JP2010183396A - 画像処理装置と画像形成装置と画像処理方法とプログラム - Google Patents

画像処理装置と画像形成装置と画像処理方法とプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 無彩部で色の変動がマルチチップイメージセンサのチップ単位で生じた場合においても、色むらが知覚されにくい色再現を用途に応じてユーザが望むようにする。
【解決手段】 入力光を電気信号に変換するイメージセンサを一方向に複数個並べたマルチチップイメージセンサを備えた両面原稿読取部101によって読み取られた画像の画像信号から彩度データを彩度算出部131で算出し、その算出された彩度データを用いて彩度補正部133が彩度を調整する際、低彩度の画像信号に対してのみ彩度を落とす変換を行うことにより、マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制するようにし、ユーザによって指定された出力用途に応じて、上記色むらの抑制を実施するか否かを切り換える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ファクシミリ装置、プリンタ、スキャナ、複写機、複合機、パーソナルコンピュータを含む装置に適用される画像処理装置と、ファクシミリ装置、プリンタ、スキャナ、複写機、複合機を含む画像形成装置と、上記画像処理装置と上記画像形成装置で実施される画像処理方法と、上記画像処理装置と上記画像形成装置で実行させるプログラムに関する。
従来、画像読取装置における原稿の読み取り方式としては、例えばキセノンランプを光源とする光を原稿に照射させ、原稿からの反射光を縮小光学系を介してイメージセンサで読み取る方式が一般的であった。
しかし、最近では、装置の小型化を目的として、形状の小さい発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を光源に利用し、例えばセルフォックレンズを介してリニアセンサで画像を直接読み取るコンタクトイメージセンサ(Contact Image Sensor:CIS)と呼ばれるものが広く普及し始めている。
このようなCISにおけるイメージセンサとしては、光電変換センサを直線状に並べたセンサチップを、主走査方向に複数並べて構成した所謂マルチチップ方式のイメージセンサアレイが広く用いられている。
ただし、マルチチップ方式のイメージセンサアレイでは、各々のチップごとに特性が異なるため、原稿を読み取った時にチップの幅で色むらが発生してしまうという問題があった。すなわち、極端な場合には、読み取った画像データに縞模様が出来てしまう。
従来、特許文献1にあるように、テストチャートをイメージセンサアレイで読み取り、チップごとに色補正係数を算出した上で、各チップを一つの色空間をターゲットとして変換する技術が提案されている。
また、近年では自動原稿送り装置(Auto Document Feeder:ADF)を用いて、1枚の原稿の両面を同時に読み取る装置(時間の完全一致ではなく、同一の原稿搬送時程度の意味)が普及し始めている。
例えば、特許文献2に記載の読取装置では、両面同時読取時は、光学系を固定した状態で原稿を搬送しながら読み取りを行う際、原稿の片方の面については、マルチチップイメージセンサを含むCISと呼ばれる読取装置を使用して読み取りを行い、もう一方の面については、CCDをイメージセンサとする縮小光学系を用いて読み取りを行うことになる。
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、チップ間の色補正の性能としては完全ではなく、色むらが残ってしまうという問題があった。
キャリブレーション技術などでチップ間の色補正精度を向上させても、ターゲットに完全に一致させることは困難であり、誤差が生じてしまう。
特に、低彩度領域において出力色が変動し、ターゲットとする彩度よりも高い彩度で再現されてしまった場合は、一般に人間は色むらとして認識しやすい。
人間の視覚特性は、有彩色に比べて無彩色の方が色の変化を見分けやすいので、特に無彩領域における変動により敏感である。
また、上述した特許文献2の技術では、マルチチップイメージセンサに起因するより色むらを抑制するため、CCDイメージセンサに対して同一の処理をかけると、不必要に低彩度部の彩度が下がってしまうため、一般的にはCCDセンサ読み取り時は色むら抑制のための彩度調整処理は行わない方が良いと考えられる。
しかし、自動原稿送り装置を用いた両面同時読み取りにおける表面と裏面、さらには原稿を固定して読み取るブック読み取り(コンタクトガラス上に原稿を固定し、読み取り光学系を走査することで読み取る方法)とで、低彩度部の彩度に差があり、画像の差異として認識されてしまうことも考えられる。
従って、ユーザによっては、あえてCCDイメージセンサで読み取る場合もマルチチップイメージセンサ読み取り同等の彩度調整処理をかける事を望まれることも考えられる。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、無彩部で色の変動がマルチチップイメージセンサのチップ単位で生じた場合においても、色むらが知覚されにくい色再現を用途に応じてユーザが望むようにできるようにすることを目的とする。
この発明は上記の目的を達成するため、入力光を電気信号に変換するイメージセンサを一方向に複数個並べたマルチチップイメージセンサを備えたフルカラー画像読取手段と、上記フルカラー画像読取手段によって読み取られた画像の画像信号に対して上記マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制する色むら抑制手段と、上記画像信号に対して指定された出力用途に応じて上記色むら抑制手段による抑制を実施するか否かを切り換える手段を備えた画像処理装置を提供する。
また、上記色むら抑制手段は、上記フルカラー画像読取手段によって読み取られた画像の画像信号から彩度データを算出する彩度算出手段と、上記彩度算出手段で算出された彩度データを用いて彩度を調整する彩度調整手段を備え、上記彩度調整手段を用いて低彩度の画像信号に対してのみ彩度を落とす変換を行うことにより、マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制する手段にするとよい。
さらに、上記出力用途を、カラーモードの種類にするとよい。
また、上記切り換える手段は、上記画像信号に対して指定されたカラーモードの種類がフルカラーモードである場合は上記色むら抑制手段による抑制を実施するように切り換え、モノクロモードである場合は上記色むら抑制手段による抑制を実施しないように切り換える手段にするとよい。
さらに、上記色むら抑制手段は、上記画像信号の色空間を上記画像信号の出力先の色空間と最適になるように色むらを抑制する手段にするとよい。
また、上記色むら抑制手段は、上記画像信号の出力先が印刷手段であるときは、上記画像信号の色空間を紙出力用の色空間と最適になるように色むらを抑制する手段にするとよい。
さらに、上記色むら抑制手段は、上記画像信号の出力先がネットワークを介して通信する端末装置の表示手段であるときは、上記画像信号の色空間をディスプレイ出力用のsRGBの色空間と最適になるように色むらを抑制する手段にするとよい。
また、上記のような画像処理装置と、上記画像信号に基づいて印刷する印刷手段を備えた画像形成装置を提供する。
さらに、入力光を電気信号に変換するイメージセンサを一方向に複数個並べたマルチチップイメージセンサを備えたフルカラー画像読取手段によって読み取られた画像の画像信号に対して上記マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制する色むら抑制工程と、上記画像信号に対して指定された出力用途に応じて上記色むら抑制工程による抑制を実施するか否かを切り換える工程とからなり、上記色むら抑制工程は、上記フルカラー画像読取手段によって読み取られた画像の画像信号から彩度データを算出する彩度算出工程と、上記彩度算出工程で算出された彩度データを用いて彩度を調整する彩度調整工程を有し、上記彩度調整工程によって低彩度の画像信号に対してのみ彩度を落とす変換を行うことにより、マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制する工程である画像処理方法も提供する。
さらにまた、コンピュータに、入力光を電気信号に変換するイメージセンサを一方向に複数個並べたマルチチップイメージセンサを備えたフルカラー画像読取手段によって読み取られた画像の画像信号に対して上記マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制する色むら抑制手順と、上記画像信号に対して指定された出力用途に応じて上記色むら抑制手順による抑制を実施するか否かを切り換える手順を実施させ、上記色むら抑制手順では、上記フルカラー画像読取手段によって読み取られた画像の画像信号から彩度データを算出する彩度算出手順と、上記彩度算出手順で算出された彩度データを用いて彩度を調整する彩度調整手順を実施させ、上記彩度調整手順によって低彩度の画像信号に対してのみ彩度を落とす変換を行うことにより、マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制させるプログラムも提供する。
この発明による画像処理装置と画像形成装置と画像処理方法は、無彩部で色の変動がマルチチップイメージセンサのチップ単位で生じた場合においても、色むらが知覚されにくい色再現を用途に応じてユーザが望むようにすることができる。
また、この発明によるプログラムは、コンピュータに、無彩部で色の変動がマルチチップイメージセンサのチップ単位で生じた場合においても、色むらが知覚されにくい色再現を用途に応じてユーザが望むようにするための機能を実現させることができる。
この発明の画像処理装置の実施例に係るデジタル式のフルカラー画像処理装置の概略構成を示したブロック図である。 図1に示すスキャナ補正部の内部構成を示すブロック図である。 図2に示す彩度変換部の内部構成を示すブロック図である。 F(C)と彩度相当量Cとの関係を示すグラフの図である。 図1に示すプリンタ補正部の内部構成を示すブロック図である。
複数のチップセンサを一方向に並べたイメージセンサの図である。 縦縞模様が発生した異常画像の説明図である。 F(C)と彩度相当量Cとの関係を示す他のグラフの図である。 F(C)と彩度相当量Cとの関係を示すまた他のグラフの図である。 F(C)と彩度相当量Cとの関係を示すさらに他のグラフの図である。 複数種類の彩度変換テーブルの組み合わせ例を示す一覧表の図である。
彩度相当量Cの色空間を変換したときの変化を示すグラフの図である。 F(C)と彩度相当量Cとの関係を示すさらにまた他のグラフの図である。 画像読取装置の構成例を示した図である。 読み取り部としてのCISを用いた読み取り構造を説明するための図である。
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔実施例〕
図1は、この発明の画像処理装置の実施例に係るデジタル式のフルカラー画像処理装置の概略構成を示したブロック図である。
このフルカラー画像処理装置は、フルカラー複写機として動作する場合、両面原稿読取部101、及び第2画像読取部102は原稿からレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)に色分解した画像データを読み取り、当該画像データ(アナログ信号)をデジタルデータに変換して出力する。この各読取部で生成したそれぞれの画像データは、一時的に十分な大きさの容量を備えたメモリ103に蓄積される。
メモリ103に蓄積されたデータは、メモリ制御部106の制御に従い、後段のスキャナ補正部104に出力される。
メモリ制御部106は、メモリ103への画像データの蓄積処理とメモリ103からの画像データの取り出しをコントロールする。
例えば、両面原稿読取部101により、原稿のある一つの面(仮に表面とする)の画像データを先に処理して、次に原稿の他方の面(仮に裏面とする)の画像データを処理するように、いったん両面画像を全てメモリ103に蓄積しておき、表面の画像データを送出し終わってから裏面の画像データをメモリ103から呼び出して送出する。
原稿を連続して読み取りを行う場合は、表面の画像データと裏面の画像データを、交互にスキャナ補正部104に送出することになる。
後述するように、表面と裏面とでは、読取特性の異なる二つのイメージセンサを用いて読み取りを行っているため、スキャナ補正部104は、通常は別々のパラメータを用いてスキャナ補正を行う必要がある。
スキャナ補正部104は、後で述べるように、両面原稿読取部101又は第2画像読取部102で読み取ったRGB画像データ(デジタルデータ)について、スキャナγ補正処理をしたり、画像領域を文字・線画や絵柄などに分類(像域分離)したり、像域分離の判定結果に応じて画像の文字部は強調して絵柄部は平滑化するフィルタ処理をしたり、読み取った色を用途に応じた色空間に変換したりなどの画像処理を施して両面原稿読取部101又は第2画像読取部102の特性を補正する。
圧縮処理部105は、スキャナ補正部104によるスキャナ補正後の多値画像データを圧縮処理して、汎用バス113にデータを送出する。圧縮後の画像データは汎用バス113を通って、コントローラ110に送られる。
コントローラ110は、図示を省略したCPU,ROM,RAM(半導体メモリ)を備えたマイクロコンピュータであり、圧縮処理部105から送られたデータをRAMに蓄積するようになっている。
なお、上に記したように、スキャナ補正部104には、両面原稿読取部101と第2画像読取部102のそれぞれ特性の異なる二つの読取センサで読み取った画像が入力されてくる。そのタイミングについては、メモリ制御部106により表面、裏面の画像が交互に入力されることになるが、表面の画像が入力される直前のタイミングで、表面用のパラメータ設定がスキャナ補正部104になされ、処理が終わった後に裏面の画像が入力される直前のタイミングで、裏面用のパラメータ設定がスキャナ補正部104になされる。これにより、読取特性の違いをほぼ吸収するような画像処理を行い、表面と裏面で同等の画像を出力することができる。
また、例えば、このフルカラー画像処理装置を備えた複合機(MFP)における実際の制御では、MFP全体の制御を統括するCPU(ここでは図示省略)が存在し、メモリ制御部106やスキャナ補正部104と通信を行い、予め図示を省略したROMに記憶された表面用パラメータ、裏面用パラメータの切り替えを、画像の入出力に同期して行っている。
次に、コントローラ110に蓄積されたデータは随時大容量の記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)111に書き込まれる。このHDD111に画像データを書き込むのは、プロッタ107によるプリントアウト時に用紙が詰まり、出力が正常に終了しなかった場合でも再び原稿を読み直すのを避けるためや、複数の原稿画像データを並べ替える電子ソートを行うためや、読み取った原稿を蓄積しておき、必要なときに再出力するためである。
なお、この実施例では、画像データに対して圧縮を施す場合を示したが、汎用バス113の帯域が十分に広く、画像データを蓄積するHDD111の容量が大きければ、非圧縮の状態で画像データを扱っても良い。
次に、コントローラ110は、HDD111の画像データを、汎用バス113を介して伸張処理部109に送出する。
伸張処理部109は、圧縮処理されていた画像データを元の多値データに伸張し、プリンタ補正部108に送出する。
プリンタ補正部108では、プリンタγ補正処理、階調処理が行われ、プロッタ107の明暗特性の補正処理やプロッタ107の階調特性及び像域分離結果に応じた誤差拡散処理やディザ処理等による画像データの量子化が行われる。
プロッタ107は、例えば、レーザービーム書き込みプロセスを用いた転写紙印字ユニットであり、画像データを感光体に潜像として描画し、トナーによる作像と転写処理後、転写紙にコピー画像を形成する。
このフルカラー画像処理装置がネットワークを介してPC114に画像データを配信する配信スキャナとして動作する場合は、圧縮処理されるまでは複写機として動作する場合と同様の処理フローとなる。
その後、コントローラ110に画像データが送られる。コントローラ110ではフォーマット処理が行われ、そのフォーマット処理では、JPEGやTIFF、BMP形式への汎用画像フォーマット変換を行う。
その後、画像データはネットワーク・インタフェース・コントローラ(NIC)112を介して外部の情報処理端末装置であるPC114に配信される。
ユーザは、図1に示した操作表示部115の操作画面から、使用する機能、カラーモード、画質モードを含むユーザの所望する各種の設定を行うことができる。
例えば、使用する機能として、コピー、スキャナ配信、FAXを含む各種の機能を選択して指定することができる。
上記カラーモードとしては、フルカラーモード(フルカラー出力モード)、モノクロモード(モノクロ出力モード)、自動カラー選択(ACS=Auto Color Selection)モード(自動カラー出力モード)、単色カラーモード(単色カラー出力モード)を含む各種のモードを選択して指定することができる。
また、上記画質モードとしては、文字をくっきり再現することを最優先にする時は文字モード、写真の階調製や滑らかさを再現することを最優先にする時は写真モード、両方に対して適切な画像を求める時は文字写真モードを含む各種のモードを選択して指定することができる。
さらに、外部の情報処理端末装置であるPC114からトウェイン(TWAIN)のような標準的なインタフェース仕様を通じてこのフルカラー画像処理装置にアクセスすることもできる。
その場合は、例えば、フォトショップ(Photoshop:登録商標)のようなTWAIN対応の画像編集ソフトウェアを通じて、このフルカラー画像処理装置に両面原稿読取部101又は第2画像読取部102によるスキャナ読取動作の指示を出し、読み取った画像データをPC114側に取り込むことが可能になる。
さらに、エクステンシブル・ファームウェア・インタフェース(Extensible Firmware Interface:EFI)のような外部コントローラを通じて画像処理を行う場合、標準チャートを、このフルカラー画像処理装置の両面原稿読取部101又は第2画像読取部102で読み取ることによりキャリブレーションを行うこともできる。
次に、上記スキャナ補正部104の内部構成と処理について説明する。
図2は、図1に示すスキャナ補正部の内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、スキャナ補正部104は、両面原稿読取部101又は第2画像読取部102から入力したR,G,Bの各画像データに基づき、原稿の画像領域(像域)が文字領域か絵柄領域か、あるいは有彩領域か無彩領域かなどを判定する像域分離部125と、両面原稿読取部101又は第2画像読取部102のスキャナの特性によるRGB画像データのデジタル値を、明度に比例するデジタル値に変換するスキャナγ補正部120と、スキャナγ補正部120から入力された画像データの彩度に応じて出力画像の彩度を調整する彩度変換部121と、像域分離部125による像域分離の結果のデータXに基づいてR,G,Bの各画像データに鮮鋭化処理をかけたり、平滑化処理をかけたりするフィルタ処理部122と、フィルタ処理部122の処理後のRGBに色分解された画像データを、それとは異なる色空間であるシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の記録色情報を含むカラー画像データに変換する色補正部123と、色補正部123からのカラー画像データの入力画像における主走査方向の大きさを拡大・縮小して出力する変倍処理部124とから構成される。
同図には、像域分離結果としてX信号が像域分離部125から出力され、121〜124,105の各画像処理モジュールにて必要に応じて参照される場合の構成例を示している。
この実施例では、彩度変換部121にて低彩度部の彩度を落とす事により、マルチチップイメージセンサに起因する画像の色むら(マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むら)を抑制する。その詳細については後述する。
次に、上記スキャナ補正部104に含まれる彩度変換部121の内部構成と処理について詳細に説明する。
図3は、図2に示す彩度変換部の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、彩度変換部121は、RGB−Yuv変換部130と、彩度算出部131と、彩度変換テーブル132と、彩度補正部133と、Yuv−RGB変換部134とで構成される。
RGB−Yuv変換部130では、一般によく知られた次の数1に示す数式に基づく演算処理により、入力されたRGB画像信号を輝度−色度信号に変換を行う。
(数1)
Y=R1+2×G1+B1(Y:0〜1020)・・・(1)
U=R1−G1(U:−255〜255)・・・・・・(2)
V=B1−G1(V:−255〜255)・・・・・・(3)
彩度算出部131では、上記(2)と上記(3)で算出されたUとVの各データを用いて、U*U+V*Vの平方根を算出することにより、彩度相当量Cを算出する。
すなわち、次の数2に示す数式に基づく演算処理によって彩度相当量Cを算出する。
(数2)
C=(U×U+V×V)^(1/2)・・・・・・(4)
次に、彩度補正部133では、入力画像のuとvの各データ及び彩度算出部131で算出された値を用いて彩度の変換を行う。
彩度補正部133には、彩度変換テーブル132を参照し、次の数3に示す数式に基づく演算処理によって彩度の変換を行う。
彩度変換テーブルは、例えば、図4に示すF(C)と彩度相当量Cとの関係を示すグラフで表されるような予め適切な値を設定しておく。
(数3)
C′=C×F(C)/64・・・・・・(5)
U′=U×C′/C・・・・・・・・・(6)
V′=V×C′/C・・・・・・・・・(7)
この場合、F(C)=64となる場合は、C′/C=1となり、彩度は入力時と同一のものが出力されることになる。
図4に示した例では、入力画像の彩度相当量CがClim以上である場合は、彩度の変換を行わない。したがって、入力画像の彩度相当量CがClim以下の場合のみ、出力画像の彩度が下がる(彩度を落とす)ことになる。
最後に、Yuv−RGB変換部134では、彩度が調整(更新)されたデータをRGBの各画像データに変換する。その変換は次の数4で示す数式に基づく演算処理によって行う。
(数4)
G′=Y−((U′+V′)/2)(G′:0〜255)・・・・(8)
R′=U′+G′(R′:0〜255)・・・・・・・・・・・・(9)
B′=V′+G′(B′:0〜255)・・・・・・・・・・・・(10)
なお、ここでは彩度としてC=(U*U+V*V)^(1/2)という数式に基づく演算処理を用いたが、彩度に相当する量ならば、異なる指標を用いてもよい。
例えば、上記処理ではRGB−Yuv変換を行ったが、RGB−L*a*b*変換を行い、U、V信号の代わりにa*b*信号を使ってもよい。
また、回路規模を減らすために、C=ABS(U)+ABS(V)のような指標を使っても良い(ABS(A)は、Aの絶対値を示す関数である)。
次に、上記プリンタ補正部108の内部構成と処理について説明する。
図5は、図1に示すプリンタ補正部の内部構成を示すブロック図である。
図5に示すように、プリンタ補正部108は、伸張処理部109を経たC,M,Y,Bkの各画像データに対して、プロッタの周波数特性に応じてγ補正を行うプリンタγ補正部140と、ディザ処理・誤差拡散処理などの量子化を行う階調処理部141とを備えており、プリンタ特性が補正されたC,M,Y,Bkの各画像データを出力する。
この各画像データがプロッタ107に送られ、プロッタ107は送られてきた各画像データに基づいて作像を行い、作像された画像を用紙上に転写することで画像形成を行う。
プリンタγ補正部140は、像域分離部125の像域分離の判定結果の信号Xが文字判定領域を示す場合は、コントラストを付けるようなγ補正を行い、像域分離の判定結果の信号Xが絵柄を示す場合は、階調性の再現を重視するようなγ補正を行う。
階調処理部141は、像域分離部125の像域分離の判定結果の信号Xが文字判定領域を示す場合は、文字鮮鋭性を重視するような中間調処理を行い、像域分離の判定結果の信号Xが絵柄を示す場合は、画像の滑らかさを重視するような中間調処理を行う。
次に、図1に示した両面原稿読取部101及び第2画像読取部102は、例えば、特開2005−217467号公報に記載の公知技術を適用すればよい。
上記公報の段落「0013」〜「0030」で説明されている原稿送り装置10及びスキャナ装置70を用いれば実現できる。
次に、上記公報から一部引用した説明と図14と図15とを用いて、上記両面原稿読取部101及び第2画像読取部102の一例である画像読取装置について説明する。
図14は画像読取装置の構成例を示した図である。
この画像読み取り装置は、大きく、積載された原稿束から原稿を順次、搬送する原稿送り装置10、スキャンによって画像を読み込むスキャナ装置70、および、読み込まれた画像信号を処理する処理装置80に大別される。
原稿送り装置10は、複数枚の原稿からなる原稿束を積載する原稿トレイ11、原稿トレイ11を上昇および下降させるトレイリフタ12を備えている。
また、トレイリフタ12により上昇された原稿トレイ11の原稿を搬送するナジャーロール13、ナジャーロール13により搬送された原稿を更に下流側まで搬送するフィードロール14、ナジャーロール13により供給される原稿を1枚ずつ捌くリタードロール15を備えている。
最初に原稿が搬送される第1搬送路31には、一枚ずつに捌かれた原稿を下流側のロールまで搬送するテイクアウェイロール16、原稿を更に下流側のロールまで搬送すると共にループ作成を行うプレレジロール17、一旦、停止した後にタイミングを合わせて回転を再開し、原稿読み取り部に対してレジストレーション調整を施しながら原稿を供給するレジロール18、読み込み中の原稿搬送をアシストするプラテンロール19、読み込まれた原稿を更に下流に搬送するアウトロール20を備えている。
これら各ロールにより、原稿送り部が構成される。また、搬送路としての第1搬送路31には、搬送される原稿のループ状態に応じて支点を中心として回動するバッフル41を備えている。更に、プラテンロール19とアウトロール20との間には、CIS(Contact Image Sensor)50を備えている。
アウトロール20の下流側には、第2搬送路32および第3搬送路33が設けられ、これらの搬送路を切り替える搬送路切替ゲート42、読み込みが終了した原稿を積載させる排出トレイ40、排出トレイ40に対して原稿を排出させる第1排出ロール21を備えている。
また、第3搬送路33を経由した原稿に対してスイッチバックさせる第4搬送路34、第4搬送路34に設けられ、実際に原稿のスイッチバックを行うインバータロール22およびインバータピンチロール23、第4搬送路34によってスイッチバックされた原稿を再度、プレレジロール17等を備える第1搬送路31に導く第5搬送路35、第4搬送路34によってスイッチバックされた原稿を排出トレイ40に排出する第6搬送路36、第6搬送路36に設けられ、反転排出される原稿を第1排出ロール21まで搬送する第2排出ロール24、第5搬送路35および第6搬送路36の搬送経路を切り替える出口切替ゲート43を備えている。これら第3搬送路33、第4搬送路34、第5搬送路35によって、反転搬送路が構成される。
ナジャーロール13は、待機時にはリフトアップされて退避位置に保持され、原稿搬送時にニップ位置(原稿搬送位置)へ降下して原稿トレイ11上の最上位の原稿を搬送する。
ナジャーロール13およびフィードロール14は、フィードクラッチ(図示せず)の連結によって原稿の搬送を行う。
プレレジロール17は、停止しているレジロール18に原稿先端を突き当ててループを作成する。
レジロール18では、ループ作成時に、レジロール18に噛み込んだ原稿先端をニップ位置まで戻している。このループが形成されると、バッフル41は支点を中心として開き、原稿のループを妨げることのないように機能している。
また、テイクアウェイロール16およびプレレジロール17は、読み込み中におけるループを保持している。
このループ形成によって、読み込みタイミングの調整が図られ、また、読み込み時における原稿搬送に伴うスキューを抑制して、位置合わせの調整機能を高めることができる。
読み込みの開始タイミングに合わせて、停止されていたレジロール18が回転を開始し、プラテンロール19によって、第2プラテンガラス72B(後述)に押圧されて、下面方向から画像データが読み込まれる。
搬送路切替ゲート42は、片面原稿の読み取り終了時、および両面原稿の両面同時読み取りの終了時に、アウトロール20を経由した原稿を第2搬送路32に導き、排出トレイ40に排出するように切り替えられる。
一方、この搬送路切替ゲート42は、両面原稿の順次読み取り時には、原稿を反転させるために、第3搬送路33に原稿を導くように切り替えられる。
インバータピンチロール23は、両面原稿の順次読み取り時に、フィードクラッチ(図示せず)がオフの状態でリトラクトされてニップが開放され、原稿をインバータパス(第4搬送路34)へ導いている。その後、このインバータピンチロール23はニップされ、インバータロール22によってインバートする原稿をプレレジロール17へ導き、また、反転排出する原稿を第6搬送路36の第2排出ロール24まで搬送している。
スキャナ装置70は、上述した原稿送り装置10を備えることができると共に、この原稿送り装置10を装置フレーム71によって支え、また、原稿送り装置10によって搬送された原稿の画像読み取りを行っている。
このスキャナ装置70は、装置フレーム71に、画像を読み込むべき原稿を静止させた状態で載置する第1プラテンガラス(プラテンガラス)72A、原稿送り装置10によって搬送中の原稿を読み取るための光の開口部を形成する第2プラテンガラス72Bが設けられている。
なお、スキャナ装置70に対して原稿送り装置10が奥側を支点に揺動自在に取り付けられており、第1プラテンガラス72A上に原稿をセットする際には、原稿送り装置10を持ち上げて原稿を載置し、その後、原稿送り装置10をスキャナ装置70側に降ろして押し付けるようになっている。
また、スキャナ装置70は、第2プラテンガラス72Bの下に静止し、および第1プラテンガラス72Aの全体に亘ってスキャンして画像を読み込むフルレートキャリッジ73、フルレートキャリッジ73から得られた光を像結合部へ提供するハーフレートキャリッジ75を備えている。
フルレートキャリッジ73には、原稿に光を照射する照明ランプ74、原稿から得られた反射光を受光する第1ミラー76Aが備えられている。
更に、ハーフレートキャリッジ75には、第1ミラー76Aから得られた光を結像部へ提供する第2ミラー76Bおよび第3ミラー76Cが備えられている。
更に、スキャナ装置70は、第3ミラー76Cから得られた光学像を光学的に縮小する結像用レンズ77、結像用レンズ77によって結像された光学像を光電変換するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ78、CCDイメージセンサ78を備える駆動基板79を備え、CCDイメージセンサ78によって得られた画像信号は駆動基板79を介して処理装置80に送られる。
ここで、まず、第1プラテンガラス72Aに載置された原稿の画像を読み取る場合には、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とが、2:1の割合でスキャン方向(矢印方向)に移動する。
このとき、フルレートキャリッジ73の照明ランプ74の光が原稿の被読み取り面に照射されると共に、その原稿からの反射光が第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cの順に反射されて結像用レンズ77に導かれる。
結像用レンズ77に導かれた光は、CCDイメージセンサ78の受光面に結像される。
CCDイメージセンサ78は1次元のセンサであり、1ライン分を同時に処理している。
このライン方向(スキャンの主走査方向)の1ラインの読み取りが終了すると、主走査方向とは直交する方向(副走査方向)にフルレートキャリッジ73を移動させ、原稿の次のラインを読み取る。
これを原稿サイズ全体に亘って実行することで、1ページの原稿読み取りを完了させる。
一方、第2プラテンガラス72Bは、例えば長尺の板状構造をなす透明なガラスプレートで構成される。
原稿送り装置10によって搬送される原稿がこの第2プラテンガラス72Bの上を通過する。このとき、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とは、図14に示す実線の位置に停止した状態にある。
まず、原稿送り装置10のプラテンロール19を経た原稿の1ライン目の反射光が、第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cを経て結像用レンズ77にて結像され、本実施の形態における第1のセンサであるCCDイメージセンサ78によって画像が読み込まれる。
即ち、1次元のセンサであるCCDイメージセンサ78によって主走査方向の1ライン分を同時に処理した後、原稿送り装置10によって搬送される原稿の次の主走査方向の1ラインが読み込まれる。原稿の先端が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置に到達した後、原稿が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置を通過することによって、副走査方向に亘って1ページの読み取りが完了する。
次に、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とを停止させ、第2プラテンガラス72BにてCCDイメージセンサ78により原稿の第1面の読み取りを行う原稿の搬送時に、同時(時間の完全一致ではなく、同一の原稿搬送時程度の意味)にCIS50によって、原稿の第2面の読み取りを行うことが可能である。
即ち、CCDイメージセンサ78とCIS50とを用いて、搬送路への原稿の一度の搬送で、この原稿における表裏両面の画像を読み取ることを可能としている。
図15は、読み取り部としてのCIS50を用いた読み取り構造を説明するための図である。
図15に示すように、CIS50は、プラテンロール19とアウトロール20との間に設けられる。原稿の片面(第1面)は、第2プラテンガラス72Bに押し当てられ、この第1面の画像はCCDイメージセンサ78にて読み込まれる。
一方、CIS50では、原稿を搬送する搬送路を介して対向する他方の側から、片面(第2面)の画像が読み込まれる。
このCIS50は、ガラス51と、このガラス51を透過して原稿の第2面に光を照射するLED(Light Emitting Diode)52と、LED52からの反射光を集光するレンズアレイであるセルフォックレンズ53と、このセルフォックレンズ53により集光された光を読み取るラインセンサユニット54を備えている。
ラインセンサユニット54としては、CCDやCMOSセンサ、密着型センサ等を用いることができ、実寸幅(例えばA4長手幅297mm)の画像を読み取ることが可能である。
CIS50では、縮小光学系を用いずに、セルフォックレンズ53とラインセンサユニット54を用いて画像の取り込みを行うことから、構造をシンプルにすることができ、且つ、筐体を小型化し、消費電力を低減することができる。
尚、カラー画像を読み込む場合には、LED52にR(赤)G(緑)B(青)の3色のLED光源を組み合わせ、ラインセンサユニット54としてRGB3色用の3列一組のセンサを用いれば良い。
また、CIS50による画像読み取りに際して、この読み取り部を構成する搬送路に、CIS50の筐体から延びる制御部材55、制御部材55によって押し付けられた原稿を突き当てる突き当て部材60を備えている。
ただし、制御部材55はCIS50を介して原稿送り装置10(図14参照)に取り付けられているが、突き当て部材60はスキャナ装置70(図14参照)に取り付けられている。
また、この突き当て部材60の下流側にはガイド部材61が設けられ、このガイド部材61と突き当て部材60との間には開口部63を構成し、更に、ガイド部材61の下部であって開口部63に連続する箇所には、原稿の表面に付着してきたごみや汚れを溜める回収部としてのごみ溜め部62が設けられている。
制御部材55および突き当て部材60は、原稿の搬送路に直交する方向に(即ち、原稿送り装置の前面から後面の方向に)、原稿送り装置10の前面から後面まで、搬送路の位置に対応して設けられている。
ここで、制御部材55は、CIS50に設けられた軸50aに巻き回されたくの字状の板金からなる板バネにて構成されており、制御部材55を撓み自在とすることで、搬送されてくる原稿の厚み分を吸収できると共に、折り曲げ痕のついた原稿であっても安定して搬送できるようになっている。
また、制御部材55の先端側は、CIS50による読み取り位置近傍まで伸びており、原稿と接触する部位にはヘミング曲げされた折り部55aが設けられ、原稿とスムーズに接触し、紙粉等の発生を防止できるようになっている。
なお、制御部材55の折り部55aと突き当て部材60との距離(原稿を通すためのギャップ)は0.1〜1.0mm程度に設定される。
一方、突き当て部材60は、原稿の搬送方向上流側に設けられ、搬送される原稿を案内する搬送面60aと、この搬送面60aよりも原稿の搬送方向下流側に搬送面60aよりも一段下げて形成される段差面60bとを有している。
また、この段差面60bは、セルフォックレンズ53による光のフォーカスポイントの延長線と対向するように形成されており、段差面60b上には、二軸延伸ポリエステルフィルムからなる白基準部材としての白基準テープ64が貼り付けられている。
したがって、白基準テープ64は、突き当て部材60を介してスキャナ装置70に取り付けられていることになる。白基準テープ64の上面が、搬送路に露出した状態で配置されている。
CIS50は、光学結像レンズにセルフォックレンズ53を採用していることから、焦点(被写界)深度が±0.3mmと浅く、スキャナ装置70側と比べて約1/13以下となっている。
このため、CIS50による読み取りに際しては、原稿の読み取り位置を所定の狭い範囲内に定めることが要求される。
そこで、上述した制御部材55を設け、原稿を制御部材55によって突き当て部材60に押し当てながら搬送し、プラテンロール19とアウトロール20との間にある原稿の姿勢を安定的に制御できるように構成した。
図15の一点鎖線矢印は、制御部材55を設けた場合における原稿の動きを示したものである。
制御部材55により、原稿が突き当て部材60に突き当てられながら搬送されていることが理解される。
このようにすることで、読み取り位置における原稿の高さを略一定にすることができ、被写界深度の浅いCIS50を用いた場合におけるピントの甘さを改善することが可能となっている。
上記原稿送り装置10は、読取部を固定し、原稿を移動させながら原稿画像を読み取る両面原稿読取装置であり、上記スキャナ装置70は、原稿を固定した状態で光学系を走査することにより原稿を読み取る第2の読取装置に該当する。
この装置を用いれば、CCDイメージセンサにより原稿の第1面の読み取りを行う原稿の搬送時に、同時(時間の完全一致ではなく、同一の原稿搬送時程度の意味)にCISによって、原稿の第2面の読み取りを行うことが可能である。
即ち、CCDイメージセンサとCISとを用いて、搬送路への原稿の一度の搬送で、この原稿における表裏両面の画像を読み取ることを可能にすることができる。
なお、原稿を固定した状態で走査し、縮小光学系を用いて読み取る際は、両面原稿読取装置のうち、CCDイメージセンサで画像を読み取る際に使用するCCDセンサと共通のセンサを使用している。
ここで用いられているCISとは、近年装置の小型化を目的として、形状の小さい発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を光源に利用し、レンズを介してリニアセンサで画像を直接読み取るコンタクトイメージセンサ(Contact Image Sensor:CIS)と呼ばれるものである。
上記画像読取装置では、モノクロスキャナとしての読み取りであるが、カラー画像を読み込む場合には、LEDにR(赤)G(緑)B(青)の3色のLED光源を組み合わせ、ラインセンサユニットとしてRGB3色用の3列一組のセンサを用いれば良い。
また必ずしも照明光源としてLEDを使う必要はないので、キセノン光源などを照明光源としてもよい。
上記CISに用いられているイメージセンサとしては、通常、図6に示すような複数のチップセンサを一方向に並べたものが使用されている。
図6には、1ラインの中に9つのセンサが並んだものが3ライン示されているが、この数はもちろん9つに限定されるものではない。
実際には、一つのチップが300画素前後で構成され、25個程度のチップでA4サイズの長手方向に相当するスキャナが較正される。
なお、図6中の3ラインのセンサは、R、G、Bの各信号を読み取るセンサに該当する。
図6でLで示しているものがマルチチップセンサを構成する一つのセンサチップの幅である。このチップ幅の単位で読取特性が変化するため、このようなマルチチップイメージセンサで読み取りを行うと、その変化が著しく大きい場合は、図7に示すような縦縞模様が発生するという異常画像になる。
それを防ぐために、各チップ間の特性差を吸収するような色空間変換を行う技術が開示されている。
このような技術を使うことで、既述のような激しい色むらが発生することは抑えることができる。
しかしながら、そのような技術でも100%特性を一致させる事はできる訳ではない。
その場合、人間の視覚特性としても最も敏感な付近を中心に色むらが顕在化してしまう事がある。
例えば、複数のセンサチップにまたがる程度の一様な領域がある原稿を読み取った時、その領域が濃い青のような有彩原稿だったとすると、ある青色の近くに少し色の違う青が存在したとしても、よく視認できない事がある。
あるいは視認されたとしても違和感を感じにくい。
ところが、原稿が無彩であったとすると、同程度の色の差だったとしても、かたや無彩が再現されているのに対し、隣のセンサチップで読み取った領域では少し色づいている場合は、人間の視覚特性として非常に視認されやすく、また視認された場合には違和感を感じやすい。
色むらが目立ちやすい領域というのは低彩度領域であり、実際に無彩部で色づきが目立っている場合でも、彩度を測定すると数値としてはおよそ3〜4程度の値となっている(最も彩度が高い場合は255)。
したがって、低彩度領域のみ彩度を落とし、それ以外の部分については彩度を保存するような処理をかけることにより、色再現を殆ど損なわない状態で、マルチチップイメージセンサの各チップ間の特性ばらつきに基づく、読み取り画像の色むらを抑制することができる。
具体的には、図4に示したグラフに基づく値を備えた彩度変換テーブルを参照し、既に説明したような処理を行えば良い。
図4に示すグラフで、Climは入力された画像の彩度データのうち、彩度を落とす処理を行う限界値を示している。そして、これよりも高い彩度の画素に対しては、彩度を落とす処理を施さない。
なお、基本的に、この実施例における彩度調整処理は、本来の有彩領域に対して施してしまうと色再現を劣化させる方向の処理である。
彩度が比較的高いところで極端に彩度を落としてしまえば、マルチチップセンサの各チップ間の特性ばらつきに基づく色むらを抑制する効果よりも、本来の目的である色再現が達成できなくなってしまう。
しかしながら、既述の通り、かなりの低彩度領域に対してのみ効かせる処理であるため、いわゆる鮮やかな色に対する影響はない。
但し、有彩画像の色再現の観点からすれば望ましい処理ではないため、メリットがない限りは処理を施さない方が良い。
一組のマルチチップセンサのバラツキは一定の範囲内でばらついたり、ユーザの求めるレベルは様々であるため、図4で彩度を落とし始める値として示したClimを、何段階か変更できるようにしておくことで、更にユーザの所望する画像を提供することができる。
次に、何段階かで変更した時の彩度変換テーブルに格納する値の変化を示すグラフ例を、図8及び図9に示す。
ここでClimの値が大きくなるほど、彩度変換による影響が大きくなってくる。
マルチチップイメージセンサのチップ間の特性ばらつきが大きい場合には、図9に示すようにClimが大きい設定を採用し、バラツキが小さい場合には、図8に示すようにClimが小さい設定を採用すれば良い。
図9に示すような設定をすると、画像の色むらが目立ちにくくなり、無彩原稿の色再現がよくなる一方で、有彩原稿の色再現が悪くなってくる。
ユーザは、無彩原稿の色むらとして許容できるレベルのClimに最も近い設定を行い、それよりClimを上げることは避けるべきである。
また、この実施例では図4、図8、図9の3段階の例を示したが、段階は3に限るものではなく、Climの値をより細かく複数段階に設定できるようにしても良い。
次に、システム構成例について述べる。
この実施例においては、以下の(1)〜(3)に示す3種類の読取処理方法がある。(2)(3)については、共通のCCDセンサで画像を読み取っている。
(1)ADFを用いて原稿を移動しながら両面原稿の画像を読み取るとき、マルチチップイメージセンサを用いて画像を読み取る場合。
(2)ADFを用いて原稿を移動しながら両面原稿の画像を読み取るとき、CCDセンサを用いて画像を読み取る場合。
(3)原稿を固定した状態で縮小光学系を用いて画像を読み取るとき、CCDイメージセンサで画像を読み取る場合。CCDセンサと共通のセンサを使用している。
(第1のシステム例)
先程述べたように、有彩画像の色再現の観点から、この実施例で行っている彩度の低減処理は、本来の色からすれば原稿忠実の狙いからは異なり、望ましい処理ではないため、メリットがない限りは処理を施さない方が良い。
最もシンプルに考えた場合、マルチチップイメージセンサに起因する色むらを抑制する処理は、(1)の場合にのみ適用するのが良いと考えられる。
CCDイメージセンサには、このような色むらは存在しない。色むらを抑制する訳でもなく、色再現に対するデメリットのみが存在する。
本実施例の場合は、両面原稿読取部101から、CCD読取の画像とCIS読取の画像がメモリ制御により交互にスキャナ補正部104に送出されてくる。
CIS読取の画像に対しては、既述の通り、図4に示す値を備えた彩度変換テーブルを設定する。
CCD読取の画像に対しては、図10に示す値を備えた彩度変換テーブルを設定する。
図10は、Clim=0の場合に相当し、彩度調整処理を一切行わない設定に該当する。これらの設定を、メモリ制御に同期して行う。
(第2のシステム例)
しかしながら、両面で原稿を読み取った場合、原稿のある一方の面と、その裏面とでは最終的にユーザが手にする画像がほぼ同じであることが理想的であると考えられる。
したがって、両面原稿読取部101において原稿を読み取った場合は、両面で同じような画像を得ることを欲するユーザにとって(1)(2)の双方について同等の処理をかけるのが望ましいと言える。
このような要求のユーザに対しては、原稿の表面と裏面に対して同一の彩度変換テーブルを用いた彩度調整処理によって彩度調整を行うような画像処理装置を提供することが望ましい。
この場合も、両面原稿を両面読取する訳ではなく、片面原稿のみの場合については、単純に(2)の読み取りが行われるだけである。
その場合は、CIS読取ではないため、色むら抑制のための彩度調整処理を行う必要はない。
したがって、原稿が片面か両面かによって、彩度調整による色むら抑制を行うか否かを切り替えた方が良いと考えられる。
したがって、ユーザが両面原稿読取を図示しない操作画面から指定した時のみ、図4に示した値を備えた彩度変換テーブルを設定する。それ以外では、図10に示した値を備えた彩度変換テーブルを設定する。
なお、同じADFによる表面読取にも関わらず、片面読取と両面読取とで差が出ることを好まないユーザのために、片面読取でも彩度調整を効かせるようにしても良い。
(第3のシステム例)
さらに、実際のユーザの用途としては、(3)のように原稿固定の方式で読み取る場合も多い。この場合は、(1)(2)の方式で読み取った画像と比較をするというよりは、(3)の単体で原稿忠実な画像が求められると考えられる。
したがって、そのような用途の場合は、(3)の画像で不必要に本実施例で行っている彩度調整処理は行わない。このような場合(いわゆるブック読取の場合)は、図10に示す値を備えた彩度変換テーブルを設定する。
(第4のシステム例)
上述のシステム構成を示してきたが、実際にはユーザの要求により最適なシステムは異なる。
ユーザに提供する装置として、最もユーザが欲していると考えられるシステムに固定化する方法もあるが、複数のシステムを可変に提供することができれば、なお望ましい。
図11に示すのは、上記(1)〜(3)の読取処理方法に対し、図4に示す値を備えた低彩度部の彩度低下を加える彩度変換テーブルを設定して彩度調整処理をする場合を彩度調整“オン(ON)”で表し、図10に示す値を備えた彩度変換テーブルを設定し、彩度調整処理を行わない場合を彩度調整“オフ(OFF)”で表している。
まず、図11に示す第1設定について説明する。
この第1設定の場合は、全ての場合に彩度調整をオンにして色むら抑制処理を実施している。
本来(2)(3)には彩度調整処理が必要ないと考えられるが、どの読取処理方法で読み取っても、全て一貫した画像を得ることができる。
但し、低彩度領域の画像に対しては、原稿忠実の画像よりも彩度が落ちてしまったり、グラデーションの階調性が若干落ちてしまう。
極めて厳密な色再現を求めるユーザには適さないこともあるが、一般のユーザにとっては、低彩度部における大きな色むらの方が許容されない場合がしばしばある。
このように、第1の設定は、低彩度部について多少の色再現を犠牲にしても構わないユーザには事実上問題ない画像を提供することができる。
次に、第2設定について説明する。
この第2設定の場合は、原稿固定の読取方式の時のみ、彩度調整をオフにして色むら抑制処理を実施しない。
これにより、ADFによる両面原稿読取を行った場合は、表面と裏面に一貫性が保たれる。
ADF読取にて彩度調整処理による副作用が問題となる場合は、原稿固定の読取方式で読み取りを行えば良い。
但し、片面原稿を原稿固定の読取方式で読み取った場合とADFで読み取った場合に、低彩度部で差分が発生する。
このように、第2の設定は、両面原稿の表裏の差に重点を置くユーザに適した設定である。
次に、第3設定について説明する。
この第3設定の場合は、両面原稿読取部のCISを使った読み取りを行う時のみ、彩度調整をオンにして色むら抑制処理を実施する。
これにより、本質的に必要な場合のみ彩度調整による色むら抑制処理を行うことができ、CCDセンサを使った読み取りでは、不必要な画像劣化を防ぐことができる。
また、片面原稿を原稿固定の読取方式で読み取った場合とADFで読み取った場合とで、彩度調整処理に基づく画像の差分は発生しない。
但し、両面原稿読取時には、表面と裏面とで差分が発生する。
このように、第3の設定は、両面読取時の裏面画像には、多少の画質劣化を許容できるようなユーザに適した設定である。
最後に、第4設定について説明する。
この第4設定の場合は、彩度調整をオフにして色むら抑制処理を常に実施しない。
従って、低彩度部に色むらが発生するという異常が見られるが、そのような彩度領域を含まない原稿を読み取る場合には、この第4設定でも問題ない。
むしろ、第4設定によれば、原稿に忠実な色再現を常に求めることができる。
そこで、通常はこの第4設定にしておき、必要に応じて第1〜第3設定の各設定にそれぞれ切り替える使い方も考えられる。
そのような切り替えが煩雑で手間であるというユーザは、用途に応じてデフォルトを第1〜第4設定のいずれかに設定しておけば良い。
なお、ここでは第1〜第4設定を行う実施例を示したが、(1)〜(3)に対してこれ以外の“OFF”“ON”の組み合わせを設定できるようにしても良い。
また、ここではADFの表面読取画像と裏面読取画像を交互にスキャナ補正部に入力し、適切なパラメータを各々それに同期する形で設定する実施例を示したが、スキャナ補正部や圧縮処理部を二つもち、独立にパラメータ設定を行う実施例も考えられる。
その場合は、両面原稿読取時にパラメータを交互に切り替える訳ではなく、2つのデバイスにパラメータを適切に設定することになる。
この場合も、本発明に係る部分の本質は同じであり、色むら抑制処理を行いたい画像パスにおいては図4に示した値を備えた彩度変換テーブルを設定し、色むら抑制処理を行わない画像パスには図10に示した値の彩度変換テーブルを設定すればよい。
これまで述べてきたシステムにおいては、ユーザーがカラーモード等の出力モードを設定した時でも、同一の彩度変換テーブルがかけられていた。
しかしながら、実際には出力用途に応じてその色むら抑制処理の実施は変えるべきものである。
例えば、カラーモードについて考える。
モノクロモードで画像データを出力する際には、元々彩度情報が出力画像に残っていないため、マルチチップのデバイス色空間が彩度方向にずれていたとしても、あまり目立たない。
ところが、彩度調整処理自体も、完全に彩度情報のみを調整する訳ではなく、明度方向のデータも幾らか変化してしまう。
特にハード規模を意識して簡易的な式で実装するとその程度は大きくなる。
このように、モノクロモードで画像データを出力する場合は、彩度調整による色むら抑制処理を行うメリットよりもデメリットが発生する可能性が大きくなることがある。
したがって、ユーザが操作表示部115の操作画面でモノクロモードを指定した場合には、これまで述べてきた実施例において、彩度調整オンの設定となっている場合でも、必ず色むら抑制処理を実施しないで出力する方が、ユーザにとって望ましい画像になる。
また、カラーモードが自動カラー判定モードに指定されている場合は、原稿がカラー原稿と判定された時のみ色むら抑制処理補正を実施して出力すれば良い。
次に、画質モードの変更に対応するCISの色むら抑制処理の対応について考える。
例えば、細かい色再現が求められず、とにかくチップ幅の色むらのような異常画像を避けたい場合には、CISの色むら抑制処理を実施して、比較的彩度の高いところから彩度を落とし始めるように、図9に示した彩度変換テーブルを設定するとよい。
また、写真モードの場合は、正確なグラデーションの再現が求められるような事も多いため、CISの色むら抑制処理を実施しないようにするか、あるいは、色むら抑制処理を実施しても比較的彩度の低いところまで彩度を落とさないように、図8に示した彩度変換テーブルを設定するとよい。
無論、必ずこの設定の仕方が望まれるとは限らないので、上述とは異なる設定にしても良い。
次に、コピー装置として使用する場合と、スキャナ配信装置として使用する場合の違いについて考える。
色補正部123は、出力される色空間に応じてパラメータを切り替え、紙出力に最適な色空間に補正をしたり、sRGB空間において最適な色空間に補正を行ったりしている。
それは、色域の違いやガマット圧縮の仕方の違いがあるため(例えば、プリンタが画像出力に使用するシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(Bk)というガマットと、ディスプレイで使われるsRGBのガマットとは異なる)、同一の原稿を読み取っても、全く同じ色再現となる訳ではないからである。
例えば、無彩原稿がデバイス色空間の違いにより色づいてしまった場合の色むらの目立つ程度も、紙出力とスキャナ配信で得られた電子画像とでは異なるものである。
したがって、その出力先の色空間に応じて、色むら補正に用いる彩度変換テーブルの最適設定は異なる。
すなわち、スキャナの画像読み取り直後に彩度がAであった場合、紙出力に最適な色空間に色補正部123で変換した結果がA′であったとしても、ディスプレイに表示させたときの見え方が最適な色空間(sRGB空間)になるように色補正部123で変換した結果は一般にA′とはならずにA″という別の値になる。
このような結果を、入力彩度が異なる場合に彩度方向に対してプロットすると、図12に示すような結果が得られる。
例えば、図12中に実線で示す曲線が入力画像をsRGB空間に変換した場合の値の変を示し、点線で示す曲線が紙出力に最適な色空間に変換した場合の値の変化を示している。
この実施例では、sRGB空間の方が紙出力最適な色空間よりも彩度が高まりやすい空間であるものと仮定する。
この仮定の場合、上述したいずれの場合も無彩部の色づきが目立たなくなる範囲まで彩度を落とすには、sRGB空間の方が紙出力最適な色空間よりも大きく彩度を落とす必要がある。
したがって、図4に示した彩度変換テーブルが紙出力に最適な色空間用の彩度変換テーブルであるとすると、sRGB空間で同等の彩度調整処理をするには、図13に示すような彩度変換テーブルによる彩度調整処理を行う必要がある。
次に、PC114からトウェインのような標準的なインタフェース仕様を通じてこのフルカラー画像処理装置にアクセスする場合を考える。
例えば、フォトショップのようなトウェイン対応の画像編集ソフトウェアを通じて、このフルカラー画像処理装置にスキャナ読み取り動作の指示を出し、読み取った画像データをPC114側に取り込む場合である。
トウェインドライバでは、PC114で起動しているトウェイン対応アプリケーションから画像の特性(階調数、解像度、明るさ、γ特性など)を変更できるようなインタフェースが提供される(図13参照)。
PC114からは、画像処理のかかっていない読み取り画像データを取得した上でユーザの側で適切に処理を行いたいという要求もあるため、設定によっては加工されていない読み取り画像データを求められることがある。
このような場合、彩度調整による色むら抑制処理は基本的にかけない設定とした方が良い。
但し、PC114のユーザがスキャナの無加工画像データを欲しかったとしても、チップ単位の色むらが欲しい訳ではない。
したがって、色むらを抑制することを重視する場合は、トウェインの時もカラー読み取りの場合は画像データの色むら抑制処理を実施するように設定しても良い。
最後に、EFI(=Extensible Firmware Interface)のような外部コントローラを通じて画像処理を行う場合、標準チャートをこのフルカラー画像処理装置のスキャナで読み取ることによりキャリブレーションを行うこともできる。
そのようなキャリブレーションを行う場合に、彩度が加工された画像で行うことは不適切と考えられる(純粋に読み取りデバイスのγ特性を知りたい場合など)。
したがって、このようなキャリブレーションを行う場合は、色むら抑制処理を実施しないように設定しておいた方が良い。
このように、マルチチップイメージセンサで画像の読み取りを行う場合でも、画像データの出力の条件、あるいは出力画像データの使用用途によっては、彩度調整を用いたCISの色むら抑制処理を行わない方が良い場合がある。
そして、上述のようにして、画像データの出力用途に応じて色むら抑制の処理を行うか否かを適切に設定することができるので、ユーザの所望する品質の画像データを提供することができる。
次に、この発明は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インタフェース機器、スキャナ、プリンタ、複写機、複合機を含む機器)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器から構成される装置(例えば、ホストコンピュータ、インタフェース機器、スキャナ、プリンタ、複写機、複合機を含む機器)に適用しても良い。
また、上述したこの発明に係る機能を実現するプログラム(ソフトウェアのプログラムコード)を記録した記録媒体を、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(または、CPU、MPU、DSP)が記録媒体に格納されたプログラムを実行することによっても達成することが可能である。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が上述した画像処理装置の各機能を実現することになり、そのプログラムまたはそのプログラムを記憶した記録媒体は本発明に係る構成に相当する。
上記プログラムコードを供給するための記録媒体としては、FD、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリ、ROMなどの光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、半導体記録媒体を使用することができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、上述した画像処理装置の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した画像処理装置の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した画像処理装置の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
この実施例は、彩度調整によって低彩度の画像信号に対してのみ彩度を落とす変換を行うことにより、マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制することができる。
また、彩度を落とす彩度の上限を調整できるようにすることにより、本当に必要とする彩度領域においてのみ彩度を落とす事ができるようにすることができる。
さらに、両面原稿読取部において、片面をマルチチップイメージセンサ、他方の面をマルチチップでないイメージセンサ(例えば、CCDセンサ)で読み取る場合に、色むら抑制ができる彩度調整処理をマルチチップイメージセンサ側だけにかけることにより、CCD読取側の画像を不必要に変化させないようにすることができる。
また、両面原稿読取部において両面原稿を読む場合は、マルチチップイメージセンサ読取側の色むらを防ぐと共に、原稿の両面で彩度の変化が同じになるようにし、なおかつ片面読取時は、マルチチップでないイメージセンサ(例えば、CCDセンサ)のみで画像を取得して色むら抑制用の彩度調整処理を行わないことにより、CCD読取側の画像を不必要に変化させないようにすることができる。
さらに、両面原稿読取部(ADFタイプ)とブック読取部(コンタクトガラス上に原稿を固定し、スキャナでスキャンをする読取部)の双方を備える画像処理装置において、ADF読取の片方の面の読取(マルチチップイメージセンサを用いた読取)、ADF読取のもう一方の面の読取(マルチチップでない(例えばCCD)イメージセンサを用いた読取)、ブック読取(マルチチップでない(例えばCCD)イメージセンサを用いた読取)の3つの読取方法について、所望の彩度調整処理(色むらを抑制する、BOOKとADFで同等の画像を作る、ADFの表面と裏面とで同等の画像を作る等)をかけることができる。
さらに、両面原稿読取部において両面原稿を読む場合は、マルチチップイメージセンサ読取側の色むらを防ぐが、ブック読取時は、マルチチップでないイメージセンサ(例えばCCDセンサ)のみで画像を取得して、色むら抑制用の彩度調整処理を行わないことにより、CCD読取側の画像を不必要に変化させないようにすることができる。
また、この実施例の画像処理装置を備えることにより、所望の画質を満たす画像形成装置を提供することができる。
さらに、プログラムコードの実行により、ファクシミリ装置、プリンタ、スキャナ、複写機、複合機、パーソナルコンピュータを含む装置に上述の機能を実現させることができる。
この発明による画像処理装置と画像形成装置と画像処理方法とプログラムは、ファクシミリ装置、プリンタ、スキャナ、複写機、複合機、パーソナルコンピュータを含む装置において適用することができる。
101:両面原稿読取部 102:第2画像読取部 103:メモリ 104:スキャナ補正部 105:圧縮処理部 106:メモリ制御部 107:プロッタ 108:プリンタ補正部 109:伸張処理部 110:コントローラ 111:HDD 112:NIC 113:汎用バス 115:操作表示部 120:スキャナγ補正部 121:彩度変換部 122:フィルタ処理部 123:色補正部 124:変倍処理部 125:像域分離部 130:RGB−Yuv変換部 131:彩度算出部 132:彩度変換テーブル 133:彩度補正部 134:Yuv−RGB変換部 140:プリンタγ補正部 141:階調処理部
特開平4−227371号公報 特開2005−217467号公報

Claims (10)

  1. 入力光を電気信号に変換するイメージセンサを一方向に複数個並べたマルチチップイメージセンサを備えたフルカラー画像読取手段と、
    前記フルカラー画像読取手段によって読み取られた画像の画像信号に対して前記マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制する色むら抑制手段と、
    前記画像信号に対して指定された出力用途に応じて前記色むら抑制手段による抑制を実施するか否かを切り換える手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記色むら抑制手段は、前記フルカラー画像読取手段によって読み取られた画像の画像信号から彩度データを算出する彩度算出手段と、前記彩度算出手段で算出された彩度データを用いて彩度を調整する彩度調整手段とを備え、前記彩度調整手段を用いて低彩度の画像信号に対してのみ彩度を落とす変換を行うことにより、マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制する手段であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記出力用途は、カラーモードの種類であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
  4. 前記切り換える手段は、前記画像信号に対して指定されたカラーモードの種類がフルカラーモードである場合は前記色むら抑制手段による抑制を実施するように切り換え、モノクロモードである場合は前記色むら抑制手段による抑制を実施しないように切り換える手段であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記色むら抑制手段は、前記画像信号の色空間を前記画像信号の出力先の色空間と最適になるように色むらを抑制する手段であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記色むら抑制手段は、前記画像信号の出力先が印刷手段であるときは、前記画像信号の色空間を紙出力用の色空間と最適になるように色むらを抑制する手段であることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
  7. 前記色むら抑制手段は、前記画像信号の出力先がネットワークを介して通信する端末装置の表示手段であるときは、前記画像信号の色空間をディスプレイ出力用のsRGBの色空間と最適になるように色むらを抑制する手段であることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像処理装置と、前記画像信号に基づいて印刷する印刷手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 入力光を電気信号に変換するイメージセンサを一方向に複数個並べたマルチチップイメージセンサを備えたフルカラー画像読取手段によって読み取られた画像の画像信号に対して前記マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制する色むら抑制工程と、前記画像信号に対して指定された出力用途に応じて前記色むら抑制工程による抑制を実施するか否かを切り換える工程とからなり、
    前記色むら抑制工程は、前記フルカラー画像読取手段によって読み取られた画像の画像信号から彩度データを算出する彩度算出工程と、前記彩度算出工程で算出された彩度データを用いて彩度を調整する彩度調整工程とを有し、前記彩度調整工程によって低彩度の画像信号に対してのみ彩度を落とす変換を行うことにより、マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制する工程であることを特徴とする画像処理方法。
  10. コンピュータに、入力光を電気信号に変換するイメージセンサを一方向に複数個並べたマルチチップイメージセンサを備えたフルカラー画像読取手段によって読み取られた画像の画像信号に対して前記マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制する色むら抑制手順と、前記画像信号に対して指定された出力用途に応じて前記色むら抑制手順による抑制を実施するか否かを切り換える手順とを実施させ、
    前記色むら抑制手順では、前記フルカラー画像読取手段によって読み取られた画像の画像信号から彩度データを算出する彩度算出手順と、前記彩度算出手順で算出された彩度データを用いて彩度を調整する彩度調整手順とを実施させ、前記彩度調整手順によって低彩度の画像信号に対してのみ彩度を落とす変換を行うことにより、マルチチップイメージセンサを構成するチップ幅の単位で発生する色むらを抑制させるプログラム。
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