JP2010184633A - ハイブリッド電気自動車の制御装置 - Google Patents

ハイブリッド電気自動車の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010184633A
JP2010184633A JP2009030829A JP2009030829A JP2010184633A JP 2010184633 A JP2010184633 A JP 2010184633A JP 2009030829 A JP2009030829 A JP 2009030829A JP 2009030829 A JP2009030829 A JP 2009030829A JP 2010184633 A JP2010184633 A JP 2010184633A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
inverter
bypass
intake air
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009030829A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Ono
智幸 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2009030829A priority Critical patent/JP2010184633A/ja
Publication of JP2010184633A publication Critical patent/JP2010184633A/ja
Priority to JP2013083802A priority patent/JP5482934B2/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

【課題】ハイブリッド電気自動車において、モータに給電するインバータの冷却とエンジンに吸入される吸気の適正な温度調整を両立できる技術を提供する。
【解決手段】吸気管14におけるコンプレッサ15aとインタークーラ16との間に位置する分岐部14aから分岐し、インタークーラ16より下流の合流部14bにて吸気管14と合流する通路であって、該コンプレッサ15aから流出した吸気に該インタークーラ16を迂回させるバイパス管20と、インバータ5を冷却するためのインバータ用冷却水を循環させる冷却水循環路24と、バイパス管20を流れる吸気との熱交換によってインバータ用冷却水を冷却する内管20bと、を有するインバータ用クーラ23とを備え、バイパス分流比Rabをエンジン要求出力Pegに応じて制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド電気自動車の制御装置に関する。
エンジン及びモータを駆動源として備え、これらのうち少なくとも何れかの出力により駆動するハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle)が公知である。このよう
なハイブリッド電気自動車に適用されるエンジンが過給機付きエンジンである場合、過給機のコンプレッサにて過給された空気(吸気)を冷却するための冷却器としてのインタークーラがエンジンの吸気通路に設けられる。
通常、モータは交流電力によって駆動されるため、直流電源であるバッテリから供給される直流電力はインバータ(電力変換装置)によって交流電力へと変換されてからモータに給電される。ここで、インバータはその作動時における発熱によって比較的高温となるため、この種のハイブリッド電気自動車ではインバータを効率的に冷却することが重要となる。
これに関連して、特許文献1には、インバータ用ラジエータとインタークーラとを一体化構造とし、インバータ用ラジエータを流れる冷却水とインタークーラを流れる吸気との間で直接的に熱交換を行う冷却器が開示されている。また、特許文献2には、インバータの熱を外部へと放出するための放熱部を含み、エンジンの燃焼室へ外気を供給する吸気系の吸気経路内またはその近傍に放熱部を配置したインバータの冷却器が開示されている。
特開2006−144703号公報 特開2003−333867号公報 特開2008−038808号公報 特開2005−299470号公報 特開2008−206228号公報
ここで、特許文献1、2に係る従来技術のように、インバータからの放熱を、インタークーラを流れる過給空気との熱交換によって行う場合、当然ながらインバータからの放熱量が多いほど吸気の温度上昇が顕著となる。一方、エンジンに供給される吸気温度の適正な温度は、エンジンに要求される出力(負荷)に伴って相違する。
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ハイブリッド電気自動車において、モータに給電するインバータの冷却とエンジンに吸入される吸気の適正な温度調整を両立できる技術を提供することにある。
上記した課題を解決するために、本発明に係るハイブリッド電気自動車の制御装置は、以下の手段を採用した。本発明における第1の構成は、過給機付きエンジン及び電動モータを動力源として備えるハイブリッド電気自動車の制御装置であって、前記エンジンの吸気通路において前記過給機のコンプレッサより下流側に配置され、該コンプレッサにより過給された吸気を冷却するインタークーラと、前記吸気通路における前記コンプレッサと
前記インタークーラとの間に位置する分岐部から分岐し、該インタークーラより下流の合流部にて該吸気通路と合流する通路であって、該コンプレッサから流出した吸気に該インタークーラを迂回させるバイパス通路と、前記モータに駆動電流を供給するインバータを冷却するための冷媒を循環させる冷媒循環路と、前記バイパス通路を流れる吸気との熱交換によって該冷媒循環路内の冷媒を冷却する放熱部と、を有するインバータ用クーラと、前記吸気通路の分岐部に流れてくる吸気の全流量に対する前記バイパス通路に流入する吸気の流量の比であるバイパス分流比を、エンジンに要求されるエンジン要求出力に応じて制御する分流比制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、インバータ用クーラの放熱部によりインバータを冷却するための冷媒(以下、「インバータ用冷媒」という)の熱がバイパス通路を流れる吸気に放熱されることで該インバータ用冷媒が冷却され、これによってインバータが冷却される。一方、バイパス通路を流れる吸気は、インバータ用冷媒によって加熱されるため、常にインバータの冷却を優先させるのではなく、エンジンの吸気の温度も適正な範囲内で調整する必要がある。
吸気温度の適正温度は、エンジンに要求されるエンジン要求出力の変化に伴って変化する。エンジン要求出力が比較的低い領域である低出力領域に属しているときには、エンジンからのHC排出量の低減および燃費の向上を図るために、吸気温度を高くすることが要求される。一方、エンジン要求出力が比較的高い領域である高出力領域に属しているときには、エンジンからのスモーク排出量を低減するために比較的低温の吸気をエンジンに供給することが要求される。
本構成においては、分流比制御手段がエンジン要求出力に応じてバイパス分流比を制御する。バイパス分流比は、前述のように吸気通路の分岐部に流れてくる吸気の全流量に対するバイパス通路に流入する吸気の流量の比であり、0〜1の範囲内でその値が変化する。そして、バイパス分流比が高いほど、吸気の全流量が等しい条件下においては、バイパス通路に流入する吸気の流量も多くなる。
バイパス通路に流入する吸気はインバータ用冷媒を冷却する冷媒として機能するため、バイパス通路に流入する吸気量が多いほどインバータ用クーラによるインバータ用冷媒の放熱量が増える。例えば、バイパス分流比が零(0)に制御されると、吸気通路の分岐部に対して上流側から流れてくる吸気の全てがインタークーラ側に流入し、バイパス通路側には一切流入しないため、インバータ用冷媒の放熱量が最小となる。一方、バイパス分流比が1に制御されると、上記吸気の全てがバイパス通路側に流入するため、インバータ用冷媒の放熱量が最大となる。
以上のように、本発明においては、エンジン要求出力とエンジンの吸気の適正温度との関連性と、バイパス分流比とインバータ用冷媒の放熱量との関連性に着目した。ここで、インバータ用冷媒の放熱量はバイパス通路を流れる吸気の加熱量に相関するため、エンジン要求出力に応じてバイパス分流比を制御することで上記吸気の加熱量を調節し、エンジンの吸気温度を適正な温度に調整することができる。
また、本発明における第2の構成は、過給機付きエンジン及びモータを動力源として備えるハイブリッド電気自動車の制御装置であって、前記エンジンの吸気通路において前記過給機のコンプレッサより下流側に配置され、該コンプレッサにより過給された吸気を冷却するインタークーラと、前記吸気通路における前記インタークーラより下流の分岐部から分岐し、該分岐部より下流の合流部にて該吸気通路と合流するバイパス通路と、前記モータに駆動電流を供給するインバータを冷却するための冷媒(インバータ用冷媒)を循環させる冷媒循環路と、前記バイパス通路を流れる吸気との熱交換によって該冷媒循環路内
の冷媒を冷却する放熱部と、を有するインバータ用クーラと、前記吸気通路の分岐部に流れてくる吸気の全流量に対する前記バイパス通路に流入する吸気の流量の比であるバイパス分流比を、エンジンに要求されるエンジン要求出力に応じて制御する分流比制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記のように第2の構成は、バイパス通路の吸気通路からの分岐部および合流部の位置が、第1の構成と相違する。つまり、第1の構成にかかるインバータ用クーラは、インタークーラに流入させない吸気との熱交換によってインバータ用冷媒の放熱(冷却)を行うのに対して、第2の構成にかかるインバータ用クーラは、インタークーラから流出した吸気との熱交換によってインバータ用冷媒の放熱(冷却)を行う点で双方の構成は相違しており、その他は共通している。
第2の構成によれば、第1の構成と同様に、エンジン要求出力に応じてバイパス分流比を制御することでバイパス通路を流れる吸気の加熱量を調節し、エンジンの吸気温度を適正な温度に調整することができる。さらに、この第2の構成によれば、インタークーラにおいて冷却された後の吸気がバイパス通路に導かれるため、より低温の吸気によってインバータ用冷媒を冷却することができる。
ここで、エンジン要求出力が低いほど吸気の適正温度は高温側に移行し、エンジン要求出力が高いほど吸気の適正温度は低温側に移行する。そこで、第1又は第2の構成において、前記分流比制御手段は、エンジン要求出力が低いときは、該エンジン要求出力が高いときに比べて、前記バイパス分流比を高い値に制御すると良い。
これにより、エンジン要求出力が低いときには、バイパス分流比の制御値を高くすることでインバータ用冷媒の放熱量が多くなり、エンジンの吸気温度を高くすることができる。逆にエンジン要求出力が高いときには、バイパス分流比の制御値を低くすることでインバータ用冷媒の放熱量が少なくなり、エンジンの吸気温度を低く維持することができる。その結果、エンジン要求出力に拘わらず、エンジンの吸気温度を常に適正な温度に調整できる。
よって、エンジン要求出力が低いにも拘わらず吸気温度が過度に低温となることを抑制でき、エンジンのHC排出量の増加や燃費の悪化が抑制される。また、エンジン要求出力が高いにも拘わらず吸気温度が過度に高温となることを抑制でき、エンジンのスモーク排出量の増加が抑制される。すなわち、排気エミッションが悪化することを抑制することができる。
また、モータに要求される出力をモータ要求出力と称すると、エンジン要求出力が小さいときにはモータ要求出力が大きく、逆にエンジン要求出力が大きいときにはモータ要求出力が小さくなることが多い。また、モータ要求出力が高いほどインバータの発熱量は多くなるため、インバータ用冷媒の放熱要求量も多くなる。以上を踏まえると、上記制御では、モータ要求出力が高いとき(高くなり易いとき)は、モータ要求出力が低いとき(低くなり易いとき)に比べて、バイパス分流比が高い値に制御される。これによれば、インバータ用冷媒の放熱要求量が多いときほどインバータ用冷媒の放熱量を増やすことができる。したがって、インバータの冷却要求を充分に満足させることができる。
一方、エンジン要求出力が高いときはバイパス分流比が低く制御されることによってインバータ用冷媒の放熱量は少なくなってしまうが、そもそもエンジン要求出力が高いときにはインバータ用冷媒の放熱要求量は少ないため、インバータの冷却不足などの不都合は生じない。
また、第1又は第2の構成において、前記分流比制御手段は、エンジン要求出力が低いほど前記バイパス分流比を高い値に制御しても良い。
また、第1又は第2の構成において、前記分流比制御手段は、エンジン要求出力が低出力領域に属しているときに前記バイパス分流比を1に制御し、且つ、エンジン要求出力が高出力領域に属しているときに前記バイパス分流比を零に制御しても良い。
これによれば、エンジン要求出力が低出力領域に属しているときには、吸気通路を流れる吸気の全てがバイパス通路に流入するため、インバータ用冷媒の放熱量が最大となり、その結果としてバイパス通路における吸気の受熱量が最大となる。その結果、エンジンの吸気温度の上昇が促進され、HC排出量の低減および燃費の向上が実現する。
また、エンジン要求出力が高出力領域に属しているときには、バイパス通路に対して吸気が一切流入しなくなるため、インバータ用冷媒の放熱量が最小となる。また、この場合には、吸気通路を流れる全ての吸気がインタークーラに流入することで冷却されるので、エンジンに低温の吸気を供給することができ、スモーク排出量を低減することができる。
ハイブリッド電気自動車においては、車両の走行条件や走行状態に応じてエンジンが自動停止させられる場合がある。この自動停止とは、運転者によるイグニッションOFF動作に因らずに、自動的に行われるエンジンの停止動作である。このようなエンジンの自動停止は、例えば、ハイブリッド電気自動車がモータのみの出力を駆動源として走行する場合や、一時停車時におけるアイドルストップ制御時に行われる。このようにエンジンが自動停止されている状態のときには、バイパス通路に吸気が流通しなくなるため、インバータ用冷媒の冷却を効率的に行うことが難しい。
そこで、第1の構成においては、前記エンジンが自動停止されている状態のときに、前記分岐部と合流部との間の吸気通路、前記インタークーラ、および該バイパス通路を含んで形成される環状通路内の吸気を強制的に循環させる強制循環手段を、更に備えると良い。
これによれば、エンジンが自動停止されている状態のときにおいても、バイパス通路を流れる空気とインバータ用冷媒との熱交換を効率良く行い、インバータを好適に冷却することができる。
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、ハイブリッド電気自動車において、モータに給電するインバータの冷却とエンジンに吸入される吸気の適正な温度調整を両立できる技術を提供することができる。
実施例1に係るハイブリッド電気自動車の概略構成を示す図である。 実施例1に係るハイブリッド車両に適用されるエンジンの吸排気系の概略構成を示した図である。 熱交換機構を説明するための説明図である。(a)は、熱交換機構形成区間Aにおけるバイパス管の長手方向の断面を示した図である。(b)は、熱交換機構形成区間Aにおけるバイパス管20の軸線直交断面を示した図である。 実施例1における吸気温度調整制御ルーチンを示すフローチャートである。 吸気温度調整制御におけるエンジン要求出力Pegとバイパス分流比Rabの目標値との関係を表す第1のマップである。 吸気温度調整制御におけるエンジン要求出力Pegとバイパス分流比Rabの目標値との関係を表す第2のマップである。 吸気温度調整制御におけるエンジン要求出力Pegとバイパス分流比Rabの目標値との関係を表す第3のマップである。 実施例2におけるエンジンの吸排気系の構成例を示した図である。 実施例3におけるエンジンの吸排気系の構成例を示した図である。 実施例3における強制循環制御ルーチンを示すフローチャートである。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施例に係るハイブリッド電気自動車(ハイブリッド車両)の概略構成を示す図である。本実施例に係るハイブリッド電気自動車は、駆動源としてのエンジン1及び電動モータMG1,MG2の他、動力分割機構3、減速機4、インバータ5、バッテリ6、ECU7(ECU:Electronic Control Unit)等を主要構造として構成されている。
モータMG1およびMG2は、いずれも発電機として三相交流により駆動することができ、且つ、電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されている。本実施例では、主としてモータとして用いられるMG1を「モータMG1」と称し、発電機(ジェネレータ)として用いられるMG2を「ジェネレータMG2」と称することとする。
図示のように、エンジン1のクランクシャフト11と、モータMG1の回転軸と、ジェネレータMG2の回転軸とは、動力分割機構3を介して相互に連結されている。動力分割機構3は、周知の遊星歯車(図示省略)を採用して、エンジン1、モータMG2、ジェネレータMG2の機械的動力を分配・集合して伝達する。また、モータMG1の回転軸は、減速機4を介して駆動輪の回転軸(車軸)に連結されている。
インバータ5は直流電力を交流電力に変換可能なスイッチング回路を具備する電力変換装置であり、モータMG1およびジェネレータMG2はこのインバータ5を介して直流電力の蓄電池であるバッテリ6と接続されている。また、インバータ5は、昇圧回路を具備しており、バッテリ6の電圧(例えば、DC244.8V)を高電圧(例えば、DC650V)に変換する。そして、インバータ5aは、昇圧させた直流高電圧を交流電圧(例えば、AC650V)に変換する。モータMG1およびジェネレータMG2は、インバータ5を介してバッテリ6との電力の遣り取りを行う。
ECU7は、ハイブリッドシステム全体を制御するための電子制御ユニットであり、主としてエンジン1に係る制御を行うエンジンコントロールコンピュータ(ECC)と、主としてモータMG1やジェネレータMG2等の電力に係る制御を行うハイブリッドコントロールコンピュータ(以下、「HVCC」という)を備える。これらHVCC、ECCは、CPU、ROM、RAM、バックアップRAMなどからなる算術論理演算回路である。
ここで、ECU7には、車両速度(車速)SPを取得する車速センサ、バッテリ6の充電状態SOC( State of Charge )を取得するSOCセンサ、エンジン1のエンジン回
転数NEを取得するクランクポジションセンサ、シフトレバーの操作位置POSを取得するシフトポジションセンサ、アクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度ACC
を取得するアクセルペダルポジションセンサ、ブレーキペダルの踏み込み量に対応するブレーキペダルポジションPOBを取得するブレーキペダルポジションセンサ等の各種センサ(何れも図示省略)が電気配線を介して接続されており、これらの出力信号がECU7へと入力される。
そして、ECU7はこれら各種センサの出力信号に基づいて、エンジン1、モータMG1、バッテリ6等の作動状態を把握すると共に、これらの作動状態に基づいてハイブリッド車両の走行状態を最適化するために、「エンジンモード」、「EVモード」、「HVモード」のうち最適な走行モードを適宜切り替えながら走行する。「エンジンモード」とは、エンジン1の出力のみを駆動源として走行する走行モードであり、「EVモード」とはモータMG1の出力のみを駆動源として走行する走行モードである。また、「HVモード」とは、エンジン1の出力およびモータMG1の出力を駆動源として走行する走行モードである。
例えば、ECU7は、車両の発進時や中速までの定常走行などのようにエンジン効率の比較的低い領域では、「EVモード」が選択され、モータMG1の出力のみで車両を駆動する。また、車両の通常通行時においては、「エンジンモード」、或いは「HVモード」が選択される。この場合には、エンジン1の出力は動力分割機構3で2経路に分割される。2経路のうち一方の経路に分割されたエンジン出力はジェネレータMG2の駆動に用いられる。このようにしてジェネレータMG2によって発電された電力によってモータMG1が駆動されることで、モータ出力が得られる。そして、他方の経路に分割されたエンジン出力は車軸を直接駆動する。ECU7は、夫々の経路の割合が効率最大となるように制御する。車両の加速時は、「HVモード」が選択される。エンジン出力と共にバッテリ6からモータMG1に給電することでモータ出力を発生させることで、加速応答性の優れた滑らかな動力性能を発揮させる。
その他、車両の減速時や制動時には、車輪がモータMG1を駆動させるときの回生エネルギを利用してモータMG1を発電機として作動させる。このようにして、車両の制動エネルギを電力に変換し、回収した電力をバッテリ6に充電する。また、ECU7は、バッテリ6のSOCを監視しており、その充電量が少なくなればエンジン出力によりジェネレータMG2を駆動させることでバッテリ6への充電を行う。また、交差点での信号待ち等のように車両の一時停車時には、エンジン1を自動停止させるアイドルストップ制御が行われる。
次に、エンジン1の吸排気系の概略構成について図2を参照して説明する。図2は、本実施例に係るハイブリッド車両に適用されるエンジンの吸排気系の概略構成を示した図である。図2において、エンジン1は4つのシリンダ(気筒)12を有する水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。
エンジン1には、吸気マニホールド13が接続されており、吸気マニホールド13の各枝管は吸気ポートを介して各シリンダ12の燃焼室と連通されている。エンジン1は、排気エネルギを駆動源として作動するターボチャージャ(過給機)15を具備する過給機付きエンジンであり、吸気管14にはターボチャージャ15のコンプレッサ15aが設けられている。さらに、吸気管14におけるコンプレッサ15aより下流側には、該コンプレッサ15aにより過給された吸気を冷却する水冷式のインタークーラ16が設けられている。このインタークーラ16の冷却水としてはエンジン1の冷却水が導かれる。
コンプレッサ15aよりも上流側の吸気管14には該吸気管14内を流通する空気中の塵や埃を除去するエアクリーナ17が配置されている。また、エアクリーナ17の下流側には、吸気管14を流れる空気の流量を計測するエアフローメータ18が取り付けられて
いる。また、各シリンダ12には、エンジン1の燃焼に供される燃料を噴射する燃料噴射弁19が配置されている。
さらに、本実施例の吸気系では、コンプレッサ15aから流出した過給空気にインタークーラ16を迂回させるバイパス管20を備えている。このバイパス管20は、吸気管14におけるコンプレッサ15aとインタークーラ16との間に位置する分岐部14aから分岐し、インタークーラ16より下流側に位置する合流部14bにて吸気管14と再び合流する。本実施例においてはバイパス管20が本発明におけるバイパス通路に相当する。
吸気管14におけるバイパス管20との接続部、ここでは上流側の接続部である分岐部14aには、該分岐部14aに対して上流側から流れてくる吸気の全流量(VIa)に対するバイパス管20に流入する吸気の流量(VIb)の比であるバイパス分流比(Rab=VIb/VIa)を変更可能な分流比変更弁21が設けられている。ちなみに、吸気の全流量(VIa)のうち、インタークーラ16側に流れてゆく吸気の流量を符号VIcで表すと、VIa=VIb+VIcが成立する。分流比変更弁21は、電気配線を介してECU7に接続されており、ECU7によってバイパス分流比Rabが制御される。本実施例においては、エンジン1に要求されるエンジン要求に応じてバイパス分流比Rabが制御される。本実施例においては分流比変更弁21、およびエンジン要求出力に応じて分流比変更弁21を制御するECU7が本発明における分流比制御手段を構成する。
以上のように構成されたエンジン1の吸気系では、吸気管14を流れる吸気がエアクリーナ17によって塵や埃が除去された後、コンプレッサ15aに内装されたコンプレッサホイールの回転によって圧縮される。そして、圧縮されて高温となった吸気は、適宜、インタークーラ16にて冷却された後、各シリンダ12に分配される。本実施例においては、吸気管14、吸気マニホールド13を含んで本発明における吸気通路が構成される。
一方、エンジン1には排気マニホールド33が接続されており、排気マニホールド33の各枝管は排気ポートを介して各シリンダ12の燃焼室と接続されている。排気マニホールド33は排気管34が接続されており、この排気管34にはターボチャージャ15のタービン15bが配置されている。また、タービン15bよりも下流側の排気管34には排気中の有害物質を浄化するための排気浄化装置35が配置されており、排気管34はさらに下流にてマフラー(図示省略)に接続されている。この排気浄化装置35の内部には、上流側から酸化触媒35a及び排気中の微粒子物質(PM)を捕集するPMフィルタ35bが直列に配置されている。
このように構成されたエンジン1の排気系では、各シリンダ12で燃焼された既燃ガスが排気ポートを介して排気マニホールド33に排出され、次いでターボチャージャ15のタービン15bに流入する。タービ15bに流入した排気は、その排気エネルギによってタービン15b内に回転自在に支持されたタービンホイールを回転させ、その回転トルクがコンプレッサ15aのコンプレッサホイールに伝達される。タービン15bから排気管34に流出した排気は、排気浄化装置35を通過して浄化された後、マフラーを介して大気中に放出される。
さらに、エンジン1は、排気浄化装置35より下流の排気管34を流れる比較的低圧の排気の一部をEGRガスとしてコンプレッサ15aより上流の吸気管14へと還流(再循環)させる低圧EGR装置36を備える。この低圧EGR装置36は、排気浄化装置35より下流側の排気管34とコンプレッサ7aより上流側の吸気管14とを接続するEGR管37、EGR管37内を流れるEGRガス(還流排気ガス)の流量を調節可能なEGR弁38、EGR管37に配置されると共にEGRガスを冷却するEGRクーラ39により構成されている。このEGRクーラ39は水冷式であり、エンジン1の冷却水が該EGR
クーラ39へと導かれる。
このように構成された低圧EGR装置36は、EGR弁38が開弁されるとEGR通路37が導通状態となり、排気浄化装置35から流出した比較的に低圧の排気の一部がコンプレッサ15aよりも上流側の吸気管14へと還流する。ここで、吸気管14におけるEGR管37との接続部の直上流部分には、当該接続部を流れる空気の流量を調節するスロットル弁22が配置されている。このスロットル弁22は、ECU7と電気的に接続され、該ECU7によって制御される。ECU7は、スロットル弁22の開度と、EGR弁38の開度の夫々をエンジン1の運転状態に応じて調節することで、エンジン1に吸入される吸気のEGR率(吸気に含まれるEGRガスの割合)を運転状態に適した制御値となるように調節している。
前述したように、直流電源であるバッテリ6から供給される直流電力は、インバータ5によって三相交流電力へと逆変換されてからモータMG1へと給電される。インバータ5は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はパワーMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタといったスイッチング素子によって構成されたスイッチング回路と、このスイッチング素子のON/OFF動作を制御するスイッチング制御回路と、さらに各種センサ信号の処理や電源生成等を行なうインバータ制御回路、昇圧回路等から構成することができる。このように構成されるインバータ5は、動作状態により高温になり得る部品である。また、このインバータ5は、車両への搭載スペース上の制約があるため、エンジンルーム付近など高温環境下に配置されることが多く、インバータ5を効率的に冷却することが重要である。
そこで、本実施例では、多くの熱を発するインバータ5を冷却する冷却装置としてのインバータ用クーラ23を備える。インバータ用クーラ23は、インバータ5を冷却するための冷媒としての冷却水(以下、「インバータ用冷却水」という)を供給して該インバータ5を冷却し、インバータ5によって加熱されたインバータ用冷却水をバイパス管20内の吸気に放熱することによって再び冷却する装置である。インバータ用クーラ23は、インバータ用冷却水が循環する冷却水循環路24、ウォータポンプ25、バイパス管20を流れる吸気とインバータ用冷却水との間の熱交換を行うことによってインバータ用冷却水を冷却する熱交換機構26、を主要な構造部材として構成される。なお、ウォータポンプ25は、ECU7と電気的に接続されている電子制御式のポンプであり、該ECU7からの制御信号により作動することでインバータ用冷却水を吐出し、冷却水循環路24を循環させることができる。
冷却水循環路24は、具体的にはインバータ5a、ウォータポンプ25を接続する環状の循環経路であり、外部冷却水路24aと、バイパス管20内部に形成されるバイパス管内部水路20dとにより構成される(バイパス管内部水路20dの詳細については後述する)。
熱交換機構26は、バイパス管20の長手方向(軸線方向)における全部又は一部の区間に形成されている。本実施例では、図2に示す如く、バイパス管20の長手方向の一部の区間(以下、「熱交換機構形成区間」という)Aにわたり形成されている。図3は、熱交換機構26を説明するための説明図である。(a)は、熱交換機構形成区間Aにおけるバイパス管20の長手方向(軸線方向)の断面を示した図である。(b)は、熱交換機構形成区間Aにおけるバイパス管20の長手方向と直交する断面(以下、「軸線直交断面」という)を示した図である((b)は、(a)のA−A矢視方向断面図である)。
(b)に示すように、熱交換機構形成区間Aにおいて、バイパス管20は、外管20aの内側に内管20bを備えたいわゆる二重管構造となっている。バイパス管20の軸線直
交断面内の領域は、内管20bの内側に形成された円形状の領域である流路20cと、内管20bの外周を覆うように外管20aとの間に形成されたドーナツ形状の領域である流路20dと、に区画されている。
(a)に示すように、熱交換機構形成区間Aの両端部において、外管20aと内管20bとは接続壁20eによって接続されており、熱交換機構形成区間A以外の区間におけるバイパス管20内の流路と区間Aにおける流路20dとは接続壁20eによって遮断されている。それ故、熱交換機構形成区間Aの上流側からバイパス管20を流れてくる吸気が流路20dに流れ込むことはなく、確実に流路20cを通過することになる。
熱交換機構形成区間Aの一方の端部近傍において、外管20aを貫通する導入ポート20fが開口している。また、同区間Aの他方の端部近傍においても外管20aを貫通する排出ポート20gが開口している。この導入ポート20fと排出ポート20gとには外部冷却水路24aが接続されており、これらを介して、バイパス管20における流路20dと外部冷却水路24aとが接続される。したがって、外部冷却水路24a内のインバータ用冷却水は熱交換機構形成区間Aの一方の端部側において導入ポート20fから流路20dへと流入し、同区間Aの他方の端部側まで当該流路20dを流通することになる。その後、流路20d内のインバータ用冷却水は、排出ポート20gから再び外部冷却水路24aへと流出する。
ここで、流路20dは、インバータ用冷却水の流路であるため、以下「バイパス管内部水路20d」と称することとする。このバイパス管内部水路20dは、これに接続される外部冷却水路24aと共に環状の冷却水循環路24(本発明における冷媒循環路に相当する)を構成する。さらに、本実施例における内管20bは、熱伝導率の高い金属性材料で形成され、バイパス管20の流路20cを流れる吸気とバイパス管内部水路20dを流れるインバータ用冷却水との間の熱交換が行われ、インバータ用冷却水の熱が流路20cを流れる吸気に放熱される。本実施例においては内管20bが本発明における放熱部に相当する。ここで、図3(b)に示した内管20bの軸線直交断面は円筒形状であるが、他の形状を採用することができる。例えば、内管20bの好ましい断面形状として、その一部又は全部を連続した波形形状に形成すると良い。これによれば、内管20bの表面積が増大して、インバータ用冷却水と吸気との熱交換がより促進される。なお、上記波形形状とは、三角波、正弦波、のこぎり波、方形波、或いはこれらの組み合わせた波等を例示できる。
以上のように構成されたインバータ用クーラ23によれば、ECU7がウォータポンプ25を作動させることでインバータ用冷却水は冷却水循環路24を循環する。すなわち、インバータ用冷却水は、外部冷却水路24aからインバータ5内に流入し、インバータ5において発生した熱が伝達される。これにより、インバータ5が冷却されると共に、インバータ用冷却水が加熱される。このようにして昇温したインバータ用冷却水はインバータから流出し、バイパス管20に形成された導入ポート20fからバイパス管内部水路20dへと流入する。そして、インバータ用冷却水がバイパス管内部水路20dを流れる際にその熱が内管20bに伝達され、この伝達された熱はバイパス管20の流路20cを流れる吸気に放熱される。その結果、インバータ用冷却水がバイパス管20を流れる吸気によって冷却される。その後、このように冷却されたインバータ用冷却水は排出ポート20gから外部冷却水路24aへと流出し、再びインバータ5に導入されることで、インバータ5が冷却される。その結果、インバータ5の内部抵抗が低減され、エネルギ損失が減少する。
ここで、バイパス管20を流れる吸気はインバータ用冷却水との熱交換によって加熱されるため、常にインバータ5の冷却を優先させたのではエンジン1の吸気の温度(以下、
単に「吸気温度」という)が高くなり過ぎてしまう場合がある。エンジン1の吸気温度として適正な温度は、エンジン1に要求される出力であるエンジン要求出力Pegに応じて相違するからである。具体的には、エンジン要求出力Pegが比較的低いと判断される領域である低出力領域に属しているときには、エンジン1からのHC排出量の低減および燃費の向上を図るために、吸気温度を高くすることが要求される。一方、エンジン要求出力Pegが比較的高いと判断される領域である高出力領域に属しているときには、エンジン1からのスモーク排出量を低減するために比較的低温の吸気をエンジン1に供給することが要求される。
そこで、本実施例においては、バイパス管20を流れる吸気とインバータ用冷却水との熱交換量、言い換えると当該吸気へのインバータ用冷却水の放熱量をエンジン要求出力Pegに応じて調節し、吸気を適正な温度(以下、「適正温度」ともいう)に調整する制御(以下、「吸気温度調整制御」という)を実施する。ここで、バイパス管20を流れる吸気はインバータ用冷却水の冷媒として機能するため、バイパス分流比Rabが高いほどインバータ用冷却水の放熱量は多くなる。そこで、本実施例における吸気温度調整制御では、ECU7がエンジン要求出力Pegに応じてバイパス分流比Rabを制御し、インバータ用冷却水の放熱量を調節することにより吸気を適正温度に調整する。以下、ECU7によって実行される吸気温度調整制御の具体的な処理内容を図4のフローチャートを参照して説明する。
図4は、本実施例における吸気温度調整制御ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、ECU7のROMに記憶されたプログラムであり、ハイブリッド車両の走行時に一定周期毎に実行される。本ルーチンが実行されると、ステップS101では、ECU7は、各種センサの出力信号、例えばアクセル開度ACCや車速SP等に基づいて運転者から車両に要求される要求総出力Pallを算出する。
ステップS102では、ECU7は、要求総出力Pallやその他車両の走行条件などに基づいて車両に最適な走行モードを「エンジンモード」、「EVモード」、「HVモード」のうちから選択し、決定する。ここで、ステップS103では、ステップS102において選択された走行モードが「エンジンモード」と「HVモード」の何れであるかどうかを判定する。本ステップにおいて肯定判定された場合、すなわち「エンジンモード」又は「HVモード」が選択されていると判定された場合にはステップS104に進み、「EVモード」が選択されていると判定された場合には本ルーチンを一旦抜ける。
ステップS104では、エンジン要求出力Pegを算出する。ここでのエンジン要求出力Pegは、車両の走行モードが「エンジンモード」である場合にはステップS101で算出した要求総出力Pallに一致し、「HVモード」である場合には、要求総出力Pall、およびエンジン1とモータMG1とにおける出力の分担比率に基づいて算出される。
ステップS105では、算出したエンジン要求出力Pegを図5に示すようなマップに代入してバイパス分流比Rabの目標値を算出する。図5は、吸気温度調整制御におけるエンジン要求出力Pegとバイパス分流比Rabの目標値との関係を表す第1のマップである。このマップでは、エンジン要求出力Pegの領域が、予め設定されている高出力側基準値Psh1との大小関係に応じて低中出力領域Aplomid、高出力領域Aphiの2つの領域に区分されている。すなわち、エンジン要求出力Pegが高出力側基準値Psh1未満の領域が「低中出力領域Aplomid」、エンジン要求出力Pegが高出力側基準値Psh1以上の領域が「高出力領域Aphi」に対応している。
本実施例おいては、バイパス分流比Rabの目標値はエンジン要求出力Pegに応じて
定められており、より詳しくは、エンジン要求出力Pegが低いときは、該エンジン要求出力Pegが高いときに比べて、バイパス分流比Rabの目標値が高くなるように定められている。そして、第1のマップでは、バイパス分流比Rabの目標値は、エンジン要求出力Pegの区分毎にその関係が定められており、具体的にはエンジン要求出力Pegが低中出力領域Aplomidに属しているときには、バイパス分流比Rabの目標値が1に設定され、エンジン要求出力Pegが高出力領域Aphiに属しているときには、バイパス分流比Rabの目標値が零(0)に設定されている。
一旦、図4のフローチャートに戻ると、続くステップS106では、ECU7は、バイパス分流比Rabが図5のマップから算出された目標値となるように分流比変更弁21を制御する。そして、本ステップの処理が終了すると本ルーチンを一旦抜ける。
図5に戻り、エンジン要求出力Pegとバイパス分流比Rabとの関係について詳しく述べると、バイパス管20に流入する吸気はインバータ用冷却水を冷却する冷媒として機能するため、当該冷媒の供給量が多いほどインバータ用クーラ23によるインバータ用冷却水の放熱量が多くなる。
本制御では、エンジン要求出力Pegが低中出力領域Aplomidに属しているときにバイパス分流比Rabが1に制御される。バイパス分流比Rabが1とは、吸気管14の分岐部14aに対して上流側から流れてくる吸気の全てがバイパス管20に流入することを意味する。したがって、かかる制御によれば、インバータ用冷却水の放熱量が最大となる(吸気の受熱量が最大となる)。その結果、吸気温度の上昇が促進され、HC排出量の低減および燃費の向上が実現する。
また、エンジン要求出力Pegが低中出力領域Aplomidに属するときは、エンジン要求出力Pegが低い反面、モータMG1に要求されるモータ要求出力Pmgが高くなる場合が多い。また、モータ要求出力Pmgが高いほどインバータ5の発熱量が多くなるため、インバータ5は高温環境下に晒され易くなる。これに対して、本制御によれば、インバータ5の発熱量が多くなり易い条件が成立するときにインバータ用冷却水の放熱量を最大とすることができるので、インバータ5の冷却を好適に促進させることができる。
また、エンジン要求出力Pegが高出力領域Aphiに属しているときには、バイパス分流比Rabが零(0)に制御される。バイパス分流比Rabが零とは、吸気管14の分岐部14aに対して上流側から流れてくる吸気の全てがインタークーラ16側に流入し、バイパス管20側には一切流入しないことを意味する。したがって、この制御によればインバータ用冷却水の放熱量が最小となる(吸気の受熱量が最小となる)。さらに、この場合には、吸気管14を流れる全ての吸気がインタークーラ16に流入することで冷却されるので、インタークーラ16における吸気の放熱量を最大とすることができる。その結果、エンジン1に対して低温の吸気を供給することができ、スモーク排出量を低減することができる。
また、この制御によれば、エンジン要求出力Pegが高出力領域Aphiに属する場合にインバータ用冷却水の冷却が積極的には行われなくなるが、その際にはモータ要求出力Pmgが低く、インバータ5における発熱量が比較的少ない状況とある。このような状況下においては、インバータ用冷却水の冷却を促進させるよりも吸気温度の上昇を抑制することのメリットが多く、本制御ではそのメリットを優先させている。
以上のように、本実施例における吸気温度調整制御によれば、インバータ5の廃熱を吸気の暖気のために有効利用し、吸気を適正温度に制御することができる。その結果、排気エミッションの向上や燃費の向上を図ることができる。また、かかる場合に、インバータ
5の冷却不足が起こることもなく、インバータ5の温度を適正に制御することができる。したがって、インバータ5に熱が過剰に籠もることがなくその内部抵抗も低減されるため、インバータ5におけるエネルギ損失が好適に低減される。
以下、本実施例における変形例について説明する。図6は、吸気温度調整制御におけるエンジン要求出力Pegとバイパス分流比Rabの目標値との関係を表す第2のマップである。この第2のマップでは、エンジン要求出力Pegが低いほどバイパス分流比Rab(の目標値)が高い値に設定される。このような第2のマップに従って、エンジン要求出力Pegとバイパス分流比Rabとの制御値との関係を定めても良い。ここで、エンジン要求出力Pegが低いほど、エンジン1の吸気の適正温度は高くなり、また、インバータ用冷却水の放熱要求量も高くなる。したがって、この第2のマップのようにエンジン要求出力Pegが低いほどバイパス分流比Rabを制御することで、インバータ5の冷却要求を満足させつつ、エンジン1の吸気を適正な温度に精度良く調整することができる。
なお、図6に示した第2のマップでは、吸気温度調整制御におけるエンジン要求出力Pegとバイパス分流比Rabの目標値との関係を直線的な関係として定めているが、曲線的関係やその他の関数系として定めても良い。また、エンジン要求出力Pegの変化に伴ってバイパス分流比Rabの目標値が連続的に(徐々に)変化していなくても良く、例えば、バイパス分流比Rabの目標値を段階的(階段状に)に変化させていっても良い。
また、図7は、吸気温度調整制御におけるエンジン要求出力Pegとバイパス分流比Rabの目標値との関係を表す第3のマップである。この第3のマップでは、低中出力領域Aplomidが予め設定されている低出力側基準値Psh2を境に、低出力領域Aploと中出力領域Apmidの2つの領域にさらに区分されている。ここでは、エンジン要求出力Pegが低出力側基準値Psh2以下となる領域が「低出力領域Aplo」、低出力側基準値Psh2を超えて高出力側基準値Psh1未満の領域が「中出力領域Apmid」となっている。
そして、この第3のマップでは、高出力領域Aphiに属しているときには、バイパス分流比Rabの目標値が零(0)に設定される点で第1のマップと同様である。次に、第1のマップとの相違点は、エンジン要求出力Pegが低出力領域Aploに属しているときには、バイパス分流比Rabの目標値が1に設定され、エンジン要求出力Pegが中出力領域Apmidに属しているときには、エンジン要求出力Pegが低いときほどバイパス分流比Rab(の目標値)が高い値に設定される点にある。ここで、エンジン要求出力Pegが低出力領域Aploに属しているときにバイパス分流比Rabを1に制御する技術的意義は、第1のマップにおいて低中出力領域Aplomidに属しているときにバイパス分流比Rabを1に制御することと同じであり、詳しい説明を省略する。
また、第3のマップによれば、エンジン要求出力Pegが中出力領域Apmidに属しているときには、エンジン要求出力Pegが低いときほどバイパス分流比Rabが高い値に制御され、エンジン要求出力Pegが高いときほどバイパス分流比Rabが低い値に制御される。中出力領域Apmidは、低出力領域Aploと高出力領域Aphiとの間の領域に該当しており、吸気の適正温度の高低、およびインバータ5の発熱量はエンジン要求出力Pegに応じて変化する。
すなわち、中出力領域Apmidにおいては、エンジン要求出力Pegが低いほど吸気の適正温度は高温側に移行し、且つ、インバータ5の発熱量が多い。逆に、エンジン要求出力Pegが高いほど、吸気の適正温度は低温側に移行し、且つ、インバータ5の発熱量が少ない。
本制御によれば、エンジン要求出力Pegが中出力領域Apmidに属しているときには、エンジン要求出力Pegが低いときほどバイパス分流比Rabが高い値に制御されるので、それに伴ってインバータ用冷却水の放熱量が多くなる。その結果、インバータ5を効率的に冷却し、且つ、吸気を効率的に昇温させることができる。逆に、エンジン要求出力Pegが高いときほどバイパス分流比Rabが低い値に制御されるので、それに伴ってインバータ用冷却水の放熱量が少なくなる。その結果、吸気が過度に昇温することを抑制することにより吸気を適正温度に維持することができる。
また、エンジン要求出力Pegが高くなるに従ってインバータ5の冷却要求量は一般に少なくなるため、このようにエンジン要求出力Pegが高くなるに従ってインバータ用冷却水の放熱量が少なくなっても、インバータ5の冷却不足などの不都合は生じない。したがって、これによれば、インバータ5の温度と、エンジン1の吸気温度の双方を適正な温度により好適に調整することができる。なお、図7に示した第3のマップにおいて、低出力側基準値Psh2や高出力側基準値Psh1を境に、バイパス分流比Rabの目標値が連続しているが、不連続となって(段差が生じて)も構わない。また、中出力領域Apmidに対応するバイパス分流比Rabの目標値として0と1との間の一定値を採用しても良い。
次に、ハイブリッド車両の走行モードを「EVモード」から「エンジンモード」或いは「HVモード」に移行させるときの制御(以下、「エンジン始動時制御」という)について説明する。ここで、インバータ5には、該インバータ5の雰囲気温度(以下、単に「インバータ温度」という)THinvを測定する温度センサ5aが設けられている。この温度センサ5aはECU7と電気配線を介して接続され、ECU7は温度センサ5aから入力される信号に基づいてインバータ温度THinvを取得することができる。
本実施例のエンジン始動時制御の概略としては、「EVモード」で走行中の車両に対し、要求総出力Pallやその他走行条件の変化等に起因して車両に最適な走行モードが「エンジンモード」或いは「HVモード」に移行したとECU7が判断した場合、ECU7は現在のインバータ温度THinvを温度センサ5aの出力信号に基づいて取得する。そして、ECU7は、エンジン1を始動させ、且つ、バイパス分流比Rabを1に制御して吸気温度調整制御を実施した場合に得られるであろう吸気の吸気温度THinを、インバータ温度THinvの取得値と、外気温度THosの取得値に基づいて推定する。因みに、ここでの吸気温度THinとは、エンジン1に吸入される段階での吸気の温度である。なお、外気温度THosは外気温度を測定するセンサ等に基づいて取得することができる。
ECU7は、吸気温度THinの推定値が、エンジン要求出力Pegが低出力領域Aploに属するときの吸気の適正温度(以下、「低出力時適正温度」という)THlo以上であるか否かを判定する。この低出力時適正温度は、実験などの経験則に基づいて予め設定しておく。そして、ECU7は、吸気温度THinの推定値が低出力時適正温度THlo以上であると判定した場合に、エンジン1を始動させてもHC排出量が過度に増加したり燃費が悪化する虞がないと判断する。そして、ECU7は、「EVモード」からの「エンジンモード」或いは「HVモード」への走行モードの変更を許可し、エンジン1を始動させる。
一方、ECU7が、吸気温度THinの推定値が低出力時適正温度THlo未満であると判定した場合、吸気温度調整制御をたとえ実行しても、吸気温度THinが低出力時適正温度THloまで上昇させることが困難であると判断する。従って、この場合にECU7は、「EVモード」からの「エンジンモード」或いは「HVモード」への走行モードの変更を禁止する。これにより、エンジン1の始動が規制され、HC排出量が過度に増加し
たり燃費が悪化することを未然に防ぐことができる。
次に、前述のエンジン始動時制御の変形例を説明する。この変形例において、ECU7は、車両が「EVモード」で走行している間、インバータ温度THinvを所定の周期毎に取得する。そして、ECU7は、インバータ温度THinvを取得する毎に、吸気温度THinを、インバータ温度THinvの取得値と外気温度THosの取得値に基づいて推定する。そして、ECU7は、吸気温度THinの推定値が低出力時適正温度THlo以上であるか否かを判定し、肯定判定(THin≧THlo)の場合には、エンジン要求出力Pegが低出力領域Aploに属する範囲内でエンジン1を強制的に始動させる。つまり、車両の走行モードを「EVモード」から「HVモード」或いは「エンジンモード」の何れかに強制的に変更する。これにより、現在、車両に最適な走行モードがEVモードである場合であってもバイパス管20を流れる吸気とインバータ用冷却水との間の熱交換を行わせ、インバータ5の冷却を促進させることができる。なお、上記判定において否定判定(THin<THlo)された場合には、エンジン1の強制的な始動は行わずに「EVモード」での走行状態が維持される。
次に、第2の実施例について説明する。図8は、本実施例におけるエンジンの吸排気系の構成例(本実施例の構成を「第2構成例」という)を示した図である。ここで、図2に示した実施例1に係る構成(以下、「第1構成例」という)と共通する部材に関しては同じ符号を付すことでその説明を省略するものとする。
第2構成例では、バイパス管20の吸気管14からの分岐部14aおよび合流部14bの位置が、第1構成例と相違する。すなわち、第2構成例においては、分岐部140aが吸気管14におけるインタークーラ16より下流側の部分に形成され、且つ、合流部140bが分岐部140aよりさらに下流位置に形成されている。これにより、第2構成例にかかるバイパス管200は、吸気管14におけるインタークーラ16より下流の分岐部140aから分岐し、この分岐部140aより下流の合流部140bにて吸気管14と再び合流する。
また、第2構成例においても、分岐部140aには、分流比変更弁21と同等の機能を有する第2分流比変更弁210が設けられている。この第2分流比変更弁210もECU7と電気配線を介して接続されており、ECU7によって制御される。
次に、第2構成例における吸気温度調整制御を説明すると、第1構成例の場合と同様に、この構成においてもECU7はエンジン要求出力Pegに応じてバイパス分流比Rabを制御する。第2構成例においては、第2分流比変更弁210、およびエンジン要求出力Pegに応じてバイパス分流比Rabを制御するECU7が本発明における分流比制御手段を構成する。その他の構成部材については、第1構成例と同等であり、例えば共通のインバータ用クーラ23を備えている。なお、第2構成例におけるバイパス管200は、バイパス管20と同等の内部構造(図3で説明した二重管構造)を有し、インバータ用クーラ23の熱交換機構26は、バイパス管200(より詳しくは、バイパス管200のバイパス管内部水路20d)を流れる吸気とインバータ用冷却水との間の熱交換を行うことによってインバータ用冷却水を冷却する。
次に、第2構成例における吸気温度調整制御についても、図4のフローチャートで説明した実行ルーチンを適用することができる。また、吸気温度調整制御時におけるエンジン要求出力Pegとバイパス分流比Rabの制御値の関係は、図5〜7で説明した第1〜第3の何れのマップをも適用することができる。
以上のように構成された第2構成例における吸気温度調整制御の特徴点は、インタークーラ16から流出した吸気(すなわち、インタークーラ16において冷却された後の吸気)がバイパス管200に導かれる点にある。したがって、本構成例における吸気温度調整制御に際しては、第1の構成例に比べて、バイパス管200により低温の吸気が導かれる。第3のマップ(図7)に従ってバイパス分流比Rabを制御する場合を例に説明すると、エンジン要求出力Pegが低出力領域Aploに属しているときにはバイパス分流比Rabが1に制御されることによって、吸気管14を流れる吸気の全てがバイパス管200に流入する。ここで、バイパス管200に流入する吸気は既にインタークーラ16で冷却されているため、インバータ用冷却水の冷却効率が一層向上し、インバータ5がより効率的に冷却される。また、エンジン1に吸入される吸気の温度に関しては、インバータ用冷却水からの受熱効率が向上するため、吸気温度が適正温度に比して過度に低くなる虞もない。
次に、エンジン要求出力Pegが高出力領域Aphiに属しているときには、バイパス分流比Rabが零に制御されて、吸気管14を流れる吸気の全てがバイパス管200を迂回してエンジン1に吸入される。すなわち、インタークーラ16で冷却した吸気を、インバータ用冷却水により加熱されることなく低温に維持したまま、エンジン1へと導入させることができる。したがって、エンジン1からのスモークの排出量を確実に低減し、排気エミッションが悪化することを抑制することができる。
また、エンジン要求出力Pegが中出力領域Apmidに属しているときには、エンジン要求出力Pegが高くなるに従ってバイパス分流比Rabが減少してゆくように制御される。このようにバイパス分流比Rabを制御するのは、エンジン要求出力Pegの上昇と共に吸気の適正温度が低下することに因るものであるが、本構成例においては、バイパス分流比Rabの等しい条件下で第1の構成例と比較した場合、エンジン1に吸入される吸気の温度は低くなる。これによれば、エンジン要求出力Pegがより高出力側に移行したときにおいても、バイパス分流比Rabを比較的高い値に維持することができる。つまり、エンジン要求出力Pegがより高いときであっても、エンジン1のスモーク排出量を抑制しつつ、インバータ5の冷却を継続して行うことができる。
なお、以上述べた第2構成例において、実施例1で説明したエンジン始動時制御を適用することができるのは勿論である。また、第1構成例(図2)においては分流比変更弁21を吸気管14の分岐部14aに配置し、第2構成例(図8)においては第2分流比変更弁210を吸気管14の分岐部140aに配置したが、バイパス分流比Rabを変更できる装置であれば、その構成、配置位置、個数などを適宜変更しても勿論構わない。例えば、分流比変更弁21(第2分流比変更弁210)と同等な弁を吸気管14の合流部14b(140b)に設けてもバイパス分流比Rabを変更可能である。或いは、吸気管14の分岐部14a(140a)と合流部14b(140b)の間の部分と、バイパス管20(200)の各々に流路の断面積を変更可能な弁を配置して、バイパス分流比Rabを変更するようにしても良い。
次に、第3の実施例について説明する。図9は、本実施例におけるエンジンの吸排気系の構成例(本実施例の構成を「第3構成例」という)を示した図である。ここで、図2に示した第1構成例と共通する部材に関しては同じ符号を付すことでその説明を省略する。また、ここでは、第1構成例と相違する構成、および本実施例特有の制御内容を中心に説明する。
第3構成例では、第1構成例を基本構成とした上で、吸気管14の合流部14bに遮断弁40を配置する。この遮断弁は、ECU7と電気配線を介して接続されており、ECU
7によって第1ポジションと第2ポジションを切り替えられるようになっている。遮断弁40が第1ポジションに切り替えられると、吸気管14における合流部14bの上流側と該合流部14bの下流側と、バイパス管20の全てが導通する。一方、遮断弁40が第2ポジションに切り替えられると、吸気管14における合流部14bの上流側とバイパス管20とが導通した状態で、これらが共に該合流部14bの下流側と遮断される。
また、第3構成例におけるバイパス管20には、エアポンプ41が配置されている。このエアポンプ41は、ECU7と電気的に接続されている電子制御式の空気吐出ポンプであり、該ECU7からの制御信号により作動する。
本実施例では、エンジン1が自動停止されている状態のときに、インバータ用クーラ23によってインバータ5を冷却する制御について説明する。インバータ用クーラ23は、バイパス管20を流れる吸気とインバータ用冷却水との間で熱交換を行わせてインバータ用冷却水を冷却し、ひいてはインバータ5を冷却する冷却装置である。したがって、ハイブリッド車両の走行モードとして、エンジン1が自動停止させられる「EVモード」が選択されている時には、バイパス管20に吸気が流通しなくなり、インバータ用冷却水の冷却を効率的に行うことが難しい。そこで、本実施例においては、エンジン1の自動停止中に、吸気管14の分岐部14aと合流部14bとの間の部分、インタークーラ16、およびバイパス管20を含んで形成される環状通路(図9中、矢印CWで図示する)内の空気(吸気)を強制的に循環させる強制循環制御を実行し、インバータ用冷却水の冷却を促進させる。
図10は、本実施例における強制循環制御ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、ハイブリッド車両の走行時に一定周期毎にECU7によって実行される。本ルーチンが実行されると、ステップS201では、ECU7は、現在の車両の走行モードが「エンジンモード」或いは「HVモード」であるか否かを判定する。「エンジンモード」或いは「HVモード」の何れか(すなわちエンジン1が稼働している状態)であると判定された場合には、ステップS202に進み、そうでない場合には本ルーチンを一旦抜ける。
ステップS202では、アイドルストップ制御の実行条件が成立しているか否かを判定する。このアイドルストップ制御は、上述のように車両の一時停車時にエンジン1を自動的に停止させる制御である。本ルーチンではイグニッションがONの状態で、車速センサから取得した車速SPが「0」であり、且つブレーキペダルポジションセンサから取得したブレーキペダルポジションPOBがブレーキペダルの踏み込み操作がなされている状態を表している場合にアイドルストップ制御の実行条件が成立するようしているが、他の条件を採用しても構わない。
ステップS202において、アイドルストップ制御の実行条件が成立していると判定された場合にはステップS204に進み、当該実行条件が成立していないと判定された場合には、ステップS203に進む。ステップS203においてECU7は、各種センサから入力される信号に基づき、車両の走行モードを「EVモード」に変更させるEVモード変更要求が出されているか否かを判定する。本判定は、車両に要求される要求総出力Pallやその他車両の走行条件などに基づいて車両に最適な走行モードを判定することで行われる。本ステップにおいて、「EVモード」へのEVモード変更要求が出されていると判定された場合には、ステップS204に進み、そうでない場合には本ルーチンを一旦抜ける。
ステップS204では、ECU7は強制循環制御を実行する。具体的には、EGR弁38、スロットル弁22、分流比変更弁21、遮断弁40、エアポンプ41の各々の装置を
制御する。まず、ECU7は、EGR弁38およびスロットル弁22を閉弁し、バイパス分流比Rabが0より大きく1より小さい所定の中間分流比となるように分流比変更弁21を制御する。また、ECU7は、遮断弁40を第1ポジションから第2ポジションに切り替える(遮断弁40は、通常時において第1ポジションに制御されている)。各弁装置をこのように制御することで、吸気管14におけるスロットル弁22より下流側の部分から、遮断弁40が配置される合流部14bより上流側の部分までの間が、その他の部分(スロットル弁22より上流側の吸気管14、合流部14bより下流側の吸気管14、EGR管37等)と遮断(隔離、区画)される。
さらに、ECU7は、この状態で、エアポンプ41を作動させる。その結果、吸気管14の分岐部14aと合流部14bとの間の部分、インタークーラ16、およびバイパス管20を含んで形成される環状通路CW内を空気(吸気)が強制的に循環させられる。ここで、環状通路CWには、上述のようにインタークーラ16およびバイパス管20が含まれているため、バイパス管20にはインタークーラ16において冷却された空気が循環する。これにより、インバータ用クーラ23の熱交換機構26において、バイパス管20(バイパス管内部水路20d)を流れる空気とインバータ用冷却水との熱交換が促進され、インバータ5が効率的に冷却される。また、インバータ用冷却水からの放熱によって昇温した空気は、環状通路CW内を循環して再びインタークーラ16で冷却されるので、バイパス管20(バイパス管内部水路20d)に常に低温の空気を供給し続けることができる。
本実施例においてはステップS204の処理を実行するECU7が本発明における強制循環手段に相当する。ステップS204の処理が終了すると本ルーチンを一旦抜ける。なお、ECU7は、エンジン1の始動条件が成立した場合に強制循環制御を終了すると共にエンジン1を始動させる。このエンジン1の始動条件は、アイドルストップ制御の解除条件が成立し、或いは車両に最適な走行モードが「EVモード」から「エンジンモード」或いは「HVモード」への変更された場合に成立する。また、アイドルストップ制御の解除条件は、シフトポジションセンサから取得したシフトレバーの操作位置POSが「Dレンジ」、或いは「Rレンジ」を示し、且つ、アクセルペダルポジションセンサが取得したアクセル開度ACCがアクセルペダルの踏み込み操作がなされている状態を表している場合に成立しても良い。
以上のように、本実施例に係る強制循環制御によれば、エンジン1が自動停止されている状態のときにおいても、バイパス管20を流れる空気とインバータ用冷却水との熱交換を効率良く行い、インバータ5を好適に冷却することができる。
なお、本実施例における強制循環制御の実行に際しては、エンジン1の自動停止中に、吸気管14の分岐部14aと合流部14bとの間の部分、インタークーラ16、およびバイパス管20を含んで形成される環状通路CW内における空気(吸気)を循環させることができる構成であれば、他の構成を適宜採用することができる。
例えば、強制循環制御に際して、EGR弁38、スロットル弁22を閉弁しているが、このように制御するのは第3構成例に本制御を適用する場合には好適であるが、これらは環状通路CW内における空気(吸気)を循環させるための一手法であり他の方法を採用しても構わない。例えば吸気管14の分岐部14aに遮断弁40と同等の第2遮断弁を配置しても良い。この第2遮断弁は、強制循環制御を実行しないときに第1ポジションに切り替えられ、吸気管14における分岐部14aの上流側と該分岐部14aの下流側と、バイパス管20の全てが導通する。また、強制循環制御を実行するときには第2ポジションに切り替えられ、吸気管14における分岐部14aの下流側とバイパス管20とが導通した状態で、これらが共に該分岐部14aの上流側と遮断される。かかる構成においては、強制循環制御に際してEGR弁38、スロットル弁22を閉弁させなくても、環状通路CW
内を空気に強制循環させることができることは言うまでもない。
また、強制循環制御に際してバイパス分流比Rabを中間分流比に制御しているが、これはバイパス分流比Rabを0、或いは1にしてしまうと吸気管14における分岐部14aの下流側部分と、バイパス管20と間で吸気の流れが遮断される虞があるからである。そして、上記中間分流比は極端に0又は1に近似した値を採用するよりも、0〜1の間の平均的な値(例えば0.5程度)を採用すると、エアポンプ41を作動させたときに空気がより円滑に環状通路CW内を循環し易くなるので好適である。
以上のように本発明を実施する形態として実施例1〜3を用いて説明したが、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得る。例えば、第1〜第3構成例では低圧EGR装置36を備えているが、当該装置を具備しない構成においても本発明の適用が何等妨げられることはない。
1 エンジン
MG1 モータ
MG2 ジェネレータ
3 動力分割機構
5 インバータ
7 ECU
7a コンプレッサ
7b タービン
14 吸気管
15 ターボチャージャ
15a コンプレッサ
15b タービン
16 インタークーラ
20 バイパス管
20d バイパス管内部水路
21 分流比変更弁
23 インバータ用クーラ
24 冷却水循環路
24a 外部冷却水路
26 熱交換機構
34 排気管
35 排気浄化装置
40 遮断弁
41 エアポンプ

Claims (5)

  1. 過給機付きエンジン及びモータを動力源として備えるハイブリッド電気自動車の制御装置であって、
    前記エンジンの吸気通路において前記過給機のコンプレッサより下流側に配置され、該コンプレッサにより過給された吸気を冷却するインタークーラと、
    前記吸気通路における前記コンプレッサと前記インタークーラとの間に位置する分岐部から分岐し、該インタークーラより下流の合流部にて該吸気通路と合流する通路であって、該コンプレッサから流出した吸気に該インタークーラを迂回させるバイパス通路と、
    前記モータに駆動電流を供給するインバータを冷却するための冷媒を循環させる冷媒循環路と、前記バイパス通路を流れる吸気との熱交換によって該冷媒循環路内の冷媒を冷却する放熱部と、を有するインバータ用クーラと、
    前記吸気通路の分岐部に流れてくる吸気の全流量に対する前記バイパス通路に流入する吸気の流量の比であるバイパス分流比を、エンジンに要求されるエンジン要求出力に応じて制御する分流比制御手段と、
    を備えることを特徴とするハイブリッド電気自動車の制御装置。
  2. 過給機付きエンジン及びモータを動力源として備えるハイブリッド電気自動車の制御装置であって、
    前記エンジンの吸気通路において前記過給機のコンプレッサより下流側に配置され、該コンプレッサにより過給された吸気を冷却するインタークーラと、
    前記吸気通路における前記インタークーラより下流の分岐部から分岐し、該分岐部より下流の合流部にて該吸気通路と合流するバイパス通路と、
    前記モータに駆動電流を供給するインバータを冷却するための冷媒を循環させる冷媒循環路と、前記バイパス通路を流れる吸気との熱交換によって該冷媒循環路内の冷媒を冷却する放熱部と、を有するインバータ用クーラと、
    前記吸気通路の分岐部に流れてくる吸気の全流量に対する前記バイパス通路に流入する吸気の流量の比であるバイパス分流比を、エンジンに要求されるエンジン要求出力に応じて制御する分流比制御手段と、
    を備えることを特徴とするハイブリッド電気自動車の制御装置。
  3. 前記分流比制御手段は、エンジン要求出力が低いときは、該エンジン要求出力が高いときに比べて、前記バイパス分流比を高い値に制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  4. 前記分流比制御手段は、エンジン要求出力が低出力領域に属しているときに前記バイパス分流比を1に制御し、且つ、エンジン要求出力が高出力領域に属しているときに前記バイパス分流比を零に制御することを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  5. 前記エンジンが自動停止されている状態のときに、前記分岐部と合流部との間の吸気通路、前記インタークーラ、および該バイパス通路を含んで形成される環状通路内の吸気を強制的に循環させる強制循環手段を、更に備えることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
JP2009030829A 2009-02-13 2009-02-13 ハイブリッド電気自動車の制御装置 Pending JP2010184633A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009030829A JP2010184633A (ja) 2009-02-13 2009-02-13 ハイブリッド電気自動車の制御装置
JP2013083802A JP5482934B2 (ja) 2009-02-13 2013-04-12 ハイブリッド電気自動車の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009030829A JP2010184633A (ja) 2009-02-13 2009-02-13 ハイブリッド電気自動車の制御装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013083802A Division JP5482934B2 (ja) 2009-02-13 2013-04-12 ハイブリッド電気自動車の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010184633A true JP2010184633A (ja) 2010-08-26

Family

ID=42765556

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009030829A Pending JP2010184633A (ja) 2009-02-13 2009-02-13 ハイブリッド電気自動車の制御装置
JP2013083802A Active JP5482934B2 (ja) 2009-02-13 2013-04-12 ハイブリッド電気自動車の制御装置

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013083802A Active JP5482934B2 (ja) 2009-02-13 2013-04-12 ハイブリッド電気自動車の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2010184633A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013150466A (ja) * 2012-01-20 2013-08-01 Toyota Motor Corp 電動車両
WO2013153997A1 (ja) 2012-04-10 2013-10-17 Ntn株式会社 インバータ装置の冷却構造
JP2019130942A (ja) * 2018-01-29 2019-08-08 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両
JP2020056377A (ja) * 2018-10-03 2020-04-09 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
US10968813B2 (en) 2014-11-26 2021-04-06 Hyundai Motor Company Hybrid cooling system and method thereof
CN114901933A (zh) * 2019-12-30 2022-08-12 日产自动车株式会社 车辆用冷却装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6874702B2 (ja) * 2018-01-29 2021-05-19 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008281002A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Ford Global Technologies Llc 内燃機関の運転方法、及び、内燃機関の吸気温度管理システム

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4103887B2 (ja) * 2004-11-22 2008-06-18 トヨタ自動車株式会社 ハイブリット車両

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008281002A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Ford Global Technologies Llc 内燃機関の運転方法、及び、内燃機関の吸気温度管理システム

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013150466A (ja) * 2012-01-20 2013-08-01 Toyota Motor Corp 電動車両
WO2013153997A1 (ja) 2012-04-10 2013-10-17 Ntn株式会社 インバータ装置の冷却構造
US9402336B2 (en) 2012-04-10 2016-07-26 Ntn Corporation Cooling structure for inverter device
US10968813B2 (en) 2014-11-26 2021-04-06 Hyundai Motor Company Hybrid cooling system and method thereof
JP2019130942A (ja) * 2018-01-29 2019-08-08 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両
JP2020056377A (ja) * 2018-10-03 2020-04-09 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP7099235B2 (ja) 2018-10-03 2022-07-12 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
CN114901933A (zh) * 2019-12-30 2022-08-12 日产自动车株式会社 车辆用冷却装置
CN114901933B (zh) * 2019-12-30 2023-08-08 日产自动车株式会社 车辆用冷却装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013209083A (ja) 2013-10-10
JP5482934B2 (ja) 2014-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5482934B2 (ja) ハイブリッド電気自動車の制御装置
JP4492672B2 (ja) ハイブリッドシステムの制御装置
US8333066B2 (en) Catalyst temperature increasing apparatus for hybrid vehicle
US10744892B2 (en) System and method for battery charging
EP2165059B1 (en) Internal combustion engine exhaust gas control system and control method of internal combustion engine exhaust gas control system
WO2020192973A1 (en) System and method to maintain hot aftertreatment at engine idle
JP2010018212A (ja) ハイブリッドシステムの制御装置
JP5824846B2 (ja) ハイブリッド車両の駆動制御装置
JP5904156B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US11162460B2 (en) Methods and systems for an engine with exhaust gas recirculation
JP2010014072A (ja) ハイブリッドシステムのエンジン停止制御装置
JP2017031844A (ja) エンジンブレーキシステム及びエンジンブレーキの制御方法
JP2008222033A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2005299469A (ja) ハイブリッド車両の暖機制御装置
JP6635066B2 (ja) ハイブリッド車両
JP2009079549A (ja) 内燃機関の排気管から吸気管に還流される還流ガスの冷却制御装置、制御方法、その方法を実現させるプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP7192591B2 (ja) ハイブリッド車両、及び過給機の冷却方法
JP5765409B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2020125006A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
Mohon et al. Development of a 48 V P0 demonstration vehicle with eBooster® air charging
JP2017094986A (ja) ハイブリッド車両及びその制御方法
JP2005325805A (ja) ハイブリッド車両のエンジン自動停止・始動制御装置
JP5630117B2 (ja) 車両の冷却装置
JP2024033861A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2017185967A (ja) ハイブリッド車及びハイブリッド車の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130212

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130702