JP2010184700A - ニーエアバッグ - Google Patents
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Abstract
【課題】シール部をインフレータにより形成するように構成される補強部を有する車両用ニーエアバッグを提供する。
【解決手段】ニーエアバッグ100は、開口部と、ニーエアバッグの開口部内に嵌入されるインフレータ202と、エアバッグの開口部の周囲に形成される補強部106と、を備え、補強部106はシール部をインフレータ202により形成するように構成される。かかる構成で、インフレータ用の開口部からの膨張ガスの放出を最小限に抑制または防止する。
【選択図】図4
【解決手段】ニーエアバッグ100は、開口部と、ニーエアバッグの開口部内に嵌入されるインフレータ202と、エアバッグの開口部の周囲に形成される補強部106と、を備え、補強部106はシール部をインフレータ202により形成するように構成される。かかる構成で、インフレータ用の開口部からの膨張ガスの放出を最小限に抑制または防止する。
【選択図】図4
Description
本出願は、一般に車両用エアバッグの分野に関する。特に、本発明は、インフレータによりシール部を形成するように構成される補強部を有する車両用のニークッションまたはニーエアバッグに関する。
図1は、ハウジング20およびインフレータ30を備える従来のニーエアバッグ(KAB)モジュール10の構成を示す。図1に示すように、インフレータ30からの膨張ガスがハウジング20の外部にあるディフューザ40に導かれるように、インフレータ30はハウジング20の外側に設置され、それによりガスはハウジング20内に設置されたニーエアバッグに導かれる。
ニーエアバッグは、他のエアバッグ(例えば、運転席サイドエアバッグや助手席サイドエアバッグ)と異なり、エアバッグが展開した後、少なくともある程度膨張したままであるように、一般的に、コーティングが施され、縫い目が塞がれ、孔の無いように設計される。しかしながら、ニーエアバッグへのインフレータの挿入部分によりニーエアバッグから膨張ガスが漏れることがある。このため、エアバッグからガスが抜け、エアバッグの性能が損なわれる。
開示された実施形態は、開口部を備えるニーエアバッグと、インフレータと、エアバッグの開口部周辺に形成された補強部と、を備えるニーエアバッグ装置に関する。インフレータはニーエアバッグの開口部内に嵌入され、補強部はインフレータによりシール部を形成するように構成され得る。
別の開示された実施形態は、開口部を備える膨張可能なニーボルスタと、インフレータと、ボルスタの開口部周辺に形成された補強部と、を備える車両用ニーボルスタに関する。インフレータはニーボルスタの開口部内に嵌入され、補強部はインフレータによりシール部を形成するように構成される。
本発明のこれらのおよびその他の特徴、態様および効果は、以下の説明、添付の特許請求の範囲および図面に示された以下の例示的諸実施形態から明らかになろう。次に、図面について簡単に説明する。
図2は、エアバッグの展開時における、乗客に対する車両内のニーエアバッグの例示的な構成の側面図を示す。図2に示すように、ニーエアバッグ70は、車両乗員の脚80、特に乗員の膝の前で展開し、事故の際に乗員の脚の怪我を最小限に抑制できるように、車両のダッシュボードまたはインストルメントパネル50の下に配置されたハウジング60に装着され得る。図2ではニーエアバッグ70が示されているが、本発明の特徴は膨張可能なニーボルスタに適用できる。このニーボルスタは乗員の脚の怪我を最小限に抑制できるように、図2に示されたニーエアバッグ70およびハウジング60と同様の位置に設置される。
目的は、インフレータ用の開口部からの膨張ガスの放出を最小限に抑制または防止するニーエアバッグ、ニークッションまたはニーボルスタを提供することである。
本発明の実施形態において、補強部はインフレータ用に提供される開口部におけるニークッションに設けられる。補強部はインフレータ用の開口部のクッションの強度を高め、インフレータによりシールし、インフレータ用の開口部からの膨張ガスの放出を最小限に抑制または防止する。
図3を参照すると、一例示的実施形態によるインフレータを嵌入する前のニーエアバッグ100の図が示されている。ニーエアバッグ100は、エアバッグ100のインフレータ用の開口部(図示せず)に配置された補強装置または補強部106を備える。例えば、エアバッグ100のインフレータ用の開口部は、ニーエアバッグ100の下方パネルに配置される。
補強部106は、インフレータ用の開口部102を備える。インフレータが膨張流体をニーエアバッグ100の内部に供給できるように、補強部106の開口部102はエアバッグ100の開口部と略同軸上に並んでいる。インフレータは、以下詳細に説明するように、開口部102からインフレータを嵌入することによって、ニーエアバッグ100に接続され得る。インフレータが嵌入される開口部を開口部102が形成するように、補強部106の開口部102はニーエアバッグ100の開口部より小さくしてもよい。
補強部106は、開口部102におけるニーエアバッグ100の強度を高め、インフレータが開口部102に嵌入されるとインフレータによりシールするように構成される。補強部106の厳しい精度、強度および/または弾力性により、インフレータと補強部106との間はシールされる。例えば、補強部106の開口部102の厳しい精度によりインフレータは締り嵌めされ、補強部106の弾力性により補強部106がインフレータの表面に適応してシールするように補強部106はインフレータの表面で伸張し、補強部106の高められた強度によりインフレータに対する締り嵌めにもかかわらず補強部の破損が抑制される。かかる構成は、開口部102からの膨張ガスの放出を最小限に抑制または防止するのに適しており、ニーエアバッグ100の性能を高める。さらにまた、ニーエアバッグ100とインフレータとの間の直列接続は、開口部102からインフレータを嵌入することにより形成される。
例えば、補強部106は、パッチにより形成される。かかるパッチは、エアバッグを補強するためにニーエアバッグ100に接合され得る。パッチは、コーティングされた若しくはコーティングされていない織布、プラスチックシートまたは従来技術で使用されている別の補強材により構成されていてもよい。例えば、パッチは、裁縫または従来技術で使用されている別の方法によって、ニーエアバッグ100に接合される。パッチは、ニーエアバッグ100の内部またはニーエアバッグ100の外部に接合してもよい。
さらなる実施例によれば、補強部106は、上述したように、コーティングされたパッチにより形成され得る。かかるパッチのコーティングは、補強部から離れた箇所であるようなニーエアバッグ100の他の部分に使用される塗布量よりかなり多い塗布量を施すようにしてもよい。例えば、ニーエアバッグは、補強部106を形成するパッチに加えて、約35g/m2の塗布量でコーティングされる。補強部を形成するパッチは、少なくとも50g/m2、少なくとも75g/m2、少なくとも100g/m2、少なくとも120g/m2または少なくとも140g/m2の塗布量でコーティングされていてもよい。塗料には、シリコン素材が使用され得る。
別の例では、図3の実施例に示すように、開口部102は、X型または十字型の切れ目により形成してもよい。本明細書に記載されているように、かかるX型の切れ目により、補強部106がインフレータの表面に対してシールできるような厳しい精度を開口部102に提供し得る。
図3の実施例に示すように、X型の切れ目を補強部106の織布部104に設けてもよい。図3の実施例に示すように、織布部104は三角形の形状をしていてもよいが、開口部102の形状寸法を変えることによって、他の形状も可能である。別の例では、エアバッグの切れ目は、4つの織布部で設けられたX型の切れ目ではなく、3つの織布部で設けられたY型の切れ目でもよい。切れ目は、より多くの織布部(例えば5つ以上の織布部)を設けて他の形状にしてもよい。
織布部104は、補強部106でインフレータをシールするために用いてもよい。例えば、織布部104は、織布部104がインフレータの外面にぴったりと沿って伸張し密着し得るように、補強部106の他の部分のように厳しい精度、高い強度および弾力性を有していてもよい。かかる織布部104は、補強部106により設けられるシール部を強化するために、インフレータの外面に接するように配置されていてもよい。別の例では、織布部104は、インフレータをシールする補強部106の表面の役割を果たす。
図4は、インフレータ202が図3の開口部102に嵌入された時のニーエアバッグ100の実施例を示す。図4の実施例に示すように、インフレータ202を、例えば織布部104を形成するX型の切れ目により形成された開口部102に嵌入または押込むと、補強部の織布部104はインフレータ202が開口部102に押込まれる方向に外側へ押し出される。例えば、織布部104もニーエアバッグ100の内部に押込まれるように、インフレータ202を開口部102からニーエアバッグ100の内部の方へ押込むようにしてもよいし、織布部104もニーエアバッグ100の外部に押し出されるように、インフレータ202を開口部102からニーエアバッグ100の外部の方へ押込むようにしてもよい。
インフレータ202が少なくとも部分的に開口部102から突出するようにインフレータ202を補強部106の開口部102に嵌入すると、例えば、ニーエアバッグを車両に接続および設置する際に、ニーエアバッグ100の外部に突出しているインフレータの部分に作業者の手が届くので都合がよい。例えば、図1に示した構成のような、接続用外部インフレータを備えた従来のニーエアバッグモジュールは、ニーエアバッグの、例えば、インフレータ用の開口部からのガス洩れが生じる構成を有している。別の構成において、インフレータは、ワイヤーハーネスが少なくとも部分的にエアバッグの開口部から突出するように、インフレータに取り付けられたワイヤーハーネスとともにエアバッグ内に完全に配置できる。
図6の実施例は、補強部106の開口部102に嵌入されたインフレータ202を有するニーエアバッグ100の平面図を示す。ここで、ニーエアバッグ構成は、ニーエアバッグ装置の車両への設置に備えて、ハウジング400内に配置されている。図7は、図6の構成の等角図を示す。図6および7に示すように、ハウジングは、インフレータ202に接触できるように開口部を備えていてもよいので、図6および7の実施例に示すように、構成をハウジング400内に設置する時でも、少なくともインフレータ202の一部がニーエアバッグ100から突出するようにインフレータ202をニーエアバッグ100に嵌入することにより、インフレータ202に簡単に接触できるようになる。
実施例によれば、補強部106は、ニーエアバッグ100からガスを放出するように構成されていてもよい。例えば、大型車両の乗員が強い力および/または高速でニーエアバッグ100に衝突する時のような、ニーエアバッグが高いエネルギー入力状態に曝された時に、補強部106がガスを放出するように構成してもよい。本明細書で述べたように、高くないエネルギー入力状態下では、補強部106はインフレータでシール部を形成するように構成される。かかる構成により、補強部は高いエネルギー入力状態下のニーエアバッグに対し圧力調整弁のような働きをすることができる。その結果、ニーエアバッグは、ニーエアバッグがこのような高いエネルギー入力状態に曝された時に破断または破壊されずに機能し、高くないエネルギー入力状態下ではニーエアバッグの補強部とインフレータとの間にシール部を備え得る。ニーエアバッグ100の内圧が低下するまでニーエアバッグ100からガスが流出できるように、補強部を構成してもよい。このようにすれば、補強部106はインフレータによりシール部を再び形成できる。
別の例では、補強部106の織布部104は、ニーエアバッグ100からガスを放出するように構成されていてもよい。例えば、織布部104は、インフレータの外面から外へ向かってラッパ状に広がることにより、織布部104とインフレータとの間のシール部が開き、織布部104とインフレータとの間でガスが流出し得るので、ニーエアバッグ100からガスを放出できる。この実施例によれば、ニーエアバッグ100の内圧が低下するまで、織布部104はラッパ状に広がり、ニーエアバッグ100からガスを流出し得る。このようにすれば、織布部104はインフレータによりシール部を再び形成できる。
図5の実施例は、補強部106の開口部から嵌入されたインフレータ202と、補強部106がインフレータ202に接触および/またはシールする箇所に配置されるクランプ300と、を有するニーエアバッグ100の別の構成を示す。かかるクランプ300は、補強部106とインフレータ202との間の接触およびシールを強化するために用いてもよい。さらなる実施例において、クランプ300は、インフレータの外面に対して織布部104を固定するために織布部104およびインフレータ202の上に配置してもよい。しかし、これらの実施例において、クランプ300は、補強部106とインフレータの間に効果的なシール部を形成するための任意的なものであり、必須のものではない。
ニーエアバッグに関して上述した補強部およびクランプの機能は、膨張可能なニーボルスタにも適用できる。例えば、図2〜7のニーエアバッグに関して上述したように、車両用ニーボルスタは、開口部および補強部106を有する膨張可能なニーボルスタであってもよい。
例示的実施形態を上記に図示し、説明してきたが、これらの実施形態が例示のためにのみ提供されることを理解されたい。例えば、本明細書における教示は、いかなるニーエアバッグにも適用されることができ、一つのニーエアバッグに限定されるものではない。
10 ニーエアバッグモジュール
20,60,400 ハウジング
30,202 インフレータ
40 ディフューザ
50 インストルメントパネル
70,100 ニーエアバッグ
80 脚
102 開口部
104 織布部
106 補強部
300 クランプ
20,60,400 ハウジング
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40 ディフューザ
50 インストルメントパネル
70,100 ニーエアバッグ
80 脚
102 開口部
104 織布部
106 補強部
300 クランプ
Claims (20)
- ニーエアバッグ装置であって、
開口部を備えるニーエアバッグと、
前記ニーエアバッグの前記開口部内に嵌入されるインフレータと、
前記インフレータによりシール部を形成するように構成され、前記エアバッグの前記開口部周辺に形成される補強部と、を備えることを特徴とするニーエアバッグ装置。 - 前記補強部は、前記ニーエアバッグに接合されるパッチにより形成される、請求項1に記載のニーエアバッグ装置。
- 前記パッチは、コーティングにより被覆されている、請求項2に記載のニーエアバッグ装置。
- 前記コーティングは、少なくとも100g/m2の塗膜重量で形成されている、請求項3に記載のニーエアバッグ装置。
- 前記補強部は、前記ニーエアバッグの前記開口部を形成する、請求項1に記載のニーエアバッグ装置。
- 前記開口部は、X型の切れ目により形成される、請求項5に記載のニーエアバッグ装置。
- 前記X型の切れ目がインフレータによりシールするように構成される織布部を形成する、請求項6に記載のニーエアバッグ装置。
- 前記織布部は、前記ニーエアバッグの内部に設置される、請求項7に記載のニーエアバッグ装置。
- 前記織布部は、前記ニーエアバッグの外部に設置される、請求項7に記載のニーエアバッグ装置。
- 前記織布部は、前記ニーエアバッグが高いエネルギー入力状態に曝された時に前記ニーエアバッグからガスを放出するように構成される、請求項7に記載のニーエアバッグ装置。
- 前記補強部は、前記ニーエアバッグが高いエネルギー入力状態に曝された時に前記ニーエアバッグからガスを放出するように構成される、請求項1に記載のニーエアバッグ装置。
- さらにクランプを備え、前記クランプが前記インフレータに対して前記織布部を固定するように構成される、請求項7に記載のニーエアバッグ。
- さらにクランプを備え、前記クランプが前記インフレータに対して前記補強部を固定するように構成される、請求項1に記載のニーエアバッグ。
- 車両用ニーボルスタであって、
開口部を備える膨張可能なニーボルスタと、
前記ニーボルスタの前記開口部内に嵌入されるインフレータと、
前記インフレータによりシール部を形成するように構成され、前記ボルスタの前記開口部周辺に形成される補強部と、を備えることを特徴とする車両用ニーボルスタ。 - 前記補強部は、前記ニーボルスタの前記開口部を形成する、請求項14に記載のニーボルスタ。
- 前記開口部は、X型の切れ目により形成される、請求項15に記載のニーボルスタ。
- 前記X型の切れ目は、インフレータによりシールするように構成される織布部を形成する、請求項16に記載のニーボルスタ。
- 前記織布部は、前記ニーボルスタが高いエネルギー入力状態に曝された時に前記ニーボルスタからガスを放出するように構成される、請求項17に記載のニーボルスタ。
- 前記補強部は、前記ニーボルスタが高いエネルギー入力状態に曝された時に前記ニーボルスタからガスを放出するように構成される、請求項14に記載のニーボルスタ。
- さらにクランプを備え、前記クランプが前記インフレータに対して前記補強部を固定するように構成される、請求項14に記載のニーボルスタ。
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- 2010-02-08 JP JP2010024949A patent/JP2010184700A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20130507 |