JP2010187578A - 柔軟性を有するハードキャンディおよびその製造方法 - Google Patents

柔軟性を有するハードキャンディおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ハードキャンディの最大の売りである「舐めて食する」という魅力を損なうことなく、柔軟性という従来のハードキャンディにはなかった新しい食感を伴ったハードキャンディおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】糖類、HLBが5〜9の乳化剤および油脂を含む、水分値が1.0〜5.0重量%のハードキャンディであって、前記油脂が全体重量中3.0〜20重量%、前記乳化剤が前記油脂量に対して2.0〜20重量%含有されていることを特徴とする柔軟性を有するハードキャンディ。該ハードキャンディは、乳化剤により油脂を乳化し、得られた乳化物、糖類および水を混合して加熱溶解し、次いで加熱濃縮する工程、または乳化剤により油脂を乳化し、得られた乳化物と、糖類および水を加熱溶解した糖液とを混合し、次いで加熱濃縮する工程、または乳化剤、油脂、糖類および水を混合して加熱溶解し、次いで加熱濃縮する工程を経て製造される。
【選択図】なし

Description

本発明は、柔軟性を有するハードキャンディおよびその製造方法に関するものである。
ハードキャンディとは、一般的に砂糖、水飴等の主原料を煮詰め、冷却中に酸味料、香料、色素等の副原料を添加した後、成型して作られる水分値が5.0重量%以下のアモルファス状のものである。アモルファスとは、結晶が存在しない非晶質状態のものを指す。このようにして作られるハードキャンディはつるつるした心地よい舐め心地となるため、古くから広く飴菓子として親しまれている。
ここ近年では、砂糖や水飴を使わずに、その代替として糖アルコールを用いる事により、虫歯になりにくい、カロリーが低いといった特徴を備えたノンシュガーキャンディが生まれ、現在ノンシュガーキャンディは一つのカテゴリーとして定着している。
元来ハードキャンディは、舐めて味を楽しむものとして生まれた。その理由として、保存性を上げるために水分を極めて低くコントロールし、砂糖、水飴などの糖質を主成分とした物質であり、非常に硬いものとなる。その為、必然的に舐めて食べるものとして定着していったと考えられ、今もその概念は人々に強く根付いており、「舐めて食する」という事がハードキャンディの最大の魅力となっている。その効果としては、のど飴といった機能を持ち合わせたハードキャンディなどにおいて、口中滞留時間が長くなる事によって効果が持続するなどがあげられる。
その一方、食の多様化に伴い、同じキャンディ類でもソフトキャンディやキャラメル、グミキャンディは、噛んで食感を楽しむものとして生まれた。いずれもハードキャンディと比べ、水分が高いため柔らかく、また、ゲル化剤を用いることで、弾力の強弱など多様な食感を様々付与することが出来、一つの市場を形成している。
このように食の多様化が進む中、ハードキャンディにおいても、食感変化を目的とした提案は数多くなされてきた。
例えば、食用油脂、食用乳化剤、タンパク質を含むペースト状混合物を120℃〜150℃のキャンディ生地に練りこむ事で脆さを付与する手法がある(特許文献1)。また、ヤシ油、パーム油、綿実油などの油脂類、ショ糖脂肪酸エステルおよび大豆レシチン等を含む混合物からなる改質材をキャンディ生地に添加する手法がある(特許文献2)。また、ショ糖脂肪酸エステルと油脂と糖質を主体とし、繊維状組織を有するキャンディが提案されている(特許文献3)。これらの手法は、キャンディの組織に油脂と乳化剤を混ぜ、糖質の接着を分断させることを特徴としている。しかしながら、これらの手法により得られるキャンディはいずれも、脆さ、言い換えると歯が入りやすいサクッとした食感となり、噛んではじめて感じることのできる食感である。
また、液体窒素を用いた冷却によりクラック入りキャンディを製造する手法として、キャンディの成型後に急冷させて、或いは、裸製品または包装された製品を、液体窒素を入れた槽内に浸漬して急冷させて、クラックを生ぜしめるものがある(特許文献4、5、6)。しかしながら、これらの提案も上記と同様に軽く噛むと簡単に崩壊するものであり、噛んではじめて感じることのできる食感である。
他にも、エリスリトールと糖もしくはエリスリトール以外の糖アルコールとを煮詰めた後、乳化剤を分散させた油脂を混合して作製した軟キャンディの提案がある(特許文献7)。軟キャンディとはすなわちソフトキャンディの事を指し、日本農林規格によると水分値が6〜20重量%のものを言うため、この提案はあくまでソフトキャンディの提案であり、ハードキャンディの提案とは異なる。
特開昭54−55758号公報 特公昭63−19133号公報 特許第2746470号公報 特開昭48−98068号公報 国際公開第2003/007726号 特開2007−14257号公報 特許第3379207号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、ハードキャンディの最大の売りである「舐めて食する」という魅力を損なうことなく、柔軟性という従来のハードキャンディにはなかった新しい食感を伴ったハードキャンディおよびその製造方法を提供する事を課題とする。
なお、本発明において柔軟性とは、ハードキャンディを口中で舐めているうちに次第に柔軟になって、舌や口腔内壁で押圧するだけで形状が変形するようになる性質をいう。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、糖類に対し、HLB値を規定した一定量の乳化剤により乳化された油脂を添加すると驚くべき事に、通常のハードキャンディと同様のアモルファス状でありながらも、舐めていくと形状が変形するという、従来のハードキャンディには見られない、全く新しい物性を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、
〔1〕糖類、HLBが5〜9の乳化剤および油脂を含む、水分値が1.0〜5.0重量%のハードキャンディであって、前記油脂が全体重量中3.0〜20重量%、前記乳化剤が前記油脂量に対して2.0〜20重量%含有されていることを特徴とする柔軟性を有するハードキャンディ、
〔2〕グリセリンが全体重量中3.0〜20重量%添加されている前記〔1〕に記載の柔軟性を有するハードキャンディ、
〔3〕乳化剤により油脂を乳化し、得られた乳化物、糖類および水を混合して加熱溶解し、次いで加熱濃縮する工程、または
乳化剤により油脂を乳化し、得られた乳化物と、糖類および水を加熱溶解した糖液とを混合し、次いで加熱濃縮する工程、または
乳化剤、油脂、糖類および水を混合して加熱溶解し、次いで加熱濃縮する工程
を有する前記〔1〕または〔2〕に記載の柔軟性を有するハードキャンディの製造方法
に関する。
本発明の柔軟性を有するハードキャンディは、食べはじめは通常のハードキャンディと同様の舐め心地でありながら、舐めているうちにハードキャンディが柔らかくなり、口の中で好きな形にすることができて、食感もしくは触感を楽しむことができる。
なお、食感とはハードキャンディを歯で噛んだときの感じ方であり、触感とはハードキャンディを口の中で舐めたときに感じる舌で得られる感触や、口腔で得られる感触をいう。
油脂が均一に乳化されている状態のハードキャンディの断面の電子顕微鏡映像の概略図を示す。 油脂が部分乳化されている状態のハードキャンディの断面の電子顕微鏡映像の概略図を示す。
本発明の柔軟性を有するハードキャンディは、糖類、HLBが5〜9の乳化剤および油脂を含む、水分値が1.0〜5.0重量%のハードキャンディであって、前記油脂が全体重量中3.0〜20重量%、前記乳化剤が前記油脂量に対して2.0〜20重量%含有されていることを特徴としている。
単に、ハードキャンディの水分値を高め、例えば10重量%にすると、柔軟性はあるものとなるが水分値が高いため歯つきが激しく、また放置しておくと変形してしまうなどの問題がある。また、乳化剤によって、完全に油脂が均一に乳化されたハードキャンディは、サクサクした脆い食感となってしまう。これに対し、本発明では、上記のように、糖類に対し、HLB値を規定した一定量の乳化剤および一定量の油脂を添加してハードキャンディを作製する事で、アモルファス状を保ちつつ、経時的に変形していく、言い換えると舐めて食べても従来のハードキャンディと比べて違和感がない舐め心地でありながらも、口中で次第に形が変わっていき、舐めて食べるキャンディとして、新しい食感もしくは触感を付与する事が可能となる。
本発明に使用する糖は一般的に使用される糖類が主原料となる。例えば、砂糖、水飴、ぶどう糖、果糖などの糖類や、マルチトール、パラチニット、キシリトール、エリスリトールなどの糖アルコールが挙げられる。
これらの糖類の使用量これらの糖類の使用量は、所望するキャンディの性質に基づいて選択すればよいが、キシリトール、エリスリトールのような結晶性の高い糖類を使用しすぎると結晶化してしまうため、使用量には注意が必要であるが、結晶化を起こさない配合であれば問題はない。
前記糖類の含有量としては、ハードキャンディ中において固形分で51〜96重量%とすることができる。
本発明に使用する油脂は、天然の動植物油脂の他、それらにエステル交換、水素添加、分別等を施した加工油脂が挙げられるが、ハードキャンディの風味を損なわないという観点から無味無臭の油脂が好ましい。具体的には、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、トリアシルグリセロール、遊離脂肪酸などが挙げられる。
ハードキャンディ中の油脂含量は、3.0〜20重量%、好ましくは7.0〜15重量%、より好ましくは8.0〜12重量%である。油脂含量が3.0重量%よりも低いと、柔軟性のないいわゆる普通のハードキャンディとなってしまい、また20重量%よりも高いと、後述の乳化剤をもってしても製造過程および製造後に油が浮き出てきてしまうため好ましくない。
本発明に使用する乳化剤のHLB値は5〜9、より好ましくは6〜7である。HLB値が5よりも小さい、もしくは9よりも大きい乳化剤を使用すると、柔軟性あるキャンディとはならず、サクサクしたキャンディとなってしまう。
乳化剤としては、HLB値が5〜9の範囲内であれば特に制限はなく、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど食品添加物として使用可能なものであればよいが、風味の観点からショ糖脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステルなど比較的乳化剤そのものの味が少ないものが好ましい。
ハードキャンディ中の油脂量に対する乳化剤含量は、2.0〜20重量%、好ましくは4.0〜12重量%、より好ましくは6.0〜10重量%である。乳化剤含量が2.0重量%よりも低いと、油脂を部分乳化させることが出来ず、油が浮き出てしまい、また20重量%よりも高いと、乳化剤そのものの味が強く感じられるものとなるため好ましくない。
ハードキャンディ中の水分量は、1.0〜5.0重量%である。水分量が5.0重量%よりも高いと、歯つきが激しいものになってしまい、またさらに水分を高くすると放置しているだけで変形してくるため好ましくない。
本発明では、ハードキャンディを作製するに際して、前記乳化剤、前記油脂および前記糖類を前記の配合量で混合して乳化物とするが、この乳化物においては油脂が均一に乳化している状態とは相違した乳化状態となるために、柔軟性のあるハードキャンディを得ることができる。
本発明では、前記のような乳化状態を部分乳化と称する。「部分乳化」とは、油脂が乳化されずに分離している状態とも、油脂が均一に乳化している状態とも異なり、油染みが起こらないということから乳化作用は確実に働いているものの、均一に乳化された状態とは明らかに異なる状態のことを指す。
例えば、乳化剤により油脂が均一に乳化されて得られるハードキャンディは、約7μm未満の微小な油膜が無数に存在するものとなるが、本発明のハードキャンディでは、数μmの油膜だけでなく、数十μmの油膜も多数存在するものとなる。
油脂が均一に乳化されている状態のハードキャンディの断面、および油脂が部分乳化されている状態のハードキャンディの断面の電子顕微鏡映像の概略図を図1、図2にそれぞれ示す。
前記乳化に使用する水の量としては、特に制限はないが、水が多すぎるもしくは少なすぎると、乳化状態を確認しにくいため好ましくない。例えば、油脂100重量部に対して100〜300重量部であればよい。
また、乳化剤、油脂との混合条件としては、常温下で攪拌すればよく、攪拌条件も手で攪拌しても機械を用いて攪拌してもよい。
グリセリンは、無色透明のシロップ状の液体で、匂いがなく甘味のある不凍液であり、食品添加物として認可されている。保湿性、可塑性、熱安定性、粘ちょう性などの様々な特性を有するため、様々な食品に添加物として使用されているものである。
本発明のハードキャンディは、グリセリンを添加せずとも目的は達成されるが、グリセリンを一定量添加すると、口中で変形がはじまる速度をはやめることができ、また、製造過程で、生地が伸展性ある物性となるため、製造しやすい物性となる。
ハードキャンディ中のグリセリン含量は、全体重量中3.0〜20重量%、好ましくは5.0〜12重量%、より好ましくは7.0〜10.0重量%である。グリセリン含量が3.0重量%よりも低いと、グリセリンを添加しないものとさして違いがないものとなり、また20重量%よりも高いと、製造過程でハードキャンディ生地が軟らかすぎて作業性が悪く、逆に製造しにくい物性となる。
本発明のハードキャンディは、必要に応じて、果汁、食塩などを適宜添加してもよいし、添加物として、酸味料、香料、着色料、調味料、苦味料など任意に添加することも可能である。
以上の構成を有する本発明のハードキャンディは、前記乳化剤、油脂、糖類、水、所望により任意成分を混合し、濃縮することで製造される。
例えば、前記製造方法としては、以下の工程を有するものが挙げられる。
乳化剤により油脂を乳化し、得られた乳化物、糖類および水を混合して加熱溶解し、次いで加熱濃縮する工程
乳化剤により油脂を乳化し、得られた乳化物と、糖類および水を加熱溶解した糖液とを混合し、次いで加熱濃縮する工程
乳化剤、油脂、糖類および水を混合して加熱溶解し、次いで加熱濃縮する工程
前記乳化条件としては、前記の通りである。
得られた乳化物、糖類と共に使用する水の量としては、前記乳化物および糖類の総量100重量部に対して、10〜30重量部であればよい。
また、前記加熱溶解および前記加熱濃縮の手法および条件としては、通常のハードキャンディで使用される手法および条件の範囲内で原料に応じて適当に選択すればよく、特に限定はない。
なお、加熱濃縮の際には、ハードキャンディ生地の水分値が1.0〜5.0重量%となるまで濃縮する。
また、グリセリンなどの添加物を使用する場合には、前記加熱溶解時に添加すればよい。
前記のように加熱濃縮した後、成型を行えばよい。例えば、線状に伸ばしてスタンピング成型する、もしくは濃縮後そのまま型に流し込むなどの方法が挙げられる。
成型後は冷却することで本発明のハードキャンディを得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
油脂としてジアシルグリセロール(商品名「エコナLS−M」花王(株)製)180部、乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル75%、ショ糖脂肪酸エステル25%の混合物(商品名「p−1020V」、第一工業製薬(株)製)14部、水360部中で攪拌混合し、乳化させた。得られた乳化物に砂糖900部、水飴800部、水200部に混合溶解(100℃、以下の実施例でも同じ)し、真空釜にて濃縮(条件−550mmHg、125℃、以下の実施例でも同じ)し、着色料、ミント香料を少量加えて水分値2.5重量%のミント味のハードキャンディを得た。このようにして得られたハードキャンディは、舐め始めは通常のハードキャンディと同様のつるつるした舐め心地でありながら、次第に舐めている部分が柔軟になり、形状が舌や口腔にフィットしていくものであった。
(実施例2)
油脂としてエコナLS−M 155部、乳化剤としてp−1020V 10部、水310部を攪拌混合し、乳化させた。得られた乳化物にマルチトールとしてマルチソルブ(ロケット(株)製)1860部、水200部を混合溶解し、真空釜にて濃縮し、酸味料、着色料、レモン香料を少量加えて水分値2.0重量%のレモン味のハードキャンディを得た。このようにして得られたハードキャンディは、舐め始めは通常のハードキャンディと同様のつるつるした舐め心地でありながら、次第に舐めている部分が柔軟になり、柔軟になり、形状が舌や口腔にフィットしていくものであった。
(実施例3)
油脂としてエコナLS−M 180部、乳化剤としてp−1020V 12部、水360部を攪拌混合し、乳化させた。得られた乳化物に砂糖900部、水飴800部、グリセリンとして食品添加物グリセリン(阪本薬品工業(株)製)150部、水200部を混合溶解し、真空釜にて濃縮し、酸味料、着色料、グレープ香料を少量加えて水分値2.7重量%のグレープ味のハードキャンディを得た。このようにして得られたハードキャンディは、舐め始めは通常のハードキャンディと同様のつるつるした舐め心地でありながら、すぐに舐めている部分が柔軟になり、形状が舌や口腔にフィットしていくものであった。
(実施例4、5)
油脂としてエコナLS−M 80部、乳化剤としてp−1020V 10部、水160部を攪拌混合し、乳化させた。得られた乳化物に砂糖900部、水飴800部、水200部を混合溶解し、それ以外は実施例1と同様に水分値2.5重量%のミント味のハードキャンディを得た(実施例4)。同じく油脂としてエコナLS−M 330部、乳化剤としてp−1020V 20部を水660部で攪拌混合し、乳化させた乳化物に砂糖900部、水飴800部、水200部を混合溶解し、それ以外は実施例1と同様に水分値2.5重量%のミントキャンディを得た(実施例5)
実施例4で得られたキャンディは、つるつるした舐め心地であり、実施例1と比べると幾分口中で変形しはじめるのが遅いものの、十分なフィット感を有するものであった。
また、実施例5で得られたキャンディは、同じくつるつるした舐め心地であり、実施例1と比べると幾分口中で変形しはじめるのははやいものの、十分なフィット感を有するものであった。
(実施例6、7)
油脂としてエコナLS−M 130部、乳化剤としてp−1020V 3.0部、水260部を攪拌混合し、乳化させた乳化物に、砂糖900部、水飴800部、水200部を混合溶解し、それ以外は実施例1と同様に水分値2.5重量%のミントキャンディを得た(実施例6)。同じく油脂としてエコナLS−M 200部、乳化剤としてp−1020V 35部、水400部を攪拌混合し、乳化させた乳化物に、砂糖900部、水飴800部、水200部を混合溶解し、それ以外は実施例1と同様に水分値2.5重量%のミントキャンディを得た(実施例7)。実施例6で得られたハードキャンディは、実施例1と比べると、幾分部分乳化が弱いものの、油が浮き出てくる事はなく、また、次第に舐めている部分に形状が舌や口腔にフィットしていくものであった。また、実施例7で得られたハードキャンディは、実施例1と比べると、乳化剤が多いためか幾分おいしさが劣るものの、食べても違和感がない味であり、また次第に舐めている部分に形状が舌や口腔にフィットしていくものであった。
(実施例8)
実施例1で、乳化剤をグリセリン脂肪酸エステル(商品名「PO−5S」、阪本薬品工業(株)製)に変更する以外は、実施例1と同様に水分値2.5重量%のミント味のハードキャンディを得た。このようにして得られたハードキャンディは、実施例1と比べるとキャンディの変形が幾分弱いものの、通常のハードキャンディと比べると明らかに口中で変形が起こるものとなった。
(実施例9)
実施例1で、乳化剤をグリセリン脂肪酸エステル(商品名「MO−3S」、阪本薬品工業(株)製)に変更する以外は、実施例1と同様に水分値2.5重量%のミント味のハードキャンディを得た。このようにして得られたハードキャンディは、実施例1と比べるとキャンディの変形が幾分弱いものの、通常のハードキャンディと比べると明らかに口中で変形が起こるものとなった。
(比較例1、2)
油脂としてエコナLS−M 40部、乳化剤としてp−1020V 3部、水80部を攪拌混合し、乳化させた乳化物に、砂糖900部、水飴800部、水200部を混合溶解し、それ以外は実施例1と同様に水分値2.5重量%のミント味のハードキャンディを得た(比較例1)。同じく油脂としてエコナLS−M 420部、乳化剤としてp−1020V 66部、水840部を攪拌混合し、乳化させた乳化物に砂糖900部、水飴800部、水200部を混合溶解し、それ以外は実施例1と同様に水分値2.5重量%のミント味のハードキャンディを得た(比較例2)。
比較例1で得られたハードキャンディは、油脂が少なすぎるため、普通のハードキャンディと同等の物性を示し、もはや経時的に口中で変形しないものであった。
また、比較例2で得られたハードキャンディは、油脂が多すぎるため部分乳化されず、製造中に油脂が染み出してきた。
(比較例3、4)
油脂としてエコナLS−M 180部、乳化剤としてp−1020V 3.0部、水360部を攪拌混合し、乳化させた乳化物に、砂糖900部、水飴800部、水200部を混合溶解し、それ以外は実施例1と同様に水分値2.5重量%のミント味のハードキャンディを得た(比較例3)。同じく油脂としてエコナLS−M 180部、乳化剤としてp−1020V 40部、水360部を攪拌混合し、乳化させた乳化物に、砂糖900部、水飴800部、水200部を混合溶解し、それ以外は実施例1と同様に水分値2.5重量%のミント味のハードキャンディを得た(比較例4)。比較例3で得られたハードキャンディは、乳化剤が少なすぎるため乳化が起こらず、油が分離したままであったためハードキャンディを成型する事ができなかった。また、比較例4で得られたハードキャンディは、口中で次第に舐めている部分に形状がフィットしていく物性となったものの、乳化剤が多すぎるため、乳化剤由来の味が前面に出ており、味の面で問題があった。
(比較例5、6)
実施例1で、乳化剤をショ糖脂肪酸エステル(「リョートーシュガーエステルS−370」三菱化学フーズ(株)製)に変更する以外は、実施例1と同様に水分値2.5重量%のミント味のハードキャンディを得た(比較例5)。また、実施例1で、乳化剤をショ糖脂肪酸エステル(「リョートーシュガーエステルS−1170」三菱化学フーズ(株)製)に変更する以外は、実施例1と同様に水分値2.5重量%のミント味のハードキャンディを得た(比較例6)。比較例5、6で得られたハードキャンディはどちらもサクサクした食感となり、目的のものは得られなかった。
実施例1〜9および比較例1〜6で得られたハードキャンディの評価を表1,2に、また使用した乳化剤のHLB値を表3に示す。表1、2の結果より、実施例1〜9で得られたハードキャンディはいずれも、舐め始めは通常のハードキャンディと同様のつるつるした舐め心地でありながら、次第に舐めている部分に柔軟性が生じて、形状が舌や口腔にフィットしていくものであった。
なお、実施例1〜9では、乳化物を得るために行った攪拌には、攪拌装置を用い、混合条件は3000rpmで機械的に行った。
また、攪拌装置のかわりに手で攪拌して乳化させた場合でも、同じような柔軟性およびフィット感を持つハードキャンディとなった。
なお、実施例1〜9では、乳化剤により油脂を乳化し、得られた乳化物と糖類と水とを混合して加熱溶解し、加熱濃縮したが、各成分の配合量を変えずに、混合手段を、乳化剤により油脂を乳化し、得られた乳化物と、糖類および水を加熱溶解した糖液とを混合し加熱濃縮したり、あるいは乳化剤と油脂と糖類および水とを同時に混合して加熱溶解、加熱濃縮するように変えても、同様の柔軟性およびフィット感を持つハードキャンディとなった。
表1、2における評価基準は以下のとおり。
〈変形性〉
「◎」:舐めるとすぐに変形が始まり、口の中にフィットする。
「○」:舐めると徐々に変形し、口の中にフィットする。
「×」:舐めていても変形していかない。

〈品質〉
「◎」:風味が良い、油染みがない等、品質上問題がない。
「○」:◎と比べると風味もしくは耐久性に劣るものの問題はない。
「×」:風味、耐久性の両方もしくはいずれかに問題がある。

〈生産性〉
「◎」:生産性が非常に良い。
「○」:生産性が良い。
「×」:硬すぎる、軟らかすぎるなど生産性が悪い。

Claims (3)

  1. 糖類、HLBが5〜9の乳化剤および油脂を含む、水分値が1.0〜5.0重量%のハードキャンディであって、前記油脂が全体重量中3.0〜20重量%、前記乳化剤が前記油脂量に対して2.0〜20重量%含有されていることを特徴とする柔軟性を有するハードキャンディ。
  2. グリセリンが全体重量中3.0〜20重量%添加されている請求項1に記載の柔軟性を有するハードキャンディ。
  3. 乳化剤により油脂を乳化し、得られた乳化物、糖類および水を混合して加熱溶解し、次いで加熱濃縮する工程、または
    乳化剤により油脂を乳化し、得られた乳化物と、糖類および水を加熱溶解した糖液とを混合し、次いで加熱濃縮する工程、または
    乳化剤、油脂、糖類および水を混合して加熱溶解し、次いで加熱濃縮する工程
    を有する請求項1または2に記載の柔軟性を有するハードキャンディの製造方法。
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