JP2010185069A - シーラー用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単量体成分を多段乳化重合させてなる複数の樹脂層を有し、ガラス転移温度が0〜60℃であるエマルション粒子を含有する樹脂エマルションと顔料を含有し、当該樹脂エマルションの不揮発分100重量部あたりの顔料の量が190〜400重量部であるシーラー用樹脂組成物および当該シーラー用樹脂組成物が塗布された無機質建材。
【選択図】なし
Description
(1)単量体成分を多段乳化重合させてなる複数の樹脂層を有し、ガラス転移温度が0〜60℃であるエマルション粒子を含有する樹脂エマルションと顔料を含有し、当該樹脂エマルションの不揮発分100重量部あたりの顔料の量が190〜400重量部であるシーラー用樹脂組成物、
(2)樹脂エマルションの原料として用いられる全単量体成分における芳香族系単量体の含有量が70〜85重量%であり、当該芳香族系単量体以外の単量体の含有量が15〜30重量%である前記(1)に記載のシーラー用樹脂組成物、
(3)複数の樹脂層のいずれかに、芳香族系単量体80〜100重量%および当該芳香族系単量体以外の単量体0〜20重量%を含有する単量体成分を乳化重合させてなる樹脂層が含まれている前記(1)または(2)に記載のシーラー用樹脂組成物、
(4)芳香族系単量体以外の単量体が、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有単量体、オキソ基含有単量体、フッ素原子含有単量体、窒素原子含有単量体およびエポキシ基含有単量体からなる群より選ばれた少なくとも1種の単量体である前記(2)または(3)に記載のシーラー用樹脂組成物、
(5)複数の樹脂層のいずれかに、カルボキシル基含有単量体10〜25重量%および当該カルボキシル基含有単量体以外の単量体75〜90重量%を含有する単量体成分を乳化重合させてなる樹脂層が含まれている前記(1)〜(4)のいずれかに記載のシーラー用樹脂組成物、
(6)カルボキシル基含有単量体以外の単量体が、芳香族系単量体、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、オキソ基含有単量体、フッ素原子含有単量体、窒素原子含有単量体およびエポキシ基含有単量体からなる群より選ばれた少なくとも1種の単量体である前記(5)に記載のシーラー用樹脂組成物、
(7)複数の樹脂層のいずれかに、ガラス転移温度が75〜120℃である重合体からなる樹脂層が含まれている前記(1)〜(6)のいずれかに記載のシーラー用樹脂組成物、
(8)その用途が無機質建材である前記(1)〜(7)のいずれかに記載のシーラー用樹脂組成物、および
(9)前記(1)〜(8)のいずれかに記載のシーラー用樹脂組成物が塗布されてなる無機質建材
に関する。
1/Tg=Σ(Wm/Tgm)/100
〔式中、Wmは重合体を構成する単量体成分における単量体mの含有率(重量%)、Tgmは単量体mの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度:K)を示す〕
で表されるフォックス(Fox)の式に基づいて求められた温度を意味する。
〔樹脂エマルションにおける不揮発分量(質量%)〕
=(〔残渣の質量〕÷〔樹脂エマルション1g〕)×100
に基づいて求められた値を意味する。
滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水820部を仕込んだ。
製造例1において、単量体成分を表1に示すように変更したこと以外は、製造例1と同様にしてシーラー用樹脂エマルションを得た。シーラー用樹脂エマルションに用いられた単量体成分の組成および当該シーラー用樹脂エマルションの性質を表1に示す。
滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水800部を仕込んだ。
滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水820部を仕込んだ。
比較製造例1において、単量体成分を表1に示すように変更したこと以外は、比較製造例1と同様にしてシーラー用樹脂エマルションを得た。得られたシーラー用樹脂エマルションに用いられた単量体成分の組成および当該シーラー用樹脂エマルションの性質を表1に示す。
実施例1において、単量体成分を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラー用樹脂エマルションを得た。得られたシーラー用樹脂エマルションに用いられた単量体成分の組成および当該シーラー用樹脂エマルションの性質を表1に示す。
〔表1中の略号の意味〕
St:スチレン
MMA:メチルメタクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
〔トータルSt量〕
エマルション粒子を構成している重合体に原料として使用されている全単量体成分におけるスチレンの含有率(%)
〔層1中のSt量〕
その層の原料として使用されている単量体成分におけるスチレンの含有率(%)
〔層3中のカルボン酸量〕
その層の原料として使用されている単量体成分におけるカルボキシル基含有単量体の含有率(%)
〔層構成比〕
エマルション粒子を構成している各層の重量比(左から順に層1/層2/層3の比率を示す)
〔各層のTg〕
エマルション粒子を構成している各層のガラス転移温度(℃)(左から順に層1/層2/層3のガラス転移温度を示す)
〔トータルTg〕
エマルション粒子のガラス転移温度(℃)
〔MFT〕
シーラー用樹脂エマルションの最低造膜温度(℃)
〔不揮発分量〕
樹脂エマルションにおける不揮発分の含有率(質量%)
〔平均粒子径〕
エマルション粒子の平均粒子径(nm)
分散剤〔花王(株)製、商品名:デモールEP〕60部、分散剤〔第一工業製薬(株)製、商品名:ディスコートN−14〕50部、湿潤剤〔花王(株)製、商品名:エマルゲンLS−106〕10部、脱イオン水210部、酸化チタン〔石原産業(株)製、品番:CR−97〕200部、炭酸カルシウム〔竹原化学工業(株)製、軽質炭酸カルシウム〕600部、タルク〔日本タルク(株)製、品番:MICROACE S−3〕200部、消泡剤〔サンノプコ(株)製、商品名:ノプコ8034L〕10部およびガラスビーズ(直径:1mm)200部をディスパー攪拌下で混合した後、回転速度3000min-1にて60分間攪拌することによって熟成を行ない、100メッシュの金網で濾過し、不揮発分量が75質量%である白色の顔料ペーストを得た。なお、顔料ペーストにおける不揮発分量は、樹脂エマルションにおける不揮発分量と同様の方法で求めた。
製造例1で得られた樹脂エマルション82部をホモディスパーにより回転速度1500min-1で分散させながら、造膜助剤として2,2,4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールモノイソブチレート〔チッソ(株)製、品番:CS−12〕とブチルセロソルブとを等重量で混合することによって得られた混合溶液をその造膜温度が0〜5℃となるように前記樹脂エマルションに添加し、混合物を得た。
て以下の物性を評価した。その結果を表2に示す。
試験板に形成された塗膜上にロート(直径:10cm)を載置し、両者の接触部をシリコーン系バスボンド〔コニシ(株)製〕でシールし、JIS K5400に規定の「ロート法」に準拠して24時間経過後の減水量を測定し、以下の評価基準に基づいて耐透水性を評価した。
(評価基準)
◎:0.03mL/cm2未満
○:0.03mL/cm2以上、0.05mL/cm2未満
△:0.05mL/cm2以上、0.10mL/cm2未満
×:0.10mL/cm2以上
2枚の試験板(7×15cm)を60℃の雰囲気中で1時間放置した後、各試験片の塗膜が形成されている面同士を重ね合わせ、その上に300g/cm2の荷重をかけ、その状態で60℃の温度にて24時間静置させた後、各試験板を分離し、塗膜表面の状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:変化なし
○:塗膜表面のわずかな艶変化のみ
△:塗膜の剥がれ箇所がわずかにある
×:塗膜の剥がれ箇所が多数ある
試験板の側面および塗膜が形成されていない背面をシリコーン系バスボンド〔コニシ(株)製〕でシールした後、凍結融解試験機を用い、大気中で−20℃に冷却することによって2時間凍結した後に20℃の水中に2時間浸漬する操作を1サイクルとし、100サイクルごとに拡大倍率が30倍のルーペを用いて塗膜面のクラックの発生状態を観察しながら前記操作を300サイクル行ない、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:300サイクルでも問題なし
○:200サイクルで問題がないが、300サイクルでクラックが発生
△:100サイクルで問題がないが、200サイクルでクラックが発生
×:100サイクルでクラックが発生
顔料の含有量は、式:
〔顔料の含有量(%)〕
=(〔顔料の重量〕÷〔樹脂の不揮発分の重量+顔料の重量〕)×100
に基づいて求めた。
実施例1において、樹脂エマルションとして、表2に示す製造例番号で得られた樹脂エマルション82部を用いたことを除き、実施例1と同様にしてシーラー用樹脂組成物およびシーラー塗料を調製した。得られたシーラー塗料の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
実施例1において、樹脂エマルションとして、表2に示す製造例番号で得られた樹脂エマルション82部を用い、顔料ペーストの量を141部に変更したことを除き、実施例1と同様にしてシーラー用樹脂組成物およびシーラー塗料を調製した。得られたシーラー塗料の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
実施例1において、樹脂エマルションとして、製造例1で得られた樹脂エマルション82部を用い、顔料ペーストの量を71部に変更したことを除き、実施例1と同様にしてシーラー用樹脂組成物およびシーラー塗料を調製した。得られたシーラー塗料の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
Claims (9)
- 単量体成分を多段乳化重合させてなる複数の樹脂層を有し、ガラス転移温度が0〜60℃であるエマルション粒子を含有する樹脂エマルションと顔料を含有し、当該樹脂エマルションの不揮発分100重量部あたりの顔料の量が190〜400重量部であるシーラー用樹脂組成物。
- 樹脂エマルションの原料として用いられる全単量体成分における芳香族系単量体の含有量が70〜85重量%であり、当該芳香族系単量体以外の単量体の含有量が15〜30重量%である請求項1に記載のシーラー用樹脂組成物。
- 複数の樹脂層のいずれかに、芳香族系単量体80〜100重量%および当該芳香族系単量体以外の単量体0〜20重量%を含有する単量体成分を乳化重合させてなる樹脂層が含まれている請求項1または2に記載のシーラー用樹脂組成物。
- 芳香族系単量体以外の単量体が、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有単量体、オキソ基含有単量体、フッ素原子含有単量体、窒素原子含有単量体およびエポキシ基含有単量体からなる群より選ばれた少なくとも1種の単量体である請求項2または3に記載のシーラー用樹脂組成物。
- 複数の樹脂層のいずれかに、カルボキシル基含有単量体10〜25重量%および当該カルボキシル基含有単量体以外の単量体75〜90重量%を含有する単量体成分を乳化重合させてなる樹脂層が含まれている請求項1〜4のいずれかに記載のシーラー用樹脂組成物。
- カルボキシル基含有単量体以外の単量体が、芳香族系単量体、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、オキソ基含有単量体、フッ素原子含有単量体、窒素原子含有単量体およびエポキシ基含有単量体からなる群より選ばれた少なくとも1種の単量体である請求項5に記載のシーラー用樹脂組成物。
- 複数の樹脂層のいずれかに、ガラス転移温度が75〜120℃である重合体からなる樹脂層が含まれている請求項1〜6のいずれかに記載のシーラー用樹脂組成物。
- その用途が無機質建材である請求項1〜7のいずれかに記載のシーラー用樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のシーラー用樹脂組成物が塗布されてなる無機質建材。
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