JP2010185135A - コアシェル型金属ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

コアシェル型金属ナノ粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 イオン化傾向の高い金属を含むコア成分と、該コア成分を被覆するよりイオン化傾向の低い金属を含むシェルとを有するコアシェル型金属ナノ粒子を得る。
【解決手段】 よりイオン化傾向の高い金属Aを含むコア成分と、該コア成分を被覆するよりイオン化傾向の低い金属Bを含むシェルとを有するコアシェル型金属ナノ粒子の製造方法であって、脱酸素した高沸点溶媒中で、金属Aイオンを還元して金属Aの微粒子を形成する工程(1)と、前記工程(1)により得た金属Aの微粒子を含む高沸点溶媒溶液を、金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度以上に維持した状態で、金属Bイオンを含む溶液を添加する工程(2)を有することを特徴とする、コアシェル型金属ナノ粒子の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属ナノ粒子の製造方法に関し、更に詳しくは異種金属をコアとシェルに有する金属ナノ粒子の製造方法に関する。
金属ナノ粒子は樹脂等の媒体と混合してインキ・塗料化が可能なことから、導電材料、触媒、センサーなどの分野で応用が試みられており、また、金属ナノ粒子が有するラマン散乱増強効果を利用した生体高分子など微量化合物の次世代高感度分析技術を支える素材としても注目を集めている。
金属ナノ粒子としては、金、銀、白金族等の貴金属ナノ粒子が知られており、該金属をコアとしたコアシェル構造化についても数多く検討されている。例えば銀コア銅シェル型粒子の合成については、レーザーアブレーション法、気相真空蒸発法、マイクロ波加熱によるアルコール還元などの従来のナノ粒子製造技術を応用して合成する例が少数ながらも報告されている。しかしながら貴金属は高価であり工業用途として展開するには用途が限られるといった問題があった。
比較的安価であり、導電材料として特に優れた性質を有する銅は、標準酸化還元電位が低い為に容易に酸化あるいはイオン化する傾向がある。事実銅ナノ粒子は非常に酸化されやすく、銅ナノ粒子そのものを工業的に使用することは困難である。特に導電材料としては何らかの導電性被覆が必要と考えられる。
前述のような銀をコアとするコアシェル微粒子ではなく、銅をコアとし、導電性の高い前記貴金属をシェルとするコアシェル型金属ナノ粒子(図1参照)は特許文献1に記載されている。該方法は具体的には、オレイルアミンまたはオレイルアミンと炭化水素系溶剤との混合液中で、銅アセチルアセトナートをアスコルビン酸で還元してコアとなる銅ナノ粒子を作製した後、長鎖カルボン酸の銀塩を加えて、再び還元反応を行うことで、銅をコアに有し銀をシェルに有するコアシェル型金属ナノ粒子を得ている。
該反応は疎水溶剤中で行うため、還元に用いる金属化合物として有機溶媒可溶性の化合物を使用する必要がある。しかしながら有機溶媒可溶性の金属化合物は高価であり、特に銀の長鎖脂肪酸塩は一般的に入手できるものは少なく、自家調製が必要な場合が殆どで、工業的に有利な方法とは言い難い。
その他、非特許文献1には、銅または鉄をコアとし、貴金属をシェルとする、アスコルビン酸還元を利用したコアシェル型金属ナノ粒子の合成方法が、非特許文献2には、ゼラチンを保護剤とし、亜リン酸ナトリウム溶液中、80℃で硫酸銅を還元し、40℃でアンモニア性硝酸銀を還元する、銅コア銀シェル型の金属ナノ粒子の合成方法が記載されている。しかしながら両者で用いられているアスコルビン酸や亜リン酸塩は汎用の還元剤であるが、銅などの卑金属イオンの還元に用いるには弱く、貴金属イオンの還元には強い作用を有する。このためコアとなる金属とシェルとなる金属との両者の還元反応を安定に制御しにくく、即ち工業的に安定にコアシェル型金属ナノ粒子を得る方法としては有効な方法ではないと推定される。これに関し非特許文献1には銅コア銀シェル粒子の合成に相当する実験例が記載されておらず、一方非特許文献2ではX線回折スペクトルのみでコアシェル構造を確認したこととなっており、即ち当業者であっても追試が容易ではなく、工業的に有利な方法か否かの判断が困難である。
前述の通り、銅をコアとし、導電性の高い前記貴金属をシェルとするコアシェル型金属ナノ粒子を得る方法はいくつかは知られているが、いずれも工業的に有利な方法ではない、あるいはそのように推定されるものばかりである。
このように銅コア銀シェル型の金属ナノ粒子の製造方法が困難である理由には、各々の金属のイオン化傾向が関係している。イオン化傾向は標準電位と関係し、即ち、銅の標準電極電位(Cu2+ + 2e- = Cu: 0.34V)が銀の標準電極電位(Ag + e- = Ag: 0.8 V)に対して低いため、コアとして作製した銅ナノ粒子が銀イオンと接触すると、金属銀が 2Ag +Cu = 2Ag + Cu2+ の酸化還元反応により析出して銅がイオン化溶解する方向に反応が進行するためである。これは銅と銀との組み合わせに限らず、イオン化傾向の高い金属コアを最初に作製し、続いてイオン化傾向の低い金属をシェルとして巻き込ませる、2工程からなる液相合成法においては常に起こりうる現象である。
特開2007−224420号公報
Nadagouda, Mallikarjuna N.; Varma, Rajender S. A Greener Synthesis of Core (Fe, Cu)− Shell (Au, Pt, Pd, and Ag) Nanocrystals Using Aqueous Vitamin C. Crystal Growth & Design (2007), 7(12), 2582−2587. Liu, Zhijie; Zhao, Bin; Zhang, Zongtao; Hu, Liming. Preparation of ultrafine core − shell Cu−Ag bimetallic powders. Dep. Chem., East−China Univ. Sci. Technol., Shanghai, Peop. Rep. China. Wuji Huaxue Xuebao (1996), 12(1), 30−4.
本発明が解決しようとする課題は、イオン化傾向の高い金属を含むコア成分と、該コア成分を被覆するよりイオン化傾向の低い金属を含むシェルとを有するコアシェル型ナノ金属粒子を得ることにある。
本発明者らは、イオン化傾向の高い金属をコアとし、イオン化傾向の低い金属をシェルとしたコアシェル型ナノ金属粒子を得る方法として、コアであるイオン化傾向の高い金属ナノ粒子が、イオン化傾向の低い金属のイオンと接触してイオン化溶解する前に、イオン化傾向の低い金属を還元して析出させ、コア金属ナノ粒子を被覆できる条件について鋭意研究を行った。
この結果、イオン化傾向の低い金属イオンの還元速度をできるだけ高くすることが課題を解決する方法であることを見出し、その具体的手段として、コアとなるイオン化傾向の高い金属ナノ粒子を含む溶液を、シェルとなるイオン化傾向の低い金属イオンが1分間で80%以上金属に還元される温度以上に維持した状態で、シェルとなるイオン化傾向の低い金属イオンを添加することで、課題を解決できることを見出した。
即ち本発明は、よりイオン化傾向の高い金属Aを含むコア成分と、該コア成分を被覆するよりイオン化傾向の低い金属Bを含むシェルとを有するコアシェル型ナノ金属粒子の製造方法であって、
脱酸素した高沸点溶媒中で、金属Aイオンを還元して金属Aの微粒子を形成する工程(1)と、
前記工程(1)により得た金属Aの微粒子を含む高沸点溶媒溶液を、金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度以上に維持した状態で、金属Bイオンを含む溶液を添加する工程(2)を有する、コアシェル型ナノ金属粒子の製造方法を提供する。
本発明により、イオン化傾向の高い金属(銅)を含むコア成分と、該コア成分を被覆するよりイオン化傾向の低い金属(銀)を含むシェルとを有するコアシェル型ナノ金属粒子を容易に得ることができる。
本発明においては、前記高沸点溶媒としてアルコール類を使用すると、還元剤を別途使用しなくとも工程(1)において金属Aイオンを還元して金属Aの微粒子が形成できるので好ましい。とりわけ、多価アルコール化合物は還元能力が高く、なお好ましい。又、高沸点の非プロトン性極性溶媒も、金属Aイオンを含む金属塩を溶解しやすく、還元された金属微粒子を安定に溶解しておくことも可能である点から好ましい。
また、前記高沸点溶媒がコロイド保護剤であるポリビニルピロリドンを含有すると、得られる微粒子が凝集しにくくなるため、ナノ金属粒子としての収率が向上する。また、ポリビニルピロリドンにも還元能力が有るので、還元剤を別途使用しなくとも工程(1)において金属Aイオンを還元して金属Aの微粒子が形成できるのでなお好ましい。
また、前記金属Aが銅であり、前記金属Bが銀であると、導電材料として特に有用であり、なお好ましい。
本願のコアシェル型金属ナノ粒子の模式図である。 銀、銅および銅コア銀シェルナノ粒子の紫外可視吸収スペクトルである。 実施例1で得た銅コア銀シェルナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真である。 図3と同じ被写体であるがEDS分析装置を用いて銅成分のみを写したものである。図3の多くの微粒子の中央部に銅コア部分の存在が確認できる。 図3,4と同じ被写体であるがEDS分析装置を用いて銀成分のみを写したものである。多くの微粒子外側の白く見える銀シェルの存在が確認できる。 図3の6の拡大透過電子顕微鏡写真である。 EDS付き透過電子顕微鏡による図6の破線部の元素分析を示す図である。 銅コア銀シェルナノ粒子分散体の紫外可視吸収スペクトルの経時変化を示す図である。 銅ナノ粒子分散体の紫外可視吸収スペクトルの経時変化を示す図である。 実施例8で得た銅コア銀シェルナノ粒子の紫外可視吸収スペクトルである。 実施例8で得た銅コア銀シェルナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真である。 実施例11で得た銅コア銀シェルナノ粒子の紫外可視吸収スペクトルである。 実施例15での、安定性評価結果である。具体的には、モル比を変えて得られた金属ナノ粒子の紫外可視吸収スペクトルの経時変化である。
1 イオン化傾向のより高い金属Aからなるコア
2 イオン化傾向のより低い金属Bからなるシェル
3 破線 銅ナノ粒子(実施例1の工程1で得られる分散体)
4 実線 銅コア銀シェルナノ粒子(実施例1工程2で得られた分散体)
5 一点鎖線 銀ナノ粒子(実施例1工程1と同様の工程で得られる分散体)
6 図4、図5のEDS分析に使用した銅コア銀シェルナノ粒子
7 実線 銅成分
8 破線 銀成分
9 実線 合成直後
10 破線 14日後
11 実線 合成直後
12 破線 6日後
(イオン化傾向)
本発明の製造方法において、イオン化傾向とは、金属が水溶液中で示す、陽イオンになろうとする傾向を指す。本発明においては水は使用しないが、該指標を用いれば本願の課題は達成されるために、イオン化傾向の指標を用いた。なおイオン化傾向は、リチウム (Li) > ルビジウム (Rb) > カリウム (K) > バリウム (Ba) > ストロンチウム (Sr) > カルシウム (Ca) > ナトリウム (Na) > マグネシウム (Mg) > アルミニウム (Al) > マンガン (Mn) > 亜鉛 (Zn) > クロム (Cr) > 鉄 (Fe) > カドミウム (Cd) > コバルト (Co) > ニッケル (Ni) > スズ (Sn) > 鉛 (Pb) > 水素 (H) > アンチモン (Sb) > ビスマス (Bi) > 銅 (Cu) > 水銀 (Hg) > 銀 (Ag) > パラジウム (Pd) > 白金 (Pt) > 金 (Au) の順である。
本発明において、イオン化傾向の高い金属Aと、イオン化傾向の低い金属Bとは、イオン化傾向がA>Bの関係にあることを示す。例えば、使用する金属が銅と銀であれば、銅がAであり銀がBである。また使用する金属が銅と金であれば、銅がAであり金がBである。
本発明においては、銅がAであり銀がBである組み合わせが、最も効果が高く、得られるコアシェル型ナノ金属粒子の有用性も高いため好ましい。
(工程(1))
本発明の製造方法において、工程(1)は、よりイオン化傾向の高い金属Aを含むコア成分即ち金属Aの微粒子を作成する工程である。具体的には、脱酸素した高沸点溶媒中で、金属Aイオンを還元して金属Aの微粒子を形成する。
(脱酸素)
本発明では、使用する高沸点溶媒中に酸素が溶存していない状態で反応を行うことを必須とするものであり、得られる金属Aの微粒子を酸化させない目的である。反応系中に酸素が存在してしまうと金属Aの微粒子表面が酸化してしまい、次工程である工程(2)で金属Bが金属A微粒子の周りに付着することができない。脱酸素の方法としては特に限定されるものではなく、例えば、不活性ガスを使用する高沸点溶媒にバブリングすることによって簡便に行なうことができる。このとき使用できる不活性ガスとしては、具体的にはヘリウム、アルゴン、窒素等が挙げられる。中でも窒素が扱いが容易で、経済的であり好ましい。また、予め脱酸素した高沸点溶媒を用いる場合には、反応容器中に酸素(大気)が入り込まないような条件下であれば良く、バブリングしながら反応を行うことは必須ではない。
(高沸点溶媒)
本発明で使用する高沸点溶媒は、工程(1)及び工程(2)における金属の酸化還元反応を阻害しないものであれば特に限定はなく使用できる。但し水を含有するものは、溶存酸素の点と、反応系の到達温度が低下する点、また多価アルコールからの還元活性種の発生抑制により、前述の金属A微粒子の生成速度が低下し、結果として不要な酸化を招くことからできるだけ使用しないことが望ましい。また、高沸点溶媒の沸点は、工程(2)においてシェルとなるイオン化傾向の低い金属イオンが1分間で80%以上金属に還元される温度以上に維持する必要があることから、該温度以上であることが好ましい。実質的には140℃以上の沸点を有する有機溶媒であれば本発明の反応が容易に進行し好ましい。また、工程(1)におけるイオン化傾向の高い金属Aを含むコア成分を還元させる能力があることから、アルコール性水酸基を有する有機溶媒が好ましい。具体的には、アルコール性水酸基を1つ有する1価アルコールの場合は、沸点の観点から、炭素原子数7個以上の直鎖炭化水素基を有する1価アルコールであることが好ましく、具体的には、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコールなどを用いることができる。また、アルコール性水酸基を2つ以上有する多価アルコールの場合は炭素原子数は特に限定されず、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール等の多価アルコール化合物を使用することができる。中でも多価アルコール化合物を使用し、高温下で工程(1)を行うと、別途還元剤を使用せずに還元反応が進行するので好ましい。また、これらの多価アルコール化合物中の一部のアルコール性水酸基をアルキルエーテル化したものであっても用いることができる。特に好ましい高沸点溶媒としてはエチレングリコール、グリセリンである。
更に、沸点が140℃以上の非プロトン性極性溶媒も、後述する各種の金属塩の溶解性が高い点や、還元された金属の酸化を防止できる点等から好ましく用いることができる。前記非プロトン性極性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの、比誘電率が30以上のものを好適に用いることができる。
(金属Aイオン)
不活性ガスを吹き込んで脱気した高沸点溶媒中で、金属Aイオンを還元して金属Aの微粒子を形成する。このときの金属Aイオンは、具体的には、高沸点溶媒に添加したときはイオンであるが還元されて金属Aの微粒子となって析出する。従って金属Aイオンは添加する際には塩となっていることが好ましく、高沸点溶媒に溶解するものが好ましい。具体的には、酢酸塩、硝酸塩、塩化物、アセチルアセトナート等が挙げられる。中でも酢酸塩が好ましい。金属Aが銅の場合、例えば、Cu(OAc)、Cu(NO、CuCl、Cu(HCOO)、Cu(CHCOO)、Cu(CHCHCOO)、CuCO、CuSO及びCCuOのほか、カルボン酸塩を加熱して得られる塩基性塩、たとえばCu(OAc)・CuOも同様に用いることができる。また、2価であっても1価であってもよく、微量の水分や結晶水を有していても加熱中に脱水しうるものは差し支えない。
また、この時に還元剤を使用することもできる。還元剤としては、ヒドラジンおよびヒドラジン化合物、ヒドロキシルアミンおよびその誘導体、水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素化物、ホスフィン酸塩類、エンジオール類、ヒドロキシケトン類などが挙げられる。前記高沸点溶媒として還元能力を有するアルコール性水酸基を有する有機溶媒を使用する場合には、別途還元剤を使用する必要はない。
また、得られる金属A微粒子の凝集を防ぐ目的で、コロイド保護剤を使用することも好ましい。コロイド保護剤としては、天然物、化学合成品に限らず界面活性剤、分散剤としての能力を有する高分子化合物を使用することができる。中でもポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリメチルビニルエーテルが好ましく、ポリビニルピロリドンが最も好ましい。ポリビニルピロリドンは還元能力を有し、前記高沸点溶媒であるエチレングリコールとの併用が最も効果的である。ポリビニルピロリドンの重量平均分子量としては、5,000から100,000程度のものが使用できるが、10,000程度のものが還元能力が高く好ましい。
(工程2)
本発明の製造方法において、工程(2)は、前記工程(1)により得た金属Aの微粒子を含む高沸点溶媒溶液を、金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度以上に維持した状態で、金属Bイオンを含む溶液を添加する工程である。
(金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度)
金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度とは、具体的には、予めその温度に維持した高沸点溶媒に、既知量の金属Bイオン溶液を温度降下が5℃以内となるように添加し、1分間経過後、一定量をサンプリングし、常温で水冷した後、同じ溶媒中で希釈して試料溶液とし、この試料溶液のナノ金属粒子由来のプラズモン共鳴吸収の強度を紫外可視分光光度計を用いて測定することで判定できる。
本発明においては、プラズモン共鳴吸収の強度を、「UV−3600型紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所製)」を用い、エチレングリコールを測定溶媒として測定するものとし、プラズモン共鳴吸収が飽和に達した時を100とし、その強度が80%となる温度を、「金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度」としている。
本発明の目的は、イオン化傾向の低い金属イオン(金属Bイオン)の還元速度をできるだけ高くすることである。
金属Bイオンの還元速度は、使用する高沸点溶媒の種類や環境温度により若干左右される。例えば還元作用の強いエチレングリコールを高沸点溶媒として使用したり、あるいは還元剤を添加した場合には、金属Bイオンの還元速度は速くなる。また環境温度を高くしても還元速度は速くなる。このように金属Bイオンの還元速度は一概には決定できないために、本発明においては、最適な温度を「上記方法において金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度」とした。
このように定義された前記温度下で還元反応を行えば、還元速度が維持され、所望するコアシェル型ナノ金属粒子を得ることができる。
また、前記金属Bイオンの量を、限外濾過法によって濾液と残渣に分け、濾液中の未還元の金属イオン量を濁度法、比色法または原子吸光分析で定量して、添加した金属Bイオン量との差として知る方法を併用してもよい。濁度法、比色法は、JIS工業用水試験法(K0101)に準拠する。また原子吸光分析は原子吸光分析通則(K0121:06)に準拠して行えばよい。
この限外濾過分離法において溶出される未還元の金属イオンを定量した時、1分間の反応において初期の20%以下、すなわち80%以上が還元されていれば、所望するコアシェル型ナノ金属粒子を得ることが可能である。
金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度は、前記方法に従い定義された温度であるが、参考までに例を挙げると、例えば高沸点溶媒がエチレングリコールの場合には、金属Bイオンが貴金属イオンである場合およそ140℃前後である。また高沸点溶媒がプロピレングリコールの場合にはおよそ150℃程度である。
(金属Bイオン)
本発明で使用する金属Bイオンは、前記金属Aイオンよりもイオン化傾向の低い金属種のイオンである。前記金属Aイオンと同様、高沸点溶媒に添加したときはイオンであるが還元されて金属Bとなり金属A微粒子をコアとしてシェルを形成する。従って金属Bイオンも添加する際には溶液となっていることが好ましく、高沸点溶媒に溶解するものが好ましい。具体的には、硝酸塩、酢酸塩または長鎖脂肪酸塩、塩化物等が挙げられる。金属Bが銀の場合、例えば、硝酸銀、酢酸銀が挙げられる。また金属Bが金の場合はテトラクロロ金酸水和物が挙げられる。具体的には溶液として添加するのが操作の観点から好ましく、反応をよりスムーズにするために高沸点溶媒として使用している溶媒と同種の溶剤の溶液として添加するのが好ましい。
(添加速度)
金属Bイオンの還元速度をより速めるために、金属Bイオンを含む溶液の添加速度はできるだけ速い方が好ましい。しかしながら一度に添加すると、金属A微粒子を種微粒子(コア)としてその外側にB金属のシェルとして成長するのでなく、金属Bのイオン濃度が過飽和状態となり、金属Bが単独で核生成・成長して微粒子を形成する可能性が高いことや、反応系の温度が下がり、前記金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度以上を維持できなくなる可能性が高いことから添加方法は滴下が好ましい。
一方、あまり遅い滴下速度では、金属Bイオンが還元され金属Bが金属A微粒子をシェルとして巻き込む前に、金属Aの溶出が始まってしまう。本発明においては、金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度以上に維持した状態で、金属Bイオンを含む溶液を添加することで、金属Aを含むコアとし金属Bをシェルとするコアシェル型金属ナノ粒子が得られるが、コアシェルが形成される前に金属Aの溶出が始まると、コアが溶け落ちた空殻状粒子の生成率が高くなる。従って、コアシェル型金属ナノ粒子を高収率で得るためには、金属Aの溶出前に金属Bの殆どが析出する還元速度の環境と、金属Aの少なくとも表面積を覆うだけの金属Bの析出量とが必要である。具体的には、本願の特徴である「金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度」において、80%以上還元された金属Bの析出量が、金属A微粒子の表面を覆うよう、仕込量を調整することが望ましい。
目安としては、得られた金属A微粒子をサンプリングして平均粒径を測定後、系中の表面積を測定した上で、金属Bイオンの1分間の仕込量を、該金属A微粒子の表面積を覆うに必要な析出量の1.25倍以上となるように調整すればよい。
例えば、金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度以上で、該80%以上の金属Bが、系中の前記金属A微粒子の全てをコアとして、シェルを形成するように金属Bイオンの添加量を調整することが好ましく、モル比では概ね金属A:金属B=1:0.1以上であり、金属Bの量を適宜加減することによりシェルの厚みを可変することもできる。
実施例では、コアとなる金属A微粒子のモル量に対してシェルとなる金属イオンを0.5倍モル用いて合成した例を示しているが、この比率は金属A微粒子の表面を金属Bが有効に被覆できる量があれば十分であることは言うまでもない。反応系の大きさ、熱の供給量によって依存するので、滴下速度の範囲を限定することはできないが、なるべく短時間に滴下する処方によれば、空殻状粒子の生成が抑制でき、好ましい結果を与えるのである。具体的には、金属Bイオンの滴下速度は金属Aのモル量に対して0.2倍モル/分以上が好ましく、0.6倍モル/分以上であると更に好ましい結果を与える。
また、加熱の方法は特に限定されるものではなく、定法の様に直接または熱媒体を用いて外部から間接的に熱を加える方法であってもよいし、マイクロ波のような電磁波を用いて内部から加熱する方法であってもよい。小スケールの実験では、マイクロ波加熱を用いると大きな加熱速度が得られ、金属Bの添加による温度降下が少ないため、空殻状粒子の生成が抑制される傾向がある。
以下、本発明を実施例により説明する。特に断わりのない限り「部」、「%」は質量基準である。
(金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度(以下温度Cとする))
測定装置として、「UV−3600型紫外・可視・近赤外分光光度計」(島津製作所製)を使用した。予めその温度に維持したエチレングリコールに、既知量の金属Bイオン溶液を温度降下が5℃以内となるように添加し、1分間経過後、一定量をサンプリングし、常温で水冷した後、同じ溶媒中で希釈して試料溶液とし、常温で水冷した同じ溶媒中に経時的にサンプリングして試料溶液とした。使用する金属Bのプラズモン共鳴吸収がプラトーに達した時の吸収強度を100とし、その80%となる温度を、「温度C」とした。
(実施例1)
金属Bイオンとしては銀を使用した。温度Cは140℃であった。
(工程(1))
100mLの三頸フラスコに、ポリビニルピロリドンK−15(重量平均分子量10,000、3.3g)とエチレングリコール27.5mLを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら110℃で1時間加熱攪拌した。この溶液を195℃に昇温し、48mmol/L酢酸銅(II)・エチレングリコール溶液(2.5mL、0.12mmol)を2mL/分の速度で滴下した。この混合物から少量をとり、エチレングリコールに溶解すると赤紫色の溶液となった。更に紫外可視吸収スペクトルを測定すると、600nm付近に銅金属のプラズモン共鳴に由来する吸収を観測し、銅イオンが銅金属に還元されたことが確認できた。図2に吸収スペクトルを示す。3の波線が銅イオンが銅金属に還元されたことを示すスペクトルである。
(工程(2))
195℃に維持し且つ窒素ガスの吹き込みを継続しながら、前記工程(1)で得た反応混合物に15mmol/L硝酸銀エチレングリコール溶液(4.0mL,0.06mmol)を6mL/分で滴下した。このとき系内の温度は180℃を下回らなかった。4分後に反応混合物を水冷し、還元反応を止めたところ、金属微粒子が確認された。再び得られた溶液から少量をとってエチレングリコールに分散して紫外可視吸収スペクトルを測定すると、320nmから600nm付近までのフラットな吸収と600nmから800nmにかけて減少するブロードな吸収を観測した(図2における4の実線参照)。
得られた反応混合物の一部を電子顕微鏡観察用カーボンコート金グリッドに滴下し、乾燥した後、エネルギー分散型X線分光装置(以下EDSと略す)付き透過型電子顕微鏡「JEM-2100F型(日本電子製)」で観察した。図3は透過型電子顕微鏡写真で図4、図5はそれぞれ図3の銅成分、銀成分のEDS分析結果である。図4,図5の写真から多くの微粒子が銅をコアとし、シェルを銀とするコアシェル型金属ナノ粒子であることが確認された。また粒子径は80〜100nmであり、空殻状微粒子の生成は少ないことも観察された。
更に、1つの微粒子の元素分析の測定結果の例として図6に図3の6の微粒子の拡大写真を示し、図6の波線部分の銅と銀成分の元素分析の結果を図7に示す。この一つの微粒子の元素分析結果からも、得られた微粒子が銅をコアとし、銀をシェルとするコアシェル粒子であることが確認された。
(実施例2)
金属Bイオンとしては銀を使用し、温度Cは150℃であった。
(工程(1))
100mLの三頸フラスコに、ポリビニルピロリドンK−15(重量平均分子量10,000、3.3 g)とプロピレングリコール27.5mLを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら110℃で1時間加熱攪拌した。この溶液を185℃に昇温し、10mmol/L酢酸銅(II)プロピレングリコール溶液(2.5mL、0.025 mmol)を2mL/分の速度で滴下した。この混合物から少量をとり、エチレングリコールに分散して紫外可視吸収スペクトルを測定すると、600nm付近に銅金属のプラズモン共鳴に由来する吸収を観測し、銅イオンが銅金属に還元されたことが確認できた。
(工程(2))
次に、185℃に維持し且つ窒素ガスの吹き込みを継続しながら、前記工程(1)で得た反応混合物に10mmol/L硝酸銀プロピレングリコール溶液(3.0mL,0.03mmol)を20秒間で滴下した。このとき系内の温度は180℃を下回らなかった。5分後に反応混合物を水冷し、少量をエチレングリコールに分散して紫外可視吸収スペクトルを測定すると、実施例1と同様、320nm付近から800nmにかけて、ブロードな吸収を観測するとともに、EDS付き透過型電子顕微鏡による観察により、銅コア銀シェル型構造が確認できた。
(実施例3)
実施例1において、工程(2)の反応温度を195℃から160℃とした以外は実施例1と同様にして、金属微粒子を含む反応混合物を得た。得られた反応混合物の一部を電子顕微鏡観察用カーボンコート金グリッドに滴下し、乾燥した後、EDS付き透過型電子顕微鏡で観察した。粒子径は80〜100nmであり、構成元素の分布から、コアが銅であり、シェルが銀であることが確認された。また少量ながら空殻状粒子の生成が観察された。
(実施例4)
実施例1において、工程(2)の硝酸銀溶液の滴下時間を6mL/分から2mL/分とした以外は実施例1と同様にして、金属微粒子を含む反応混合物を得た。途中、ナノ銅粒子由来の紫外可視吸収は実施例1と同様に確認できた。硝酸銀溶液の添加後、最終的に得られた溶液は、320nmから800nmにかけてのブロードなピークは認められたが、その吸収強度は実施例1で得られたものより低いものであった。得られた反応混合物の一部を電子顕微鏡観察用カーボンコート金グリッドに滴下し、乾燥した後、EDS付き透過型電子顕微鏡で観察した。粒子径は約110nmであり、構成元素の分布から、コアが銅であり、シェルが銀であることが確認された。また10%程度の空殻状粒子の生成が観察された。
(比較例1)
実施例1において、工程(1)及び工程(2)の窒素ガスを吹き込みしない以外は実施例1と同様にして反応を行った。その結果、工程(1)後の溶液の紫外可視吸収スペクトルは、600nm付近の吸収は見られなかった。また工程(2)の後、得られた溶液の一部を電子顕微鏡観察用カーボンコート金グリッドに滴下し、乾燥した後、EDS付き透過型電子顕微鏡で観察したところ、粒子径は80〜100nmであったが、コアシェル構造は観察されず、酸化銅と考えられる粒子と、銀粒子の混合物であることが確認された。
(比較例2)
実施例1において、工程(2)の硝酸銀溶液を滴下する際、加熱浴を外して内温110℃まで冷却した後、全量を一気に添加した(系内の温度は90℃まで降下)以外は実施例1と同様にして反応を行った。この結果、工程(1)において得られた銅粒子がイオン化し実施例1で得られたような粒子を得ることができなかった。
(参考例)
図2には、参考スペクトルとして、前記工程(1)において酢酸銅の代わりに硝酸銀を使用して得た銀のみからなる金属微粒子の吸収スペクトルを記載した。銀金属微粒子が生じると、400nm付近にプラズモン吸収が現れる(図2における5の一点鎖線参照)。
しかしながら実施例1で得られた微粒子には、400nm付近のプラズモン吸収は観測されず、このことから、実施例1で得た金属微粒子は、銀のみからなる金属微粒子の生成量は少ないことが判る。
(実施例5 保存安定性評価)
実施例1で得た銅コア銀シェルナノ粒子分散体を、プラスチック製蓋付きガラスサンプル瓶中室温で保存し、14日後に再び紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、320nm付近から800nmにかけてのブロードな吸収は初期と同様に観測された(図8参照)。このことから、実施例1で得た銅コア銀シェル構造を有するナノ粒子は、耐酸化保存安定性にも優れることが確認できた。
なお、比較のために銀シェルを被覆しない銅ナノ微粒子の分散体を実施例1工程1と同様の工程で得た後、その紫外可視吸収スペクトルを合成直後と6日後に測定した(図9)。6日後には銅ナノ微粒子のプラズモン吸収が酸化・凝集によりほぼ消失し、銀シェルを被覆しない場合は耐酸化保存安定性に劣ることを確認した。
(実施例6)
金属Bイオンとしては銀を使用した。温度Cは140℃であった。
(工程(1))
100mLの三頸フラスコに、ポリビニルピロリドンK−15(重量平均分子量10,000、3.3 g)とエチレングリコール27.5mLを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら110℃で0.5時間加熱攪拌した。この溶液を195℃に昇温し、48mmol/L酢酸銅(II)・エチレングリコール溶液(2.5mL、0.12 mmol)を2mL/分の速度で滴下した。
(工程(2))
195℃に維持し且つ窒素ガスの吹き込みを止め、前記工程(1)で得た反応混合物に15mmol/L硝酸銀エチレングリコール溶液(4.0mL,0.06mmol)を6mL/分で滴下した。このとき系内の温度は180℃を下回らなかった。4分後に反応混合物を水冷し、還元反応を止めた。得られた反応混合物から少量をとってエチレングリコールに分散し、紫外可視吸収スペクトルを測定すると、320nmから600nm付近までのフラットな吸収と600nmから800nmにかけて減少するブロードな吸収を観測した。このことから、銅コア銀シェル型の金属ナノ粒子に還元されたことが確認された。
(実施例7)
(工程(1))
100mLの三頸フラスコに、20mmol/L酢酸銅(II)(6mL,0.12mmol)、ポリビニルピロリドンK−15(重量平均分子量10,000、3.3g)とエチレングリコール24mLを仕込み、マイクロ波反応装置(四国計測工業株式会社製マイクロリアクター)内に設置した。アルゴン雰囲気下、700Wで沸点まで加熱し、その後400Wの出力で90秒間加熱した。
(工程(2))
マイクロ波加熱を続けながら、この反応混合物に15mmol/L硝酸銀・エチレングリコール溶液(4ml、0.06mmol)を、6mL/分の添加速度で加えた。この添加速度は、酢酸銅に対して0.75倍モル/分に相当する。添加終了後、水冷し、反応混合物から少量を採取してエチレングリコールに溶解すると、赤褐色の溶液であった。紫外可視吸収スペクトルを測定すると、400nm付近と580nm付近の小さなピークを観測すると共に、これらをなだらかに連結するスペクトルを観測し、このことから銅コア銀シェル型の金属ナノ粒子に還元されたことが確認できた。
(実施例8)
(工程(1))
100mLの三頸フラスコに、20mmol/L酢酸銅(II)N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液(6mL,0.12mmol)、ポリビニルピロリドンK−15(重量平均分子量10,000、3.3g)とDMF24mLを仕込み、これに10分間アルゴンを吹き込み脱気した。マイクロ波反応装置(四国計測工業株式会社製マイクロリアクター)内に設置し、アルゴン気流の下、400Wで沸点まで加熱し(約1分間)、その後263Wの出力にして更に1分間加熱した。
(工程(2))
マイクロ波加熱を続けながら、この反応混合物に15mmol/L硝酸銀・DMF溶液(4ml、0.06mmol)を、6mL/分の添加速度で加えた。酢酸銅に対する添加速度は0.75倍モル/分に相当する。添加終了後、水冷し、反応混合物から少量を採取してDMFに溶解すると、赤褐色の溶液となった。紫外可視吸収スペクトルを測定すると、400nm付近と580nm付近の小さなピークを観測すると共に、これらをなだらかに連結するスペクトルを観測し、銀イオンと銅イオンとがそれぞれの金属ナノ粒子に還元されたことが確認できた。高分解能透過型電子顕微鏡で観察すると、10〜20nm程度の粒子であることが観察された。(図10、11参照)
(実施例9)
実施例8において、DMFのかわりにジメチルアセトアミド(DMAc)を用いる以外は、実施例8と同様に行った。反応混合物を冷却後、少量を採取してエチレングリコールに溶解すると赤褐色の溶液となった。紫外可視吸収スペクトルを測定すると、400nm付近と580nm付近の小さなピークを観測すると共に、これらをなだらかに連結するスペクトルを観測し、銅コア銀シェル型の金属ナノ粒子に還元されたことが確認できた。
(実施例10)
実施例8において、DMFのかわりにN−メチルピロリジノン(NMP)を用いる以外は、実施例8と同様に行った。反応混合物を冷却後、少量を採取してエチレングリコールに溶解すると赤褐色の溶液となった。紫外可視吸収スペクトルを測定すると、400nm付近と580nm付近の小さなピークを観測すると共に、これらをなだらかに連結するスペクトルを観測し、銅コア銀シェル型の金属ナノ粒子に還元されたことが確認できた。
(実施例11)
100mLの三頸フラスコに、酢酸銅(II)(16mg,0.080mmol)、ポリビニルピロリドンK−15(重量平均分子量10,000、2.2g)とn−オクタノール20mLを仕込み、16mmol/L硝酸銀エタノール溶液1mLを加え、マイクロ波反応装置(四国計測工業株式会社製マイクロリアクター)内に設置した。アルゴン雰囲気下、700Wで195℃まで加熱し、その後400Wの出力で5分間加熱した。添加終了後、水冷し、反応混合物から少量を採取してn−オクタノールに溶解すると、赤褐色の溶液となった。紫外可視吸収スペクトルを測定すると、400nm付近と580nm付近の小さなピークを観測すると共に、これらをなだらかに連結するスペクトルを観測した。
(実施例12)
(工程(1))
100mLの三頸フラスコに、ポリビニルピロリドンK−15(重量平均分子量10,000、3.3 g)、酢酸銅(II)(5mg、0.025 mmol)、およびグリセリン32.5mLを仕込み、アルゴン気流の下、400Wで195℃まで加熱し(約1分間)、その後263Wの出力にして更に1分間加熱した。
(工程(2))
マイクロ波加熱を続けながら、この反応混合物に5mmol/L硝酸銀・グリセリン溶液(4ml、0.02mmol)を、6mL/分の添加速度で加えた。添加終了後、水冷し、反応混合物から少量を採取してエチレングリコールに溶解すると、赤褐色の溶液となった。紫外可視吸収スペクトルを測定すると、400nm付近と580nm付近の小さなピークを観測できた。
(実施例13)
実施例12において、グリセリンのかわりに、ジエチレングリコールを用いる以外は、実施例12と同様に行った。反応混合物を冷却後、少量を採取してエチレングリコールに溶解すると赤褐色の溶液となった。紫外可視吸収スペクトルを測定すると、400nm付近と580nm付近の小さなピークを観測すると共に、これらをなだらかに連結するスペクトルを観測し、銅コア銀シェル型の金属ナノ粒子に還元されたことが確認できた。
(実施例14)
実施例12において、グリセリンのかわりに、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを用いる以外は、実施例12と同様に行った。反応混合物を冷却後、少量を採取してエチレングリコールに溶解すると赤褐色の溶液となった。紫外可視吸収スペクトルを測定すると、400nm付近と580nm付近の小さなピークを観測すると共に、これらをなだらかに連結するスペクトルを観測し、銅コア銀シェル型の金属ナノ粒子に還元されたことが確認できた。
(実施例15 保存安定性評価)
実施例7において、モル比銅:銀=8:4〜8:8となるよう、硝酸銀溶液の添加量を変えて行った。実施例5と同様にして保存安定性評価を行なった結果、何れの金属ナノ粒子も、8日間経過後、製造初期と同様のスペクトルと強度を示し、安定であることが確認できた。

Claims (6)

  1. よりイオン化傾向の高い金属Aを含むコア成分と、該コア成分を被覆するよりイオン化傾向の低い金属Bを含むシェルとを有するコアシェル型金属ナノ粒子の製造方法であって、脱酸素した高沸点溶媒中で、金属Aイオンを還元して金属Aの微粒子を形成する工程(1)と、
    前記工程(1)により得た金属Aの微粒子を含む高沸点溶媒溶液を、金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度以上に維持した状態で、金属Bイオンを含む溶液を添加する工程(2)を有することを特徴とする、コアシェル型金属ナノ粒子の製造方法。
  2. 前記高沸点溶媒がアルコール化合物である請求項1に記載のコアシェル型金属ナノ粒子の製造方法。
  3. 前記高沸点溶媒が、沸点140℃以上の非プロトン性極性溶媒である請求項1に記載のコアシェル型金属ナノ粒子の製造方法。
  4. 前記高沸点溶媒がポリビニルピロリドンを含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のコアシェル型金属ナノ粒子の製造方法。
  5. 前記金属Bイオンが1分間で80%以上金属Bに還元される温度が160℃である請求項1〜4のいずれかに記載のコアシェル型金属ナノ粒子の製造方法。
  6. 前記金属Aが銅であり、前記金属Bが銀である、請求項1〜5のいずれかに記載のコアシェル型金属ナノ粒子の製造方法。
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