JP2010186385A - 加工ラインにおけるワークデータの管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】NGワークが出たときに、待機による空工数の発生や広いワークの保管スペースを要さずにワーク全体のデータ管理を行う。
【解決手段】投入工程において、ワークの情報の内の少なくともロットNo.および機種のデータを入力端末4により入力して、搬送コンベア10上のワークの順序に対応したライン流動データをサーバ8に構築し、加工工程においてワークにNGが発生したとき、当該NGワークを搬送コンベア10上から除去した後、サーバ8において、ライン流動データの中から前記NGワークのデータのみを同サーバに割り振られたNGデータエリアに退避させ、修正した前記NGワークを加工工程に戻したとき、搬送コンベア10上における当該戻したワークの順序位置に対応するように、前記退避させたデータをライン流動データに挿入復帰させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、加工ラインにおけるワークデータの管理方法に関する。
ワークデータの管理方法の従来例として、ワークの仕上げ処理の投入工程において、ロット単位で台車に載置されるとともにシールやタグ(荷札)などのいわゆるエフ(絵符)により管理されたうえで搬入されてくるワークをロット毎に区分けできるようにマジックによりマーキングし、かつ、台帳にロットNo、機種、加工日を記入して管理を行う方法が挙げられる。しかしこの方法では、台帳への記入ミスのおそれや、加工途中で不具合により脇出したワークのロット管理が不十分となり、検査工程で不具合が発見された場合の事象解析時に同じ加工条件のワークを検証する必要があるところ、ロット単位のデータ管理が不十分となり検証工数が多くなるという問題がある。
これに対し、特許文献1には次のような技術が記載されている。ワークをロット単位で1つの加工を実施するときに不良が発生した場合、ロットを元のロット(不良品ワーク)と新たなロット(良品ワーク)とに分割し、元ロットについて再生加工を行い、その結果良品ワークとなったものについては前記新たなロットに合流させる。このような元ロットの再生加工を一定回数繰り返し行い、元ロットの全てまたは殆どが良品ワークとなって前記新たなロットに合流したら、次工程で次の加工を行う。そして、以上の実作業に対応したコンピュータシステムにより、データの流れと実作業でのワークの流れとを対応付けて管理する。
特開平6−753号公報
しかしながら特許文献1に記載の技術は、予め多数の不良品が発生することを想定した技術であり、本発明の技術分野のように同一ロットの加工時に不良ワークが希に発生するようなライン態様に適用すると、同一ロットを1つの工程で加工するための時間が多大となる不具合が発生する。すなわち、同一ロットの内、不良ワークを複数回加工し、全てのワークが良品となるかまたは加工NGが確定するまで、前記ロットについて次工程の加工に進めない不具合が発生する。このため、次工程ではロット待ちとなって加工機および作業者が待機の状態となり、空工数が発生する問題がある。
これを解消するには当該工程と次工程間に多数のロットをストックする必要があり、ロットの管理が煩雑となり、また、大きな保管スペース必要とする不具合が発生する。さらに当該工程の前工程においても、当該工程に次のロットが進めないため、前工程が待機状態となり同様の不具合が発生する。
本発明は以上のような課題を解消するために創作されたものであり、NGワークが出たときに、待機による空工数の発生や広いワークの保管スペースを要さずにワーク全体のデータ管理を行える加工ラインにおけるワークデータの管理方法を提供することを目的としている。
本発明は前記課題を解決するため、ロット単位のワークを搬送する搬送装置と、当該搬送装置にワークを投入する投入工程と、ワークの加工を行う加工工程と、ワークの情報を入力する入力端末と、当該入力端末に接続したサーバと、を有する加工ラインにおいて、前記投入工程において、ワークの情報の内の少なくともロットNo.および機種のデータを前記入力端末により入力して、前記搬送装置上のワークの順序に対応したライン流動データを前記サーバに構築し、前記加工工程においてワークにNGが発生したとき、当該NGワークを前記搬送装置上から除去した後、前記サーバにおいて、前記ライン流動データの中から前記NGワークのデータのみを同サーバに割り振られたNGデータエリアに退避させ、修正した前記NGワークを前記加工工程に戻したとき、前記搬送装置上における当該戻したワークの順序位置に対応するように、前記NGデータエリアに退避させたデータを前記ライン流動データに挿入復帰させることを特徴とする加工ラインにおけるワークデータの管理方法とした。
本発明によれば、加工工程においてワークにNGが発生したとき、ライン流動データの中からNGワークのデータのみをNGデータエリアに一旦退避させ、修正したNGワークを加工工程に戻したとき、搬送装置上における当該戻したワークの順序位置に対応するように、NGデータエリアに退避させたデータをライン流動データに挿入復帰させるので、ワークを迅速に次処理ラインに搬送することが可能となり、従来のように待機による空工数の発生または広いワークの保管スペースを要さない。
また、本発明は、ロット単位のワークを搬送する搬送装置と、当該搬送装置にワークを投入する投入工程と、ワークの加工を行う加工工程と、ワークの情報を入力する入力端末と、当該入力端末に接続したサーバと、を有する加工ラインにおいて、
(1)前記投入工程において、ワークの情報の内の少なくともロットNo.および機種のデータの入力を前記入力端末により受けると、前記搬送装置上のワークの順序に対応したライン流動データを前記サーバに構築するステップ、
(2)前記加工工程においてワークにNGが発生したとき、前記加工工程の排出位置にNGワークが到達した段階で前記搬送装置を停止させるステップ、
(3)前記NGワークを除去して前記搬送装置を再起動したときに、前記サーバにおいて、前記ライン流動データの中から前記NGワークのデータのみを同サーバに割り振られたNGデータエリアに退避させるステップ、
(4)前記搬送装置上において、前記加工工程の直前の位置にワーク1つ分の空き箇所を形成し、前記搬送装置を停止させるステップ、
(5)前記入力端末の端末画面に、前記NGデータエリアに退避させた前記NGワークのデータを表示するステップ、
(6)前記端末画面に表示した前記NGワークのデータの再投入指示を前記入力端末により受け、かつ、修正した前記NGワークを前記空き箇所に戻した状態で前記搬送装置を再起動したとき、前記搬送装置上における当該戻したワークの順序位置に対応するように、前記NGデータエリアに退避させたデータを前記ライン流動データに挿入復帰させるステップ、
の各ステップをその順序で行うことを特徴とする加工ラインにおけるワークデータの管理方法とした。
本発明によれば、加工工程においてワークにNGが発生したとき、ライン流動データの中からNGワークのデータのみをNGデータエリアに一旦退避させ、修正したNGワークを加工工程に戻したとき、搬送装置上における当該戻したワークの順序位置に対応するように、NGデータエリアに退避させたデータをライン流動データに挿入復帰させるので、ワークを迅速に次処理ラインに搬送することが可能となり、従来のように待機による空工数の発生または広いワークの保管スペースを要さない。
また、本発明は、前記加工ラインの最下流に、同一ロットのワークを仕向け地別に載置する仕向け地別台車と、当該仕向け地別台車にワークを払い出す払出しロボットとを有する払出し工程が設けられ、前記サーバには、払い出した順にワークの払出し済みデータが構築され、前記(6)のステップで前記空き箇所に戻した前記NGワークのデータのロットNo.が前記搬送装置上の他のワークのデータのロットNo.と異なるとき、前記払出しロボットが前記NGワークを脇出専用の脇出し台車に一旦脇出するステップと、入力端末の端末画面に、脇出したワークのデータを表示するステップと、前記端末画面に表示した前記脇出したワークのデータを選択して再投入指示したとき、当該データを前記ライン流動データから前記払出し済みデータの内の該当する仕向け地ロットデータ群の最後尾へ移動させるステップと、を行うことを特徴とする。
本発明によれば、搬送装置に戻したワークのロットNo.が他のワークのロットNo.と異なる場合であっても、戻したワークのデータがライン流動データから払出し済みデータの内の該当する仕向け地ロットデータ群の最後尾へ移動するので、ロットを崩すことなく、確実にロット毎にワークデータを集積することが可能となり、ワークの不具合に対する解析を迅速に行うことが可能となる。
本発明によれば、NGワークが出たとき、待機による空工数の発生や広いワークの保管スペースを要さずにワーク全体のデータ管理を容易に行える。
クランクシャフトの研磨処理ライン、熱処理ラインおよび仕上げ処理ラインの概略構成図である。 クランクシャフトの仕上げ処理ラインのレイアウトおよびシステム構成の概略構成図である。 投入工程において、クランクシャフトの投入を開始する際に端末画面に表示されるデータ構成例である。 投入工程において、クランクシャフトの投入時にサーバに展開されるライン流動データの構成例である。 加工工程(歪取工程)において、NGのクランクシャフトが発生したときに端末画面に表示されるライン流動データの構成例である。 加工工程(歪取工程)において、修正したクランクシャフトを再投入する際に端末画面に表示される該クランクシャフトのデータ構成例である。 加工工程(歪取工程)において、NGのクランクシャフトを再投入した後に端末画面に表示されるライン流動データの構成例である。 加工工程(測定刻印工程)において、修正したクランクシャフトを再投入する際に端末画面の表示される該クランクシャフトのデータ構成例である。 完成検査工程において、端末画面に表示される仕向け地選択画面である。 完成検査工程において、修正したクランクシャフトを再投入する際に端末画面の表示される該クランクシャフトのデータ構成例である。 2次元バーコードの読み取り時の取得データ例である。 クランクシャフトの払出し済みデータの構成例である。 ロット違いにより脇出したクランクシャフトのデータを払出し済みデータに組み入れる際の端末画面の表示例である。
本発明について、クランクシャフトの仕上げ処理ラインを例に挙げて説明する。
図1に示すように、対象のワークWであるクランクシャフト1は研磨処理、熱処理を施され、仕上げ処理ラインで仕上げ加工処理が施される。研磨処理ライン、熱処理ライン、仕上げ処理ラインはそれぞれ分離された場所に配設されており、研磨処理ラインではクランクシャフト1をロット単位で素材より加工し、研磨処理後、クランクシャフト1はロット単位で台車2に積載されて後工程の熱処理ラインに払い出される。このとき台車2にはロットNo.、機種を記したエフ3が貼着され、クランクシャフト1はこのエフ3に基づいて台車2毎に管理される。
次の熱処理ラインでは、クランクシャフト1を台車2にロット単位で積載したままの状態で熱処理を行う。各ライン間はクランクシャフト1をロット単位で積載した台車2により搬送される。
仕上げ処理ラインは、図2に示すように、投入工程−歪取工程−FB(ファインボーリング)工程−MF(マイクロフィニッシャ)工程−洗浄工程−測定刻印工程−ボール圧入工程−完成検査工程−払出し工程の順で処理される。
ここで、「投入工程」とは、熱処理ラインからロット単位で台車2に積載されて搬送されてきたクランクシャフト1について、作業者が当該台車2に貼着されているエフ3に基づきクランクシャフト1のロットNo.、機種、ワーク個数を入力端末4にて入力し、この入力完了後、その端末画面4a上の「投入開始」ボタン(図3参照)をクリックすることにより、入力データに基づきクランクシャフト1を1本毎、投入ロボット9により搬送装置である搬送コンベア10上に投入する工程である。
このクランクシャフト1の投入毎にワークデータが順次サーバ8上に形成され、サーバ8にライン流動データ(ラインを流れている全ワークに関するデータ)として構築される。このとき、サーバ8内のライン流動データにはクランクシャフト1の投入年月日時分秒が日付データとして自動的に付加される。図4はこのクランクシャフト1投入時のサーバ8に展開されるライン流動データの構成例を示し、No.「2」および名称「ABC」からなる機種と、研磨ロットNo.「01234559」からなるロットNo.とが付与されたクランクシャフト1について示している。この図4に示されるライン流動データは入力端末4の端末画面4aや入力端末5の端末画面5aなどに表示される。図4中、左端列の1〜10の数字は搬送コンベア10上でのクランクシャフト1の流動位置を表す。例えば、1が投入位置、2〜6が投入ロボット9と歪取工程との間の搬送コンベア10上の位置、7が歪取工程直前のクランクシャフト1の1本分の空き形成位置、8〜10が歪取工程の位置を示している。歪取工程の位置の内、10の位置は歪取NG品の脇出し(搬出ステーション)の位置であり、この10の位置でNG品を取り除くと、データは前詰めされる。
次に、「歪取工程」とは、前工程の熱処理ラインでクランクシャフト1を熱処理することにより生じた歪を歪取機12により補正し、補正後の歪量を測定する工程である。
「FB工程」とは、ファインボーリングM/C13によりクランクシャフト1のベアリング圧入穴を高精度に研削する工程である。
「MF工程」とは、マイクロフィニッシャ14によりクランクシャフト1のジャーナル・ピン部をフイルムラップ磨きする工程である。
「洗浄工程」とは、クランクシャフト1を洗浄機15により洗浄する工程である。
「測定刻印工程」とは、測定刻印機17によりクランクシャフト1のジャーナル・ピン部の径測定とランクを示す2次元バーコードを刻印する工程である。
「ボール圧入工程」とは、ボール圧入機18によりクランクシャフト1に開設された穴を閉止するためのボールを圧入する工程である。
「完成検査工程」とは、作業者がクランクシャフト1の外観品質を目視で検査し、各クランクシャフト1の仕向け地を入力端末7で入力する工程である。検査は例えばターンテーブル19上において行われる。完成検査工程では、携帯型バーコードリーダ20が用いられる。
「払出し工程」とは、払出しロボット21により把持されたクランクシャフト1に刻印された2次元バーコードを2次元バーコード読取機22により読み取らせ、前記入力端末7で入力された仕向け地毎に配設された仕向け地別台車23にクランクシャフト1を払い出す工程である。
仕上げ処理ラインのシステム構成例としては、投入工程、歪取工程(加工工程)、測定刻印工程(加工工程)、完成検査工程にそれぞれ配設された入力端末4〜7と、投入工程に配設された投入ロボット9と、完成検査工程に配設された携帯型バーコードリーダ20と、払出し工程に配設された2次元バーコード読取機22および払出しロボット21と、サーバ8とからなり、各入力端末4〜7、投入ロボット9、携帯型バーコードリーダ20、2次元バーコード読取機22、払出しロボット21はそれぞれサーバ8に接続されている。
歪取工程では、歪取機12による歪取り後の測定によりクランクシャフト1の外形がNGとなった場合、歪取工程の入力端末5の端末画面5aに表示されている画面表示データ(図4に示した歪取工程におけるライン流動データであり、サーバ8に記憶されたデータである)の内で該当するデータが青色から赤色に反転する。すなわち、図5において、左端列の数字10で特定される位置が歪取NG品の脇出し(搬出ステーション)の位置であることは前記した通りであり、当該位置のデータがNGデータD1として青色から赤色に反転する。ラインにおいては、歪取工程の搬出ステーションに当該NGのクランクシャフト1が到達すると搬送コンベア10、歪取機12が停止し、作業者にランプ、ブザーによりその旨を報知する。作業者は前記NGのクランクシャフト1を搬送コンベア10上から脇出し、次いで搬送コンベア10の起動ボタンを押し、仕上げ処理ラインを再稼動させる。この起動ボタンを押すことにより、前記赤色に反転したNGデータD1は、サーバ8に割り振られた歪取NGデータエリアに退避され、端末画面5aの画面表示データは前詰め処理される。また、サーバ8の歪取NGデータエリアに退避したNGデータD1の日付データは、NGとなった時点の年月日時分秒に更新される。
脇出したNGのクランクシャフト1は搬送コンベア10外で所定の方法により修正される。NGのクランクシャフト1の修正が完了し、歪取機12に再投入する場合には、搬送コンベア10に配設されたストッパ11を作動させ、このストッパ11よりも下流で、歪取機12直前の位置にクランクシャフト1の1本分の空き箇所を形成する。次いで、搬送コンベア10、歪取機12を停止させ、修正したクランクシャフト1を前記空き箇所に投入する。そして、端末画面5aには、図6に示すように、サーバ8の歪取NGデータエリアに退避させたNGデータD1の情報が表示され、作業者はこの該当データを選択して「再投入」ボタンをクリックする。次いで、作業者が搬送コンベア10、歪取機12の起動ボタンを押すことにより、図7に示すように、左端列の数字7で示される位置、すなわちライン流動データにおける歪取工程直前のクランクシャフト1の1本分の空き形成位置に前記NGデータD1が正規のデータとして挿入復帰され、これより上流のデータは1個分上流側に移動する。つまり、搬送コンベア10上に戻したクランクシャフト1の順序位置に対応するように、NGデータD1がライン流動データに挿入復帰される。NGデータD1は再投入したときの年月日時分秒に更新されている。
測定刻印工程におけるNG処理も歪取工程の場合と略同様である。すなわち、測定刻印機17の刻印機測定ステーションでクランクシャフト1の外形(ジャーナル・ピン部の径)がNGとなった場合、入力端末6の端末画面6aでの画面表示データ(測定刻印工程におけるライン流動データであり、サーバ8に記憶されたデータである)の該当するデータが青色から赤色に反転する。そして、測定刻印機17の搬出ステーションにNGのクランクシャフト1が到達すると、搬送コンベア10、測定刻印機17が停止し、作業者にランプ、ブザーによりその旨を報知する。作業者はNGのクランクシャフト1を搬送コンベア10上から脇出し、次いで搬送コンベア10、測定刻印機17の起動ボタンを押し、仕上げ処理ラインを再稼動させる。起動ボタンを押すことにより、前記赤色に反転したデータはNGデータとして、サーバ8における刻印機NGデータエリアに退避され、端末画面6aの画面表示データは前詰め処理される。サーバ8の刻印機NGデータエリアに退避したNGデータの日付データは、NGとなった時点の年月日時分秒に更新される。
脇出したNGのクランクシャフト1は搬送コンベア10外で所定の方法により修正される。NGのクランクシャフト1の修正が完了し、測定刻印機17に再投入する場合には、搬送コンベア10に配設されたストッパ16を作動させ、このストッパ16よりも下流で、測定刻印工程の直前の位置にクランクシャフト1の1本分の空き箇所を形成する。次いで、搬送コンベア10、測定刻印機17を停止させ、修正したクランクシャフト1を前記空き箇所に投入する。そして、端末画面6aには、図8に示すように、サーバ8の刻印機NGデータエリアに退避させたNGデータの情報が表示され、作業者はこの該当データを選択して「再投入」ボタンをクリックする。次いで、作業者が搬送コンベア10、測定刻印機17の起動ボタンを押すことにより、ライン流動データにおける測定刻印工程直前のクランクシャフト1の1本分の空き形成位置に、前記NGデータが正規のデータとして挿入復帰され、これより上流のデータは1個分上流側に移動する。つまり、搬送コンベア10上に戻したクランクシャフト1の順序位置に対応するように、NGデータがライン流動データに挿入復帰される。前記NGデータは再投入したときの年月日時分秒に更新されている。
次に、ボール圧入工程におけるボール圧入後のクランクシャフト1は、払出しロボット21により搬送コンベア10上から1本把持され、完成検査工程のターンテーブル19上に載置される。完成検査工程では、ターンテーブル19上のクランクシャフト1について作業者が外観検査する。外観検査に合格すると、作業者は入力端末7でクランクシャフト1の仕向け地を入力し、図9に示すように端末画面7aに表示された「払出し」ボタンをクリックする。
次いで、払出しロボット21がターンテーブル19上のクランクシャフト1を把持し、2次元バーコード読取機22により2次元バーコードの読み取りが行われる。図11は、読み取った2次元バーコードのデータの構成例を示し、端末画面7aに表示される。2次元バーコード読取機22により読み取ったデータはサーバ8上の当該データにドッキングされる。2次元バーコード読取機22により読み取ったデータに基づき、払出しロボット21が機種、仕向け地毎に設けられた仕向け地別台車23の内の該当する台車にクランクシャフト1を移載する(図12参照)。
一方、外観不具合が発生すると、作業者がターンテーブル19上からNGのクランクシャフト1を脇出し、図9に示される「不合格」ボタンをクリックする。これにより、入力端末7の端末画面7aでの画面表示データ(完成検査工程におけるライン流動データであり、サーバ8に記憶されたデータである)の内の該当するデータがNGデータとしてサーバ8における完成検査NGデータエリアに退避され、端末画面7aの画面表示データは前詰め処理される。サーバ8の完成検査NGデータエリアに移動したNGデータの日付データは、NGとなった時点の年月日時分秒に更新される。
NGのクランクシャフト1の修正が完了した場合は、ターンテーブル19上に再投入せず、仕向け地別台車23に直接移載する。この場合、図10に示すように、端末画面7aに、サーバ8の完成検査NGデータエリアに退避させたNGデータの情報が表示され、作業者は該当するデータを選択し、移動先台車No.を入力して、「移動」ボタンをクリックすることにより、データは該当する台車データエリアに移動する。さらに修正済みのクランクシャフト1の2次元バーコードを携帯型バーコードリーダ20で読み取ることにより、台車データエリアに移動した前記データに携帯型バーコードリーダ20で読み取ったデータがドッキングされる。
また、修正済みのクランクシャフト1をターンテーブル19上に再投入することも可能である。この場合は、払出しロボット21による搬送コンベア10上からターンテーブル19上へのクランクシャフト1の載置動作を1回停止させてターンテーブル19上にクランクシャフト1の1本分の空き箇所を形成し、この空き箇所に修正済みのクランクシャフト1を投入する。そして、端末画面7aには、図10に示すように、サーバ8の完成検査NGデータエリアに退避させたNGデータの情報が表示され、作業者はこの該当データを選択して「再投入」ボタンをクリックすることによりライン流動データの最後尾に正規のデータとして挿入復帰される。そして、通常画面により仕向け地を選択し、払出しロボット21の起動ボタンを押すことにより、通常通り再度払出しロボット21により把持された状態で2次元バーコードの読み取りが行われる。2次元バーコード読取機22で読み取ったデータはサーバ8上の当該データにドッキングされる。図12は、サーバ8上に蓄積される払出し済みデータを示し、端末画面7aに表示される。
2次元バーコード読取機22により読み取ったデータに基づき、払出しロボット21が仕向け地別台車23の内の該当する台車にクランクシャフト1を移載する。ここで、修正に時間がかかり、同一ロットのクランクシャフト1を仕向け地別に載置した仕向け地別台車23が次工程に搬出されている場合は、ロット崩れとしてそのクランクシャフト1は一旦脇出し台車24に脇出される。このとき該当するクランクシャフト1のデータがライン流動データからサーバ8における脇出しデータエリアに退避される。この脇出されたクランクシャフト1については、作業者が、図13に示すように端末画面7aにそのデータを表示させ、「再投入」ボタンをクリックすることにより、当該データはサーバ8における脇出しデータエリアから図12に示す払出し済みデータの内の該当する仕向け地ロットデータ群の最後尾へ移動する。そして、作業者は脇出されたクランクシャフト1を、該当する仕向け地ロットを載置した仕向け地別台車23に投入する。
このロット違いによる脇出は、歪取工程での測定NGのクランクシャフト1の取扱い時や測定刻印工程での測定NGのクランクシャフト1の取扱い時のロット遅れにも適用される。すなわち、搬送コンベア10の空き箇所に再投入されたクランクシャフト1のデータのロットNo.が搬送コンベア10上の他のクランクシャフト1のデータのロットNo.と異なるときは、2次元バーコード読取機22による読み取り後、払出しロボット21により脇出し台車24に脇出される。このとき該当するクランクシャフト1のデータがライン流動データからサーバ8における脇出しデータエリアに退避される。この脇出されたクランクシャフト1の取扱いは前記した手順と同じである。すなわち、作業者が、図13に示すように端末画面7aにおいて、脇出したクランクシャフト1のデータを表示させ、「再投入」ボタンをクリックすることにより、当該データはサーバ8における脇出しデータエリアから図12に示す払出し済みデータの内の該当する仕向け地ロットデータ群の最後尾に移動する。そして、作業者は脇出されたクランクシャフト1を、該当する仕向け地ロットを載置した仕向け地別台車23に投入する。
なお、サーバ8上において、最初の投入工程で各クランクシャフト1のロットNo.と機種を入力するときに自動入力される日付欄の年月日時分秒は、歪取工程、測定刻印工程および完成検査工程の各NG脇出時、再投入時、検査時、仕向け地別台車23への移載時(具体的には2次元バーコードの読み取り時)に、その時点の年月日時分秒に自動的に更新されるようになっており、最終的には、仕向け地別台車23への移載時(2次元バーコードの読み取り時)の年月日時分秒がクランクシャフト1の最終的なデータとしてサーバ8に記憶される。
以上のように、本発明によれば、簡単なシステム構成でロットを崩すことなく、確実にロット毎にワークデータを集積することが可能となり、ワークの不具合に対する解析を迅速に行うことが可能となる。
また、ワークをロット単位で迅速に次処理ラインに搬送することが可能となるので、従来のように待機による空工数の発生または広いワークの保管スペースを要さない。
1 クランクシャフト
2 台車
4〜7 入力端末
4a〜7a 端末画面
8 サーバ
9 投入ロボット
10 搬送コンベア(搬送装置)
12 歪取機
17 測定刻印機
20 携帯型バーコードリーダ
21 払出しロボット
22 2次元バーコード読取機
23 仕向け地別台車
24 脇出し台車

Claims (3)

  1. ロット単位のワークを搬送する搬送装置と、当該搬送装置にワークを投入する投入工程と、ワークの加工を行う加工工程と、ワークの情報を入力する入力端末と、当該入力端末に接続したサーバと、を有する加工ラインにおいて、
    前記投入工程において、ワークの情報の内の少なくともロットNo.および機種のデータを前記入力端末により入力して、前記搬送装置上のワークの順序に対応したライン流動データを前記サーバに構築し、
    前記加工工程においてワークにNGが発生したとき、当該NGワークを前記搬送装置上から除去した後、前記サーバにおいて、前記ライン流動データの中から前記NGワークのデータのみを同サーバに割り振られたNGデータエリアに退避させ、
    修正した前記NGワークを前記加工工程に戻したとき、前記搬送装置上における当該戻したワークの順序位置に対応するように、前記NGデータエリアに退避させたデータを前記ライン流動データに挿入復帰させることを特徴とする加工ラインにおけるワークデータの管理方法。
  2. ロット単位のワークを搬送する搬送装置と、当該搬送装置にワークを投入する投入工程と、ワークの加工を行う加工工程と、ワークの情報を入力する入力端末と、当該入力端末に接続したサーバと、を有する加工ラインにおいて、
    (1)前記投入工程において、ワークの情報の内の少なくともロットNo.および機種のデータの入力を前記入力端末により受けると、前記搬送装置上のワークの順序に対応したライン流動データを前記サーバに構築するステップ、
    (2)前記加工工程においてワークにNGが発生したとき、前記加工工程の排出位置にNGワークが到達した段階で前記搬送装置を停止させるステップ、
    (3)前記NGワークを除去して前記搬送装置を再起動したときに、前記サーバにおいて、前記ライン流動データの中から前記NGワークのデータのみを同サーバに割り振られたNGデータエリアに退避させるステップ、
    (4)前記搬送装置上において、前記加工工程の直前の位置にワーク1つ分の空き箇所を形成し、前記搬送装置を停止させるステップ、
    (5)前記入力端末の端末画面に、前記NGデータエリアに退避させた前記NGワークのデータを表示するステップ、
    (6)前記端末画面に表示した前記NGワークのデータの再投入指示を前記入力端末により受け、かつ、修正した前記NGワークを前記空き箇所に戻した状態で前記搬送装置を再起動したとき、前記搬送装置上における当該戻したワークの順序位置に対応するように、前記NGデータエリアに退避させたデータを前記ライン流動データに挿入復帰させるステップ、
    の各ステップをその順序で行うことを特徴とする加工ラインにおけるワークデータの管理方法。
  3. 前記加工ラインの最下流に、同一ロットのワークを仕向け地別に載置する仕向け地別台車と、当該仕向け地別台車にワークを払い出す払出しロボットとを有する払出し工程が設けられ、前記サーバには、払い出した順にワークの払出し済みデータが構築され、
    前記(6)のステップで前記空き箇所に戻した前記NGワークのデータのロットNo.が前記搬送装置上の他のワークのデータのロットNo.と異なるとき、
    前記払出しロボットが前記NGワークを脇出専用の脇出し台車に一旦脇出するステップと、
    前記サーバにおいて、前記ライン流動データの中から前記脇出したワークのデータのみを同サーバに割り振られた脇出しデータエリアに退避させるステップと、
    入力端末の端末画面に、脇出したワークのデータを表示するステップと、
    前記端末画面に表示した前記脇出したワークのデータを選択して再投入指示したとき、当該データを前記脇出しデータエリアから前記払出し済みデータの内の該当する仕向け地ロットデータ群の最後尾へ移動させるステップと、
    を行うことを特徴とする請求項2に記載の加工ラインにおけるワークデータの管理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112935979A (zh) * 2021-02-03 2021-06-11 廊坊市亿创科技有限公司 用于发动机曲轴的机器人柔性倒角及抛光工作系统

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