JP2010185473A - 管継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】互いに接続した受口部材と挿口部材との軸方向の抜け出しを確実に防止する管継手を提供すること。
【解決手段】管継手は、ケース1及び押輪5を軸方向に嵌挿するときには、押輪5の外周膨出部6’の抜け出し方向側に配置されている介在部βと、介在部βの位置を調整する調整部29と、を備え、介在部βは、ケース1及び押輪5を軸方向に嵌挿することで、ケース1の隣接する内周膨出部4’,4”の間に位置することになり、ケース1及び押輪5が一方向の周方向に相対回動することで、ケース1とともに押輪5に対して相対移動し、調整部29は、ケース1及び押輪5が一方向の周方向に相対回動した後に、介在部βを、押輪5における隣接する外周膨出部6’,6”の間と、ケース1における隣接する内周膨出部4’,4”の間と、に架けた係合位置に調整する。
【選択図】図6

Description

本発明は、内周面に内径方向に膨出する内周膨出部が周方向に沿って所定間隔おきに形成された受口部材と、外周面に外径方向に膨出する外周膨出部が周方向に沿って所定間隔おきに形成された挿口部材と、を備え、両膨出部が周方向に互いに異なる位置で両部材を軸方向に嵌挿した後に、両部材を周方向に相対回動し、両膨出部が軸方向に互いに係合することで、両部材の軸方向の抜け出しが規制された状態で接続される管継手に関する。
従来、受口部材と挿口部材とを接続する管継手において、受口部材における隣接する内周膨出部同士の間に、挿口部材の外周膨出部を嵌入して、受口部材と挿口部材とを周方向に相対回動することで、受口部材の内周膨出部と挿口部材の外周膨出部とが軸方向に係合した後、挿口部材の外周面側から螺入したネジの先端部を受口部材の外周面に径方向に押し付けることで、挿口部材を受口部材に固定して、挿口部材が受口部材から抜け出ることを防止している(例えば、特許文献1参照)。
実開平1−69989号公報(第9頁、第2図)
しかしながら、特許文献1の管継手にあっては、地震等の不測の外力が受口部材と挿口部材とに作用した場合には、ネジにより規制できずに受口部材と挿口部材とが相対回動してしまい、内周膨出部と外周膨出部との軸方向の係合が外れ、受口部材と挿口部材とが軸方向に抜け出る虞がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、互いに接続した受口部材と挿口部材との軸方向の抜け出しを確実に防止する管継手を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の管継手は、
内周面に内径方向に膨出する内周膨出部が周方向に沿って所定間隔おきに形成された受口部材と、外周面に外径方向に膨出する外周膨出部が周方向に沿って所定間隔おきに形成された挿口部材と、を備え、前記両膨出部が周方向に互いに異なる位置で前記両部材を軸方向に嵌挿した後に、前記両部材を周方向に相対回動し、前記両膨出部が軸方向に互いに係合することで、前記両部材の軸方向の抜け出しが規制された状態で接続される管継手であって、
前記両部材を軸方向に嵌挿するときには、いずれか一方の前記部材の前記膨出部の抜け出し方向側に配置されている介在部と、
前記介在部の位置を調整する調整部と、を少なくとも備え、
前記介在部は、前記両部材を軸方向に嵌挿することで、前記一方の部材と異なる他方の前記部材の隣接する前記膨出部の間に位置することになり、前記両部材が一方向の周方向に相対回動することで、前記他方の部材とともに前記一方の部材に対して相対移動し、
前記調整部は、前記両部材が一方向の周方向に相対回動した後に、前記介在部を、前記一方の部材における隣接する前記膨出部の間と、前記他方の部材における隣接する前記膨出部の間と、に架けた係合位置に調整することを特徴としている。
この特徴によれば、内周膨出部が形成された受口部材と、外周膨出部が形成された挿口部材とが、一方向の周方向に相対回動して接続された後に、地震等の不測の外力が生じて、両部材に周方向に力が加わっても、両部材が一方向の周方向に相対回動することにより他方の部材とともに一方の部材に対して相対移動する介在部が、該相対回動の後に調整部により、一方の部材における隣接する膨出部の間と、他方の部材における隣接する膨出部の間と、に架けた係合位置に位置することで、介在部と、一方向の周方向に相対回動する前面側の内周膨出部及び外周膨出部と、が対向して周方向に係合し、接続された両部材の逆方向の相対回動が規制されるとともに、介在部と、一方向の周方向に相対回動する背面側の内周膨出部及び外周膨出部と、が対向して周方向に係合し、接続された両部材の一方向の周方向の更なる相対回動が規制される。よって、両部材の両方向の周方向の相対回動が規制され、両膨出部の軸方向の係合が維持され、両部材の抜け出しを防止できる。
本発明の請求項2に記載の管継手は、請求項1に記載の管継手であって、
前記一方の部材には、前記介在部が配置される前記膨出部の抜け出し方向側に凹溝が周方向に沿って形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、一方の部材における介在部が配置される膨出部の抜け出し方向側に凹溝が周方向に沿って形成されることで、両部材が一方向の周方向に相対回動する際に、介在部が軸方向に移動することなく凹溝内を周方向に沿って案内されて移動するため、介在部が他方の部材とともに一方の部材に対して確実に相対移動することができる。
本発明の請求項3に記載の管継手は、請求項1または2に記載の管継手であって、
前記両部材を軸方向に嵌挿するときには、前記他方の部材の前記膨出部の抜け出し方向側に配置されている規制部を、更に備え、
前記規制部は、前記両部材を軸方向に嵌挿することで、前記一方の部材の隣接する前記膨出部の間に位置することになり、前記両部材が一方向の周方向に相対回動することで、前記一方の部材とともに前記他方の部材に対して相対移動して前記介在部と軸方向に対向し、
前記介在部は、前記調整部により軸方向に移動して前記規制部と当接することを特徴としている。
この特徴によれば、介在部が、両部材が一方向の周方向に相対回動した後に、調整部により、両部材が一方向の周方向に相対回動することで介在部と軸方向に対向する規制部と当接するため、介在部を位置決めして配置することができる。
本発明の請求項4に記載の管継手は、請求項3に記載の管継手であって、
前記他方の部材の周面には、前記係合位置における前記介在部との間で前記規制部を軸方向に挟む箇所に径方向に延び出た延出部が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、延出部が係合位置における介在部との間で規制部を軸方向に挟む箇所に形成されることで、介在部と当接した規制部の軸方向の過度の移動を規制するため、介在部を係合位置に確実に配置することができる。
本発明の請求項5に記載の管継手は、請求項4に記載の管継手であって、
前記延出部は、前記係合位置における前記介在部との間で前記規制部を軸方向に挟む箇所から、前記両部材を軸方向に嵌挿するときには前記規制部が配置されている前記膨出部の抜け出し方向側まで周方向に連続して形成されており、
前記延出部と、前記規制部が配置される前記他方の部材の前記膨出部と、の間で凹設溝が形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、延出部と、規制部が配置される膨出部と、により凹設溝が形成されることで、両部材が一方向の周方向に相対回動する際に、規制部が軸方向に移動することなく凹設溝内を周方向に沿って案内されて移動するため、規制部が一方の部材とともに他方の部材に対して確実に相対移動することができる。
実施例における管継手を示す断面図である。 図1の状態から撓曲した管継手を示す断面図である。 (a)は、ケースの側面図であり、(b)は、(a)のA−A断面図である。 (a)は、押輪の側面図であり、(b)は、同じく正面図である。 図3(a)の状態から押輪が嵌挿されたケースの側面図である。 (a)は、押輪がケースに嵌挿される前の状態を示す説明図であり、(b)は、(a)の状態から押輪がケースに嵌挿された状態を示す説明図であり、(c)は、(b)の状態から押輪が一方向の周方向に回動した状態を示す説明図であり、(d)は、(c)の状態から調整部が介在部の位置を調整した状態を示す説明図である。 押輪がケースに対して一方向の周方向に回動した状態を示すケースの側面図である。 介在部の位置が調整された状態を示す図7のB−B断面図である。
本発明に係る管継手を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係る管継手につき、図1から図8を参照して説明する。以下、図3(b)の上下左右側をケースの上下左右側、紙面手前側をケースの前方側(正面側)として説明する。
先ず図1の符号1、1は、基部のフランジ13を介して、内部を上水が流れる図示しない流体管の各端部に接続される受口部材としての1対のケースである。該流体管の各端部間に、各ケース1と、各ケース1に夫々接続される挿口部材としての各押輪5と、各ケース1及び各押輪5が外嵌する各球面リング2と、各球面リング2が外嵌する連結管8と、から構成される管継手が設けられる。そして、この管継手を介して各流体管が結合した後に、地震等の不測の外力が生じて各流体管同士の相対位置が変化しても、この管継手が撓曲することで、各流体管の結合状態が維持できる(図2参照)。
図1及び図2に示されるように、各ケース1は、互いの対向部は概ね球面状に開口している。また、各ケース1内には、内外周面が球面状をなす球面リング2が、ケース1の開口端部内面の拡径凹部14に挿入したパッキン3を介して、摺動自在に嵌合されている。
ケース1と押輪5の接続について説明すると、ケース1の先端の内周面に内径方向に膨出して形成された内周膨出部4が、押輪5における外周凹溝17に嵌合されるとともに、押輪5の先端の外周面に外径方向に膨出して形成された外周膨出部6が、ケース1における内周凹設溝31に嵌合されることで、押輪5がケース1に接続されている。押輪5の内周面は曲面を形成し、球面リング2の外周面に摺動自在に面接触している。また、図2に示されるように、管継手が撓曲した場合は、各押輪5が対向する端面と、各球面リング2の対向する端部である筒部7が当接し、球面リング2が押輪5及びケース1に過挿入されることが規制される。
各球面リング2内には、連結管8が、筒部7の内面の凹溝内に挿入されたダストスポンジ9と、球面リング2の内面中間部の凹溝内に挿入されたパッキン11と、を介して摺動自在に嵌合されている。
連結管8の両端部外周面に形成された環状凹溝8aには、円周方向の一部が切欠されたストッパリング10が嵌合されて固定されている。図2に示されるように、ストッパリング10は、球面リング2の内面中間部の膨出部2aが当接することで、連結管8が球面リング2から抜け出ることを防止する。
次に、管継手の組立て要領について説明する。図1に示されるように、管継手は連結管8を中心として左右方向に略対称に構成されており、先ず、図示左方側の球面リング2及び押輪5と連結管8との組立てについて説明すると、押輪5を球面リング2に嵌合した後に、球面リング2の内周面の所定箇所にダストスポンジ9,パッキン11を装着し、この球面リング2を連結管8に嵌合する。次いで、連結管8の端部の環状凹溝8aに、球面リング2の図示左方の開口から挿入したストッパリング10を嵌合して固定する。
次に、図示右方側の球面リング2及び押輪5と連結管8との組立てについて、上記と同じ要領により行う。そして、各球面リング2にケース1を外嵌して、ケース1を押輪5に接続させることで、図1に示されるような管継手が組立てられる。
次に、本実施例におけるケース1の構成及び押輪5の構成について具体的に説明する。図3(a)、(b)に示されるように、ケース1は、環状に形成されており、その内周面には、内径方向に膨出した内周膨出部4,4’,4”が周方向に略等間隔おきに形成されている。尚、内周膨出部4’と内周膨出部4”は、内周膨出部4と同じ構成であり、説明の便宜上異なる符号を付している。
また、ケース1内周面において、内周膨出部4,4’,4”よりも内奥側には、内径方向に延び出た延出部34が周方向に亘って形成されており、この延出部34と内周膨出部4,4’,4”とにより、内周膨出部4,4’,4”の内奥側に凹設溝としての前述の内周凹設溝31が周方向に沿って形成される。
更に、内周膨出部4”の内奥側における内周凹設溝31には、内周膨出部4,4’,4”の周方向の寸法及び後述の外周膨出部6,6’,6”の周方向の寸法よりも若干短寸であり、内周凹設溝31に対応して周方向に緩く湾曲した棒状部材である規制部αが配置されている。
図4(a)、(b)に示されるように、押輪5は環状に形成されており、その図4(b)右方側における外周面には、外径方向に膨出した外周膨出部6,6’,6”が周方向に略等間隔おきに複数形成されている。尚、外周膨出部6’と外周膨出部6”は、外周膨出部6と同じ構成であり、説明の便宜上異なる符号を付している。
また、外周膨出部における周方向の寸法は、ケース1の互いに隣接する内周膨出部同士の間における周方向の寸法よりも若干短寸であり、互いに隣接する外周膨出部同士の間における周方向の寸法は、ケース1の内周膨出部における周方向の寸法よりも若干長寸であるように形成されており、各外周膨出部が、隣接する内周膨出部同士の間に夫々嵌挿され、各内周膨出部が、隣接する外周膨出部の間に嵌挿されるようになっている。
また、押輪5の図4(b)右方側における外周面には、外径方向に膨出する膨出部18が周方向に亘って形成されており、この膨出部18と外周膨出部6,6’,6”とにより、その間に凹溝としての前述の外周凹溝17が周方向に沿って形成される。
更に、外周膨出部6’の図4(b)右方側における外周凹溝17には、規制部αと略同形状であり、外周凹溝17に対応して周方向に緩く湾曲した棒状部材である介在部βが配置されている。
また、膨出部18には、ネジ部材からなり介在部βの位置を調整する調整部29を螺挿するためのネジ孔18aが、外周膨出部6’,6”間における軸方向延長上に穿設されている。尚、介在部の位置を調整する調整部は、テーパピン若しくは割りピンからなっていてもよく、膨出部には、該テーパピン若しくは割りピンを挿通する挿通孔が穿設されていてもよい。
次に、ケース1と押輪5との接続について具体的に説明すると、図6(a)に示されるように、押輪5をケース1に図示白抜矢印方向に嵌挿するために、軸方向において、ケース1の抜け出し方向側の内周凹設溝31に規制部αを配置した内周膨出部4”が、押輪5の外周膨出部6’,6”間に位置するとともに、押輪5の抜け出し方向側の外周凹溝17に介在部βを配置した外周膨出部6’が、内周膨出部4’,4”の間に位置するように、ケース1と押輪5との相対位置を合わせる。
この相対位置において、内周膨出部4,4’,4”と外周膨出部6,6’,6”とが周方向に互いに異なる位置に配置されるようになっている。より具体的には、一方の部材の各膨出部は、他方の部材における隣接する膨出部同士の間に配置されている。
そして、図5及び図6(b)及び示されるように、各外周膨出部を、隣接する内周膨出部同士の間に挿通して、押輪5をケース1に軸方向に嵌挿する。この図5及び図6(b)で示す押輪5をケース1に嵌挿した状態において、介在部βは、ケース1の隣接する内周膨出部4’,4”の間に位置することになり、また規制部αは、押輪5の隣接する外周膨出部6’,6”の間に位置することになる。
次いで、押輪5をケース1に軸方向に嵌挿した後に、押輪5をケース1に対して一方向の周方向に(本実施例では、図5において左回り(図5及び図6(b)の白抜矢印方向参照))に相対回動することで、押輪5の外周膨出部6”が、ケース1の内周膨出部4”の抜け出し方向側に配置されている規制部αと当接して押圧し、外周膨出部6”に押圧された規制部αが、押輪5とともにケース1に対して相対移動する。また、ケース1の内周膨出部4’が、押輪5の外周膨出部6’の抜け出し方向側に配置されている介在部βと当接して押圧し、内周膨出部4’に押圧された介在部βが、内周膨出部4’との相対位置が規制された状態、すなわちケース1とともに、押輪5に対して相対移動する。
このように、ケース1及び押輪5の相対回動する際に、介在部βは、ケース1とともに押輪5に対して相対移動するため、介在部βは、外周膨出部6’及び膨出部18の間、すなわち外周膨出部6’の抜け出し方向側に形成された外周凹溝17内を周方向に移動する。つまり、介在部βが軸方向に移動することなく外周凹溝17内を周方向に沿って案内されて移動するため、介在部βがケース1とともに押輪5に対して確実に相対移動することができる(図4(b)参照)。
同様に、ケース1及び押輪5の相対回動する際に、規制部αは、押輪5とともにケース1に対して相対移動するため、規制部αは、内周膨出部4”及び延出部34の間における内周凹設溝31内を周方向に移動する。つまり、規制部αが軸方向に移動することなく内周凹設溝31内を周方向に沿って案内されて移動するため、規制部αが押輪5とともにケース1に対して確実に相対移動することができる(図3(b)参照)。
そして、図6(c)及び図7に示されるように、内周膨出部4,4’,4”と、外周膨出部6,6’,6”とが、それぞれ、周方向に略同じ位置に配置されるまで、押輪5をケース1に対して一方向の周方向に相対回動する。この相対回動により、内周膨出部4,4’,4”と外周膨出部6,6’,6”とが軸方向に互いに係合し、押輪5及びケース1の軸方向の抜け出しが規制された状態で接続される。また、この相対回動により、介在部βと規制部αとが対向することになる。
次いで、図6(d)及び図8に示されるように、調整部29を押輪5のネジ孔18aにケース1に向かって(図6(d)及び図8の白抜矢印参照)軸方向に螺挿することで、介在部βが軸方向に移動して規制部αと当接し、更に調整部29を螺挿することで、介在部βと規制部αが一体となって軸方向に移動し、規制部αが、ケース1の延出部34当接する。
図6(d)及び図8の状態において、介在部βが押輪5における隣接する外周膨出部6’,6”の間と、ケース1における隣接する内周膨出部4’,4”の間と、に架けた係合位置に配置されるように、介在部βの軸方向の位置が調整部29により調整される。
よって、内周膨出部4,4’,4”が形成されたケース1と、外周膨出部6,6’,6”が形成された押輪5とが、一方向の周方向に相対回動して接続された後に、地震等の不測の外力が生じて、ケース1及び押輪5に周方向に力が加わっても、ケース1及び押輪5が一方向の周方向に相対回動することによりケース1とともに押輪5に対して相対移動する介在部βが、該相対回動の後に調整部29により、押輪5における隣接する外周膨出部6’,6”の間と、ケース1における隣接する内周膨出部4’,4”の間と、に架けた係合位置に位置することで、介在部βと、一方向の周方向に相対回動する前面側である内周膨出部4”及び外周膨出部6’と、が対向して周方向に係合し、接続されたケース1及び押輪5の逆方向の相対回動が規制されるとともに、介在部βと、一方向の周方向に相対回動する背面側である内周膨出部4’及び外周膨出部6”と、が対向して周方向に係合し、接続されたケース1及び押輪5の一方向の周方向の更なる相対回動が規制される。よって、ケース1及び押輪5の両方向の周方向の相対回動が規制され、内周膨出部4,4’,4”及び外周膨出部6,6’,6”の軸方向の係合が維持され、ケース1及び押輪5の抜け出しを防止できる。
更に、介在部βが、ケース1及び押輪5が一方向の周方向に相対回動した後に、調整部29により、ケース1及び押輪5が一方向の周方向に相対回動することで介在部βと軸方向に対向する規制部αと当接することで、介在部βを位置決めして配置することができる。
また、前述したように、延出部34は、ケース1の内周面に亘って形成されている。よって、調整部29が介在部βの位置を調整する際に、係合位置における介在部βとの間で規制部αを軸方向に挟む箇所において、延出部34により、介在部βと当接した規制部αの軸方向の過度の移動を規制するため、介在部βを係合位置に確実に配置することができる。
尚、前記実施例では、ケース1及び押輪5が一方向の周方向の相対回動した後に、押輪5に設けられた調整部29により、介在部βが、外周膨出部6’,6”の間と、内周膨出部4’,4”の間と、に架けた係合位置に調整されているが、例えば、調整部29がケース1に設けられ、調整部29を調整することにより、ケース1及び押輪5を軸方向に嵌挿するときにはケース1の内周膨出部4”の抜け出し方向側に配置されている規制部αが、外周膨出部6’,6”の間と、内周膨出部4’,4”の間と、に架けた係合位置に調整されてもよく、この場合、規制部αが本発明の介在部として構成されることになる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、管継手が設けられる流体管の内部を流れる流体が上水であるが、流体は必ずしも上水に限らず、例えば工業用水であってもよいし、また気体や気液混合状態の流体が流れる流体管に本実施例の管継手を適用してもよい。
また、前記実施例では、管継手を構成する部材として、受口部材としてのケース1と挿口部材としての押輪5が示されているが、受口部材及び挿口部材は、互いに軸方向に接続される部材であれば、必ずしもケース及び押輪に限られず、他の部材であっても構わない。
また、前記実施例では、ケース1,1、連結管8、球面リング2,2、及び押輪5,5から構成されることにより、不測の外力が生じて各流体管の相対位置が変化しても、撓曲することで各流体管の結合状態を維持する特段の機能を備えた管継手を適用しているが、上記の管継手に必ずしも限らず、例えば、1つのケースと1つの押輪とで構成された通常の管継手が各流体管に連結する管継手であってもよい。
また、前記実施例では介在部β及び規制部αは、ケース1及び押輪5を軸方向に嵌挿するときには、押輪5の外周膨出部6’の抜け出し方向側及びケース1の内周膨出部4”の抜け出し方向側に夫々配置されているが、例えば、介在部のみが、ケース及び押輪を軸方向に嵌挿するときには押輪の外周膨出部の抜け出し方向側に配置され、ケース及び押輪が一方向の周方向の相対回動した後に、調整部を調整することにより、押輪における隣接する外周膨出部の間と、ケースにおける隣接する内周膨出部の間と、に架けた係合位置に調整されてもよい。
また、前記実施例では、膨出部18は周方向に亘って形成されているが、例えば、膨出部は、ケース及び押輪を軸方向に嵌挿するときには介在部が配置されている外周膨出部の出部の抜け出し方向側のみに形成され、ケース及び押輪が相対回動する際に、介在部は、膨出部と該外周膨出部の間における外周凹溝内を移動してもよい。
また、前記実施例では、延出部34は、ケース1の内周面に亘って形成されているが、例えば、延出部は、内周膨出部の抜け出し方向側から係合位置における介在部との間で規制部を軸方向に挟む箇所のみに形成され、調整部が介在部の位置を調整する際に、該延出部が、介在部と当接した規制部の軸方向の過度の移動を規制してもよい。
更に、前記延出部は、係合位置における介在部との間で規制部を軸方向に挟む箇所から連続して、ケース及び押輪を軸方向に嵌挿するときには規制部が配置されている内周膨出部の抜け出し方向側まで形成され、ケース及び押輪が相対回動する際に、規制部は、該延出部及び該内周膨出部の間における内周凹設溝内を移動してもよい。
1 ケース(受口部材)
4,4’,4” 内周膨出部
5 押輪(挿口部材)
6,6’,6” 外周膨出部
17 外周凹溝(凹溝)
29 調整部
31 内周凹設溝(凹設溝)
34 延出部
α 規制部
β 介在部

Claims (5)

  1. 内周面に内径方向に膨出する内周膨出部が周方向に沿って所定間隔おきに形成された受口部材と、外周面に外径方向に膨出する外周膨出部が周方向に沿って所定間隔おきに形成された挿口部材と、を備え、前記両膨出部が周方向に互いに異なる位置で前記両部材を軸方向に嵌挿した後に、前記両部材を周方向に相対回動し、前記両膨出部が軸方向に互いに係合することで、前記両部材の軸方向の抜け出しが規制された状態で接続される管継手であって、
    前記両部材を軸方向に嵌挿するときには、いずれか一方の前記部材の前記膨出部の抜け出し方向側に配置されている介在部と、
    前記介在部の位置を調整する調整部と、を少なくとも備え、
    前記介在部は、前記両部材を軸方向に嵌挿することで、前記一方の部材と異なる他方の前記部材の隣接する前記膨出部の間に位置することになり、前記両部材が一方向の周方向に相対回動することで、前記他方の部材とともに前記一方の部材に対して相対移動し、
    前記調整部は、前記両部材が一方向の周方向に相対回動した後に、前記介在部を、前記一方の部材における隣接する前記膨出部の間と、前記他方の部材における隣接する前記膨出部の間と、に架けた係合位置に調整することを特徴とする管継手。
  2. 前記一方の部材には、前記介在部が配置される前記膨出部の抜け出し方向側に凹溝が周方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の管継手。
  3. 前記両部材を軸方向に嵌挿するときには、前記他方の部材の前記膨出部の抜け出し方向側に配置されている規制部を、更に備え、
    前記規制部は、前記両部材を軸方向に嵌挿することで、前記一方の部材の隣接する前記膨出部の間に位置することになり、前記両部材が一方向の周方向に相対回動することで、前記一方の部材とともに前記他方の部材に対して相対移動して前記介在部と軸方向に対向し、
    前記介在部は、前記調整部により軸方向に移動して前記規制部と当接することを特徴とする請求項1または2に記載の管継手。
  4. 前記他方の部材の周面には、前記係合位置における前記介在部との間で前記規制部を軸方向に挟む箇所に径方向に延び出た延出部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の管継手。
  5. 前記延出部は、前記係合位置における前記介在部との間で前記規制部を軸方向に挟む箇所から、前記両部材を軸方向に嵌挿するときには前記規制部が配置されている前記膨出部の抜け出し方向側まで周方向に連続して形成されており、
    前記延出部と、前記規制部が配置される前記他方の部材の前記膨出部と、の間で凹設溝が形成されることを特徴とする請求項4に記載の管継手。
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