JP2010184258A - 仮付けビード部の自動溶接方法 - Google Patents

仮付けビード部の自動溶接方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010184258A
JP2010184258A JP2009029458A JP2009029458A JP2010184258A JP 2010184258 A JP2010184258 A JP 2010184258A JP 2009029458 A JP2009029458 A JP 2009029458A JP 2009029458 A JP2009029458 A JP 2009029458A JP 2010184258 A JP2010184258 A JP 2010184258A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
bead
groove
temporary
tack
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009029458A
Other languages
English (en)
Inventor
Bunketsu Mo
文傑 毛
Toshikatsu Nogi
俊克 野木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Engineering Corp filed Critical JFE Engineering Corp
Priority to JP2009029458A priority Critical patent/JP2010184258A/ja
Publication of JP2010184258A publication Critical patent/JP2010184258A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)

Abstract

【課題】本仮付けビード部より欠陥の発生しやすい仮付けビード部の始端部と終端部においても、高品質な自動溶接を可能とする。
【解決手段】開先を、仮付けビード12の無い通常開先部と仮付けビード部の2領域に分け、それぞれに対応した各積層ビードの標準溶接条件を用意しておき、溶接の際に、これらの溶接条件を呼び出して再生し、一方、仮付けビード部の始端部と終端部の溶接においては、通常開先部と仮付けビード部に対応した溶接条件より線形補間方法に基づき溶接条件を求めて実施し、溶接中は、現在の開先幅を標準開先幅に比較して、その変化量に応じて標準溶接条件から実際にあるべき溶接条件を算出して溶接することにより、開先に必要な最適な溶着量を供給すると共に、欠陥を生じさせないようにする。
【選択図】図8

Description

本発明は、仮付けビード部の自動溶接方法にかかり、特に、本仮付けビード部より欠陥の発生しやすい仮付けビード部の始端部と終端部においても、高品質な自動溶接が可能な仮付けビード部の自動溶接方法に関する。
図1に例示するような、被溶接物10と溶接ワイヤ24の間にアーク25を発生させて溶接を行うアーク溶接では、開先形状を保持するために、本溶接の前に仮付けビード12を溶接しておくことがよく行われる。図において、11は溶融池、22は溶接トーチである。
このようなアーク溶接の初層溶接において、仮付けビード部12における融合不良等の溶接欠陥を無くすために、仮付けビード部の溶接条件を自動的に適応制御する方法が特許文献1に記載されている。
一方、特許文献2には、片面ガスシールドアーク溶接において、問題となる溶接中の回転変形による凝固割れを防止するために、仮付け溶接係数K(=仮付けビード長さ×仮付けビード高さ/仮付けビード間ピッチ)を0.8以上に、仮付けビード高さを8mm以下にして、溶接電流密度を220〜290A/mmに抑えて溶接する溶接方法が記載されている。
特開平11−5164号公報 特開平11−156545号公報
しかしながら、特許文献1は初層溶接のみを論じたもので、積層に関する溶接方法は明確でない。
又、特許文献1と2のいずれも、仮付けビード部の始端部と終端部の形状については何も論じておらず、制御方法も明確ではないという問題点を有していた。
実は、仮付けビード部の始端部と終端部は、本仮付けビード部より欠陥の発生しやすいところであり、特に溶接電流が比較的小さい短絡アーク溶接プロセスにおいては、より顕著な問題となっていた。
本発明は、前記従来の問題点を解消すべくなされたもので、本仮付けビード部より欠陥が発生しやすい仮付けビード部の始端部と終端部においても、高品質な自動溶接が行えるようにすることを課題とする。
本発明は、開先を、仮付けビードの無い通常開先部と仮付けビード部の2領域に分け、それぞれに対応した各積層ビードの標準溶接条件を用意しておき、溶接の際に、これらの溶接条件を呼び出して再生し、一方、仮付けビード部の始端部と終端部の溶接においては、通常開先部と仮付けビード部に対応した溶接条件より線形補間方法に基づき溶接条件を求めて実施し、溶接中は、現在の開先幅を標準開先幅に比較して、その変化量に応じて標準溶接条件から実際にあるべき溶接条件を算出して溶接するようにして、前記課題を解決したものである。
ここで、前記仮付けビード部を、本仮付けビード部、始端部及び終端部に分け、本仮付けビード部の厚さを3.5±0.5mm、長さを50〜150mmとし、始端部と終端部には滑らかな傾斜を設けると共に、長さを15±2mmとすることができる。
又、前記仮付けビード部の始点と終点から、それぞれ長さLsとLe離れたところの開先幅WsとWe、ルートギャップGsとGe、開先深さDsとDeをそれぞれ測定し、この2点の形状寸法及び仮付けビード部の標準ビード高さHt0から、直線補間法により、次式を用いて、仮付けビード部の長さLtの始点から長さSだけ離れた地点における本仮付けビード部の表面幅Gtと開先幅Wtと深さDtを求めることができる。
Wt=Ws+(We−Ws)/L×(Ls+S)
Gt=Gst+(Get−Gst)/L×(Ls+S)
Dt=Dst+(Det−Dst)/L×(Ls+S)
ここで、
L=Ls+Lt+Le
Gst=Gs+(Ws−Gs)/Ds×Ht0
Get=Ge+(We−Ge)/De×Ht0
Dst=Ds−Ht0
Det=De−Ht0
又、前記仮付けビード部の始点と終点を測定するに際して、仮付けビード部の始点を検知する迄は、通常の走行速度で測定し、仮付けビード部の始点を検知したら、通常の走行速度より遅い走行速度でバックして、仮付けビード部の始点を測定し、仮付けビード部の始点を測定したら、再び反転して通常の走行速度で測定し、仮付けビード部の終点を検知したら、通常の走行速度より遅い走行速度でバックして、仮付けビード部の終点を測定することができる。
本発明によれば、開先に必要な最適な溶着量を供給すると共に、欠陥を生じさせないようにして、特に本仮付けビード部より欠陥の発生しやすい仮付けビード部の始端部と終端部においても、高品質な自動溶接を行うことができる。
アーク溶接の状態を示す図 本発明による仮付けビード部の形状仕様の例を示す図 本発明による仮付けビード部の開先形状計測方法を示す図 レーザセンサによる計測装置の構成の一例を示す図 同じく他の例を示す図 同じく更に他の例を示す図 本発明による開先形状寸法計測時のスキャン方法を示す図 本発明による仮付けビード端部の溶接方法を示す図 溶接制御の方法を示す図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
水平固定大径(直径1m以上)管の周継手の現地片面溶接では、通常裏当てを付けて溶接するが、開先形状を保持するために、本溶接の前に仮付けビードを溶接しておくことがよく採用される。しかし、本溶接の時に仮付けビード部を通常開先部と同じに取り扱って溶接できるかどうか、仮付けビード厚さによる。仮付けビード厚さが2〜3mmを超えた場合、仮付けビード部の品質を有するために、仮付けビード部を溶接するための溶接条件を別に用意しなければならない。これだけでは十分ではなく、仮付けビードの始端部と終端部の形状を更に定めておき、これらの始端部と終端部を特別な方法で溶接しなければならない。
そこで、このような開先を自動片面自動溶接する時に、次の3つの課題が生じてくる。
1.仮付けビード部の形状規制
2.仮付けビード部の検知
3.仮付けビード部の溶接
以下、これらの課題の解決方法について説明する。
1.仮付けビード部の形状規制
図2は、水平固定大径管の現地片面溶接時の仮付けビード形状に関する仕様を示すものである。ここで、使用する溶接プロセスは、ソリッドワイヤの短絡アーク溶接もしくはフラックス入りワイヤアーク溶接(溶接電流350A以下)とする。仮付けビード部を、本仮付けビード部と、始端部と、終端部に分け、本仮付けビード部の厚さを3.5±0.5mm、長さを50〜150mmにする。始端部と終端部には滑らかな傾斜を設けると共に、長さを15±2mmにする。
本仮付けビード部の厚さを3.5±0.5mmにした理由は次のとおりである。
本仮付けビード部の厚さが薄すぎると、溶接中に熱収縮力により仮付けビード部に亀裂が生じる恐れがある。一方、本仮付けビード部の厚さが厚すぎると、通常開先部と同じ積層数で溶接した場合、本溶接時に仮付けビード部の一層当たりのビード厚さが薄くなりすぎるため、適正な溶接条件を見出しにくくなる。
ここで、仮付けビード部の溶接条件は次のように選定する。
仮付けビード部の一層当たりに必要な溶着量は、通常開先部に比べビード厚さが薄いため少なくなる。そこで、溶接速度を早くするか、又はワイヤ突き出し長(図1参照)を短くするか、溶接電流を小さくするかを選択する。但し、溶接速度は速くなればなるほど、トーチ揺動ピッチが荒くなり、スポット溶融不良を発生しやすいため、トーチ揺動ピッチの上限は4mm程度である。
溶着量を減らすため、ワイヤ突き出し長を短くすることも可能である。特に、初層の場合はワイヤ突き出し長は一般的に長いので短くする余裕があり、その短縮量を仮付けビード部の厚さに相当した分とすることができる、但し、ワイヤ突き出し長をあまり短くしすぎると給電チップが焼損する恐れがあるため、9mm位が限界である。溶接速度とワイヤ突き出し長の変化により、仮付けビード部の一層当たりの溶着量変化を調整しきれない場合は、更に溶接電流を小さくする。但し、これも限界があり、安定な溶接アークを保つために、ワイヤ系が0.9mmの場合で110A位が下限である(選んだワイヤによって更に小さくすることができる場合もある)。
実験結果によれば、通常開先部と比べ、仮付けビード部における一層当たりのビード厚さの減少が1mm程度であれば、溶接条件の修正には大きな困難が無い。例えば管厚が12mm程度の場合、周継手の溶接は、普通、下進溶接側では5層溶接、上進溶接側では4層溶接の計画を採用する。すると、厚さ3.5mmの仮付けビード部を本溶接する時には、一層当たりのビード厚さは、通常開先部よりせいぜい1mm程度薄くなればよいので、仮付けビード部を困難なく溶接することができる。
又、仮付けビード端部に滑らかな傾斜を設ける理由は次のとおりである。
仮付けビード端部の傾斜が急であれば、通常開先部から仮付けビード部に、或いは仮付けビード部から通常開先部に切り替わった時に、溶接条件(トーチ揺動幅、ワイヤ突き出し長、溶接速度、溶接電流等)の変化も急となるので、アーク不安定を引き起こして、欠陥が発生しやすくなる。実験結果によると、溶接条件の修正は、トーチ揺動半周毎に少しずつ行うならば、トーチ揺動4周期以上、即ち8回以上に分けて行うことが望ましい。すると、通常開先部のトーチ揺動ピッチが平均で3mm程度と考えた場合、仮付けビード端部の傾斜長さは12mm(3×4)位以上が適当となる。
したがって、本発明では、仮付けビード端部の傾斜長さを15±2mmにしている。なお、仮付けビード端部における傾斜面と水平面とがなす角度は10〜20度が好ましい。
仮付けビード部の高さと仮付けビード端部の傾斜長さに大きな許容変化範囲を与えたのは、現場作業を考慮した結果で、避けて通ることはできない。これをカバーするのは、適切な溶接条件選定である。
本仮付けビード部の長さを50〜150mmにするのは、この長さが短すぎると、仮付けビードの強度が足りなくなり、長すぎると、直線近似精度が悪くなるからである。
2.仮付けビード部の自動検知
仮付けビード部の検出方法については、特許文献1には、レーザセンサ、視覚センサとアークセンサを用いる方法が記載されているが、実用的な意味ではレーザセンサが有力である。但し、仮付けビード部を上記のような形状寸法にするため、通常グラインダを用いて溶接後の仮付けビードを修正することが必要である。工事現場の環境下でのグラインダ作業は容易なことではなく、これが原因で、仮付けビード部の開先輪郭が崩れる場合も多い。従って、せっかく精度の良いレーザセンサを使用しても、正確な仮付けビード部の形状計測ができなくなる。
そこで、本発明では、仮付けビード部の形状寸法については、仮付けビード部の両端部の通常開先形状寸法をそれぞれ測定し、これらのデータに基づいて、仮付けビード部の寸法を推定する。例えば図3に示すように、仮付けビード部の始点と終点からそれぞれ長さLsとLe離れたところの開先幅WsとWe、ルートキャップGsとGe、開先深さDsとDeをそれぞれ計測し、この2点の形状寸法及び仮付けビード部の標準ビード高さHt0から直線補間法で仮付けビード部の開先形状寸法を推定する。
具体的には、仮付けビード部の長さLtの始点から長さSだけ離れた地点における本仮付けビード部の表面幅Gtと開先幅Wtと深さDtは、次式で求められる。
Wt=Ws+(We−Ws)/L×(Ls+S)
Gt=Gst+(Get−Gst)/L×(Ls+S)
Dt=Dst+(Det−Dst)/L×(Ls+S)
ここで、
L=Ls+Lt+Le
Gst=Gs+(Ws−Gs)/Ds×Ht0
Get=Ge+(We−Ge)/De×Ht0
Dst=Ds−Ht0
Det=De−Ht0
又、LsとLeは、普通15mm程度以上である。短くしすぎると、グラインダによる開先形状崩れの場所になる恐れがある。
又、Ltは50〜150mmである。この長さが短すぎると、仮付けビードの強度が足りなくなり、長すぎると、直線近似精度が悪くなるおそれがある。
次に、レーザセンサによる自動計測時のスキャン方法について説明する。
計測は本溶接直前に行う。具体的には、例えば出願人が特願2008−43452で提案したように、図4に示す如く、レーザ投光器30、レーザセンサ用フィルタ32、及び画像撮影カメラ36からなるレーザセンサと、視覚センサ用フィルタ34及び前記画像撮影カメラ36からなる視覚センサとを備え、前記画像撮影カメラ36は、レーザセンサ用フィルタ32と視覚センサ用フィルタ34が交換可能に機能された単一の画像撮影カメラとされた装置を用いて行うことができる。
前記レーザ投光器30及び溶接トーチ22は、溶接ヘッド20に設けた梁40の一端(図の左端)に固定され、前記画像撮影カメラ36を含むセンサヘッドは、前記梁40上を溶接方向(図の右方向)に沿って前後に移動できるスライダ42の先端(図の右端)に取り付けられている。
このスライダ42の前後動作は、溶接トーチ22の揺動動作と連動しており、トーチ22が揺動中心を通過する場合には、スライダ42が丁度一番伸びた状態で、トーチ22が揺動端部に到達した時には、スライダ42が一番縮んだ状態となるようにする。スライダ42を駆動するための手段は、例えばエアシリンダ(図示省略)とすることができる。なお、モータや電磁石を使用することも可能である。
複合センシングシステムのレーザセンサと視覚センサの切換は、スライダ42の動作に同期する。即ち、スライダ42を一番伸ばした時には、レーザ投光器30をすばやく照射し、カメラ36を撮影させる。このときの複合センシングシステムはレーザセンサとして機能する。
但し、複合センシングシステムを視覚センサ或いはレーザセンサとして使用する時には、それぞれに合ったバンドパスフィルタを使用した方が望ましい。このため、90度回転できるサイコロフィルタセット31をカメラレンズ前に装着設置する。このフィルタセット31の動きはスライダ動作と同期し、スライダ42が一番延びた状態では、レーザセンサ用バンドパスフィルタ32をカメラ36の前に回し、スライダ42が一番縮んだ状態では、視覚センサ用バンドパスフィルタ34をカメラ36の前に回しておく。サイコロフィルタセット31を回すための手段は、例えば電磁石やモータを使用するとよい。
図において、26は溶接条件制御装置、28はリモコン、30Sは照明用レーザスリット光、38は画像処理装置、52は複合センシングシステム制御装置、54は計測モードスイッチである。
或いは、出願人が特願2008−9077で提案した図5に示すような装置で計測を行うこともできる。この例では、図4の例と逆に、画像撮影カメラ36が、溶接ヘッド20に設けた梁40の一端(図の右端)に取り付けられ、レーザ投光器30及び溶接トーチ22が、梁40上を摺動するスライダ42に固定されている。他の点については図4の例と同様であるので説明は省略する。
或いは、出願人が特願2008−260815で提案した図6に示すような装置を用いて計測を行うこともできる。この例では、溶接トーチ22、レーザ投光器30、画像撮影カメラ36を、全て同一の梁40に取り付ける。こうする理由は、3者にいつも同一の動きをとらせ、相対的な移動を無くすためである。他の点については図4又は図5の例と同じであるので説明は省略する。
仮付けビード始点と終点を正確に測定するために、計測時の走行パターンは、図7で示す方法を採用する。即ち、通常計測中は高速で走行するが、一旦仮付けビード始点を検知したら、即座に低速に切り換えてバックし、仮付けビード始点を正確に計測する。始点を確認し終えると、再び高速に切り換えて走行し、仮付けビード部の終点を検知する。一旦検したら、また即座に低速に切り換えてバックし、仮付けビード部の終点を正確に計測する。
このような計測スキャン方法によれば、仮付けビード部の始点と終点位置の計測精度を維持すると共に、計測能率を大幅に向上することができる。
3.仮付けビード部の自動溶接
仮付けビード部を溶接する時には、別に用意した仮付けビード部における積層別の溶接条件(溶接電流、電圧、ワイヤ送給速度、溶接速度、トーチ揺動幅、揺動速度、トーチ揺動端部停止時間等)を用いて、該当する層を溶接する。
但し、仮付けビード部の始端部と終端部の溶接は、図8に示すように、例えば10ステップに分けて、溶接条件を通常開先部から本仮付けビード部へ、或いは本仮付けビード部から通常開先部へ少しずつ変えて行う。
例えば、溶接電流の場合、仮付けビード端部の溶接電流は次のように求めることができる。その他の溶接パラメータも類似で求められる。
仮付けビード始端部の溶接電流 Its=Is+(Itse−Is)/10×N
仮付けビード終端部の溶接電流 Ite=Ites+(Ie−Ites)/10×N
ここで、Isは仮付けビード始点に差し掛かったところの実際溶接電流、
Ieは仮付けビード終点から離れたところの実際溶接電流、
Itseは本仮付けビード部に差し掛かったところの実際溶接電流、
Itesは本仮付けビード部から離れたところの実際溶接電流、
Nはステップ番号
一方、もし開先幅が変化したら、溶接ビード品質を保つためには溶接条件の適応制御が必要で、仮付けビード部の溶接も例外ではない。図9に、レーザセンサと視覚センサをそれぞれの情報に基づく溶接制御方法の例を示す。ここで、溶接の制御は、まずレーザセンサ情報に基づきティーチングプレーバックデータで行う。制御は、主として溶接条件の適応制御である。つまり、溶接位置毎に、レーザセンサから得た開先内に仮付けビードの有無や開先幅、開先深さ及びルートギャップ等の大きさより溶接条件(溶接電流、電圧、溶接速度、トーチ揺動幅、揺動端部停止時間等)の補正量を求めて、これらを基準溶接条件に加えて、溶接をフィードフォワード制御する。
溶接トーチの開先倣いも、勿論、レーザセンサから得た開先幅とルートギャップの中心位置データに基づいて行えるが、その倣い制御の実際のずれは、更に複合センシングシステムを視覚センサとして得た情報に基づいてフィードバックで修正する。
視覚センサは、主として溶接トーチの開先倣い制御に使用する。但し、初層溶接の時に、裏当て隙間の変動やその隙間に入り込んだ溶接溶融金属量の変化等があるため、単に溶接前にレーザセンサから得たデータ情報に基づくティーチングプレイバックデータによるフィードフォワード制御だけでは、高品質な初層溶接ビードを維持するのが難しい場合もある。従って、視覚センサから得た初層溶接時の溶融池の高さに基づき、溶着量の追加的な補正量を求めて、ティーチングプレーバックデータに加え溶接制御を行う。
又、非常時には、手元のリモコン28により手動制御も行える。例えば緊急停止とか或いは、モニタから制御のずれを発見したときには、インプロセスで手動修正を行うこともできる。
本発明により、板厚12mm、開先角度30度、鋼板裏当てを付けた開先を溶接した結果、フラックス入りワイヤを使用した大電流溶接にしても、或いは、ソリッドワイヤを使用した短絡アーク溶接プロセスにしても、仮付けビード部には欠陥無く健全な溶接ができた。又、ルートギャップが4〜12mm変動しても、均一な溶接ビードが得られることを確認できた。
本発明は、例えば水平固定大径管の周継手の現地片面溶接に適用できる。
10…被溶接物
12…仮付けビード
20…溶接ヘッド
22…溶接トーチ
24…溶接ワイヤ
25…溶接アーク
26…溶接条件制御装置
30…レーザ投光器
30S…照明用レーザスリット光
32…レーザセンサ用フィルタ
34…視覚センサ用フィルタ
36…画像撮影カメラ
38…画像処理装置
40…梁
42…スライダ
52…複合センシングシステム制御装置
54…計測モードスイッチ

Claims (4)

  1. 開先を、仮付けビードの無い通常開先部と仮付けビード部の2領域に分け、それぞれに対応した各積層ビードの標準溶接条件を用意しておき、
    溶接の際に、これらの溶接条件を呼び出して再生し、
    一方、仮付けビード部の始端部と終端部の溶接においては、通常開先部と仮付けビード部に対応した溶接条件より線形補間方法に基づき溶接条件を求めて実施し、
    溶接中は、現在の開先幅を標準開先幅に比較して、その変化量に応じて標準溶接条件から実際にあるべき溶接条件を算出して溶接することを特徴とする仮付けビード部の自動溶接方法。
  2. 前記仮付けビード部を、本仮付けビード部、始端部及び終端部に分け、
    本仮付けビード部の厚さを3.5±0.5mm、長さを50〜150mmとし、
    始端部と終端部には滑らかな傾斜を設けると共に、長さを15±2mmとすることを特徴とする請求項1に記載の仮付けビード部の自動溶接方法。
  3. 前記仮付けビード部の始点と終点から、それぞれ長さLsとLe離れたところの開先幅WsとWe、ルートギャップGsとGe、開先深さDsとDeをそれぞれ測定し、
    この2点の形状寸法及び仮付けビード部の標準ビード高さHt0から、直線補間法により、次式を用いて、仮付けビード部の長さLtの始点から長さSだけ離れた地点における本仮付けビード部の表面幅Gtと開先幅Wtと深さDtを求めることを特徴とする請求項1に記載の仮付けビード部の自動溶接方法。
    Wt=Ws+(We−Ws)/L×(Ls+S)
    Gt=Gst+(Get−Gst)/L×(Ls+S)
    Dt=Dst+(Det−Dst)/L×(Ls+S)
    ここで、
    L=Ls+Lt+Le
    Gst=Gs+(Ws−Gs)/Ds×Ht0
    Get=Ge+(We−Ge)/De×Ht0
    Dst=Ds−Ht0
    Det=De−Ht0
  4. 前記仮付けビード部の始点と終点を測定するに際して、
    仮付けビード部の始点を検知する迄は、通常の走行速度で測定し、
    仮付けビード部の始点を検知したら、通常の走行速度より遅い走行速度でバックして、仮付けビード部の始点を測定し、
    仮付けビード部の始点を測定したら、再び反転して通常の走行速度で測定し、
    仮付けビード部の終点を検知したら、通常の走行速度より遅い走行速度でバックして、仮付けビード部の終点を測定することを特徴とする請求項3に記載の仮付けビード部の自動溶接方法。
JP2009029458A 2009-02-12 2009-02-12 仮付けビード部の自動溶接方法 Pending JP2010184258A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009029458A JP2010184258A (ja) 2009-02-12 2009-02-12 仮付けビード部の自動溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009029458A JP2010184258A (ja) 2009-02-12 2009-02-12 仮付けビード部の自動溶接方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010184258A true JP2010184258A (ja) 2010-08-26

Family

ID=42765236

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009029458A Pending JP2010184258A (ja) 2009-02-12 2009-02-12 仮付けビード部の自動溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010184258A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009195977A (ja) 自動溶接制御方法及び自動溶接装置
JP5343772B2 (ja) 溶接用レーザ・視覚複合センサおよび溶接制御方法
CN105149786A (zh) 一种基于预制焊材的窄间隙激光扫描多层自熔焊接方法
WO2018092647A1 (ja) ガウジングレス完全溶込み溶接方法及び溶接継手
JP4109911B2 (ja) 多層盛溶接方法
JP5318543B2 (ja) レーザ・アーク複合溶接法
JP6052798B2 (ja) 自動溶接機の異常監視装置
JP5621961B2 (ja) サブマージアーク溶接方法及び装置
JP3198817B2 (ja) 固定管の狭開先突合せ溶接における積層溶接方法
JP2009166107A (ja) 自動溶接制御方法及び自動溶接装置
JP2010184258A (ja) 仮付けビード部の自動溶接方法
JP2003334662A (ja) 薄板の重ね接合用パルスプラズマ自動溶接方法及びその装置
JP2003290921A (ja) 多層盛溶接方法および多層盛自動溶接装置
JP2505965B2 (ja) 固定配管の溶接方法及び装置
JP4117526B2 (ja) X開先継手の多層盛溶接方法
KR20110032753A (ko) 능동형 횡향 자동 용접 방법
JPH08215841A (ja) 固定管の円周突合せ溶接装置
JP3198815B2 (ja) 固定管の片面突合せ溶接における初層溶接方法
JP2011031250A (ja) タンデム溶接装置及びタンデム初層溶接方法
JPS6117364A (ja) 2電極式狭開先溶接法
JP3198816B2 (ja) 固定管の片面突合せ溶接における初層溶接方法
JP3166508B2 (ja) 固定管の狭開先突合せ溶接方法
JP3414118B2 (ja) 自動溶接装置
JP3166510B2 (ja) 固定管の狭開先突合せ溶接方法
JPH07328766A (ja) 横向自動溶接方法