JP2010185413A - 冷却器付き異物捕集装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた異物捕集能とコンパクト化とを実現する冷却器付き異物捕集装置を提供する。
【解決手段】導入ポート31と排出ポート32とが開口されているケーシング30と、ケーシング30の底部に形成された異物捕集部Ptと、ケーシングの上面Wtを基端として異物捕集部Ptに向かって延設され、異物捕集部Ptを除くケーシング30内の領域を導入ポート側通路部Piと排出ポート側通路部Peとに区画する隔壁Wpと、導入ポート側通路部Piに配置された第1冷却器33と、排出ポート側通路部Peに配置された第2冷却器34とを備える。導入ポート側フィン通路FPiと排出ポート側フィン通路FPeとは共に重力方向に平行であって、且つ、排出ポート側冷却フィン34bのフィンピッチは導入ポート側冷却フィン33bのフィンピッチに比べて小とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排気管と吸気管とを接続すると共に排気の一部をEGRガスとして吸気系に還流させるEGR管に設けられる冷却器付き異物捕集装置に関する。
内燃機関の排気管と吸気管とを接続するEGR管を備え、内燃機関から排出された排気の一部をEGRガスとしてEGR管を経由させることにより吸気管に還流(再循環)させる排気還流装置(EGR装置)が公知である。このEGR装置を構成する部材として、EGRガスを適温まで冷却する冷却器(熱交換器)である所謂EGRクーラが公知である。
ここで、EGR管を流れるEGRガス中に排気系の異物(例えば、排気浄化装置のケース溶接時に発生するスパッタや、触媒の破損片など)が含まれている場合、この異物が該EGRガスの還流に伴って吸気系に混入し最終的に内燃機関に吸入されると、内燃機関が破損する虞がある。また、EGR装置が、排気浄化装置を通過した後の比較的低圧の排気を過給機のコンプレッサよりも上流側の吸気管へと還流させる低圧EGR装置である場合、排気系の部品からの異物(上記スパッタや触媒破損片等)が過給機のコンプレッサへ侵入してしまい、これによってコンプレッサが破損する虞がある。
これに対して、特許文献1では、EGRガスに含まれている異物を捕集(除去)する異物捕集装置に関する技術が提案されており、具体的にはEGR管に異物捕集装置とEGRクーラとを直列に配置する構成が開示されている。
特開2008−150955号公報 特開2008−039380号公報 特開2006−348873号公報 特開2004−162552号公報 特開2000−249003号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構成のように、EGR管に異物捕集装置とEGRクーラとを直列に配置すると、EGR装置のコンパクト化を図ることが困難になるという課題がある。本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、EGR管を流れるEGRガスに含まれている異物の捕集能とEGRガスの冷却能とを有した冷却器付き異物捕集装置であって、優れた異物捕集能とコンパクト化とを実現する冷却器付き異物捕集装置を提供することにある。
上記した課題を解決するために、本発明に係る冷却器付き異物捕集装置は、以下の手段を採用した。すなわち、内燃機関の排気管と吸気管とを接続すると共に排気の一部をEGRガスとして吸気系に還流させるEGR管に設けられ、該EGR管を流れるEGRガスに含まれている異物の捕集能と該EGRガスの冷却能とを有する冷却器付き異物捕集装置であって、EGRガスを導入する導入ポートとEGRガスを排出する排出ポートとが重力方向における上方の位置に開口されており、該導入ポート及び排出ポートを介してEGR管に接続されているケーシングと、前記ケーシング内の重力方向における下方の位置に形成
された異物捕集部と、前記ケーシングの上面を基端として前記異物捕集部に向かって延設されており、該異物捕集部を除くケーシング内の領域を前記導入ポート側の領域である導入ポート側通路部と前記排出ポート側の領域である排出ポート側通路部とに区画する隔壁と、前記導入ポート側通路部に配置され、EGRガスを冷却する冷却用熱媒体が流通する複数の第1冷却用熱媒体配管と、複数の該第1冷却用熱媒体配管のうち隣接する第1冷却用熱媒体配管に当接して設けられる複数の第1冷却フィンとを含んで構成される第1冷却器と、前記排出ポート側通路部に配置され、EGRガスを冷却する冷却用熱媒体が流通する複数の第2冷却用熱媒体配管と、複数の該第2冷却用熱媒体配管のうち隣接する第2冷却用熱媒体配管に当接して設けられる複数の第2冷却フィンとを含んで構成される第2冷却器と、を備え、前記第1冷却用熱媒体配管及びこれに当接する第1冷却フィンによって形成されるEGRガスの通路(以下、「第1冷却フィン通路」という)と、前記第2冷却用熱媒体配管及びこれに当接する第2冷却フィンによって形成されるEGRガスの通路(以下、「第2冷却フィン通路」という)とは共に重力方向に平行であって、且つ、第2冷却フィンのフィンピッチは第1冷却フィンのフィンピッチに比べて小であることを特徴とする。
上記構成において、EGR管を流れるEGRガスが導入ポートからケーシングに導入され、排出ポートから再びEGR管へと排出されるまでのケーシング内におけるEGRガスの流通経路は、導入ポート→導入ポート側通路部(第1冷却フィン通路)→異物捕集部→排出ポート側通路部(第2冷却フィン通路)→排出ポートの順となる。
そして、第1冷却フィン通路及び第2冷却フィン通路を流れる際に、EGRガスはEGRガスの冷却用熱媒体(例えば、内燃機関の冷却水)との熱交換によって冷却される。また、第1冷却用熱媒体配管を流れる冷却用熱媒体とEGRガスとの熱交換は第1冷却フィンによって促進され、第2冷却用熱媒体配管を流れる冷却用熱媒体とEGRガスとの熱交換は第2冷却フィンによって促進されることで、EGRガスの冷却が効率的に行われる。
ケーシング内の重力方向における下方の位置(部位)にはEGRガスに混入されている異物を捕集するための空間である異物捕集部が形成されている。当該ケーシング内における下方の位置とは、ケーシングの底部およびその周辺の部位を含む。このように、ケーシング内における下方の位置に形成された異物捕集部への異物の捕集は、異物に対して常に作用する重力と、EGRガスの主な流れ(以下、「主流」という)の方向(以下、この主流の方向を「ガス主流方向」という)が変化するときに作用する慣性力(「遠心力」ということもできる)を利用して異物をケーシングの底部に落下させることで行われる。
ここで、ケーシング内におけるEGRガスのガス主流方向に着目すると、導入ポートは重力方向における上方に位置するため、ケーシング内に導入されたEGRガスが隔壁へと衝突すると、ガス主流方向は重力方向における下方(すなわち、異物捕集部に向かう方向)へと変換されることになる。ところで、導入ポート側通路部には第1冷却器が配置されているところ、第1冷却用熱媒体配管及びこれに当接する第1冷却フィンによって形成される第1冷却フィン通路は、重力方向に平行に形成されている。そのため、導入ポートから導入されたEGRガスが上記第1冷却フィン通路に流入することで、EGRガスのガス主流方向が重力方向における下向き(下方)に確実に整えられる(変換される)。
このようにして、ガス主流方向が重力方向下向きに整えられたEGRガスが異物捕集部へと到達するとそのEGRガスはケーシングの底面に衝突するところ、異物捕集部に関しては水平方向の領域が隔壁によって区画されていないため、上記EGRガスの水平方向への流れが規制されることはない。このようにして、異物捕集部まで到達したEGRガスはそのガス主流方向が水平方向に変換された上で、排出ポート側通路部に向かって流れてゆく。
このように、ガス主流方向が重力方向下向きから水平方向へと強制的に変換されると、異物に対しては慣性力が重力方向下向きに作用する。EGRガス中の異物は、EGRガスを構成する粒子に比してその質量が大きいため、異物捕集部においてガス主流方向が水平方向へと変換されても異物は重力と慣性力との複合力の作用によってケーシングの底部(底面)に向かって進行する。これは、異物の進路がガス主流方向から逸脱することを意味する。ここで、ケーシングの底部はEGRガスの流速が、主流における流速に比べて遅い。そのため、ケーシングの底部まで一旦落下した異物は当該底部に滞留することにより、異物が異物捕集部に捕集される仕組みとなっている。
一方、排出ポート側通路部には、第2冷却器が配置されており、第2冷却用熱媒体配管及びこれに当接する第2冷却フィンによって形成される第2冷却フィン通路は重力方向に平行に形成されている。そのため、異物捕集部を水平方向に流れるEGRガスが第2冷却フィン通路へと流入する際に、ガス主流方向が水平方向から重力方向上向きへと強制的に変換させられる。これに対して、異物に対しては水平方向に大きな慣性力が作用することでケーシングの側面に向かって進行する。このようにしてガス主流方向から逸れたEGRガス中の異物は、その一部がケーシングの側面に衝突した後、重力によってケーシングの底部に向かって落下し、異物捕集部において捕集される。
本発明に係る冷却器付き異物捕集装置によれば、先ず、単一の装置によって異物の捕集能とEGRガスの冷却能を実現する。これは、導入ポート側通路部と排出ポート側通路部という空間を利用して第1冷却器及び第2冷却器を配置することでケーシングの内部空間の有効利用(省スペース化)を図り、以ってEGR装置のコンパクト化が実現される。
また、本発明によれば、第1冷却フィン通路および第2冷却フィン通路が有するEGRガスの整流作用がガス主流方向の変換に大きく寄与するため、導入ポート側通路部および排出ポート側通路部に第1冷却器および第2冷却器を配置しない場合と比較して、異物捕集率を高めることができる。この異物捕集率とは、ケーシングに導入される異物の導入量に対する、異物捕集部での捕集量の割合(例えば、重量百分率)として定義することができる。したがって、本発明によれば、ケーシング内に第1冷却器および第2冷却器を配置しない場合に比べて、異物捕集率を良好に維持しつつ、導入ポート側通路部及び排出ポート側通路部の上下方向の寸法をより小さくすることができ、より一層コンパクトな冷却器付き異物捕集装置を提供できる。
更に、第2冷却フィンのフィンピッチは第1冷却フィンのフィンピッチに比べて小さく形成されている。ここで、フィンピッチが大きいほど、EGRガスに含まれている異物が第1冷却フィン通路(或いは、第2冷却フィン通路)を通過し易い。なお、フィンピッチとは、冷却フィンにおける水平方向の断面形状が、凸部を一方側と他方側に交互に位置させて曲折する連続する波形形状に形成されている場合に、一方側と他方側とのうち同一側で隣り合う凸部の中心同士の距離をいう。
このように、第1冷却フィンのフィンピッチを大きくすることで、EGRガスに含まれている異物を異物捕集部まで確実に到達させることができる。また、この構成によれば、第1冷却器における第1冷却フィン通路の入口(前端面、重力方向においては上端面)に異物が引っ掛かり難くなる。ここで、異物が第1冷却フィンの前端面に引っ掛かってしまうと、内燃機関や車両の振動等の外乱が起こる度に、前端面への異物の浮き上がり・衝突が繰り返されてしまう。このような状態が長期に及ぶと第1冷却フィンに折れ曲がり等の損傷が生じ、EGRガスの冷却効率の低下や圧力損失の増加などを招く懸念が生じる。これに対して、本発明によれば、EGRガスに含まれた異物が第1冷却フィンの前端面に引っ掛かることがなく、確実に異物捕集部に導くことができる。したがって、第1冷却フィ
ンが破損することもなく、その結果としてEGRガスの冷却効率を恒常的に良好に維持し、圧力損失が増加することも抑制できる。
また、この構成のように、第2冷却フィンのフィンピッチを小さくすることで、異物捕集部において異物に作用する慣性力の大きさがその異物をガス主流方向から逸脱させるのに不充分であったとしても、第2冷却フィン通路の入口(前端面、重力方向においては下端面)に異物を衝突させて、異物を再び落下させることができる。したがって、EGRガスに含まれている異物の吸気系への侵入をより確実に抑制し、より優れた異物捕集率を担保することができる。
また、本発明においては、前記ケーシングの底部には、異物を保持する異物保持部材が配置されると良い。この異物保持部材としては、EGRガス中の異物を引っ掛けて保持する複数の突起部を有する部材を例示できる。このようにケーシングの底部に異物保持部材を配置することで、内燃機関や車両に比較的大きな振動等が生じた場合であっても、ケーシングの底部(異物捕集部)に滞留している異物が上方に浮き上がり、散乱することがない。そのため、第2冷却フィン前端面(下端面)への異物の衝突が繰り返されることに起因して該第2冷却フィンが破損する虞は生じない。
また、前述のスパッタや排気浄化触媒の破損片のように、EGRガスに含まれている異物の多くは金属製であると想定される。そこで、前記異物保持部材は磁力を有して構成されると良い。これによれば、ケーシング内に導入されてくる可能性の高い金属製の異物を、異物保持部材で確実に保持(吸着)することができる。
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、EGR管を流れるEGRガスに含まれている異物の捕集能とEGRガスの冷却能とを有する冷却器付き異物捕集装置であって、優れた異物捕集能とコンパクト化とを実現可能な冷却器付き異物捕集装置を提供することができる。
本実施例に係る冷却器付き異物捕集装置が適用されるエンジンとその吸排気系の概略構成を示す図である。 本実施例に係る冷却器付き異物捕集装置の内部構成を示した図である。 図2に示した冷却器付き異物捕集装置のA−A矢視方向断面図である。 本実施例における冷却器付き異物捕集装置のケーシング内に導入されたEGRガスのガス主流方向の変化と、排気系異物EMの捕集メカニズムを説明するための説明図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的な縮尺や配置位置等は、特に記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施例に係る冷却器付き異物捕集装置が適用されるエンジンとその吸排気系の概略構成を示す図である。図1において、内燃機関1は4つのシリンダ(気筒)2を有する水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。
内燃機関1には、吸気マニホールド3が接続されており、吸気マニホールド3の各枝管は吸気ポートを介して各シリンダ2の燃焼室と連通されている。吸気マニホールド3と吸気管4との接続部近傍には、吸気管4内を流通する吸気の流量を調節可能な吸気絞り弁5が設けられている。また、吸気絞り弁5より上流側の吸気管4には、吸気管4を流れるガスを冷却するインタークーラ6が設けられている。さらに、インタークーラ6より上流側の吸気管4には、排気エネルギを駆動源として作動するターボチャージャ(過給機)7のコンプレッサ7aが設けられている。また、コンプレッサ7aよりも上流側の吸気管4には該吸気管4内を流通する空気中の塵や埃を除去するエアクリーナ8が配置されている。また、各シリンダ2には、シリンダ内に燃料を噴射する燃料噴射弁9が配置されている。
このように構成された内燃機関1の吸気系では、吸気管4を流れる吸気がエアクリーナ8によって塵や埃が除去された後、コンプレッサ7aに内装されたコンプレッサホイールの回転によって圧縮される。そして、圧縮されて高温となった吸気は、インタークーラ6にて冷却された後、吸気絞り弁5によってその流量を調節されてから、各シリンダ2に分配される。
一方、内燃機関1には排気マニホールド13が接続されており、排気マニホールド13の各枝管は排気ポートを介して各シリンダ2の燃焼室と接続されている。排気マニホールド13は排気管14が接続されており、この排気管14にはターボチャージャ7のタービン7bが配置されている。また、タービン7bよりも下流側の排気管14には排気中の有害物質を浄化するための排気浄化装置15が配置されており、排気管14はさらに下流にてマフラー(図示省略)に接続されている。この排気浄化装置15は、ケース本体15aの内部に、上流側から酸化触媒15b及びPMフィルタ15cがこれらの順に配置されている。
このように構成された内燃機関1の排気系では、内燃機関1の各シリンダ2で燃焼された既燃ガスが排気ポートを介して排気マニホールド13に排出され、次いでターボチャージャ7のタービン7bに流入する。タービン7bに流入した排気は、その排気エネルギによってタービン7b内に回転自在に支持されたタービンホイールを回転させ、その回転トルクがコンプレッサ7aのコンプレッサホイールに伝達される。タービン7bから排気管14に流出した排気は、排気浄化装置15を通過して浄化された後、マフラーを介して大気中に放出される。
さらに、内燃機関1は、排気管14を流れる排気の一部をEGRガスとして吸気管4に還流(再循環)させるEGR装置20を具備する。EGR装置20は、排気浄化装置15よりも下流側の排気管14とコンプレッサ7aより上流側の吸気管4とを接続するEGR管21、EGR管21内を流れるEGRガス(還流排気ガス)の流量を調節可能なEGR弁22、EGR管21に配置されると共にEGR弁22より上流側のEGR管21内を流れるEGRガスを冷却する冷却能とEGRガスに含まれている異物の捕集能とを有する冷却器付き異物捕集装置23により構成されている。
このように構成されたEGR装置20は、EGR弁22が開弁されるとEGR通路21が導通状態となり、排気浄化装置15から流出した比較的に低圧の排気の一部をコンプレッサ7aよりも上流側の吸気管4へと還流させるいわゆる低圧EGR装置である。このように吸気管4へと還流されたEGRガスは、吸気管4を上流側から流れてくる空気と合流しつつコンプレッサ7aに流入し、該コンプレッサ7aにおいて過給されてから内燃機関1の各シリンダへと吸入される。EGRガスには、水(HO)や二酸化炭素(CO)等のように、自らが燃焼することがなく、且つ、熱容量が高い不活性ガス成分が多く含まれている。そのため、このEGRガスが混合気中に含有されると、混合気の燃焼温度が低
くなり、内燃機関1におけるNOxの生成量が低減される。
さらに、内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運
転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御する。ECU10には、内燃機関1の運転状態を検出する各種センサ(機関回転数を検出するクランクポジションセンサ、アクセル開度を検出するアクセルポジションセンサ、吸気管を流れる空気量を測定するエアフローメータ等)が電気配線を介して接続され、それらの出力信号がECU10に入力される。一方、ECU10には吸気絞り弁5、燃料噴射弁9、EGR弁22等が電気配線を介して接続されており、ECU10によってこれらが制御される。
次に、EGR管21に配置された冷却器付き異物捕集装置23の構成について説明する。上述のように、冷却器付き異物捕集装置23は、EGR管21内を流れるEGRガスを冷却する冷却能とEGRガスに含まれている異物の捕集能とを具備する。本実施例における異物とは、内燃機関1の排気系を構成する部品・部材から発生した異物(以下、「排気系異物EM」という)を意味する。この排気系異物EMとしては、排気浄化装置15のケース本体15aの溶接時に発生したスパッタや、酸化触媒15bの過昇温に伴った破損片、タービン7bに内装されたタービンホイール等の破損片等がその一例として挙げられる。
上記例示した排気系異物EMがEGR管21を経由して吸気管4へと混入されてしまうと、この排気系異物EMがコンプレッサ7aや内燃機関1に流入してしまい、これらが破損する虞がある。そこで、本実施例では、EGR管21を流れるEGRガスに含まれている排気系異物EMを冷却器付き異物捕集装置23において除去した後、このEGRガスを吸気管4へと還流させることとしている。
図2は、本実施例に係る冷却器付き異物捕集装置の内部構成を示した図である。この図は、冷却器付き異物捕集装置23を水平方向から見た図であり、同装置の垂直断面を表している。冷却器付き異物捕集装置23は、EGR管21に接続されたケーシング30及び、該ケーシング30内に配置・形成された各要素によって概ね構成されている。
ケーシング30はその外形が四角柱状に形成されており、ケーシング30の一の側面Ws1の重力方向における上方の位置に導入ポート31が開口し、上記一の側面Ws1に対向する側面Ws2の重力方向における上方の位置に排出ポート32が開口している。導入ポート31と排出ポート32とは共にEGR管21に接続されている。そのため、導入ポート31を介してEGR管21からケーシング30内にEGRガスを導入し、排出ポート32を介して該ケーシング30からEGR管21へとEGRガスを排出することができる。なお、この図では、導入ポート31及び排出ポート32へのEGR管21の接続方向は略水平となっている。
ケーシング30内の重力方向における下方の位置には、ケーシング30内に導入されてくるEGRガスに含まれる排気系異物EMを捕集するための空間である異物捕集部Ptが形成されている。一方、ケーシング30ケーシングの上面Wtを基端として異物捕集部Ptに向かって(つまり、重力方向下向きに)隔壁Wpが延設されている。この隔壁Wpの他端(基端とは逆側の端部であり、ここでは下端といえる)はケーシング30の底面Wbまでは到達しておらず、所謂自由端となっている。このように形成された隔壁Wpによれば、隔壁Wpの下端とケーシング30の底面Wbとの間には隙間が図示のように形成されている。つまり、異物捕集部Ptを除いてケーシング30内の領域は、その水平方向において、導入ポート31側の領域である導入ポート側通路部Piと排出ポート32側の領域である排出ポート側通路部Peとに隔壁Wpによって区画されている。なお、隔壁Wpの
側面のうち、導入ポート側通路部Pi及び排出ポート側通路部Pe以外の2つの小口面は、共にケーシング30の側面に隙間が生じることなく接合されている。そのため、導入ポート31から導入されたEGRガスは、導入ポート側通路部Piから排出ポート側通路部Peへと直接流れ込むことはなく、必ず異物捕集部Pt通過することになる。つまり、隔壁Wpは、ケーシング30内部におけるEGRガスの流通経路(流路)を延長し、且つ、EGRガスを導入ポート31→導入ポート側通路部Pi→異物捕集部Pt→排出ポート側通路部Pe→排出ポート32の順に通過させるために機能する。
本実施例における冷却器付き異物捕集装置23は、導入ポート側通路部Piに配置された第1冷却器33と、排出ポート側通路部Peに配置された第2冷却器34を具備する。図3は、図2に示した冷却器付き異物捕集装置のA−A矢視方向断面図である。
第1冷却器33は、EGRガスを冷却する冷却用熱媒体としての内燃機関1の冷却水が流通する複数の導入ポート側チューブ33a、複数の導入ポート側チューブ33aのうち隣接する導入ポート側チューブ33aに当接して設けられる複数の導入ポート側冷却フィン33b、導入ポート側チューブ33aの両端部に接続され且つ冷却水を蓄える中空形状の導入ポート側タンク33c,33dとから構成されている。導入ポート側チューブ33aは扁平形状を有している。また、導入ポート側冷却フィン33bは連続した波形形状を有する金属製板であり、隣接する導入ポート側チューブ33aに溶接されている。本実施例においては、導入ポート側チューブ33aが本発明における第1冷却用熱媒体配管に相当し、導入ポート側冷却フィン33bが本発明における第1冷却フィンに相当する。
また、第2冷却器34は、内燃機関1の冷却水が流通する複数の排出ポート側チューブ34a、複数の排出ポート側チューブ34aのうち隣接する排出ポート側チューブ34aに当接して設けられる複数の排出ポート側冷却フィン34b、排出ポート側チューブ34aの両端部に接続され且つ冷却水を蓄える中空形状の排出ポート側タンク34c,34dとから構成されている。排出ポート側チューブ34aは、導入ポート側チューブ33aと同様に扁平形状を有し、排出ポート側冷却フィン34bは、導入ポート側冷却フィン33bと同様に連続した波形形状を有する金属製板であり、隣接する排出ポート側チューブ34aに溶接されている。本実施例においては、排出ポート側チューブ34aが本発明における第2冷却用熱媒体配管に相当し、排出ポート側冷却フィン34bが本発明における第2冷却フィンに相当する。
導入ポート側冷却フィン33b及び排出ポート側冷却フィン34bの夫々は、図示のように水平方向の断面(以下、「フィン水平断面」という)の形状が連続する波形形状に形成されている。すなわち、この波形形状とは、フィン水平断面において凸部を一方側と他方側に交互に位置させて曲折する形状である。本実施例では、上記のように一方側と他方側とのうち同一側で隣り合う凸部の中心同士の距離(中心間距離)であるフィンピッチfpを、導入ポート側冷却フィン33bと排出ポート側冷却フィン34bとで相違させている。より詳しくは、排出ポート側冷却フィン34bのフィンピッチfp2は、導入ポート側冷却フィン33bのフィンピッチfp1に比べて小さく形成されている。このように、各々のフィンピッチfpを相対的に相違させた目的、及びその作用については後述する。なお、図3においては、導入ポート側冷却フィン33bおよび排出ポート側冷却フィン34bの夫々のフィン水平断面は三角波形状であるが、他の形状(例えば正弦波,のこぎり波,方形波,或いはこれらを組み合わせた波型等)であっても構わない。
ここで、導入ポート側冷却フィン33b及び排出ポート側冷却フィン34bにおいて、各々のフィン水平断面に対する直交軸を「フィン長手軸」と称す。本実施例においては、双方のフィンにおけるフィン長手軸は、共に重力方向に平行である。そのため、導入ポート側チューブ33aと、これに当接する導入ポート側冷却フィン33bによって形成され
るEGRガスの通路(以下、「導入ポート側フィン通路」という)FPiは重力方向に平行な通路として形成されている。同様に、排出ポート側チューブ34aと、これに当接する排出ポート側冷却フィン34bによって形成されるEGRガスの通路(以下、「排出ポート側フィン通路」という)FPeは重力方向に平行な通路として形成されている。本実施例においては導入ポート側フィン通路FPiが本発明における「第1冷却用熱媒体配管及びこれに当接する第1冷却フィンによって形成されるEGRガスの通路」に相当し、排出ポート側フィン通路FPeが本発明における「第2冷却用熱媒体配管及びこれに当接する第2冷却フィンによって形成されるEGRガスの通路」に相当する。
以上のように構成された第1冷却器33では、不図示のラジエータにより冷却された比較的低温の冷却水が、同じく不図示の外部配管を介して一方の導入ポート側タンク33cへと導入された後、各導入ポート側チューブ33aに分配される。そして、各導入ポート側チューブ33aを流れる冷却水は、導入ポート側フィン通路FPiを通過するEGRガスと熱交換を行う。その際、導入ポート側チューブ33aに当接する導入ポート側冷却フィン33bによって上記熱交換が促進され、EGRガスの冷却が効率的に行われる。EGRガスとの熱交換によって加熱された冷却水は、各導入ポート側チューブ33aから他方の導入ポート側タンク33dへと流出する。その後、この冷却水は再び外部配管を循環する際にラジエータにおいて冷却され、再び一方の導入ポート側タンク33cへと導入されることでEGRガスの冷却に利用される。
また、第2冷却器34においても同様に、ラジエータにより冷却された比較的低温の冷却水が外部配管を介して一方の排出ポート側タンク34cへと導入され、各排出ポート側チューブ34aに分配される。そして、各排出ポート側チューブ34aを流れる冷却水は、排出ポート側フィン通路FPeを通過するEGRガスと熱交換を行う。その際、排出ポート側チューブ34aに当接する排出ポート側冷却フィン34bによって上記熱交換が促進され、EGRガスの冷却が効率的に行われる。EGRガスとの熱交換によって加熱された冷却水は、各排出ポート側チューブ34aから他方の排出ポート側タンク34dへと流出する。その後、この冷却水は再び外部配管を循環する際にラジエータにおいて冷却され、再び一方の排出ポート側タンク34cへと導入されることでEGRガスの冷却に利用される。
ここで、EGR管21を介してケーシング30へと流入してくるEGRガスの温度は、通常200〜300℃であるところ、第1冷却器33及び第2冷却器34において行われる内燃機関1の冷却水との熱交換により、上記EGRガスがおよそ70〜80℃程度まで温度が下降するように、導入ポート側冷却フィン33b及び排出ポート側チューブ34aへの冷却水の通水量(循環量)がECU10によって調節される。ここで、EGRガスが過度に低温(例えば、40〜45℃程度)まで冷却されると凝縮水が生成される可能性が高まる。そのため、本実施例では、上記のように冷却水の通水量を調節することでケーシング30内において凝縮水が生成されることを抑制する。これにより、ケーシング30の底部(底面Wb)に凝縮水が溜まることがないため、該凝縮水によってEGRガスの流路が閉塞されたり、或いは、凝縮水がEGRガスと共に内燃機関1に吸入されて失火やウォータハンマ等の不具合が生じることもない。
次に、異物捕集部Ptでの排気系異物EMの捕集メカニズムについて説明する。本実施例に係る冷却器付き異物捕集装置23は、排気系異物EMに対して常に作用する重力と、EGRガスの主な流れ(以下、「主流」という)の方向(以下、この主流の方向を「ガス主流方向」という)が変化する時に作用する慣性力(遠心力)とを利用して異物捕集部Ptに排気系異物EMを捕集する。ここで、図2に示したように、ケーシング30の底面Wb(底部)には、底面Wb近傍まで落下してきた排気系異物EMを引っ掛けて保持するための複数の櫛形に並んだ突起部36aを有する異物保持部材36が配置されている。
図4は、本実施例における冷却器付き異物捕集装置のケーシング内に導入されたEGRガスのガス主流方向の変化と、排気系異物EMの捕集メカニズムを説明するための説明図である。図中の実線矢印はガス主流方向を模式的に表したものである。破線矢印は、排気系異物EMの進行方向がガス主流方向から逸れる場合における当該異物の進行方向を模式的に表したものである。
導入ポート31からケーシング内30に対して水平方向に流入してきたEGRガス(及び、これに含まれている排気系異物EM)は、前方に対向して配置されている隔壁Wpに衝突し、そのガス進行方向が重力方向下向きに変換される。なおかつ、本実施例における導入ポート側通路部Piには第1冷却器33が配置され、重力方向に平行な導入ポート側フィン通路FPiが形成される。したがって、この導入ポート側フィン通路FPiにEGRガスが流入することによって、EGRガスのガス主流方向が重力方向下向きに確実に整えられる。
その後、導入ポート側フィン通路FPiから流出したEGRガスは、異物捕集部Ptへと到達し、その一部が底面Wbと衝突する。隔壁Wpの他端(下端)はケーシング30の底面Wbに当接しておらず、当該下端と底面Wbとの間にはEGRガスを通過させるのに充分な隙間が形成されている。そのため、異物捕集部Ptまで到達したEGRガスは、そのガス主流方向が重力方向下向きから水平方向に変換され、排出ポート側通路部Pi側の方向に流れてゆく。
このように、EGRガスのガス主流方向が重力方向下向きから水平方向へと急激に変換されると、排気系異物EMに慣性力が重力方向下向きに作用する。EGRガス中の異物は、EGRガスを構成する粒子に比してその質量が大きい。そのため、異物捕集部Ptにおいてガス進行方向が水平方向へと変換した後も、排気系異物EMの進路は重力と慣性力との複合力の作用によってガス主流方向から逸脱し、ケーシング30の底面Wbに向かって進行する(破線矢印A)。
ここで、ケーシング30の底面Wb近傍におけるEGRガスの流速は、主流における流速に比べて相対的に遅い。したがって、排気系異物EMがケーシング30の底面Wb近傍まで一旦落下すると、これに作用する重力と慣性力とに抗して排気系異物EMが排出ポート側通路部Pe(排出ポート側フィン通路FPe)まで運搬され難くなる。その結果、当該排気系異物EMはケーシング30の底面Wbに滞留した状態に維持され、異物捕集部Ptにて捕集される。
これに加えて、本実施例では、ケーシング30の底面Wb(底部)に異物保持部材36を配置させている。これによれば、導入ポート側フィン通路FPiからの流出後に重力と慣性力との複合力によって下方に向けて落下してくる排気系異物EMは多数の突起部36aに引っ掛かり、異物保持部材36に保持される。それ故に、EGRガスに含まれている排気系異物EMは、異物捕集部Ptにおいてより確実に捕集される。
その後、EGRガス及びこれに残存する排気系異物EMは、第2冷却器34が配置されている排出ポート側通路部Peに到達する。ここで、排出ポート側フィン通路FPeは重力方向に平行に形成されているため、排出ポート側フィン通路FPeへとEGRガスが流入する際に、そのガス主流方向が水平方向から重力方向上向きへと強制的に変換させられることで、排気系異物EMに対して水平方向に大きな慣性力が作用する。その結果、排気系異物EMの進路がガス主流方向から逸れて、ケーシング30の側面Ws2に向かって進行し(破線矢印B)、一部の排気系異物EMは当該側面Ws2に衝突する。このようにして、ガス主流方向から進路が逸れた排気系異物EMは、重力によってケーシング30の底
部(底面Wb)に向かって落下してゆき、異物保持部材36に保持されることで捕集される。
以上のように、本実施例に係る冷却器付き異物捕集装置23は、単一の装置によって排気系異物EMの捕集能とEGRガスの冷却能を実現する。すなわち、導入ポート側通路部Piに第1冷却器33を配置し、排出ポート側通路部Peに第2冷却器34を配置することで、ケーシング30の内部空間の有効利用(省スペース化)を図り、以ってEGR装置20全体のコンパクト化を実現する。
ここで、図4にて説明したように、異物捕集部Ptにおいて、排気系異物EMに大きな慣性力を作用させて効率的に捕集することができるのは、導入ポート側フィン通路FPiと排出ポート側フィン通路FPeとにおけるEGRガスの整流作用がガス主流方向の変換に大きく寄与するからである。ここで、導入ポート側通路部Pi及び排出ポート側通路部Peに何も配置せずに単なる中空空間とした異物捕集装置(ここでは、「従来型異物捕集装置」という)を仮に考える。ケーシング30に導入される排気系異物EMの導入量に対する、異物捕集部Ptで捕集される捕集量の重量百分率として「異物捕集率」を定義した場合、従来型異物捕集装置における異物捕集率を本実施例の冷却器付き異物捕集装置23と同等にするには、導入ポート側通路部及び排出ポート側通路部の上下寸法を本実施例に比して大きくする必要がある。つまり、本実施例に係る冷却器付き異物捕集装置23では、導入ポート側フィン通路FPiと排出ポート側フィン通路FPeとにおけるEGRガスの整流作用が期待できる分だけ従来型異物捕集装置に比べて異物捕集率が向上し、優れた異物捕集能を実現することができる。つまり、言い換えると、従来型異物捕集装置と同等の異物捕集率を実現する場合であれば、従来型異物捕集装置に比べて装置をよりコンパクトにすることができる。
次に、排出ポート側冷却フィン34bのフィンピッチfp2を、導入ポート側冷却フィン33bのフィンピッチfp1に比べて小さく形成(fp1>fp2)したことの目的について説明する。当該目的のうち第1の目的は、導入ポート31からケーシング30内にEGRガスに含まれている排気系異物EMに導入ポート側フィン通路FPiを円滑に通過させ、当該排気系異物EMを異物捕集部Ptまで確実に到達させることにある。ここで、導入ポート側冷却フィン33bのフィンピッチfp1が大きいほど、導入ポート側フィン通路FPiを排気系異物EMが通過し易くなる。
本実施例においては、本捕集装置23において捕集する対象となる排気系異物EM(前述のスパッタ、触媒破損片など)のうち、ケーシング30内に導入されてくると想定される異物の最大寸法(以下、「想定最大寸法」という)を予め設定しておき、当該想定最大寸法の排気系異物EMであっても導入ポート側フィン通路FPiを通過可能なように導入ポート側冷却フィン33bのフィンピッチfp1を決定している。このようにフィンピッチfp1を決定(設定)することで、導入ポート31からケーシング30内に導入された排気系異物EMを、確実に異物捕集部Ptまで到達させることができる。このことは、第1冷却器33における導入ポート側フィン通路FPiの入口(前端面、上端面)に排気系異物EMが引っ掛かり、円滑な流通が阻害されることを確実に抑制できることを意味する。
ここで、導入ポート側フィン通路FPiの前端面に引っ掛かってしまうと、例えば内燃機関1や車両の振動等に起因した外乱が起こる度に、当該前端面において排気系異物EMの浮き上がり・衝突が頻繁に繰り返されてしまう。そして、このような状況が長期に及ぶと、導入ポート側冷却フィン33bが折れ曲がる等の破損が生じる要因となる。これに対して、本実施例によれば、導入ポート側冷却フィン33bに破損が生じることがない。それ故に、第1冷却器33におけるEGRガスの冷却効率の低下や圧力損失の増加などが確
実に抑制される。
また、排出ポート側冷却フィン34bのフィンピッチfp2を、導入ポート側冷却フィン33bのフィンピッチfp1に比べて小さく形成したことの第2の目的は、排気系異物EMに作用する慣性力の大きさが該排気系異物EMをガス主流方向から逸脱させるのに不充分であった場合であっても、排気系異物EMが排出ポート側フィン通路FPeを通過することを排出ポート側冷却フィン34bに阻止させ、排気系異物EMが吸気管4へ侵入することを確実に抑制することにある。
本実施例では、EGR管21を経由して吸気管4に排気系異物EMが侵入しても、コンプレッサ7a、或いは内燃機関1が破損する虞がないほど小さな値として設定される寸法、すなわち吸気管4への混入(侵入)が許容される排気系異物EMのうちで最大寸法(以下、「許容最大寸法」という)を予め設定しておく。この許容最大寸法は、前述の想定最大寸法に比して充分に小さな値である。
そして、排出ポート側冷却フィン34bのフィンピッチfp2は、許容最大寸法を超える寸法の排気系異物EMが排出ポート側フィン通路FPeを通過することができないように決定されている。排気系異物EMが排出ポート側フィン通路FPeを通過することができないとは、第2冷却器34における排出ポート側フィン通路FPeの入口(前端面、下端面)に排気系異物EMが導かれても、当該排気系異物EMが上記前端面に衝突し、ケーシング30の底面Wbに向かって再び下方に落下することを意味する。このようにフィンピッチfp2を決定(設定)することで、排出ポート側冷却フィン34bを、許容されない寸法の排気系異物EMが吸気管4へと侵入することを確実に抑制するためのフィルタとして機能させることができ、以ってコンプレッサ7aや内燃機関1等が破損することを確実に抑制することができる。
なお、本実施例の冷却器付き異物捕集装置23は、メッシュなどの微細な部材に排気系異物EMを捕集する方式の装置ではないため、耐久性が高く、且つ異物捕集率の経時的な低下が生じることがない点で優れている。また、本実施例の異物保持部材36は、本発明の適用に必須の部材ではないものの、異物捕集部Ptにおける排気系異物EMを保持することができるので、内燃機関1や車両に大きな振動等が起こった場合においても、この排気系異物EMが異物捕集部Pt内で浮き上がり、散乱することがない。これにより、異物捕集部Ptにて捕集されている排気系異物EMが排出ポート側冷却フィン34bの下端面へと繰り返し衝突することが抑制されるので、当該排出ポート側冷却フィン34bの破損が確実に抑制される。
また、本実施例に係る冷却器付き異物捕集装置23が設けられるEGR管21は、内燃機関1における排気浄化装置15より下流側の排気管13と、コンプレッサ7aより上流側の吸気管4とを接続するいわゆる低圧EGR管である。このように、吸気管4に還流されてくるEGRガスがコンプレッサ7aへと流入する構成では、コンプレッサ7aの破損を確実に防ぐ観点から、吸気系への還流前にEGRガスから排気系異物EMをシビアに除去する必要がある。そのため、本実施例における冷却器付き異物捕集装置23を、排気浄化装置より下流側の比較的低圧の排気の一部を過給機のコンプレッサより上流の吸気管に還流する低圧EGR装置に適用することで、その作用効果をより顕著に奏することができる。
ここで、本実施例に係る冷却器付き異物捕集装置23の他の実施形態について説明する。当該他の実施形態では、異物保持部材36が磁力を有する材料にて構成される。これによれば、前述したスパッタや触媒破損片の如く、ケーシング30内に導入されてくる可能性の高い金属製の異物を、異物保持部材36に対してその磁力により確実に吸着させるこ
とができる。その場合、異物保持部材36は図2に示したような突起部36aを有していなくても良いのは勿論である。例えば、ケーシング30の底面Wbに磁石を配置し、或いは埋め込んだだけの構成であっても異物捕集部Ptに流入してくる排気系異物EMを当該磁石に吸着させることができる。したがって、かかる場合などには、磁石が配置、或いは埋め込まれたケーシング30の底面Wb自体によって異物保持部材を構成することができる。
1 内燃機関
4 吸気管
7 ターボチャージャ
7a コンプレッサ
7b タービン
14 排気管
15 排気浄化装置
20 EGR装置
21 EGR管
23 冷却器付き異物捕集装置
30 ケーシング
31 導入ポート
32 排出ポート
33 第1冷却器
33a 導入ポート側チューブ
33b 導入ポート側冷却フィン
34 第2冷却器
34a 排出ポート側チューブ
34b 排出ポート側冷却フィン
36 異物保持部材
36a 突起部
Wp 隔壁
Pi 導入ポート側通路部
Pe 排出ポート側通路部
Pt 異物捕集部
FPi 導入ポート側フィン通路
FPe 排出ポート側フィン通路

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気管と吸気管とを接続すると共に排気の一部をEGRガスとして吸気系に還流させるEGR管に設けられ、該EGR管を流れるEGRガスに含まれている異物の捕集能と該EGRガスの冷却能とを有する冷却器付き異物捕集装置であって、
    EGRガスを導入する導入ポートとEGRガスを排出する排出ポートとが重力方向における上方の位置に開口されており、該導入ポート及び排出ポートを介してEGR管に接続されているケーシングと、
    前記ケーシング内の重力方向における下方の位置に形成された異物捕集部と、
    前記ケーシングの上面を基端として前記異物捕集部に向かって延設されており、該異物捕集部を除くケーシング内の領域を前記導入ポート側の領域である導入ポート側通路部と前記排出ポート側の領域である排出ポート側通路部とに区画する隔壁と、
    前記導入ポート側通路部に配置され、EGRガスを冷却する冷却用熱媒体が流通する複数の第1冷却用熱媒体配管と、複数の該第1冷却用熱媒体配管のうち隣接する第1冷却用熱媒体配管に当接して設けられる複数の第1冷却フィンとを含んで構成される第1冷却器と、
    前記排出ポート側通路部に配置され、EGRガスを冷却する冷却用熱媒体が流通する複数の第2冷却用熱媒体配管と、複数の該第2冷却用熱媒体配管のうち隣接する第2冷却用熱媒体配管に当接して設けられる複数の第2冷却フィンとを含んで構成される第2冷却器と、を備え、
    前記第1冷却用熱媒体配管及びこれに当接する第1冷却フィンによって形成されるEGRガスの通路と、前記第2冷却用熱媒体配管及びこれに当接する第2冷却フィンによって形成されるEGRガスの通路とは共に重力方向に平行であって、且つ、第2冷却フィンのフィンピッチは第1冷却フィンのフィンピッチに比べて小であることを特徴とする冷却器付き異物捕集装置。
  2. 前記ケーシングの底部には、異物を保持する異物保持部材が配置されることを特徴とする請求項1に記載の冷却器付き異物捕集装置。
  3. 前記異物保持部材は磁力を有して構成されることを特徴とする請求項2に記載の冷却器付き異物捕集装置。
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