JP2010184858A - ガラス繊維製造装置及びガラス繊維の製造方法 - Google Patents

ガラス繊維製造装置及びガラス繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却効率を高い状態で実現し、経済的にも優れ、高い寸法精度を有するガラス繊維を製造するガラス繊維製造装置及びガラス繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス繊維製造装置1は、熔融ガラス貯溜槽30の底面に配設された複数のノズル20から熔融ガラスMを引き出してガラス繊維Fを製造する装置で、熔融ガラスMに相対するように中空状長尺体及び/又は中実状長尺体10が配設され、2以上の材料を積層した構造を有し、内層材11が熱伝導率100W・m−1・k−1以上の材料よりなり、最外層材12がニッケル及び/又はクロムを含有する。ガラス繊維の製造方法は、本発明の装置を用い、熔融ガラス貯溜槽30の底面に配設されたノズル20から熔融ガラスMを引き出し、熔融ガラス貯溜槽30の底面直下にて相対する中空状長尺体及び/又は中実状長尺体10により冷却してガラスフィラメントFとし、複数本を集束してガラスストランドとし、巻き取ることによって回巻体を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、精密な寸法形状を有するガラス繊維を長期間に亘り、安定生産することのできるガラス繊維製造装置と、このガラス繊維製造装置を使用したガラス繊維の製造方法に関する。
一般にガラス長繊維は、各種の無機ガラス原料をガラス熔融炉内で熔融し、高温に熔融した熔融ガラスを耐熱金属材料よりなる熔融ガラス貯溜槽の底面に設けた複数のノズルより連続的に引き出し、所望の繊維径のガラスフィラメントとし、その表面に有機あるいは無機の表面処理剤(集束剤ともいう)を塗布した後に、複数本を1つの繊維束としてまとめてガラスストランドとし、紙管等の円筒状ボビンの周囲に巻き取ることによってケーキと呼ばれる回巻体を形成する、という工程で製造されている。
ガラス長繊維は、経済性に優れ、しかも強度などに関して高い性能を有する材料であるため様々な用途で使用され、生活必需品から工業材料までの幅広いフィールドでなくてはならない基本的な材料となっている。このためガラス長繊維を製造するために用いられるガラス繊維製造装置についても、より高精度なガラス繊維を製造するため様々な改善が行われてきた。特にガラス繊維製造装置は、高温で長期間に亘り使用されるため、装置を構成する種々の部材の劣化等は、高精度なガラス繊維の製造を妨げる要因の一つとなる。そこで、ガラス繊維製造装置の耐久性を高め、さらに長期間の製造が可能となるような様々な発明が行われてきた。例えば特許文献1には、熔融ガラス供給空間を内部に有するブッシング本体が、ブッシング周壁部と、その底部に配設されたブッシングプレートとを備えて形成されると共に、前記ブッシングプレートの底面側に、ガラス長繊維を成形するために前記熔融ガラス供給空間からの熔融ガラスを流出させる多数本のノズルが付設されたガラス長繊維製造用ブッシングについて、ノズルの外周面及び端面を除外して、前記ブッシングプレートの外表面に、セラミックス、ガラスセラミックス及びガラスの材料群のうち何れか1以上を用いた被膜を形成することによって、ブッシングからの貴金属の蒸発物が少なく、ブッシングの構造が強固で高精度のガラス繊維を成形できるようにしたガラス長繊維製造用ブッシングが開示されている。
また特許文献2には、ブッシングノズルから高速で引き出されるガラス繊維から主として揮発するホウ酸が水冷パイプに付着、蓄積し、冷却状態が変わり、紡糸状況が悪化するという問題を解決するため、ブッシングノズル付近に設置される各水冷パイプに冷却水滲出用の微細な小穴を多数設けたことを特徴とするガラス繊維紡糸用ブッシング冷却装置が開示されている。
特開2008−74697号公報 特開平2−48425号公報
しかしながら、これまでに行われた発明だけでは、より高精度なガラス繊維を安定した品質で潤沢に製造するには十分ではない。ブッシング直下に配設されて、熔融ガラスを急速に冷却する目的で使用される冷却管や冷却フィン等は、熔融ガラスを定まった寸法形状のガラス繊維にするために極めて重要な設備である。このため冷却管や冷却フィン等は、高温になっても長期に亘って使用できるように耐熱性を考慮して白金族金属等の材料によって構成されたものが使用されてきた。しかしながら、白金族金属はいずれも非常に高価であることから、ガラス繊維製造装置を製造するために要する費用を押し上げることになっていた。
上記実情に鑑み、本発明はノズルから引き出される熔融状態のガラスの冷却効率を高い状態で実現し、経済的にも優れ、高価な製造設備とはならず、高い寸法精度を有するガラス繊維を効率よく安定した条件下で製造するガラス繊維製造装置及びこのガラス繊維製造装置を使用するガラス繊維の製造方法を提供することを課題とする。
本発明のガラス繊維製造装置は、熔融ガラス貯溜槽の底面に配設された複数のノズルから熔融ガラスを引き出してガラス繊維を製造する装置であって、前記ノズルから引き出された熔融ガラスに相対するように中空状長尺体及び/又は中実状長尺体が配設されてなり、前記長尺体は2以上の材料を積層した構造を有し、内層材が熱伝導率100W・m−1・k−1以上の材料よりなり、最外層材がニッケル及び/又はクロムを含有する材料よりなるものであることを特徴とする。
熔融ガラス貯溜槽の底面に配設された複数のノズルから熔融ガラスを引き出してガラス繊維を製造する装置であって、前記ノズルから引き出された熔融ガラスに相対するように中空状長尺体及び/又は中実状長尺体が配設されてなり、前記長尺体は2以上の材料を積層した構造を有し、内層材が熱伝導率100W・m−1・k−1以上の材料よりなり、最外層材がニッケル及び/又はクロムを含有する材料よりなるものであるという点について、以下で説明する。本発明のガラス繊維製造装置の中空状長尺体及び/又は中実状長尺体は、熔融ガラス貯溜槽の底面にあるブッシングに付設されたノズル、すなわちブッシングノズルから引き出される熔融ガラスを効率よく高速に冷却するために配設された構造部材であり、そのためブッシングノズルから引き出された熔融ガラスに相対するような位置に配されている中空状、及び/又は中実状の長尺体である。この中空状、あるいは中実状の長尺体は、長尺方向に垂直な断面から見ると複数の材料が互いに密着して配され、層状に積層された構造材料により構成されている。そして外気に直接触れる側を最外層とし、相対的に外層よりも内側に配された層を内層、相対的に内層よりも外側に配された層を外層とする。積層された複数の材料の内、内層に位置する材料として熱伝導率が100W・m−1・k−1以上の材料、例えば、熱伝導に優れる銅(Cu)あるいは銀(Ag)等を含有する材料が好適であり、最も外層に位置する材料、すなわち最外層の材料が耐腐食性に優れるニッケル(Ni)、あるいはクロム(Cr)を含有する材料を用いることができる。内層材料、あるいは最外層材料は、それぞれ金属材であっても表面に酸化被膜が形成された、すなわち部分的に酸化された金属材料であってもよい。また合金や複合材等であってもよい。これらの中空状長尺体及び/又は中実状長尺体について、内層に位置する銅又は銀を包含する材料が、中実状長尺体の内層として用いられている場合には、中実体の中心に位置する芯材であればよい。また、中空状長尺体は、中空部が長尺方向に断続的に形成されたものでも、連続的に形成されたものでもよい。中空状長尺体の中空部が連続的に形成されている場合は、所謂筒状、パイプ状の外観を呈することになる。ちなみに、中空状長尺体と中実状長尺体とは、1つの製造装置で必要に応じて併用してよい。
本発明者らは、高価な経費を要する白金等の貴金属に代わる材料に関する多くの研究を重ね、多くの試行の末ようやく本発明に至ったものである。当初の研究では、例えば銀やその複合材料を使用することも研究されたが、銀は高温環境に長時間保持されると、蒸発し易く、ブッシングノズルから引き出される熔融ガラスを効率よく高速に冷却するためには適さないものであった。また蒸発した銀は装置の低温箇所に堆積することによって、副次的な弊害を引き起こす原因となる場合もある。次いで本発明者らは銅を用いることを検討したが、銅のみでは高温環境下で酸化されやすく、やはり長期に亘る構造材としては向いていなかった。さらに貴金属と銅との組み合わせについても検討されたが、この組み合わせも、それなりに高価な費用が必要となる。このような経緯の末、ようやく本発明に至ったというものである。
本発明のガラス繊維製造装置は、上述に加え中空状長尺体及び/又は中実状長尺体を構成する2以上の材料の内、最外層材のニッケル又はクロム、あるいはこれらの金属を含有する層の厚さは、すべての内層の厚さより小さくなるように構成することが好ましく、より好ましくはニッケル又はクロム、あるいはこれらの金属を含有する最外層材の厚さがすべての内層材の厚さの合計に対して0.0005〜1.0の範囲内であることである。すべての内層の厚さとは、中空状長尺体及び/又は中実状長尺体を構成する2以上の材料の内、最外層材を除く中空状長尺体の横断面の筒の厚さ、あるいは最外層材を除く中実状長尺体の最短径の半分、すなわち二分の一の値を意味している。
例えば、ニッケル及び/又はクロムを含有する最外層の厚さが銅又は銀などのすべての材料の内層材厚さに対して1.0を超えると、熱伝導性が低くなるため冷却効率が低くなる場合がある。一方ニッケル及び/又はクロムを含有する最外層の厚さが内層材の銅又は銀などの材料により構成された内層の厚さに対して0.0005未満であると、最外層材としてニッケル及び/又はクロムの耐腐食性が十分に発揮されず、内層材の腐食を防止できない場合もあり、長期的な使用において耐用期間が短くなるといった弊害が生じる場合もあるので好ましくない。以上のような観点から、本発明のガラス繊維製造装置は、上述に加え中空状長尺体及び/又は中実状長尺体を構成する2以上の材料の内、ニッケル及び/又はクロムを含有する最外層の厚さが内層材の銅又は銀などのすべての材料により構成された内層の合計の厚さに対して0.001〜0.5の範囲内とするのがより好ましく、さらに好ましくは0.003〜0.3の範囲内であり、一層好ましくは0.005〜0.1の範囲内とすることである。
本発明のガラス繊維製造装置は、上述に加え中空状長尺体及び/又は中実状長尺体を構成する2以上の材料の内、ニッケル及び/又はクロムを含有する材料により構成された最外層の厚さが、1μmから500μmの範囲内であれば、十分な効率で冷却を行え、しかも十分な強度、耐久性などを有するものとなる。ニッケル及び/又はクロムを含有する最外層の厚さは、1μm未満であると、被覆が不十分で、耐食性、蒸発性などの化学的な反応性に不安がある。また最外層の厚さが500μmを超えると熱伝導性が不十分で冷却効率が低くなることが懸念される。以上の観点からニッケル及び/又はクロムを含有する最外層の厚さは、5μmから100μmの範囲内であることが、より好ましい。
また本発明のガラス繊維製造装置は、上述に加えて中空状長尺体及び/又は中実状長尺体が、ブッシングノズルあるいはこのノズルから引き出された溶融ガラスからの輻射熱の吸収体として働くものであれば、輻射熱の吸収体となる中空状長尺体及び/又は中実状長尺体の外層部を黒色とすることによって、冷却効果を向上させることができる。ここで、熱吸収の効率を上げるために、外表面を黒く着色する手段としては、外表面への黒色塗料の塗装、あるいは外表面上での皮膜の形成などが適用可能である。
また本発明のガラス繊維製造装置は、上述に加えて中空状長尺体及び/又は中実状長尺体が、冷却媒体による吸熱部を冷却の起点とする熱伝導体として働くものであれば、熱伝導体となる中空状長尺体及び/又は中実状長尺体の高さや厚みを調整することによって、冷却条件を必要に応じて変更することが可能である。
冷却媒体は、中空状長尺体の中空部を流動させてもよく、また中実状長尺体の少なくとも一端側にその冷却効果が熱伝導するように配してもよい。冷却媒体については、液体状、気体状あるいはゾル状のものなどを使用することができるが、長期に亘る管理のし易さ、経費などの面から、より好ましくは液体状の冷却媒体とすることが好ましい。液体状の冷却媒体としては、例えば、工業用水、市水、イオン交換水あるいは天然の井戸水等の冷却水などを適宜使用してよい。またこれらの冷却水には、必要に応じて酸化防止剤、アルカリ電解質、腐食防止剤等を適量混入させることができる。
冷却水の温度は、低温である方が好ましいが、室温あるいはそれ以上の温度であっても、熔融ガラスやその周囲の雰囲気温度よりも十分に低温であれば、所望する冷却効果をもたらすことができる。また冷却水は、適正な速度で流動するようにされていれば、局所的に高温になり冷却効果が低下するのを防ぐことができる。
中空状長尺体及び/又は中実状長尺体の寸法については、ブッシングの大きさに従って所定の長さのものを使用できる。またその横断面寸法についても紡糸を妨げるようなものでない限り任意の寸法のものを適宜使用してよい。
中空状長尺体及び/又は中実状長尺体の横断面形状については、効率的な冷却効果をもたらすことができ、しかもその周囲にある熔融ガラスやブッシングノズルに悪影響を及ぼすような形状でなければよい。例えば、中空状長尺体及び/又は中実状長尺体の横断面形状は円形、楕円形、矩形、多角形、台形あるいは菱形、及びこれらを複合化した形状であればよい。中空状長尺体及び/又は中実状長尺体の横断面には、凹凸等の溝を形成したものであってもよく、波状の模様やフィンなどを付設し、その表面積を増加させる構造としたものであってもよい。
中空状長尺体及び/又は中実状長尺体の端部は、他の支持材に固定した構造とすればよく、支持材への固定方法としては、溶接や蝋付け、ねじ止めなどの方法を適宜採用してよい。
また本発明のガラス繊維製造装置は、上述に加えて中空状長尺体が内部に冷却液を流通する冷却管であるならば、耐用期間を十分に延長することができ、冷却管の交換等に要する労力を減らすことができる。
中空状長尺体が内部に冷却液を流通する冷却管であるとは、中空状長尺体の長尺形状の中空部に冷却液を長尺方向に流通する構造となっているということである。
冷却液は前記した冷却媒体と同じものを使用しても異なるものであってもよい。また異なるものを使用する場合は、それぞれ違う温度条件で冷却する構成であってもよい。
中空状長尺体の長尺形状の中空部の横断面の形状は、中空状長尺体の外周の横断面形状と同じ形状であっても、異なる形状であってもよく、また同じ形状である場合であってもそれぞれの横断面の面積の中心位置を揃えたものであっても、異なる位置に中心があるように設計された構造のものであってもよい。
また本発明のガラス繊維製造装置は、上述に加え中実状長尺体が板状体であるならば、複数のブッシングノズルの短い間隙に合わせた適正な厚み寸法の中実状長尺体を配設することができ、熔融ガラスやその周囲のブッシングノズル等の部材等に対して効率良い冷却を行い続けることが可能である。
中実状長尺体が板状体であれば、長尺方向に対する横断面の形状は所望の性能を発揮するのであればどのようなものであってもよい。すなわち、横断面の形状は略矩形、略三角形、楕円形、菱形あるいは液滴状等の形状でよい。
また本発明のガラス繊維製造装置は、上述に加え2以上の材料を積層した構造がクラッドあるいは溶射、めっきにより形成されたものであれば、多大な経費を費やすことなく必要となる層状構造を実現できる。
クラッド(CLAD)とは、異なる金属を接合圧延伸延したもので、異なる金属界面が拡散接合している状態となっているものであればよく、ロールあるいはそれに類する機材によって処理し、所定形状を得ることができるものであればよい。
溶射については、熱源として燃焼ガスを用いるフレーム溶射や爆発溶射等、あるいは熱源として電気を使用するアーク溶射やプラズマ溶射等、さらにレーザー溶射等の各種の溶射法によって内層の表面に外層を固着させるものであればよい。
めっきは、熔融めっき、電気めっき、無電解めっき(化学めっき)等の方法によって、基材の金属表面に他の金属を薄膜状に被覆する構造とし、本発明に見合う性能を発揮できるものであれば、採用してよい。
また本発明のガラス繊維製造装置は、上述に加え最外層が黒色クロムめっきによりなるものであるならば、高い熱吸収性を有し、高い耐熱性と耐久性、耐熱衝撃性を併せ持ち、長期間の使用に耐える構成である。
また本発明のガラス繊維製造装置は、上述に加えノズル孔の横断面が扁平形状であるならば、扁平状の横断面を有する異形断面ガラス繊維を高い寸法精度で成形することが可能となる。
本発明のガラス繊維の製造方法は、本発明のガラス繊維製造装置を用いて、熔融ガラス貯溜槽の底面に配設されたノズルから熔融ガラスを引き出し、熔融ガラス貯溜槽の底面直下にて相対する中空状長尺体及び/又は中実状長尺体により冷却してガラスフィラメントとし、その表面に集束剤を塗布し、複数本を集束してガラスストランドとし、次いでガラスストランドを巻き取ることによって回巻体を形成することを特徴とする。
本発明のガラス繊維製造装置を用いて、熔融ガラス貯溜槽の底面に配設されたノズルから熔融ガラスを引き出し、熔融ガラス貯溜槽の底面直下にて相対する中空状長尺体及び/又は中実状長尺体により冷却してガラスフィラメントとし、その表面に集束剤を塗布し、複数本を集束してガラスストランドとし、次いでガラスストランドを巻き取ることによって回巻体を形成するとは、次のようなものである。すなわち本発明のガラス繊維の製造方法は、熔融ガラス貯溜槽の底面に配設された複数のノズルから熔融ガラスを引き出してガラス繊維を製造する装置であって、前記ノズルから引き出された熔融ガラスに相対するように中空状長尺体及び/又は中実状長尺体が配設されてなり、2以上の材料を積層した構造を有し、最内層材が銅又は銀を含有する材料よりなり、最外層材がニッケル及び/又はクロムを含有する材料よりなるものであるガラス繊維製造装置を使用し、熔融ガラス貯留槽の底面に付設されたノズル、すなわちブッシングノズルから引き出された熔融ガラスと、ブッシングノズルとを熔融ガラス貯溜槽の底面直下で同時に冷却し、細いストリーム状の熔融ガラスを所定の寸法形状のガラスフィラメントとした後に、予め準備した集束剤をその表面に塗布して複数本を束ねて1本のガラスストランドとし、このガラスストランドを巻き取って回巻体(ケーキ又はチーズともいう)とすることである。
本発明のガラス繊維の製造方法を用いると、冷却を効率良く行うことができ、正確な寸法形状を実現することが容易であり、設計どおりの所望のガラスフィラメントを確実に製造することが可能である。
本発明のガラス繊維の製造方法で用いる集束剤としては、用途に応じて様々な組成のものを使用することができる。例えばデンプン系や樹脂系の集束剤を必要量だけ調合してアプリケータ等の集束剤塗布装置を用いて塗布すればよい。集束剤には必要に応じてpH調整剤、安定剤、消泡剤、着色剤あるいは防黴剤等の添加剤を併用してよい。
中空状長尺体及び/又は中実状長尺体は、複数本が整列して配設された状態で熔融ガラス貯溜槽の底面の所定位置に固定して配設された状態で用いられるものであり、連続的に引き出される熔融ガラスを所定温度に急速に冷却できるように、紡糸の妨げにならない限度の近傍位置になるように紡糸の前に予めその位置を調整される。
本発明のガラス繊維の製造方法を適用できるガラス繊維の材質は、Eガラス、DガラスあるいはARガラスなどの公知となった各種のガラス繊維の材質ばかりでなく、新たな用途に使用される新規のガラス材質であっても使用してよい。
本発明のガラス繊維の製造方法は、上述に加えガラスフィラメントの横断面が扁平形状を呈するガラス繊維であれば、同時に引き出される複数本のガラスフィラメント間の横断面形状とその寸法のばらつきを抑制して正確な扁平形状を得ることが可能となる。
ガラスフィラメントの横断面が扁平形状を呈するガラス繊維とは、紡糸された方向と垂直な方向の断面について、その輪郭が扁平状を呈するものであることを意味している。
ガラスフィラメントの横断面は、扁平形状でありさえすれば、その扁平率や形状の微妙な外観の差異は問わない。
以上のように本発明のガラス繊維製造装置は、熔融ガラス貯溜槽の底面に配設された複数のノズルから熔融ガラスを引き出してガラス繊維を製造する装置であって、前記ノズルから引き出された熔融ガラスに相対するように中空状長尺体及び/又は中実状長尺体が配設されてなり、前記長尺体は2以上の材料を積層した構造を有し、内層材が熱伝導率100W・m−1・k−1以上の材料よりなり、最外層材がニッケル及び/又はクロムを含有する材料よりなるものであるため、ノズルから引き出される熔融状態のガラスの冷却効率を高い状態で維持し、経済的にも優れ、高価な製造設備とはならず、高い寸法精度を有するガラス繊維を効率よく安定した条件下で製造することができるものである。
また、本発明のガラス繊維の製造方法は、本発明のガラス繊維製造装置を用いて、熔融ガラス貯溜槽の底面に配設されたノズルから熔融ガラスを引き出し、熔融ガラス貯溜槽の底面直下にて相対する中空状長尺体及び/又は中実状長尺体により冷却してガラスフィラメントとし、その表面に集束剤を塗布し、複数本を集束してガラスストランドとし、次いでガラスストランドを巻き取ることによって回巻体を形成するものであるため、横断面が丸い形状のガラス繊維ばかりでなく、扁平形状である場合にも所望の寸法のガラス繊維を形成することが容易であり、高い成形品位を長期に亘り維持できるものである。
本発明のガラス繊維製造装置の説明図であり、(A)は部分平面図、(B)は(A)のX部分の部分拡大図である。 本発明の他のガラス繊維製造装置の説明図であり、(A)は部分平面図、(B)は(A)のY部分の部分拡大図である。
以下に本発明のガラス繊維製造装置、及びガラス繊維の製造方法について、実施例に基づいて具体的に説明する。
本発明のガラス繊維製造装置について、図1に従ってその動作を説明する。図1中では、1はガラス長繊維を製造するためのガラス繊維製造装置、10は中実状長尺体(フィン)、11はフィンの内層材(芯材)により構成された内層、12はフィンの外層材により構成された外層、20は細管(ブッシングノズル)、30はブッシング、40はアプリケータ(集束剤塗布装置)、50はギャザリングシュー、60はガラスストランド巻きとり装置、Mは熔融ガラス、Fはガラスフィラメント、Sはガラスストランドをそれぞれ表している。
このガラス繊維製造装置は、FRTP(Fiber Reinforced ThermoPlastics)の強化用繊維材として用いられるEガラス組成のガラスチョップドストランドを製造するためのものである。ガラス熔融槽(図示省略)の末端に配設されたブッシング30の底面には2000本の白金製ブッシングノズル20が整列状態に付設されており、この白金製ブッシングノズル20から熔融ガラスMが引き出されることになる。またブッシング30の底面の白金製ブッシングノズル20と、そこから引き出された熔融ガラスMとの双方に対面する位置にはマニホールドと呼ばれる複数の水冷管(図示省略)に固定された30本の板状の断面を有する中実状長尺体(フィン)10が配設されており、かつフィン10は白金製ブッシングノズル20と交互の配置状態になるような位置に配設されている。
このフィン10は、2種類の金属材を積層した構成であって、いずれも金属銅(熱伝導率398W・m−1・k−1)を内層材(芯材、コア材ともいう)とする内層11として有し、その周囲に、ニッケルを外層材(被覆材、コーティング材ともいう)とする内層12を有するものである。このフィン10は、金属銅の棒材をニッケル管中に押し込み、所定の寸法になるように伸延と圧延することによって製造されたものである。
このフィン10の厚さは、2.5mmで、外層12の厚さは40μmであり、外層12の厚さの内層の厚さ、すなわちフィン10の外層部を除いた厚さの半分に対する比率は0.033であった。このような構成であるため、フィン10はコア材11によって十分な熱伝導率を有し、かつコーティング材12により高い耐腐食性を有するものとなっている。
本発明のガラス繊維の製造方法は、本発明のガラス繊維の製造装置を使用するものであり、以下に示す工程によって行なわれることになる。
予めEガラス繊維のガラス組成となるように各種の無機ガラス原料を秤量して混合した混合原料をガラス熔融炉(図示省略)内に投入し、加熱して均質な熔融ガラスMとした後、ガラス熔融炉の末端に配設されたブッシング30へと流入させる。
その後、このブッシング30の底面に配設された2000本のブッシングノズル20からガラスフィラメントFとして引き出される。ここで、フィン10によって周囲の雰囲気は冷却されて冷風がブッシングノズル20から引き出されたばかりの熔融ガラスMに吹き付けることになり、熔融ガラスは急速に冷却される。その後ガラスフィラメントFには予め準備したシランカップリング剤などを含有する集束剤がアプリケータ40により塗布される。そしてその下にあるギャザリングシュー50によって1本のガラスストランドSへと収束された後、このガラスストランドSは、さらに下方に配設されたガラスストランド巻きとり装置60上に装着された紙管上に高速で巻き付けられてケーキとなる。このようにして得られたケーキは、必要時に解除されて所定長に切断されてガラスチョップドストランドとなる。このガラスチョップドストランドは、高い寸法精度と、外形安定性を有するものとなっている。
実施例1に示したフィン10は、他の製造方法としてプラズマ溶射を利用して製造することも行われた。プラズマ溶射は、不活性ガスあるいは不活性ガスと反応ガスの混合気体を導入した状態で電極に通電を行って交流電界を発生させてマッハ1〜2の高速のプラズマジェットを形成し、そこに平均粒子径60μmの粉末状のニッケル−クロム合金を溶射材料として投入して、基材である所定形状の金属銅の板材の表面にニッケル合金の被膜を形成する方法である。この方法で製造された板材は、歪の発生も少なく、高い精度のフィン10を得ることができる。
このような製造方法によって得られたフィン10の厚さは3.0mmで、外層材12の厚さは10μmであり、外層12の厚さの内層の厚さ、すなわちフィン10の外層部を除いた厚さの半分に対する比率は0.006であった。このような構成であるため、フィン10はコア材11によって十分な熱伝導率を有し、かつコーティング材12により高い耐腐食性を有するものとなっている。
以上のように本発明のガラス繊維の製造装置と、これを使用するガラス繊維の製造方法は、長期に亘り安定した寸法と外形とを有する優れた品位のガラス繊維の製造に大きく寄与するものである。
実施例1に示したフィン10は、他の製造方法として高速フレーム溶射を利用して製造することも行われた。高速フレーム溶射は、高圧の酸素及び燃料の混合ガスを燃焼室内で燃焼させることにより生じる燃焼炎がノズルにより絞られ、大気にでた瞬間に急激なガス膨張とともに超音速のジェットを形成し、そこに平均粒子径80μmの粉末状の金属ニッケルを溶射材料として投入して、基材である所定形状の金属銅の板材の表面に金属ニッケルの被膜を形成する方法である。この方法で製造された板材は、歪の発生も少なく、高い精度のフィン10を得ることができる。
このような製造方法によって得られたフィン10の厚さは2.0mmで、外層12の厚さは80μmであった。よって、外層12の厚さの内層の厚さ、すなわちフィン10の外層部を除いた厚さの半分に対する比率は0.09であった。このような構成であるため、フィン10はコア材11によって十分な熱伝導率を有し、かつコーティング材12により高い耐腐食性を有するものとなっている。
以上のように本発明のガラス繊維の製造装置と、これを使用するガラス繊維の製造方法は、長期に亘り安定した寸法と外形とを有する優れた品位のガラス繊維の製造に大きく寄与するものである。
実施例1に示したフィン10は、他の製造方法として、金属アルミニウム(熱伝導率236W・m−1・k−1)を内層11を構成する内層材(芯材、コア材ともいう)とし、無電解ニッケルめっきにより、その表面にニッケル化合物の層を形成した。この方法で製造された板材は、歪の発生も少なく、高い精度のフィン10を得ることができる。
このような製造方法によって得られたフィン10の厚さは3.5mmで、外層12の厚さは10μmであり、外層12の厚さの内層の厚さ、すなわちフィン10の外層部を除いた厚さの半分に対する比率は0.006であった。このような構成であるため、フィン10はコア材11によって十分な熱伝導率を有し、かつコーティング材12により高い耐腐食性を有するものとなっている。
以上のように本発明のガラス繊維の製造装置と、これを使用するガラス繊維の製造方法は、長期に亘り安定した寸法と外形とを有する優れた品位のガラス繊維の製造に大きく寄与するものである。
実施例1に示したフィン10は、他の製造方法として、金属銀(熱伝導率420W・m−1・k−1)を内層材(芯材、コア材ともいう)として内層11とし、黒色クロムめっきにより、その表面に外層12として金属クロム、クロム酸化物などクロム化合物の層を形成した。この方法で製造された板材は、歪の発生も少なく、高い精度のフィン10を得ることができる。
このような製造方法によって得られたフィン10の最短の厚さは3mmで、外層12の厚さは5μmであり、外層12の厚さの内層の厚さ、すなわちフィン10の厚みから外層部の厚みを差し引いた2.99mmの半分に対する比率は0.003であった。このような構成であるため、フィン10はコア材11によって十分な熱伝導率を有し、かつコーティング材12により高い耐腐食性を有するものとなっている。
以上のように本発明のガラス繊維の製造装置と、これを使用するガラス繊維の製造方法は、長期に亘り安定した寸法と外形とを有する優れた品位のガラス繊維の製造に大きく寄与するものである。
図2は、本発明に関わる異なる仕様のガラス繊維製造装置に関する説明図である。図2中、2はガラス繊維製造装置、71は内層、72は外層、21は細管(ブッシングノズル)、31はブッシング、41はアプリケータ(集束剤塗布装置)、51はギャザリングシュー、61はガラスストランド巻きとり装置、70は中空状長尺体(冷却管)、Mは熔融ガラス、Fはガラスフィラメント、Sはガラスストランドをそれぞれ表している。
このガラス繊維製造装置2は、扁平状の横断面を有する異形断面ガラス繊維を製造するためのものであり、ここで製造された扁平状の横断面を有するガラスフィラメントFは、ガラスストランドSとして集束され、ガラスロービングあるいはガラスチョップドストランドとして利用されるものである。
このガラス繊維製造装置2は、ガラス熔融槽(図示省略)の末端に配設されたブッシング31の底面に、4000本の白金製ブッシングノズル21が整列状態に付設されている。そして白金製ブッシングノズル21は、異形断面ガラス繊維を製造するために、紡糸方向に垂直な断面形状が扁平状のノズル孔(図示省略)を備えた構造となっている。
そしてガラス繊維製造装置2の白金製ブッシングノズル21から引き出された熔融ガラスMは、前記した冷却装置(中実状長尺体(フィン)10)とは異なり、中空状長尺体(冷却管)70によって冷却される構成である。冷却管70は、ブッシング31の底面の白金製ブッシングノズル21とそこから引き出された熔融ガラスMとに対面する位置に配設されている。そしてこの位置は、白金製ブッシングノズル21の列と交互の配置状態になるような位置に配設されている。
この冷却管70は、その冷却管70の管内に冷却媒体としてイオン交換水Lを100〜600ml/minの速度で流通させて、冷却を行うものであるが、管の側壁部が2種類の金属材料を層状に積層した構造になっている。冷却管70の内層71は金属銅であり、外層72はニッケル合金材である。この冷却管70は、金属銅の管材をニッケル合金材の管中に押し込み、所定の寸法になるように伸延、及び圧延することによって製造されたものである。
この冷却管70の肉厚は600μmで、外層72の厚さは20μmであり、外層72の厚さの内層の厚さに対する比率は0.03である。このような構成であるため、冷却管内を流通する冷却水Lによる吸熱を起として雰囲気ガスやブッシングノズル21などの放射熱等による熱が伝導する十分な熱伝導率を有し、かつ高い耐酸化性を有する冷却管になっている。
このような構成であるため、白金製ブッシングノズル21から引き出されたEガラス組成の熔融ガラスMは、扁平形状を維持したまま高速に冷却されてガラスフィラメントFとなる。そして、このガラスフィラメントFは、その表面にアプリケータ41によって予め準備された集束剤が塗布される。そしてギャザリングシュー51によってガラスストランドSとしてまとめられ、さらに下方にあるガラスストランド巻きとり装置61によってケーキとして巻き取られる。
こうして得られた異形断面のガラス繊維Sは、高い寸法精度、安定した横断面形状を有しており、様々な用途で高い性能を発揮するものである。
実施例6に示した冷却管70は、他の製造方法としてプラズマ溶射を利用して製造することも行われた。プラズマ溶射は実施例2でも示したように、不活性ガスあるいは不活性ガスと反応ガスの混合気体を導入した状態で電極に通電を行って交流電界を発生させてマッハ1〜2の高速のプラズマジェットを形成し、そこに平均粒子径80μmの粉末状の金属ニッケルを溶射材料として投入して、基材である所定形状の金属銅の管材の表面に金属ニッケルの被膜を形成する方法である。この方法で製造された管材は、歪の発生も少なく、高い精度の冷却管70を得ることができる。
以上のような製造方法によって得られた冷却管70の肉厚は1mmで、内層71の厚さは60μmであり、外層72の厚さの内層の厚さに対する比率は0.06であった。このような構成であるため、冷却管70はコア材(内層材)によって十分な熱伝導率を実現でき、コーティング材(外層材)により高い耐腐食性を有するものが得られることになる。
実施例7に示した冷却管の製造方法において、プラズマ溶射に代えて、実施例5と同様に黒色クロムめっきを表面に施し、その表面に金属クロム、クロム酸化物などクロム化合物の層により被覆した。この方法で製造された板材は、歪の発生も少なく、高い精度のフィン10を得ることができる。
以上のような製造方法によって得られた冷却管70の肉厚は500μmで、内層71の厚さは5μmであり、外層72の厚さの内層の厚さに対する比率は0.01であった。このような構成であるため、冷却管70はコア材(内層材)によって十分な熱伝導率を実現でき、コーティング材(外層材)により高い耐腐食性を有するものが得られることになる。
実施例7に示した冷却管の製造方法は、他の材料の管材であっても利用することができる。例えば本発明では銅管の代わりに銀管を用いればよい。そして実施例5と同様にプラズマ溶射を利用して熱伝導率や、耐食性に優れた冷却管を得ることができる。プラズマ溶射の条件を調整すれば、内層の銀管に対するニッケル合金の厚さの比率は0.005〜0.1の範囲内の任意の値、例えば0.01に調整することもできる。ただし、銀管は、銅管よりも高価であるため、銀管を用いる必要性のある場合に採用すればよい。
以上に示したように、本発明のガラス繊維製造装置は、製造されるガラス繊維の品質を高め、しかも長期に亘って安定した生産を実現するものであり、今後もより多くの用途で用いられることになる扁平形状の横断面を有する異形断面ガラス繊維の製造装置として優れた機能を発揮するものである。
1、2 ガラス繊維製造装置
10 中実状長尺体(フィン)
11、71 内層(内層材により構成)
12、72 外層(外層材により構成)
20、21 細管(ブッシングノズル)
30、31 ブッシング
40、41 アプリケータ(集束剤塗布装置)
50、51 ギャザリングシュー
60、61 ガラスストランド巻きとり装置
70 中空状長尺体(冷却管)
M 熔融ガラス
F、F ガラスフィラメント
S、S ガラスストランド

Claims (9)

  1. 熔融ガラス貯溜槽の底面に配設された複数のノズルから熔融ガラスを引き出してガラス繊維を製造する装置であって、
    前記ノズルから引き出された熔融ガラスに相対するように中空状長尺体及び/又は中実状長尺体が配設されてなり、前記長尺体は2以上の材料を積層した構造を有し、内層材が熱伝導率100W・m−1・k−1以上の材料よりなり、最外層材がニッケル及び/又はクロムを含有する材料よりなるものであることを特徴とするガラス繊維製造装置。
  2. 中空状長尺体及び/又は中実状長尺体が、冷却媒体による吸熱部を冷却の起点とする熱伝導体として働くものであることを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維製造装置。
  3. 中空状長尺体が内部に冷却液を流通する冷却管であることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のガラス繊維製造装置。
  4. 中実状長尺体が板状体であることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のガラス繊維製造装置。
  5. 2以上の材料を積層した構造がクラッドあるいは溶射あるいはめっきあるいはこれらの組み合わせにより形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のガラス繊維製造装置。
  6. 最外層が黒色クロムめっきによりなるものであることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のガラス繊維製造装置。
  7. ノズル孔の横断面が扁平形状であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のガラス繊維製造装置。
  8. 請求項1から請求項7の何れかに記載のガラス繊維製造装置を用いて、熔融ガラス貯溜槽の底面に配設されたノズルから熔融ガラスを引き出し、熔融ガラス貯溜槽の底面直下にて相対する中空状長尺体及び/又は中実状長尺体により冷却してガラスフィラメントとし、その表面に集束剤を塗布し、複数本を集束してガラスストランドとし、次いでガラスストランドを巻き取ることによって回巻体を形成することを特徴とするガラス繊維の製造方法。
  9. ガラスフィラメントの横断面が扁平形状を呈するものであることを特徴とする請求項8に記戴のガラス繊維の製造方法。
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