JP2010184335A - GaAs結晶半導体ウェハの製造方法 - Google Patents

GaAs結晶半導体ウェハの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010184335A
JP2010184335A JP2009031467A JP2009031467A JP2010184335A JP 2010184335 A JP2010184335 A JP 2010184335A JP 2009031467 A JP2009031467 A JP 2009031467A JP 2009031467 A JP2009031467 A JP 2009031467A JP 2010184335 A JP2010184335 A JP 2010184335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
single crystal
semiconductor wafer
crystal semiconductor
crystal ingot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009031467A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Owada
将志 大和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP2009031467A priority Critical patent/JP2010184335A/ja
Publication of JP2010184335A publication Critical patent/JP2010184335A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

【課題】ウェハ面内・長手方向の厚さばらつきが少ない高品位なGaAs結晶半導体ウェハを提供する。
【解決手段】単結晶インゴット11を、複数の溝付きローラに巻き付けられて走行されるワイヤに押し付けて、単結晶インゴット11をそのワイヤでスライスしてGaAs結晶半導体ウェハWを製造する方法において、単結晶インゴット11の切断位置を境に一対の内側溝付きローラ12,12を配置すると共にその内側溝付きローラ12,12の外側に一対の外側溝付きローラ13,13を配置し、内側及び外側溝付きローラ12,13の溝18,19同士を溝ピッチの1/2オフセットさせて配置し、その内側及び外側溝付きローラ12,13に巻き付けられた内側及び外側ワイヤ15,17を互いに逆方向に走行させ、その内側及び外側ワイヤ15,17で単結晶インゴット11をスライスする方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、GaAsの単結晶インゴットをワイヤソーを用いてスライスしてGaAs結晶半導体ウェハを製造するGaAs結晶半導体ウェハの製造方法に関するものである。
GaAs結晶の半導体ウェハ(GaAs結晶半導体ウェハ)は、結晶成長によりGaAsの単結晶インゴットを製作し、これを内周刃スライス・ワイヤソースライスなどの方法でスライスし、面取り作業・研磨作業を行って円盤状の鏡面ウェハに加工される。
半導体ウェハは、その結晶のもつ特性から、一定方向に割れやすい特性があり、加工工程の取り扱いや、加工装置での吸着などの搬送作業での割れ・欠けが発生してウェハ機能が保てずに廃棄しなければならない場合が発生する。特に、技術の進歩と原価低減により、ウェハの厚さを薄くする傾向にあり、ウェハの機械強度が低下することが原因で減少することはない。
また、これらのウェハを使用して製作される製品は、特性向上のため、外観的な破損は勿論のこと、研磨作業での鏡面化後の表面形状、例えばそり形状や表面の微細な凹凸などについても制限を設けることが多く、その規格値も様々になっている。共通しているのは、平滑であるほどよい傾向であることが共通の認識となっている。
これらの性能を維持するためには、加工する過程で原因となるものを発生させないような加工方法を確立させる必要がある。特に、初期作業の単結晶インゴットをスライスする作業において、切断時のそり形状やウェハ表面に発生した凹凸が、ウェハ研磨で表面を磨いた後でも、形状と凹凸の起伏が反映されて、完成したウェハ表面の形状に大きな影響を与えている。
さらに、スライス作業の技術の向上と生産性の向上の観点から、スライスの対象となる単結晶インゴットの大きさが大口径・長尺となる傾向が進み、ウェハの厚さの均一性を長手方向とウェハ面内で同時に満足することは技術的に難しくなってきている。
特開平9−155717号公報 特開平10−296717号公報
ところで、図4(a)、(b)に示すワイヤソー40を用いて単結晶インゴット41を切断する際には、1本のワイヤ42を3本のローラ43,43,43に螺旋状に巻き付け、ローラ43を正逆方向に駆動(回転)させてワイヤ42を正逆方向に走行させ、これに添え台44に接着固定された単結晶インゴット41を押し付けることにより、ワイヤ42で、のこぎりのようにして単結晶インゴット41を切断する。実際は、ワイヤ42が同じ位置で駆動すると、ワイヤ42の摩耗によりワイヤ切れが生じてしまうので、ローラ43の駆動を、例えば50cm進んで30cm戻るといった動作で、ワイヤ42を少しずつ先へ送り出して新しいワイヤ42を少しずつ送り込むようにしている。
1本のワイヤ42を3本のローラ43,43,43に螺旋状に巻き付けるため、最初に巻き付けられた位置(IN側)から3本のローラ43,43,43の終端(OUT側)へ抜け出したワイヤ42では、切断作業での摩耗でワイヤ42が徐々に細くなり、ワイヤ42の径の差で均一の切断代ではなくなってしまい、これが原因で厚さばらつきが増えてしまう。
これは、単結晶インゴット41の長尺化が進むことで顕著に現れ、長尺になるほどワイヤ42の巻き数が増えて、ワイヤ42が切断作業で単結晶インゴット41に触れている時間が長くなるので、ワイヤ42の摩耗量も多くなり、ワイヤ42が細くなりやすく、ワイヤ42の径の変化により、ウェハの厚さが徐々に変化する。そのため、単結晶インゴット41の長手方向とウェハ面内においても切断したタイミングによってワイヤ42の摩耗程度と切断時の接触面積の違いによりウェハに厚さばらつきを生じさせる。
また、ワイヤ42の摩耗量の増加は、ワイヤ42のブレを大きくする原因になり、ウェハ面内の厚さばらつきを増やし、作業途中でワイヤ42が切れる確率を増大させ、スライス作業にとって不利益な要因が増えていく。
同様に単結晶インゴット径の増大もスライス作業にかかる時間を増加させ、1ストロークのスライス動作、つまり、のこぎりのような1回の往復動作の中で、ワイヤ42が単結晶インゴット41に触れる時間が増えてワイヤ42の摩耗量を増やしている。
さらに、技術の進歩によりウェハの薄肉化が進み、同じ長さの単結晶インゴット41からより多くのウェハを採取すべく、3本のローラ43,43,43に短ピッチの溝を刻み、巻き数を多く取るようになると、ワイヤ42の接触回数が増えて、ワイヤ42の摩耗量も従来より増加するようになった。
これらの要因と、ワイヤ42の摩耗によって単結晶インゴット41に接触する条件が単結晶インゴット41の長手方向で変化してウェハの切断条件が変化し、厚さばらつきを増やす要因になっている。
また、従来は1本のワイヤ42で切断していたので、単結晶インゴット41に対して同じ方向の力が加わり、隣接したワイヤ42と同じ方向にすべてのワイヤ42が引きずられていたため、単結晶インゴット41が動かないように添え台44に強力に固定しなければならず、接着剤などで固定していた。
そのため、切断後の剥離作業で添え台44から単結晶インゴット41を剥がすときに接着剤が剥がれにくく、接着剤が原因でのウェハの破損なども少なくなかった。
さらに、接着不足で単結晶インゴット41の位置がずれてウェハ表面にスライス痕が残るなどの不良が発生してウェハ厚さが変動する原因になっている。
そこで、本発明の目的は、ワイヤソーでのワイヤ摩耗に起因するウェハ面内・長手方向の厚さばらつきを減少でき、また、単結晶インゴットがワイヤに引きずられることによるウェハの破損やウェハ厚さばらつきを減少できるGaAs結晶半導体ウェハの製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、単結晶インゴットを、複数の溝付きローラに巻き付けられて走行されるワイヤに押し付けて、前記単結晶インゴットをそのワイヤでスライスしてGaAs結晶半導体ウェハを製造する方法において、前記単結晶インゴットの切断位置を境に一対の内側溝付きローラを配置すると共にその内側溝付きローラの外側に一対の外側溝付きローラを配置し、内側及び外側溝付きローラの溝同士を溝ピッチの1/2オフセットさせて配置し、その内側及び外側溝付きローラに巻き付けられた内側及び外側ワイヤを互いに逆方向に走行させ、その内側及び外側ワイヤで単結晶インゴットをスライスするGaAs結晶半導体ウェハの製造方法である。
請求項2の発明は、前記内側及び外側ワイヤを同じ速度で互いに逆方向に走行させる請求項1に記載のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法である。
請求項3の発明は、前記外側ワイヤが内側溝付きローラを横断して走行する際に、内側溝付きローラと接しないように、外側溝付きローラが内側溝付きローラより僅かに低い位置に配置されるか、あるいは内側溝付きローラに前記外側ワイヤを素通りさせるスルー溝が形成される請求項1又は2に記載のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法である。
請求項4の発明は、前記一対の内側溝付きローラと三角形状を形成するように、前記単結晶インゴットの切断位置の上方に内側トップローラが配置され、その3本のローラに螺旋状に前記内側ワイヤが巻き付けられた請求項1〜3のいずれかに記載のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法である。
請求項5の発明は、前記一対の外側溝付きローラと三角形状を形成するように、前記内側トップローラの上方に外側トップローラが配置され、その3本のローラに螺旋状に前記外側ワイヤが巻き付けられた請求項4に記載のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法である。
請求項6の発明は、前記内側及び外側ワイヤは、前記単結晶インゴットの切断力が同じとなるように、そのテンションが制御される請求項1〜5のいずれかに記載のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法である。
本発明によれば、ウェハ面内・長手方向の厚さばらつきが少ない高品位なGaAs結晶半導体ウェハが得られる。
本発明のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法に用いるワイヤソーの一例を示す概略図である。 図2(a)〜(c)は、本発明により製造されたGaAs結晶半導体ウェハのうち3枚を抜き取って厚さ変動を測定した結果を示すグラフである。 図3(a)〜(c)は、従来の方法により製造されたGaAs結晶半導体ウェハのうち3枚を抜き取って厚さ変動を測定した結果を示すグラフである。 従来のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法に用いるワイヤソーの概略図である。 GaAs結晶半導体ウェハの表面の凹凸測定位置を説明する図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
先ず、本発明のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法に用いるワイヤソーを説明する。
図1は、本発明のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法に用いるワイヤソーの一例を示す概略図である。
図1に示すように、ワイヤソー10は、GaAsからなる単結晶インゴット11の上方に、その切断位置を境に配置された一対の内側溝付きローラ12,12と、その内側溝付きローラ12,12の外側に配置された一対の外側溝付きローラ13,13と、一対の内側溝付きローラ12,12と三角形状を形成するように、単結晶インゴット11の切断位置の上方に配置された内側トップローラ14と、一対の内側溝付きローラ12,12及び内側トップローラ14に螺旋状に巻き付けられた内側ワイヤ15と、一対の外側溝付きローラ13,13と三角形状を形成するように、内側トップローラ14の上方に配置された外側トップローラ16と、一対の外側溝付きローラ13,13及び外側トップローラ16に螺旋状に巻き付けられた外側ワイヤ17とを備える。
すなわち、ワイヤソー10は、内側溝付きローラ12,12、内側トップローラ14で構成された内側ワイヤソーIと、外側溝付きローラ13,13、外側トップローラ16で構成された外側ワイヤソーOの2系統のワイヤソーを有している。
内側及び外側溝付きローラ12,13と内側及び外側トップローラ14,16の各外周面には、軸方向に所定間隔(溝ピッチ)を隔ててそれぞれ溝18,19,20,21(図示実線)が複数形成されており、内側及び外側溝付きローラ12,13は、その溝18,19同士を溝ピッチの1/2オフセットさせて配置されている。これらの溝18,19,20,21は、内側及び外側ワイヤ15,17がそれぞれ同間隔で走行されるようにガイドするためのものである。
また、外側ワイヤ17が内側溝付きローラ12を横断して走行する際に、内側溝付きローラ12と接しないように、外側溝付きローラ13が内側溝付きローラ12より僅かに低い位置に配置されるか、あるいは内側溝付きローラ12に外側ワイヤ17を素通りさせるスルー溝22(図示破線)が形成される。
すなわち、スルー溝22が形成される場合には、内側溝付きローラ12には、溝18とスルー溝22が溝ピッチの1/2の間隔で交互に刻まれる。
内側溝付きローラ12,12、内側トップローラ14の少なくとも1本(図1では内側トップローラ14)には、内側溝付きローラ12,12、内側トップローラ14を正逆方向に回転させて内側ワイヤ15を正逆双方向に走行させる駆動モータ23が取り付けられる。
同様に、外側溝付きローラ13,13、外側トップローラ16の少なくとも1本(図1では外側トップローラ16)には、外側溝付きローラ13,13、外側トップローラ16を正逆方向に回転させて外側ワイヤ17を正逆双方向に走行させる駆動モータ24が取り付けられる。
また、ワイヤソー10は、内側ワイヤ15を巻き取り、あるいは繰り出して内側ワイヤ15の正逆双方向への移動を可能とするための一対のワイヤリール25,25と、外側ワイヤ17を巻き取り、あるいは繰り出して外側ワイヤ17の正逆双方向への移動を可能とするための一対のワイヤリール26,26とを備える。
これらワイヤリール25,25,26,26は、駆動モータ23,24の正逆回転の切り替えによる内側及び外側ワイヤ15,17の正逆双方向への移動に対応してそれぞれ内側及び外側ワイヤ15,17の繰り出しと巻き取りとを切り替えるように構成されている。この切り替えは、ワイヤリール25に取り付けられた駆動モータ27、ワイヤリール26に取り付けられた駆動モータ28によりそれぞれ行う。
これら駆動モータ27,28と上述の駆動モータ23,24により、内側及び外側ワイヤ15,17は同じ速度で互いに逆方向に走行されるよう制御される。すなわち、隣り合うワイヤ同士がそれぞれ逆方向に走行されるようになっている。例えば図1に示すように、内側ワイヤソーIでは、内側ワイヤ15をIin側からIout側へ(図示矢印向きに)繰り出し、外側ワイヤソーOでは、内側ワイヤ15をOin側からOout側へ(図示白抜き矢印向きに)繰り出すようにして内側及び外側ワイヤ15,17を互いに逆方向に走行させる。
また、これらワイヤリール25,25,26,26は、内側及び外側ワイヤ15,17の張力を一定に保持するテンショナとしても機能する。これにより、内側及び外側ワイヤ15,17は、単結晶インゴット11の切断力が同じとなるように、そのテンションが制御される。このテンションの制御は、他にも例えば、内側及び外側溝付きローラ12,13や内側及び外側トップローラ14,16の配置位置を調整して行うことができる。
そして、ワイヤソー10の下方には、スライス対象としてのGaAsの単結晶インゴット11が添え台29上に接着固定されて配置されている。この添え台29の下部には、図示していないが、単結晶インゴット11を内側及び外側ワイヤ15,17に押し付けるためのアクチュエータが設けられており、このアクチュエータで添え台29を介して単結晶インゴット11を上昇させて内側及び外側ワイヤ15,17に単結晶インゴット11を押し付けるようになっている。
また、内側溝付きローラ12,12、内側トップローラ14で形成された三角形状の中心部には、図示していないが、単結晶インゴット11の切断位置の内側及び外側ワイヤ15,17に研磨材を含むスラリーを噴射・供給するためのノズルが設けられる。
このワイヤソー10を用いた本発明のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法を説明する。
内側溝付きローラ12,12、内側トップローラ14に内側ワイヤ15を巻き付けると共に、外側溝付きローラ13,13、外側トップローラ16に外側ワイヤ17を巻き付け、内側及び外側ワイヤ15,17にスラリーを供給し、内側及び外側溝付きローラ12,13、内側及び外側トップローラ14,16の回転力でのこぎりのようにして単結晶インゴット11を内側及び外側ワイヤ15,17に押し付けながら切断する。
単結晶インゴット11は、添え台29に接着剤によって切断中に剥がれないように接着されており、単結晶インゴット11の切断は、接着面とは反対側の方向(図示上方)から切断を開始し、単結晶インゴット11を完全に切断した後、添え台29の途中まで、添え台29を完全に切断しない位置まで切断する。これは、添え台29を完全に切断してしまうと切断動作のため左右に動いている内側及び外側ワイヤ15,17にGaAs結晶半導体ウェハが飛ばされて、GaAs結晶半導体ウェハが破損するおそれがあるためである。
以上より、添え台29に固定された複数のGaAs結晶半導体ウェハWが得られる。
次に、ワイヤソー10を用いた本発明のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法の作用を説明する。
本発明のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法では、単結晶インゴット11を切断する際に、内側及び外側ワイヤ15,17がそれぞれ同じ速度で互いに逆方向に走行されているため、単結晶インゴット11にかかる力が打ち消され、従来のように単結晶インゴット11がワイヤの走行方向へ引きずられることなく、固定箇所からのズレなどが発生しにくいので、GaAs結晶半導体ウェハWの厚さの変動を抑えられる。
また、単結晶インゴット11にかかる力が打ち消されるため、単結晶インゴット11を添え台29に従来ほど強力に接着する必要がなくなり、切断後に添え台29からGaAs結晶半導体ウェハWを取り外す際に、接着剤が原因で生じるウェハの破損を防ぐことができる。
さらに、本発明のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法では、内側及び外側溝付きローラ12,13の溝18,19同士を溝ピッチの1/2オフセットさせて配置し、内側及び外側ワイヤ15,17がそれぞれ交互に単結晶インゴット11に対して接触するようにしているので、従来のワイヤソー40を用いて切断する場合に比べ、個々のローラの溝ピッチを2倍取ることがことができる。
この効果により、ローラに刻む溝の数を1/2にすることができるので、ワイヤーとローラの接触面積も1/2になり、各ワイヤーの摩耗を半減でき、ワイヤの径の変化による単結晶インゴット11の長手方向及びウェハ面内の厚さばらつきを低減でき、高品位なGaAs結晶半導体ウェハWが得られる。
薄肉のGaAs結晶半導体ウェハWを製造するときは、従来まではその目標の厚さに合わせて溝ピッチを刻む必要があるので、例えば切断厚さが300μmであれば、300μmの溝ピッチで溝が必要なため、ローラについても緻密な加工が必要であったが、2系統のワイヤソーI,Oを用いた本発明では、2倍の溝ピッチで溝を刻むことがきるのでローラの加工限界で制限されていた溝ピッチについて、従来の限界溝ピッチのまま2系統のローラの位置を調整することによって加工限界である溝ピッチの1/2まで厚さを薄く切断できる。
ローラの加工限界に近い溝ピッチで非常に薄いGaAs結晶半導体ウェハWを製造する際には、上述したスルー溝22は形成せず(加工限界により形成できない)、外側溝付きローラ13を内側溝付きローラ12より僅かに低い位置に配置すると良い。この場合、内側ワイヤ15が単結晶インゴット11に接触する位置と外側ワイヤ17が単結晶インゴット11に接触する位置との間に段差が生じるが、この段差は非常に僅か(ワイヤ径程度)なためウェハの厚さにほとんど影響を及ぼすことはない。
図4(a)、(b)に示したように、従来のワイヤソー40は、3本のローラ43,43,43にワイヤ42を巻き付け、ローラ43の回転力でのこぎりのようにしてGaAsの単結晶インゴット41をワイヤ42の中に通しながら切断する。実際の駆動は、図4(a)、(b)の動作が順に繰り返され、のこぎりで切断するような動作が単結晶インゴット41に伝わる。
ワイヤ42は1本を螺旋状に巻き付けIN側から順に単結晶インゴット41に接触し、OUT側に抜けていく間に、単結晶インゴット41やローラ43に接触し、少しずつ摩耗し細くなっていく。
そのため、ワイヤ42の径の変化が単結晶インゴット41に伝わり、長手方向とウェハ面内で切断条件が変わり、ウェハの厚さばらつきにつながる。
図1に示したように、本発明のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法に用いるワイヤソー10は、3本のローラを2系統用い、それぞれの系統が互い違いに単結晶インゴット11を切断するように配置し、それぞれの駆動を制御して正逆回転がそれぞれ互いに逆方向になるように駆動される。
単結晶インゴット11の長さが同じなら、それぞれの系統の溝ピッチを2倍にして、ワイヤの巻き数を半分にできるので、ワイヤの摩耗も半減でき、ウェハの厚さばらつきを軽減できる。
実際に、図4(a)、(b)に示した1系統のワイヤソー40を用いた従来の方法で製造したGaAs結晶半導体ウェハ50と、2系統のワイヤソーI,Oを有するワイヤソー10を用いた本発明のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法で製造したGaAs結晶半導体ウェハWの表面の凹凸をそれぞれ測定して表面形状を比較した。
この測定は、図5に示すように、それぞれのGaAs結晶半導体ウェハ50,Wにおいて、切断初めの位置から単結晶インゴットと添え台の硬度の違いによりワイヤにぶれが生じ表面に凹凸形状を形成してしまう位置51(図示矢印の位置)までの表面の凹凸を測定することにより行った。その結果を図2、3に示す。
図2(a)〜(c)は、本発明により製造した複数のGaAs結晶半導体ウェハWから抜き取った3枚の表面の凹凸の測定結果を示す図であり、図3(a)〜(c)は、従来方法により製造した複数のGaAs結晶半導体ウェハ50から抜き取った3枚の表面の凹凸の測定結果を示す図である。
図2(a)〜(c)と図3(a)〜(c)とを比較すると、本発明により製造されたGaAs結晶半導体ウェハWでは、従来の方法で製造されたGaAs結晶半導体ウェハ50に比べて切断始めと切断終わりの厚さ変動が滑らかになり、特に切断終わりにおいては、変動が減っているのが分かる。
以上より、本発明のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法によれば、ウェハ面内・長手方向の厚さばらつきが少ない高品位なGaAs結晶半導体ウェハが得られることが分かる。
11 単結晶インゴット
12 内側溝付きローラ
13 外側溝付きローラ
15 内側ワイヤ
17 外側ワイヤ
18,19 溝
W GaAs結晶半導体ウェハ

Claims (6)

  1. 単結晶インゴットを、複数の溝付きローラに巻き付けられて走行されるワイヤに押し付けて、前記単結晶インゴットをそのワイヤでスライスしてGaAs結晶半導体ウェハを製造する方法において、
    前記単結晶インゴットの切断位置を境に一対の内側溝付きローラを配置すると共にその内側溝付きローラの外側に一対の外側溝付きローラを配置し、内側及び外側溝付きローラの溝同士を溝ピッチの1/2オフセットさせて配置し、その内側及び外側溝付きローラに巻き付けられた内側及び外側ワイヤを互いに逆方向に走行させ、その内側及び外側ワイヤで単結晶インゴットをスライスすることを特徴とするGaAs結晶半導体ウェハの製造方法。
  2. 前記内側及び外側ワイヤを同じ速度で互いに逆方向に走行させる請求項1に記載のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法。
  3. 前記外側ワイヤが内側溝付きローラを横断して走行する際に、内側溝付きローラと接しないように、外側溝付きローラが内側溝付きローラより僅かに低い位置に配置されるか、あるいは内側溝付きローラに前記外側ワイヤを素通りさせるスルー溝が形成される請求項1又は2に記載のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法。
  4. 前記一対の内側溝付きローラと三角形状を形成するように、前記単結晶インゴットの切断位置の上方に内側トップローラが配置され、その3本のローラに螺旋状に前記内側ワイヤが巻き付けられた請求項1〜3のいずれかに記載のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法。
  5. 前記一対の外側溝付きローラと三角形状を形成するように、前記内側トップローラの上方に外側トップローラが配置され、その3本のローラに螺旋状に前記外側ワイヤが巻き付けられた請求項4に記載のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法。
  6. 前記内側及び外側ワイヤは、前記単結晶インゴットの切断力が同じとなるように、そのテンションが制御される請求項1〜5のいずれかに記載のGaAs結晶半導体ウェハの製造方法。
JP2009031467A 2009-02-13 2009-02-13 GaAs結晶半導体ウェハの製造方法 Pending JP2010184335A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009031467A JP2010184335A (ja) 2009-02-13 2009-02-13 GaAs結晶半導体ウェハの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009031467A JP2010184335A (ja) 2009-02-13 2009-02-13 GaAs結晶半導体ウェハの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010184335A true JP2010184335A (ja) 2010-08-26

Family

ID=42765300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009031467A Pending JP2010184335A (ja) 2009-02-13 2009-02-13 GaAs結晶半導体ウェハの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010184335A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104669455A (zh) * 2015-02-11 2015-06-03 无锡中硅新材料股份有限公司 一种多线切割设备的线网走线结构

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104669455A (zh) * 2015-02-11 2015-06-03 无锡中硅新材料股份有限公司 一种多线切割设备的线网走线结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9707635B2 (en) Method for slicing workpiece and wire saw
US9579826B2 (en) Method for slicing wafers from a workpiece using a sawing wire
JP2008229752A (ja) ワイヤソーによる切断方法
KR20160048787A (ko) 잉곳의 절단방법 및 와이어 쏘
JP2024522523A (ja) ワークピースから複数のディスクを同時に切り出すための方法
JP2842307B2 (ja) Iii−v族化合物半導体結晶の切断方法
JP2010184335A (ja) GaAs結晶半導体ウェハの製造方法
JP5530946B2 (ja) 半導体材料から成る結晶から多数のウェハを切断する方法
JP2005297156A (ja) ワイヤソー
JP6080753B2 (ja) ワイヤソーの運転再開方法
WO2013041140A1 (en) Method and apparatus for cutting semiconductor workpieces
TWI715735B (zh) 線鋸裝置的製造方法及線鋸裝置
CN213005970U (zh) 晶棒线切割辊及晶棒多线切割装置
JP2008188721A (ja) 基板の製造方法及びワイヤソー装置
JP4325655B2 (ja) 化合物半導体基板の製造方法
WO2012147472A1 (ja) 化合物半導体単結晶基板およびその製造方法
JP2006205661A (ja) 基板製造方法
CN113272101A (zh) 工件的切断方法及工件的切断装置
KR102044722B1 (ko) 자리바꿈 메인롤러가 별도로 구비되는 멀티 와이어를 이용한 와이어 쏘우장치
JP3810125B2 (ja) ワイヤーソー及び円柱形ワークを切断する方法
JP2000141364A (ja) インゴット切断方法およびワイヤソー装置
JP2013082020A (ja) ワーク切断方法、半導体基板の製造方法、半導体基板およびワイヤソー装置
JP7398852B1 (ja) 半導体結晶ウェハの製造装置および製造方法
JP5861062B2 (ja) ワイヤーソーとワイヤーソーを用いたシリコン製造方法
JP2000094298A (ja) ワイヤソー