JP2010184669A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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誠直 福永
Toshiyuki Onizuka
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Abstract

【課題】トルク検出手段の一部に故障が発生するなどして、トルク検出手段のメイントルク信号とサブトルク信号の差が大きくなった場合においても、これら信号のうち正常信号を使用して、可能な限りアシスト制御を継続する。
【解決手段】メイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsとを出力するトルクセンサ11において、メイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsそれぞれのオフセットを検出し、通常はメイントルク信号に基づいてアシスト制御を行い、メイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsの差が所定値を超えて所定の時間継続した場合に、トルクセンサ11に故障が発生したと判断して、小さい方のオフセットに対応するトルク信号を用いてアシスト制御を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、操舵者の操舵トルクを検出するトルク検出手段が出力するメイントルク信号とサブトルク信号とのいずれかによりモータを制御して前記操舵者の操舵トルクに操舵補助トルクを付与する電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
自動車等の車両では、操舵者の操舵に際してモータの回転トルクにより操舵ハンドルに操舵アシスト力(操舵補助トルク)を付与する電動パワーステアリング装置が広く用いられている。
ここで、一般的な電動パワーステアリング装置の概略構成、及びその電動パワーステアリング装置の制御装置の構成について、図5及び図6を参照しながら説明する。
図5に示すように、操舵者が操舵する操舵ハンドル31に直結するシャフト32は、減速ギア33、ユニバーサルジョイント34a及び34b、ラック・アンド・ピニオン機構35を経て車輪のタイロッド36に結合されている。シャフト32には、操舵ハンドル31の操舵トルクを検出するトルクセンサ(トルク検出手段)40が設けられており、また操舵ハンドル31にアシスト力を付与するモータ50が減速ギア33を介してシャフト32に結合されている。モータ50を制御する制御装置(以下、ECUともいう。)60には、バッテリ71からイグニションキー72を介して電流が供給され、トルクセンサ40で検出された操舵トルクTと、車速センサ80で検出された車速Vと、に基づいて、アシスト指令である電流指令値Eの演算を行い、モータ50に供給する駆動電流を制御して、アシスト制御を実現している。
ECU60は、主としてCPUシステムで構成され、内部メモリに格納されたプログラムを実行することによってモータ50を制御している。
次に、図6を参照しながら、ECU60の制御機能及び動作を説明する。
トルクセンサ40で検出された操舵トルクTと車速センサ80で検出された車速Vとは、電流指令値Iを演算する電流指令値演算部61に入力され、モータ50に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iが演算出力される。この電流指令値Iは減算器62に入力され、当該減算器62では当該電流指令値Iとモータ電流検出器66により検出されてフィードバックされるモータ電流値iとの偏差ΔIが演算出力される。この演算結果はアシスト制御の動作特性を改善するためPI制御部63に出力され、その偏差ΔIに基づいて比例制御および積分制御が組み合わされたPI制御が実施される。そして、この制御結果である電流指令値EがPWM制御部64に出力される。PWM制御部64は、電流指令値Eからパルス幅変調された信号を生成し、モータ駆動回路65のブリッジ回路で構成されるFETのゲートを駆動する。これによってモータ駆動回路65のFETがスイッチングされてモータ50に駆動電流が供給され、これによりモータ50が駆動制御される。その結果、操舵アシスト力が操舵ハンドル31に付与されて操舵者の操舵アシストが行われる。
ここで、トルクセンサ40により検出される操舵トルクTは、電流指令値Iを演算出力する上で、車速センサ80で検出された車速信号Vよりも重要な信号とされ、例えば、トルクセンサ40が故障した際、何も安全対策が付されずそのまま異常な信号が出力され、ECU60は当該信号に基づいてアシスト制御をした場合、操舵者の予期しない操舵アシスト力が発生してしまい、操舵フィーリングを損なってしまうこととなる。
この対策として、従来は、操舵トルクTの値が所定の範囲内にあるか否かを判定し、所定の範囲を超えていた場合は、トルクセンサ40に故障が発生したと判断して、アシスト制御を停止していた。
また、操舵トルクTの値が所定の範囲内であっても、1つの信号だけでは操舵トルクに応じた適切な値であるか否かを精度よく判断できない場合が多い。このため、この問題を解決すべく、トルクセンサがメイントルク信号とサブトルク信号とを出力して、これら信号に基づいてその判断を行うものが同出願人により提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この例では、メイントルク信号とサブトルク信号の差を監視し、その差が所定値以上の状態で所定の時間継続した場合に、トルクセンサに異常が発生したと判断している。
特開2002−225745号公報
ここで、近年、ECU60を備えた電動パワーステアリング装置は、軽自動車・小型自動車は言うに及ばす、近年ではSUV(Sport Utility Vehicle:スポーツ多目的車)等の車両重量の大きな自動車にも広く搭載されており、これら大型自動車では、車両重量が大きいこともあって軽自動車・小型自動車より大きな操舵アシスト力を必要とし、高出力のモータが使用されている。
このため、重量が大きいバスやトラック等の車両においてアシスト制御がそのまま停止されてしまうと、操舵者の操舵力だけでは、駐車場等における据え切り、又は低車速での操舵が困難になってしまうという嫌いがあった。
しかしながら、前記特許文献1では、操舵トルクTが適切な値か否かの判断精度を高めることはできるが、メイントルク信号とサブトルク信号の差が大きくなると、いずれか一方が正常、即ちアシスト制御が使用可能な状態であったとしても、モータの駆動電流などを制限するなどしてアシスト制御に制限を加える構成であり、改善の余地があった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、トルク検出手段の一部に故障が発生するなどして、トルク検出手段のメイントルク信号とサブトルク信号の差が大きくなった場合においても、これら信号のうち正常信号を使用して、可能な限りアシスト制御を継続することのできる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1) 操舵者の操舵トルクを検出してメイントルク信号とサブトルク信号とを出力するトルク検出手段を備え、当該メイントルク信号と当該サブトルク信号とのいずれかに基づいて、モータを制御して前記操舵者の操舵トルクに操舵補助トルクを付与する電動パワーステアリング装置の制御装置であって、
さらに、前記トルク検出手段に接続されて前記メイントルク信号と前記サブトルク信号とのそれぞれの信号のオフセットを検出するオフセット検出手段を備え、そして
前記メイントルク信号と前記サブトルク信号との差が所定値を超えないか、又は所定値を超えたとしても所定時間継続しない場合には、前記メイントルク信号に基づいて前記モータを制御し、一方
前記メイントルク信号と前記サブトルク信号との差が所定値を超え且つそれが所定時間継続した場合には、前記メイントルク信号と前記サブトルク信号のいずれかのうち、前記オフセット検出手段により検出されたオフセットが小さいものに基づいて前記モータを制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
(2) 前記トルク検出手段は、一対の検出コイルと、当該一対の検出コイルそれぞれに直列接続された各2個の抵抗と、から構成されるブリッジ回路を有し、
当該ブリッジ回路に交流電圧を印加して、前記一対の検出コイルの端子部にそれぞれ表出される交流電圧の差分に基づいて、前記メイントルク信号を出力し、
前記直列接続された前記2個の抵抗の接続部に表出される交流電圧の差分に基づいて、前記サブトルク信号を出力することを特徴とする上記(1)の電動パワーステアリング装置の制御装置。
(3) 前記オフセット検出手段は、前記ブリッジ回路に印加される交流電圧が停止されてときに、前記メイントルク信号と前記サブトルク信号とのそれぞれの信号のオフセットを検出することを特徴とする上記(2)の電動パワーステアリング装置の制御装置。
(4) 前記オフセット検出手段により検出された前記オフセットに基づいて、前記メイントルク信号と前記サブトルク信号とをそれぞれ補正することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つの電動パワーステアリング装置の制御装置。
(5) 前記オフセット検出手段により前記オフセットが検出される間は、前記オフセットを検出する以前の前記メイントルク信号に基づいて前記モータを制御し、一方
前記オフセット検出手段により前記オフセットが検出された後は、補正された前記メイントルク信号又は前記サブトルク信号のうち、その検出時に前記オフセットが小さいものに基づいて前記モータを制御することを特徴とする上記(4)の電動パワーステアリング装置の制御装置。
上記(1)の構成によれば、トルク検出手段の故障を検出することができるとともに、メイントルク信号とサブトルク信号の差が大きくなった場合でも、メイントルク信号とサブトルク信号とのオフセットをオフセット検出手段により検出し、これら信号のうちオフセットの小さいものが正常であると判断し、当該信号に基づいて操舵アシスト力を制御することができるので、残存する正常な信号を利用してアシスト制御の継続が可能であり、急激な操舵アシスト力の低下を可能な限り防止することができる。このため、操舵フィーリングが急に損なうような状況を回避することができ、結果的に操舵者の操舵安定性を確保することができる。
また、上記(2)の構成によれば、トルク検出手段は一対のコイルと各2個の抵抗とを有したブリッジ回路により構成されるので、そのコイル−抵抗回路によりノイズを効率的且つ安価に除去することができ、そして1つの回路構成でメイントルク信号とサブトルク信号とを出力するので、製造コストを抑制することができる。
また、上記(3)の構成によれば、ブリッジ回路に供給する交流電圧を停止した時のメイントルク信号とサブトルク信号の値を、それぞれのオフセットとして検出するので、トルクセンサの故障を精度よく診断することができる。
さらに、上記(4)の構成によれば、オフセット検出手段により検出されたオフセットに基づいて、メイントルク信号と前記サブトルクとをそれぞれ補正するので、例えばこの補正後の信号をアシスト制御に用いる場合など、その信号が用いられる処理の種々の精度を向上させることができる。
そして、上記(5)の構成によれば、オフセット検出手段によりオフセットが検出された後は、補正された前記メイントルク信号又は前記サブトルク信号のうち、その検出時に前記オフセットが小さいものに基づいて前記モータを制御するので、アシスト制御の精度を向上させることができる。
本発明によれば、トルク検出手段の一部に故障が発生するなどして、トルク検出手段のメイントルク信号とサブトルク信号の差が大きくなった場合においても、これら信号のうち正常信号を使用して、可能な限りアシスト制御を継続することのできる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御装置(ECU)の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るトルクセンサの概略構成を示す図である 本発明の実施形態に係るトルクセンサの故障診断を行う際の、ECUの動作手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係るトルクセンサにおいて、メイントルク信号とサブトルク信号オフセットを検出する仕組みを説明するための模式図である。 一般的な電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。 従来のECUの概略構成を示すブロック図である。
以下、本発明に係る電動パワーステアリング装置の制御装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御装置(以下、ECUとも言う。)は、主としてCPUシステムで構成されており、その入出力される信号などの処理の大部分がプログラムに従って実行されている。
図1は、CPUの内部メモリに格納されたプログラムで実行されるECUの機能構成を、その回転が制御されるモータと各種センサ、及びECUに電源電圧を供給するバッテリと共に示すブロック図である。
図1に示すように、トルクセンサ(トルク検出手段)11で検出された操舵トルクTは、操舵系の安定性を高めるために位相補償器21で位相補償され、位相補償された操舵トルクTAが操舵補助指令値演算器22に入力される。また、車速センサ12で検出された車速Vも、同様に操舵補助指令値演算器22に入力される。
操舵補助指令値演算器22は、位相補償された操舵トルクTAと車速Vに基づいて特性マップ(ルックアップテーブル)23を参照し、モータ13に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Iを演算出力する。
なお、操舵トルクT及び車速VがECU20に入力される際には、図示しないローパスフィルタ又はバンドパスフィルタなどの濾波手段により濾波処理がソフトウエア上で施されてもよい。
この演算出力された操舵補助指令値Iは、減算器20Aに入力されるとともに、アシスト制御の速応性を改善するためのフィードフォワード系の微分補償器24に入力される。減算器20Aは、操舵補助指令値Iとモータ電流検出回路28で検出されたモータ電流iの偏差(I−i)とを減算演算し、この演算結果は比例演算器25に入力される。
比例演算器25は、偏差(I−i)と所定の比例係数(ゲイン係数)との乗算演算を行い、その乗算演算結果が加算器20Bと積分演算器26に入力される。積分演算器26は、偏差(I−i)の定常値がゼロとなるような制御を行うため、偏差(I−i)の時間軸で積分値を算出する。微分補償器24及び積分演算器26の出力も加算器20Bに入力され、加算結果である電流指令値Eがモータ駆動信号としてモータ駆動回路27に入力される。
ここで、トルクセンサ11は、メイントルク信号とサブトルク信号とを出力する。これにより、後述するように、ECU20はトルクセンサ11の故障を検出することができるとともに、この2つの信号出力によりいずれかの信号に異常が発生したのか判断することができる。
図2は、トルクセンサ11の構成をECU20の一部と共に示す概略図である。
図2に示すように、トルクセンサ11は、ブリッジ回路111と、発振部112と、オフセット検出手段113と、差動増幅器114、115と、全波整流・平滑処理回路116、117と、を有して構成される。
ブリッジ回路111は、検出される操舵トルクに応じてインピーダンスが変化する検出コイルL1及び抵抗R1、R2が直列に接続された第1のアームと、検出コイルL1とは互いに逆方向にインピーダンスが変化する検出コイルL2及び抵抗R3、R4とが直列に接続された第2のアームと、から構成されている。
発振部112は、オフセット検出手段113を介してECU20のトルクセンサ電源供給部29から電源電圧の供給を受け、所定周波数の交流電圧を出力してブリッジ回路111の第1及び第2の各アームにその交流電圧を供給する。
なお、操舵トルクが作用しない時は検出コイルL1、L2の両端に現れる電圧が等しくなるように、抵抗R1〜R4の値は予め調整・選択されている。
オフセット検出手段113は、ECU20に入力されたメイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsとのそれぞれのオフセット値によって、ECU20のトルクセンサ電源供給部29から発振部112に供給される電源電圧のON/OFFを制御する。
そして、検出コイルL1、L2の各両端に表出する電圧信号は、差動増幅器114において差分の電圧信号に変換され、増幅される。増幅された電圧信号は、全波整流・平滑処理回路116により整流され、さらに出力波形が平滑処理された後、メイントルク信号VtmとしてECU20のCPU30に内蔵されたAD変換器の入力端子AD2に出力される。
また、抵抗R1とR2の接続点、及びR3とR4の接続点に表出される各電圧信号は、差動増幅器115で差動増幅された後、全波整流・平滑処理回路117において整流および平滑処理され、サブトルク信号VtsとしてCPU30の入力端子AD1に出力される。
このように、本実施形態では、トルクセンサ11を、差動増幅器114と全波整流・平滑処理回路116とからなる系統と、差動増幅器115と全波整流・平滑処理回路117とからなる系統との2系統設けて構成しおり、操舵トルクを検出した際には、それぞれメイントルク信号Vtm及びサブトルク信号Vtsとしてそれぞれ出力する。
そして、ECU20は、通常状態においては、これら2つのトルク信号のうちメイントルク信号Vtmに基づいてアシスト制御を実行している。
また、ECU20は、メイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsとのそれぞれのオフセットを検出する初期診断モードと、周期的(所定のサンプリング周期又は間欠的)にメイントルク信号Vtm及びサブトルク信号Vtsを比較し、その差が許容値を超えているか否かを検出して、検出コイルL1、L2の断線や短絡、回路要素の故障等を診断する通常診断モードと、をそれぞれ適宜実行することにより、トルクセンサ11の故障診断を行う。そして、この診断結果に基づいて、メイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsとのうちアシスト制御に用いるのに最適な、即ち正常な信号を判断・選択し、当該正常な信号に基づいてモータ13の制御を実行する。
以下、このように構成されたECU20において、トルクセンサの故障診断を行う際の動作について、さらに説明する。
図3は、トルクセンサの故障診断を行う際の、ECUの動作手順を説明するためのフローチャートである。
図3に示すように、まず、ステップS101において、実行しようとしている故障診断が初期診断モードであるか、或いは通常診断モードであるか、が判定される。
その結果、故障診断が初期診断モードであると判定される場合には、オフセット検出手段113によりECU20のトルクセンサ電源供給部29から供給される電源電圧がOFFされ、発振部112の発振が止められてブリッジ回路111への交流電圧の供給が停止される(ステップS102)。これにより、検出コイルL1、L2のインダクタンス成分がゼロとなり、出力されるメイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsは、操舵トルクの有無にかかわらずそれぞれオフセット成分のみとなる。
ここで、メイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsのオフセットが検出できる仕組みについて説明する。
図4は、発振部112の発振を停止することにより、メイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsのオフセットが検出できる仕組みを説明するための模式図である。
トルクセンサ11から出力されるメイントルク信号Vtmは、検出コイルL1、L2によって検出した操舵トルクThに差動増幅器114のゲイン(増幅値)G1が乗じられ、さらにこの系統のオフセットoffs1を加えられた信号として出力される。また、サブトルク信号Vtsは、検出コイルL1、L2によって検出した操舵トルクThに差動増幅器115のゲインG2が乗じられ、さらにこの系統のオフセットoffs2を加えられた信号として出力される。
したがって、メイントルク信号Vtmとブトルク信号Vtsとはそれぞれ以下の式で表される。
Vtm=Th×G1+offs1・・・(1)
Vts=Th×G2+offs2・・・(2)
ここで、Thは検出コイルの操舵トルク検出値、G1、G2はそれぞれ差動増幅器114、115のゲイン値であり、オフセットoffs1、offs2は、トルクセンサ11が実際に作動している場合に、環境温度による回路素子の温度ドリフト、或いは経年変化等によって生じた出荷時の特性に対するズレを表すオフセット値である。
また、図4の実線に示すように、メイントルク信号Vtm及びサブトルク信号Vtsは、相補出力され、クロス特性を有している。
なお、図4ではアシスト制御のソフトウエアによる処理を考慮して、操舵トルクの方向を正負の符号で表している。また、図中の破線は、製品出荷時に、トルクセンサの機械的ばらつき又はその内部における回路素子のばらつきを吸収するために調整された特性を示すものである。
図4に示すように、発振部112の発振を停止することで検出コイルL1、L2のインダクタンス成分がゼロとなることにより、擬似的に操舵トルクがゼロの状態となる。したがって、このときのメイントルク信号Vtm及びサブトルク信号Vtsの値を検出ことにより、それぞれのオフセット値offs1、offs2を精度よく検出することができる。
さらにここで、図3に示すフローチャートに戻り、説明を続ける。
ステップS103では、このようにして検出されたメイントルク信号Vtm及びサブトルク信号Vtsの各オフセットoffs1、offs2はCPU30のメモリに記憶される。
次に、オフセット検出手段113によりトルクセンサ電源供給部29からの電源電圧供給が再開されて発振部112が発振される。このため、ブリッジ回路111に対する交流電圧の供給が再開されて、操舵トルクが検出され得る状態に復帰させられる。
一方、ステップS101の処理手順で初期診断ではないと判定した場合は、通常診断モードに移行し、メイントルク信号Vtm及びサブトルク信号VtsがCPU30に読み込まれる(ステップS105)。
CPU30は、読み込んだメイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsの差を演算するとともに(ステップS106)、この演算処理された差の値が所定値を超えた時間を計時して、その計時された時間が所定の時間継続したか否かを判定する(ステップS107)。
この判定の結果、メイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsの差の所定値を超えた時間が所定の時間継続しなかった場合は、トルクセンサ11は正常に動作しているものと判断され、ECU20は、引き続きメイントルク信号Vtmに基づいてアシスト制御を行う(ステップS108)。
その一方、ステップS107において、メイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsの差の所定値を超えた時間が所定の時間継続したと判定した場合は、その差が異常であると確定し(ステップS109)、トルクセンサ11が故障したことをアラームランプの点滅などの報知手段を用いて操舵者に報知する(ステップS110)。
続くステップS111では、CPU30のメモリに記憶されたオフセット値offs1、offs2のうち、そのオフセット値が小さいものを正常として判断し、その小さいものオフセット値に対応する信号に基づいてアシスト制御を行う。
またこのとき、それらオフセット値offs1、offs2のそれぞれを例えば中立値へ補正しておき、この補正に基づいて上記(1)又は(2)によりメイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtとを補正して、この補正された信号に基づいてアシスト制御を行ってもよい。この場合には、アシスト制御の精度を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、トルクセンサ11の故障を検出することができるとともに、トルクセンサ11が故障しメイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsの差が大きくなった場合でも、メイントルク信号Vtmとサブトルク信号Vtsとのオフセットをオフセット検出手段113により検出し、これら信号のうちオフセットの小さいものが正常であると判断し、当該信号に基づいて操舵アシスト力を制御することができるので、残存する正常な信号を利用してアシスト制御の継続が可能であり、急激な操舵アシスト力の低下を可能な限り防止することができる。このため、操舵フィーリングが急に損なうような状況を回避することができ、結果的に操舵者の操舵安定性を確保することができる。
また、本実施形態によれば、トルクセンサ11は一対のコイルと各2個の抵抗とを有したブリッジ回路により構成されるので、そのコイル−抵抗回路によりノイズを効率的且つ安価に除去することができ、そして1つの回路構成でメイントルク信号とサブトルク信号とを出力するので、製造コストを抑制することができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の様態はこれら実施形態に限られるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
例えば、本実施形態では処理の大部分をソフトウエアにて行っているが、その一部またはすべてをFPGA(Field Programable Gate Array)などのハードウエアで実現してもよい。
また、前述した実施形態では、オフセット検出手段113をトルクセンサ11内に一体的に設けたが、これに限らず、当該トルク検出手段に接続される構成であれば別に設けられてもよい。
また、本発明は電動パワーステアリング装置の形式(コラムタイプ、ピニオンタイプ、ラックタイプ)、モータの種類(ブラシ付き、ブラシレスなど)を問わず、電動モータを有する全ての電動パワーステアリング装置の制御装置に適用可能である。
11 トルクセンサ(トルク検出手段)
12 車速センサ
13 モータ
111 ブリッジ回路
112 発振部
113 オフセット検出手段
20 電動パワーステアリング装置の制御装置(ECU)
30 CPU
L1、L2 検出コイル
R1〜R4 抵抗

Claims (5)

  1. 操舵者の操舵トルクを検出してメイントルク信号とサブトルク信号とを出力するトルク検出手段を備え、当該メイントルク信号と当該サブトルク信号とのいずれかに基づいて、モータを制御して前記操舵者の操舵トルクに操舵補助トルクを付与する電動パワーステアリング装置の制御装置であって、
    さらに、前記トルク検出手段に接続されて前記メイントルク信号と前記サブトルク信号とのそれぞれの信号のオフセットを検出するオフセット検出手段を備え、そして
    前記メイントルク信号と前記サブトルク信号との差が所定値を超えないか、又は所定値を超えたとしても所定時間継続しない場合には、前記メイントルク信号に基づいて前記モータを制御し、一方
    前記メイントルク信号と前記サブトルク信号との差が所定値を超え且つそれが所定時間継続した場合には、前記メイントルク信号と前記サブトルク信号のいずれかのうち、前記オフセット検出手段により検出されたオフセットが小さいものに基づいて前記モータを制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記トルク検出手段は、一対の検出コイルと、当該一対の検出コイルそれぞれに直列接続された各2個の抵抗と、から構成されるブリッジ回路を有し、
    当該ブリッジ回路に交流電圧を印加して、前記一対の検出コイルの端子部にそれぞれ表出される交流電圧の差分に基づいて、前記メイントルク信号を出力し、
    前記直列接続された前記2個の抵抗の接続部に表出される交流電圧の差分に基づいて、前記サブトルク信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記オフセット検出手段は、前記ブリッジ回路に印加される交流電圧が停止されてときに、前記メイントルク信号と前記サブトルク信号とのそれぞれの信号のオフセットを検出することを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記オフセット検出手段により検出された前記オフセットに基づいて、前記メイントルク信号と前記サブトルク信号とをそれぞれ補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 前記オフセット検出手段により前記オフセットが検出される間は、前記オフセットを検出する以前の前記メイントルク信号に基づいて前記モータを制御し、一方
    前記オフセット検出手段により前記オフセットが検出された後は、補正された前記メイントルク信号又は前記サブトルク信号のうち、その検出時に前記オフセットが小さいものに基づいて前記モータを制御することを特徴とする請求項4に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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