JP2010187493A - 電力変換回路の制御方法 - Google Patents

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ティラク・アナンダ・セナナヤケ
Yuji Nishibe
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Abstract

【課題】インピーダンスソースインバータにおけるキャパシタ電圧の迅速な安定化。
【解決手段】ショートスルー時間区間のスイッチングサイクル中の時間割合であるデューティー比DstについてDst=(K−1)/(2K−1)、ただしKは直流電源電圧Vdcに対するキャパシタ電圧VCの比VC/Vdc、が成り立つ。Dstの初期値を例えば0、比Kの初期値を1として電力変換回路100を駆動させる。この後、C1又はC2の電圧VCを常時監視して目標値VC0との差ΔVから比Kの指令値をPI制御又はPID制御により求め、ここからデューティー比Dstの指令値を算出する。デューティー比Dstの指令値を直接PI制御又はPID制御により求めるよりも、比KでPI制御又はPID制御を行うことで、デューティー比Dstの指令値を的確に求めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は直流電源から交流電力を生成する電力変換回路とその制御方法に関する。
特許文献1、非特許文献1及び2には、Pengらによる、インピーダンスソースインバータが提案されている。インピーダンスソースインバータは、2個のインダクタと2個のキャパシタを組み合わせたインピーダンス部を、電源部と3相スイッチング部との間に配置し、3相スイッチング部の6個のトランジスタスイッチをパルス幅変調(PWM)によりオンオフ制御して、例えば直流電源から3相交流への変換及び出力を可能とするものである。
インピーダンスソースインバータの特長は、スイッチング素子のデットタイムがノイズにより消滅してショートスルー状態が生じても問題が無いので、インバータの高信頼性化を図れること、インバータの高スイッチング周波数化を図れること、更には定圧直流電源よりも高い電圧を3相交流出力とできることである。ここでデッドタイムとは、各相の上下スイッチを同時にオンとできない場合に、上下スイッチのオンオフを逆転させる際に、その間に上下スイッチをいずれもオフとする状態を言う。
USP7130205
IEEE Transactions on Industry Applications,vol.39,No.2,pp.504−510,March/April 2003 Proc.of IEEE IAS 2005 pp.1253−1260
インピーダンスソースインバータの構成とスイッチ制御について、非特許文献1の記載を中心に、説明する。
図1は、インピーダンスソースインバータ100の構成を示す回路図である。
図1に示すように、充電可能でない定圧直流電源Vdcの正極側にダイオードDの正極が接続されている。ダイオードDの負極には、第1のインダクタL1の第1端子が接続され、第1のインダクタL1の他端である第2端子が3相スイッチング部S3phの第1極Pに接続されている。ダイオードDの負極には更に第1のキャパシタC1の正極である第1端子が接続されている。第1のキャパシタC1の負極である第2端子は3相スイッチング部S3phの第2極Nに接続されている。
また、第2のキャパシタC2の正極である第1端子が3相スイッチング部S3phの第1極Pに接続されている。第2のキャパシタC2の負極である第2端子が充電可能でない定圧直流電源Vdcの負極側に接続されている。
また、第2のインダクタL2の第1端子が3相スイッチング部S3phの第2極Nに接続されている。第2のインダクタL2の第2端子が充電可能でない定圧直流電源Vdcの負極側に接続されている。
図1の3相スイッチング部S3phは、直流電源側端子として第1極P及び第2極N、3相交流側端子として端子A、B、Cを有し、これらを6つのトランジスタと6つのダイオードで接続したものである。
第1極Pと端子Aの間には、例えばIGBTから成るスイッチ素子Qapが接続されている。スイッチ素子Qapは、制御電圧により、電流の遮断と、第1極Pから端子Aへの電流の導通を切り替えることが可能なスイッチである。また、スイッチ素子Qapには逆並列に、ダイオードDapが接続されている。即ちダイオードDapは、常時、端子Aから第1極Pへの電流の導通を可能とするものである。
端子Aと第2極Nとの間には、例えばIGBTから成るスイッチ素子Qanが接続されている。スイッチ素子Qanは、制御電圧により、電流の遮断と、端子Aから第2極Nへの電流の導通を切り替えることが可能なスイッチである。また、スイッチ素子Qanには逆並列に、ダイオードDanが接続されている。即ちダイオードDanは、常時、第2極Nから端子Aへの電流の導通を可能とするものである。
これらダイオードDap及びDanは、例えばIGBTから成るスイッチ素子Qap及びQanとは独立した素子を接続しても良い。或いは、ダイオードDap及びDanは、各々、例えばIGBTから成るスイッチ素子Qap及びQanの寄生ダイオードを用いても良い。
全く同様に、第1極Pと端子Bの間に、逆並列に接続されたスイッチ素子QbpとダイオードDbpが接続され、端子Bと第2極Nとの間に、逆並列に接続されたスイッチ素子QbnとダイオードDbnが接続されている。更に、第1極Pと端子Cの間に、逆並列に接続されたスイッチ素子QcpとダイオードDcpが接続され、端子Cと第2極Nとの間に、逆並列に接続されたスイッチ素子QcnとダイオードDcnが接続されている。
非特許文献1及び2に記載されたインピーダンスソースインバータ100は、3相スイッチング部S3phにおけるショートスルーの時間区間を、キャパシタの昇圧の為に積極的に利用するものである。この際、キャパシタ電圧を3相スイッチング部S3phにおけるショートスルーの時間比で調整するが、キャパシタ電圧と、調整に用いる制御量との線形関係を維持することにより電圧を目標値に安定させることができると考えた。
また、本発明者らは上記インピーダンスソースインバータでは、キャパシタ電圧が必ずしも安定ではなく、また、初期動作において所望の電圧に安定するまでに時間がかかることを見出した。
そこでインピーダンスソースインバータのキャパシタ電圧の迅速な安定化を目的として、本発明を完成させたた。
請求項1に係る発明は、直流電源と順方向に接続されたダイオードとを有する直流電源部と、第1及び第2のインダクタと、第1及び第2のキャパシタとを有するインピーダンス部と、6個の双方向スイッチを有し、直流側の第1極及び第2極と、交流側の3相の入出力端子を有する3相スイッチング部とを少なくとも有する電力変換回路であって、双方向スイッチは、各々、制御電位により一方向に導通を行うトランジスタと、それとは逆並列に接続されたダイオードとから成り、3相スイッチング部は、6個の双方向スイッチが2個ずつ同方向に直列接続されたスイッチ列を3組、同方向に並列接続されたものであって、各双方向スイッチを制御することで第1極側から第2極側に電流を流すものであり、3相の入出力端子は3組のスイッチ列の2個ずつの双方向スイッチの中間点に接続されており、第1のキャパシタの電圧又は第2のキャパシタの電圧を検出して、直流電源の電圧を基準として所望の電圧となるように、スイッチングサイクルの時間長に対する、3組のスイッチ列の少なくとも1組の、同方向に直列接続された2個の双方向スイッチを同時にオンとする時間長の比であるデューティ比Dstの動的調整により、3相スイッチング部を制御することを特徴とする電力変換回路の制御方法であり、第1のキャパシタの電圧又は第2のキャパシタの電圧の直流電源の電圧に対する比Kの、デューティ比Dstを変数とする関数K=f(Dst)に基づき、比Kの現在値Kobに基づきPI制御又はPID制御により得られた指令値Kopから、デューティ比Dstの指令値Dstopを前記関数の逆関数を用いてDstop=f-1(Kop)として算出する、又は、比Kの現在値Kobからデューティ比Dstの現在値DstobをDstob=f-1(Kob)として算出したのち当該現在値Dstobに基づきPI制御又はPID制御により指令値Dstopを得ることにより、デューティ比Dstの動的調整を実施することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、インピーダンス部は、第1のインダクタの第1端子と、第1のキャパシタの第1端子とが直流電源部の正極側に接続され、第1のインダクタの第2端子と、第2のキャパシタの第1端子とが3相スイッチング部の第1極側に接続され、第2のインダクタの第1端子と、第1のキャパシタの第2端子とが3相スイッチング部の第2極側に接続され、第2のインダクタの第2端子と、第2のキャパシタの第2端子とが直流電源部の負極側に接続されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、直流電源と順方向に接続されたダイオードに並列に、逆直列に導通を行うトランジスタを接続したことを特徴とする。
例えば非特許文献1に記載されているように、第1のキャパシタ及び第2のキャパシタの電圧は、ショートスルー区間の時間長を調整することにより調整可能である。この際、デューティー比の調整を動的に実施し、更にはPI制御又はPID制御により行えば確実にキャパシタ電圧の迅速な安定化が実施可能となる。この際、デューティー比は0以上1/2未満であって、その値が大きくなるほど、デューティー比の変化に対する第1のキャパシタの電圧又は第2のキャパシタの電圧の変化が急峻となる。そこで、デューティー比自体をPI制御又はPID制御するのでなく、第1のキャパシタの電圧又は第2のキャパシタの電圧の変化と変化割合の同じ第1のキャパシタの電圧又は第2のキャパシタの電圧の直流電源の電圧に対する比KをPI制御又はPID制御する。これにより、比Kの現在値Kobから比Kの指令値KopへのPI制御又はPID制御が的確なものとなるので、当該比Kの指令値Kopを用いればデューティー比Dstの指令値Dstopを的確に算出できる。即ち、測定値に基づく比Kの現在値Kobと、制御量であるデューティー比Dstの指令値Dstopとの間の線形性を実現することができる。
同様に、比Kの現在値Kobからデューティー比Dstの現在値Dstobを算出したのち、デューティー比DstをPI制御又はPID制御して指令値Dstopを求めても良い。この場合も、測定値に基づく比Kの現在値Kobと、制御量であるデューティー比Dstの指令値Dstopとの間の線形性を実現することができる。
比Kとデューティー比Dstの関係式は公知であるのでこれを用いると良い。
こうして、3相スイッチング部の6個の双方向スイッチをPWM制御する際に、ショートスルー時間を的確に設定できるので、第1のキャパシタの電圧及び第2のキャパシタの電圧を目標値に素早く安定させることができる。
本発明の具体的な一実施例に係る電力変換回路100の回路図。 2.Aは実施例1による電圧制御のブロック図、2.Bはそのシミュレーション結果を示すグラフ図。 3.Aは比較例による電圧制御のブロック図、3.Bはそのシミュレーション結果を示すグラフ図。 4.Aは実施例1による電圧制御の別表現のブロック図、4.Bは実施例2による電圧制御のブロック図。 本発明の具体的な一実施例に係る電力変換回路200の回路図。
一定値である直流電源電圧Vdc、キャパシタ電圧の目標値VC0、キャパシタ電圧の現在値VCに対し、比K=VC/VdcをPI制御又はPID制御する。こののち、ショートスルー(又は、シュートスルーとも言う)時間区間の、スイッチングサイクル中の時間割合であるデューティー比Dstを算出する。
このデューティー比Dstは、非特許文献1の式(12)によれば、K=(1−Dst)/(1−2Dst)、変形すればDst=(K−1)/(2K−1)の関係がある。ここで、Kは1以上、Dstは0以上1/2未満である。
初期値としてK=1又はDst=0を用い、KをPI制御又はPID制御してKの指令値を求め、そこからDstを算出することで最適化する。
図1の電力変換回路(インピーダンスソースインバータ)100の、本発明による制御方法について説明する。図1の電力変換回路(インピーダンスソースインバータ)100の構成は、既に述べた通りである。
図1の電力変換回路(インピーダンスソースインバータ)100の制御方法は、非特許文献1及び2にもある通り、例えば三角波をキャリアとして5つの閾値との比較により、6個のIGBTのオンオフを切り替えることで可能である。
例えば非特許文献2には、次のような1スイッチングサイクルが示されている。まず、ショートスルー(非特許文献2ではシュートスルー)が無い場合を考える。
ap、Qbp、Qcpが全てオン、Qan、Qbn、Qcnが全てオフのゼロベクトル状態、
an、Qbp、Qcnが全てオン、Qap、Qbn、Qcpが全てオフのアクティブ(外部負荷に電力を供給)状態、
ap、Qbp、Qcnが全てオン、Qan、Qbn、Qcpが全てオフのアクティブ(外部負荷に電力を供給)状態、
ap、Qbp、Qcpが全てオフ、Qan、Qbn、Qcnが全てオンのゼロベクトル状態、
ap、Qbp、Qcnが全てオン、Qan、Qbn、Qcpが全てオフのアクティブ(外部負荷に電力を供給)状態、
an、Qbp、Qcnが全てオン、Qap、Qbn、Qcpが全てオフのアクティブ(外部負荷に電力を供給)状態、
の繰り返しが基本となる。この基本パターンの2つのゼロベクトル状態の中に、それぞれ、
ap、Qbp、Qcp、Qan、Qbn、Qcnが全てオンのショートスルー状態、
を形成している(非特許文献のFig3)。
非特許文献1の式(4)の成立を仮定すると、非特許文献1の式(12)が成り立つ。この成立のための条件は、インダクタ電流が減少しても外部負荷電流の1/2に達することが無いことと、キャパシタ電位の変化が無視できることの2点である。
これを利用すると、
K=f(Dst)=(1−Dst)/(1−2Dst)、
又は、
st=f-1(K)=(K−1)/(2K−1)、
ただし、Kは直流電源電圧Vdcに対するキャパシタ電圧VCの比、即ちVC/Vdcである。また、Dstはショートスルー(又は、シュートスルー)時間区間の、スイッチングサイクル中の時間割合であるデューティー比である。
よって、デューティー比Dstの初期値を例えば0(この時、比Kの初期値は1)として電力変換回路100を駆動させる。
この後、第1のキャパシタC1又は第2のキャパシタC2の電圧VCを常時監視して目標キャパシタ電圧VC0との差ΔVを算出し、ΔVから比Kの指令値KopをPI制御又はPID制御により求める。この比Kの指令値Kopから、デューティー比Dstの指令値DstopをDstop=f-1(Kop)=(Kop−1)/(2Kop−1)により算出する。こうして、3相スイッチング部S3phの6個の双方向スイッチQap、Qbp、Qcp、Qan、Qbn、QcnをPWM制御する際に、ショートスルー(又は、シュートスルー)時間区間の、スイッチングサイクル中の時間割合であるデューティー比Dstを動的に調整することで、第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2の電圧VCを目標キャパシタ電圧VC0に迅速に安定化させることが可能となる。
ここで、第1のキャパシタC1又は第2のキャパシタC2の電圧VCを常時監視して目標キャパシタ電圧VC0との差ΔVから、比Kの指令値KopをPI制御又はPID制御により求めてデューティー比Dstの指令値DstopをDstop=f-1(Kop)=(Kop−1)/(2Kop−1)により算出する場合を実施例とし、第1のキャパシタC1又は第2のキャパシタC2の電圧VCを常時監視して目標キャパシタ電圧VC0との差ΔVから、直接デューティー比DstをPI制御した場合を比較例として、シミュレーションを行った。これを図2及び図3に示す。
直流電源電圧Vdcを100Vとし、第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2の電圧VCを150Vから400Vに昇圧する場合の過渡特性を示す。尚、図1の電力変換回路(インピーダンスソースインバータ)100の電極P及び電極N間に印加される直流電位Viは、第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2の電圧の和2VCから直流電源電圧Vdcを引いたものであり、これも合わせて示す。即ち、電極P及び電極N間に印加される直流電位Viは200Vから700Vに昇圧される。
まず本発明の実施例においては、現状のキャパシタ電圧VCと目標キャパシタ電圧VC0との差ΔVを算出してPI制御により比Kの指令値Kopを求め、Dstop=f-1(Kop)=(Kop−1)/(2Kop−1)により算出したデューティー比Dstの指令値Dstopに基づきショートスルー(又は、シュートスルー)時間区間を設定したPWM制御により、3相スイッチング部S3phの6個の双方向スイッチQap、Qbp、Qcp、Qan、Qbn、Qcnを駆動する。図2.Aはこれをブロック図としてまとめたものである。
図2.Bに示す通り、比Kの指令値KopをPI制御又はPID制御により求め、デューティー比Dstの指令値Dstopを、Dstop=f-1(Kop)=(Kop−1)/(2Kop−1)により算出した場合、第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2の電圧VCは昇圧指示の0.06秒後に目標値400Vに到達して安定した。
この際、比Kは1.5から4に、デューティー比Dstは0.25から0.429に増加することとなる。
比較例においては、ΔVからPI制御によりデューティー比Dstを直接求めた。即ち、現状のキャパシタ電圧VCと目標キャパシタ電圧VC0との差ΔVを算出してPI制御によりデューティー比Dstを直接求め、それに基づきショートスルー(又は、シュートスルー)時間区間を設定したPWM制御により、3相スイッチング部S3phの6個の双方向スイッチQap、Qbp、Qcp、Qan、Qbn、Qcnを駆動する。図3.Aはこれをブロック図としてまとめたものである。
図3.Bに示す通り、デューティー比Dstの指令値を直接PI制御又はPID制御により求めた場合は、第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2の電圧VCは一旦500Vを超えて上昇してしまい、400V付近で安定したのは昇圧指示の0.08秒後であった。
ここから、デューティー比Dstと比Kの関係を考慮せずにデューティー比Dstの指令値を直接PI制御又はPID制御により求めると、特にデューティー比Dstの上限である0.5に近いほど、デューティー比Dstの変化割合に対する電圧VCの変化割合が急峻となり、デューティー比Dstが安定しにくいことを原因として、電圧VCが安定するまでに極めて時間がかかることが分かる。一方、本発明のように、比Kの指令値KopをPI制御又はPID制御により求めたのち、デューティー比Dstの指令値Dstopを、Dstop=f-1(Kop)=(Kop−1)/(2Kop−1)により算出すると、Kの変化割合に対する電圧VCの変化割合が等しいので、デューティー比Dstを的確に算出することができ、電圧VCが安定するまでに短時間で済むことが分かる。
ΔVから比Kの指令値Kopを算出するPID制御は、一般式として次の式(1−1)又は(1−2)のように表される。尚、指令値Kopの初期値を0としない場合は、左辺は指令値Kop自体ではなく、指令値Kopの0でない初期値に対する増加分となる。
また、PI制御は、微分動作を除いた式、即ちkd=Td=0としたものであることは明らかである。
式(1−1)において、比例ゲインkpを固定値としても良いが、Dstが上限1/2に近くなるほど(比K=VC/Vdcが大きくなるほど)、比例ゲインkpを小さくするようにしても良い。例えば、比例ゲインkpを次の式(2)で動的に調整しても良い。これは、DstのKによる微分から導出したものである。
図2.Aの構成の特徴は、図4.Aのように示すこともできる。
即ち、現在のキャパシタ電圧VCを測定し、直流電源電圧Vdcとから、比Kの現在値Kobを得る。この比Kの現在値Kobを用いて、PI制御又はPID制御を実施する。即ち、比Kの現在値Kobと、目標キャパシタ電圧VC0の直流電源電圧Vdcに対する比との差をPIコントローラ等に入力して、比Kの指令値Kopを求める。こののち、Dstop=f-1(Kop)=(Kop−1)/(2Kop−1)によりデューティー比Dstの指令値Dstopを算出し、PWM制御及びスイッチの駆動を行う。
図4.Aの手順を変更し、図4.Bのように制御を行っても良い。即ち、現在のキャパシタ電圧VCを測定し、直流電源電圧Vdcとから、比Kの現在値Kobを得る。ここから、デューティー比Dstの現在値Dstobを、Dstob=f-1(Kob)=(Kob−1)/(2Kob−1)により算出する。このデューティー比Dstの現在値Dstobと、目標キャパシタ電圧VC0の直流電源電圧Vdcに対する比から算出されるデューティー比Dstの目標値との差をPIコントローラ等に入力して、デューティー比Dstの指令値Dstopを求め、PWM制御及びスイッチの駆動を行う。
図5は、本発明を適用可能な電力変換回路200の構成を示す回路図である。図5の電力変換回路200は、図1の電力変換回路(インピーダンスソースインバータ)100において、定圧直流電源Vdcに替えて二次電池(充電池)V0を用い、ダイオードDを、IGBTから成るスイッチ素子Q0とダイオードD0とが逆並列に接続された双方向スイッチとしたものである。尚、既に述べた通り、双方向スイッチのダイオードD0は、IGBTの寄生ダイオードを利用しても良く、或いは別のダイオードを逆並列に接続しても良い。
IGBTから成るスイッチ素子Q0は二次電池(充電池)V0を充電する場合にオンする。スイッチ素子Q0がオフの状態では、二次電池(充電池)V0はダイオードD0を通じて放電することはあっても、充電はされない。
図5の電力変換回路200の、その他の部分である、2つのインダクタL1及びL2、2つのキャパシタC1及びC2、3相スイッチング部S3phの構成は、図1の電力変換回路(インピーダンスソースインバータ)100と全く同一であるので、これら自体の詳細な説明については省略する。
図5の電力変換回路200の特徴は、二次電池V0を充電池としたので、外部負荷がモータ等である場合に回生電力を二次電池V0に蓄えることができることである。また、詳細は略すが、外部負荷のインダクタ成分が小さく、外部負荷への供給電流が小さい場合に、電力供給が不連続とならない。即ち、インダクタ電流が減少して外部負荷電流の1/2に達したのちも、インダクタ電流の減少速度が変化しないので、キャパシタ電位の変化が無視できるならば、非特許文献1の式(4)及び式(12)が必ず成立する。
図5の電力変換回路200においても、ショートスルー(又は、シュートスルー)時間区間のスイッチングサイクル中の時間割合であるデューティー比Dstを、比Kの指令値をPI制御又はPID制御により求めてから算出して制御する、或いは比Kの現在値からデューティー比Dstの現在値を求めてデューティー比Dstの指令値をPI制御又はPID制御により求めて制御することで、第1のキャパシタC1又は第2のキャパシタC2の電圧を目標キャパシタ電圧VC0に迅速に安定化させることが可能となる。
実施例3の電力変換回路200は、回生電流を有効利用できるので、ハイブリッドタイプを含む電動機を有する車両、電動車、その他に利用可能である。
dc:直流電源
D:ダイオード
1:第1のインダクタ
2:第2のインダクタ
1:第1のキャパシタ
2:第2のキャパシタ
3ph:3相スイッチング回路
P:3相スイッチング回路S3phの第1極(直流高電位側)
N:3相スイッチング回路S3phの第2極(直流低電位側)
A、B、C:3相スイッチング回路S3phの3相交流端子
ap、Qbp、Qcp、Qan、Qbn、Qcn:3相スイッチング回路S3phの双方向スイッチを形成するスイッチ素子(IGBT)
ap、Dbp、Dcp、Dan、Dbn、Dcn:3相スイッチング回路S3phの双方向スイッチを形成するダイオード
0:二次電池(充電池)
0:双方向スイッチを形成するスイッチ素子(IGBT)
0:双方向スイッチを形成するダイオード

Claims (3)

  1. 直流電源と順方向に接続されたダイオードとを有する直流電源部と、
    第1及び第2のインダクタと、第1及び第2のキャパシタとを有するインピーダンス部と、
    6個の双方向スイッチを有し、直流側の第1極及び第2極と、交流側の3相の入出力端子を有する3相スイッチング部とを少なくとも有する電力変換回路の制御方法であって、
    前記双方向スイッチは、各々、制御電位により一方向に導通を行うトランジスタと、それとは逆並列に接続されたダイオードとから成り、
    前記3相スイッチング部は、前記6個の双方向スイッチが2個ずつ同方向に直列接続されたスイッチ列を3組、同方向に並列接続されたものであって、各双方向スイッチを制御することで前記第1極側から前記第2極側に電流を流すものであり、前記3相の入出力端子は3組の前記スイッチ列の前記2個ずつの双方向スイッチの中間点に接続されており、
    前記第1のキャパシタの電圧又は前記第2のキャパシタの電圧を検出して、前記直流電源の電圧を基準として所望の電圧となるように、スイッチングサイクルの時間長に対する、前記3組のスイッチ列の少なくとも1組の、同方向に直列接続された2個の双方向スイッチを同時にオンとする時間長の比であるデューティ比Dstの動的調整により、前記3相スイッチング部を制御するものであり、
    前記第1のキャパシタの電圧又は前記第2のキャパシタの電圧の前記直流電源の電圧に対する比Kの、前記デューティ比Dstを変数とする関数K=f(Dst)に基づき、
    比Kの現在値Kobに基づきPI制御又はPID制御により得られた指令値Kopから、デューティ比Dstの指令値Dstopを前記関数の逆関数を用いてDstop=f-1(Kop)として算出する、又は、比Kの現在値Kobからデューティ比Dstの現在値DstobをDstob=f-1(Kob)として算出したのち当該現在値Dstobに基づきPI制御又はPID制御により指令値Dstopを得ることにより、デューティ比Dstの動的調整を実施することを特徴とする電力変換回路の制御方法。
  2. 前記インピーダンス部は、
    前記第1のインダクタの第1端子と、前記第1のキャパシタの第1端子とが前記直流電源部の正極側に接続され、
    前記第1のインダクタの第2端子と、前記第2のキャパシタの第1端子とが前記3相スイッチング部の第1極側に接続され、
    前記第2のインダクタの第1端子と、前記第1のキャパシタの第2端子とが前記3相スイッチング部の第2極側に接続され、
    前記第2のインダクタの第2端子と、前記第2のキャパシタの第2端子とが前記直流電源部の負極側に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換回路。
  3. 前記直流電源と順方向に接続された前記ダイオードに並列に、逆直列に導通を行うトランジスタを接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力変換回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016208736A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 東洋電機製造株式会社 電力変換装置

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