完了する。
【0129】
また、この実施の形態では、停電発生処理(電力供給停止時処理)において、既にデータがバックアップされ電力供給停止時処理が既に実行されたことを示すバックアップフラグがセットアップされている場合には、電力供給停止時処理を実行しないように構成されている。電源がダウンする過程では、再度NMIが発生する可能性がある。すると、電源発生処理においてバックアップフラグの確認を行なわない場合には、再度発生したNMIによって再度電力供給停止時処理が実行される。最初に実行された電力供給停止時処理では、レジスタの内容をバックアップRAMに格納する処理が行なわれる(図14におけるステップS44参照)。最初に実行された正規の電力供給停止時処理後のリセット待ちの状態では、電源電圧は徐々に低下していくので、レジスタの内容が破壊される可能もある。すなわち、レジスタ値は、電源断が検出されたときの状態(最初にNMIが発生したとき)から変化している可能性がある。そのような状態で再度電力供給停止時処理が実行されると、電源断が検出されたときの状態のレジスタ値とは異なる値がバックアップRAMに格納されてしまう。すると、電源復旧時に実行される電源復旧処理において、電源断が検出されたときの状態のレジスタ値とは異なる値がレジスタに復旧されてしまう。その結果電源断時の遊技状態とは異なる遊技状態が再現されてしまう可能性が生ずる。
【0130】
以下、遊技状態復旧処理について説明する。
図16は、図8のステップS6に示された遊技状態復旧処理の一例を示すフローチャートである。この例では、CPU56は、バックアップRAMに保存されていた値を各レジスタに復元する(ステップS61)。そして、バックアップRAMに保存されていたデータに基づいて停電時の遊技状態を確認して復旧させる。すなわちバックアップRAMに保存されていたデータに基づいて、ソレノイド回路59を介してソレノイド16,21を駆動し、たとえば始動入賞口24等や開閉板22の開閉状態の復旧を行なう(ステップS62,S63)。また、電源断中でも駆動されていた特別図柄プロセスフラグおよび普通図柄プロセスフラグの値に応じて、電源断時の特別図柄プロセス処理の進行状況および普通図柄プロセス処理の進行状況に対応した制御コマンドを、表示制御基板80、ランプ制御基板35および音声制御基板70に送り出す(ステップS63)。
【0131】
以上のように、遊技状態復旧処理では、復元された内部状態に応じて、各種電気部品の状態復元が行なわれるとともに、表示制御基板80、ランプ制御基板35および音声制御基板70に対して、制御状態を電源断時の状態に戻すための制御コマンド(電源断時の制御状態を処理するための制御コマンド)が送り出される。そのような制御コマンドが、一般に、電源断前に最後に送り出された1つまたは複数の制御コマンドである。
【0132】
その結果、この実施の形態では、遊技状態復旧処理によって、以下のような状態復旧が可能である。始動入賞口14および大入賞口(開閉板)22の状態が復元される。表示制御手段によって制御される普通図柄の表示状態(可変表示器10の表示状態)は、電源断時に変動中であった場合を除いて復元される。表示制御手段によって制御される特別図柄の表示状態(可変表示部9の表示状態)は、電源断時に変動中であった場合を除いて復元される。さらに、可変表示部9に表示される背景やキャラクタは、特別図柄変動中および大当り遊技中であった場合を除いて復元される。
【0133】
特別図柄の変動中に電源断となった場合には、可変表示パターンの変動時間(たとえば10秒)および既に実行した時間(たとえば4秒)の情報がバックアップされる。そして、主基板31は、普及時に、表示パターンを示す表示制御コマンドおよび停止図柄を示す表示制御コマンドを表示制御基板80に出力し、残り時間(上述の例では6秒)経過後に、図柄を停止させるため表示制御コマンドを出力する。したがって、特別図柄の表示状態は、電源断時に特別図柄の変動中であった場合には、復旧時に、表示されていない残りの時間(上述の例では6秒)につき可変表示が実行される。なお、復旧時に表示制御基板80に対して出力される表示パターンを示す表示制御コマンドは、電源断前に出力された表示パターンを示す表示制御コマンドと同じものであってもよいが、「停電復旧中です」のような画像表示をさせるためのコマンドとしてもよい。この場合、「電源復旧中です」の表示は、残り時間(上述の例では6秒)表示される。なお、特別図柄の変動中に電源断となった場合の、普通図柄の表示状態に基づいても、上述と同様の制御が行なわれる。
【0134】
なお、大当り遊技中に電源断となった場合にも、上述した特別図柄の変動中に電源断となった場合と同様に、ラウンド中あるいはラウンド間のインターバルの残り時間について、復旧時に、表示、音、ランプ、ソレノイド16,21などを制御するが、主基板31は、表示制御基板80に対して電源断前に出力した確定時の図柄(停止図柄)を指定する表示制御コマンドを出力する。
【0135】
これにより、ラウンド中あるいはラウンド間の大当り図柄による演出が可能となり(大当り図柄で大当り演出する機種について)、また、大当り終了後の変動開始時に表示する図柄も表示制御基板80が認識することができる。
【0136】
ランプ制御手段が制御する装飾ランプ25、始動記憶表示器18、ゲート通過記憶表示器41、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示状態が復旧される。遊技効果ランプ・LED28a,28b,28cの表示状態は、特別図柄変動中および大当り遊技中であった場合を除いて復元される。ただし、電源断時に大当り遊技中であった場合には、各制御区間の最初の状態に復元可能である。各制御区間とは、たとえば、大当り開始保持状態、大入賞開放前状態、大入賞口開放中状態、大当り終了報知状態である。なお、特別図柄変動中に電源断となった後復旧した場合には、上述した可変表示部9や可変表示装置10の表示制御と同様に、残り時間分だけ遊技効果ランプ・LED28a,28b,28cの表示状態を制御するようにしてもよいが、消灯または停電復旧時特有のパターンで点灯・点滅するようにしてもよい。
【0137】
音声制御手段が制御する音声発生状態は、特別図柄変動中および大当り遊技中であった場合を除いて復元される。ただし、電源断時に大当り遊技中であった場合には、各制御区間の最初の状態に復元可能である。なお、特別図柄変動中に電源断となった後復旧した場合には、上述した可変表示部9や可変表示装置10の表示制御と同様に、残り時間分だけ音声発生状態を制御するようにしてもよいが、無音または停電復旧時特有の音声パターン(たとえば「停電復旧中です」との音声)を出力するようにしてもよい。
【0138】
なお、この実施の形態では、電源断からの復旧時に、主基板31の遊技制御手段から表示制御手段、ランプ制御手段および音声制御手段に対して状態復元のための制御コマンドが送り出されるが、表示制御手段、ランプ制御手段および音声制御手段が電源バックアップされる場合には、主基板31からの制御コマンドを用いることなく、表示制御手段、ランプ制御手段および音声制御手段が独自に制御状態を復旧するように構成してもよい。
【0139】
また、後述するように、払出制御基板37に搭載されている払出制御手段は、電源バックアップされているので、電源断からの復旧時に、賞球払出状態および球貸制御状態は、電源断時の状態に復旧する。この実施の形態では、発射制御基板は払出制御基板に接続されているので、発射制御基板91における制御状態も同様に復元される。
【0140】
遊技状態を電源断時の状態に復旧させると、この実施の形態では、CPU56は、前回の電源断時の割込許可/禁止状態を復帰させるため、バックアップRAMに保存されていたパリティフラグの値を確認する(ステップS64)。パリティフラグがクリアであれば、割込許可設定を行なう(ステップS65)。一方、パリティフラグがオンであれば、そのまま(ステップS1aで設定された割込禁止状態のまま)遊技状態復旧処理を終える。
【0141】
なお、ここでは、遊技状態復旧処理が終了するとメイン処理にリターンするように遊技状態復旧処理プログラムが構成されているが、電力供給停止時処理において保存されているスタックポインタが指すスタックエリア(バックアップRAM領域にある)に記憶されているアドレス(電源断時のNMI割込発生時に実行されていたアドレス)に戻るようにしてもよい。
【0142】
上述したように、初期設定処理を開始した後、復旧処理を終える前まで、または初期化処理を終える前までの間は、割込禁止状態とする構成としたことで、割込により処理が中断されることを防止することができるため、初期設定、バックアップデータ記憶領域の内容に応じて行なわれる電源断時の状態に復旧させるか否かの判別、および復旧処理(または初期化処理)を確実に完了させることができる。なお、上記のように復旧処理を終える前まで割込禁止状態とする構成とした場合であっても、電源断時の割込禁止/許可状態をパリティフラグによりバックアップしているため、復旧処理において電源断時の割込禁止/許可状態を確実に復旧することができる。
【0143】
なお、上記の実施の形態では、遊技制御手段において、データ保存処理および復旧処理が行なわれる場合について説明したが、払出制御手段、音声制御手段、ランプ制御手段および表示制御手段におけるRAMの一部も電源バックアップされ、払出制御手段、表示制御手段、音声制御手段およびランプ制御手段も、上述したような処理を行なってもよい。ただし、払出制御手段、表示制御手段、音声制御手段およびランプ制御手段は、復旧時にコマンド送出処理を行なう必要はない。
【0144】
図17は、払出制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表わし、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を示す。なお、図17に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。
【0145】
図18は、払出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図18に示された例において、コマンドFF00(H)は、払出可能状態を指定する払出制御コマンドである。コマンドFF01(H)は、払出停止状態を指定する払出制御コマンドである。また、コマンドF0XX(H)は、賞球個数を指定する払出制御コマンドである。2バイト目の「XX」が払出個数を示す。
【0146】
払出制御手段は、主基板31の遊技制御手段からFF01(H)の払出制御コマンドを受信すると賞球払出および球貸を停止する状態となり、FF00(H)の払出制御のコマンドを受信すると賞球払出および球貸ができる状態となる。また、賞球個数を指定する払出制御コマンドを受信すると、受信したコマンドで指定された個数に応じた賞球払出制御を行なう。
【0147】
図19は、払出制御コマンドの送出形態の一例を示すタイミング図である。この実施の形態では、払出制御コマンドは2バイト構成であり、たとえば、図19に示されるように、払出制御信号の1バイト目および2バイト目が出力されているときに、それぞれINT信号がオン(この例ではローレベル)になる。INT信号のオンの期間はたとえば1μs以上であり、1バイト目と2バイト目との間にはたとえば10μs以上の期間があけられる。なお、払出制御コマンドは、1バイト構成としてもよい。
【0148】
なお、払出制御コマンドは、払出制御手段が認識可能に1回だけ送り出される。認識可能とは、この例では、INT信号がオン状態となることであり、認識可能に1回だけ送り出されるとは、この例では、払出制御信号の1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じてINT信号が1回だけオン状態になることである。
【0149】
なお、図20に示すように、払出制御コマンドを1バイト構成としてもよい。その場合、8ビットの払出制御信号CD0〜CD7よって払出制御コマンドが出力される。そして、払出制御信号が出力されているときに、INT信号がオン(この例ではローレベル)になる。INT信号のオン期間はたとえば1μs以上である。払出制御手段には、INT信号に応じた割込処理によって払出制御信号CD0〜CD7が入力される。
【0150】
次に、遊技制御手段以外の電気部品制御手段においてデータ保存処理および復旧処理が行なわれる場合の例として、払出制御手段においてデータ保存や復旧が行なわれる場合について説明する。
【0151】
図21は、払出制御用CPU371まわりの一構成例を示すブロック図である。図21に示すように、第1の電源監視回路(第1の電源監視手段)からの電圧低下信号が、バッファ回路960を介して払出制御用CPU371のマスク不能割込端子(XNMI端子)に接続されている。第1の電源監視回路は、遊技機が使用する各種直流電源のうちいずれかの電源の電圧を監視して、電源電圧低下を検出する回路である。この実施の形態では、VSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値以下になるとローレベルの電圧低下信号を発生する。電圧VSLは、遊技機で使用される直流電圧のうち最大のものであり、この例では+30Vである。したがって、払出制御用CPU371は、割込処理によって電源断の発生を確認することができる。
【0152】
払出制御用CPU371のCLK/TRG2端子には、主基板31からのINT信号が接続されている。CLK/TRG2端子にクロック信号が入力されると、払出制御用CPU371に内蔵されているタイムカウンタレジスタCLK/TRG2の値がダウンカウントされる。そして、レジスタ値が0になると割込が発生する。したがって、タイマカウンタレジスタCLK/TRG2の初期値を「1」に設定しておけば、INT信号の入力に応じて割込が発生することになる。
【0153】
払出制御基板37には、システムリセット回路975も搭載されているが、この実施の形態では、システムリセット回路975は、第2の電源監視回路(第2の電源監視手段)も兼ねている。すなわち、リセットIC976は、電源投入時に、コンデンサ容量で決る所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイレベルにする。また、リセットIC976は、電源基板910に搭載されている第1の電源監視回路が監視する電源電圧と等しい電源電圧である電圧VSLを監視して電圧値が所定値(たとえば+9V)以下になるとローレベルを電圧低下信号を発生する。したがって、電源断時には、リセットIC976からの電圧低下信号がローレベルになることによって払出制御用CPU371がシステムリセットされる。なお、図21に示すように、電圧低下信号はリセット信号と同じ出力信号である。
【0154】
リセットIC976が電源断を検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、払出制御用のCPU371がしばらくの間動作し得る程度の電圧である。また、リセットIC976が、払出制御用CPU371が必要とする電圧(この例では+5V)よりも高い電圧を監視するように構成されているので、払出制御用CPU371が必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。したがって、より精密な監視を行なうことができる。
【0155】
電圧+5Vの電源から電力が供給されていない間、払出制御用CPU371の内蔵RAMの少なくとも一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源がバックアップ端子に接続されることによってバックアップされ、遊技機に対する電源が断たれも内容が保存される。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセット回路975からリセット信号が発せられるので、払出制御用CPU371は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要なデータがバックアップされているので、停電等からの復旧時には停電発生時の遊技状態に復帰することができる。
【0156】
以上のように、この実施の形態では、電源基板910に搭載されている第1の電源監視回路が、遊技機で使用される直流電圧のうちで最も高い電源VSLの電圧を監視して、その電源の電圧が所定値を下回ったら電圧低下信号(電源断検出信号)を発生する。電源断検出信号から出力されるタイミングでは、IC駆動電圧は、まだ各種回路素子を十分駆動できる電圧になっている。したがって、IC駆動電圧で動作する払出制御基板37の払出制御用CPU371が所定の電力供給停止時処理を行なうための動作時間が確保されている。
【0157】
なお、ここでも、第1の電源監視回路は、遊技機で使用される直流電圧のうちで最も高い電源の電圧VSLを監視することになるが、電源断検出信号を発生するタイミングは、IC駆動電圧で動作する電気部品制御手段が所定の電力供給停止時処理を行なうための動作時間が確保されるようなタイミングであれば、監視対象電圧は、最も高い電源の電圧VSLでなくてもよい。すなわち、少なくともIC駆動電圧よりも高い電圧を感知すれば、電気部品制御手段が所定の電力供給停止時処理を行なうための動作時間が確保されるようなタイミングで電源断検出信号を発生することができる。
【0158】
その場合、上述したように監視対象電圧は、賞球カウントスイッチ301A等の遊技機の各種スイッチに供給される電圧が+12Vであることから、電源断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる電圧であることは好ましい。すなわち、スイッチに供給される電圧(スイッチ電圧)である+12V電源電圧が落ち始める以前の段階で、電圧低下を検出することが好ましい。よって、少なくともスイッチ電圧よりも高い電圧を監視することが望ましい。
【0159】
なお、図21に示された構成では、システムリセット回路975は、電源投入時に、コンデンサの容量で決る期間のローレベルを出力し、その後ハイレベルを出力する。すなわち、リセット回路タイミングは1回だけである。しかし、図6に示された主基板31の場合と同様に、複数回のリセット回路タイミングが発生するような回路構成を用いてもよい。
【0160】
図22は、払出制御用CPU371のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行なう(ステップS701)。
【0161】
図23は、ステップS701の初期設定処理を示すフローチャートである。初期設定処理において、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止に設定する(ステップS701a)。次に、払出制御用CPU371は、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS701b)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS701c)。また、払出制御用CPU371は、内蔵デバイスレジスタの初期化(ステップS701d)、CTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS701e)を行なった後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS701f)。
【0162】
この実施の形態では、タイマ/カウンタ割込としてCH2,CH3のカウントアップに基づく割込を使用する。CH2のカウントアップに基づく割込は、上述したタイマカウンタレジスタCLK/TRG2の値が「0」になったときに発生する割込である。したがって、ステップS701eにおいて、タイマカウンタレジスタCLK/TRG2に初期値「1」が設定される。また、CH3のカウントアップに基づく割込は、CPUの内部クロックをカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、後述する2msタイマ割込として用いられる。具体的には、CH3のレジスタ値はシステムクロックの1/256周期で減算される。ステップS701eにおいて、CH3のレジスタには、初期値として2msに相当する値が設定される。なお、CH2に関する割込番地は0074Hであり、CH3に関する割込番地は0076Hである。
【0163】
そして、払出制御用CPU371は、払出制御用のバックアップRAM領域にバックアップデータが存在しているか否かの確認を行なう(ステップS702)。すなわち、たとえば、バックアップRAM領域に形成されている後述する総合個数記憶または貸球個数記憶(図26参照)を確認して、未払出の賞球個数および貸球個数に関するバックアップデータがないかどうかを確認する。不測の電源断が生じた場合には、多くの場合何らかのデータがバックアップRAM領域に保存されており、バックアップRAM領域のデータは保存されていたはずであるから、後に復旧した場合の確認結果の多くはバックアップデータありとなる。バックアップなしという確認結果であれば、前回の電源オフ時に未払出の遊技球がなかったことになり、内部状態を電源断時の状態に戻す必要がないので、停電復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する(ステップS702,S703)。なお、本例では、バックアップRAM領域にバックアップデータが存在しているか否かは、電源断時にバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグによって確認する。
【0164】
バックアップRAM領域にバックアップデータが存在している場合には、この実施の形態では、払出制御用CPU371は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(ステップS704)。不測の電源断が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電源断時の状態に戻すことができないので、停電復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する(ステップS705,S703)。
【0165】
チェック結果が正常であれば、払出制御用CPU371は、内部状態を電源断時の状態に戻すための払出状態復旧処理を行なう(ステップS706)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の指すアドレスに復帰する(ステップS707)。
【0166】
通常の初期化処理の実行(ステップS703)を得ると、払出制御用CPU371により実行されるメイン処理は、タイマ割込フラグの開始(ステップS708)の確認が行なわれるグループ処理に移行する。
【0167】
なお、この実施の形態では、ステップS702でバックアップデータの有無を確認した後、バックアップデータが存在する場合にステップS704でバックアップ領域のチェックを行なうようにしていたが、逆に、バックアップ領域のチェック結果が正常であったことを確認した後、バックアップデータの有無の確認を行なうようにしてもよい。また、バックアップデータの有無の確認、または、バックアップ領域のチェックのいずれかの一方の確認を行なうことで、停電復旧処理を実行するか否かを判断するようにしてもよい。
【0168】
また、たとえば停電復旧処理を実行するか否かを判断する場合のパリティチェック(ステップS704)の際などに、すなわち、遊技状態を復旧するか否かを判断する際に、保存されていたRAMデータにおける払出遊技球数データ等によって、遊技機が払出待機状態(払出途中でない状態)であることが確認されたら、払出状態復旧処理を行なわずに初期化処理を実行するようにしてもよい。
【0169】
通常の初期化処理では、図24に示すように、レジスタおよびRAMのクリア処理(ステップS901)が行なわれる(ステップS902)。そして、初期設定処理(ステップS701a)において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS903)。
【0170】
この実施の形態では、払出制御用CPU371の内部タイマ(CH3)が繰返しタイマ割込を発生するように設定される。また、繰返し周期は2msに設定される。そして、図25に示すように、タイマ割込が発生すると、払出制御用CPU371は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS711)。なお、2msタイマ割込処理において、必要ならば、CH3のレジスタに対して初期値再設定が行なわれる。
【0171】
払出制御用CPU371は、ステップS708において、タイマ割込フラグがセットされことを検出すると、タイマ割込フラグをリセットするとともに(ステップS709)、払出制御処理を実行する(ステップS710)。以上の制御によって、この実施の形態では、払出制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、払出制御処理ではメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で払出制御処理を実行してもよい。
【0172】
払出制御用CPU371は、電源投入時に、バックアップRAM領域のデータを確認するだけで、通常の初期設定処理を行なうのか払出中の状態を復元するのかを決定できる。すなわち、簡単な判断によって、未払出の遊技球について払出処理再開を行なうことができる。
【0173】
また、本例では、払出制御用CPU371も、主基板31のCPU56と同様に、パリティチェックによって記憶内容保存の確実化を図っている。
【0174】
以上説明したように、バックアップデータの有無により電源断時の払出状態に復旧するか否かの判断を行なうようにしたことで、停電後の電源復旧時などにおいて電源投入されたときに、バックアップデータ記憶領域の内容に応じて電源断時の状態に復旧させるか否かの判断を行なうことができる。したがってバックアップデータに基づく制御を実現することができるとともに、不必要な復旧処理の実行を防止することができる。
【0175】
また、上述したように、バックアップデータの状態により電源断時の払出状態に復旧するか否かの判断を行なうようにしたことで、停電後の電源復旧時などにおいて電源投入されたときに、バックアップデータ記憶領域の内容の状態に応じて電源断時の状態に復旧させるか否かの判断を行なうことができる。したがって正常なバックアップデータに基づく制御を実現することができるとともに、異常が発生したバックアップデータに基づく復旧処理の実行を防止することができる。
【0176】
図26は、払出制御用CPU371が内蔵するRAMの使用例を示す説明図である。この例では、バックアップRAM領域に総合個数記憶(たとえば2バイト)および貸球個数記憶が形成されている。総合個数記憶は、主基板31の側から指示された払出個数の挿通を記憶するものである。貸球個数記憶は、未払出の球貸個数を記憶するものである。
【0177】
図27は、割込処理による払出制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板31からの払出制御用のINT信号は払出制御用CPU371のCLK/TRG2端子に入力される。よって、主基板31からのINT信号がオン状態になると、払出制御用CPU371に割込がかかり、図27に示す払出制御コマンドの受信処理が開始される。この実施の形態では、受信した払出制御コマンドを格納するための12バイトの確定コマンドバッファ領域が設けられている。 そして、受信した払出制御コマンドの格納位置を示すためにコマンド受信個数カウンタが用いられる。なお、払出コマンドは、2バイト構成であるから、実質的には6個の払出制御コマンドの確定コマンドバッファ領域に格納可能である。
【0178】
払出制御コマンドの受信処理において、払出制御用CPU371が、まず、払出制御コマンドデータの入力に割当てられている入力ポート372aからデータを読込む(ステップS851)。そして、2バイト構成の払出制御コマンドのうちの1バイト目であるか否かを確認する(ステップS852)。1バイト目であるか否かは、受信したコマンドの先頭ビットが「1」であるか否かで判断できる。先頭ビットが「1」であるのは、2バイト構成の払出制御コマンドのうちMODEバイト(1バイト目)のはずである(図17参照)。先頭ビットが「1」であれば、有効な1バイト目を保持し主として、受信したコマンドを確定コマンドバッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタが示す確定コマンドバッファに格納する(ステップS853)。
【0179】
払出制御コマンドのうち1バイト目でなければ、1バイト目を既に受信したか否かを確認する(ステップS854)。既に受信したか否かは、受信バッファ(ステップS853における確定コマンドバッファ)に有効なデータが設定されているか否かで確認できる。
【0180】
次に、2バイト目を既に受信している場合には、受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか否かを確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンドを、確定コマンドバッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタ+1が示す確定コマンドバッファに格納する(ステップS855)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイト構成の払出制御コマンドのうちEXTバイト(2バイト目)のはずである(図17参照)。なお、ステップS854の判別において、受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」でなければ、処理を終了する。
【0181】
ステップS855において、2バイト目のコマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウンタに2を加算する(ステップS856)。そして、コマンド受信カウンタが12以上であるか否かを確認し(ステップS857)、12以上であればコマンド受信個数カウンタをクリアする(ステップS858)。
【0182】
図28は、ステップS710の払出制御処理を示すフローチャートである。払出制御処理において払出制御用CPU371は、まず、中継基板72を介して入力ポート372bに入力される賞球カウントスイッチ301A、球貸カウントスイッチ301Bがオンしたか否かを判定する(スイッチ:ステップS751)。
【0183】
次に、払出制御用CPU371は、センサ(たとえば、払出モータ289の間点数を検出するモータ位置センサ)からの信号入力状態を確認してセンサの状態判定などを行なう(入力判定処理:ステップS752)。払出制御用CPU371は、さらに、受信した払出制御コマンドを解析し、解析結果に応じた処理を実行する(コマンド解析実行処理:ステップS753)。
【0184】
次いで、払出制御用CPU371は、主基板31より受信した払出停止指示コマンドに応じて払出停止状態に設定し、あるいは受信した払出開始指示コマンドに応じて払出停止状態の解除を行なう(ステップS754)。また、プリペードカードユニット制御処理を行なう(ステップS755)。
【0185】
また、払出制御用CPU371は、球貸要求に応じて貸球を払出す制御を行なう(ステップS756)。さらに、払出制御用CPU371は、総合個数記憶に格納された個数の賞球を払出す賞球制御処理を行なう(ステップS757)。そして、払出制御用CPU371は、出力ポート372cおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に向けて駆動信号を出力し、ステップS756の球貸制御処理またはステップS757の賞球制御処理で設定された回転数分払出モータ289を介して払出モータ制御処理を行なう(ステップS758)。
【0186】
なお、この実施の形態では、払出モータ289としてステッピングモータが用いられ、払出モータ289を制御するために1−2層励磁方式が用いられる。したがって、具体的には、払出モータ制御処理において、8種類の励磁パターンデータが繰返し払出モータ289に出力される。また、この実施の形態では、各励磁パターンデータが4msずつ出力される。
【0187】
次いで、エラー検出処理が行なわれ、その結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示が行なわれる(エラー:ステップS759)。検出されるエラーとしては、たとえば、次の8種類がある。
【0188】
賞球径路エラー:賞球払出動作終了したとき、または、払出モータ289が1回転したときに賞球カウントスイッチ301Aが1個も遊技球の通過を検出しなかった場合、エラー表示LED374に「0」が表示される。
【0189】
球貸径路エラー:球貸の払出動作終了後において、または、払出モータ289が1回転したときに球貸カウントスイッチ301Bが1個も遊技球の通過を検出しなかった場合、エラー表示LED374に「1」が表示される。
【0190】
賞球カウントスイッチ球詰まりエラー:賞球カウントスイッチ301Aが0.5秒以上オンを検出したとき。エラー表示LED374に「2」が表示される。
【0191】
球貸カウントスイッチ球詰まりエラー:球貸カウントスイッチ301Bが0.5秒以上オンを検出した場合、エラー表示LED374に「3」が表示される。
【0192】
払出モータ球噛みエラー:払出モータ289が正常に回転しないとき、具体的には、払出モータ位置センサのオンが所定期間以上継続したり、オフが所定期間以上継続した場合、エラー表示LED374に「4」が表示される。なお、払出モータ球噛みエラーが生じた場合には、払出制御用CPU371は、50msの基準励磁層の出力を行なった後、1−2層励磁の励磁パターンデータのうちの4種類の励磁パターンデータを8ms毎に出力することによる払出モータ289の逆回転と正回転とを繰返す。
【0193】
プリペードカードユニット未接続エラー:VL信号のオフが検出されたとき、エラー表示LED374に「5」が表示される。
【0194】
プリペードカードユニット通信エラー:規定のタイミング以外でプリペードカードユニット50から信号を出力されたことを検出したとき、エラー表示LED374に「6」が表示される。
【0195】
払出停止状態:主基板31から払出停止を示す払出制御コマンドを受信したとき、エラー表示LED374に「7」が表示される。なお、主基板31から払出開始を示す払出制御コマンドを受信したときには、その時点から2002ms後に、払出停止状態から払出開始状態に復旧する。
【0196】
外部接続端子(図示せず)から出力する情報信号を制御する処理を行なう(出力処理:ステップS760)。なお、情報信号は、貸球の払出1単位(たとえば25個)毎に所定時間オンとなり、続いて所定時間オフを出力する信号である。
【0197】
図29は、ステップS751のスイッチ処理の一例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチ301Aがオンした状態を示しているか否かを確認する(ステップS751a)。オン状態を示していれば、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチオンカウンタを+1する(ステップS751b)。賞球カウントスイッチオンカウンタは、賞球カウントスイッチ301Aのオンの状態を検出した回数を計数するためのカウンタである。
【0198】
そして、賞球カウントスイッチオンカウンタの値をチェックし(ステップS751c)、その値が2になっていれば、1個賞球の払出が行なわれたと判断する。1個の賞球の払出が行なわれた判断した場合には、払出制御用CPU371は、賞球未払出カウンタ(総合個数記憶に格納されている賞球数を)を−1する(ステップS751d)。
【0199】
ステップS751aにおいて賞球カウントスイッチ301Aがオン状態でないことが確認されると、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチオンカウンタをクリアする(ステップS751e)。そして、この実施の形態では、球貸カウントスイッチ301Bがオン状態を示しているか否かを確認する(ステップS751f)。オン状態を示していれば、払出制御用CPU371は、球貸カウントスイッチオンカウンタを+1する(ステップS751g)。球貸カウントスイッチオンカウンタは、球貸カウントスイッチ301Bのオン状態を検出した回数を計数するためのカウンタである。
【0200】
そして、球貸カウントスイッチオンカウンタの値をチェックし(ステップS751h)、その値が2になっていれば、1個の球貸の払出が行なわれたと判断する。1個の球貸の払出が行なわれたと判断した場合には、払出制御用CPU371は、貸し球未払出個数カウンタ(球球個数記憶に格納されている球球数)を−1する(ステップS751i)。
【0201】
ステップS751fにおいて球貸カウントスイッチ301Bがオン状態でないことが確認されると、払出制御用CPU371は、球貸カウントスイッチオンカウンタをクリアする(ステップS751j)。
【0202】
図30は、ステップS753のコマンド解析実行処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析実行処理において、払出制御用CPU371は、確定コマンドバッファ領域中に受信コマンドがあるか否かの確認を行なう(ステップS753a)。受信コマンドがあれば、受信した払出制御コマンドが払出個数指示コマンドであるか否かの確認を行なう(ステップS753b)。なお、確定コマンドバッファ領域中に複数の受信コマンドがある場合には、受信した払出制御コマンドが払出個数指示コマンドであるか否かの確認は、最も前に受信された受信コマンドについて行なわれる。
【0203】
受信した払出制御コマンドが払出個数指示コマンドであれば、払出個数指示コマンドで受信された個数を総合個数記憶に加算する(ステップS753c)。すなわち、払出制御用CPU371は、主基板31のCPU56から送り出された払出個数指示コマンドに含まれる賞球数バックアップRAM領域(総合個数記憶)に記録する。
【0204】
なお、払出制御用CPU371は、必要ならば、コマンド受信個数カウンタの減算や確定コマンドバッファ領域における受信コマンドシフト処理を行なう。
【0205】
図31は、ステップS754の払出停止状態設定処理の一例を示すフローチャートである。払出停止状態設定処理において、払出制御用CPU371は、確定コマンドバッファ領域中に受信コマンドがあるか否かの確認を行なう(ステップS754a)。確定コマンドバッファ領域中に受信コマンドがあれば、受信した払出制御コマンドが払出停止指示コマンドであるか否かの確認を行なう(ステップS754b)。払出停止指示コマンドであれば、払出制御用CPU371は、払出停止状態に設定する(ステップS754c)。
【0206】
ステップS754bで受信コマンドが払出停止指示コマンドでないことを確認すると、受信した払出制御コマンドが払出開始指示コマンドであるか否かの確認を行なう(ステップS754d)。払出開始指示コマンドであれば、払出停止状態を解除する(ステップS754e)。
【0207】
図32は、ステップS755のプリペードカードユニット制御処理の一例を示すフローチャートである。プリペードカードユニット制御処理において、払出制御用CPU371は、カードユニット制御用マイクロコンピュータにより入力されるVL信号を検知したか否かを確認する(ステップS755a)。VL信号を検知していなければ、VL信号非検知カウンタを+1する(ステップS755b)。また、払出制御用CPU371は、VL信号非検知カウンタの値が本例では125であるか否かを確認する(ステップS755c)。VL信号非検知カウンタの値が125であれば、払出制御用CPU371は、発射制御基板91への発射制御信号出力を停止して、駆動モータ94を停止させる(ステップS755d)。
【0208】
以上の処理によって、125回(2ms×125=250ms)継続してVL信号のオフが検出されたら、球発射禁止状態に設定される。
【0209】
ステップS755aにおいてVL信号を検知していれば、払出制御用CPU371は、VL信号非検知カウンタをクリアする(ステップS755e)。そして、払出制御用CPU371は、発射制御信号出力を停止していれば(ステップS755f)、発射制御基板91への発射制御信号出力を開始して駆動モータ94を動作可能状態にする(ステップS755g)。
【0210】
図33および図34は、ステップおよびと756の球貸制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、この例では、連続的な払出数の最大値を貸球の1単位(本例では25個)としているが、他の数であってもよい。
【0211】
球貸し制御処理において、払出制御用CPU371は、球払出中であるか否かの確認を行ない(ステップS511)、球払出中であれば図34に示す球貸中の処理に移行する。なお、この確認は、後述する球貸処理中フラグの状態のように判断される。貸球払出中でなければ、賞球の払出中であるか否かの確認をする(ステップS512)。この確認は、後述する賞球処理中フラグの状態により判断される。
【0212】
貸球払出中でも賞球払出中でもなければ、払出制御用CPU371は、カードユニット50から球貸要求があったか否かを確認し(ステップS513)、要求があれば、球貸処理中フラグをオンするとともに(ステップS514)、25(貸球1単位数:ここでは100円分)をバックアップRAM領域の貸し球個数記憶に設定する(ステップS515)。そして、払出制御用CPU371は、EXS信号をオンする(ステップS516)。そして、球払出装置97の下方の球振分部材311を球貸側に設定するために振分用ソレノイド310を駆動する(ステップS517)。また、払出モータ289をオンして(ステップS518)、図34に示す球貸処理に移行する。
【0213】
なお、払出モータ289がオンするのは、厳密には、カードユニット50が受付を認識したことを示すためにBRQ信号をOFFとしてからである。なお、球貸処理中フラグがバッファRAM領域に設定される。
【0214】
図34は、払出制御用CPU371による払出制御処理における球貸中の処理を示すフローチャートである。球貸処理では、払出モータ289がオンしていなければオンする。なお、この実施の形態では、ステップS751のスイッチ処理で、球貸カウントスイッチ301Bの検出出力による遊技球の払出がなされたか否かの確認を行なうため、球貸制御処理では、貸球個数記憶の減算などは行なわれない。球貸制御処理において、払出制御用CPU371は、貸球通過待ち時間中であるか否かの確認を行なう(ステップS519)。貸球通過待ち時間中でなければ、貸球の払出を行ない(ステップS520)、払出モータ289の駆動を終了すべきか(1単位の払出動作が終了したか)否かの確認を行なう(ステップS521)。具体的には、所定個数の払出に対応した回転が完了したか否かを確認する。所定個数の払出に対応した回転は、払出モータ位置センサの出力によって監視される。所定個数の払出に対応した回転が完了した場合には、払出制御用CPU371は、払出モータ289の駆動を停止し(ステップS522)、貸球通過待ち時間の設定を行なう(ステップS523)。
【0215】
なお、ステップS520の球貸処理では、払出モータ位置センサのオンとオフとがタイマ監視されるが、所定時間以上のオン状態またはオフ状態が継続したら、払出制御用CPU371は、払出モータ球噛みエラーが生じたと判断する。
【0216】
ステップS519で貸球通過待ち時間中であれば、払出制御用CPU371は、貸球通過待ち時間が終了したか否かの確認を行なう(ステップS524)。貸球通過待ち時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払出されてから球貸カウントスイッチ301Bを通過するまでの時間である。貸球通過待ち時間の終了を確認すると、1単位の貸球はすべて払出された状態であるので、カードユニット50に対して次の球貸要求の受付が可能になったことを示すためにEXS信号をオフにする(ステップS524)。また、振分ソレノイドをオフするとともに(ステップS525)、払出モータ289をオフして(ステップS526)、さらに球貸処理中フラグをオンする(ステップS527)。なお、貸球通過待ち時間が経過するまでに最後の払出球が球貸カウントスイッチ301Bを通過しなかった場合には、球貸径路エラーとされる。また、この実施の形態では、賞球も球貸も同じ払出装置で行なわれる。
【0217】
なお、球貸要求の受付をEXS信号をオフした後、所定時間内に再び球貸要求信号であるBRQ信号がオンしたら、振分ソレノイドおよび払出モータをオフせずに球貸処理を実行するようにしてもよい。すなわち、所定単位(この例では100円単位)毎に球貸処理が行なわれるのではなく、球貸処理を連続して実行するように構成することもできる。
【0218】
貸球個数記憶の内容は、遊技機の電源が断しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源によって保存される。したがって、所定期間中に電源が回復すると、払出制御用CPU371は、貸球個数記憶の内容に基づいて球貸処理を継続することができる。
【0219】
図35および図36は、ステップ757の賞球制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、この例では、連続的な払出数の最大値を貸球の1単位と同数(本例では25個)としているが、他の数であってもよい。
【0220】
賞球制御処理において、払出制御用CPU371は、貸球払出中であるか否かの確認を行なう(ステップS531)。なお、この確認は、球貸処理中フラグの状態により判断される。貸球払出中でなければ賞球の払出中であるか否かを確認し(ステップS532)、賞球の払出中であれば図36に示す賞球中の処理に移行する。この確認は、後述する賞球処理中フラグの状態により判断される。
【0221】
貸球払出中でも賞球払出中でもなければ、払出制御用CPU371は、カードユニット50からの球貸準備要求があるか否かの確認を行なう(ステップS533)。なお、この確認は、払出制御用CPU371により、カードユニット50から入力されるPRDY信号のオン(要求あり)またはオフ(要求なし)を確認することにより行なわれる。
【0222】
カードユニット50からの球貸準備要求がなければ、払出制御用CPU371は、総合個数記憶に格納されている賞球数(未払出の賞球数)が0でないか否かの確認を行なう(ステップS533)。総合個数記憶に格納されている賞球数が0でなければ、賞球制御用CPU371は、賞球処理中フラグをオンし(ステップS535)、総合個数記憶の値が本例では25以上であるか否かの確認を行なう(ステップS536)。なお、賞球処理中フラグは、バックアップRAM領域に設定される。
【0223】
総合個数記憶に格納されている賞球数が25以上であると、払出制御用CPU371は、25個分の賞球を払出すまで払出モータ289を回転させるよう駆動信号出力するために、25個払出動作の設定を行なう(ステップS537)。一方、総合個数記憶に格納されている賞球数が25以上でなければ、払出制御用CPU371は、総合個数記憶に格納されているすべての遊技球を払出すまで払出モータ289を回転させるよう駆動信号出力するために、全個数払出動作の設定を行なう(ステップS538)。そして、ステップS537またはステップS538での設定に従って払出モータ289をオンする(ステップS538)。なお、振分ソレノイドはオフ状態であるため、球払出装置97の下方の球振分部材は賞球側に設定されている。そして、図36に示す賞球制御処理における賞球払出中の処理に移行する。
【0224】
図36は、払出制御用CPU371により払出制御処理における賞球中の処理の一例を示すフローチャートである。賞球制御処理では、払出モータ289がオンしていなければオンする。なお、この実施の形態では、ステップS751のスイッチ処理で、賞球カウントスイッチ301Aの検出出力による遊技球の払出がなされたか否かの確認を行なうため、賞球制御処理では総合個数記憶の減算などは行なわれない。賞球中の処理において、払出制御用CPU371は、賞球通過待ち時間中であるか否かの確認を行なう(ステップS540)。賞球通過待ち時間中でなければ、賞球払出を行ない(ステップS541)、払出モータ289の駆動を終了すべきか(本例では25個または25個未満の所定個数の払出動作が終了したか否かの確認を行なう(ステップS542)。具体的には、所定個数の払出に対応した回転が完了したか否かを確認する。所定個数の払出に対応した回転は、払出モータ位置センサの出力によって監視される。所定個数の払出に対応した回転が完了した場合には、払出制御用CPU371は、払出モータ289の駆動を停止し(ステップS543)、賞球通過待ち時間の設定を行なう(ステップS542)。賞球通過待ち時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払出されてから賞球カウントスイッチ301Aを通過するまでの時間である。
【0225】
一方、ステップS540を見て賞球通過待ち時間中であれば、払出制御用CPU371は、賞球通過待ち時間が終了したか否かの確認を行なう(ステップS544)。貸球通過待ち時間の終了を確認すると、ステップS537またはステップS538で設定された賞球がすべて払出された状態であるので、払出モータ289をオフするとともに(ステップS544)、賞球処理中フラグをオンする(ステップS546)。なお、賞球通過待ち時間が経過するまでに最後の払出球が賞球カウントスイッチ301Aを通過しなかった場合には、賞球径路エラーとされる。
【0226】
また、この実施の形態では、ステップS511、ステップS531の判断によって球貸が賞球処理よりも優先されることになるが、賞球処理が球貸に優先されるようにしてもよい。
【0227】
総合個数記憶および貸球個数記憶の内容は、遊技機の電源が断しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源によって保存される。したがって、所定期間中に電源が回復すると、払出制御用CPU371は、総合個数記憶の内容に基づいて払出処理を継続することができる。
【0228】
なお、払出制御用CPU371は、主基板31から指示された賞球個数を賞球個数記憶で総数として管理したが、賞球数毎(たとえば、15個、10個、5個)に管理してもよい。たとえば、賞球数毎に対応した個数カウンタを設け、払出個数指定コマンドを受信すると、そのコマンドで指定された個数に対応する個数カウンタを+1する。そして、個数カウンタに対応した賞球払出が行なわれると、その個数カウンタを−1する(この場合、払出制御処理にて減算処理を行なうようにする)。その場合にも、各個数カウンタはバックアップRAM領域に形成される。よって、遊技機の電源が断しても、所定期間中に電源を回復すれば、払出制御用CPU371は、各個数カウンタの内容に基づいて賞球払出処理を継続することができる。
【0229】
図37は、電源基板910の電源監視回路から電圧変化信号に基づくNMIに応じて実行される停電発生NMIの処理の一例を示すフローチャートである。なお、この実施の形態では、NMI割込番地は0066Hである。停電発生NMI処理において、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止フラグの内容をパリティフラグに格納する(ステップS801)。次いで、割込禁止に設定する(ステップS802)。停電発生NMI処理では、本例では主基板31において実行された処理と同様に、RAM内容の保存を確実にするためのチェックサムの生成処理を行なう。その処理中に他の割込処理が行なわれたのではチェックサムの生成処理が完了しないうちの払出制御用CPU371が動作し得ない電圧にまで低下してしまうことも考えられるので、まず、他の割込が生じないような設定がなされる。なお、停電発生NMI処理におけるステップS804〜S810は、電力供給停止時の処理の一例である。
【0230】
なお、割込処理中では他の割込がかからないような仕様のCPUを用いている場合には、ステップS802の処理は不要である。
【0231】
次いで、払出制御用CPU371は、バックアップフラグが既にセットされているか否かを確認する(ステップS803)。バックアップフラグが既にセットされていれば、以後の処理を行なわない。バックアップフラグがセットされていなければ、以下の電力供給停止時処理を実行する。すなわち、ステップS804からステップS810の処理を実行する。
【0232】
まず、各レジスタの内容をバックアップRAM領域に格納する(ステップS804)。その後、バックアップフラグをセットする(ステップS805)。そして、バックアップRAM領域のバックアップチェックデータ領域に適当な初期値を設定し(ステップS806)、初期値およびバックアップRAM領域のデータについて順次排他的論理和をとった後判定し(ステップS807)、最終的な演算値をバックアップパリティデータ領域に設定する(ステップS808)。また、RAMアクセス禁止状態にする(ステップS809)。さらに、すべての出力ポートをオフ状態にする(ステップS810)。電源電圧が低下していくときには、各種信号線のレベルが不安定になってRAM内容が化ける可能性があるが、このようにRAMアクセス禁止状態にしておけば、バックアップRAM内のデータが化けることはない。
【0233】
次いで、払出制御用CPU371は、ループ処理に入る。すなわち何らの処理もしない状態になる。したがって、図21に示されたリセットIC976からのシステムリセット信号によって外部から動作禁止状態にされる前に、内部的に動作停止状態になる。よって、電源断時に確実に払出制御用CPU371は動作を停止する。その結果、上述したRAMアクセス禁止の制御および動作停止制御によって、電源電圧が低下していくことに伴って生ずる可能性がある異常動作に起因するRAMの内容破壊等を確実に防止することができる。
【0234】
なお、この実施の形態では、停電発生NMI処理では、最終部でプログラムをループ状態にしたが、ホールト(HALT)命令を発行するように構成してもよい。
【0235】
また、レジスタの内容をRAM領域に格納した後にセットされるバックアップフラグは、上述したように電源投入時において復旧すべきバックアップデータがあるか否か(停電からの復旧か否か)を判断する際に使用される。また、ステップS801からS810の処理は、払出制御用CPU371がシステムリセット回路975からのシステムリセット信号を受ける前に完了する。換言すれば、システムリセット回路975からのシステムリセット信号を受ける前に完了するように、電圧監視回路の検出電圧の設定が行なわれている。
【0236】
この実施の形態では、電力供給停止時処理開始時に、バックアップフラグの確認が行なわれる。そして、バックアップフラグが既にセットされている場合には電力供給停止時処理を実行しない。上述したように、バックアップフラグは、必要なデータのバックアップが完了し、その後電力供給停止時処理が完了したことを示すフラグである。したがって、たとえば、リセット待ちのループ状態で何らかの原因でサイドNMIが発生したとしても電力供給停止時処理が重複して実行されてしまうようなことはない。
【0237】
ただし、割込処理中では他の割込がかからないような仕様のCPUを用いている場合には、ステップS803の判断は不要である。
【0238】
また、この実施の形態では、払出制御用CPU371は、マスク不能外部割込端子(NMI端子)を介して電源基板からのNMI割込信号(電源監視手段からのNMI割込信号)を検知したが、NMI割込信号をマスク可能割込端子(IRQ端子)に導入してもよい。その場合には、IRQ処理によって、図37に示された停電発生NMI処理が実行される。また、入力ポートを介してNMI割込信号を検知してもよい。その場合には、払出制御用CPU371が実行するメイン処理において、入力ポートの監視が行なわれる。
【0239】
図38は、バックアップパリティデータ作成方法の一例を説明するための説明図である。ただし、図38に示す例では、簡単のために、バックアップデータRAM領域のデータのサイズを3バイトとする。電源電圧低下に基づく停電発生処理において、図38に示すように、バックアップチェックデータ領域に、初期データ(この例では00H)が設定される。次に、「00H」と「F0H」との排他的論理和がとられ、その結果と「16H」の排他的論理和がとられる。さらに、その結果と「DFH」との排他的論理和がとられる。そして、その結果(この例では「39H」)を反転して得られた値(この例では「C6H」)がバックアップパリティデータ領域に設定される。
【0240】
電源が再投入されたときには、停電復旧処理においてパリティ診断が行なわれる。バックアップ領域の全データがそのまま保存されていれば、電源再投入時に、図38に示すようなデータがバックアップ領域に設定されている。
【0241】
ステップS704の処理において、払出制御用CPU371は、図37のステップS806およびステップS807にて実行された処理と同様の処理を行なう。すなわち、バックアップチェックデータ領域に、初期データ(この例では00H)が設定され、「00H」と「F0H」との排他的論理和がとられ、その結果と「16H」との排他的論理和がとられる。さらに、その結果と「DFH」との排他的論理和がとられる。そして、その結果(この例では「39H」)を反転した最終演算結果を得る。バックアップ領域の全データがそのまま保存されていれば、最終的な演算結果は、「C6H」、すなわち、バックアップチェックデータ領域に設定されているデータと一致する。バックアップRAM領域内のデータにビット誤りが生じた場合には、最終的な演算結果は「C6H」にならない。
【0242】
よって、払出制御用CPU371は、最終的な演算結果とバックアップチェックデータ領域に設定されているデータとを比較して、一致すればパリティ診断正常とする。一致しなければパリティ診断異常とする。
【0243】
以上のように、この実施の形態では、払出制御手段には、遊技機の電源が断しても、所定期間電源バックアップされる記憶手段(この例ではバックアップRAM)が設けられ、電源投入時に、払出制御用CPU371(具体的には払出制御用CPU371が実行するプログラム)は、記憶手段がバックアップ状態にあればバックアップデータに基づいて払出状態を回復させる払出状態復旧処理(ステップS706)を行なうように構成される。
【0244】
以下、払出復旧処理について説明する。
図39は、図22のステップS706に示された払出状態復旧処理の一例を示すフローチャートである。この例では、払出制御用CPU371は、バックアップRAMに保存されていた値をレジスタに復元する(ステップS861)。そして、バックアップRAMに保存されていたデータに基づいて停電時の払出状態を復旧するための処理を行なう。たとえば、賞球中処理中フラグのセット等を行なう。
【0245】
払出状態を復帰させると、この実施の形態では、払出制御用CPU371は、前回の電源断時の割込許可/禁止状態を復帰させるため、バックアップRAMに保存されていたパリティフラグの値を確認する(ステップS862)。パリティフラグがクリアであれば、割込許可設定を行なう(ステップS863)。一方、パリティフラグがオンであれば、そのまま(ステップS701aで設定された割込禁止状態のまま)払出状態復旧処理を終える。
【0246】
なお、ここでは、払出状態復旧処理が終了すると払出制御メイン処理にリターンするように払出状態復旧処理プログラムが構成されているが、電力供給停止時処理において保存されているスタックポインタから出すスタックエリア(バックアップRAM領域にある)に記憶されているアドレス(電源断時のNMI割込発生時に実行されていたアドレス)に戻るようにしてもよい。
【0247】
上述したように、初期設定処理を開始した後、払出状態復旧処理を終える前まで、または、初期化処理を終える前までは、割込禁止状態とする構成としたことで、割込により処理が中断されることを防止することができるため、初期設定、バックアップデータ記憶領域の内容に応じて行なわれる電源断時の払出状態に復旧させるか否かの判断、および復旧処理(または初期化処理)を確実に完了させることができる。なお、上記のように復旧処理を終える前まで割込禁止状態とする構成とした場合であっても、電源断時の割込禁止/許可状態はパリティフラグによりバックアップしているため、復旧処理において電源断時の割込禁止/許可状態を確実に復旧させることができる。
【0248】
図40は、遊技機の電源断時の電源低下やNMI割込信号(ここでは、電源断信号)の様子を示すタイミング図である。遊技機に対する電力供給が絶たれると、最も高い直流電源電圧であるVSLの電圧値は徐々に低下する。そして、この例では、+22Vまで低下すると、電源基板910に搭載されている電源監視用CI902から電源断信号(電圧低下信号)が出力される(ローレベルになる)。
【0249】
電源断信号は、電気部品制御基板(図40に示す例では主基板31および払出制御基板37)に導入され、CPU56および払出制御用CPU371のNMI端子に入力される。CPU56および払出制御用CPU371は、上述したNNMI処理によって、所定の電力供給停止時処理を実行する。
【0250】
VSLの電圧値がさらに低下して所定値(この例では+9V)にまで低下すると、主基板31や払出制御基板37に搭載されているリセットIC651の出力がローレベルになり、CPU56および払出制御用CPU371がシステムリセット状態になる。なお、CPU56および払出制御用CPU371は、システムリセット状態とされる前に、電力供給停止時処理を完了している。
【0251】
VSLの電圧値がさらに低下してVcc(各種回路を駆動するための+5V)を生成することが可能な電圧を下回ると、各基板において各種回路が動作できない状態となる。しかし、少なくとも主基板31や払出制御基板37では、電力供給停止時処理が実行され、CPU56および払出制御用CPU371がシステムリセット状態とされている。
【0252】
リセットIC976が電源断を検知するための所定値は、CPU371を動作させる通常時の電圧より低いが、払出制御用CPU371がしばらくの間動作し得る程度の電圧である。また、リセットIC976が払出制御用CPU371が必要とする電圧(この例では+5V)よりも高い電圧を監視するように監視されているので、払出制御用CPU371が必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。したがってより精密な監視を行なうことができる。
【0253】
また、この実施の形態では、電源基板910に搭載されている電源監視回路が、遊技機で使用される直流電圧のうち最も高い電源VSLの電圧を監視して、その電源の電圧が所定値を下回ったら電圧低下信号(電源断検出信号)を発生する。図40に示すように、電源断検出信号から出力されるタイミングでは、IC駆動電圧は、まだ各種回路素子を十分駆動できる電圧値になっている。したがって、IC駆動電圧で動作する払出制御基板37の払出制御用CPU371が所定の電力供給停止処理を行なうための動作時間が確保されている。
【0254】
なお、ここでも、電源監視回路は、遊技機で使用される直流電圧のうちで最も高い電源VSLの電圧を監視することになるが、電源断検出信号を発生するタイミングが、IC駆動電圧で動作する電気部品制御手段が所定の電力供給停止時処理を行なうための動作時間が確保されるようなタイミングであれば、監視対象電圧は、最も高い電源VSLの電圧でなくてもよい。すなわち、少なくともにIC駆動電圧よりも高い電圧を監視すれば、電気部品制御手段が所定の電力供給停止時処理を行なうための動作時間が確保されるようなタイミングで電源断検出信号を発生することができる。
【0255】
この場合、上述したように、監視対象電圧は、賞球カウントスイッチ301A等の遊技機の各種スイッチに供給される電圧が+12Vであることから、電源断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる電圧であることは好ましい。すなわち、スイッチに供給される電圧(スイッチ電圧)である+12V電源電圧が落ち始める以前の段階で、電圧低下を検出できることが望ましい。よって、少なくともスイッチ電圧よりも高い電圧を監視することが好ましい。
【0256】
ただし、監視範囲が狭まるが、電圧監視回路および他の電圧監視回路の監視電圧として+5V電源電圧を用いることも可能である。その場合にも、電圧監視回路の検出電位は、他の電圧監視回路の検出電位よりも高く設定されている。
【0257】
以上説明したようにバックアップデータの有無により電源断時の状態に復旧するか否かの判別を行なうようにしたことで、停電後の電源復旧時などにおいて電源投入されたときに、バックアップデータ記憶領域の内容に応じて電源断時のデータに復旧されるか否かの判断を行なうことができる。したがって、バックアップデータに基づく制御を実現することができるとともに、不必要な復旧処理の実行を防止することができる。
【0258】
また、上述したようにバックアップデータの状態により電源断時の状態に復旧するか否かの判断を行なうようにしたことで、停電後の電源復旧時などにおいて電源投入されたときに、バックアップデータ記憶領域の内容のデータに応じて電源断時の状態に復旧させるか否かの判断を行なうことができる。したがって、正常なバックアップデータに基づく制御を実現することができるとともに、異常が発生したバックアップデータに基づく復旧処理の実行を防止することができる。
【0259】
また、上述したように初期設定処理を開始した後、復旧処理を終える前まで、また初期処理を終える前までの値(初期準備処理の間は、)は、割込禁止状態とする構成としたことで、割込により処理が中断されることを防止することができるため、初期設定、バックアップデータ記憶領域内の内容に応じて行なわれる電源断時の状態に復旧されるか否かの判断、および復旧処理(または初期化処理)を確実に完了させることができる。なお、上記のような復旧処理を終える前まで割込禁止状態とする構成とした場合であっても、電源断時の割込禁止/許可状態をパリティフラグによりバックアップしているため、復旧処理において電源断時の割込禁止/許可状態を確実に復旧させることができる。この場合、上記初期準備処理において含まれる処理は一例であり、初期準備処理はたとえば、初期設定処理を監視した後バックアップデータに基づく復旧を行なうか否かを決定するまでの間の処理など、上述した処理の一部であってもよい。
【0260】
なお、上述した各実施の形態では、電源監視手段は、電源基板および電気部品制御基板のいずれかに設置されたが、どこに設置されていてもよく、遊技機の構造上の都合に応じて任意位置に設置することができる。
【0261】
そして、上記の各実施の形態では、記憶手段としてRAMを用いた場合を示したが、記憶手段として、電気的に書換が可能な記憶手段であればRAM以外のものを用いてもよい。
【0262】
また、上述した各実施の形態では、遊技制御手段以外の他の電気部品制御手段として払出制御手段を示したが、表示制御手段、音声制御手段およびランプ制御手段についても、上述した制御を行なうように構成してもよい。
【0263】
また、上述実施の形態では、電源監視回路は、電源基板910に設けられたが、電源監視回路は、主基板31や払出基板37の電気部品制御基板に設けられていてもよい。なお、電源回路が搭載された電気部品制御基板が構成される場合には、電源基板には、電源監視回路が搭載されない。
【0264】
上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞に基づいて可変表示部9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄に組合せとなると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞に基づいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0265】
さらに、パチンコ遊技機にとらわれず、スロット遊技機等においても、電源投入による電源断時に電源断直前のデータをバックアップRAM等に保存し、電源復旧時に保存データに基づく制御再開処理を行なうように構成されている場合などには本発明を適用することができる。たとえば、スロット遊技機に適用した場合には、内部フラグ(ビッグ、レギュラー、小役などのフラグ)やビッグ中などの状態を復旧させることができる。
【0266】
上記電力監視手段は、電圧の所定の値以下になったときに信号を送り出すようにしたが、電圧が所定の値以上になったときに信号を出力するようにしてもよい。それにより、IC等の電気回路の損傷を防止できるとともに、消費電力の無駄を防止するようなことも可能となる。
【0267】
次に、図41を用いてスイッチ入力を説明する。パチンコ遊技機1に設けられているスイッチは、遊技球の通過を検知するためのスイッチ、賞球を検知するためのスイッチ、遊技球の状態を検知するためのスイッチに分類される。遊技球の通過を検知するためのスイッチとしては、入賞口スイッチ24a(左袖入賞口スイッチ,右袖入賞口スイッチ)、入賞口スイッチ19a(左落し入賞口スイッチ,右落し入賞口スイッチ)、始動口スイッチ17(第1種始動口スイッチ)、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22(特定領域スイッチ)、ゲートスイッチ12が設けられている。賞球を検知するためのスイッチとしては、賞球個数カウントスイッチ301A,301Bが設けられている。遊技球の状態を検知するためのスイッチとしては、満タンスイッチ48、球切れ検出スイッチ167、球切れスイッチ187a,187bが設けられている。
【0268】
まず、図41を用いて、始動口スイッチ17(第1種始動口スイッチ)について説明する。始動口スイッチ17(第1種始動口スイッチ)は、スイッチチェック処理で2回連続通過信号を検知した場合にオンと判定される、図41に示すような処理が行なわれる。それにより、特別図柄の変動に使用する乱数等を入賞記憶数に対応したバッファに格納する処理が行なわれる。また、第1種始動口入賞記憶カウンタが更新(+1)され、賞球コマンド格納バッファに賞球個数コマンド(5個)が格納され、普通電動役物の作動中のみ、普通電動役物入賞個数カウンタを更新(+1)する処理がなされる。
【0269】
次に、図42を用いて、カウントスイッチ23について説明する。カウントスイッチ23は、スイッチチェック処理で2回連続通過信号を検知した場合にオンと判定される。大入賞口が開口、すなわち、開閉板20の開放中のみ可変入賞球個数カウンタを更新(+1)する処理がなされ、賞球コマンド格納バッファに賞球個数コマンド(15個)を格納する処理がなされる。
【0270】
次に、図43を用いて、Vカウントスイッチ22(特定領域スイッチ)について説明する。Vカウントスイッチ22(特定領域スイッチ)は、スイッチチェック処理で2回連続通過信号を検知した場合にオンと判定される。特定領域の有効時間中のみスイッチ通過フラグに遊技球の特定領域通過を設定する処理がなされる。
【0271】
次に、図44を用いて、ゲートスイッチ12を説明する。ゲートスイッチ12は、スイッチチェック処理で2回連続通過信号を検知した場合にオンと判定される。それにより、普通図柄判定用乱数カウンタが抽出されて通過記憶数に応じた普通図柄判定用バッファに格納される。また、ゲート通過記憶カウンタを更新(+1)する処理がなされる。
【0272】
次に、図45を用いて、入賞口スイッチ24a(左袖入賞口スイッチ,右袖入賞口スイッチ)、入賞口スイッチ19a(左落し入賞口スイッチ,右落し入賞口スイッチ)について説明する。入賞口スイッチ24a(左袖入賞口スイッチ、右袖入賞口スイッチ)および入賞口スイッチ19a(左落し入賞口スイッチ,右落し入賞口スイッチ)は、それぞれスイッチチェック処理で2回連続通過信号を検知した場合にオンと判定される。それにより、賞球コマンド格納バッファに賞球個数コマンド(10個)が格納される。
【0273】
次に、図46を用いて、賞球個数カウントスイッチ301A,301Bについて説明する。賞球個数カウントスイッチ301A,301Bは、スイッチチェック処理で2回連続通過信号を検知した場合にオンと判定される。それにより、総賞球数格納バッファを1減算する処理がなされる。
【0274】
次に、図47を用いて、満タンスイッチ48について説明する。満タンスイッチ48は、スイッチチェック処理で50回連続オン信号を検知した場合にオンと判定され、すなわち、余剰球受皿4が満タンであると判定され、1回でもオフ信号を検出した場合はオフと判定されるすなわち、余剰球受皿4が満タンでないと判定される。それにより、オンと判定された場合は払出停止コマンドが送信され、オフと判定された場合は払出停止解除コマンドが送信される。
【0275】
次に、図48を用いて、球切れスイッチ167または球切れ検出機187a,187bについて説明する。球切れスイッチ167または球切れ検出機187a,187bは、スイッチチェック処理で250回連続オン信号を検知した場合にオンと判定され、30回連続オフ信号を検出した場合はオフと判定される。それにより、オン、すなわち、球切れ解消と判定された場合は払出停止解除コマンドが送信され、オフ、すなわち、球切れと判定された場合は払出停止コマンドが送信される。
【0276】
次に、図49および図50を用いて、主基板31で行われる処理のフローチャートを説明する。まず、図49を用いて、満タンチェック処理について説明する。満タンチェック処理においては、まず、満タンスイッチタイマのアドレスをポインタにセットする(SX269)。次に、満タンオフ指定値(00H)をセットする(SX270)。次に、ポインタの指す満タンスイッチタイマをロードする(SX271)。次に、満タンスイッチタイマと満タンスイッチオン判定値(50)とを比較する(SX272)。すなわち、満タンスイッチタイマの値<満タンスイッチオン判定値(50)を判別し、YESと判定されれば一旦満タンチェック処理を終了しから再び満タンチェック処理を繰り返すが、NOと判定されれば満タンオン指定値(01H)をセット(SX274)してから満タンチェック処理を終了する(SX273)。
【0277】
次に、図50を用いて球切れチェック処理を説明する。球切れチェック処理においては、まず、SX107で球切れスイッチタイマをロードする。球切れスイッチタイマは、球切れスイッチ187が「1」を連続して検出した回数(球有りを検出している期間)が格納される。なお、この「1」を連続して検出した回数、すなわち、1カウントは2msに相当する。球切れ検出スイッチ187が球有りを検出している場合には、SX108で、球切れスイッチタイマが「0」以外となっているため、SX116に進み、球切れスイッチオフ判定値(30)を球切れ解除スイッチタイマに設定する。球切れ解除スイッチタイマは、球切れスイッチ187のオフ検出により球切れのオフを認識するまでの回数(すなわち、球切れスイッチ187が球無しを検出している期間)が格納されている。なお、この回数、すなわち、1カウントは2msに相当する。SX117では、、球切れスイッチタイマのカウント値が「250」に達しているか否か(すなわち、球切れスイッチ187の球有り検出により、球有りと判定する期間が経過しているか否か)が判定され、「250」以外の値であればこの処理を終了する。また、球切れカウンタのカウント値が「250」でれば、球切れ検出期間の経過に基づき球有りと判定してSX119に進み、球切れフラグの状態を参照する。SX120で球切れフラグが「0」(すなわち、球有りと判定されている状態)である場合には、球切れチェック処理を終了する。球切れフラグが「0」以外(すなわち、球切れ状態であったが、球有りの検出により解消されたと判定した場合)であればSX121に進み、球切れフラグに「0」を設定し、SX122で球切れ解除のランプコマンドをランプ制御基板35に出力するための処理がなされる(SX122)。また、主基板31が払出を停止するためのコマンドを賞球球貸基板37(払出制御基板)に出力するための処理も行なわれる(SX123)。
【0278】
また、球切れスイッチ187が球無しを検出している場合には、球切れスイッチタイマに「0」が設定されているため、SX108において、球切れスイッチタイマが「0」であると判断され、SX109に進み、球切れフラグの状態が参照される。球切れフラグが「1」(すなわち、球切れスイッチ187が球切れを検出していて、さらに球切れであると判定されている状態)であれば、球切れチェック処理を終了する。球切れフラグが「0」(すなわち、球切れスイッチ187が球切れを検出しているが、未だ球切れであると判定していない状態)である場合には、SX111に進み、球切れ解除スイッチタイマを「1」減算する。球切れスイッチタイマにはSX116で「30」が設定されており、この値から「1」づつ減算する。減算の結果、SX112において球切れ解除スイッチタイマが「0」でない場合(すなわち、球切れスイッチ187により球切れを検出しているが未だ球切れ発生と判定する検出期間に達していない状態)には、SX113に進み、球切れフラグに球切れ発生を示すための球切れオン指定値(01H)が設定され、SX114で球切れ中であることを示すための球切れランプコマンドを主基板31からランプ制御基板35に送信するための処理がなされる。また、主基板31から賞球球貸基板(払出制御基板)37に払出停止を示すためのコマンドを送信するための処理も行なわれる。
【0279】
次に、図51〜図67を用いて、主基板31が行なう処理の詳細について説明する。
【0280】
次に、図51を用いて、エラー処理について説明する。エラー処理においては、まず、エラーフラグのアドレスをポインタにセットする(SX132)。次に、ポインタの指すエラーフラグのカウントスイッチ断線エラービット位置(0)をクリアする(SX133)。次に、ポインタの指すエラーフラグのカウントスイッチ短絡エラービット位置(1)をクリアする(SX134)。次に、カウントスイッチタイマをロードする(SX135)。
【0281】
次に、カウントスイッチタイマ(カウントスイッチ23が「1」(球の通過)を連続して検出した回数をカウントするタイマ)とカウントスイッチ断線エラー判定値(250)とを比較する(SX136)。カウントスイッチタイマとカウントスイッチ断線エラー判定値(250)との大小関係が判別され(SX137)、カウントスイッチタイマがカウントスイッチ断線エラー判定値(250)よりも小さければSX139に進み、カウントスイッチ短絡監視タイマ(カウントスイッチの短絡を連続して検出した回数をカウントするタイマ)をロードするが、カウントスイッチタイマがカウントスイッチ断線エラー判定値(250)よりも大きければ、SX138に進み、ポインタの指すエラーフラグのカウントスイッチ断線エラービット位置(0)をセットしてから、SX139に進む。
【0282】
次に、カウントスイッチ短絡開始タイマとカウントスイッチ短絡エラー判定値(1)とを比較する(SX140)。カウントスイッチ短絡監視タイマがカウントスイッチ短絡エラー判定値(1)よりも大きいか小さいかが判別され、カウントスイッチ短絡監視タイマがカウントスイッチ短絡エラー判定値(1)よりも大きければ、クリアデータ(00H)をセットする(SX142)。次に、クリアデータ(00H)をカウントスイッチタイマにストアする(SX143)。次に、ポインタの指すエラーフラグのカウントスイッチ短絡エラービット位置(1)をセットする(SX144)。
【0283】
また、SX141において、カウントスイッチ短絡監視タイマの値がカウントスイッチ短絡エラー判定値(1)よりも小さければ、SX142〜SX144までの処理を行なわずにSX145に進み、ポインタの指すエラーフラグをロードする。次に、エラーフラグの状態をフラグレジスタに反映する(SX146)。
【0284】
次に、エラー未検出か否かが判別される(SX147)。SX147においてYESであれば図53に示すSX151に進むが、SX147において、エラー未検出でなければ、遊技状態ランプバッファがエラーランプ(03H)と等しいかどうかが判別され、等しければエラー処理を処理を終了するが、等しくなければSX149に進み、エラーランプ(03H)をセットする。その後、SX150においてコマンドセット処理を行なってからエラー処理を終了する。エラーランプ(03H)を設定することで遊技領域7に設けられたランプがエラー時の態様で点灯する。
【0285】
次に、図52を用いて、図51のSX147において、YESと判定された場合の処理について説明する。SX151においては遊技状態ランプバッファ≠エラーランプ(03H)を判別する。SX151においてYESであればエラー処理を最初から繰り返し、SX151においてNOであればSX152に進みエラーランプ解除をセットする。その後、SX153においてコマンドセット処理がなされてからエラー処理を終了する。
【0286】
なお、アドレス07Hに対応するビット、データ内容、方向、論理および状態は図53に示すようになっている。
【0287】
次に、図54を用いて、特別図柄プロセス処理を説明する。特別図柄プロセス処理においては、まず、エラーが発生したか否かが判別される(SX154)。エラーが発生していれば、特別図柄プロセス処理を終了するが、エラーが発生していなければSX155に進み、変動短縮タイマ減算処理を行なう。次に、始動口スイッチ17(第1種始動口スイッチ)タイマ(始動口スイッチ17が「1」(球の検出)を連続して検出した回数をカウントするタイマ)をロードする(SX156)。次に、SX157において始動口スイッチ17(第1種始動口スイッチ)タイマとスイッチオン判定値(2)とを比較する。
【0288】
始動口スイッチ17(第1種始動口スイッチ)タイマ=スイッチオン判定値(2)であるか否かが判別され(SX158)、YESであればSX159に進み第1種始動口スイッチ通過処理がなされるが、SX158においてNOであれば、SX159の処理を行なわずSX160に進み特別図柄プロセスコードを決定する。
【0289】
次に、図55に示すSX161〜SX170に示される処理のいずれか1つを行なう。SX161においては特別図柄通常処理がなされ、SX162においては特別図柄大当り判定処理がなされ、SX163においては、特別図柄停止図柄設定処理がなされ、SX164においては変動パターン設定処理がなされ、SX165においては特別図柄変動処理がなされ、SX166においては特別図柄停止処理がなされ、SX167においては大入賞口開放前処理がなされ、SX168においては大入賞口開放中処理がなされ、SX169においては、特定領域有効時間処理がなされ、SX170においては大当り終了処理がなされる。いずれの処理においても処理が終了した後は特別図柄プロセス処理を終了する。
【0290】
次に、図56を用いて、普通図柄プロセス処理を説明する。普通図柄プロセス処理においては、まず、エラーが発生したか否かが判別され(SX171)、YESであれば普通図柄プロセス処理を終了するが、NOであればSX172に進み、ゲートスイッチタイマ(ゲートスイッチ12が「1」(球の検出)を連続して検出した回数をカウントするタイマ)をロードする。次に、SX173においてゲートスイッチ12タイマとスイッチオン判定値(2)とを比較する。ゲートスイッチ12タイマ=スイッチオン判定値(2)であるか否かが判別され(SX174)、YESであればSX175においてゲートスイッチ通過処理がなされ、NOであればSX175の処理を行なわずSX176に進み普通図柄プロセスコードを設定する。
【0291】
次に、SX177においては普通図柄通常処理が行なわれ、SX178においては普通図柄判定処理が行なわれ、SX179においては普通図柄変動処理が行なわれ、SX180においては普通図柄停止処理が行なわれ、SX181においては普通電動役物作動処理が行なわれる。SX177〜SX181のそれぞれの処理においては、いずれか1の処理が選択して行なわれ、それぞれの処理が終了すれば普通図柄プロセス処理が最初から繰り返される。
【0292】
次に、図57を用いて、情報出力処理を説明する。情報出力処理においては、まず、情報バッファに初期値(00H)をセットする(SX182)。次に、始動口情報記憶カウンタのアドレスをセットする(SX183)。次に、始動口スイッチ17(第1種始動口スイッチ)タイマをロードする(SX184)。次に、始動口スイッチ17(第1種始動口スイッチ)タイマとスイッチオン判定値(2)とを比較する(SX185)。始動口スイッチ17(第1種始動口スイッチ)タイマがスイッチオン判定値(2)と異なるか否かが判別され(SX186)、NOであれば始動口情報記憶カウンタを1加算する(SX187)。次に、SX188において最大値(FFH)を超えたか否かが判別され、YESであればSX189に進み始動口情報記憶カウンタを1減算する。
【0293】
また、SX186においてYESであればSX187、SX188およびSX189の処理を行なわずにSX190に進む。また、SX188においてもNOと判別された場合にはSX189の処理を行なわずSX190に進む。SX190においては始動口情報記憶タイマLOWと始動口情報記憶タイマHIをロードする。次に、ゼロフラグ=0であるか否かが判別され(SX191)、NOであればSX192に進みポインタの指す始動口情報記憶カウンタをロードする。次に、始動口情報記憶カウンタの状態をフラグレジスタに反映する(SX193)。
【0294】
次に、ゼロフラグが「1」か否かが判別され(SX194)、YESであればSX206に進むが、NOであればSX195に進む。SX195においては、ポインタの指す始動口情報記憶カウンタを1減算する。次に、始動口情報動作時間(FAFAH)をセットする(SX196)。次に、SX197に進み始動口情報記憶タイマHIを比較値にセットする。
【0295】
また、SX191においてYESと判定された場合にはSX197に進み始動口情報記憶タイマHIを比較値にセットする。次に、ゼロフラグが1か否かが判別され(SX198)、NOであれば比較値を1減算する(SX199)。次に、比較値を始動口情報記憶タイマHIにセットする(SX200)。次に、情報バッファの始動口情報出力ビット位置(0)をセットする(SX201)。また、SX198においてYESと判定された場合には、始動口情報記憶タイマLOWを比較値にセットする(SX202)。次に、比較値を1減算する(SX203)。次に、比較値を始動口情報記憶タイマLOWにセットする(SX204)。SX201またはSX204の処理が終了した後は、SX205に進み、始動口情報記憶タイマをストアする。
【0296】
次に、ポインタを1加算する(SX206)。ポインタの指す特別図柄停止情報タイマをロードする(SX207)。次に、特別図柄停止情報タイマの状態をフラグレジスタに反映する(SX208)。次に、図58のSX209に進み、ゼロフラグが「1」か否かが判別される。SX209においてNOであれば、ポインタの指す特別図柄停止情報タイマを1減算する。次に、情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置(1)をセットする(SX211)。また、SX209においてYESと判別された場合には、SX210およびSX211の処理を行なわずにSX212に進む。SX212においてポインタを1加算する。次に、ポインタの指す普通図柄停止情報タイマをロードする(SX213)。
【0297】
次に、普通図柄停止情報タイマの状態をフラグレジスタに反映する(SX214)。次に、ゼロフラグが「1」か否かが判別され(SX215)、NOであればポインタの指す普通図柄停止情報タイマを1減算する(SX216)。次に、SX217において、情報バッファの図柄確定回数2出力ビット位置(5)をセットする(SX217)。また、SX215においてYESと判別された場合にはSX216およびSX217を行なわずにSX218に進みポインタを1加算する。次に、ポインタの指す大当り中情報バッファをセットバッファにロードする(SX219)。
【0298】
次に、セットバッファと情報バッファとの論理和をとる(SX220)。次に、セットバッファを情報バッファにセットする(SX221)。次に、状態チェック処理を行なう(SX222)。次に、ゼロフラグが「0」か否かが判別され(SX223)、「0」でなければSX224に進み、情報バッファをセットバッファにセットする。次に、SX225に進みセットバッファと確率変動出力ビットおよび大当り2出力ビットの論理和をとる。次に、セットバッファを情報バッファにセットする(SX226)。
【0299】
また、SX223においてYESと判別された場合にはSX224、SX225、SX226の処理を行なわずにSX227に進み、ポインタを1加算する。次に、ポインタの指す普通電動役物作動情報バッファをセットバッファにロードする(SX228)。次に、セットバッファと情報バッファとの論理和をとる(SX229)。次に、セットバッファを情報バッファにセットする(SX230)。次に、賞球カウントスイッチタイマをロードする(SX231)。次に、賞球カウントスイッチタイマとスイッチオン判定値(2)とを比較する(SX232)。
【0300】
次に、賞球カウントスイッチタイマとスイッチオン判定値(2)とが異なるか否かが判別され、異なれば後述する図59のSX243に進むが、賞球カウントスイッチタイマとスイッチオン判定値(2)とが同一であれば、SX234に進み賞球個数情報カウンタをロードする。次に、賞球個数情報カウンタを1加算する(SX235)。次に、賞球個数情報カウンタと「10」とを比較する(SX236)。次に、賞球個数情報カウンタが「10」より小さいか否かが判別され(SX237)、NOであればSX238に進み賞球情報カウンタをロードする。次に、賞球情報カウンタを1加算する(SX239)。次に、賞球情報カウンタをストアする(SX240)。次に、クリアデータ(00H)をセットする(SX241)。
【0301】
次に、SX242に進むが、SX237においてYESと判別されれば、SX238〜SX241の処理を行なわずにSX242にて、賞球個数情報カウンタをストアする。次に、図59のSX243に進み、賞球情報タイマをロードする。次に、賞球情報タイマの状態フラグをレジスタに反映する(SX244)。次に、ゼロフラグが「0」か否かが判別され(SX245)、NOであればSX246に進み賞球情報カウンタをロードする。次に、賞球情報カウンタの状態をフラグレジスタに反映する(SX247)。次に、ゼロフラグが「1」か否かが判別され(SX248)、NOであればSX249に進み、賞球情報カウンタを1減算する。
【0302】
次に、賞球情報カウンタをストアする(SX250)。次に、賞球情報動作時間(100)をセットする。次に、SX252に進むが、SX245においてYESと判別された場合にはSX246〜SX251の処理を行なわずにSX252に進み、賞球情報タイマと賞球情報オン出力判定値(51)とを比較する。次に、SX253に進み賞球情報タイマと賞球情報オン出力判定値(51)との大小関係が判別され、賞球情報タイマの方が大きければ、SX254に進み情報バッファの賞球情報出力ビット位置をセットする。
【0303】
次に、SX254に進むが、SX253において、賞球情報タイマの方が小さければ、SX254の処理を行なわずにSX255に進み賞球情報タイマを1減算する。次に、賞球情報タイマをストアする(SX256)。次に、SX257に進むが、SX248においてYESと判別された場合には、SX249〜SX256の処理を行なわずにSX257に進み、賞球バッファを出力値にセットする。次に、出力値ポート5に出力した(SX258)後、出力情報処理を終了する。
【0304】
次に、図60を用いて、賞球個数コマンド格納処理を説明する。賞球個数コマンド格納処理においては、まず、賞球コマンドテーブルのアドレスをコマンドポインタにセットする(SX277)。次に、入賞口スイッチ17(左袖入賞口スイッチ)タイマのアドレススイッチをチェックポインタにセットする(SX278)。次に、6を処理数にセットする(SX279)。次に、チェックポインタの指すスイッチタイマをロードする(SX280)。次に、スイッチタイマとスイッチオン判定値(02H)とを比較する(SX281)。
【0305】
次に、スイッチタイマがスイッチオン判定値(02H)と異なるか否かが判別され(SX282)、異なっていなければSX283に進み、コマンドポインタの指す賞球払出コマンドをセットする。次に、賞球払出コマンドを格納ポインタの指す賞球コマンド格納バッファにストアする(SX284)。次に、賞球コマンド格納バッファは最終バッファか否かが判別され、最終バッファであればSX286に進み賞球コマンド格納バッファ1をセットする。
【0306】
また、SX285においてNOであればSX286の処理を行なわずにSX287に進むが、SX282においても、YESであればSX283〜SX286の処理を行なわずにSX287に進む。次に、SX287においては、チェックポインタを1加算する。次に、コマンドポインタを1加算する(SX288)。次に、処理数を1減算し、処理数が「0」であるか否かが判別され、「0」でなければSX280に戻りSX280〜SX287の処理を繰返すが、SX289において処理数が「0」であれば賞球個数コマンド格納処理を終了する。
【0307】
次に、図61を用いて、賞球個数減算処理を説明する。賞球個数減算処理においては、まず、賞球個数格納バッファを総賞球数にロードする(SX290)。次に、ゼロフラグが「1」か否かが判別されYESであれば賞球個数減算処理を終了するが、SX291においてNOであればSX292に進み、賞球カウントスイッチ301Aタイマをロードする(SX292)。次に、賞球カウントスイッチ301Aタイマとスイッチオン判定値(2)とを比較する(SX293)。
【0308】
次に、賞球カウントスイッチ301Aタイマがスイッチオン判定値(2)と異なるか否かが判別され(SX294)、異なっていれば賞球個数減算処理を終了するが、賞球カウントスイッチ301Aタイマがスイッチオン判定値(2)と異なっていなければSX295に進み賞球数を1減算する。
【0309】
次に、総賞球数を総賞球数格納バッファにストアする(SX296)。次に、ゼロフラグが「0」か否かが判別され(SX297)、YESであれば賞球個数減算処理を終了するが、NOであればSX298に進みクリアデータ(00H)をセットする。次に、クリアデータ(00H)を賞球フラグにストアする(SX299)。次に、賞球ランプコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(SX300)。次に、コマンドセット処理を行なった(SX301)後、賞球個数コマンド減算処理を終了する。
【0310】
次に、図62を用いて、スイッチ処理について説明する。スイッチ処理においては、まず、入力ポートに「0」を入力する(SX124)。次に、スイッチチェック数(8)をセットする(SX125)。次に、入賞口24(左袖入賞口)スイッチタイマのアドレスをポインタにセットする(SX126)。次に、スイッチチェック処理を行なう(SX127)。次に、入力ポート1を入力する(SX128)。次に、スイッチチェック数(4)をセットする(SX129)。次に、賞球カウントスイッチ301Aタイマのアドレスをポインタにセットする(SX130)。次に、スイッチチェック処理を行なった(SX131)後、スイッチ処理を終了する。
【0311】
なお、図62において説明した入力ポート0および入力ポート1のそれぞれのビットに対応するデータ内容、方向、論理および状態は図63に示すようになっている。
【0312】
次に、図64を用いて、スイッチチェック処理を説明する。スイッチチェック処理においては、まず、ポート入力データを比較値にセットする(SX259)。次に、クリアデータ(00H)をセットする(SX260)。次に、比較値を右にシフトする(SX261)。次に、キャリフラグが「0」か否かが判別され(SX262)、NOであればSX263に進みスイッチタイマのアドレスが指すスイッチタイマをロードする(SX263)。
【0313】
次に、スイッチタイマを1減算する(SX264)。次に、スイッチフラグが「0」か否かが判別され、「0」であればSX267に進むが、「0」でなければSX266においてスイッチタイマをスイッチタイマのアドレスにストアしてからSX267に進む。SX267においてはスイッチタイマのアドレスを1加算する。次に、処理数を1減算し、処理数が「0」か否かが判別され(SX268)、「0」であればスイッチチェック処理を終了するが、「0」でなければSX260に戻りSX261〜SX268の処理が再び行なわれる。
【0314】
次に、図65を用いて、カウントスイッチ作動処理を説明する。カウントスイッチ作動処理においては、まず、カウントスイッチ23タイマをロードする(SX302)。次に、カウントスイッチ23タイマとスイッチオン判定値(2)とを比較する(SX303)。次に、カウントスイッチ23タイマとスイッチオン判定値(2)とが異なるか否かが判別され(SX304)、異なっていればカウントスイッチ作動処理を終了するが、異なっていなければSX305に進み大入賞口入賞個数カウンタを1加算する(SX305)。
【0315】
次に、大入賞口入賞個数カウンタと大入賞口入賞個数最大値(10)とを比較する(SX306)。次に、大入賞口個数カウンタが大入賞口入賞個数最大値(10)よりも小さいか否かが判別され(SX307)、NOであればSX308に進みクリアデータ(0000H)をセットする。次に、クリアデータ(0000H)を特別図柄プロセスタイマにストアし処理を終了するが、SX307においてYESと判別された場合には、SX310に進みカウント入賞コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(SX310)。次に、コマンドセット処理を行なう(SX311)ことによりカウントスイッチ作動処理を終了する。
【0316】
次に、図66を用いて、普通電動役物入賞カウント処理を説明する。普通電動役物入賞カウント処理においては、まず、第1種始動口スイッチ(始動口スイッチ17)タイマをロードする(SX312)。次に、始動口スイッチ(第1種始動口スイッチ)タイマとスイッチオン判定値(2)とを比較する(SX313)。始動口スイッチ17(第1種始動口スイッチ)タイマがスイッチオン判定値(2)と異なるか否かが判別され(SX314)、異なっていれば普通電動役物入賞カウント処理を終了するが、異なっていなければSX315に進み普通電動役物入賞個数カウンタを1加算する。
【0317】
次に、普通電動役物入賞個数カウンタと普通電動役物入賞個数最大値(8)とを比較する(SX316)。普通電動役物入賞個数カウンタが普通電動役物入賞個数最大値(8)よりも小さいか否かが判別され(SX317)、小さければ普通電動役物入賞カウント処理を繰り返すが、小さくなければSX319に進みクリアデータ(0000H)をセットする。次に、クリアデータ(0000H)をセットする。これにより、始動口15に設けられた普通電動役物の作動が終了する。次に、クリアデータ(0000H)を普通図柄プロセスタイマにストアする(SX320)。その普通電動役物入賞カウント処理を終了する。
【0318】
次に、図67に基づいて、特定領域スイッチ(Vカウントスイッチ22)通過チェック処理を説明する。Vカウントスイッチ22(特定領域スイッチ)通過チェック処理においては、まず、Vカウントスイッチ22(特定領域スイッチ)タイマのアドレスをポインタにセットする(SX321)。次に、Vカウントスイッチ(特定領域スイッチ)タイマとスイッチオン判定値(2)とを比較する(SX322)。Vカウントスイッチ22(特定領域スイッチ)タイマがスイッチオン判定値(2)と異なるか否かが判別され、異なっていればVカウントスイッチ22(特定領域スイッチ)通過チェック処理を終了するが、異なっていなければSX324に進み特定領域通過フラグをロードする(SX324)。
【0319】
次に、特定領域通過フラグとVカウントスイッチ22(特定領域スイッチ)通過有り指定値(02H)とを比較する(SX325)。次に、特定領域通過フラグが特定領域スイッチ通過有り指定値(02H)と同一か否かが判別され同一であればVカウントスイッチ22(特定領域スイッチ)通過チェック処理を終了するが、同一でなければSX327へ進み、Vカウントスイッチ22(特定領域スイッチ)通過有り指定値(01H)をポインタの指す特定領域通過フラグにストアする。次に、ポート6バッファをロードする(SX328)。次に、大入賞口内誘導板ソレノイド出力ビットをクリアする(SX329)。次に、ポート6バッファにストアした(SX330)後、Vカウントスイッチ22(特定領域スイッチ)通過チェック処理を終了する。
【0320】
上記のような本実施の形態のパチンコ遊技機によれば、以下のような効果がある。満タンスイッチ48の検出信号の出力の判定においては、50回連続して検出有りと判定されれば(図49のSX273においてYES)、満タン状態であるとみなして、満タンオン指定値(01H)をセットし、球切れ検出スイッチ167または球切れスイッチ187a,187bの検出信号の出力の判定においては、250回連続して検出有りと判定されれば(図50のSX118においてNO)、球切れ状態であるとみなして、球切れフラグをロードする。
【0321】
そのため、遊技球タンク38、誘導樋39または余剰球受皿4において貯留されているパチンコ球の状態がわずかに変化するだけでもON−OFFを繰返してしまうことがある球切れ検出スイッチ167、球切れスイッチ187または満タンスイッチ48に、500ms,100ms,60msのような一瞬の遊技球の移動のようなものではなく比較的長い時間において検出信号の出力があった場合にその後の処理を開始させることができる。その結果、球切れまたは満タンを報知する処理を行なう場合に、短い一瞬の検出信号の出力によって誤って警報を出してしまうことを防止することができる。
【0322】
また、カウントスイッチ23は、検出信号の検出出力が250回検出有りと判定された場合(図51のSX137においてNO)に、断線エラーが発生していると判みなし、検出信号の検出出力が1回検出有りと判定された場合(図51のSX141においてNO)に、短絡エラーが発生しているとみなし、また、検出信号の検出出力が2回検出有りとなった場合(図65のSX304においてNO)に、大入賞個数カウンタを1加算する。
【0323】
そのため、カウントスイッチ23による遊技球の検出では、断線エラー検出にエラーおいては、一瞬の検出出力によって断線エラーを誤報知してしまうような不都合を防止しながら、短絡エラーにおいては、一瞬の検出によって短絡に対する処置をとることができ、また、大入賞があれば一瞬にして大入賞に対応した球の払出を行なうことができる。
【0324】
また、始動口に入賞した遊技球の入賞を検出する始動口スイッチ17においては、検出信号の検出出力が2回検出有りと判定された場合、すなわち、図54のSX158においてYESの場合には、始動入賞があったとみなして第1種始動口通過処理を開始し、また、図57のSX186においてNOの場合には、始動記憶カウンタを1加算し、さらに、図66のSX314においてNOの場合には、普通電動役物入賞個数カウンタを1加算する。
【0325】
このように、始動口に入賞した入賞球を検出する始動口スイッチ17の検出においては、2msごとに検出信号を判定する処理において2回連続して検出有りと判定されれば、すなわち、2msというわずかの間でも検出出力があれば、入賞検出に基づく処理が開始されるため、入賞検出に基づく処理の遅れによって遊技者に不満を生じさせることを防止することができる。
【0326】
また、ゲートスイッチ12においても、検出信号の検出出力が2回検出有りと判定された場合(図56のSX174においてYES)に、すなわち、2msというわずかの間でも検出出力があれば、遊技球がゲートを通過したとみなしてゲートスイッチ通過処理を行なうため、ゲート通過に基づく処理の遅れによって遊技者に不満を生じされることを防止することができる。
【0327】
また、賞球カウントスイッチ301Aは、検出信号の検出出力が2回検出有りと判定された場合に、図58のSX233においてNOであれば、賞球個数カウンタをロードし、図61のSX294においてNOであれば、総賞球数を1減算する。
【0328】
それにより、賞球情報となる賞球個数を即座に計算できるとともに、メモリ内の総賞球数を即座に減算するため、全ての賞球が払出されれば払出モータの回転を即座に停止することができる。
【0329】
また、入賞口スイッチ19a,24aは、検出信号の検出出力が2回検出有りと判定された場合(図60のSX282においてNO)、払出コマンドをセットするため、入賞後即座に景品球が払出される処理に入ることによって、景品球の払出の遅れを原因として遊技者に不満を抱かせることを防止できる。
【0330】
さらに、Vカウントスイッチ22においても、検出信号の検出出力が2回検出有りと判定された場合(図67のSX323においてNO)に、特定領域フラグをロードするため、V入賞があれば即座にV入賞後の処理を行なうため、開閉板20の開成の遅れにより遊技者に不満を生じさせることを防止することができる。
【0331】
【課題を解決するための手段の具体例】
(1) パチンコ球により、遊技に用いる遊技媒体が構成されている。ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22、入賞口スイッチ19a,24a、入賞検出スイッチ99、球切れ検出ッチ167,球切れスイッチ187a,187bまたは満タンスイッチ48、賞球カウントスイッチ301Aまたは球貸しカウントスイッチ301Bにより、前記遊技媒体を検出した場合に遊技媒体検出信号を出力する遊技媒体検出手段が構成されている。SX158,SX174,SX186,SX233,SX282,SX294,SX304,SX314,SX323により、前記遊技媒体検出信号が第1の所定期間(たとえば、2ms)出力されたことに応じて遊技媒体の払出に関連した処理を実行する遊技媒体検出判定手段が構成されている。図49のSX273,図50のSX108、前記遊技媒体の払出の可否を判定するために用いられる信号を出力する払出可否状態検出手段が構成されている。図49のSX273,図50のSX118により、該払出可否状態検出手段が出力する信号に基づき、払出が不能であるか否かを判定する払出不能判定手段が構成されている。前記払出不能判定手段は、前記払出可否状態検出手段が出力する払出の不能を示す信号を前記第1の所定期間よりも長い第2の所定期間(たとえば、500ms,100ms)検出した場合に、前記遊技媒体の払出が不能である旨の判定をするとともに、前記遊技媒体の払出を不能とするための処理を実行する(SX274,SX118,SX120,SX112,SX121〜SX123S)。
【0332】
(2) 前記遊技媒体の払出に関連した処理は、前記遊技媒体の払出数量を指定する情報(図18の賞球個数を指定する払出制御コマンドF0XX(H))を出力するための処理を含んでいる。
【0333】
(3) 前記遊技媒体の払出を不能とする処理は、前記遊技媒体の払出の停止を指令する情報(図18の払出可能状態を指定する払出制御コマンドFF00(H))を出力するための処理を含んでいる。
【0334】
(4) 可変入賞球装置19または始動電動役物15により、遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに制御可能な可変入賞球装置が構成されている。前記遊技媒体検出手段は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば、開閉板20の開放状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(通常状態)とに制御可能な可変入賞球装置に入賞した遊技媒体の通過を検出する。
【0335】
(5) 球切れ検出スイッチ187により、払出すための遊技媒体の状態を検出する遊状態検出手段が構成されている(遊技球タンク38、誘導樋39における球切れ状態を検出する)。前記払出可否状態検出手段は、前記第1遊技媒体状態検出手段による前記遊技媒体の状態の検出に基づいて前記遊技媒体の払出が不能である旨の判定を行なう(図50のSX113〜SX115)。
【0336】
(6) 前記払出不能判定手段は、前記遊技媒体状態検出手段が第1の所定時間よりも長い第3の所定時間(250回×2ms)連続して遊技媒体の払出が不能であることを示す信号を出力しない場合に、前記遊技媒体の払出の停止を解除するための処理を実行する(SX108,SX118,SX120,SX123)(球払出停止コマンド出力処理)。
【0337】
(7) 満タン検出スイッチ48により、払出された後に貯留される遊技媒体の貯留状態を検出する第2遊技媒体状態検出手段が構成されている(余剰球受皿4の満タン状態を検出する)。前記払不能判定手段は前記第2遊技媒体状態検出手段による前記遊技媒体の貯留状態の検出に基づいて前記遊技媒体の払出が不能である旨の判定を行なう(図49のSX273)。
【0338】
(8) 前記払出不能判定手段は、前記第2遊技媒体状態検出手段が遊技媒体の払出が不能であることを示す信号を出力しない場合には(SX273においてYES)、前記遊技媒体の払出の停止を解除するための処理を実行する(SX270)。
【0339】
(9) 主基板31により、遊技を制御する遊技制御手段が構成されている。賞球球貸基板37により、前記遊技制御手段から送信された信号に基づいて遊技媒体の払出を制御する遊技媒体払出制御手段が構成されている。前記払出可否状態検出手段が出力する信号は遊技制御手段に入力される。
【0340】
(10) 前記遊技媒体検出手段は、遊技価値として付与された遊技媒体を検出し(賞球カウントスイッチ301AがON)、前記遊技媒体検出手段が出力する信号は、前記遊技制御手段および払出制御手段の双方に入力される。
【0341】
(11) コンデンサ916により、遊技機に供給される電源が断たれた場合において(停電時)、前記遊技媒体検出信号が前記第1の所定期間出力されたことに応じて付与される遊技媒体の数量に関わる記憶内容を保持する記憶内容保持手段が構成されている。
【0342】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0343】
【課題を解決するための手段の具体例の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、以下の効果がある。本発明によれば、払出不能判定手段は、遊技媒体欠乏状態検出手段が出力する払出の不能を示す信号を第1の所定期間よりも長い第2の所定期間検出したときに、遊技媒体の払出が不能である旨の判定をするとともに、遊技媒体の払出を不能とするための処理を実行する。そのため、第1の所定時間および第2の所定時間を、用途に応じた適当な時間に設定すれば、それぞれの用途に応じた適切な検出時間による遊技媒体の検出が可能となり、具体的に以下のような効果がある。
【0344】
すなわち、たとえば、遊技媒体の状態がわずかに変化するだけで遊技媒体欠乏状態検出手段が払出すための遊技媒体の欠乏した状態を誤検出する不都合を防止することができる。
【0345】
また、たとえば、遊技媒体検出手段から遊技媒体検出信号が第2の所定期間よりも短い第1の所定期間出力されたことに応じて遊技媒体の払出に関連した処理が実行され、遊技媒体が遊技媒体検出手段により検出されてから即座に遊技媒体が払出されるため、遊技者に不満を生じさせることを防止することができる。
【0350】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、以下のような効果がある。本発明では、遊技媒体欠乏状態検出手段が第1の所定時間よりも長い第3の所定時間連続して遊技媒体の払出が不能であることを示す信号を出力しないことを条件に、遊技媒体の払出の停止を解除するための処理が実行される。そのため、払出が停止された後、第3の所定時間連続して払出すための遊技媒体が欠乏した状態でなかった場合に次の払出が再開される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機の正面図である。
【図2】 パチンコ遊技機の背面図である。
【図3】 機構盤周辺の構成を示す遊技機の背面図である。
【図4】 主基板と関連する部分のブロック図である。
【図5】 払出基板と関連する部分のブロック図である。
【図6】 主基板のCPUを説明するための図である。
【図7】 電源基板内部の構造を説明するための図である。
【図8】 メイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】 遊技状態復旧処理を実行するか否かの決定方法の例を示す説明図である。
【図10】 初期化処理の例を示すフローチャートである。
【図11】 2msタイマ割込処理の例を示すフローチャートである。
【図12】 初期設定処理の例を示すフローチャートである。
【図13】 遊技制御処理の例を示すフローチャートである。
【図14】 停電発生NMI処理の例を示すフローチャートである。
【図15】 バックアップパリティデータ作成方法の例を説明するための説明図である。
【図16】 遊技状態復旧処理の例を示すフローチャートである。
【図17】 払出制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。
【図18】 払出コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図19】 払出制御コマンドの送出形態の他の例を示すタイミング図である。
【図20】 払出制御コマンドの送出形態の一例を示すタイミング図である。
【図21】 電源監視および電源バックアップのための払出制御用CPU周りの一構成例を示すブロック図である。
【図22】 払出制御用CPUが実行するメイン処理の例を示すフローチャートである。
【図23】 払出制御用CPUの初期設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図24】 払出制御用CPUの初期化処理の一例を示すフローチャートである。
【図25】 払出制御用CPUのタイマ割込みを説明するためのフローチャートである。
【図26】 払出制御手段におけるRAMの一構成例を示す説明図である。
【図27】 払出制御用CPUのコマンド受信処理の例を示すフローチャートである。
【図28】 払出制御用CPUが実行する払出制御処理の例を示すフローチャートである。
【図29】 スイッチ処理の例を示すフローチャートである。
【図30】 コマンド解析実行処理の例を示すフローチャートである。
【図31】 払出停止状態設定処理の例を示すフローチャートである。
【図32】 プリペードカードユニット制御処理の例を示すフローチャートである。
【図33】 球貸制御処理の例を示すフローチャートである。
【図34】 球貸制御処理の例を示すフローチャートである。
【図35】 賞球制御処理の例を示すフローチャートである。
【図36】 賞球制御処理の例を示すフローチャートである。
【図37】 払出制御用CPUが実行する停電発生NMI処理の例を示すフローチャートである。
【図38】 バックアップパリティデータ作成方法の例を説明するための説明図である
【図39】 払出制御用CPUが実行する払出復旧処理の例を示すフローチャートである。
【図40】 遊技機の電源断時の電源低下やNMI信号の様子の例を示すタイミング図である。
【図41】 始動口(第1種始動口)スイッチの検出方法を説明するための図である。
【図42】 カウントスイッチの検出方法を説明するための図である。
【図43】 Vカウントスイッチ(特定領域スイッチ)の検出方法を説明するための図である。
【図44】 ゲートスイッチの検出方法を説明するための図である。
【図45】 入賞口スイッチ(左袖入賞口スイッチ、右袖入賞口スイッチ、左落とし入賞口スイッチ、右落とし入賞口スイッチ)の検出方法を説明するための図である。
【図46】 賞球個数カウントスイッチの検出方法を説明するための図である。
【図47】 満タン検出スイッチの検出方法を説明するための図である。
【図48】 球切れ検出スイッチの検出方法を説明するための図である。
【図49】 満タンチェック処理を説明するためのフローチャートである。
【図50】 球切れチェック処理を説明するためのフローチャートである。
【図51】 エラー処理を説明するためのフローチャートである。
【図52】 エラー処理を説明するためのフローチャートである。
【図53】 アドレス07Hのビット、データ内容、方向、論理および状態を示す図である。
【図54】 特別図柄プロセス処理を説明するためのフローチャートである。
【図55】 特別図柄プロセス処理を説明するためのフローチャートである。
【図56】 普通図柄プロセス処理を説明するためのフローチャートである。
【図57】 情報出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図58】 情報出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図59】 情報出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図60】 賞球個数コマンド格納処理を説明するためのフローチャートである。
【図61】 賞球個数減算処理を説明するためのフローチャートである。
【図62】 スイッチ処理を説明するためのフローチャートである。
【図63】 入力ポート0および入力ポート1のそれぞれに対応するビット、データ内容、方向、論理および状態を説明すための図である。
【図64】 スイッチチェック処理を説明するためのフローチャートである。
【図65】 カウントスイッチ作動処理を説明するためのフローチャートである。
【図66】 普通電動役物入賞カウント処理を説明するためのフローチャートである。
【図67】 特定領域スイッチ通過チェック処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
11 通過ゲート、12 ゲートスイッチ、14 始動口、15 始動電動役物、17 始動口スイッチ、19 可変入賞球装置、22 Vカウントスイッチ、23 カウントスイッチ、19a,24a 入賞口スイッチ、38 遊技球タンク、39 誘導樋、48 満タンスイッチ、99 入賞検出スイッチ、301A 賞球カウントスイッチ、167 球切れ検出スイッチ、187a,187b球切れスイッチ。
Claims (2)
- 供給された電力により動作する複数の電気部品と、
該複数の電気部品それぞれを制御するための処理を行なうとともに、バックアップ電源により遊技機に対する電力供給が停止してもデータが保持されるRAMを有し、電力供給開始時に前記RAMの保持データに基づいて制御を再開させることが可能な、第1の電気部品制御マイクロコンピュータおよび第2の電気部品制御マイクロコンピュータと、
前記遊技媒体を検出したときに遊技媒体検出信号を前記第1の電気部品制御マイクロコンピュータに出力する遊技媒体検出手段と、
該遊技媒体検出手段から前記遊技媒体検出信号が第1の所定期間出力されたことに応じて遊技媒体の払出に関連した処理を実行する遊技媒体検出判定手段と、
払出すための遊技媒体が欠乏した状態を検出して前記遊技媒体の払出の可否を判定するために用いられる信号を前記第1の電気部品制御マイクロコンピュータに出力する遊技媒体欠乏状態検出手段と、
該遊技媒体欠乏状態検出手段が出力する信号に基づき、払出が不能であるか否かを判定する払出不能判定手段と、
供給された電力を整流し複数の電圧を生成する電圧生成手段と、
該電圧生成手段により整流された電力の電圧を監視し、予め定められた検出電圧に低下したときに検出信号を出力する電源監視手段とを含み、
前記第1の電気部品制御マイクロコンピュータと前記第2の電気部品制御マイクロコンピュータとは、共に、
単一の前記電源監視手段から前記検出信号が入力されるとともに、該検出信号に応じて、電力供給が停止してもデータが保持されている前記RAMへのアクセスを禁止するRAMアクセス禁止処理を行なう電力供給停止時処理を実行し、かつ、
前記RAMがデータを保持している状態で電源断状態から電源が復帰したときに、前記RAMの保持データに基づいて、前記電源断状態発生時点の制御状態に復帰させる復帰時処理を行ない、
前記払出不能判定手段は、前記遊技媒体欠乏状態検出手段が出力する払出の不能を示す信号を前記第1の所定期間よりも長い第2の所定期間出力したときに、前記遊技媒体の払出が不能である旨の判定をするとともに、前記遊技媒体の払出を不能とするための処理を実行する、遊技機。 - 前記払出不能判定手段は、前記遊技媒体欠乏状態検出手段が第1の所定時間よりも長い第3の所定時間連続して遊技媒体の払出が不能であることを示す信号を出力しないことを条件に、前記遊技媒体の払出の停止を解除するための処理を実行する、請求項1に記載の遊技機。
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