JP2010181074A - 誘導装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】至近距離で目標機を検出可能とし、弾頭起爆を可能にする誘導装置を提供する。
【解決手段】飛しょう体に搭載され、目標を追跡して飛しょう体を目標に誘導する誘導装置であって、目標に向けて電波を送信し、目標からの反射波を受信するアンテナユニット8と、電波のビームを第1の角度と第1の角度より広角の第2の角度とで選択的に形成するアンテナ制御器20と、電波を第1の送信間隔で送信する第1の送信と、電波を第1の送信間隔より短い第2の送信間隔で送信する第2の送信とを選択的に行う励振受信器9と、受信された反射波をもとに目標との相対距離を検出する距離検出器13と、初期状態で、第1の角度のビーム及び第1の送信間隔で電波を送信させ、相対距離が所定の距離より小さくなった時点で第2の角度のビーム及び第2の送信間隔に切り換える切換制御器15とを備える。
【選択図】図2

Description

この発明は、飛しょう体に搭載され、自ら電波を送信して目標を追跡する誘導装置に関する。
従来の誘導装置においては、航空機等の目標機を遠方で検出できるように電波送信期間が長く設定されているため、至近距離では送信期間中となり、目標機を検出、追跡することができなかった。このため、弾頭等を起爆させるためには、至近距離で目標を検出できる専用の検出装置(近接信管)が必要であった。誘導装置は、前方方向にビームを形成するため、飛しょう体の先端部に搭載され、近接信管は、至近距離で目標機とのすれ違う際に目標機を検出するために、誘導装置の後方に搭載され、飛しょう体の横方向に目標機検出のためのビームを形成して目標の検出を行っている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
特開平11−94939公報 特開2008−45861公報
ところが、近年、目標機の高速化が進み、目標検出の遅れが課題となっている。このため、ビームの前傾化と、飛しょう体の小型軽量化が望まれている。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、至近距離で目標機を検出可能とし、弾頭起爆を可能にする誘導装置を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明に係る誘導装置は、飛しょう体に搭載され、目標を追跡して前記飛しょう体を前記目標に誘導する誘導装置であって、前記目標に向けて電波を送信し、前記目標からの反射波を受信するアンテナユニットと、前記電波のビームを第1の角度と前記第1の角度より広角の第2の角度とで選択的に形成するビーム形成手段と、前記電波を第1の送信間隔で送信する第1の送信と、前記電波を前記第1の送信間隔より短い第2の送信間隔で送信する第2の送信とを選択的に行う送信手段と、前記受信された反射波をもとに前記目標との相対距離を検出する検出手段と、初期状態で、前記第1の角度のビーム及び前記第1の送信間隔で電波を送信させ、前記相対距離が所定の距離より小さくなった時点で前記第2の角度のビーム及び前記第2の送信間隔に切り換える切換手段とを具備する。
したがってこの発明によれば、至近距離で目標機を検出可能とし、弾頭起爆を可能にする誘導装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る誘導装置を搭載した飛しょう体の構成を示す図である。
1は目標機、2は目標機1に向かって飛しょうする飛しょう体である。飛しょう体2は、誘導装置3、発火装置4、弾頭5、推進装置6及び操舵装置7を備える。誘導装置3は目標機1を検出して、飛しょう体2が目標機1に向かって飛しょうするための操舵信号を操舵装置7に出力する。さらに、誘導装置3は目標機1の至近距離において、弾頭5を起爆させるための起爆信号を発火装置4に出力する。
図2は、本実施形態における誘導装置3の機能ブロック図である。
誘導装置3は、アンテナユニット8、励振受信器9、目標検出器10、角度検出器11、操舵信号生成器12、距離検出器13、会合予測器14、切換制御器15、起爆信号生成器16、及び目標方向演算器17を備える。また、アンテナユニット8は、n個のアンテナ素子#1〜#nと、アンテナ素子毎に接続された送受信モジュール18と、全ての送受信モジュール18とそれぞれ接続される高周波信号分配合成器19と、アンテナ制御装置20とを備える。
次に、このように構成された誘導装置3の動作について説明する。図3は、この誘導装置3の処理手順を示すフローチャートである。
励振受信器9は、目標機1が遠方にいる場合、所定のパルス幅の高周波信号を生成しアンテナユニット8へ出力する。アンテナユニット8から目標機1に向けて放射された電波は、目標機1に反射して再びアンテナユニット8に戻ってくる。この反射波は、アンテナユニット8で受信された後、全ての送受信モジュール18からの出力が高周波信号分配合成器19において合成され、Σ系として出力される(ステップS1a)。このΣ系出力は、励振受信器9を経て目標検出判定器10にて検出判定を実施し(ステップS2a)、目標が検出された場合は距離検出器13に出力される(ステップS3a)。距離検出器13では、反射波の受信タイミング(送信波からの遅延時間等)から目標機1との相対距離を検出する(ステップS4a)。
一方、送受信モジュール18のうちアンテナ面の上下、または左右の電力差を出力するΔ系出力は、目標検出判定器10を経た後、角度検出器11に出力される。角度検出器11では、目標機1の方向とビーム中心方向との角度差を検出し、操舵信号生成器12に出力する(ステップS5a)。操舵信号生成器12は角度差の信号をもとに操舵指令信号を生成し(ステップS6a)、操舵装置7に出力する(ステップS7a)。また、角度検出器11から角度差の信号が目標方向演算器17に出力され、目標方向演算器17は目標方向の算出と目標方向にビームを形成するための送受信モジュール18に設定するための移相量の計算を実施する(ステップS8a)。この移相量データはアンテナ制御器20を経由して全送受信モジュール18に転送され(ステップS9a)、目標機1の方向を中心とするビームが形成される。
さらに、この誘導装置3では、後述するように、切換制御器15により、飛しょう体を目的機1に誘導するための誘導制御モードから至近距離で目的機1を検出するための近接起爆モードに切り換える処理が行われる(ステップS10a)。図4は、このモード切換動作を説明するための図であり、処理の詳細は後述する。
会合予測器14には、距離検出器13から目標機1との相対距離を表す信号と、角度検出器11から角度差を表す信号とが入力される。会合予測器14は、これらの情報をもとに、目標機1と飛しょう体2との最接近距離を推定する。この最接近距離に応じて、起爆信号生成器16は起爆信号生成処理を行う(ステップS11a)。
ここで、上記ステップS10aにおけるモード切換処理の詳細について、図5のフローチャートを参照して説明する。
図5のステップS1bにおいて、目標機1と飛しょう体2との相対距離が所定の距離以上と判定されている状態では、切換制御器15はモードの切換信号(誘導制御モードに設定)を出力する(ステップS1b)。切換制御器15は、励振受信器9に対して、パルス幅制御信号(パルス幅を通常にする指示)を出力して、送信する電波のパルス幅を通常の送信期間にする(ステップS4b)。これと同時に、アンテナ制御器10に対して、ビーム幅制御信号(ビーム幅通常)を出力して(ステップS5b)、全ての送受信モジュール18を有効にして電波の受信を行う。
一方、距離検出器13において、目標機1と飛しょう体2との相対距離が所定の距離より小さくなった段階で、切換制御器15にモードの切換信号(誘導制御モードから近接起爆モードへの変更)を出力する(ステップS1b)。図4に示すように、切換制御器15は、まず励振受信器9に対して、パルス幅制御信号(パルス幅短縮指示)を出力して、送信する電波のパルス幅を短縮する(ステップS2b)。これと同時に、アンテナ制御器10に対して、ビーム幅制御信号(ビーム幅広角指示)を出力する(ステップS3b)。アンテナ制御器10はこのビーム幅制御信号を受けて、アンテナ面中央の送受信モジュール18のみを有効にして、他の送受信モジュール18の電源を切るなどして電波受信を無効とすることにより、形成されるビーム幅を広角度に変更する。この切換機能により、電波送信期間のために目標機1から反射される電波の受信ができなくなる期間を短縮して、至近距離での目標検出を可能とし、さらに、ビーム幅を広角度にすることで、接近して拡大する目標機1全体を覆えるようにする。
図5は、上記ステップS11aにおける起爆信号生成処理の手順を示すフローチャートである。
近接起爆モードとなった後、会合予測器14は、目標機1と飛しょう体2とが最接近する時刻(会合時間)を予測し(ステップS1c)、この会合時間が発火装置4の起爆遅延時間と弾頭5の破片が飛散する時間を考慮した時刻に達した段階で(ステップS2c)、目標機1と飛しょう体2との最接近距離が所定の値(直撃距離)以上になると判定(非直撃判定)された場合に(ステップS3c)、起爆信号生成器16に起爆指令を出力する。起爆信号生成器16は、起爆タイマ(図示せず)により会合時刻までのカウントダウンを開始し(ステップS4c)、起爆タイマがゼロになると(ステップS5c)、発火装置4に対して発火信号を出力する(ステップS6c)。この機能により、目標機1と飛しょう体2が直撃しない場合にのみ、発火信号を出力して近接信管機能の役割を果たすことができ、誘導装置としての機能と近接信管としての機能を兼備できるようになる。なお、発火装置4と弾頭5を通常弾頭、指向性弾頭、リサリティーエンハンサ等の各形態にした場合の起爆遅延時間を設定することで、各種弾頭に適用可能となる。
以上述べたように、上記実施形態によれば、飛しょう体の先端に位置して前方にビームを形成する誘導装置において、至近距離で目標機を検出することが可能となるため、ビーム前傾化の課題が解決できるとともに、近接信管の機能を具備することにより近接信管の搭載を不要とすることができ、飛しょう体の小型軽量化及び低価格化の実現できる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本発明の一実施形態に係る誘導装置を搭載した飛しょう体の構成を示す図。 本実施形態に係る誘導装置の機能ブロック図。 本実施形態に係る誘導装置の目標検出処理の手順を示すフローチャート。 本実施形態に係る誘導装置のモード切換動作を説明するための図。 本実施形態に係る誘導装置のモード切換処理の手順を示すフローチャート。 本実施形態に係る誘導装置の起爆信号生成処理の手順を示すフローチャート。
1…目標機、2…飛しょう体、3…誘導装置、4…発火装置、5…弾頭、6…推進装置、7…操舵装置、8…アンテナユニット、9…励振受信器、10…目標検出器、11…角度検出器、12…操舵信号生成器、13…距離検出器、14…会合予測器、15…切換制御器、16起爆信号生成器、17…目標方向演算器、#1〜#n…アンテナ素子、18…送受信モジュール、19…高周波信号分配合成器、20…アンテナ制御装置。

Claims (3)

  1. 飛しょう体に搭載され、目標を追跡して前記飛しょう体を前記目標に誘導する誘導装置であって、
    前記目標に向けて電波を送信し、前記目標からの反射波を受信するアンテナユニットと、
    前記電波のビームを第1の角度と前記第1の角度より広角の第2の角度とで選択的に形成するビーム形成手段と、
    前記電波を第1の送信間隔で送信する第1の送信と、前記電波を前記第1の送信間隔より短い第2の送信間隔で送信する第2の送信とを選択的に行う送信手段と、
    前記受信された反射波をもとに前記目標との相対距離を検出する検出手段と、
    初期状態で、前記第1の角度のビーム及び前記第1の送信間隔で電波を送信させ、前記相対距離が所定の距離より小さくなった時点で前記第2の角度のビーム及び前記第2の送信間隔に切り換える切換手段と
    を具備することを特徴とする誘導装置。
  2. 前記アンテナユニットは、複数のアンテナ素子と、前記複数のアンテナ素子毎に設けられる送受信モジュールとを備え、
    前記ビーム形成手段は、前記第1の角度のビーム形成時はアンテナ面全ての送受信モジュールを有効にし、前記第2の角度のビーム形成時はアンテナ面中央部の送受信モジュールのみを有効にすることを特徴とする請求項1記載の誘導装置。
  3. 前記飛しょう体と前記目標機との会合を予測する会合予測手段と、
    前記会合予測手段により前記飛しょう体が前記目標機に直撃しないと予測された場合に、弾頭起爆信号を生成する起爆信号生成手段と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の誘導装置。
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