JP2010181213A - 反射装置 - Google Patents

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Kazusuke Hamada
和亮 浜田
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渉 長谷川
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Abstract

【課題】RCSが大きく、且つ放射角度による放射強度の変化が小さい反射装置を提供する。
【解決手段】到来波を反射する反射装置であって、n(nは3以上の整数)個のリフレクタを備え、n個のリフレクタのそれぞれに対してリフレクタの位置に関する所定の基準点が設けられ、且つn個の基準点の配置が直線上であり、且つn個の基準点の間隔が素数又は乱数に基づく値である。
【選択図】図7

Description

本発明は、到来波を反射する反射装置に関するものである。
レーダ反射体として、RCS(Radar cross section:レーダ反射断面積)を大きくするために、三面体コーナリフレクタを複数個配置したコーナリフレクタアレイがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−312219号公報
しかしながら、従来の三面体コーナリフレクタ素子を複数個配置したレーダ反射体の場合、各素子が均等な間隔で並べられている。そのため、反射波において、各素子からの寄与が重なり合うことで、不要なビームであるグレーティングローブや受信不可能となるヌル点が発生する。つまり、到来波の入射角度(又は反射波の放射角度)によって、受信感度の強弱が出現してしまう。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、RCSが大きく、且つ放射角度による放射強度の変化が小さい反射装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、到来波を反射する反射装置であって、n(nは3以上の整数)個のリフレクタを備え、n個のリフレクタのそれぞれに対してリフレクタの位置に関する所定の基準点が設けられ、且つn個の基準点の配置が直線上であり、且つn個の基準点の間隔が素数又は乱数に基づく値である。
開示の反射装置によれば、RCSが大きく、且つ放射角度による放射強度の変化が小さい反射装置を実現することができる。
1個の点リフレクタを有するレーダ反射体からの反射波の波面の一例を示す図である。 1個の点リフレクタを有するレーダ反射体の放射パターンの一例を示す図である。 間隔λの2個の点リフレクタを有するレーダ反射体からの反射波の波面の一例を示す図である。 間隔λの2個の点リフレクタを有するレーダ反射体の放射パターンの一例を示す図である。 間隔2λの2個の点リフレクタを有するレーダ反射体の放射パターンの一例を示す図である。 間隔3λの2個の点リフレクタを有するレーダ反射体の放射パターンの一例を示す図である。 実施の形態1のレーダ反射体の基本構成の一例を示す図である。 実施の形態1のレーダ反射体の放射パターンの一例を示す図である。 実施の形態2のレーダ反射体の基本構成の一例を示す図である。 実施の形態2の三面体コーナリフレクタの構成の一例を示す図である。 実施の形態3のレーダ反射体の放射パターンの一例を示す図である。 実施の形態4のレーダ反射体の基本構成の一例を示す図である。
1個の点リフレクタを有するレーダ反射体について以下に説明する。
以後、波長λのCW(Continuous Wave)がレーダ反射体に入射した場合のシミュレーション結果を示す。
図1は、1個の点リフレクタを有するレーダ反射体からの反射波の波面の一例を示す図である。この図は、点リフレクタR0を含む平面内のある時点における、反射波の極値の分布を示す。この図において、実線は極大値を示し、点線は極小値を示す。この場合、点リフレクタR0からの反射波の波面は、点リフレクタR0を中心とする同心円状に広がる。
図2は、1個の点リフレクタを有するレーダ反射体の放射パターン(平面内の指向性)の一例を示す図である。反射波の振幅は、全ての放射角度に亘って、一定である。
2個の点リフレクタを有するレーダ反射体について以下に説明する。
ここでは、2個の点リフレクタの間隔がレーダの波長λであるとする。図3は、間隔λの2個の点リフレクタを有するレーダ反射体からの反射波の波面の一例を示す図である。この図は、2個の点リフレクタR1,R2を含む平面内のある時点における、点リフレクタR1,R2のそれぞれからの反射波の極値の分布を示す。この図において、実線は極大値を示し、点線は極小値を示す。この図において、点S1,S2,S3は、後述の放射パターンの説明に用いられる。この場合、点リフレクタR1,R2からの反射波の波面は、点リフレクタR1,R2のそれぞれを中心とする同心円状に広がり、互いに干渉する。
図4は、間隔λの2個の点リフレクタを有するレーダ反射体の放射パターンの一例を示す図である。この図において、横軸は、レーダ反射体からの反射波の放射角度を示し、縦軸は、その反射波の振幅を示す。この図によれば、レーダ反射体の放射パターンにおいてグレーティングローブ及びヌル点が存在する。例えば、上述の点S1,S2,S3においては、各点リフレクタからの反射波は、干渉により強め合う。例えば、上述の点S1,S2の間の角度、点S1,S3の間の角度においては、各点リフレクタからの反射波は、干渉により弱め合う(ヌル点となる)。
図5は、間隔2λの2個の点リフレクタを有するレーダ反射体の放射パターンの一例を示す図である。図6は、間隔3λの2個の点リフレクタを有するレーダ反射体の放射パターンの一例を示す図である。この図において、横軸は、レーダ反射体からの反射波の放射角度を示し、縦軸は、その反射波の振幅の相対レベルを示す。2個の点リフレクタの間隔が変わっても、レーダ反射体の放射パターンにおいてグレーティングローブ及びヌル点が存在する。
上述したように、複数のリフレクタを有するレーダ反射体の放射パターンは、グレーティングローブ及びヌル点を有する。
グレーティングローブ及びヌル点を防止するために、素子間隔を半波長以下にしようとすると、製作が困難になる場合がある。例えば、ミリ波において半波長は数mmになるため物理的に困難である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(実施の形態1)
図7は、実施の形態1のレーダ反射体の基本構成の一例を示す図である。本実施の形態のレーダ反射体は、n個の三面体コーナリフレクタA0,A1,A2,・・・An−1を有する。全ての三面体コーナリフレクタの形状及びサイズは、同一である。これらの各三面体コーナリフレクタは、三角錐の1面を開口とする三面体である。この開口は、正三角形である。
この図において、右方向をx軸方向とし、上方向をy軸方向とし、xy平面に垂直な手前方向をz軸方向とする。各三面体コーナリフレクタの開口は、z軸方向を向く。三面体コーナリフレクタA0,A1,A2,・・・An−1において、最も開口面から遠い頂点をそれぞれ基準点E0,E1,E2,・・・En−1とする。各三面体コーナリフレクタにおいて、基準点は、最もz座標が小さい点である。各三面体コーナリフレクタの基準点は、x軸上に並べられる。
三面体コーナリフレクタA0を基準リフレクタとする。基準リフレクタの基準点を原点とする。各三面体コーナリフレクタA0,A1,A2,・・・An−1の基準点x座標は、0,D1,D2,・・・Dn−1で表される。
本実施の形態において、基準リフレクタ以外の各三面体コーナリフレクタの基準点x座標は、基準距離Dにそれぞれ異なる素数を乗じた値である。ここで、Dを波長λとすると、各三面体コーナリフレクタの基準点x座標は、次式で表される。
{0,D1,D2,D3,・・・}
={0,2λ,3λ,5λ,・・・}
図8は、実施の形態1のレーダ反射体の放射パターンの一例を示す図である。この図において、横軸は、レーダ反射体からの反射波の放射角度を示し、縦軸は、その反射波の振幅の相対レベルを示す。この図は、本実施の形態の基本構成と基準点x座標の決定方法とに従って7個の三面体コーナリフレクタが設けられたレーダ反射体のシミュレーション結果である。上述の2個の点リフレクタを有するレーダ反射体の放射パターンと比較すると、実施の形態1のレーダ反射体の放射パターンは、振幅の低下が小さくなり、放射角度による反射波の振幅の差が小さい。更に、リフレクタの数を多くできることにより、レーダ反射体のRCSを大きくすることができる。
なお、隣り合う2つの三面体コーナリフレクタの間の距離が、基準距離Dにそれぞれ異なる素数を乗じた値であっても良い。
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2のレーダ反射体の基本構成の一例を示す図である。本実施の形態のレーダ反射体は、n個の三面体コーナリフレクタB0,B1,B2,・・・Bn−1を有する。図10は、実施の形態2の三面体コーナリフレクタの構成の一例を示す図である。ここでは、三面体コーナリフレクタA0とその内部の基準点E0と三面体コーナリフレクタB0とその内部の基準点F0とを示す。本実施の形態の三面体コーナリフレクタB0は、実施の形態1の三面体コーナリフレクタA0の開口部の三角形の3頂点H1,H2,H3からそれぞれ所定距離にある平面で切り、H1,H2,H3付近を除いた形状である。この図の三面体コーナリフレクタB0における点線は、元となる三面体コーナリフレクタA0形状を示す。三面体コーナリフレクタB0,B1,B2,・・・Bn−1の形状及びサイズは、同一である。
この図において、x軸、y軸、z軸の定義は、実施の形態1と同様である。三面体コーナリフレクタB0,B1,B2,・・・Bn−1において、最も開口面から遠い頂点をそれぞれ基準点F0,F1,F2,・・・Fn−1とする。
三面体コーナリフレクタB0を基準リフレクタとする。実施の形態1と同様、各三面体コーナリフレクタB0,B1,B2,・・・Bn−1の基準点x座標はそれぞれ、0,D1,D2,・・・Dn−1で表される。
実施の形態1と同様、本実施の形態のレーダ反射体の放射パターンは、放射角度による反射波の振幅の差が小さい。
(実施の形態3)
本実施の形態のレーダ反射体の基本構成は、実施の形態2のレーダ反射体の構成と同様であるが、各三面体コーナリフレクタの基準点x座標の決定方法が異なる。
本実施の形態において、各三面体コーナリフレクタの基準点x座標は、乱数により決定される。
図11は、実施の形態3のレーダ反射体の放射パターンの一例を示す図である。この図において、横軸は、レーダ反射体からの反射波の放射角度を示し、縦軸は、その反射波の振幅の相対レベルを示す。この図は、本実施の形態の基本構成と基準点x座標の決定方法とに従って7個の三面体コーナリフレクタが設けられたレーダ反射体のシミュレーション結果である。ここで、各三面体コーナリフレクタ距離は、0より大きく30λ以下の範囲の一様乱数により決定される。上述の2個の点リフレクタを有するレーダ反射体の放射パターンと比較すると、実施の形態3のレーダ反射体の放射パターンは、振幅の低下が小さくなり、放射角度による振幅値の差が小さい。基準点x座標の決定方法において、一様乱数の代わりに、正規乱数、指数乱数等を用いても良い。
(実施の形態4)
本実施の形態において、各三面体コーナリフレクタの基準点x座標は、実施の形態2と同様に決定され、各三面体コーナリフレクタのサイズは、隣り合う三面体コーナリフレクタとの距離に基づいて決定される。
図12は、実施の形態4のレーダ反射体の基本構成の一例を示す図である。本実施の形態のレーダ反射体は、n個の三面体コーナリフレクタC0,C1,C2,・・・Cn−1を有する。本実施の形態の三面体コーナリフレクタの形状は、実施の形態2と同様の三面体コーナリフレクタである。各三面体コーナリフレクタのサイズは、隣り合う三面体コーナリフレクタと重ならない最大のサイズになるよう決定される。三面体コーナリフレクタC0,C1,C2,・・・Cn−1において、最も開口面から遠い頂点をそれぞれ基準点G0,G1,G2,・・・Gn−1とする。
実施の形態2と比較すると、本実施の形態は、三面体コーナリフレクタのサイズを大きくすることができ、RCSを大きくすることができる。
なお、各三面体コーナリフレクタの開口面が同一平面上に配置され、隣り合う三面体コーナリフレクタの開口が接するように、各三面体コーナリフレクタの位置及びサイズが決定されても良い。
なお、上述した各実施の形態を組み合わせても良い。
上述した各実施の形態によれば、レーダ反射体が三面体コーナリフレクタを有することでRCSを拡大することができ、且つ、角度による反射強度の差を小さくすることができる。
上述した各実施の形態のレーダ反射体が、たとえば車などと比べてRCSが低いターゲット(歩行者やバイクなど)に取り付けられることにより、レーダによる検知が容易になる。
上述した各実施の形態において、三角形を使用した三面体コーナリフレクタの代わりに、平面、円筒形、球面、二面、各面が四角形である三面体、各面が四分円形である三面体等を用いても良い。
本発明の反射装置は、上述の電磁波だけでなく、光、音波等の波動を反射する反射装置に適用することができる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
以上の実施の形態1〜4に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
到来波を反射する反射装置であって、
n(nは3以上の整数)個のリフレクタを備え、
前記n個のリフレクタのそれぞれに対してリフレクタの位置に関する所定の基準点が設けられ、且つn個の前記基準点の配置が直線上であり、且つn個の前記基準点の間隔が素数又は乱数に基づいた値である
反射装置。
(付記2)
前記n個のリフレクタのうち特定リフレクタの基準点は、所定位置に設けられ、
前記所定位置と前記特定リフレクタ以外のリフレクタの基準点との距離のそれぞれは、前記所定距離とそれぞれ異なる素数とを乗じた値である、
付記1に記載の反射装置。
(付記3)
互いに隣接する前記リフレクタ間の距離のそれぞれは、所定距離とそれぞれ異なる素数とを乗じた値である、
付記1に記載の反射装置。
(付記4)
前記n個のリフレクタの基準点の位置のそれぞれは、n個の乱数値のそれぞれに対応する、
付記1に記載の反射装置。
(付記5)
前記リフレクタの大きさは、互いに隣接する前記リフレクタ同士が重ならない大きさである、
付記1に記載の反射装置。
(付記6)
全ての前記リフレクタは、コーナリフレクタである、
付記1に記載の反射装置。
(付記7)
全ての前記リフレクタは、互いに相似形である、
付記1に記載の反射装置。
(付記8)
全ての前記リフレクタは、三面体である、
付記7に記載の反射装置。
(付記9)
全ての前記リフレクタは、三角錐における4面のうち1面を除いた三面体である、
付記8に記載の反射装置。
(付記10)
全ての前記リフレクタは、三角錐における4面のうち1面を除いた三面体の3箇所を平面で切り取った三面体である、
付記8に記載の反射装置。
(付記11)
全ての前記リフレクタの形状と大きさは、同一である、
付記1に記載の反射装置。
A0,A1,A2,B0,B1,B2,C0,C1,C2 三面体コーナリフレクタ
E0,E1,E2,F0,F1,F2,G0,G1,G2 基準点

Claims (5)

  1. 到来波を反射する反射装置であって、
    n(nは3以上の整数)個のリフレクタを備え、
    前記n個のリフレクタのそれぞれに対してリフレクタの位置に関する所定の基準点が設けられ、且つn個の前記基準点の配置が直線上であり、且つn個の前記基準点の間隔が素数又は乱数に基づいた値である
    反射装置。
  2. 前記n個のリフレクタのうち特定リフレクタの基準点は、所定位置に設けられ、
    前記所定位置と前記特定リフレクタ以外のリフレクタの基準点との距離のそれぞれは、前記所定距離とそれぞれ異なる素数とを乗じた値である、
    請求項1に記載の反射装置。
  3. 互いに隣接する前記リフレクタ間の距離のそれぞれは、所定距離とそれぞれ異なる素数とを乗じた値である、
    請求項1に記載の反射装置。
  4. 前記n個のリフレクタの基準点の位置のそれぞれは、n個の乱数値のそれぞれに対応する、
    請求項1に記載の反射装置。
  5. 前記リフレクタの大きさは、互いに隣接する前記リフレクタ同士が重ならない大きさである、
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の反射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9620862B2 (en) 2012-07-31 2017-04-11 Ntt Docomo, Inc. Reflectarray
CN110794375A (zh) * 2019-12-02 2020-02-14 湖北航天飞行器研究所 一种新型雷达散射截面增强装置
WO2024201922A1 (ja) * 2023-03-30 2024-10-03 本田技研工業株式会社 リフレクタ構造及び鞍乗型車両

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