JP2010181644A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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篤 黒川
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Abstract

【課題】直接記録方式において、地汚れ及び現像濃度不足を何れも従来よりも抑える。
【解決手段】トナーを担持する表面に沿って配設された複数の電極を具備するトナー担持ローラ2と、同表面にトナーを供給するトナー供給ローラ18と、同表面上のトナーを摩擦帯電せしめるトナー摩擦ブレード22とを有し、同表面上のトナーを、複数の電極における電極間の電位差で形成される電界によってホッピングさせながら、感光体49上の潜像に付着させて潜像を現像する直接記録方式の画像形成装置において、トナーとして、形状係数SF−1が100〜180の範囲内であり、且つ、形状係数SF−2が100〜140の範囲内であるものを用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、現像装置、及びこれを用いて画像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
従来、いわゆるホッピング現像方式を採用した画像形成装置が知られている。ホッピング現像方式では、ローラや磁性キャリアに付着させたトナーを現像に用いるのではなく、トナー担持体の表面上でホッピングさせたトナーを現像に用いる。例えば、特許文献1に記載の画像形成装置は、周方向に所定のピッチで配設された複数のホッピング電極を具備する筒状のトナー担持体を有している。複数のホッピング電極のうち、偶数番目の配列位置にあるものに対しては、互いに同じA相の繰り返しパルス電圧を印加する一方で、奇数番目の配列位置にあるものに対しては、互いに同じB相の繰り返しパルス電圧を印加する。これにより、互いに隣り合う2つのホッピング電極の間に交番電界を形成して、トナーを電極間でホッピングさせる。そして、ホッピングさせたトナーを、潜像担持体上の潜像に付着させることで現像を行う。このようなホッピング現像方式では、ホッピングによってトナー担持体の表面との付着力をなくしているトナーを潜像に付着させることにより、通常の1成分現像方式や2成分現像方式では実現が望めなかったほどの低電位現像を実現することができる。例えば、周囲の非画像部との電位差が僅か数十[V]である静電潜像にトナーを選択的に付着させることも可能である。
このようなホッピング現像方式においては、正規帯電極性とは逆極性に帯電してしまった逆帯電トナーも、トナー担持体の表面上でホッピングする。そして、ホッピングによって空中に舞い上がると、潜像担持体において自らとは逆極性の電位を帯びている非画像部に付着して地汚れを引き起こしてしまう。また、トナー担持体の表面に供給される前のトナー粒子が、帯電のためにブレード部材などに強く擦られた際に、他のトナー粒子に固着してトナー凝集体を形成すると、そのトナー凝集体はトナー担持体の表面上で良好にホッピングすることができなくなる。そして、長期間に渡ってこのようなトナー凝集体が徐々に増加していくと、正常にホッピングして現像を行うことが可能なトナーの割合が減少することから、現像濃度不足を引き起こしてしまう。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、地汚れ及び現像濃度不足を何れも従来よりも抑えることができるホッピング現像方式の現像装置や画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナーを担持する表面に沿って配設された複数の電極を具備するトナー担持体と、該表面にトナーを供給する供給手段と、該表面に供給される前のトナー、あるいは同表面上のトナー、を摩擦帯電せしめる摩擦帯電手段とを有し、該表面上のトナーを、複数の該電極における電極間の電位差で形成される電界によってホッピングさせながら、潜像担持体上の潜像に付着させて該潜像を現像する現像装置において、トナーとして、形状係数SF−1が100〜180の範囲内であり、且つ、形状係数SF−2が100〜140の範囲内であるものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、トナーとして、形状係数SF−1が160以下であり、且つ、形状係数SF−2が120以下であるものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の現像装置において、少なくとも、絶縁性基体と、該絶縁性基体の表面上に部分的に形成した第1電極と、該絶縁性基体の表面における該第1電極を形成していない箇所、及び該第1電極の上に形成した第1絶縁層と、該第1絶縁層の表面上に部分的に形成した第2電極と、該第1絶縁層の用面のける該第2電極を形成していない箇所、及び該第2電極の上に形成した第2絶縁層とで、上記トナー担持体を構成し、該トナー担持体の表面における該第1電極上の領域と該第2電極上の領域との間でトナーをホッピングさせるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、自らの表面に潜像担持体を担持する潜像担持体と、該表面を一様帯電せしめる帯電手段と、一様帯電後の該表面に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像を現像する現像手段と、現像によって該表面上に形成されたトナー像を転写体に転写する転写手段と、該潜像担持体の表面上に付着している転写残トナーを除去する除去手段とを備える画像形成装置において、上記現像手段として、請求項1乃至3の何れかの現像装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記潜像担持体、帯電手段、現像手段及び除去手段のうちの少なくとも2つを、共通の保持体に保持させて1つのユニットとして画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能にしたプロセスユニットとして構成したことを特徴とするものである。
これらの発明においては、後述する実験で本発明者らが明らかにしたように、トナーとして、形状係数SF−1が100〜180の範囲内であり、且つ、形状係数SF−2が100〜140の範囲内であるものを用いることで、地汚れ及び現像濃度不足を何れも従来よりも抑えることができる。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機における感光体と現像装置とを示す概略構成図。 トナー担持ローラを回転軸に対して直交する方向から見たときの模式図。 同トナー担持ローラを、その回転軸に対して直交する面に沿って切断したときの断面を模式的に表した部分断面図。 同トナー担持ローラの内側電極及び外側電極にそれぞれ印加する内側電圧と外側電圧の一例を示すグラフ。 内側電極及び外側電極へ印加する内側電圧と外側電圧の他の例を示すグラフ。 内側電極及び外側電極へ印加する内側電圧と外側電圧の更に他の例を示すグラフ。 内側電極及び外側電極への給電構成を、ローラ軸に沿って切断したときの模式図。 同給電構成を模式的に示す斜視図。 変形例に係る複写機のトナー担持ローラにおけるローラ部を示す縦断面図。 同複写機のトナー担持ローラを示す縦断面図。 同複写機のトナー担持ローラの一端側における軸部材を示す斜視図。 同トナー担持ローラを示す側面図。 同トナー担持ローラを示す断面図。
以下、本発明を、電子写真方式の画像形成装置である複写機について適用した一実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。同図において、潜像担持体としてのドラム状の感光体49は、図中時計回り方向に回転駆動される。操作者がコンタクトガラス90に図示しない原稿を装置し、図示しないプリントスタートスイッチを押すと、原稿照明光源91及びミラー92を具備する第1走査光学系93と、ミラー94,95を具備する第2走査光学系96とが移動して、原稿画像の読み取りが行われる。走査された原稿画像がレンズ97の後方に配設された画像読み取り素子98で画像信号として読み込まれ、読み込まれた画像信号はデジタル化された後に画像処理される。そして、画像処理後の信号でレーザーダイオード(LD)が駆動され、このレーザーダイオードからのレーザー光がポリゴンミラー99で反射した後、ミラー80を介して感光体49を走査する。この走査に先立って、感光体49は帯電装置50によって一様に帯電され、レーザー光による走査により感光体49の表面に静電潜像が形成される。
感光体49の表面に形成された静電潜像には現像装置1の現像処理によってトナーが付着し、これによりトナー像が形成される。このトナー像は、感光体49の回転に伴って、転写チャージャー60との対向位置である転写位置に搬送される。この転写位置に対しては、感光体49上のトナー像と同期するように、第1給紙コロ70aを具備する第1給紙部70、又は第2給紙コロ71aを具備する第2給紙部71から記録紙Pが送り込まれる。そして、感光体49上のトナー像は、転写チャージャー60のコロナ放電によって記録紙P上に転写される。
このようにしてトナー像が転写された記録紙Pは、分離チャージャー61のコロナ放電によって感光体49表面から分離され、その後、搬送ベルト75によって定着装置76に向けて搬送される。そして、定着装置76内において、図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ76aと、これに向けて押圧される加圧ローラ76bとの当接による定着ニップに挟み込まれる。その後、定着ニップ内での加圧や加熱によってトナー像が表面に定着せしめられた後、機外の排紙トレイ77に向けて排紙される。
上述の転写位置を通過した感光体49表面に付着している転写残トナーは、クリーニング装置45によって感光体49表面から除去される。このようにしてクリーニング処理が施された感光体49表面は、除電ランプ44によって除電されて次の潜像形成に備えられる。
図2は、実施形態に係る複写機における感光体49と現像装置1とを示す概略構成図である。同図において、ドラム状の感光体49は、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。そして、この感光体49の図中右側方には、現像剤担持体であるトナー担持ローラ2を有する現像装置1が配設されている。
現像装置1は、トナー担持ローラ2の他、トナー供給ローラ18やトナー摩擦ブレード22を有している。表面がスポンジからなるトナー供給ローラ18は、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動されながら、現像装置1内に収容されているトナーをローラ表面に担持する。同図では、トナー供給ローラ18の回転方向として、トナー担持ローラ2との当接部で表面をトナー担持ローラ2とは逆方向に移動させる方向であるカウンター方向に設定した例を示した。これとは逆に、前記当接部で表面をトナー担持ローラ2と同じ方向に移動させる方向であるカンター方向を採用してもよい。
トナー供給ローラ18の金属からなる回転軸部材には、供給バイアス電源24によって供給バイアスが印加される。一方、トナー担持ローラ2には、後述する内側電極や外側電極が複数形成されており、それら電極にはパルス電源25A,25Bによって繰り返しのパルス電圧(後述する内側電圧や外側電圧)が印加される。これらパルス電圧の平均値は、前述した供給バイアスよりも、トナーの帯電極性とは逆極性側に大きな値になっている。これにより、トナー供給ローラ18とトナー担持ローラ2との間には、トナーを前者から後者に静電移動させる電界が形成される。
トナー供給ローラ18の表面に担持されたトナーは、トナー供給ローラ18とトナー担持ローラ2との当接部において、トナー供給ローラ18からトナー担持ローラ2に供給される。このときの供給量については、供給バイアスの大きさによって調整することが可能である。なお、供給バイアスは、直流電圧であっても、交流電圧であっても、直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスであってもよい。
トナー担持ローラ2の表面上に供給されたトナーは、後述する理由により、トナー担持ローラ2の表面上でホッピングしながら、トナー担持ローラ2の図中反時計回り方向の回転に伴って周回移動する。トナー担持ローラ2の表面において、トナー供給ローラ18との当接部を通過してから、感光体49に対向する現像領域に進入する前の箇所には、片持ち支持されるトナー摩擦ブレード22の自由端側が当接している。トナー担持ローラ2の表面上でホッピングしながら、ローラの回転に伴って全体的に図中反時計回り方向に移動するトナーは、トナー担持ローラ2とトナー摩擦ブレード22との間に進入すると、ローラ表面やブレード表面に擦り付けられる。これにより、摩擦帯電が促される。その後、ローラの回転に伴ってローラとブレードとの当接部を抜けると、再びローラ表面上でホッピングしながら、現像領域へと搬送される。
トナー担持ローラ2は、現像装置1のケーシング11に設けられた開口から外周面の一部を露出させている。この露出箇所は、感光体49に対して数十〜数百[μm]の間隙を介して対向している。このようにトナー担持ローラ2と感光体49とが対向している位置が、本複写機における現像領域となっている。トナー担持ローラ2の表面上でホッピングしながら現像領域まで搬送されたトナーは、トナー担持ローラ2と感光体49上の静電潜像との間の現像電界によって、感光体表面上の静電潜像部分に付着し、これにより現像が行われる。現像に寄与しなかったトナーは、ホッピングしながらトナー担持ローラ2の回転によってさらに搬送されて、繰り返し利用される。
なお、トナー摩擦ブレード22をトナー担持ローラ2の代わりにトナー供給ローラ18に当接させて、トナー供給ローラ18の表面上でブレードによるトナー摩擦帯電を促すようにしてもよい。
次に、本複写機におけるトナー担持ローラ2の具体的構成について説明する。
図3は、本複写機におけるトナー担持ローラ2を回転軸に対して直交する方向から見たときの模式図である。なお、説明の都合上、表層6や絶縁層5は図示していない。また、図4は、本複写機におけるトナー担持ローラ2を、その回転軸に対して直交する面に沿って切断したときの断面を模式的に表した部分断面図である。本複写機のトナー担持ローラ2は、中空状のローラ部材で構成されており、その最内周に位置する最内周電極部材又は内周側電極部材としての内側電極3aと、最外周側に位置していて内側電極3aへ印加される電圧(内側電圧)とは異なる電圧(外側電圧)が印加される最外周電極部材としての櫛歯状の外側電極4aとを備えている。また、内側電極3aと外側電極4aとの間にはこれらの間を絶縁するための絶縁層5が設けられている。また、外側電極4aの外周面側を覆う保護層としての表層6も設けられている。すなわち、本複写機のトナー担持ローラ2は、内周側から順に、内側電極3a、絶縁層5、外側電極4a、表層6の4層構造となっている。
内側電極3aは、トナー担持ローラ2の基体としても機能しており、SUSやアルミニウム等の導電性材料を円筒状に成型した金属ローラである。このほか、内側電極3aの構成としては、ポリアセタール(POM)やポリカーボネート(PC)等からなる樹脂ローラの表面にアルミニウムや銅などの金属層等からなる導電層を形成したものが挙げられる。この導電層の形成方法としては、金属メッキ、蒸着等により形成する方法や、ローラ表面に金属膜を接着する方法などが考えられる。
内側電極3aの外周面側は絶縁層5に覆われている。本複写機において、この絶縁層5は、ポリカーボネートやアルキッドメラミン等で形成されている。また、本複写機において、絶縁層5の厚みは、3[μm]以上50[μm]以下の範囲内が好ましい。3[μm]よりも小さくなると、内側電極3aと外側電極4aとの間の絶縁性が十分に保てなくなり、内側電極3aと外側電極4aとの間でリークが発生してしまう可能性が高くなる。一方、50[μm]よりも大きくなると、内側電極3aと外側電極4aとの間で作られる電界が表層6よりも外側に形成されにくくなり、表層6の外側に強いフレア用電界(外部電界)を形成することが困難となる。本複写機では、メラミン樹脂からなる絶縁層5の厚みを20[μm]としている。絶縁層5はスプレー法やディップ法等によって内側電極3a上に均一な膜厚で形成することができる。
絶縁層5の上には外側電極4aが形成される。本複写機において、この外側電極4aは、アルミニウム、銅、銀などの金属で形成されている。櫛歯状の外側電極4aの形成方法としては、種々の方法が考えられる。例えば、絶縁層5の上にメッキや蒸着によって金属膜を形成し、フォトレジスト・エッチングによって櫛歯状の電極を形成するという方法が挙げられる。また、インクジェット方式やスクリーン印刷によって導電ペーストを絶縁層5の上に付着させて櫛歯状の電極を形成するという方法も考えられる。
外側電極4a及び絶縁層5の外周面側は、表層6により覆われている。トナーは、表層6上でホッピングを繰り返す際、この表層6との接触摩擦によって帯電する。トナーに正規帯電極性(本複写機ではマイナス極性)を与えるため、本複写機では、表層6の材料として、シリコーン、ナイロン(登録商標)、ウレタン、アルキッドメラミン、ポリカーボネート等が使用される。本複写機ではポリカーボネートを採用している。また、表層6は、外側電極4aを保護する役割も持ち合わせているので、表層6の膜厚としては、3[μm]以上40[μm]以下の範囲内が好ましい。3[μm]よりも小さいと、経時使用による膜削れ等で外側電極4aが露出し、トナー担持ローラ2上に担持されたトナーやトナー担持ローラ2に接触するその他の部材を通じてリークしてしまうおそれがある。一方、40[μm]よりも大きいと、内側電極3aと外側電極4aとの間で作られる電界が表層6よりも外側に形成されにくくなり、表層6の外側に強いフレア用電界を形成することが困難となる。本複写機では、表層の膜厚は20[μm]としている。表層6は、絶縁層5と同様にスプレー法やディッピング法等によって形成することができる。
本複写機では、内側電極3aと外側電極4aとの間で作られる電界、より詳しくは、内側電極3aの外側電極4aとは対向していない部分(外側電極4aの櫛歯間に位置する内側電極3aの部分)と外側電極4aの櫛歯部分との間で作られる電界が、表層6の外側に形成されることで、トナー担持ローラ2上のトナーをホッピングさせ、これによりトナーをクラウド化させる。このとき、トナー担持ローラ2上のトナーは、内側電極3aに絶縁層5を介して対向した表層部分と、これに隣接する外側電極4aに対向した表層部分との間を、飛翔しながら往復移動するように、ホッピングすることになる。
トナーを安定してクラウド化させるためには、相応する大きさのフレア用電界を形成することが重要となるが、このような大きなフレア用電界を形成するためには内側電極3aと外側電極4aとの間に大きな電位差を形成する必要がある。しかし、このような大きな電位差を安定して形成するためには、内側電極3aと外側電極4aとの間を安定かつ有効に絶縁し、リークを防止することが重要である。従来のように、フレア用電界を形成するための2種類の電極をそれぞれ櫛歯状に形成して同心円上に配置し、互いの櫛歯部分が相手の櫛歯間に入り込むように構成した場合、その櫛歯状電極の形成品質が悪いと、2種類の電極間の絶縁性が著しく低下し、リークが起きやすい。具体的には、例えば、エッチングで電極形成する場合には除去すべき金属膜の一部が残存していたり、インクジェット法やスクリーン印刷法で電極形成する場合には電極間に導電ペーストが付着してしまったりする事態が起こり得る。このような事態が生じると、2種類の電極間でリークが起きやすいなり、適正なフレア用電界を形成することができなくなる。また、従来構成においては、ローラの樹脂表面上に櫛歯状電極を高い品質で形成したとしても、2種類の櫛歯状電極を形成した後にその外周面側を絶縁材で覆うことにより電極間に絶縁材を充填して電極間の絶縁性を得るため、電極間にはローラの樹脂表面と絶縁材との界面が形成され、この界面を通じたリークが生じやすく、比較的大きな電圧を印加すると電極間の絶縁性が著しく低下する。
本複写機によれば、内側電極3aの上に絶縁層5を設け、その絶縁層上に櫛歯状の外側電極4aを形成した構成であるため、これらの電極間にリークの原因となり得るような界面は存在しない。また、トナー担持ローラ2の製造段階において、リークの原因となり得る導電材が電極間に介在する可能性も非常に少なくできる。したがって、本複写機によれば、内側電極3aと外側電極4aとの間を安定かつ有効に絶縁することができ、比較的大きな電圧を印加する場合でもリークを効果的に防止することができる。
また、本複写機において、外側電極4aの電極幅(各櫛歯部分の幅)は、10[μm]以上120[μm]以下であるのが好ましい。10[μm]よりも小さいと、細すぎて電極が途中で断線してしまうおそれがある。一方、120[μm]より大きいと、外側電極4aの被給電部4bからの距離が遠い箇所の電圧が低くなり、その箇所でトナーを安定かつ有効にホッピングさせることが困難となる。本複写機の被給電部4bは、図3に示すように、トナー担持ローラ2の外周面上における軸方向両端に設けられている。よって、本複写機では、外側電極4aの電極幅が120[μm]より大きいと、トナー担持ローラ2の軸方向中央部におけるフレア用電界が軸方向両端部のフレア用電界よりも相対的に低くなり、軸方向中央部に担持されているトナーを安定かつ有効にホッピングさせることが困難となる。
また、本複写機では、外側電極4aの電極ピッチ(櫛歯部分間の距離)は、電極幅と同じか広いのが好ましい。電極幅よりも小さいと、内側電極3aからの電気力線の多くが表層6の外側に出る前に外側電極4aへ収束してしまい、表層6の外側に形成されるフレア用電界が弱くなってしまうからである。一方、電極ピッチが大きいと、電極間中央のフレア用電界が弱くなってしまう。本複写機において、電極ピッチは、電極幅以上であって電極幅の5倍以下の範囲内であるのが好ましい。
本複写機では、電極幅及び電極ピッチをいずれも80[μm]に設定している。
また、本複写機では、外側電極4aの電極ピッチを、トナー担持ローラ2の周方向にわたって一定となるように設定されている。電極ピッチを一定とすることで、内側電極3aと外側電極4aとの間で作られるフレア用電界がトナー担持ローラ2上の周方向にわたってほぼ均一となる。よって、現像位置で周方向に均一なトナーのホッピングを実現することが可能となり、均一な現像が可能となる。
次に、内側電極3a及び外側電極4aに印加する電圧について説明する。
トナー担持ローラ2上の内側電極3a及び外側電極4aには、それぞれパルス電源25A,25Bから第1電圧である内側電圧及び第2電圧である外側電圧が印加される。パルス電源25A,25Bが印加する内側電圧及び外側電圧は、矩形波が最も適している。ただし、これに限らず、例えばサイン波で三角波でもよい。また、本複写機では、フレア用電極を形成するための電極が内側電極3a及び外側電極4aの2相構成であり、各電極3a,4aには互いに位相差πをもった電圧がそれぞれ印加される。
図5は、内側電極3a及び外側電極4aにそれぞれ印加する内側電圧と外側電圧の一例を示すグラフである。
本複写機において、各電圧は矩形波であり、内側電極3aと外側電極4aにそれぞれ印加される内側電圧と外側電圧は、互いに位相がπだけズレた同じ大きさ(ピークトゥピーク電圧Vpp)の電圧である。よって、内側電極3aと外側電極4aとの間には、常にVppだけの電位差が生じる。この電位差によって電極間に電界が発生し、この電界のうち表層6の外側に形成されるフレア用電界によって表層6上をトナーがホッピングする。本複写機において、Vppは100[V]以上2000[V]以下の範囲内であるのが好ましい。Vppが100[V]より小さいと、十分なフレア用電界を表層6上に形成できず、トナーを安定してホッピングさせるのが困難となる。一方、Vppが2000[V]より大きいと、経時使用により電極間でリークが発生する可能性が高くなる。本複写機では、Vppを500[V]に設定している。
また、本複写機において、内側電圧と外側電圧の中心値V0は、画像部電位(静電潜像部分の電位)と非画像部電位(地肌部分の電位)との間に設定され、現像条件によって適宜変動する。
本複写機において、内側電圧と外側電圧の周波数fは、0.1[kHz]以上10[kHz]以下であるのが好ましい。0.1[kHz]より小さいと、トナーのホッピングが現像速度に追いつかなくなるおそれがある。一方、10[kHz]より大きいと、トナーの移動が電界の切り替わりに追従できなくなり、トナーを安定してホッピングさせるのが困難となる。本複写機では、周波数fを500[Hz]に設定している。
図6は、内側電極3a及び外側電極4aへ印加する内側電圧と外側電圧の他の例を示すグラフである。
この例では、内側電極3aについては、図5に示したものと同様の内側電圧が印加されるが、外側電極4aについては、直流電圧が印加される。この場合、電極間の電位差はVpp/2となる。よって、この例におけるVppの好適な範囲は、200[V]以上4000[V]以下である。この例によれば、内側電極3aと外側電極4aとの位相差を考慮する必要がなく、電源コストが安くなる。
図7は、内側電極3a及び外側電極4aへ印加する内側電圧と外側電圧の更に他の例を示すグラフである。
この例では、外側電極4aについては、図5に示したものと同様の内側電圧が印加されるが、内側電極3aについては、直流電圧が印加される。この場合も、電極間の電位差はVpp/2となる。よって、この例におけるVppの好適な範囲は、200[V]以上4000[V]以下である。この例も、内側電極3aと外側電極4aとの位相差を考慮する必要がなく、電源コストが安くなる。
図8は、本複写機における内側電極3a及び外側電極4aへの給電構成を、ローラ軸に沿って切断したときの模式図である。
図9は、同給電構成を模式的に示す斜視図である。
本複写機における内側電極3a及び外側電極4aへの給電構成において、内側電極3aは、トナー担持ローラ2のローラ軸と一体化されており、そのローラ軸端面が被給電部3bとなる。ローラ軸端面で構成される被給電部3bには、パルス電源25Aに接続された第1給電部材としての給電ブラシ7が当接している。一方、トナー担持ローラ2の外周面両端部分には表層6が設けられておらず、トナー担持ローラ2の外周面における外側電極4aの両端部分は露出しており、この露出面が被給電部4bとなる。その露出面で構成される被給電部4bには、パルス電源25Bに接続された第2給電部材としての給電コロ8が当接している。この給電コロ8は、回転自在に支持されており、トナー担持ローラ2の回転に伴い、被給電部4bに当接したまま連れ回り回転する。
なお、本複写機では、外側電極4aに外側電圧を印加するための第2給電部材である給電コロ8が2つ設けられているが、1つであっても3つ以上であってもよい。外側電極4aに外側電圧を印加するための第2給電部材が複数あれば、一部の第2給電部材で接触不良による給電不良が生じても、他の第2給電部材により給電を行うことができるので、安定した給電を行うことが可能となる。
また、本複写機のように、トナー担持ローラ2の外周面に外側電極4aの一部分を露出させ、その露出部分を被給電部4bとして、これに第2給電部材を当接させて給電する方式を採用する場合、その被給電部4bは、トナー担持ローラ2上における現像幅(感光体上において静電潜像が形成され得る領域と対向し得る領域幅)よりも軸方向外側に位置することが望まれる。なぜなら、被給電部4bが現像幅内に位置すると、トナー担持ローラ2と被給電部4bとの間で押しつぶされたトナーが現像に寄与することになり、その部分で現像不良が発生するからである。より好ましくは、被給電部4bは、トナー担持ローラ2上におけるトナー供給幅(トナー供給スリーブ19からトナーが供給される領域幅)よりも軸方向外側に位置することが望まれる。なぜなら、被給電部4bがトナー供給幅内に位置すると、トナー担持ローラ2と被給電部4bとの間に多量のトナーが介在し、給電不良が起きやすくなるからである。本複写機では、被給電部4bがトナー担持ローラ2上におけるトナー供給幅よりも軸方向外側に位置するように構成している。更に、本複写機では、トナー供給幅内のトナーが被給電部4bに付着しないように、ローラ両端部に位置する各被給電部4bの軸方向中央側に図示しないトナーシールが設けられている。
なお、本複写機では、第2給電部材として、被給電部4bに連れ回り回転する給電コロ8を用いているが、これに限らず、例えば、導電性ブラシや導電性板バネなどを用いてもよい。なお、導電性ブラシや、導電性板バネなどのように被給電部4bに対して摺動する第2給電部材を用いる場合、被給電部4bとの接点部分の摩耗を抑制するために導電性グリスなど充填するとよい。
また、本複写機では、内側電極3aの被給電部がローラ軸端面である場合について説明したが、これに限らず、例えばローラ軸の周面やローラ本体部の端面を被給電部としてもよい。
本複写機においては、感光体49と、現像装置1とを共通の保持体に保持させて1つのユニットとして複写機本体に対して着脱可能にしたプロセスユニットを構成している。感光体49と現像装置との組合せに限らず、感光体49、感光体49を一様帯電せしめる帯電手段、現像装置1、感光体49上の転写残トナーを除去する除去手段のうちの少なくとも2つを、共通の保持体に保持させてプロセスユニットを構成してもよい。
ところで、実施形態に係る複写機のように、トナー担持ローラ2の表面に沿って配設された複数種類の電極によってトナーのフレアを形成するものにおいては、電極間におけるリークを有効に防止することが必要となる。電極間には樹脂等の絶縁材や空気が充填されるので、比較的小さい電圧を印加する場合には電極間の絶縁性を十分に確保することができる。しかし、より大きな電界を形成するために比較的大きな電圧を印加しようとすると、電極間の絶縁性を十分に確保することが困難となる。これは次の理由による。即ち、複数の電極については、例えば表面に櫛歯状の溝が形成された樹脂製ローラに対し、その表面に金属メッキを行い、その後にローラ表面を削ることによって2種類の櫛歯状の電極を作成する。また、この方法以外にも、ローラ同心円上に2種類の櫛歯状の電極を作成する方法としては、例えば、表面を金属メッキしたローラをエッチングによって櫛歯状に形成する方法、インクジェット方式によって導電インクを吐出して櫛歯状の電極を形成する方法なども考えられる。しかし、いずれの方法を採用する場合であっても、2種類の電極間に充填する絶縁材を櫛歯状の電極が作成されたローラ表面にコーティングすることにより電極間の絶縁性を得ることになる。この場合、2種類の電極間には、ローラの樹脂表面とコーティングされた絶縁材との界面が形成される。そのため、この界面を通じたリークが生じやすく、比較的大きな電圧を印加すると、電極間の絶縁性を十分に確保することが困難である。
一方、本複写機においては、先に図4に示したように、互いに異なる電圧が印加される内側電極3aと外側電極4aとの間に、両者を絶縁するための絶縁層5を設けた構成では、両者間に界面を発生させることがない。このため、界面やトナーを通じたリークの発生を回避することができる。
トナーとしては、いわゆる粉砕方法による製造方法によって製造したものを用いることが可能である。また、特開昭36−102231号公報、特開昭59−53856方公報に述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法または水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合してトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法等によって製造したものであってもよい。
先に示した図2において、トナー担持ローラ2の表面上でホッピングしているトナーは、トナー摩擦ブレード22とトナー担持ローラ2との間に進入すると、大きなストレスを受ける。この際、トナーの形状が球形とは言えないほどに凹凸の激しい形状であると、トナーがブレードとローラとの間で均一に均されずに、大きな圧力を受けるトナー粒子が発生する。そして、トナー粒子が過剰なストレスを受けて正規帯電極性とは逆極性に帯電した逆帯電トナー粒子となったり、他のトナー粒子に固着したトナー凝集体を形成したりすることがある。逆帯電トナー粒子も、トナー担持ローラ2の表面上でホッピングする。そして、感光体49の地肌部(非画像部)に付着して地汚れを引き起こしてしまう。また、トナー凝集体は、トナー担持ローラ2の表面上で良好にホッピングすることができないことから、いつまでも現像に寄与せずにローラ表面上に留まる。そして、トナー凝集体が徐々に増加すると、現像に寄与し得るトナーの割合が減少して、現像濃度不足を引き起こしてしまう。
次に、本発明者らが行った実験について説明する。
本発明者らは、実施形態に係る複写機と同様の構成の複写試験機を用意した。また、トナーとして、形状係数SF−1及び形状係数SF−2が互いに異なる6種類のものを用意した。これらトナーは、何れも、次のようにして製造したものである。即ち、モノマーとしてのスチレンn−ブチルアクリルレートと、荷電制御剤としてのサリチル酸金属化合物と、極性レジンとしての飽和ポリエステルと、着色剤とを用意する。それらの材料を懸濁重合方法によって調整して、重量平均粒径5[μm]の着色懸濁粒子を得た後、その懸濁粒子に疎水性シリカを1.5[wt%]の割合で外添して、負極性のトナー粒子の集合からなるトナー粉末とする。
用意したNo1〜No6の6種類のトナーの電気抵抗をそれぞれ測定したところ、何れも1014[Ω]程度であった。測定条件は測定電極板面積0.238[cm]、直径6mm、圧力1500[g]の錘を用い、96.1[kPa]、測定時トナー層厚0.5〜1.0[mm]、400[V]の直流電圧を印加し、微小電流計(YHP4140pA METER/DC VOLTAGE SOUCE)で電流量を測定し、抵抗値より体積抵抗(比抵抗)を算出する。
また、No1〜No6の6種類のトナーの形状係数をそれぞれ測定したところ、表1に示す結果が得られた。形状係数については、次のようにして測定した。即ち、日立製作所製のFE−SEM(S−800)を用いてトナー粒子を無作為に100個サンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入して、それぞれのトナー粒子のMXLNGやPERIを測定した。MXLNGとは、トナー粒子の2次元平面に対する投影像における面積のことである。また、PERIとは、トナー粒子の2次元平面に対する投影像における周長のことである。100個のトナー粒子のMXLNGの平均値を求めた後、その平均値と、「形状係数SF−1=(MXLNG)/AREA×π/4×100」という式とに基づいて、形状係数SF−1を求めた。また、100個のトナー粒子のPERIの平均値を求めた後、その平均値と、「形状係数SF−2=(PERI)/AREA×π/4×100」という式とに基づいて、形状係数SF−2を求めた。形状係数SF−1は、球形度合いを示し、100から大きくなるにつれて球形から不定形となる。また、形状係数SF−2は、凹凸度合いを示し、100から大きくなるにつれて粒子表面の凹凸が顕著になる。
Figure 2010181644
複写試験機にセットするトナーをNo1〜No6に順次変更しながら、次に列記する条件のもと、それぞれのトナーでベタ画像のテストプリントを実施して、現像濃度ランクと地汚れランクを調べた。
・パルス電圧(外側電圧や内側電圧)のピークツウピーク電圧=500[V]
・パルス電圧の周波数f=500[Hz]
・パルス電圧の単位時間あたりにおける平均電位=−400[V]
※デューティを50[%]に設定しているので平均電位は電圧高さの中心でもある。
・感光体の地肌部電位(一様帯電電位)=−600[V]
・感光体の潜像電位=−50[V]
・トナー担持ローラ表面上のトナー量=0.4[mg/cm
・トナー担持ローラと感光体との線速比=1
地汚れランクについては、次のようにして評価した。即ち、まず、感光体上で現像したベタ画像を記録紙に転写する前に運転を一時停止して、感光体表面においてベタ画像の周囲に存在している地肌部に付着しているトナーを透明な粘着テープに転写する。そして、テープの画像濃度を画像濃度計で測定した結果に基づいて、地汚れランクを1〜5の5段階で評価した。地汚れランクは、数値が大きくなるほど、地汚れの度合いが小さくなること示すものであり、ランク4以上が許容範囲内である。
現像濃度ランクについては、次のようにして評価した。即ち、まず、感光体上で現像したベタ画像を記録紙に転写する前に運転を一時停止する。そして、感光体表面上のベタ画像の画像濃度を画像濃度計で測定した結果に基づいて、現像濃度ランクを1〜5の5段階で評価した。現像濃度ランクは、数値が大きくなるほど、画像濃度が濃い状態であることを示すものであり、ランク4以上が許容範囲内である。
何れの種類のトナーを用いた場合にも、数枚のテストプリントを行っただけでは、現像濃度ランク、地汚れランクはともに最高のランク5であった。そこで、各種のトナーについて、5時間の空運転(潜像を形成しない状態で現像装置を駆動する)を行った後、ベタ画像をプリントした。このプリントにおけるトナーの形状係数と、地汚れランクや現像濃度ランクやとの関係を次の表2に示す。
Figure 2010181644
表2に示すように、実験に用いた6種類のトナーは、そのNoの数値が大きくなるほど、形状係数SF−1や形状係数SF−2の数値が大きくなっている。そして、No1〜No4のトナーでは、現像濃度ランク、地汚れランクが何れも許容範囲の4以上になっているのに対し、No5〜No6のトナーでは、現像濃度ランクが3以下になってしまう。No4のトナーとNo5のトナーとで、形状係数SF−1や形状係数SF−2を比較すると、現像濃度ランク、地汚れランクを何れも許容範囲に留め得るのは形状係数SF−1が180以下であり、且つ形状係数SF−2が140以下のトナーであることがわかる。
そこで、実施形態に係る複写機においては、トナーとして、形状係数SF−1が100〜180の範囲内であり、且つ、形状係数SF−2が100〜140の範囲内であるものを用いるようにしている。より詳しくは、本複写機では、使用可能なトナーとして、形状係数SF−1が100〜180の範囲内であり、且つ、形状係数SF−2が100〜140であるものをユーザーに対して指定している。この指定は、指定するための専用の文書、装置の取り扱い説明書、装置に添付のシールなどに明記することによって行っている。よって、本複写機では、指定したトナーをユーザーが用いる限り、地汚れ及び現像濃度不足を何れも従来よりも抑えることができる。
なお、本複写機では、より詳細には、形状係数SF−1が160以下であり、且つ、形状係数SF−2が120以下であるものを用いるように、ユーザーに対して指定している。よって、表2に示したように、指定したトナーをユーザーが用いる限り、地汚れ及び現像濃度不足を何れも最高ランクにすることができる。
次に、実施形態に係る複写機の変形例について説明する。
図10は、変形例に係る複写機のトナー担持ローラにおけるローラ部を示す縦断面図である。トナー担持ローラのローラ部の基体32aは、絶縁性のアクリル樹脂からなり、その軸線方向の両端部にはそれぞれ、ローラ中心を通りつつ軸線方向に延在する軸穴2bが設けられている。
図11は、変形例に係る複写機のトナー担持ローラ2を示す縦断面図である。ローラ部の軸線方向の一端側に設けられた軸穴には、軸部材2cが圧入されている。また、ローラ部の他端側に設けられた軸穴には、軸部材2eが圧入されている。
図12は、軸部材2cを示す斜視図である。軸部材2cはステンレスなどの金属材料からなり、棒状の軸部における軸線方向の所定位置に、円盤状のフランジ部2dを具備している。このフランジ部2dの直径は、ローラ部の直径と同じである。ローラ部の軸穴に圧入された状態の軸部材2cは、そのフランジ部2dをローラ部の軸線方向の端面に圧接させている。この圧接により、フランジ部2dと、後述する複数のA相電極にそれぞれ導通している。もう一方の軸部材2eも同様の構成になっており、そのフランジ部2fによって後述する複数のB相電極と導通している。
させている。
トナー担持ローラ2のローラ部は、図13に示すように、軸線方向に延在する複数のA相電極2gや、軸線方向に延在する複数のB相電極2hを有している。A相電極2gとB相電極2hとは、ローラ周方向に所定の間隔をおいて交互に配設されている。これらA相電極2g、B相電極2hは、図14に示すように、何れも基体2aの表面上に形成されたもの、即ち、厚み方向の同じ階層に形成されたものであり、それらの上に絶縁層2iが被覆されている。
A相電極2gには、軸部材2cを介して、実施形態の外側電圧と同じパルス電圧が印加される。また、B相電極2hには、軸部材2eを介して、実施形態の内側電圧と同じパルス電圧が印加される。そして、トナー担持ローラ2の表面上のトナーは、A相電極2g上とB相電極2h上とでホッピングを繰り返す。
かかる構成の変形例においては、トナー担持ローラ2の一端側に設けた軸部材2cから複数のA相電極2gに対してパルス電圧を印加するとともに、他端側に設けた軸部材2eから複数のB相電極2hに対してパルス電圧を印加することができる。
1:現像装置(現像手段)
2:トナー担持ローラ(トナー担持体)
18:トナー供給ローラ(供給手段)
22:トナー摩擦ブレード(摩擦帯電手段)
49:感光体(潜像担持体)
特開2007−133387号公報

Claims (5)

  1. トナーを担持する表面に沿って配設された複数の電極を具備するトナー担持体と、該表面にトナーを供給する供給手段と、該表面に供給される前のトナー、あるいは同表面上のトナー、を摩擦帯電せしめる摩擦帯電手段とを有し、該表面上のトナーを、複数の該電極における電極間の電位差で形成される電界によってホッピングさせながら、潜像担持体上の潜像に付着させて該潜像を現像する現像装置において、
    トナーとして、形状係数SF−1が100〜180の範囲内であり、且つ、形状係数SF−2が100〜140の範囲内であるものを用いることを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1の現像装置において、
    トナーとして、形状係数SF−1が160以下であり、且つ、形状係数SF−2が120以下であるものを用いることを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1又は2の現像装置において、
    少なくとも、絶縁性基体と、該絶縁性基体の表面上に部分的に形成した第1電極と、該絶縁性基体の表面における該第1電極を形成していない箇所、及び該第1電極の上に形成した第1絶縁層と、該第1絶縁層の表面上に部分的に形成した第2電極と、該第1絶縁層の表面における該第2電極を形成していない箇所、及び該第2電極の上に形成した第2絶縁層とで、上記トナー担持体を構成し、該トナー担持体の表面における該第1電極上の領域と該第2電極上の領域との間でトナーをホッピングさせるようにしたことを特徴とする現像装置。
  4. 自らの表面に潜像担持体を担持する潜像担持体と、該表面を一様帯電せしめる帯電手段と、一様帯電後の該表面に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像を現像する現像手段と、現像によって該表面上に形成されたトナー像を転写体に転写する転写手段と、該潜像担持体の表面上に付着している転写残トナーを除去する除去手段とを備える画像形成装置において、
    上記現像手段として、請求項1乃至3の何れかの現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4の画像形成装置において、
    上記潜像担持体、帯電手段、現像手段及び除去手段のうちの少なくとも2つを、共通の保持体に保持させて1つのユニットとして画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能にしたプロセスユニットとして構成したことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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